JP2005007854A - 金属転写板およびその製造方法、転写抵抗体 - Google Patents

金属転写板およびその製造方法、転写抵抗体 Download PDF

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Abstract

【課題】 剥離性と接着性との相反する機能を備え、プリント配線板の生産に用いられる金属転写板およびその製造方法、ならびにこの金属転写板を用いて製造される転写抵抗体を提供する。
【解決手段】 金属転写板は、プリント配線板の製造に用いられ、トリアジンジチオール誘導体表面層を有し、該金属転写板の表面の接触角が 70 度〜100 度であり、この金属転写板の製造方法は、トリアジンジチオール誘導体の電解重合により金属表面に重合膜を形成する工程と、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施こす工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はプリント配線板の製造に用いられる金属転写板およびその製造方法、ならびにこの金属転写板を用いて製造される転写抵抗体に関し、特にトリアジンジチオール誘導体にて表面処理し、その表面に転写可能な接触角を付与する転写膜を形成できる金属転写板およびその製造方法に関する。
従来、プリント配線板の製造における転写板として、熱可塑性樹脂フィルムまたは黄銅箔が用いられている。熱可塑性樹脂フィルムを用いた例としては、ポリエステルフィルム表面にシリコーン離型膜をコーティングした転写板や離型性に優れたPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)フィルム転写板が知られている。
このような転写板を用いて、例えば、プリント配線板の抵抗体の製造は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)転写板に導電性塗料を印刷で塗布し、これをプレプリグ(エポキシ樹脂等含浸板)に押しつけて転写してそのまま加熱プレスし、抵抗体を熱硬化性樹脂の中に埋め込む方法で製造されている。
一方、銅箔とプリプレグとの接着性を向上させるために、銅箔表面にトリアジンジチオール誘導体の重合膜を形成したプリント配線板が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
しかしながら、樹脂フィルムを用いた転写板は、加熱加圧プレス時または射出成形時に熱収縮が生じて寸法安定性が劣る。また、プリプレグと加熱プレス過程で接着し、両者を剥がす時に不良品が多発し、生産性に優れた製造が困難であるという問題がある。
また、黄銅箔などの場合、100 mm 角程度以上は安定した表面粗度・接触角が得られず、転写後の離型においても部分的なペースト残りが発生し、60 %以上の歩留まり向上が困難であり、また、工業的に用いるには高価であるという問題がある。
転写板は、寸法安定性とともに、印刷時の基材との接着性に優れていること、および転写時の離型性に優れていることの相反する機能が求められているため、アルミニウム板など金属板を用いた金属転写板が開発されていない。
例えば、従来の金属転写板を用いてプリント配線板に埋め込まれた抵抗体を製造する場合、プリプレグの樹脂成分である熱硬化性エポキシ樹脂が金属転写板の非印刷部分と転写工程で接着してしまい離型が困難で生産性が低下するという問題がある。
特開昭64−53495号公報(特許請求の範囲) 特開平10−335782号公報(特許請求の範囲) 特開平1−246894号公報(特許請求の範囲) 特開平4−59242号公報(特許請求の範囲) 特開2001−203462号公報(特許請求の範囲)
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、剥離性と接着性との相反する機能を備え、プリント配線板の生産に用いられる金属転写板およびその製造方法、ならびにこの金属転写板を用いて製造される転写抵抗体の提供を目的とする。
本発明に係る金属転写板は、プリント配線板の製造に用いられ、トリアジンジチオール誘導体表面層を有し、該金属転写板の表面の接触角が 70 度〜100 度であることを特徴とする。
また、上記トリアジンジチオール誘導体表面層が下記式(1)で表されるトリアジンジチオール誘導体の電解重合体であることを特徴とする。
Figure 2005007854
