JP2005011820A - 高分子固体電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】 室温付近でも電解液に匹敵する高いイオン導電性を有し、かつ優れた成膜性、可撓性及び機械的強度を有する新たな高分子固体電解質を得る。
【解決手段】 高分子固体電解質を、カーボネート基を官能基として有する有機高分子、電解質及び該電解質が可溶な有機溶媒から構成する。この場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を500重量部以下含有させる。この有機高分子は相互に架橋されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はイオン導電性の高分子固体電解質に関する。さらに詳しくは、本発明は、有機高分子を構造材とした高分子固体電解質であって、リチウムイオンをはじめとするアルカリ金属イオン系の導電性キャリアを含有することにより、高いイオン導電性を発揮し、成膜性、柔軟性及び機械的強度に優れた高分子固体電解質に関する。
固体電解質を用いて全固体系の電池を構成した場合、従来型電池の問題点の一つである電池内の内容物の漏液がなくなり、電池の安全性および信頼性が向上する。また、電池の薄型化、積層化も可能になる。そのため、固体電解質は電池その他の電気化学的デバイス材料として注目されている。
ところで、固体電解質に要求される特性としては、一般的に(a)イオン導電性が高く、電子導電性がないこと、(b)薄く成形できるように成膜性が優れていること、(c)可撓性に優れていること、等が挙げられる。
また、固体電解質の種類としては、無機材料からなるものと有機材料からなるものとの大きく二種類に分けられる。このうち無機材料からなる固体電解質は比較的イオン導電性は高いが、結晶体であるために機械的強度が乏しく、可撓性を有する膜に加工することが困難であり、そのために電池デバイスに応用する場合には著しく不利となっている。
これに対して、有機高分子からなる高分子固体電解質は可撓性を有する薄膜に成膜することが可能であり、また成形した薄膜には高分子固有の柔軟性により優れた機械的性質を付与することが可能となる。そのため、高分子固体電解質から成る薄膜は、無機系の固体電解質に比べて、電極−高分子固体電解質間のイオン電子交換反応過程で生じる体積変化に柔軟に適応させることが可能となる。このような理由から、高分子固体電解質は、高エネルギー密度電池、特に薄型の高エネルギー密度電池の固体電解質材料として、有望視されている。
これまでにこのような高分子固体電解質としては、次式のポリエーテル構造を有するポリエチレンオキサイド[以下PEOと略す]
Figure 2005011820
とLi塩やNa塩等のアルカリ金属塩との複合体が、比較的高いアルカリ金属イオン導電性を示すものとして知られている。また、この複合体をはじめとして種々の高分子固体電解質について、イオン導電機構や分子構造等の理論的研究、あるいは電池等の電気化学デバイスへの応用研究が活発に進められている。
ところで、高分子固体電解質におけるイオン導電は、高分子マトリックス中のアルカリ金属イオンが高分子マトリックス中の無定形部分において選択的にイオン化し、高分子中の配位性原子と相互作用しながらマトリックス内を電界に沿って拡散移動することによって達成されると考えられている。例えば、PEOとアルカリ金属塩からなる複合体膜においては、アルカリ金属イオンがPEO主鎖中の誘電率の高いエーテル結合部の酸素と相互作用しながら、熱による分子鎖のセグメント運動によってイオン導電すると考えられている。そこで、高分子固体電解質のイオン導電率を向上させるためには、高分子固体電解質の結晶性を抑制することが有効であると考えられる。
しかしながら、従来の高分子固体電解質は、結晶性を抑制することによりイオン導電率を向上させようとすると、成膜性や可撓性が低下するという問題点を有している。また、一般的に無機材料からなる固体電解質に比べて室温近傍でのイオン導電率が小さいという問題点を有している。
例えば、PEOとアルカリ金属塩との複合体膜の場合、そのPEOの分子量が10000程度のときは、成膜性に優れ、イオン導電率も100℃以上では10-3〜10-4S/cm程度の比較的高い値を有する。しかし、この複合体膜は結晶性であるために60℃以下の温度では急激に導電率が低下し、室温では、10-7S/cm程度以下という非常に低い値を示す。このため、室温を使用温度領域とする通常の電池の材料として組み入れることが不可能となっている。
そこで、式(i)
Figure 2005011820
(式中、nは任意の整数である)に示すようにPEOの末端水酸基にジイソシアネートを反応させてウレタン架橋を形成させたり、あるいはエステル架橋を形成させることによって複合体膜の結晶性を抑制させる試みがなされている。この架橋構造は無定形高分子のイオン導電率を大きく低下させることなく機械的特性を向上させるための手段として有効である。しかしながら、このような手段でも十分な成果を得られるには至っていない。
一方、複合体膜を構成する有機高分子であるPEOの分子量を10000以下にすることによって室温近傍でのイオン導電率を向上させることができるが、この場合には成膜性が著しく低下し、フィルム化が困難となる。
また、イオン導電率を向上させるためにアルカリ金属塩の含有濃度を高くした場合には、複合体膜のガラス転移点Tgも上昇してしまい、そのためにかえってイオン導電率が低下してしまう。このようにキャリア体の密度の増加と導電率の増加を同時に達成することはできない。
他の高分子固体電解質の例としては、上述のPEOとアルカリ金属塩とから構成される複合体の類似化合物で、式(ii)
Figure 2005011820
(式中、RはH又はCH3 であり、k及びnはそれぞれ任意の整数である)で表されるように、側鎖にPEO構造を有するアクリル系又はメタクリル系の有機高分子が知られている。また、式(iii)
Figure 2005011820
(式中、k及びnはそれぞれ任意の整数である)で表されるように、側鎖にPEO構造を有し、主鎖が(−P=N−)k からなるポリホスファゼン系の有機高分子や、式(iv)
Figure 2005011820
(式中、k及びnはそれぞれ任意の整数である)で表されるように、側鎖にPEO構造を有し、主鎖が(−SiO−)k からなるシロキサン系の有機高分子が知られている。
これらの有機高分子とアルカリ金属塩からなる高分子固体電解質のイオン導電率は〜10-5S/cm程度であり、PEOとアルカリ金属塩からなる複合体膜に比べてやや改善されているが、実用上はまだ不十分であり、また、成膜性や可撓性も十分なものとはなっていない。そのため、従来の高分子固体電解質を使用した電池で、実用上十分な電池性能を有するものは得られていない。
一方、上述のような有機高分子と金属塩の他に、さらにこの金属塩を溶解させることのできる有機溶媒を含有させた高分子固体電解質が開発されている。この高分子固体電解質においては、有機高分子が有機溶媒に膨潤したゲル状となっており、有機溶媒を使用しないそれまでの高分子固体電解質に比して非常に高い〜10-3S/cm程度の導電率を得ることが可能となる。
このように有機溶媒を含有させた高分子固体電解質を構成する有機高分子に関しては、前述のPEOや式(ii)〜(iv)等の有機高分子を使用する他に、これらを活性放射線照射、光照射、電子線照射、加熱等によって架橋させたものを使用することが試みられている。さらに、架橋剤を用いて有機高分子をフッ素ゴム系架橋体、アクリルロニトリル−ブタジエン系架橋体、ウレンタン架橋体としたものを使用することも試みられている。このように有機高分子を架橋すると、有機溶媒の含有により有機高分子が膨潤してゲル状となった場合でも、この高分子固体電解質に圧力をかけたときの有機溶媒の染み出しを抑制することができ、機械的強度を向上させることが可能となる。
しかしながら、有機溶媒を含有させた高分子固体電解質においても、通常の有機溶媒と金属塩からなる電解液に比べるとその導電率は低く、さらに導電率を向上させることが望まれており、また機械的強度も向上させることが望まれていた。
本発明はこのような従来技術の課題を解決しようとするものであり、室温付近でも電解液に匹敵する高いイオン導電性を有し、かつ優れた成膜性、可撓性及び機械的強度を有する新たな高分子固体電解質を得ることを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の高分子固体電解質は、カーボネート基を官能基として有する有機高分子が、相互に架橋されている有機高分子架橋体、電解質及び該電解質が可溶な有機溶媒を含有してなることを特徴とする。
本発明によれば、室温付近でも電解液に匹敵する高いイオン導電性を有し、かつ優れた成膜性、可撓性及び機械的強度を有する新たな高分子固体電解質を得ることが可能となる。
本発明者らは、カーボネート基を官能基として有する有機高分子が、従来の有機高分子に比べて高密度にキャリアイオンを含有させることが可能であり、また低温状態でも結晶化しにくく、そのため無定形状態の保持による十分なセグメント運動を確保することができ、かつ電子伝導が生じることがないという特性を有することを知見した。そして、このカーボネート基を有する有機高分子を構造材とし、これに金属塩等の電解質を含有させて高分子固体電解質を構成するにあたり、さらに特定量の有機溶媒を含有させ、この有機溶媒で有機高分子を膨潤させると、成膜性を損なうことなく、従来の電解液に匹敵する高いイオン導電性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。またこの場合、有機高分子を相互に架橋しておくことにより、高分子固体電解質内に多くの有機溶媒を含有させることができ、それによりイオン導電性を一層高められることを見出し、本発明の好ましい態様を完成させるに至った。
