JP2005011186A - 電子回路及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】主電源が遮断された場合に電荷蓄積手段から供給される電力により駆動される被印加デバイスの動作期間を、装置の配置スペースを増大させることなく長くする。
【解決手段】電子機器11の主電源12は、第1及び第2の配線30,34を介して、それぞれCPU14等及びコンデンサ18と接続される。コンデンサ18は昇圧回路25及び安定化電源回路27を介して第1の配線30に接続される。電圧検出回路28は、第1の配線30における電圧値Vcを検出し、電圧値Vcに基づいて第1及び第2の配線30,34の第1及び第2のスイッチ31,36にオフ信号を出力する。また、第3の配線38の第3のスイッチ41にオン信号を出力する。この結果、コンデンサ18から放電が開始され、昇圧回路25及び安定化電源回路27を介して出力電圧が第1の閾値Vbと等しくなるように昇圧及び安定化された電力が、CPU14等に供給される。
【選択図】 図1
【解決手段】電子機器11の主電源12は、第1及び第2の配線30,34を介して、それぞれCPU14等及びコンデンサ18と接続される。コンデンサ18は昇圧回路25及び安定化電源回路27を介して第1の配線30に接続される。電圧検出回路28は、第1の配線30における電圧値Vcを検出し、電圧値Vcに基づいて第1及び第2の配線30,34の第1及び第2のスイッチ31,36にオフ信号を出力する。また、第3の配線38の第3のスイッチ41にオン信号を出力する。この結果、コンデンサ18から放電が開始され、昇圧回路25及び安定化電源回路27を介して出力電圧が第1の閾値Vbと等しくなるように昇圧及び安定化された電力が、CPU14等に供給される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、CPUとメモリとを備えた電子機器が知られているが、このような電子機器の中には、例えば、携帯電話機のように、メモリに記憶されているデータを更新可能なものが知られている。そして、このような電子機器は、メモリにおけるデータの更新中に、主電源からの電力供給が遮断されると、更新中のデータや、メモリに記憶されているデータが破壊されることがあった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、電圧保持回路を備えた電子機器が知られていた(例えば、特許文献1参照)。詳しくは、この電圧保持回路は、コンデンサ等の電荷蓄積手段を備え、主電源からの電力供給が行われている間、電荷蓄積手段に対して充電を行うようになっていた。そして、主電源からの出力電圧が所定の値まで低下すると、主電源からの電力供給の遮断が発生すると判断して、電荷蓄積手段から放電を行うようになっていた。この結果、ある一定期間、電荷蓄積手段からCPU等に対して電力が供給されるようになり、メモリにおけるデータの更新中に、主電源の電源遮断が生じても、データの破壊が防がれるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−342115号公報(第2−4頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の電圧保持回路においては、電荷蓄積手段における電位は、各装置への放電が開始されると、単調に降下するようになっていた。従って、電荷蓄積手段に、電荷が残存しているにもかかわらず、電荷蓄積手段における電位が低いために、これ以上CPUやメモリを動作させることができなくなることがあった。そして、主電源の電源遮断後における各装置の動作期間が短くなることがあった。
【0006】
また、近年、上記のような電子機器においては、主電源の電源が遮断されたときに、CPUとメモリだけではなく、表示装置等の他の装置に対しても電源を供給する必要のあるものがあった。すなわち、近年においては、電荷蓄積手段から放電される電力の必要量が増加する傾向にあり、上記の動作期間はますます短くなる可能性があった。
【0007】
そこで、電荷蓄積手段の容量を増大させることで、CPU等の被印加デバイスの動作期間を延長することが考えられていた。しかし、電荷蓄積手段の容量を増大させると、電荷蓄積手段の配置スペースが増大し、電子機器の小型化を阻害する原因となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、配置スペースを増大させることなく、主電源が遮断された場合に電荷蓄積手段から供給される電力によって駆動される被印加デバイスの動作期間を長くすることのできる電子回路及び電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主電源と被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子回路において、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態とするための判定値として、前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路とを備えた。
【0010】
従って、本発明によれば、電圧検出手段において検出される電圧値に基づいて、第1のスイッチと第2のスイッチと第3のスイッチとを接続及び非接続状態とするようにした。この結果、例えば、電圧検出手段において検出される電圧値が低く、主電源からの電力供給が遮断するおそれのあるような場合には、電荷蓄積手段において蓄積された電荷によって、被印加デバイスへの電力供給を行うことができるようになる。そしてこのとき、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの出力電圧は、昇圧回路によって昇圧されるので、昇圧回路がない場合に比較して、長時間高い電圧で、被印加デバイスへと電力を供給することができる。
【0011】
従って、例えば、主電源からの電力供給が遮断されることにより電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うようなときに、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができるようになる。また、被印加デバイスの駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0012】
この電子回路において、前記電圧検出手段は、前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、それぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段を備えた。
【0013】
これによれば、電圧検出手段が、信号出力手段を兼ねることができ、電子回路の構成を簡素化させることができる。
この電子回路において、前記信号出力手段は、前記電圧値が閾値を上回っている場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが接続状態となるとともに前記第3のスイッチが非接続状態となるような第1の指示信号を出力し、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となるとともに前記第3のスイッチが接続状態となるような第2の指示信号を出力する。
【0014】
これによれば、電圧検出手段において検出される電圧値が閾値を上回るときには、主電源から被印加デバイス、及び主電源から電荷蓄積手段へと電力が供給される。この結果、電圧値が閾値を上回るときには、被印加デバイスは、主電源からの電力により駆動されるとともに、電荷蓄積手段には電荷が蓄積される。
【0015】
また、電圧検出手段において検出される電圧値が閾値以下である場合には、主電源から被印加デバイス及び電荷蓄積手段への電力供給が遮断され、電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力が供給される。
【0016】
すなわち、閾値の値を、主電源の出力電圧の遮断のおそれがあるか否かを判別できるような値とすることにより、主電源の遮断のおそれのない場合には、主電源から被印加デバイスへと電力を供給し、主電源の遮断のおそれがある場合には、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対してしばらくの間電力を供給するように変化させることができる。従って、主電源からの電力供給が遮断されることにより電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うようなときに、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができるようになる。
【0017】
この電子回路において、前記信号出力手段から出力される前記第2の指示信号を入力し、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となった後に、前記第3のスイッチが接続状態となるような第3の指示信号を出力するタイミング調整回路を備えた。
【0018】
これによれば、信号出力手段から第2の指示信号が出力された場合には、タイミング調整回路により、第1のスイッチ及び第2のスイッチが非接続状態となってから、第3のスイッチが接続状態となる。この結果、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの電力供給は、必ず、主電源と被印加デバイス及び電荷蓄積手段との間の接続が遮断してから行われるようになる。従って、例えば、第1のスイッチ及び第2のスイッチが接続状態となっている間に第3のスイッチが接続状態となることにより、電荷蓄積手段から主電源へと逆流電流が生じたり、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して昇圧手段を介さずに直接電力が供給されたりすることを防ぐことができる。
【0019】
本発明は、主電源と、被印加デバイスと、電荷蓄積手段と、前記主電源と前記被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と前記電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子機器において、前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段と、前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路とを備えた。
【0020】
従って、本発明によれば、電圧検出手段において検出される電圧値に基づいて、信号出力手段によって第1のスイッチと第2のスイッチと第3のスイッチとを接続及び非接続状態とするようにした。この結果、主電源から被印加デバイス及び電荷蓄積手段、電荷蓄積手段から被印加デバイスへのそれぞれの電力の供給及び非供給を、電圧値に基づいて変化させることができる。
【0021】
従って、例えば、電圧検出手段において検出される電圧値が低く、主電源からの電力供給が遮断するおそれのあるような場合には、電荷蓄積手段において蓄積された電荷によって、被印加デバイスへの電力供給を行うことができるようになる。この結果、主電源に何らかの問題が生じて、主電源から供給される電力が思いがけず遮断されても、しばらくの間、被印加デバイスへと電力供給を行うことができ、電力供給の突然の遮断により、被印加デバイスにおいて損傷等が生じることを防ぐことができる。
【0022】
そして、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの出力電圧は、昇圧回路によって昇圧されるので、昇圧回路がない場合に比較して、長時間高い電圧で、被印加デバイスへと電力を供給することができる。この結果、例えば、主電源からの電力供給が遮断されたような場合に、電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うことによって、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができる。なお、被印加デバイスの駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0023】
この電子機器において、前記被印加デバイスは、制御装置と記憶装置と表示装置である。
