JP2005012501A - 共振回路およびそれを用いた高周波逓倍回路ならびにハイブリッドカプラ - Google Patents

共振回路およびそれを用いた高周波逓倍回路ならびにハイブリッドカプラ Download PDF

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Abstract

【課題】高周波逓倍回路及びハイブリッドカプラの、半導体基板上の占有面積を小さくする。
【解決手段】LC回路と電界効果トランジスタとからなる高周波逓倍回路であって、上記LC回路は電界効果トランジスタのドレインと接地の間に接続され、上記電界効果トランジスタのゲートに周波数foを有する信号が入力され、上記電界効果トランジスタの上記ドレインから上記信号の上記周波数の整数倍nfoの周波数を有する出力信号を取り出す。特に、上記LC回路は、裏面に第1の接地導体膜を有するGaAs上の導体線路と、導体線路と裏面の第1の接地導体膜の間に存在する第2の接地導体膜により構成される。また、特に、第2の接地導体膜にはお互いに等間隔で離れた数個の穴が周期的に存在する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波回路に関わり、特に、砒化ガリウム(GaAs)のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上の高周波逓倍回路及び高周波用直流(DC)バイアス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波逓倍回路は入力信号の周波数を2倍、又は3倍などで逓倍し、入力信号の定数倍の周波数を有する信号を出力する高周波回路である。この高周波逓倍回路はマイクロ波及びミリ波システムで発振器の出力信号の周波数逓倍回路として発振器の出力段に良く使われている。又、上記高周波逓倍回路を含む高周波回路のDCバイアス電圧を供給する高周波用バイアス回路としては1/4λの長さを有するスタブが従来から良く使われている。
【0003】
図9には、特許文献1に提案されている基本周波数foに対し1/4λの長さを有する開放スタブを用いる従来の周波数逓倍回路が示されている。基本周波数foを有するマイクロ波信号が入力端子101に入力されると、基本周波数の定数倍nの周波数nfoを有する出力信号が出力端子102に出力される。電界効果トランジスタ103のゲート104には入力整合回路105及びゲートバイアス回路106が接続され、電界効果トランジスタ103のドレイン107には入力信号の周波数foに対し1/4λの長さを有する開放スタブ108が接続され、出力整合回路109及びドレインバイアス回路110が接続される。又、電界効果トランジスタ103のソース111にはソースバイアス回路112が接続される。周波数逓倍回路の動作原理を簡単に述べると次のようである。電界効果トランジスタ103のゲート104に基本周波数foを有する入力信号が入力されると電界効果トランジスタ103の非線型性により、電界効果トランジスタ103のドレイン107に基本周波数fo及び定数倍の周波数(nfo、n=2,3,4……)を有する出力信号が出力される。入力端子101に入力された基本周波数foを有する入力信号に対し、パワーの損失無く電界効果トランジスタ103のゲート104に入力させるためには、電界効果トランジスタ103のゲート104には基本周波数foに対して整合された入力整合回路105が必要である。パワーの損失無く基本周波数の定数倍nの周波数nfoを有する出力信号を出力端子102に取り出すためには電界効果トランジスタ103のドレイン107に基本周波数の定数倍nの周波数nfoに対して整合された出力整合回路109が必要である。周波数逓倍回路の良好な動作のためには、不所望の周波数を有する信号が出力側に漏れると周波数逓倍回路の動作に妨害になり、特に、入力端子101から入力された基本周波数foを有する入力信号のパワーは他の周波数成分を有する信号より電界効果トランジスタ103のドレイン107で大きく、回路の誤動作及び高周波性能低下の原因になる。従って、出力端子102において基本周波数foを有する入力信号の漏れを防ぐため、電界効果トランジスタ103のドレイン107で基本周波数foを有する入力信号を遮断すべきであり、そのため、従来の周波数逓倍回路では入力信号の周波数foに対し1/4λの長さを有する開放スタブ108が用いられている。開放スタブ108は基本周波数foに対し1/4λの長さを有するため、周波数foを有する信号成分に対しては電界効果トランジスタ103のドレイン107からスタブ108の入力側(矢印108Yの方向)を見た入力インピーダンスは非常に小さくなるため(ほぼゼロ)、基本周波数foを有する信号成分は電界効果トランジスタ103のドレイン107で遮断され、出力端子102から出力されない。
