JP2005011430A - ファイル管理方法、記録装置、再生装置、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】別のファイルシステムが存在するディスクに記録を行う場合、別のファイルシステムが管理するデータを上書きしてしまう問題がある。
【解決手段】AV用ファイルシステムと別のファイルシステムの両方に対応したブリッジファイルシステムで記録媒体をフォーマットするときに、別のファイルシステムが存在することを示すストリームをファーストプレイ用データとして記録する。
また、AV用ファイルシステムとは別のファイルシステムが管理するデータが存在する場合、別のファイルシステムが存在することを示すストリームをファーストプレイとして再生する。
【選択図】 図1
【解決手段】AV用ファイルシステムと別のファイルシステムの両方に対応したブリッジファイルシステムで記録媒体をフォーマットするときに、別のファイルシステムが存在することを示すストリームをファーストプレイ用データとして記録する。
また、AV用ファイルシステムとは別のファイルシステムが管理するデータが存在する場合、別のファイルシステムが存在することを示すストリームをファーストプレイとして再生する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に記録されたファイルの管理方法に関するものであり、特に光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど、ランダムアクセスの可能な記録媒体上に、ファイル形式のデータを記録し再生する際に用いるファイル管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置や磁気ディスク装置などの記録媒体では、記録したデータファイルへのアクセスを容易にするため、データをファイルとして記録を行っている。この際、これらデータファイルを管理するために、ファイル管理システム(あるいは単にファイルシステムと呼ぶ)を用いている。
【0003】
一般に広く普及している記録媒体として、CD−ROMがあげられる。CD−ROMでは、ISO−9660と呼ばれるファイル管理システムが一般的に使用されている。ISO−9660では、パステーブルと呼ばれるテーブルを使用して、ディレクトリ構造の記述を行っている。このパステーブルには、順番に番号が付加されており、16ビットの値が割り当てられている。
【0004】
一方、より高密度な記録媒体として普及しつつあるDVDには、UDF(Universal Disk Format)と呼ばれるファイルシステムが広く用いられている。UDFでは、ディレクトリごとにファイル識別子とファイルエントリーというテーブルを使用してディレクトリ構造の記述を行っている。
【0005】
DVD−ROMの再生装置においては、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在した。
【0006】
また、近年、画像音声データ(以下、AVデータと呼ぶ)の記録再生用として、欠陥セクタと未使用セクタとを含む管理情報を論理ボリウムの2箇所以上に記録するファイル管理システム(以下、AV用ファイルシステムと呼ぶ)が考案されている。このAV用ファイルシステムでは、ファイル管理のために、ファイルテーブルなどのデータ管理テーブルを使用しているが、テーブルの管理に16ビットの番号を割り当てて使用している。(例えば、特許文献1を参照)
【0007】
【特許文献1】特開平11−312378号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在していた。しかし、AV用ファイルシステムとUDFとの互換性については、これまで考慮されていなかった。
【0009】
また従来のDVD−ROMのような再生専用メディアの場合と異なり、書き換え可能な記録媒体では、記録媒体上のデータを追加記録または削除するにつれ、空き領域が変化するため、その管理が必要となる。
【0010】
また、従来のDVD−ROMのブリッジファイルシステムは、空き領域管理機能を持っておらず、単純に適用することはできない。即ち、AV用ファイルシステムでは2以上の管理情報があり、一方の管理情報で管理しているファイル情報を他方で管理していないときは、他方の管理情報の管理下で上記ファイル情報を削除してしまうという課題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。また、使い勝手の良い記録技術、再生技術、若しくは記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる記録媒体では、2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータをファーストプレイデータとして持つ。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、第1の実施形態について説明をする。
【0014】
本実施形態は、UDFとAV用ファイルシステムのブリッジファイルシステムを用いる。
【0015】
UDFは、DVDをはじめとした記録媒体のファイルシステムとして開発されたPC用途に耐えうる汎用性の高いファイルシステムであり、また近年OSのサポートも一般的となりつつある。よって、UDFファイルシステムからAV用大容量記録媒体へのアクセスを可能とするブリッジファイルシステムを使用すれば、PCからの大容量ファイルあるいは多数のファイルの記録再生が可能となり、かつ、家庭用ビデオレコーダからも従来通りAVデータの記録再生が可能となる。
【0016】
なお、本実施形態において、記録媒体はDVDであるものとして説明するが、本実施形態において、記録媒体は情報を記録するものであれば、DVDに限らずCD(COMPACT DISC)等の光ディスクやMD等の磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどにも適用することができる。
【0017】
図1は、本実施形態にかかるDVD上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。DVDには、メインファイル管理情報によって管理されるメインファイル1から3が、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイル1から4が記録されている。
【0018】
DVDの記録領域10は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、DVD中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0019】
メインアンカー記述子100は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。
【0020】
サブアンカー記述子101は、サブファイル管理情報が記録されている領域を示している。サブファイル管理領域の位置を変更した場合に、サブアンカー記述子を書き換えることにより、サブファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のサブアンカー記述子が、サブアンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のサブアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、サブアンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0021】
メインファイル管理情報104は、DVD上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0022】
ファイル104、105は、ユーザーにより記録されたデータファイルである。サブファイル管理情報103は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0023】
図2は、図1において説明したDVDに記録された情報の例の詳細な図である。図2において、200から205が図1中のメインファイル管理情報102にあたる。図2中の206には、図1中のサブ管理ファイル103、メインファイル1から3、及びサブファイル1から4が記録されている。
【0024】
スペースビットマップ202は、空き領域を管理するためのビットマップであり、DVDの1セクタをビットマップの1ビットに対応させて管理している。
【0025】
ファイルセット記述子200は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、メインファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー203の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。メインファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子200を参照し、ルートファイルエントリー203の書き込み位置を判断する。
【0026】
終端記述子201は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0027】
ルートのファイルエントリー203は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0028】
ファイル識別記述子204には、メインファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0029】
ファイルエントリー205は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0030】
ファイルデータ206へのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子204から、アクセス対象のファイルエントリー205を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0031】
なお、本実施形態では、サブファイル管理情報103とサブファイル1から4とを纏めて一つのファイルとしてメインファイル管理情報102で管理する場合を説明するが、サブファイル管理情報103とサブファイル1から4とを2以上のファイルとしてメインファイル管理情報102で管理するようにしても良い。
【0032】
図3は、図2のサブファイル管理情報103の詳細を示す。管理情報配置テーブル301には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0033】
ファイルテーブル302は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0034】
記録領域テーブル303は、DVD上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0035】
