JP2000221221A - 電力計測方法およびその電力計測器 - Google Patents

電力計測方法およびその電力計測器

Info

Publication number
JP2000221221A
JP2000221221A JP2411799A JP2411799A JP2000221221A JP 2000221221 A JP2000221221 A JP 2000221221A JP 2411799 A JP2411799 A JP 2411799A JP 2411799 A JP2411799 A JP 2411799A JP 2000221221 A JP2000221221 A JP 2000221221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
power
current
power supply
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2411799A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Kanzaki
昇 神崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2411799A priority Critical patent/JP2000221221A/ja
Publication of JP2000221221A publication Critical patent/JP2000221221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディジタル乗算方式で計測精度を向上させ、高
価なPT・CTを使用することなく、メモリを増さない電力
計測方法と電力計測器を提供する。 【解決手段】商用電源PS系統と、基準交流信号発生器21
と抵抗22とを備えてなる調整用系統と、この両系統を切
り換える切換器1と、この切換器1の制御手段と、A/D
変換回路5J,5V と中央処理装置6と位相シフト手段7と
を備え、切換器1を調整用系統側に切り換え基準交流信
号発生器21によってCT・PTを駆動し、基準交流信号とCT
・PTの二次側出力との位相偏差を計測し、記憶・保持
し、電力を計測するとき、CT・PTの二次側出力の読み取
りのタイミングを上記記憶・保持された位相偏差の差分
θJ-θV だけシフトして読み取り、この読み取り値の内
積から負荷LDへの供給電力ΣPを計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は商用交流電力を計
測するディジタル乗算方式の電力計測器の計測精度を向
上させる自己調整機能を有する電力計測方法およびその
電力計測器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による商用交流電力の電力計測
手段は、誘導型電力量計(機械式計器)、アナログ方式
では容量検出によるパルス帰還方式、和差二乗差分方
式、ホール素子方式、時分割方式、ディジタル乗算方式
などが知られている。
【0003】本発明はこの内、ディジタル乗算方式の計
測精度を向上させる自己調整機能に関するものである。
図8に従来技術によるディジタル乗算方式の電力計測器
のブロック線図を図示する。図8において、 CT1〜CT3
は電流変成器であり、商用交流電源の各相φ1 〜φ3 の
電流値を検出し、 PT1〜PT3 は電圧変成器であり、中性
点φN に対する各相φ1 〜φ3 の電圧値を検出し、それ
ぞれの変成器の二次側出力を離散的に収集して、後段の
A/D変換器でディジタル値に変換した後、中央処理装置
で乗算演算処理をして、電力値を求める。
【0004】例えば、図8に図示する3相4線式の給電
方式の実効電力Pは、離散化した各相の電流および電圧
の内積を基本周波数の1サイクル分加算し、その平均値
を求めることにより得ることができる。即ち、各相の一
相分の実効電力Piは、
【0005】
【数1】 で求まり、各相の演算された実効電力をP1,P2,P3とする
と、全実効電力Pは
【0006】
【数2】P=P1+P2+P3・・・・・・(2) で求めることができる。
【0007】また、上記演算を行うに際して、計測演算
精度を向上させるため、次の様なキャリブレーション機
能が一般的に行われている。 (1) A/D変換器の直線性改善のため、変換測定範囲を複
数に区分し、この変換測定範囲毎に A/D変換器の基準電
圧V-Ref を調整する。 (2) A/D変換器の基準電圧V-Ref を入力測定スパンに対
応して調整する。
【0008】次に、特開平6-3381「電力用計器調整装
置」にディジタル技術を用いた電力用計器に関し、特
に、入力トランスで生じる入力電圧と入力電流の位相差
誤差を補正する方法が図9、10に開示されている。
【0009】図9において、電力用計器調整装置の全体
ブロック構成は、82は電力用計器(電力計測器)90の電
圧入力端子V に正弦波を供給する信号源、83は信号源82
の位相を変化させ電力用計器90の電流入力端子V に入力
電流を供給する移相器、85は電力用計器90の電力値演算
信号95を検出する電圧計、87は電力用計器90に供給する
ための電源、80は信号源82およびその他の測定器を制御
演算制御手段であるワークステーションである。また、
電力用計器90は、補正関数の補正係数を格納する記憶素
子(PROM)91、入力信号をアナログ・ディジタル変換(以
下、A/D 変換と略称する)し、演算して表示もしくは出
力する特定目的応用集積回路 (ASIC回路)92 から構成さ
れている。81は、記憶素子(PROM)91に補正関数の補正係
数を書き込むための書込み器である。
【0010】電力用計器90は、特定目的応用集積回路
(ASIC回路)92 内に A/D変換器やマイクロプロセッサな
どを有する。通常の動作においては、取り込んだ電圧お
よび電流を A/D変換した後、記憶素子(PROM)91に格納さ
れている補正関数の補正係数により補正して、電力など
の演算をして、その結果を出力する。
【0011】この補正関数について、図9および図10の
特性曲線を説明する。図10は電圧もしくは電流の時間変
化を示す特性曲線図である。図10において、“イ”で示
す実線は実際に取り込んだ電圧もしくは電流波形、
“ロ”で示す点線は電圧入力と電流入力間の位相誤差が
ないときの電圧もしくは電流波形である。また、“ニ”
は電圧入力と電流入力間の位相誤差が“Δφ”、“ハ”
は特定目的応用集積回路 (ASIC回路)92 内の A/D変換器
の1サンプリング周期の位相相当分“φsampling”であ
る。
【0012】ここで、単相電力は電圧入力と電流入力間
の位相誤差“Δφ”により影響を受けるわけであるか
ら、電圧入力の位相を補正して電流入力の位相に合わせ
るか、電流入力の位相を補正して電圧入力の位相に合わ
せるかして位相誤差“Δφ”をゼロにすればよい。即
ち、電圧もしくは電流のn番目のサンプリングデータS
(n), またその1つ前のデータをS(n-1)としたとき、補
正されたn番目のサンプリングデータScomp(n)は直線補
