JP2005012944A - 昇圧クロック生成回路及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇圧クロック生成回路500は、第1の電源供給線と第1の昇圧クロックが出力される第1のクロック出力線との間に接続される第1のスイッチ回路502と、第2の電源供給線と第1のクロック出力線との間に接続される第2のスイッチ回路504と、第3の電源供給線と第2の昇圧クロックが出力される第2のクロック出力線との間に接続される第3のスイッチ回路506と、第4の電源供給線と第2のクロック出力線との間に接続される第4のスイッチ回路508とを含む。第1及び第2のスイッチ回路と、第3及び第4のスイッチ回路とは、それぞれ排他的にオンとなる。第1及び第3のスイッチ回路の電流駆動能力は異なり、第2及び第4のスイッチ回路の電流駆動能力は異なる。
【選択図】 図15
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇圧クロック生成回路及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置として、電気光学装置を含む液晶表示装置が用いられることがある。液晶表示装置を電子機器に搭載することで、電子機器の小型化と低消費電流化とを両立させることができる。
【0003】
ところで、液晶表示装置の駆動には高い電圧が必要とされる。従って、電気光学装置を駆動するドライバIC(Integrated Circuit)(広義には半導体装置)は、高い電圧を生成する電源回路を内蔵することがコストの観点からも望ましい。この場合、電源回路は、昇圧回路を含む。昇圧回路は、高電位側のシステム電源電圧VDDと、低電位側の接地電源電圧VSSとの間の電圧を昇圧して、液晶駆動用の出力電圧Voutを生成する。
【0004】
このような昇圧回路として、いわゆるチャージポンプ方式で昇圧した電圧を生成するチャージポンプ回路を用いることで、低消費化を図ることができる。チャージポンプ回路は、キャパシタを含む。液晶パネルとドライバICとをモジュール化した液晶パネルモジュールでは、チャージポンプ回路のキャパシタをIC内に内蔵することにより、実装工程の簡略化と、トータルコストの削減とを図ることができる。例えば、5倍昇圧を行う一般的なチャージポンプ回路では5個のキャパシタを必要とするため、上記の観点から、これらキャパシタをIC内に内蔵するメリットは大きい。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−211635号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
チャージポンプ回路のキャパシタをドライバIC内に内蔵した場合、外付けの場合と同じ容量を得るために、内蔵するキャパシタの面積が大きくなってしまいコストが高くなる。一方、内蔵するキャパシタの面積を小さくすると、消費電流が多くなる。このように、内蔵するキャパシタの面積と消費電流とがトレードオフの関係にある。
【0007】
従って、キャパシタの面積を小さくしてコストを削減するため、小容量のキャパシタを用いて従来と同じ能力(電荷供給能力、電流駆動能力或いは負荷駆動能力)を有するチャージポンプ回路が求められる。言い換えれば、キャパシタの面積が同じ(コストが同じ)で、従来の容量内蔵昇圧回路と同じ能力を有し、より一層の低消費電流化が可能なチャージポンプ回路が求められる。
【0008】
また、ICに外付けされたキャパシタ1個当たりの容量は0.1〜1μFであり、IC内に内蔵されたキャパシタ1個当たりの容量は1nF程度である。そのため、従来の容量を内蔵しない昇圧回路と同じ能力を得るためには、チャージポンプ回路のスイッチ素子のスイッチング周波数を大きくする必要があり、キャパシタの充放電電流の増加による消費電流の増大を招く。従って、キャパシタの充放電電流を低減するチャージポンプ回路を提供することが望まれる。
【0009】
更に、上述の効果を得ることができても、スイッチ素子の数が増加し、昇圧クロックを生成する回路の規模が増大してしまうと、コスト削減の効果が薄れてしまう。このため、上述の効果を得るチャージポンプ回路の昇圧クロックを、より簡素な構成で生成する必要がある。
【0010】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷駆動能力を低下させることなく、低コスト化及び低消費化を両立させるチャージポンプ回路を含む半導体装置を提供することにある。
【0011】
また本発明の他の目的は、上述のような効果を得ることができる半導体装置においてスイッチ素子数が増加しても、簡素な構成で昇圧クロックを生成できる昇圧クロック生成回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、チャージポンプ回路において2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子をスイッチ制御するための第1及び第2の昇圧クロックを生成する昇圧クロック生成回路であって、第1の電源電圧が供給される第1の電源供給線と、第1の昇圧クロックが出力される第1のクロック出力線との間に接続される第1のスイッチ回路と、第2の電源電圧が供給される第2の電源供給線と、前記第1のクロック出力線との間に接続される第2のスイッチ回路と、第3の電源電圧が供給された第3の電源供給線と、第2の昇圧クロックが出力される第2のクロック出力線との間に接続される第3のスイッチ回路と、第4の電源電圧が供給される第4の電源供給線と、前記第2のクロック出力線との間に接続される第4のスイッチ回路とを含み、前記第1及び第2のスイッチ回路は、第1のクロックに基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御され、前記第3及び第4のスイッチ回路は、第2のクロックに基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御され、前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力と異なり、前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力と異なる昇圧クロック生成回路に関係する。
【0013】
本発明においては、第1及び第3のスイッチ回路の電流駆動能力と、第2及び第4のスイッチ回路の電流駆動能力とを互いに異ならせることで、第1の昇圧クロックの立ち上がり時間及び立ち下がり時間と、第2の昇圧クロックの立ち上がり時間及び立ち下がり時間とを異ならせることができる。従って、第1及び第2のクロックに応じて、第1の昇圧クロックの立ち上がり期間及び立ち下がり期間と、第2の昇圧クロックの立ち上がり期間及び立ち下がり期間とが重ならない(非重複となる)ようにすることができる。こうすることで、チャージポンプ回路において2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子のスイッチ制御を、第1及び第2の昇圧クロックで行うことにより、2つのスイッチ素子に流れる貫通電流を削減できる。更に、第1及び第2の昇圧回路を非常に簡素な構成で生成することができ、回路規模の増大を抑えることができる。
【0014】
また本発明に係る昇圧クロック生成回路では、前記第2の電源電圧が、前記第1の電源電圧よりも高電位であり、前記第4の電源電圧が、前記第3の電源電圧よりも高電位であり、前記第1及び第2のクロックは、同位相であり、前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より小さく、前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より大きくてもよい。
【0015】
本発明によれば、例えばチャージポンプ回路を構成するトランジスタであって、2つの電源線間に直列に接続された2つのnチャネル型MOSトランジスタ及びpチャネル型MOSトランジスタのゲート端子に、第1及び第2の昇圧クロックを供給することにより、2つのMOSトランジスタが同時にオンすることがなくなり、貫通電流を削減できる。
【0016】
また本発明に係る昇圧クロック生成回路では、前記第2の電源電圧が、前記第1の電源電圧よりも高電位であり、前記第4の電源電圧が、前記第3の電源電圧よりも高電位であり、前記第1及び第2のクロックは、逆位相であり、前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より小さく、前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より大きくてもよい。
【0017】
本発明によれば、例えばチャージポンプ回路を構成するトランジスタであって、2つの電源線間に直列に接続された2つのpチャネル型MOSトランジスタのゲート端子に、第1及び第2の昇圧クロックを供給することにより、2つのMOSトランジスタが同時にオンすることがなくなり、貫通電流を削減できる。
【0018】
また本発明に係る昇圧クロック生成回路では、前記第1〜第4のスイッチ回路の各スイッチ回路は、トランジスタであってもよい。
【0019】
本発明によれば、昇圧クロック生成回路の構成を更に簡素化できる。
【0020】
また本発明は、上記のいずれか記載の昇圧クロック生成回路と、前記第1及び第2の昇圧クロックに基づくチャージポンプ動作により昇圧した電圧を出力するチャージポンプ回路とを含み、前記チャージポンプ回路は、第1〜第(N+1)(Nは3以上の整数)の電源線と、第1のスイッチ素子の一端が第1の電源線に接続され、第2Nのスイッチ素子の一端が第(N+1)の電源線に接続され、第1及び第2Nのスイッチ素子を除く残りのスイッチ素子が前記第1のスイッチ素子の他端と前記第2Nのスイッチ素子の他端との間に直列に接続された第1〜第2Nのスイッチ素子と、各昇圧用キャパシタの一端が、第j(1≦j≦2N−3、jは奇数)及び第(j+1)のスイッチ素子が接続された第jの接続ノードに接続され、該昇圧用キャパシタの他端が、第(j+2)及び第(j+3)のスイッチ素子が接続された第(j+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−1)の昇圧用キャパシタと、各安定化用キャパシタの一端が、第k(2≦k≦2N−4、kは偶数)及び第(k+1)のスイッチ素子が接続された第kの接続ノードに接続され、該安定化用キャパシタの他端が、第(k+2)及び第(k+3)のスイッチ素子が接続された第(k+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−2)の安定化用キャパシタとを含み、第m(1≦m≦2N−1、mは整数)のスイッチ素子と第(m+1)のスイッチ素子とが排他的にスイッチ制御され、前記第1〜第2Nのスイッチ素子のうち2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子が、前記第1及び第2の昇圧クロックに基づいてスイッチ制御される半導体装置に関係する。
【0021】
また本発明に係る半導体装置では、前記チャージポンプ回路は、第Nの電源線と第(N+1)の電源線との間に接続された第(N−1)の安定化用キャパシタを更に含み、前記第(N−1)の安定化用キャパシタが、前記第2の期間において第(N−1)の昇圧用キャパシタから放電された電荷を蓄積してもよい。
【0022】
また本発明に係る半導体装置では、前記第1及び第(N+1)の電源線と電気的に接続された第1及び第2の端子を含み、半導体装置の外部で、前記第1及び第2の端子の間にキャパシタが接続されてもよい。
【0023】
本発明によれば、チャージポンプ回路を構成するスイッチ素子、昇圧用キャパシタ及び安定化用キャパシタを低耐圧の製造プロセスで作り込むことができるようになる。また、スイッチ素子を、一般的なMOSトランジスタにより実現した場合、MOSトランジスタを低耐圧の製造プロセスで製造できるようになるので、MOSトランジスタのゲート容量による充放電電流を低減することができる。
