JP2005011658A - バイポーラ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】単電池ごとに電圧が検知できるバイポーラ二次電池を提供する。
【解決手段】電子を通す集電体の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数のバイポーラ電極と、その内部をイオンが移動する複数の電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該ゲルまたは固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするバイポーラ電池。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型高出力のバイポーラ電池に係り、特に複数のバイポーラ電池を組み合わせて電気自動車等のモータ駆動用電池として好適なバイポーラ電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護運動の高まりを背景として電気自動車(EV)、ハイブリット自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入を促進すべく、これらのモータ駆動用電池の開発が行われている。この用途には、繰り返し充電可能な二次電池が使用される。EV、HEV、FCVのモータ駆動のような高出力及び高エネルギー密度が要求される用途では、単一の大型電池は事実上作れず、複数個の電池を直列に接続して構成した組電池を使用することが一般的であった。また、このような組電池を構成する一個の電池として、複数のバイポーラ電極から構成されるバイポーラ二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照のこと)。
【0003】
該バイポーラ二次電池では、従来の薄型ラミネート型電池よりも、薄型、軽量で放熱性が良好であるなど、種々の優れた特性を備えている。こうしたバイポーラ二次電池を車両の動力源として使用する場合には、信頼性と安定性が要求されるため、それぞれのバイポーラ二次電池が正常に機能しているか否かを常に監視する必要がある。このため、すべてのバイポーラ二次電池の電圧を常時監視し、劣化したバイポーラ二次電池が検知できるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−151526号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のバイポーラ二次電池の監視は、正極タブと負極タブとの間の電圧を検知することによって行なっていたので、バイポーラ二次電池を構成する複数の単電池の一部が過放電や過充電を生じていても、それが検知される電圧の変化として顕著に現れない限り、バイポーラ電池が正常に機能していると判断されてしまう。単電池の過充電や過放電はバイポーラ二次電池の耐用年数や信頼性に悪影響を与える。
【0006】
そこで、本発明が目的とするところは、以上のような従来の技術の問題点を解消するために成されたものであり、電圧を検知する部分(電圧検知用タブ)を単電池ごとに設け、その電圧を検知する部分によって単電池ごとの電圧の検知が可能であるバイポーラ二次電池を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子を通す集電体の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数のバイポーラ電極と、その内部をイオンが移動する複数のゲルまたは固体電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするバイポーラ電池により達成することができる。
【0008】
【発明の効果】
本発明のバイポーラ二次電池によれば、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出したので、バイポーラ二次電池の充放電状態が単電池単位で把握でき、安定したバイポーラ二次電池の使用が可能となる。また、バイポーラ二次電池が多数の電圧を計測する部分(電圧検知用タブ)によっても支えられるようになるので、バイポーラ二次電池を支持する系の剛性が向上し、車両に搭載しても十分な信頼性を維持できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるバイポーラ二次電池の好適な実施の形態を、詳細に説明する。
【0010】
本発明にかかるバイポーラ二次電池の第1の実施形態は、電子を通す集電体の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数のバイポーラ電極と、その内部をイオンが移動する複数のゲルまたは固体電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするものである。
【0011】
本実施の形態で例示するバイポーラ二次電池の形状は、長方形であり、発電要素に接続される正極タブと負極タブは、その長方形の1辺のみから並列的に引き出される場合と、その長方形の対向する2辺のそれぞれから別々に引き出される場合とがある。ただし、本発明では、かかる形状に何ら制限されるべきものではなく、従来公知の各種形状を取りえるものである。
【0012】
以下、正極端子(正極タブ)と負極端子(負極タブ)とが同一の辺から引き出されているバイポーラ二次電池を例に挙げてそれぞれ説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。図2はバイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、バイポーラ電極構造を簡略化し(正極層のみ表示した。)、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。図3は、図2の各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)の取り出し部分の側からの正面図を表わした側面該略図を示している。図3でもバイポーラ電極構造を簡略化して表示した(正極層のみ表示し、負極層、電極端子は省略した。)。
【0014】
図示されているように、バイポーラ二次電池10は、その内部に電極構造体(発電要素)12を備え、その発電要素12には正極端子(正極タブ)14、負極端子(負極タブ)16が接続されている。また電圧検出用タブ18(18A〜18K)として各バイポーラ電極構造の一部が、バイポーラ電極サイズよりも大きな電解質層と同じサイズにまで延長して取り出されており、該取り出された部分(電圧検出用タブ18A〜18K)に、それぞれ単電池積層方向から電子を通す金属ピン17(17A〜17K)が刺されてなり、該金属ピン17によって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている(図3参照のこと)。発電要素12は、正面から見ると長方形の形状を有する直方体の三次元立体である。発電要素12は、たとえば、ラミネートフィルムのような長方形の2枚の高分子金属複合フィルム20によって上下方向から挟まれ、その周囲が熱融着されて封止される。正極タブ14、負極タブ16、電圧検出用タブ18を刺し通す金属ピン17(17A〜17K)の一部(単電池電圧取り出し部)は、高分子金属複合フィルム20から外部に露出している。なお、正極タブ14、負極タブ16及び金属ピン17(17A〜17K)が高分子金属複合フィルム20から引き出される部分の封止部分では高分子金属複合フィルム20が正極タブ14、負極タブ16及び金属ピン17(17A〜17K)の周囲に密着し、外部からの水分の浸入を防止している。なお、上記ラミネートフィルムは、従来公知の電池外装材を用いることができ、例えば、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔などの金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートなどの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーなどの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートが用いられている。
【0015】
正極タブ14と負極タブ16は、図示されているように、長方形形状を有するバイポーラ二次電池10の同一の辺から引き出されている(図2参照のこと)。ただし、対向する2辺からそれぞれ引き出してもよい。
【0016】
また、電圧検知用タブ18(18A〜18K)および該電圧検出用タブを電池積層方向に刺貫する金属ピン17(17A〜17K)は、図示されているように、正極タブ14および負極タブ16とは異なる方向(の同一の辺)に延長して取り出されている(図2参照のこと)。すなわち、電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16が引き出されている辺以外の辺から引き出される。ただし、正極タブ14や負極タブ16と同一の辺からそれぞれ引き出してもよいし、また、同一の1辺からだけでなく2〜4辺からそれぞれ引き出してもよい。特に単電池の積層数が数十〜百数十と大きくなると、1辺からだけでは、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出すには、各電圧検知用タブや金属ピンに幅や隣接する電圧検知用タブや金属ピン間の間隔が狭くなり、より微細な加工技術(ハイテク)を利用する必要があり、製造コストの上昇を招くおそれがあるため、より多くの辺から取り出すようにすることで、よりローテクで本発明の目的を達成することができる。
【0017】
なお、上記電圧検知用タブ18及び金属ピン17を用いた構造とすることで、剛性の小さい電圧検知用タブ18や金属ピン17に過度な負担がかからなくなって振動による電圧検知用タブや金属ピン17の断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つことができる点でも優れている。
【0018】
図4は図2の電極構造体(発電要素)のうち、特にバイポーラ電極と電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図である。よって、単電池の電圧を計測する部分に関しては、ここでは省略している。更に、図5は、図2の電極構造体(発電要素)のうち、バイポーラ電極構造を説明するための断面概略図である。
【0019】
発電要素12は、図示されているように、集電体32の一方の面に正極層34が形成されその他方の面に負極層36が形成されたバイポーラ電極38が複数設けられている(図4においては、途中省略した)。また、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する集電体32にも、同様に正極層及び負極層を形成したバイポーラ電極が用いられている。ただし、本発明では、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する集電体には、正極層、負極層のいずれか一方の電極層のみが形成されていてもよい。これらのバイポーラ電極38は、隣り合うバイポーラ電極38の正極層34と負極層36とを向き合わせ、バイポーラ電極38間にゲルまたは固体電解質層40を介在させて積層した構造となっている。また、ゲルまたは固体電解質層40からの電解液の染み出しや、固体電解質の脱落などによる液落や短絡を防止する観点から、該ゲルまたは固体電解質層40の側面外周部(周縁部)には絶縁シール材41が設けられている。さらに必要があれば、電極構造体(電池要素)12の側面外周部(周縁部)全体に絶縁シール材41を設けてもよい。なお、ゲル電解質層を用いる場合には、図4に示す絶縁シール材41を形成する前に固体電解質に電解液を含浸させておく必要がある。
【0020】
本実施の形態では、例えば、7本のバイポーラ電極38と、6個のゲルまたは固体電解質40を図に示すように積層して発電要素12を形成している(図3参照のこと)。バイポーラ二次電池10は、1つあたりの単電池の端子間電圧がバイポーラ電極38を用いない、例えば、リチウムイオン二次電池などのような一般的な二次電池の端子間電圧に比較して高いので、容易に高電圧の電池を構成することができる。
【0021】
図2は発電要素12における正極タブ14、負極タブ16の接続状態を示す図であり、図3は電圧検知用タブ18に刺貫する金属ピンの接続状態を示す図である。
【0022】
