JP2005013146A - GABA(γ−アミノ酪酸)高含有食酢の製造方法及びそれに用いる乳酸菌 - Google Patents

GABA(γ−アミノ酪酸)高含有食酢の製造方法及びそれに用いる乳酸菌 Download PDF

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Abstract

【課題】食酢本来の機能性とGABAによる機能性を併せ持ち、生活習慣病の予防にとって極めて望ましいGABA高含有食酢の製造方法およびそれに用いる乳酸菌を提供すること。
【解決手段】グルタミン酸含量200mg%以上の糖化醪に乳酸菌を接種して乳酸発酵を24〜48時間行った後、得られた乳酸発酵液を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行うことを特徴とするGABA含量が60mg%以上の食酢の製造方法、およびグルコース濃度が20%以上で増殖し、かつグルタミン酸からGABAへの変換率が発酵期間2日間で80%以上である耐糖性、かつGABA高生産性のラクトバチルス ブレビス。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GABA高含有食酢の製造方法及びそれに用いる乳酸菌に関する。さらに詳細には、グルタミン酸含量200mg%以上の糖化醪に乳酸菌を接種して乳酸発酵を24〜48時間行った後、得られた乳酸発酵液を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行うことを特徴とするGABA高含有食酢の製造方法とそれに用いるGABA高生産性の乳酸菌、並びにグルコース濃度が高く、低級脂肪酸濃度が低いGABA高含有食酢に関する。
【0002】
【従来の技術】
GABAは、血圧降下作用や血中中性脂肪低下作用、精神安定作用等の生理作用を有することが知られている。しかし、このような作用が発揮されるためには、多量のGABAを摂取する必要がある。例えば、GABAによる血圧降下作用が発揮されるために必要な摂取量は、20mg/日以上(非特許文献1参照)とされている。
GABAは、微生物に広く分布するグルタミン酸デカルボキシラーゼの作用によりグルタミン酸が脱炭酸されて生成することが知られている。また、数種の乳酸菌株がGABA生産能を有することが報告されている(非特許文献2参照)。
【0003】
食酢におけるGABA富化の方法としては、食酢にGABA純品を添加する方法や、乳酸発酵などの方法によりGABAを富化した食品素材の食酢への添加による方法が考えられる。しかし、前者の方法では、原料のコストが高くなるという問題点があった。また、後者の方法では、GABA高含有食品素材の焦げ臭などの原料由来の風味や、基質として加えられ、残存したグルタミン酸のかん味などが、食酢の風味に影響するという問題点や、別途原料を加えることによって高エキス化し、酢酸発酵期間の遅延や阻害が生じるなどの問題点があった。
【0004】
よって、食酢の製造においてGABAを高含有化させるためには、本来原料中に含まれるグルタミン酸を効率よくGABAに変換する必要がある。
GABAやその基質であるグルタミン酸の添加によらず、GABAを富化した食酢の製造方法としては、玉葱食酢の製造例があるが、食酢中のGABA含有量は17mg%程度と低いものであった(特許文献1参照)。
上記したように、GABAの生理効果を発揮させるには、この程度のGABA含量の食酢では多量の摂取が必要となる。ところが、食酢は酸度が高く刺激的なため、効果を奏するために必要な量の摂取は容易でない。この問題を解決したGABA高含有食酢の製造方法は未だ報告されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−88354号公報
【非特許文献1】
日本食品工学会誌,第49巻,第6号,p.409−415,2002
【非特許文献2】
生物工学会誌,第75巻,第4号,p.239−244,1997
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、GABA純品やその富化食品素材、および基質であるグルタミン酸の添加によらず、GABAを高濃度に含有し、所定の効果を得るための必要量を容易に摂取できる食酢、並びにその製造法が望まれていた。例えば、GABAを60mg%含有する食酢であれば、GABAによる効果を奏するための1日の所要量(20mg)を摂取するために必要な食酢の摂取量は、約33mlと少量で済む。
【0007】
そこで、本発明者らは、食酢の製造工程においてGABAを富化する方法について検討した。
一般的な食酢の製造工程は、(1)穀物原料の糖化工程、(2)アルコール発酵工程、(3)酢酸発酵工程からなり、各工程を順に行うこともできるし、また、複数の工程を同時に行うこともできる。
【0008】
GABAの富化には多様な方法が考えられるが、乳酸発酵による方法が最も効率が良いことが知られている。