式(1)において、Rは、−NR12 で表され、R1 およびR2 は、アルキル基または不飽和アルキル基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表す。
特に、上記トリアジンジチオール誘導体が、Rが異なるトリアジンジチオール誘導体の混合物であることを特徴とする。
また、上記トリアジンジチオール誘導体表面層は、金属板表面に重合後、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施してなることを特徴とする。
また、金属転写板の基材となる金属板がアルミニウム板であることを特徴とする。
本発明に係る金属転写板の製造方法は、トリアジンジチオール誘導体の電解重合により金属表面に重合膜を形成する工程と、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施こす工程とを備えてなり、上記重合膜を形成する工程の前工程として、トリアジンジチオール誘導体の密着性向上処理工程を有することを特徴とする。
本発明に係る転写抵抗体は、上述した金属転写板を用いて、この金属転写板表面に印刷法で形成された半硬化の転写用抵抗体をプリント配線板用のプリプレグ、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂に転写、硬化して得られる転写抵抗体であることを特徴とする。
トリアジンジチオール誘導体を用いて表面層を形成し、その表面の接触角を 70 度〜100 度にすることにより、印刷時に基材との接着性に優れているとともに転写時の離型性に優れていることが分かった。
特に式(1)で表されるトリアジンジチオール誘導体を用いることにより、表面の接触角を 70 度〜100 度にできることが分かった。本発明はかかる知見に基づくものである。
本発明に係る金属転写板は、プリント配線板の製造に用いられ、トリアジンジチオール誘導体表面層を有し、該金属転写板の表面の接触角が 70 度〜100 度であるので、加熱加圧プレス時の寸法安定性に優れる。
また、樹脂表面との段差が小さいので極小回路・素子の転写ができる。アルミニウム板を用いることにより、工業的に入手しやすく、製造歩留まりが向上する。
本発明に係る金属転写板の製造方法は、トリアジンジチオール誘導体の電解重合により金属表面に重合膜を形成する工程の前工程として、トリアジンジチオール誘導体の密着性向上処理工程を有するので、アルミニウム板を用いても密着性と離型性に優れた転写板を容易に製造できる。
本発明に係る転写抵抗体は、上述した金属転写板を用いて製造されるので、寸法精度、電気特性に優れた転写抵抗体が得られる。
本発明に用いることができる金属板の材質としては、アルミニウムまたはその合金板、ステンレス板、マグネシウムまたはその合金板、鉄または鉄合金板が挙げられる。金属板は金属厚板、薄板、シート、箔を含む。
金属転写板としては表面粗さの値が小さい板が得られるアルミニウム板が好ましい。
本発明に使用できる上記式(1)で表されるトリアジンジチオール誘導体において、アルキル基は−Cn2n+1 で表され、nは 1〜24 の整数を表す。また不飽和アルキル基は、上記アルキル基の一部に不飽和結合が導入されている基をいう。
アルキル基の具体例としては、−CH3、−C25、−C49、−C613、−C817、−C1021、−C1225、−C1837、−C2041、−C2245、−C2449 が挙げられる。
不飽和アルキル基の具体例としては、−CH2CH=CH2、−(CH28CH=CH2、−(CH29CH=CH2、−C816CH=CHC817 が挙げられる。
本発明に好適なトリアジンジチオール誘導体を例示すれば、以下の式(2)〜式(4)で表されるトリアジンジチオール誘導体が挙げられる。
Figure 2005007854
本発明においては、式(2)および式(4)で表されるトリアジンジチオール誘導体を混合して用いることが好ましい。電解重合時における電解液中の混合割合は、モル比で、式(2)で表されるトリアジンジチオール:式(4)で表されるトリアジンジチオール=(2:8)〜(8:2)が好ましい。この範囲に設定することにより、広い電解重合条件においてアルミニウム金属板表面に生成した膜の接触角を 70 度〜100 度にできる。
なお、トリアジンジチオール誘導体は、公知の方法、例えば特開平11−71357号公報の方法等で得られる。
