JP2005010151A - 電力計 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成部品数を低減しつつ高精度で電力を計測する。
【解決手段】交流電圧e1、および交流電圧e1が印加された回路41を流れる交流電流に対応する電流対応電圧ei1を入力すると共に交流電圧e1および電流対応電圧ei1をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサ3と、マルチプレクサ3によって出力された交流電圧e1および電流対応電圧ei1をディジタルデータDvに順次変換して出力するA/D変換部4と、A/D変換部4によって出力されたディジタルデータDvをメモリ6に記憶させる制御部5とを備え、制御部5は、メモリ6に記憶されたディジタルデータDvに基づいてサンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、そのサンプリング期間毎の電力値を平均することによって回路41に入力している交流の電力を計測する。
【選択図】図1
【解決手段】交流電圧e1、および交流電圧e1が印加された回路41を流れる交流電流に対応する電流対応電圧ei1を入力すると共に交流電圧e1および電流対応電圧ei1をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサ3と、マルチプレクサ3によって出力された交流電圧e1および電流対応電圧ei1をディジタルデータDvに順次変換して出力するA/D変換部4と、A/D変換部4によって出力されたディジタルデータDvをメモリ6に記憶させる制御部5とを備え、制御部5は、メモリ6に記憶されたディジタルデータDvに基づいてサンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、そのサンプリング期間毎の電力値を平均することによって回路41に入力している交流の電力を計測する。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力している交流の電力を計測する電力計に関するものである。
この種の電力計として、特開昭62−8061号公報に開示された交流計測装置、および特開2000−356659号公報に開示された多回路形電力計が知られている。このうち、前者の交流計測装置は、同公報中の第1図に示すように、電流/電圧変換回路1、多相交流の電圧入力を相選択するマルチプレクサ2a、多相交流の電流入力を相選択するマルチプレクサ2b、相選択された電圧入力と電流入力を同一タイミングで保持するサンプルホールド回路3a,3b、同一タイミングで保持された電圧および電流入力を選択するマルチプレクサ2c、アナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路4、A/D変換回路4のデジタルデータがサイクリックに書き込まれるサンプルメモリ5、各マルチプレクサ2a,2bと各サンプルホールド回路3a,3bとA/D変換回路4とサンプルメモリ5との動作タイミングを制御する記憶制御回路6、サンプリングにより得られた計測データを演算処理して出力情報に変換するマイクロコンピュータ7、並びにサンプリングにより得られた計測データおよび演算結果を保存する内部メモリ8を備えている。
この交流計測装置では、電流/電圧変換回路1が、電流入力信号i1〜i3を電圧信号にそれぞれ変換してマルチプレクサ2bに出力する。マルチプレクサ2aは、記憶制御回路6の制御下で、電圧入力信号e1,e2,e3,e1・・・をこの順で選択して出力する。一方、マルチプレクサ2bは、記憶制御回路6の制御下で、電流入力信号i1,i2,i3,i1・・・をこの順で選択して、電圧入力信号e1,e2,e3,e1・・・と同一のタイミングで出力する。また、各サンプルホールド回路3a,3bは、記憶制御回路6の制御下で、各マルチプレクサ2a,2bによって出力された同一相の電圧入力信号および電流入力信号を同一タイミングでサンプリングする。マルチプレクサ2cは、各サンプルホールド回路3a,3bから出力される2つの信号を選択してA/D変換回路4に出力する。次いで、A/D変換回路4は、マルチプレクサ2cによって選択されたアナログ信号のレベルをデジタルデータに変換する。また、サンプルメモリ5は、このディジタルデータを順次記憶する。一方、マイクロコンピュータ7は、サンプルメモリ5に記憶されているディジタルデータをサンプルデータe1 、e2 、・・・en 、i1 、i2 、・・・in として読み取ると共に、計測出力としての各種電気量(例えば、電力)の演算を実行する。
上記の交流計測装置によれば、マルチプレクサ2a,2bおよびサンプルホールド回路3a,3bが、同一相の電圧入力と電流入力とを同一タイミングでサンプリングするため、交流計測装置の内部における電圧入力と電流入力との間の演算誤差の発生を軽減できる結果、電力等の各種電気量を高精度に計測することが可能となっている。
一方、後者の多回路形電力計は、同公報中の図7に示すように、電圧入力手段100、電流入力手段200および電力計測手段330を備え、図外の6つの回路に入力する交流の各電力を計測可能に構成されている。この場合、各回路には、図外の3つの系統電圧(交流電圧)のうちのいずれかが印加されて、交流の回路電流が流れているものとする。電圧入力手段100は、各系統電圧を入力して対応する交流電圧を電力計測手段330に出力する。電流入力手段200は、各回路電流を入力して対応する交流電流を電力計測手段330に出力する。電力計測手段330は、時分割計測手段331および電力演算部332を備え、この時分割計測手段331は、サンプル&ホールド部3311およびA/D変換器3312を備えている。サンプル&ホールド部3311は、系統電圧および回路電流の数に相当する複数のサンプル&ホールド回路によって構成されて、電圧入力手段100から出力される各系統電圧の瞬時値、および電流入力手段200から出力される各回路電流の瞬時値を同時サンプリングして一時保持する。A/D変換器3312は、一時保持されているサンプリングデータを計測ディジタルデータに変換する。電力演算部332は、計測ディジタルデータに基づいて各回路に供給されている電力を計算する。