これによれば、例えば、制御装置が記憶装置に記憶されているデータ等の更新作業を行っているときに、主電源からの電力供給の遮断が生じても、制御装置や記憶装置、表示装置に対して、しばらくの間、電荷蓄積手段から電力供給を行うことができる。従って、データ等の更新作業中に、主電源において思いがけない問題が生じて、主電源からの電力供給の遮断が生じても、電荷蓄積手段からの電力供給によって、データ等の更新が中断されないようにすることができる。この結果、主電源からの電力供給の遮断による、記憶装置におけるデータ等の破壊を防ぐことができる。
【0024】
さらに、電荷蓄積手段から制御装置、記憶装置、表示装置に対しての出力電圧は、昇圧回路にて昇圧されているので、制御装置、記憶装置、表示装置に対して、高い電位で電力を供給することができる。従って、制御装置、記憶装置、表示装置を備えた電子機器を、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができる。
【0025】
なお、制御装置、記憶装置、表示装置の駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0026】
この電子機器において、前記電圧検出手段は、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記制御装置に対して第4の指示信号を出力する手段であり、前記記憶装置は、警告表示用画像データを記憶する装置であり、前記制御装置は、前記第4の指示信号を入力すると、前記警告表示用画像データに基づいて、前記表示装置に警告表示画像を表示する装置である。
【0027】
これによれば、電圧値が閾値以下となると、電圧検出手段から制御装置に対して第4の指示信号が出力され、制御装置は、第4の指示信号に基づいて、記憶装置の警告表示用画像データに基づく警告表示画像を表示装置に表示させる。従って、電子機器において、電圧値が閾値以下となり、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して放電が行われると、表示装置上に、警告表示画像が表示される。この結果、電子機器を使用するユーザーが、表示装置を見ることによって、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して放電が行われているか否かを理解することができる。そして、主電源からの電源供給に遮断が生じているか否かを理解することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0029】
図1は、本実施形態における電子機器の電気的構成図である。図1に示すように、電子機器11は、主電源12、制御装置としてのCPU14、ROM15、記憶装置としてのメモリ16、表示装置17、電荷蓄積手段としてのコンデンサ18、昇圧回路25、安定化電源回路27、電圧検出手段としての電圧検出回路28を備える。そして、本実施形態においては、CPU14、ROM15、メモリ16,表示装置17によって、被印加デバイスが構成されている。
【0030】
主電源12には、第1の配線30の一端が電気的に接続されており、この第1の配線30には、CPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17が電気的に接続されている。そして、第1の配線30上の、主電源12とCPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17との間には、第1のスイッチ31が設けられている。従って、第1のスイッチ31がオン状態となっている場合には、これらCPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17に対して主電源12から電力が供給され、第1のスイッチ31がオフ状態となっている場合には、電力が供給されないようになっている。
【0031】
CPU14、ROM15、メモリ16及び表示装置17は、バス32を介して、お互いに接続されている。そして、CPU14は、ROM15に記憶されている各種プログラムに従って動作し、バス32を介して前記メモリ16や表示装置17を制御する。また、CPU14は、後述する電圧検出回路28に対して各種信号を受信可能に接続されている。
【0032】
メモリ16は、EEPROM等のデータ更新可能な記憶装置となっており、本実施形態においては、画像データ及び警告表示用画像データが記憶されている。画像データは、写真や絵といった画像を表示するためのデータとなっており、電子機器11において、図示しない受信手段や撮像手段等を介して取得されると、CPU14によって、適宜追加及び更新されるデータである。また、警告表示用画像データは、「LOW BATTERY」という警告表示画像を前記表示装置17に表示するためのデータとなっており、電子機器11の製造時等に、予め記憶されるデータとなっている。
【0033】
表示装置17は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成されている。そして、CPU14が前記メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、この表示装置17に対して信号を出力することにより、表示装置17には、写真や絵といった画像が表示される。さらに、CPU14が、メモリ16に記憶されている警告表示用画像データに基づいて、この表示装置17に対して信号を出力することにより、表示装置17には、「LOW BATTERY」という表示が行われる。
【0034】
なお、前記ROM15に記憶されている各種プログラムとしては、データ更新プログラム、画像データ表示プログラム、警告プログラムがある。データ更新プログラムは、本実施形態においては、CPU14が、前記メモリ16に記憶されている画像データを追加・更新するためのプログラムである。すなわち、CPU14は、図示しない受信手段や撮像手段等を介して、新たな画像データを取得すると、このデータ更新プログラムに従って、メモリ16に、取得した画像データを追加させたり、記憶されている画像データを新たな画像データに更新したりする。
【0035】
また、画像データ表示プログラムは、CPU14が、電子機器11の、図示しない入力手段等を介して、画像データの表示要求信号を受信すると、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示するためのプログラムである。すなわち、CPU14は、入力手段等を介して画像データの表示要求信号を受信すると、画像データ表示プログラムに従って、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示させる。
【0036】
警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から第4の指示信号としての第1の電圧低下信号を受信すると、表示装置17に対して前記メモリ16に記憶されている警告表示用画像データに基づいて、「LOW BATTERY」という表示を行うためのプログラムである。また、警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から電圧非低下信号を受信すると、表示装置17における、「LOW BATTERY」という表示を非表示とするためのプログラムでもある。
【0037】
さらに、警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から第2の電圧低下信号を受信すると、前記表示装置17を非点灯とするためのプログラムである。なお、非点灯とは、本実施形態においては、表示装置17上に、前記画像データや、警告表示用画像データに基づく表示が行われていない状態のことをいうものとする。
【0038】
すなわち、CPU14は、電圧検出回路28から、第1の電圧低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17に、「LOW BATTERY」という表示を行う。また、CPU14は、電圧検出回路28から、電圧非低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17における「LOW BATTERY」という表示を非表示とする。さらに、CPU14は、電圧検出回路28から第2の電圧低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とする。
【0039】
コンデンサ18は、第2の配線34上に設けられている。なお、第2の配線34は、その一端が、前記第1の配線30の、前記主電源12と前記第1のスイッチ31との間の部分に対して接続されており、他端が接地されている。
【0040】
また、第2の配線34の、主電源12とコンデンサ18との間には、第2のスイッチ36が設けられている。従って、第2のスイッチ36がオン状態となっている場合には、コンデンサ18に対して主電源12から電力が供給され、電荷が蓄積されるようになっている。また、第2のスイッチ36がオフ状態となっている場合には、主電源12からコンデンサ18に対して電力が供給されない。
【0041】
昇圧回路25は、入力電圧を所定の電圧値まで昇圧させるための回路となっており、例えば、チャージポンプ回路といった回路となっている。そして、昇圧回路25は、第3の配線38を介して、前記第2の配線34の、第2のスイッチ36とコンデンサ18との間の部分に対して接続されている。また、昇圧回路25は、安定化電源回路27を介して前記第1の配線30に接続されている。
【0042】
第3の配線38には、第3のスイッチ41が設けられている。そして、昇圧回路25は、前記第1のスイッチ31、前記第2のスイッチ36がいずれもオフ状態となり、かつ、第3のスイッチ41がオン状態となっている場合には、前記コンデンサ18に対して電気的に接続され、コンデンサ18から電力が供給されるようになっている。そして、コンデンサ18からの出力電圧を昇圧させて、安定化電源回路27に出力するようになっている。
【0043】
また、昇圧回路25は、第3のスイッチ41がオフ状態となっている場合には、前記第1のスイッチ31及び前記第2のスイッチ36のオンオフにかかわらず、電力が供給されないようになっている。
【0044】
安定化電源回路27は、例えば、三端子レギュレータであって、昇圧回路25から供給される昇圧された出力電圧を平滑化して、前記第1の配線30側に出力する。なお、本実施形態では、前記昇圧回路25は、安定化電源回路27からの出力電圧が、後述する閾値としての第1の閾値Vbとなるように、電圧を上昇させる機能を有するものとする。従って、本実施形態においては、昇圧回路25からの出力された出力電圧は、安定化電源回路27にてその電位が第1の閾値Vbとなるように平滑化され、第1の配線30を介して前記CPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17に供給される。
【0045】
電圧検出回路28は、前記第1の配線30の前記CPU14側に電気的に接続され、第1の配線30における判定値としての電圧値Vcを所定時間毎に検出するようになっている。そして、電圧検出回路28は、信号出力手段を備え、前記第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して、個別にオンオフ信号を出力することにより、各スイッチ31,36,41をオン状態あるいはオフ状態に切り換えることが可能となっている。また、電圧検出回路28は、前記CPU14に対して、前記第1の電圧低下信号、第2の電圧低下信号、電圧非低下信号を出力するようになっている。
【0046】
すなわち、電圧検出回路28は、第1の配線30における電圧値Vcを検出し、その電圧値Vcの値を、第1の閾値Vb及び第2の閾値Vthと比較し、その比較結果に基づいて、前記第1〜第3のスイッチ31,36,41やCPU14に対してそれぞれ個別に各種信号を出力するようになっている。
【0047】
詳しくは、第1の閾値Vbは、第2の閾値Vthよりも大きな値となっており、電圧値Vcが、この第1の閾値Vbの値以下となったときに、主電源12において、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題が発生していると判別するための値となっている。なお、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題としては、例えば、主電源12の電池残量不足や、思いがけない電池の取り外しなどがある。
