JP3538641B2 - 海藻発酵食品およびその製造方法 - Google Patents

海藻発酵食品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻発酵食品およ
びその製造方法に関する。本発明の海藻発酵食品は、食
用に供され、食品素材あるいはそのまま飲食品 (以下、
これらを食品ということがある) として使用することが
できる。例えば本発明の海藻発酵食品は、そのままで飲
食したりあるいはご飯や野菜サラダにかけるなどして利
用することができ、また魚類塩干品等を製造するための
漬けだれとして、また乾燥処理することによりパスタ、
お好み焼き等のトッピング素材としてなど様々な様式で
食品として利用することができる。しかもこれらの食品
は、血中中性脂質低減作用、肝臓脂質低減作用等さまざ
まな健康機能性を有する。
【0002】
【従来の技術】発酵食品は、長い人類の歴史のなかで、
乳や糖質素材を放置した場合に、偶然それが発酵したこ
とを観察したことが端緒となって作られるようになった
といわれており、まさに発明による食品といえる。この
ような発酵食品は、今日の我々の台所にいろいろな食材
を提供しており、豊かな食生活を送るうえで多大な貢献
をしている。さらに最近では、発酵食品を食する習慣が
長寿を育む原因であることを示唆する疫学調査や、発酵
食品に含まれる乳酸菌が腸内細菌相に影響を与え健康維
持の目的に好影響を及ぼすことを示唆する研究結果の蓄
積がおこなわれ、健康な食生活を送るための食品素材と
して注目されている。特に現代社会においては、高脂血
症、脂肪肝、糖尿病などの生活習慣病と呼ばれる症例が
増加する傾向にあり、これらを予防する機能を有する食
品は今後、益々重要な価値を有するものと考えられる。
【0003】発酵食品は、チーズ、ヨーグルト等のよう
に動物性素材を基質として発酵させたものとみそ、大豆
醤油、納豆等のように植物性素材を発酵させたものとの
二つに大きく分けられる。食品素材を収穫する場所を陸
系と水系(或いは海洋系)に分けて考えた場合、これま
で陸系素材を原料とした発酵食品が、市場で大きな地位
を占めているのに対し、水系素材を原料とした発酵食品
は、魚醤油、塩から、くさや、鰹節等、数えるほどしか
なく、市場に占める地位も限られている。しかも、これ
らはすべて魚介類という動物性素材を基質にした発酵食
品ということができ、水系においては植物性素材を原料
とした発酵食品はこれまでほとんどみられなかった。
【0004】水系における植物性素材としては、海藻と
微細藻類とがあるが、海藻については、長い歴史をもっ
て食品素材として親しまれてきた。特に日本人は、海藻
を好んで食する習慣があり、海藻が健康に良いという認
識が広く浸透している。従って、これに発酵という要素
を付け加えた、全く新しい種類の食材が発明された場
合、それが食材として受け入れられるための素地ができ
あがっているものと期待される。さらに、もしその食材
に健康機能性が認められれば、日本型食生活に良くなじ
む画期的な食品素材といえる。
【0005】海藻を発酵させる技術に関しては、これま
でにいくつかの特許が出願されている。例えば、海藻酒
および海藻酢の製造方法がみられる。前者は特公昭55-7
1475の「海藻抽出液による酒類製造法」であり、後者は
特公平 10-304866の「海藻酢の製造方法」である。しか
しこれら2つの発明は、いずれも加糖をして発酵をおこ
させており、海藻は風味、色合い等を加える目的で副原
料として使用されているに過ぎず、真の意味で海藻を主
原料として発酵させて得られた食品とはいえない。
【0006】本発明では、発酵のための加糖をいっさい
せず、海藻のみで発酵させている点が従来の技術と大き
く異なる。また本発明では、海藻にセルラーゼを作用さ
せ、海藻中の硬い成分であるセルロースを分解するとと
もに、海藻全体を直径約10μmの単細胞性の粒子に変換
している点も大きな特徴である。この海藻を単細胞化す
る技術については、本発明者が特許第 2772772号「海藻
デトリタスの製造法」および特願2000-300399号「海藻
デトライタス発酵飼料の製造法」において独自に発明
し、完成させた技術であるが、これら2件の発明では、
利用の目的を水産初期餌飼料としての利用に限定した発
明であった。本発明では、この発酵産物が微細粒子であ
ることにより滑らかなヨーグルトに似た物性を有する
点、あるいは条件により炭酸ガスを含有することにより
ムースのような物性を有する点、フルーティーな芳香臭
を有する点、あるいは条件によりチーズのような特徴あ
る臭気を有する点、保存性に優れる点、健康性機能が知
られている乳酸菌を含有する点などに着目し、新たな食
品としての可能性を追求するため鋭意努力をおこなった
結果、健康機能性を有する海藻発酵食品というまったく
新しい食品素材あるいは食品を発明するに至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明は、本
発明者が水産餌飼料の開発を目的に世界で始めて開発し
