JP2005011429A - ファイル管理方法および記録装置、再生装置、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の容量が増大したときに、ファイル管理情報を扱うテーブルが不足する場合がある。この時、ファイルシステムの構造を変化させると、互換性がなくなる。
【解決手段】サブファイル領域を設け、その領域にサブファイル管理情報とサブファイルを記録する。サブファイルとサブファイル管理情報は、ひとつのファイルとして、メインファイル管理情報に登録する。また、ファイナライズ時に異なるファイルシステムに対応したファイル管理情報も書き込む。
また、ファイル管理上、メインのファイル管理情報のほかに、サブファイル管理情報を設ける。サブファイルとそれを管理するサブファイル管理情報をひとまとめとして、メインファイル管理情報上では一つのファイルとして扱う。さらに、ファイナライズ時に異なるファイルシステムに対応したファイル管理情報を書き込む。
【選択図】 図12
【解決手段】サブファイル領域を設け、その領域にサブファイル管理情報とサブファイルを記録する。サブファイルとサブファイル管理情報は、ひとつのファイルとして、メインファイル管理情報に登録する。また、ファイナライズ時に異なるファイルシステムに対応したファイル管理情報も書き込む。
また、ファイル管理上、メインのファイル管理情報のほかに、サブファイル管理情報を設ける。サブファイルとそれを管理するサブファイル管理情報をひとまとめとして、メインファイル管理情報上では一つのファイルとして扱う。さらに、ファイナライズ時に異なるファイルシステムに対応したファイル管理情報を書き込む。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に情報を記録又は再生する技術に関するものであり、特に、書換可能な記録媒体に画像音声情報を記録又は再生する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置や磁気ディスク装置などの記録媒体では、記録したデータファイルへのアクセスを容易にするため、データをファイルとして記録を行っている。この際、これらデータファイルを管理するために、ファイル管理システム(あるいは単にファイルシステムと呼ぶ)を用いている。
【0003】
一般に広く普及している記録媒体として、CD−ROMがあげられる。CD−ROMでは、ISO−9660と呼ばれるファイル管理システムが一般的に使用されている。ISO−9660では、パステーブルと呼ばれるテーブルを使用して、ディレクトリ構造の記述を行っている。このパステーブルには、順番に番号が付加されており、16ビットの値が割り当てられている。
【0004】
一方、より高密度な記録媒体として普及しつつあるDVDには、UDF(Universal Disk Format)と呼ばれるファイルシステムが広く用いられている。UDFでは、ディレクトリごとにファイル識別子とファイルエントリーというテーブルを使用してディレクトリ構造の記述を行っている。
【0005】
DVD−ROMの再生装置においては、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在した。
【0006】
また、近年、画像音声データ(以下、AVデータと呼ぶ)の記録再生用として、欠陥セクタと未使用セクタとを含む管理情報を論理ボリウムの2箇所以上に記録するファイル管理システムが考案されている。このファイルシステムでは、ファイル管理のために、ファイルテーブルなどのデータ管理テーブルを使用しているが、テーブルの管理に16ビットの番号を割り当てて使用している。(例えば、特許文献1を参照)
【0007】
【特許文献1】特開平11−312378号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のファイル管理システムでは、以下のような問題があった。
【0009】
すなわち、従来の多くのファイル管理システムでは、ファイル管理に使用するテーブルの番号が16ビットの値で表されており、0〜65535までの値を取る。したがって、最大でも65536種類のテーブルしか作成することが出来ないため、当該ファイルシステムで管理できるファイルやディレクトリの数が65536個に制限されるという課題があった。
【0010】
一方で、光ディスクや磁気ディスクに代表される記録媒体の記録容量は年々増加の一途をたどっており、記録するファイルの数も増大している。
【0011】
にもかかわらず、ファイル管理システムとして、従来の延長上にあるものが広く使用されており、これが大容量ディスクを使用する際に問題となっている。
【0012】
一方、UDFを使用すれば、テーブル数に制限がないため、多くのファイルを扱うことが出来るが、必ずしも全ての機器でUDFがサポートされている訳ではない。
【0013】
ファイルシステムの構造を変化させると、従来の機器との互換性が失われてしまうため、ファイルシステム自体を大幅に変更することには問題がある。特に、ビデオディスクレコーダを始めとするAV(オーディオ・ビジュアル)機器では、ソフトウェアの変更が困難であり、従来のファイルシステムと互換性のないディスクを再生することは出来ない。
【0014】
また、PC用途では、サイズの小さなファイルを多数扱う必要がある。通常、光ディスクなどの記録媒体では、書き換え可能な単位が比較的大きいため、小さなファイルを記録する場合に記録領域が無駄になりやすいと言う課題があった。
【0015】
本発明の目的は、従来のファイルシステムとの互換性を保ちつつも、より多くのファイルを管理できる新しいファイルシステムを提供することにある。
【0016】
さらには、上記のような新しいファイルシステムを提供した場合にも、UDFのような従来からあるファイルシステムのみに対応した機器ではデータのアクセスが出来ないと言う課題があった。
【0017】
本発明のさらなる目的は、上記のような新しいファイルシステムを提供することを目的とする。また、従来のファイルシステムを用いている機器でも読み出し可能な記録方法および媒体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるファイル管理方法では、
従来のファイルシステム上に、もう一つのファイル管理情報を設け、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報上で一つのファイルとして扱う。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の具体的な形態を図を用いて詳細に説明する。
【0020】
本実施形態は、UDFとAV用ファイルシステムのブリッジファイルシステムを用いる。
【0021】
UDFは、DVDをはじめとした記録媒体のファイルシステムとして開発されたPC用途に耐えうる汎用性の高いファイルシステムであり、また近年OSのサポートも一般的となりつつある。よって、UDFファイルシステムからAV用大容量記録媒体へのアクセスを可能とするブリッジファイルシステムを使用すれば、PCからの大容量ファイルあるいは多数のファイルの記録再生が可能となり、かつ、家庭用ビデオレコーダからも従来通りAVデータの記録再生が可能となる。
【0022】
なお、本実施形態において、記録媒体は光ディスクであるものとして説明するが、本実施形態において、記録媒体は情報を記録するものであれば、光ディスクに限らず、MD等の光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどにも適用することができる。
【0023】
図1は、本発明にかかる光ディスク上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。
【0024】
図1中、101は光ディスクの記録領域、102はアンカー記述子、103はメインファイル管理情報、104はメインファイル管理情報で管理されるファイル、105はサブファイル管理情報、106はサブファイル管理情報で管理されるサブファイルを示す。
【0025】
この例では、メインファイル情報によって管理されるファイルが3つ、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイルが4つ、存在している。
【0026】
101の光ディスクの記録領域は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、ディスク中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0027】
アンカー記述子は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。メインファイル管理領域の位置を変更した場合に、アンカー記述子を書き換えることにより、メインファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のアンカー記述子が、アンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、アンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0028】
メインファイル管理情報は、光ディスク上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0029】
ファイルは、ユーザーにより記録されたデータファイルである。
【0030】
サブファイル管理情報は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0031】
ところで、ディスク上に記録するデータは、ディスクに傷や汚れなどが付着した場合にも正しく再生できる必要がある。そこで、データとは別に、誤りの検出および訂正が可能なように、誤り検出符号・誤り訂正符号を付加してから、ディスク上に記録する。そのために、各セクターデータをユニットデータの形状に変換し、いくつかのユニットデータをひとまとめに、誤り訂正符号を付加する。
【0032】
図2に、ユニットデータの構成方法を示す。
【0033】
各セクターは、2048バイトのデータ領域を有し、記録するセクターデータは、この領域に記録される。セクターデータには、データ識別のための4バイトのデータ識別コード(ID)と、IDの誤り検出符号である2バイトのIED、予備データ領域である6バイトのRSVが付加される。記録データの最後部には、データの誤りを検出する4バイトの誤り検出符号EDCが付加され、全部で2064バイトのデータとしてデータユニットを構成する。各ユニットデータは、172バイト12行の形状で扱う。
【0034】
図3に、ECCブロックの構成方法を示す。
【0035】
図2で示したように構成された172バイト12行のユニットデータは、16セクター分集められ、ECCブロックを構成する。縦方向には、各行に16バイトの誤り訂正符号(PO)を付ける。各行は、12行16ユニット分の192行のデータに16バイトの誤り訂正符号が付加され、208行とする。
【0036】
各列のデータに対して、10バイトの誤り訂正符号(PI)を付加し、182バイトのデータとする。これにより、182バイト208行のデータとして、光ディスクに記録する。
【0037】
ここで、各々の誤り検出符号には、CRC符号(巡回符号)を用いればよい。また、誤り訂正符号には、リードソロモン符号(RS符号)を用いればよい。
【0038】
以上のような処理により、光ディスク上にデータを記録し、再生した場合に、傷や埃などにより読み出し不能なデータが生じた場合にも、正しいデータを得ることが出来る。
【0039】
図4は、メインファイル管理情報の詳細を示す。