即ち、本発明は、カーボネート基を官能基として有する有機高分子、電解質及び該電解質が可溶な有機溶媒を含有してなり、有機高分子100重量部に対して有機溶媒が500重量部以下含まれることを特徴とする高分子固体電解質を提供する。また、この場合に有機高分子が相互に架橋されている高分子固体電解質を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の高分子固体電解質は、その構造材となる有機高分子として、主鎖又は側鎖にカーボネート基を官能基として有するものを使用する。ここで主鎖にカーボネート基を有する有機高分子としては、例えば、次式(1)
Figure 2005011820
(式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキルであり、nは任意の整数である)で表される、ビニレンカーボネート系モノマーの単独重合体であるポリビニレンカーボネート(PVnC)を使用することができる。ここで式(1)における置換基R1 及びR2 の低級アルキルとしては、炭素数1〜3の低級アルキルが好ましい。また低級アルキルは直鎖状でも分岐状でもよい。
式(1)の有機高分子の平均分子量は、重合させたビニレンカーボネート系モノマーの種類により異なるが、平均分子量が低すぎると固体化せず、成膜性が低下してフィルム化しにくくなる。また、平均分子量が高すぎても溶媒に溶けにくくなってフィルム化しにくくなり、更に可撓性や導電率も低下する。したがって、平均分子量は、好ましくは3×103 〜5×105 の範囲とする。
また、本発明においては式(1)で表される有機高分子の物理的性質や化学的性質を更に改善させる目的で、例えば、高分子固体電解質の可撓性を更に改善したり、有機高分子として架橋したものを使用する場合にその架橋化度を増加させたりする目的で、ビニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットを式(1)の有機高分子に導入することができる。このような共重合体としては、例えば、式(2)
Figure 2005011820
(式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキルであり、Xはビニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーからなるモノマーユニットであり、m及びnは独立的に任意の整数である。)で表される、ビニレンカーボネート系モノマーとそれと共重合可能なモノマーとの共重合体を使用することができる。ここで、式中のXとしては、ビニル系モノマーユニットであることが好ましい。このようなビニル系モノマーユニットを構成するビニル系モノマーとしては、一種類のモノマーを使用してもよいが、2種類以上のモノマーを併用してもよい。このようなビニル系モノマーの具体例としては、例えば、CH2=CHCOOH、CH2=CHCOOM(ここでMは金属イオンである)、CH2=CHCOOR(ここでRはアルキル基である)、CH2=CHCOO(CH2CH2O)nCH3(ここでnは1〜23の整数である)、CH2=CHCOO(CH2CH2O)nH(ここでnは1〜23の整数である)、アクリル酸グリシジルなどのアクリル系モノマー、及びこれらの一部置換体であるメタクリル系モノマー、CH2=C[COO(CH2CH2O)nCH32(ここでnは1〜23の整数である)、CH2=CH(C65)、CH2=CHCN、CH2=CH(OH)、CH2=CHCONH2、ビニルピロリドンなどを好ましく例示することができる。
式(2)の有機高分子は、有機高分子の物理的及び化学的性質をコントロールするために、ビニレンカーボネート系モノマーユニットに加えて一種以上のその他のモノマーユニットを含有させたものであるが、この場合の物理的及び化学的性質のコントロール方法としては、これらのモノマーユニットの構成比を変えることにより各モノマーユニットの特性を所望の程度で発現させればよい。
例えば、ビニレンカーボネート系モノマーと共重合させるモノマーとして、ポリエーテル構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを使用し、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増し、また、有機溶媒で膨潤させた場合の機械的強度が増加する。
また、ビニレンカーボネート系モノマーと共重合させるモノマーとして、側鎖の一部に水酸基を有するモノマーを使用した場合には、有機高分子を架橋させるときにこの水酸基が架橋サイトとして作用する。したがって、このようなモノマーの含有率を高くするほど架橋化度が高くなり、さらには高分子固体電解質の機械的強度が増加する。
ただし、通常、式(2)の有機高分子中に占めるビニレンカーボネート系モノマーユニットの割合は、好ましくは50 mol%以上、より好ましくは90 mol%以上である。ビニレンカーボネート系モノマーユニットの割合が50 mol%を下回るとイオン導電性が大きく低下し、また、有機溶媒に溶解しにくくなり、成膜性が低下する。
式(1)又は式(2)の有機高分子のように、主鎖にカーボネート基を官能基として有する有機高分子は、ビニレンカーボネート系モノマーと、必要に応じてその他の一種以上のモノマーとを、常法、例えばラジカル重合法や光重合法などで重合させることにより容易に得ることができる。
一方、本発明が使用する有機高分子のうち側鎖にカーボネート基を有する有機高分子としては、例えば、次式(3)
Figure 2005011820
(式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換もしくは非置換のアルキル基であり、jは0〜3の整数であり、kは任意の整数である)で表される、エチレンカーボネート系モノマーの単独重合体(ポリビニルエチレンカーボネート:PVEC)を使用することができる。ここで、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ水素又は置換もしくは非置換のアルキル基とすることができるが、このアルキル基としては、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基等を有することができる。また、式(3)においてj=0とし、エチレンカーボネート基が直接主鎖に結合するようにしてもよく、あるいはj=1〜3とし、エチレンカーボネート基が低級メチレン鎖を介して主鎖に結合するようにしてもよい。
式(3)の有機高分子の平均分子量は、そのモノマーユニットの構造により異なるが、平均分子量が低すぎると固体とならずに成膜性が低下し、また高すぎると溶媒に溶け難くなり、さらに柔軟性も低下するので、通常は5×103 〜5×105 の範囲内とすることが好ましい。
式(3)の有機高分子の製造方法は常法によることができ、例えば、ビニルエエチレンカーボネートをラジカル重合法、光重合法等で重合させることにより容易に得ることができる。
本発明が使用する有機高分子のうち側鎖にカーボネート基を有する有機高分子としては、上述の次式(3)の有機高分子にその構成モノマーと共重合可能な他のモノマーユニットを導入した共重合体も使用することができる。
このような共重合体としては、例えば、次式(4)
Figure 2005011820
(式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換もしくは非置換のアルキルであり、jは0〜3の整数であり、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはエチレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーからなるモノマーユニットである)で表される有機高分子を使用することができる。
ここで、Xは、式(3)のエチレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットから構成されるが、このようなモノマーユニットは前述の式(2)の共重合体と同様の種々のビニル系モノマーから形成することができる。また、各モノマーユニットの構成比も式(2)の共重合体と同様に、所望の物理的及び化学的性質にしたがい、各モノマーユニットの特性の発現させるべき程度に応じて定める。例えばこの式(4)の共重合体においても、エチレンカーボネート系モノマー以外のモノマーとして、ポリエーテル構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを含有させ、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増し、また有機溶媒で膨潤させたときの機械的強度が増加する。また、側鎖の一部に水酸基を有するモノマーを含有させた場合には、有機高分子を架橋させるときにこの水酸基が架橋サイトとして作用するため、そのモノマーの含有率を高めるほど架橋化度が高くなり、ひいては高分子固体電解質の機械的強度が高まる。ただし、通常、式(4)の共重合体の中にしめるエチレンカーボネート系モノマーユニットの割合は、好ましくは50 mol%以上、より好ましくは90 mol%以上とする。エチレンカーボネート系モノマーユニットの割合が50 mol%を下回るとイオン導電性が大きく低下し、金属塩の溶解度も大きく低下し、また、有機溶媒に溶解しにくくなり、成膜性が低下する。
式(4)の有機高分子の製造方法は常法によることができ、エチレンカーボネート系モノマーとその他のモノマーとを、例えばラジカル重合法や光重合法などで共重合させることにより容易に得ることができる。
本発明が使用する有機高分子のうち側鎖にカーボネート基を有する有機高分子としては、例えば、次式(5)
Figure 2005011820
(式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換もしくは非置換のアルキルであり、kは任意の整数である。)で表される、側鎖のエステル構造の末端にエチレンカーボネートがついているエチレンカーボネート系モノマーの単独重合体も使用することができる。また、このような有機高分子に共重合可能な他のモノマーユニットを導入した共重合体である次式(6)