た、海洋系の植物性素材である海藻を発酵させる技術を
利用し、全く異なる視点から工夫と改良を重ねることに
より、海藻を原料として健康機能性を有する新しい食品
あるいは食品素材を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたものであって、海藻類をセ
ルラーゼを含む糖質分解酵素により分解して単細胞の粒
子に変換するとともに乳酸菌及び/又は酵母により発酵
させて得られる、単細胞の粒子よりなり健康機能性を有
する海藻発酵食品に関する。また、本発明は、海藻類を
セルラーゼを含む糖質分解酵素により分解して単細胞性
の粒子に変換するとともに乳酸菌及び/又は酵母により
発酵させることよりなる前記海藻発酵食品の製造法に関
する。
【0009】さらに本発明は、このような海藻発酵食品
を素材として得られた健康機能性を有する食品に関す
る。本発明における乳酸菌としては、Lactobacillus
属、 Streptococcus属、Leuconostoc 属、Pediococcus
属、Tetragenococcus 属、Bifidobacterium 属などに属
する乳酸菌が、また酵母としては、Debaryomyces属、Sa
ccharomyces 属、Candida 属などに属する酵母を用いる
ことができる。特に乳酸菌として Lactobacillus brev
is NRIFS B5201株(FERM BP-7301)、酵母としてDebaryom
yces hanseniiNRIFS Y5201株 (FERM BP-7302) 、 Cand
ida zeylanoides NRIFS Y5206 株(FERM BP-7303)を用
いることが好ましく、これらの3種類を併用した微生物
コンソーシアムを用いることが特に好ましい。
【0010】なお、微生物コンソーシアムとは、複数の
微生物種の組み合わせという意味であり、微生物群ある
いは複合系微生物とも呼ばれる。単独でなく複数の微生
物を組み合わせて利用することにより、その場で安定な
微生物相を形成したり、多様な機能を同時に発揮させる
ことが可能になるので、生ごみの堆肥化や石油の分解処
理などの際にも、微生物をコンソーシアムとして投入す
ることが注目されつつある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する原料の海藻類としては、例えばワカ
メ、マコンブ、ヒジキなどの褐藻類、、アマノリなどの
紅藻類、アオサなどの緑藻類、アマモなどの顕花植物が
挙げられ、これから選択される1種以上を適宜使用す
る。これらの海藻類は生あるいは乾燥粉末の形態で用い
ることができる。上記海藻類の中でも、SCD 粒子(単細
胞化された海藻粒子のことをいう。Single cell detrit
usの略)の生成効率、原料の大量調達の容易さの面、経
験的に優れた食品であることが知られている点などの観
点から特にワカメ類、コンブ類、ヒジキ、アマノリ、ア
オサ類を用いるのが好ましい。それらの中でも、血中ト
リグリセライド濃度、肝臓脂質含量を低減させるなどの
健康機能性について顕著な効果がみられるワカメがとり
わけ好ましい。
【0012】本発明に使用する糖質分解酵素としては、
多糖分解後に発酵の基質として利用されうる糖質が生成
されている必要があるということからセルラーゼを必ず
使用しなければならない。さらに単細胞化の効率を上げ
るためあるいはオリゴ糖等の健康機能性成分の生成を期
待して、アルギン酸分解酵素、アガラーゼ、キシラナー
ゼ、フコイダン分解酵素、微生物由来各種ヘミセルラー
ゼ、ペクチナーゼ、アワビアセトンパウダー、プロテア
ーゼ、リパーゼなど海藻に含有される成分を分解しうる
種々の酵素と併用して使用することができる。
【0013】海藻を単細胞化する過程で使用する酵素の
濃度は高い程、効率が良いが、コストの面から 3.0%
(なお%は全て重量%を示す)以下の濃度で用いるのが
現実的である。セルラーゼを単独使用する場合、ワカメ
の場合 SCD粒子の生成数を指標に判断すると1%以上の
濃度で使用すれば、海藻の単細胞化と発酵をスタータ−
微生物を添加しなくてもおこさせることが可能である
が、スターターを使用した場合には 0.1〜0.5 %程度の
低濃度での添加で海藻の単細胞化を効率的におこない、
かつ発酵を充分におこさせることができるので経済的に
有利である。
【0014】海藻を単細胞化する過程での反応温度は、
5〜50℃の範囲で単細胞化の効率に大差なく実施でき
る。従ってコストの面から、調温設備を必要としない室
温付近で実施するのが好ましい。ただし、製造コストよ
りも製品の品質を重視する場合や、腐敗の危険を低減さ
せる目的がある場合には、5℃程度の低温下で長期間の
培養と保存をおこなうことも考えられる。
【0015】海藻を単細胞化する過程での海藻基質の濃
度は、乾燥重量で1〜12%の範囲で目的とする食品の種
類によって選択することができる。高い海藻濃度で調製
しておいて、後で希釈して食品として利用するのは簡単
であるので、高い濃度で調製するのが製造コストの面か
