JP2005008947A - スパッタ装置およびスパッタ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在し、且つ、各隣接する組みは、それぞれ、互いに各極が異極となるように配されている単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力によりメタルマスクを保持固定するもので、単位の多極磁石の配置は、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものである。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板状のホルダの一面に沿い、その面を鉛直方向にして被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なうスパッタ装置およびスパッタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの応用分野の拡大やこれらの市場の拡大に伴ない、透明電極用のITO膜の成膜等に用いられるスパッタ成膜装置で、被成膜用基板の大型化と共に、生産性に優れるスパッタ装置が開発されている。
これらのスパッタ装置は、インライン式の装置が主流で、被成膜用基板の特定領域に成膜を施す場合、被成膜用基板を保持固定するホルダを用い、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう方式が採られている。
TFT液晶パネルのカラーフィルター基板のITO膜の形成は、マスク成膜程度の形状精度で十分であるため、従来その取り扱いやすさからインライン式の装置よるものが主流であった。
最近では、大型の被成膜用基板へのスパッタ成膜に枚葉式スパッタ装置に用いられるようなってきている。
【0003】
ところで、このようなスパッタ装置において、メタルマスクを磁力により被成膜用基板の成膜する側の面に保持固定する方法が、特開平11−131212号公報にて知られている。
そして、特開平11−158605号公報の図1には、磁石保持体に永久磁石を配し、マスク(メタルマスクのこと)を磁力により保持する形態が示されている。
しかし、特開平11−131212号公報に記載のものは、メタルマスクの開口領域で非開口部の総てに対応する領域にそった配列で、単位の磁石が、複数個配設されているものであり、面付け状態や、品種によるサイズの違いに、その都度、単位の磁石の配列を変える必要があり、特開平11−158605号公報に記載のものも、面付け状態や、品種によるサイズの違いに対応できるものではなく、いずれも生産性の面から問題がある。
メタルマスクの開口領域に対応した、磁石保持体の位置に磁石が配置されている場合には、被成膜基板表面近傍を浮遊している異物が磁石に引き寄せられ、被成膜基板面に磁力吸着し成膜不良を発生し易いため、従来は、メタルマスクの開口領域に対応した位置には磁石を配置しないように、面付け状態や、品種によるサイズの違いに対応して磁石の配置変えており、メタルマスクの開口パターンの変更毎に磁石配置の変更が必要となり、そのための切替え時間がかかっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−131212号公報
【特許文献2】
特開平11−158605号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、近年の、カラー液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの応用分野の拡大やこれらの市場の拡大に伴ない、これらを作製する際の透明電極用のITO膜の成膜等に用いられるスパッタ成膜装置では、特開平11−131212号公報や、特開平11−158605号公報の図1に記載のように、メタルマスクを磁力により被成膜用基板の成膜する側の面に保持固定する方式が採られるようになってきたが、これらのものは、成膜する面付け状態や、品種によるサイズの違いに生産性良く対応することができず、対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、具体的には、平板状のホルダの一面に沿い、その面を鉛直方向にして被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置であって、面付け状態や、品種によるサイズの違いに生産性良く対応でき、且つ、被成膜基板面への異物付着による成膜不良の発生が少なくできる、スパッタ成膜装置と、そのような装置を用いたスパッタ方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスパッタ装置は、その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置であって、平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在し、且つ、各隣接する組みは、それぞれ、互いに各極が異極となるように配されている単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力によりメタルマスクを保持固定するもので、単位の多極磁石の配置は、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものであることを特徴とするものである。
そして、上記のスパッタ装置において、単位の多極磁石は、平面状のホルダの一面に設けられた凹部に嵌め込み設置されていることを特徴とするものであり、単位の多極磁石は、円板状で、凹部も円形状であることを特徴とするものである。
そして、上記のいずれかのスパッタ装置において、単位の多極磁石は、サマリウムコバルトからなることを特徴とするものである。
そしてまた、上記のいずれかのスパッタ装置において、メタルマスクの基材が、42合金(42%ニッケル−鉄合金)等の鉄−ニッケル合金からなることを特徴とするものである。