【0040】
図4中、401は管理情報配置テーブル、402はファイルテーブル、403は記録領域テーブル、404はアロケーションルールセットテーブル、405はファイル識別子テーブルである。
【0041】
管理情報配置テーブル401には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0042】
ファイルテーブル402は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0043】
記録領域テーブル403は、ディスク上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0044】
アロケーションルールセットテーブル404は、ディスク上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、ディスク上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、4096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして4096をセットする。
【0045】
ファイル識別子テーブル405は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0046】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0047】
図5は、サブファイル領域の詳細を示す。
【0048】
図5中、501はファイルセット記述子、502は終端記述子、503はルートディレクトリのファイルエントリー、504はファイル識別記述子、505はファイルエントリー、506はファイルデータ、507は空き領域である。
【0049】
ここで、501から505がサブファイル管理情報にあたる。506には、複数のサブファイルのデータが記録されている。
【0050】
ファイルセット記述子501は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、サブファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー503の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。サブファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子501を参照し、ルートファイルエントリー503の書き込み位置を判断する。
【0051】
終端記述子502は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0052】
ルートのファイルエントリー503は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0053】
ファイル識別記述子504には、サブファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0054】
ファイルエントリー505は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0055】
ファイルへのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子504から、アクセス対象のファイルエントリー404を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0056】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル106と、それを管理するサブファイル管理情報105とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報103上では、1つのファイルとして管理される。
【0057】
図6は、本発明にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0058】
図6中、601は光ディスク、602は光ヘッド、603は信号処理回路、604は制御マイコン、605はサーボ、606はインターフェース、607は入出力端子である。
【0059】
光ディスク601に記録されている情報は、光ヘッド602により読み出しが行われ、信号処理回路603によって、復調が行われる。これら復調されたデータは、誤り訂正処理などの復号処理が行われ、インターフェース606、入出力端子607を介して外部のホストPC(図示せず)などへセクターデータが出力される。制御マイコン604は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへのアクセスを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0060】
記録時は、入出力端子607、インターフェース606を介して、外部のホストPCなどからセクターデータが入力される。入力されたデータは、信号処理回路603により、誤り訂正符号付加などの符号化処理が行われた後、光ディスクへの書き込みが可能な変調処理が行われ、光ヘッド602を介して、光ディスク601上へデータが書き込まれる。制御マイコン604は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへの書き込みを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0061】
なお、サーボ605は、光ディスクの回転制御および光ヘッドのトラッキング処理などの制御を、制御マイコン604の指示にしたがって行う。
【0062】
まず、サブファイル情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0063】
光ディスク601が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン604は、これを検出し、インターフェース606および入出力端子607を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0064】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、アンカー記述子102の読み出しを指示する。アンカー記述子102には、メインファイル管理情報103の書かれているセクター番号が記録されている。
【0065】
ホストPCは、読み出したアンカー記述子102を元に、メインファイル管理情報103の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0066】
メインファイル管理情報103には、メインファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、メインファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0067】
メインファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル401を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル402を検索する。各ファイルテーブル402には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0068】
ファイルテーブル402が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル403内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0069】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(105および106)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0070】
メインファイル管理情報103中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0071】
メインファイル管理情報103にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。メインファイル管理情報にのみ対応した機器でも、“SUBFILES.SYS”以外のファイルへのアクセスは、全く通常通り行うことができる。
【0072】
また、サブファイル106やサブファイル管理情報105は、メインファイルシステムとは独立して記録されているので、メインファイルシステム上のデータには、まったく影響を与えない。
【0073】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、ファイルテーブル402中の所定領域を割り当てる。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0074】
以上のように、本発明にかかるファイルシステムでは、メインファイルシステムとの下位互換性が非常に優れている。
【0075】
次に、サブファイル管理情報にも対応した装置でのサブファイルへのアクセスを行う場合の動作を説明する。
【0076】
サブファイルシステムにも対応した装置では、まず、メインファイルシステムを用いて、“SUBFILES.SYS”の記録位置および長さなどの情報を得る。これは、上述の、メインファイル管理情報にのみ対応した機器におけるファイル検索処理と同様である。
【0077】
図1の例では、サブファイル管理情報105の記録位置は、“SUBFILES.SYS”の記録位置先頭なので、“SUBFILES.SYS”の記録開始位置からデータを読み込み、サブファイル管理情報として内容の解析を行なう。
【0078】
まず、ファイルセット記述子501から、サブファイルシステムの基本情報を得る。また、ファイルセット記述子内の情報より、ルートのファイルエントリー記録セクター番号を得、それを元にルートのファイルエントリー503を読み出す。
【0079】
ルートファイルエントリー内には、ルートディレクトリに属するファイルのファイル識別記述子の記録位置が、セクター番号で記載されている。また、そこに記載されたファイル識別記述子の総バイト数も記載されている。これら情報を元に、ファイル識別記述子の記録セクターから、ファイル識別記述子を順次読み出す。
【0080】
ファイル識別記述子504には、サブファイル領域に記録されているファイルの識別子(ファイル名)が各々書かれている。したがって、このファイル識別記述子を参照することにより、サブファイル領域に記録されているファイルのファイル名を得ることが出来る。
【0081】
ホストPCは、得られたファイル識別記述子504から、所望のファイルと一致するものを検索し、対象のファイル識別記述子内のデータを参照する。ファイル識別記述子には、ファイルの記述子のほかに、そのファイル識別子に対応するファイルエントリーの記録位置が、セクター番号で書かれている。ホストPCは、所望のファイル名に対応したファイル識別記述子を検出後、そのファイル識別子に記載されているファイルエントリー505を読み込む。
【0082】
次いで、ホストPCは、ファイルエントリー内のアドレス情報から、所望のファイルの記録先セクター番号と、データ長を得る。ここで得られたセクター番号よりデータを読み出すことにより、サブファイル領域に記録されたデータファイルの読み出しを行うことができる。