Figure 2005011820
(式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換もしくは非置換のアルキルであり、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはエチレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーからなるモノマーユニットである)の有機高分子も使用することができる。
この式(5)及び式(6)の有機高分子において、R1 、R2 及びR3 は、前述の式(3)の有機高分子と同様に、それぞれ水素又は置換もしくは非置換のアルキル基とすることができ、このアルキル基としては、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル酸基、水酸基等を有することができる。また、式(6)の有機高分子において、Xは、式(5)のエチレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットから構成されるが、このようなモノマーユニットは前述の式(2)の共重合体と同様の種々のビニル系モノマーから形成することができる。また、各モノマーユニットの構成比も式(2)の共重合体と同様に、所望の物理的及び化学的性質にしたがい、各モノマーユニットの特性の発現させるべき程度に応じて定める。例えばこの式(6)の共重合体においても、エチレンカーボネート系モノマーと共重合させるモノマーとして、ポリエーテル構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを含有させ、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増し、有機溶媒で膨潤させた場合の機械的強度が増加する。また、側鎖の一部に水酸基を有するモノマーを含有させた場合には、有機高分子を架橋させるときにこの水酸基が架橋サイトとして作用するために、そのモノマーの含有率が高くなるほど架橋化度が高くなり、ひいては高分子固体電解質の機械的強度が増加する。ただし、通常、式(6)の共重合体の中に占めるエチレンカーボネート系モノマーユニットの割合は、好ましくは50 mol%以上、より好ましくは90 mol%以上とする。エチレンカーボネート系モノマーユニットの割合が50 mol%を下回るとイオン導電性が大きく低下し、金属塩の溶解度も大きく低下し、また、有機溶媒に溶解しにくくなり、成膜性が低下する。
式(5)及び式(6)の有機高分子の製造方法は常法によることができ、例えば、エチレンカーボネートメタクリレート(ECMA)等のエチレンカーボネート系モノマー、あるいはエチレンカーボネート系モノマーとその他のモノマーとをラジカル重合法、光重合法等で重合させることにより容易に得ることができる。
また、本発明において使用する、カーボネート基を官能基として有する有機高分子としては、上述の式(1)〜式(6)の有機高分子を単独で用いるだけでなく、それと相溶性を有する他の高分子をブレンドして得られるポリマーブレンドも使用することもできる。このような他の高分子としては、PEOや前述の式(i)〜(iv)で表される高分子を使用することができる。ブレンドの割合としては、必要とする電導度などに応じて適宜選択することができる。
本発明においては、以上のような有機高分子を相互に架橋することが好ましい。これにより、高分子固体電解質に圧力をかけた場合の有機溶媒の染みだしを防止することができ、有機高分子をより多くの有機溶媒で膨潤させ、導電率を向上させることが可能となる。また、機械的強度を向上させることも可能となる。
架橋方法については特に制限はないが、例えば、活性放射線照射、光照射、電子線照射、加熱により架橋することができる。この場合、必要に応じてトリメチルシリルベンゾフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン等の光重合開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化メチルエチルケトン、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を使用することができ、また、架橋剤として、複数のビニル基を有する多官能性モノマー、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート等を使用することができる。
なかでも、架橋剤としては、複数のビニル基を有する多官能性モノマーを使用することが好ましい。これにより、架橋する有機高分子が水酸基を有している場合でも、架橋後にはその水酸基の全てが架橋サイトとして作用し、架橋後の有機高分子中に未反応の水酸基が残存することを防止できる。したがって、この高分子固体電解質をリチウム系の電池に組み入れても不要な反応が生じることがなく、電気化学的に安定に使用することができる。さらに、複数のビニル基を有する多官能性モノマーを使用することにより、電解液で膨潤させた有機高分子架橋体の製造において、架橋化した有機高分子の合成とその電解液による膨潤とを、1ステップで容易に行なうことが可能となる。
このような複数のビニル基を有する多官能性モノマーとしては、例えば、次式(7)
Figure 2005011820
(式中、R1 及びR2 は独立的に水素又はメチル基であり、m=1〜9の整数であり、Cm2m は直鎖状でもよく分岐状でもよく、n=0〜9の整数である。さらに(OCm2m)nの一部は次式(8)
Figure 2005011820
で置換されていてもよい。)のジアクリル又はジメタクリル系モノマーをあげることができ、特に、上記式(7)においてm=2である、次式(7a)
Figure 2005011820
のポリエチレングリコールジアクリレート、又はポリエチレングリコールジメタクリレートを好ましくあげることができる。
また、複数のビニル基を有する多官能性モノマーとしては、次式(9)
Figure 2005011820
(式中、3つのR1 は独立的に水素又はメチル基である。)のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートも好ましく使用することができる。
なお、このように架橋剤を用いて有機高分子を架橋する場合に、架橋剤の使用割合が多すぎると架橋後の有機高分子から、本発明が使用する有機高分子に特徴的なカーボネート基に由来する性質が失われ、イオン導電性が低下するので好ましくない。したがって、架橋剤として、ジアクリル又はジメタクリル系モノマー等の複数のビニル基を有する多官能性モノマーを使用する場合に、その使用割合は、架橋体を構成することとなる、複数のビニル基を有する多官能性モノマーユニット、カーボネート系モノマーユニット(ビニレンカーボネート系モノマユニットあるいは側鎖にエチレンカーボネート基を有するモノマーユニット)、及びカーボネート系モノマーと共重合するその他のモノマーユニットの合計に対し、複数のビニル基を有する多官能性モノマーユニットの割合を50 mol%以下とすることが好ましい。
一方、本発明の高分子固体電解質に含有させる電解質としては、従来の高分子固体電解質に用いられている金属塩を使用することができる。このような金属塩としては、例えば、LiBr、LiCl、LiI、LiSCN、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4、CH3COOLi、CF3COOLi、LiCF3SO3、LiPF6、LiN(CF3SO22 、LiC(CF3SO23などのリチウム塩を使用することができる。
また、金属塩としては、上述のリチウム塩のアニオンと、リチウム以外のアルカリ金属、例えばカリウム、ナトリウムなどとの塩を使用することもできる。この場合、金属塩としては単独種を使用してもよく、複数種の塩を同時に使用してもよい。
金属塩の好ましい濃度は、当該金属塩の種類や、金属塩と共に高分子固体電解質に含有させる有機高分子や有機溶媒の種類等に応じて異なり、有機溶媒に対する金属塩の比率が低すぎても高すぎても導電率が低下するが、通常、金属塩が有機溶媒1リットルに対して0.2〜2 mol程度含まれるようにすることが好ましく、0.5〜1.5 molとすることがより好ましい。
また、本発明の高分子固体電解質に含有させる有機溶媒としては、上述の電解質を溶解させることができ、有機高分子と相溶性のものを適宜使用することができるが、その分子中に酸素原子又は窒素原子を少なくとも一つ有するものが特に好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド等をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、複数種を併せて使用してもよい。
高分子固体電解質における有機溶媒の使用割合は、多くすると導電率を向上させることができるので好ましいが、多すぎると機械的強度が低下し、さらに成膜性も低下してフィルム化することができなくなるので、本発明においては、最大限、有機溶媒を含有した高分子固体電解質が膜として存在し得る量とし、有機高分子100重量部に対して有機溶媒が500重量部以下含まれるようにする。有機溶媒の好ましい使用割合は、使用する電解質の種類、有機溶媒の種類、構造材とする有機高分子の種類、架橋の有無等により異なるが、その下限は、有機溶媒と電解質と有機高分子からなる高分子固体電解質の導電率が、その有機溶媒と電解質からなる電解液の導電率とほぼ同等のオーダーとなるように定めることが好ましく、通常は、1mS/cm以上の導電率を示す使用割合とすることが好ましい。また、使用割合の上限は、有機溶媒を含有させた高分子固体電解質を成膜し、電池等に組み入れた場合に十分な機械的強度を維持できる量とすることが好ましい。より具体的には、例えば、有機高分子として、前述の式(1)のビニレンカーボネート系モノマーの単独重合体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜200重量部とすることが好ましく、50〜100重量部とすることがより好ましい。またその共重合体(式(2))を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜400重量部とすることが好ましく、50〜300重量部とすることがより好ましい。さらに、その架橋体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜500重量部とすることが好ましく、50〜300重量部とすることがより好ましい。