アロケーションルールセットテーブル304は、DVD上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、DVD上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、3096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして3096をセットする。
【0036】
ファイル識別子テーブル305は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0037】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0038】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル105と、それを管理するサブファイル管理情報103とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報102上では、1つのファイルとして管理される。
【0039】
図4は、本実施形態にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0040】
DVD401に記録されている情報は、光ヘッド402により読み出しが行われ、信号処理回路403によって、復調が行われる。これら復調されたデータは、誤り訂正処理などの復号処理が行われ、インターフェース406、入出力端子407を介して外部のホストPC(図示せず)などへセクターデータが出力される。制御マイコン404は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへのアクセスを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0041】
記録時は、入出力端子407、インターフェース406を介して、外部のホストPCなどからセクターデータが入力される。入力されたデータは、信号処理回路403により、誤り訂正符号付加などの符号化処理が行われた後、DVDへの書き込みが可能な変調処理が行われ、光ヘッド402を介して、DVD401上へデータが書き込まれる。制御マイコン404は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへの書き込みを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0042】
なお、サーボ405は、DVDの回転制御および光ヘッドのトラッキング処理などの制御を、制御マイコン404の指示にしたがって行う。
【0043】
まず、サブファイル管理情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0044】
光ディスク401が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン404は、これを検出し、インターフェース406および入出力端子407を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0045】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、メインアンカー記述子100の読み出しを指示する。メインアンカー記述子100には、メインファイル管理情報102の書かれているセクター番号が記録されている。
【0046】
ホストPCは、読み出したメインアンカー記述子100を元に、メインファイル管理情報102の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0047】
まず、ファイルセット記述子200から、メインファイルシステムの基本情報を得る。また、ファイルセット記述子内の情報より、ルートのファイルエントリー記録セクター番号を得、それを元にルートのファイルエントリー203を読み出す。
【0048】
ルートファイルエントリー内には、ルートディレクトリに属するファイルのファイル識別記述子の記録位置が、セクター番号で記載されている。また、そこに記載されたファイル識別記述子の総バイト数も記載されている。これら情報を元に、ファイル識別記述子の記録セクターから、ファイル識別記述子を順次読み出す。
【0049】
ファイル識別記述子204には、メインファイル領域に記録されているファイルの識別子(ファイル名)が各々書かれている。したがって、このファイル識別記述子を参照することにより、メインファイル領域に記録されているファイルのファイル名を得ることが出来る。
【0050】
ホストPCは、得られたファイル識別記述子204から、所望のファイルと一致するものを検索し、対象のファイル識別記述子内のデータを参照する。ファイル識別記述子には、ファイルの記述子のほかに、そのファイル識別子に対応するファイルエントリーの記録位置が、セクター番号で書かれている。ホストPCは、所望のファイル名に対応したファイル識別記述子を検出後、そのファイル識別子に記載されているファイルエントリー205を読み込む。
【0051】
次いで、ホストPCは、ファイルエントリー内のアドレス情報から、所望のファイルの記録先セクター番号と、データ長を得る。ここで得られたセクター番号よりデータを読み出すことにより、メインファイル領域に記録されたデータファイルの読み出しを行うことができる。
【0052】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(103および105)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0053】
メインファイル管理情報102中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0054】
メインファイル管理情報102にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。
【0055】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、“SUBFILES.SYS”に対応するファイルエントリー中の所定領域に記録する。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0056】
次に、サブファイル管理情報にも対応した装置でのサブファイルへのアクセスを行う場合の動作を説明する。
【0057】
サブファイルシステムにも対応した装置では、まず、メインファイルシステムを用いて、“SUBFILES.SYS”の記録位置および長さなどの情報を得る。これは、上述の、メインファイル管理情報にのみ対応した機器におけるファイル検索処理と同様である。
【0058】
図1の例では、サブファイル管理情報103の記録位置は、“SUBFILES.SYS”の記録位置先頭なので、“SUBFILES.SYS”の記録開始位置からデータを読み込み、サブファイル管理情報として内容の解析を行なう。
【0059】
サブファイル管理情報103には、サブファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、サブファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0060】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0061】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0062】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0063】
次に、サブファイル管理情報で管理される領域にサブファイルを追加する場合の処理について説明する。
【0064】
サブファイル領域にサブファイルを追加する場合には、まず、メインファイル管理情報102を用いて、ディスク上の空き領域を探し、ディスク上にファイルデータを書き込む。具体的には、メインファイル管理情報内のスペースビットマップ202を読み出し、これを元に、ディスク上の使用済み領域を調べればよい。
【0065】
サブファイルの追加は、サブファイル領域の後ろにデータを追加すればよいが、サブファイル領域の後ろに空き領域がない場合には、サブファイル領域に不連続が生じるが、問題はない。
【0066】
ここで、追加されたサブファイルデータの分だけサブファイル領域のサイズは増加するので、この増加分は、“SUBFILES.SYS”のファイルが増大したものとして、メインファイル管理情報に反映する。
【0067】
万一、サブファイルの記録が連続した領域に行うことができず、分割された場合でも、“SUBFLES.SYS”の記録領域に相当する メインファイル管理情報のスペースビットマップに、複数の記録領域を割り当てることで、分割記録にも対応することが出来る。
【0068】
記録されたサブファイルのファイル名、データ記録位置、データ長などの情報は、ファイルエントリー205およびサブファイル管理情報103内のファイル識別子テーブル305に追加することにより、サブファイルへのアクセスが可能となる。
【0069】
以上のような処理により、サブファイル管理情報にファイルが追加される。同時に、メインファイル管理情報にも、記録領域の情報が反映される。また、サブファイルの削除などにより、サブファイル領域のサイズが減少した場合にも、“SUBFILES.SYS”のファイルサイズが変化したものとして、メインファイル管理情報を書き換えれば、双方のファイルシステム上矛盾が生じることはない。
【0070】
次に、メインファイル情報に対応せず、サブファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0071】
光ディスク401が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン404は、これを検出し、インターフェース406および入出力端子407を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0072】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、サブアンカー記述子101の読み出しを指示する。サブアンカー記述子101には、サブファイル管理情報103の書かれているセクター番号が記録されている。
【0073】
ホストPCは、読み出したサブアンカー記述子101を元に、サブファイル管理情報103の記録されているセクター番号を求め、サブファイル管理情報の読み出しを行う。
【0074】
サブファイル管理情報103には、サブファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、サブファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0075】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0076】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0077】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0078】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの書き込みを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、書き込み対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0079】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0080】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0081】