そこで、GABA高生産性乳酸菌であることが知られているラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis) IFO 12005株(非特許文献2参照)を、エタノールや酢酸を添加した糖化醪に接種し、食酢の製造工程における乳酸発酵の可能性を調べた。その結果、アルコール濃度や酢酸濃度が高くなるにつれて、乳酸菌の増殖が抑えられることが分かった(図1)。
したがって、食酢の製造工程において、乳酸発酵によってGABAを富化するためには、アルコール発酵や酢酸発酵の前に、乳酸発酵を行う必要があることが分かった。
【0009】
醸造業界における糖化醪の乳酸発酵は、酒造における生もと系酒母や、壺酢の製造での事例がある。
しかしながら、生もと系酒母の製造においては、低温下での発酵であることや、自然発生する多様な菌叢の影響により、GABA生産乳酸菌の優勢な増殖による安定的なGABA富化は見込めない。また、乳酸発酵期間も10〜15日間と長時間を要する。清酒中のGABA含量が2mg%であるとの報告例があるが(非特許文献2参照)、アルコール濃度が高いため、該清酒を用いて酢酸発酵を行っても、GABA含量はさらに低下する。
また、壺酢の製造においては、糖化工程、乳酸発酵、アルコール発酵、酢酸発酵を自然条件下で連続的に進行させるため、多様な菌叢が自然発生することや、アルコール発酵による乳酸菌の増殖阻害により、GABA生産菌の優勢な増殖による安定的なGABA富化は見込めない。事実、市販されている壺酢のGABA含量を調べたところ、平均約30mg%と低かった。さらに、壺酢の製造には、150日間という非常に長い期間を要するという問題がある。
【0010】
以上のように、食酢の製造工程において、糖化後に乳酸発酵工程を組み込むことによって、効率的にGABAを高濃度に含有させた食酢の製造方法の事例は未だ報告されていない。
本発明者らは、係る製造方法の実現のために、食酢製造工程におけるGABA高生産性乳酸菌による乳酸発酵条件について研究し、適切な条件を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的とするところは、GABA高含有食酢の製造方法であり、さらに詳細には、糖化醪を乳酸発酵させて得られた乳酸発酵液を用いて、アルコール発酵及び酢酸発酵を順次行うGABA高含有食酢の製造方法と、それに用いるGABA高生産性乳酸菌を提供することである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、グルタミン酸含量200mg%以上の糖化醪に乳酸菌を接種して乳酸発酵を24〜48時間行った後、得られた乳酸発酵液を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行うことを特徴とするGABA含量が60mg%以上の食酢の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、糖化醪を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行う食酢の製造方法において、アルコール発酵及び酢酸発酵のいずれかの発酵の前又は後で請求項1記載の乳酸発酵液を添加することを特徴とするGABA含量が60mg%以上の食酢の製造方法である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、グルコース濃度が20%以上で増殖し、かつグルタミン酸からGABAへの変換率が発酵期間2日間で80%以上である耐糖性、かつGABA高生産性のラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)である。
請求項4に記載の発明は、ラクトバチルス ブレビスがラクトバチルス ブレビス LB60株(FERM BP−8401)である請求項3記載のラクトバチルス ブレビスである。
請求項5に記載の発明は、乳酸菌として、請求項3もしくは4記載のラクトバチルス ブレビスを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の食酢の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、グルコース濃度が0.1g%以上、低級脂肪酸濃度が12mg%以下であり、GABA含量が60mg%以上の食酢である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を中心に本発明について説明する。
糖化醪とは、穀物原料を醸造業界で一般的に行われている方法で液化・糖化処理して得られるものである。
穀物原料としては、グルタミン酸を含有する一般の穀類や、これを製麹したもの、又はこれらを精白、粉砕等の物理的処理を施したものや、その工程で生じた副産物、化学的処理によって分離・濃縮されたタンパク質や脱脂物等が使用できるが、グルタミン酸含量が多い玄米、大麦、小麦類が好ましく、これらを精白したもの、精白処理により得られる糠、ふすま類や、それらに粉砕等の加工を施したものがさらに好ましい。これら穀物原料は単独で、又は2種以上を混合して用いても良い。