【0004】
しかし、GaAsモノリシックマイクロ波集積回路上の1/4波長線路は、マイクロストリップ線路により構成される。しかし、1/4波長線路の長さを有するスタブはモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上でかなり大きな面積を占有する。図8にはGaAsモノリシックマイクロ波集積回路上の従来のマイクロストリップ線路を示す。1/4波長線路のようなGaAsモノリシックマイクロ波集積回路上の受動素子は、図8のように裏面に接地導体膜1000を有するGaAs基板1001上の導体線路1002に構成される。例えば、上記1/4波長線路が、図8のような高さ100μmの砒化ガリウム(GaAs)のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上のマイクロストリップ線路により構成されると、K帯域(18乃至26.5GHz)ではその長さが1mm以上になり、X帯域(8.2乃至12.4GHz)ではその長さが2mm以上になる。
【0005】
次に、従来のハイブリッドカプラとしてラットレースの例を説明する。
【0006】
図7には、従来の180°ハイブリッドカプラとしてラットレースが示されている。ラットレースは、リング形状のループをなす線路11L,12L,13L及び14Lの上に4個の端子11P,12P,13P及び14Pを有する。線路11L,12L及び13Lの長さは中心周波数に対して4分の1波長であり、線路14Lの長さは中心周波数に対して4分の3波長である。端子11P,12P,13P及び14Pは各線路の接続部に存在する。従来の180°ハイブリッドカプラとしてラットレースの重要な特徴の組は、以下(1)〜(4)に示す通りである。
【0007】
(1)端子12Pに入力された信号を端子13Pと14Pから取り出すとき、振幅が等しく、位相が180°異なる二つの信号に分割される。
【0008】
(2)端子11Pに入力された信号を端子13Pと14Pから取り出すとき、振幅と位相が等しい二つの信号に分割される。
【0009】
(3)端子11Pと12Pは分離され、即ち、端子11Pに入力された信号は端子12Pに、端子12Pに入力された信号は端子11Pに漏れない。
【0010】
(4)端子13Pと14Pは分離され、即ち、端子13Pに入力された信号は端子14Pに、端子14Pに入力された信号は端子13Pに漏れない。
【0011】
端子12Pに入力された信号が端子13Pと端子14Pに到達するまで伝わるべき距離の差は中心周波数に対して2分の1波長であるため、位相が180°異なる二つの信号に分割されて端子13Pと端子14Pに出力される。また端子11Pに入力された信号が端子13Pと端子14Pに到達するまで伝わるべき距離の差は無いため、位相が等しい二つの信号に分割されて端子13Pと端子14Pに出力される。端子11Pに入力された信号は二つのパスに沿って端子12Pに到達する。一つ目は、時計周りの向きのパスに沿って端子12Pに到達する信号であり、このパスに沿って伝わるべき距離は、中心周波数に対して2分の1波長である。二つ目は、反時計周りの向きのパスに沿って端子12Pに到達する信号であり、このパスに沿って伝わるべき距離は、中心周波数に対して1波長である。このように、端子11Pに入力された信号は中心周波数に対して2分の1波長の径路差を有する二つの信号に分割されて端子12Pに到達するので、端子12Pでは上記二つの信号は打ち消し合う。従って、端子11Pに入力された信号は端子12Pに漏れない。端子12Pに入力された信号も、同様に端子11Pに漏れなく、端子11Pと12Pが分離される。端子13Pと14Pの分離も同様に説明できる。なお、ラットレースの説明及び例は、非特許文献1、2に記載されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−107243号公報
【非特許文献1】
David M. Pozar、“Microwave Engineering”、第1版、Addison−Wesley Publishing Company、Inc.、1990年の第8.8節、第435ページ−第440ページ
【非特許文献2】
Inder Bahl and Prakash Bhartia、“Microwave Solid State Circuit Design”、第1版、John Wiley&Sons、Inc.、1988年、第5.2.3節