また、有機高分子として、前述の式(3)のカーボネート系モノマーの単独重合体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜200重量部とすることが好ましく、30〜100重量部とすることがより好ましい。またその共重合体(式(4))を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜400重量部とすることが好ましく、30〜300重量部とすることがより好ましい。さらに、その架橋体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜500重量部とすることが好ましく、30〜300重量部とすることがより好ましい。
また、有機高分子として、前述の式(5)のカーボネート系モノマーの単独重合体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜200重量部とすることが好ましく、50〜100重量部とすることがより好ましい。またその共重合体(式(6))を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜400重量部とすることが好ましく、50〜300重量部とすることがより好ましい。さらに、その架橋体を使用する場合、有機高分子100重量部に対して有機溶媒を10〜500重量部とすることが好ましく、50〜300重量部とすることがより好ましい。
以上のような有機高分子、電解質及び有機溶媒を含有する本発明の高分子固体電解質の製造方法としては特に制限はなく、種々の方法により任意の形態に形成することができる。例えば、一般に高分子固体電解質は膜の形態で使用されることが多いが、このための成膜方法としては、上述の有機高分子と電解質とを有機溶媒に溶解させ、この溶液を平坦な基板に広げ、溶媒を蒸発させることによりフィルムを得るというキャスト法により成膜することができる。この場合、溶媒の蒸発の程度としては、溶媒が基板上の溶液から完全に消失するまで行うのではなく、基板上に形成される高分子固体電解質がフィルム状の形態を保持できる程度に、溶媒がその高分子固体電解質中に残留するように蒸発させる。
あるいは、基板上の溶液から溶媒を完全に蒸発させて有機溶媒を含有しない高分子固体電解質フィルムを形成した後、得られた高分子固体電解質フィルムを有機溶媒に浸漬するなどして膨潤させ、次いで余分な有機溶媒を拭き取ってもよい。この場合、基板上に広げる溶液を調製するために使用する有機溶媒としては、前述したような本発明の高分子固体電解質に含有させるものとして好ましい有機溶媒だけでなく、適度な極性を有するキャスト溶媒を広く使用することができる。また、フィルム上に形成した高分子固体電解質を有機溶媒に浸漬させる時間、余分な有機溶媒の拭き取り方等により膨潤のために使用する有機溶媒の量を制御することができる。また、浸漬に使用する有機溶媒には、必要に応じて金属塩を含有させてもよい。
以上のようなキャスト法により高分子固体電解質を成膜する場合に、基板上に広げる溶液の調製に際して、有機溶媒の使用量や、有機高分子、電解質及び有機溶媒の混合順序等に特に制限はない。
また、高分子固体電解質に有機高分子として架橋体を含有させる場合、上述のキャスト法において、有機高分子として既に架橋反応させたものを使用してもよく、あるいは、高分子固体電解質の成膜時に未架橋の有機高分子と電解質と有機溶媒とが所定の濃度となる溶液を調製し、この溶液を窒素雰囲気下で架橋反応させてもよい。
本発明の高分子固体電解質は、リチウム電池等の高エネルギー密度電池をはじめとする種々の電気化学的デバイス材料として使用することができる。
本発明の高分子固体電解質が構造材として含有する、カーボネート基を官能基として有する有機高分子は、キャリアイオンとなる金属塩を高濃度で含有させても良好な成膜性と可撓性及び機械的強度を維持することができるので、この有機高分子と電解質とからなる高分子固体電解質は、高い導電性を発揮するが、本発明においては、さらにこの高分子固体電解質に有機溶媒を含有させ、有機高分子を膨潤させているので、高分子固体電解質は極めて高い導電性を発揮するものとなる。したがって、本発明の高分子固体電解質によれば、高いイオン導電性と良好な成膜性、可撓性及び機械的強度を同時に実現することが可能となる。
特に、有機高分子として架橋体を使用すると、成膜性や機械的強度を大きく低下させることなく、高分子固体電解質に含有させることのできる有機溶媒を多くすることができるので、有機高分子をより膨潤させることができる。したがって、導電性を一層高めることが可能となる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ここで、各実施例においては、特にことわらない限り、それぞれ以下のようにして有機高分子を合成し、高分子固体電解質フィルムを作製し、そのイオン導電率及び引張強度を評価した。
1.有機高分子の合成
実施例の高分子固体電解質に使用する有機高分子を次のように合成した。
1-A.ポリビニレンカーボネート(PVnC)の合成
約20ml用の封管用ガラス製容器中に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4 )で還留処理することにより精製したビニレンカーボネート(VnC)10gと、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4mgとを加えた。この容器を窒素置換装置につなぎ、内容物をドライアイス−メタノール浴で冷却固化した後、高真空下で脱気、窒素導入、融解の操作を3回繰り返し、最後に高真空下で封管した。
この容器を80℃に設定した振盪式恒温槽中で24時間重合反応させた。この重合反応の間、反応液の粘度は増加し全体が固化した。
反応物を室温まで冷却後、開封し、得られた固形物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、その溶液を5倍量のメタノール中に撹拌しながら注ぎ入れた。これにより、白色の繊維状の固体が得られた。この固体を濾別し、メタノールで十分に洗浄した。得られた白色の固体をDMF−メタノール混合溶媒を用いて再沈操作を2〜3回繰り返し行うことにより精製し、生成ポリマーを減圧下において乾燥させた。その結果、約40%の収率で所期の有機高分子を得た。
この有機高分子はFT−IR及びCDCl3 1H−NMRによりポリビニレンカーボネートであることが同定できた。また、この有機高分子の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、3×103 〜5×105 程度であった。
1-B.ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)の合成
i)ビニルエチレンカーボネート(VEC)の合成ジクロロメタン500ml中にm−クロロ過安息香酸190gを溶解させ、これを氷で冷却し、さらに溶液を撹拌しながら1,3−ブタジエンを2時間程度バブリングし、溶液中に溶解させて反応させた。その後、室温で終夜撹拌させることにより、3,4−エポキシ−1−ブテンを得た。次に、これに炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、激しく撹拌し、加水分解を行った。水相を分離した後、さらに水を加えて有機相を抽出し、濃縮した。得られた残留オイル状のものを減圧下で蒸留し、1−ブテン−3,4−ジオールを得た。これをジクロロメタン中でクロロ炭酸エチルとエステル交換反応させることにより、所期のVECを得た。得られたVECは、沸点(106℃/6.5mmHg)、FT−IR、1H−NMRによりその構造を確認した。
ii) ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)の合成
約20ml用の封管用ガラス製容器中にビニルエチレンカーボネート(VEC)10gとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4mgとを加えた。この容器を窒素置換装置につなぎ、内容物をドライアイス−メタノール浴で冷却固化した後、高真空下で脱気、窒素導入、融解の操作を3回繰り返し、最後に高真空下で封管した。
この容器を80℃に設定した振盪式恒温槽中で24時間重合反応させた。この重合反応の間、反応液の粘度は増加し全体が固化した。
反応物を室温まで冷却後、開封し、得られた固形物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、その溶液を5倍量のメタノール中に撹拌しながら注ぎ入れた。これにより、白色の繊維状の固体が得られた。この固体を濾別し、メタノールで十分に洗浄した。得られた白色の固体をDMF−メタノール混合溶媒を用いて再沈操作を2〜3回繰り返し行うことにより精製し、生成ポリマーを減圧下において乾燥させた。その結果、約40%の収率で所期の有機高分子を得た。