【0048】
また、第2の閾値Vthは、電圧値Vcが、この第2の閾値Vthの値を下回ったときに、前記第1の配線30を介して前記CPU14等に供給される出力電圧が、CPU14等を駆動させるために充分な電位であるか否かを判別するための値となっている。
【0049】
すなわち、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っている、すなわち、主電源12からの電力供給が順調であると判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。なお、このオン信号及びオフ信号は、第1の指示信号を構成する。この結果、CPU14等に対して、主電源12から電力が供給され、CPU14等が主電源12によって駆動されるようになるとともに、主電源12からコンデンサ18に対して電力が供給され、コンデンサ18に電荷が蓄積される。
【0050】
また、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っていると判別すると、CPU14に対して前記電圧非低下信号を出力する。この結果、CPU14は、電圧非低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が非表示となるように制御する。
【0051】
一方、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vb以下であるとともに、前記第2の閾値Vth以上であると判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオン信号を出力する。なお、このオフ信号及びオン信号は、第2の指示信号を構成する。この結果、CPU14等に対して、主電源12から供給される電力が遮断されるとともに、主電源12からコンデンサ18への電力供給も遮断される。そして、コンデンサ18から放電が開始され、昇圧回路25及び安定化電源回路27を介してCPU14等に対して電力が供給されるようになる。
【0052】
さらに、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vb以下であるとともに、第2の閾値Vth以上であると判別すると、CPU14に対して前記第1の電圧低下信号を出力する。この結果、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われるように制御する。
【0053】
他方、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第2の閾値Vthを下回っている、すなわち、CPU14等に供給される電力の電位が、CPU14等を駆動させるための充分な電位でないと判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力する。また、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。
【0054】
さらに、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第2の閾値Vthを下回っていると判別すると、CPU14に対して第2の電圧低下信号を出力する。この結果、CPU14は、第2の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とさせるように駆動させる。
【0055】
なお、本実施形態においては、前記第1〜第3の配線30,34,38、第1〜第3のスイッチ31,36,41、昇圧回路25、安定化電源回路27、電圧検出回路28によって、電子回路が構成されている。
【0056】
次に、以上のように構成された電子機器11の作用について説明する。
まず、電子機器11において、受信手段や撮像手段等を介して、新たな画像データが取得されると、CPU14は、ROM15に記憶されているデータ更新プログラムに従って、メモリ16に、取得した画像データを追加したり、記憶されている画像データを新たな画像データに更新したりする。
【0057】
また、電子機器11において、入力手段等を介して、画像データの表示要求信号が入力されると、CPU14は、前記画像データ表示プログラムに従って、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示する。
【0058】
そして、CPU14が、以上のデータ更新プログラムや画像データ表示プログラムに従って動作している間、電子機器11では、前記電圧検出回路28において、第1の配線30における前記電圧値Vcが、所定時間毎に検出される。検出された電圧値Vcは、電圧検出回路28において、第1の閾値Vb及び第2の閾値Vthと比較される。
【0059】
そして、例えば、図2に示すように、時刻T0までの間、順調に作動していた主電源12において、時刻T0において、主電源12の電池残量不足等が生じた場合には、電圧値Vcは、実線Aで示すように、時刻T0以降、単調に減少し始める。そして、時刻T1において、電圧値Vcは、第1の閾値Vbに到達する。
【0060】
すると、時刻T0から時刻T1までの間においては、電圧検出回路28において、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っていると判別され、電圧検出回路28から、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号が出力されるとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号が出力される。
【0061】
また、この時刻T0から時刻T1までの間においては、電圧検出回路28からCPU14に対しては、電圧非低下信号が出力され、CPU14は、電圧非低下信号の入力に基づいて、警告プログラムに従って、表示装置17上に「LOW BATTERY」という表示が非表示となるように制御する。
【0062】
そして、時刻T1になり、電圧値Vcが、第1の閾値Vbに到達すると、電圧検出回路28において、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であり、かつ、第2の閾値Vth以上であると判別される。その結果、電圧検出回路28から、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号が出力されるとともに、第3のスイッチ41に対してオン信号が出力される。この結果、主電源12からCPU14等やコンデンサ18への電力供給が遮断され、コンデンサ18から放電が開始される。
【0063】
そして、コンデンサ18の充電電圧は昇圧回路25にて第1の閾値Vbと等しい電圧まで昇圧される。安定化電源回路27はその昇圧した電圧を平滑化して第1の配線30へと供給する。このとき、第1の配線30における電圧値Vcは、昇圧回路25による昇圧及び、安定化電源回路27による平滑化により、第1の閾値Vbと等しい値とされる。従って、CPU14等には、第1の閾値Vbと等しい値を有する電圧値Vcで電力が供給される。
【0064】
この結果、例えば、時刻T1以前に、CPU14が前記データ更新プログラム等に従う動作を開始し、時刻T1において、その動作が終了していなかったとしても、時刻T1以降も、コンデンサ18からの供給電力により、CPU14は、引き続き各プログラムに従う動作を行うことができる。従って、主電源12の遮断によるメモリ16におけるデータの破壊等を防ぐことができる。
【0065】
また、時刻T1になって、電圧値Vcが第1の閾値Vbに到達したときには、電圧検出回路28からCPU14に対して、第1の電圧低下信号が出力される。この結果、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示を行う。
【0066】
従って、時刻T1になると、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が表示される。その結果、電子機器11を使用するユーザーに対して、電子機器11の主電源12において、何らかの問題が発生して、しばらくすると主電源12からの電力供給が遮断される旨を通知することができる。従って、ユーザーに対して、これ以上、メモリ16の画像データの追加や更新といった作業を行わせないように、警告を行うことができる。
【0067】
そして、時刻T1以降しばらくの間は、コンデンサ18からの充電電圧によって、電圧値Vcの値は、第1の閾値Vbと等しい状態に維持される。また、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が継続的に行われる。
【0068】
そして、CPU14等に対して電力供給が行われることにより、コンデンサ18の電荷の減少が進行すると、コンデンサ18の電荷が、電圧値Vcの値を、第1の閾値Vbと等しい値とすることができなくなるまで減少する。すると、電圧値Vcの値が減少し始めるようになる。
【0069】
そして、時刻T3において、電圧値Vcが第2の閾値Vthまで低下すると、電圧検出回路28において、電圧値Vcが第2の閾値Vthを下回っていると判別される。すると、電圧検出回路28は、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。この結果、主電源12とCPU14等が電気的に接続された状態となるとともに、主電源12とコンデンサ18とが電気的に接続された状態となる。さらに、コンデンサ18と第1の配線30との間が遮断される。
【0070】
また、電圧値Vcが第2の閾値Vthを下回っていると判別されると、電圧検出回路28からCPU14に対して、第2の電圧低下信号が出力される。この結果、CPU14は、第2の電圧低下信号の入力に基づき、前記警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とさせる。
【0071】
従って、時刻T3以降においては、表示装置17上には、画像データに基づく写真や絵といった画像、また、「LOW BATTERY」という表示のいずれもが表示されない状態とされる。
【0072】
なお、例えば、ユーザーによって、時刻T1から時刻T3までの間に、主電源12の電池の取り付けが行われるなどして、主電源12における電力供給の遮断が解決されている場合には、時刻T3以降、主電源12からCPU14等、また、主電源12からコンデンサ18への電力供給が再開される。そして、この結果、第1の配線30における電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回るようになり、第1〜第3のスイッチ31,36,41のオンオフ状態が維持される。そして、CPU14等に対して、主電源12から電力供給が行われる状態が継続される。
【0073】
また、主電源12における電力供給の遮断の解決により、電圧検出回路28から、CPU14に対して、前記電圧非低下信号が出力される。この結果、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が非表示となるとともに、画像データ表示プログラムに従った写真や絵といった画像の表示が行われる。そして、ユーザーは、表示装置17上に表示された写真や絵といった画像により、主電源12における電力供給が順調であることを確認する。
【0074】
なお、本実施形態の電子機器11には、昇圧回路25が備えられているため、時刻T1以降しばらくの間は、電圧値Vcの値は、第1の閾値Vbと等しい値に維持される。しかし、例えば、昇圧回路25が備えられていなかった場合には、上記の時刻T1以降においては、図2に示す二点鎖線Bのように、電圧値Vcが単調に減少することとなる。従って、このような場合には、電圧値Vcの値が、第2の閾値Vth以下となる時刻T2は、前記時刻T3に比較して早い時刻となる。
【0075】
すなわち、本実施形態の電子機器11は、この昇圧回路25を備えていない電子機器に比較して、コンデンサ18からの放電によって、CPU14等が駆動される時間が長くすることができる。しかも、CPU14等の駆動時間を長くするために、コンデンサ18の容量を大きくするようなことをしていないので、省スペースとなり、電子機器11の大型化を防ぐことができるようになっている。
