JP2005008344A - シート案内処理装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転写装置2による転写部位の入口側に設けられ、前記転写部位に向けてシート6を案内搬送する導電性部材からなる転写前案内部材3と、前記転写部位の出口側に設けられ、転写部位を通過したシート6を案内搬送する導電性部材からなる転写後案内部材4と、前記転写部位と転写後案内部材4との間に設けられ、前記転写部位を通過したシート6に対し除電処理を施す除電部材5とを備え、前記転写前案内部材3及び転写後案内部材4を高抵抗Rf,Rrで接地し、かつ、転写前案内部材3の接地抵抗Rfを転写後案内部材4の接地抵抗Rrよりも大きく設定した。これを用いた画像形成装置をも対象とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置で用いられるシート案内処理装置に係り、特に、像担持体上に形成された可視像をシートに転写する転写部前後におけるシート搬送性、転写性能を改善したシート案内処理装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における複写機、プリンタ等の画像形成装置として、例えば中間転写型を例に挙げると、静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体ドラムと、この感光体ドラム上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、この中間転写ベルトに対して感光体ドラム上のトナー像を一次転写させる一次転写装置と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像をシートとしての用紙に一括して二次転写させる二次転写装置とを備えたものが知られている。
このような画像形成装置において、二次転写装置としては、例えば転写ロールなどの転写部材が用いられている。ここで、転写ロール等の転写部材は中間転写ベルト上に形成されたトナー像を用紙に転写するために、トナー帯電極性とは反対極性の電荷を用紙に与えて静電気力にて中間転写ベルト上のトナー像を用紙に転写させるものである。
また、この種の画像形成装置においては、転写部位前後にて用紙を案内搬送するために、転写部位の入口側あるいは出口側に案内部材を設けるというシート案内処理装置が設置されることが多い(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−127806号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】
特開昭62−147470号公報(実施例)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の画像形成装置は、像担持体上に形成された可視像を転写部材によって用紙に転写する態様であるが、転写部位においては、用紙の抵抗に因らず、必要な転写電界を得てトナー像を転写し、転写したトナーの状態を乱すこと無く、確実に用紙を剥離・搬送することが必要である。
この場合、シートとしての用紙は転写電界の影響、転写部位での剥離による放電によって帯電する。そして、用紙の転写部位での剥離放電は、用紙の帯電状態が用紙の含水状態、用紙の種類によって異なることからすれば、転写部位での転写電界、剥離状態のみならず、転写部位突入時の用紙の帯電状態に影響を受けるため、転写前の用紙搬送挙動は、転写後の剥離放電の発生に大きく影響する。
【0005】
このように、転写前の用紙搬送状態がばらつくことにより、用紙の帯電状態が変化し、転写後の剥離放電・局所放電による用紙帯電状態のバラツキとなり、用紙剥離後の挙動、搬送状態がばらついてしまう。このような用紙の帯電によって、用紙は静電気力を受け、用紙の腰・空隙距離の関係により一定以上の力を受けると、用紙は剥離することが出来ずに搬送不良となってしまう。また、用紙が剥離されたとしても、用紙が高帯電状態になっているため、用紙搬送面上の周辺部材との放電が生じてしまい、トナー飛散を生じる。
【0006】
また、特許文献1には、転写後に除電部材を持つことにより、用紙を除電することも提案されている。
ところが、このような除電部材を設置した態様にあっても、用紙の挙動によって除電効果が変動してしまうため、用紙の状態・種類の変化に対して、対応することが出来ない。また、用紙をある程度除電したとしても、用紙の挙動が不安定であったり、用紙の帯電状態が不均一な状態であると、用紙上のトナーが不安定になり、画像の乱れが生じてしまう。
【0007】
更に、高導電性の用紙を走行・転写させた場合には、転写電界が付与されることで用紙自身が導通路となって電荷を逃すため、接地物に触れた際にスパークが発生し易い。特に、転写後案内部材では、用紙が転写・剥離の影響を受けて高帯電状態にあり、電流集中が生じると局所的な電荷流れ込みが発生し易いため、転写に必要な電界として設定された電流、電圧によっては画質不良等の技術的課題につながる。
【0008】
一方、転写に必要な電界は用紙の種類・含水状態によって変化するため、それによって変化させる必要があるが、前記により、実際に印加できる転写電界は制限を受ける。
用紙が例えば含水した状態、用紙の厚さが薄い場合では、用紙の表面側若しくは用紙自体が導電経路となり、用紙の案内部材を通じて電荷流出してしまうため、用紙と中間転写ベルト等の像担持体との密着性が低下してしまい、用紙の突入姿勢が不安定となる。また、用紙の案内部材を通じての電荷流出により、転写部位で実際にかかる転写電界が低下してしまうため、転写不良による画質劣化が発生し易く、転写部位に形成する転写電界を高く設定しなければならなくなる。
【0009】