これら穀物原料は、原料全体のうち重量として30%以上使用するが、糖化醪の遊離グルタミン酸含量を増やすため、40%以上、50%以下の範囲で使用することが好ましい。
【0014】
以下において糖化醪の調製方法を説明する。
穀物原料(例えば粉砕した玄米)を、市販の食品工業用の液化酵素製剤(例えば天野エンザイム製、アミラーゼAD「アマノ」1)と共に温水に溶解し、液化酵素製剤の至適温度(例えば50〜100℃)で保持(例えば10分〜1時間)して液化させた後、これを加熱(例えば100〜130℃、10〜40分)して失活させる。次いで、糖化酵素製剤(例えば天野エンザイム製、グルクザイムAF6)、プロテアーゼ製剤(例えば天野エンザイム製、プロテアーゼA「アマノ」G)、グルタミナーゼ製剤(例えば天野エンザイム製、グルタミナーゼF「アマノ」100)、穀物原料を製麹したもの(例えば玄米麹)等を添加し、糖化・蛋白分解処理(例えば40〜70℃で8時間以上)する。
このとき、原料の分解をより進め、グルタミン酸含量を増やすために、セルラーゼ製剤(例えば天野エンザイム製、セルラーゼA「アマノ」3)や、ペクチナーゼ製剤(例えば天野エンザイム製、ペクチナーゼG「アマノ」)、ペプチダーゼ製剤(例えば天野エンザイム製、ウマミザイム)等の酵素剤も使用又は併用できる。
【0015】
また、上記のように液化した醪に、糖化酵素製剤や蛋白分解酵素製剤等と共に、酵母(例えば日本醸造協会製、清酒用酵母901号)を添加したり、温水に全ての原料や酵素製剤を添加して原料を溶解した後、酵母(例えば日本醸造協会製、清酒用酵母901号)を添加したりして、加熱処理せずに液化・糖化処理とアルコール発酵を同時に行う並行複式発酵を行うこともできる。
液化・糖化には、米や小麦などに麹菌を加えて製麹した麹や、市販の酵素剤等が使用/併用できるが、操作性、所要期間、コストの点から、市販の酵素剤の使用が好ましい。特に、所要量のグルタミン酸を遊離させるためには、市販の食品工業用のプロテアーゼ製剤とグルタミナーゼ製剤を、前者を1%以上、後者を0.05%以上使用することが好ましく、前者を2%以上、後者を0.1%以上同時に使用することがさらに好ましい。
【0016】
このように、穀物原料、麹、酵素製剤を水中に溶解、懸濁し、加温することにより、穀物原料の液化、糖化、蛋白分解、及び穀物原料中のグルタミンのグルタミン酸への転換を進める。加温温度や反応時間は、それぞれ使用した麹や酵素製剤の温度特性や活性から選定すればよいが、一般的には40〜70℃、静置条件下で一晩以上の糖化処理を施すことによって、遊離グルタミン酸を200mg%以上含有する糖化醪が得られる。
糖化醪中の遊離グルタミン酸が、乳酸菌によりGABAに変換されるので、GABA高含有食酢を得るためには、糖化醪がそれに必要な量の遊離グルタミン酸を含有している必要がある。よって、理論上では、GABA含量が60mg%以上の食酢を得るためには、糖化醪中の遊離グルタミン酸含量は200mg%以上、同様に、GABA含量100mg%以上の食酢を得る場合は、糖化醪中の遊離グルタミン酸含量は300mg%以上である必要がある。GABA含量を200mg%以上とするためには、糖化醪中の遊離グルタミン酸含量は700mg%以上とする必要がある。
【0017】
次に、上記の方法で得られた遊離グルタミン酸を高濃度で含有する糖化醪を乳酸発酵させ、グルタミン酸をGABAに変換するが、ここで使用する乳酸菌は、前記のように調製した糖化醪中で増殖し、かつ遊離グルタミン酸を高効率でGABAに変換できるものを選択すればよい。
しかしながら、GABA含量を高めるためには、穀物原料の使用量を多くする必要があり、結果として糖化醪中のグルコース濃度が高くなる。使用する穀物原料の種類又は組み合わせにもよるが、例えば原料使用量が30%以上の場合は、糖化醪中のグルコース濃度は20%以上となり、原料使用量が40%以上の場合は、グルコース濃度は30%以上となる。
一般的に、このような高糖濃度条件下では、乳酸菌は増殖が抑制され、発酵できないか、又は増殖しても、発酵期間の長期化、及び遊離グルタミン酸からGABAへの変換率が低下してしまうことが予想される。
【0018】
事実、公知のGABA高生産性乳酸菌である、ラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis) IFO 12005株、同IFO 12520株、同IFO 3345株及び同IFO 3960株(非特許文献2参照)の各菌株を、グルコース濃度が23%で遊離グルタミン酸含量が300mg%の糖化醪と、グルコース濃度が32%で遊離グルタミン酸含量が790mg%の糖化醪のそれぞれ5mLに、スラントから一白金耳接種し、30℃で2日間、もしくは4日間培養したところ、23%のグルコース濃度下におけるグルタミン酸からGABAへの変換率(モル比)は、培養2日間では高くても50%程度、培養4日間ではラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis) IFO 12005株が90%に近い変換率を示したのみであった。また、32%のグルコース濃度下では、遊離グルタミン酸からGABAへの変換率は培養2日間で5%以下、培養4日間で40%以下と非常に低かった。これらの結果を第1表及び第2表に示す。