この多回路形電力計では、電圧入力手段100が、各系統電圧を入力して対応する交流電圧を電力計測手段330に出力し、電流入力手段200が、各回路電流を入力して対応する交流電流を電力計測手段330に出力する。次に、電力計測手段330のサンプル&ホールド部3311が、各系統電圧および各回路電流を同時にサンプリングしてサンプリングデータを一時保持する。次いで、A/D変換器3312が、サンプリングデータを計測ディジタルデータに変換する。この場合、サンプル&ホールド部3311およびA/D変換器3312は、各系統電圧および各回路電流のサンプリングおよび計測ディジタルデータへの変換を交流周期の1サイクルまたは1サイクルの整数倍の時間である1サンプリング期間実行する。この際に、電力演算部332が、各回路毎に、系統電圧および回路電流の計測ディジタルデータの積を計算し、1サンプリング期間内におけるその積の和を計算し、さらに積の和の平均値を求めることによって各電力を計算する。
また、上記公報には、複数のサンプル&ホールド回路によって構成されるサンプル&ホールド部3311に代えて、マルチプレクサおよび1つのサンプル&ホールド回路を採用して、各系統電圧および各回路電流を順次切り換えてA/D変換器で計測する構成を採用する例についても記載されている。このようにマルチプレクサを用いる構成では、一般的に、各系統電圧および各回路電流を同じ順番で順次切り換えてサンプリングする。具体的には、例えば、系統1〜3の3系統のうちの系統1に回路1,2が接続され、系統2に回路3,4が接続され、かつ系統3に回路5,6が接続されているものとしたときに、マルチプレクサが、系統1電圧、回路1電流、回路2電流、系統2電圧、回路3電流、回路4電流、系統3電圧、回路5電流、回路6電流、系統1電圧・・・の順序でサンプリングしてA/D変換器3312に出力する。次いで、A/D変換器3312が、マルチプレクサから順次出力されるサンプリングデータを計測ディジタルデータに変換する。この際に、電力演算部332が、各回路毎に、系統電圧および回路電流の計測ディジタルデータの積を計算し、1サンプリング期間内におけるその積の和を計算し、さらに積の和の平均値を求めることによって電力を計算する。
特開昭62−8061号公報(第2−3頁、第1図)
特開2000−356659号公報(第7−8頁、第7図)
ところが、従来の各交流計測装置(電力計)には、以下のような解決すべき課題がある。すなわち、各交流計測装置では、電圧入力と電流入力とを同一タイミングでサンプリングする構成のため、電圧入力用と電流入力用にマルチプレクサおよびサンプルホールド回路を個別にそれぞれ設ける必要がある。したがって、構成部品が多くなって製品を安価に製造するのが困難で、これを解決すべきであるという課題が存在する。
一方、マルチプレクサおよびサンプルホールド回路を、電圧入力用と電流入力用とで共用する構成を採用して構成部品を削減することも考えられる。しかしながら、この構成では、上記の特開昭62−8061号公報における従来技術に記載されているように、電圧入力と電流入力のサンプリング位相が相違(位相ずれ)する結果、算出した電力に常に誤差が含まれるという問題が生じる。
具体的には、交流が印加される1つの回路での有効電力Pは、下記の式で表される。
P=E・I・cos(θ+α)
=E・I・(cosθ・cosα−sinθ・sinα)
なお、この式において、Eは電圧の実効値、Iは電流の実効値、θは電圧と電流の位相差、αはサンプリング位相を意味する。
=E・I・(cosθ・cosα−sinθ・sinα)
なお、この式において、Eは電圧の実効値、Iは電流の実効値、θは電圧と電流の位相差、αはサンプリング位相を意味する。
この場合、一般的に、αが1よりも十分に小さいため、次の式が成立する。
cosα≒1、sinα≒α
この結果、有効電力Pは、下記の式で表される。
P=E・I・cosθ−α・E・I・sinθ
cosα≒1、sinα≒α
この結果、有効電力Pは、下記の式で表される。
P=E・I・cosθ−α・E・I・sinθ
したがって、このような構成を採用した場合、サンプリング位相αが生じないときの有効電力(P=E・I・cosθ)と比較して、(α・E・I・sinθ)に相当する測定上の誤差が生じるという問題点がある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、構成部品数を低減しつつ高精度で電力を計測し得る電力計を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電力計は、交流電圧、および当該交流電圧が印加された回路を流れる交流電流に対応する電流対応電圧を入力すると共に当該交流電圧および当該電流対応電圧をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサと、当該マルチプレクサによって出力された前記交流電圧および前記電流対応電圧をディジタルデータに順次変換して出力するA/D変換部と、当該A/D変換部によって出力された前記ディジタルデータをメモリに記憶させる制御部とを備え、前記制御部は、前記メモリに前記ディジタルデータとして記憶された前記交流電圧および前記電流対応電圧に基づいて前記回路における前記サンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、当該サンプリング期間毎の当該電力値を平均することによって前記回路に入力している交流の電力を計測する。