【0024】
更に、一般的なチャージポンプ回路と比較すると、半導体装置内に同じ面積を費やしてキャパシタを作り込み(コスト同じ)、同じ出力インピーダンスを得よう(能力同じ)とした場合、キャパシタの充放電の周波数を低減できるので、スイッチングに伴う消費電流を低減できる。更にまた、キャパシタを低耐圧の製造プロセスで作り込めるようになり、キャパシタの寄生容量による充放電電流を大幅に削減できる。
【0025】
そして、上述のチャージポンプ回路においてスイッチ素子数が増加した場合でも、昇圧クロック生成回路の構成の簡素化により、ディレイセルによる回路規模の増大を抑えることができる。
【0026】
更にまた、本発明においては、2つのスイッチ回路の電流駆動能力の違いにより昇圧クロックを生成するため、昇圧クロックの逆相分と正相分とに対してレベルシフタを設けて電圧レベルを変換する必要がなく、レベルシフタの削減に伴い、回路規模を更に小さくできる。
【0027】
また本発明に係る半導体装置では、前記昇圧クロック生成回路の前記第1〜第4の電源供給線の各電源供給線が、前記チャージポンプ回路の第1〜第(N+1)の電源線のいずれか1つ又は前記第1〜第(2N−1)の接続ノードのいずれか1つと電気的に接続されてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0029】
まず、半導体装置(集積回路、IC)内に内蔵するのに好適なチャージポンプ回路について説明する。その次に、該チャージポンプ回路の昇圧クロックの生成に好適な昇圧クロック生成回路について説明する。
【0030】
1. チャージポンプ回路
本実施形態におけるチャージポンプ回路は、複数のキャパシタを含み、いわゆるチャージポンプ方式により昇圧した電圧を出力する。
【0031】
図1に、本実施形態におけるチャージポンプ回路の動作原理の説明図を示す。本実施形態におけるチャージポンプ回路は、第1〜第M(Mは4以上の整数)の電源線VL−1〜VL−Mを有する。そしてチャージポンプ回路は、第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間の電圧Vを(M−1)倍に昇圧した昇圧電圧(M−1)・Vを、出力電圧Voutとして第Mの電源線VL−Mに出力する。図1では、Mが6の場合(5倍昇圧時)の動作原理を示している。
【0032】
チャージポンプ回路は、第1〜第(M−2)の昇圧用キャパシタCu1〜Cu(M−2)と、第1〜第(M−3)の安定化用キャパシタCs1〜Cs(M−3)とを含む。
【0033】
第1〜第(M−2)の昇圧用キャパシタCu1〜Cu(M−2)のうち第j(1≦j≦M−2、jは整数)の昇圧用キャパシタCujは、第1の期間に第jの電源線と第(j+1)の電源線との間に接続される。そして、第jの昇圧用キャパシタは、第1の期間経過後の第2の期間に、第(j+1)の電源線と第(j+2)の電源線との間に接続される。即ち第jの昇圧用キャパシタCujに接続される電源線は、第1及び第2の期間の各期間に応じて切り替えられる。
【0034】
例えば第1の昇圧用キャパシタCu1は、第1の期間に第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間に接続され、第2の期間に第2及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続される。第2の昇圧用キャパシタCu2は、第1の期間に第2及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続され、第2の期間に第3及び第4の電源線VL−3、VL−4の間に接続される。第(M−2)の昇圧用キャパシタCu(M−2)は、第1の期間に第(M−2)及び第(M−1)の電源線VL−(M−2)、VL−(M−1)の間に接続され、第2の期間に第(M−1)及び第Mの電源線VL−(M−1)、VL−Mの間に接続される。
【0035】
また、第1〜第(M−3)の安定化用キャパシタCs1〜Cs(M−3)のうち第k(1≦k≦M−3、kは整数)の安定化用キャパシタCskは、第(k+1)の電源線と第(k+2)の電源線との間に接続される。そして、第kの安定化用キャパシタCskは、第2の期間において第kの昇圧用キャパシタCukから放電された電荷を蓄積(充電)する。即ち第kの安定化用キャパシタCskに接続される電源線は、第1及び第2の期間の各期間において共通している。
【0036】
例えば第1の安定化用キャパシタCs1は、第2及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続される。そして第1の安定化用キャパシタCs1は、第2の期間に第1の昇圧用キャパシタCu1から放電された電荷を蓄積する。上述のように、第2の期間では、第1の安定化用キャパシタCs1は第2及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続されている。第2の安定化用キャパシタCs2は、第3及び第4の電源線VL−3、VL−4の間に接続される。そして第2の安定化用キャパシタCs2は、第2の期間に第2の昇圧用キャパシタCu2から放電された電荷を蓄積する。第(M−3)の安定化用キャパシタCs(M−3)は、第(M−2)及び第(M−1)の電源線VL−(M−2)、VL−(M−1)の間に接続される。そして第(M−3)の安定化用キャパシタCs(M−3)は、第2の期間に第(M−3)の昇圧用キャパシタCu(M−3)から放電された電荷を蓄積する。
【0037】
このようなチャージポンプ回路の原理的な動作について、図1に示すようにMが6の場合を例に説明する。第1の電源線VL−1には、低電位側の接地電源電圧VSSが供給されている。第2の電源線VL−2には、高電位側のシステム電源電圧VDDが供給されている。第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間には電圧Vが印加される。
【0038】
第1の期間では、第1の昇圧用キャパシタCu1の両端に電圧Vが印加される。そして、第1の期間経過後の第2の期間では、第1の昇圧用キャパシタCu1が、第2の及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続される。従って、第1の期間において第1の昇圧用キャパシタCu1に蓄積された電荷が放電され、第1の安定化用キャパシタCs1に蓄積される。これにより、第1の安定化用キャパシタCs1の一端が接続される第2の電源線VL−2の電圧Vを基準に、第1の安定化用キャパシタCs1の他端が接続される第3の電源線VL−3が電圧2・Vとなる。
【0039】
同様にして、第1の期間に第2及び第3の昇圧用キャパシタCu2、Cu3の各昇圧用キャパシタに蓄積された電荷が第2の期間に放電され、第2及び第3の安定化用キャパシタCs2、Cs3の各安定化用キャパシタに蓄積される。
【0040】
この結果、第4〜第6の電源線VL−4〜VL−6の電圧は、3・V、4・V、5・Vとなる。即ちチャージポンプ回路の出力電圧として、第1及び第6の電源線VL−1、VL−6の間には、電圧5・Vが印加される。
【0041】
また第(M−1)の電源線VL−(M−1)と第Mの電源線VL−Mとの間に接続された第(M−2)の安定化用キャパシタCs(M−2)を更に含み、第(M−2)の安定化用キャパシタCs(M−2)が、第2の期間において第(M−2)の昇圧用キャパシタCu(M−2)から放電された電荷を蓄積することが望ましい。即ちMが6の場合、第5及び第6の電源線VL−5、VL−6の間に、第4の安定化用キャパシタCs4が更に接続されることが望ましい。図1では、第(M−2)の安定化用キャパシタCs(M−2)に相当する第4の安定化用キャパシタCs4が接続されている。この場合、第4の安定化用キャパシタCs4により第2の期間に昇圧された出力電圧Voutを安定した状態で供給することができる。
【0042】
更にまた、図1において、第1の電源線VL−1と第Mの電源線VL−Mとの間に接続されたキャパシタを更に含むことが望ましい。即ちMが6の場合、第1及び第6の電源線VL−1、VL−6の間に、キャパシタが接続されることが望ましい。図1では、第1及び第Mの電源線VL−1、VL−Mに相当する第1及び第6の電源線VL−1、VL−6の間に、キャパシタC0が接続されている。この場合、第6の電源線VL−6に接続される負荷に依存した電圧レベルの低下を回避できる。
【0043】
図2に、図1に示すチャージポンプ回路の構成例を示す。図2におけるチャージポンプ回路では、2つの電源線の間に直列に接続された2つのスイッチ素子を排他的にオンとなるように制御することで、第1及び第2の期間の各期間において、各昇圧用キャパシタにそれぞれ接続される電源線を切り替える。
【0044】
図2に示すチャージポンプ回路は、第1〜第(N+1)(Nは3以上の整数)の電源線VL−1〜VL−(N+1)を有する。そして、チャージポンプ回路は、第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間の電圧VをN倍に昇圧した昇圧電圧N・Vを、出力電圧Voutとして、第(N+1)の電源線VL−(N+1)に出力する。図2では、Nが5の場合(5倍昇圧時)の構成例を示している。
【0045】
チャージポンプ回路は、第1〜第2Nのスイッチ素子SW1〜SW2Nと、第1〜第(N−1)の昇圧用キャパシタCu1〜Cu(N−1)と、第1〜第(N−2)の安定化用キャパシタCs1〜Cs(N−2)とを含む。
【0046】
第1〜第2Nのスイッチ素子の各スイッチ素子は、第1及び第(N+1)の電源線VL−1、VL−(N+1)の間に直列に接続されている。より具体的には、第1のスイッチ素子SW1の一端が第1の電源線VL−1に接続され、第2Nのスイッチ素子SW2Nの一端が第(N+1)の電源線VL−(N+1)に接続される。そして、第1及び第2Nのスイッチ素子SW1、SW2Nを除く残りのスイッチ素子SW2〜SW(2N−1)が、第1のスイッチ素子SW1の他端と第2Nのスイッチ素子SW2Nの他端との間に直列に接続される。
【0047】
第1〜第(N−1)の昇圧用キャパシタCu1〜Cu(N−1)の各昇圧用キャパシタの一端が、第j(1≦j≦2N−3、jは奇数)及び第(j+1)のスイッチ素子SWj、SW(j+1)が接続された第jの接続ノードND−jに接続される。そして、該昇圧用キャパシタの他端が、第(j+2)及び第(j+3)のスイッチ素子SW(j+2)、SW(j+3)が接続された第(j+2)の接続ノードND−(j+2)に接続される。
【0048】
即ち第1の昇圧用キャパシタCu1は、第1及び第3の接続ノードND−1、ND−3の間に接続される。ここで、第1の接続ノードND−1は第1及び第2のスイッチ素子SW1、SW2が互いに接続されるノードであり、第3の接続ノードND−3は第3及び第4のスイッチ素子SW3、SW4が互いに接続されるノードである。第2の昇圧用キャパシタCu2は、第3及び第5の接続ノードND−3、ND−5の間に接続される。ここで、第5の接続ノードND−5は、第5及び第6のスイッチ素子SW5、SW6が互いに接続されるノードである。同様に、第(N−1)の昇圧用キャパシタCu(N−1)は、第(2N−3)及び第(2N−1)の接続ノードND−(2N−3)、ND−(2N−1)の間に接続される。ここで、第(2N−3)の接続ノードND(2N−3)は第(2N−3)及び第(2N−2)のスイッチ素子SW(2N−3)、SW(2N−2)が互いに接続されるノードであり、第(2N−1)の接続ノードND−(2N−1)は第(2N−1)及び第2Nのスイッチ素子SW(2N−1)、SW2Nが互いに接続されるノードである。
【0049】