ところで、本実施形態のブリッジファイルシステムで記録したディスクに、本実施形態のブリッジファイルシステムに対応していないファイルシステムで追加記録を行った場合、追加記録されたデータが本実施形態のブリッジファイルシステムにより上書きされる可能性がある。
【0082】
たとえば、本実施形態のブリッジファイルシステムで記録したディスクに、サブファイル管理情報にのみ対応したファイルシステム(たとえば、従来のAV用ファイルシステム)でファイルAを追加記録し、さらに本実施形態のブリッジファイルシステムでファイルBを追加記録する場合、ファイルAに割り当てられた領域が使用済みであるという情報が、メインファイル管理情報には反映されていないため、ファイルAに割り当て済みの領域を空き領域であると判断して、ファイルBに割り当ててしまう可能性がある。このとき、ファイルAはファイルBにより上書きされてしまうことになり、ファイルAのデータがユーザの意図に反して失われてしまうという問題になる。
【0083】
この問題を解決するためには、以下のような警告表示を行うことが有効である。
DVD−VideoのようなAV用ディスクには、ファーストプレイ機能がある。これは、DVD−Videoのコンテンツのライセンス保持者の情報や再生時の注意事項といったユーザへのメッセージを、AVデータ再生に先駆けて表示する機能である。すべてのユーザに少なくとも一度は目を通してもらいたい内容を表示する目的を持つため、DVDプレーヤの早送りボタンや頭出しボタンを押しても、ファーストプレイ映像をスキップすることはできない。よって、ファーストプレイとして再生されるAVストリームデータとして、複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームを追加し、ディスク再生に先立ってメッセージストリームを再生することで、ユーザに対して注意を喚起することができる。
【0084】
図5および図6を用いて、PC上で本実施形態のブリッジファイルシステムを用いてディスクをフォーマットする時に、メッセージストリームを追加する手順について説明する。
【0085】
図5は、本実施形態のブリッジファイルシステムに対応した、ホストPCのアプリケーションがAV用大容量ディスクをフォーマットする時の処理手順を示したフローチャートである。
【0086】
図6は、本実施形態のブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造である。
【0087】
図6中、60はAV用大容量ディスクの記録領域、600はUDFのアンカー記述子、602はUDFのファイル管理情報、601はAV用ファイルシステムのアンカー記述子、603はAV用ファイルシステムのファイル管理情報、605はAV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイルを示す。
【0088】
この例では、AV用ファイルシステムのファイル管理情報によって管理されるファイルが1つだけ、存在している。
【0089】
アプリケーションが、ユーザに対して、AV用大容量ディスクをフォーマットするかどうか、ダイアローグを表示し問い合わせる(501)。ユーザが「No」を選択するとフォーマットを行わず終了するが、「Yes」を選択すると、次のダイアローグを表示し、ファイルシステムを選択する(502)。UDFファイルシステムを選択した場合、従来のUDFファイルシステムでフォーマットを行い(503)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、UDFファイルシステムに対応したPC上でアクセス可能となる。しかし、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器ではアクセス不可能である。また、AV用ファイルシステムを選択した場合は、従来のAV用ファイルシステムでフォーマットを行い(504)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、AV用ファイルシステムに対応したPCまたはAV機器でアクセス可能となる。しかし、UDFファイルシステムのみに対応したPCではアクセス不可能である。本実施形態のブリッジファイルシステムを選択した場合は、図6で示したようなデータ構造でフォーマットを行い(505)、複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームをファーストプレイ用データとして記録し(506)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、UDFファイルシステムに対応したPC上でアクセス可能であり、また、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器でもアクセス可能である。もちろん、本実施形態のブリッジファイルシステムでアクセス可能である。また、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器で再生した場合は、AVデータの再生に先駆けて複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームがファーストプレイされる。
【0090】
以下、本実施形態の実施の別の具体的な形態を図を用いて詳細に説明する。
【0091】
図7は、本実施形態にかかる光ディスク上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。
【0092】
図7中、701は光ディスクの記録領域、702はアンカー記述子、703はメインファイル管理情報、704はメインファイル管理情報で管理されるファイル、705はサブファイル管理情報、706はサブファイル管理情報で管理されるサブファイルを示す。
【0093】
この例では、メインファイル情報によって管理されるファイルが3つ、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイルが4つ、存在している。
【0094】
701の光ディスクの記録領域は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、ディスク中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0095】
アンカー記述子は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。メインファイル管理領域の位置を変更した場合に、アンカー記述子を書き換えることにより、メインファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のアンカー記述子が、アンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、アンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0096】
メインファイル管理情報は、光ディスク上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0097】
ファイルは、ユーザーにより記録されたデータファイルである。
【0098】
サブファイル管理情報は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0099】
図8は、メインファイル管理情報の詳細を示す。
【0100】
図8中、801は管理情報配置テーブル、802はファイルテーブル、803は記録領域テーブル、804はアロケーションルールセットテーブル、805はファイル識別子テーブルである。
【0101】
管理情報配置テーブル801には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0102】
ファイルテーブル802は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0103】
記録領域テーブル803は、ディスク上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0104】
アロケーションルールセットテーブル804は、ディスク上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、ディスク上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、4096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして4096をセットする。
【0105】
ファイル識別子テーブル805は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0106】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0107】
図9は、サブファイル領域の詳細を示す。
【0108】
図9中、901はファイルセット記述子、902は終端記述子、903はルートディレクトリのファイルエントリー、904はファイル識別記述子、905はファイルエントリー、906はファイルデータ、907は空き領域である。
【0109】
ここで、901から905がサブファイル管理情報にあたる。906には、複数のサブファイルのデータが記録されている。
【0110】
ファイルセット記述子901は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、サブファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー903の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。サブファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子901を参照し、ルートファイルエントリー903の書き込み位置を判断する。
【0111】
終端記述子902は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0112】
ルートのファイルエントリー903は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0113】
ファイル識別記述子904には、サブファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0114】
ファイルエントリー905は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0115】
ファイルへのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子904から、アクセス対象のファイルエントリー804を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0116】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル706と、それを管理するサブファイル管理情報705とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報703上では、1つのファイルとして管理される。
【0117】
図10は、本実施形態にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0118】
図10は、図4と同じであるので、各部の詳細説明は省略する。
【0119】
まず、サブファイル情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0120】
光ディスク1001が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン1004は、これを検出し、インターフェース1006および入出力端子1007を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0121】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、アンカー記述子702の読み出しを指示する。アンカー記述子702には、メインファイル管理情報703の書かれているセクター番号が記録されている。
【0122】
ホストPCは、読み出したアンカー記述子702を元に、メインファイル管理情報703の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0123】
メインファイル管理情報703には、メインファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、メインファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0124】
メインファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル801を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル802を検索する。各ファイルテーブル802には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0125】
ファイルテーブル802が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル803内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0126】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(705および706)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0127】
メインファイル管理情報703中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0128】
メインファイル管理情報703にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。メインファイル管理情報にのみ対応した機器でも、“SUBFILES.SYS”以外のファイルへのアクセスは、全く通常通り行うことができる。
【0129】
また、サブファイル706やサブファイル管理情報705は、メインファイルシステムとは独立して記録されているので、メインファイルシステム上のデータには、まったく影響を与えない。
【0130】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、ファイルテーブル802中の所定領域を割り当てる。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0131】
しかし、さらに明示的に、サブファイル管理情報で管理されるデータへの不正なアクセスを回避する方法として、第一の実施例と同様に、ファーストプレイ機能を活用した警告表示が有効である。
【0132】
第一の実施例と比べて、図6で示したデータ構造が、図11のようなデータ構造に変わるだけで、その機能と効果は同じであるので、詳細の説明は割愛する。
【0133】
図11は、本実施形態のブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造の別の例である。
【0134】
図11中、1101はAV用大容量ディスクの記録領域、1102はAV用ファイルシステムのアンカー記述子、1103はAV用ファイルシステムのファイル管理情報、1104はAV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイル、1105はUDFのファイル管理情報を示す。
【0135】
この例では、AV用ファイルシステムのファイル管理情報によって管理されるファイルが1つだけ、存在している。
【0136】
以上のように、本実施形態にかかるファイルシステムでは、ファーストプレイとしてサブファイル管理情報が含まれることを示すメッセージストリームを再生することで、サブファイルシステムが管理するデータを誤って削除するといった事態を未然に回避できる。
【0137】
加えて、メインファイルシステムで使用可能な容量が、サブファイル管理情報で管理されるデータが使用している分に相当する容量だけディスク容量より減っていることを、ユーザに明示的に知らせることで、使用可能容量つまり記録可能時間が少なくなっている理由をユーザが容易に理解できるという、別の効果もある。
【0138】
本実施形態によれば、PC用のファイルシステムとAV用のファイルシステムが共存するメディア上のデータを、誤って消してしまうことを未然に防ぐことができるという効果がある。
【0139】
【発明の効果】
以上、本発明は、使い勝手の良い記録技術、再生技術、若しくは記録媒体を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファイル管理情報の記録方法
【図2】メインファイル管理情報の構造
【図3】サブファイル管理情報の配置方法
【図4】記録再生装置のブロック図
【図5】AV用大容量ディスクをフォーマットする時の処理手順
【図6】ブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造
【図7】ファイル管理情報の記録方法
【図8】メインファイル管理情報の構造
【図9】サブファイル管理情報の配置方法
【図10】記録再生装置のブロック図
【図11】ブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造
【符号の説明】
10…光ディスクの記録領域、100…メインアンカー記述子、101…サブアンカー記述子、102…メインファイル管理情報、103…サブファイル管理情報、104…メインファイル、105…サブファイル、200…ファイルセット識別子、201…終端記述子、202…スペースビットマップ、203…ルートファイルのファイルエントリ、204…ファイル識別記述子、205…ファイルエントリ、206…ファイルデータ、207…空き領域、301…管理情報配置テーブル、302…ファイルテーブル、303…記録領域テーブル、304…アロケーションルールセットテーブル、305…ファイル識別子テーブル、401…光ディスク、402…光ヘッド、403…信号処理回路、404…制御マイコン、405…サーボ、406…インターフェース、407…入出力端子、60…AV用大容量ディスクの記録領域、600…UDFのアンカー記述子、601…AV用ファイルシステムのアンカー記述子、602…UDFのファイル管理情報、603…AV用ファイルシステムのファイル管理情報、605…ファーストプレイデータが含まれるファイル、701…光ディスクの記録領域、702…アンカー記述子、703…メインファイル管理情報、704…メインファイル管理情報で管理されるファイル、705…サブファイル管理情報、706…サブファイル管理情報で管理されるサブファイル、801…管理情報配置テーブル、802…ファイルテーブル、803…記録領域テーブル、804…アロケーションルールセットテーブル、805…ファイル識別子テーブル、901…ファイルセット記述子、902…終端記述子、903…ルートディレクトリのファイルエントリー、904…ファイル識別記述子、905…ファイルエントリー、906…ファイルデータ、907…空き領域、1101…AV用大容量ディスクの記録領域、1102…AV用ファイルシステムのアンカー記述子、1103…AV用ファイルシステムのファイル管理情報、1104…AV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイル、1105…UDFのファイル管理情報
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に記録されたファイルの管理方法に関するものであり、特に光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど、ランダムアクセスの可能な記録媒体上に、ファイル形式のデータを記録し再生する際に用いるファイル管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置や磁気ディスク装置などの記録媒体では、記録したデータファイルへのアクセスを容易にするため、データをファイルとして記録を行っている。この際、これらデータファイルを管理するために、ファイル管理システム(あるいは単にファイルシステムと呼ぶ)を用いている。
【0003】
一般に広く普及している記録媒体として、CD−ROMがあげられる。CD−ROMでは、ISO−9660と呼ばれるファイル管理システムが一般的に使用されている。ISO−9660では、パステーブルと呼ばれるテーブルを使用して、ディレクトリ構造の記述を行っている。このパステーブルには、順番に番号が付加されており、16ビットの値が割り当てられている。
【0004】
一方、より高密度な記録媒体として普及しつつあるDVDには、UDF(Universal Disk Format)と呼ばれるファイルシステムが広く用いられている。UDFでは、ディレクトリごとにファイル識別子とファイルエントリーというテーブルを使用してディレクトリ構造の記述を行っている。
【0005】
DVD−ROMの再生装置においては、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在した。
【0006】
また、近年、画像音声データ(以下、AVデータと呼ぶ)の記録再生用として、欠陥セクタと未使用セクタとを含む管理情報を論理ボリウムの2箇所以上に記録するファイル管理システム(以下、AV用ファイルシステムと呼ぶ)が考案されている。このAV用ファイルシステムでは、ファイル管理のために、ファイルテーブルなどのデータ管理テーブルを使用しているが、テーブルの管理に16ビットの番号を割り当てて使用している。(例えば、特許文献1を参照)