間により(3) 式で求めることができる。
【0013】
【数3】 この位相誤差“Δφ”を補間した電圧入力(または電流
入力)と実際の電流入力(または電圧入力)とを (1)式
および (2)式に代入して全実効電力Pを求めることがで
きる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来技術に
よる電圧入力と電流入力間の位相誤差“Δφ”の補正手
段を有しない方法では、位相誤差“Δφ”による誤差を
受け、計測演算精度の向上の阻害要因となる。一般的な
電圧変成器では1次電圧に対する2次電圧の位相差は位
相角にして0〜±3°あり、また、一般的な電流変成器
でも1次電流に対する2次電流の位相差が位相角にして
0〜±3°あり、電圧と電流の内積演算によって電力値
を求めるとこれらの位相誤差が演算誤差となる。このた
め、(1) 位相誤差の少ない高価な電流変成器および電圧
変成器を使用する。
【0015】あるいはまた、電圧入力と電流入力間の位
相誤差“Δφ”の補正手段を有する方法では、少なくと
も測定する電源周波数の1サイクル相当分の電圧入力お
よび電流入力データを計測し、このデータをメモリに記
憶し、この計測データを用いて演算する必要がある。こ
のため、(2) 電力計測器を組み上げた後、電流変成器と
電圧変成器の位相差を測定し、内積計算の補正用パラメ
ータを求めて電力の補正演算を行う。(3) この結果、補
正演算するためにメモリ容量が増加し、演算速度も遅く
なり、高速な中央処理装置を用いる必要性がある。
【0016】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は前記した課題を解決して、電力計測器
の校正時に予め電流変成器と電圧変成器の位相偏差を計
測し、この計測された位相偏差を位相差記憶・保持手段
に記憶・保持し、電力の計測時は、この記憶・保持され
た位相差分だけシフトして電圧あるいは電流を検出する
ことにより、検出された電圧と電流値の内積演算によっ
て電力値を求めることにより、高価な電流変成器および
電圧変成器を使用することなく、また、メモリ容量の増
加をきたすことなく経済的な電力計測方法およびその電
力計測器を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、電流変成器および電圧変成器を
介して商用交流電源から負荷への供給電力を計測する電
力計測方法において、商用交流電源系統と、基準交流信
号発生器と抵抗とを備えてなる調整用系統と、この両系
統とを切り換える切換器と、この切換器の制御手段と、
A/D 変換回路と中央処理装置と位相シフト手段とを備え
て商用交流電源から負荷への供給電力を計測する電力計
測器と、を備えるものとする。
【0018】かかる構成により、商用交流電源から負荷
への供給電力を計測するに先立ち、予め、切換器を調整
用系統側に切り換え、基準交流信号発生器によって電流
変成器および電圧変成器を駆動し、基準交流信号発生器
の出力とこれらの変成器の二次側出力との位相偏差を計
測し、この計測された電流変成器および電圧変成器の位
相偏差あるいは位相偏差の差分を記憶・保持し、商用交
流電源から負荷への供給電力を計測するとき、切換器を
商用交流電源系統側に切り換え、電流変成器および電圧
変成器の二次側出力の読み取りのタイミングを上記記憶
・保持された位相偏差の差分だけシフトして読み取り、
この読み取り値の内積から負荷への供給電力を計測する
ことができる。
【0019】また、電力計測器は、商用交流電源から負
荷への供給電流および電圧を検出する電流変成器および
電圧変成器と、この電流変成器および電圧変成器の二次
側出力を A/D変換する電流変成器用 A/D変換回路および
電圧変成器用 A/D変換回路と、中央処理装置と、位相差
記憶・保持手段と、位相シフト手段と、クロック手段
と、を備えるものとする。
【0020】かかる構成により、商用交流電源から負荷
への供給電力を計測するに先立ち、校正を行うとき、切
換器を調整用系統側に切り換え、基準交流信号発生器に
よって電流変成器および電圧変成器を駆動し、基準交流
信号発生器の出力とこれらの変成器の二次側出力との位
相偏差を計測し、この計測された電流変成器および電圧
変成器の位相偏差あるいは位相偏差の差分を中央処理装
置の周辺メモリあるいは位相シフト手段からなる位相差
記憶・保持手段に記憶・保持し、商用交流電源から負荷
への供給電力を計測するとき、切換器を商用交流電源系
統側に切り換え、位相シフト手段は、電流変成器および
電圧変成器の二次側出力を位相差記憶・保持手段に記憶
・保持された位相偏差の差分だけ A/D変換するタイミン
グをシフトして二次側出力を読み取り、この読み取り値
の内積から負荷への供給電力を計測することができる。
【0021】また、A/D 変換回路は、商用交流電源の各
相毎に配置される電流変成器あるいは電圧変成器の二次
側出力を順次選択的に切り換えるチャンネルセレクタ
と、サンプルアンドホールド回路と、 A/D変換器と、を
備えることができる。
【0022】かかる構成により、電流変成器の二次側出
力の計測された位相偏差は、電流位相シフト手段に時間
差として保持し、この時間差のタイミングで電圧変成器
の二次側出力をサンプルアンドホールド回路でサンプル
アンドホールドし、 A/D変換器で A/D変換し、電圧変成
器の二次側出力の計測された位相偏差は、電圧位相シフ
ト手段に時間差として保持し、この時間差のタイミング
で電流変成器の二次側出力をサンプルアンドホールド回
路でサンプルアンドホールドし、 A/D変換器でA/D変換
することができる。
【0023】また、位相シフト手段は、電流用および電
圧用の位相偏差を記憶・保持すべき商用電源相数分のシ
フトレジスタと、セレクタ回路と、位相偏差を時間差に
変換してシフトレジスタに書き込む手段と、を備えるこ
とができる。
【0024】かかる構成により、校正を行うとき、シフ
トレジスタは、中央処理装置により基準位相偏差値にセ
ットされた後、シフトレジスタのデータは順次シフトさ
れ、この基準位相偏差値のタイミングで基準交流信号発
生器によって駆動される電流および電圧変成器の二次側
出力をサンプルアンドホールド回路でサンプルアンドホ
ールドし、 A/D変換器で A/D変換し、中央処理装置は、
自己の内部データと比較して基準交流信号発生器の出力
とこれらの変成器の二次側出力との位相偏差を演算し、
この演算された位相偏差を順次各相毎のシフトレジスタ
に位相偏差を時間差データとして書き込み、商用交流電
源から負荷への供給電力を計測するときは、このシフト
レジスタに書き込まれた時間差データでサイクリックに
電流および電圧変成器の二次側出力をサンプルアンドホ
ールド回路でサンプルアンドホールドし、 A/D変換器で
A/D変換して二次側出力を読み取ることができる。
【0025】また、位相シフト手段は、シフトレジスタ
に代わって電流用および電圧用の位相偏差を記憶・保持
すべき商用電源相数分のダウンカウンタを備えることが
できる。
【0026】かかる構成により、校正を行うとき、ダウ
ンカウンタは、中央処理装置により基準位相偏差値にセ
ットされた後、ダウンカウントを開始し、ダウンカウン
