JP2005010117A - 炉内中性子束モニタの取外し装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉内に懸垂支持されたフレーム11aと、このフレーム11aに固定された基準フレーム14と、ICMを把持する爪部16aと、この爪部16aによる把持及び解除を制御する爪駆動用水圧シリンダ18と、前記把持操作状態で上下できる昇降プレート17と、この昇降プレート17の昇降制御用水圧シリンダ
13と、水平移動するスライダ15と、この水平移動を制御する位置決め用水圧シリンダ12とを備えた炉内中性子束モニタの取外し装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所の原子炉圧力容器内に装備されている炉内中性子束モニタの取外し方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所における沸騰水型原子炉の核計装系は、炉心部の核反応によって生じる中性子束を測定して原子炉出力を監視することを目的と、原子炉圧力容器内に中性子を測定する炉内中性子束モニタ(以下ICMという。)として、局部出力領域モニタ(以下LPRMという。),中性子源領域モニタ(以下SRMという。),中間出力領域モニタ(以下IRMという。)を設置している。
【0003】
原子力発電所の定期検査時には、これらのICMは原子炉圧力容器より取外されるが、この作業時は定期検査工程上、クリティカルパス作業となっており、原子力発電所の定期検査工程,運転及び健全性に多大な影響を及ぼすため、取外し作業の遅延は許されない。
【0004】
ICMは、スプリングで原子炉の上部格子板と炉心支持板との間で突っ張って設けられているが、そのICMは通常の状態であれば、そのスプリングに抗してICMの頂部をスプリングのストローク範囲内で押し下げて上部格子板からICMを外すことになる。しかし、その押し下げが実施できない場合には、異常事態の対応を採る。
【0005】
その対応における従来のICMの取外し方法の一例として、ウェイトを用いてLPRMに鉛直方向の荷重を加え、これを弓なりに曲げて原子炉の格子板の下に移動させて取外すものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−196785号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のICMの取外し方法の一例の方法は、ウェイトの質量が数百kgとかなり重く、準備作業として天井クレーンを必要とし、炉心上部での重量取扱い作業となるため、二次障害の可能性が高くなる問題がある。
【0008】
本発明は、ウェイトを用いずに小型軽量の炉内中性子束モニタの取外し装置及び方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決する装置としての手段は、第1のフレームと、この第1のフレームに固定されて原子炉の上部格子板に上方向の力を伝達する第2のフレームと、この第2のフレームに水平移動自在に装着されたスライダと、このスライダを移動させる駆動手段と、このスライダに上下動自在に装着されて炉内中性子束モニタに下方向の力を伝達する昇降プレートと、この昇降プレートを上下動させる駆動手段と、そのスライダに装着されて炉内中性子束モニタを把持する把持手段と、その把持手段を動作させる駆動手段とを備えた炉内中性子束モニタの取外し装置であり、同じ方法としての手段は、原子炉の炉内中性子束モニタに押し下げる方向に力を与え、その力による反作用力を原子炉の上部格子板で受けながら、前記炉内中性子束モニタを座屈させて前記上部格子板から前記炉内中性子束モニタの頂部を外す炉内中性子束モニタの取外し方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