また図2において、第1〜第(N−2)の安定化用キャパシタCs1〜Cs(N−2)の各安定化用キャパシタの一端が、第k(2≦k≦2N−4、kは偶数)及び第(k+1)のスイッチ素子SWk、SW(k+1)が接続された第kの接続ノードND−kに接続される。そして、該安定化用キャパシタの他端が、第(k+2)及び第(k+3)のスイッチ素子SW(k+2)、SW(k+3)が接続された第(k+2)の接続ノードND−(k+2)に接続される。
【0050】
即ち第1の安定化用キャパシタCs1は、第2及び第4の接続ノードND−2、ND−4の間に接続される。ここで、第2の接続ノードND−2は第2及び第3のスイッチ素子SW2、SW3が互いに接続されるノードであり、第4の接続ノードND−4は第4及び第5のスイッチ素子SW4、SW5が互いに接続されるノードである。第2の安定化用キャパシタCs2は、第4及び第6の接続ノードND−4、ND−6の間に接続される。ここで、第6の接続ノードND−6は、第6及び第7のスイッチ素子SW6、SW7が互いに接続されるノードである。同様に、第(N−2)の安定化用キャパシタCs(N−2)は、第(2N−4)及び第(2N−2)の接続ノードND−(2N−4)、ND−(2N−2)の間に接続される。ここで、第(2N−4)の接続ノードND(2N−4)は第(2N−4)及び第(2N−3)のスイッチ素子SW(2N−4)、SW(2N−3)が互いに接続されるノードであり、第(2N−2)の接続ノードND−(2N−2)は第(2N−2)及び第(2N−1)のスイッチ素子SW(2N−2)、SW(2N−1)が互いに接続されるノードである。
【0051】
そして、図2におけるチャージポンプ回路では、第m(1≦m≦2N−1、mは整数)のスイッチ素子SWmと第(m+1)のスイッチ素子SW(m+1)とが排他的にオンとなるようにスイッチ制御され、第1及び第(N+1)の電源線VL−1、VL−(N+1)の間に、第1及び第2の電源線の間の電圧をN倍に昇圧した電圧N・Vを出力する。
【0052】
図3に、図2における各スイッチ素子のスイッチ制御を行う昇圧クロックの動作を模式的に示す。
【0053】
ここで、第1のスイッチ素子SW1のスイッチ制御(オンオフ制御)を行う昇圧クロック(広義にはスイッチ制御信号)をS1、第2のスイッチ素子SW2のスイッチ制御を行う昇圧クロックをS2、・・・、第2Nのスイッチ素子SW2Nのスイッチ制御を行う昇圧クロックをS2Nとし、Nが5の場合の昇圧クロックS1〜S10の動作タイミングを模式的に示す。各昇圧クロックは、図3に示すような動作を繰り返すクロック信号である。
【0054】
また昇圧クロックがHレベルのとき、スイッチ素子はオンとなり、スイッチ素子の両端が電気的に接続されて導通状態となるものとする。また昇圧レベルがLレベルのとき、スイッチ素子はオフとなり、スイッチ素子の両端が電気的に切断されて非導通状態となるものとする。
【0055】
昇圧クロックS1、S3、・・・、S9は、第1の期間においてHレベルとなり、第2の期間においてLレベルとなる。昇圧クロックS2、S4、・・・、S10は、第1の期間においてLレベルとなり、第2の期間においてHレベルとなる。このようにして、第mのスイッチ素子SWmと第(m+1)のスイッチ素子SW(m+1)とが排他的にオンとなるようにスイッチ制御される。
【0056】
このとき、第mのスイッチ素子SWmと第(m+1)のスイッチ素子SW(m+1)とが同時にオンとなる期間がなくなるようにスイッチ制御されることが望ましい。第mのスイッチ素子SWmと第(m+1)のスイッチ素子SW(m+1)とが同時にオンになると、貫通電流による消費電流の増加を招くからである。
【0057】
また図3では、第2の期間が、第1の期間経過後の次の期間となっているが、これに限定されるものではない。例えば第2の期間が、第1の期間経過後の所定の期間を置いて開始されてもよい。要は、第2の期間が、第1の期間経過後であればよい。
【0058】
次に、図2に示すチャージポンプ回路の動作について、Nが5の場合(5倍昇圧)を例に、図4(A)、(B)を参照しながら説明する。
【0059】
図4(A)は、第1の期間における図2のチャージポンプ回路のスイッチ状態を模式的に表したものである。図4(B)は、第2の期間における図2のチャージポンプ回路のスイッチ状態を模式的に表したものである。
【0060】
第1の期間では、第1、第3、第5、第7及び第9のスイッチ素子SW1、SW3、SW5、SW7、SW9がオンとなり、第2、第4、第6、第8及び第10のスイッチ素子SW2、SW4、SW6、SW8、SW10がオフとなる(図4(A))。第1の昇圧用キャパシタCu1に着目すると、第1の期間中に第1の昇圧用キャパシタCu1の両端には、第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間の電圧V(V、0)が印加される。従って、第1の昇圧用キャパシタCu1には、第1の期間中にその両端の電圧がVとなるように電荷が蓄積される。
【0061】
第2の期間では、第1、第3、第5、第7及び第9のスイッチ素子SW1、SW3、SW5、SW7、SW9がオフとなり、第2、第4、第6、第8及び第10のスイッチ素子SW2、SW4、SW6、SW8、SW10がオンとなる(図4(B))。これにより、第1の昇圧用キャパシタCu1の一端には、第1の電源線VL−1に代えて第2の電源線VL−2が接続される。従って、第1の昇圧用キャパシタCu1の他端は、電圧2・Vとなる。第1の昇圧用キャパシタCu1の他端は、第3の電源線VL−3に接続されるため、第2及び第3の電源線VL−2、VL−3の間に接続された第1の安定化用キャパシタCs1の両端にも電圧Vが印加され、第1の安定化用キャパシタCs1には、その両端の電圧がVとなるように電荷が蓄積される。これにより、第1の安定化用キャパシタCs1の他端の電圧は、2・Vとなる。
【0062】
第2の昇圧用キャパシタCu2についても、ほぼ同様である。即ち、第1の期間中では、第2の昇圧用キャパシタCu2の一端には、第2の電源線VL−2が接続される。第2の電源線VL−2には、電圧Vが供給されているが、第1の昇圧用キャパシタCu1の他端が接続されている。そして、第2の昇圧用キャパシタCu2の他端には、第1の安定化用キャパシタCs1の他端が接続される。そのため、第2の昇圧用キャパシタCu2の両端には、電圧V(2V、V)が印加される。従って、第2の昇圧用キャパシタCu2には、第1の期間中にその両端の電圧がVとなるように電荷が蓄積される。
【0063】
そして、第2の期間になると、第1の昇圧用キャパシタCu1の他端の電圧が2・Vとなる。そのため、その一端が第1の昇圧用キャパシタCu1に接続された第2の昇圧用キャパシタCu2の他端の電圧は、3・Vとなる。第2の昇圧用キャパシタCu2の他端は、第4の電源線VL−4に接続されるため、第3及び第4の電源線VL−3、VL−4の間に接続された第2の安定化用キャパシタCs2の両端にも電圧Vが印加され、第2の安定化用キャパシタCs2には、その両端の電圧がVとなるように電荷が蓄積される。
【0064】
第3及び第4の昇圧用キャパシタCu3、Cu4の他端の電圧も、上記と同様に、チャージポンプ方式により昇圧された電圧となる。その結果、第6の電源線VL−6の電圧は5・Vとなり、出力電圧Voutとして出力される。
【0065】
なお、図2、図4(A)、(B)において、第Nの電源線VL−Nと第(N+1)の電源線VL−(N+1)との間に接続された第(N−1)の安定化用キャパシタCs(N−1)を更に含み、第(N−1)の安定化用キャパシタCs(N−1)が、第2の期間において第(N−1)の昇圧用キャパシタCu(N−1)から放電された電荷を蓄積することが望ましい。即ちNが5の場合、第5及び第6の電源線VL−5、VL−6の間に、第4の安定化用キャパシタCs4が更に接続されることが望ましい。図2、図4(A)、(B)では、第(N−1)の安定化用キャパシタCs(N−1)に相当する第4の安定化用キャパシタCs4を破線で示している。この場合、第4の安定化用キャパシタCs4により第2の期間に昇圧された出力電圧Voutを安定した状態で供給することができる。
【0066】
更にまた、図2、図4(A)、(B)において、第1の電源線VL−1と第(N+1)の電源線VL−(N+1)との間に接続されたキャパシタを更に含むことが望ましい。即ちNが5の場合、第1及び第6の電源線VL−1、VL−6の間に、キャパシタが接続されることが望ましい。図2、図4(A)、(B)では、第1及び第(N+1)の電源線VL−1、VL−(N+1)に相当する第1及び第6の電源線VL−1、VL−6の間に、キャパシタC0が接続されている。この場合、第6の電源線VL−6に接続される負荷に依存した電圧レベルの低下を回避できる。
【0067】
以上のようにチャージポンプ回路を構成することで、各昇圧用キャパシタ及び各安定化用キャパシタには、第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間の電圧Vと同じ電圧が印加される。また、各スイッチ素子も、後述するように、昇圧した電圧N・Vではなく、電圧V又は電圧2・Vの振幅を有する信号に対する耐圧を有していればよい。従って、各昇圧用キャパシタ及び各安定化用キャパシタをIC内に内蔵させる場合に、電圧N・Vの耐圧を有する高耐圧の製造プロセスを用いることなく低コスト化を実現する低耐圧の製造プロセスにより、スイッチ素子及びキャパシタを形成することができる。
【0068】
1.1 キャパシタの内蔵
次に、上述のチャージポンプ回路のキャパシタを半導体装置内に内蔵する場合について説明する。
【0069】
図5に、本実施形態におけるチャージポンプ回路を含む半導体装置の構成の概要を示す。図5において、図2に示す構成要素と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0070】
半導体装置(集積回路装置(IC)、チップ)100は、図2に示すチャージポンプ回路200を含む。即ち半導体装置100は、第1のスイッチ素子の一端が第1の電源線に接続され、第2N(Nは3以上の整数)のスイッチ素子の一端が第(N+1)の電源線に接続され、第1及び第2Nのスイッチ素子を除く残りのスイッチ素子が第1のスイッチ素子の他端と第2Nのスイッチ素子の他端との間に直列に接続された第1〜第2Nのスイッチ素子と、各昇圧用キャパシタの一端が第j(1≦j≦2N−3、jは奇数)及び第(j+1)のスイッチ素子が接続された第jの接続ノードに接続され、該昇圧用キャパシタの他端が第(j+2)及び第(j+3)のスイッチ素子が接続された第(j+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−1)の昇圧用キャパシタと、各安定化用キャパシタの一端が第k(2≦k≦2N−4、kは偶数)及び第(k+1)のスイッチ素子が接続された第kの接続ノードに接続され、該安定化用キャパシタの他端が第(k+2)及び第(k+3)のスイッチ素子が接続された第(k+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−2)の安定化用キャパシタとを含む。そして、半導体装置100では、第m(1≦m≦2N−1、mは整数)のスイッチ素子と第(m+1)のスイッチ素子とが排他的にオンとなるようにスイッチ制御される。
【0071】
チャージポンプ回路200は、第Nの電源線と第(N+1)の電源線との間に接続された第(N−1)の安定化用キャパシタを更に含み、第(N−1)の安定化用キャパシタが、第2の期間において第(N−1)の昇圧用キャパシタから放電された電荷を蓄積するようにしてもよい。
【0072】
図5では、Nが5の場合(5倍昇圧)のチャージポンプ回路200の構成を示し、第(N−1)の安定化用キャパシタCs(N−1)に相当する第4の安定化用キャパシタCs4が第5及び第6の電源線VL−5、VL−6の間に接続されている。
【0073】
半導体装置100は、チャージポンプ回路200の昇圧用キャパシタ及び安定化用キャパシタを内蔵する。図5では、チャージポンプ回路200の第1〜第4の昇圧用キャパシタCu1〜Cu4及び第1〜第4の安定化用キャパシタCs1〜Cs4が半導体装置100に内蔵される。
【0074】