また、請求項2記載の電力計は、交流電圧、および当該交流電圧が共に印加された複数の回路を流れる各交流電流にそれぞれ対応する各電流対応電圧を入力すると共に当該交流電圧および当該各電流対応電圧をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサと、当該マルチプレクサによって出力された前記交流電圧および前記各電流対応電圧をディジタルデータに順次変換して出力するA/D変換部と、当該A/D変換部によって出力された前記各ディジタルデータをメモリに記憶させる制御部とを備え、前記制御部は、前記メモリに前記各ディジタルデータとして記憶された前記交流電圧および前記各電流対応電圧に基づいて前記各回路における前記サンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、当該各回路における当該サンプリング期間毎の当該電力値を平均することによって当該各回路に入力している交流の電力を計測する。
請求項1記載の電力計によれば、制御部がメモリに記憶された電流対応電圧および交流電圧に基づいてサンプリング期間毎の電力値を算出すると共にサンプリング期間毎の電力値を平均して入力している交流の電力を計測することにより、マルチプレクサおよびA/D変換部をそれぞれ1つで構成したことに起因してマルチプレクサの切換選択の周期に相当する位相差(サンプリング位相)が交流の電流および電圧の間に存在していたとしても、サンプリング位相が存在しないときの電力と殆ど同一の値の電力を計測することができる。したがって、この電力計によれば、少なくとも交流電圧用および交流電流用のマルチプレクサをそれぞれ設けている従来の電力計の構成と比較して、構成部品数を低減しつつ回路に入力している電力を同等の高い精度で計測することができる。
請求項2記載の電力計によれば、制御部がメモリに記憶された交流電圧および各電流対応電圧に基づいて各回路におけるサンプリング期間毎の電力値を算出すると共にサンプリング期間毎の電力値を平均して各回路に入力している交流の電力を計測することにより、マルチプレクサおよびA/D変換部をそれぞれ1つで構成したことに起因してマルチプレクサの切換選択の周期および切換選択の順番に対応する位相差(サンプリング位相)が各回路における交流の電圧および電流の間に存在していたとしても、サンプリング位相が存在しないときの電力と殆ど同一の値の電力を計測することができる。したがって、この電力計によれば、各回路の交流電圧用および交流電流用の複数のサンプルホールド回路を設けている従来の電力計の構成と比較して、構成部品数を低減しつつ多回路に入力している電力を高い精度で計測することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電力計の最良の一形態について説明する。
まず、本発明の電力計1の構成について、図面を参照して説明する。
電力計1は、図1に示すように、I/V変換部(電流/電圧変換部)2、マルチプレクサ3、A/D変換部4、制御部5、メモリ6および出力部7を備え、一例として、R相に接続された回路41に入力している有効電力Pr、S相に接続された回路42に入力している有効電力Ps、およびT相に接続された回路43に入力している有効電力Ptをそれぞれ計測可能に構成されている。すなわち、電力計1は、R相等の1系統に接続された1回路に入力している有効電力Pを、複数回路について同時に計測可能に構成されている。この場合、R相、S相およびT相には、それぞれに印加されている各交流電圧を電力計1による計測が可能な交流電圧e1,e2,e3にそれぞれ変換する計器用変圧器11,12,13が接続されている。また、R相、S相およびT相には、回路41,42,43に入力される交流電流を電力計1による計測が可能な交流電流i1,i2,i3に変換する計器用変流器21,22,23がそれぞれ配置されている。
この場合、I/V変換部2は、R相、S相およびT相の各交流電流i1,i2,i3(以下、特に区別しないときには「交流電流i」ともいう)を、その電流値に比例して電圧値が変化する電流対応電圧ei1,ei2,ei3(以下、特に区別しないときには「電流対応電圧ei」ともいう)にそれぞれ変換して出力する。マルチプレクサ3は、一例として6入力1出力の構成を備え、R相、S相およびT相の各交流電圧e1,e2,e3(以下、特に区別しないときには「交流電圧e」ともいう)と、I/V変換部2から出力される電流対応電圧ei1,ei2,ei3との内の1つを、入力した選択指示S1の内容に従って切換選択して選択出力S2として出力する。A/D変換部4は、トリガ信号S3を入力したタイミングで、入力している選択出力S2をその電圧値に応じたディジタルデータDvに変換して出力する。
制御部5は、マルチプレクサ3に対して選択指示S1を出力すると共に、その選択指示S1の内容を順次変更することにより、図2の波形上に黒点で示すように、R相、S相、T相、T相、S相、R相、R相、S相、T相、・・・というように計測の周期T1毎にこの周期T1内におけるサンプリング対象としての電圧および電流の相の順序が入れ替わる(相選択が行われる)と共に、いずれの相においても、サンプリング対象としての交流電圧eおよび電流対応電圧eiを一組(一対)サンプリングするサンプリング期間(Tr,Ts,Tt:時間はそれぞれT1/3)毎に、先の(対応する相についての1つ直前の)サンプリング期間における順序と逆の順序で交流電圧eと電流対応電圧eiとが半分の時間(T1/6)ずつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。具体的には、制御部5は、R相がサンプリング対象となるときは、同図に示すように、サンプリング期間Tr1においては交流電圧e1および電流対応電圧ei1がこの順序で、また次のサンプリング期間Tr2においては電流対応電圧ei1および交流電圧e1がこの順序で、さらに次のサンプリング期間Tr3においては交流電圧e1および電流対応電圧ei1がこの順序で、さらにその後のサンプリング期間Tr4,Tr5においても同様にして、先のサンプリング期間における順序とは逆の順序で電流対応電圧ei1および交流電圧e1がそれぞれ時間T1/6ずつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。また、制御部5は、S相がサンプリング対象となるときにも、R相のときと同様にして、各サンプリング期間Ts1,Ts2,Ts3,Ts4,Ts5において、交流電圧e2および電流対応電圧ei2を、その順序を交互に入れ替えつつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。さらに、制御部5は、T相がサンプリング対象となるときにも同様にして、各サンプリング期間Tt1,Tt2,Tt3,Tt4,Tt5,Tt6において、交流電圧e3および電流対応電圧ei3を、その順序を交互に入れ替えつつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。