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の周波数逓倍回路及び高周波周辺回路では次のような解決すべき課題がある。
【0014】
図9のように、従来の周波数逓倍回路は基本周波数foに対し1/4λの長さを有する開放スタブ108を用いるため、チップサイズが大きくなり、チップコストが高くなる。例えば、砒化ガリウム(GaAs)のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上に上記1/4λのスタブが構成されると、K帯域(18乃至26.5GHz)の周波数を有する入力信号を遮断するためには、その長さが1mm以上になり、X帯域(8.2乃至12.4GHz)の周波数を有する入力信号を遮断するためには、その長さが2mm以上になる。そのため、図9の電界効果トランジスタ103のドレイン107において基本周波数foを有する信号を遮断するフィルタとしてチップ上の面積の小さい新規回路が必要である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の共振回路は、半導体基板の第1の主面上に形成された導体線路と、前記半導体基板の前記第1の主面とは逆の第2の主面上に形成された第1の接地導体膜と、前記導体線路と前記第1の接地導体膜の間に挟まれた第2の接地導体膜と、前記基板の前記第2の主面から前記第1の主面側へ向け等間隔に並べて形成された複数の穴と、前記穴に形成されかつ前記第1の接地導体膜と前記第2の接地導体膜とを導通する導体層とを有するものである。
【0016】
また、本発明の高周波逓倍回路は、共振回路と電界効果トランジスタとが半導体基板に形成された高周波逓倍回路であって、前記共振回路は、前記半導体基板の第1の主面上に形成された導体線路と、前記半導体基板の前記第1の主面とは逆の第2の主面上に形成された第1の接地導体膜と、前記導体線路と前記第1の接地導体膜の間に挟まれた第2の接地導体膜と、前記基板の前記第2の主面から前記第1の主面側へ向け等間隔に並べて形成された複数の穴と、前記穴に形成されかつ前記第1の接地導体膜と前記第2の接地導体膜とを導通する導体層とを有し、前記電界効果トランジスタのドレインが前記第2の接地導体膜を介して接地されたものであり、好ましくは前記電界効果トランジスタのゲートにある周波数を有する入力信号が入力され、前記電界効果トランジスタのドレインから前記入力信号が有する周波数の整数倍である周波数を有する出力信号が出力されるものである。
【0017】
これらの構成により、高周波逓倍回路の電界効果トランジスタのドレインに設置する周波数を有する入力信号の遮断用フィルタとして半導体チップ上の占有面積の小さい共振回路を用いることができ、開放スタブを使う従来の高周波逓倍回路に比べ、チップ面積を小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1には、本発明の一実施形態の高周波逓倍回路が示され、図2(a),(b)、図3(c)には、周波数foを有する入力信号の遮断用フィルタとして周期接地導体膜を用いる導体線路1300が示されて、図3(d)にはその等価回路が示されている。図1の高周波逓倍回路の構成は次のようである。基本周波数foを有するマイクロ波信号が入力端子1301に入力されると、基本周波数の定数倍nの周波数nfoを有する出力信号が出力端子1302に出力される。電界効果トランジスタ1303のゲート1304には入力整合回路1305及びゲートバイアス回路1306が接続され、電界効果トランジスタ1303のドレイン1307には基本周波数fo遮断用フィルタとして周期接地導体膜を用いる線路構造1300が接続され、出力整合回路1308及びドレインバイアス回路1309が接続される。基本周波数foを遮断するため、線路構造1300は基本周波数foに対し1/4λgの長さを有する開放線路である。しかし、線路構造1300は容量成分を増やし、波長を短縮するため、周期接地導体膜を有する。
【0019】
又、電界効果トランジスタ1303のソース1310にはソースバイアス回路1311が接続される。図2(a)には遮断用フィルタとして周期接地導体膜を用いる線路構造1300の詳細構造を示し、図2(b)には図2(a)のX−Xにおいての断面構造を示し、図3(c)には図2(a)のY−Yにおいての断面構造を示す。線路構造1300の詳細構造を示す。裏面に接地導体膜2020を有する、例えばGaAsからなる半導体基板2000上の導体線路2003と、前記導体線路2003と裏面の接地導体膜の間に存在する周期接地導体膜2001により構成され、前記の周期接地導体膜2001は、貫通導体2002により電気的に接続され、接地導体膜2020と周期接地導体膜2001には接地電位が供給され、前記周期接地導体膜2001と半導体基板2000上の前記導体線路2003の間に周期的な容量(図3(c)のCb)が発生するように、前記第2の接地導体膜にはお互いに等間隔で離れた数個の穴2004が周期的に存在する。