JP2005008347A - 氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送法 - Google Patents
氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】氷雪または気体水和物からなる粒状体を連続的に移送、積み出し、積み込みするに際し、粒状体貯蔵タンクの上部から零下20度程度の低温にした灯油を噴出して、タンク下部より粒状体をスラリー化して積み出すもので、タンクに積み込むときにはスラリー積み込み管をタンク底部から徐徐に引き上げながら行う。またこれらの粒状体を貯蔵する時に容器及び配管内面に粒状体が凍着しないように容器及び配管内面に凍着防止塗膜を塗布する。また本方式はクローズドシステムのため気体が発生したとしても、外部に漏洩しない安全な方式である。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は低温の氷雪または気体水和物からなる粒状体を貯蔵タンクから積み出したり、貯蔵タンクへ積み込むための方法として、低温の灯油等を用いて粒状体をスラリー状態にして移送、積み出し、積み込みを行う技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
氷雪または気体水和物からなる粒状体の移送、積み出し、積み込み技術は現在開発中であり、システム全体として確立した技術はまだない。これらの粒状体を取り扱う技術の問題点は取り扱い温度が零下20℃程度の低温であること、粒状体同士が焼結したり、貯蔵タンク壁に凍着すること、またこれらが原因で配管内やタンク内で閉塞を起こしやすいこと等である。また貯蔵または輸送用タンクからの積み出し、タンクへの積み込みは大量の粒状体を短時間で処理しなければならないため、移送技術の開発が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
氷雪または気体水和物からなる粒状体の焼結を防ぎ、また粒状体が貯蔵タンク壁に凍着しないようにするとともに、氷雪や水和物を融解させず、気体水和物の自己保存性を保持する液体を選定し、これらの粒状体をスラリー状態にして移送、積み出し、積み込みできる技術を考案する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は氷雪または気体水和物の粒状体を保持できる液体として、零下20度程度の低温とした灯油、軽油等の石油製品を用いるもので、灯油等の付着したこれらの粒状体は焼結や他の素材へ凍着することがなく、スラリー移送に適する。
大量のスラリーを短時間で取り扱うとともに、これらの粒状体を傷つけないように、スラリーがタンク壁、装置内部で衝撃的にぶつからないようなシステムとした。即ち、タンク底部にピットを設けてスラリー取り出し口を設けて底部より灯油と粒状体を同時に汲み出すようにした。またスラリーの積み込みはタンク底部から徐徐に行うようにスラリー積み込み管を上下できるようにしている。さらに、これらの粒状体を貯蔵する時に灯油等を抜き取った場合、粒状体が容器に凍着するのを防止するために、凍着防止塗膜を容器及び配管内面に塗布する。なおこれらの粒状体の移送ポンプはブレードのない、スラリーを吸引及び搬送できるタイプのポンプを用いる。
【0005】
【発明の実施の形態】
氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送、積み出し、積み込みシステム図を図1に示す。
【0006】
氷雪または気体水和物からなる粒状体を貯蔵、移送するためには粒状体を零下20℃程度に保持する必要がある。またこれらの粒状体はタンク内壁や配管内面に凍着したり、粒状体同士で焼結して大きなかたまりになるので、粒状体だけの移送や貯蔵には難点がある。本発明では貯蔵や移送温度と等しくした灯油等を用いて、低温度を維持するとともに粒状体表面に灯油等が付着することにより、粒状体同士の焼結やタンク壁、配管内面へ粒状体が凍着するのを防止する。氷雪または気体水和物からなる粒状体を1粒状体貯蔵タンクから積み出して移送する方法は、低温の灯油をタンク上部の12灯油噴出装置から噴出し、タンク下部の13スラリー取り出し口より粒状体を灯油とともにスラリー化して吸引、搬出するものである。粒状体と灯油、軽油又はそれらの混合油とはほぼ同程度の比重とするため、両者は理想的なスラリーを構成する。
【0007】
氷雪または気体水和物からなる粒状体をタンクに積み込む方法は、粒状体がタンク壁面に衝突して破壊しないようにタンク底部より14スラリー積み込み管を徐徐に引き上げながら行う。氷雪または気体水和物からなる粒状体をタンクに貯蔵するのには、一旦灯油に浸積した粒状体は凍着し難くなるため灯油が不要になるのと、貯蔵効率を上げるために、タンク下部の15灯油汲み出し口より灯油のみ汲み出して6低温灯油タンクに戻す。灯油を抜き取った状態で粒状体を貯蔵する場合、粒状体が容器や配管内面に凍着し難くするため凍着防止塗膜を容器及び配管内面に塗布する。以上述べたように、本発明は低温の灯油を循環させながら氷雪または気体水和物からなる粒状体をスラリー化して積み出し、移送、積み込みを行うところに特徴がある。また本発明はクローズドシステムであり、水和物が分解して気体が発生しても、気体が外部に漏れることがない方法である。
【0008】