原子力発電所における沸騰水型原子炉の核計装系は、炉心部の核反応によって生じる中性子束を測定することにより、原子炉停止状態から定格出力の例えば125%までの原子炉出力を監視することを目的としたもので、この原子炉核計装系で原子炉の起動,停止時や定常運転時の監視を行ったり、炉制御や安全保護のための信号を安全停止系や制御棒駆動系等に出力したりしている。
【0011】
原子炉の運転開始から定常運転に至る中性子束の変動範囲は6桁から12桁にも及び、全範囲を一種類の計測器でカバーすることは困難である。このため原子炉核計装系は、中性子源領域,中間出力領域,局部出力領域の3つに分け、各計測領域に適した中性子計測で中性子束を測定する一方、各計測領域の測定範囲を相互に1桁以上オーバーラップさせ、1つの計測領域から他の計測領域に移る際にも、中性子束の測定が不連続にならないようにしている。
【0012】
このため前記原子炉圧力容器内の中性子を測定する炉内中性子束モニタ(以下ICMという)として、局部出力領域モニタ(以下LPRMという),中性子源領域モニタ(以下SRMという),中間出力領域モニタ(以下IRMという)を設置している。原子力発電所の定期検査時には、これらのICMは原子炉圧力容器より取外されるが、この作業時は定期検査工程上、クリティカルパス作業となっており、原子力発電所の定期検査工程,運転及び健全性に多大な影響を及ぼすため、取外し作業の遅延は許されない。
【0013】
図11は本発明が適用される一般的な沸騰水型原子炉の要部断面図である。
【0014】
1は原子炉で、周知のように密閉された圧力容器2を構成し、内部には所定量の水が注入され、燃料集合体3,制御棒4が装着されている。6はSRMドライチューブ、7はIRMドライチューブ、8はLPRM検出器、9は中性子源で、これらは炉心支持板5と上部格子板10との間に装着されている。
【0015】
図12は前記SRMドライチューブ6,IRMドライチューブ7,LPRM検出器8が装着されている状態を示す。また、これらICMの内、代表してLPRM検出器8の構造を図13に示す。
【0016】
LPRM検出器8は、スプリングハウジング8bの内径にガイドプラグ8cの一部が圧入嵌合され、プランジャ8dの下部にはスプリング8aが装填される構造となっている。したがって上部格子板10の凹所に嵌合しているプランジャ8dの頭部8eは、凹所に当接して所定の力で上側に押し付けられ、横方向に外れないで保持されている。
【0017】
前記LPRM検出器8を原子炉圧力容器から取外す際に、前記LPRM検出器8のプランジャ8dが変形し、ガイドプラグ8c内での動きが阻害されている場合や、プランジャ8dがガイドプラグ8cまたはスプリングハウジング8bとの接触面で固着している場合、LPRM検出器8の取外し作業は極めて困難である。
【0018】
ICMの原子炉圧力容器からの取外しに際して、このような困難な状況に遭遇した場合に、ICMの原子炉圧力容器からの取外しに本発明のICM取外し装置が用いられる。本発明に係わるICM取外し装置は、内部にスプリングを有するスプリングハウジングと、この上端に設置されたガイドプラグと、前記スプリング上部に設置され前記ガイドプラグを貫通し前記スプリングハウジングより突出するプランジャとを備え、前記プランジャの頭部を炉心内の上部格子板に差し込むことによって固定された原子炉圧力容器の中性子束測定用ICMの取外し装置において、炉心内の上部格子板上に配置されるフレームと、このフレームに固定された基準フレームと、前記ICMを把持する爪部を有したアームと、この爪部による把持及び解除を制御する爪駆動用水圧シリンダと、前記把持操作状態で上下できる昇降プレートと、この昇降プレートの昇降制御用水圧シリンダと、水平移動するスライダと、この水平移動を制御する位置決め用水圧シリンダとを備えている。このようなICMの取外し装置を用いて、本発明に係わるICMの取外し方法として、前記基準フレームの上面を前記上部格子板の下面位置に至るまで下降後水平移動させ、前記爪駆動用水圧シリンダの操作により前記爪部で前記ICMを把持し、これを保持した状態で前記昇降制御用水圧シリンダにより前記基準フレームの上面と前記上部格子板の下面との間が突っ張るように接触させた後、前記昇降プレートの下降により前記ICMの段付部を押し下げて座屈曲げを生ぜしめ、前記上部格子板に嵌合している前記ICMの頭部を外し、次いで前記位置決め用水圧シリンダの水圧印加によって前記水平移動用スライダを水平方向へ移動させ、同時に前記押し下げ用水圧シリンダの水圧解除で元の位置まで前記昇降プレートを上昇させ、この状態を保持したまま水平移動させた後上部に引き上げるという方法が実施できる。