らいうと有利である。乾燥粉末を原料として使用する場
合、最大で10〜12%乾燥重量濃度までなら懸濁させて発
酵させることができる。このとき試料は、ペースト状の
強い粘性を有するため、取り扱いに不便を感じる場合
は、5〜10%濃度で調製するのが最も好ましい。
【0016】海藻を単細胞化する過程において塩分濃度
は、食品の種類により0〜30%の範囲で使用することが
できる。塩分濃度が 2.5%以上の場合には、陸性の腐敗
細菌の成育が抑制され、海洋性の腐敗細菌もセルラーゼ
の作用により産生されるグルコースおよびその代謝物に
より成育が阻害されるので、常温で長期保存可能な発酵
産物が得られる。塩分濃度が 2.5%を切る場合には、陸
性の細菌による腐敗が懸念されるが、スターターの量を
多めに使用するか、あるいは試料のpH値が充分下がり腐
敗がおこりにくくなるまで、5℃前後の低温で数日前培
養するなど工夫をすることにより、塩分濃度が低い海藻
発酵物を製造することも可能である。
【0017】塩分濃度が比較的低い条件、例えば食塩濃
度0%でワカメを発酵させた場合には、乳酸菌の増殖が
活発になり、即ち菌数レベルが高くなるとともに、乳酸
発酵がさかんにおこる。この場合、発酵の形式が、ヘテ
ロ型の乳酸発酵をおこす乳酸菌を使用した場合には、乳
酸の生成とともにエタノールと炭酸ガスが産生される。
海藻に多量に含まれるアルギン酸等の多糖は粘性が高い
ため、発酵により発生した炭酸ガスは容易に試料の外部
に出られない。その結果、培養4日目から10日目くらい
にかけて、海藻試料が大量の炭酸ガスを抱き込むことと
なり、ムース状の物性をした食品素材を得ることが出来
る。またこの場合にはチーズに似た乳酸発酵独特の臭気
を有するため、例えば乾燥してパスタやお好み焼きの上
に振りかけたりするなど各種食品のトッピング材として
利用することができる。一方、塩分濃度が比較的高い条
件、例えば食塩濃度 3.5%でワカメを発酵させた場合に
は得られる発酵産物は、ヨーグルトに似た物性を有して
いることから、本発明者はこれをマリンヨーグルトと呼
んでおり、例えばご飯にのせて朝食として食べるなどす
ることができる。またこの場合は、フルーティーなワイ
ンに似た芳香臭を有するのが特徴である。
【0018】本発明で使用する微生物は、栄養源として
海藻だけが存在する系でも成育できる微生物であるとい
う前提条件のほか、グルコースを基質として乳酸発酵も
しくはエタノール発酵を起こすということが必要とな
る。また目的とする食品の種類により、好ましい臭気を
付与するという目的にあった微生物を組み合わせて使用
する。即ち、チーズのような乳酸発酵食品に独特の臭気
を求められる場合は、乳酸菌単独あるいは乳酸菌が主体
として機能しうるような組み合わせの微生物を選んで使
用する。一方、ワインのようなフルーティーな香りが好
ましい食品の場合には、酵母を主体として使用すること
によりエステルに起因する芳香臭を付与することができ
る。また原材料に含まれる雑菌の成育を抑制し、腐敗し
にくい安定な微生物相を形成させるには乳酸菌と酵母を
同時に使用することが好ましいが、この場合には、食塩
濃度、培養温度等の培養条件を変化させることにより、
臭気の異なる海藻発酵試料を調製することが可能であ
る。
【0019】具体的には、乳酸菌としてはLactobacillu
s属、Streptococcus 属、Leuconostoc 属、Pediococcus
属、Tetragenococcus 属から選択される1種類以上の
菌株を使用することができる。また、広い意味で乳酸菌
とみなされるBifidobacterium 属の菌株も選択すること
ができる。また酵母としては、Debaryomyces属、Candid
a 属およびSaccharomyces属から選択される1種類以上
の菌株を選択して使用することができる。とりわけ原材
料中にあらかじめ存在する雑菌を良く抑制することが実
験的に確かめられている、本発明者らがアオサの発酵試
料より分離した微生物コンソーシアム、すなわち Lacto
bacillus brevis NRIFS B5201株、Debaryomyces hans
enii NRIFS Y5201株および Candida zeylanoides NRIF
S Y5206 株の3種類を同時に添加することが有効であ
る。この微生物コンソーシアムを分離した方法及び各微
生物の分類学的性状の詳細については、特願 2000-3003
99号明細書に記載したが、次のとおりである。
【0020】本発明者らは、本発明者らの研究室におい
てセルラーゼ処理してSCD化したアオサをペットボト
ルで密封した条件下で1年5ヶ月間、2℃に放置した試
料が、発酵臭を発する発酵状態になったことを見出し
た。この発酵したアオサ試料を新しいアオサ試料にセル
ラーゼとともに、1%程度の量として植え継ぐと、新た
にアオサ試料を発酵状態に誘導できることが観察され
た。その後さらに約1年間にわたり詳細に、解析をすす
め、塩濃度5%、セルラーゼ濃度1%という条件下にお