導体線路2003と周期接地導体膜2001には例えばSiNからなる絶縁膜2010が存在する。David M. Pozarによる“Microwave Engineering”、第1版、Addison−Wesley Publishing Company、Inc.、1990年の第4節によると、図8と図2(a),(b)、図3(c)のように半導体基板上の導体線路と接地導体膜の間に周期的な容量が存在する構造は図3(d)のようにLC等価回路で表現され、又、線路の特性インピーダンスZoと線路波長λgは次の式により表現される。
【0020】
【数1】
Figure 2005012501
【0021】
【数2】
Figure 2005012501
【0022】
図8のような従来線路構造では導体線路1002と接地導体膜1000の間の容量Caだけが存在するが、図2(a),(b)、図3(c)の線路構造では導体線路2003と接地導体膜2020の間の容量Caだけではなく、周期接地導体膜2001と導体線路2003の間の容量Cbが追加的に存在する。そのため、図8のような従来線路構造ではC=Caになるが、図2(a),(b)、図3(c)の線路構造ではC=Ca+Cbになり、そのため、線路波長λgが小さくなり、1/4λg線路の長さも短くなる。図4は図2(a),(b)、図3(c)の新規線路構造と図8の従来の線路構造の20GHzでの線路波長λgの実測値の導体線路幅W依存性を示す。図4からわかるように高さ100μmのGaAs半導体基板上の線路幅20μmの従来の線路(図8)の場合は線路波長λgは5.6mmであるが、周期接地導体膜を用いた線路幅20μmの新規線路構造(図2(a),(b)、図3(c))の場合、λgは約2mmである。そのため、従来の線路(図8)を用いて20GHzの入力信号を有する図1の高周波逓倍回路を作製する場合、1/4λgの長さを有する線路構造の長さは1.4mmであるが、新規線路構造(図2(a),(b)、図3(c))を用いて20GHzの入力信号を有する図1の高周波逓倍回路を作製する場合、1/4λgの長さを有する線路構造の長さは0.5mmである。図5には、上記課題を解決するための本発明の他の一実施形態の高周波逓倍回路が示されている。図5のように周波数foを有する入力信号の遮断用フィルタとして、半導体チップ上の占有面積の小さいキャパシタ300bとインダクタ300aからなる直列共振回路300を用いることにより、上記問題が解決できる。図5の高周波逓倍回路の構成は次のようである。基本周波数foを有するマイクロ波信号が入力端子301に入力されると、基本周波数の定数倍nの周波数nfoを有する出力信号が出力端子302に出力される。電界効果トランジスタ303のゲート304には入力整合回路305及びゲートバイアス回路306が接続され、電界効果トランジスタ303のドレイン307にはキャパシタ300bとインダクタ300aからなる直列共振回路300が接続され、出力整合回路308及びドレインバイアス回路309が接続される。又、電界効果トランジスタ303のソース310にはソースバイアス回路311が接続される。図5の周波数逓倍回路の動作原理を簡単に述べると次のようである。電界効果トランジスタ303のゲート304に基本周波数foを有する入力信号が入力されると電界効果トランジスタ303の非線型性により、電界効果トランジスタ303のドレイン307に基本周波数fo及び定数倍の周波数(nfo、n=2,3,4……)を有する出力信号が出力される。入力端子301に入力された基本周波数foを有する入力信号に対し、パワーの損失無く電界効果トランジスタ303のゲート304に入力させるためには、電界効果トランジスタ303のゲート304には基本周波数foに対して整合された入力整合回路305が必要である。パワーの損失無く基本周波数の定数倍nの周波数nfoを有する出力信号を出力端子302に取り出すためには電界効果トランジスタ303のドレイン307に基本周波数の定数倍nの周波数nfoに対して整合された出力整合回路308が必要である。前述したように電界効果トランジスタ303のドレイン307で基本周波数foを有する入力信号を遮断すべきであり、そのため、ドレイン307にはキャパシタ300bとインダクタ300aからなる直列共振回路300が接続されている。周波数foを有する信号成分に対しては電界効果トランジスタ303のドレイン307から直列共振回路300(矢印300Yの方向)を見た入力インピーダンスは次の式(数3)で表される。