この有機高分子はFT−IR及びCDCl3 1H−NMRにより同定し、確認した。融点は140〜150℃であった。また、この有機高分子の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したところ、1×103 〜1×105 程度であった。
1-C.ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の合成
i)エチレンカーボネートメタクリレート(ECMA)の合成
エポキシメタクリレートに炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて激しく撹拌し、加水分解を行った。水相を分離し、さらに水を加えて有機相を抽出し、濃縮した。得られた残留オイル状のものを減圧下で蒸留し、エチレンジオールメタクリレートを得た。これをジクロロメタン200ml中に溶解させ、激しく撹拌しながら3倍当量のトリホスゲン(Cl3CO)2COを少量ずつ加え、その後さらに96時間20℃で撹拌した。これをエバポレータで濃縮し、残留オイル状のものを減圧下で蒸留した。これにより所期のECMAを得た。得られたECMAは、FT−IR、 1H−NMRによりその構造を確認した。収率は約50%であった。
ii) ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の合成
約20ml用の封管用ガラス製容器中に(エチレンカーボネート)メタクリレート(ECMA)10gとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4mgとを加えた。この容器を窒素置換装置につなぎ、内容物をドライアイス−メタノール浴で冷却固化した後、高真空下で脱気、窒素導入、融解の操作を3回繰り返し、最後に高真空下で封管した。
この容器を80℃に設定した振盪式恒温槽中で24時間重合反応させた。この重合反応の間、反応液の粘度は増加し全体が固化した。
反応物を室温まで冷却後、開封し、得られた固形物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、その溶液を5倍量のメタノール中に撹拌しながら注ぎ入れた。これにより、白色の繊維状の固体が得られた。この固体を濾別し、メタノールで十分に洗浄した。得られた白色の固体をDMF−メタノール混合溶媒を用いて再沈操作を2〜3回繰り返し行うことにより精製し、生成ポリマーを減圧下において乾燥させた。その結果、約40%の収率で所期の有機高分子を得た。
この有機高分子はFT−IR及びCDCl3 1H−NMRにより同定し、確認した。
1-D.ビニレンカーボネート系共重合体の合成
約20ml用の封管用ガラス製容器中にビニレンカーボネート(VnC)10gと、ポリエーテル構造を側鎖として有するメタクリレート系モノマーとしてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(CH2=CCH3(COO(CH2CH2O)4CH3 ):PEM4)、又は側鎖の末端に水酸基を有するヒドロキシエチルメタクリレート(CH2=CCH3(COOCH2CH2OH):HEMA)を、後述する実施例に示した所定のモノマー構成比( mol%)にしたがって加え、さらにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を総仕込みモノマーのモル数に対して0.2〜1.0 mol%加え、撹拌して均一溶液にした。この容器を窒素置換装置につなぎ、内容物をドライアイス−メタノール浴で冷却固化した後、高真空下で脱気、窒素導入、融解の操作を3回繰り返し、最後に高真空下で封管した。
この容器を60℃に設定した振盪式恒温槽中で24時間重合反応させた。この重合反応の間、反応液の粘度は増加し全体が固化した。
反応物を室温まで冷却後、開封し、得られた固形物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、その溶液を5倍量のメタノール中に撹拌しながら注ぎ入れた。これにより、白色の繊維状の固体が得られた。この固体を濾別し、メタノールで十分に洗浄した。得られた白色の固体をDMF−メタノール混合溶媒を用いて再沈操作を2〜3回繰り返し行うことにより精製し、生成ポリマーを減圧下において乾燥させた。その結果、約40%の収率で所期の有機高分子を得た。
この有機高分子のモノマー組成をCDCl3 1H−NMRで同定したところ、合成時の各モノマー仕込み量に準じていることがわかった。
1-E.ビニルエチレンカーボネート系共重合体の合成
上記1-D.のビニレンカーボネート系共重合体の合成において、ビニレンカーボネート(VnC)に代えてビニルエチレンカーボネート(VEC)を使用することにより所期の共重合体を得た。
1-F.(エチレンカーボネート)メタクリレート系共重合体の合成
上記1-D.のビニレンカーボネート系共重合体の合成において、ビニレンカーボネート(VnC)に代えてエチレンカーボネートメタクリレート(ECMA)を使用することにより所期の共重合体を得た。
2.高分子固体電解質フィルムの作製
2-A.未架橋高分子固体電解質フィルムの作製
上記1で得られた有機高分子を、十分に脱水したDMF中に添加し、十分に撹拌して均一な溶液とし、孔径0.45μmのフィルターを通過させて不溶物を除去し、得られた溶液を用いて次のようにキャスト法により成膜した。すなわち、溶液を底面が平滑なテフロン製シャーレに移し入れ、窒素雰囲気下、40〜60℃に設定した恒温器中で溶媒を蒸発させ、さらに真空加熱下で溶媒を完全に除去し、乾燥させ、フィルム状の高分子膜を得た。
次に、後述する実施例に示したように、プロピレンカーボネート(PC)等の有機溶媒にLiClO4 等の電解質を所定濃度溶解させて電解液を調製し、この溶液中に上記で得たフィルム状の高分子固体電解質を浸漬し、高分子固体電解質を膨潤させた。高分子固体電解質を溶液から取り出し、余分な溶液を拭い取ることにより、有機高分子が有機溶媒で膨潤した高分子固体電解質フィルムを得た。
こうして得られた高分子固体電解質は可撓性に富んだ無色〜淡黄色のフィルムであった。このフィルムの厚さについては、目的に応じて所定の厚さに適宜作製することができるが、ここでは後述するように導電率を評価するため、厚さ50〜150μmのものを作製した。
2-B.架橋高分子固体電解質フィルムの作製
上記2-A.にしたがって未架橋高分子固体電解質フィルムを作製し、これを不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋した。
こうして得られた架橋高分子固体電解質フィルムは、可撓性に富んだ無色〜淡黄色のフィルムであった。このフィルムの厚さについては、目的に応じて所定の厚さに適宜作製することができるが、ここでは後述するように導電率を評価するため、厚さ50〜150μmのものを作製した。
3.イオン導電率の評価
得られた高分子固体電解質フィルムのイオン導電率を次のようにして評価した。即ち、高分子固体電解質フィルムを白金電極又はリチウム金属電極で圧着し、電極/フィルム/電極の各接触が十分に保たれるようにすることにより評価用セルを作製した。その後、温度可変式の恒温装置を所定温度に設定してその中に評価用セルを入れ、評価用セルがその温度で定常状態となるように約1時間放置した。そして、定電圧複素数インピーダンス法(交流振幅電圧30〜100mV、交流の周波数帯域10-2〜107 Hz)により得られた半円弧部から導電率を解析的に算出した。この場合、電極を白金、リチウム金属と変え、また、電極面積を変えることにより、疑似半円弧成分を高分子固体電解質中のイオン導電に寄与する抵抗部に帰属させた。
4.引張強度の評価
高分子固体電解質フィルムを10mm×40mm×厚さ150μmの短冊状にカットして試験片とし、その引張強度を、汎用のインストロン試験機及びこれに類した試験機を用いて測定した。この場合、試験片をつかむチャックの一方をひずみ計に固定し、他方を電動で定速に上下させることによって引張り続け、試験片が破断した時点でひずみ計に示された極限応力を引張強度(kgf/cm2 )とした。
実施例1〜5
ポリビニレンカーボネート(PVnC)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液(LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC))中のLiClO4 濃度を図1のように変えた(0.2、0.5、1.0、1.5、2.0M)。また、このときPVnCからなる有機高分子の膨潤に用いられた電解液の使用量(以下、膨潤量と略する)は、PVnCに対する重量比が100重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図1に示す。
実施例6〜10
ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液(LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC))中のLiClO4 濃度を図1のように変えた(0.2、0.5、1.0、1.5、2.0M)。また、このときの電解液の膨潤量は、PVnCに対する重量比が100重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図1に示す。
実施例11〜15
ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液(LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC))中のLiClO4 濃度を図1のように変えた(0.2、0.5、1.0、1.5、2.0M)。また、このときの電解液の膨潤量は、PVnCに対する重量比が100重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図1に示す。
