JP2005013844A - スカム浮上分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】含油廃水処理システムにおける凝集反応により生成させた浮遊性フロック集合塊(スカム)を含有するスカム含有スラリーを、実質的にスカム(ゴム状弾性を有するゼリー状固体)と清澄水とに連続的に浮上分離(固液分離)をするのに好適なスカム浮上分離装置を提供すること。
【解決手段】凝集反応工程を含む含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離をするためのスカム浮上分離装置であって、スカム含有スラリーが投入される分離槽42と、分離槽42の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入する上下開口筒体のスラリー導入室44と、スラリー導入室44より低い位置に配される清澄水導出口54と接続される清澄水排出を溢流排出する連通管56と、スラリー導入室44より高い位置に配されて浮上させたスカムを掻き揚げ回収する集スカムレーキ72とを備えている。そして、連通管56の溢流口56aは、分離槽水面高さW.Lを規制する位置にあり、連通管28からの清澄水が清澄水排出室58に溢流される。
【選択図】図1
【解決手段】凝集反応工程を含む含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離をするためのスカム浮上分離装置であって、スカム含有スラリーが投入される分離槽42と、分離槽42の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入する上下開口筒体のスラリー導入室44と、スラリー導入室44より低い位置に配される清澄水導出口54と接続される清澄水排出を溢流排出する連通管56と、スラリー導入室44より高い位置に配されて浮上させたスカムを掻き揚げ回収する集スカムレーキ72とを備えている。そして、連通管56の溢流口56aは、分離槽水面高さW.Lを規制する位置にあり、連通管28からの清澄水が清澄水排出室58に溢流される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、凝集工程を含む含油廃水処理システムにおけるスカム浮上分離装置に関し、更に詳しくは、凝集反応(特にイオン性高分子凝集剤を用いて)により生成させたスカム(フロック集合塊)を含有するスカム含有スラリーを連続的に浮上分離をするのに好適な発明である。
【0002】
【背景技術】
本発明は、含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離(固液分離)をして高濃度のスカムを得るのに好適で新規なスカム浮上分離装置である。本発明者らが知る限りにおいては、そのようなスカム浮上分離装置は公知ではない。
【0003】
なお、凝集反応(装置)を利用した含油廃水処理システムの先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1(第1柱21行〜第2柱13行及び第2図)がある。当該システムは、含油廃水を、急速攪拌槽(2)で無機凝集剤によりエマルジョンブレーク後、緩速攪拌槽(24)で有機凝集剤によりフロックの粗大化を行ない、該粗大化(成長)フロックを浮上分離槽(25)で空気泡を付着させることにより浮上させて固液分離(スカム分離)を行ない、スカムの水分を濃縮機(29)で落として焼却するものである。
【0004】
また、装置は明示されていないが凝集反応を利用した含油廃水の処理方法としては、特許文献2等が存在する。
【0005】
【特許文献1】特公平4−10397号公報
【特許文献2】特開昭60−202787号公報
【0006】
【発明の開示】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、含油廃水処理システムにおける凝集反応により生成させた浮遊性フロック集合塊(スカム)を含有するスカム含有スラリーを、実質的にスカム(ゴム状弾性を有するゼリー状固体)と清澄液とに連続的に浮上分離(固液分離)をするのに好適なスカム浮上分離装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のスカム浮上分離装置は、下記のような構成を備えたものである。
【0009】
凝集反応工程を含む含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離をするためのスカム浮上分離装置であって、
スカム含有スラリーを投入する分離槽と、
該分離槽の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入するスラリー導入配管が接続された上下開口筒体のスラリー導入室と、
該スラリー導入室の上開口高さより低い位置に配される清澄水導出口と接続される清澄水排出手段と、
スラリー導入室の上開口高さより高い位置に配されて浮上させたスカムを掻き集め回収するスカム回収手段とを備え、また、
清澄水排出手段は、一端が前記清澄水導出口に接続され他端開口(溢流口)の高さが分離槽の水面高さを規制する位置にある連通管と、該連通管の溢流水を受ける清澄水排出室とを備え、ことを特徴とする。