金属板表面へのトリアジンジチオール誘導体被膜層の形成方法は、電解重合法、真空蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。
本発明においては、生成膜の接触角を調整しやすい電解重合法が好ましい。電解重合法は、例えば、トリアジンチオール誘導体と電解質からなる電解溶液にアルミニウム金属板を浸漬して、アルミニウム金属板を陽極として電解重合させ、アルミニウム金属板表面にトリアジンジチオール誘導体被膜層を生成させる方法である。
トリアジンジチオール誘導体被膜層の層厚さとしては、50〜2000 nm 、好ましくは 100〜300 nm が好ましく、この被膜層厚さになるように処理条件を設定する。
金属板表面へ形成されたトリアジンジチオール誘導体被膜層は、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施す。熱処理により、被膜層の重合度が上がり、あるいは不飽和結合部分の架橋反応が生じることにより、被膜強度を上げることができる。熱処理条件としては、空気雰囲気中で温度が 100〜350 ℃、好ましくは 150〜200 ℃、処理時間が 5〜600 分、好ましくは 10〜120 分の条件である。熱処理と同時に紫外線処理などを併用できる。また、分子配向をさせるため磁気処理を併用できる。
トリアジンジチオール誘導体表面被膜層の表面の接触角は、70 度〜100 度、好ましくは 80〜90 度である。接触角が 70 度未満であると密着性が上がり、転写時に転写が困難になる。また、接触角が 100 度をこえると、離型性が上がり、転写材の印刷が困難になる。
表面被膜層の表面の接触角測定は、純水に対する接触角として、エルマ光学接触角測定器G−1型を用いて、液滴法により測定した。測定は 20 ℃で、測定点は 10 点の平均値を接触角とした。
アルミニウム金属転写板の製造方法について図1により説明する。図1は製造工程図である。
アルミニウム金属板を準備する(工程1)。アルミニウム金属板は転写板として使用できる大きさ(例えば 510 mm× 340 mm )および厚さ(例えば 0.1 mm )ならびに表面粗さ(Ra:50 nm 以下)のものを準備する。
電解重合前にアルミニウム金属板の表面を前処理する(工程2)。この前処理によりアルミニウム金属板へのトリアジンジチオール誘導体層の密着性が向上する。前処理は有機溶媒で表面の脱脂を行なう。有機溶媒としては金属表面の脱脂に用いられるケトン系溶媒、例えばアセトンなどが挙げられる。また、脱脂は超音波処理と併用して行なうことができる。
上記前処理されたアルミニウム金属板表面にトリアジンジチオール誘導体の電解重合膜を形成する(工程3)。
電解液はトリアジンジチオール誘導体および支持電解質を純水に溶解して得られる。
トリアジンジチオール誘導体は、混合トリアジンジチオール誘導体が好ましく、例えば式(2)で表される化合物と、式(4)で表される化合物とをモル比で1:1の割合で配合する。水溶液中の混合トリアジンジチオール誘導体濃度は 0.001〜5 重量%、好ましくは 0.01〜1 重量%である。混合トリアジンジチオール誘導体濃度が 0.001 重量%未満では電解重合膜の形成が困難であり、5 重量%をこえるとモノマーイオンの移動速度が遅くなり重合性が低下する。
支持電解質としては、NaNO2、NaOH、LiOH、KOH、Na2CO3、Na2SO4、K2SO3、Na2SO3、K2CO3、KNO2、KNO3、NaClO4、CH3COONa、Na227、NaBO3、NaH2PO2、(NaPO36、Na2MnO4、Na3SiO3 等が挙げられる。
本発明においては、後述するように、NaNO2 が好ましい。
アルミニウムを一方の電極とする場合、その電極上では、アルミニウムの酸化反応とトリアジンジチオール誘導体の酸化反応との2つの酸化反応が競合する。アルミニウムの標準電極電位(Al3++3e-=Al)は、-1.66 V (対飽和カロメル電極)であり、酸化により生成したAl3+ は溶媒である水と結合して最終的にアルミナ(Al23)を生成する。一方トリアジンジチオールの酸化電位は、銅板上で 0.4 V、鉄板上で 0.7V であることから推定すると 1 V に満たない電位と考えられ、アルミニウム電極上ではアルミナ生成がトリアジンジチオール誘導体の電解重合よりも起こりやすいと考えられる。しかし、支持電解質として亜硝酸ナトリウム(NaNO2 )を用いると、亜硝酸ナトリウムのラジカル重合促進作用によりアルミニウム電極上でトリアジンジチオール誘導体の電解重合が起こりやすくなる。