【0076】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcに基づいて、第1〜第3のスイッチ31,36,41を個別に接続及び非接続状態となるようにした。この結果、主電源12からCPU14等、主電源12からコンデンサ18、コンデンサ18からCPU14等へのそれぞれの電力の供給及び非供給を、電圧値Vcに基づいて変化させることができる。
【0077】
従って、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが低く、主電源12からの電力供給が遮断されるおそれのあるような場合には、コンデンサ18に蓄積された電荷によって、CPU14等へ電力供給を行うことができるようになる。この結果、主電源12に何らかの問題が生じて、主電源12から供給される電力が思いがけず遮断されても、しばらくの間、CPU14等に電力供給を行うことができる。そして、電力供給の突然の遮断により、メモリ16において更新中であった画像データ等に損傷が生じることなどを防ぐことができる。
【0078】
(2)上記第1の実施形態では、コンデンサ18からCPU14等への出力電圧は、昇圧回路25によって昇圧されるようにした。従って、昇圧回路25によって昇圧されない場合に比較して、コンデンサ18からCPU14等へと、長時間高い電圧でCPU14等へと電力を供給することができる。この結果、主電源12からの電力供給が遮断されることによりコンデンサ18からCPU14等へ電力供給を行うときには、CPU14等を、昇圧回路25がない場合に比較して長く駆動させることができる。また、CPU14等の駆動時間を延長させるために、コンデンサ18の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0079】
(3)上記第1の実施形態では、第1の閾値Vbは、主電源12の出力電圧が遮断するおそれがあるか否かを判別できるような値とするようにした。そして、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回るときには、主電源12からCPU14等、また、主電源12からコンデンサ18へと電力が供給されるようにした。また、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが第1の閾値Vb以下である場合には、主電源12からCPU14等、主電源12からコンデンサ18への電力供給が遮断され、コンデンサ18からCPU14等へ電力が供給されるようにした。
【0080】
従って、主電源12において電力供給の遮断のおそれがない場合には、主電源12からCPU14等へと電力が供給され、主電源12において電力供給の遮断のおそれがある場合には、コンデンサ18からCPU14等に対してしばらくの間電力供給が行われるようになる。この結果、CPU14等への出力電圧の低下をしばらくの期間、確実に防ぐことができる。
【0081】
(4)上記第1の実施形態では、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下となると、電圧検出回路28からCPU14に対して第1の電圧低下信号が出力されるようにした。そして、CPU14は、第1の電圧低下信号に基づいて、メモリ16の警告表示用画像データに基づく「LOW BATTERY」という警告表示画像を前記表示装置17に表示するようにした。従って、電子機器11において、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下となり、コンデンサ18からCPU14等に対して放電が行われると、表示装置17上に、警告表示画像が表示される。
【0082】
この結果、電子機器11を使用するユーザーは、表示装置17を見ることによって、コンデンサ18からCPU14等に対して放電が行われているか否かを理解することができる。そして、主電源12からの電源供給に遮断が生じているか否かを理解することができる。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、上記第1の実施形態で説明した電子機器11の適用について説明する。第1の実施形態における電子機器11は、携帯電話機、モバイル型コンピュータ、液晶テレビ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、テレビ電話、タッチパネルを備えた装置、カーナビゲーション装置、表示機能付きの時計、デジタルカメラ等の各種表示機能付き電子機器に具体化できる。
【0084】
図3は、携帯電話機の構成を示す斜視図を示す。図3において、携帯電話機51は、第1の実施形態における主電源12を、バッテリ52として本体に対して取り外し可能に備えるものである。また、携帯電話機51は、第1の実施形態における表示装置17を、液晶表示装置54として備える。
【0085】
この場合においても、携帯電話機51は前記第1実施形態と同様な効果を発揮する。すなわち、バッテリ52の残量不足などにより、バッテリ52からCPUや液晶表示装置54等へと供給される電力が遮断されても、コンデンサからの放電によって、CPUや液晶表示装置54等が駆動される。この結果、CPUにおいて、メモリにおける画像データ等を更新しているときに、バッテリ52からの電力が遮断されても、メモリに記憶されているデータが破壊されるようなことがない。また、液晶表示装置54における表示も、コンデンサに蓄積された電荷によって、継続させることができる。
【0086】
しかも、昇圧回路によって、コンデンサからCPU等へと出力される電圧が昇圧されるので、コンデンサによってCPUや液晶表示装置54等が駆動される時間を長くすることができる。そして、CPUや液晶表示装置54等の駆動時間を長くするために、コンデンサの容量を大きくするようなことをする必要がないので、省スペースとなり、携帯電話機51の大きさをコンパクトにすることができる。
【0087】
なお、上記第1及び第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、第1の閾値Vbは、電圧値Vcがこの第1の閾値Vbの値以下となったときに、主電源12において、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題が発生していると判別するための値となるようにした。これを、その他の値となるようにしてもよい。
【0088】
・上記第1及び第2の実施形態では、第2の閾値Vthは、電圧値Vcがこの第2の閾値Vthの値を下回ったときに、第1の配線30を介してCPU14等に供給される電力の電位が、CPU14等を駆動させるために充分な電位であるか否かを判別するための値であるようにした。これを、その他の値となるようにしてもよい。
【0089】
・上記第1及び第2の実施形態では、被印加デバイスとして、CPU14、メモリ16、表示装置17に具体化した。これを、主電源12から電源供給を受けるものであれば、他の被印加デバイスに具体化してもよい。
【0090】
・上記第1及び第2の実施形態においては、メモリ16に記憶されている警告表示用画像データは、表示装置17に「LOW BATTERY」という警告表示画像を表示させるためのデータであるようにした。これを、ユーザーに対して、主電源12からの電力供給に遮断のおそれがある旨を視覚的に表現できるものであれば、他の警告表示画像を表示させるためのデータであってもよい。
【0091】
・上記第1及び第2の実施形態においては、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに前記第2の閾値Vth以上であると判別すると、CPU14に対して第1の電圧低下信号を出力するようにした。そして、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われるようにした。
【0092】
これを、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに第2の閾値Vth以上であると判別しても、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われないようにしてもよい。
【0093】
・上記第1及び第2の実施形態においては、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対してオンオフ信号を出力する信号出力手段は、電圧検出回路28に備えられるようにした。これを、電圧検出回路28は、電圧値Vcを検出するのみとするようにしてもよい。そして、このような場合には、電圧検出回路28にて検出された電圧値Vcを入力して、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して個別にオンオフ信号を出力する信号出力手段を電圧検出回路28と別に設けるようにする。また、信号出力手段をCPU14に備えるようにしてもよい。
【0094】
・上記第1及び第2の実施形態においては、電圧検出回路28は、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して個別にオンオフ信号を出力するようにした。これを、図4に示すように、電圧検出回路28は、タイミング調整回路57を介して、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対してオンオフ信号を出力するようにしてもよい。
【0095】
なお、タイミング調整回路57は、電圧検出回路28が電圧値Vcの低下を検出し、電力供給を主電源12からコンデンサ18に切り換えるときに、まず、第1及び第2のスイッチ31,36のみにオフ信号を出力し、その後、第3のスイッチ41にオン信号を出力する回路であるものとする。従って、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに前記第2の閾値Vth以上であると判別し、タイミング調整回路57に対してオンオフ信号を出力すると、タイミング調整回路57は、まず、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号を出力する。そして、所定時間経過後に第3のスイッチ41に対してオン信号を出力する。
【0096】
このようにすれば、コンデンサ18からCPU14等への電力供給は、必ず、主電源12とCPU14等、及び、主電源12とコンデンサ18との間の接続が遮断されてから行われるようになる。従って、例えば、第1及び第2のスイッチ31,36が接続状態となっている間に第3のスイッチ41が接続状態となることにより、コンデンサ18から主電源12へと逆流電流が生じたり、コンデンサ18からCPU14等に対して昇圧回路25を介さずに直接電力が供給されたりすることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における電子機器の電気的構成図。
【図2】同じく、電圧値Vcと時刻との関係を示すグラフ。
【図3】第2の実施形態における携帯電話機の斜視図。
【図4】別例における電子機器の電気的構成図。
【符号の説明】
Vb…閾値としての第1の閾値、Vc…電圧値、11…電子機器、12…主電源、14…制御装置としてのCPU、16…記憶装置としてのメモリ、17…表示装置、18…電荷蓄積手段としてのコンデンサ、25…昇圧回路、28…電圧検出手段及び信号出力手段としての電圧検出回路、30…第1の配線、31…第1のスイッチ、34…第2の配線、36…第2のスイッチ、38…第3の配線、41…第3のスイッチ、57…タイミング調整回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、CPUとメモリとを備えた電子機器が知られているが、このような電子機器の中には、例えば、携帯電話機のように、メモリに記憶されているデータを更新可能なものが知られている。そして、このような電子機器は、メモリにおけるデータの更新中に、主電源からの電力供給が遮断されると、更新中のデータや、メモリに記憶されているデータが破壊されることがあった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、電圧保持回路を備えた電子機器が知られていた(例えば、特許文献1参照)。詳しくは、この電圧保持回路は、コンデンサ等の電荷蓄積手段を備え、主電源からの電力供給が行われている間、電荷蓄積手段に対して充電を行うようになっていた。そして、主電源からの出力電圧が所定の値まで低下すると、主電源からの電力供給の遮断が発生すると判断して、電荷蓄積手段から放電を行うようになっていた。この結果、ある一定期間、電荷蓄積手段からCPU等に対して電力が供給されるようになり、メモリにおけるデータの更新中に、主電源の電源遮断が生じても、データの破壊が防がれるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−342115号公報(第2−4頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の電圧保持回路においては、電荷蓄積手段における電位は、各装置への放電が開始されると、単調に降下するようになっていた。従って、電荷蓄積手段に、電荷が残存しているにもかかわらず、電荷蓄積手段における電位が低いために、これ以上CPUやメモリを動作させることができなくなることがあった。そして、主電源の電源遮断後における各装置の動作期間が短くなることがあった。