氷雪または気体水和物からなる粒状体は一旦灯油等に浸積すると、灯油等を排出した後でも粒状体同士の焼結、タンク壁面への凍着が起こりにくくなる。そこで短期の貯蔵や小型貯蔵タンクの場合には貯蔵タンク等の内面はエポキシ樹脂塗膜や不錆鋼で施工可能となる。しかしながら、長期の貯蔵や貯蔵タンクが大型で自重による接触圧が高い場合には凍着が起こる。また灯油等に浸積しない場合にも凍着が起こる。そのため、そのような恐れがある場合には貯蔵タンク内面に凍着防止塗膜を施工する必要がある。凍着防止塗膜(撥水撥油性塗膜)は水との接触角が90度以上で撥水性があり、タービン油との接触角が30度以上で撥油性を持つものである。塗膜の組成物としては、シリコーン変性アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂等の撥水撥油性の官能基を保持した樹脂を主材料として、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂で架橋させた塗膜及び撥水撥油性の官能基を保持した変性ウレタンゴム等の変性ゴム塗膜である。
【0009】
気体水和物から気体を取り出すためにはスラリー化した粒状体を10ガス分離装置に導いて、廃熱等を利用して水和物を分解して気体を取り出す。残った灯油と水の混合液を11灯油分離装置で分離して、灯油を8灯油タンクに戻す。灯油は必要な量が7灯油冷却用冷凍機で冷却されて6低温灯油タンクに貯蔵される。
【0010】
【発明の効果】
本発明は氷雪または気体水和物からなる粒状体を積み出し、移送、積み込む方法として低温にした灯油等を用いてスラリー化して連続的に行うものである。またこれらの粒状体を貯蔵する時に容器や配管内面に粒状体が凍着しないように凍着防止塗膜を塗布することによりスラリー移送が可能となった。本発明は氷雪または気体水和物からなる粒状体を貯蔵、移送するための根幹となる方法に属するもので、貯蔵または輸送用タンクの構造を決定づけ、スラリー移送というシンプルな方法により荷役を行うため、荷役のための特殊設備が不要となる画期的なものである。また灯油等をスラリー媒体として用いることは燃焼上及び気体水和物を分解した後の水と灯油との分離にも問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送、積み出し、積み込みシステム図である。
【符号の説明】
1 粒状体貯蔵タンク1
2 スラリー移送ポンプ
3 粒状体貯蔵タンク2
4 灯油汲み出しポンプ
5 低温灯油供給ポンプ
6 低温灯油タンク
7 灯油冷却用冷凍機
8 灯油タンク
9 粒状体貯蔵タンク3
10 ガス分離装置
11 灯油分離装置
12 灯油噴出装置
13 スラリー取り出し口
14 スラリー積み込み管(上下可動)
15 灯油汲み出し口
Claims (2)
- 氷雪または気体水和物からなる粒状体を低温にした灯油、軽油及びそれらの混合油等を用いて粒状体とほぼ等しい比重とした油により、スラリー状態にして配管内を移送するとともに、それらの粒状体の貯蔵タンクからの積み出し、貯蔵タンクへの積み込みを行う方法で、タンク上部に低温にした灯油の噴出装置、タンク底部に設けたピットにスラリー取り出し口及び灯油汲み出し口を設け、スラリーをタンクに積み込むためのスラリー積み込み管を上下に可動できるようにしたことを特徴としたスラリー移送法。
- 氷雪または気体水和物からなる粒状体を貯蔵、輸送する容器及び配管内面を粒状体が凍着し難くするため、撥水撥油性塗膜(凍着防止塗膜)を施工することを特長としたスラリー移送法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174238A JP2005008347A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003174238A JP2005008347A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005008347A true JP2005008347A (ja) | 2005-01-13 |
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Family Applications (1)
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JP2003174238A Pending JP2005008347A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 氷雪または気体水和物からなる粒状体のスラリー移送法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007106439A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ガスハイドレートの搬入及び搬出方法 |
US8430169B2 (en) | 2007-09-25 | 2013-04-30 | Exxonmobil Upstream Research Company | Method for managing hydrates in subsea production line |
US8436219B2 (en) | 2006-03-15 | 2013-05-07 | Exxonmobil Upstream Research Company | Method of generating a non-plugging hydrate slurry |
CN109029912A (zh) * | 2018-07-16 | 2018-12-18 | 武汉理工大学 | 用于研究泥浆管道加气输送的实验装置 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174238A patent/JP2005008347A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109029912B (zh) * | 2018-07-16 | 2020-02-07 | 武汉理工大学 | 用于研究泥浆管道加气输送的实验装置 |
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