発電要素12の積層方向両端に位置する集電体32にはそれぞれ負極タブ16と正極タブ14が接続される(図2、4参照のこと)。正極タブ14と負極タブ16には、図示されていない車両の負荷(モータ、電装品など)が接続され、これらのタブ14、16には、非常に大きな充放電電流が流れる。また、発電要素12が備えるすべての集電体(バイポーラ電極構造)には、単電池の端子間電圧を検知するための電圧検知用タブ18(18A〜18K)が形成されている。例えば、図6に示すように、各集電体形成用の金属箔ロール32’の一方の面上に、正極層34(または負極層36)を形成する際に、通常の長方形の正極層と共に、バイポーラ電極サイズ(長方形の正極層サイズ)よりも大きな長方形の電解質層と同じサイズにまで延長して、各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように塗布形成しておく。その後、集電体の他方の面上に、通常の長方形の負極層を塗布形成する。その後、図に示す点線に沿って各集電体形成用の金属箔ロール32’を切断して各集電体を形成する。これにより、図2も示すような、各バイポーラ電極構造の一部が、各単電池の電圧を計測する部分=電圧検知用タブ18(18A〜18K)とすることができる。ただし、発電要素が備えるすべての集電体(バイポーラ電極構造)には、該集電体(バイポーラ電極構造)とは別の構成部材から形成される単電池の端子間電圧を検知するための電圧検知用タブが電気的に接続し得るように圧着等によって連結されていてもよい。
【0023】
正極タブ14と負極タブ16の幅および厚み(換言すれば断面積)は、主にそれに流れるであろう充放電時の電流値により決定される。一方、電圧検知用タブ18や金属ピン17の幅及び厚みは、主に各単電池の電圧を計測する観点から決定される。したがって、該電圧検知用タブ18や金属ピン17は、正極タブ14と負極タブ16に比べて極めて狭い幅および厚みで十分といえる。
【0024】
本実施の形態では、電圧検知用タブ18及び金属ピン17を発電要素12のすべての単電池の電圧の検知を可能にするために、各電池の正極層と各電圧検知用タブ18とがそれぞれ一体的に形成されて接続されており(図6参照のこと)、さらに個々の電圧検知用タブ18を刺貫し、他の電圧検知用タブとは接触しないようにして金属ピン17が接続されていることにより、図5(b)に示す単電池39の電圧を検出することができる。
【0025】
また、電圧検知用タブ18は、図2、3に示すように、発電要素12の辺の長手方向にバイポーラ電極38の積層順に整列して引き出しており、この引き出した部分に単電池積層方向から金属ピン17を刺貫して、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている。このように、電圧検知用タブを整列して引き出し、単電池積層方向に金属ピンを刺貫し、金属ピンのみを外部に取り出すようにすることで、電池外装材20と各金属ピンの封止部分の密封性が良好になり、バイポーラ二次電池10の信頼性が向上する。また、バイポーラ二次電池10からの振動を受け難い構造とすることができ、電圧検知用タブ18や金属ピン17に過度な負担がかからなくなって振動によるタブの断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つこともできる。
【0026】
図7は、本発明の第1の実施形態にかかる他の代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。図8はバイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、バイポーラ電極構造を簡略化し、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。図9は、図8で分解して表わした電極構造体(発電要素)を積層方向に積層した状態の斜視図を示している。
【0027】
図示されているように、バイポーラ二次電池10は、その内部に電極構造体(発電要素)12を備え、その発電要素12には正極端子(正極タブ)14、負極端子(負極タブ)16が接続されている。また電圧検出用タブ18(18A〜18K)として各バイポーラ電極構造の一部およびこれを支持する電解質層の一部が、高分子金属複合フィルム20の外部にまで取り出されており、該取り出された部分(電圧検出用タブ18A〜18K)によって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている(図7参照のこと)。発電要素12は、正面から見ると長方形の形状を有する直方体の三次元立体である。発電要素12は、たとえば、ラミネートフィルムのような長方形の2枚の高分子金属複合フィルム20によって上下方向から挟まれ、その周囲が熱融着されて封止される。正極タブ14、負極タブ16、電圧検出用タブ(単電池電圧取り出し部)18は、高分子金属複合フィルム20から外部に露出している。なお、正極タブ14、負極タブ16及び電圧検出用タブ18(18A〜18K)が高分子金属複合フィルム20から引き出される部分の封止部分では高分子金属複合フィルム20が正極タブ14、負極タブ16及び電圧検出用タブ18(18A〜18K)の周囲に密着し、外部からの水分等の浸入を防止している。なお、上記ラミネートフィルムは、従来公知の電池外装材を用いることができ、例えば、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔などの金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートなどの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーなどの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートが用いられている。
【0028】
正極タブ14と負極タブ16は、図示されているように、長方形形状を有するバイポーラ二次電池10の同一の辺から引き出されている(図8参照のこと)。ただし、対向する2辺からそれぞれ引き出してもよい。
【0029】
また、電圧検知用タブ18(18A〜18K)は、図示されているように、正極タブ14および負極タブ16とは異なる方向(の同一の辺)に延長して取り出されている(図8参照のこと)。すなわち、電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16が引き出されている辺以外の辺から引き出される。ただし、正極タブ14や負極タブ16と同一の辺からそれぞれ引き出してもよいし、また、同一の1辺からだけでなく2〜4辺からそれぞれ引き出してもよい。特に単電池の積層数が数十〜百数十と大きくなると、1辺からだけでは、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出すには、各電圧検知用タブの幅や隣接する電圧検知用タブや金属ピン間の間隔が狭くなり、より微細な加工技術(ハイテク)を利用する必要があり、製造コストの上昇を招くおそれがあるため、より多くの辺から取り出すようにすることで、よりローテクで本発明の目的を達成することができる。
【0030】
なお、上記電圧検知用タブ18を用いた構造とすることで、剛性の小さい電圧検知用タブ18に過度な負担がかからなくなって振動による電圧検知用タブ18の断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つことができる点でも優れている。
【0031】
なお、図2の電極構造体(発電要素)のうち、特にバイポーラ電極と電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図およびバイポーラ電極構造を説明するための断面概略図に関しては、先に説明した図4および図5と同様の構成であるため図面は省略する。
【0032】
発電要素12は、先の図4、5示されているように、集電体32の一方の面に正極層34が形成されその他方の面に負極層36が形成されたバイポーラ電極38が複数設けられている(図4においては、途中省略した)。また、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する集電体32にも、同様に正極層及び負極層を形成したバイポーラ電極が用いられている。ただし、本発明では、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する集電体には、正極層、負極層のいずれか一方の電極層のみが形成されていてもよい。これらのバイポーラ電極38は、隣り合うバイポーラ電極38の正極層34と負極層36とを向き合わせ、バイポーラ電極38間にゲルまたは固体電解質層40を介在させて積層した構造となっている。また、ゲルまたは固体電解質層40からの電解液の染み出しや、固体電解質の脱落などによる液落や短絡を防止する観点から、該ゲルまたは固体電解質層40の側面外周部(周縁部)には絶縁シール材41が設けられている。さらに必要があれば、電極構造体(電池要素)12の側面外周部(周縁部)全体に絶縁シール材41を設けてもよい。なお、ゲル電解質層を用いる場合には、図4に示す絶縁シール材41を形成する前に固体電解質に電解液を含浸させておく必要がある。
【0033】
本実施の形態では、例えば、7本のバイポーラ電極38と、6個のゲルまたは固体電解質40を図に示すように積層して発電要素12を形成している(図8、9参照のこと)。バイポーラ二次電池10は、1つあたりの単電池の電圧がバイポーラ電極38を用いない、例えば、リチウムイオン二次電池などのような一般的な二次電池の端子間電圧に比較して高いので、容易に高電圧の電池を構成することができる。
【0034】
図8は発電要素12における正極タブ14、負極タブ16の接続状態を示す図であり、図9は電圧検知用タブ18の接続状態を示す図である。
【0035】
発電要素12の積層方向両端に位置する集電体32にはそれぞれ負極タブ16と正極タブ14が接続される(図8、4参照のこと)。正極タブ14と負極タブ16には、図示されていない車両の負荷(モータ、電装品など)が接続され、これらのタブ14、16には、非常に大きな充放電電流が流れる。また、発電要素12が備えるすべての集電体(バイポーラ電極構造)には、単電池の電圧を検知するための電圧検知用タブ18(18A〜18K)が形成されている。例えば、図6に示すように、各集電体形成用の金属箔ロール32’の一方の面上に、正極層34(または負極層36)を形成する際に、通常の長方形の正極層と共に、バイポーラ電極サイズ(長方形の正極層サイズ)よりも大きな長方形の電解質層と同じサイズにまで延長して、各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように塗布形成しておく。その後、集電体の他方の面上に、通常の長方形の負極層を塗布形成する。その後、図に示す点線に沿って各集電体形成用の金属箔ロール32’を切断して各集電体を形成する。これにより、図2も示すような、各バイポーラ電極構造の一部が、各単電池の電圧を計測する部分=電圧検知用タブ18(18A〜18K)の一部とすることができる。同様に、各電解質層の一部が、各バイポーラ電極構造のうち各単電池の電圧を計測する部分に対応する部分を支持し、各単電池の電圧を計測する部分=電圧検知用タブ18(18A〜18K)の一部とすることができる構造となっている。この場合も先の図6と同様に、各電解質層を形成した。ただし、こうした構造とすることで、電池外部に取り出したバイポーラ電極層同士が接触などにより、短絡するのを防止する上で効果的である。さらに、こうした電解質層を電圧検知用タブ18(18A〜18K)の一部として利用するのが、車両からの振動を緩和する働きがあり点で優れている。ただし、発電要素が備えるすべての集電体(バイポーラ電極構造)には、バイポーラ電極構造(集電体や正極層/負極層)とは別の部材から形成される単電池の電圧を検知するための電圧検知用タブが電気的に接続し得るように圧着等によって連結されていてもよい。
【0036】
正極タブ14と負極タブ16の幅および厚み(換言すれば断面積)は、主にそれに流れるであろう充放電時の電流値により決定される。一方、電圧検知用タブ18の幅及び厚みは、主に各単電池の電圧を計測する観点から決定される。したがって、該電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16に比べて極めて狭い幅および厚みで十分といえる。
【0037】
本実施の形態では、電圧検知用タブ18を発電要素12のすべての単電池の電圧の検知を可能にするために、各電池の正極層と各電圧検知用タブ18とがそれぞれ一体的に形成されて接続されており、これらを支持(保持)する形で(図8参照のこと)他の電圧検知用タブとは接触しないようにして電池外装材20の外部に取り出されていることにより、図5(b)に示す単電池39構造の電圧を検出することができる。
【0038】
また、電圧検知用タブ18は、図8、9に示すように、発電要素12の辺の長手方向にバイポーラ電極38の積層順に、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている。このように、電圧検知用タブを整列して電池外部にまで取り出すようにすることで、電池外装材20と各電圧検知用タブ18の封止部分の密封性が良好になり、バイポーラ二次電池10の信頼性が向上する。また、バイポーラ二次電池10からの振動を受け難い構造とすることができ、電圧検知用タブ18に過度な負担がかからなくなって振動によるタブの断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つこともできる。