いて発酵試料を1%接種し、20℃で1週間培養すれば、
数ヶ月ごとの植え継ぎでも、海藻を発酵させるスタータ
ーとしての能力を保持したままで試料が維持できること
がわかった。そこで、この発酵状態にあるアオサ試料よ
り、アオサを発酵させる能力を有する微生物群を得るこ
ととした。継体されたアオサ試料中の微生物相を直接計
数法、寒天平板法により詳細に解析し、蛍光顕微鏡によ
る直接計数法からの結果とも照らし合わした結果、この
試料中には、1種類の乳酸菌、2種類の酵母、3種類の
糸状菌が優占しており、植え継ぎ前後で安定的に菌相が
維持されていることが判明した。
【0021】これらのうち、糸状菌は一般に糖質分解酵
素の活性が強く、発酵の基質となる糖の生成段階で有用
であるが、本発明の場合には、市販の糖質分解酵素を利
用しているので、特に糸状菌を使用する必要はないと判
断し、乳酸菌1種類(すなわち、NRIFS B5201 株)と酵
母2種類(すなわち、NRIFS Y5201株及び NRIFS Y5206
株)の合計3種類を分離して発酵スターターとして利用
した。これら3種類の微生物の混合体を、新たな海藻試
料に対してセルラーゼとともに少量接種したところ、ア
オサのみならずワカメ、マコンブ等幅広い種類の海藻を
発酵状態に誘導するためのスターターとして利用できる
ことが判明した。なお、ここでいう発酵状態とは、海藻
試料を、水溶液に懸濁した状態で、20℃下に1週間以上
放置しても、腐敗臭が発生しないばかりでなく、フルー
ティーなエステル様の臭気が発生した状態に誘導される
ことを意味する。またこのとき試料の上清画分中に、乳
酸もしくはエチルアルコールが生成されているという特
徴を有する。
【0022】ここで得られた微生物を Burgey's Manual
of Saystematic Bacteriology (N.R. krieg and J.G.
Holt, Wiliams & Wilkins 1984) 及び The Yeast 4th e
dition (Kurtzman, C.P.and Fell, J.W.,Elsevier Scie
nce B.V.,1998)に従い同定した結果、乳酸菌 NRIFS B 5
201 株は表1のとおり Lactobacillus brevisである
と、酵母 NRIFS Y5201株及び酵母 NRIFS Y5206株は、表
2及び表3のとおり、Debaryomyces hansenii及びCand
ida zeylanoides であることが判明した。
【0023】
【表1】 乳酸菌のNRIFS B 5201 株の性状 ──────────────────────────── 試験項目 試験結果 ──────────────────────────── グラム染色 + 形 態 桿 菌 1.0× 1.5〜2.0 μm 胞 子 − 運動性 − O/F 試験 F カタラーゼ − オキシダーゼ − 集落の色調 クリーム色 グルコースからの乳酸産生(効率) +(50%) グルコースからのエタノール産生 + グルコースからのガス産生 + 乳酸発酵形式 ヘテロ型 生育温度 5℃ − 15℃ + 30℃ + 45℃ − 炭水化物からの酸産生 グルコース + フラクトース + ガラクトース + D-キシロース + L-キシロース − マンノース − グリセロール − エリスリトール − D-アラビノース − L-アラビノース + リボース + アドニトール − β- メチル-D- キシロース − ソルボース − ラムノース − ズルシトール − イノシトール − マンニトール − ソルビトール − α- メチル-D- マンノース − α- メチル-D- グルコース ± N-アセチルグルコサミン ± アミグダリン − アルブチン − エスクリン + サリシン − セロビオース − マルトース + ラクトース − メリビオース − シュークロース − トレハロース − イヌリン − メレチトース − ラフィノース − スターチ − グリコーゲン − キシリトール − ゲンチオビオース − D-ツラノース − D-リキソース − D-タガトース − D-フコース − L-フコース − D-アラビトール − L-アラビトール − グルコネート + 2-ケトグルコン酸 − 5-ケトグルコン酸 ± GC含量(mol%) 45 16S rRNA遺伝子 (大腸菌の第41番− 第1507番位) の比較 Lavtobacillus brevis (Accession 99.9% No.dbj D37785) との相同性 ───────────────────────────────
【0024】