【0019】
このようなICM取外し装置及び方法を原子炉圧力容器内で実施するに際しては、まずは、ホイストを用いて上下動自在に懸垂支持したICM取外し装置を原子炉圧力容器内の炉心の上部格子板の上部に位置させ、基準フレームの上面が上部格子板の下面位置に至るまで下降させる。上部格子板の下面をガイドにしながらICM側に水平移動させ、爪駆動用水圧シリンダを操作してアームの爪部でICMを把持する。
【0020】
この状態で昇降制御用水圧シリンダを操作し、そのロッドを押し出すことにより基準フレームの上面と上部格子板の下面との間が突っ張るように接触し、同時に昇降プレートが下降しICMはその段付部を介して押し下げられる。そのためICMは座屈湾曲し、上部格子板の凹所に嵌合している頭部が外れる。
【0021】
次に位置決め用水圧シリンダに水圧を印加すると、水平移動用スライダは水平方向へ移動し、同時に昇降制御用水圧シリンダの水圧を解除すると、昇降プレートは元の位置まで上昇する。このときICMは爪部で把持されたままであり、この状態を保持しながら水平移動させ、上部に引き上げる。このようにして、ウェイトを用いずに各水圧シリンダを各部の駆動手段として用いてICMを原子炉圧力容器内から取外し、原子炉の検査・点検作業を進める。
【0022】
以下に、一層具体的に本発明の一実施例を説明する。なお、本実施例においては、ICMの内LPRM検出器(局部出力領域モニタ)を代表し、その取外し装置及び方法について説明する。
【0023】
図1にICM取外し装置11の構成を示す。原子炉圧力容器の上方に水平移動自在にホイストが配備される。そのホイストとしては、原子力発電所の原子炉建屋に装備された燃料交換機の補助ホイストが利用できる。そのホイストにより巻き取り或いは繰り出されるロープの端部に取付けられているホイスト先端金具19は、水平なフレーム11bに接続されている。そのフレーム11bには垂直なフレーム11aが第1のフレームとして固定されている。そのフレーム11bには、基準フレーム14が第2のフレームとして水平に固定されている。
【0024】
その基準フレーム14の下面には、スライドレールを介して水平移動用スライダ15が水平方向へ移動自在に装着されている。その水平移動用スライダ15には、駆動手段として、位置決め用水圧シリンダ12のピストンロッド側が連結され、シリンダ側はフレーム11bに接続されている。この位置決め用水圧シリンダ12には、各高圧ホース20の一部が接続されて、原子炉建屋の運転階から水圧を位置決め用水圧シリンダ12に供給可能としている。位置決め用水圧シリンダ12は水圧を受けてロッドをシリンダ内に引き入れたりロッドをシリンダの外側へ突き出し足りできる。そして、ロッドをシリンダ内に引き入れた際には、水平移動用スライダ15を図1の左側水平方向に移動させることができ、ロッドをシリンダの外側へ突き出した際には、水平移動用スライダ15を図1の右側水平方向に移動させて図1の状態とすることができる。
【0025】
水平移動用スライダ15の下面には、支持棒22の上端が固定され、その支持棒22の下端は水平なフレーム21に固定されている。したがって、支持棒22と水平なフレーム21を水平移動用スライダ15の構成として含んでいる。
【0026】
水平なフレーム21の下面には、駆動手段として爪駆動用水圧シリンダ18のシリンダ側が接続され、図3のように、爪駆動用水圧シリンダ18のロッド18aはアーム16の一端に接続され、アーム16の他端は垂直な回転軸23の下端に接続され、回転軸23の上端部分には把持手段としてフック形状の爪部16aが接続されている。この爪部16aは水平移動用スライダ15の下面に水平回転自在に装着されている。