【0007】
【特許文献1】特開平11−312378号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ISO−9660とUDFとの互換性をとるためのファイルとしてのブリッジファイルシステムが存在していた。しかし、AV用ファイルシステムとUDFとの互換性については、これまで考慮されていなかった。
【0009】
また従来のDVD−ROMのような再生専用メディアの場合と異なり、書き換え可能な記録媒体では、記録媒体上のデータを追加記録または削除するにつれ、空き領域が変化するため、その管理が必要となる。
【0010】
また、従来のDVD−ROMのブリッジファイルシステムは、空き領域管理機能を持っておらず、単純に適用することはできない。即ち、AV用ファイルシステムでは2以上の管理情報があり、一方の管理情報で管理しているファイル情報を他方で管理していないときは、他方の管理情報の管理下で上記ファイル情報を削除してしまうという課題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。また、使い勝手の良い記録技術、再生技術、若しくは記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる記録媒体では、2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータをファーストプレイデータとして持つ。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、第1の実施形態について説明をする。
【0014】
本実施形態は、UDFとAV用ファイルシステムのブリッジファイルシステムを用いる。
【0015】
UDFは、DVDをはじめとした記録媒体のファイルシステムとして開発されたPC用途に耐えうる汎用性の高いファイルシステムであり、また近年OSのサポートも一般的となりつつある。よって、UDFファイルシステムからAV用大容量記録媒体へのアクセスを可能とするブリッジファイルシステムを使用すれば、PCからの大容量ファイルあるいは多数のファイルの記録再生が可能となり、かつ、家庭用ビデオレコーダからも従来通りAVデータの記録再生が可能となる。
【0016】
なお、本実施形態において、記録媒体はDVDであるものとして説明するが、本実施形態において、記録媒体は情報を記録するものであれば、DVDに限らずCD(COMPACT DISC)等の光ディスクやMD等の磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスクなどにも適用することができる。
【0017】
図1は、本実施形態にかかるDVD上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。DVDには、メインファイル管理情報によって管理されるメインファイル1から3が、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイル1から4が記録されている。
【0018】
DVDの記録領域10は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、DVD中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0019】
メインアンカー記述子100は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。
【0020】
サブアンカー記述子101は、サブファイル管理情報が記録されている領域を示している。サブファイル管理領域の位置を変更した場合に、サブアンカー記述子を書き換えることにより、サブファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のサブアンカー記述子が、サブアンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のサブアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、サブアンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0021】
メインファイル管理情報104は、DVD上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0022】
ファイル104、105は、ユーザーにより記録されたデータファイルである。サブファイル管理情報103は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0023】
図2は、図1において説明したDVDに記録された情報の例の詳細な図である。図2において、200から205が図1中のメインファイル管理情報102にあたる。図2中の206には、図1中のサブ管理ファイル103、メインファイル1から3、及びサブファイル1から4が記録されている。
【0024】
スペースビットマップ202は、空き領域を管理するためのビットマップであり、DVDの1セクタをビットマップの1ビットに対応させて管理している。
【0025】
ファイルセット記述子200は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、メインファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー203の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。メインファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子200を参照し、ルートファイルエントリー203の書き込み位置を判断する。
【0026】
終端記述子201は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0027】
ルートのファイルエントリー203は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0028】
ファイル識別記述子204には、メインファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0029】
ファイルエントリー205は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0030】
ファイルデータ206へのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子204から、アクセス対象のファイルエントリー205を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0031】
なお、本実施形態では、サブファイル管理情報103とサブファイル1から4とを纏めて一つのファイルとしてメインファイル管理情報102で管理する場合を説明するが、サブファイル管理情報103とサブファイル1から4とを2以上のファイルとしてメインファイル管理情報102で管理するようにしても良い。
【0032】
図3は、図2のサブファイル管理情報103の詳細を示す。管理情報配置テーブル301には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0033】
ファイルテーブル302は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0034】
記録領域テーブル303は、DVD上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0035】
アロケーションルールセットテーブル304は、DVD上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、DVD上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、3096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして3096をセットする。
【0036】
ファイル識別子テーブル305は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0037】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0038】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル105と、それを管理するサブファイル管理情報103とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報102上では、1つのファイルとして管理される。
【0039】
図4は、本実施形態にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0040】
DVD401に記録されている情報は、光ヘッド402により読み出しが行われ、信号処理回路403によって、復調が行われる。これら復調されたデータは、誤り訂正処理などの復号処理が行われ、インターフェース406、入出力端子407を介して外部のホストPC(図示せず)などへセクターデータが出力される。制御マイコン404は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへのアクセスを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0041】
記録時は、入出力端子407、インターフェース406を介して、外部のホストPCなどからセクターデータが入力される。入力されたデータは、信号処理回路403により、誤り訂正符号付加などの符号化処理が行われた後、DVDへの書き込みが可能な変調処理が行われ、光ヘッド402を介して、DVD401上へデータが書き込まれる。制御マイコン404は、外部のホストPCなどからの指令を受け、指定されたセクターへの書き込みを行うよう、装置全体の制御を行う。
【0042】
なお、サーボ405は、DVDの回転制御および光ヘッドのトラッキング処理などの制御を、制御マイコン404の指示にしたがって行う。
【0043】
まず、サブファイル管理情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0044】
光ディスク401が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン404は、これを検出し、インターフェース406および入出力端子407を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0045】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、メインアンカー記述子100の読み出しを指示する。メインアンカー記述子100には、メインファイル管理情報102の書かれているセクター番号が記録されている。
【0046】
