JP2005012708A - ハウリング防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができるハウリング防止装置を提供する。
【解決手段】アナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段11と、ハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタ12と、ゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段13と、ゼロクロス間のサンプリングの数及び波高値に基づいてハウリングの有無を判定するハウリング判定手段14と、ハウリング判定手段によってハウリングと判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、ゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値の最大値によって、フィルタの係数を算出する算出手段15と、係数をフィルタに設定する設定手段16と、フィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段17とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】アナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段11と、ハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタ12と、ゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段13と、ゼロクロス間のサンプリングの数及び波高値に基づいてハウリングの有無を判定するハウリング判定手段14と、ハウリング判定手段によってハウリングと判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、ゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値の最大値によって、フィルタの係数を算出する算出手段15と、係数をフィルタに設定する設定手段16と、フィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段17とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロホンなどによってピックアップされた音声をスピーカなどによって拡声する際、フィードバックループにより生じるハウリングを防止するハウリング防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のハウリング防止装置には、入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数に基づいてハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するものや、高速フーリエ変換(以下、FFTとも言う)によってハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するものがあった。このようなハウリング防止装置が下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2574283号公報(請求項2、請求項3)
【0004】
以下では、特許文献1に開示されたハウリング防止装置のうち、FFTによる従来のハウリング防止装置について図4を用いて説明する。図4に示すハウリング防止装置40において、A/D変換器41は入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をノッチフィルタ42及び高速フーリエ変換器43へ送る。高速フーリエ変換器43は、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングに対してFFTによる周波数分析を行い、周波数特性の高い周波数を検出する。
【0005】
判定部44は、高速フーリエ変換器43によって検出された周波数が所定の条件を満たすか否か、すなわちハウリング周波数であるか否かを判定する。係数算出部45は、検出された周波数が所定の条件を満たす、すなわちハウリング周波数であると判定部44によって判定された場合に、ハウリングを発生させる周波数を抑制するための係数を算出する。設定部46は算出された係数をノッチフィルタ42のフィルタ係数として設定する。D/A変換器47はノッチフィルタ42から出力された信号をアナログ信号に変換し、出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記FFTによるハウリング防止装置では、精度の高いハウリング周波数を検出するためにFFTの高タップ化が不可欠であり、それに伴い処理ステップ数が膨大となる。その結果としてDSP(Digital Signal Processor)による信号処理時間が長くなり、信号処理の高速化を図ることができないという問題があった。一方、特許文献1に開示されたハウリング防止装置のうち、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数のみに基づいてハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するハウリング防止装置では、処理ステップ数が膨大となることはないが、精度の高いハウリング周波数を検出することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するものであり、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができるハウリング防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の変換手段と、フィルタと、カウント手段と、ハウリング判定手段と、算出手段と、設定手段と、第2の変換手段とを備える。