タのキャリー信号のタイミングで変成器の二次側出力を
サンプルアンドホールドし、中央処理装置により演算さ
れた位相偏差データをダウンカウンタに書込み、記憶・
保持し、商用交流電源から負荷への供給電力を計測する
ときは、ダウンカウンタを順次選択してこのダウンカウ
ンタをカウンタが有するビット数だけ駆動し、ダウンカ
ウンタのキャリー信号のタイミングで電流および電圧変
成器の二次側出力をサンプルアンドホールド回路でサン
プルアンドホールドし、 A/D変換器で A/D変換して二次
側出力を読み、この動作を電源相数分について循環さ
せ、この一連の動作をサイクリックに繰り返し行うこと
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例としての
電力計測器の計測方法を説明するブロック図、図2は図
1で調整系統側を選択したときのブロック図、図3は電
圧変成器および電流変成器による位相偏差を説明する説
明図、図4は A/D変換するタイミングを説明する説明
図、図5は一実施例としての位相シフト手段を説明する
説明図、図6は他の実施例としての位相シフト手段を説
明する説明図、図7は3相3線式における電力計測器を
説明するブロックであり、図8〜図10に対応する同一部
材には同じ符号が付してある。
【0028】図1,2において、本発明による電流変成
器 CT1〜CT3 および電圧変成器 PT1〜PT3 を介して商用
交流電源PSから負荷LDへの供給電力を計測する電力計測
方法は、商用交流電源系統と、基準交流信号発生器21と
抵抗22とを備えてなる調整用系統と、この両系統とを切
り換える切換器1と、この切換器1の制御手段と、A/D
変換回路(ADC2,ADC1)5J,5Vと中央処理装置6と位相シフ
ト手段7(7J,7V) とを備えて商用交流電源PSから負荷LD
への供給電力を計測する電力計測器と、を備えて構成さ
れる。
【0029】かかる構成により、商用交流電源PSから負
荷LDへの供給電力を計測するに先立ち、予め、切換器1
を調整用系統側に切り換え(図2参照)、基準交流信号
発生器21によって電流変成器CT1(〜CT3)および電圧変成
器PT1(〜PT3)を順次駆動し、基準交流信号発生器21の出
力とこれらの変成器CT1(〜CT3)およびPT1(〜PT3)の二次
側出力との位相偏差θj1, θv1,(θj2, θv2), (θj3,
θv3) を計測し、この計測された変成器CT1(〜CT3)およ
びPT1(〜PT3)の位相偏差θj1, θv1, ((θj2,θv2),
(θj3, θv3))あるいは位相偏差の差分(θv1−θj1),
(θv2−θj2),(θv3−θj3) を計測し、中央処理装置
6の周辺メモリあるいは位相シフト手段7のメモリに記
憶・保持する。
【0030】次に、商用交流電源PSから負荷LDへの供給
電力を計測するとき、切換器1を商用交流電源系統側に
切り換え、電流変成器 CT1〜CT3 および電圧変成器 PT1
〜PT3 の二次側出力の読み取りのタイミングを上記記憶
・保持された位相偏差の差分(θj1−θv1),(θj2−θ
v2),(θj3−θv3) だけシフトして読み取り、この読み
取り値の内積から負荷LDへの供給電力を計測することが
できる。
【0031】
【実施例】図1、2において、本発明の電力計測方法に
よる電源系統は、図示例では3相4線式(φ1,φ2,φ3,
φN)の商用交流電源PSから切換器1(RyN) を介して電流
変成器 CT1〜CT3 の一次側回路を経由しさらに切換器1
(Ry1〜RyN)を介して負荷LDへの電力供給を行う商用交流
電源系統側と、電力計測器の調整を行うため、基準交流
信号発生器21から切換器1(Ry1〜RyN)を介して選択され
る電流変成器CT1(〜CT3)の一次側回路を経由して抵抗22
の電流回路を形成する図2に図示される調整系統側と、
がある。
【0032】そして、電力計測器は、商用交流電源PSか
ら負荷LDへの供給電流および電圧を検出する電流変成器
CT1〜CT3 および電圧変成器 PT1〜PT3 と、この電流変
成器CT1〜CT3 および電圧変成器 PT1〜PT3 の二次側出
力を A/D変換する電流変成器用 A/D変換回路(ADC2)5Jお
よび電圧変成器用 A/D変換回路(ADC1)5Vと、中央処理装
置6と、位相シフト手段7(7J,7V) と、クロック手段74
と、切換器1(Ry1〜RyN)の回路を構成するリレー31〜3
3,3N と、を備えて構成される。
【0033】かかる構成により、商用交流電源PSから負
荷LDへの供給電力を計測するに先立ち校正を行うとき
は、図2において、切換器1を調整用系統側に切り換え
る。中央処理装置6は、調整用系統切換指令*1により、
ディジタル出力D1〜D4からリレー Ry1〜Ry3,RyN を制御
し、切換器1を制御する。図示例では、リレーRy1,RyN
を制御し、3相交流電源PSは左上部に図示される切換器
1のRyN により、電流変成器 CT1〜CT3 の一方の一次側
は商用交流電源PS側から基準交流信号発生器21の出力ou
t に切り換えられる。また、電流変成器 CT1〜CT3 の他
方の一次側は負荷LD側に配置された切換器1のRy1 によ
り電流変成器CT1 の一次側が選択され、抵抗22に接続さ
れて電流回路を形成し、基準交流信号発生器21によって
電流変成器CT1 および電圧変成器PT1 を駆動する。
【0034】また、中央処理装置6は、自身の内部で正
弦波出力信号を発生しアナログ出力A0から基準交流信号
発生器21に出力しているので、自身の内部で正弦波出力
信号データ(基準交流信号発生器21の出力に相当)と、
これらの変成器CT1,PT1 の二次側出力データと、から位
相偏差θj1, θv1を計測することができる。この計測さ
れた電流変成器CT1 および電圧変成器PT1 の位相偏差θ
j1, θv1あるいは位相偏差の差分(θj1−θv1)は、位
相差記憶・保持手段として中央処理装置6の周辺メモリ
あるいは位相シフト手段7のメモリにそのデータを記憶
・保持する。同様に、リレー(Ry2,RyN),(Ry3,RyN) を制
御し、電流変成器CT2,CT3 および電圧変成器PT2,PT3 の
位相偏差 (θj2, θv2), (θj3, θv3) あるいは位相偏
差の差分(θj2−θv2),(θj3−θv3) を中央処理装置
6の周辺メモリあるいは位相シフト手段7のメモリの位
相差記憶・保持手段に記憶・保持する。
【0035】例えば、位相差記憶・保持手段として、後
述する位相シフト手段7(電流位相シフト手段7J),(電
圧位相シフト手段7V) を用いたときは、電流変成器 CT1
〜CT3 および電圧変成器 PT1〜PT3 の位相偏差(θj1−
θv1)〜(θj3−θv3)のデータは中央処理装置6のPh
1,Ph2 端子から直列時間差データとして位相シフト手段
7のシフトレジスタに書き込まれ記憶・保持(実施例
2)する。あるいは、位相シフト手段7のダウンカウン
タに位相偏差(θj1−θv1)〜(θj3−θv3)の並列デ
ータをセット(実施例3)して記憶・保持する。
【0036】あるいはまた、位相差記憶・保持手段とし
て中央処理装置6の周辺メモリ、例えば、不揮発性メモ