【0023】
【数3】
Figure 2005012501
【0024】
上記式(数3)でLは直列共振回路300のインダクタ300aのインダクタンス値であり、Cはキャパシタ300bのキャパシタンス値であり、foは入力端子301に入力された入力信号の基本周波数である。式(数4)を満たすように直列共振回路300のインダクタ300aのインダクタンス値とキャパシタ300bのキャパシタンス値を設定すると、式(数3)のインピーダンスZLCが非常に小さくなるため(ほぼゼロ)、基本周波数foを有する信号成分は電界効果トランジスタ303のドレイン307で遮断され、出力端子302から出力されない。
【0025】
【数4】
Figure 2005012501
【0026】
高周波、特に20GHz以上の周波数を有する出力信号を取り出す2倍の高周波逓倍回路では入力信号の遮断用フィルタとしてインダクタ300aのインダクタンス値の範囲は0.1乃至2nHであり、キャパシタ300bのキャパシタンス値の範囲は0.1乃至2pFである。例えば、12GHzの基本周波数を有する入力信号が入力され、24GHzの周波数が出力される高周波逓倍回路の場合、12GHzの基本周波数を有する入力信号を遮断する一例としてのインダクタ300aとキャパシタ300bの値は夫々0.176nHと1pFである。このようなインダクタ及びキャパシタは砒化ガリウム(GaAs)のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上の占有面積が小さく、かつ容易に作製することができる。
【0027】
(実施形態2)
次に、本発明の一例として前記周期接地導体膜を用いた線路により構成されたラットレースを提案する。図6には、本発明の一実施形態である前記周期接地導体膜を用いた線路により構成された25GHz用ラットレースを示す。周期接地導体膜2001、貫通導体2002、導体線路2003、穴2004に関しては図2(a),(b)、図3(c)と同じ番号を用いている。
【0028】
図6の本発明の一実施形態のラットレースの場合、端子51P, 52P, 53P, 54Pが夫々、図7の従来のラットレースの端子11P, 12P, 13P, 14Pに該当する。100μmの高さのGaAs基板上に図1の従来の線路構造を用いて25 GHz用ラットレースを作製する場合は、線路波長λgは4.8mmであるため、その面積は、約2mmである。しかし、100μmの高さのGaAs基板上に図2(a),(b)、図3(c)の新規線路構造を用いて25 GHz用ラットレースを作製する場合は、線路波長λgは2mmであるため、その面積は、従来の約20%である0.4mmである。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の一例である入力信号を遮断するLCフィルタとして周期接地導体膜を用いた線路構造を有する高周波逓倍回路を用いると、半導体チップ上の占有面積の小さい高周波逓倍回路が実現できる。本発明の新規高周波逓倍回路は、砒化ガリウム(GaAs)モノリシックマイクロ波集積回路だけではなくシリコン(Si)などの他の半導体材料上のモノリシックマイクロ波集積回路でも有効に用いられると期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の高周波逓倍回路を示す図
【図2】(a)遮断用フィルタとして周期接地導体膜を用いる本発明の一実施形態の導体線路の詳細構造を示す図
(b)図2(a)のX−Xにおいての断面構造を示す図
【図3】(c)図2(a)のY−Yにおいての断面構造を示す図
(d)遮断用フィルタとして周期接地導体膜を用いる導体線路1300の等価回路を示す図
【図4】図2(a)、(b)、図3(c)の新規線路構造と図8の従来の線路構造の20GHzでの線路波長λgの実測値を示す図
【図5】本発明の他の一実施形態の高周波逓倍回路を示す図
【図6】周期接地導体膜を用いた線路により構成された本発明の一実施形態のラットレースを示す図
【図7】従来のラットレースを示す図
【図8】GaAsモノリシックマイクロ波集積回路上の従来のマイクロストリップ線路を示す図
【図9】基本周波数foに対し1/4λの長さを有する開放スタブを用いる従来の周波数逓倍回路を示す図
【符号の説明】
101, 102, 201, 202, 301, 302, 1301, 1302, 51P, 52P, 53P, 54P 端子
103,203, 303, 701,1303 電界効果トランジスタ
104, 204, 304, 702,1304 ゲート
105, 205, 305, 704,1305 入力整合回路