そして、半導体装置100では、昇圧した電圧を安定化させるためのキャパシタのみが外付けされる。より具体的には、半導体装置100は、第1及び第(N+1)の電源線VL−1、VL−(N+1)と電気的に接続された第1及び第2の端子T1、T2を含み、半導体装置100の外部で、第1及び第2の端子T1、T2の間にキャパシタC0が接続される。図5では、半導体装置100は、第1及び第6の電源線VL−1、VL−6と電気的に接続された第1及び第2の端子T1、T2を含み、半導体装置100の外部で、第1及び第2の端子T1、T2の間にキャパシタC0が接続される。
【0075】
チャージポンプ回路200の各スイッチ素子は、金属酸化膜半導体(Metal−Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタにより構成される。より具体的には、第1のスイッチ素子SW1は、nチャネル型MOSトランジスタTr1により構成される。第2〜第10のスイッチ素子SW2〜SW10は、pチャネル型MOSトランジスタTr2〜Tr10により構成される。
【0076】
従って、スイッチ素子としてMOSトランジスタのオンオフ制御を行う昇圧クロックS1〜S10は、図6に示すようなタイミングとなる。なお、MOSトランジスタTr1とMOSトランジスタTr2の昇圧クロックS1、S2として、昇圧クロックS0を用いる。
【0077】
なお、図5では、MOSトランジスタごとに、第1及び第2の期間における導通状態を、“○”(オン)又は“×”(オフ)で示している。左側には第1期間における導通状態、右側には第2の期間における導通状態を示している。
【0078】
また図5では、昇圧用キャパシタごとに、第1及び第2の期間において、該昇圧用キャパシタの両端に印加される電圧を示している。左側には第1期間において印加される電圧、右側には第2の期間において印加される電圧を示している。
【0079】
このようにチャージポンプ回路200の動作は図2、図3及び図4(A)、(B)で説明した内容と同様である。従って、その説明を省略する。
【0080】
1.2 出力インピーダンス
次に、チャージポンプ回路200の効果を説明するために、チャージポンプ回路200の出力インピーダンスを求める。
【0081】
チャージポンプ回路200の出力インピーダンスZは、次式(1)に示すように、昇圧した出力電圧Voutが供給される第6の電源線VL−6から電流Iを引いたときに第6の電源線VL−6の電圧が降下する傾きに対応する。
【0082】
Vout=I・Z ・・・(1)
チャージポンプ回路の能力は、該チャージポンプ回路の出力インピーダンスを用いることによって表すことができる。出力インピーダンスの値が小さいほど、負荷により電流が引かれたときの電圧の降下が小さくなることを意味する。従って、出力インピーダンスの値が小さいほどチャージポンプ回路の能力(電荷供給能力、負荷駆動能力)が大きく(高く)、出力インピーダンスの値が大きいほどチャージポンプ回路の能力が小さい(低い)ことを表す。チャージポンプ回路の能力は、大きい方が望ましい。
【0083】
チャージポンプ回路200の出力インピーダンスは、次のように簡略化して求められる。
【0084】
図7(A)、(B)に、チャージポンプ回路200の等価回路を示す。図7(A)は、第1の期間におけるチャージポンプ回路200の等価回路を示す。図7(B)は、第2の期間におけるチャージポンプ回路200の等価回路を示す。ここで、各等価回路中の抵抗素子は、MOSトランジスタのオン抵抗を示している。また各等価回路中の電源は、第1及び第2の電源線VL−1、VL−2の間に、電圧Vが印加されていることを示している。
【0085】
次に、各等価回路を用いて、チャージポンプ回路200のチャージポンプ動作を8つの状態に分けて考える。そして、各状態におけるインピーダンスを求める。
【0086】
図8(A)〜(D)に、チャージポンプ回路200のチャージポンプ動作の前半の4状態の等価回路を示す。
【0087】
図9(A)〜(D)に、チャージポンプ回路200のチャージポンプ動作の後半の4状態の等価回路を示す。
【0088】
即ち図8(A)は、MOSトランジスタTr1、Tr3がオンの状態の等価回路である。図8(B)は、MOSトランジスタTr2、Tr4がオンの状態の等価回路である。図8(C)は、MOSトランジスタTr3、Tr5がオンの状態の等価回路である。図8(D)は、MOSトランジスタTr4、Tr6がオンの状態の等価回路である。
【0089】
また図9(A)は、MOSトランジスタTr5、Tr7がオンの状態の等価回路である。図9(B)は、MOSトランジスタTr6、Tr8がオンの状態の等価回路である。図9(C)は、MOSトランジスタTr7、Tr9がオンの状態の等価回路である。図9(D)は、MOSトランジスタTr8、Tr10がオンの状態の等価回路である。
【0090】
次に、各MOSトランジスタのオン抵抗の抵抗値をrとする。そして、図8(A)〜(D)、図9(A)〜(D)の各状態において、インピーダンスをDC成分とAC成分とに分ける。
【0091】
各状態のインピーダンスのDC成分は、それぞれ2つのMOSトランジスタのオン抵抗分であるため、2rである。
【0092】
また各状態で流れる電流iは、i=cfVにより求められる。ここで、fはスイッチング周波数である。インピーダンスのAC成分は各状態のスイッチングにより生じるため、1/(c・f)となる。即ち、図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cu1・f)となる。
【0093】
同様に、図8(B)に示す状態から図8(C)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cs1・f)となる。図8(C)に示す状態から図8(D)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cu2・f)となる。図8(D)に示す状態から図9(A)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cs2・f)となる。図9(A)に示す状態から図9(B)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cu3・f)となる。図9(B)に示す状態から図9(C)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cs3・f)となる。図9(C)に示す状態から図9(D)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(Cu4・f)となる。
【0094】
ここで、各昇圧用キャパシタ及び各安定化用キャパシタの容量値をcとする。出力インピーダンスZは、インピーダンスのDC成分とAC成分の和となるので、次の(2)式により表される。
【0095】
Z=8×2r+7×1/(c・f)=16r+7/(c・f) ・・・(2)
なお、N倍昇圧の場合、出力インピーダンスの一般式は次の(3)式により表される。
【0096】
【0097】
1.3 比較例
次に、図5に示すチャージポンプ回路200との対比のため、比較例におけるチャージポンプ回路について説明する。
【0098】
図10に、比較例におけるチャージポンプ回路の構成例を示す。ここで、図5に示すチャージポンプ回路200と同一部分には同一符号を付している。
【0099】
比較例におけるチャージポンプ回路300は、第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2、第1〜第(N+2)の出力電源線VLO−1〜VLO−(N+2)を有する。そして、第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2の間の電圧VをN倍に昇圧した昇圧電圧N・Vを、出力電圧Voutとして、第(N+2)の出力電源線VLO−(N+2)に出力する。
【0100】
チャージポンプ回路300は、低耐圧の第1〜第4のスイッチ素子としてのnチャネル型MOSトランジスタLN1、LN2とpチャネル型MOSトランジスタLP1、LP2とを含む。またチャージポンプ回路300は、高耐圧の第1〜第Nのスイッチ素子としてのpチャネル型MOSトランジスタHP1〜HPNを含む。
【0101】
第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2の間に、MOSトランジスタLP1、LN1が直列に接続される。MOSトランジスタLP1、LN1は、昇圧クロックS1Cによりオンオフ制御される。また第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2の間に、MOSトランジスタLP2、LN2が直列に接続される。MOSトランジスタLP2、LN2は、昇圧クロックS2Cによりオンオフ制御される。
【0102】
第2の電源線VLC−2と第(N+2)の出力電源線VLO−(N+2)との間に、MOSトランジスタHP1〜HPNが直列に接続される。MOSトランジスタHP1のドレイン端子が第2の電源線VLC−2に接続される。MOSトランジスタHPNのソース端子が第(N+2)の出力電源線VLO−(N+2)に接続される。MOSトランジスタHP1〜HPNは、昇圧クロックS3C〜S(N+2)Cによりオンオフ制御される。
【0103】
第1の出力電源線VLO−1は、MOSトランジスタLN2のドレイン端子とMOSトランジスタLP2のドレイン端子とに接続される。第2の出力電源線VLO−2は、MOSトランジスタLN1のドレイン端子とMOSトランジスタLP1のドレイン端子とに接続される。
【0104】
Nが奇数の場合、第2の出力電源線VLO−2とMOSトランジスタHPq(1≦q≦N、qは偶数)との間にそれぞれフライングコンデンサが接続される。従って、(N−1)/2個のフライングコンデンサが第2の出力電源線VLO−2に接続される。また第1の出力電源線VLO−1とMOSトランジスタHPt(2≦t≦N、tは奇数)との間にそれぞれフライングコンデンサが接続される。従って、(N−1)/2個のフライングコンデンサが第1の出力電源線VLO−1に接続される。
【0105】
一方、Nが偶数の場合、第2の出力電源線VLO−2とMOSトランジスタHPq(1≦q≦N、qは偶数)との間にそれぞれフライングコンデンサが接続される。従って、N/2個のフライングコンデンサが第2の出力電源線VLO−2に接続される。また第1の出力電源線VLO−1とMOSトランジスタHPt(2≦t≦N、tは奇数)との間にそれぞれフライングコンデンサが接続される。従って、(N/2−1)個のフライングコンデンサが第1の出力電源線VLO−1に接続される。
【0106】
図10は、Nが5の場合(5倍昇圧時)の構成例を示している。また、出力電圧Voutの安定化を図るため、出力電圧Voutが出力される第7の出力電源線VLO−7と、第1の電源線VLC−1との間にキャパシタC5が接続される。
【0107】
なお、図10では、図5と同様に、MOSトランジスタごとに、第1及び第2の期間における導通状態を、“○”(オン)又は“×”(オフ)で示している。左側には第1期間における導通状態、右側には第2の期間における導通状態を示している。
【0108】
また図10では、フライングコンデンサごとに、第1及び第2の期間において、該フライングコンデンサの両端に印加される電圧を示している。左側には第1期間において印加される電圧、右側には第2の期間において印加される電圧を示している。
【0109】
図11に、比較例におけるチャージポンプ回路の動作原理の説明図を示す。このように、第1及び第2の期間を繰り返すことによるチャージポンプ方式により、第(N+2)の出力電源線VLO−(N+2)(図11では第7の出力電源線VLO−7)には、第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2の間の電圧をN倍に昇圧した昇圧電圧が出力電圧Voutとして出力される。
【0110】