リを用いたときは、電流変成器 CT1〜CT3 および電圧変
成器PT1〜PT3 の位相偏差(θj1−θv1)〜(θj3−θv
3)のデータは、周辺メモリへの書き込みおよび上記位
相シフト手段7への書き込みが行われる。
【0037】次に、商用交流電源PSから負荷LDへの供給
電力を計測するとき、切換器1を商用交流電源PS系統側
に切り換える。位相シフト手段7(電流位相シフト手段
7J),(電圧位相シフト手段7V) は、電流変成器 CT1〜CT
3 および電圧変成器 PT1〜PT3 の二次側出力を上述の記
憶・保持された位相偏差の差分(θj2−θv2)〜(θj3
−θv3)だけタイミングをシフトしたトリガ出力Tr1,Tr
2 を出力し、電流位相シフト手段7Jの出力Tr1 は電圧変
成器用 A/D変換回路(ADC1)5Vに、電圧位相シフト手段7V
の出力Tr2 は電流変成器用 A/D変換回路(ADC2)5Jに出力
し、それぞれ A/D変換するタイミングがシフトされて変
成器の二次側出力を読み取ることができる。この読み取
られたデータは、変成器の一次側に換算したタイミング
は同時刻となるので、中央処理装置6は、電流変成器用
A/D変換回路(ADC2)5Jの出力および電圧変成器用 A/D変
換回路(ADC1)5Vの出力を乗算し、(1) 式および(2) 式よ
り負荷LDへの供給電力を計測することができる。 (実施例1)次に図3を用いて中央処理装置6が電流変
成器 CT1〜CT3 および電圧変成器 PT1〜PT3 の二次側出
力の位相偏差の検出方法を説明する。図3において、横
軸に時間軸を、縦軸方向に図3の(A) に電圧および図3
の(B) に電流をとる。3相交流電圧および電流は、V1,V
2,V3およびJ1,J2,J3の位相特性を持って図示されてい
る。切換器1を調整系統に切り換え、電流変成器CT1 お
よび電圧変成器PT1 を選択したとする。基準交流信号発
生器21の出力をVr,Jr とし、図2に図示する位相シフト
手段7の位相シフト量を0とし、中央処理装置6自身の
内部で演算される正弦波に対する基準交流信号発生器21
の出力の位相ズレを0とすると、例えば、基準交流信号
出力Vr,Jr が0に対する電流変成器CT1 および電圧変成
器PT1 の二次側出力V1,J1 が0になる時間差を計測・演
算することにより、位相偏差θV1,θJ1を検出すること
ができる。この時間差の計測を電流変成器CT2,CT3 およ
び電圧変成器PT2,PT3 について順次行うことにより、各
変成器の位相偏差データをうることができる。
【0038】上記の説明では、簡便のため、位相シフト
手段7の位相シフト量を0とし、中央処理装置6自身の
内部で演算される正弦波に対する基準交流信号発生器21
の出力の位相ズレを0としたが、本発明では、電流変成
器CT1(〜CT3)および電圧変成器PT1(〜PT3)の位相偏差の
差分のタイミングで変成器CT1(〜CT3)およびPT1(〜PT3)
の二次側出力を A/D変換しているので、電流位相シフト
手段7Jの位相シフト量と電圧位相シフト手段7Vの位相シ
フト量とを同じシフト量に設定すれば、計測・演算され
た各変成器の位相偏差データが電流位相シフト手段7の
位相補償範囲を逸脱させることがなければ本質的な問題
ではない。 (実施例2)次に、図4を用いて本発明による電力計測
器の A/D変換するタイミングを説明する。図4におい
て、横軸に時間軸を、図4の(A) は縦軸方向に電圧と3
相電源の各相φ1(φ2,φ3)毎の位相シフト手段7が出力
するタイミング位置を、図4の(B) に電流と位相シフト
手段7のタイミング位置を示す。尚、図示簡便化のた
め、相φ1 のみ位相シフト手段7のタイミング位置を縦
の太線で示す。
【0039】本図では切換器1が商用電源側系統に切り
換えられ、負荷LDへの供給電力を計測する状態を想定し
ている。この状態では、3相電圧V1,V2,V3に対して3相
電流J1,J2,J3は、負荷LDの特性によって位相がシフトし
ている。図4の(A) において、φ1 相の電圧V1を実線で
図示し、φ2 相の電圧V2およびφ3 相の電圧V3を点線で
図示する。また、この状態では実在しないが位相偏差の
関係を明示するため、基準交流信号Vrも実線で図示す
る。φ1 相の電圧V1はφ1 で図示されるパルス間隔で、
φ2 相の電圧V2およびφ3 相の電圧V3はφ2,φ3 で図示
されるパルス間隔でサンプリングされる。このφ1,φ2,
φ3 で図示される間隔は同時に電圧位相シフト手段7Vの
位相シフト範囲を示し、このサンプリングされる相は、
φ1,φ2,φ3,φ1 ・・とサイクリックに選択される。実
施例1で説明し、切換器1が調整系統で計測・演算され
電圧位相シフト手段7Vに保持された位相偏差θV1のタイ
ミングは、サンプリングされる相φ1 内の縦の太線で示
す。
【0040】同様に、図4の(B) は、φ1 相の電流J1を
実線で図示し、φ2 相の電流J2およびφ3 相の電流J3を
点線で図示する。φ1 相の電流J1はφ1 で図示されるパ
ルス間隔で、φ2 相の電流J2およびφ3 相の電流J3はφ
2,φ3 で図示されるパルス間隔でサンプリングされる。
このφ1,φ2,φ3 で図示される間隔は同時に電流位相シ
フト手段7Jの位相シフト範囲を示し、このサンプリング
される相は、φ1,φ2,φ3,φ1 ・・とサイクリックに選
択される。切換器1が調整系統で計測・演算され電流位
相シフト手段7Jに保持された位相偏差θJ1のタイミング
は、サンプリングされる相φ1 内の縦の太線で示す。
【0041】電圧位相シフト手段7Vと電流位相シフト手
段7Jに保持された位相偏差の差分(θV1−θJ1)は、サ
ンプリングされる相φ1 内の2つの太線で示される線の
間隔となる。従って、この位相偏差の差分(θV1−θJ
1)の補償方法は、図示省略されているが、電圧位相シ
フト手段7Vの位相偏差θV1のタイミング(位相シフト
量)で電流変成器用 A/D変換回路(ADC2)5Jの A/D変換を
トリガし、電流位相シフト手段7Jの位相偏差θJ1のタイ
ミングで電圧変成器用 A/D変換回路(ADC1)5Vの A/D変換
をトリガすることにより、この位相偏差の差分(θV1−
θJ1)の補償を行うことができる。即ち、この状態で電
流変成器用 A/D変換回路(ADC2)5Jおよび電圧変成器用 A
/D変換回路(ADC1)5Vの A/D変換された値は、変成器の一
次側では、同一時刻における電流値および電圧値を A/D
変換したものとなるので、この A/D変換された値を乗算
し、(1) 式の内積を求め、同様に相φ2,相φ2 について
も(1)式の内積を求め、(2) 式で全供給電力を求めるこ
とができる。一実施例では 0.2%の精度で正確な供給電
力を求めることができる。 (実施例3)次に、図5を用いて一実施例としての A/D
変換回路(ADC1,ADC2)5V,5Jを説明する。図5において、
A/D変換回路(ADC1,ADC2)5V,5Jは、商用交流電源PSの各
相φ1,φ2,φ3 毎に配置される電流変成器 CT1〜CT3 あ
るいは電圧変成器 PT1〜PT3の二次側出力を順次選択的
に切り換えるチャンネルセレクタ(C.SEC)51 と、サンプ
ルアンドホールド回路(S&H)52 と、 A/D変換器(ADC)53