【0039】
次に、本発明に係るバイポーラ二次電池の第2の実施形態としては、その内部をイオンが移動するゲルまたは固体電解質層の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数の単電池と、電子を通す複数の集電体とを、隣り合う当該単電池の正極層と負極層とが当該集電体を介して向き合うよう構成されるように積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、
各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするバイポーラ電池ものである。
【0040】
本実施の形態で例示するバイポーラ二次電池の形状は、長方形であり、発電要素に接続される正極タブと負極タブは、その長方形の1辺のみから並列的に引き出される場合と、その長方形の対向する2辺のそれぞれから別々に引き出される場合とがある。ただし、本発明では、かかる形状に何ら制限されるべきものではなく、従来公知の各種形状を取りえるものである。
【0041】
以下、正極端子(正極タブ)と負極端子(負極タブ)とが同一の辺から引き出されているバイポーラ二次電池を例に挙げてそれぞれ説明する。
【0042】
図10は本発明の第1の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。図11はバイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、単電池構造および集電体を簡略化ないし省略し(負極層および集電体を省略した)、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。図12は、図11の各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)の取り出し部分の側からの正面図を表わした側面概略図を示している。図12でも単電池構造および集電体を簡略化ないし省略して表示した(負極層、集電体、電極端子は省略した。)。
【0043】
図示されているように、バイポーラ二次電池10は、その内部に電極構造体(発電要素)12を備え、その発電要素12には正極端子(正極タブ)14、負極端子(負極タブ)16が接続されている。また電圧検出用タブ18(18A〜18K)として各単電池構造の一部として正極層34が、正極層サイズよりも大きな電解質層40と同じサイズにまで延長して取り出されており、該取り出された部分が電圧検出用タブ18A〜18Kとして通常の長方形の正極層34と一体化して形成され、電気的に接続されている。さらに各電解質層40には、各電圧検出用タブ18A〜18Kの中の1つが取り出された部分のほか、当該取り出され部分以外の他の電圧検出用タブ18A〜18Kが位置する直上および直下の部分にも、電子を通す物質が、隣接する電極に接しないように塗布して電子導電材層19(19A〜19G)が形成されており、該電子を通す物質(ひいては電子導電材層19(19A〜19G))を介して単電池の電圧を電池外部にまで取り出せるようにした構造となっている(図11、12、15参照のこと。)。すなわち、各電子導電材層19A〜19Gは、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出すことができるように、各電解質層40上に一定間隔Dを有する離間状態で形成されている。一方、例えば、同じ電子を通す物質による電子導電材層19A同士は、隣接する電解質層40間の空位部および各電解質層内部にも浸透して形成されており、全ての電子導電材層19Aが単電池積層方向に電気的に接続された状態で形成されている(正極層+電解質層+負極層(=単電池の厚さ分)に相当する厚さの電子導電材層19が形成される;図12参照のこと。)。他の電子導電材層19B、・・19G同士も同様である。これにより、各電圧検出用タブ18A〜18Kに、それぞれ単電池積層方向に引き出すことができるように各電子導電材層19A〜19Gが連結しており、該電子導電材層19によって、各単電池の電圧が(電池外部にまで)取り出せるようにした構造となっている(図1〜3参照のこと)。発電要素12は、正面から見ると長方形の形状を有する直方体の三次元立体である。発電要素12は、たとえば、ラミネートフィルムのような長方形の2枚の高分子金属複合フィルム20によって上下方向から挟まれ、その周囲が熱融着されて封止されている。正極タブ14、負極タブ16、電圧検出用タブ18に連結した電子導電材層19(19A〜19K)の一部(単電池電圧取り出し部)は、高分子金属複合フィルム20から外部に露出している。なお、正極タブ14、負極タブ16及び電子導電材層19(19A〜19K)が高分子金属複合フィルム20から引き出される部分の封止部分では高分子金属複合フィルム20が正極タブ14、負極タブ16及び電子導電材層19(19A〜19K)の周囲に密着し、外部からの水分等の浸入を防止している。なお、上記ラミネートフィルムは、従来公知の電池外装材を用いることができ、例えば、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔などの金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートなどの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーなどの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートが用いられている。
【0044】
正極タブ14と負極タブ16は、図示されているように、長方形形状を有するバイポーラ二次電池10の同一の辺から引き出されている(図11参照のこと)。ただし、対向する2辺からそれぞれ引き出してもよい。
【0045】
また、電圧検知用タブ18(18A〜18K)および該電圧検出用タブを電池積層方向に引き出す電子導電材層19(19A〜19K)は、図示されているように、正極タブ14および負極タブ16とは異なる方向(の同一の辺)に延長して取り出されている(図11参照のこと)。すなわち、電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16が引き出されている辺以外の辺から引き出される。ただし、正極タブ14や負極タブ16と同一の辺からそれぞれ引き出してもよいし、また、同一の1辺からだけでなく2〜4辺からそれぞれ引き出してもよい。特に単電池の積層数が数十〜百数十と大きくなると、1辺からだけでは、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出すには、各電圧検知用タブや電子導電材層の幅や隣接する電圧検知用タブや各電子導電材層19A〜19K間の間隔が狭くなり、より微細な加工技術(ハイテク)を利用する必要があり、製造コストの上昇を招くおそれがあるため、より多くの辺から取り出すようにすることで、よりローテクで本発明の目的を達成することができる。
【0046】
なお、上記電圧検知用タブ18及び電子導電材層19を用いた構造とすることで、剛性の小さい電圧検知用タブ18や電子導電材層19に過度な負担がかからなくなって振動による電圧検知用タブや電子導電材層の断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つことができる点でも優れている。
【0047】
図13は図11の電極構造体(発電要素)のうち、特に単電池と、集電体とを、隣り合う当該単電池の正極層と負極層とが当該集電体を介して向き合うように積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図である。よって、単電池の電圧を計測する部分に関しては、ここでは省略している。更に、図14は、図11の電極構造体(発電要素)のうち、単電池構造を説明するための断面概略図である。
【0048】
発電要素12は、図示されているように、その内部をイオンが移動するゲルまたは固体電解質層40の一方の面に正極層34が形成され、その他方の面に負極層36が形成された単電池39が複数設けられている(図13においては、途中省略した)。また、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する電解質層40に、同様に正極層及び負極層を形成した単電池39が用いられている。ただし、本発明では、発電要素12の積層方向両端(最外層)に位置する電解質層40には、正極層、負極層のいずれか一方の電極層のみが形成されていてもよい。これらの単電池39は、隣り合う当該単電池39の正極層34と負極層36とが集電体32を介して向き合うように積層した構造となっている。また、隣接する集電体の周縁部同士が接触したり、電極層の一部が脱落したりするのを防止する観点から、集電体32及び電極層34、36の側面外周部(周縁部)には絶縁シール材41が設けられている。ゲルまたは固体電解質層40からの電解液の染み出しや、固体電解質の脱落などによる液落や短絡を防止する観点から、該ゲルまたは固体電解質層40の側面外周部(周縁部)にも絶縁シール材41が設けられているのが望ましい。特に、ゲル電解質層を用いる場合には、絶縁シール材41を形成することが望ましく、その場合には絶縁シール材41を形成する前に固体電解質に電解液を含浸させてゲル電解質層としておく必要がある。
【0049】
本実施の形態では、例えば、7本の単電池39と、7個の集電体32を図に示すように積層して発電要素12を形成している(図11参照のこと)。バイポーラ二次電池10は、1つあたりの単電池の電圧がバイポーラ電極構造を用いない、例えば、リチウムイオン二次電池などのような一般的な二次電池の端子間電圧に比較して高いので、容易に高電圧の電池を構成することができる。
【0050】
図11は発電要素12における正極タブ14、負極タブ16の接続状態を示す図であり、図12は電圧検知用タブ18に、ゲルまたは固体電解質層40に電子を通す物質が塗布させて電子導電材層19が形成されており、該物質(ないし電子導電材層19)を介して単電池39の電圧が取り出せるように電圧検知用タブ18と電子導電材層19の接続状態を示す図である。
【0051】
発電要素12の積層方向両端に位置する電解質層40上の負極層36ないし正極層34には、それぞれ負極端子(負極タブ)16と正極端子(正極タブ)14が接続される(図11、13参照のこと)。正極タブ14と負極タブ16には、図示されていない車両の負荷(モータ、電装品など)が接続され、これらのタブ14、16には、非常に大きな充放電電流が流れる。また、発電要素12が備えるすべての電解質層40には、単電池の端子間電圧を検知するための電圧検知用タブ18(18A〜18K)が形成されている。例えば、図15に示すように、(1)各電解質層形成用の電解質膜ロール40’の一方の面上に、正極層34(または負極層36)を形成する際に、通常の長方形の正極層と共に、バイポーラ電極サイズ(長方形の正極層サイズ)よりも大きな長方形の電解質層と同じサイズにまで延長して、各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子=電圧検知用タブ18(18A〜18K))が重ならないように塗布形成しておく。(2)その後、各電解質層形成用の電解質膜ロール40’の他方の面上に、通常の長方形の負極層(図示せず)を塗布形成する。(3)次に、電子を通す物質(電子導電材層形成用材料)を電解質に染み込ませるように塗布して電子導電材層19(19A〜19G)を形成する。この際には、先に図12を用いて説明したように、正極層+電解質層+負極層(=単電池の厚さ分)に相当する厚さの電子導電材層19を形成する。(4)その後、図15に示す点線に沿って各電解質層形成用の電解質膜ロール40’を切断して各電解質層40を形成する。これにより、各単電池の電圧を計測する部分として、図11、12に示すように、各単電池の一部を電圧検知用タブ18(18A〜18K)とすることができ、各電解質層の一部に電子導電材層19(19A〜19K)を形成することができる。
【0052】
正極タブ14と負極タブ16の幅および厚み(換言すれば断面積)は、主にそれに流れるであろう充放電時の電流値により決定される。一方、電圧検知用タブ18や電子導電材層19(19A〜19K)の幅及び厚みは、主に各単電池の電圧を計測する観点から決定される。したがって、該電圧検知用タブ18や電子導電材層19(19A〜19K)は、正極タブ14と負極タブ16に比べて極めて狭い幅および厚みで十分といえる。
【0053】
本実施の形態では、電圧検知用タブ18及び電子導電材層19(19A〜19K)を発電要素12のすべての単電池の電圧の検知を可能にするために、各単電池の正極層34と各電圧検知用タブ18とがそれぞれ一体的に形成されて接続されており(図12、15参照のこと)、さらに個々の電圧検知用タブ18に連結され、他の電圧検知用タブとは接触しないようにして電子導電材層19(19A〜19K)が接続されていることにより、図14に示す単電池39の電圧を検出することができる。
【0054】