また、上記のいずれかのスパッタ装置で、カラーフィルター製造工程中の成膜工程、あるいは、有機ELパターン製造工程中の成膜工程に用いられる、ターゲットと対向電極とが対向して配置された平行平板型のスパッタ装置であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のスパッタ方法は、その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ方法であって、平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在する単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力により磁性材料からなるメタルマスクを保持固定し、且つ、前記単位の多極磁石の配置により、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域が、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内になるように制御し、被成膜用基板への異物付着を防止することを特徴とするものである。
そして、上記のスパッタ方法において、メタルマスクの基材が、42合金(42%ニッケル−鉄合金)等の鉄−ニッケル合金からなることを特徴とするものである。
そしてまた、上記のいずれか1に記載のスパッタ方法で、カラーフィルター製造工程中の成膜工程、あるいは、有機ELパターン製造工程中の成膜工程に用いられることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
本発明のスパッタ装置は、上記のような構成にすることによって、その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置であって、面付け状態や、品種によるサイズの違いに生産性良く対応でき、且つ、被成膜基板面への異物付着による成膜不良の発生が少なくできる、スパッタ成膜装置の提供を可能としている。
具体的には、平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在し、且つ、各隣接する組みは、それぞれ、互いに各極が異極となるように配されている単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力によりメタルマスクを保持固定するもので、単位の多極磁石の配置は、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものであることにより、これを達成している。
詳しくは、N極、S極の組みが2組み以上存在する単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させていることにより、N極、S極の組みが1つだけ存在する単極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させている場合に比べ、磁力線の広がりを狭いものにでき、更に、単位の多極磁石の配置を、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊するないしメタルマスクからの異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものとすることにより、浮遊するないしメタルマスクからの異物を、被成膜用基板の成膜領域への付着をしにくくし、結果成膜不良の発生を少なくすることを可能としている。
そして、一度このような配置をしてしまえば、成膜する面付け状態や、品種によるサイズの違いにより、配置変更する必要はなく、生産性を良いものとできる。
【0009】
単位の多極磁石が、平面状のホルダの一面に設けられた凹部に嵌め込み設置されている形態が挙げられ、均等に分散して配置するという点では、単位の多極磁石は、円板状で、凹部も円形状であることが好ましい。
通常、単位の多極磁石として、その加工性等から、サマリウムコバルトが用いられるが、これに限定はされない。
メタルマスクの基材としては、鉄系金属が用いられるが、通常、エッチング作製する素材として汎用の42合金等の鉄ーニッケル合金が用られる。
特に、カラーフィルター製造工程中の成膜工程、あるいは、有機ELパターン製造工程中の成膜工程に用いられる、ターゲットと対向電極とが対向して配置された平行平板型のスパッタ装置である場合には、有効である。
【0010】
本発明のスパッタ方法は、上記のような構成にすることによって、その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ方法であって、面付け状態や、品種によるサイズの違いに生産性良く、且つ、被成膜基板面への異物付着による成膜不良の発生が少なくできる、スパッタ成膜方法の提供を可能としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図1(a)は本発明のスパッタ装置の実施の形態の一例の要部の、水平面に平行な面位置での概略断面図で、図1(b)は図1(a)のA1側からみたホルダ110の概略図で、図1(c)は図1(a)のA2側からみたメタルマスク120の概略図で、図2(a)は2極磁石の磁極の配置を示した図で、図2(b)は単極磁石の磁極の配置を示した図で、図3は磁石からの距離と正規化した磁束密度との関係図で、図4は図1(a)のA2側からみた搬送キャリアの概略全体図である。
尚、図1(a)は、図1(b)、図4のA3−A4を通る水平面に平行な面での断面図で、太点線内はスパッタ室内を示しており、図1(a)中、太い点線矢印はホルダ110、被成膜用基板180、メタルマスク120、搬送キャリア170とが一体となり進む方向を示し、図1、図4中、天は上側、地は下側を示している。
図1中、110はホルダ、115は単位の多極磁石、116はホルダの表面の平面、120はメタルマスク(単にマスクとも言う)、125は開口、130は電極(ターゲット電極)、131は電極面、135は電極(対向電極)、136は電極面、170は搬送キャリア、175は搬送ロール(回転軸とも言う)、180は被成膜用基板(単に基板とも言う)。