比較例におけるチャージポンプ回路300の出力インピーダンスは、次のように簡略化して求められる。
【0111】
図12(A)、(B)に、比較例におけるチャージポンプ回路300の等価回路を示す。図12(A)は、第1の期間におけるチャージポンプ回路300の等価回路を示す。図12(B)は、第2の期間におけるチャージポンプ回路300の等価回路を示す。ここで、各等価回路中の抵抗素子は、MOSトランジスタのオン抵抗を示している。また各等価回路中の電源は、第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2の間に、電圧Vが印加されていることを示している。
【0112】
次に、各等価回路を用いて、チャージポンプ回路300のチャージポンプ動作を5つの状態に分けて考える。そして、各状態におけるインピーダンスを求める。
【0113】
図13(A)〜(E)に、チャージポンプ回路300のチャージポンプ動作の5状態の等価回路を示す。
【0114】
即ち図13(A)は、MOSトランジスタHP1、LN1がオンの状態の等価回路である。図13(B)は、MOSトランジスタHP2、LN2がオンの状態の等価回路である。図13(C)は、MOSトランジスタHP3、LN1がオンの状態の等価回路である。図13(D)は、MOSトランジスタHP4、LN2がオンの状態の等価回路である。図13(E)は、MOSトランジスタHP5、LP2がオンの状態の等価回路である。
【0115】
次に、各MOSトランジスタのオン抵抗の抵抗値をrとする。そして、図13(A)〜(E)の各状態において、インピーダンスをDC成分とAC成分とに分ける。
【0116】
図13(A)、(E)の各状態のインピーダンスのDC成分は2rである。図13(B)〜(D)の各状態のインピーダンスのDC成分は3rである。
【0117】
またインピーダンスのAC成分は、上述と同様に求められる。即ち、図13(A)に示す状態から図13(B)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(C1・f)となる。図13(B)に示す状態から図13(C)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(C2・f)となる。図13(C)に示す状態から図13(D)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(C3・f)となる。図13(D)に示す状態から図13(E)に示す状態へのスイッチングにより、インピーダンスのAC成分は、1/(C4・f)となる。
【0118】
ここで、各フライングコンデンサの容量値をcとする。出力インピーダンスZcは、インピーダンスのDC成分とAC成分の和となるので、次の(4)式により表される。なお、第7の出力電源線VLO−7に接続される負荷によりキャパシタC5についてのAC成分も発生するが、キャパシタC5は外付け容量として設けられ、他のフライングコンデンサC1〜C4に比べて、その容量値が十分大きい。従って、インピーダンスとしては、フライングコンデンサC1〜C4が支配的となり、キャパシタC5によるAC成分については無視できる。
【0119】
なお、N倍昇圧の場合、出力インピーダンスの一般式は次の(5)式により表される。
【0120】
【0121】
1.4 比較例との対比
図5に示す本実施形態におけるチャージポンプ回路200の構成と、図10に示す比較例におけるチャージポンプ回路300の構成とを対比する。両回路は、同じ5倍昇圧を実現するにも関わらず、チャージポンプ回路200では、キャパシタの数と、スイッチ素子の数とが増える。
【0122】
また、図5に示す本実施形態におけるチャージポンプ回路200の出力インピーダンスZと、図10に示す比較例におけるチャージポンプ回路300の出力インピーダンスZcとを対比する。(2)式及び(4)式より、出力インピーダンスZcの方が、出力インピーダンスZより小さい。
【0123】
以上より、一般的には、本実施形態におけるチャージポンプ回路200を採用するよりも、比較例におけるチャージポンプ回路300を採用することが有利であると考えられる。
【0124】
ところが、チャージポンプ回路を構成するキャパシタを半導体装置内に内蔵させる場合、本実施形態におけるチャージポンプ回路200では、昇圧用キャパシタ及び安定化用キャパシタのすべてを低耐圧の製造プロセスで製造することができる。これに対して、比較例におけるチャージポンプ回路300は、MOSトランジスタHP1〜HP5、フラングコンデンサC2〜C4を高耐圧プロセスで製造する必要がある。
【0125】
ここで、低耐圧とは、第1及び第2の電源線VLC−1、VLC−2(VL−1、VL−2)の間の電圧V(例えば1.8ボルト〜3.3ボルト)により定められる設計ルール上の耐圧である。これに対して高耐圧とは、例えば10ボルト〜20ボルトといった高電圧に対する設計ルール上の耐圧である。
【0126】
低耐圧の製造プロセスを用いるか、或いは高耐圧の製造プロセスを用いるかにより、半導体装置内で作り込まれるキャパシタの両電極間の膜厚が変わってくる。低耐圧の製造プロセスで作り込まれるキャパシタでは、その両電極間の膜厚をより一層薄くでき、単位面積当たりの容量値を大きくできる。即ち、ある容量値を得る場合、高耐圧の製造プロセスで作り込まれるキャパシタの面積より、低耐圧の製造プロセスで作り込まれるキャパシタの面積をより小さくできる。また、半導体装置内に内蔵させることを考慮すると、キャパシタの数の増加の影響を小さくできる。
【0127】
従って、同じ面積を費やして半導体装置内にキャパシタを内蔵させる場合、比較例におけるチャージポンプ回路300に比べて、本実施形態におけるチャージポンプ回路200の方がよい。
【0128】
そして、本実施形態におけるチャージポンプ回路200のキャパシタを内蔵させることで、以下のような利点を有する。
【0129】
第1に、スイッチング素子としてのMOSトランジスタを低耐圧の製造プロセスで製造できるようになるので、MOSトランジスタのゲート容量による充放電電流を低減することができる。同じオン抵抗を実現する高耐圧用のMOSトランジスタと比べて、低耐圧用のMOSトランジスタのチャネル幅を狭くでき、図5に示すように充放電電圧は低電圧である。これに対して、図10では、充放電電圧がV〜5・Vであり、5・Vは高電圧である。従って、低耐圧用のMOSトランジスタを採用することにより、ゲート膜厚が薄くなり、ゲート容量が大きくなる影響を考慮しても、ゲート容量による充放電電流を低減できる。
【0130】
第2に、本実施形態におけるチャージポンプ回路200と、比較例におけるチャージポンプ回路300とについて、半導体装置内に同じ面積を費やしてキャパシタを作り込み(コスト同じ)、同じ出力インピーダンスを得よう(能力同じ)とした場合、本実施形態におけるチャージポンプ回路200によれば、比較例におけるチャージポンプ回路300に比べて、スイッチングに伴う消費電流を低減できる。
【0131】
この点について説明する。チャージポンプ回路のキャパシタに電荷を充電するための十分な時間が必要であるため、時定数C・rは1/2f(電荷が充放電される周波数)より十分小さいものと考えることができる。ここで、例えば時定数C・rが、昇圧クロックのパルスの10分の1であるものとする。また、チャージポンプ回路200とチャージポンプ回路300のキャパシタの容量値が同一で、MOSトランジスタのオン抵抗の抵抗値が同一であるものとする。
【0132】
C・r=1/(20・f) ・・・(6)
従って、(6)式を、(2)式及び(4)式に代入すると、次の(7)式及び(8)式が求められる。
【0133】
Z =13/(20・Ca・fa)+4/(Ca・fa) ・・・(7)
Zc=16/(20・Cb・fb)+7/(Cb・fb) ・・・(8)
(7)式及び(8)式において、Caはチャージポンプ回路300におけるキャパシタの1個当たりの容量値であり、Cbはチャージポンプ回路200におけるキャパシタの1個当たりの容量値とする。また、faはチャージポンプ回路300における各キャパシタに電荷が充放電される周波数であり、fbはチャージポンプ回路200における各キャパシタに電荷が充放電される周波数である。
【0134】
チャージポンプ回路200の出力インピーダンスZと、チャージポンプ回路300の出力インピーダンスZcとを同一にするためには、(7)式及び(8)式より、Z=Zcである。これにより、次の(9)式が求められる。
【0135】
低耐圧の製造プロセスによりキャパシタCLVを製造する場合の絶縁酸化膜の膜厚を10ナノメートル(nm)とし、例えば16ボルトの高耐圧の製造プロセスによりキャパシタCHVを製造する場合の絶縁酸化膜の膜厚を55nmとする。このとき、単位面積当たりの容量比は、次の(10)式で表される。
【0136】
CLV=5.5・CHV ・・・(10)
図10に示すチャージポンプ回路300では、フライングコンデンサ(キャパシタ)C1のみが低耐圧、フライングコンデンサC2〜C4が高耐圧である必要がある。そのため、すべてのキャパシタの容量値を同一とするためには、全体の面積をSとして、次のようになる。
【0137】
低耐圧用キャパシタの面積 :0.057・S ・・・(11)
高耐圧用キャパシタ1個当たりの面積:0.314・S ・・・(12)
一方、図5に示すチャージポンプ回路200では、昇圧用キャパシタ及び安定化用キャパシタすべての計8個とも低耐圧で済むため、全体の面積をSとして、次のようになる。
【0138】
低耐圧用キャパシタの面積 :0.125・S ・・・(13)
従って、チャージポンプ回路300のキャパシタ1個の容量値Caと、チャージポンプ回路200のキャパシタ1個当たりの容量値Cbとの合計を同一面積で実現するためには、次の関係式が成り立つ。
【0139】
Cb=(0.125/0.057)・Ca=2.19・Ca ・・・(14)
(14)式を、(9)式に代入すると、fbとfaの関係が(15)式のようになる。
【0140】
fb=0.77・fa ・・・(15)
(15)式は、本実施形態におけるチャージポンプ回路200の充放電の周波数fbが、比較例におけるチャージポンプ回路300の充放電の周波数faの0.77倍であることを示す。従って、本実施形態によれば、充放電の周波数を低減することができる。即ち、昇圧クロックの周波数低減によるスイッチ素子のスイッチングに伴う消費電流を低減することができる。
【0141】
また、本実施形態におけるチャージポンプ回路200のキャパシタを内蔵させる利点の第3の点は、以下の通りである。
【0142】
即ち、本実施形態におけるチャージポンプ回路200と、比較例におけるチャージポンプ回路300とについて、半導体装置内に同じ面積を費やしてキャパシタを作り込み(コスト同じ)、同じ出力インピーダンスを得よう(能力同じ)とした場合、本実施形態におけるチャージポンプ回路200によれば、比較例におけるチャージポンプ回路300に比べて、キャパシタの寄生容量による充放電電流を低減できる。
【0143】
図14に、半導体装置内に内蔵されるキャパシタの寄生容量の説明図を示す。半導体装置内にキャパシタを内蔵させる場合、半導体装置を構成する例えばp型シリコン基板(広義には半導体基板)400に、n型ウェル領域(広義には不純物領域)410が形成される。そして、n型ウェル領域410上に、絶縁酸化膜(広義には絶縁層)420が形成される。そして、絶縁酸化膜420の上に、ポリシリコン膜(広義には導電層)430が形成される。
【0144】
キャパシタは、絶縁酸化膜420を介して、n型ウェル領域410及びポリシリコン膜430の間に形成される。そして、p型シリコン基板400とn型ウェル領域410との接合容量が寄生容量となる。
【0145】
比較例におけるチャージポンプ回路300では、図10に示すように、フライングコンデンサとしてのキャパシタC1〜C4のすべてに、電圧ΔVの充放電が行われる。図10では、キャパシタC1〜C4の寄生容量をCx1〜Cx4として示している。単位面積当たりの寄生容量をCiとすると、寄生容量による充放電電流Iaは、次の式で表すことができる。