と、を備えて構成される。
【0042】かかる構成において、電流変成器 CT1〜CT
3 の二次側出力の計測された位相偏差θJ1〜θJ3は、電
流位相シフト手段7Jに時間差として保持し、この時間差
のタイミングで電圧変成器 PT1〜PT3 の二次側出力をサ
ンプルアンドホールド回路52でサンプルアンドホールド
し、 A/D変換器53で A/D変換する。また、電圧変成器PT
1〜PT3 の二次側出力の計測された位相偏差θV1〜θV3
は、電圧位相シフト手段7Vに時間差として保持し、この
時間差のタイミングで電流変成器 CT1〜CT3 の二次側出
力をサンプルアンドホールド回路52でサンプルアンドホ
ールドし、 A/D変換器53で A/D変換する。 (実施例4)次に、図5を用いて一実施例としてのシフ
トレジスタを用いた位相シフト手段7を説明する。図5
において、位相シフト手段7は、電流用位相シフト手段
7Jとしての位相偏差θJ1〜θJ3を記憶・保持する商用電
源相数φ1,φ2,φ3 分のシフトレジスタ71と、電圧用位
相シフト手段7Vとしての位相偏差θV1〜θV3を記憶・保
持すべき商用電源相数φ1,φ2,φ3 分のシフトレジスタ
71と、セレクタ回路72と、これらの位相偏差θJ1〜θJ
3、θV1〜θV3を時間差に変換してシフトレジスタ71に
書き込む手段と、を備えて構成される。
【0043】かかる構成において、商用交流電源PSから
負荷LDへの供給電力を計測するに先立ち校正を行うと
き、シフトレジスタ71は、中央処理装置6により基準位
相偏差値(例えば、実施例1で述べた位相シフト量を0
(100000000))にセットした後、シフトレジスタ71のこの
0のデータを順次シフトし、この基準位相偏差値0のタ
イミングで基準交流信号発生器21によって駆動される電
流および電圧変成器の二次側出力をサンプルアンドホー
ルド回路52でサンプルアンドホールドし、 A/D変換器53
で A/D変換する。中央処理装置6は、自己の正弦波発生
器63の内部データと比較してこれらの変成器の二次側出
力のサンプルアンドホールドされ A/D変換されたデータ
からJ 位相差検出部61およびV 位相差検出部62で位相偏
差θJ1〜θJ3、θV1〜θV3を演算する。
【0044】この演算された位相偏差θJ1〜θJ3、θV1
〜θV3を順次各相毎のシフトレジスタ71に時間差データ
として書き込む手段は、図示例では、ダウンカウンタ73
とセレクタ回路72を備え、中央処理装置6内のJ 位相差
検出部61で検出された位相偏差θJ1〜θJ3が端子Ph1 を
介して点線で図示されるダウンカウンタ73に並列データ
としてセットされる。同様に、V 位相差検出部62で検出
された位相偏差θV1〜θV3が端子Ph2 を介して点線で図
示されるダウンカウンタ73に並列データとしてセットさ
れる。
【0045】これらのセットされたデータは調整系統へ
の設定指令*1によりセレクタ回路72がダウンカウンタ73
からシフトレジスタ71への接続条件となるため、クロッ
ク74よりシフトレジスタ71のビット数分のクロックを電
源相数φ1,φ2,φ3 の3回分ダウンカウンタ73に送り、
時間差データ(例えば、000001000/φ1,000010000/φ2,
000000100/φ3)をシフトレジスタ71書き込む。
【0046】次に、商用交流電源PSから負荷LDへの供給
電力を計測するときは、設定指令*1によりセレクタ回路
72がφ1 シフトレジスタ71の出力がφ3 シフトレジスタ
71の入力に接続され、φ1 〜φ3 シフトレジスタが再帰
循環型シフトレジスタとなり、調整系統側のとき演算さ
れた位相偏差θJ1〜θJ3、θV1〜θV3が時間差データと
して保持されてサイクリックにトリガ出力を出力するこ
とができる。即ち、このシフトレジスタ71に書き込まれ
た時間差データでサイクリックに電流および電圧変成器
CT1〜CT3, PT1〜PT3,の二次側出力をチャンネルセレク
タ51で選択し、サンプルアンドホールド回路52でサンプ
ルアンドホールドし、 A/D変換器53で A/D変換して二次
側出力を読み取ることができる。
【0047】この読み取られた二次側出力は、電力演算
部65で内積され各相毎の電力P1,P2,P3が求められ、この
求められた各相毎の電力P1,P2,P3の総和から全電力ΣP
を求めることができる。
【0048】本発明の方法によれば、変成器 CT1〜CT3,
PT1〜PT3 の位相ズレ以外に、チャンネルセレクタ51で
選択した変成器 CT1〜CT3, PT1〜PT3 の二次側出力をサ
ンプルアンドホールド回路52でサンプルアンドホールド
するときの追従遅れを含めて位相偏差として検出するこ
とができるので、変成器 CT1〜CT3, PT1〜PT3 の位相ズ
レとサンプルアンドホールド回路52のトラッキング遅れ
を含めた位相偏差を補償することができる。 (実施例5)次に、図6を用いて他の実施例としてのダ
ウンカウンタを用いた位相シフト手段7を説明する。図
6において、位相シフト手段7は、シフトレジスタ71に
代わって電流用および電圧用の位相偏差θJ1〜θJ3、θ
V1〜θV3を記憶・保持すべき商用電源相数φ1 〜φ3 分
のダウンカウンタ 73A〜73C と、セレクタ回路75と、OR
素子76と、ダウンカウンタ 73A〜73C と同一カウンタ容
量をもつダウンカウンタ73D と、クロック74と、を備え
て構成される。
【0049】かかる構成において、商用交流電源PSから
負荷LDへの供給電力を計測するに先立ち校正を行うと
き、調整系統への設定指令*1により、中央処理装置6
は、点線で図示される経路でダウンカウンタ 73A〜73C
を予め定められた基準位相偏差値0にセットし、ダウン
カウンタ73D をフルの値にセットする。しかる後、ダウ
ンカウンタ73D はクロック74によりダウンカウントを開
始し、ダウンカウンタ73Dのキャリー信号でセレクタ回
路75を切り換え、セレクタ回路75はクロック74のパルス
をダウンカウンタ 73A〜73C のカウンタ容量分だけ順次
ダウンカウンタ73A,73B,73C へと配分する。各ダウンカ
ウンタ 73A〜73C は、この配分されたクロック74からの
パルスを受け、順次ダウンカウントを開始し、カウンタ
容量分だけダウンカウントした後、予め定められた基準
位相偏差値に戻ったところでカウントを停止し、次のダ
ウンカウンタが同様に順次ダウンカウントを開始し、予
め定められた基準位相偏差値に戻ったところでカウント
を停止する。そして各ダウンカウンタ 73A〜73C からの
キャリー信号はOR素子76で論理和をとり、このキャリー
信号のタイミングで変成器 CT1〜CT3, PT1〜PT3 の二次
側出力をサンプルアンドホールドし、中央処理装置6に
より位相偏差θJ1〜θJ3, θV1〜θV3を演算することが
できる。このデータは必要に応じて複数回測定し、その
平均値をダウンカウンタ 73A〜73C にセットし、記憶・
保持する。
【0050】次に、商用交流電源PSから負荷LDへの供給
電力を計測するときは、上述の様にダウンカウンタ 73A
〜73C にセットし、記憶・保持された位相偏差θJ1〜θ
J3,θV1〜θV3のデータ値からダウンカウンタ73A(〜73