図1に示した実施例1〜15の結果から、実施例の未架橋の高分子固体電解質フィルムにおいては、電解液(LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC))中のLiClO4 濃度1M付近で導電率が極大となるが、0.2〜2.0Mの範囲で導電率は大きく低下することなく、高い値を維持することがわかる。
実施例16〜18
ポリビニレンカーボネート(PVnC)、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)又はポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムをそれぞれ作製した。この場合、電解液として1M−LiBF4 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した。また、このときの電解液の膨潤量は、PVnC、PVEC又はPECMAに対する重量比が100重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図2に示す。
実施例19〜21
ポリビニレンカーボネート(PVnC)、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)又はポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムをそれぞれ作製した。この場合、電解液として1M−LiPF6 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した。また、このときの電解液の膨潤量は、PVnC、PVEC又はPECMAに対する重量比が100重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図2に示す。
図2に示した実施例16〜21の結果から、実施例の未架橋の高分子固体電解質フィルムにおいては、電解液として1M−LiBF4 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した場合も、1M−LiPF6 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した場合も、いずれも高い導電率を得られることがわかる。
実施例3、22〜27
ポリビニレンカーボネート(PVnC)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した。また、図3に示したように、このときの電解液の膨潤量は、PVnCに対する重量比が10、30、50、100、150、200、300重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図3に示す。図3において、●は引張強度3kgf/cm2 以上、▲は引張強度0.2kgf/cm2 以上3kgf/cm2 未満、×は高分子固体電解質がフィルム状に成形できず、粘着性のゲル状態となったものを示している。
実施例8、28〜33
ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した。また、図3に示したように、このときの電解液の膨潤量は、PVECに対する重量比が10、30、50、100、150、200、300重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図3に示す。
実施例13、34〜39
ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)からなる未架橋の高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を使用した。また、図3に示したように、このときの電解液の膨潤量は、PECMAに対する重量比が10、30、50、100、150、200、300重量%となるようにした。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図3に示す。
図3に示した実施例の結果から、これら実施例の未架橋の高分子固体電解質フィルムにおいては、有機高分子に対する電解液の使用割合(即ち、膨潤量)を150重量%程度以下とすることにより高分子固体電解質をフィルム状に成膜でき、さらに膨潤量を小さくすることにより引張強度が3kgf/cm2 以上に向上することがわかる。この場合、膨潤量を小さくすることにより導電率は低下傾向を示すが、少なくとも膨潤量10重量%以上では高い導電率が得られることがわかる。
実施例40〜42
実施例3、8、13の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリビニレンカーボネート(PVnC)、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)又はポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量100重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。そして得られた高分子固体電解質フィルムの導電率を求めた。この結果を図4に示す。
実施例43〜45
実施例16〜18の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリビニレンカーボネート(PVnC)、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)又はポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiBF4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量100重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。そして得られた高分子固体電解質フィルムの導電率を求めた。この結果を図4に示す。
実施例46〜48
実施例19〜21の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリビニレンカーボネート(PVnC)、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)又はポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiPF6 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量100重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。そして得られた高分子固体電解質フィルムの導電率を求めた。この結果を図4に示す。
図4に示した実施例40〜48の結果から、有機高分子として架橋体を使用した高分子固体電解質フィルムは、対応する未架橋の有機高分子を使用したものに比べるとその導電率はわずかに低下傾向を示すが、大きく低下することはなく、なお高い導電率を示すことがわかる。
実施例40、49〜54
実施例3、22〜27の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリビニレンカーボネート(PVnC)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量10、30、50、100、150、200、300重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図5に示す。図5において、●は引張強度3kgf/cm2 以上、▲は引張強度0.2kgf/cm2 以上3kgf/cm2 未満、×は高分子固体電解質がフィルム状に成形できず、粘着性のゲル状態となったものを示している。
実施例41、55〜60
実施例8、28〜33の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量10、30、50、100、150、200、300重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図5に示す。
実施例42、61〜66
実施例13、34〜39の未架橋の高分子固体電解質フィルムのそれぞれに、不活性ガス雰囲気中、加速電圧250kV、電子線量8Mradの電子線を照射することにより架橋反応を行い、ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)の架橋体を構造材とし、電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量10、30、50、100、150、200、300重量%使用した高分子固体電解質フィルムを作製した。
そして、このフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図5に示す。
図5に示した実施例の結果から、これら実施例の架橋体の高分子固体電解質フィルムにおいては、有機高分子に対する電解液の使用割合(即ち、膨潤量)を300重量%と大きくしても高分子固体電解質をフィルム状に成膜することができ、対応する未架橋の高分子固体電解質フィルムに比して膨潤量の大きい範囲でより高い導電率を達成できることがわかる。
実施例67〜69
ポリビニレンカーボネート(PVnC)とメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(CH2=CCH3(COO(CH2CH2O)4CH3 ):PEM4)との共重合体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、共重合モノマーの構成比(PVnC:PEM4)を、図6に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4/プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図6に示す。図6において、●は引張強度3kgf/cm2 以上、▲は引張強度0.2kgf/cm2 以上3kgf/cm2 未満、×は高分子固体電解質がフィルム状に成形できず、粘着性のゲル状態となったものを示している。