【表2】 酵母 NRIFS Y5201株の性状 ───────────────────────────── 試験項目 試験結果 (Y 5201株) ───────────────────────────── 栄養細胞の形態 球形〜卵形 増殖形式 多極出芽 偽菌糸 形成しない 子嚢胞子 形成する (麦芽培地、15℃、3週間) 球形、表面が滑らかでない 成育試験 35℃ − 0.01%シクロヘキシミド存在下 − 酢酸の生成 − ビタミン欠培地 − 糖類発酵性試験 D-グルコース 弱い D-ガラクトース − シュークロース 弱い マルトース − ラクトース − ラフィノース − 炭素化合物資化性試験 D-グルコース + D-ガラクトース + L-ソルボース + D-グルコサミン + D-リボース − D-キシロース + L-アラビノース + L-ラムノース + シュークロース + マルトース + α、α- トレハロース + メチルα-D- グルコシド + セロビオース + メリビオース − ラクトース − ラフィノース + メレチトース + グリセロール + meso- エリスリトール + D-ソルビトール + D-マンニトール + myo-イノシトール − 2-ケト-D- グルコン酸 + D-グルコン酸 + D-グルクロン酸 + DL- 乳酸 + 窒素化合物資化性試験 硝酸塩 − エチルアミン + L-リジン + ガダベリン + D-グルコサミン − 18S rRNA遺伝子 (Saccharomyces cerevisiaeの 第22番−第1771番位) の塩基 配列の比較 Debaryomyces hansenii (Accessien No.dbj AB013555)と 99.9% の相同性 ───────────────────────────
【0025】
【表3】 酵母 NRIFS Y5206株の性状 ────────────────────────────── 試験項目 試験結果 ────────────────────────────── 栄養細胞の形態 卵形〜長楕円形 増殖形式 出 芽 偽菌糸 形成する 子嚢胞子 形成せず (麦芽および酢酸培地) 成育試験 35℃ − 0.01%シクロヘキシミド存在下 + 酢酸の生成 − 糖類発酵性試験 D-グルコース − D-ガラクトース − シュークロース − マルトース − ラクトース − ラフィノース − 炭素化合物資化性試験 D-グルコース + D-ガラクトース − L-ソルボース + D-グルコサミン 弱い D-リボース − D-キシロース − L-アラビノース − L-ラムノース − シュークロース − マルトース − α、α- トレハロース + メチルα-D- グルコシド − セロビオース − メリビオース − ラクトース − ラフィノース − メレテトース − グリセロール + meso- エリスリトール − D-ソルビトール + D-マンニトール + myo-イノシトール − 2-ケト-D- グルコン酸 + D-グルコン酸 − D-グルクロン酸 − DL- 乳酸 − 窒素化合物資化性試験 硝酸塩 − エチルアミン + L-リジン + カダベリン + D-グルコサミン − 18S rRNA遺伝子 (Saccharomyces cerevisiaeの 第22番−第1771番位) の塩基 配列の比較 Candida zeylanoides (Accessien No.dbj AB013509)と 99.5% の相同性 ───────────────────────────
【0026】これらの微生物は、産業技術総合研究所生
命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターにそれぞ
れ受託番号FERM BP-7301、FERM BP-7302、FERM BP-7303
として寄託されている。
【0027】本発明で使用するこれらの微生物の接種量
としては、各菌体の培養菌体を濁度OD(660nm)=1の濃
度に調整した細胞懸濁液を海藻懸濁液に対して 1〜0.1
%程度の重量割合で接種すればよいが、海藻発酵物の一
部を 1〜10%相当の量として直接移植し、スターター
(種)として利用することも可能である。海藻発酵微生
物を添加する時期は、海藻をSCD化した後でもよいが、
糖質分解酵素を加える第一段階で同時に添加した方が、
時間の節約になり望ましい。
【0028】このようにして製造した海藻発酵物は、硬
いセルロース成分が分解されるとともに単細胞化されて
いるため滑らかな食感を有し、ペースト状であるため食
パンの上に塗ることも容易である。あるいは消化され易
いことが期待されるなど食材としての利用する上で様々
な優位性を有している。また、そのままで、例えばご飯
の上にのせて食したり、野菜サラダの上にかけてドレッ
シングとして利用したり、あるいは、くさや汁のように
魚のひらきの表面に塗布することにより、乳酸菌発酵物
が有する抗菌性を利用した食品として利用できる。保存
性についても、20℃で18ヶ月放置した場合にも腐敗がお
こらず良好な保存性を有している。
【0029】このように、海藻を単細胞化しかつ発酵さ
せたものは、味、臭気、物性の各面にわたりこれまでに
ないユニークな性状を有し、それ自体新規な食品として
利用されることが期待できるが、それ以外に活きた乳酸
菌を含むという特徴を有することから、様々な健康機能
性が期待できる。これまでに乳酸菌あるいは乳酸発酵食
品が有する健康機能性としては、蛋白の予備消化作用、
ミネラル吸収促進作用、整腸作用、血中コレステロ−ル