C)をそのカウンタ容量分だけダウンカウントして停止
し、順次ダウンカウンタ73B(〜73A)と起動・停止し、サ
イクリックにダウンカウンタ 73A〜73C を駆動する。こ
のダウンカウンタ 73A〜73C からのキャリー信号をOR素
子76で論理和をとり、このキャリー信号のタイミングで
変成器 CT1〜CT3, PT1〜PT3 の二次側出力をサンプルア
ンドホールドし、A/D変換器53で変換して、中央処理装
置6の電力演算部65で内積P1,P2,P3を求め、総和ΣPを
求めることにより、商用交流電源PSから負荷LDへの供給
電力を計測することができる。 (実施例6)図7は商用交流電源PSが3相3線式の給電
方式の電力計測方法を説明する説明図である。図7にお
いて、図1と異なる点は、図1の3相4線式の給電方式
では、電圧変成器 PT1〜PT3 の電圧測定が各相φ1,φ2,
φ3 と中性点φN 間で測定し、各相φ1,φ2,φ3 の同一
時刻(位相)の電流値との内積の総和によって電力が計
測されていたものが、3相3線式の給電方式の電力計測
方法では、3相の内の1相分(例えば、φ3 )を中性点
φN の扱いとし、電圧変成器PT1,PT2 の電圧測定が各相
φ1,φ2 と中性点φNnに相当するφ3 間で測定し、各相
φ1,φ2 の同一時刻(位相)の電流値との内積の総和に
よって電力を計測することができる。
【0051】この方法によれば、電圧変成器PT1,PT2 が
計測する電圧値が“ルート3”倍される点が異なり、他
の点は図1に図示される3相4線式の給電方式の電力計
測方法と同様であるので詳細説明は省略する。 (実施例7)また、本発明においては、位相差記憶・保
持手段として、例えば、不揮発性メモリを中央処理装置
6の周辺メモリに用い、このメモリに電流変成器 CT1〜
CT3および電圧変成器 PT1〜PT3 の位相偏差(θj1, θv
1)〜(θj3, θv3)を記憶・保持し、電力計測器の電
源投入時、この位相偏差(θj1, θv1)〜(θj3, θv
3)を位相シフト手段7に読み出して、商用交流電源PS
から負荷LDへの供給電力を計測することにより、電力計
測器は、電流変成器 CT1〜CT3 および電圧変成器PT1〜P
T3 と、この電流変成器 CT1〜CT3 および電圧変成器 PT
1〜PT3 の二次側出力を A/D変換する電流変成器用 A/D
変換回路5Jおよび電圧変成器用 A/D変換回路5Vと、中央
処理装置6と、位相シフト手段7と、クロック手段74
と、を備えて構成することができる。
【0052】即ち、電流変成器 CT1〜CT3 と電圧変成器
PT1〜PT3 の位相特性および A/D変換回路5J,5V のサン
プルアンドホールド回路のトラッキング遅れは、予め試
験調整時あるいは随時の校正時点で位相偏差(θj1, θ
v1)〜(θj3, θv3)を演算・計測し、不揮発性メモリ
に記憶・保持させ、電力計測器として使用するときは、
例えば、電源投入のスタート条件で、この位相偏差(θ
j1, θv1)〜(θj3,θv3)を位相シフト手段7に読み
出して、商用交流電源PSから負荷LDへの供給電力を計測
することにより、例えば、商用電源系統と調整系統との
切換器1の切り換えや、基準交流信号発生器21や抵抗22
を常時設備する必要性をなくすことができ、また、一般
的には大きな電力が流れる切換器1の接点における電力
損失を無くすことができる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電流
変成器および電圧変成器の一次・二次間の位相特性を、
さらには A/D変換回路のトラッキング遅れ特性を含めて
測定し、この位相偏差を記憶・保持することにより、電
力を計測するとき、この記憶・保持された電流および電
圧変成器の位相偏差の差分を補償して変成器の二次側出
力をサンプリングすることにより、変成器の一次側に換
算したとき、同一時刻の電流値および電圧値を A/D変換
することができ、この A/D変換値の内積をとることによ
り、実施例では 0.2%の精度で正確な供給電力を求める
ことができる。この結果、高価な電流変成器および電圧
変成器を使用することなく、また、メモリ容量の増加を
きたすことなく経済的な電力計測方法およびその電力計
測器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての電力計測器の計測方
法を説明するブロック図
【図2】図1で調整系統側を選択したときのブロック図
【図3】電圧変成器および電流変成器による位相偏差を
説明する説明図
【図4】A/D変換するタイミングを説明する説明図
【図5】一実施例としての位相シフト手段を説明する説
明図
【図6】他の実施例としての位相シフト手段を説明する
説明図
【図7】3相3線式における電力計測器を説明する説明
【図8】従来技術によるディジタル乗算方式の電力計測
器のブロック線図
【図9】従来技術による他の電力用計器調整装置の全体
ブロック構成図
【図10】従来技術による位相補正関数の補正係数を説明
する特性曲線図
【符号の説明】
1 切換器 21 基準交流信号発生器 22 抵抗 31 リレーRy1 32 リレーRy2 33 リレーRy3 3N リレーRyN 51 チャンネルセレクタ 52 サンプルアンドホールド回路 53 A/D 変換器 5J A/D 変換回路(ADC2) 5V A/D 変換回路(ADC1) 6 中央処理装置 61 電流位相差検出部 62 電圧位相差検出部 63 正弦波発生器 65 電力演算部 7 位相シフト手段 71 シフトレジスタ 72,75 セレクタ 73,73A〜73D,76 ダウンカウンタ 74 クロック 7J 電流位相シフト手段 7V 電圧位相シフト手段 CT1,CT2,CT3 電流変成器 PT1,PT2,PT3 電圧変成器 PS 商用交流電源 LD 負荷 AO アナログ出力 c1,c2,c3 入力端子 D1〜D4 ディジタル出力端子 CB 制御バス入力端子 DB データバス入力端子 CLK クロック端子 Ph1,Ph2 位相偏差データ端子 Tr1,Tr2 トリガタイミングの端子 Ref A/D 変換回路基準入力端子 V-Ref A/D 変換回路基準電圧 θJ1〜θJ3 電流位相偏差 θV1〜θV3 電圧位相偏差 J1〜J3 電流波形 V1〜V3 電圧波形 φ1,φ2,φ3,φN 電源相 80 ワークステーション 81 ROM ライタ 82 信号源 83 移相器 84 電力計 85 電圧計 86 リレー制御器 87 電源 90 電力用計器 91 PROM 92 ASIC回路 S(n),S(n-1) サンプリングデータ Scomp(n) 直線補間データ φsampling サンプリングデータ間隔 Δφ 補間位相偏差

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電流変成器および電圧変成器を介して商用
    交流電源から負荷への供給電力を計測する電力計測方法
    において、 商用交流電源系統と、基準交流信号発生器と抵抗とを備
    えてなる調整用系統と、この両系統を切り換える切換器
    と、この切換器の制御手段と、A/D 変換回路と中央処理