【0010】
筒体のスラリー導入室に側壁からスラリーを導入することにより、導入スラリーはその浮遊成分(スカム)が、主として上方へガイドされてスラリー導入室の上開口から放射状に広がって水面上に浮上する。沈降成分(スラッジ)は主として下方へガイドされてスラリー導入室の下開口から放射状に広がって下方に沈降する。
【0011】
ここで、スラリー導入室を経てスラリーが分散されるため、浮上・沈降成分の浮上・沈降のスラリー導入流による撹乱が発生し難く、浮上分離ないし沈降分離も促進される。
【0012】
同様にして、清澄水排出手段が分離槽の中間から連通管を介して分離槽の外側に配された清澄水排出室に溢流されるため、分離槽内の沈降・浮上成分の清澄水導出流による沈降・浮上の撹乱が発生し難く、浮上分離ないし沈降分離も促進される。
【0013】
なお、清澄水導出口がスラリー導入室の上開口高さより高いと、浮き成分(スカム)が清澄水導出流に吸い込まれるおそれがある。
【0014】
上記構成において、スカム回収手段は、1個又は複数個の集スカムレーキと、掻き集められたスカムを受ける回収ホッパとを備え、該回収ホッパは、集スカムレーキの掻き集め方向に対向する側開口壁の手前に部分水没可能な傾斜掻き集めステージを備えているものとすることが望ましい。掻き集めステージを備えることにより、レーキによる掻き集めが容易・確実となる。
【0015】
上記構成において、スカム回収手段が、更に回収ホッパの底部側に排出スクリューコンベアを備えていることが望ましい。スクリューコンベアで次工程のスカム破砕化工程(スカム破砕装置)の破砕槽に円滑に自重落下させて投入することができる。シュートを使って自重落下させる方式では、スカムがブリッジを形成し次工程への排出がスムーズに行えないおそれがある。
【0016】
掻き集められたフロック集合塊は、通常の液送ポンプでは次工程のスカム破砕装置の破砕槽への移送が困難であることを本発明者らは知見した。掻き集め時に、フロック集合塊が相互に密着して、導入スラリーに含まれていた状態より大きく成長してスラリー移送配管の内径より大きくなるため、通常の液送ポンプでは移送困難であると推定される。
【0017】
集スカムレーキは、剛性材からなるストリップ状のブレードと、該ブレードをを掻き集め面に対し付勢させて保持する支持部材とからなるものとすることが望ましい。ブレードが剛性材でないと、すなわち、ゴム等の弾性材で形成されているとブレードがステージの傾斜面を移動するとき、ブレード先端が逃げてスカムの掻き集め効率が悪いことを本発明者らは知見した。
【0018】
上記構成において、ブレードの付勢は、コイルばね等を用いてもよいが、通常、支持部材とブレードとをゴム板や板ばね等の板状弾性部材を介して支持する構造とする。構造が簡単となるためである。
【0019】
さらに、ブレードの刃先(レーキ)形状は、切欠部と平坦部とを交互に形成した波形とすることが望ましい。その切欠部は清澄水の水切り効果があり、平坦部がスカムのみをスカム回収手段の回収ホッパーに落と込むことができるものでスカム掻き集め効率が良好であることを本発明者らは確認している。
【0020】
上記各構成において、通常、前記分離槽が円筒形で、ブレードが分離槽の中心部に配された回転軸に放射方向に配された支持部材に取付けられていることが望ましい。分離槽を矩形平面の箱型としてブレードをエンドレスベルトで長手方向に移動させながら行ってもよい。掻き集め手段の構成が、エンドレスベルト方式に比して、簡単となる。
【0021】
本発明においては、清澄水排出手段における連通管の他端開口に、摺動管を上下位置調節可能に取付けて、貯槽の水位調節可能とすることが望ましい。処理量が変動したときの対応が容易となる。
【0022】
上記各構成において、分離槽の底部に、更にスラッジ回収手段を備えた構成とすることが望ましい。含油廃水中に、すなわちスラリー中に沈降成分(スラッジ)が含まれていても対応可能になる。
【0023】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施する望ましい形態について図1の含油廃水の処理システム(プラント)のフロー図(流図)に適用する場合について説明をする。
【0024】
ここで含油廃水としては、本実施形態では、印刷機や機械油を拭き取った工業用ウェスの洗濯廃水を例に採り説明するが、他の含油廃水でも同様である。
【0025】
含油廃水の処理システムは、基本的には、原水前処理工程(原水前処理装置)I、凝集反応工程(凝集反応装置)II、スカム浮上分離工程(スカム浮上分離装置)III、およびスカム破砕化工程(スカム破砕装置)IVとからなる。
【0026】
本発明の実施形態に係る浮上分離装置については、後述するので、他の各装置について、概略を説明する。
【0027】
原水前処理装置Iは、洗濯廃水が投入される流入槽12と、該流入槽12に投入された廃水がスクリーン(ゴミ・異物除去金網)14を備えた廃水移送配管16を介して投入される原水槽(被処理水貯槽)18とからなる。なお、流入槽12及び原水槽18は、それぞれ、原水槽18及び凝集反応装置IIへ廃水及び原水を移送するための各移送ポンプを備えている。