実施例70〜72
ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)とメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(CH2 =CCH3 (COO(CH2 CH2 O)4 CH3 ):PEM4)との共重合体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、共重合モノマーの構成比(PVEC:PEM4)を、図6に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図6に示す。
実施例73〜75
ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)とメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(CH2 =CCH3 (COO(CH2 CH2O)4 CH3 ):PEM4)との共重合体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、共重合モノマーの構成比(PECMA:PEM4)を、図6に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
得られたフィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図6に示す。
図6に示した実施例67〜75の結果から、実施例の共重合体からなる高分子固体電解質フィルムにおいては、共重合モノマーにしめるPEM4の比率が40mol%程度以下の範囲では、PEM4の比率によらず高い導電率を得られることがわかる。
実施例76〜78、79〜81
ポリビニレンカーボネート(PVnC)とヒドロキシエチルメタクリレート(CH2=CCH3(COOCH2CH2OH):HEMA)との共重合体の未架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した(実施例76〜78)。この場合、共重合モノマーの構成比(PVnC:HEMA)を、図7に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
さらに、得られたフィルムのそれぞれに、トルエン−2,4−ジイソシアネートをHEMAユニットに対して0.5当量加え、100℃で24時間加熱することにより架橋させ、架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを得た(実施例79〜81)。
得られた未架橋体及び架橋体の各フィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図7、8に示す。図7、8において、●は引張強度3kgf/cm2 以上、▲は引張強度0.2kgf/cm2 以上3kgf/cm2 未満、×は高分子固体電解質がフィルム状に成形できず、粘着性のゲル状態となったものを示している。
図7、8の結果から、PVnC−HEMA共重合体からなる高分子固体電解質フィルムを架橋することにより、引張強度が向上すること、このときイオン導電率としてはほぼ同程度の値が維持されることがわかる。したがって、架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより、イオン導電率を損なうことなくそのフィルムの機械的強度を向上させられることがわかる。
実施例82〜84、85〜87
ポリビニルエチレンカーボネート(PVEC)とヒドロキシエチルメタクリレート(CH2=CCH3(COOCH2CH2OH):HEMA)との共重合体の未架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した(実施例82〜84)。この場合、共重合モノマーの構成比(PVEC:HEMA)を、図7に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
さらに、得られたフィルムのそれぞれに、トルエン−2,4−ジイソシアネートをHEMAユニットに対して0.5当量加え、100℃で24時間加熱することにより架橋させ、架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを得た(実施例85〜87)。
得られた未架橋体及び架橋体の各フィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図7、8に示す。
図7、8の結果から、PVEC−HEMA共重合体からなる高分子固体電解質フィルムも架橋することにより、引張強度が向上すること、このときイオン導電率としてはほぼ同程度の値が維持されることがわかる。したがって、架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより、イオン導電率を損なうことなくそのフィルムの機械的強度を向上させられることがわかる。
実施例88〜90、91〜93
ポリ(エチレンカーボネート)メタクリレート(PECMA)とヒドロキシエチルメタクリレート(CH2=CCH3(COOCH2CH2OH):HEMA)との共重合体の未架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを作製した(実施例88〜90)。この場合、共重合モノマーの構成比(PECMA:HEMA)を、図7に示すように、95:5、80:20又は60:40に変えた。また、電解液としては1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を膨潤量200重量%使用した。
さらに、得られたフィルムのそれぞれに、トルエン−2,4−ジイソシアネートをHEMAユニットに対して0.5当量加え、100℃で24時間加熱することにより架橋させ、架橋体からなる高分子固体電解質フィルムを得た(実施例91〜93)。
得られた未架橋体及び架橋体の各フィルムの25℃における導電率及び引張強度を求めた。この結果を図7、8に示す。
図7、8の結果から、PECMA−HEMA共重合体からなる高分子固体電解質フィルムも架橋することにより、引張強度が向上すること、このときイオン導電率としてはほぼ同程度の値が維持されることがわかる。したがって、架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより、イオン導電率を損なうことなくそのフィルムの機械的強度を向上させられることがわかる。
実施例94〜102
ビニレンカーボネート(VnC)をジビニルモノマーで架橋した高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、ビニレンカーボネート(VnC)と式(7a)
Figure 2005011820
で示されるジビニルモノマーを以下の表1に示す仕込比( mol%)になるように調整し、さらに電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を総仕込みモノマーの重量に対して250wt%になるように加えた。得られた溶液にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を総仕込みモノマーのモル数に対して0.2〜1.0mmol加え、窒素で数分間バブリングした。この溶液を底面平滑なテフロンシャーレ内に注ぎ込み、これを窒素を充満した密封容器に入れ、75℃に設定した恒温槽内にて12時間重合させた。これにより電解液が膨潤した高分子固体電解質フィルムを得た。
得られた高分子固体電解質フィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図9、図10に示す。これらの結果から、ジビニルモノマーによる架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより機械的強度を向上させた場合に、高いイオン導電率が保持されることがわかる。
Figure 2005011820
実施例103〜107
ビニレンカーボネート(VnC)を種々の多官能性モノマーで架橋した高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、ビニレンカーボネート(VnC)と式(7b)(略号DMA−H)、
Figure 2005011820
式(7c)(略号DMA−NP)、
Figure 2005011820
式(7d)(略号DMA−3P)、
Figure 2005011820
式(7e)(略号DMA−4EP)、
Figure 2005011820
のジビニルモノマー及び式(9a)(略号TMA−P)
Figure 2005011820
のトリビニルモノマーを以下の表2に示す仕込比( mol%)になるように調整し、さらに電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を総仕込みモノマーの重量に対して250wt%になるように加えた。得られた溶液にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を総仕込みモノマーのモル数に対して0.2〜1.0mmol加え、窒素で数分間バブリングした。この溶液を底面平滑なテフロンシャーレ内に注ぎ込み、これを窒素を充満した密封容器に入れ、75℃に設定した恒温槽内にて12時間重合させた。これにより電解液が膨潤した高分子固体電解質フィルムを得た。