ホストPCは、読み出したメインアンカー記述子100を元に、メインファイル管理情報102の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0047】
まず、ファイルセット記述子200から、メインファイルシステムの基本情報を得る。また、ファイルセット記述子内の情報より、ルートのファイルエントリー記録セクター番号を得、それを元にルートのファイルエントリー203を読み出す。
【0048】
ルートファイルエントリー内には、ルートディレクトリに属するファイルのファイル識別記述子の記録位置が、セクター番号で記載されている。また、そこに記載されたファイル識別記述子の総バイト数も記載されている。これら情報を元に、ファイル識別記述子の記録セクターから、ファイル識別記述子を順次読み出す。
【0049】
ファイル識別記述子204には、メインファイル領域に記録されているファイルの識別子(ファイル名)が各々書かれている。したがって、このファイル識別記述子を参照することにより、メインファイル領域に記録されているファイルのファイル名を得ることが出来る。
【0050】
ホストPCは、得られたファイル識別記述子204から、所望のファイルと一致するものを検索し、対象のファイル識別記述子内のデータを参照する。ファイル識別記述子には、ファイルの記述子のほかに、そのファイル識別子に対応するファイルエントリーの記録位置が、セクター番号で書かれている。ホストPCは、所望のファイル名に対応したファイル識別記述子を検出後、そのファイル識別子に記載されているファイルエントリー205を読み込む。
【0051】
次いで、ホストPCは、ファイルエントリー内のアドレス情報から、所望のファイルの記録先セクター番号と、データ長を得る。ここで得られたセクター番号よりデータを読み出すことにより、メインファイル領域に記録されたデータファイルの読み出しを行うことができる。
【0052】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(103および105)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0053】
メインファイル管理情報102中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0054】
メインファイル管理情報102にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。
【0055】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、“SUBFILES.SYS”に対応するファイルエントリー中の所定領域に記録する。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0056】
次に、サブファイル管理情報にも対応した装置でのサブファイルへのアクセスを行う場合の動作を説明する。
【0057】
サブファイルシステムにも対応した装置では、まず、メインファイルシステムを用いて、“SUBFILES.SYS”の記録位置および長さなどの情報を得る。これは、上述の、メインファイル管理情報にのみ対応した機器におけるファイル検索処理と同様である。
【0058】
図1の例では、サブファイル管理情報103の記録位置は、“SUBFILES.SYS”の記録位置先頭なので、“SUBFILES.SYS”の記録開始位置からデータを読み込み、サブファイル管理情報として内容の解析を行なう。
【0059】
サブファイル管理情報103には、サブファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、サブファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0060】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0061】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0062】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0063】
次に、サブファイル管理情報で管理される領域にサブファイルを追加する場合の処理について説明する。
【0064】
サブファイル領域にサブファイルを追加する場合には、まず、メインファイル管理情報102を用いて、ディスク上の空き領域を探し、ディスク上にファイルデータを書き込む。具体的には、メインファイル管理情報内のスペースビットマップ202を読み出し、これを元に、ディスク上の使用済み領域を調べればよい。
【0065】
サブファイルの追加は、サブファイル領域の後ろにデータを追加すればよいが、サブファイル領域の後ろに空き領域がない場合には、サブファイル領域に不連続が生じるが、問題はない。
【0066】
ここで、追加されたサブファイルデータの分だけサブファイル領域のサイズは増加するので、この増加分は、“SUBFILES.SYS”のファイルが増大したものとして、メインファイル管理情報に反映する。
【0067】
万一、サブファイルの記録が連続した領域に行うことができず、分割された場合でも、“SUBFLES.SYS”の記録領域に相当する メインファイル管理情報のスペースビットマップに、複数の記録領域を割り当てることで、分割記録にも対応することが出来る。
【0068】
記録されたサブファイルのファイル名、データ記録位置、データ長などの情報は、ファイルエントリー205およびサブファイル管理情報103内のファイル識別子テーブル305に追加することにより、サブファイルへのアクセスが可能となる。
【0069】
以上のような処理により、サブファイル管理情報にファイルが追加される。同時に、メインファイル管理情報にも、記録領域の情報が反映される。また、サブファイルの削除などにより、サブファイル領域のサイズが減少した場合にも、“SUBFILES.SYS”のファイルサイズが変化したものとして、メインファイル管理情報を書き換えれば、双方のファイルシステム上矛盾が生じることはない。
【0070】
次に、メインファイル情報に対応せず、サブファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0071】
光ディスク401が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン404は、これを検出し、インターフェース406および入出力端子407を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0072】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、サブアンカー記述子101の読み出しを指示する。サブアンカー記述子101には、サブファイル管理情報103の書かれているセクター番号が記録されている。
【0073】
ホストPCは、読み出したサブアンカー記述子101を元に、サブファイル管理情報103の記録されているセクター番号を求め、サブファイル管理情報の読み出しを行う。
【0074】
サブファイル管理情報103には、サブファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、サブファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0075】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0076】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0077】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0078】
サブファイル管理情報を用いて所定のファイルの書き込みを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル301を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル302を検索する。各ファイルテーブル302には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、書き込み対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0079】
ファイルテーブル302が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル303内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0080】
以上のような処理により、サブファイル領域内のファイルへのアクセスが可能となる。
【0081】
ところで、本実施形態のブリッジファイルシステムで記録したディスクに、本実施形態のブリッジファイルシステムに対応していないファイルシステムで追加記録を行った場合、追加記録されたデータが本実施形態のブリッジファイルシステムにより上書きされる可能性がある。
【0082】
たとえば、本実施形態のブリッジファイルシステムで記録したディスクに、サブファイル管理情報にのみ対応したファイルシステム(たとえば、従来のAV用ファイルシステム)でファイルAを追加記録し、さらに本実施形態のブリッジファイルシステムでファイルBを追加記録する場合、ファイルAに割り当てられた領域が使用済みであるという情報が、メインファイル管理情報には反映されていないため、ファイルAに割り当て済みの領域を空き領域であると判断して、ファイルBに割り当ててしまう可能性がある。このとき、ファイルAはファイルBにより上書きされてしまうことになり、ファイルAのデータがユーザの意図に反して失われてしまうという問題になる。
【0083】
この問題を解決するためには、以下のような警告表示を行うことが有効である。
DVD−VideoのようなAV用ディスクには、ファーストプレイ機能がある。これは、DVD−Videoのコンテンツのライセンス保持者の情報や再生時の注意事項といったユーザへのメッセージを、AVデータ再生に先駆けて表示する機能である。すべてのユーザに少なくとも一度は目を通してもらいたい内容を表示する目的を持つため、DVDプレーヤの早送りボタンや頭出しボタンを押しても、ファーストプレイ映像をスキップすることはできない。よって、ファーストプレイとして再生されるAVストリームデータとして、複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームを追加し、ディスク再生に先立ってメッセージストリームを再生することで、ユーザに対して注意を喚起することができる。
【0084】
図5および図6を用いて、PC上で本実施形態のブリッジファイルシステムを用いてディスクをフォーマットする時に、メッセージストリームを追加する手順について説明する。
【0085】
図5は、本実施形態のブリッジファイルシステムに対応した、ホストPCのアプリケーションがAV用大容量ディスクをフォーマットする時の処理手順を示したフローチャートである。
【0086】
図6は、本実施形態のブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造である。