【0083】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。この際、サブファイル領域内のそれぞれのファイル管理情報およびデータファイルは、すべて“SUBFILES.SYS”に対応した領域に書かれているため、メインファイルシステム内のメインファイル管理情報103やメインファイル104へのアクセスを行う必要が無く、サブファイルシステム内で完結している。したがって、メインファイルシステムへの影響がなく、サブファイルシステムの独立性を確保できる。
【0084】
次に、サブファイル管理情報で管理される領域にサブファイルを追加する場合の処理について説明する。
【0085】
サブファイル領域にサブファイルを追加する場合には、まず、メインファイル管理情報103を用いて、ディスク上の空き領域を探し、ディスク上にファイルデータを書き込む。具体的には、メインファイル管理情報内の全てのファイルに対応する記録領域テーブル403を読み出し、これを元に、ディスク上の使用済み領域を調べればよい。
【0086】
サブファイルの追加は、サブファイル領域の後ろにデータを追加すればよいが、サブファイル領域の後ろに空き領域がない場合には、サブファイル領域に不連続が生じるが、問題はない。
【0087】
ここで、追加されたサブファイルデータの分だけサブファイル領域のサイズは増加するので、この増加分は、“SUBFILES.SYS”のファイルが増大したものとして、メインファイル管理情報に反映する。
【0088】
万一、サブファイルの記録が連続した領域に行うことができず、分割された場合でも、“SUBFLES.SYS”の記録領域に相当する メインファイル管理情報の記録領域テーブルに、複数の記録領域を割り当てることで、分割記録にも対応することが出来る。
【0089】
しかしながら、記録領域が細かく分割された場合、光ディスクからデータを読み出す際に、頻繁に読み出しセクターが変化し、シーク動作に時間がかかってしまう要因となる。これを防止するために、ディスク上の記録領域をある程度まとまった容量で確保し、その領域内のセクターに連続してデータを書き込むことが有効である。例えば、8MB程度の容量を割り当てればよい。この連続書き込みを行うデータ長に関する情報は、メインファイル管理情報内のアロケーションルールセットテーブル404に書き込む。
【0090】
記録されたサブファイルのファイル名、データ記録位置、データ長などの情報は、サブファイル管理情報105内のファイル識別子テーブル504およびファイルエントリー505に追加することにより、サブファイルへのアクセスが可能となる。
【0091】
以上のような処理により、サブファイル管理情報にファイルが追加される。同時に、メインファイル管理情報にも、記録領域の情報が反映される。したがって、メインファイル管理情報のみを用いる機器においても、矛盾が生じることがない。
【0092】
また、サブファイルの削除などにより、サブファイル領域のサイズが減少した場合にも、“SUBFILES.SYS”のファイルサイズが変化したものとして、メインファイル管理情報を書き換えれば、双方のファイルシステム上矛盾が生じることはない。
【0093】
なお、上記例では、サブファイル管理情報をサブファイル領域先頭部にまとめて記録したが、これは限定されるものではなく、サブファイル領域最後部に記録するなどの各種変形が可能である。
【0094】
図7に、サブファイル管理情報をサブファイル領域最後部に記録する場合の記録方法を示す。ここで、701は更新された新しいサブファイル管理情報である。
【0095】
図1に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル領域の先頭にサブファイル管理情報105を記録していた。しかしながら、この方法では、サブファイル管理領域の書き込み位置が固定されてしまうため、以下のような問題がある。
【0096】
すなわち、サブファイル管理情報の書き込み位置がサブファイル106よりも前にあるので、サブファイル管理情報の書き込み領域が制限されてしまう。多数のサブファイルが追加された場合、サブファイル管理情報を記録する領域が不足する恐れがある。また、サブファイル管理情報が変化するたびに、サブファイル管理情報領域を書き換えることになるため、この領域の書き換え回数が増加し、ディスク寿命が短くなるという課題もある。
【0097】
そこで、図7に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル管理情報105をサブファイル106の記録領域の後ろに配置した。ファイル追加を行なう場合、追加するファイル(106c)をサブファイル管理領域の書かれていた領域に上書きし、追加ファイルの後ろに、新しいファイル管理情報701を書き込む。これにより、サブファイル管理情報を書き込む領域に制限が無くなる。また、サブファイル管理情報の記録領域は、ファイル追加のたびに変化するため、データ書き込み動作が特定のセクターに偏ることを防止できる。
【0098】
この時、サブファイル管理情報がどの領域に書かれているかが判らなくなる恐れがある。なぜなら、メインファイル管理情報103上では、サブファイルデータとサブファイル管理情報をまとめて一つのファイルとして扱っているため、サブファイル管理情報の書き込み開始セクターに関する情報が存在しないためである。
【0099】
そこで、サブファイル管理情報の記録領域105を、サブファイル記録領域(すなわち“SUBFILES.SYS”の記録領域)の最後部16セクターと規定する。これによれば、“SUBFILES.SYS”の記録領域の情報から、当該セクター番号を得ることができ、サブファイル管理情報の先頭位置を容易に求めることができる。
【0100】
図8に、サブファイル管理情報をサブファイル領域の最後部16セクターに記録する場合のデータ配置を示す。
【0101】
図8中、801は管理情報サイズ情報である。
【0102】
ここで、サブファイル管理情報の記録位置をサブファイル記録領域の最後部16セクターと決めたのは、ECCブロックのサイズからである。すなわち、セクターデータの読み出しを行う場合に、誤り訂正処理を行なっているので、ECCブロック単位での読み出しを行えば、複数のECCブロックにデータが分散している場合と比べ、読み出し時間が短くなるからである。また、サブファイル管理情報の書き込み時にも、ECCブロックでの書き込みを行えば、書き込みの効率が非常に高い。もちろん、16セクターというのは限定されるものではなく、サブファイル管理情報を、サブファイル領域の任意の位置に記録しても、同様にサブファイルの管理を行うことができる。
【0103】
図8に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル管理情報の先頭に、管理情報サイズ情報801を記録している。これは、サブファイル管理情報の管理を容易にするために導入したものであり、必ずしも必要というわけではない。
【0104】
サブファイルへのアクセスを行う場合には、まず、管理情報サイズ情報801から、必要な読み出しデータサイズを得て、サブファイル管理情報(501から505)を読み出せばよい。サブファイル管理情報を読み出した後、サブファイルへのアクセス方法については、上述の通りである。
【0105】
ところで、サブファイル管理情報の記録位置を、サブファイル領域の最後16セクターと決めるとひとつ問題が生じる。これは、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合である。この場合、16セクターを超えたサブファイル管理情報を如何にして記録するかが問題となる。
【0106】
そこで、これを解決するために、図9に示すような記録方法をとる。
【0107】
図9は、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合の記録方法である。
【0108】
サブファイル管理情報のサイズが16セクターを超えた場合には、その直前16セクターに戻り、残りのサブファイル管理情報を得る。32セクター使用してもサブファイル管理情報が納まらない場合には、さらに16セクター使用していく。これにより、サブファイル管理情報のサイズが大きくなった場合にも対応が可能である。
【0109】
図10は、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合の他の記録方法である。
【0110】
図10に示したサブファイル管理情報の記録方法では、先頭16セクターを除いたサブファイル管理情報をその直前の領域に記録している。
【0111】
この方法によれば、図9の場合と異なり、サブファイル管理情報のサイズが大きい場合にも、順次セクターを遡る必要はないので、ファイルアクセスが高速になると言う利点がある。最後部16セクターを除くサブファイル管理情報の大きさは、管理情報サイズ情報から求めることができる。
【0112】
以上のようにして、サブファイル管理情報をサブファイル記録領域の最後部に記録することができる。この場合にも、サブファイル管理情報の記録開始位置は、常にサブファイル領域(すなわち、“SUBFILES.SYS”)の最後部16セクター目に固定することができ、読み出しを容易に行うことができる。もちろん、サブファイル管理情報の記録開始位置は、任意に決定可能であることは言うまでもない。
【0113】
ところで、サブファイル管理情報の記録開始位置をサブファイル記録領域の最後部にすることにより、もう一つの利点が生じる。これは、ライトワンスと呼ばれる、一回のみ記録可能な光ディスクに対しての、追記が容易になると言う点である。
【0114】
図11は、ディスクへ追記を行った場合のサブファイル記録領域の変化を示す図である。
【0115】
ライトワンス型ディスクでは、一旦ディスク上にデータを書き込むと、データの消去ができないため、データの書き換えは追記処理により行う。また、書き込みの際には、ECCブロック単位での書き込みとなる。
【0116】
図10で、サブファイル3(106c)を書き込むと、古いサブファイル管理情報105の後ろに追加される。この時、サブファイル管理情報の記録開始位置は、サブファイル記録領域の最後部16セクターと規定してあるので、古いサブファイル管理情報は、使用不能となる。古いサブファイル管理情報に、サブファイル3に関する情報を追加し、新しいサブファイル管理情報701を作成して、サブファイル3の後ろに記録すれば、自動的に新しいサブファイル管理情報が参照される。
【0117】
但し、サブファイル記録領域のサイズが増加しているので、“SUBFILES.SYS”のサイズが増加した如く、メインファイル管理情報へ変更を加える必要がある。
【0118】
以上のようにして、サブファイルシステムの導入により、サブファイルへのアクセスおよびサブファイルの追加などの処理を行うことができる。この時、メインファイルシステムへの影響はほとんどなく、従来のファイルシステムとの互換性に問題が生じることはない。
【0119】
上記例では、サブファイル管理情報とサブファイルをひとまとめにして一つのメインファイルとして扱ったが、これは各種変形が可能である。例えば、サブファイル管理情報を独立したメインファイルの形式とし、サブファイルを別のメインファイルとすることもできる。この場合、メインファイル管理情報上は、2つの異なったファイルとして扱われるが、効果は同じである。
【0120】
また、メインファイル上の各ディレクトリごとに、別々のサブファイル管理情報とサブファイルを設けてもよい。この方式によれば、ディレクトリの管理はメインファイル管理情報によって行い、そのディレクトリに属するファイルをサブファイルとして扱うことができる。サブファイル管理情報では、ディレクトリ構造に関する情報を扱う必要がなく、構成が簡単になる。
【0121】