すなわち、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、前記アナログ信号によりスピーカから拡声音を発生させる場合のハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタと、前記第1の変換手段によって変換された前記デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によってカウントされた前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である波高値に基づいて前記ハウリングの有無を判定するハウリング判定手段と、前記ハウリング判定手段によって前記ハウリングと判定された場合に、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である前記波高値の最大値によって、前記フィルタの係数を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記係数を前記フィルタに設定する設定手段と、前記係数が設定された前記フィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段とを備えるハウリング防止装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置の構成図である。図2は、図1のハウリング防止装置で処理するデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングを示す図である。図3は本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリングの判定からノッチフィルタのフィルタ係数の設定までの動作を説明するためのフローチャートである。
【0010】
まず、ハウリング防止装置の構成について図1を用いて説明する。ハウリング防止装置10は、A/D変換器11、ノッチフィルタ12、波長検出部13、ハウリング周波数判定部14、係数算出部15、設定部16、D/A変換器17から構成されている。
【0011】
A/D変換器11は、マイクロホンなどから入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換する。ノッチフィルタ12は、後述するフィルタ係数によってハウリングが発生する周波数成分を抑制する。波長検出部13は、A/D変換器11によって変換されたデジタル信号におけるゼロクロス間のサンプリングの数(以下、ゼロクロス間のサンプリング数と言う)をカウントする。ハウリング周波数判定部14は、波長検出部13によってカウントされたゼロクロス間のサンプリング数と、ゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値(以下、波高値と言う(図2参照))とに基づいてハウリングであるか否かを判定する。
【0012】
係数算出部15は、ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリング数に基づいて算出されるハウリング周波数と、波高値の最大値とを用いてフィルタ係数を算出する。ここで、ハウリング周波数は下記の式(1)によって算出される。式(1)及び後述する式(2)において用いられるサンプリング周波数はあらかじめ設定されている。設定部16は、係数算出部15によって算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する。D/A変換器17は、フィルタ係数が設定されたノッチフィルタ12からの出力信号をアナログ信号に変換し、出力する。ここで、波長検出部13、ハウリング周波数判定部14、係数算出部15、設定部16は、例えばCPUに該当する。
【0013】
ハウリング周波数=(サンプリング周波数/2)/ゼロクロス間のサンプリング数・・・(1)
【0014】
ここで、ハウリング周波数判定部14におけるハウリングの判定について詳細に説明する。ハウリングはマイクロホンとスピーカとの間で発生し、発生したハウリング信号の波形は、連続した単一周波数の正弦波に極めて近い波形となることが知られている。このような特徴から、マイクロホンとスピーカとの間で発生した信号(以下、発生信号と言う)が連続した単一周波数であり、かつ正弦波であればハウリングと判定することができる。そこで、発生信号が連続した単一周波数であるか否か及び正弦波であるか否かを判定する。
【0015】
まず、発生信号が連続した単一周波数であるか否かを判定する。そのために波長検出部13は、上述したようにゼロクロス間のサンプリング数をカウントする。ここでは、例えば10組のゼロクロス間のサンプリング数をカウントする場合を考える。この10組のゼロクロス間のサンプリング数のそれぞれに対して下記の式(2)により10個の波長を求める。求めた10個の波長のうち9個以上の波長が同一であるとき、発生信号が連続した単一周波数であると判定する。このとき、上述した波高値の最大値をハウリング防止装置10の不図示の記憶領域に記憶する。なお、上記の例では、10個の波長のうち9個以上の波長が同一であるときに、発生信号が連続した単一周波数であると判定しているが、発生信号が連続した単一周波数であるか否かを判定することができれば、これに限られるものではない。
【0016】
波長=サンプリング周波数/ゼロクロス間のサンプリング数・・・(2)
【0017】
次に、発生信号が正弦波であるか否かを判定する。正弦波は時間軸に対して正負対称性の特徴があるため、周期を積分区間とする正弦波を積分すると積分値はゼロになる。このような特徴から、例えば、上記10組のゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値である波高値に対して、所定の区間、例えばサンプリング周期Tで積分した積分値を合算して極めてゼロに近づいた場合に発生信号が正弦波であると判定する。なお、発信信号が正弦波であるとの判定は、上記の例では10組のゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値である波高値に対して積分した積分値を合算しているが、発信信号が正弦波であるか否かを判定することができれば、10組に限られるものではない。
【0018】
しかし、実際にはノイズや音声信号などの成分が加わり、波高値の積分値を合算した値が完全にゼロにならない。そこで、しきい値を設定し、波高値の積分値を合算した値が設定したしきい値以下の場合に発生信号が正弦波であると判定する。例えば16ビットの信号の場合を考える。この場合、波高値の積分値を合算した値が、16ビットの2の補数の最大振幅値32768に対して、−40dB(1/100)程度以下になったときに発生信号が正弦波であると判定する。なお、上記の例において設定されるしきい値は327である。
【0019】
以上のように、ハウリング周波数判定部14はハウリングであるか否かを判定する。ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合には、係数算出部15はノッチフィルタ12のフィルタ係数を算出し、設定部16は算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する。