【0087】
図6中、60はAV用大容量ディスクの記録領域、600はUDFのアンカー記述子、602はUDFのファイル管理情報、601はAV用ファイルシステムのアンカー記述子、603はAV用ファイルシステムのファイル管理情報、605はAV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイルを示す。
【0088】
この例では、AV用ファイルシステムのファイル管理情報によって管理されるファイルが1つだけ、存在している。
【0089】
アプリケーションが、ユーザに対して、AV用大容量ディスクをフォーマットするかどうか、ダイアローグを表示し問い合わせる(501)。ユーザが「No」を選択するとフォーマットを行わず終了するが、「Yes」を選択すると、次のダイアローグを表示し、ファイルシステムを選択する(502)。UDFファイルシステムを選択した場合、従来のUDFファイルシステムでフォーマットを行い(503)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、UDFファイルシステムに対応したPC上でアクセス可能となる。しかし、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器ではアクセス不可能である。また、AV用ファイルシステムを選択した場合は、従来のAV用ファイルシステムでフォーマットを行い(504)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、AV用ファイルシステムに対応したPCまたはAV機器でアクセス可能となる。しかし、UDFファイルシステムのみに対応したPCではアクセス不可能である。本実施形態のブリッジファイルシステムを選択した場合は、図6で示したようなデータ構造でフォーマットを行い(505)、複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームをファーストプレイ用データとして記録し(506)、終了する。この方法でフォーマットされたディスクは、UDFファイルシステムに対応したPC上でアクセス可能であり、また、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器でもアクセス可能である。もちろん、本実施形態のブリッジファイルシステムでアクセス可能である。また、AV用ファイルシステムのみに対応したPCまたはAV機器で再生した場合は、AVデータの再生に先駆けて複数のファイルシステムが入っていることを示すメッセージストリームがファーストプレイされる。
【0090】
以下、本実施形態の実施の別の具体的な形態を図を用いて詳細に説明する。
【0091】
図7は、本実施形態にかかる光ディスク上のファイル管理情報およびファイルの配置を示す。
【0092】
図7中、701は光ディスクの記録領域、702はアンカー記述子、703はメインファイル管理情報、704はメインファイル管理情報で管理されるファイル、705はサブファイル管理情報、706はサブファイル管理情報で管理されるサブファイルを示す。
【0093】
この例では、メインファイル情報によって管理されるファイルが3つ、サブファイル管理情報によって管理されるサブファイルが4つ、存在している。
【0094】
701の光ディスクの記録領域は、所定長さのセクター構造をしており、各セクターは2048バイトのデータを記録することができる。また、各セクターには、ディスク中央部分から順番にセクター番号が割り当てられており、このセクター番号によって、アクセスを行うセクターを指定することが出来る。
【0095】
アンカー記述子は、メインファイル管理情報が記録されている領域を示している。メインファイル管理領域の位置を変更した場合に、アンカー記述子を書き換えることにより、メインファイル管理領域の読み出し位置を変更することが出来る。また、複数のアンカー記述子が、アンカー記述子記録領域に記録されている場合、最後部のアンカー記述子のみを参照するように規定することにより、アンカー記述子記録領域の書き換え回数を減らすことが出来る。また、ライトワンスと呼ばれる追記型記録方式への対応も容易となる。
【0096】
メインファイル管理情報は、光ディスク上に記録されているデータファイルの記録位置やデータサイズ、ファイル識別子(ファイル名)などの情報を管理する領域である。
【0097】
ファイルは、ユーザーにより記録されたデータファイルである。
【0098】
サブファイル管理情報は、サブファイルの情報を管理する領域であり、サブファイル管理情報とサブファイルをまとめて、メインファイルシステム上の一つのメインファイルの如く扱う。
【0099】
図8は、メインファイル管理情報の詳細を示す。
【0100】
図8中、801は管理情報配置テーブル、802はファイルテーブル、803は記録領域テーブル、804はアロケーションルールセットテーブル、805はファイル識別子テーブルである。
【0101】
管理情報配置テーブル801には、ファイル管理情報内の各テーブルの配置情報が記録されている。具体的には、各テーブルの記録開始番号、テーブル番号からの継続テーブルの有無ないし、継続テーブル番号である。この領域配置情報から、各テーブルのテーブル内容を参照することができる。
【0102】
ファイルテーブル802は、ファイルに対応したファイル識別子テーブル番号、ディレクトリ関係を示すリンク情報、ファイルの属性、拡張属性情報テーブルの番号、ファイルタイプ、ファイル生成時刻、ファイル修正時刻などの情報を含む。ファイルテーブルを参照することにより、各ファイルに対応したテーブルの番号を求めることができる。
【0103】
記録領域テーブル803は、ディスク上の各ファイルの記録位置に関する情報が記録される。具体的には、ファイルの記録開始セクター番号、記録開始位置、記録終了セクター番号、記録終了位置の情報が含まれている。ファイルデータの内容を読み出す際には、この記録領域テーブルから、ファイルデータの記録されているセクター番号を求め、データの読み出しを行う。
【0104】
アロケーションルールセットテーブル804は、ディスク上に配置するデータの分割配置に関する情報などが記録される。これは、データの読み出しが連続して行われるように、ディスク上にデータを記録する際の最小分割サイズを規定したものである。例えば、4096セクター(8MB)単位で連続してセクターを使用する場合には、パラメータとして4096をセットする。
【0105】
ファイル識別子テーブル805は、ファイル識別子の名前とファイル識別子の長さの情報を持つ。一つのファイル識別子テーブルを32バイトとした場合、ファイル識別子長さに4バイトを割り当てると、ファイル識別子の実体には28バイトのデータ領域を割り当てることができる。
【0106】
なお、上記テーブルは、各々32バイトで構成されるが、記録する領域が不足する場合には、複数のテーブルを使用して、記録するデータ長を増やすことができる。
【0107】
図9は、サブファイル領域の詳細を示す。
【0108】
図9中、901はファイルセット記述子、902は終端記述子、903はルートディレクトリのファイルエントリー、904はファイル識別記述子、905はファイルエントリー、906はファイルデータ、907は空き領域である。
【0109】
ここで、901から905がサブファイル管理情報にあたる。906には、複数のサブファイルのデータが記録されている。
【0110】
ファイルセット記述子901は、このファイルシステムに関する詳細な情報が記録されており、これにより、サブファイルシステムの詳細情報を得ることができる。また、ルートファイルエントリー903の書き込まれているセクター番号の情報が記録されている。サブファイルシステムを参照する場合、始めにこのファイルセット記述子901を参照し、ルートファイルエントリー903の書き込み位置を判断する。
【0111】
終端記述子902は、ファイルセット記述子がこれ以上続かないことを意味する記述子である。
【0112】
ルートのファイルエントリー903は、ルートディレクトリを記述したファイルエントリーであり、ルートディレクトリの詳細な情報と、そこに属するファイルのファイル識別記述子の先頭セクター番号が記されている。
【0113】
ファイル識別記述子904には、サブファイルシステム内の各ファイルの名称と、そのファイルのファイルエントリーのセクター番号が記されている。各ディレクトリに対するファイル識別子記録領域には、そのディレクトリに属するファイル数ぶんのファイル識別記述子が記録される。
【0114】
ファイルエントリー905は、各ファイルの属性、記録開始セクター番号、データ長、記録時刻などの情報を有する。
【0115】
ファイルへのアクセスを行う際には、対応するディレクトリー内のファイル識別記述子904から、アクセス対象のファイルエントリー804を参照し、ファイルエントリー内に記録されているファイルのセクター番号から、各ファイルへのアクセスを行う。
【0116】
サブファイル領域は、上述のように、記録されたサブファイル706と、それを管理するサブファイル管理情報705とからなる。サブファイル管理情報およびサブファイルは、それらが記載された記録領域を、メインファイル管理情報上に1つのファイルの如く割り当てることにより、メインファイル管理情報703上では、1つのファイルとして管理される。
【0117】
図10は、本実施形態にかかる記録装置のブロック図を示す。
【0118】
図10は、図4と同じであるので、各部の詳細説明は省略する。
【0119】
まず、サブファイル情報に対応せず、メインファイル管理情報のみに対応した装置で、ファイルを読み出す場合の動作を説明する。
【0120】
光ディスク1001が、ディスクドライブ装置に挿入されると、制御マイコン1004は、これを検出し、インターフェース1006および入出力端子1007を介して、ホストPCへディスクが挿入された旨を通知する。
【0121】
ホストPCは、ディスク挿入通知を受け、まず、アンカー記述子702の読み出しを指示する。アンカー記述子702には、メインファイル管理情報703の書かれているセクター番号が記録されている。
【0122】
ホストPCは、読み出したアンカー記述子702を元に、メインファイル管理情報703の記録されているセクター番号を求め、メインファイル管理情報の読み出しを行う。
【0123】
メインファイル管理情報703には、メインファイルのファイルの識別子や記録位置の情報、ディレクトリ構造など、メインファイルに関するすべての情報がテーブルとして記録されている。
【0124】
メインファイル管理情報を用いて所定のファイルの読み出しを行う場合には、まず、管理情報配置テーブル801を読み出す。管理情報配置テーブ内のデータから、記録されているファイルの全てのファイルテーブル802を検索する。各ファイルテーブル802には、そのファイルテーブルに対応したファイル識別子テーブルの番号が書かれているので、読み出し対象となるファイル名と一致するファイル識別子テーブルを持つものを検索する。この際、ディレクトリについても、ファイルテーブル上に書かれているディレクトリ構造情報から解析を行い、所望のファイルテーブルを見つける。
【0125】
ファイルテーブル802が検索された後、そのファイルテーブルに対応した記録領域テーブル803内の記録領域情報から、読み出し対象となるファイルの記録されているセクター番号、記録バイト数の情報が得られる。この情報を元に、光ディスク情報セクターよりデータの読み出しを行う。