【0146】
Ia=Ci・S・V・fa ・・・(16)
一方、本実施形態におけるチャージポンプ回路200では、安定化用キャパシタの充放電が繰り返されることなく、昇圧用キャパシタのみで充放電が繰り返される。従って、8個のキャパシタのうちの半分の4個のキャパシタの寄生容量が充放電電流を発生させる。図5では、第1〜第4の昇圧用キャパシタCu1〜Cu4の寄生容量をCy1〜Cy4として示している。第1〜第4の昇圧用キャパシタCu1〜Cu4の寄生容量をCy1〜Cy4による充放電電流Ibは、次の式で表すことができる。
【0147】
Ib=Ci・(S/2)・V・fb ・・・(17)
(16)式及び(17)式により、IaとIbの関係を求め、(15)式を代入すると次式のようになる。
【0148】
Ib=Ia/2=0.38・Ia ・・・(18)
(18)式は、本実施形態におけるチャージポンプ回路200のキャパシタの寄生容量の充放電電流Ibが、比較例におけるチャージポンプ回路300のキャパシタの寄生容量の充放電電流Iaの0.38倍であることを示す。従って、本実施形態によれば、キャパシタの寄生容量による充放電電流を大幅に削減できる。
【0149】
以上のように、比較例におけるチャージポンプ回路300と対比した場合、本実施形態の構成におけるキャパシタを半導体装置内に内蔵させることで、上述のように大幅に消費電流を削減できるようになる。
【0150】
2. 昇圧クロック生成回路
本実施形態におけるチャージポンプ回路では、キャパシタを内蔵しても消費電流を低減できるが、スイッチ素子の数が増加してしまう。しかし、チャージポンプ回路を内蔵することで、スイッチ素子数の増加の影響を小さくできる。
【0151】
一方、本実施形態におけるチャージポンプ回路では、スイッチ素子数の増加に伴い、スイッチ素子のスイッチ制御を行う昇圧クロックの数は増加する。チャージポンプ回路では、消費電流の削減のため、直列に接続されたスイッチ素子が同時にオンとならないように、昇圧クロックによりスイッチ制御される必要がある。即ち、本実施形態において2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子をスイッチ制御するための2つの昇圧クロックの立ち上がり時間及び立ち下がり時間が互いに重ならないように、昇圧クロックを生成する必要がある。そのため、例えばディレイセルにより遅延時間を作り、互いの昇圧クロックの立ち上がり時間及び立ち下がり時間が重ならないようにすることが考えられる。
【0152】
ところが、本実施形態におけるチャージポンプ回路では、昇圧クロックの数が増加してしまうため、これら昇圧クロックを生成するためのディレイセルの増加が無視できなくなり、回路規模を増大させてしまう。
【0153】
そこで、本実施形態では、以下のようにして昇圧クロックを生成することで、回路規模の増大を抑える。
【0154】
図15に、本実施形態における昇圧クロック生成回路の原理的構成を示す。ここでは、2つの昇圧クロックを生成する昇圧クロック生成回路の構成について説明するが、2以上の昇圧クロックについても同様に構成できる。
【0155】
本実施形態における昇圧クロック生成回路500は、第1〜第4のスイッチ回路502、504、506、508を含む。
【0156】
第1のスイッチ回路502は、第1の電源電圧VDD1が供給される第1の電源供給線VS1と、第1の昇圧クロックCLKU1が出力される第1のクロック出力線CLO1との間に接続される。
【0157】
第2のスイッチ回路504は、第2の電源電圧VDD2が供給される第2の電源供給線VS2と、第1のクロック出力線CLO1との間に接続される。
【0158】
第3のスイッチ回路506は、第3の電源電圧VDD3が供給された第3の電源供給線VS3と、第2の昇圧クロックCLKU2が出力される第2のクロック出力線CLO2との間に接続される。
【0159】
第4のスイッチ回路508は、第4の電源電圧VDD4が供給される第4の電源供給線VS4と、第2のクロック出力線CLO2との間に接続される。
【0160】
第1及び第2のスイッチ回路502、504は、第1のクロックSCLK1に基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御される。第3及び第4のスイッチ回路506、508は、第2のクロックSCLK2に基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御される。
【0161】
そして、第1のスイッチ回路502のオン状態の電流駆動能力(第1のスイッチ回路502の電流駆動能力。以下同様。)が、第3のスイッチ回路506のオン状態の電流駆動能力と異なるように構成される。また第2のスイッチ回路504のオン状態の電流駆動能力が、第4のスイッチ回路508のオン状態の電流駆動能力と異なるように構成される。
【0162】
こうすることで、第1及び第2のクロックに応じて、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち上がり期間及び立ち下がり期間と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち上がり期間及び立ち下がり期間とが重ならない(非重複となる)ようにする。
【0163】
図16に、昇圧クロック生成回路の構成例を示す。ただし、図15に示す昇圧クロック生成回路500と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0164】
ここでは、第2の電源電圧VDD2が、第1の電源電圧VDD1よりも高電位であり、第4の電源電圧VDD4が、第3の電源電圧VDD3よりも高電位であるものとする。また、第1及び第2のクロックSCLK1、SCLK2は、同位相であるものとする。
【0165】
図16では、第1〜第4のスイッチ回路502、504、506、508は、それぞれpチャネル型MOSトランジスタTrp1〜Trp4により構成される。そして、第2のスイッチ回路504としてのMOSトランジスタTrp2のゲート端子に第1のクロックSCLK1が供給され、第1のスイッチ回路502としてのMOSトランジスタTrp1のゲート端子に第1のクロックSCLK1の反転信号が供給される。これにより、第1及び第2のスイッチ回路502、504としてのMOSトランジスタTrp1、Trp2が排他的にオンとなるように制御される。
【0166】
同様に、第4のスイッチ回路508としてのMOSトランジスタTrp4のゲート端子に第2のクロックSCLK2が供給され、第3のスイッチ回路506としてのMOSトランジスタTrp3のゲート端子に第2のクロックSCLK2の反転信号が供給される。これにより、第3及び第4のスイッチ回路506、508としてのMOSトランジスタTrp3、Trp4が排他的にオンとなるように制御される。
【0167】
第1のスイッチ回路502(MOSトランジスタTrp1)の電流駆動能力は、第3のスイッチ回路506(MOSトランジスタTrp3)の電流駆動能力より小さくなるように構成される。こうすることで、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち下がり時間と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち下がり時間とを互いに異ならせることができる。
【0168】
ここで立ち下がり時間とは、例えば電圧レベルの最大値の90%に達した時点から最大値の10%に達する時点までの時間である。
【0169】
MOSトランジスタのチャネル幅をW、チャネル長をLとした場合に、該MOSトランジスタの電流駆動能力は、W/Lで求められる値に対応付けられる。W/Lで求められる値が大きいほど、電流駆動能力が大きくなる。
【0170】
更に第2のスイッチ回路504(MOSトランジスタTrp2)の電流駆動能力が、第4のスイッチ回路508(MOSトランジスタTrp4)の電流駆動能力より大きくなるように構成される。こうすることで、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち上がり時間と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち上がり時間とを互いに異ならせることができる。
【0171】
ここで立ち上がり時間とは、例えば電圧レベルの最大値の10%に達した時点から最大値の90%に達する時点までの時間である。
【0172】
図17に、図16に示す昇圧クロック生成回路のタイミングの一例を示す。
【0173】
第1のクロックSCLK1は、第1の電源電圧VDD1の電圧レベルと第2の電源電圧VDD2の電圧レベルとを繰り返す。第2のクロックCLK2は、第3の電源電圧VDD3の電圧レベルと第4の電源電圧VDD4の電圧レベルとを繰り返す。
【0174】
第1のクロックSCLK1が第2の電源電圧VDD2の電圧レベルから第1の電源電圧VDD1の電圧レベルに立ち下がると、MOSトランジスタTrp1がオフ、MOSトランジスタTrp2がオン、MOSトランジスタTrp3がオフ、MOSトランジスタTrp4がオンに変化する。
【0175】
このとき、MOSトランジスタTrp2の電流駆動能力が大きいため、第1のクロックSCLK1の立ち下がりタイミングとほぼ同時に(立ち上がり時間Tu1)、第1の昇圧クロックCLKU1の電圧レベルが第2の電源供給線VS2の第2の電源電圧VDD2に達する。一方、MOSトランジスタTrp4の電流駆動能力が小さいので、第2のクロックSCLK2(第1のクロックSCLK1)の立ち下がりタイミングから遅れて(立ち下がり時間Tu2)、第2の昇圧クロックCLKU2の電圧レベルが第3の電源供給線VS3の第3の電源電圧VDD3から第4の電源供給線VS4の第4の電源電圧VDD4に達する。
【0176】
従って、MOSトランジスタTrp2の電流駆動能力がMOSトランジスタTrp4の電流駆動能力より大きいので、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち上がり時間Tu1と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち上がり時間Tu2とを互いに異ならせることができる。
【0177】
また、第1のクロックSCLK1が第1の電源電圧VDD1の電圧レベルから第2の電源電圧VDD2の電圧レベルに立ち上がると、MOSトランジスタTrp1がオン、MOSトランジスタTrp2がオフ、MOSトランジスタTrp3がオン、MOSトランジスタTrp4がオフに変化する。このとき、MOSトランジスタTrp1の電流駆動能力が小さいため、第1のクロックSCLK1の立ち上がりタイミングから遅れて(立ち下がり時間Td1)、第1の昇圧クロックCLKU1の電圧レベルが第1の電源供給線VS1の第1の電源電圧VDD1に達する。一方、MOSトランジスタTrp3の電流駆動能力が大きいので、第2のクロックSCLK2(第1のクロックSCLK1)の立ち上がりタイミングとほぼ同時に(立ち下がり時間Td2)、第2の昇圧クロックCLKU2の電圧レベルが第4の電源供給線VS4の第4の電源電圧VDD4から第3の電源供給線VS3の第3の電源電圧VDD3に達する。
【0178】
従って、MOSトランジスタTrp1の電流駆動能力がMOSトランジスタTrp3の電流駆動能力より小さいので、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち下がり時間Td1と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち下がり時間Td2とを互いに異ならせることができる。
【0179】
このように、第1及び第2のクロックSCLK1、SCLK2の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを基準に、第1及び第2の昇圧クロックCLKU1、CLKU2の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を異ならせることができる。