また、電圧検知用タブ18は、図11、12に示すように、発電要素12の辺の長手方向に単電池39の積層順に整列して引き出しており、この引き出した部分に、単電池積層方向から電子導電材層19が連結して、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている。このように、電圧検知用タブを整列して引き出し、単電池積層方向に各電子導電材層19を連結し、各電子導電材層のみを外部に取り出すようにすることで、電池外装材20と各電子導電材層の封止部分の密封性が良好になり、バイポーラ二次電池10の信頼性が向上する。また、バイポーラ二次電池10からの振動を受け難い構造とすることができ、電圧検知用タブ18や電子導電材層19に過度な負担がかからなくなって振動によるタブの断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つこともできる。
【0055】
図16は、本発明の第2の実施形態にかかる他の代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。図17はバイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、単電池構造を簡略化し(負極層を省略し)、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。図18は、図17で分解して表わした電極構造体(発電要素)を積層方向に積層した状態の斜視図を示している。図18でも単電池構造および集電体を簡略化ないし省略し、負極層および集電体を省略して表示した。
【0056】
図示されているように、バイポーラ二次電池10は、その内部に電極構造体(発電要素)12を備え、その発電要素12には正極端子(正極タブ)14、負極端子(負極タブ)16が接続されている。また電圧検出用タブ18(18A〜18K)として、正極層および電解質層の一部が、高分子金属複合フィルム20の外部にまで取り出されており、該取り出された部分(電圧検出用タブ18A〜18K)によって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている(図16参照のこと)。発電要素12は、正面から見ると長方形の形状を有する直方体の三次元立体である。発電要素12は、たとえば、ラミネートフィルムのような長方形の2枚の高分子金属複合フィルム20によって上下方向から挟まれ、その周囲が熱融着されて封止される。正極タブ14、負極タブ16、電圧検出用タブ(単電池電圧取り出し部)18は、高分子金属複合フィルム20から外部に露出している。なお、正極タブ14、負極タブ16及び電圧検出用タブ18(18A〜18K)が高分子金属複合フィルム20から引き出される部分の封止部分では高分子金属複合フィルム20が正極タブ14、負極タブ16及び電圧検出用タブ18(18A〜18K)の周囲に密着し、外部からの水分等の浸入を防止している。なお、上記ラミネートフィルムは、従来公知の電池外装材を用いることができ、例えば、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔などの金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートなどの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーなどの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートが用いられている。
【0057】
正極タブ14と負極タブ16は、図示されているように、長方形形状を有するバイポーラ二次電池10の同一の辺から引き出されている(図17参照のこと)。ただし、対向する2辺からそれぞれ引き出してもよい。
【0058】
また、電圧検知用タブ18(18A〜18K)は、図示されているように、正極タブ14および負極タブ16とは異なる方向(の同一の辺)に延長して取り出されている(図17参照のこと)。すなわち、電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16が引き出されている辺以外の辺から引き出される。ただし、正極タブ14や負極タブ16と同一の辺からそれぞれ引き出してもよいし、また、同一の1辺からだけでなく2〜4辺からそれぞれ引き出してもよい。特に単電池の積層数が数十〜百数十と大きくなると、1辺からだけでは、各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出すには、各電圧検知用タブの幅や隣接する電圧検知用タブや金属ピン間の間隔が狭くなり、より微細な加工技術(ハイテク)を利用する必要があり、製造コストの上昇を招くおそれがあるため、より多くの辺から取り出すようにすることで、よりローテクで本発明の目的を達成することができる。
【0059】
なお、上記電圧検知用タブ18を用いた構造とすることで、剛性の小さい電圧検知用タブ18に過度な負担がかからなくなって振動による電圧検知用タブ18の断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つことができる点でも優れている。
【0060】
なお、図17に示す電極構造体(発電要素)のうち、特に単電池と、集電体とを、隣り合う当該単電池の正極層と負極層とが当該集電体を介して向き合うように積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図およびバイポーラ電極構造を説明するための断面概略図に関しては、先に説明した図13および図14と同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0061】
次に、 本実施の形態では、例えば、7本の単電池39と、7個の集電体32を図に示すように積層して発電要素12を形成している(図17参照のこと)。バイポーラ二次電池10は、1つあたりの単電池の電圧がバイポーラ電極構造を用いない、例えば、リチウムイオン二次電池などのような一般的な二次電池の端子間電圧に比較して高いので、容易に高電圧の電池を構成することができる。
【0062】
図17は発電要素12における正極タブ14、負極タブ16の接続状態を示す図であり、図18は電圧検知用タブ18の接続状態を示す図である。
【0063】
発電要素12の積層方向両端に位置する電解質層40上の負極層36ないし正極層34には、それぞれ負極端子(負極タブ)16と正極端子(正極タブ)14が接続される(図17参照のこと)。正極タブ14と負極タブ16には、図示されていない車両の負荷(モータ、電装品など)が接続され、これらのタブ14、16には、非常に大きな充放電電流が流れる。また、発電要素12が備えるすべての単電池39には、単電池の電圧を検知するための電圧検知用タブ18(18A〜18K)が形成されている。例えば、図19に示すように、(1)各電解質層形成用の電解質膜ロール40’の一方の面上に、正極層34(または負極層36)を形成する際に、通常の長方形の正極層と共に、バイポーラ電極サイズ(長方形の正極層サイズ)よりも大きな長方形の電解質層と同じサイズにまで延長して、各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子=電圧検知用タブ18(18A〜18K))が重ならないように塗布形成しておく。(2)その後、各電解質層形成用の電解質膜ロール40’の他方の面上に、通常の長方形の負極層(図示せず)を塗布形成する。(3)その後、図19に示す点線に沿って各電解質層形成用の電解質膜ロール40’を切断して各電解質層40を形成する。これにより、各単電池の電圧を計測する部分として、各単電池の一部(正極層および電解質層)を電圧検知用タブ18(18A〜18K)とすることができる構造となっている。こうした構造とすることで、電池外部に取り出した電圧検知用タブ18同士が接触などにより、短絡するのを防止する上で効果的である。さらに、こうした電解質層を電圧検知用タブ18(18A〜18K)の一部として利用するのが、車両からの振動を緩和する働きがあり点で優れている。
【0064】
正極タブ14と負極タブ16の幅および厚み(換言すれば断面積)は、主にそれに流れるであろう充放電時の電流値により決定される。一方、電圧検知用タブ18の幅及び厚みは、主に各単電池の電圧を計測する観点から決定される。したがって、該電圧検知用タブ18は、正極タブ14と負極タブ16に比べて極めて狭い幅および厚みで十分といえる。
【0065】
本実施の形態では、電圧検知用タブ18を発電要素12のすべての単電池の電圧の検知を可能にするために、通常の長方形の正極層34部分と各電圧検知用タブ18とがそれぞれ一体的に形成されて電池外装材20の外部に取り出されていることにより、単電池39の電圧を検出することができる。
【0066】
また、電圧検知用タブ18は、図17、18に示すように、発電要素12の辺の長手方向に単電池39の積層順に、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造となっている。このように、電圧検知用タブを整列して電池外部にまで取り出すようにすることで、電池外装材20と各電圧検知用タブ18の封止部分の密封性が良好になり、バイポーラ二次電池10の信頼性が向上する。また、バイポーラ二次電池10からの振動を受け難い構造とすることができ、電圧検知用タブ18に過度な負担がかからなくなって振動によるタブの断裂を生じることがなくなり、車両に搭載しても十分な信頼性を保つこともできる。
【0067】
以上、本発明にかかるバイポーラ二次電池を2つの実施の形態に分けて説明したが、本発明のバイポーラ二次電池の各構成要素は次のような材料を用いて構成することができる。
【0068】
本発明のバイポーラ二次電池では、バイポーラ電極38の正極層34の構成材料としては、正極活物質を含むものであれば良く、さらに必要に応じて、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子電解質、添加剤などが含まれ得るが、電解質層に高分子ゲル電解質や液体電解質を用いる場合には、正極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層に液体電解質を用いる場合にも、正極層には高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。
【0069】
正極活物質としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を好適に使用できる。具体的には、LiMnO、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi−Co系複合酸化物、LiCr、LiCrOなどのLi−Cr系複合酸化物など、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiFeO、LiFeOなどのLi−Fe系複合酸化物、LiなどのLi−V系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、LiNiCo1−x(0<x<1)等)などが使用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる点で有利である。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。上記正極活物質の中では、Li−Mn系複合酸化物が望ましい。これは、Li−Mn系複合酸化物を用いることにより、▲1▼プロファイルを傾けることが可能となり、▲2▼異常時信頼性が向上するためである。その結果、各単電池層及びバイポーラ電池全体の電圧の検知が容易になる利点を有する。
【0070】
正極活物質の粒径は、バイポーラ電池の電極抵抗を低減するために、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜5μmであるとよい。0.1〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは0.5〜5μmの範囲とするのが望ましい。
【0071】
上記導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0072】
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0073】
上記電解質のうち高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。よって、上記電解質のうち高分子固体電解質は、イオン導伝性を有する高分子固体電解質となる。
【0074】
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);LiBETIともいう)等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0075】
イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
【0076】