低減作用、血中トリグリセライド低減作用、血圧降下作
用、制癌作用、免疫賦活作用等(乳酸菌の科学と技術、
乳酸菌研究集団会編、学会出版センター)とが知られて
おり、本発明により得られる海藻発酵食品も、使用する
乳酸菌の種類を選ぶことにより、同様の効果が期待でき
る。例えばワカメは、それ自体、血中及び肝臓中の中性
脂質(トリグリセラリド)を低減させる効果があること
が既に報告されているが、L. brevis NRIFS B5201 株,
D.hansenii NRIFS Y5201 株, Candida zeylanoides N
RIFS Y5206 株からなる微生物コンソーシアムにより発
酵させたワカメは、無処理のワカメより、その低減効果
が著しいことが動物試験により、認められている。また
肝臓中のコレステロール含量を低減させる効果もワカメ
そのものよりも、これを発酵処理したものの方が効果が
著しい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈さ
れるものではない。
【実施例1】紅藻類、褐藻類、緑藻類および顕花植物に
属する各種の海藻の乾燥粉末(粒径1mm以下)0.5gを、
0.1gのセルラーゼオノズカR-10、((Toyamaの方法で測定
した)ろ紙破壊力として力価10,000u/g)9ml のオートク
レーブ処理して滅菌された 3.5% NaCl 水溶液とともに
フタつきの試験管にいれ、さらにスターターとして3菌
株(Lactobacillus brevis NRIFS B5201 株、Debaryom
yces hansenii NRIFSY5201株およびCandida zeylanoid
es NRIF SY5206 株)からなる海藻発酵型の微生物コン
ソーシアムを接種した。接種の方法は、各菌株の培養菌
体をOD660nm =1の濃度として生理的食塩水に懸濁したも
のを、それぞれ0.05mlづつ接種した。培養は、密栓した
状態で、20℃下で、ゆっくり(5rpm)試験管を回転させな
がら、7日間おこない、培養後、微生物発酵により産生
される乳酸およびエタノールの量を測定し、表4にまと
めた。
【0031】
【表4】 各種海藻において微生物コンソーシアムを添加することにより 乳酸及びエタノールが発酵生産されるかどうか調べた結果 ────────────────────────────────── 乳酸生成量 エタノール生成量 海藻 分類 (g/100ml) (g/100ml) ────────────────────────────────── スギノリ +(0.25) +(0.18) オゴノリ +(0.31) +(0.23) イバラノリ +(0.22) +(0.16) シキンノリ +(0.16) +(0.18) オバクサ 紅藻類 +(0.12) +(0.08) キントキ +(0.25) +(0.17) ヒトツマツ +(0.25) +(0.41) オオブサ +(0.18) +(0.12) ミゾオゴノリ +(0.25) +(0.12) ────────────────────────────────── ウミウチワ −(<0.01) +(0.08) オオバモク ±(0.01) +(0.04) ヒジキ ±(0.01) +(0.24) イシゲ ±(0.01) +(0.10) フクリンアミジ 褐藻類 ±(0.02) +(0.04) アラメ ±(0.02) +(0.03) ワカメ +(0.23) +(0.38) 茎ワカメ +(0.25) +(0.12) マコンブ +(0.16) +(0.15) ────────────────────────────────── アオサ試料1 緑藻類 +(0.76) +(0.16) アオサ試料2 〃 +(0.45) +(0.41) ────────────────────────────────── アマモ 顕花植物 +(1.14) +(0.26) ──────────────────────────────────
【0032】表4より一部の褐藻類では乳酸生成量が少
ないものの、全ての海藻において乳酸もしくはエタノー
ルの産生がみられた。なお、試料は、エステル様のフル
ーティーな臭気を有していた。この結果より、本発明者
が開発した上記の海藻発酵型の微生物コンソ−シアムを
セルラーゼとともに添加することにより、全ての種類の
海藻を乳酸発酵もしくはエタノール発酵させて食品素材
とすることが可能であることがわかる。
【0033】
【実施例2】ワカメ乾燥粉末(粒子直径74μm以下)800
gを8gのセルラーゼ(R-10、ヤクルト本社製)、滅菌蒸
留水8Lとともにスクリューキャップ付き10L 容のポリ
プロピレン製容器に収容し、よく混合した。Lactobacil
lus brevis NRIFS B5201株の培養菌体を滅菌水で濁度OD
(660) =1の懸濁液として80ml(即ち6.3x1010細胞相
当)、Debaryomyces hansenii NRIFS Y5201株の培養菌
体を同様に濁度OD(660) =1の懸濁液として80ml(即ち4.