【0027】
爪駆動用水圧シリンダ18には高圧ホース20の一部が接続されて原子炉建屋の運転階から水圧を位置決め用水圧シリンダ12に供給可能としている。この水圧を受けた位置決め用水圧シリンダ12はロッド18aをシリンダから突き出したり引き込んだりすることができるので、ロッド18aを突き出した際には、図3の実線表示から点線表示のようにアーム16を水平回転させるので、回転軸23もアーム16と同方向に回転して爪部16aを図3の実線表示から点線表示のように水平回転させることができる。
【0028】
水平移動用スライダ15には、駆動手段として昇降制御用水圧シリンダ13のシリンダ側が固定され、昇降制御用水圧シリンダ13のロッド13aは水平な昇降プレート17に固定されている。その昇降プレート17には支持棒22や回転軸23が昇降プレート17の上下動を邪魔しないように貫通している。
【0029】
昇降制御用水圧シリンダ13には、高圧ホース20の一部が接続されて原子炉建屋の運転階から水圧を昇降制御用水圧シリンダ13に供給可能としている。昇降制御用水圧シリンダ13はその水圧を受けることによって、ロッド13aをシリンダから突き出したり引き込んだりできる。昇降制御用水圧シリンダ13のロッド13aが引き込まれた際には、昇降プレート17が上昇し、突き出された際には、昇降プレート17が下降する。
【0030】
この実施例によれば、ICM取外し装置11を約40kgと、軽量に構成することができた。
【0031】
図2はICM取外し装置の上側から見た図であり、フレーム11bはほぼ矩形の平板であるが、その下方の2枚の水平なフレーム11c,11dは図3の点線表示で示すように右側端部がほぼ90度の角度で右側に尖った形状に成型されている。これは、図4や図5や図7に示すように上部格子板10の格子の対角線方向からICM取外し装置をその上部格子板10の格子の隅に接近できるようにするためである。図3はICM取外し装置を下側から見た図である。
【0032】
図2や図3や図4や図5からも分かるように、基準フレーム14と水平移動用スライダ15や昇降プレート17やフレーム21は、その右側端部に右側に開放されたスリットが上下方向から見て同一位置で同一向きに形成されている。そのため、基準フレーム14と水平移動用スライダ15や昇降プレート17やフレーム21は、その右側端部が上下方向から見ると二股の形状を有している。基準フレーム14に形成されたスリットは、水平移動用スライダ15や昇降プレート17やフレーム21に形成されたスリットよりも図1の左側への長さが長くされている。また、昇降プレート17に形成されたスリットの図1の紙面と直交する方向のスリット幅はガイドプラグ8cの直径寸法よりも小さい寸法でありプランジャ8dの直径寸法よりも大きな寸法とされる。そのため、昇降プレート17のスリットにプランジャ8dを通して昇降プレート17を下降させると、その昇降プレート17はガイドプラグ8cに引っ掛り、その昇降プレート17がLPRM検出器8へ下方方向に引っ掛り合える。
【0033】
次に、ICM取外し装置11を用いてのICM取外し方法の説明を次に行う。本発明の実施様態は、水が入れられている原子炉圧力容器内の上部格子板10の多数の仕切り区画において、図4のように、燃料集合体3が7体取り除かれた二点鎖線内の領域50がICM取外しの作業領域となる。その領域50内のLPRM検出器8が、プランジャ8dが変形し、ガイドプラグ8c内での動きが阻害されているか、或いは、プランジャ8dがガイドプラグ8cまたはスプリングハウジング8bとの接触面で固着している場合を想定してそのLPRM検出器8を取外すことを以下に説明する。
【0034】
前述のように、燃料集合体3が7体取り除かれた後に、燃料交換機のホイストでICM取外し装置11を吊り、燃料交換機の水平移動とホイストによる上下移動をICM取外し装置11に与えて領域50に吊り降ろし、領域50の左上側から斜め下側に向って図5のA1〜A4のようにLPRM検出器8の位置まで移動させる。この移動に際しては、上部格子板10の近傍を明るくするための水中照明灯30,水中TVカメラ40を使用し、そのモニタ画面を見ながら燃料交換機とホイストを操作して行う。