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
【0077】
上記イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0078】
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。すなわち、電池電極中の電解質材料からの電解液の染み出しについては、後述する絶縁層を形成することで効果的にシールすることができる。そのため、上記高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)に関しても、比較的電池特性を優先したものとすることができる。
【0079】
上記添加剤としては、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネート、補強材として各種フィラーなどが挙げられる。
【0080】
正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきであるが、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、正極層の厚さ(正極活物質膜厚)は、1〜500μm程度である。
【0081】
正極層における、正極活物質、導電助剤、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、リチウム塩等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。
【0082】
なお、本発明では、正極層を形成するには、正極インク(本明細書でいうインクとは、正極層、負極層、さらにはイオン伝導層を形成するのに用いられる原料を、適宜必要に応じて、適当な溶媒で粘度調整して得られた原料スラリーをいうものとする。すなわち、正極層形成材料を正極インクといい、負極層形成材料を負極インクといい、イオン伝導層形成材料を電解質インクという。後述する実施例参照のこと。)により形成している。
【0083】
本発明では、当該正極層、さらには後述する負極層や電解質層や電子導電材層や絶縁材、シール材などが、間欠塗工による塗布方法を用いて形成されていることが望ましい。これは、図6、15、19で説明したように、連続的に集電体や電解質層上に複数の電極層(正極層、負極層)をまとめて形成することができるためである。特に図15に示すように、材質の異なる電子導電材層などを間隔を空けて形成する場合にも極めて適しているものであり、生産効率に優れた塗布方法と言えるものである。これは、従来のコータを用いた塗布方法では、達成し得ないものであり、本発明者らが見出したインクジェット工法やスクリーン印刷塗布工法などのパターニング塗布工法を採用することにより、初めて実現し得たものである。特に、図15に示すように、電子を通す物質を電解質層に塗布することで、その内部にも電子導電材層を形成し、なおかつ電解質層上に形成する電子導電材層に形成する厚さも必要があれば電極層の厚さと異なるようにも形成し得るなど、極めて適用範囲が広いものと言える。
【0084】
また、本発明では、当該正極層、さらには後述する負極層や電解質層や電子導電材層や絶縁材、シール材などが、インクジェット方式で印刷する塗布方法を用いて形成されていることがより望ましい。これは、上記したように、任意のパターンを形成することがででき、複雑なパターンであっても、何ら生産性を損なうことなく、極めて精巧にパターンを形成することができる。そのため、数十〜数百層もの単電池を積層し、各単電池から電圧検知用タブを取り出すような場合など、電極層や電子導電材層の僅かなずれによっても各単電池の電圧を検知できなくなるおそれがある場合に、極めて有効な電極層等の形成手段となり得るものといえる。なお、インクジェット方式で印刷する塗布方法に関しては、後述する実施例において詳しく説明しており、ここでの説明は省略する。ただし、本発明では、後述する実施例によるものに何ら制限されるべきものではなく、従来公知のインクジェット技術を適宜利用して、上記電極層などを形成することができることはいうまでもない。
【0085】
本発明のバイポーラ二次電池では、バイポーラ電極38の負極層36負極層は、負極活物質活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、高分子電解質(ホストポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、添加剤などが含まれ得るが、高分子電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、負極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電解質層に溶液電解質を用いる場合にも、負極層には高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくてもよい。負極活物質の種類以外は、基本的に正極層の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0086】
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、カーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、グラファイトなどを用いることができる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いても良い。上記カーボンとしては、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボンなど、従来公知のカーボン材料が挙げられる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、LiBi、LiCd、LiSd、LiSi、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC)等が挙げられる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO、GeO、GeO、InO、In、PbO、PbO、Pb、Pb、AgO、AgO、Ag、Sb、Sb、Sb、SiO、ZnO、CoO、NiO、FeO等が挙げられる。Li金属化合物としては、LiFeN、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等が挙げられる。Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、LiTi12などLiTiで表されるリチウム−チタン複合酸化物等が挙げられる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等が挙げられる。ただし、本発明では、これらに制限されるべきものではなく従来公知のものを適宜利用することができる。上記ホウ素添加炭素中のホウ素の含有量は0.1〜10質量%の範囲が望ましいが、これに制限されるべきものではない。好ましくは結晶性炭素材、非結晶性炭素材から選ばれるものである。これらを用いることで、プロファイルを傾けることが可能となり、各単電池層及びバイポーラ全体の電圧の検知が容易になるからである。ここでいう結晶性炭素材とは、グラファイト系炭素材料をいい、上記グラファイトカーボンなどがこれに含まれる。非結晶性炭素材とは、ハードカーボン系炭素材料をいい、上記ハードカーボンなどがこれに含まれる。
【0087】
上記集電体32としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、チタン箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。
【0088】
複合集電体における正極集電体および負極集電体の各厚みは、通常通りでよく両集電体とも、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは集電体(複合集電体を含む)の厚さが1〜100μm程度であるのが電池の薄型化の観点からは望ましい。
【0089】
上記電解質層40としては、(a)高分子ゲル電解質、(b)高分子固体電解質または(c)これらポリマー電解質ないし電解液を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)、のいずれにも適用し得るものである。さらに、本発明では、後述する実施例5に示すように、絶縁層シール材を用いて各電解質層ごとにシールすることにより、セパレータに電解液を含浸させてなる液系電解質を用いることもできる。
【0090】
(a)高分子ゲル電解質
高分子ゲル電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来のゲル電解質層に用いられているものを適宜利用することができる。ここで、ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。なお、本発明において、全固体高分子電解質(単に、高分子固体電解質ともいう)と、ゲル電解質との違いは、以下のとおりである。
【0091】
・ポリエチレンオキシド(PEO)などの全固体高分子電解質に、通常のリチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものがゲル電解質である。
【0092】
・ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものもゲル電解質にあたる。
【0093】
・ゲル電解質を構成するのポリマー(ホストポリマーないしポリマーマトリックスとも称する。)と電解液の比率は幅広く、ポリマー100質量%を全固体高分子電解質、電解液100質量%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質にあたる。
【0094】
上記ゲル電解質の、ホストポリマーとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができるが、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が望ましい。
【0095】
上記ゲル電解質の、電解液(電解質塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。具体的には、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0096】
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。本発明では、電解液の割合が70質量%以上の、電解液が多いゲル電解質について、特に効果がある。
【0097】
また、本発明では、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一になるようにしてもよいし、中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていってもよい。前者は、より広範囲で反応性を得ることができるため好ましく、後者は、外周部の全固体高分子電解質部の電解液に対するシール性を高めることができる点で好ましい。中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていく場合には、上記ホストポリマーには、リチウムイオン伝導性のあるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)およびそれらの共重合体を用いることが望ましい。
【0098】
(b)高分子固体電解質
全固体高分子電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。具体的には、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。全固体高分子電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
【0099】
(c)上記ポリマー電解質ないし電解液(電解質塩および可塑剤)を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸させることのできる電解質としては、既に説明した(a)および(b)または上記(a)で説明した電解(電解質塩および可塑剤)液と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
【0100】
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)などを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
【0101】
該ポリマーの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
【0102】