【0028】
凝集反応装置IIは、原水に凝集剤を添加して凝集反応によりフロックを成長させフロック集合塊(スカム)を生成させるものである。基本的には、予備凝集反応槽20、本凝集反応槽22及び後凝集反応槽(最終段凝集反応槽)24とを備え、更に、各槽20、22、24へイオン性高分子凝集剤を供給する凝集剤槽26を備えている。また、各凝集反応槽20、22、24は、凝集反応を促進させるために、プロペラ型の羽根を多段に備えた攪拌機27を備えている。各凝集反応槽20、22、24間は、接続口が順次低く形成され、ヘッド差により各槽20、22、24間を液移送可能とされている。後凝集反応槽24には、浮上分離装置IIIへ、溢流室28を介してヘッド差(自重落下)によりスカム含有スラリーを移送可能となっている。
【0029】
また、スカム破砕装置IVは、破砕装置に移送されてきたスカムを破砕して、後工程のスカム脱水・乾燥工程へのスカム移送を容易とするものである。スカム破砕装置IVは、破砕槽30と、破砕槽30に組みつけられる攪拌機32とを備えたもので、該攪拌機32は、攪拌軸(駆動軸又は回転軸)34に上方に攪拌羽根(混合羽根)36を下方に破砕羽根(上下に交互に突出する破砕歯を周囲に備えたもの)38を備えたものである。そして、破砕槽30の底部側側面には、流動化後のスカムを脱水・乾燥工程へ搬送する容積型ポンプ(たとえば、ルーツ式)を備えた第二スカム移送配管40が接続されている。
【0030】
次に、スカム浮上分離装置IIIの詳細について、下記に説明をする(主として図2〜7参照)。
【0031】
スカム浮上分離装置IIIは、凝集反応により生成させたスカム含有スラリーを浮上分離により、実質的にスカムと清澄水とに分離するためのものである。
【0032】
基本的には、▲1▼分離槽42、▲2▼スラリー導入室44、▲3▼清澄水排出手段46及び▲4▼スカム回収手段48を、更に、▲5▼スラッジ回収手段50を備えている。
【0033】
▲1▼分離槽42は、スカム含有スラリーが投入されるものであって、図例では円筒形とされている。円筒形に限らず、水平断面形状、正多角、矩形の筒形状であってもよい。分離槽42の大きさは、最大廃水処理量60〜80m3/hのとき、例えば、高さ400〜500cm、内径350〜400cmとする。
【0034】
▲2▼スラリー導入室44は、分離槽42の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入するスラリー導入配管52が接続された上下開口筒体である。ここで、スラリー導入室44を形成する筒体は、図例では円筒体であるが、(正)角筒体でもよい。その大きさは、前記最大廃水処理量の場合、例えば、本体高さ15〜20cm、内径10〜15cmとする。配設位置は、運転時設定水面高さW.Lの下30cm前後とする。また、スラリー導入配管52の結合位置は、円筒体(スラリー導入室44)の略中央高さであればよい。また、スラリー導入配管52の先端は、本実施形態では浮上分離を目的とするため、若干上方へ傾斜している。傾斜角度は水平面に対して15〜45°とする。
【0035】
▲3▼清澄水排出手段は、スラリー導入室44の上開口より低い位置に配される清澄水導出口54と接続されるものであり、一端が清澄水導出口54に接続され他端開口(溢流口)57の高さが分離槽水面高さW.Lを規制する位置にある連通管56と、該連通管56の溢流水を受ける清澄水排出室58とを備えている。清澄水排出室58は、清澄水排出配管60により二次処理工程(二次処理装置)へ移送される。
【0036】
そして、本実施形態では、連通管56の他端開口に、摺動管62を上下位置調節可能に取付けて溢流口57の高さを移動可能として、分離槽42の水位調節可能としてある。具体的には、摺動管62は、清澄水排出室58の上端開口に配された梁部材64に保持された高さ調節ハンドル66の移動用ねじ68の下端にブラケット70を介して取付けられている(図4参照)。
【0037】
スカム回収手段48は、スラリー導入室44の上開口より高い位置、すなわち、上方に配されて浮上させたスカムを掻き集め回収するものであって、複数個(図例では8個)の集スカムレーキ72と、掻き集められたスカムを受ける回収ホッパ74とを備えている。回収ホッパ74は、集スカムレーキ72の掻き集め方向に対向する側開口壁の手前に部分水没可能な傾斜掻き集めステージ76を備えている。本実施形態では更に、回収ホッパ74の底部側に排出スクリューコンベア77を備えている。なお、排出スクリューコンベア77の排出口77bは、自重落下により破砕装置へ移送可能に第1スカム移送配管78を介して破砕装置IVの破砕槽30と接続されている。
【0038】
回収ホッパ74の位置は、スラリー導入配管52の取付け位置と対向する位置(図例では、同一直径上)にあるが、特に限定されるものではなく、どの位置であってもよい。
【0039】
また、回収ホッパ74の開口部には集スカムレーキ72が掻き集め終了後、回収ホッパ74開口面を円滑に移動するように、集スカムレーキ72の移動方向に沿って下降防止棒82を配することが望ましい。
【0040】
