JP2005009833A - 二重管式熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の二重管式熱交換器によれば、約90℃の高温水を得ようとすると、水側の熱伝達率が低下して高温水の供給量が著しく低下してしまうという問題がある。
【解決手段】内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、溝は、溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する溝のねじれ角が25度以上、溝の数と外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、溝は、溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する溝のねじれ角が25度以上、溝の数と外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯システム等に使用される二重管式熱交換器に関し、特に、改善された水側の伝熱性能を有する二重管式熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートポンプ式給湯システムには、高温の冷媒と水を熱交換させて所定の温度の温水を取り出す熱交換器が使用されている。
【0003】
図4は、炭酸ガスを冷媒とするヒートポンプ式給湯システムの構成を示す。図4に示されるように、ヒートポンプ式給湯システムは、圧縮機1、ガスクーラ(熱交換器)2、膨張弁3、蒸発器4から成る。冷媒である炭酸ガスは矢印の方向に流れる。当該ヒートポンプ式給湯システムの動作は次の通りである。圧縮機1により高温高圧になった冷媒は、ガスクーラ2において熱交換され、供給される水を加熱する。圧縮機1により高温となった炭酸ガスは90℃以上になり臨界圧力を超えるので、ガスクーラ2内で凝縮せずに連続的に冷却される。ガスクーラ内で冷却された炭酸ガスは膨張弁3において断熱膨張し、蒸発器4において気体となり、再び圧縮機1に戻る。
【0004】
図5は、ガスクーラ2において使用される従来の二重管式熱交換器の概略構成を示す。当該二重管式熱交換器は、銅製の外管5と、外管5内に挿入される銅製の内管6とから成る。内管6内に流れる高温の炭酸ガスが外管5と内管6の間に流れる水を加熱し、給湯されるべき温水が得られる。内管6は漏洩検知用溝6aを備えるので、内管6内壁が腐食した場合に、この漏洩検知用溝6aを伝わり内管6末端まで漏出する冷媒(炭酸ガス)や圧縮機オイルを検出することができる。これにより、内管6の腐食に起因して内管6内部と外管5内部が連通し、内管6内を流れる炭酸ガスや圧縮機オイルが外管内を流れる温水に混入することを防止している。
【0005】
このような構造を有する二重管式熱交換器は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−201275号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二重管式熱交換器によれば、約90℃の高温水を得ようとすると、水側の熱伝達率が低下して高温水の供給量が著しく低下してしまうという問題がある。即ち、約90℃の高温水を得る場合には、温度の上昇幅を大きくするために水の流量を低下させる必要がある。しかしながら、水の流量が低下してレイノルズ数(Re、流速を表す無次元数)が約2000以下になると、水の流れが層流となり水側の熱伝達率が低下する。この為、温度の上昇幅を大きくするためにさらに水の流量を低下させざるを得ないという悪循環に陥る。その結果、高温水の供給量が著しく低下してしまう。
【0008】
他方、外管の内径を小さくし外管と内管の間の流路を狭くすれば、流速が上がりReを層流域よりも増加させることができる。しかしながら、この場合には、水側の圧力損失が増大する、長期使用時にスケール付着が起こり易くなるという別の問題が生じる。このため、水側の流路を狭くすることは得策ではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、約90℃の高温水の供給量を改善するため、内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、前記外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、前記溝は、溝深さ(Hf)と前記外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する前記溝のねじれ角が25度以上、前記溝の数と前記外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成されるようにした二重管式熱交換器を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の二重管式熱交換器の実施の態様を説明する。
【0011】
図1は、本発明の二重管式熱交換器の概略構成を示す。当該二重管式熱交換器は、漏洩検知管を構成する溝6aを有する内管6と、内面に螺旋状に形成される溝8を有する外管7とから構成される。内管6の内側には、炭酸ガス等の高温の冷媒が通され、内管6と外管7との間には、冷媒によって加熱される水が通される。
【0012】
図2は、外管7の内面に形成される溝8の詳細を示す。図示されるように、溝8は、外管7の最小内径(Di)、溝深さ(Hf)、外管の底肉厚(Tw)で規定される。溝深さ(Hf)と最小内径(Di)との比は、Hf/Di≧0.015であることが好ましい。0.015未満のHf/Di比では、伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。
【0013】
また、溝8は、外管7の内面に螺旋状に形成されており、25度以上の管軸に対するねじれ角を有することが好ましい。25度未満のねじれ角では、伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。
【0014】