【0006】
また、近年、上記のような電子機器においては、主電源の電源が遮断されたときに、CPUとメモリだけではなく、表示装置等の他の装置に対しても電源を供給する必要のあるものがあった。すなわち、近年においては、電荷蓄積手段から放電される電力の必要量が増加する傾向にあり、上記の動作期間はますます短くなる可能性があった。
【0007】
そこで、電荷蓄積手段の容量を増大させることで、CPU等の被印加デバイスの動作期間を延長することが考えられていた。しかし、電荷蓄積手段の容量を増大させると、電荷蓄積手段の配置スペースが増大し、電子機器の小型化を阻害する原因となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、配置スペースを増大させることなく、主電源が遮断された場合に電荷蓄積手段から供給される電力によって駆動される被印加デバイスの動作期間を長くすることのできる電子回路及び電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主電源と被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子回路において、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態とするための判定値として、前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路とを備えた。
【0010】
従って、本発明によれば、電圧検出手段において検出される電圧値に基づいて、第1のスイッチと第2のスイッチと第3のスイッチとを接続及び非接続状態とするようにした。この結果、例えば、電圧検出手段において検出される電圧値が低く、主電源からの電力供給が遮断するおそれのあるような場合には、電荷蓄積手段において蓄積された電荷によって、被印加デバイスへの電力供給を行うことができるようになる。そしてこのとき、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの出力電圧は、昇圧回路によって昇圧されるので、昇圧回路がない場合に比較して、長時間高い電圧で、被印加デバイスへと電力を供給することができる。
【0011】
従って、例えば、主電源からの電力供給が遮断されることにより電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うようなときに、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができるようになる。また、被印加デバイスの駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0012】
この電子回路において、前記電圧検出手段は、前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、それぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段を備えた。
【0013】
これによれば、電圧検出手段が、信号出力手段を兼ねることができ、電子回路の構成を簡素化させることができる。
この電子回路において、前記信号出力手段は、前記電圧値が閾値を上回っている場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが接続状態となるとともに前記第3のスイッチが非接続状態となるような第1の指示信号を出力し、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となるとともに前記第3のスイッチが接続状態となるような第2の指示信号を出力する。
【0014】
これによれば、電圧検出手段において検出される電圧値が閾値を上回るときには、主電源から被印加デバイス、及び主電源から電荷蓄積手段へと電力が供給される。この結果、電圧値が閾値を上回るときには、被印加デバイスは、主電源からの電力により駆動されるとともに、電荷蓄積手段には電荷が蓄積される。
【0015】
また、電圧検出手段において検出される電圧値が閾値以下である場合には、主電源から被印加デバイス及び電荷蓄積手段への電力供給が遮断され、電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力が供給される。
【0016】
すなわち、閾値の値を、主電源の出力電圧の遮断のおそれがあるか否かを判別できるような値とすることにより、主電源の遮断のおそれのない場合には、主電源から被印加デバイスへと電力を供給し、主電源の遮断のおそれがある場合には、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対してしばらくの間電力を供給するように変化させることができる。従って、主電源からの電力供給が遮断されることにより電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うようなときに、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができるようになる。
【0017】
この電子回路において、前記信号出力手段から出力される前記第2の指示信号を入力し、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となった後に、前記第3のスイッチが接続状態となるような第3の指示信号を出力するタイミング調整回路を備えた。
【0018】
これによれば、信号出力手段から第2の指示信号が出力された場合には、タイミング調整回路により、第1のスイッチ及び第2のスイッチが非接続状態となってから、第3のスイッチが接続状態となる。この結果、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの電力供給は、必ず、主電源と被印加デバイス及び電荷蓄積手段との間の接続が遮断してから行われるようになる。従って、例えば、第1のスイッチ及び第2のスイッチが接続状態となっている間に第3のスイッチが接続状態となることにより、電荷蓄積手段から主電源へと逆流電流が生じたり、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して昇圧手段を介さずに直接電力が供給されたりすることを防ぐことができる。
【0019】
本発明は、主電源と、被印加デバイスと、電荷蓄積手段と、前記主電源と前記被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と前記電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子機器において、前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段と、前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路とを備えた。
【0020】
従って、本発明によれば、電圧検出手段において検出される電圧値に基づいて、信号出力手段によって第1のスイッチと第2のスイッチと第3のスイッチとを接続及び非接続状態とするようにした。この結果、主電源から被印加デバイス及び電荷蓄積手段、電荷蓄積手段から被印加デバイスへのそれぞれの電力の供給及び非供給を、電圧値に基づいて変化させることができる。
【0021】
従って、例えば、電圧検出手段において検出される電圧値が低く、主電源からの電力供給が遮断するおそれのあるような場合には、電荷蓄積手段において蓄積された電荷によって、被印加デバイスへの電力供給を行うことができるようになる。この結果、主電源に何らかの問題が生じて、主電源から供給される電力が思いがけず遮断されても、しばらくの間、被印加デバイスへと電力供給を行うことができ、電力供給の突然の遮断により、被印加デバイスにおいて損傷等が生じることを防ぐことができる。
【0022】
そして、電荷蓄積手段から被印加デバイスへの出力電圧は、昇圧回路によって昇圧されるので、昇圧回路がない場合に比較して、長時間高い電圧で、被印加デバイスへと電力を供給することができる。この結果、例えば、主電源からの電力供給が遮断されたような場合に、電荷蓄積手段から被印加デバイスへと電力供給を行うことによって、被印加デバイスを、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができる。なお、被印加デバイスの駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0023】
この電子機器において、前記被印加デバイスは、制御装置と記憶装置と表示装置である。
これによれば、例えば、制御装置が記憶装置に記憶されているデータ等の更新作業を行っているときに、主電源からの電力供給の遮断が生じても、制御装置や記憶装置、表示装置に対して、しばらくの間、電荷蓄積手段から電力供給を行うことができる。従って、データ等の更新作業中に、主電源において思いがけない問題が生じて、主電源からの電力供給の遮断が生じても、電荷蓄積手段からの電力供給によって、データ等の更新が中断されないようにすることができる。この結果、主電源からの電力供給の遮断による、記憶装置におけるデータ等の破壊を防ぐことができる。
【0024】
さらに、電荷蓄積手段から制御装置、記憶装置、表示装置に対しての出力電圧は、昇圧回路にて昇圧されているので、制御装置、記憶装置、表示装置に対して、高い電位で電力を供給することができる。従って、制御装置、記憶装置、表示装置を備えた電子機器を、昇圧回路がない場合に比較して長く駆動させることができる。
【0025】
なお、制御装置、記憶装置、表示装置の駆動時間を延長させるために、電荷蓄積手段の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0026】
この電子機器において、前記電圧検出手段は、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記制御装置に対して第4の指示信号を出力する手段であり、前記記憶装置は、警告表示用画像データを記憶する装置であり、前記制御装置は、前記第4の指示信号を入力すると、前記警告表示用画像データに基づいて、前記表示装置に警告表示画像を表示する装置である。
【0027】
これによれば、電圧値が閾値以下となると、電圧検出手段から制御装置に対して第4の指示信号が出力され、制御装置は、第4の指示信号に基づいて、記憶装置の警告表示用画像データに基づく警告表示画像を表示装置に表示させる。従って、電子機器において、電圧値が閾値以下となり、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して放電が行われると、表示装置上に、警告表示画像が表示される。この結果、電子機器を使用するユーザーが、表示装置を見ることによって、電荷蓄積手段から被印加デバイスに対して放電が行われているか否かを理解することができる。そして、主電源からの電源供給に遮断が生じているか否かを理解することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0029】
図1は、本実施形態における電子機器の電気的構成図である。図1に示すように、電子機器11は、主電源12、制御装置としてのCPU14、ROM15、記憶装置としてのメモリ16、表示装置17、電荷蓄積手段としてのコンデンサ18、昇圧回路25、安定化電源回路27、電圧検出手段としての電圧検出回路28を備える。そして、本実施形態においては、CPU14、ROM15、メモリ16,表示装置17によって、被印加デバイスが構成されている。