上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
【0103】
上記セパレータの微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
【0104】
上記セパレータの空孔率は20〜50%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
【0105】
上記セパレータへの電解質の含浸量は、セパレータの保持能力範囲まで含浸させればよいが、当該保持能力範囲を超えて含浸させてもよい。これは、電解質にシール部を設け、電解質層からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保持できる範囲であれば含浸可能である。
【0106】
電解質を保持させる為に用いる不織布セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、繊維を絡めてシート化することにより製造することができる。また、加熱によって繊維同士を融着することにより得られるスパンボンド等も用いることができる。すなわち、繊維を適当な方法でウェブ(薄綿)状またはマット状に配列させ、適当な接着剤あるいは繊維自身の融着力により接合して作ったシート状のものであればよい。上記接着剤としては、製造及び使用時の温度下で十分な耐熱性を有し、ゲル電解質に対しても反応性や溶解性等がなく安定したものであれば、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用できる。また、使用繊維としては、特に制限されるものではなく、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布のかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
【0107】
不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。厚さが5μm未満では電解質の保持性が悪化し、200μmを超える場合には抵抗が増大することになる。
【0108】
なお、上記(1)〜(3)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよい。
【0109】
また、高分子電解質は、電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれ得るが、同一の高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
【0110】
ところで、現在好ましく使用される高分子電解質用のホストポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、溶液系のリチウムイオン電池で一般に使用される、酸化還元電位の高い正極剤を使用する場合には、負極の容量が、高分子電解質層を介して対向する正極の容量より少ないことが好ましい。負極の容量が対向する正極の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。なお、正極および負極の容量は、正極および負極を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。
【0111】
ただし、負極の容量を対向する正極の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセル(単電池層)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
【0112】
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラポリマー電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な電解質層の厚さは5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
【0113】
上記絶縁シート材(絶縁層)41は、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で、各電極の周囲に形成されてなるものであるが、本発明では、当該絶縁層の働きを有する樹脂群で電池集電体の外部を被覆(封止)するため、特に絶縁層を形成する必要はないが、本発明のバイポーラ電池では、電極の周囲に絶縁層を設ける実施形態を排除するものではない。
【0114】
該絶縁層に求められる多くの機能は本発明の樹脂群により提供されるため、絶縁層に用いられる材料としては、絶縁性のほか、電池動作温度下での耐熱性、耐電解液性等を有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどが使用できるが、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
【0115】
[正極および負極端子(タブ)]
正極および負極タブは、必要に応じて使用すればよい。すなわち、バイポーラ電池の積層(ないし巻回)構造によっては、最外部の集電体を電極端子として直接取り出しても良く、この場合には正極および負極端子(タブ)は用いなくとも良い。
【0116】
正極および負極タブを用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極タブでの内部抵抗を抑える観点から、正極および負極タブの厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
【0117】
正極および負極タブの材質は、通常のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。
【0118】
正極タブと負極タブとの材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極タブは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
【0119】
[単電池の電圧を計測する部分(電圧検出用タブ、金属ピン、電子導電材層など)]
電圧検出用タブ、金属ピン及び電子導電材層の各構成や結びつきに関しては、上記各実施形態において説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
【0120】
なお、金属ピンの材質としては、単電池の電圧を計測するのに適したものであればよく、上記正極および負極タブの材質と同様のものを用いることができる。
【0121】
電子導電材層を構成する電子を通す物質としては、特に制限されるべきものではなく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0122】
電圧検出用タブの材質としては、正極および負極タブの材質と同様のものを用いることができる。さらに、上述したように、これらは、集電体や電極層、さらには電解質層の一部を延長して取り出したものとすることができることから、上記したこれら集電体や電極層、さらには電解質層の各種材料を用いることもできる。
【0123】
電圧検出用タブの厚さ及び幅としては、多層化の際に各単電池ごとに取り出しやすいように薄型で幅の狭いものが望ましく、厚さは0.1〜1mm程度で、幅は0.5〜3mm程度が望ましいといえる。
【0124】
正極および負極リードに関しては、上述したバイポーラ型ではない通常のポリマーリチウムイオン電池で用いられる公知のリードを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
【0125】
電池外装材(電池ケース)20としては、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池本体である電池積層体ないし電池巻回体全体を電池外装材ないし電池ケースに収容するのが望ましい。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルム(例えば、ポリプロピレン−アルミニウム複合ラミネートフィルム;単にアルミラミネートフィルムともいう)など、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電池積層体を収納し密封した構成とするのが好ましい。この場合、上記正極および負極リードは、上記熱融着部に挟まれて上記電池外装材の外部に露出される構造とすればよい。また熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルムなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
【0126】
次に、本発明のポリマー電池の用途としては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源(補助電源を含む)に好適に利用することができる。この場合には、本発明のポリマー電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明のポリマー電池、特にバイポーラ型ポリマーリチウムイオン二次電池を少なくとも2個以上を用いて、並列接続、直列接続、並列−直列接続および直列−並列接続の少なくとも一つの接続方式を用いて構成した組電池とすることにより、高容量、高出力の電池モジュールを形成することが出来る。そのため、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、比較的安価に対応することが可能になる。
【0127】
具体的には、例えば、上記のポリマー電池をN個並列に接続し、N個並列にしたポリマー電池をさらにM個直列にして金属製ないし樹脂製の組電池ケースに収納し、組電池とする。この際、ポリマー電池の直列/並列接続数は、使用目的に応じて決定する。例えば、EVやHEVや燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車など大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両の駆動用電源(補助電源を含む)に適用し得るように組み合わせればよい。また、組電池用の正極端子および負極端子と、各ポリマー電池の電極リードとは、リード線等を用いて電気的に接続すればよい。また、ポリマー電池同士を直列/並列に接続する際には、スペーサやバスバーのような適当な接続部材を用いて電気的に接続すればよい。ただし、本発明の組電池は、ここで説明したものに制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜採用することができる。
【0128】
本発明では、上記のポリマー電池および/または組電池を駆動用電源(補助電源を含む)として搭載した車両とすることができる。本発明のポリマー電池および/または組電池は、上述のように各種特性を有し、特に、コンパクトな電池である。このため、エネルギー密度および出力密度に関して、とりわけ厳しい要求がなされる車両、例えば、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車等の駆動用電源(補助電源を含む)として好適であり、燃費、走行性能に優れたEVやHEVや燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車を提供できる。例えば、EVやHEVや燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車の車体中央部の座席下に組電池を駆動用電源として搭載するのが、社内空間およびトランクルームを広く取れるため便利である。ただし、本発明では、これらに何ら制限されるべきものではなく、組電池ないし電池は、車両の床下、トランクルーム、エンジンルーム、屋根、ボンネットフード内などに設置することができる。なお、本発明では、組電池だけではなく、使用用途によっては、ポリマー電池を搭載するようにしてもよいし、これら組電池とポリマー電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明のポリマー電池および/または組電池を駆動用電源として搭載することのできる車両としては、上記のEVやHEVや燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車が好ましいが、これらに制限されるものではない。
【0129】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。以下の実施例においては、特に断りのない限り、高分子電解質原料、リチウム塩、正極活物質、および負極活物質として、以下の材料を用いた。
・高分子電解質原料:エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのマクロマー
・リチウム塩:LiN(SO(以下、「BETI」と略す)
・正極活物質:スピネル型LiMn(平均粒子径:0.6μm)