【0019】
【表1】
第1表 グルコース23%の糖化醪における公知乳酸菌のGABA変換率
Figure 2005013146
【0020】
【表2】
第2表 グルコース32%の糖化醪における公知乳酸菌のGABA変換率
Figure 2005013146
【0021】
穀物のみを原料として、効率よく食酢のGABA含量を高める場合、原料の分解処理などの操作上の問題から、使用できる原料の量には制限があるため、穀物原料からの遊離グルタミン酸からGABAへの変換率をなるべく高くすることが重要である。しかしながら、上記の結果から分かるように、公知の乳酸菌ではGABA変換率が低く、実用的ではない。
【0022】
そこで、高い糖濃度条件下でも増殖が早く、かつグルタミン酸からGABAへの変換率が80%以上という能力を有する乳酸菌を検索し、利用する必要がある。本発明者らは以下に説明する方法で目的とする乳酸菌を検索した。
安全性の点から、漬け物を中心に、食品やその製造工程から分離した乳酸菌32株について、スクリーニングを行った。すなわち、グルコース濃度23%、遊離グルタミン酸含量250mg%の糖化醪10mLに、各菌株をスラントから1白金耳接種して、30℃で2日間、静菌条件下で培養した。静菌条件とは、酢酸、エタノールを添加し、濃度を調整した糖化醪に、予め培養しておいた菌液を菌数が1×10個/g醪になるように接種し、30℃で2日間培養後の菌数が接種量より増えていない条件である。なお、メルク社製MRS培地(pH5.7)を用いて乳酸菌数を測定した。
培養終了後、醪中の残存遊離グルタミン酸濃度を全自動アミノ酸分析器(日本電子製)で測定し、GABAへの変換率(モル比)を算出した。その結果、4菌株が80%以上の高い変換率を示したので、これら菌株を選抜した。選抜した4菌株と対照のIFO 12005株についてのスクリーニング結果を第3表に示す。
【0023】
【表3】
第3表 高糖度醪でのGABA高生産性菌株のスクリーニング結果
Figure 2005013146
【0024】
一般的な食酢を発酵生産する工場では、発酵醪の乳酸菌による多量の汚染は、乳酸菌が生産する乳酸の一部が、最終的に好ましくない臭いを呈するジアセチルに変換されることから、嫌われている。したがって、本発明の食酢発酵工程の中で、最終的には死滅する特性をもつ乳酸菌、すなわちエタノール及び/又は酢酸に対して耐性が低い乳酸菌を選択することが、実際の商業生産上好ましい。具体的には、10%のエタノール存在下で増殖せず、かつ4.5%の酢酸存在下で死滅する菌株(酢酸耐性が低い菌株)を選択することが望ましい。
そこで、この点を選択因子にして、さらにスクリーニングを行った。その結果、10%エタノール下で増殖せず、かつ4.5%の酢酸で死滅(培養後菌数が10個以下)する1菌株(N−5株)を選択することができた。
【0025】
さらに、高糖濃度条件下で、GABAへのより高変換効率と高変換速度を有する菌株を取得するため、MRS平板培地に本菌株を塗布して培養し、分離した100個のモノコロニーについて、スクリーニングを行った。スクリーニング条件は、前記と同様でグルコース濃度23%、遊離グルタミン酸含量250mg%の糖化醪10mLに、各コロニーから1白金耳接種し、30℃で2日間、静置条件下で培養した後、醪中の残存遊離グルタミン酸濃度を測定し、GABA生産性の高い菌株を選抜した。この操作を5回繰り返すことにより、グルコース濃度32%、遊離グルタミン酸含量730mg%の糖化醪において、30℃、24時間攪拌下で培養したとき、遊離グルタミン酸をGABAに80%以上変換できる菌株を取得した。
【0026】
本菌株を、初発pH5.7のMRS寒天培地に塗布し、30℃で48時間培養して得た場合の菌学的性質を調べた。その結果を第4表に示す。菌学的特徴から、本菌株はラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)と同定された。本菌株をラクトバチルス ブレビス LB60と命名した。本菌株は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されており、その受託番号はFERM BP−8401である。また、本菌株の16SrDNAの部分塩基配列を解析した結果、ラクトバチルス ブレビスに対して99.81%の相同性を有していた。
【0027】
【表4】
第4表(その1) ラクトバチルス ブレビス LB60株の菌学的特徴
Figure 2005013146
【0028】
【表5】
第4表(その2) ラクトバチルス ブレビス LB60株の菌学的特徴
Figure 2005013146
※KERIEG(N.R.) et.al.,Bergey’s manual of Systematic Bacteriology.,1984,1,Williams and Wilkins.Baltimore.
