JP2005009133A - 排水装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】槽体(1)と、槽体(1)を載置し、排水口(2a)を設けた防水パン(2)と、防水パン(2)からの排水を流入させる流入口(3a)、流入した排水を下水側へと排出する排水管(3c)の端部に設けられた流出口(3b)、を備えたエルボ部材(3)と、から構成される排水装置に、槽体(1)からの排水を排出するための槽体流路(4)を、槽体(1)から、エルボ部材(3)の流入口(3a)を介してエルボ部材(3)の排水管(3c)か、該排水管(3c)よりも下流側に設けた吐出口(4a)より構成するとともに、前記排水口(2a)に、エルボ部材(3)内の排水が防水パン(2)上へ逆流することを防止するフロート弁(5a)を利用した逆流防止装置(5)を備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、槽体と防水パンの排水を行うための排水装置に関する発明である。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示したように、槽体と防水パンの排水を行うための排水装置が公知である。
この従来の排水装置は、槽体としての浴槽と、防水パンとしての浴槽パンと、エルボ部材と、洗い場パンと、排水トラップと、逆流防止装置と、から構成される。
浴槽は、底部に開口を設けて構成される。
浴槽パンは、底部に排水口を設け、上方に浴槽を載置している。
エルボ部材は、浴槽パン裏面に取り付けられ、排水口に設けた浴槽からの排水と浴槽パンからの排水を流入させる流入口、流入した排水を排水トラップへと排出する流出口を備えて成る。
洗い場パンは、洗い場を形成するパンであって、底部に開口を設けている。
排水トラップは、洗い場パン裏面に取り付けられ、洗い場パン上からとエルボ部材からの排水を下水へと排水するための部材であって、内部に下水からの害虫や臭気の逆流を防止する封水を構成して成る。
逆流防止装置は、エルボ部材の流入口に脱着自在に取り付けられる部材で、浴槽からの排水を排水するための開口と、浴槽パンからの排水を排水するための開口を備え、かつ浴槽パンからの排水を行うための開口に、軸方向に上下動自在のフロート弁が備えられ、エルボ部材から浴槽パン上への排水の逆流を防ぐ構成となっている。
この構成の排水装置において、洗い場から大量の排水を排水した場合や、浴槽から大量の排水を排水した場合に、エルボ部材内の排水が開口へと逆流する場合があった。しかしながらエルボ部材の流入口には逆流防止装置が構成されているので、排水の逆流によってフロート弁が浮上し、浴槽パンからの排水を行う開口を水密的に塞ぐため、エルボ部材から浴槽パンへの排水の逆流を防止する構成となっていた。
【特許文献1】
特開平3−260230号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の排水装置では、以下のような問題点が発生していた。
槽体からの排水中に洗剤などの泡が混入していた場合、通常泡は1よりも軽い比重のため泡と排水の混濁物も比重1よりも軽いものとなる。このような排水中の泡は排水と共に排水することは難しいうえに、泡と排水の混濁物がフロート弁の比重よりも遥かに軽くなってフロート弁が浮かばなくなり、泡等が防水パンへと逆流してしまう現象が発生していた。通常、浴槽などの槽体下は掃除を行いにくく、泡が逆流して浴槽パン上が汚れてしまうと臭気などの原因となるという問題があった。
更に、泡の混じった排水を静置しておくと、泡は排水の上方に集まる。エルボ部材の排水管は、水が澱まないように下端に設けられる場合が殆どであるので、エルボ部材が排水トラップなどに接続され、内部に封水を有している状態であると、泡が封水の上方に残っていつまでも排水されず、別途泡のない排水が生じたときにも泡のある排水の場合と同様の問題を引き起こしていた。
【0004】
本発明の排水装置は、上記のような問題点を解決するために研究開発されたものであって、その目的は排水中の泡および排水を防水パン上へ逆流させない排水装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の排水装置は、槽体(1)と、槽体(1)を載置し、排水口(2a)を設けた防水パン(2)と、排水口(2a)に設けた防水パン(2)からの排水を流入させる流入口(3a)、流入した排水を下水側へと排出する流入口(3a)に対して側面方向に延出した排水管(3c)の端部に設けられた流出口(3b)、を備えたエルボ部材(3)と、から構成される排水装置において、槽体(1)からの排水を排出するための槽体流路(4)を、槽体(1)から、エルボ部材(3)の流入口(3a)を介してエルボ部材(3)の排水管(3c)内か、該排水管(3c)よりも下流側に設けた吐出口(4a)より構成するとともに、前記排水口(2a)に、防水パン(2)からの排水はエルボ部材(3)内へと排水するが、エルボ部材(3)内の排水が防水パン(2)上へ逆流することを防止するフロート弁(5a)を利用した逆流防止装置(5)を備えたことを特徴とする排水装置である。