【0012】
本発明のスパッタ装置の実施の形態例を図1に基づいて説明する。
本例のスパッタ装置は、図1(a)に示すように、その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダ110の一面(平面116)に被成膜用基板180を保持し、該被成膜用基板180の成膜を行う側の面にメタルマスク120を配し、メタルマスク120を介して、メタルマスク120の開口125の形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置である。
スパッタ時には、その電極面を互いに平行にして向けた、1対の電極130(ターゲット電極)と、電極135(対向電極)とを有し、その間に各電極面被成膜用基板180を、その成膜面が電極面に平行になるように配置する。
ホルダ110は、搬送キャリア170に嵌め込み固定された状態で固定されており、図4に示すように、搬送キャリア170により、ホルダ110と被成膜用基板180、メタルマスク120は一体で搬送される。
本例では、平板状のホルダ110の被成膜用基板180側には、N極、S極の組みが2つ以上存在し、且つ、各隣接する組みは、それぞれ、互いに各極が異極となる、図2(a)に示す円板状の単位の多極磁石115を、磁石間でも隣接す極が互いに異極となるようにして、図1(b)に示すように、複数個、メタルマスク120の開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力によりメタルマスク120を、該被成膜用基板180の成膜を行う側の面に保持固定するものであり、且つ、単位の多極磁石115の配置は、メタルマスク120の開口領域内において、被成膜用基板180への異物付着の原因となる、浮遊するないしメタルマスク120からの異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板180の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものである。
【0013】
平板状のホルダ110は非磁性材料からなり、ホルダとしての機能が果たせれば良く、通常は、その加工性からAl系のものが用いられるが、材質はこれに限定はされない。
被成膜用基板180と同じガラス材も適用できる。
尚、被成膜基板180としては、ソーダガラス、石英ガラス、合成石英等が用いられる。
メタルマスク120は磁性材料からなり、その材質としては、鉄系金属が用いられるが、通常は、エッチング作製する素材として汎用の42合金等の鉄−ニッケル合金が用られる。
また、円板状の単位の多極磁石115は、いずれも、被成膜用基板180の円形状の凹部に嵌め込み配されているが、その素材としては、加工性等から、サマリウムコバルトが用いられるが、これに限定はされない。
また、図4に示すキャリア170の材質としては、通常、ステンレス等が用いられる。
【0014】
ここで、多極磁石を用いる理由を簡単に説明しておく。
メタルマスクを磁力で被成膜基板180の成膜面側に保持させる、所定の磁束密度の磁場がメタルマスク位置まで分布していることが必要であり、使用形態を考えると、このような磁場の領域が、被成膜基板面まで、メタルマスクにまで達することが必要で、且つ、被成膜基板面から離れるにしたがい急速にその磁場が弱まるような、磁場の分布が、異物の付着面からは好ましい。
そして、単極磁石でこのような、前述の所定の磁束密度の磁場を被成膜基板180の成膜面側に形成した場合、どうしても、被成膜基板面から離れるにしたがい急速にその磁場が弱まるような、磁場の分布を得ることは難しいが、多極磁石の場合には、単極磁石の場合に比べ比較的に、容易に、被成膜基板面から離れるにしたがい急速にその磁場が弱まるようにできる、という点から、多極磁石が用いられるのである。
これを、更に、図3に基づいて簡単に説明する。
尚、図3は、被成膜板材と同じ材料のガラス材からなるホルダの平面116に接触するように被成膜板材と同じ材料のガラス板材を配し、そのガラス材の厚さを変化させ、表面での磁束密度をF. W. Bell社製の磁束計(テスラメータとも言う)型番号5080にて、測定したものである。
図3中、Baはメタルマスクを保持するのに必要な磁束密度の強さを示している。
図1(b)のピッチP0を18mmにして、図2(a)に示すような、半径4. 5mmの円盤状の磁石を配して、上記の磁束計(テスラメータ)にて、磁束密度を測定し、それぞれ、正規化して示したものである。
図3中、▲1▼は本例の2極磁石の場合で、▲2▼は2極磁石に代えて図2(b)に示すような単極磁石を配した場合のものである。
被成膜基板180の成膜面側に所定の磁束密度Baの磁場を形成した場合に、被成膜基板面から離れるにしたがい急速にその磁場が弱まるようにできる、という点からは、両者を比べると、▲1▼の本例の2極磁石の場合の方が、▲2▼の単極磁石を配した場合に比べ、有利であることが分かる。
そして、2極磁石を用いことにより、実用レベルで、メタルマスクの開口125において、磁力により異物が被成膜基板180の成膜面に付着しないように、磁場の制御ができる。
尚、ホルダ110の厚さは適宜選ぶ。
本例では、2極磁石を用いたが、4極磁石等の多極磁石も同様に、適用できる。
【0015】
本例のスパッタ装置の動作の1例を簡単に説明する。
尚、これを以って、本発明のスパッタ方法の実施の形態の説明に代える。
先ず、スパッタ室内でない真空室(前室あるいはプリチャンバーとも言う)において、ロボットにより、図4に示すキャリア170に固定されたホルダ110に被成膜基板180をセットし、更に、メタルマスク120をホルダ110に配した2極磁石の磁力により固定する。
次いで、搬送ロール(回転軸とも言う)175により、スパッタ室内にキャリア170は運ばれ、図1(a)に示すように、電極130、135間に置かれ、メタルマスク120の開口125から露出した被成膜基板180へのスパッタによる成膜が行れる。