【0180】
図16に示す昇圧クロック生成回路によって生成された第1及び第2の昇圧クロックは、例えばチャージポンプ回路を構成するトランジスタであって、2つの電源線間に直列に接続された2つのnチャネル型MOSトランジスタ及びpチャネル型MOSトランジスタのゲート端子に供給される。これにより、2つのMOSトランジスタが同時にオンすることがなくなり、貫通電流を削減できる。
【0181】
図18に、昇圧クロック生成回路の他の構成例を示す。ただし、図16に示す昇圧クロック生成回路500と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0182】
ここでも、図16と同様に、第2の電源電圧VDD2が、第1の電源電圧VDD1よりも高電位であり、第4の電源電圧VDD4が、第3の電源電圧VDD3よりも高電位であるものとする。しかし、第1及び第2のクロックSCLK1、SCLK2は、逆位相であるものとする。
【0183】
図18では、MOSトランジスタTrp2のゲート端子に第1のクロックSCLK1が供給され、MOSトランジスタTrp1のゲート端子に第1のクロックSCLK1の反転信号が供給される。
【0184】
第1のクロックSCLK1は、レベルシフタ(Level Shifter:L/S)510にも供給される。L/S510は、第1及び第2の電源電圧VDD1、VDD2の各電圧レベルを交互に繰り返す第1のクロックSCLKを、第3及び第4の電源電圧VDD3、VDD4各電圧レベルを交互に繰り返すクロックに変換する。該クロックは反転回路によって論理レベルが反転される。該反転回路の出力が、第2のクロックSCLK2となる。即ち、第1及び第2のクロックSCLK1、SCLK2は、逆位相のクロックとなる。
【0185】
MOSトランジスタTrp4のゲート端子に第2のクロックSCLK2が供給され、MOSトランジスタTrp3のゲート端子に第2のクロックSCLK2の反転信号が供給される。
【0186】
また図18では、第1のスイッチ回路502(MOSトランジスタTrp1)の電流駆動能力が、第4のスイッチ回路508(MOSトランジスタTrp4)の電流駆動能力より小さくなるように構成される。こうすることで、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち下がり時間と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち上がり時間とを互いに異ならせることができる。
【0187】
更に第2のスイッチ回路504(MOSトランジスタTrp2)の電流駆動能力が、第3のスイッチ回路506(MOSトランジスタTrp3)の電流駆動能力より大きくなるように構成される。こうすることで、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち上がり時間と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち下がり時間とを互いに異ならせることができる。
【0188】
図19に、図18に示す昇圧クロック生成回路のタイミングの一例を示す。
【0189】
第1のクロックSCLK1が第2の電源電圧VDD2の電圧レベルから第1の電源電圧VDD1の電圧レベルに立ち下がると、第1のクロックSCLK1とは逆位相の第2のクロックSCLK2は、第3の電源電圧VDD3の電圧レベルから第4の電源電圧VDD4の電圧レベルに立ち上がる。従って、MOSトランジスタTrp1がオフ、MOSトランジスタTrp2がオン、MOSトランジスタTrp3がオン、MOSトランジスタTrp4がオフに変化する。
【0190】
このとき、MOSトランジスタTrp2の電流駆動能力が大きいため、第1のクロックSCLK1の立ち下がりタイミングとほぼ同時に(立ち上がり時間Tu1)、第1の昇圧クロックCLKU1の電圧レベルが第2の電源供給線VS2の第2の電源電圧VDD2に達する。またMOSトランジスタTrp3の電流駆動能力が小さいので、第2のクロックSCLK2の立ち上がりタイミングから遅れて(立ち下がり時間Td2)、第2の昇圧クロックCLKU2の電圧レベルが第4の電源供給線VS4の第4の電源電圧VDD4から第3の電源供給線VS3の第3の電源電圧VDD3に達する。
【0191】
従って、MOSトランジスタTrp2の電流駆動能力がMOSトランジスタTrp3の電流駆動能力より大きいので、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち上がり時間Tu1と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち下がり時間Td2とを互いに異ならせることができる。
【0192】
また、第1のクロックSCLK1が第1の電源電圧VDD1の電圧レベルから第2の電源電圧VDD2の電圧レベルに立ち上がると、第2のクロックSCLK2は、第4の電源電圧VDD4の電圧レベルから第3の電源電圧VDD3の電圧レベルに立ち下がる。従って、MOSトランジスタTrp1がオン、MOSトランジスタTrp2がオフ、MOSトランジスタTrp3がオフ、MOSトランジスタTrp4がオンに変化する。
【0193】
このとき、MOSトランジスタTrp1の電流駆動能力が小さいため、第1のクロックSCLK1の立ち上がりタイミングから遅れて(立ち下がり時間Td1)、第1の昇圧クロックCLKU1の電圧レベルが第1の電源供給線VS1の第1の電源電圧VDD1に達する。またMOSトランジスタTrp4の電流駆動能力が大きいので、第2のクロックSCLK2の立ち下がりタイミングとほぼ同時に(立ち上がり時間Tu2)、第2の昇圧クロックCLKU2の電圧レベルが第3の電源供給線VS3の第3の電源電圧VDD3から第4の電源供給線VS4の第4の電源電圧VDD4に達する。
【0194】
従って、MOSトランジスタTrp1の電流駆動能力が、MOSトランジスタTrp4の電流駆動能力より小さいので、第1の昇圧クロックCLKU1の立ち下がり時間Td1と、第2の昇圧クロックCLKU2の立ち上がり時間Tu1とを互いに異ならせることができる。
【0195】
このように、第1及び第2のクロックSCLK1、SCLK2の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを基準に、第1及び第2の昇圧クロックCLKU1、CLKU2の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を異ならせることができる。
【0196】
図18に示す昇圧クロック生成回路によって生成された第1及び第2の昇圧クロックは、例えばチャージポンプ回路を構成するトランジスタであって、2つの電源線間に直列に接続された2つのpチャネル型MOSトランジスタのゲート端子に供給される。これにより、2つのMOSトランジスタが同時にオンすることがなくなり、貫通電流を削減できる。
【0197】
3. 半導体装置
以下では、上述のチャージポンプ回路及び昇圧クロック生成回路を含む半導体装置について説明する。
【0198】
図20に、本実施携帯の半導体装置の構成例を示す。
【0199】
本実施形態では、図15、図16又は図18に示す本実施形態における昇圧クロック生成回路が適用される昇圧クロック生成回路の第1〜第4の電源供給線の各電源供給線が、チャージポンプ回路の第1〜第(N+1)の電源線のいずれか1つ又は前記第1〜第(2N−1)の接続ノードのいずれか1つと電気的に接続される。
【0200】
本実施形態における半導体装置600は、L/S620、昇圧クロック生成回路640、チャージポンプ回路660を含む。
【0201】
チャージポンプ回路660は、図5に示すチャージポンプ回路200と同様である。従って、第1及び第2の端子T1、T2を介して、半導体装置600の外部で第1及び第(N+1)の電源線の間にキャパシタC0が接続される。
【0202】
チャージポンプ回路660は、電源線を介して、チャージポンプ動作によって生成される中間電位を、L/S620及び昇圧クロック生成回路640に供給する。
【0203】
電源線は、電源線VDC1〜VDCN、VC1〜VCNを含む。電源線VDC1〜VDCNは、図2又は図5における第2〜第(N+1)の電源線VL−2〜VL−(N+1)に相当する。なお図20における電源線VDC0は、図2又は図5における第1の電源線VL−1に相当する。
【0204】
また電源線VDC1〜VDCNは、図2における接続ノードND1〜ND(2N−1)のうち昇圧用キャパシタが接続される接続ノードと電気的に接続される電源線である。即ち5倍昇圧時(Nが5のとき)、電源線VC1は、接続ノードND−1に電気的に接続される電源線である。電源線VC2は、接続ノードND−3に電気的に接続される電源線である。電源線VC3は、接続ノードND−5に電気的に接続される電源線である。電源線VC4は、接続ノードND−7に電気的に接続される電源線である。電源線VC5は、接続ノードND−9に電気的に接続される電源線である。
【0205】
図21に、本実施形態における半導体装置においてNが5の場合の電源線の接続関係を示す。
【0206】
昇圧クロック生成回路640は、チャージポンプ回路660の昇圧クロックS1〜S2N(Nが5の場合はS10)を生成する。チャージポンプ回路660の各スイッチ素子は、各昇圧クロックによりスイッチ制御される。昇圧クロック生成回路640の各電源供給線には、チャージポンプ回路660で生成された各中間電位が供給される。
【0207】
L/S620は、昇圧タイミング制御信号CLKの電圧レベルを変換して、昇圧タイミング制御信号CL1〜CL10を生成する。そのため、L/S620は、チャージポンプ回路660で生成された中間電位を用いる。
【0208】
図22に、L/S620の構成例を示す。ここでは、Nが5の場合の構成例を示す。
【0209】
昇圧タイミング制御信号CLKは、L/S回路622−1、622−3、622−5、622−7、622−9に供給される。昇圧タイミング制御信号CLKの反転信号は、L/S回路622−2、622−4、622−6、622−8、622−10に供給される。L/S回路622−1〜622−10は、それぞれ昇圧タイミング制御信号又はその反転信号の電圧レベルを変換する。
【0210】
図23に、L/S回路622の構成例を示す。L/S回路622は、I端子への入力信号の電圧レベルを、電源電圧VHと電源電圧VSSとの間の電圧レベルに変換する。
【0211】
L/S回路622−1〜622−10は、すべて同一構成であるものとし、各L/S回路は図23に示す構成をなす。
【0212】
例えば昇圧タイミング制御信号CLKの電圧レベルは、L/S回路622−1により、電圧VDC1、VSS間の電圧レベルに変換される。また例えば昇圧タイミング制御信号CLKの反転信号の電圧レベルは、L/S回路622−10により、電圧VDC5、VSS間の電圧レベルに変換される。
【0213】
L/S回路622−1〜622−10は、昇圧タイミング制御信号CLK又はその反転信号の電圧レベルを変換し、昇圧タイミング制御信号CL1〜CL10として出力する。昇圧タイミング制御信号CL1〜CL10は、昇圧クロック生成回路640に供給される。
【0214】
図24に、昇圧クロック生成回路640の構成例を示す。昇圧クロック生成回路640は、昇圧タイミング制御信号CL1〜CL10を用いて昇圧クロックS1〜S10を生成する。
【0215】
例えば昇圧クロックS10を生成する2つのMOSトランジスタが、図15における第1及び第2のスイッチ回路502、504に相当する。そして、昇圧クロックS9を生成する2つのMOSトランジスタが、図15における第3及び第4のスイッチ回路506、508に相当する。昇圧クロックS8、S7(昇圧クロックS6、S5又は昇圧クロックS4、S3)を生成する昇圧クロック生成回路も同様に構成される。
【0216】