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリングの判定からノッチフィルタ12のフィルタ係数の設定までの動作について図3を用いて説明する。まず、A/D変換器11は入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS301)。波長検出部13は、変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリング数をカウントする(ステップS302)。ハウリング周波数判定部14は、ゼロクロス間のサンプリング数及び波高値に基づいてハウリングであるか否かを判定する(ステップS303)。
【0021】
係数算出部15は、ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリング数に基づいて算出されるハウリング周波数と、波高値の最大値とを用いてフィルタ係数を算出する(ステップS304)。設定部16は、係数算出部15によって算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する(ステップS305)。D/A変換器17は、フィルタ係数を設定されたノッチフィルタ12からの出力信号をアナログ信号に変換し、出力する(ステップS306)。
【0022】
以上のように動作するので、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができる。なお、本発明は上述した実施の形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、アナログ信号によりスピーカから拡声音を発生させる場合のハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタと、第1の変換手段によって変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数及び、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値に基づいてハウリングの有無を判定するハウリング判定手段と、ハウリング判定手段によってハウリングと判定された場合に、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値の最大値によって、フィルタの係数を算出する算出手段と、算出手段によって算出された係数をフィルタに設定する設定手段と、係数が設定されたフィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段とを備えるので、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置で処理するデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリング判定からノッチフィルタのフィルタ係数の設定までの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来のハウリング防止装置の構成図である。
【符号の説明】
10、40 ハウリング防止装置
11、41 A/D変換器(第1の変換手段)
12、42 ノッチフィルタ(フィルタ)
13 波長検出部(カウント手段)
14 ハウリング周波数判定部(ハウリング判定手段)
15、45 係数算出部(算出手段)
16、46 設定部(設定手段)
17、47 D/A変換器(第2の変換手段)
43 高速フーリエ変換器
44 判定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロホンなどによってピックアップされた音声をスピーカなどによって拡声する際、フィードバックループにより生じるハウリングを防止するハウリング防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のハウリング防止装置には、入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数に基づいてハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するものや、高速フーリエ変換(以下、FFTとも言う)によってハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するものがあった。このようなハウリング防止装置が下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2574283号公報(請求項2、請求項3)
【0004】
以下では、特許文献1に開示されたハウリング防止装置のうち、FFTによる従来のハウリング防止装置について図4を用いて説明する。図4に示すハウリング防止装置40において、A/D変換器41は入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をノッチフィルタ42及び高速フーリエ変換器43へ送る。高速フーリエ変換器43は、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングに対してFFTによる周波数分析を行い、周波数特性の高い周波数を検出する。
【0005】
判定部44は、高速フーリエ変換器43によって検出された周波数が所定の条件を満たすか否か、すなわちハウリング周波数であるか否かを判定する。係数算出部45は、検出された周波数が所定の条件を満たす、すなわちハウリング周波数であると判定部44によって判定された場合に、ハウリングを発生させる周波数を抑制するための係数を算出する。設定部46は算出された係数をノッチフィルタ42のフィルタ係数として設定する。D/A変換器47はノッチフィルタ42から出力された信号をアナログ信号に変換し、出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記FFTによるハウリング防止装置では、精度の高いハウリング周波数を検出するためにFFTの高タップ化が不可欠であり、それに伴い処理ステップ数が膨大となる。その結果としてDSP(Digital Signal Processor)による信号処理時間が長くなり、信号処理の高速化を図ることができないという問題があった。