【0006】
請求項2に記載の本発明の排水装置は、前記槽体(1)が浴槽(1)であって、前記防水パン(2)が浴槽を載置する浴槽パン(2)であることを特徴とする前記段落0005に記載の排水装置である。
【0007】
請求項3に記載の本発明の排水装置は、前記槽体(1)が洗濯機(9)であることを特徴とする前記段落0005に記載の排水装置である。
【0008】
請求項4に記載の本発明の排水装置は、前記エルボ部材(3)の排水管(3c)内であって、流入口(3a)と排水管(3c)の交差部分から槽体流路(4)の吐出口(4a)までの間に上壁面を垂下した泡逆流防止壁(10)を設けたこと特徴とする前記段落0005乃至段落0007に記載の排水装置である。
【0009】
請求項5に記載の本発明の排水装置は、前記エルボ部材(3)に、槽体流路(4)を支持する支持部(11)を構成したことを特徴とする前記段落0005乃至段落0008に記載の排水装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排水装置の実施の形態を図面に基づきながら詳細に説明する。
図1乃至図2に示した排水装置は、以下に記載する槽体(1)としての浴槽(1)、防水パン(2)としての浴槽パン(2)、洗い場パン(6)、エルボ部材(3)、槽体流路(4)、排水トラップ(7)、逆流防止装置(5)から構成される。
浴槽(1)は、上方が開放された箱体の底部に開口を設けて構成される。
浴槽パン(2)は、上部に浴槽(1)を載置し、底部に排水口(2a)を開口して構成される。
洗い場パン(6)は、洗い場を形成すると共に、底部に開口を設けて構成される。
エルボ部材(3)は、前記浴槽パン(2)の排水口(2a)裏面に取り付けられ、浴槽(1)からの排水と浴槽パン(2)からの排水が流入する流入口(3a)と、流入口(3a)に対して側面方向に延出して設けられた排水管(3c)と、その端部に設けた流出口(3b)から構成される。また、エルボ部材(3)の内部には後記する槽体流路(4)が配置され、エルボ部材(3)の流出口(3a)は、パイプやホースなどの接続部材(8)を介して後記する排水トラップ(7)に接続される。
槽体流路(4)は、浴槽からの排水を排水するための管状の部材によって形成され、エルボ部材(3)の流入口(3a)を介して、一方の端部が浴槽(1)の開口に水密的に接続され、他端の吐出口(4a)はエルボ部材(3)の排水管(3c)内に配置される。
排水トラップ(7)は、洗い場パン(6)の開口裏面に取り付けられ、洗い場パン(6)からの排水と、エルボ部材(3)からの排水(浴槽(1)からの排水及び浴槽パン(2)からの排水)を下水側へと排水する部材であって、下水側からの臭気や害虫が室内側へと逆流しないように内部に封水(7a)を備えて成る、従来から公知の部材である。また、前記エルボ部材(3)からの排水の流入する開口である枝管(7b)と、内部の排水を下水へと排水する排出管(3c)とを備える。
逆流防止装置(5)は、エルボ部材(3)の流入口(3a)に脱着自在に取り付けられる部材で、前記槽体流路(4)が貫通する開口と、浴槽パン(2)からの排水を排水するための開口を備え、かつ浴槽パン(2)からの排水をするための開口には、軸方向にスライド自在のフロート弁(5a)が配置され、エルボ部材(3)から浴槽パン(2)上への排水の逆流を防ぐ構成となる。
【0011】
それぞれの各流路の排水の流れを以下に記載する。
浴槽(1)から排水があった場合には、排水は浴槽(1)の開口から槽体流路(4)を介して吐出口(4a)に排出される。その後排水はエルボ部材(3)内の流出口(3b)から接続部材(8)を介して、洗い場パン(6)側の排水トラップ(7)へと排水されて最終的には下水へと排水される。このとき、排水中に泡が混濁した状態であっても、泡はエルボ部材(3)の排水管(3c)内まで排水の勢いを持って送られるため、そのままスムーズに流出口(3b)から排水トラップ(7)へと排出され、従来例のように浴槽パン(2)上へ泡が逆流したりエルボ部材(3)内に泡が残留することがない。