【0126】
ここで、サブファイルシステムによって管理されるデータ(705および706)は、ひとまとまりのファイルの形式で記録されている。すなわち、サブファイルシステムで管理されるデータは、そのデータをひとつのファイルとみなして名前を付け、その記録位置およびデータ長に関する情報を記録する。ここでは、例として、“SUBFILES.SYS”という名称を充てて、以下に説明する。
【0127】
メインファイル管理情報703中には、メインファイルシステムで管理されているファイルのほかに、“SUBFILES.SYS”というファイルが書かれているように扱われる。このファイル名は、メインファイルシステムで通常使用されないファイル識別子とする。無論、このファイル識別子は、他の名前でもいっこうに構わない。但し、メインファイルシステム上で、混乱の生じない名称を用いればよい。
【0128】
メインファイル管理情報703にのみ対応した機器では、“SUBFILES.SYS”へのアクセスは通常生じないため、サブファイル領域へのアクセスは、生じることが無い。したがって、間違えてアクセスを行ったり、データを消去する恐れはなく、メインファイルシステム上、何ら悪影響を与えるものではない。メインファイル管理情報にのみ対応した機器でも、“SUBFILES.SYS”以外のファイルへのアクセスは、全く通常通り行うことができる。
【0129】
また、サブファイル706やサブファイル管理情報705は、メインファイルシステムとは独立して記録されているので、メインファイルシステム上のデータには、まったく影響を与えない。
【0130】
仮に、メインファイル管理情報に対応した装置で、サブファイル管理情報で管理されるデータにアクセスすると不都合が生じる場合には、この“SUBFILES.SYS”に対して、「書き込み禁止」、「読み出し禁止」、「隠しファイル」などの属性情報を必要に応じて付加すればよい。あるいは、“SUBFILES.SYS”は、サブファイルシステムを持つ特殊なファイルなので、これを意味するフラグを、属性情報に付加してもよい。これら属性情報は、ファイルテーブル802中の所定領域を割り当てる。無論、“SUBFILES.SYS”を特殊なディレクトリに格納するなど、様々な方式が考えられる。
【0131】
しかし、さらに明示的に、サブファイル管理情報で管理されるデータへの不正なアクセスを回避する方法として、第一の実施例と同様に、ファーストプレイ機能を活用した警告表示が有効である。
【0132】
第一の実施例と比べて、図6で示したデータ構造が、図11のようなデータ構造に変わるだけで、その機能と効果は同じであるので、詳細の説明は割愛する。
【0133】
図11は、本実施形態のブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造の別の例である。
【0134】
図11中、1101はAV用大容量ディスクの記録領域、1102はAV用ファイルシステムのアンカー記述子、1103はAV用ファイルシステムのファイル管理情報、1104はAV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイル、1105はUDFのファイル管理情報を示す。
【0135】
この例では、AV用ファイルシステムのファイル管理情報によって管理されるファイルが1つだけ、存在している。
【0136】
以上のように、本実施形態にかかるファイルシステムでは、ファーストプレイとしてサブファイル管理情報が含まれることを示すメッセージストリームを再生することで、サブファイルシステムが管理するデータを誤って削除するといった事態を未然に回避できる。
【0137】
加えて、メインファイルシステムで使用可能な容量が、サブファイル管理情報で管理されるデータが使用している分に相当する容量だけディスク容量より減っていることを、ユーザに明示的に知らせることで、使用可能容量つまり記録可能時間が少なくなっている理由をユーザが容易に理解できるという、別の効果もある。
【0138】
本実施形態によれば、PC用のファイルシステムとAV用のファイルシステムが共存するメディア上のデータを、誤って消してしまうことを未然に防ぐことができるという効果がある。
【0139】
【発明の効果】
以上、本発明は、使い勝手の良い記録技術、再生技術、若しくは記録媒体を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファイル管理情報の記録方法
【図2】メインファイル管理情報の構造
【図3】サブファイル管理情報の配置方法
【図4】記録再生装置のブロック図
【図5】AV用大容量ディスクをフォーマットする時の処理手順
【図6】ブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造
【図7】ファイル管理情報の記録方法
【図8】メインファイル管理情報の構造
【図9】サブファイル管理情報の配置方法
【図10】記録再生装置のブロック図
【図11】ブリッジファイルシステムでフォーマットしたディスクのデータ構造
【符号の説明】
10…光ディスクの記録領域、100…メインアンカー記述子、101…サブアンカー記述子、102…メインファイル管理情報、103…サブファイル管理情報、104…メインファイル、105…サブファイル、200…ファイルセット識別子、201…終端記述子、202…スペースビットマップ、203…ルートファイルのファイルエントリ、204…ファイル識別記述子、205…ファイルエントリ、206…ファイルデータ、207…空き領域、301…管理情報配置テーブル、302…ファイルテーブル、303…記録領域テーブル、304…アロケーションルールセットテーブル、305…ファイル識別子テーブル、401…光ディスク、402…光ヘッド、403…信号処理回路、404…制御マイコン、405…サーボ、406…インターフェース、407…入出力端子、60…AV用大容量ディスクの記録領域、600…UDFのアンカー記述子、601…AV用ファイルシステムのアンカー記述子、602…UDFのファイル管理情報、603…AV用ファイルシステムのファイル管理情報、605…ファーストプレイデータが含まれるファイル、701…光ディスクの記録領域、702…アンカー記述子、703…メインファイル管理情報、704…メインファイル管理情報で管理されるファイル、705…サブファイル管理情報、706…サブファイル管理情報で管理されるサブファイル、801…管理情報配置テーブル、802…ファイルテーブル、803…記録領域テーブル、804…アロケーションルールセットテーブル、805…ファイル識別子テーブル、901…ファイルセット記述子、902…終端記述子、903…ルートディレクトリのファイルエントリー、904…ファイル識別記述子、905…ファイルエントリー、906…ファイルデータ、907…空き領域、1101…AV用大容量ディスクの記録領域、1102…AV用ファイルシステムのアンカー記述子、1103…AV用ファイルシステムのファイル管理情報、1104…AV用のファイル管理情報で管理されるファーストプレイデータが含まれるファイル、1105…UDFのファイル管理情報
Claims (12)
- 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報が扱える最大ファイル数が、第2のファイル管理情報が扱える最大ファイル数より大きく、
第2のファイル管理情報を、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法により管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報が扱える最大ファイル数が、第2のファイル管理情報が扱える最大ファイル数より大きく、
第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法により管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報が扱える最大ファイル数が、第2のファイル管理情報が扱える最大ファイル数より大きく、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法で管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報がUDF(Universal Disk Format)ファイルシステムの管理情報であり、
第2のファイル管理情報を、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法により管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報がUDF(Universal Disk Format)ファイルシステムの管理情報であり、
第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法により管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上に記録されたファイル形式のデータを管理するファイル管理方法であって、
2つの異なるファイル管理情報を持ち、
第1のファイル管理情報がUDF(Universal Disk Format)ファイルシステムの管理情報であり、
第2のファイル管理情報と第2のファイル管理情報により管理される複数のファイルを、第1のファイル管理情報で管理されたファイルとして、第1のファイル管理方法で管理し、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを持つことを特徴とするファイル管理方法。 - 記録媒体上にファイル形式のデータを記録する記録装置であって、
請求項1から請求項6に記載のいずれかのファイル管理方法に対応するファイル管理方式でファイルデータを記録することを特徴とする記録装置。 - 記録媒体上からファイル形式のデータを再生する再生装置であって、
請求項1から請求項6の記載のいずれかのファイル管理方法に対応した記録媒体からファイルデータを再生することを特徴とする再生装置。 - 記録媒体であって、
請求項1から請求項6に記載のいずれかのファイル管理方法に対応したファイル管理情報を記録することを特徴とする記録媒体。 - 記録媒体上からファイル形式のデータを再生する再生装置であって、
請求項1から請求項6に記載のいずれかのファイル管理方法に対応するファイル管理方式でファイルデータを記録した記録媒体を認識したときに、2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを再生することを特徴とする再生装置。 - 記録媒体であって、
請求項1から請求項6に記載のいずれかのファイル管理方法に対応したファイル管理情報を記録するときに、2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを記録することを特徴とする記録媒体。 - 請求項12に記載の記録媒体であって、
2つの異なるファイル管理情報を持っていることを示すデータを、ファーストプレイデータとして記録することを特徴とする記録媒体。
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