【0030】
主電源12には、第1の配線30の一端が電気的に接続されており、この第1の配線30には、CPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17が電気的に接続されている。そして、第1の配線30上の、主電源12とCPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17との間には、第1のスイッチ31が設けられている。従って、第1のスイッチ31がオン状態となっている場合には、これらCPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17に対して主電源12から電力が供給され、第1のスイッチ31がオフ状態となっている場合には、電力が供給されないようになっている。
【0031】
CPU14、ROM15、メモリ16及び表示装置17は、バス32を介して、お互いに接続されている。そして、CPU14は、ROM15に記憶されている各種プログラムに従って動作し、バス32を介して前記メモリ16や表示装置17を制御する。また、CPU14は、後述する電圧検出回路28に対して各種信号を受信可能に接続されている。
【0032】
メモリ16は、EEPROM等のデータ更新可能な記憶装置となっており、本実施形態においては、画像データ及び警告表示用画像データが記憶されている。画像データは、写真や絵といった画像を表示するためのデータとなっており、電子機器11において、図示しない受信手段や撮像手段等を介して取得されると、CPU14によって、適宜追加及び更新されるデータである。また、警告表示用画像データは、「LOW BATTERY」という警告表示画像を前記表示装置17に表示するためのデータとなっており、電子機器11の製造時等に、予め記憶されるデータとなっている。
【0033】
表示装置17は、液晶ディスプレイ(LCD)等によって構成されている。そして、CPU14が前記メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、この表示装置17に対して信号を出力することにより、表示装置17には、写真や絵といった画像が表示される。さらに、CPU14が、メモリ16に記憶されている警告表示用画像データに基づいて、この表示装置17に対して信号を出力することにより、表示装置17には、「LOW BATTERY」という表示が行われる。
【0034】
なお、前記ROM15に記憶されている各種プログラムとしては、データ更新プログラム、画像データ表示プログラム、警告プログラムがある。データ更新プログラムは、本実施形態においては、CPU14が、前記メモリ16に記憶されている画像データを追加・更新するためのプログラムである。すなわち、CPU14は、図示しない受信手段や撮像手段等を介して、新たな画像データを取得すると、このデータ更新プログラムに従って、メモリ16に、取得した画像データを追加させたり、記憶されている画像データを新たな画像データに更新したりする。
【0035】
また、画像データ表示プログラムは、CPU14が、電子機器11の、図示しない入力手段等を介して、画像データの表示要求信号を受信すると、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示するためのプログラムである。すなわち、CPU14は、入力手段等を介して画像データの表示要求信号を受信すると、画像データ表示プログラムに従って、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示させる。
【0036】
警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から第4の指示信号としての第1の電圧低下信号を受信すると、表示装置17に対して前記メモリ16に記憶されている警告表示用画像データに基づいて、「LOW BATTERY」という表示を行うためのプログラムである。また、警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から電圧非低下信号を受信すると、表示装置17における、「LOW BATTERY」という表示を非表示とするためのプログラムでもある。
【0037】
さらに、警告プログラムは、CPU14が、電圧検出回路28から第2の電圧低下信号を受信すると、前記表示装置17を非点灯とするためのプログラムである。なお、非点灯とは、本実施形態においては、表示装置17上に、前記画像データや、警告表示用画像データに基づく表示が行われていない状態のことをいうものとする。
【0038】
すなわち、CPU14は、電圧検出回路28から、第1の電圧低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17に、「LOW BATTERY」という表示を行う。また、CPU14は、電圧検出回路28から、電圧非低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17における「LOW BATTERY」という表示を非表示とする。さらに、CPU14は、電圧検出回路28から第2の電圧低下信号を入力すると、警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とする。
【0039】
コンデンサ18は、第2の配線34上に設けられている。なお、第2の配線34は、その一端が、前記第1の配線30の、前記主電源12と前記第1のスイッチ31との間の部分に対して接続されており、他端が接地されている。
【0040】
また、第2の配線34の、主電源12とコンデンサ18との間には、第2のスイッチ36が設けられている。従って、第2のスイッチ36がオン状態となっている場合には、コンデンサ18に対して主電源12から電力が供給され、電荷が蓄積されるようになっている。また、第2のスイッチ36がオフ状態となっている場合には、主電源12からコンデンサ18に対して電力が供給されない。
【0041】
昇圧回路25は、入力電圧を所定の電圧値まで昇圧させるための回路となっており、例えば、チャージポンプ回路といった回路となっている。そして、昇圧回路25は、第3の配線38を介して、前記第2の配線34の、第2のスイッチ36とコンデンサ18との間の部分に対して接続されている。また、昇圧回路25は、安定化電源回路27を介して前記第1の配線30に接続されている。
【0042】
第3の配線38には、第3のスイッチ41が設けられている。そして、昇圧回路25は、前記第1のスイッチ31、前記第2のスイッチ36がいずれもオフ状態となり、かつ、第3のスイッチ41がオン状態となっている場合には、前記コンデンサ18に対して電気的に接続され、コンデンサ18から電力が供給されるようになっている。そして、コンデンサ18からの出力電圧を昇圧させて、安定化電源回路27に出力するようになっている。
【0043】
また、昇圧回路25は、第3のスイッチ41がオフ状態となっている場合には、前記第1のスイッチ31及び前記第2のスイッチ36のオンオフにかかわらず、電力が供給されないようになっている。
【0044】
安定化電源回路27は、例えば、三端子レギュレータであって、昇圧回路25から供給される昇圧された出力電圧を平滑化して、前記第1の配線30側に出力する。なお、本実施形態では、前記昇圧回路25は、安定化電源回路27からの出力電圧が、後述する閾値としての第1の閾値Vbとなるように、電圧を上昇させる機能を有するものとする。従って、本実施形態においては、昇圧回路25からの出力された出力電圧は、安定化電源回路27にてその電位が第1の閾値Vbとなるように平滑化され、第1の配線30を介して前記CPU14、ROM15、メモリ16、表示装置17に供給される。
【0045】
電圧検出回路28は、前記第1の配線30の前記CPU14側に電気的に接続され、第1の配線30における判定値としての電圧値Vcを所定時間毎に検出するようになっている。そして、電圧検出回路28は、信号出力手段を備え、前記第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して、個別にオンオフ信号を出力することにより、各スイッチ31,36,41をオン状態あるいはオフ状態に切り換えることが可能となっている。また、電圧検出回路28は、前記CPU14に対して、前記第1の電圧低下信号、第2の電圧低下信号、電圧非低下信号を出力するようになっている。
【0046】
すなわち、電圧検出回路28は、第1の配線30における電圧値Vcを検出し、その電圧値Vcの値を、第1の閾値Vb及び第2の閾値Vthと比較し、その比較結果に基づいて、前記第1〜第3のスイッチ31,36,41やCPU14に対してそれぞれ個別に各種信号を出力するようになっている。
【0047】
詳しくは、第1の閾値Vbは、第2の閾値Vthよりも大きな値となっており、電圧値Vcが、この第1の閾値Vbの値以下となったときに、主電源12において、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題が発生していると判別するための値となっている。なお、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題としては、例えば、主電源12の電池残量不足や、思いがけない電池の取り外しなどがある。
【0048】
また、第2の閾値Vthは、電圧値Vcが、この第2の閾値Vthの値を下回ったときに、前記第1の配線30を介して前記CPU14等に供給される出力電圧が、CPU14等を駆動させるために充分な電位であるか否かを判別するための値となっている。
【0049】
すなわち、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っている、すなわち、主電源12からの電力供給が順調であると判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。なお、このオン信号及びオフ信号は、第1の指示信号を構成する。この結果、CPU14等に対して、主電源12から電力が供給され、CPU14等が主電源12によって駆動されるようになるとともに、主電源12からコンデンサ18に対して電力が供給され、コンデンサ18に電荷が蓄積される。
【0050】
また、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っていると判別すると、CPU14に対して前記電圧非低下信号を出力する。この結果、CPU14は、電圧非低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が非表示となるように制御する。
【0051】
一方、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vb以下であるとともに、前記第2の閾値Vth以上であると判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオン信号を出力する。なお、このオフ信号及びオン信号は、第2の指示信号を構成する。この結果、CPU14等に対して、主電源12から供給される電力が遮断されるとともに、主電源12からコンデンサ18への電力供給も遮断される。そして、コンデンサ18から放電が開始され、昇圧回路25及び安定化電源回路27を介してCPU14等に対して電力が供給されるようになる。
【0052】
さらに、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第1の閾値Vb以下であるとともに、第2の閾値Vth以上であると判別すると、CPU14に対して前記第1の電圧低下信号を出力する。この結果、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われるように制御する。
【0053】
他方、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第2の閾値Vthを下回っている、すなわち、CPU14等に供給される電力の電位が、CPU14等を駆動させるための充分な電位でないと判別すると、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力する。また、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。
【0054】