また、外管7の長手方向に垂直な方向の断面(図2に一部示される断面)における溝8の個数は、10.1mmの最小内径(Di)を有する外管7において、15〜50個であることが好ましい。即ち、好適な(溝数)/(外管の最小内径)比は、約1.5〜5.0(個/mm)である。(溝数)/(外管の最小内径)比が1.5(個/mm)未満では、溝無しの外管と比較して伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。一方、水側流路を流れる水の水質に応じて内管6の外壁あるいは外管7の内壁にスケールが付着する傾向があり、特に、(溝数)/(外管の最小内径)比が5.0(個/mm)を超える場合には、外管7の内壁の凹凸が多いことに起因し長期使用したときにこの部分にスケールが付着しやすい。スケールの付着によって、乱流効果が低下する傾向がある。よって、(溝数)/(外管の最小内径)比は、上記範囲であることが好ましい。
【0015】
図3は、本発明の二重管式熱交換器の伝熱性能を従来の二重管式熱交換器のものと比較して測定した結果を示す。同図において、横軸は水側流速を無次元化したレイノルズ数(Re)を表し、Reは層流から乱流へ、乱流から層流への移行が生じるための条件となる。一方、縦軸は水側熱伝達率を無次元化したヌッセルト数(Nu)を表し、Nuが大きいほど流体(水)への熱伝達率が向上することを意味する。図3に示されるように、本発明の二重管式熱交換器のヌッセルト数は、従来の二重管式熱交換器と比較して、乱流域では約15%増加しており、更に層流域では300%程度増加している。このように、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域においても、外管7の溝8により乱流が維持され伝熱性能の低下を防ぐことができる。
【0016】
【実施例】
表1は、本発明の二重管式熱交換器の一実施例(No.2)の伝熱性能を、本発明の範囲外の外管内壁溝仕様を有する二重管式熱交換器(比較例、No.3)及び従来の外管内壁溝無し二重管式熱交換器(従来例、No.1)と比較しつつ測定した結果を示す。なお、表1において、Nu/Nupは従来例のヌッセルト数を基準(1.00)としたときの各Nuの相対値を表す。
【表1】
【0017】
本実施例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝深さ(Hf)=0.30、溝数=30、溝ねじれ角=30度の溝8を備えてなり、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比は、0.030である。
比較例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝深さ(Hf)=0.13、溝数=10、溝ねじれ角=18度の溝8を備えてなり、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。
従来例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝を備えておらず、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。
【0018】
表1に示されるように、本実施例の二重管式熱交換器では、従来例の外管内壁に溝を有さない二重管式熱交換器に比べて、乱流域でヌッセルト数が15%向上する。また、本実施例の二重管式熱交換器では、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域においても、内壁溝を備えることによって、乱流を維持し伝熱性能が低下することを防ぐことができる。
【0019】
これに対して、本発明の範囲外の外管内壁溝仕様を有する二重管式熱交換器(比較例)では、従来例に比べて、乱流域でヌッセルト数がわずか3%向上するに止まる。さらに、比較例では、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域において、乱流を維持することができず伝熱性能が著しく低下する。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の二重管式熱交換器によれば、内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、溝は、溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する溝のねじれ角が25度以上、溝の数と外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成されるようにしたため、約90℃の高温水の供給量を改善することができる。
【0021】
即ち、高温出湯時に水が低流量になる場合、通常水の流れが層流となり伝熱性能が低下するが、本発明の二重管式熱交換器によれば、外管内壁に形成される上記仕様の溝により水の流れが乱され乱流が維持されるので、伝熱性能の低下が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における二重管式熱交換器の構成を示す。
【図2】図1の二重管式熱交換器の外管7の部分断面を示す。
【図3】従来例と比較しつつ本発明の実施例における二重管式熱交換器の伝熱性能を示す。
【図4】従来のヒートポンプ式給湯システムの構成を示す。
【図5】従来の二重管式熱交換器の構成を示す。
【符号の説明】
1:圧縮機
2:ガスクーラ
3:膨張弁
4:蒸発器
5:外管(内壁平滑管)
6:内管(漏洩検知管)
6a:漏洩検知用溝
7:外管(内壁溝付き管)
8:溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯システム等に使用される二重管式熱交換器に関し、特に、改善された水側の伝熱性能を有する二重管式熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートポンプ式給湯システムには、高温の冷媒と水を熱交換させて所定の温度の温水を取り出す熱交換器が使用されている。
【0003】