また、制御部5は、図2に示すように、A/D変換部4に対してトリガ信号S3を時間T1/6の周期で出力する。また、制御部5は、トリガ信号S3を出力する都度、A/D変換部4によって生成されるディジタルデータDvを入力すると共にメモリ6に記憶させる。この場合、制御部5は、入力したディジタルデータDvがいずれの相のどの電圧(交流電圧eまたは電流対応電圧ei)を示すデータであるかを判別して、各相毎に、交流電圧eおよび電流対応電圧eiに分け、かつ各サンプリング期間に対応させてメモリ6に記憶させる。
また、制御部5は、メモリ6に記憶されている交流電圧eおよび電流対応電圧eiを示す両ディジタルデータDvをサンプリング期間毎に読み出すと共に、この両ディジタルデータDvに基づいて(具体的には、両データを乗算することにより)、各相についての各サンプリング期間毎の電力値を算出する。さらに、制御部5は、算出した各相についての各サンプリング期間毎の電力値を平均することにより、R相,S相およびT相毎の有効電力Pr,Ps,Ptを算出してメモリ6に記憶させる。また、制御部5は、算出した有効電力Pr,Ps,Ptを出力部7に出力する。本例では、一例として出力部7は、ディスプレイで構成されている。したがって、制御部5は、有効電力Pr,Ps,Ptを数字やグラフ等の目視可能な形態で出力部7に表示させる。
続いて、電力計1の動作について、図面を参照して説明する。なお、一例として、計測対象としてのR相、S相およびT相の各相についての交流電圧e1,e2,e3の実効値がそれぞれEr,Es,Etであり、交流電流i1,i2,i3の実効値がそれぞれIr,Is,Itであるものとする。また、各交流電圧e1,e2,e3は、交流電流i1,i2,i3に対して角度θだけその位相が進んでいるものとする。
電力計1の作動状態では、I/V変換部2が、R相、S相およびT相の各交流電流i1,i2,i3をそれぞれ電流対応電圧ei1,ei2,ei3に変換して出力する。一方、制御部5は、選択指示S1をマルチプレクサ3に出力し、かつトリガ信号S3をA/D変換部4に出力することにより、R相、S相、T相、T相、S相、R相、R相、S相、T相、・・・という順序で各相における交流電圧eおよび電流対応電圧eiを示すディジタルデータDvをA/D変換部4に生成させると共に、このディジタルデータDvを入力してメモリ6に記憶させる。また、制御部5は、この動作を各相について複数周期(例えば、十数周期)実行する。
次いで、制御部5は、メモリ6に記憶されている交流電圧eおよび電流対応電圧eiを示すディジタルデータDvをサンプリング期間毎に読み出すと共に、この両ディジタルデータDvを互いに乗算することにより、各相についての各サンプリング期間毎の電力値(有効電力値)を算出する。次いで、制御部5は、算出した各相についての各サンプリング期間毎の電力値を平均することにより、R相,S相およびT相毎の有効電力Pr,Ps,Ptを算出してメモリ6に記憶させる。
この場合、例えば、図2に示すように、マルチプレクサ3の切換周期(時間T1/6)に起因して生じる位相差をα、各相についてのサンプリング期間数を2Nとすると、R相における奇数番目のサンプリング周期Tr1,Tr3,Tr5,・・・,(2N−1)における有効電力Prodの平均は、下記の式で表される。
Prod=Er・Ir・cos(θ−α)
Prod=Er・Ir・cos(θ−α)
一方、偶数番目のサンプリング周期Tr2,Tr4,・・・,2Nにおける有効電力Prevの平均は、下記の式で表される。
Prev=Er・Ir・cos(θ+α)
したがって、R相全体としての有効電力Prは、下記の式で表される。
Pr=1/2・(Er・Ir・cos(θ−α)+Er・Ir・cos(θ+α))
=Er・Ir・cosθ・cosα
ここで、一般的に、αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cosα≒1
このため、有効電力Prは、下記の式で表される。
Pr≒Er・Ir・cosθ
Prev=Er・Ir・cos(θ+α)
したがって、R相全体としての有効電力Prは、下記の式で表される。
Pr=1/2・(Er・Ir・cos(θ−α)+Er・Ir・cos(θ+α))
=Er・Ir・cosθ・cosα
ここで、一般的に、αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cosα≒1
このため、有効電力Prは、下記の式で表される。
Pr≒Er・Ir・cosθ
したがって、I/V変換部2による変換時間やマルチプレクサ3の切換選択の周期(時間T1/6)に起因して生じる位相差(サンプリング位相)αが存在していたとしても、制御部5は、上記の算出方法によって有効電力を算出することにより、サンプリング位相が存在しないときの有効電力、すなわち交流電圧e1,e2,e3と交流電流i1,i2,i3とを同一タイミングでサンプリングする構成によって得られる有効電力(Pr=Er・Ir・cosθ)と殆ど同一の値の有効電力を計測(算出)することができる。