106, 206, 306,1306 ゲートバイアス回路
107, 207, 307, 703,1307 ドレイン
108 開放スタブ
109, 208, 308, 705, 1308 出力整合回路
110, 209, 309, 1309 ドレインバイアス回路
111, 310, 1310 ソース
112, 311, 1311 ソースバイアス回路
300 直列共振回路
400, 500, 600, 1001, 2000 半導体基板
401 導体線路
402, 506, 605 断面図
403, 505, 604 破線
501, 502 導体線路群
503, 603 誘電体
504 導体層
601, 602 電極
700 バイアス回路
206a, 209a スタブ
206b, 209b, 300b キャパシタ
300a インダクタ
206c, 209c 接続点
108Y, 206Y, 209Y, 300Y, 700Y 矢印
700a1, 700a2, 700c1, 700c2 接続部
700b1 抵抗
700a, 700b2, 700b3, 1002, 2003 導体線路
700b 導体線路回路
700c キャパシタ
700d 電源
1000,2020 接地導体膜
1300 線路構造
2001 周期接地導体膜
2002 貫通導体
2004 穴
2010 絶縁膜

Claims (4)

  1. 半導体基板の第1の主面上に形成された導体線路と、前記半導体基板の前記第1の主面とは逆の第2の主面上に形成された第1の接地導体膜と、前記導体線路と前記第1の接地導体膜の間に挟まれた第2の接地導体膜と、前記基板の前記第2の主面から前記第1の主面側へ向け等間隔に並べて形成された複数の穴と、前記穴に形成されかつ前記第1の接地導体膜と前記第2の接地導体膜とを導通する導体層とを有することを特徴とする共振回路。
  2. 共振回路と電界効果トランジスタとが半導体基板に形成された高周波逓倍回路であって、前記共振回路は、前記半導体基板の第1の主面上に形成された導体線路と、前記半導体基板の前記第1の主面とは逆の第2の主面上に形成された第1の接地導体膜と、前記導体線路と前記第1の接地導体膜の間に挟まれた第2の接地導体膜と、前記基板の前記第2の主面から前記第1の主面側へ向け等間隔に並べて形成された複数の穴と、前記穴に形成されかつ前記第1の接地導体膜と前記第2の接地導体膜とを導通する導体層とを有し、前記電界効果トランジスタのドレインが前記第2の接地導体膜を介して接地されたことを特徴とする高周波逓倍回路。
  3. 前記電界効果トランジスタのゲートにある周波数を有する入力信号が入力され、前記電界効果トランジスタのドレインから前記入力信号が有する周波数の整数倍である周波数を有する出力信号が出力されることを特徴とする請求項2記載の高周波逓倍回路。
  4. 4個の導体線路と4個の端子と、第2の接地導体膜とを半導体基板に形成されたハイブリッドカプラであって、前記4個の導体線路のそれぞれは半導体基板の第1の主面上に形成され、さらに前記半導体基板の前記第1の主面とは逆の第2の主面上に形成された第1の接地導体膜と、前記導体線路と前記第1の接地導体膜の間に挟まれた第2の接地導体膜と、前記基板の前記第2の主面から前記第1の主面側へ向け等間隔に並べて形成された複数の穴と、前記穴に形成されかつ前記第1の接地導体膜と前記第2の接地導体膜とを導通する導体層とを有し、前記4個の導体線路のそれぞれが前記端子より入力される信号の中心周波数に対して4分の1波長の長さを有し、前記4個の導体線路中の第1の導体線路は中心周波数に対して4分の1波長の長さを有する前記4個の導体線路中の第2の導体線路に接続され、前記第2の導体線路は中心周波数に対して4分の1波長の長さを有する前記4個の導体線路中の第3の導体線路に接続され、前記第3の導体線路は中心周波数に対して4分の3波長の長さを有する前記4個の導体線路中の第4の導体線路に接続され、第1の端子は前記第1の導体線路と前記第4の導体線路の接続部に接続され、第2の端子は前記第1の導体線路と前記第2の導体線路の接続部に接続され、第3の端子は前記第2の導体線路と前記第3の導体線路の接続部に接続され、第4の端子は前記第3の導体線路と前記第4の導体線路の接続部に接続されたことを特徴とするハイブリッドカプラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019129424A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 日本電信電話株式会社 伝送線路、整合回路および増幅回路

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