・負極活物質:粉砕したグラファイト(平均粒径:0.7μm)
・光重合開始剤:ベンジルジメチルケタール
高分子電解質原料は、特開2002−110239号公報記載の方法に準じて合成した。また、負極インク、正極インクおよび電解質インクの調製、印刷、電池の組み立ては、露点−30℃以下の乾燥雰囲気下で行った。
【0130】
(実施例1)
<負極インクの調製>
負極活物質(9質量%)、高分子電解質原料(4質量%)、リチウム塩(2質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備し、これらに溶媒としてアセトニトリル(85質量%)を加えた。これを十分に撹拌して、負極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの粘度は約3cPであった。
【0131】
<正極インクの調製>
正極活物質(7質量%)、導電材としてアセチレンブラック(2質量%)、高分子電解質原料(4質量%)、リチウム塩(2質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備し、これに溶媒としてアセトニトリル(85質量%)を加えた。これを十分に撹拌して、正極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの粘度は約3cPであった。
【0132】
<電解質インクの調製>
高分子電解質原料(15質量%)、リチウム塩(8質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備し、これに溶媒としてアセトニトリル(77質量%)を加えた。これを十分に撹拌して、電解質インクとしてのスラリーを調製した。このインクの粘度は2cPであった。
【0133】
<電池の作製>
調製したインクおよび市販のインクジェットプリンターを用いて、以下の手順により、電池を作成した。なお、上記のインクを使用した場合、溶媒であるアセトニトリルがインクジェットプリンターのインク導入部分にあるプラスチック部品を溶解させてしまう問題があった。よって、インク導入部分にある部品を金属製の部品と交換し、インク溜から直接金属部品にインクを供給させた。また、インクの粘度が低く、活物質が沈殿する懸念があったので、インク溜りを常に回転翼を用いて攪拌した。
【0134】
インクジェットプリンターは、市販のコンピューターおよびソフトウェアによって制御された。負極層、高分子電解質膜および正極層を作製する際に、調製した負極インク、電解質インクおよび正極インクを、それぞれ用いた。負極層、高分子電解質膜および正極層は、コンピューター上で作成したパターン(本実施例では、図2、3に示すように、長方形の正極層の一部を各単電池の電圧を計測する部分(電圧検出用タブ)としてそれぞれ重ならないように、各正極層ごと電圧検出用タブの取り出し位置をずらしたパターンとした。)を、インクジェットプリンターを用いて印刷することによって作製された。なお、集電体として用いた金属箔を直接プリンターに供給する事は困難だったので、A4版上質紙に金属箔を貼り付け、これをプリンターに供給し、印刷した(以下の実施例においても、集電体、更には高分子電解質膜(電解質層)をA4版上質紙にこれら集電体や高分子電解質膜を貼り付け、これをプリンターに供給し、印刷する点は、本実施例と同様とした。)。
【0135】
上記改造を施したインクジェットプリンターに負極インクを導入し、コンピューター上で作成したパターン(本実施例では負極層に関しては、通常の長方形のパターンとした)を、上記集電体としてのステンレス箔(厚さ20μm)上に印刷した。印刷後、溶媒を乾燥させるために60℃の真空オーブン中で2時間乾燥を行った。乾燥後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体上に負極層(厚さ5μm)が積層された積層体を得た。
【0136】
上記改造を施したインクジェットプリンターに電解質インクを導入し、前記負極層上に、前記負極層から少しはみ出る程度に(図2、3参照のこと)、電解質インクを印刷した。形成された高分子電解質膜は、ムラがなく、均一に形成された。印刷後、溶媒を乾燥させるために60℃の真空オーブン中で2時間乾燥を行った。乾燥後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体、負極層および高分子電解質膜(電解質層)(厚さ5μm)の積層体を得た。
【0137】
同様にして、高分子電解質膜上に、形成される正極層(通常の長方形のサイズ正極層をいう)が前記負極層よりも少し小さくなるように、正極インクを印刷した。印刷後、溶媒を乾燥させるために60℃の真空オーブン中で2時間乾燥を行った。乾燥後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体、負極層、高分子電解質膜(電解質層)および正極層(厚さ5μm)の積層体を得た。この積層体には、図2に示すように、電圧検出用タブの取り出し位置の異なるものが7種類形成された。この時点で、各電圧検出用タブ周辺部は、図6に示すように点線に沿って集電体を切断した。
【0138】
これらの積層体を、図2と同様の構成になるように、7種類の積層体の電圧検出用タブの取り出し位置が重ならないようにして順次積層した。これらの電極構造体の最上層の集電体としてのステンレス箔で挟持した。さらに電圧検出用集電体タブに、それぞれ単電池積層方向から電子を通す金属ピンを刺し、該金属ピンによって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造とした(図3参照のこと)。これにより電池の外観上には、電圧検出用タブがなく、わずかに金属ピンが電池の上面にあるだけであり、該金朴ピンの配置に合うコネクタを準備すれば、配線を行うことなく各単電池の電圧を検出することができる点で極めて便利である。
【0139】
最後に、正負極の電極端子(タブ)及び金属ピンだけが電池外に出るようにアルミラミネート材で封止、成型し、電池とした(図1参照のこと)。ここでいうアルミラミネート材とは、具体的には、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔の金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートをいう。
【0140】
<電池の評価>
作製した電池に対して、単電池当り、20μA/cmの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vで行い、次に20μA/cmの定電流放電を下限電圧2.5Vで行った。充放電評価の結果、単電池当り、平均電圧約3.8V付近に充放電プラトーが見られ、作製した電池が機能していることを確認した。
【0141】
(実施例2)
<電池の作製>
負極インク、正極インクおよび電解質インクの調製において、溶媒量を実施例1の半分とし、粘度の高いインクを得た。インクの粘度が高いので、そのまま印刷すると、印刷に筋やかすれが生じた。そこで、インクジェットプリンターのインク溜りにヒーターを付け、インクを温めた。これにより、インク粘度が適正な状態になり、美しい印刷が可能となった。その他は、実施例1と同様に、印刷、乾燥、重合、組み立て、評価を行った。
【0142】
<評価>
実施例1と同様にして、充放電特性を評価した。充放電評価の結果、単電池当り、平均電圧約3.8V付近に充放電プラトーが見られ、作製した電池が機能していることを確認した。
【0143】
(実施例3)
<高分子電解質膜の調製>
高分子電解質原料(53質量%)、リチウム塩(26質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備し、これに溶媒としてアセトニトリル(21質量%)を加えた。この溶液を空隙率約50%のポリエステル系樹脂不織布セパレータに染み込ませた。溶液が染み込んだ不織布セパレータを60℃の真空オーブン中で2時間乾燥させた。さらに乾燥した不織布セパレータを、真空中、紫外線を20分間照射して光重合し、高分子電解質膜とした。高分子電解質膜(電解質層)の厚さ(乾燥後)は5μmであった。高分子電解質膜の大きさはA4版上質紙サイズと同じ大きさとした。
【0144】
<電池の作製>
この高分子電解質膜を用い、該高分子電解質膜上に、実施例1と同様の方法で、負極層(厚さ5μm)を作製した。さらに、負極層の反対面に、実施例1と同様の方法で、正極層(厚さ5μm)を作製した。本実施例でも、実施例1と同様に、図2、3に示すように、長方形の正極層の一部を各単電池の電圧を計測する部分(電圧検出用タブ)としてそれぞれ重ならないように、各正極層ごと電圧検出用タブの取り出し位置をずらしたパターンとした。
【0145】
負極層、高分子電解質膜および正極層が積層された積層体を、集電体としての2枚のステンレス箔で挟持した。なお、この積層体には、図2に示すように、電圧検出用タブの取り出し位置の異なるものが7種類形成された。
【0146】
これらの積層体を、図2と同様の構成になるように、7種類の積層体の電圧検出用タブの取り出し位置が重ならないようにして順次積層した。これらの電極構造体の最上層の集電体としてのステンレス箔で挟持した。さらに電圧検出用タブに、それぞれ単電池積層方向から電子を通す金属ピンを刺し、該金属ピンによって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造とした(図3参照のこと)。これにより電池の外観上には、電圧検出用タブがなく、わずかに金属ピンが電池の上面にあるだけであり、該金朴ピンの配置に合うコネクタを準備すれば、配線を行うことなく各単電池の電圧を検出することができる点で極めて便利である。
【0147】
最後に、正負極の電極タブ及び金属ピンだけが電池外に出るように実施例1と同様のアルミラミネート材で封止、成型し、電池とした。
【0148】
<評価>
実施例1と同様にして、充放電特性を評価した。充放電評価の結果、単電池当り、平均電圧約3.8V付近に充放電プラトーが見られ、作製した電池が機能していることを確認した。
【0149】
(実施例4)
以下の手順に従って、溶媒を用いずに調製されたインクを用いて、電池を作製した。
【0150】
<負極インクの調製>
負極活物質(60質量%)、高分子電解質原料(27質量%)、リチウム塩(13質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備した。これらを十分に撹拌して、負極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの室温での粘度は約200cPであった。また、60℃での粘度は約20cPであった。
【0151】
<正極インクの調製>
正極活物質(47質量%)、導電材としてアセチレンブラック(13質量%)、高分子電解質原料(27質量%)、リチウム塩(13質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備した。これらを十分に撹拌して、正極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの室温での粘度は約200cPであった。また、60℃での粘度は約20cPであった。
【0152】
<電解質インクの調製>
高分子電解質原料(15質量%)、リチウム塩(8質量%)、および光重合開始剤(高分子電解質原料に対して0.1質量%)を準備した。これらを十分に撹拌して、電解質インクとしてのスラリーを調製した。このインクの室温での粘度は約200cPであった。また、60℃における粘度は約20cPであった。
【0153】
<電池の作製>
調製したインクおよび実験用インクジェットプリンターを用いて、以下の手順により、電池を作成した。なお、実験用インクジェットプリンターはピエゾ素子型のヘッドを備えており、印加電圧を200Vまで加える事が出来る仕様となっている。また、インク加熱用ヒーターを具えており、インク温度を室温から100℃までコントロールする事が可能である。
【0154】
実験用インクジェットプリンターに負極インクを導入し、コンピューター上で作成したパターン(本実施例でも、図2、3に示すように、長方形の正極層の一部を各単電池の電圧を計測する部分(電圧検出用タブ)としてそれぞれ重ならないように、各正極層ごと電圧検出用タブの取り出し位置をずらしたパターンとした。)を、集電体としてのステンレス箔上に印刷した。インク温度は60℃に設定しておいた。印刷後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体上に負極層が積層された積層体を得た。
【0155】
実験用インクジェットプリンターに電解質インクを導入し、前記負極層上に、前記負極層から少しはみ出る程度に(図2、3参照のこと)、電解質インクを印刷した。インク温度は60℃に設定した。形成された高分子電解質膜は、ムラがなく、均一に形成された。印刷後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体、負極層および高分子電解質膜の積層体を得た。本実施例でも負極層に関しては、通常の長方形のパターンとした。