また、制御部5は、R相と同様にして、S相およびT相の各有効電力Ps,Ptを算出する。この場合、S相全体としての有効電力PsおよびT相全体としての有効電力Ptについても、下記の各式でそれぞれ表される。
Ps≒Es・Is・cosθ
Pt≒Et・It・cosθ
したがって、いずれもサンプリング位相が存在していないときの有効電力(Ps=Es・Is・cosθ、Pt=Et・It・cosθ)と殆ど同一の値の有効電力を計測(算出)することができる。
Pt≒Et・It・cosθ
したがって、いずれもサンプリング位相が存在していないときの有効電力(Ps=Es・Is・cosθ、Pt=Et・It・cosθ)と殆ど同一の値の有効電力を計測(算出)することができる。
続いて、制御部5は、算出したR相、S相およびT相の各有効電力Pr,Ps,Ptを出力部7に表示させる。これにより、電力計1によるR相、S相およびT相の各有効電力Pr,Ps,Ptの計測が完了する。
このように、この電力計1によれば、入力しているR相、S相およびT相の交流電流i1,i2,i3に対応する電流対応電圧ei1,ei2,ei3および交流電圧e1,e2,e3をサンプリング期間Tr,Ts,Tt毎に先のサンプリング期間における順序とは逆の順序で出力するマルチプレクサ3と、このマルチプレクサ3によって出力された電流対応電圧ei1,ei2,ei3および交流電圧e1,e2,e3をディジタルデータDvに順次変換して出力するA/D変換部4と、このA/D変換部4によって出力されたディジタルデータDvをメモリ6に記憶させる制御部5とを備え、制御部5が、メモリ6に記憶された電流対応電圧ei1,ei2,ei3および交流電圧e1,e2,e3の各ディジタルデータDvに基づいて、R相、S相およびT相毎に、各サンプリング期間Tr,Ts,Tt毎の電力値を算出すると共に各サンプリング期間Tr,Ts,Tt毎の電力値を平均して交流の各有効電力Pr,Ps,Ptを計測することにより、マルチプレクサ3およびA/D変換部4をそれぞれ1つで構成したことに起因してマルチプレクサ3の切換選択の周期(時間T1/6)に相当する位相差(サンプリング位相)αが交流電流i1,i2,i3および交流電圧e1,e2,e3の間に存在していたとしても、サンプリング位相が存在しないときの有効電力、すなわち交流電圧e1,e2,e3と交流電流i1,i2,i3とを同一タイミングでサンプリングして得られる有効電力(Pr=Er・Ir・cosθ)と殆ど同一の値の有効電力を計測することができる。したがって、この電力計1によれば、構成部品数を低減しつつ各回路41〜43に入力している有効電力を高精度で計測することができる。
次いで、添付図面を参照して、本発明に係る電力計の最良の他の形態について説明する。
まず、本発明の電力計1Aの構成について、図面を参照して説明する。なお、電力計1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
電力計1Aは、図3に示すように、I/V変換部2A、マルチプレクサ3、A/D変換部4、制御部5A、メモリ6および出力部7を備え、一例として、交流電源の系統1に接続された2つ(本発明における「複数」の一例)の回路41,42にそれぞれ入力している各有効電力P1,P2、および系統2に接続された2つ(本発明における「複数」の一例)の回路43,44にそれぞれ入力している各有効電力P3,P4を計測可能に構成されている。すなわち、電力計1Aは、複数の交流供給系統の各々にそれぞれ複数接続された複数の回路にそれぞれ入力している各有効電力Pを同時に計測可能な多回路形電力計として構成されている。この場合、系統1は交流電源31に接続され、系統2は交流電源32に接続されている。また、系統1,2の各電力供給線には、交流電源31,32から出力される各交流電圧を交流電圧e1,e2にそれぞれ変換する計器用変圧器11,12が接続されている。また、回路41,42,43,44に接続された各電力供給線には、回路41,42,43,44に入力される交流電流を交流電流i1,i2,i3,i4に変換する計器用変流器21,22,23,24が配置されている。
I/V変換部2Aは、交流電流i1,i2,i3,i4(以下、特に区別しないときには「交流電流i」ともいう)を入力して、その電流値に比例して電圧値が変化する電流対応電圧ei1,ei2,ei3,ei4(以下、特に区別しないときには「電流対応電圧ei」ともいう)にそれぞれ変換して出力する。マルチプレクサ3は、一例として6入力1出力の構成を備え、入力した交流電圧e1,e2(以下、特に区別しないときには「交流電圧e」ともいう)と、入力した電流対応電圧ei1,ei2,ei3,ei4との内の1つを、入力した選択指示S1の内容に従って切換選択して選択出力(本発明におけるマルチプレクサによって出力された交流電圧および各電流対応電圧)S2として出力する。A/D変換部4は、トリガ信号S3を入力したタイミングで、入力している選択出力S2をその電圧値に応じたディジタルデータDvに変換して出力する。
制御部5Aは、選択指示S1を出力すると共に、その選択指示S1の内容を順次変更することにより、マルチプレクサ3に対する制御を実行する。具体的には、制御部5Aは、図4の波形上に黒点で示すように、系統1、系統2、系統2、系統1、系統1、系統2、系統2、系統1、・・・というように計測の周期T毎にこの周期T内におけるサンプリング対象としての系統の順序が入れ替わる(系統選択が行われる)と共に、いずれの系統においても、サンプリング対象としての交流電圧eおよび電流対応電圧eiを一組サンプリングするサンプリング期間(T1,T2)毎に、先の(対応する系統についての1つ直前の)サンプリング期間における交流電圧eおよび電流対応電圧eiのサンプリングの順序と逆の順序で出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。この場合、測定部5は、各交流電圧eおよび各電流対応電圧eiが等間隔(T/6)で出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。