※SKERMAN(V.B.D.) et.al.,Approved Lists of Bactrial Names.Int.J.Syst.Bacteriol.,1980,30,225−420
【0029】
グルコース濃度32%、遊離グルタミン酸含量730mg%の糖化醪1Lに、本菌株(LB60株)を同一組成の糖化醪で前培養して得た前培養液20mLを接種し、30℃で攪拌条件下に所定時間培養して得た乳酸発酵醪のGABA含量を、日本電子製、全自動アミノ酸分析機で測定したところ、24時間で80%以上の遊離グルタミン酸をGABAに変換することができた(第2図)。なお、本菌株の元株であるN−5株について、同じ条件で培養したときの結果も第2図に示した。図から明らかなように、48時間後のGABA変換率は両株共同じであるが、24時間培養では、本菌株の方がGABA変換率は有意に高い。
以上から、本菌株は、元株に比べて高糖濃度条件下での増殖が早く、かつグルタミン酸からGABAへの変換速度が速いという特徴を有することが分かる。
また、本菌株は、公知のGABA高生産性乳酸菌であるラクトバチルス ブレビス IFO12005株、同IFO12520株、同IFO3345株及び同IFO3960株に比べて、高糖濃度条件下での遊離グルタミン酸からGABAへの変換率が極めて高く、これまで知られていなかった高糖濃度条件下でのGABA生産性が著しく高い菌株であることが分かった。
【0030】
遊離グルタミン酸を含有する糖化醪の乳酸発酵工程において用いることができる乳酸菌は、遊離グルタミン酸を含有する糖化醪で増殖可能であり、かつGABAを生産する能力があれば、上記菌株以外の乳酸菌であっても、属・種・株によらず本発明に使用できる。これら乳酸菌は、広く自然界や食品、及びその製造工程からの分離や、NTG変異、UV変異等の一般的な変異方法によっても取得でき、その取得方法は特に限定されるものではない。中でも、耐糖性、発酵期間、GABA変換率の点で、ラクトバチルス ブレビスに属する乳酸菌が好ましく、ラクトバチルス ブレビス LB60株がさらに好ましい。
【0031】
ところで、食酢のさらなる品質の向上を目指すためには、乳酸菌が生産する乳酸の量を低減することが望ましい。そのためには、醪中の乳酸濃度が低くなるような特性を有する菌株の使用や、そのような発酵条件を設定することが好ましい。その手段として、GABA生産速度が速いため発酵所要期間が短い乳酸菌を使用し、乳酸濃度が低いうちに発酵を終了する方法や、本来乳酸生産能が低い菌株を使用する方法が考えられる。このような乳酸菌株の取得方法は、特に限定されるものではない。
本発明により取得した、前記のラクトバチルス ブレビス LB60株は、GABA生産速度が速いため、グルコース濃度32%、遊離グルタミン酸含量730mg%の糖化醪において、乳酸発酵期間が僅か1日で終了し、発酵終了時の乳酸濃度は元株(N−5株)の1/3に抑制できることが分かった。乳酸発酵期間が短く、乳酸生成量が少ない菌株を得るための有効な方法としては、前記した変異方法があり、例えば本菌株に複数回のNTG変異処理を繰り返すことによって発酵終了時の乳酸濃度をさらに抑制することができる。ただし、乳酸濃度が低すぎると、防腐力が弱まるので、適度な乳酸生成が必要である。
【0032】
以上に説明した乳酸発酵方法により、グルコース濃度20%以上、好ましくは30%以上45%以下である糖化醪を、25〜35℃、好ましくは30℃の条件下で乳酸発酵させて2日間以内、好ましくは24時間以内で、遊離グルタミン酸をモル比で80%以上、好ましくは90%以上GABAに変換して、GABAを200mg%以上含有する乳酸発酵醪を調製することができる。
このとき、糖化醪への乳酸菌の植菌方法としては、例えば糖化醪中で前培養したものや、培養液から菌体のみを分離したもの等が使用できる。また、その際の接種量は、前培養液を接種する場合は1%以上、好ましくは2%以上であり、分離した菌体を接種する場合は0.1%以上、好ましくは0.5%以上とすればよい。
また、乳酸発酵を行う際の培養条件は、温度は25℃以上35℃以下であればよいが、30℃付近が好ましい。培養は、攪拌条件下でも静置条件下でもよいが、GABA変換速度の観点から、攪拌条件での培養が好ましい。
【0033】
次に、本発明におけるアルコール発酵工程について説明する。