これらの技術的課題に対して、用紙の案内部材を高抵抗接地することが既に提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、この種の高抵抗接地方式は用紙の帯電量を大きくすることとなり、転写時には必要であるが、逆に、転写後の用紙搬送においては、転写された用紙上のトナー状態の維持、剥離放電等、用紙搬送挙動を阻害する要因になってしまう。すなわち、用紙は転写前で高帯電することとなるため、転写前の用紙挙動は安定し、更に転写電界の低下が生じにくい分、画質劣化も起こり難いが、高帯電とすることは、転写後剥離時の剥離放電に帯電を大きくすることとなり、用紙の腰によっては剥離不良を引き起こし、更には転写されたトナー状態を維持することが出来ず、トナー飛び散りによる画質劣化を引き起こしてしまう。
【0010】
以上のように、用紙挙動を安定化し、適正な転写電界を得て、転写後のトナー状態を維持するためには、現状においては困難であり、使用可能な用紙を制限し、用紙状態に合わせて与える転写バイアスを調整するという手法が現状行われているに過ぎない。
このような技術的課題は、上述したように中間転写型の画像形成装置において特に顕著である。
具体的には、中間転写型の画像形成装置にあっては、転写装置が転写部材(転写ロール)とこれに対向する対向部材とで中間転写ベルトをニップ搬送する構成であることが多いが、このような態様において、省スペース化・高生産化を実現しようとすると、転写ニップ域を通過する用紙の排出方向と転写ニップ域下流側に位置する中間転写ベルトとの間の角度が小さく設定されることとなってしまうため、転写性能と、転写電界の付与による剥離性との両立を図ることが難しく、特に、用紙の剥離性、用紙上に転写した画像の維持搬送性という点で技術的課題が生じ易い。
尚、このような技術的課題は、上述したように中間転写型の画像形成装置において特に顕著であるが、例えば感光体ベルト上のトナー像を用紙に直接転写するタイプの画像形成装置にあっても同様に生じ得るものである。
【0011】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、転写性能を良好に保ちながら、シートの剥離性、転写後のシート上の画像維持性を良好に保つことを可能としたシート案内処理装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、帯電色材による可視像Gを担持する像担持体1と、この像担持体1上の可視像Gをシート6に静電転写させる転写装置2とを備えた画像形成装置に用いられるシート案内装置であって、転写装置2による転写部位の入口側に設けられ、前記転写部位に向けてシート6を案内搬送する導電性部材からなる転写前案内部材3と、前記転写部位の出口側に設けられ、転写部位を通過したシート6を案内搬送する導電性部材からなる転写後案内部材4と、前記転写部位と転写後案内部材4との間に設けられ、前記転写部位を通過したシート6に対し除電処理を施す除電部材5とを備え、前記転写前案内部材3及び転写後案内部材4を高抵抗Rf,Rrで接地し、かつ、転写前案内部材3の接地抵抗Rfを転写後案内部材4の接地抵抗Rrよりも大きく設定したことを特徴とするものである。
【0013】
このような技術的手段において、像担時体1には、画像(可視像)Gを担時するものを広く含み、例えば中間転写方式の画像形成装置であれば、中間転写体をも含む。
また、転写装置2は、静電転写方式のタイプであれば、転写ロールなどを用いた接触転写型、コロトロンなどを用いた非接触転写型等広く含む。
更に、転写前後の案内部材3,4についてはシート6を案内搬送するものであれば適宜選定して差し支えないが、代表的にはシュート状部材が用いられる。
【0014】
更にまた、転写前後の案内部材3,4は導電部材であることを要する。絶縁部材であると、電荷が蓄電してしまい、シート6の帯電性に悪影響を与える。但し、転写前後の案内部材3,4は高抵抗接地することが必要である。単なる接地であると、案内部材3,4への局部的な電流集中(局部電荷流出)が発生し、帯電不良や画像の飛び散り現象が生じ易い。
また、除電部材5は、高帯電されたシート6を除電し、シート6の剥離性能を維持する上で必要である。ここで、除電部材5は除電性能を発揮できるものであれば適宜選定して差し支えないが、低コスト、均一除電性の点で、多数の針状電極を備えたディタックソーなどの態様が好ましい。尚、除電部材5と転写後案内部材4とは通常別個に設けられるが、転写後案内部材4の一部に除電部材5を一体的に設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0015】
更に、本発明にあっては、転写前案内部材3の接地抵抗Rfが転写後案内部材4の接地抵抗Rrより大きく設定されることが必要である。このとき、転写前案内部材3による電荷流出が少ないため、シートの帯電性を良好に保つことが可能になり、一方、転写後案内部材の接地抵抗により、局所的な電流集中ではなく、均一な電荷流出を徐々に行うことを可能にすることにより、シート6の剥離不良及び画像乱れを有効に回避することができる。
【0016】
また、本発明において、転写前後の案内部材3,4の接地抵抗差(Rf−Rr)の好ましい範囲については、転写前案内部材3の接地抵抗Rfは、転写後案内部材4の接地抵抗Rrに比べて150乃至600MΩの差だけ大きく設定されていることが好ましい。
これは、150MΩ未満であると、シート6の帯電不良により、シート6の剥離不良につながり易く、一方、600MΩを超えると、シート6が過剰に帯電し、転写後案内部材4に電荷が急激に流れ込み、画質不良につながり易いことによる。
【0017】
更に、転写前後の案内部材の好ましいレイアウトについては、転写前案内部材3と転写後案内部材4との間のシート6の搬送経路長は、最小サイズシート6の搬送方向長以内に設定されていればよい。この場合、最小サイズシート6であっても、シート6が転写前後の案内部材3,4に同時に跨って配設されることになり、転写性能、及び、転写後性能(シートの剥離性能、画像乱れ防止)を両立することができる。