【0035】
図5はICM取外し装置11を使用してLPRM検出器8を取外す作業工程の状況を示す平面図で、その断面図である図6〜図10を参照しながら取外す作業の詳細を説明する。
【0036】
まず、ICM取外し装置11を燃料集合体3が抜かれた後の上部格子板10の格子内に吊り降ろし、次いで更にICM取外し装置11を下降させ、水中TVカメラ40のモニタ画面を監視しながら、図6及び図5のA1のように、基準フレーム14の上面を上部格子板10の下面の高さよりも若干低い位置に至るまで下降させる。
【0037】
次に、上部格子板10の下面をガイドにしながらICM取外し装置11をLPRM検出器8側に水平移動させ、図7や図5のA2のように、基準フレーム14と水平移動用スライダ15や昇降プレート17やフレーム21に形成したスリット内にLPRM検出器8を入れる。基準フレーム14と水平移動用スライダ15とのスリットにはプランジャの頭部8e直下のプランジャ8d部が、昇降プレート17のスリットにはガイドプラグ8cの直上のプランジャ8d部が、フレーム21のスリットにはスプリングハウジング8bが上下方向に通されている。この時点では、爪部16aは解除状態に置かれていて水平移動用スライダ15のスリット内側へは突き出ていない。
【0038】
次に、爪駆動用水圧シリンダ18を操作してロッド18aをシリンダ側に引き込むことで、爪部16aを図3の点線表示状態から実線表示状態に水平回転させてLPRM検出器8のプランジャ8d部分を把持する。
【0039】
この状態で昇降制御用水圧シリンダ13を操作し、そのロッド13aを下方に押し出す。ロッド13aが下方に突き出されると、昇降プレート17が下方に移動し、その昇降プレート17のスリットがガイドプラグ8cの上端に引っ掛る。更に、昇降プレート17の下方への移動が進行すると、昇降制御用水圧シリンダ13がロッド13aを下方に押し出す力を昇降プレート17がガイドプラグ8cへ伝達する。このようになると、昇降プレート17がガイドプラグ8cを下方に押す作用が始まり、その反作用力は基準フレーム14を介して上部格子板10の下面に受け止められる。
【0040】
上部格子板10はLPRM検出器8よりも座屈強度が大きいので、それより相対的に座屈強度の弱いLPRM検出器8のプランジャ8d部やスプリングハウジング8bが昇降プレート17で下方に押されて座屈して湾曲する。そのため、座屈して下端から上端に至る垂直寸法が短くなったLPRM検出器8は、図8のように、プランジャの頭部8eが上部格子板10の窪みから下方へ抜ける。上部格子板10の窪みからプランジャの頭部8eが抜け出ても爪部16aがプランジャ8d部分を把持しているのでLPRM検出器8が倒れてICM取外し装置11から外れることが無い。
【0041】
次に、図9のように、位置決め用水圧シリンダ12に水圧を印加して、水平移動用スライダ15は図9の左側水平方向へ移動する。次に昇降制御用水圧シリンダ13の水圧を解除すると、昇降プレート17は図6,図7に示す元の位置まで上昇する。このときLPRM検出器8は、爪部16aで把持されたままである。
【0042】
この状態を保持しながらICM取外し装置11を図5のA3状態からA4の状態へと燃料交換機の水平移動によって水平移動させ、その後にホイストを操作してICM取外し装置11をLPRM検出器8と共に図10のように上部に引き上げてLPRM検出器8を回収する。
【0043】
なお、以上の説明では、LPRM検出器の取外し作業の場合について述べたが、LPRM検出器に限らず、SRMやIRMの取外しについても本実施例によるICM取外し装置及び方法を適用できることはいうまでもない。
【0044】
本実施例によれば、ホイストの操作と各シリンダへの水圧を印加及び解除制御する方式のため、ウェイトを用いてLPRM検出器に鉛直方向の荷重を加え、これを弓なりに曲げて取外す方式に比べ、ICM取外し装置が小型軽量化された構造となり、且つ容易かつ確実にLPRM検出器を取外すことができる。