具体的には、制御部5Aは、系統1がサンプリング対象となるときは、同図に示すように、サンプリング期間T1−1においては交流電圧e1、電流対応電圧ei1および電流対応電圧ei2がこの順序で、また次のサンプリング期間T1−2においては電流対応電圧ei2、電流対応電圧ei1および交流電圧e1がこの順序で、さらに次のサンプリング期間T1−3においては交流電圧e1、電流対応電圧ei1および電流対応電圧ei2がこの順序で、さらにその後のサンプリング期間T1−4,T1−5においても同様にして、先のサンプリング期間における順序とは逆の順序で交流電圧e1および電流対応電圧ei1,ei2がそれぞれ時間T/6ずつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。また、制御部5Aは、系統2がサンプリング対象となるときにも、系統1のときと同様にして、各サンプリング期間T2−1,T2−2,T2−3,T2−4,T2−5,T2−6において、交流電圧e2、電流対応電圧ei3および電流対応電圧ei4を、その順序を交互に入れ替えつつ出力されるようにマルチプレクサ3を制御する。
また、制御部5Aは、図4に示すように、A/D変換部4に対してトリガ信号S3を時間T/6の周期で出力する。また、制御部5Aは、トリガ信号S3を出力する都度、A/D変換部4によって生成されるディジタルデータDvを入力すると共にメモリ6に記憶させる。この場合、制御部5Aは、入力したディジタルデータDvがいずれの系統におけるいずれの回路のどの電圧(交流電圧eまたは電流対応電圧ei)を示すデータであるかを判別して、各系統および各回路毎に、交流電圧eおよび電流対応電圧eiに分け、かつ各サンプリング期間に対応させて、いずれのディジタルデータDvであるかを識別可能にメモリ6に記憶させる。
また、制御部5Aは、メモリ6に記憶されている各回路41〜44毎に対応する交流電圧eおよび電流対応電圧eiを示す両ディジタルデータDvをサンプリング期間毎に読み出すと共に、この両ディジタルデータDvに基づいて(具体的には、両データを乗算することにより)、各回路41〜44についての各サンプリング期間毎の電力値を算出する。さらに、制御部5Aは、算出した各回路についての各サンプリング期間毎の電力値を平均することにより、回路41,42,43,44毎の有効電力P1,P2,P3,P4を算出してメモリ6に記憶させる。また、制御部5Aは、算出した有効電力P1,P2,P3,P4を出力部7に出力する。本例では、一例として、出力部7は、ディスプレイで構成されている。したがって、制御部5Aは、有効電力P1,P2,P3,P4を数字やグラフ等の目視可能な形態で出力部7に表示させる。
続いて、電力計1Aの動作について、図面を参照して説明する。なお、一例として、計測対象としての各系統1,2の交流電圧e1,e2の実効値がそれぞれE1,E2であり、交流電流i1,i2,i3,i4の実効値がそれぞれI1,I2,I3,I4であるものとする。また、交流電流i1は交流電圧e1に対して角度θ1、交流電流i2は交流電圧e1に対して角度θ2、交流電流i3は交流電圧e2に対して角度θ3、および交流電流i4は交流電圧e2に対して角度θ4だけ遅れているものとする。
電力計1Aの作動状態では、I/V変換部2Aが、回路41,42,43,44に対応する各交流電流i1,i2,i3,i4をそれぞれ電流対応電圧ei1,ei2,ei3,ei4に変換して出力する。一方、制御部5Aは、選択指示S1をマルチプレクサ3に出力し、かつトリガ信号S3をA/D変換部4に出力することにより、系統1、系統2、系統2、系統1、系統1、系統2、系統2、・・・という順序で、かつ各系統における交流電圧eおよび電流対応電圧eiを先のサンプリング期間における交流電圧eおよび電流対応電圧eiのサンプリングの順序と逆の順序でディジタルデータDvをA/D変換部4に生成させると共に、このディジタルデータDvを入力してメモリ6に記憶させる。また、制御部5Aは、この動作を各系統(各回路)について複数周期(例えば、十数周期)実行する。
次いで、制御部5Aは、メモリ6に記憶されている回路41,42,43,44毎の交流電圧eおよび電流対応電圧eiを示すディジタルデータDvをサンプリング期間毎に読み出すと共に、この両ディジタルデータDvを互いに乗算することにより、回路41,42,43,44についての各サンプリング期間毎の電力値(有効電力値)を算出する。次いで、制御部5Aは、算出した回路41,42,43,44についての各サンプリング期間毎の電力値を平均することにより、回路41,42,43,44毎の有効電力P1,P2,P3,P4を算出してメモリ6に記憶させる。
この場合、例えば、図4に示すように、マルチプレクサ3の切換周期(時間T/6)および切り換える順序に起因して、回路41における交流電圧e1と交流電流i1とのサンプリングの位相差がαとなり、回路42における交流電圧e1と交流電流i2とのサンプリングの位相差が2αとなる。また、各回路についてのサンプリング期間数を2Nとすると、系統1の回路41における奇数番目のサンプリング周期T1−1,T1−3,T1−5,・・・,(2N−1)における有効電力Pod1の平均は、下記の式で表される。
Pod1=E1・I1・cos(θ1−α)
Pod1=E1・I1・cos(θ1−α)
一方、偶数番目のサンプリング周期T1−2,T1−4,・・・,2Nにおける有効電力Pev1の平均は、下記の式で表される。
Pev1=E1・I1・cos(θ1+α)
したがって、回路41全体としての有効電力P1は、下記の式で表される。
P1=1/2・(E1・I1・cos(θ1−α)+E1・I1・cos(θ1+α))
=E1・I1・cosθ1・cosα
ここで、一般的に、αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cosα≒1
このため、有効電力P1は、下記の式で表される。
P1≒E1・I1・cosθ1