【0018】
また、転写前案内部材3の接地抵抗Rfの好ましい範囲としては、500MΩ以上1GΩ未満であることが挙げられる。これは、500MΩ未満であると、必要な転写電界を得にくく、一方、1GΩ以上であると、シート6の過剰帯電により、剥離不良、画像の飛び散りが起こり易いことによる。
更に、転写前案内部材3の好ましいレイアウト態様については、シート搬送時にシートと接触配置されるものが挙げられる。この態様は、シート6の搬送姿勢を安定化させ、かつ、帯電状態のばらつきをなくす上で好ましい。
【0019】
また、転写後案内部材4の接地抵抗の好ましい範囲としては、10MΩ以上であればよい。10MΩ未満であると、局所的な電流集中が起こる懸念があり、好ましくない。
更に、転写後案内部材4の好ましい態様としては、そのシート6の通過面側にシート6の搬送方向に沿って延びるリブを備えている態様が挙げられる。このリブは、シート6との接触面積を少なくし、かつ、シート6を搬送方向へと導く作用を奏するため、シートの安定走行に寄与する点で好ましい。
【0020】
また、除電部材5の好ましいレイアウトとしては、シート6搬送時にシート6と非接触配置される態様が挙げられる。接触型であると、非接触部位で除電作用が行われない等、除電作用の不均一が生じ易いのに対し、本態様は除電作用を均一化し、局所的な除電作用を防止する上で好ましい。
更に、除電部材5の好ましい態様としては、高抵抗接地することが挙げられる。高抵抗接地することで、局所的な除電作用をより抑制することが可能になる。また、この除電部材5の接地抵抗Rdは高抵抗であれば適宜選定して差し支えないが、構成の簡略化という観点からすれば、転写後案内部材4の接地抵抗Rrを共用化するのが好ましいが、別個に設けてよいことは勿論である。
【0021】
また、本発明は、上述したシート案内処理装置に限られるものではなく、これを用いた画像形成装置をも対象とする。
この場合は、本発明は、図1に示すように、帯電色材による可視像Gを担持する像担持体1と、この像担持体1上の可視像Gをシート6に静電転写させる転写装置2と、上述したシート案内処理装置7とを備えるものである。
この種の画像形成装置において、転写装置2は静電転写方式のものを広く含むが、像担持体1がシート6に接触するベルト状搬送体1a(中間転写ベルトや感光体ベルトなど)を備えた態様にあっては、転写装置2として、ベルト状搬送体1aの表面側に接触する転写部材2aと、この転写部材2aと共にベルト状搬送体1aをニップ搬送する対向部材2bとを備えたものが用いられることが多い。このように、転写装置2によりシート6をニップ搬送する態様にあっては、ニップ域によるシート6とベルト状搬送体1aとの密着性が強くなり、その分、シート6を剥離し難い点で、本件発明はより有効である。
【0022】
この種のベルト状搬送体1aを備えた画像形成装置において、転写後案内部材4の好ましいレイアウトとしては、転写部材2a及び対向部材2bのニップ域を通過したシート6の排出方向に沿う基準線Lに対し、角度αが5乃至15度下方側に向けて傾斜配置されている態様が挙げられる。これは、基準線Lに対し5度未満であると、転写部位下流側でベルト状搬送体1aと接近し過ぎ、一方、15度を超えると、シート6の排出方向から離れ過ぎ、シート6の剥離不良の原因になり易いことによる。
更に、この種の画像形成装置において、転写後案内部材4の好ましいレイアウトとしては、転写部材2a及び対向部材2bのニップ域出口位置からのギャップkが15mm以内で配設されていればよい。シート6の剛性は先端から搬送方向15mm程度までは非常に強く、シート6の撓みも影響を受けないので、ニップ域出口位置から15mm以内であれば、転写後のシート6は転写後案内部材4に安定的に導かれる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図2は本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の一形態の全体構成を示す説明図である。尚、本発明は、このようなカラー画像形成装置に限定されるものではなく、他の態様のカラー画像形成装置(例えば所定数のエンジンを複数サイクルで使用)を始め、単色の画像形成装置などにも適用可能であることは勿論である。
図2において、カラー画像形成装置は、例えば電子写真方式にて四つの各色成分(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)画像(トナー画像)を形成する画像形成ユニット20(20a〜20d)と、各画像形成ユニット20にて形成された各色成分画像を順次転写(一次転写)保持する中間転写ベルト30と、中間転写ベルト30上に転写された重ね画像を用紙(シート)100に一括転写(二次転写)する一括転写装置(二次転写装置)50と、一括転写された画像を用紙100上に定着させる定着装置70と、一括転写部位に用紙100を供給する用紙搬送系80とを備えたものである。
【0024】
本実施の形態において、各画像形成ユニッ20(20a〜20d)は、夫々感光体ドラム21を有し、各感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21が帯電されるコロトロンなどの帯電装置22、帯電された感光体ドラム21上に静電潜像(主としては図示外の画像読取装置で読み込んだ画像データ又は他の記録媒体から取り込まれた画像データに基づく静電潜像)が書込まれるレーザ走査装置などの露光装置23、感光体ドラム21上に書込まれた静電潜像が各色成分トナーにて現像される現像装置24、感光体ドラム21上のトナー画像が中間転写ベルト30に転写される転写ロールなどの一次転写装置25及び感光体ドラム21上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ26を夫々配設したものである。更に、中間転写ベルト30は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂又は各種ゴムにカーボンブラック等を適当量含有させて体積抵抗率が106〜1015Ω・cmとなるように形成され、その厚みは例えば0.1mmに設定される。