図4は、炭酸ガスを冷媒とするヒートポンプ式給湯システムの構成を示す。図4に示されるように、ヒートポンプ式給湯システムは、圧縮機1、ガスクーラ(熱交換器)2、膨張弁3、蒸発器4から成る。冷媒である炭酸ガスは矢印の方向に流れる。当該ヒートポンプ式給湯システムの動作は次の通りである。圧縮機1により高温高圧になった冷媒は、ガスクーラ2において熱交換され、供給される水を加熱する。圧縮機1により高温となった炭酸ガスは90℃以上になり臨界圧力を超えるので、ガスクーラ2内で凝縮せずに連続的に冷却される。ガスクーラ内で冷却された炭酸ガスは膨張弁3において断熱膨張し、蒸発器4において気体となり、再び圧縮機1に戻る。
【0004】
図5は、ガスクーラ2において使用される従来の二重管式熱交換器の概略構成を示す。当該二重管式熱交換器は、銅製の外管5と、外管5内に挿入される銅製の内管6とから成る。内管6内に流れる高温の炭酸ガスが外管5と内管6の間に流れる水を加熱し、給湯されるべき温水が得られる。内管6は漏洩検知用溝6aを備えるので、内管6内壁が腐食した場合に、この漏洩検知用溝6aを伝わり内管6末端まで漏出する冷媒(炭酸ガス)や圧縮機オイルを検出することができる。これにより、内管6の腐食に起因して内管6内部と外管5内部が連通し、内管6内を流れる炭酸ガスや圧縮機オイルが外管内を流れる温水に混入することを防止している。
【0005】
このような構造を有する二重管式熱交換器は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−201275号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二重管式熱交換器によれば、約90℃の高温水を得ようとすると、水側の熱伝達率が低下して高温水の供給量が著しく低下してしまうという問題がある。即ち、約90℃の高温水を得る場合には、温度の上昇幅を大きくするために水の流量を低下させる必要がある。しかしながら、水の流量が低下してレイノルズ数(Re、流速を表す無次元数)が約2000以下になると、水の流れが層流となり水側の熱伝達率が低下する。この為、温度の上昇幅を大きくするためにさらに水の流量を低下させざるを得ないという悪循環に陥る。その結果、高温水の供給量が著しく低下してしまう。
【0008】
他方、外管の内径を小さくし外管と内管の間の流路を狭くすれば、流速が上がりReを層流域よりも増加させることができる。しかしながら、この場合には、水側の圧力損失が増大する、長期使用時にスケール付着が起こり易くなるという別の問題が生じる。このため、水側の流路を狭くすることは得策ではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、約90℃の高温水の供給量を改善するため、内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、前記外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、前記溝は、溝深さ(Hf)と前記外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する前記溝のねじれ角が25度以上、前記溝の数と前記外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成されるようにした二重管式熱交換器を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の二重管式熱交換器の実施の態様を説明する。
【0011】
図1は、本発明の二重管式熱交換器の概略構成を示す。当該二重管式熱交換器は、漏洩検知管を構成する溝6aを有する内管6と、内面に螺旋状に形成される溝8を有する外管7とから構成される。内管6の内側には、炭酸ガス等の高温の冷媒が通され、内管6と外管7との間には、冷媒によって加熱される水が通される。
【0012】
図2は、外管7の内面に形成される溝8の詳細を示す。図示されるように、溝8は、外管7の最小内径(Di)、溝深さ(Hf)、外管の底肉厚(Tw)で規定される。溝深さ(Hf)と最小内径(Di)との比は、Hf/Di≧0.015であることが好ましい。0.015未満のHf/Di比では、伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。
【0013】
また、溝8は、外管7の内面に螺旋状に形成されており、25度以上の管軸に対するねじれ角を有することが好ましい。25度未満のねじれ角では、伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。
【0014】
また、外管7の長手方向に垂直な方向の断面(図2に一部示される断面)における溝8の個数は、10.1mmの最小内径(Di)を有する外管7において、15〜50個であることが好ましい。即ち、好適な(溝数)/(外管の最小内径)比は、約1.5〜5.0(個/mm)である。(溝数)/(外管の最小内径)比が1.5(個/mm)未満では、溝無しの外管と比較して伝熱性能、即ちヌッセルト数の増加が5%未満に止まり、二重管式熱交換器を構成した場合、有意な熱交換効率の改善が見られない。一方、水側流路を流れる水の水質に応じて内管6の外壁あるいは外管7の内壁にスケールが付着する傾向があり、特に、(溝数)/(外管の最小内径)比が5.0(個/mm)を超える場合には、外管7の内壁の凹凸が多いことに起因し長期使用したときにこの部分にスケールが付着しやすい。スケールの付着によって、乱流効果が低下する傾向がある。よって、(溝数)/(外管の最小内径)比は、上記範囲であることが好ましい。
【0015】
図3は、本発明の二重管式熱交換器の伝熱性能を従来の二重管式熱交換器のものと比較して測定した結果を示す。同図において、横軸は水側流速を無次元化したレイノルズ数(Re)を表し、Reは層流から乱流へ、乱流から層流への移行が生じるための条件となる。一方、縦軸は水側熱伝達率を無次元化したヌッセルト数(Nu)を表し、Nuが大きいほど流体(水)への熱伝達率が向上することを意味する。図3に示されるように、本発明の二重管式熱交換器のヌッセルト数は、従来の二重管式熱交換器と比較して、乱流域では約15%増加しており、更に層流域では300%程度増加している。このように、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域においても、外管7の溝8により乱流が維持され伝熱性能の低下を防ぐことができる。