ところで、上記のファイルシステムは、光ディスク記録再生装置のようなAV機器との互換性を持ったファイルシステムである。したがって、従来のファイルシステムに対応したAV機器では、メインファイル管理情報中に記録されたファイルへのアクセスが可能である。しかしながら、UDFのような異なったファイルシステムにのみ対応した機器では、ファイルの読み出しすら行うことが出来ない。そこで、上記のファイルシステムと異なるファイル管理情報を使用する装置での読み出しを可能とするために、ファイル書き込み完了後、第2のファイルシステムに対応したファイル管理情報を書き込む。
【0122】
図12に、本発明にかかる第2のファイル管理情報の記録方法を示す。
【0123】
図12中、107は第2のアンカー記述子、108は第2のファイル管理情報である。
【0124】
ファイルの書き込み中は、図1に示したファイル管理情報の記録方法と同じく、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105を用いてファイル管理を行っていく。ファイル書き込み完了後、ユーザーによりディスクのファイナライズ処理が指定された場合、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105に含まれるすべてのファイル管理情報を第2のファイル管理方式に対応した第2のファイル管理情報に変換し、ディスク上の空き領域に記録する。さらに、第2のファイル管理方式に対応した第2のアンカー記述子107をディスク上の所定の位置に記録する。第2のアンカー記述子107には、第2のファイル管理情報108の位置を示す情報が書かれている。
【0125】
ここで、第1のファイル管理情報中、メインファイル管理情報103のみに対応した機器でのファイル読み出し手順を図13に示す。
【0126】
まず、図1ないし図12に示したようなファイル管理情報の構造を持つ光ディスクから、ファイルの読み出しが指定されると、図13に示された処理が行われる。まず、S1ステップから処理を開始し、S2ステップにて第1のアンカー記述子の情報が読み出される(S2)。第1のアンカー記述子102には、メインファイル管理情報103の記録位置が情報として書かれており、この情報を元に、メインファイル管理情報103の読み出しが行われる(S3)。指定されたファイル名を持つファイルの記録位置やデータ長などの情報がメインファイル管理情報103から読み出され、指定されたファイル104の読み出しが行われる(S6)。ファイル読み出しが完了すると、処理が終了する(S7)。指定されたファイルがメインファイル管理情報103中に存在しない場合には、所定のエラー処理が行われ、ファイルが存在しない旨の情報が取得される。以上の処理により、メインファイル管理情報にのみ対応した機器で、メインファイルの読み出しが可能である。
【0127】
次に、第1のファイル管理情報のメインファイル管理情報103およびサブファイル管理情報105の両方に対応した機器でのファイル読み出し手順を図14に示す。
【0128】
ファイルの読み出しが指定されると、図14に示した処理が開始される(S1)。まず、第1のアンカー記述子102が読み出される(S2)。続いて、第1のアンカー記述子102中の情報から、メインファイル管理情報103の記録位置が得て、メインファイル管理情報103の読み出しを行う(S3)。次に、読み出しが指定されたファイルが、メインファイル管理情報103中に存在するかどうかの判断が行われる(S4)。ここで、読み出しが指定されたファイルがメインファイル管理情報103中に存在する場合、メインファイル管理情報103から指定されたファイルの記録位置やデータ長の情報が得られるので、これを用いて指定ファイル104の読み出しを行う(S6)。
【0129】
一方、S4ステップにて、メインファイル管理情報中に指定されたファイルが存在しないと判断された場合、サブファイル管理情報105の読み出しが行われる(S5)。サブファイル管理情報105中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を得て、指定ファイル106の読み出しが行われ(S6)、処理が終了する(S6)。指定されたファイルがメインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105のどちらにも存在しない場合、所定のエラー処理が行われ、ファイルが存在しない旨の情報が取得される。以上の処理により、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105の両方に対応した機器で、メインファイル104およびサブファイル106の読み出しが可能である。
【0130】
一方、上記のようなファイル管理方法に対応せず、第2のファイル管理情報にのみ対応した機器の場合、図15に示したような処理でファイルの読み出しを行う。
【0131】
第2のファイル管理情報108にのみ対応した機器の場合、開始後(S1)、第2のアンカー記述子107の読み出しを行う(S8)。次に、第2のアンカー記述子107中の情報を用いて第2のファイル管理情報108の記録位置を得、第2のファイル管理情報108を読み出す(S9)。第2のファイル管理情報108中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を得て、指定ファイル(104ないし106)の読み出しを行い(S6)、処理が終了する(S7)。
【0132】
以上のように、図12に示したように複数のファイル管理情報を記録することにより、様々な機器に対応させることが出来る。たとえば、第2のファイル管理方法としてUDFなど広く用いられているファイルシステムを用いることにより、記録を行った光ディスクの互換性を高めることが出来る。UDFでは、アンカー記述子をアンカーボリュームディスクリプターポインターと呼んでいる。
【0133】
また、上記のように、ファイル書き込み完了後、ユーザーによりディスクのファイナライズ処理が指定された後、第2のアンカー記述子を書き込むように制御することにより、ファイナライズ前に第2のファイル管理情報を使用してしまうことを防止できる。これにより、第2のファイル管理情報に対応した機器で、誤ってデータを書き換えたり消去したりすることを防止できる。
【0134】
なお、図12に示したファイル管理情報の記録方法では、新たに第2のファイル管理情報を書き込んでいたが、これをサブファイル管理情報と共有することもできる。サブファイル管理情報を第2のファイル管理情報として使用する際の例を図16に示した。この場合、第2のアンカー記述子107には、ファイル管理情報の記録位置として、サブファイル管理情報105の位置を記録しておく。
【0135】
図16に示したファイル管理情報を用いてファイルを読み出す場合、図15に示した手順で行うことが出来る。具体的には、図15の手順でファイル読み出しを開始(S1)し、第2のアンカー記述子107を読み出す(S2)。続いて、第2のアンカー記述子内の情報から第2のファイル管理情報を読み出す(S9)。ここで、第2のファイル管理情報としてサブファイル管理情報105を使用する。サブファイル管理情報105中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を取り出し、これを用いて指定ファイル106の読み出しを行う(S6)。
【0136】
上記のように第2のファイル管理情報としてサブファイル管理情報105を使用することにより、新たにファイル管理情報を追加する必要がないので、ディスク上の記録領域を有効に使用することが出来る。
【0137】
本実施形態によれば、メインファイル管理情報のほかに、サブファイル管理情報を有しているので、メインファイル管理情報のみを用いた場合よりも多くのファイルを管理することができる。また、サブファイルシステムは、メインファイルシステム上の一ファイルとして扱われるので、メインファイルシステムの構造に影響を与えることがなく、互換性の面でも非常に優れている。
【0138】
さらには、サブファイルとして非常に小さなサイズのファイルが多数存在する場合にも、これらのファイルが一つのファイルとして扱われるので、記録領域を無駄に使用することがない。
【0139】
【発明の効果】
使い勝手の良いファイル管理技術、記録技術、再生技術、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファイル管理情報の記録方法
【図2】セクターデータのデータユニット構造
【図3】ECCブロック内のデータ構造
【図4】メインファイル管理情報の構造
【図5】サブファイル管理情報の配置方法
【図6】記録再生装置のブロック図
【図7】サブファイルの追記方法
【図8】サブファイル管理情報の配置方法
【図9】サブファイル管理情報の配置方法
【図10】サブファイル管理情報の配置方法
【図11】サブファイルの追記方法
【図12】複数のファイルシステムに対応したファイル管理情報の記録方法
【図13】メインファイル管理情報に対応した機器のファイル読み出し手順
【図14】第1のファイルシステムに対応した機器のファイル読み出し手順
【図15】第2のファイルシステムに対応した機器のファイル読み出し手順
【図16】複数のファイルシステムに対応したファイル管理情報の記録方法
【符号の説明】
101…光ディスクの記録領域、102…アンカー記述子、103…メインファイル管理情報、104…メインファイル、105…サブファイル管理情報、106…サブファイル、107…第2のアンカー記述子、108…第2のファイル管理情報、401…管理情報配置テーブル、402…ファイルテーブル、403…記録領域テーブル、404…アロケーションルールセットテーブル、405…ファイル識別子テーブル、501…ファイルセット識別子、502…終端記述子、503…ルートファイルのファイルエントリ、504…ファイル識別記述子、505…ファイルエントリ、506ファイルデータ、507…空き領域、601…光ディスク、602…光ヘッド、603…信号処理回路、604…制御マイコン、605…サーボ、606…インターフェース、607…入出力端子、701…更新されたサブファイル管理情報、801…ファイル情報サイズ情報
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に情報を記録又は再生する技術に関するものであり、特に、書換可能な記録媒体に画像音声情報を記録又は再生する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置や磁気ディスク装置などの記録媒体では、記録したデータファイルへのアクセスを容易にするため、データをファイルとして記録を行っている。この際、これらデータファイルを管理するために、ファイル管理システム(あるいは単にファイルシステムと呼ぶ)を用いている。
【0003】
一般に広く普及している記録媒体として、CD−ROMがあげられる。CD−ROMでは、ISO−9660と呼ばれるファイル管理システムが一般的に使用されている。ISO−9660では、パステーブルと呼ばれるテーブルを使用して、ディレクトリ構造の記述を行っている。このパステーブルには、順番に番号が付加されており、16ビットの値が割り当てられている。
【0004】
一方、より高密度な記録媒体として普及しつつあるDVDには、UDF(Universal Disk Format)と呼ばれるファイルシステムが広く用いられている。UDFでは、ディレクトリごとにファイル識別子とファイルエントリーというテーブルを使用してディレクトリ構造の記述を行っている。
【0005】
DVD−ROMの再生装置においては、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在した。