浴槽パン(2)から排水があった場合には、排水はエルボ部材(3)の流入口(3a)に備えられた逆流防止装置(5)の開口を介してエルボ部材(3)内に排出される。その後、エルボ部材(3)の流出口(3b)から接続部材(8)を介して排水トラップ(7)に排出され、最終的には下水へと排水される。
また、排水トラップ(7)からエルボ部材(3)への逆流や、エルボ部材(3)内で浴槽パン(2)上への逆流が発生した場合でも、泡がスムーズに排出されることから、排水中に泡は存在せず、排水の比重は1のままであり、フロート弁(5a)の動作が妨げられないため、逆流防止装置(5)のフロート弁(5a)が逆流してきた排水に伴って浮上し、浴槽パン(2)の開口を水密的に塞ぐので、排水が浴槽パン(2)上へ逆流することがない。
【0012】
本発明の実施例は上記のようであるが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明はその要旨を変更しないかぎりにおいて自在にその構成を変更できる。例えば前記実施例は浴室の浴槽(1)と浴槽パン(2)における排水装置での実施例であるが、他の実施例として、図3に示したように槽体(1)としての洗濯機(9)と、洗濯機(9)を載置する防水パン(2)に採用しても構わない。
【0013】
また、他の実施例として、図4に示したようにエルボ部材(3)の排水管(3c)中であって流入口(3a)と排水管(3c)の交差部分から槽体流路(4)の吐出口までの間に泡逆流防止壁(10)を垂下して構成しても良い。この構成であれば、槽体流路(4)から排水中の泡がエルボ部材(3)の流入口(3a)側へ逆流したとしても、排水中の泡はこの泡逆流防止壁(5)にぶつかって抑止され流入口(3a)に至る前に止められるので、効果的に排水中の泡の逆流を防止することが出来る。
【0014】
また、他の実施例として、図5に示したようにエルボ部材(3)内の下面部から上方に向かって突設し、かつ上方に槽体流路(4)を上方に嵌合させて支持する支持部(11)を構成することもできる。このようにすることで、本発明の排水装置を生産・組立する際や、取り付け施工する際に組み立てやすくすることができる。また、図5に示すように槽体流路(4)の吐出口(4a)の位置についても、槽体流路(4)の排水中の泡が下水側へと強制的に向かう構成、即ちエルボ部材(3)の排水管(3c)より下流で有れば、エルボ部材(3)の流出口(3b)に接続された接続部材(8)中など、その配置場所を特には問わない。
【0015】
尚、上記の実施例において、逆流防止装置(5)のフロート弁(5a)の比重は1よりも小さな値の素材が利用されるが、実際上においては、比重が1より若干大きくても、逆流の水圧によってフロート弁(5a)が上昇して開口を閉塞するため、フロート弁(5a)の機能を充分に果たすことができる素材もある。本発明のフロート弁(5a)においては、洗剤等の泡を含まない排水の浮力又は圧力によって上昇し、開口を閉塞する素材であれば、比重が1よりも大きいか否か、については特に問わない。また、本発明のフロート弁(5a)は、逆流排水の水圧で逆流防止装置(5)の開口を閉口させることができるフロート弁(5a)であれば、上記実施例のように軸上を上下するものだけではなく、片側にヒンジを設けて動作するような構成のフロート弁(5a)など、フロート弁(5a)の構成については特に問わない。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以下の効果を奏する。
1.本発明の排水装置は、エルボ部材内に槽体流路を配置させ、吐出口をエルボ部材の排水管中に配置させたことで、排水中に洗剤などの泡が混入している場合でも円滑に排水をエルボ部材内から、排水トラップへと排出することができる。このように流入口に泡が上昇しないため、エルボ部材の流入口に備えた1より軽い比重のフロート弁が、泡と排水の混濁物によって浮かばなくなり、排水の逆流時に逆流防止装置が機能を失う、ということがない。特にこの機能は流出口が排水トラップの封水に接続され、エルボ部材の内部に封水が溜まっている場合でも泡がエルボ部材内に留まらないため、効果的である。
2.本発明の排水装置は、流入口と排水管の交差部分からエルボ部材の排水管中であって槽体流路の吐出口までの間に泡逆流防止壁を設けたことで、排水中の泡がエルボ部材の流入口側に逆流することをより効果的に防止することが出来る。
3.本発明の排水装置は、エルボ部材に槽体流路を支持する支持部を構成したことで、エルボ部材と槽体流路の組立や施工が簡単なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水装置の浴室での実施例を示す断面図である。