GABA高含有乳酸発酵液を、アルコール発酵性酵母(例えば日本醸造協会製、清酒用酵母901号)により28℃で4日間、静置条件下でアルコール発酵を行うと、グルコースがほぼ全量エタノールに変換されたアルコール発酵醪ができる。ここで、GABAを含有する酢もとの使用歩合を上げ、食酢中のGABA含量をさらに高めるための手段として、アルコール発酵を32℃以上、好ましくは37℃以上40℃以下の温度条件下で実施することにより、醪中のアルコール濃度を10%以下に抑える方法や、醪中のアルコール濃度が10%以下のうちに、強制的にアルコール発酵を終了する方法等が考えられる。
なお、このとき使用する酵母は、アルコール発酵性を有する酵母であれば、その植菌方法、培養条件などと共に特に限定されるものではない。
【0034】
次に、本発明における酢酸発酵工程について説明する。
得られたアルコール発酵醪を圧搾して酢もとを調製し、これから、例えばアルコール濃度2.9%で、初回はGABAを含有しない種酢を用いて、酢もとの酢酸濃度を2.8%に調整する。これに酢酸菌を植菌し、酢酸発酵させることにより、酸度約5%のGABA高含有食酢を得ることができる。次に、これを種酢として、上記と同様の操作を数回(好ましくは3〜5回)繰り返した後、水で酸度を調整することにより、GABA含量が60mg%以上で、酸度が4.2〜4.5%の食酢を得ることができる。
酢酸発酵方法には、深部発酵法と静置発酵法とが知られているが、本発明においてはいずれの方法を採用することもできる。酢酸菌についても、通常使用されている酢酸菌であれば、その植菌方法、培養条件などと共に特に限定されるものではない。
【0035】
以上、GABA高含有乳酸発酵液を用いて、アルコール発酵と酢酸発酵を順次行う食酢の製造方法について説明したが、アルコール発酵及び酢酸発酵のいずれかの発酵の前又は後で、該乳酸発酵液を添加する方法も採用できる。
本発明の方法によれば、風味が改善され、飲みやすいという特色を有し、GABA含量が60mg%以上であり、かつ酸度が4.2〜4.5%である食酢が得られる。より具体的には、グルコース濃度が0.1g%以上、好ましくは0.15g%以上で、低級脂肪酸濃度が12mg%以下、好ましくは10mg%以下であり、GABA含量が60mg%以上の食酢が得られる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
粉砕した玄米317g、液化酵素1g(エイチビィアイ製、液化酵素T)を60℃の温水700mLに溶解し、液化酵素の至適温度(70℃)で30分間保持して液化した。これを120℃で30分間加熱する蒸煮処理によって液化酵素を失活させた後、糖化酵素0.4g(天野エンザイム製、グルクザイムAF6)、プロテアーゼ20g(天野エンザイム製、プロテアーゼA「アマノ」G)、グルタミナーゼ1g(天野エンザイム製、グルタミナーゼF「アマノ」100)、及び玄米麹42.8g(玄米を3時間水に浸漬して水切りした後、0.7気圧で10分間蒸煮し、30℃に冷却した後に、種麹を0.05%接種し、温度30℃、湿度90%以上の条件下で40時間製麹したのち、50℃で乾燥、破砕したもの)を添加し、水を用いて1000mLにフィルアップした。次いで、57℃で22時間糖化処理し、遊離グルタミン酸含量300mg%、グルコース濃度25%の糖化醪を得た。
【0037】
上記と同じ糖化醪中で、30℃にて24時間前培養したラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)LB60株(FERM BP−8401)の乳酸発酵醪20mLを、上記糖化醪に添加し、30℃にて24時間、攪拌条件下で乳酸発酵を行った。これにより、GABA含量200mg%(変換率95%)、グルコース濃度23%の乳酸発酵液を得た。
【0038】
得られた乳酸発酵液を85℃にて10分間加熱処理して乳酸菌を殺菌した後、酵母(日本醸造協会製、清酒用酵母901号)を添加して、28℃で4日間、静置条件でアルコール発酵させ、乳酸発酵液中のグルコースをほぼ全てアルコールに変換し、アルコール濃度14%のアルコール発酵醪を得た。
【0039】