【0006】
また、近年、画像音声データ(以下、AVデータと呼ぶ)の記録再生用として、欠陥セクタと未使用セクタとを含む管理情報を論理ボリウムの2箇所以上に記録するファイル管理システムが考案されている。このファイルシステムでは、ファイル管理のために、ファイルテーブルなどのデータ管理テーブルを使用しているが、テーブルの管理に16ビットの番号を割り当てて使用している。(例えば、特許文献1を参照)
【0007】
【特許文献1】特開平11−312378号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のファイル管理システムでは、以下のような問題があった。
【0009】
すなわち、従来の多くのファイル管理システムでは、ファイル管理に使用するテーブルの番号が16ビットの値で表されており、0〜65535までの値を取る。したがって、最大でも65536種類のテーブルしか作成することが出来ないため、当該ファイルシステムで管理できるファイルやディレクトリの数が65536個に制限されるという課題があった。
【0010】
一方で、光ディスクや磁気ディスクに代表される記録媒体の記録容量は年々増加の一途をたどっており、記録するファイルの数も増大している。
【0011】
にもかかわらず、ファイル管理システムとして、従来の延長上にあるものが広く使用されており、これが大容量ディスクを使用する際に問題となっている。
【0012】
一方、UDFを使用すれば、テーブル数に制限がないため、多くのファイルを扱うことが出来るが、必ずしも全ての機器でUDFがサポートされている訳ではない。
【0013】
ファイルシステムの構造を変化させると、従来の機器との互換性が失われてしまうため、ファイルシステム自体を大幅に変更することには問題がある。特に、ビデオディスクレコーダを始めとするAV(オーディオ・ビジュアル)機器では、ソフトウェアの変更が困難であり、従来のファイルシステムと互換性のないディスクを再生することは出来ない。
【0014】
また、PC用途では、サイズの小さなファイルを多数扱う必要がある。通常、光ディスクなどの記録媒体では、書き換え可能な単位が比較的大きいため、小さなファイルを記録する場合に記録領域が無駄になりやすいと言う課題があった。
【0015】
本発明の目的は、従来のファイルシステムとの互換性を保ちつつも、より多くのファイルを管理できる新しいファイルシステムを提供することにある。
【0016】
さらには、上記のような新しいファイルシステムを提供した場合にも、UDFのような従来からあるファイルシステムのみに対応した機器ではデータのアクセスが出来ないと言う課題があった。
【0017】
本発明のさらなる目的は、上記のような新しいファイルシステムを提供することを目的とする。また、従来のファイルシステムを用いている機器でも読み出し可能な記録方法および媒体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるファイル管理方法では、
従来のファイルシステム上に、もう一つのファイル管理情報を設け、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報上で一つのファイルとして扱う。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の具体的な形態を図を用いて詳細に説明する。
【0020】
本実施形態は、UDFとAV用ファイルシステムのブリッジファイルシステムを用いる。
【0021】
UDFは、DVDをはじめとした記録媒体のファイルシステムとして開発されたPC用途に耐えうる汎用性の高いファイルシステムであり、また近年OSのサポートも一般的となりつつある。よって、UDFファイルシステムからAV用大容量記録媒体へのアクセスを可能とするブリッジファイルシステムを使用すれば、PCからの大容量ファイルあるいは多数のファイルの記録再生が可能となり、かつ、家庭用ビデオレコーダからも従来通りAVデータの記録再生が可能となる。
【0022】
なお、本実施形態において、記録媒体は光ディスクであるものとして説明するが、本実施形態において、記録媒体は情報を記録するものであれば、光ディスクに限らず、MD等の光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどにも適用することができる。
【0023】
図1は、本発明にかかる光ディスク上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。
【0024】
図1中、101は光ディスクの記録領域、102はアンカー記述子、103はメインファイル管理情報、104はメインファイル管理情報で管理されるファイル、105はサブファイル管理情報、106はサブファイル管理情報で管理されるサブファイルを示す。
【0025】
この例では、メインファイル情報によって管理されるファイルが3つ、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイルが4つ、存在している。
【0026】
101の光ディスクの記録領域は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、ディスク中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0027】
アンカー記述子は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。メインファイル管理領域の位置を変更した場合に、アンカー記述子を書き換えることにより、メインファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のアンカー記述子が、アンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、アンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0028】
メインファイル管理情報は、光ディスク上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0029】
ファイルは、ユーザーにより記録されたデータファイルである。
【0030】
サブファイル管理情報は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0031】
ところで、ディスク上に記録するデータは、ディスクに傷や汚れなどが付着した場合にも正しく再生できる必要がある。そこで、データとは別に、誤りの検出および訂正が可能なように、誤り検出符号・誤り訂正符号を付加してから、ディスク上に記録する。そのために、各セクターデータをユニットデータの形状に変換し、いくつかのユニットデータをひとまとめに、誤り訂正符号を付加する。
【0032】
図2に、ユニットデータの構成方法を示す。
【0033】
各セクターは、2048バイトのデータ領域を有し、記録するセクターデータは、この領域に記録される。セクターデータには、データ識別のための4バイトのデータ識別コード(ID)と、IDの誤り検出符号である2バイトのIED、予備データ領域である6バイトのRSVが付加される。記録データの最後部には、データの誤りを検出する4バイトの誤り検出符号EDCが付加され、全部で2064バイトのデータとしてデータユニットを構成する。各ユニットデータは、172バイト12行の形状で扱う。
【0034】
図3に、ECCブロックの構成方法を示す。
【0035】
図2で示したように構成された172バイト12行のユニットデータは、16セクター分集められ、ECCブロックを構成する。縦方向には、各行に16バイトの誤り訂正符号(PO)を付ける。各行は、12行16ユニット分の192行のデータに16バイトの誤り訂正符号が付加され、208行とする。
【0036】
各列のデータに対して、10バイトの誤り訂正符号(PI)を付加し、182バイトのデータとする。これにより、182バイト208行のデータとして、光ディスクに記録する。
【0037】
ここで、各々の誤り検出符号には、CRC符号(巡回符号)を用いればよい。また、誤り訂正符号には、リードソロモン符号(RS符号)を用いればよい。
【0038】
以上のような処理により、光ディスク上にデータを記録し、再生した場合に、傷や埃などにより読み出し不能なデータが生じた場合にも、正しいデータを得ることが出来る。
【0039】
図4は、メインファイル管理情報の詳細を示す。
【0040】
図4中、401は管理情報配置テーブル、402はファイルテーブル、403は記録領域テーブル、404はアロケーションルールセットテーブル、405はファイル識別子テーブルである。
【0041】
管理情報配置テーブル401には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0042】
ファイルテーブル402は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0043】
記録領域テーブル403は、ディスク上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0044】
アロケーションルールセットテーブル404は、ディスク上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、ディスク上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、4096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして4096をセットする。
【0045】
ファイル識別子テーブル405は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0046】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0047】
図5は、サブファイル領域の詳細を示す。
【0048】
図5中、501はファイルセット記述子、502は終端記述子、503はルートディレクトリのファイルエントリー、504はファイル識別記述子、505はファイルエントリー、506はファイルデータ、507は空き領域である。
【0049】
ここで、501から505がサブファイル管理情報にあたる。506には、複数のサブファイルのデータが記録されている。
【0050】
ファイルセット記述子501は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、サブファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー503の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。サブファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子501を参照し、ルートファイルエントリー503の書き込み位置を判断する。
【0051】
終端記述子502は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0052】
ルートのファイルエントリー503は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0053】
ファイル識別記述子504には、サブファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0054】
ファイルエントリー505は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0055】
ファイルへのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子504から、アクセス対象のファイルエントリー404を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0056】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル106と、それを管理するサブファイル管理情報105とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報103上では、1つのファイルとして管理される。
【0057】
図6は、本発明にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0058】
図6中、601は光ディスク、602は光ヘッド、603は信号処理回路、604は制御マイコン、605はサーボ、606はインターフェース、607は入出力端子である。
【0059】
光ディスク601に記録されている情報は、光ヘッド602により読み出しが行われ、信号処理回路603によって、復調が行われる。これら復調されたデータは、誤り訂正処理などの復号処理が行われ、インターフェース606、入出力端子607を介して外部のホストPC(図示せず)などへセクターデータが出力される。制御マイコン604は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへのアクセスを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0060】
記録時は、入出力端子607、インターフェース606を介して、外部のホストPCなどからセクターデータが入力される。入力されたデータは、信号処理回路603により、誤り訂正符号付加などの符号化処理が行われた後、光ディスクへの書き込みが可能な変調処理が行われ、光ヘッド602を介して、光ディスク601上へデータが書き込まれる。制御マイコン604は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへの書き込みを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0061】
なお、サーボ605は、光ディスクの回転制御および光ヘッドのトラッキング処理などの制御を、制御マイコン604の指示にしたがって行う。
【0062】
まず、サブファイル情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0063】
光ディスク601が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン604は、これを検出し、インターフェース606および入出力端子607を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0064】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、アンカー記述子102の読み出しを指示する。アンカー記述子102には、メインファイル管理情報103の書かれているセクター番号が記録されている。
【0065】
ホストPCは、読み出したアンカー記述子102を元に、メインファイル管理情報103の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0066】
メインファイル管理情報103には、メインファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、メインファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0067】
メインファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル401を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル402を検索する。各ファイルテーブル402には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0068】
ファイルテーブル402が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル403内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0069】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(105および106)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0070】
メインファイル管理情報103中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0071】
メインファイル管理情報103にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。メインファイル管理情報にのみ対応した機器でも、“SUBFILES.SYS”以外のファイルへのアクセスは、全く通常通り行うことができる。
【0072】
また、サブファイル106やサブファイル管理情報105は、メインファイルシステムとは独立して記録されているので、メインファイルシステム上のデータには、まったく影響を与えない。
【0073】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、ファイルテーブル402中の所定領域を割り当てる。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0074】
以上のように、本発明にかかるファイルシステムでは、メインファイルシステムとの下位互換性が非常に優れている。
【0075】
次に、サブファイル管理情報にも対応した装置でのサブファイルへのアクセスを行う場合の動作を説明する。
【0076】
サブファイルシステムにも対応した装置では、まず、メインファイルシステムを用いて、“SUBFILES.SYS”の記録位置および長さなどの情報を得る。これは、上述の、メインファイル管理情報にのみ対応した機器におけるファイル検索処理と同様である。
【0077】
図1の例では、サブファイル管理情報105の記録位置は、“SUBFILES.SYS”の記録位置先頭なので、“SUBFILES.SYS”の記録開始位置からデータを読み込み、サブファイル管理情報として内容の解析を行なう。
【0078】
まず、ファイルセット記述子501から、サブファイルシステムの基本情報を得る。また、ファイルセット記述子内の情報より、ルートのファイルエントリー記録セクター番号を得、それを元にルートのファイルエントリー503を読み出す。
【0079】
ルートファイルエントリー内には、ルートディレクトリに属するファイルのファイル識別記述子の記録位置が、セクター番号で記載されている。また、そこに記載されたファイル識別記述子の総バイト数も記載されている。これら情報を元に、ファイル識別記述子の記録セクターから、ファイル識別記述子を順次読み出す。
【0080】
ファイル識別記述子504には、サブファイル領域に記録されているファイルの識別子(ファイル名)が各々書かれている。したがって、このファイル識別記述子を参照することにより、サブファイル領域に記録されているファイルのファイル名を得ることが出来る。
【0081】
ホストPCは、得られたファイル識別記述子504から、所望のファイルと一致するものを検索し、対象のファイル識別記述子内のデータを参照する。ファイル識別記述子には、ファイルの記述子のほかに、そのファイル識別子に対応するファイルエントリーの記録位置が、セクター番号で書かれている。ホストPCは、所望のファイル名に対応したファイル識別記述子を検出後、そのファイル識別子に記載されているファイルエントリー505を読み込む。
【0082】
次いで、ホストPCは、ファイルエントリー内のアドレス情報から、所望のファイルの記録先セクター番号と、データ長を得る。ここで得られたセクター番号よりデータを読み出すことにより、サブファイル領域に記録されたデータファイルの読み出しを行うことができる。
【0083】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。この際、サブファイル領域内のそれぞれのファイル管理情報およびデータファイルは、すべて“SUBFILES.SYS”に対応した領域に書かれているため、メインファイルシステム内のメインファイル管理情報103やメインファイル104へのアクセスを行う必要が無く、サブファイルシステム内で完結している。したがって、メインファイルシステムへの影響がなく、サブファイルシステムの独立性を確保できる。
【0084】
次に、サブファイル管理情報で管理される領域にサブファイルを追加する場合の処理について説明する。
【0085】
サブファイル領域にサブファイルを追加する場合には、まず、メインファイル管理情報103を用いて、ディスク上の空き領域を探し、ディスク上にファイルデータを書き込む。具体的には、メインファイル管理情報内の全てのファイルに対応する記録領域テーブル403を読み出し、これを元に、ディスク上の使用済み領域を調べればよい。
【0086】
サブファイルの追加は、サブファイル領域の後ろにデータを追加すればよいが、サブファイル領域の後ろに空き領域がない場合には、サブファイル領域に不連続が生じるが、問題はない。
【0087】
ここで、追加されたサブファイルデータの分だけサブファイル領域のサイズは増加するので、この増加分は、“SUBFILES.SYS”のファイルが増大したものとして、メインファイル管理情報に反映する。
【0088】
万一、サブファイルの記録が連続した領域に行うことができず、分割された場合でも、“SUBFLES.SYS”の記録領域に相当する メインファイル管理情報の記録領域テーブルに、複数の記録領域を割り当てることで、分割記録にも対応することが出来る。
【0089】
しかしながら、記録領域が細かく分割された場合、光ディスクからデータを読み出す際に、頻繁に読み出しセクターが変化し、シーク動作に時間がかかってしまう要因となる。これを防止するために、ディスク上の記録領域をある程度まとまった容量で確保し、その領域内のセクターに連続してデータを書き込むことが有効である。例えば、8MB程度の容量を割り当てればよい。この連続書き込みを行うデータ長に関する情報は、メインファイル管理情報内のアロケーションルールセットテーブル404に書き込む。
【0090】
記録されたサブファイルのファイル名、データ記録位置、データ長などの情報は、サブファイル管理情報105内のファイル識別子テーブル504およびファイルエントリー505に追加することにより、サブファイルへのアクセスが可能となる。
【0091】
以上のような処理により、サブファイル管理情報にファイルが追加される。同時に、メインファイル管理情報にも、記録領域の情報が反映される。したがって、メインファイル管理情報のみを用いる機器においても、矛盾が生じることがない。
【0092】
また、サブファイルの削除などにより、サブファイル領域のサイズが減少した場合にも、“SUBFILES.SYS”のファイルサイズが変化したものとして、メインファイル管理情報を書き換えれば、双方のファイルシステム上矛盾が生じることはない。
【0093】
なお、上記例では、サブファイル管理情報をサブファイル領域先頭部にまとめて記録したが、これは限定されるものではなく、サブファイル領域最後部に記録するなどの各種変形が可能である。