集スカムレーキ72は、剛性材からなるストリップ状のブレード79と、該ブレード79を掻き集め面に対向する方向に付勢させて保持する支持部材80とからなる。具体的には、支持部材80とブレード79とが板状弾性部材81(例えばゴム板;板ばねでもよい。)を介して支持されている。
【0041】
そして、ブレード79の刃先は、切欠部79aと平坦部79bとを交互に形成した形状である。具体的には、切欠部79aの形状は、図例では、三角形であるが、半円状、台形状、矩形状を問わない。切欠部79aと平坦部79bの比率(A:B)は、1:5〜1:10、望ましくは、1:6〜1:8とする。なお、ブレード79は、取付けが容易なようにアングル断面を備えている(図6参照)。
【0042】
なお、上記集スカムレーキ72の配設本数は6〜8本、ブレード79の大きさは、例えば、高さ6.5〜8.5cm、切欠部79aの幅1〜2cm、平坦部79bの幅12〜18cmが望ましい。
【0043】
また、掻き集めステージ76の傾斜角度は、例えば、α:6〜7°が望ましい。掻き集めステージ76の大きさは、図3に示すγを30〜40°とする。掻き集めステージ76は、周方向で湾曲断面としてもよい。
【0044】
なお、支持部材80とブレード79は脱着可能としておき、適宜、含油廃水の特性に応じて、ブレード79の数を変更してもよい。
【0045】
本実施形態における、スラッジ回収手段50は、分離槽42の底板に沈降してきたスラッジを掻き取り回収するもので、中央に下方に突出させて形成されたスラッジ回収室84と該スラッジ回収室84内にスラッジを掻き落とす集スラッジレーキ86とからなる。集スラッジレーキ86は、水平回転棒(支持部材)88の下面に所定角度で斜交して取付けられた複数枚の掻き寄せ刃90からなる。このとき、掻き寄せ刃90の傾斜角度βは、約120〜150°(図例では約135°)とし、支持部材80への取付けピッチPは、約250〜300mmとする。
【0046】
ここで、スラッジ回収室84は、スラッジ移送ポンプを備えた第1スラッジ移送配管92を介して破砕槽30と接続されている。なお、スラッジは破砕装置IVに移送せずに、別系統で処理するようにしてもよい。
【0047】
なお、集スカムレーキ72も集スラッジレーキ86も同一原動機の出力軸に連結された回転軸94に取付けられているが、別原動機で駆動するようにしてもよい。そして、回転軸の下端には、スラッジ回収ボックス内のスラッジ排出を円滑に行うため、攪拌パドル96が取付けられている。なお、スラッジ回収のためには、分離槽42の底板をスラッジ回収室84に向かって傾斜させてもよく、その場合は、当然、集スラッジレーキも対応させて外側上方へ向かって傾斜させる。
【0048】
次に、上記浮上分離装置IIIの使用態様について説明をする。
【0049】
まず、凝集反応装置から差圧(自重落下)を利用してスラリー導入配管52からスラリー導入室44へスカム含有スラリーが導入されてくる。すると、スラリー導入室44内に導入され浮遊性成分であるスカムが浮上かつ分離槽42の内周方向に分散して水面にスカム層を形成する。他方、沈降性成分であるスラッジは沈降かつ分離槽42の内周方向に分散して底板上にスラッジ層を形成する。このとき、原動機により駆動される回転軸94により、集スカム・集スラッジレーキ72、86は回転している。このときの各レーキ72、86の回転速度は、処理廃水の特性により異なるが、例えば、回転速度は0.4〜0.6min−1(周速(外周)では4.6〜7.0m/min)とする。
【0050】
そして、本実施形態のスカム浮上分離装置IIIで、下記スカム含有スラリーを浮上分離させて、回収したスカムの大きさは、平面大きさは100〜200mmで、回収スカムのスカム/液比(質量比)=80/20〜90/10であり、スカムが成長して大きくなるが、分離効率は良好であることを確認した。
【0051】
スカム含有スラリーは、洗濯廃水(油分濃度4000〜8000ppm)の洗濯廃水(原水)を、カチオン系高分子凝集剤を使用して処理量40m3/hの条件で凝集処理して得たものである(スカム/液比(容量比)=2/98〜5/95、スカム平面大きさ:20〜30mm、スカム比重:0.8〜0.9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上分離装置を適用する廃水処理システムの一例を示すフローシートである。
【図2】本発明のスカム浮上分離装置の一実施形態を示すモデル平面図である。
【図3】図2における3−3線矢視図である。
【図4】同じく4部位の詳細概略断面図である。
【図5】同じくスカム回収手段の詳細を示す概念断面図である。
【図6】同じくスカム回収手段の集スカムレーキの詳細図である。
【図7】図2における7−7線矢視図である。
【符号の説明】
42 分離槽
44 スラリー導入室
46 清澄水排出手段
48 スカム回収手段
50 スラッジ回収手段
54 清澄水導出口
56 連通管
57 溢流口
58 清澄水排出室
62 摺動管
I 原水前処理装置
II 凝集反応装置
III スカム浮上分離装置(固液分離装置)
IV スカム破砕装置
【技術分野】
本発明は、凝集工程を含む含油廃水処理システムにおけるスカム浮上分離装置に関し、更に詳しくは、凝集反応(特にイオン性高分子凝集剤を用いて)により生成させたスカム(フロック集合塊)を含有するスカム含有スラリーを連続的に浮上分離をするのに好適な発明である。