【0016】
【実施例】
表1は、本発明の二重管式熱交換器の一実施例(No.2)の伝熱性能を、本発明の範囲外の外管内壁溝仕様を有する二重管式熱交換器(比較例、No.3)及び従来の外管内壁溝無し二重管式熱交換器(従来例、No.1)と比較しつつ測定した結果を示す。なお、表1において、Nu/Nupは従来例のヌッセルト数を基準(1.00)としたときの各Nuの相対値を表す。
【表1】
【0017】
本実施例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝深さ(Hf)=0.30、溝数=30、溝ねじれ角=30度の溝8を備えてなり、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比は、0.030である。
比較例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝深さ(Hf)=0.13、溝数=10、溝ねじれ角=18度の溝8を備えてなり、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。
従来例の二重管式熱交換器では、外管7(銅製)が、外径12.7mm、底肉厚1.0mmを有し、内壁に、溝を備えておらず、内管(漏洩検知管、銅製)が外径5mmを有する。
【0018】
表1に示されるように、本実施例の二重管式熱交換器では、従来例の外管内壁に溝を有さない二重管式熱交換器に比べて、乱流域でヌッセルト数が15%向上する。また、本実施例の二重管式熱交換器では、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域においても、内壁溝を備えることによって、乱流を維持し伝熱性能が低下することを防ぐことができる。
【0019】
これに対して、本発明の範囲外の外管内壁溝仕様を有する二重管式熱交換器(比較例)では、従来例に比べて、乱流域でヌッセルト数がわずか3%向上するに止まる。さらに、比較例では、水のレイノルズ数が2000以下の低流速域において、乱流を維持することができず伝熱性能が著しく低下する。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の二重管式熱交換器によれば、内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、溝は、溝深さ(Hf)と外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する溝のねじれ角が25度以上、溝の数と外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成されるようにしたため、約90℃の高温水の供給量を改善することができる。
【0021】
即ち、高温出湯時に水が低流量になる場合、通常水の流れが層流となり伝熱性能が低下するが、本発明の二重管式熱交換器によれば、外管内壁に形成される上記仕様の溝により水の流れが乱され乱流が維持されるので、伝熱性能の低下が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における二重管式熱交換器の構成を示す。
【図2】図1の二重管式熱交換器の外管7の部分断面を示す。
【図3】従来例と比較しつつ本発明の実施例における二重管式熱交換器の伝熱性能を示す。
【図4】従来のヒートポンプ式給湯システムの構成を示す。
【図5】従来の二重管式熱交換器の構成を示す。
【符号の説明】
1:圧縮機
2:ガスクーラ
3:膨張弁
4:蒸発器
5:外管(内壁平滑管)
6:内管(漏洩検知管)
6a:漏洩検知用溝
7:外管(内壁溝付き管)
8:溝
Claims (3)
- 内管と外管とからなる二重管式熱交換器において、
前記外管は、内壁に、螺旋状に連続して形成される複数の溝を備え、
前記溝は、溝深さ(Hf)と前記外管の最小内径(Di)との比が0.015以上、管軸に対する前記溝のねじれ角が25度以上、前記溝の数と前記外管の最小内径(Di)との比が約1.5〜5.0[個/mm]となるように形成されることを特徴とする二重管式熱交換器。 - 前記内管は、内部に、漏洩検知用溝を備える、請求項1に記載の二重管式熱交換器。
- 前記内管の内側に冷媒が流れ、前記外管と前記内管との管に水が流れ、冷媒と水との間で熱交換される、請求項1に記載の二重管式熱交換器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176927A JP2005009833A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 二重管式熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003176927A JP2005009833A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 二重管式熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005009833A true JP2005009833A (ja) | 2005-01-13 |
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ID=34099664
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003176927A Pending JP2005009833A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 二重管式熱交換器 |
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JP (1) | JP2005009833A (ja) |
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