【0094】
図7に、サブファイル管理情報をサブファイル領域最後部に記録する場合の記録方法を示す。ここで、701は更新された新しいサブファイル管理情報である。
【0095】
図1に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル領域の先頭にサブファイル管理情報105を記録していた。しかしながら、この方法では、サブファイル管理領域の書き込み位置が固定されてしまうため、以下のような問題がある。
【0096】
すなわち、サブファイル管理情報の書き込み位置がサブファイル106よりも前にあるので、サブファイル管理情報の書き込み領域が制限されてしまう。多数のサブファイルが追加された場合、サブファイル管理情報を記録する領域が不足する恐れがある。また、サブファイル管理情報が変化するたびに、サブファイル管理情報領域を書き換えることになるため、この領域の書き換え回数が増加し、ディスク寿命が短くなるという課題もある。
【0097】
そこで、図7に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル管理情報105をサブファイル106の記録領域の後ろに配置した。ファイル追加を行なう場合、追加するファイル(106c)をサブファイル管理領域の書かれていた領域に上書きし、追加ファイルの後ろに、新しいファイル管理情報701を書き込む。これにより、サブファイル管理情報を書き込む領域に制限が無くなる。また、サブファイル管理情報の記録領域は、ファイル追加のたびに変化するため、データ書き込み動作が特定のセクターに偏ることを防止できる。
【0098】
この時、サブファイル管理情報がどの領域に書かれているかが判らなくなる恐れがある。なぜなら、メインファイル管理情報103上では、サブファイルデータとサブファイル管理情報をまとめて一つのファイルとして扱っているため、サブファイル管理情報の書き込み開始セクターに関する情報が存在しないためである。
【0099】
そこで、サブファイル管理情報の記録領域105を、サブファイル記録領域(すなわち“SUBFILES.SYS”の記録領域)の最後部16セクターと規定する。これによれば、“SUBFILES.SYS”の記録領域の情報から、当該セクター番号を得ることができ、サブファイル管理情報の先頭位置を容易に求めることができる。
【0100】
図8に、サブファイル管理情報をサブファイル領域の最後部16セクターに記録する場合のデータ配置を示す。
【0101】
図8中、801は管理情報サイズ情報である。
【0102】
ここで、サブファイル管理情報の記録位置をサブファイル記録領域の最後部16セクターと決めたのは、ECCブロックのサイズからである。すなわち、セクターデータの読み出しを行う場合に、誤り訂正処理を行なっているので、ECCブロック単位での読み出しを行えば、複数のECCブロックにデータが分散している場合と比べ、読み出し時間が短くなるからである。また、サブファイル管理情報の書き込み時にも、ECCブロックでの書き込みを行えば、書き込みの効率が非常に高い。もちろん、16セクターというのは限定されるものではなく、サブファイル管理情報を、サブファイル領域の任意の位置に記録しても、同様にサブファイルの管理を行うことができる。
【0103】
図8に示したサブファイル管理情報の記録方法では、サブファイル管理情報の先頭に、管理情報サイズ情報801を記録している。これは、サブファイル管理情報の管理を容易にするために導入したものであり、必ずしも必要というわけではない。
【0104】
サブファイルへのアクセスを行う場合には、まず、管理情報サイズ情報801から、必要な読み出しデータサイズを得て、サブファイル管理情報(501から505)を読み出せばよい。サブファイル管理情報を読み出した後、サブファイルへのアクセス方法については、上述の通りである。
【0105】
ところで、サブファイル管理情報の記録位置を、サブファイル領域の最後16セクターと決めるとひとつ問題が生じる。これは、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合である。この場合、16セクターを超えたサブファイル管理情報を如何にして記録するかが問題となる。
【0106】
そこで、これを解決するために、図9に示すような記録方法をとる。
【0107】
図9は、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合の記録方法である。
【0108】
サブファイル管理情報のサイズが16セクターを超えた場合には、その直前16セクターに戻り、残りのサブファイル管理情報を得る。32セクター使用してもサブファイル管理情報が納まらない場合には、さらに16セクター使用していく。これにより、サブファイル管理情報のサイズが大きくなった場合にも対応が可能である。
【0109】
図10は、サブファイル管理情報が16セクター以上のサイズになった場合の他の記録方法である。
【0110】
図10に示したサブファイル管理情報の記録方法では、先頭16セクターを除いたサブファイル管理情報をその直前の領域に記録している。
【0111】
この方法によれば、図9の場合と異なり、サブファイル管理情報のサイズが大きい場合にも、順次セクターを遡る必要はないので、ファイルアクセスが高速になると言う利点がある。最後部16セクターを除くサブファイル管理情報の大きさは、管理情報サイズ情報から求めることができる。
【0112】
以上のようにして、サブファイル管理情報をサブファイル記録領域の最後部に記録することができる。この場合にも、サブファイル管理情報の記録開始位置は、常にサブファイル領域(すなわち、“SUBFILES.SYS”)の最後部16セクター目に固定することができ、読み出しを容易に行うことができる。もちろん、サブファイル管理情報の記録開始位置は、任意に決定可能であることは言うまでもない。
【0113】
ところで、サブファイル管理情報の記録開始位置をサブファイル記録領域の最後部にすることにより、もう一つの利点が生じる。これは、ライトワンスと呼ばれる、一回のみ記録可能な光ディスクに対しての、追記が容易になると言う点である。
【0114】
図11は、ディスクへ追記を行った場合のサブファイル記録領域の変化を示す図である。
【0115】
ライトワンス型ディスクでは、一旦ディスク上にデータを書き込むと、データの消去ができないため、データの書き換えは追記処理により行う。また、書き込みの際には、ECCブロック単位での書き込みとなる。
【0116】
図10で、サブファイル3(106c)を書き込むと、古いサブファイル管理情報105の後ろに追加される。この時、サブファイル管理情報の記録開始位置は、サブファイル記録領域の最後部16セクターと規定してあるので、古いサブファイル管理情報は、使用不能となる。古いサブファイル管理情報に、サブファイル3に関する情報を追加し、新しいサブファイル管理情報701を作成して、サブファイル3の後ろに記録すれば、自動的に新しいサブファイル管理情報が参照される。
【0117】
但し、サブファイル記録領域のサイズが増加しているので、“SUBFILES.SYS”のサイズが増加した如く、メインファイル管理情報へ変更を加える必要がある。
【0118】
以上のようにして、サブファイルシステムの導入により、サブファイルへのアクセスおよびサブファイルの追加などの処理を行うことができる。この時、メインファイルシステムへの影響はほとんどなく、従来のファイルシステムとの互換性に問題が生じることはない。
【0119】
上記例では、サブファイル管理情報とサブファイルをひとまとめにして一つのメインファイルとして扱ったが、これは各種変形が可能である。例えば、サブファイル管理情報を独立したメインファイルの形式とし、サブファイルを別のメインファイルとすることもできる。この場合、メインファイル管理情報上は、2つの異なったファイルとして扱われるが、効果は同じである。
【0120】
また、メインファイル上の各ディレクトリごとに、別々のサブファイル管理情報とサブファイルを設けてもよい。この方式によれば、ディレクトリの管理はメインファイル管理情報によって行い、そのディレクトリに属するファイルをサブファイルとして扱うことができる。サブファイル管理情報では、ディレクトリ構造に関する情報を扱う必要がなく、構成が簡単になる。
【0121】
ところで、上記のファイルシステムは、光ディスク記録再生装置のようなAV機器との互換性を持ったファイルシステムである。したがって、従来のファイルシステムに対応したAV機器では、メインファイル管理情報中に記録されたファイルへのアクセスが可能である。しかしながら、UDFのような異なったファイルシステムにのみ対応した機器では、ファイルの読み出しすら行うことが出来ない。そこで、上記のファイルシステムと異なるファイル管理情報を使用する装置での読み出しを可能とするために、ファイル書き込み完了後、第2のファイルシステムに対応したファイル管理情報を書き込む。
【0122】
図12に、本発明にかかる第2のファイル管理情報の記録方法を示す。
【0123】
図12中、107は第2のアンカー記述子、108は第2のファイル管理情報である。
【0124】
ファイルの書き込み中は、図1に示したファイル管理情報の記録方法と同じく、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105を用いてファイル管理を行っていく。ファイル書き込み完了後、ユーザーによりディスクのファイナライズ処理が指定された場合、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105に含まれるすべてのファイル管理情報を第2のファイル管理方式に対応した第2のファイル管理情報に変換し、ディスク上の空き領域に記録する。さらに、第2のファイル管理方式に対応した第2のアンカー記述子107をディスク上の所定の位置に記録する。第2のアンカー記述子107には、第2のファイル管理情報108の位置を示す情報が書かれている。
【0125】
ここで、第1のファイル管理情報中、メインファイル管理情報103のみに対応した機器でのファイル読み出し手順を図13に示す。
【0126】
まず、図1ないし図12に示したようなファイル管理情報の構造を持つ光ディスクから、ファイルの読み出しが指定されると、図13に示された処理が行われる。まず、S1ステップから処理を開始し、S2ステップにて第1のアンカー記述子の情報が読み出される(S2)。第1のアンカー記述子102には、メインファイル管理情報103の記録位置が情報として書かれており、この情報を元に、メインファイル管理情報103の読み出しが行われる(S3)。指定されたファイル名を持つファイルの記録位置やデータ長などの情報がメインファイル管理情報103から読み出され、指定されたファイル104の読み出しが行われる(S6)。ファイル読み出しが完了すると、処理が終了する(S7)。指定されたファイルがメインファイル管理情報103中に存在しない場合には、所定のエラー処理が行われ、ファイルが存在しない旨の情報が取得される。以上の処理により、メインファイル管理情報にのみ対応した機器で、メインファイルの読み出しが可能である。
【0127】
次に、第1のファイル管理情報のメインファイル管理情報103およびサブファイル管理情報105の両方に対応した機器でのファイル読み出し手順を図14に示す。
【0128】