【0002】
【背景技術】
本発明は、含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離(固液分離)をして高濃度のスカムを得るのに好適で新規なスカム浮上分離装置である。本発明者らが知る限りにおいては、そのようなスカム浮上分離装置は公知ではない。
【0003】
なお、凝集反応(装置)を利用した含油廃水処理システムの先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1(第1柱21行〜第2柱13行及び第2図)がある。当該システムは、含油廃水を、急速攪拌槽(2)で無機凝集剤によりエマルジョンブレーク後、緩速攪拌槽(24)で有機凝集剤によりフロックの粗大化を行ない、該粗大化(成長)フロックを浮上分離槽(25)で空気泡を付着させることにより浮上させて固液分離(スカム分離)を行ない、スカムの水分を濃縮機(29)で落として焼却するものである。
【0004】
また、装置は明示されていないが凝集反応を利用した含油廃水の処理方法としては、特許文献2等が存在する。
【0005】
【特許文献1】特公平4−10397号公報
【特許文献2】特開昭60−202787号公報
【0006】
【発明の開示】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、含油廃水処理システムにおける凝集反応により生成させた浮遊性フロック集合塊(スカム)を含有するスカム含有スラリーを、実質的にスカム(ゴム状弾性を有するゼリー状固体)と清澄液とに連続的に浮上分離(固液分離)をするのに好適なスカム浮上分離装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のスカム浮上分離装置は、下記のような構成を備えたものである。
【0009】
凝集反応工程を含む含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーの浮上分離をするためのスカム浮上分離装置であって、
スカム含有スラリーを投入する分離槽と、
該分離槽の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入するスラリー導入配管が接続された上下開口筒体のスラリー導入室と、
該スラリー導入室の上開口高さより低い位置に配される清澄水導出口と接続される清澄水排出手段と、
スラリー導入室の上開口高さより高い位置に配されて浮上させたスカムを掻き集め回収するスカム回収手段とを備え、また、
清澄水排出手段は、一端が前記清澄水導出口に接続され他端開口(溢流口)の高さが分離槽の水面高さを規制する位置にある連通管と、該連通管の溢流水を受ける清澄水排出室とを備え、ことを特徴とする。
【0010】
筒体のスラリー導入室に側壁からスラリーを導入することにより、導入スラリーはその浮遊成分(スカム)が、主として上方へガイドされてスラリー導入室の上開口から放射状に広がって水面上に浮上する。沈降成分(スラッジ)は主として下方へガイドされてスラリー導入室の下開口から放射状に広がって下方に沈降する。
【0011】
ここで、スラリー導入室を経てスラリーが分散されるため、浮上・沈降成分の浮上・沈降のスラリー導入流による撹乱が発生し難く、浮上分離ないし沈降分離も促進される。
【0012】
同様にして、清澄水排出手段が分離槽の中間から連通管を介して分離槽の外側に配された清澄水排出室に溢流されるため、分離槽内の沈降・浮上成分の清澄水導出流による沈降・浮上の撹乱が発生し難く、浮上分離ないし沈降分離も促進される。
【0013】
なお、清澄水導出口がスラリー導入室の上開口高さより高いと、浮き成分(スカム)が清澄水導出流に吸い込まれるおそれがある。
【0014】
上記構成において、スカム回収手段は、1個又は複数個の集スカムレーキと、掻き集められたスカムを受ける回収ホッパとを備え、該回収ホッパは、集スカムレーキの掻き集め方向に対向する側開口壁の手前に部分水没可能な傾斜掻き集めステージを備えているものとすることが望ましい。掻き集めステージを備えることにより、レーキによる掻き集めが容易・確実となる。
【0015】
上記構成において、スカム回収手段が、更に回収ホッパの底部側に排出スクリューコンベアを備えていることが望ましい。スクリューコンベアで次工程のスカム破砕化工程(スカム破砕装置)の破砕槽に円滑に自重落下させて投入することができる。シュートを使って自重落下させる方式では、スカムがブリッジを形成し次工程への排出がスムーズに行えないおそれがある。
【0016】
掻き集められたフロック集合塊は、通常の液送ポンプでは次工程のスカム破砕装置の破砕槽への移送が困難であることを本発明者らは知見した。掻き集め時に、フロック集合塊が相互に密着して、導入スラリーに含まれていた状態より大きく成長してスラリー移送配管の内径より大きくなるため、通常の液送ポンプでは移送困難であると推定される。
【0017】