得られた高分子固体電解質フィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図11に示す。これらの結果から、多官能性モノマーによる架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより機械的強度を向上させた場合に、高いイオン導電率が保持されることがわかる。
Figure 2005011820
実施例108〜111
ビニルエチレンカーボネート(VEC)又はエチレンカーボネートメタクリレート(ECMA)とジビニルモノマーで架橋した高分子固体電解質フィルムを作製した。この場合、ビニルエチレンカーボネート(VEC)又はエチレンカーボネートメタクリレート(ECMA)と、式(7a)で示されるジビニルモノマーを以下の表3に示す仕込比( mol%)になるように調整し、さらに電解液として1M−LiClO4 /プロピレンカーボネート(PC)を総仕込みモノマーの重量に対して250wt%になるように加えた。得られた溶液にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を総仕込みモノマーのモル数に対して0.2〜1.0mmol加え、窒素で数分間バブリングした。この溶液を底面平滑なテフロンシャーレ内に注ぎ込み、これを窒素を充満した密封容器に入れ、75℃に設定した恒温槽内にて12時間重合させた。これにより電解液が膨潤した高分子固体電解質フィルムを得た。
得られた高分子固体電解質フィルムの25℃における導電率を求めた。この結果を図12に示す。これらの結果から、ジビニルモノマーによる架橋体から高分子固体電解質フィルムを構成することにより機械的強度を向上させた場合に、高いイオン導電率が保持されることがわかる。
Figure 2005011820
実施例の高分子固体電解質フィルムの電解質濃度及び有機高分子の種類と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子の種類及び電解質の種類と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの電解液の膨潤量及び有機高分子の種類と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(架橋体)の種類及び電解質の種類と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの電解液の膨潤量及び有機高分子(架橋体)の種類と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(共重合体)の共重合モノマーの構成比と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(共重合体)の共重合モノマーの構成比と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(共重合体の架橋体)の共重合モノマーの構成比と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(架橋体)中のジビニルモノマーの比率と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(架橋体)中のジビニルモノマーの構造と導電率との関係図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(架橋体)の導電率を示した図である。 実施例の高分子固体電解質フィルムの有機高分子(架橋体)の導電率を示した図である。

Claims (24)

  1. カーボネート基を官能基として有する有機高分子が、相互に架橋されている有機高分子架橋体、電解質及び該電解質が可溶な有機溶媒を含有してなることを特徴とする高分子固体電解質。
  2. 有機高分子が、次式(1)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキル基であり、nは任意の整数である。)のユニットを有する、ビニレンカーボネート系モノマーの単独重合体からなる請求項1記載の高分子固体電解質。
  3. 有機高分子の平均分子量が3×103 〜5×105 である請求項2記載の高分子固体電解質。
  4. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜200重量部含まれる請求項2又は3記載の高分子固体電解質。
  5. 有機高分子が、次式(2)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキル基であり、Xはビニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットであり、m及びnは独立的に任意の整数である。)のユニットを有する、ビニレンカーボネート系モノマーとその他のモノマーとの共重合体からなる請求項1記載の高分子固体電解質。
  6. 有機高分子におけるビニレンカーボネート系モノマーユニットの割合が、50mol%以上である請求項5記載の高分子固体電解質。
  7. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜400重量部含まれる請求項5又は6記載の高分子固体電解質。
  8. 有機高分子が側鎖にカーボネート基を有する請求項1記載の高分子固体電解質。
  9. 有機高分子が、次式(3)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又はアルキル基であり、jは0〜3の整数であり、kは任意の整数である。)のユニットを有する、カーボネート系モノマーの単独重合体からなる請求項8記載の高分子固体電解質。
  10. 有機高分子の平均分子量が5×103 〜5×105 である請求項9記載の高分子固体電解質。
  11. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜200重量部含まれる請求項9又は10記載の高分子固体電解質。
  12. 有機高分子が、次式(4)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又はアルキル基であり、Xはカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットであり、jは0〜3の整数であり、k及びmは独立的に任意の整数である。)のユニットを有する、カーボネート系モノマーとその他のモノマーとの共重合体からなる請求項8記載の高分子固体電解質。
  13. 有機高分子におけるカーボネート系モノマーユニットの割合が、50 mol%以上である請求項12記載の高分子固体電解質。
  14. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜400重量部含まれる請求項12又は13記載の高分子固体電解質。
  15. 有機高分子が、次式(5)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又はアルキル基であり、kは任意の整数である。)のユニットを有する、カーボネート系モノマーの単独重合体からなる請求項8記載の高分子固体電解質。
  16. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜200重量部含まれる請求項15記載の高分子固体電解質。
  17. 有機高分子が、次式(6)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又はアルキル基であり、Xはカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットであり、k及びmは独立的に任意の整数である。)のユニットを有する、カーボネート系モノマーとその他のモノマーとの共重合体からなる請求項8記載の高分子固体電解質。
  18. 有機高分子におけるカーボネート系モノマーユニットの割合が、50 mol%以上である請求項17記載の高分子固体電解質。
  19. 有機高分子100重量部に対して有機溶媒が10〜400重量部含まれる請求項17又は18記載の高分子固体電解質。
  20. 「有機高分子が、相互に架橋されている」に替えて、有機高分子が、次式(7)
    Figure 2005011820
    (式中、R1 及びR2 は独立的に水素又はメチル基であり、m=1〜9の整数であり、Cm2mは直鎖状でもよく分岐状でもよく、n=0〜9の整数である。さらに(OCm2m )nの一部が次式(8)
    Figure 2005011820
    で置換されていてもよい。)のジアクリル又はジメタクリル系モノマーにより架橋されている請求項2、5、9及び12のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  21. 「有機高分子が、相互に架橋されている」に替えて、有機高分子が、次式(9)
    Figure 2005011820
    (式中、3つのR1 は独立的に水素又はメチル基である。)のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートにより架橋されている請求項2、5、9及び12のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  22. 電解質が、金属塩である請求項1〜21のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  23. 電解質が、アルカリ金属塩である請求項22記載の高分子固体電解質。
  24. 電解質が可溶な有機溶媒が、その分子構造中に酸素原子又は窒素原子を少なくとも一つ有する請求項1〜23のいずれかに記載の高分子固体電解質。
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