4x108 細胞相当)、Candida zeylanoides NRIFS Y5206
株の培養菌体を同様に濁度OD(660) =1の懸濁液として80
ml(即ち6.8x108 細胞相当)添加し、キャップを閉めた
嫌気・静置条件下で、5℃で3日間1次培養し、さらに2
0℃で9日間2次培養して発酵させた。
【0034】培養4日目から9日目の培養終了時まで、
顕著な発泡が観察され、pHが初期値6.4 から5.2 に下が
るなど、ヘテロ型の乳酸発酵が活発におこっていると推
察された。タンクの破裂を防ぐため、1日1回程度キャ
ップをゆるめて圧抜きをしなければならないほど発酵は
強力であった。アルギン酸多糖を含有するワカメ試料は
粘性に富むため、発酵により産生された炭酸ガスは容易
にワカメ試料の外部に放出されず内部に残るため、この
ようにして得られた海藻発酵産物は、ヨーグルトかある
いはムースのような物性を有し、そのまま食したりある
いはご飯にかけて食するなどにより食品としての利用が
可能であった。培養終了時の菌相は、雑菌の成育が抑制
され、乳酸菌が優占していた。BCP 添加カウントアガー
ル平板で計数した乳酸菌の数は1.0x108CFU/ml、サブロ
ー培地で計数した酵母の数は 2.2×105 CFU/mlであっ
た。顕微鏡観察するとワカメが、直径5-10μm単細胞性
の粒子になっており、これをヒトが食した場合、消化し
やすいことが容易に推察された。
【0035】また、この発酵試料を凍結乾燥すると乳酸
発酵独特のチーズに似た臭気を有し、微粒子粉末状であ
るため、粉チーズの代わりに例えばスパゲティーにふり
かけて食するなどによりトッピング材としての利用が可
能であった。表5 に原料ワカメとこれを発酵させた試料
の成分組成の一部(粗タンパク含量及び炭水化物含量)
を示す。発酵処理により炭酸ガスやエタノールが産生さ
れ、その結果ワカメに多く含まれる炭水化物の割合が減
少するとともに、粗タンパク含量の割合が増加する傾向
がみられ、食品として栄養バランスがよくなっているこ
とがわかる。
【0036】
【表5】 ワカメ試料および発酵ワカメ試料の成分組成の比 ───────────────────────── 粗タンパク 炭水化物 ───────────────────────── ワカメ粉末 25.4 52.0 発酵ワカメ粉末 39.5 38.0 ───────────────────────── 乾物重量割合 (%) 粗タンパク: ケルダール法 炭水化物: 粗タンパク、粗脂肪、灰分より算出
【0037】
【実施例3】実施例2で得られたワカメ発酵産物の凍結
乾燥物を配合した飼料(発酵ワカメ区)をラットに摂食
させ、血中および肝臓中の中性脂肪(トリグリセライ
ド)濃度およびコレステロール濃度を低減させる効果が
あるかどうか調べた。比較のため、ワカメを含有しない
飼料(対照区)および発酵処理していないワカメを等量
含有する飼料(ワカメ区)を調製し摂食させた。各試験
区の飼料組成は表6に示す。投与試験は、各区ともラッ
ト(6週令、オス、体重205-239g、n=7)を対象に3週間
投餌し、投餌後の肝臓中のトリグリセライド濃度及びコ
レステロール濃度を測定して比較した。
【0038】
【表6】 各試験区の飼料組成* ─────────────────────────────── 対照区 ワカメ区 発酵ワカメ区 ─────────────────────────────── DL- メチオニン 3.0 3.0 3.0 AIN-76ビタミン混合 10.0 10.0 10.0 AIN-76ミネラル混合 35.0 35.0 35.0 セルロースパウダー 50.0 46.6 46.6 ワカメ粉末 100.0 発酵ワカメ粉末 100.0 コーンスターチ 150.0 150.0 150.0 カゼイン 200.0 174.6 173.6 コーン油 50.0 45.5 45.5 シュークロース 502.0 435.3 436.3 ─────────────────────────────── *飼料 1kgあたり(g)
【0039】ラットに、対照区、ワカメ区、発酵ワカメ
区とも、与えられた飼料をほぼ同じ量として3週間摂取
させ、嗜好性の点では、いずれも良い結果が得られた。
飼育後、ラットの血液および肝臓を採取し、トリグリセ
ライド濃度を測定した。この結果を図に示す。図1のよ
うに、対照区と比較して、有意(ダンカンの検定、5%
水準)にラットの血中 (図1A) および肝臓中 (図1B) の
トリグリセライド濃度を低減させる効果が認められた。
トリグリセライドの低減作用はワカメ区についても認め
られたが、それよりも発酵処理したワカメを配合した飼
料のほうが効果が顕著であった。またワカメ区の場合
は、図2に示すように血中コレステロール(図2A) が増
加する傾向があるというマイナスの要因があったが、発
酵処理したワカメでは、このような血中コレステロール
(図2A) の増加も認められず、肝臓中コレステロール濃
度においては、対照区 (図2B) に比べ有意にこれを低減
させる効果が認められた。
【0040】
【実施例4】凍結生ワカメを解凍後、クリアランス幅0.