集スカムレーキは、剛性材からなるストリップ状のブレードと、該ブレードをを掻き集め面に対し付勢させて保持する支持部材とからなるものとすることが望ましい。ブレードが剛性材でないと、すなわち、ゴム等の弾性材で形成されているとブレードがステージの傾斜面を移動するとき、ブレード先端が逃げてスカムの掻き集め効率が悪いことを本発明者らは知見した。
【0018】
上記構成において、ブレードの付勢は、コイルばね等を用いてもよいが、通常、支持部材とブレードとをゴム板や板ばね等の板状弾性部材を介して支持する構造とする。構造が簡単となるためである。
【0019】
さらに、ブレードの刃先(レーキ)形状は、切欠部と平坦部とを交互に形成した波形とすることが望ましい。その切欠部は清澄水の水切り効果があり、平坦部がスカムのみをスカム回収手段の回収ホッパーに落と込むことができるものでスカム掻き集め効率が良好であることを本発明者らは確認している。
【0020】
上記各構成において、通常、前記分離槽が円筒形で、ブレードが分離槽の中心部に配された回転軸に放射方向に配された支持部材に取付けられていることが望ましい。分離槽を矩形平面の箱型としてブレードをエンドレスベルトで長手方向に移動させながら行ってもよい。掻き集め手段の構成が、エンドレスベルト方式に比して、簡単となる。
【0021】
本発明においては、清澄水排出手段における連通管の他端開口に、摺動管を上下位置調節可能に取付けて、貯槽の水位調節可能とすることが望ましい。処理量が変動したときの対応が容易となる。
【0022】
上記各構成において、分離槽の底部に、更にスラッジ回収手段を備えた構成とすることが望ましい。含油廃水中に、すなわちスラリー中に沈降成分(スラッジ)が含まれていても対応可能になる。
【0023】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施する望ましい形態について図1の含油廃水の処理システム(プラント)のフロー図(流図)に適用する場合について説明をする。
【0024】
ここで含油廃水としては、本実施形態では、印刷機や機械油を拭き取った工業用ウェスの洗濯廃水を例に採り説明するが、他の含油廃水でも同様である。
【0025】
含油廃水の処理システムは、基本的には、原水前処理工程(原水前処理装置)I、凝集反応工程(凝集反応装置)II、スカム浮上分離工程(スカム浮上分離装置)III、およびスカム破砕化工程(スカム破砕装置)IVとからなる。
【0026】
本発明の実施形態に係る浮上分離装置については、後述するので、他の各装置について、概略を説明する。
【0027】
原水前処理装置Iは、洗濯廃水が投入される流入槽12と、該流入槽12に投入された廃水がスクリーン(ゴミ・異物除去金網)14を備えた廃水移送配管16を介して投入される原水槽(被処理水貯槽)18とからなる。なお、流入槽12及び原水槽18は、それぞれ、原水槽18及び凝集反応装置IIへ廃水及び原水を移送するための各移送ポンプを備えている。
【0028】
凝集反応装置IIは、原水に凝集剤を添加して凝集反応によりフロックを成長させフロック集合塊(スカム)を生成させるものである。基本的には、予備凝集反応槽20、本凝集反応槽22及び後凝集反応槽(最終段凝集反応槽)24とを備え、更に、各槽20、22、24へイオン性高分子凝集剤を供給する凝集剤槽26を備えている。また、各凝集反応槽20、22、24は、凝集反応を促進させるために、プロペラ型の羽根を多段に備えた攪拌機27を備えている。各凝集反応槽20、22、24間は、接続口が順次低く形成され、ヘッド差により各槽20、22、24間を液移送可能とされている。後凝集反応槽24には、浮上分離装置IIIへ、溢流室28を介してヘッド差(自重落下)によりスカム含有スラリーを移送可能となっている。
【0029】
また、スカム破砕装置IVは、破砕装置に移送されてきたスカムを破砕して、後工程のスカム脱水・乾燥工程へのスカム移送を容易とするものである。スカム破砕装置IVは、破砕槽30と、破砕槽30に組みつけられる攪拌機32とを備えたもので、該攪拌機32は、攪拌軸(駆動軸又は回転軸)34に上方に攪拌羽根(混合羽根)36を下方に破砕羽根(上下に交互に突出する破砕歯を周囲に備えたもの)38を備えたものである。そして、破砕槽30の底部側側面には、流動化後のスカムを脱水・乾燥工程へ搬送する容積型ポンプ(たとえば、ルーツ式)を備えた第二スカム移送配管40が接続されている。
【0030】
次に、スカム浮上分離装置IIIの詳細について、下記に説明をする(主として図2〜7参照)。
【0031】
スカム浮上分離装置IIIは、凝集反応により生成させたスカム含有スラリーを浮上分離により、実質的にスカムと清澄水とに分離するためのものである。
【0032】
基本的には、▲1▼分離槽42、▲2▼スラリー導入室44、▲3▼清澄水排出手段46及び▲4▼スカム回収手段48を、更に、▲5▼スラッジ回収手段50を備えている。
【0033】
▲1▼分離槽42は、スカム含有スラリーが投入されるものであって、図例では円筒形とされている。円筒形に限らず、水平断面形状、正多角、矩形の筒形状であってもよい。分離槽42の大きさは、最大廃水処理量60〜80m3/hのとき、例えば、高さ400〜500cm、内径350〜400cmとする。
【0034】