このアルコール発酵醪を、初回は食酢((株)ミツカン製、高酸酢 MHV、酢酸濃度15%)により食酢変性させた後、圧搾し、酒酢もと900mLを得た。次いで、アルコール濃度が2.9%、酸度が2.8%になるように、上記酒酢もと255mL、酢酸酸度5.0%の種酢405mL(初回は食酢((株)ミツカン製、高酸酢 MHV、酢酸濃度15%)を希釈したもの)、水及び上記酒酢もとの製法においてアルコール発酵のみを行わない乳酸発酵酢もと140mLを添加し、酢もと1000mLを調製した。
得られた酢もとに、酢酸菌(アセトバクター アセチ サブスピーシーズ アセチIFO3283株)を植菌し、30℃で9日間、静置条件下で酢酸発酵を行った。得られた酸度5%の食酢を種酢として用い、上記工程を4回繰り返した後、水で酸度を4.5%に調整して食酢を得た。日本電子製、全自動アミノ酸分析機で、この食酢中のGABA含量を測定したところ、110mg%であった。
【0040】
実施例2
粉砕した玄米26(重量)%、粗蛋白16%以上の小麦粉15.6(重量)%及び水を原料として、実施例1の場合と同様に糖化処理を行い、遊離グルタミン酸含量730mg%、グルコース濃度32%の糖化醪を得た。次いで、これを実施例1の場合と同様にラクトバチルス ブレビスLB60株(FERM BP−8401)による乳酸発酵を行い、GABA含量490mg%、グルコース濃度30%の乳酸発酵液を得た。これに酵母(日本醸造協会製、清酒用酵母901号)を添加して、37℃にて4日間、静置条件下でアルコール発酵させ、約20%の糖分を残した状態で発酵を止め、アルコール濃度9.2%のアルコール発酵醪を得た。この醪に酢酸菌(アセトバクター アセチ サブスピーシーズ アセチIFO3283株)を植菌し、実施例1と同様に酢酸発酵させ、GABA含量200mg%で、酸度4.5%の食酢を得た。
【0041】
実施例3
粉砕した大麦45(重量)%及び水を原料として、実施例1の場合と同様に糖化を行い、遊離グルタミン酸含量700mg%、グルコース濃度30%の糖化醪を得た。次いで、この醪を実施例1の場合と同様に乳酸発酵させ、GABA含量500mg%、グルコース濃度28%の乳酸発酵液を得た。これを、実施例2の場合と同様に37℃で4日間アルコール発酵させた後、酢酸発酵を行ってGABA含量200mg%、酸度4.5%の食酢を得た。なお、この例で用いた乳酸菌、酵母及び酢酸菌は、実施例1で使用したものと同じである。
【0042】
実施例4
大麦の代わりに市販の強力小麦粉36(重量)%を原料として用いたこと以外は、実施例3と同様の方法により、GABA含量300mg%、酸度4.5%の食酢を得た。
【0043】
実施例5
大麦の代わりに粗蛋白16%以上の小麦粉(重量)46%を原料として用いたこと以外は、実施例3と同様の方法により、GABA含量420mg%、酸度4.5%の食酢を製造した。
【0044】
実施例6
実施例3と同様の方法により、GABA含量500mg%、グルコース濃度28%の乳酸発酵液を得た。これを、初回は食酢((株)ミツカン製、高酸酢 MHV、酢酸濃度15%)により食酢酸度付けした後、圧搾して乳酸発酵液を得た。
別に、乳酸発酵を行わない通常の食酢の製造方法(糖化発酵および酒精発酵)によって得られたアルコール発酵醪(アルコール濃度14%、GABA含量10mg%)を実施例1の方法と同様に食酢変性させ、圧搾し、酒酢もとを得た。
次いで、アルコール濃度が2.9%、酸度が2.8%になるように上記乳酸発酵液140mL、上記酒酢もと255 mL、酸度5.0%の種酢405 mL(初回は食酢((株)ミツカン製、高酸酢 MHV、酢酸濃度15%)を希釈したもの)、および水を添加して酢もと(1000mL)を調製した。これに酢酸菌を植菌し、30℃で9日間、静置条件下で酢酸発酵を行った。得られた酸度5.0%の食酢を種酢として用い、上記工程を4回繰り返した後、水で酸度を4.5%に調整して、GABA含量80mg%、酸度4.5%の食酢を得た。
【0045】
実施例7
実施例1に示した方法と同様にして、GABA含量60 mg%以上の食酢を得、この食酢についてGABA含量並びに食酢の風味に影響すると考えられる成分(甘味:グルコース、香味:低級脂肪酸)の分析を行った。GABAはアミノ酸自動分析機、グルコースはHPLCにより分析し、低級脂肪酸はガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を第5表に示す。なお、対照として、GABA含量が比較的高い市販食酢についての分析結果を示した。