ここでは、昇圧タイミング制御信号CL1、CL3、・・・、CL7、CL9が同位相で、昇圧タイミング制御信号CL2、CL4、・・・、CL8、CL10が同位相であるものとする。また、昇圧タイミング制御信号CL1、CL3、・・・、CL7、CL9と、昇圧タイミング制御信号CL2、CL4、・・・、CL8、CL10とが互いに逆位相であるものとする。
【0217】
なお、昇圧タイミング制御信号クロックCL1、CL2を共用することで、図22において、L/S622−2を省略することができる。この場合、図24における昇圧クロック生成回路640は、昇圧タイミング制御信号CL1、CL3〜CL10に基づいて昇圧クロックS1〜S10を生成する。
【0218】
2つの昇圧クロック(S3とS4、S5とS6、S7とS8、S9とS10)は、例えば図18に示すようなMOSトランジスタの電流駆動能力の違いによって、一方の昇圧クロックの立ち上がり期間及び立ち下がり期間が、他方の昇圧クロックの立ち上がり期間及び立ち下がり期間と重ならない。
【0219】
なお、図24では、昇圧クロックS1、S2は、バッファを介してそのまま出力される。
【0220】
図25に、チャージポンプ回路660の構成例を示す。チャージポンプ回路660は、図5に示すチャージポンプ回路200と同様の構成をなしている。そのため、説明を省略する。
【0221】
図26に、チャージポンプ回路660に入力される昇圧クロックS1〜S10のタイミングの一例を示す。
【0222】
このように昇圧クロックS3〜S10の立ち上がり期間を短くして、立ち下がり期間を長くすることで、チャージポンプ回路660において直列に接続された2つのスイッチ素子を同時にオンさせることがなくなり、消費電流を削減できる。
【0223】
そして、昇圧クロック生成回路の構成の簡素化により、例えば5倍昇圧時のように10種類の昇圧クロックを生成する場合でも、ディレイセルによる回路規模の増大を抑えることができる。
【0224】
また、比較例におけるチャージポンプ回路の昇圧クロックが、昇圧電圧と接地電源電圧VSSとの間の電圧を振幅とする必要があったのに対して、本実施形態におけるチャージポンプ回路の昇圧クロックが、より小さい振幅で済む。そのため、昇圧クロック生成回路を構成するトランジスタを小さくでき、回路規模の縮小に貢献できる。
【0225】
更にまた、本実施形態では2つのトランジスタの電流駆動能力の違いにより昇圧クロックを生成するため、昇圧クロックの逆相分と正相分とに対してL/Sを設けて電圧レベルを変換する必要がなく、L/Sの削減に伴い、回路規模を更に小さくできる。
【0226】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0227】
上述の実施形態では、図2又は図5に示すような本実施形態におけるチャージポンプ回路の昇圧クロックの生成に適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示す比較例におけるチャージポンプ回路の昇圧クロックの生成にも適用することができる。
【0228】
また、図1、図2、図5、図15、図16、図18、図20〜図25において、例えばスイッチ素子間やキャパシタ間等に、付加的な素子を含めた場合も本発明の均等な範囲に含まれる。
【0229】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるチャージポンプ回路の動作原理の説明図。
【図2】図1に示すチャージポンプ回路の構成例の構成図。
【図3】図2の昇圧クロックの動作を模式的に示すタイミング図。
【図4】図4(A)は第1の期間における図2のチャージポンプ回路のスイッチ状態の模式図。図4(B)は第2の期間における図2のチャージポンプ回路のスイッチ状態の模式図。
【図5】本実施形態におけるチャージポンプ回路を含む半導体装置の構成の概要を示す構成図。
【図6】図5の昇圧クロックの動作を模式的に示すタイミング図。
【図7】図7(A)、(B)はチャージポンプ回路の等価回路図。
【図8】図8(A)〜(D)はチャージポンプ回路のチャージポンプ動作の前半の4状態の等価回路図。
【図9】図9(A)〜(D)はチャージポンプ回路のチャージポンプ動作の後半の4状態の等価回路図。
【図10】比較例におけるチャージポンプ回路の構成例の構成図。
【図11】比較例におけるチャージポンプ回路の動作原理の説明図。
【図12】図12(A)、(B)は比較例におけるチャージポンプ回路の等価回路図。
【図13】図13(A)〜(E)はチャージポンプ回路のチャージポンプ動作の5状態の等価回路図。
【図14】半導体装置内に内蔵されるキャパシタの寄生容量の説明図。
【図15】本実施形態における昇圧クロック生成回路の原理的構成図。
【図16】昇圧クロック生成回路の構成例を示す回路図。
【図17】図16に示す昇圧クロック生成回路のタイミングの一例を示す図。
【図18】昇圧クロック生成回路の他の構成例を示す回路図。
【図19】図18に示す昇圧クロック生成回路のタイミングの一例を示す図。
【図20】本実施形態における半導体装置の構成例を示す構成図。
【図21】本実施形態における半導体装置においてNが5の場合の電源線の接続関係を示す図。
【図22】L/Sの構成例を示す回路図。
【図23】図22のL/S回路の構成例を示す回路図。
【図24】昇圧クロック生成回路の構成例を示す回路図。
【図25】チャージポンプ回路の構成例を示す回路図。
【図26】図25のチャージポンプ回路に入力される昇圧クロックのタイミングの一例を示す図。
【符号の説明】
500 昇圧クロック生成回路、502 第1のスイッチ回路、
504 第2のスイッチ回路、506 第3のスイッチ回路、
508 第4のスイッチ回路、CLKU1 第1の昇圧クロック、
CLKU2 第2の昇圧クロック、CLO1 第1のクロック出力線、
CLO2 第2のクロック出力線、SCLK1 第1のクロック、
SCLK2 第2のクロック、VDD1 第1の電源電圧、
VDD2 第2の電源電圧、VDD3 第3の電源電圧、
VDD4 第4の電源電圧、VS1 第1の電源供給線、
VS2 第2の電源供給線、VS3 第3の電源供給線、
VS4 第4の電源供給線
Claims (8)
- チャージポンプ回路において2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子をスイッチ制御するための第1及び第2の昇圧クロックを生成する昇圧クロック生成回路であって、
第1の電源電圧が供給される第1の電源供給線と、第1の昇圧クロックが出力される第1のクロック出力線との間に接続される第1のスイッチ回路と、
第2の電源電圧が供給される第2の電源供給線と、前記第1のクロック出力線との間に接続される第2のスイッチ回路と、
第3の電源電圧が供給された第3の電源供給線と、第2の昇圧クロックが出力される第2のクロック出力線との間に接続される第3のスイッチ回路と、
第4の電源電圧が供給される第4の電源供給線と、前記第2のクロック出力線との間に接続される第4のスイッチ回路と、
を含み、
前記第1及び第2のスイッチ回路は、第1のクロックに基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御され、
前記第3及び第4のスイッチ回路は、第2のクロックに基づき、排他的にオンとなるようにオンオフ制御され、
前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力と異なり、
前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力と異なることを特徴とする昇圧クロック生成回路。 - 請求項1において、
前記第2の電源電圧が、前記第1の電源電圧よりも高電位であり、
前記第4の電源電圧が、前記第3の電源電圧よりも高電位であり、
前記第1及び第2のクロックは、同位相であり、
前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より小さく、
前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より大きいことを特徴とする昇圧クロック生成回路。 - 請求項1において、
前記第2の電源電圧が、前記第1の電源電圧よりも高電位であり、
前記第4の電源電圧が、前記第3の電源電圧よりも高電位であり、
前記第1及び第2のクロックは、逆位相であり、
前記第1のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第4のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より小さく、
前記第2のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力が、前記第3のスイッチ回路のオン状態の電流駆動能力より大きいことを特徴とする昇圧クロック生成回路。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1〜第4のスイッチ回路の各スイッチ回路は、トランジスタであることを特徴とする昇圧クロック生成回路。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の昇圧クロック生成回路と、
前記第1及び第2の昇圧クロックに基づくチャージポンプ動作により昇圧した電圧を出力するチャージポンプ回路と、
を含み、
前記チャージポンプ回路は、
第1〜第(N+1)(Nは3以上の整数)の電源線と、
第1のスイッチ素子の一端が第1の電源線に接続され、第2Nのスイッチ素子の一端が第(N+1)の電源線に接続され、第1及び第2Nのスイッチ素子を除く残りのスイッチ素子が前記第1のスイッチ素子の他端と前記第2Nのスイッチ素子の他端との間に直列に接続された第1〜第2Nのスイッチ素子と、
各昇圧用キャパシタの一端が、第j(1≦j≦2N−3、jは奇数)及び第(j+1)のスイッチ素子が接続された第jの接続ノードに接続され、該昇圧用キャパシタの他端が、第(j+2)及び第(j+3)のスイッチ素子が接続された第(j+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−1)の昇圧用キャパシタと、
各安定化用キャパシタの一端が、第k(2≦k≦2N−4、kは偶数)及び第(k+1)のスイッチ素子が接続された第kの接続ノードに接続され、該安定化用キャパシタの他端が、第(k+2)及び第(k+3)のスイッチ素子が接続された第(k+2)の接続ノードに接続された第1〜第(N−2)の安定化用キャパシタと、
を含み、
第m(1≦m≦2N−1、mは整数)のスイッチ素子と第(m+1)のスイッチ素子とが排他的にスイッチ制御され、
前記第1〜第2Nのスイッチ素子のうち2つの電源線間に直列に接続された2つのスイッチ素子が、前記第1及び第2の昇圧クロックに基づいてスイッチ制御されることを特徴とする半導体装置。 - 請求項5において、
前記チャージポンプ回路は、
第Nの電源線と第(N+1)の電源線との間に接続された第(N−1)の安定化用キャパシタを更に含み、
前記第(N−1)の安定化用キャパシタが、
前記第2の期間において第(N−1)の昇圧用キャパシタから放電された電荷を蓄積することを特徴とする半導体装置。 - 請求項5又は6において、
前記第1及び第(N+1)の電源線と電気的に接続された第1及び第2の端子を含み、
半導体装置の外部で、前記第1及び第2の端子の間にキャパシタが接続されることを特徴とする半導体装置。 - 請求項5乃至7のいずれかにおいて、
前記昇圧クロック生成回路の前記第1〜第4の電源供給線の各電源供給線が、
前記チャージポンプ回路の第1〜第(N+1)の電源線のいずれか1つ又は前記第1〜第(2N−1)の接続ノードのいずれか1つと電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
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