    装置と位相シフト手段とを備えて商用交流電源から負荷
    への供給電力を計測する電力計測器と、を備え、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するに先立
    ち、予め、切換器を調整用系統側に切り換え、基準交流
    信号発生器によって電流変成器および電圧変成器を駆動
    し、基準交流信号発生器の出力とこれらの変成器の二次
    側出力との位相偏差を計測し、この計測された電流変成
    器および電圧変成器の位相偏差あるいは位相偏差の差分
    を記憶・保持し、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するとき、切
    換器を商用交流電源系統側に切り換え、電流変成器およ
    び電圧変成器の二次側出力の読み取りのタイミングを前
    記記憶・保持された位相偏差の差分だけシフトして読み
    取り、この読み取り値の内積から負荷への供給電力を計
    測する、 ことを特徴とする電力計測方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電力計測方法を用いた電
    力計測器において、 商用交流電源から負荷への供給電流および電圧を検出す
    る電流変成器および電圧変成器と、この電流変成器およ
    び電圧変成器の二次側出力を A/D変換する電流変成器用
    A/D変換回路および電圧変成器用 A/D変換回路と、中央
    処理装置と、位相差記憶・保持手段と、位相シフト手段
    と、クロック手段と、を備え、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するに先立
    ち、校正を行うとき、切換器を調整用系統側に切り換
    え、基準交流信号発生器によって電流変成器および電圧
    変成器を駆動し、基準交流信号発生器の出力とこれらの
    変成器の二次側出力との位相偏差を計測し、この計測さ
    れた電流変成器および電圧変成器の位相偏差あるいは位
    相偏差の差分を中央処理装置の周辺メモリあるいは位相
    シフト手段からなる位相差記憶・保持手段に記憶・保持
    し、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するとき、切
    換器を商用交流電源系統側に切り換え、位相シフト手段
    は、電流変成器および電圧変成器の二次側出力を前記位
    相差記憶・保持手段に記憶・保持された位相偏差の差分
    だけ A/D変換するタイミングをシフトして二次側出力を
    読み取り、この読み取り値の内積から負荷への供給電力
    を計測する、 ことを特徴とする電力計測器。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の電力計測器において、 A/D変換回路は、商用交流電源の各相毎に配置される電
    流変成器あるいは電圧変成器の二次側出力を順次選択的
    に切り換えるチャンネルセレクタと、サンプルアンドホ
    ールド回路と、 A/D変換器と、を備え、 電流変成器の二次側出力の計測された位相偏差は、電流
    位相シフト手段に時間差として保持し、この時間差のタ
    イミングで電圧変成器の二次側出力をサンプルアンドホ
    ールド回路でサンプルアンドホールドし、 A/D変換器で
    A/D変換し、電圧変成器の二次側出力の計測された位相
    偏差は、電圧位相シフト手段に時間差として保持し、こ
    の時間差のタイミングで電流変成器の二次側出力をサン
    プルアンドホールド回路でサンプルアンドホールドし、
    A/D変換器で A/D変換する、 ことを特徴とする電力計測器。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の電力計測
    器において、 位相シフト手段は、電流用および電圧用の位相偏差を記
    憶・保持すべき商用電源相数分のシフトレジスタと、セ
    レクタ回路と、位相偏差を時間差に変換してシフトレジ
    スタに書き込む手段と、を備え、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するに先立
    ち、校正を行うとき、シフトレジスタは、中央処理装置
    により基準位相偏差値にセットされた後、シフトレジス
    タのデータは順次シフトされ、この基準位相偏差値のタ
    イミングで基準交流信号発生器によって駆動される電流
    および電圧変成器の二次側出力をサンプルアンドホール
    ド回路でサンプルアンドホールドし、 A/D変換器で A/D
    変換し、中央処理装置は、自己の内部データと比較して
    基準交流信号発生器の出力とこれらの変成器の二次側出
    力との位相偏差を演算し、この演算された位相偏差を順
    次各相毎のシフトレジスタに位相偏差を時間差データと
    して書き込み、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するときは、
    このシフトレジスタに書き込まれた時間差データでサイ
    クリックに電流および電圧変成器の二次側出力をサンプ
    ルアンドホールド回路でサンプルアンドホールドし、 A
    /D変換器で A/D変換して二次側出力を読み取る、 ことを特徴とする電力計測器。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の電力計測器において、位
    相シフト手段は、シフトレジスタに代わって電流用およ
    び電圧用の位相偏差を記憶・保持すべき商用電源相数分
    のダウンカウンタを備え、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するに先立
    ち、校正を行うとき、ダウンカウンタは、中央処理装置
    により基準位相偏差値にセットされた後、ダウンカウン
    トを開始し、ダウンカウンタのキャリー信号のタイミン
    グで変成器の二次側出力をサンプルアンドホールドし、
    中央処理装置により演算された位相偏差データをダウン
    カウンタに書込み、記憶・保持し、 商用交流電源から負荷への供給電力を計測するときは、
    ダウンカウンタを順次選択してこのダウンカウンタをカ
    ウンタが有するビット数だけ駆動し、ダウンカウンタの
    キャリー信号のタイミングで電流および電圧変成器の二
    次側出力をサンプルアンドホールド回路でサンプルアン
    ドホールドし、 A/D変換器で A/D変換して二次側出力を
    読み、この動作を電源相数分について循環させ、この一
    連の動作をサイクリックに繰り返し行う、 ことを特徴とする電力計測器。