【0025】
本実施の形態では、中間転写ベルト30は、複数(本実施の形態では五つ)の張架ロール31〜35に掛け渡されており、張架ロール31,32間に各感光体ドラム21の配列方向に沿って略直線的に延びる直線部30aを有すると共に、この直線部30aに対して張架ロール34を下方側に最も離間配置し、更に、張架ロール32,33,34のなす角度が鋭角になるように、張架ロール33を張架ロール32,34間を結ぶ直線よりも外側に配置すると共に、張架ロール34,35,31のなす角度が鈍角になるように、張架ロール35を張架ロール34,31を結ぶ直線よりも僅かに外側に配置するようにしたものである。
そして、本実施の形態では、図2に示すように、張架ロール31がベルト駆動モータ(図示せず)にて駆動される駆動ロールとして用いられ、張架ロール32,35が従動ロールとして用いられ、また、張架ロール33が中間転写ベルト30の移動方向に略直交する方向の蛇行規制用の補正ロール(ステアリングロール:軸方向一端を支点として傾動自在に設けられる)として用いられ、更に、張架ロール34が後述するように二次転写装置50のバックアップロールとして用いられる。
そしてまた、張架ロール34,35間に対向した中間転写ベルト30表面側には、二次転写後の中間転写ベルト30上の残留電荷を除去するためのコロトロン等の除電器36が設けられており、更に、張架ロール31,35間に対向した中間転写ベルト30表面側には、二次転写後の中間転写ベルト30上の残留トナーを除去するためのベルトクリーナ37がリトラクト自在に設けられている。
【0026】
また、本実施の形態において、二次転写装置50は、例えば図2及び図3に示すように、中間転写ベルト30のトナー像担持面側に圧接配置される転写ロール51と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されて転写ロール51の対向電極をなす対向ロール34とを備えている。
本実施の形態では、転写ロール51としては、例えば芯金の周囲にカーボンブラック分散発泡ウレタン材料からなるコア層を固着し、このコア層にスキン層を介して5〜20μmの厚みのカーボンブラック分散のフッ素樹脂系材料でコーティングしたものが用いられ、芯金とコーティング層との体積抵抗率が104Ω・cmないし106Ω・cmであり、ロール硬度はアスカC硬度で20゜から45゜に設定されている。そして、転写ロール51は接地されており、この転写ロール51の周囲には例えばウレタンゴムからなるクリーニングブレード54が付設されている。
【0027】
一方、対向ロール34としては、例えば芯金の外周に内側の発泡弾性体層と外側の導電層との二層構成のEPDMを被覆したものが用いられる。ここで、外側の導電層はカーボンブラックを15〜35重量%分散した半導電性のEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)発泡ゴムで、表面層の厚みは0.5〜1.5mmに構成されている。また、表面抵抗率は107〜1010Ω/□の抵抗領域に制御される。
このように構成された対向ロール34には例えば金属製の給電ロール52が当接されており、この給電ロール52にトナーと同極性の所定の転写バイアス55が印加され、対向ロール34と転写ロール51との間に所定の転写電界が生成されるようになっている。
【0028】
更に、用紙搬送系80は、給紙トレイ81のフィードロール(図示せず)により所定のタイミングで用紙100を搬出し、所定数の搬送ロール83及び位置決めロール(レジストレーションロール)84を経て用紙100を一括転写部位(転写ニップ域)へ送るようになっている。
本実施の形態では、一括転写部位の前後にはシートとしての用紙100を案内搬送する用紙案内処理装置が設けられている。
この用紙案内処理装置は、二次転写部位の入口側に設けられ且つ二次転写部位に向けて用紙100を案内搬送する転写前案内部材85と、二次転写部位の出口側に設けられ且つ二次転写部位を通過した用紙を下流側に案内搬送する転写後案内部材86と、二次転写部位と転写後案内部材86との間に設けられる除電部材87とを備えている。
そして、転写後案内部材86の下流側には搬送ベルト88(本例では二つ)が配設され、転写後の用紙100が定着装置70に案内搬送されるようになっている。
【0029】
特に、本実施の形態では、用紙案内処理装置は以下のように構成されている。
すなわち、転写前案内部材85は、例えば亜鉛めっき鋼板等の導電性部材からなる上下一対のガイドシュート85a,85bを有し、少なくとも用紙100が接触する下側ガイドシュート85bは高抵抗体91を介して接地されている。
また、転写後案内部材86は、図4(a)(b)に示すように、例えば亜鉛めっき鋼板等の導電性部材からなる一枚のガイドシュートからなり、シュート本体86aの用紙100の通過面側に、用紙100の搬送方向に沿って連続的に延びる数条のリブ86bを形成したものである。このリブ86bの材料としては高抵抗材料が用いられ、また、摩擦帯電を最小限にするため、リブ86bの先端が尖っているような接触面積が小さい形状とすることが好ましい。そして、この転写後案内部材86は高抵抗体92を介して接地されている。
【0030】
ここで、転写前案内部材85の接地抵抗をRf、転写後案内部材86の接地抵抗をRrとすれば、後述する実施の形態モデル実験の結果からも裏付けられるように以下のような関係を満たすようになっている。