ファイルの読み出しが指定されると、図14に示した処理が開始される(S1)。まず、第1のアンカー記述子102が読み出される(S2)。続いて、第1のアンカー記述子102中の情報から、メインファイル管理情報103の記録位置が得て、メインファイル管理情報103の読み出しを行う(S3)。次に、読み出しが指定されたファイルが、メインファイル管理情報103中に存在するかどうかの判断が行われる(S4)。ここで、読み出しが指定されたファイルがメインファイル管理情報103中に存在する場合、メインファイル管理情報103から指定されたファイルの記録位置やデータ長の情報が得られるので、これを用いて指定ファイル104の読み出しを行う(S6)。
【0129】
一方、S4ステップにて、メインファイル管理情報中に指定されたファイルが存在しないと判断された場合、サブファイル管理情報105の読み出しが行われる(S5)。サブファイル管理情報105中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を得て、指定ファイル106の読み出しが行われ(S6)、処理が終了する(S6)。指定されたファイルがメインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105のどちらにも存在しない場合、所定のエラー処理が行われ、ファイルが存在しない旨の情報が取得される。以上の処理により、メインファイル管理情報103とサブファイル管理情報105の両方に対応した機器で、メインファイル104およびサブファイル106の読み出しが可能である。
【0130】
一方、上記のようなファイル管理方法に対応せず、第2のファイル管理情報にのみ対応した機器の場合、図15に示したような処理でファイルの読み出しを行う。
【0131】
第2のファイル管理情報108にのみ対応した機器の場合、開始後(S1)、第2のアンカー記述子107の読み出しを行う(S8)。次に、第2のアンカー記述子107中の情報を用いて第2のファイル管理情報108の記録位置を得、第2のファイル管理情報108を読み出す(S9)。第2のファイル管理情報108中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を得て、指定ファイル(104ないし106)の読み出しを行い(S6)、処理が終了する(S7)。
【0132】
以上のように、図12に示したように複数のファイル管理情報を記録することにより、様々な機器に対応させることが出来る。たとえば、第2のファイル管理方法としてUDFなど広く用いられているファイルシステムを用いることにより、記録を行った光ディスクの互換性を高めることが出来る。UDFでは、アンカー記述子をアンカーボリュームディスクリプターポインターと呼んでいる。
【0133】
また、上記のように、ファイル書き込み完了後、ユーザーによりディスクのファイナライズ処理が指定された後、第2のアンカー記述子を書き込むように制御することにより、ファイナライズ前に第2のファイル管理情報を使用してしまうことを防止できる。これにより、第2のファイル管理情報に対応した機器で、誤ってデータを書き換えたり消去したりすることを防止できる。
【0134】
なお、図12に示したファイル管理情報の記録方法では、新たに第2のファイル管理情報を書き込んでいたが、これをサブファイル管理情報と共有することもできる。サブファイル管理情報を第2のファイル管理情報として使用する際の例を図16に示した。この場合、第2のアンカー記述子107には、ファイル管理情報の記録位置として、サブファイル管理情報105の位置を記録しておく。
【0135】
図16に示したファイル管理情報を用いてファイルを読み出す場合、図15に示した手順で行うことが出来る。具体的には、図15の手順でファイル読み出しを開始(S1)し、第2のアンカー記述子107を読み出す(S2)。続いて、第2のアンカー記述子内の情報から第2のファイル管理情報を読み出す(S9)。ここで、第2のファイル管理情報としてサブファイル管理情報105を使用する。サブファイル管理情報105中から、指定されたファイルの記録位置やデータ長などの情報を取り出し、これを用いて指定ファイル106の読み出しを行う(S6)。
【0136】
上記のように第2のファイル管理情報としてサブファイル管理情報105を使用することにより、新たにファイル管理情報を追加する必要がないので、ディスク上の記録領域を有効に使用することが出来る。
【0137】
本実施形態によれば、メインファイル管理情報のほかに、サブファイル管理情報を有しているので、メインファイル管理情報のみを用いた場合よりも多くのファイルを管理することができる。また、サブファイルシステムは、メインファイルシステム上の一ファイルとして扱われるので、メインファイルシステムの構造に影響を与えることがなく、互換性の面でも非常に優れている。
【0138】
さらには、サブファイルとして非常に小さなサイズのファイルが多数存在する場合にも、これらのファイルが一つのファイルとして扱われるので、記録領域を無駄に使用することがない。
【0139】
【発明の効果】
使い勝手の良いファイル管理技術、記録技術、再生技術、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファイル管理情報の記録方法
【図2】セクターデータのデータユニット構造
【図3】ECCブロック内のデータ構造
【図4】メインファイル管理情報の構造
【図5】サブファイル管理情報の配置方法
【図6】記録再生装置のブロック図
【図7】サブファイルの追記方法
【図8】サブファイル管理情報の配置方法
【図9】サブファイル管理情報の配置方法
【図10】サブファイル管理情報の配置方法
【図11】サブファイルの追記方法
【図12】複数のファイルシステムに対応したファイル管理情報の記録方法
【図13】メインファイル管理情報に対応した機器のファイル読み出し手順
【図14】第1のファイルシステムに対応した機器のファイル読み出し手順
【図15】第2のファイルシステムに対応した機器のファイル読み出し手順
【図16】複数のファイルシステムに対応したファイル管理情報の記録方法
【符号の説明】
101…光ディスクの記録領域、102…アンカー記述子、103…メインファイル管理情報、104…メインファイル、105…サブファイル管理情報、106…サブファイル、107…第2のアンカー記述子、108…第2のファイル管理情報、401…管理情報配置テーブル、402…ファイルテーブル、403…記録領域テーブル、404…アロケーションルールセットテーブル、405…ファイル識別子テーブル、501…ファイルセット識別子、502…終端記述子、503…ルートファイルのファイルエントリ、504…ファイル識別記述子、505…ファイルエントリ、506ファイルデータ、507…空き領域、601…光ディスク、602…光ヘッド、603…信号処理回路、604…制御マイコン、605…サーボ、606…インターフェース、607…入出力端子、701…更新されたサブファイル管理情報、801…ファイル情報サイズ情報
Claims (13)
- 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
少なくとも2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第2のファイル管理情報を第1のファイル管理情報上でファイルとして扱うとともに、
第1のファイル管理情報の記録位置を示す第1のアンカー記述子を予め記録しておき、
ファイル更新後に、第2のファイル管理情報の記録位置を示す第2のアンカー記述子を記録することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項1に記載のファイル管理方法であって、
第2のファイル管理情報が記録された第1のファイル管理情報のファイルの属性情報に、当該ファイルはファイル管理情報であることを意味する属性を付加することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項1に記載のファイル管理方法であって、
第2のファイル管理情報が記録された第1のファイル管理情報のファイルに、あらかじめ決められた特定のファイル名を付けることを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
少なくとも2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報上で一つのファイルとして扱うとともに、
第1のファイル管理情報の記録位置を示す第1のアンカー記述子を予め記録しておき、
ファイル更新後に、第2のファイル管理情報の記録位置を示す第2のアンカー記述子を記録することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項4に記載のファイル管理方法であって、
第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを扱う第1のファイル管理情報上のファイルの属性情報に、当該ファイルはファイル管理情報であることを意味する属性を付加することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項4に記載のファイル管理情報であって、
第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを扱う第1のファイル管理情報上のファイルに、あらかじめ決められた特定のファイル名を付けることを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
少なくとも2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報上で一つのファイルとして扱うことをとともに、
第1のファイル管理情報の記録位置を示す第1のアンカー記述子を予め記録しておき、
ファイル更新後に、第2のファイル管理情報の記録位置を示す第2のアンカー記述子を記録することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項7に記載のファイル管理方法であって、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを記録する第1のファイル管理情報上のファイルの属性情報に、当該ファイルはファイル管理情報であることを意味する属性を付加することを特徴とするファイル管理方法。 - 請求項7に記載のファイル管理方法であって、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを記録する第1のファイル管理情報上のファイルに、あらかじめ決められた特定のファイル名を付けることを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上にファイル形式のデータを記録する記録装置であって、
請求項1から請求項9に記載のいずれかのファイル管理方法に対応するファイル管理方式でファイルデータを記録することを特徴とする記録装置。 - 記録媒体上からファイル形式のデータを再生する再生装置であって、
請求項1から請求項9の記載のいずれかのファイル管理方法に対応した記録媒体からファイルデータを再生することを特徴とする再生装置。 - 記録媒体上からファイル形式のデータを再生する再生装置であって、
請求項1から請求項9の記載のいずれかのファイル管理方法に対応した記録媒体からファイルデータを再生する際に、
第2のアンカー記述子を検出した際には、第2のファイル管理情報を使用してファイルにアクセスし、
第2のアンカー記述子が検出されない場合には、第1のファイル管理情報を使用してファイルにアクセスすることを特徴とする再生装置。 - 記録媒体であって、
請求項1から請求項9に記載のいずれかのファイル管理方法に対応したファイル管理情報を記録することを特徴とする記録媒体。
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