この際、単位の2極磁石の配置により、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域が、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内(例えば1mm以内)に制御しており、被成膜用基板への磁力による遊する異物の付着を防止できる。
スパッタを終えた後、スパッタ室外の前記真空室あるいは他の真空室ににキャリア170を運び、該真空室をスパッタ室とを完全に仕切った後、該真空室内に清浄な窒素を緩やかに送り大気圧にした状態で取り出し、更に、ロボットによりメタルマスクを外し、キャリア170に固定されたホルダ110から被成膜基板180を外す。
このようにして、被成膜基板の所定領域への成膜が行なわれるが、この方法の場合、メタルマスク代えるだけで、ホルダを代えずに、成膜する面付け状態や種々のサイズの品種に対応でき、生産性の良い方法と言える。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、平板状のホルダの一面に沿い、その面を鉛直方向にして被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置であって、面付け状態や、品種によるサイズの違いに生産性良く対応でき、且つ、被成膜基板面への異物付着による成膜不良の発生が少なくできる、スパッタ成膜装置の提供を可能とした。
同時に、そのような装置を用いたスパッタ方法の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明のスパッタ装置の実施の形態の一例の要部の、水平面に平行な面位置での概略断面図で、図1(b)は図1(a)のA1側からみたホルダ110の概略図で、図1(c)は図1(a)のA2側からみたメタルマスク120の概略図である。
【図2】図2(a)は2極磁石の磁極の配置を示した図で、図2(b)は単極磁石の磁極の配置を示した図である。
【図3】磁石からの距離と正規化した磁束密度との関係図である。
【図4】図1(a)のA2側からみた搬送キャリアの概略全体図である。
【符号の説明】
110 ホルダ
115 単位の多極磁石
116 ホルダの表面の平面
120 メタルマスク(単にマスクとも言う)
125 開口
130 電極(ターゲット電極)
131 電極面
135 電極(対向電極)
136 電極面
170 搬送キャリア
175 搬送ロール(回転軸とも言う)
180 被成膜用基板(単に基板とも言う)
Claims (9)
- その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ装置であって、平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在し、且つ、各隣接する組みは、それぞれ、互いに各極が異極となるように配されている単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力によりメタルマスクを保持固定するもので、単位の多極磁石の配置は、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域を、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内に制御するものであることを特徴とするスパッタ装置。
- 請求項1に記載のスパッタ装置において、単位の多極磁石は、平面状のホルダの一面に設けられた凹部に嵌め込み設置されていることを特徴とするスパッタ装置。
- 請求項2に記載のスパッタ装置において、単位の多極磁石は、円板状で、凹部も円形状であることを特徴とするスパッタ装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパッタ装置において、単位の多極磁石は、サマリウムコバルトからなることを特徴とするスパッタ装置。
- 請求項1ないし4に記載のスパッタ装置において、メタルマスクの基材が、42合金(42%ニッケル−鉄合金)等の鉄−ニッケル合金からなることを特徴とするスパッタ装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスパッタ装置で、カラーフィルター製造工程中の成膜工程、あるいは、有機ELパターン製造工程中の成膜工程に用いられる、ターゲットと対向電極とが対向して配置された平行平板型のスパッタ装置であることを特徴とするスパッタ装置。
- その面を鉛直方向に沿うようにして、平板状のホルダの一面に被成膜用基板を保持し、該被成膜用基板の成膜を行う側の面にメタルマスクを配し、メタルマスクを介して、メタルマスクの開口形状に対応した所定の形状に成膜を行なう、スパッタ方法であって、平板状のホルダは非磁性材料からなり、メタルマスクは磁性材料からなり、平板状のホルダには、N極、S極の組みが2組み以上存在する単位の多極磁石を、複数個、メタルマスクの開口領域、マスク領域にわたり、均等に分散させて配置させ、磁力により磁性材料からなるメタルマスクを保持固定し、且つ、前記単位の多極磁石の配置により、メタルマスクの開口領域内において、被成膜用基板への異物付着の原因となる、浮遊する異物を引き寄せる所定強度の磁場の領域が、被成膜用基板の成膜を行う側の面から所定の範囲内になるように制御し、被成膜用基板への異物付着を防止することを特徴とするスパッタ方法。
- 請求項7に記載のスパッタ方法において、メタルマスクの基材が、42合金(42%ニッケル−鉄合金)等の鉄−ニッケル合金からなることを特徴とするスパッタ方法。
- 請求項7ないし8のいずれか1項に記載のスパッタ方法で、カラーフィルター製造工程中の成膜工程、あるいは、有機ELパターン製造工程中の成膜工程に用いられることを特徴とするスパッタ方法。
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2003
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