150MΩ≦Rf−Rr≦600MΩ ……(1)
500MΩ≦Rf<1GΩ ……(2)
10MΩ≦Rr ……(3)
【0031】
更に、本実施の形態において、除電部材87は、例えば図5に示すように、SUS等の導電性部材からなる板状の除電ベース87aを有し、この先端に尖った針状電極87bを多数配列したものであり、用紙100の排出方向に沿う基準線L(図6参照)に対し、針状電極87b先端がh(例えば1mm程度)だけ非接触配置されるようになっている。
そして、この除電部材87は高抵抗体93を介して接地されている。
この除電部材87の接地抵抗Rdは除電部材87の除電作用が徐々に行われ、局所的な除電作用が行われない範囲であれば適宜選定して差し支えなく、転写前案内部材85の接地抵抗Rf程には大きく設定する必要はなく、転写後案内部材86の接地抵抗Rr程度でよい。従って、この除電部材87の高抵抗体93としては、別個独立に設けてもよいが、例えば転写後案内部材86の接地抵抗Rrを兼用するようにしてもよく、この場合には、装置構成を簡略化することができる。
【0032】
また、本実施の形態では、転写前案内部材85及び転写後案内部材86のレイアウトは以下のように設定されている。
先ず、図3に示すように、用紙100の搬送経路のうち、転写前案内部材85と転写後案内部材86との間の搬送経路長mは、最小サイズ用紙100の搬送方向長以内に設定されており、最小サイズ用紙100が転写前案内部材85と転写後案内部材86とに跨った状態で配置されるようになっている。
更に、図6に示すように、今、転写ロール51と対向ロール34との中心軸Ot,Ob間を結ぶ直線LOに直交する法線のうち、転写ロール51及び対向ロール34の転写ニップ域n出口を通る直線を基準線Lとする。尚、この基準線Lは通常転写ニップ域nを通過した用紙100の排出方向に相当する。
転写後案内部材86は、転写ニップ域nの下流側において、前記基準線Lに対し下方側に所定角度αだけ傾斜配置されている。但し、後述する実施の形態モデル実験の結果から、5°≦α≦15°である。
また、転写後案内部材86の転写ニップ域n側端部は、転写ニップ域n出口端から所定ギャップkだけ離間配置されている。ここで、ギャップkとしては後述する実施の形態モデルからも明らかなように15mm以下であればよい。
【0033】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
今、各色成分画像(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の画像データが各画像形成ユニット20(20a〜20d)の露光装置23に送出されると、各画像形成ユニット20の感光体ドラム21上には各色成分毎の静電潜像が形成されると共に、対応する色トナーが収容された現像装置24にて各色未定着トナー像が形成される。そして、各色成分の未定着トナー像は、各感光体ドラム21と中間転写ベルト30とが接する一次転写部位において、一次転写装置25にて中間転写ベルト30の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト30表面に順次重ね合わせて一次転写される。
【0034】
このようにして中間転写ベルト30に一次転写された未定着トナー像は、前記中間転写ベルト30の回転に伴ってシートとしての用紙100の搬送経路に面した二次転写部位へと搬送される。二次転写部位では、一括転写装置50の半導電性の転写ロール51が中間転写ベルト30に接しており、レジストレーションロール84によって所定のタイミングで搬送されてきた用紙100は、転写前案内部材85を経て転写ロール51と対向ロール34との間の転写ニップ域に挟み込まれる(ニップされる)。
また、二次転写部位における中間転写ベルト30の裏面側には上記転写ロール51の対向電極をなす対向ロール34が配設されており、前記対向ロール34にトナーの帯電極性と同極性の転写バイアスを印加する(転写ロール51にトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアスを印加することに相当)と、中間転写ベルト30に担持されたトナー像は上記二次転写部位において用紙100に静電転写される。また、転写ロール51は中間転写ベルト30と共に従動回転するため、クリーニングブレード54により転写ロール51に付着した汚れは転写ロール51の全周に渡って除去され、用紙100の裏面汚れが防止されている。そして、トナー像が転写された用紙100は、セルフストリッピングにより剥離され、搬送経路下側に配置された除電部材87を通過した後、転写後案内部材86にて案内搬送され、搬送ベルト88によって定着装置70に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。一方、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト30においてはベルトクリーナ37によって残留トナーが除去される。
【0035】
このような作像過程において、二次転写部位周辺に着目すると、以下のようである。
すなわち、二次転写部位においては、用紙100の抵抗に因らず必要な転写電界を得てトナー像を転写し、転写したトナーの状態を乱すこと無く、確実に剥離・搬送することが要求される機能である。
二次転写部位における機能としては、用紙100への転写電界付与(転写性能)と、用紙100の剥離、転写像の維持、搬送性能とを両立することが重要であり、用紙100のサイズ如何に因らず、転写中に対する効果を得るためには、最小サイズ用紙においてその解決手段が構成されること、つまり、転写前後の案内部材85,86、及び、除電部材87が最小サイズ用紙の搬送方向長以内に配置されていることが必要である。