【図2】図1の実施例のA−A’断面図である。
【図3】本発明の排水装置の洗濯機での実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の排水装置のその他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の排水装置のその他の実施例を示す断面図である。
【図6】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 槽体(浴槽)
2 防水パン(浴槽パン)
2a 排水口
3 エルボ部材
3a 流入口
3b 流出口
3c 排水管
4 槽体流路
4a 吐出口
5 逆流防止装置
5a フロート弁
6 洗い場パン
7 排水トラップ
7a 封水
7b 枝管
7c 排出管
8 接続部材
9 洗濯機
10 泡逆流防止壁
11 支持部
Claims (5)
- 槽体(1)と、
槽体(1)を載置し、排水口(2a)を設けた防水パン(2)と、
排水口(2a)に設けた防水パン(2)からの排水を流入させる流入口(3a)、流入した排水を下水側へと排出する流入口(3a)に対して側面方向に延出した排水管(3c)の端部に設けられた流出口(3b)、を備えたエルボ部材(3)と、
から構成される排水装置において、
槽体(1)からの排水を排出するための槽体流路(4)を、槽体(1)から、エルボ部材(3)の流入口(3a)を介してエルボ部材(3)の排水管(3c)内か、該排水管(3c)よりも下流側に設けた吐出口(4a)より構成するとともに、前記排水口(2a)に、防水パン(2)からの排水はエルボ部材(3)内へと排水するが、エルボ部材(3)内の排水が防水パン(2)上へ逆流することを防止するフロート弁(5a)を利用した逆流防止装置(5)を備えたことを特徴とする排水装置。 - 前記槽体(1)が浴槽(1)であって、前記防水パン(2)が浴槽(1)を載置する浴槽パン(2)であることを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
- 前記槽体(1)が洗濯機(9)であることを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
- 前記エルボ部材(3)の排水管(3c)内であって、流入口(3a)と排水管(3c)の交差部分から槽体流路(4)の吐出口(4a)までの間に上壁面を垂下した泡逆流防止壁(10)を設けたこと特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の排水装置。
- 前記エルボ部材(3)に、槽体流路(4)を支持する支持部(11)を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の排水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003173008A JP2005009133A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 排水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003173008A JP2005009133A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 排水装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005009133A true JP2005009133A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34096954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003173008A Pending JP2005009133A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 排水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005009133A (ja) |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173008A patent/JP2005009133A/ja active Pending
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