5mm に調製したマスコロイダーに1回通すことにより、
ワカメペーストを調製した。このワカメベースト400gを
4gのセルラーゼオノズカR-10、3.5gのNaClとともにス
クリューキャップ式ポリカーボネートボトル(ナルゲン
社製、500ml 容)に収容し混合した。スターターとし
て、減菌生理的食塩水でOD660nm =1.0 の濃度で調製し
た乳酸菌Lactobacillusplantarum IAM 12477 株の細胞
懸濁液を4ml、同濃度の酵母Saccharomyces cerevisiae
IAM 4512 株の懸濁液を4ml添加し、20℃で静置培養し
た。培養5日目で海藻の単細胞化がコールターカウンタ
ーにより確認されるとともにエステル様の芳香臭が発生
し、充分に乳酸発酵が達成された大豆味噌に似た物性を
有する産物が得られた。これは、そのままあるいはご飯
に載せてなど食することができ大変美味であった。また
魚の開き等に塗布することにより、カス漬けに類似する
食品として利用するなど様々な用途が期待できる食品素
材と考えられた。
【0041】
【実施例5】実施例2で得られた発酵産物500gを厚さ約
20mmの板状に成型し、-40 ℃で凍結後、棚温度30℃で凍
結乾燥し、これを家庭用ミキサーにより粉砕後、メッシ
ュNo.200を通し、微粒子粉末とした。これは乳酸発酵独
特のチーズ様臭気を呈し、海藻からできた粉チーズと呼
ぶのがふさわしい産物が得られた。これをパスタにふり
かえて食すると、従来の粉チーズと異なり、緑色をして
おり、色彩的にも鮮やかなだけでなく、海藻の風味が多
少感じられ、健康感ある食材と考えられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3の3週間後のラットの血中および肝臓
中のトリグリセライド濃度の比較。
【図2】実施例3の3週間後のラットの血中および肝臓
中のコレステロール濃度の比較。
【符号の説明】
対照区a ワカメ区ab 発酵ワカメ区b と記載している場
合、対照区とワカメ区との間にはDuncanの検定により5
%水準で有意差はなく、ワカメ区と発酵ワカメ区との間
にも有意差はないが、対照区と発酵ワカメ区との間には
有意差があることを意味する。また、対照区a ワカメ区
a 発酵ワカメ区b と記載している場合、対照区とワカメ
区との間にはDuncanの検定により5%水準で有意差はな
いが、ワカメ区と発酵ワカメ区との間に有意差があり、
対照区と発酵ワカメ区との間にも有意差があることを意
味する。さらに、a,b がない場合は、どの試験区どうし
の間にも有意差がないことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−105661(JP,A) 特開 平4−258273(JP,A) 特開 平3−172147(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/337 A23L 1/28 - 1/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海藻類を、セルラーゼを含む糖質分解酵
    素により分解して単細胞の粒子に変換するとともに乳酸
    菌及び/又は酵母により発酵させて得られる、単細胞の
    粒子よりなり発酵されている海藻発酵食品。
  2. 【請求項2】 健康機能性を有する請求項1記載の海藻
    発酵食品。
  3. 【請求項3】 健康機能性が血中中性脂質(トリグリセ
    ライド)低減作用および肝臓脂質(トリグリセライド及
    びコレステロール)低減作用である請求項2記載の海藻
    発酵食品。
  4. 【請求項4】 海藻類をセルラーゼを含む糖質分解酵素
    により分解して単細胞性の粒子に変換するとともに乳酸
    菌及び/または酵母により発酵させることを特徴とする
    請求項1記載の海藻発酵食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 海藻類がワカメである請求項4記載の海
    藻発酵食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳酸菌がLactobacillus 属、酵母がDeba
    ryomyces属、Candida 属およびSaccharomyces 属からな
    る群から選択される1種またはそれ以上である請求項4
    記載の海藻発酵食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 乳酸菌が Lactobacillus brevis NRIFS
    B5201株(FERM BP-7301)、酵母がDebaryomyces hansen
    ii NRIFS Y5201株 (FERM BP-7302) および Candida ze
    ylanoides NRIFS Y5206 株(FERM BP-7303)である請求項
    6記載の海藻発酵食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 海藻発酵食品が健康機能性を有するもの
    である請求項4〜7のいずれかに記載の海藻発酵食品の
    製造法。
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