【0036】
また、本実施の形態に係るシート案内処理装置における転写前後の接地抵抗差について検討する。
今、本実施の形態モデルを用い、転写前接地抵抗と転写後接地抵抗とを可変して、用紙の剥離挙動と剥離時の沿面放電によって発生する画質不良の発生状態とを確認する実験を行ったところ、図7に示す結果が得られた。
同図において、剥離性評価、画質不良評価は以下のように行った。
剥離性評価:
剥離性評価は○・×判定で図示した。
○:剥離不良未発生
×:剥離不良発生
画像不良評価:
剥離放電による画像デフェクトについて、画質見本より、目視によるグレード評価を行った。
グレードは5段階で分類し、図7では1,2はOKレベルとして○、3以降は目視にて容易に確認できる発生レベルであり、発生レベルに従って△,△−(画質Spec.NG)、5は×として図示した。
図7において、転写前の接地抵抗Rfを所定レベル以上に高くすることによって、用紙100は転写電界の影響を受けて確実に帯電するため、用紙100は中間転写ベルト30に密着する状態で二次転写部位に突入する分、安定した搬送挙動となる。これによって、剥離時の用紙100挙動は用紙100の帯電状態が均一となるため、剥離後の用紙100は安定した搬送挙動となる。
【0037】
また、剥離時の沿面放電によって発生する画質不良は、剥離性と同様に、転写前の接地抵抗Rfを所定レベル以上に高くすることによって抑制される。すなわち、接地抵抗Rfを所定レベル以上に高くすると、用紙100の帯電状態が均一となるため、剥離放電が低減し、均一な帯電状態が維持されることになり、前記画質不良の発生状態は抑制される。ところが、転写前の接地抵抗Rfが高くなりすぎると、用紙100が過剰に帯電して剥離放電がより多く発生し、更に、転写前の接地抵抗Rfと転写後の接地抵抗Rrとの差異が大きいことから、転写後案内部材86等に電荷が急激に流れ込むことになり、この結果、画質不良が悪化することとなる。
以上より、転写前の接地抵抗Rfと転写後の接地抵抗Rrとの差はプラスであり、且つ、150MΩから600MΩの間であることが必要である。
【0038】
次に、本実施の形態モデルを用い、転写前の接地抵抗Rfを可変にして、転写性と転写後画質不良とについて評価したところ、図8に示す結果が得られた。
ここで、転写性及び転写後画質不良の評価としては、含水紙や薄紙等の低抵抗用紙を使用し、以下のように行った。
転写性評価:
含水紙の転写性について、フレッシュ紙での転写出力と対比し以下の基準で評価した。
転写後画質不良評価:
剥離放電による像乱れ(トナーの飛び散り)について画質見本によるグレード評価を行った。
尚、このような低抵抗用紙を用いる理由は、低抵抗用紙が転写部位に突入し転写電圧が与えられると、用紙自体が導電経路となってしまい、転写前案内部材85に流入してしまうことにより、転写部位で実際に作用する転写電界が低下してしまうため、転写不良による画質劣化が発生し易く、転写部位に形成する転写電界を高く設定しなければならず、結果として、安定した転写性を得られる状態にすることが困難になり易いことによる。
【0039】
図8によれば、転写前の接地抵抗Rfを高抵抗とすることにより良化し、本構成においては、500MΩ以上とすることにより、用紙100の抵抗に因らず、必要な転写電界を得ることが出来ることが確認された。
更に、転写前の接地抵抗Rfが高すぎると、用紙100が過剰に帯電してしまい、本構成においては、1GΩ以上とすると、転写後の接地抵抗Rrに因らず、転写後案内部材86との間で放電によるトナー飛び散りが発生し、画質不良が顕著になり易いという現象が見られる。
以上より、転写前の接地抵抗Rfは、転写後の接地抵抗Rrに因らず、ある範囲であることが必要であり、本構成においては、500MΩ以上1G未満の範囲に設定すればよいことが理解される。この時、転写前の接地抵抗Rfは、低抵抗用紙によって生じた導電経路を高抵抗状態とするため、転写部位への搬送時には、用紙100は常に転写前案内部材85に接触した状態とすることが好ましい。
【0040】
更に、本実施の形態モデルを用い、転写後の接地抵抗Rrを可変にし、転写後案内部材86を通じてリークが発生するか否かを調べたところ、図9に示す結果が得られた。尚、図9において、○は転写後リークによる画質不良未発生、×は転写後リークによる画質不良発生を示す。
特に、高導電性の用紙100を走行・転写させた場合には、転写電界が付与されることで用紙100自身が導通経路となって電荷を逃すため、用紙100が接地物に触れた際にスパークが発生し、設定された電流、電圧によっては画質不良等の問題を生ずる可能性が高いと言える。このため、本実験に当たっては、高導電性の用紙100を使用し、行うようにした。
本例の場合、転写後の接地抵抗Rrが転写後案内部材86でリークの原因となる局所的な電荷の流れ込みの発生を回避できる程度に設定されていればよく、本モデルでは、10MΩ以上の高抵抗接地とすることにより、問題が無くなることが確認された。
【0041】
以上のように、転写前の接地抵抗Rfと転写後の接地抵抗Rrとの差はプラスであり、且つ、150MΩから600MΩの間であることが必要であり、更に、転写部位の抵抗設計により、本構成においては、転写前の接地抵抗Rfは500MΩ以上1GΩ未満の高抵抗接地とし、転写後の接地抵抗Rrは10MΩ以上Ωの高抵抗接地とすればよい。例えばRf=500MΩ、Rr=20MΩを選択すれば、転写前後の接地抵抗差として、480MΩの抵抗差をもたせ、且つ、転写前接地抵抗を高く設定することが可能である。
この構成により、転写性能を良好に保ちながら、用紙の剥離性、転写後の画質不良、リークの発生を防止し、良好な転写画質を得ることが可能となった。
【0042】