▲2▼スラリー導入室44は、分離槽42の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入するスラリー導入配管52が接続された上下開口筒体である。ここで、スラリー導入室44を形成する筒体は、図例では円筒体であるが、(正)角筒体でもよい。その大きさは、前記最大廃水処理量の場合、例えば、本体高さ15〜20cm、内径10〜15cmとする。配設位置は、運転時設定水面高さW.Lの下30cm前後とする。また、スラリー導入配管52の結合位置は、円筒体(スラリー導入室44)の略中央高さであればよい。また、スラリー導入配管52の先端は、本実施形態では浮上分離を目的とするため、若干上方へ傾斜している。傾斜角度は水平面に対して15〜45°とする。
【0035】
▲3▼清澄水排出手段は、スラリー導入室44の上開口より低い位置に配される清澄水導出口54と接続されるものであり、一端が清澄水導出口54に接続され他端開口(溢流口)57の高さが分離槽水面高さW.Lを規制する位置にある連通管56と、該連通管56の溢流水を受ける清澄水排出室58とを備えている。清澄水排出室58は、清澄水排出配管60により二次処理工程(二次処理装置)へ移送される。
【0036】
そして、本実施形態では、連通管56の他端開口に、摺動管62を上下位置調節可能に取付けて溢流口57の高さを移動可能として、分離槽42の水位調節可能としてある。具体的には、摺動管62は、清澄水排出室58の上端開口に配された梁部材64に保持された高さ調節ハンドル66の移動用ねじ68の下端にブラケット70を介して取付けられている(図4参照)。
【0037】
スカム回収手段48は、スラリー導入室44の上開口より高い位置、すなわち、上方に配されて浮上させたスカムを掻き集め回収するものであって、複数個(図例では8個)の集スカムレーキ72と、掻き集められたスカムを受ける回収ホッパ74とを備えている。回収ホッパ74は、集スカムレーキ72の掻き集め方向に対向する側開口壁の手前に部分水没可能な傾斜掻き集めステージ76を備えている。本実施形態では更に、回収ホッパ74の底部側に排出スクリューコンベア77を備えている。なお、排出スクリューコンベア77の排出口77bは、自重落下により破砕装置へ移送可能に第1スカム移送配管78を介して破砕装置IVの破砕槽30と接続されている。
【0038】
回収ホッパ74の位置は、スラリー導入配管52の取付け位置と対向する位置(図例では、同一直径上)にあるが、特に限定されるものではなく、どの位置であってもよい。
【0039】
また、回収ホッパ74の開口部には集スカムレーキ72が掻き集め終了後、回収ホッパ74開口面を円滑に移動するように、集スカムレーキ72の移動方向に沿って下降防止棒82を配することが望ましい。
【0040】
集スカムレーキ72は、剛性材からなるストリップ状のブレード79と、該ブレード79を掻き集め面に対向する方向に付勢させて保持する支持部材80とからなる。具体的には、支持部材80とブレード79とが板状弾性部材81(例えばゴム板;板ばねでもよい。)を介して支持されている。
【0041】
そして、ブレード79の刃先は、切欠部79aと平坦部79bとを交互に形成した形状である。具体的には、切欠部79aの形状は、図例では、三角形であるが、半円状、台形状、矩形状を問わない。切欠部79aと平坦部79bの比率(A:B)は、1:5〜1:10、望ましくは、1:6〜1:8とする。なお、ブレード79は、取付けが容易なようにアングル断面を備えている(図6参照)。
【0042】
なお、上記集スカムレーキ72の配設本数は6〜8本、ブレード79の大きさは、例えば、高さ6.5〜8.5cm、切欠部79aの幅1〜2cm、平坦部79bの幅12〜18cmが望ましい。
【0043】
また、掻き集めステージ76の傾斜角度は、例えば、α:6〜7°が望ましい。掻き集めステージ76の大きさは、図3に示すγを30〜40°とする。掻き集めステージ76は、周方向で湾曲断面としてもよい。
【0044】
なお、支持部材80とブレード79は脱着可能としておき、適宜、含油廃水の特性に応じて、ブレード79の数を変更してもよい。
【0045】
本実施形態における、スラッジ回収手段50は、分離槽42の底板に沈降してきたスラッジを掻き取り回収するもので、中央に下方に突出させて形成されたスラッジ回収室84と該スラッジ回収室84内にスラッジを掻き落とす集スラッジレーキ86とからなる。集スラッジレーキ86は、水平回転棒(支持部材)88の下面に所定角度で斜交して取付けられた複数枚の掻き寄せ刃90からなる。このとき、掻き寄せ刃90の傾斜角度βは、約120〜150°(図例では約135°)とし、支持部材80への取付けピッチPは、約250〜300mmとする。
【0046】
ここで、スラッジ回収室84は、スラッジ移送ポンプを備えた第1スラッジ移送配管92を介して破砕槽30と接続されている。なお、スラッジは破砕装置IVに移送せずに、別系統で処理するようにしてもよい。
【0047】
なお、集スカムレーキ72も集スラッジレーキ86も同一原動機の出力軸に連結された回転軸94に取付けられているが、別原動機で駆動するようにしてもよい。そして、回転軸の下端には、スラッジ回収ボックス内のスラッジ排出を円滑に行うため、攪拌パドル96が取付けられている。なお、スラッジ回収のためには、分離槽42の底板をスラッジ回収室84に向かって傾斜させてもよく、その場合は、当然、集スラッジレーキも対応させて外側上方へ向かって傾斜させる。