表から明らかなように、本発明の方法により得られたGABA含量60 mg%以上の食酢は、市販食酢に比べてグルコース濃度が高く、低級脂肪酸(特に酪酸や吉草酸)濃度が低かった。その理由として、市販食酢(例えば壷酢)の製造方法は、菌叢や発酵条件の積極的な制御がなく、しかも発酵に長期間を要するため、グルコースの全量をアルコールに変換させ、かつ多様な菌叢により多種の代謝産物が生じるためと考えられる。
【0046】
【表6】
第5表 GABA高含有食酢と市販食酢の成分比較
Figure 2005013146
ND:検出せず
【0047】
さらに、これらの食酢の風味について、酸度を低くして飲みやすくするために水で2倍希釈したものについて、10名のパネラーで官能評価を行った。香りの評価は点数法(すっきりした香り:3点、どちらとも言えない:2点、雑な臭い:1点)で行い、その平均値で比較した。また、飲用した場合の風味の特徴を自由記述させ、頻度の高いものを記載した。結果を第6表に示す。
第6表から、本発明の方法により得られたGABA含量60 mg%以上の食酢は、市販食酢に比べてすっきりした香りを有し、酸味がまろやかで甘味もあるので、飲みやすいことが分かる。
【0048】
【表7】
第6表 GABA高含有食酢と市販食酢の官能的比較
Figure 2005013146
【0049】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られた食酢は、食酢本来の調味効果や機能性を失うことなく、高濃度(60mg%以上)のGABAを含有するものである。GABAの効果を得るための1日の所要量(20mg)を、この食酢のみによって得るために必要な摂取量は、50ml以下で足りることから、この食酢のGABA含有量は、GABA摂取源として実用的なレベルである。したがって、本発明により得られる食酢は、調味用としても飲用としても、食酢本来の機能性とGABAによる機能性を併せ持ち、生活習慣病の予防にとって極めて望ましい健康調味料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エタノール(EtOH)又は酢酸を添加した、グルコース濃度23%、グルタミン酸含量300mg%の糖化醪に、ラクトバチルス ブレビスIFO12005株を10個/g醪となるように接種し、30℃、2日間培養後の菌数を測定した結果を示したものである。
【図2】グルコース濃度32%、グルタミン酸含量730mg%の糖化醪に、選抜菌株を接種し、30℃にて撹拌条件下で培養したときの、醪中のGABA含量の経時的変化を示したものである。△はラクトバチルス ブレビスN−5株を、□はラクトバチルス ブレビスLB60株を示す。

Claims (6)

  1. グルタミン酸含量200mg%以上の糖化醪に乳酸菌を接種して乳酸発酵を24〜48時間行った後、得られた乳酸発酵液を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行うことを特徴とするGABA含量が60mg%以上の食酢の製造方法。
  2. 糖化醪を用いてアルコール発酵及び酢酸発酵を順次行う食酢の製造方法において、アルコール発酵及び酢酸発酵のいずれかの発酵の前又は後で請求項1記載の乳酸発酵液を添加することを特徴とするGABA含量が60mg%以上の食酢の製造方法。
  3. グルコース濃度が20%以上で増殖し、かつグルタミン酸からGABAへの変換率が発酵期間2日間で80%以上である耐糖性、かつGABA高生産性のラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)。
  4. ラクトバチルス ブレビスがラクトバチルス ブレビス LB60株(FERM BP−8401)である請求項3記載のラクトバチルス ブレビス。
  5. 乳酸菌として、請求項3もしくは4記載のラクトバチルス ブレビスを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の食酢の製造方法。
  6. グルコース濃度が0.1g%以上、低級脂肪酸濃度が12mg%以下であり、GABA含量が60mg%以上の食酢。
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