さらに、電圧検出回路28は、電圧値Vcが、第2の閾値Vthを下回っていると判別すると、CPU14に対して第2の電圧低下信号を出力する。この結果、CPU14は、第2の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とさせるように駆動させる。
【0055】
なお、本実施形態においては、前記第1〜第3の配線30,34,38、第1〜第3のスイッチ31,36,41、昇圧回路25、安定化電源回路27、電圧検出回路28によって、電子回路が構成されている。
【0056】
次に、以上のように構成された電子機器11の作用について説明する。
まず、電子機器11において、受信手段や撮像手段等を介して、新たな画像データが取得されると、CPU14は、ROM15に記憶されているデータ更新プログラムに従って、メモリ16に、取得した画像データを追加したり、記憶されている画像データを新たな画像データに更新したりする。
【0057】
また、電子機器11において、入力手段等を介して、画像データの表示要求信号が入力されると、CPU14は、前記画像データ表示プログラムに従って、メモリ16に記憶されている画像データに基づいて、表示装置17上に写真や絵といった画像を表示する。
【0058】
そして、CPU14が、以上のデータ更新プログラムや画像データ表示プログラムに従って動作している間、電子機器11では、前記電圧検出回路28において、第1の配線30における前記電圧値Vcが、所定時間毎に検出される。検出された電圧値Vcは、電圧検出回路28において、第1の閾値Vb及び第2の閾値Vthと比較される。
【0059】
そして、例えば、図2に示すように、時刻T0までの間、順調に作動していた主電源12において、時刻T0において、主電源12の電池残量不足等が生じた場合には、電圧値Vcは、実線Aで示すように、時刻T0以降、単調に減少し始める。そして、時刻T1において、電圧値Vcは、第1の閾値Vbに到達する。
【0060】
すると、時刻T0から時刻T1までの間においては、電圧検出回路28において、電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回っていると判別され、電圧検出回路28から、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号が出力されるとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号が出力される。
【0061】
また、この時刻T0から時刻T1までの間においては、電圧検出回路28からCPU14に対しては、電圧非低下信号が出力され、CPU14は、電圧非低下信号の入力に基づいて、警告プログラムに従って、表示装置17上に「LOW BATTERY」という表示が非表示となるように制御する。
【0062】
そして、時刻T1になり、電圧値Vcが、第1の閾値Vbに到達すると、電圧検出回路28において、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であり、かつ、第2の閾値Vth以上であると判別される。その結果、電圧検出回路28から、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号が出力されるとともに、第3のスイッチ41に対してオン信号が出力される。この結果、主電源12からCPU14等やコンデンサ18への電力供給が遮断され、コンデンサ18から放電が開始される。
【0063】
そして、コンデンサ18の充電電圧は昇圧回路25にて第1の閾値Vbと等しい電圧まで昇圧される。安定化電源回路27はその昇圧した電圧を平滑化して第1の配線30へと供給する。このとき、第1の配線30における電圧値Vcは、昇圧回路25による昇圧及び、安定化電源回路27による平滑化により、第1の閾値Vbと等しい値とされる。従って、CPU14等には、第1の閾値Vbと等しい値を有する電圧値Vcで電力が供給される。
【0064】
この結果、例えば、時刻T1以前に、CPU14が前記データ更新プログラム等に従う動作を開始し、時刻T1において、その動作が終了していなかったとしても、時刻T1以降も、コンデンサ18からの供給電力により、CPU14は、引き続き各プログラムに従う動作を行うことができる。従って、主電源12の遮断によるメモリ16におけるデータの破壊等を防ぐことができる。
【0065】
また、時刻T1になって、電圧値Vcが第1の閾値Vbに到達したときには、電圧検出回路28からCPU14に対して、第1の電圧低下信号が出力される。この結果、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、前記警告プログラムに従って、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示を行う。
【0066】
従って、時刻T1になると、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が表示される。その結果、電子機器11を使用するユーザーに対して、電子機器11の主電源12において、何らかの問題が発生して、しばらくすると主電源12からの電力供給が遮断される旨を通知することができる。従って、ユーザーに対して、これ以上、メモリ16の画像データの追加や更新といった作業を行わせないように、警告を行うことができる。
【0067】
そして、時刻T1以降しばらくの間は、コンデンサ18からの充電電圧によって、電圧値Vcの値は、第1の閾値Vbと等しい状態に維持される。また、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が継続的に行われる。
【0068】
そして、CPU14等に対して電力供給が行われることにより、コンデンサ18の電荷の減少が進行すると、コンデンサ18の電荷が、電圧値Vcの値を、第1の閾値Vbと等しい値とすることができなくなるまで減少する。すると、電圧値Vcの値が減少し始めるようになる。
【0069】
そして、時刻T3において、電圧値Vcが第2の閾値Vthまで低下すると、電圧検出回路28において、電圧値Vcが第2の閾値Vthを下回っていると判別される。すると、電圧検出回路28は、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオン信号を出力するとともに、第3のスイッチ41に対してオフ信号を出力する。この結果、主電源12とCPU14等が電気的に接続された状態となるとともに、主電源12とコンデンサ18とが電気的に接続された状態となる。さらに、コンデンサ18と第1の配線30との間が遮断される。
【0070】
また、電圧値Vcが第2の閾値Vthを下回っていると判別されると、電圧検出回路28からCPU14に対して、第2の電圧低下信号が出力される。この結果、CPU14は、第2の電圧低下信号の入力に基づき、前記警告プログラムに従って、表示装置17を非点灯とさせる。
【0071】
従って、時刻T3以降においては、表示装置17上には、画像データに基づく写真や絵といった画像、また、「LOW BATTERY」という表示のいずれもが表示されない状態とされる。
【0072】
なお、例えば、ユーザーによって、時刻T1から時刻T3までの間に、主電源12の電池の取り付けが行われるなどして、主電源12における電力供給の遮断が解決されている場合には、時刻T3以降、主電源12からCPU14等、また、主電源12からコンデンサ18への電力供給が再開される。そして、この結果、第1の配線30における電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回るようになり、第1〜第3のスイッチ31,36,41のオンオフ状態が維持される。そして、CPU14等に対して、主電源12から電力供給が行われる状態が継続される。
【0073】
また、主電源12における電力供給の遮断の解決により、電圧検出回路28から、CPU14に対して、前記電圧非低下信号が出力される。この結果、表示装置17上には、「LOW BATTERY」という表示が非表示となるとともに、画像データ表示プログラムに従った写真や絵といった画像の表示が行われる。そして、ユーザーは、表示装置17上に表示された写真や絵といった画像により、主電源12における電力供給が順調であることを確認する。
【0074】
なお、本実施形態の電子機器11には、昇圧回路25が備えられているため、時刻T1以降しばらくの間は、電圧値Vcの値は、第1の閾値Vbと等しい値に維持される。しかし、例えば、昇圧回路25が備えられていなかった場合には、上記の時刻T1以降においては、図2に示す二点鎖線Bのように、電圧値Vcが単調に減少することとなる。従って、このような場合には、電圧値Vcの値が、第2の閾値Vth以下となる時刻T2は、前記時刻T3に比較して早い時刻となる。
【0075】
すなわち、本実施形態の電子機器11は、この昇圧回路25を備えていない電子機器に比較して、コンデンサ18からの放電によって、CPU14等が駆動される時間が長くすることができる。しかも、CPU14等の駆動時間を長くするために、コンデンサ18の容量を大きくするようなことをしていないので、省スペースとなり、電子機器11の大型化を防ぐことができるようになっている。
【0076】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcに基づいて、第1〜第3のスイッチ31,36,41を個別に接続及び非接続状態となるようにした。この結果、主電源12からCPU14等、主電源12からコンデンサ18、コンデンサ18からCPU14等へのそれぞれの電力の供給及び非供給を、電圧値Vcに基づいて変化させることができる。
【0077】
従って、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが低く、主電源12からの電力供給が遮断されるおそれのあるような場合には、コンデンサ18に蓄積された電荷によって、CPU14等へ電力供給を行うことができるようになる。この結果、主電源12に何らかの問題が生じて、主電源12から供給される電力が思いがけず遮断されても、しばらくの間、CPU14等に電力供給を行うことができる。そして、電力供給の突然の遮断により、メモリ16において更新中であった画像データ等に損傷が生じることなどを防ぐことができる。
【0078】
(2)上記第1の実施形態では、コンデンサ18からCPU14等への出力電圧は、昇圧回路25によって昇圧されるようにした。従って、昇圧回路25によって昇圧されない場合に比較して、コンデンサ18からCPU14等へと、長時間高い電圧でCPU14等へと電力を供給することができる。この結果、主電源12からの電力供給が遮断されることによりコンデンサ18からCPU14等へ電力供給を行うときには、CPU14等を、昇圧回路25がない場合に比較して長く駆動させることができる。また、CPU14等の駆動時間を延長させるために、コンデンサ18の容量を増大させる必要がないので、配置スペースの増大を防ぐことができる。
【0079】
(3)上記第1の実施形態では、第1の閾値Vbは、主電源12の出力電圧が遮断するおそれがあるか否かを判別できるような値とするようにした。そして、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが、第1の閾値Vbを上回るときには、主電源12からCPU14等、また、主電源12からコンデンサ18へと電力が供給されるようにした。また、電圧検出回路28において検出される電圧値Vcが第1の閾値Vb以下である場合には、主電源12からCPU14等、主電源12からコンデンサ18への電力供給が遮断され、コンデンサ18からCPU14等へ電力が供給されるようにした。
【0080】
従って、主電源12において電力供給の遮断のおそれがない場合には、主電源12からCPU14等へと電力が供給され、主電源12において電力供給の遮断のおそれがある場合には、コンデンサ18からCPU14等に対してしばらくの間電力供給が行われるようになる。この結果、CPU14等への出力電圧の低下をしばらくの期間、確実に防ぐことができる。
【0081】
(4)上記第1の実施形態では、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下となると、電圧検出回路28からCPU14に対して第1の電圧低下信号が出力されるようにした。そして、CPU14は、第1の電圧低下信号に基づいて、メモリ16の警告表示用画像データに基づく「LOW BATTERY」という警告表示画像を前記表示装置17に表示するようにした。従って、電子機器11において、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下となり、コンデンサ18からCPU14等に対して放電が行われると、表示装置17上に、警告表示画像が表示される。