すなわち、本実施の形態によれば、用紙100は転写前に高帯電状態となったとしても、転写後の電界を小さくすることが可能になり、転写後剥離時の剥離放電を低下させることができ、また、剥離後の用紙100の過剰な帯電状態を抑えることができる。このため、剥離不良、更にはトナー飛び散りによる画像劣化を有効に回避することができる。
また、用紙100が、例えば含水した状態、厚さが薄いなど低抵抗であるとしても、用紙100の表面側若しくは用紙自体が導電経路になって転写前の案内部材85と通じて電荷流出してしまうことがないため、転写部位での転写電界の低下による転写不良はなく、これに伴う画質劣化は発生しない。
【0043】
更に、本実施の形態によれば、転写前の接地抵抗Rfと転写後の接地抵抗Rrとの差について最適化を図ることにより、用紙100の帯電量を転写に適した状態にすることができ、転写前において、用紙100と中間転写ベルト30との密着性を保つことができるため、用紙100の突入姿勢が不安定になることはなく、転写前の用紙100の搬送状態を安定させることができる。このため、用紙100の帯電状態が安定化し、転写後の用紙の剥離放電・過剰放電による用紙100の帯電状態のばらつき、用紙100剥離後の挙動、搬送状態のばらつきを抑え、用紙100の挙動を安定させることができる。
更にまた、転写前後の接地抵抗差の最適化を図ることにより、含水紙、薄紙等の用紙状態・種類による転写不良の発生を抑えることができ、転写後の剥離放電により生ずる用紙裏面の過剰な電荷を除電でき、しかも、転写後案内部材86との異常放電を抑制でき、用紙100剥離後の画質不良を有効に防止することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、用紙100の剥離挙動は、剥離直後の用紙100の帯電状態によって静電気力を得、この静電気力と用紙100の剛性・用紙状態による用紙100の撓みによって決定される。このとき、用紙100の撓みが大きく、転写ニップ域n下流側に位置する中間転写ベルト30との距離が非常に近い若しくは接触すると、用紙100は中間転写体ベルト30に吸着してしまう事になるため、転写ニップ域nの用紙100の排出方向(基準線Lに相当)は中間転写ベルト30に対しある程度離間配置されることが必要である。
更に、実施の形態モデルにおいて、転写後案内部材86の配設角度を可変とし、用紙の剥離性について検討したところ、図10に示す結果が得られた。
図10によれば、図6に示すように、転写後案内部材86の基準線Lに対する配設角度αが5°以上下方側に傾斜配置されると、転写ニップ域n下流側に、排出される用紙100と中間転写ベルト30との距離を保つことが出来るため、剥離不良は改善される。また、配設角度αが15°を超えると、用紙100の排出軌跡に相当する基準線Lより離れてしまうため、転写後案内部材86、除電部材87の効果が低減してしまい、逆に剥離性が悪化する結果となった。
以上より、中間転写ベルト30を用いた構成においては、転写後案内部材86は、用紙100の排出方向に相当する基準線Lに対し配設角度αが5°〜15°の範囲で斜め下方に向けて配置されていることが必要である。
【0045】
更に、用紙100の剥離挙動において、用紙100の剛性は、用紙100の先端部長が15mm程度までは非常に大きく、用紙100の撓み量は影響を受けない。このため、転写後案内部材86は、転写ニップ域nに近接して配置することが必要である。具体的には、転写後案内部材86の転写ニップ域n側端部と転写ニップ域n出口位置までのギャップkが15mm以内であればよい。
【0046】
更に、本実施の形態では、転写後案内部材86は、その案内機能をより確実に実現するには、用紙100搬送時に静電吸着される事態を回避し、接触抵抗を低減することが必要である。
特に、本実施の形態では、転写後案内部材86の搬送面側には数条のリブ86bが形成されているため、用紙100は転写後案内部材86に全面接触することはなく、転写後案内部材86への用紙100の静電吸着力による搬送不良は有効に抑えられ、用紙100搬送は安定かつ円滑に行われる。
このとき、転写後案内部材86の搬送面上に形成するリブ86bは、用紙100が通過することによる摩擦帯電、用紙100帯電の影響により、電荷を蓄積する可能性がある。このため、リブ86bを絶縁材料で構成すると、リブ86b自体が高帯電化してしまい、リブ86b上で用紙100搬送時に転写像を乱す懸念がある。また、リブ86bを導電部材とすると、転写部位との距離が非常に近いため、リーク等の問題を起こす懸念がある。以上により、リブ86bの材料としては高抵抗材料が好ましく、更には、摩擦帯電を最小限とするため、リブ86bの形態としては、転写後案内部材86の搬送面上で先端の尖っているような接触面積が小さい形状とすることが好ましい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシート案内処理装置によれば、転写部位前に転写前案内部材を配設し、一方、転写部位後には除電部材及び転写後案内部材を配設し、前記転写前案内部材及び転写後案内部材を高抵抗で接地し、かつ、転写前案内部材の接地抵抗を転写後案内部材の接地抵抗よりも大きく設定するようにしたので、シートの転写過程にて、転写性能を良好に保ちながら、シートの剥離性能、及び、転写後の画像維持性能を確実に実現することができる。
すなわち、本発明においては、転写前案内部材の接地抵抗を大きく設定することにより、転写部位でのシートの高帯電状態を確実に確保することが可能になり、転写部位での転写電界の作用に伴う画像の転写性能を良好に保つことができる。
また、転写部位ではシートが高帯電状態であったとしても、除電部材の作用により、シート剥離時における剥離放電を低減することができ、その分、シートの剥離性能の良好に保つことができる。