JP2411799A 1999-02-01 1999-02-01 電力計測方法およびその電力計測器 Pending JP2000221221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2411799A JP2000221221A (ja) 1999-02-01 1999-02-01 電力計測方法およびその電力計測器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2411799A JP2000221221A (ja) 1999-02-01 1999-02-01 電力計測方法およびその電力計測器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000221221A true JP2000221221A (ja) 2000-08-11

Family

ID=12129390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2411799A Pending JP2000221221A (ja) 1999-02-01 1999-02-01 電力計測方法およびその電力計測器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000221221A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101927A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Hioki Ee Corp 測定装置
CN104698418A (zh) * 2015-03-24 2015-06-10 东营市双益电气有限责任公司 变压器试验站测量系统整体校准方法
WO2015119087A1 (ja) * 2014-02-06 2015-08-13 株式会社寺田電機製作所 直流電力量計および電流センサー校正方法
JP2017223642A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 アナログ・デヴァイシズ・グローバル 電流変換器内の位相誤差又はタイミング遅延を学習するための方法および装置並びに電流変換器の誤差訂正を含む電力測定装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101927A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Hioki Ee Corp 測定装置
WO2015119087A1 (ja) * 2014-02-06 2015-08-13 株式会社寺田電機製作所 直流電力量計および電流センサー校正方法
JPWO2015119087A1 (ja) * 2014-02-06 2017-03-23 株式会社寺田電機製作所 直流電力量計および電流センサー校正方法
CN104698418A (zh) * 2015-03-24 2015-06-10 东营市双益电气有限责任公司 变压器试验站测量系统整体校准方法
JP2017223642A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 アナログ・デヴァイシズ・グローバル 電流変換器内の位相誤差又はタイミング遅延を学習するための方法および装置並びに電流変換器の誤差訂正を含む電力測定装置
JP2020073904A (ja) * 2016-06-14 2020-05-14 アナログ・デヴァイシズ・グローバル・アンリミテッド・カンパニー 電流変換器内の位相誤差又はタイミング遅延を学習するための方法および装置並びに電流変換器の誤差訂正を含む電力測定装置
JP2021121802A (ja) * 2016-06-14 2021-08-26 アナログ・デヴァイシズ・グローバル・アンリミテッド・カンパニー 電流変換器内の位相誤差又はタイミング遅延を学習するための方法および装置並びに電流変換器の誤差訂正を含む電力測定装置
JP7412386B2 (ja) 2016-06-14 2024-01-12 アナログ・デヴァイシズ・グローバル・アンリミテッド・カンパニー 電流変換器内の位相誤差又はタイミング遅延を学習するための方法および装置並びに電流変換器の誤差訂正を含む電力測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4736189A (en) Method and apparatus for calibrating an analog-to-digital conversion apparatus
US5453697A (en) Technique for calibrating a transformer element
US5642300A (en) Precision voltage/current/power source
GB1575148A (en) Electrical energy meters
US5581254A (en) Electric motor control chip and method
US5657237A (en) Instrument and method for the digital electronic measurement of periodic electrical quantities
WO2003021279A1 (en) Methods and apparatus for phase compensation in electronic energy meters
BRPI0210883B1 (pt) Sistema e método para compensar erros introduzidos nos sistemas de monitoração de energia elétrica por uma seção de aquisição de dados do mesmo
JPH03120477A (ja) 電子デジタル電力量計の回路および要素を自己試験する方法および装置
KR950011301B1 (ko) 디지탈 보호 릴레이 장치
JPH0141923B2 (ja)
EP0104999B1 (en) Gain switching device with reduced error for watt meter
JP5332994B2 (ja) 電力・電力量計
JP2000221221A (ja) 電力計測方法およびその電力計測器
JPH08262073A (ja) 力率の測定方法及び装置
JPH05252785A (ja) モータ制御装置
JPH0524445B2 (ja)
JP2982612B2 (ja) Pq演算補正方法
JP3481719B2 (ja) 配電線測定値の位相補正方法及び装置
JPH0213220A (ja) 信号のサンプリング方法および装置この装置を用いた保護リレー装置
EP1976106A1 (en) Output signal generating device
JPH10148648A (ja) 電気計器
KR101048004B1 (ko) 동기기의 부하각 변환 방법 및 장치
RU2096789C1 (ru) Измеритель параметров режима электрической сети
JP3411474B2 (ja) 指示計器