一方、特許文献1に開示されたハウリング防止装置のうち、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数のみに基づいてハウリングを判定し、ハウリング周波数を検出するハウリング防止装置では、処理ステップ数が膨大となることはないが、精度の高いハウリング周波数を検出することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するものであり、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができるハウリング防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の変換手段と、フィルタと、カウント手段と、ハウリング判定手段と、算出手段と、設定手段と、第2の変換手段とを備える。すなわち、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、前記アナログ信号によりスピーカから拡声音を発生させる場合のハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタと、前記第1の変換手段によって変換された前記デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によってカウントされた前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である波高値に基づいて前記ハウリングの有無を判定するハウリング判定手段と、前記ハウリング判定手段によって前記ハウリングと判定された場合に、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である前記波高値の最大値によって、前記フィルタの係数を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記係数を前記フィルタに設定する設定手段と、前記係数が設定された前記フィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段とを備えるハウリング防止装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置の構成図である。図2は、図1のハウリング防止装置で処理するデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングを示す図である。図3は本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリングの判定からノッチフィルタのフィルタ係数の設定までの動作を説明するためのフローチャートである。
【0010】
まず、ハウリング防止装置の構成について図1を用いて説明する。ハウリング防止装置10は、A/D変換器11、ノッチフィルタ12、波長検出部13、ハウリング周波数判定部14、係数算出部15、設定部16、D/A変換器17から構成されている。
【0011】
A/D変換器11は、マイクロホンなどから入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換する。ノッチフィルタ12は、後述するフィルタ係数によってハウリングが発生する周波数成分を抑制する。波長検出部13は、A/D変換器11によって変換されたデジタル信号におけるゼロクロス間のサンプリングの数(以下、ゼロクロス間のサンプリング数と言う)をカウントする。ハウリング周波数判定部14は、波長検出部13によってカウントされたゼロクロス間のサンプリング数と、ゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値(以下、波高値と言う(図2参照))とに基づいてハウリングであるか否かを判定する。
【0012】
係数算出部15は、ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリング数に基づいて算出されるハウリング周波数と、波高値の最大値とを用いてフィルタ係数を算出する。ここで、ハウリング周波数は下記の式(1)によって算出される。式(1)及び後述する式(2)において用いられるサンプリング周波数はあらかじめ設定されている。設定部16は、係数算出部15によって算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する。D/A変換器17は、フィルタ係数が設定されたノッチフィルタ12からの出力信号をアナログ信号に変換し、出力する。ここで、波長検出部13、ハウリング周波数判定部14、係数算出部15、設定部16は、例えばCPUに該当する。
【0013】
ハウリング周波数=(サンプリング周波数/2)/ゼロクロス間のサンプリング数・・・(1)
【0014】
ここで、ハウリング周波数判定部14におけるハウリングの判定について詳細に説明する。ハウリングはマイクロホンとスピーカとの間で発生し、発生したハウリング信号の波形は、連続した単一周波数の正弦波に極めて近い波形となることが知られている。このような特徴から、マイクロホンとスピーカとの間で発生した信号(以下、発生信号と言う)が連続した単一周波数であり、かつ正弦波であればハウリングと判定することができる。そこで、発生信号が連続した単一周波数であるか否か及び正弦波であるか否かを判定する。
【0015】
まず、発生信号が連続した単一周波数であるか否かを判定する。そのために波長検出部13は、上述したようにゼロクロス間のサンプリング数をカウントする。ここでは、例えば10組のゼロクロス間のサンプリング数をカウントする場合を考える。この10組のゼロクロス間のサンプリング数のそれぞれに対して下記の式(2)により10個の波長を求める。求めた10個の波長のうち9個以上の波長が同一であるとき、発生信号が連続した単一周波数であると判定する。このとき、上述した波高値の最大値をハウリング防止装置10の不図示の記憶領域に記憶する。なお、上記の例では、10個の波長のうち9個以上の波長が同一であるときに、発生信号が連続した単一周波数であると判定しているが、発生信号が連続した単一周波数であるか否かを判定することができれば、これに限られるものではない。
【0016】
波長=サンプリング周波数/ゼロクロス間のサンプリング数・・・(2)
【0017】
次に、発生信号が正弦波であるか否かを判定する。正弦波は時間軸に対して正負対称性の特徴があるため、周期を積分区間とする正弦波を積分すると積分値はゼロになる。このような特徴から、例えば、上記10組のゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値である波高値に対して、所定の区間、例えばサンプリング周期Tで積分した積分値を合算して極めてゼロに近づいた場合に発生信号が正弦波であると判定する。なお、発信信号が正弦波であるとの判定は、上記の例では10組のゼロクロス間のサンプリングに対するサンプル値である波高値に対して積分した積分値を合算しているが、発信信号が正弦波であるか否かを判定することができれば、10組に限られるものではない。