【0048】
次に、上記浮上分離装置IIIの使用態様について説明をする。
【0049】
まず、凝集反応装置から差圧(自重落下)を利用してスラリー導入配管52からスラリー導入室44へスカム含有スラリーが導入されてくる。すると、スラリー導入室44内に導入され浮遊性成分であるスカムが浮上かつ分離槽42の内周方向に分散して水面にスカム層を形成する。他方、沈降性成分であるスラッジは沈降かつ分離槽42の内周方向に分散して底板上にスラッジ層を形成する。このとき、原動機により駆動される回転軸94により、集スカム・集スラッジレーキ72、86は回転している。このときの各レーキ72、86の回転速度は、処理廃水の特性により異なるが、例えば、回転速度は0.4〜0.6min−1(周速(外周)では4.6〜7.0m/min)とする。
【0050】
そして、本実施形態のスカム浮上分離装置IIIで、下記スカム含有スラリーを浮上分離させて、回収したスカムの大きさは、平面大きさは100〜200mmで、回収スカムのスカム/液比(質量比)=80/20〜90/10であり、スカムが成長して大きくなるが、分離効率は良好であることを確認した。
【0051】
スカム含有スラリーは、洗濯廃水(油分濃度4000〜8000ppm)の洗濯廃水(原水)を、カチオン系高分子凝集剤を使用して処理量40m3/hの条件で凝集処理して得たものである(スカム/液比(容量比)=2/98〜5/95、スカム平面大きさ:20〜30mm、スカム比重:0.8〜0.9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上分離装置を適用する廃水処理システムの一例を示すフローシートである。
【図2】本発明のスカム浮上分離装置の一実施形態を示すモデル平面図である。
【図3】図2における3−3線矢視図である。
【図4】同じく4部位の詳細概略断面図である。
【図5】同じくスカム回収手段の詳細を示す概念断面図である。
【図6】同じくスカム回収手段の集スカムレーキの詳細図である。
【図7】図2における7−7線矢視図である。
【符号の説明】
42 分離槽
44 スラリー導入室
46 清澄水排出手段
48 スカム回収手段
50 スラッジ回収手段
54 清澄水導出口
56 連通管
57 溢流口
58 清澄水排出室
62 摺動管
I 原水前処理装置
II 凝集反応装置
III スカム浮上分離装置(固液分離装置)
IV スカム破砕装置
Claims (9)
- 凝集反応工程を含む含油廃水処理システムの凝集反応により生成させたスカム含有スラリーを浮上分離するためのスカム浮上分離装置であって、
スカム含有スラリーが投入される分離槽と、
該分離槽の中央部に配され、側面からスカム含有スラリーを導入するスラリー導入配管が接続された上下開口筒体のスラリー導入室と、
該スラリー導入室の上開口より低い位置に配される清澄水導出口と接続される清澄水排出手段と、
スラリー導入室の上開口より高い位置に配されて浮上させたスカムを掻き集め回収するスカム回収手段とを備えてなり、また、
前記清澄水排出手段は、一端が前記清澄水導出口に接続され他端開口(溢流口)の高さが分離槽の水面高さを規制する位置にある連通管と、該連通管の溢流水を受ける清澄水排出室とを備えている、
ことを特徴とするスカム浮上分離装置。 - 前記スカム回収手段は、1個又は複数個の集スカムレーキと、掻き集められたスカムを受ける回収ホッパとを備え、該回収ホッパは、集スカムレーキの掻き集め方向に対向する側開口壁の手前に部分水没可能な傾斜掻き集めステージを備えていることを特徴とする請求項1記載の連続浮上分離装置。
- 前記スカム回収手段が、更に回収ホッパの底部側に排出スクリューコンベアを備えていることを特徴とする請求項2記載の浮上分離装置。
- 前記集スカムレーキが、剛性材からなるストリップ状のブレードと、該ブレードを掻き集め面に対向する方向に付勢させて保持する支持部材とからなることを特徴とする請求項2記載のスカム浮上分離装置。
- 前記支持部材とブレードとが板状弾性部材を介して支持されていることを特徴とする請求項4記載のスカム浮上分離装置。
- 前記ブレードの刃先が切欠部と平坦部とを交互に形成した形状であることを特徴とする請求項4又は5記載のスカム浮上分離装置。
- 前記分離槽が円筒形で、前記ブレードが分離槽の中心部に配された回転軸に放射方向に配された支持部材に取付けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のスカム浮上分離装置。
- 前記清澄水排出手段における連通管の他端開口に、摺動管を上下位置調節可能に取付けて、分離槽の水位調節可能としたことを特徴とする請求項1記載のスカム浮上分離装置。
- 分離槽の底部に、更にスラッジ回収手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスカム浮上分離装置。
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