【0045】
したがって原子力発電所の定期検査時において、LPRM検出器のプランジャが変形してガイドプラグ内での動きが阻害されていたり、プランジャがガイドプラグまたはスプリングハウジングとの接触面で固着したりしていても、容易かつ確実に取外すことができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、LPRM検出器のプランジャが変形してガイドプラグ内での動きが阻害されていたり、プランジャがガイドプラグまたはスプリングハウジングとの接触面で固着したりしていても、容易かつ確実にLPRM検出器をその取付け位置から取外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるICM取外し装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のICM取外し装置の上面図である。
【図3】図1のICM取外し装置の下面図である。
【図4】本発明の実施例によるLPRM検出器の取外し方法を実施している状況を上部格子板の上方から見た上平面図である。
【図5】本発明の実施例によるLPRM検出器の取外し方法による各作業工程の状態A1〜A4を上部格子板の上方から見た上平面図である。
【図6】本発明の実施例によるICM取外し装置の基準フレームの上面を上部格子板の下面の高さ位置に至るまで下降させた状態を示すICM取外し装置の縦断面図である。
【図7】本発明の実施例によるICM取外し装置の爪部でLPRM検出器を把持した状態を示すICM取外し装置の縦断面図である。
【図8】本発明の実施例によるICM取外し装置によってLPRM検出器が座屈湾曲し、上部格子板凹所に嵌合していたLPRM検出器の頭部が外れた状態のICM取外し装置の縦断面図。
【図9】本発明の実施例によるICM取外し装置のスライダが水平方向へ移動し、同時に昇降プレートが元の位置まで上昇し、LPRM検出器が爪部で把持された状態を示すICM取外し装置の縦断面図である。
【図10】本発明の実施例によるICM取外し装置を水平移動させた後、ICM取外し装置を上部に引き上げる状態を示すICM取外し装置の縦断面図である。
【図11】本発明が適用される一般的な沸騰水型原子炉の概略断面図である。
【図12】沸騰水型原子炉内でSRMドライチューブ,IRMドライチューブ,LPRM検出器が装着されている状態を示す説明図である。
【図13】LPRM検出器の上側一部の縦断面図である。
【符号の説明】
1…原子炉、2…圧力容器、8…LPRM検出器、8a…スプリング、8b…スプリングハウジング、8c…ガイドプラグ、8d…プランジャ、8e…プランジャの頭部、10…上部格子板、11a…フレーム、12…位置決め用水圧シリンダ、13…昇降制御用水圧シリンダ、14…基準フレーム、15…水平移動用スライダ、16…アーム、16a…爪部、17…昇降プレート、18…爪駆動用水圧シリンダ。
Claims (2)
- 第1のフレームと、この第1のフレームに固定されて原子炉の上部格子板に上方向の力を伝達する第2のフレームと、この第2のフレームに水平移動自在に装着されたスライダと、このスライダを移動させる駆動手段と、このスライダに上下動自在に装着されて炉内中性子束モニタに下方向の力を伝達する昇降プレートと、この昇降プレートを上下動させる駆動手段と、そのスライダに装着されて炉内中性子束モニタを把持する把持手段と、その把持手段を動作させる駆動手段とを備えた炉内中性子束モニタの取外し装置。
- 原子炉の炉内中性子束モニタに押し下げる方向に力を与え、その力による反作用力を原子炉の上部格子板で受けながら、前記炉内中性子束モニタを座屈させて前記上部格子板から前記炉内中性子束モニタの頂部を外す炉内中性子束モニタの取外し方法。
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