Pev1=E1・I1・cos(θ1+α)
したがって、回路41全体としての有効電力P1は、下記の式で表される。
P1=1/2・(E1・I1・cos(θ1−α)+E1・I1・cos(θ1+α))
=E1・I1・cosθ1・cosα
ここで、一般的に、αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cosα≒1
このため、有効電力P1は、下記の式で表される。
P1≒E1・I1・cosθ1
また、系統1の回路42では、奇数番目のサンプリング周期T1−1,T1−3,T1−5,・・・,(2N−1)における有効電力Pod2の平均は、下記の式で表される。
Pod2=E2・I2・cos(θ2−2α)
Pod2=E2・I2・cos(θ2−2α)
一方、偶数番目のサンプリング周期T1−2,T1−4,・・・,2Nにおける有効電力Pev2の平均は、下記の式で表される。
Pev2=E2・I2・cos(θ2+2α)
したがって、回路42全体としての有効電力P2は、下記の式で表される。
P2=1/2・(E2・I2・cos(θ2−2α)+E2・I2・cos(θ2+2α))
=E2・I2・cosθ2・cos(2α)
ここで、一般的に、2αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cos(2α)≒1
このため、有効電力P2は、下記の式で表される。
P2≒E2・I2・cosθ2
Pev2=E2・I2・cos(θ2+2α)
したがって、回路42全体としての有効電力P2は、下記の式で表される。
P2=1/2・(E2・I2・cos(θ2−2α)+E2・I2・cos(θ2+2α))
=E2・I2・cosθ2・cos(2α)
ここで、一般的に、2αが1よりも十分に小さいため、下記の式が成立する。
cos(2α)≒1
このため、有効電力P2は、下記の式で表される。
P2≒E2・I2・cosθ2
したがって、I/V変換部2Aによる変換時間やマルチプレクサ3の切換選択の周期(時間T/6)に起因して生じる位相差(サンプリング位相)α、2αが存在していたとしても、制御部5Aは、上記の算出方法によって有効電力を算出することにより、サンプリング位相が存在しないときの有効電力、すなわち交流電圧e1,e2と交流電流i1,i2,i3,i4とを同一タイミングでサンプリングする構成によって得られる有効電力(P1=E1・I1・cosθ1、P2=E2・I2・cosθ2)と殆ど同一の値の有効電力を計測(算出)することができる。
また、制御部5Aは、系統1の回路41,42と同様にして、系統2の回路43,44の有効電力P3,P4を算出する。この場合、回路43全体としての有効電力P3および回路44全体としての有効電力P4についても、下記の各式でそれぞれ表される。
P3≒E3・I3・cosθ3
P4≒E4・I4・cosθ4
P3≒E3・I3・cosθ3
P4≒E4・I4・cosθ4
したがって、いずれもサンプリング位相が存在していないときの有効電力(P3=E3・I3・cosθ3、P4=E4・I4・cosθ4)と殆ど同一の値の有効電力を計測(算出)することができる。
続いて、制御部5Aは、算出した回路41,42,43,44の各有効電力P1,P2,P3,P4を出力部7に表示させる。これにより、電力計1Aによる回路41〜44の各有効電力(本発明における交流の電力に相当する)P1〜P4の計測が完了する。
このように、この電力計1Aによれば、マルチプレクサ3が、系統1の交流電圧e1、系統1に接続された回路41,42を流れる交流電流i1,i2に対応する各電流対応電圧ei1,ei2、系統2の交流電圧e2、および系統2に接続された回路43,44を流れる交流電流i3,i4に対応する各電流対応電圧ei3,ei4をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力し、A/D変換部4が、マルチプレクサ3によって出力された交流電圧e1,e2および電流対応電圧ei1,ei2,ei3,ei4をそれぞれディジタルデータDvに順次変換して出力し、制御部5Aが、A/D変換部4によって出力されたディジタルデータDvをメモリ6に記憶させ、かつメモリ6に記憶された交流電圧e1,e2および電流対応電圧ei1,ei2,ei3,ei4の各ディジタルデータDvに基づいて回路41,42についてのサンプリング期間T1毎の電力値および回路43,44についてのサンプリング期間T2毎の電力値を算出すると共にサンプリング期間毎に算出した電力値を平均して回路41〜44に入力している交流の各電力を計測することにより、マルチプレクサ3およびA/D変換部4をそれぞれ1つで構成したことに起因してマルチプレクサ3の切換選択の周期および切換選択の順番に対応する位相差(サンプリング位相)α,2αが回路41,42,43,44に対応する交流の電圧e1,e2および電流i1,i2,i3,i4の間に存在していたとしても、サンプリング位相が存在しないときの有効電力、すなわち交流電圧e1,e2と交流電流i1,i2,i3,i4とを同一タイミングでサンプリングして得られる有効電力(P1=E1・I1・cosθ1,P2=E2・I2・cosθ2,P3=E3・I3・cosθ3,P4=E4・I4・cosθ4)と殆ど同一の値の電力を計測することができる。したがって、この電力計1Aによれば、構成部品数を低減しつつ多回路(系統1についての回路41,42、系統2についての回路43,44)に入力されている各有効電力を高い精度で計測することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の電力計1として、1回目のサンプリング順序を、交流電圧e1、電流対応電圧ei1、交流電圧e2、電流対応電圧ei2、交流電圧e3、電流対応電圧ei3として、2回目のサンプリング順序を、電流対応電圧ei3、交流電圧e3、電流対応電圧ei2、交流電圧e2、電流対応電圧ei1、交流電圧e1としてサンプリングする例について説明したが、これに限らない。