【0018】
しかし、実際にはノイズや音声信号などの成分が加わり、波高値の積分値を合算した値が完全にゼロにならない。そこで、しきい値を設定し、波高値の積分値を合算した値が設定したしきい値以下の場合に発生信号が正弦波であると判定する。例えば16ビットの信号の場合を考える。この場合、波高値の積分値を合算した値が、16ビットの2の補数の最大振幅値32768に対して、−40dB(1/100)程度以下になったときに発生信号が正弦波であると判定する。なお、上記の例において設定されるしきい値は327である。
【0019】
以上のように、ハウリング周波数判定部14はハウリングであるか否かを判定する。ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合には、係数算出部15はノッチフィルタ12のフィルタ係数を算出し、設定部16は算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する。
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリングの判定からノッチフィルタ12のフィルタ係数の設定までの動作について図3を用いて説明する。まず、A/D変換器11は入力された音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS301)。波長検出部13は、変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリング数をカウントする(ステップS302)。ハウリング周波数判定部14は、ゼロクロス間のサンプリング数及び波高値に基づいてハウリングであるか否かを判定する(ステップS303)。
【0021】
係数算出部15は、ハウリング周波数判定部14によってハウリングであると判定された場合に、ゼロクロス間のサンプリング数に基づいて算出されるハウリング周波数と、波高値の最大値とを用いてフィルタ係数を算出する(ステップS304)。設定部16は、係数算出部15によって算出されたフィルタ係数をノッチフィルタ12に設定する(ステップS305)。D/A変換器17は、フィルタ係数を設定されたノッチフィルタ12からの出力信号をアナログ信号に変換し、出力する(ステップS306)。
【0022】
以上のように動作するので、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができる。なお、本発明は上述した実施の形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、アナログ信号によりスピーカから拡声音を発生させる場合のハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタと、第1の変換手段によって変換されたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段と、カウント手段によってカウントされたデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数及び、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値に基づいてハウリングの有無を判定するハウリング判定手段と、ハウリング判定手段によってハウリングと判定された場合に、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングのサンプル値である波高値の最大値によって、フィルタの係数を算出する算出手段と、算出手段によって算出された係数をフィルタに設定する設定手段と、係数が設定されたフィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段とを備えるので、信号処理の高速化を図ることができ、より精度の高いハウリング周波数を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置で処理するデジタル信号のゼロクロス間のサンプリングを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハウリング防止装置のハウリング判定からノッチフィルタのフィルタ係数の設定までの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来のハウリング防止装置の構成図である。
【符号の説明】
10、40 ハウリング防止装置
11、41 A/D変換器(第1の変換手段)
12、42 ノッチフィルタ(フィルタ)
13 波長検出部(カウント手段)
14 ハウリング周波数判定部(ハウリング判定手段)
15、45 係数算出部(算出手段)
16、46 設定部(設定手段)
17、47 D/A変換器(第2の変換手段)
43 高速フーリエ変換器
44 判定部
Claims (1)
- 入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1の変換手段と、
前記アナログ信号によりスピーカから拡声音を発生させる場合のハウリングが発生する周波数成分を抑制するフィルタと、
前記第1の変換手段によって変換された前記デジタル信号のゼロクロス間のサンプリングの数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によってカウントされた前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である波高値に基づいて前記ハウリングの有無を判定するハウリング判定手段と、
前記ハウリング判定手段によって前記ハウリングと判定された場合に、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングの数に基づいて算出されるハウリング周波数及び、前記デジタル信号の前記ゼロクロス間の前記サンプリングのサンプル値である前記波高値の最大値によって、前記フィルタの係数を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記係数を前記フィルタに設定する設定手段と、
前記係数が設定された前記フィルタからの出力信号をアナログ信号に変換する第2の変換手段とを、
備えるハウリング防止装置。
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2003
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