【0082】
この結果、電子機器11を使用するユーザーは、表示装置17を見ることによって、コンデンサ18からCPU14等に対して放電が行われているか否かを理解することができる。そして、主電源12からの電源供給に遮断が生じているか否かを理解することができる。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、上記第1の実施形態で説明した電子機器11の適用について説明する。第1の実施形態における電子機器11は、携帯電話機、モバイル型コンピュータ、液晶テレビ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、テレビ電話、タッチパネルを備えた装置、カーナビゲーション装置、表示機能付きの時計、デジタルカメラ等の各種表示機能付き電子機器に具体化できる。
【0084】
図3は、携帯電話機の構成を示す斜視図を示す。図3において、携帯電話機51は、第1の実施形態における主電源12を、バッテリ52として本体に対して取り外し可能に備えるものである。また、携帯電話機51は、第1の実施形態における表示装置17を、液晶表示装置54として備える。
【0085】
この場合においても、携帯電話機51は前記第1実施形態と同様な効果を発揮する。すなわち、バッテリ52の残量不足などにより、バッテリ52からCPUや液晶表示装置54等へと供給される電力が遮断されても、コンデンサからの放電によって、CPUや液晶表示装置54等が駆動される。この結果、CPUにおいて、メモリにおける画像データ等を更新しているときに、バッテリ52からの電力が遮断されても、メモリに記憶されているデータが破壊されるようなことがない。また、液晶表示装置54における表示も、コンデンサに蓄積された電荷によって、継続させることができる。
【0086】
しかも、昇圧回路によって、コンデンサからCPU等へと出力される電圧が昇圧されるので、コンデンサによってCPUや液晶表示装置54等が駆動される時間を長くすることができる。そして、CPUや液晶表示装置54等の駆動時間を長くするために、コンデンサの容量を大きくするようなことをする必要がないので、省スペースとなり、携帯電話機51の大きさをコンパクトにすることができる。
【0087】
なお、上記第1及び第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、第1の閾値Vbは、電圧値Vcがこの第1の閾値Vbの値以下となったときに、主電源12において、主電源12からの電力供給が遮断されるような問題が発生していると判別するための値となるようにした。これを、その他の値となるようにしてもよい。
【0088】
・上記第1及び第2の実施形態では、第2の閾値Vthは、電圧値Vcがこの第2の閾値Vthの値を下回ったときに、第1の配線30を介してCPU14等に供給される電力の電位が、CPU14等を駆動させるために充分な電位であるか否かを判別するための値であるようにした。これを、その他の値となるようにしてもよい。
【0089】
・上記第1及び第2の実施形態では、被印加デバイスとして、CPU14、メモリ16、表示装置17に具体化した。これを、主電源12から電源供給を受けるものであれば、他の被印加デバイスに具体化してもよい。
【0090】
・上記第1及び第2の実施形態においては、メモリ16に記憶されている警告表示用画像データは、表示装置17に「LOW BATTERY」という警告表示画像を表示させるためのデータであるようにした。これを、ユーザーに対して、主電源12からの電力供給に遮断のおそれがある旨を視覚的に表現できるものであれば、他の警告表示画像を表示させるためのデータであってもよい。
【0091】
・上記第1及び第2の実施形態においては、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに前記第2の閾値Vth以上であると判別すると、CPU14に対して第1の電圧低下信号を出力するようにした。そして、CPU14は、第1の電圧低下信号の入力に基づいて、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われるようにした。
【0092】
これを、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに第2の閾値Vth以上であると判別しても、表示装置17上に、「LOW BATTERY」という表示が行われないようにしてもよい。
【0093】
・上記第1及び第2の実施形態においては、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対してオンオフ信号を出力する信号出力手段は、電圧検出回路28に備えられるようにした。これを、電圧検出回路28は、電圧値Vcを検出するのみとするようにしてもよい。そして、このような場合には、電圧検出回路28にて検出された電圧値Vcを入力して、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して個別にオンオフ信号を出力する信号出力手段を電圧検出回路28と別に設けるようにする。また、信号出力手段をCPU14に備えるようにしてもよい。
【0094】
・上記第1及び第2の実施形態においては、電圧検出回路28は、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対して個別にオンオフ信号を出力するようにした。これを、図4に示すように、電圧検出回路28は、タイミング調整回路57を介して、第1〜第3のスイッチ31,36,41に対してオンオフ信号を出力するようにしてもよい。
【0095】
なお、タイミング調整回路57は、電圧検出回路28が電圧値Vcの低下を検出し、電力供給を主電源12からコンデンサ18に切り換えるときに、まず、第1及び第2のスイッチ31,36のみにオフ信号を出力し、その後、第3のスイッチ41にオン信号を出力する回路であるものとする。従って、電圧検出回路28が、電圧値Vcが第1の閾値Vb以下であるとともに前記第2の閾値Vth以上であると判別し、タイミング調整回路57に対してオンオフ信号を出力すると、タイミング調整回路57は、まず、第1及び第2のスイッチ31,36に対してオフ信号を出力する。そして、所定時間経過後に第3のスイッチ41に対してオン信号を出力する。
【0096】
このようにすれば、コンデンサ18からCPU14等への電力供給は、必ず、主電源12とCPU14等、及び、主電源12とコンデンサ18との間の接続が遮断されてから行われるようになる。従って、例えば、第1及び第2のスイッチ31,36が接続状態となっている間に第3のスイッチ41が接続状態となることにより、コンデンサ18から主電源12へと逆流電流が生じたり、コンデンサ18からCPU14等に対して昇圧回路25を介さずに直接電力が供給されたりすることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における電子機器の電気的構成図。
【図2】同じく、電圧値Vcと時刻との関係を示すグラフ。
【図3】第2の実施形態における携帯電話機の斜視図。
【図4】別例における電子機器の電気的構成図。
【符号の説明】
Vb…閾値としての第1の閾値、Vc…電圧値、11…電子機器、12…主電源、14…制御装置としてのCPU、16…記憶装置としてのメモリ、17…表示装置、18…電荷蓄積手段としてのコンデンサ、25…昇圧回路、28…電圧検出手段及び信号出力手段としての電圧検出回路、30…第1の配線、31…第1のスイッチ、34…第2の配線、36…第2のスイッチ、38…第3の配線、41…第3のスイッチ、57…タイミング調整回路。
Claims (7)
- 主電源と被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子回路において、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態とするための判定値として、前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路と
を備えたことを特徴とする電子回路。 - 請求項1に記載の電子回路において、
前記電圧検出手段は、
前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、それぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段を備えたことを特徴とする電子回路。 - 請求項2に記載の電子回路において、
前記信号出力手段は、
前記電圧値が閾値を上回っている場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが接続状態となるとともに前記第3のスイッチが非接続状態となるような第1の指示信号を出力し、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となるとともに前記第3のスイッチが接続状態となるような第2の指示信号を出力することを特徴とする電子回路。 - 請求項3に記載の電子回路において、
前記信号出力手段から出力される前記第2の指示信号を入力し、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとに対して、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが非接続状態となった後に、前記第3のスイッチが接続状態となるような第3の指示信号を出力するタイミング調整回路を備えたことを特徴とする電子回路。 - 主電源と、被印加デバイスと、電荷蓄積手段と、前記主電源と前記被印加デバイスとを接続する第1の配線上に設けた第1のスイッチと、前記主電源と前記電荷蓄積手段とを接続する第2の配線上に設けた第2のスイッチと、前記電荷蓄積手段と前記被印加デバイスとを接続する第3の配線上に設けた第3のスイッチとを備えた電子機器において、
前記第1のスイッチと前記被印加デバイスとの間における前記第1の配線の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記電圧値に基づいて、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチと前記第3のスイッチとをそれぞれ個別に接続状態及び非接続状態となるような指示信号を出力する信号出力手段と、
前記第3のスイッチと前記被印加デバイスとの間に設けられ、前記電荷蓄積手段から前記被印加デバイスへの出力電圧を昇圧させる昇圧回路と
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 請求項5に記載の電子機器において、
前記被印加デバイスは、制御装置と記憶装置と表示装置であることを特徴とする電子機器。 - 請求項6に記載の電子機器において、
前記電圧検出手段は、前記電圧値が前記閾値以下である場合には、前記制御装置に対して第4の指示信号を出力する手段であり、
前記記憶装置は、警告表示用画像データを記憶する装置であり、
前記制御装置は、前記第4の指示信号を入力すると、前記警告表示用画像データに基づいて、前記表示装置に警告表示画像を表示する装置であることを特徴とする電子機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2139117A1 (de) * | 2008-06-23 | 2009-12-30 | Moeller GmbH | Verfahren und elektronische Schaltung für eine elektronische Schaltungseinheit |
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-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176405A patent/JP2005011186A/ja not_active Withdrawn
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