1回目のサンプリング順序と2回目のサンプリング順序とを逆にする限り、任意のサンプリング順序を採用することができる。例えば、上記の例では、1回目の順序を、交流電圧e1、交流電圧e2、交流電圧e3、電流対応電圧ei1、電流対応電圧ei2、電流対応電圧ei3として、2回目のサンプリング順序を、電流対応電圧ei3、電流対応電圧ei2、電流対応電圧ei1、交流電圧e3、交流電圧e2、交流電圧e1としてサンプリングすることもできる。また、1回目のサンプリング順序と2回目のサンプリング順序とを逆にする限り、交流電圧と電流対応電圧とのサンプリング順序はランダムであってもよい。同様にして、上記の電力計1Aについても、1回目のサンプリング順序(上記の例では、交流電圧e1、電流対応電圧ei1、・・・電流対応電圧ei4)と2回目のサンプリング順序(上記の例では、電流対応電圧ei4、電流対応電圧ei3、・・・交流電圧e1)とを逆にする限り、交流電圧と電流対応電圧とのサンプリング順序を任意に規定することができる。
さらに、例えば、R相、S相およびT相の各相についての有効電力Pr,Ps,Ptを計測する電力計1について説明したが、いずれか一相についての有効電力を計測するように電力計1を構成することもできるし、単相の有効電力を計測するように構成することもできる。この場合、マルチプレクサ3は、6入力1出力の構成に代えて、2入力1出力で構成することができる。また、入力数に応じて複数入力1出力で構成することができるのは勿論である。また、例えば、系統1,2の2系統について計測する電力計1Aについて説明したが、いずれか1系統について計測するように電力計1Aを構成することもできるし、2系統を超える複数の系統について計測するように構成することもできる。この場合、マルチプレクサ3は、6入力1出力の構成に代えて、入力数に応じて複数入力1出力で構成することができる。また、各系統1,2に2つの回路が接続されている例について上記したが、1つの系統に2つを超える複数の回路が接続されているときに各回路の有効電力を計測する構成を採用することもできる。また、1回目のサンプリング順序と2回目のサンプリング順序とを逆にする限り、系統1に1つの回路が接続され、かつ系統2に複数の回路が接続されている状態の各回路についても、構成部品数を低減しつつ各有効電力を高い精度で計測することができる。
また、上記の電力計1(1A)は、無効電力についても、有効電力のときと同様にして計測することもできる。さらに、出力部7としてディスプレイを使用して、計測した各有効電力Pr,Ps,Pt(P1,P2,P3,P4)を目視可能な形態で表示する例について説明したが、プリンタ等の印刷機で出力部7を構成することもできる。また、出力部7を設けることなく、制御部5(5A)から各有効電力Pr,Ps,Pt(P1,P2,P3,P4)を示すデータを外部装置に直接出力する構成を採用することもできる。
1,1A 電力計
3 マルチプレクサ
4 A/D変換部
5,5A 制御部
6 メモリ
Dv ディジタルデータ
e1,e2,e3 交流電圧
ei1,ei2,ei3,ei4 電流対応電圧
i1〜i4 交流電流
Tr,Ts,Tt,T1,T2 サンプリング期間
Pr,Ps,Pt,P1〜P4 有効電力
3 マルチプレクサ
4 A/D変換部
5,5A 制御部
6 メモリ
Dv ディジタルデータ
e1,e2,e3 交流電圧
ei1,ei2,ei3,ei4 電流対応電圧
i1〜i4 交流電流
Tr,Ts,Tt,T1,T2 サンプリング期間
Pr,Ps,Pt,P1〜P4 有効電力
Claims (2)
- 交流電圧、および当該交流電圧が印加された回路を流れる交流電流に対応する電流対応電圧を入力すると共に当該交流電圧および当該電流対応電圧をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサと、当該マルチプレクサによって出力された前記交流電圧および前記電流対応電圧をディジタルデータに順次変換して出力するA/D変換部と、当該A/D変換部によって出力された前記ディジタルデータをメモリに記憶させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記メモリに前記ディジタルデータとして記憶された前記交流電圧および前記電流対応電圧に基づいて前記回路における前記サンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、当該サンプリング期間毎の当該電力値を平均することによって前記回路に入力している交流の電力を計測する電力計。 - 交流電圧、および当該交流電圧が共に印加された複数の回路を流れる各交流電流にそれぞれ対応する各電流対応電圧を入力すると共に当該交流電圧および当該各電流対応電圧をサンプリング期間毎に先のサンプリング期間における順序と逆の順序で出力するマルチプレクサと、当該マルチプレクサによって出力された前記交流電圧および前記各電流対応電圧をディジタルデータに順次変換して出力するA/D変換部と、当該A/D変換部によって出力された前記各ディジタルデータをメモリに記憶させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記メモリに前記各ディジタルデータとして記憶された前記交流電圧および前記各電流対応電圧に基づいて前記各回路における前記サンプリング期間毎の電力値を算出すると共に、当該各回路における当該サンプリング期間毎の当該電力値を平均することによって当該各回路に入力している交流の電力を計測する電力計。
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- 2004-05-25 JP JP2004154343A patent/JP2005010151A/ja active Pending
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