更に、シート剥離時の剥離放電を低減できる分、シート剥離後のシートの帯電状態を低減でき、しかも、高抵抗接地された転写後案内部材により、シートの帯電状態を徐々に減衰させるようにしたので、剥離後のシートに対し、転写後案内部材との間で局所的に電荷流出する事態を有効に防止することができる。このため、転写後案内部材にてシートを搬送する過程において、局所的な電流集中が生ずることはなく、転写後のシート上の画像が乱れる事態を有効に回避することができる。
また、このようなシート案内処理装置を用いた画像形成装置によれば、シートの転写過程にて、転写性能を良好に保ちながら、シートの剥離性能、及び、転写後の画像維持性能を確実に実現することができるため、転写過程における画像劣化のない高品質画像を確実且つ容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート案内処理装置及びこれを用いた画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された画像形成装置の実施の一形態を示す説明図である。
【図3】実施の形態で用いられるシート案内処理装置の詳細を示す説明図である。
【図4】(a)は実施の形態で用いられる転写後案内部材の一例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図5】実施の形態で用いられる除電部材の詳細を示す説明図である。
【図6】実施の形態における転写後案内部材のレイアウト例を示す説明図である。
【図7】実施の形態モデルにおける転写前後の接地抵抗差と、剥離性/画質不良グレードとの関係を示す説明図である。
【図8】実施の形態モデルにおける転写前接地抵抗と転写性/転写後画質不良との関係を示す説明図である。
【図9】実施の形態モデルにおける転写後案内部材の接地抵抗と転写後リークとの関係を示す説明図である。
【図10】実施の形態モデルにおける転写後案内部材の配設角度と剥離不良発生率との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,1a…ベルト状搬送体,2…転写装置,2a…転写部材,2b…対向部材,3…転写前案内部材,4…転写後案内部材,5…除電部材,6…シート,7…シート案内処理装置,Rf…転写前案内部材の接地抵抗,Rr…転写後案内部材の接地抵抗,Rd…除電部材の接地抵抗,L…基準線,G…可視像
Claims (13)
- 帯電色材による可視像を担持する像担持体と、この像担持体上の可視像をシートに静電転写させる転写装置とを備えた画像形成装置に用いられるシート案内装置であって、
転写装置による転写部位の入口側に設けられ、前記転写部位に向けてシートを案内搬送する導電性部材からなる転写前案内部材と、
前記転写部位の出口側に設けられ、転写部位を通過したシートを案内搬送する導電性部材からなる転写後案内部材と、
前記転写部位と転写後案内部材との間に設けられ、前記転写部位を通過したシートに対し除電処理を施す除電部材とを備え、
前記転写前案内部材及び転写後案内部材を高抵抗で接地し、かつ、転写前案内部材の接地抵抗を転写後案内部材の接地抵抗よりも大きく設定したことを特徴するシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
転写前案内部材の接地抵抗は、転写後案内部材の接地抵抗に比べて150乃至600MΩの差だけ大きく設定されていることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
転写前案内部材と転写後案内部材との間のシートの搬送経路長は、最小サイズシートの搬送方向長以内に設定されていることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
転写前案内部材の接地抵抗は、500MΩ以上1GΩ未満であることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
転写前案内部材は、シート搬送時にシートと接触配置されるものであることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
転写後案内部材の接地抵抗は、10MΩ以上であることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内装置において、
転写後案内部材は、そのシートの通過面側にシートの搬送方向に沿って延びるリブを備えていることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
除電部材は、シート搬送時にシートと非接触配置されるものであることを特徴とするシート案内処理装置。 - 請求項1記載のシート案内処理装置において、
除電部材は高抵抗接地されていることを特徴とするシート案内処理装置。 - 帯電色材による可視像を担持する像担持体と、この像担持体上の可視像をシートに静電転写させる転写装置と、請求項1記載のシート案内処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項10記載の画像形成装置において、
像担時体はシートに接触するベルト状搬送体を備え、
転写装置はベルト状搬送体の表面側に接触する転写部材と、この転写部材と共にベルト状搬送体をニップ搬送する対向部材とを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
転写後案内部材は、転写部材及び対向部材のニップ域を通過したシートの排出方向に沿う基準線に対し、5乃至15度下方側に向けて傾斜配置されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11記載の画像形成装置において、
転写後案内部材は、転写部材及び対向部材のニップ域出口位置から15mm以内で配設されていることを特徴とする画像形成装置。
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