【0156】
同様にして、高分子電解質膜上に、形成される正極層が前記負極層よりも少し小さくなるように、正極インクを印刷した。インク温度は60℃に設定した。印刷後、高分子電解質原料を重合させるために、真空中、紫外線を20分間照射し、集電体、負極層、高分子電解質膜および正極層の積層体を得た。この積層体には、図2に示すように、電圧検出用タブの取り出し位置の異なるものが7種類形成された。この時点、各電圧検出用タブ周辺部は、図6に示すように点線に沿って集電体を切断した。
【0157】
これらの積層体を、図2と同様の構成になるように、7種類の積層体の電圧検出用タブの取り出し位置が重ならないようにして順次積層した。これらの電極構造体の最上層の集電体としてのステンレス箔で挟持した。さらに電圧検出用タブに、それぞれ単電池積層方向から電子を通す金属ピンを刺し、該金属ピンによって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造とした(図3参照のこと)。これにより電池の外観上には、電圧検出用タブがなく、わずかに金属ピンが電池の上面にあるだけであり、該金朴ピンの配置に合うコネクタを準備すれば、配線を行うことなく各単電池の電圧を検出することができる点で極めて便利である。
【0158】
最後に、正負極の電極端子(タブ)及び金属ピンだけが電池外に出るように実施例1と同様のアルミラミネート材で封止、成型し、電池とした(図1参照のこと)。
【0159】
<評価>
実施例1と同様にして、充放電特性を評価した。充放電評価の結果、単電池当り、平均電圧約3.8V付近に充放電プラトーが見られ、作製した電池が機能していることを確認した。
【0160】
(実施例5)
高分子電解質電池である実施例1〜4に対し、以下の手順に従って、液系リチウムイオン電池を作製した。
【0161】
<負極インクの調製>
負極活物質(9質量%)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF;1質量%)、および溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP;90質量%)を準備した。これらを十分に撹拌して、負極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの粘度は約5cPであった。
【0162】
<正極インクの調製>
正極活物質(7質量%)、導電材としてのアセチレンブラック(2質量%)、PVdF(1質量%)、および溶媒としてNMP(90質量%)を準備した。これらを十分に撹拌して、正極インクとしてのスラリーを調製した。このインクの粘度は約4cPであった。
【0163】
<電池の作製>
調製したインクおよび市販のインクジェットプリンターを用いて、以下の手順により、電池を作成した。なお、上記のインクを使用した場合、溶媒であるNMPがインクジェットプリンターのインク導入部分にあるプラスチック部品を溶解させてしまう問題があった。よって実施例1〜3と同様の改造を施したプリンターで印刷を行った。
【0164】
改造を施したインクジェットプリンターに負極インクを導入し、コンピューター上で作成したパターン(本実施例では負極層に関しては、通常の長方形のパターンとした)を、負極用集電体としての銅箔上に印刷した。印刷後、溶媒を乾燥させるために120℃の真空オーブン中で12時間乾燥を行った。乾燥後、ロールプレス機にて塗膜密度が1.3g/cc以上になるようにプレス加工を行い、負極を完成させた。
【0165】
改造を施したインクジェットプリンターに正極インクを導入し、コンピューター上で作成したパターン(本実施例でも、図2、3に示すように、長方形の正極層の一部を各単電池の電圧を計測する部分(電圧検出用タブ)としてそれぞれ重ならないように、各正極層ごと電圧検出用タブの取り出し位置をずらしたパターンとした。)を、正極用集電体としてのアルミ箔上に印刷した。印刷後、溶媒を乾燥させるために120℃の真空オーブン中で12時間乾燥を行った。乾燥後、ロールプレス機にて塗膜密度が2.0g/cc以上になるようにプレス加工を行い、正極を完成させた。
【0166】
作製した正極および負極の正極用集電体及び負極用集電体を張り合わせてバイポーラ電極とし、厚さ25μmのポリエチレン微多孔膜セパレータを積層した積層体を得た。この積層体には、図2に示すように、電圧検出用タブの取り出し位置の異なるものが7種類形成された。この時点で、各電圧検出用タブ周辺部は、図6に示すように点線に沿って集電体を切断した。
【0167】
これらの積層体を、図2と同様の構成になるように、7種類の積層体の電圧検出用タブの取り出し位置が重ならないようにして順次積層した。これらの電極構造体の最上層の集電体としてのステンレス箔で挟持した。さらに電圧検出用集電体タブに、それぞれ単電池積層方向から電子を通す金属ピンを刺し、該金属ピンによって、各単電池の電圧が取り出せるようにした構造とした(図3参照のこと)。さらに、これらの電極構造体の外周部の一箇所の残してを絶縁性シート材でシールし、未封入部分より減圧注入により電解液をセパレータに含浸させた後、当該未封入部をシールした。電解液には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1mol/リットルの濃度で含む、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積分率3:7の混合溶媒を用いた。
【0168】
最後に、正負極の電極端子(タブ)及び金属ピンだけが電池外に出るようにアルミラミネート材で封止、成型し、電池とした(図1参照のこと)。ここでいうアルミラミネート材とは、具体的には、容器内外で水蒸気および酸素などの気体の交換が行われないようアルミニウム箔の金属薄膜と、ポリエチレンテレフタレートの金属薄膜を物理的に保護する樹脂フィルムおよび、アイオノマーの熱融着性樹脂フィルムを重ね合わせて多層化したラミネートシートをいう。これにより電池の外観上には、電圧検出用タブがなく、わずかに金属ピンが電池の上面にあるだけであり、該金朴ピンの配置に合うコネクタを準備すれば、配線を行うことなく各単電池の電圧を検出することができる点で極めて便利である。
【0169】
<評価>
作製した電池に対して、単電池当り、20μA/cmの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vで行い、次に20μA/cmの定電流放電を下限電圧2.5Vで行った。充放電評価の結果、単電池当り、平均電圧約3.8V付近に充放電プラトーが見られ、作製した電池が機能していることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の外観図である。
【図2】バイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、バイポーラ電極構造を簡略化し、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。
【図3】図3は、図2の各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)の取り出し部分の側からの正面図を表わした側面該略図を示している。
【図4】図2の電極構造体(発電要素)のうち、特にバイポーラ電極と電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図である。
【図5】図2の電極構造体(発電要素)のうち、バイポーラ電極構造を説明するための断面概略図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の電極構造体(発電要素)のうち、特に集電体に正極層、負極層および電圧検知用タブを設けてなるバイポーラ電極の製造過程を模式的に表わした平面概略図である。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる他の代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。
【図8】バイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、バイポーラ電極構造を簡略化し、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。
【図9】図8で分解して表わした電極構造体(発電要素)を積層方向に積層した状態の斜視図を示している。
【図10】本発明の第1の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。
【図11】バイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、単電池構造および集電体を簡略化ないし省略し、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。
【図12】図11の各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)の取り出し部分の側からの正面図を表わした側面概略図を示している。
【図13】図11の電極構造体(発電要素)のうち、特に単電池と、集電体とを、隣り合う当該単電池の正極層と負極層とが当該集電体を介して向き合うように積層した、該単電池が直列接続されてなる構造を説明するための断面概略図である。
【図14】図11の電極構造体(発電要素)のうち、単電池構造を説明するための断面概略図である。
【図15】本発明の第2の実施形態にかかる代表的なバイポーラ二次電池の電極構造体(発電要素)のうち、特に電解質層に正極層、負極層、電圧検知用タブおよび電子導電材層を設けてなる単電池の製造過程を模式的に表わした平面概略図である。
【図16】本発明の第2の実施形態にかかる他の代表的なバイポーラ二次電池の外観図を示している。
【図17】バイポーラ二次電池の内部の電極構造体(発電要素)を模式的に表わす図面であって、特に各単電池の電圧を計測する部分(電圧計測用端子)が重ならないように取り出されている様子がわかりやすいように、単電池構造を簡略化し、電極構造体(発電要素)を積層方向に分解して表わした分解斜視図を示している。
【図18】図17で分解して表わした電極構造体(発電要素)を積層方向に積層した状態の斜視図を示している。
【図19】本発明の第2の実施形態にかかる他の代表的なバイポーラ二次電池の電極構造体(発電要素)のうち、特に電解質層に正極層、負極層および電圧検知用タブを設けてなる単電池の製造過程を模式的に表わした平面概略図である。
【符号の説明】
10…バイポーラ二次電池、
12…発電要素、
14…正極タブ、
16…負極タブ、
17(17A〜17K)…金属ピン、
18(18A〜18K)…電圧検出用タブ、
19(19A〜19K)…電子導電材層、
20…高分子金属複合フィルム、
22…封止部分、
32…集電体、
34…正極層、
36…負極層、
38…バイポーラ電極、
39…単電池、
40…固体電解質。

Claims (6)

  1. 電子を通す集電体の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数のバイポーラ電極と、その内部をイオンが移動する複数の電解質層とを、隣り合う当該バイポーラ電極の正極層と負極層とが当該ゲルまたは固体電解質層を介して向き合うよう構成される単電池を積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、
    各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするバイポーラ電池。
  2. 単電池積層方向から電子を通す金属が刺されてなり、該金属によって各単電池の電圧が取り出せるようにした構造であることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
  3. その内部をイオンが移動する電解質層の一方の面に正極層が形成されその他方の面に負極層が形成された複数の単電池と、電子を通す複数の集電体とを、隣り合う当該単電池の正極層と負極層とが当該集電体を介して向き合うように積層した、該単電池が直列接続されてなる構造のバイポーラ電池において、
    各単電池の電圧を計測する部分が重ならないように取り出されていることを特徴とするバイポーラ電池。
  4. 前記電解質層がゲルまたは固体電解質層であり、該電解質層に電子を通す物質が塗布させており、該物質を介して単電池の電圧が取り出せるようにした構造であることを特徴とする請求項3に記載のバイポーラ電池。
  5. 電極層が、間欠塗工による塗布方法を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
  6. 電極層が、インクジェット方式で印刷する塗布方法を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイポーラ電池。
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