式(2)で表される化合物を用いてアルミニウム板上の電解重合における支持電解質の影響を調べた結果を図2に示す。
FT−IR測定結果、亜硝酸ナトリウムを支持電解質とした場合、アルミニウム板上にトリアジンジチオール誘導体の被膜が形成された。被膜の形成は、トリアジンジチオールに基づくC=C、C=N伸縮振動のピークの存在で確認できる。
支持電解質の濃度はモル濃度で 0.05〜0.3 M が好ましい。
式(3)で表される化合物を用いてアルミニウム板上に亜硝酸ナトリウムを支持電解質として用いたときの電解重合における濃度の影響を調べた結果を図3に示す。図3は、亜硝酸ナトリウムの濃度をパラメータとして電解重合したときの生成膜厚さの重合時間依存性を調べた図である。
図3より、支持電解質の濃度が 0.15 M のときに膜厚さが最大を示した。また、このときFT−IRで確認したトリアジンジチオールに基づくC=N伸縮振動のピークも最大を示した。支持電解質の濃度が 0.05 M 未満または 0.3 M をこえると、電解重合による膜厚さが十分でなくなる。
電解重合時の電解方法としては、作用極と対極との間の電流を一定とする定電流電解法、作用極と対極との間の電位を一定とする定電位電解法、任意の電位まで電位を掃引し電解を行なう走査電位電解法、電流をある一定時間通電するか、一定電圧を印加した後一定時間中断するパルス電解法のいずれの電解方法を採用できる。アルミニウム金属板上における混合トリアジンジチオール誘導体の電解重合においては、電極反応が一定に進行することで、良質な被膜が得られやすい定電流電解法、または電極上で起こる反応の種類を制御できる定電位電解法が好ましい。
電解重合温度は 10〜40 ℃が好ましい。
式(3)で表される化合物を用いてアルミニウム板上に亜硝酸ナトリウムを支持電解質として用いたときの電解重合における温度の影響を調べた結果を図4に示す。図4は、電解重合温度をパラメータとして電解重合したときの生成膜厚さの重合時間依存性を調べた図である。
電解重合温度が 20 ℃のときに膜厚さが最大を示した。また、このときFT−IRで確認したトリアジンジチオールに基づくC=N伸縮振動のピークも最大を示した。電解重合温度が 10 ℃未満または 40 ℃をこえると、電解重合による膜厚さが十分でなくなる。
重合時間は、望みとする被膜厚さにより調節できる。しかし、重合時間が長すぎると、被膜の剥離、アルミニウム金属板の腐食等が生じるので好ましくない。
また、電流密度は 0.09 mA/cm2 以上であることが好ましい。これ以下であるとトリアジンジチオール誘導体の重合電位に達しない。また電流密度が高すぎると被膜表面が粗雑になりやすいため、1 mA/cm2 以下であることが好ましい。
電解重合により金属板表面へ形成されたトリアジンジチオール誘導体被膜の後処理は、後処理1および後処理2で行なわれ、後処理1は表面被膜の電着むらなどがある場合に行なわれ、被膜を均一にする効果がある(工程4)。
後処理1は水洗後にアルコール溶液に浸漬することで行なわれる。アルコール溶液はアルコール単独、あるいはアクリル酸誘導体、マレイン酸誘導体を溶解したアルコール溶液を使用できる。アルコール溶液の具体例としてはアクリル酸−n−ヘキシルを 10 重量%溶解したエタノール溶液、マレイン酸−n−ブチルを 10 重量%溶解したエタノール溶液などが挙げられる。
その後、金属板表面へ形成されたトリアジンジチオール誘導体被膜は、後処理2として熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理が施こされる(工程4)。この後処理2は必須の工程である。後処理2は、トリアジンジチオール誘導体被膜の重合度を上げることにより、あるいは不飽和結合部分の架橋反応により、被膜強度を上げることができる。熱処理条件としては、空気雰囲気中で温度が 60〜350 ℃、好ましくは 80〜200 ℃、処理時間が 5〜600 分、好ましくは 10〜120 分の条件である。熱処理と同時に紫外線処理などの放射線処理を併用できる。磁気処理もできる。
後処理工程を経てアルミニウム金属転写板が得られる(工程5)。
本発明の金属転写板は、特にアルミニウム金属転写板は、表面粗さが 50 nm (Ra)以下で厚さが 0.1 mm のアルミニウム金属板の表面に 100〜300 nm 厚さのトリアジンジチオール誘導体被膜が形成される。このアルミニウム金属転写板の表面接触角は 70 度〜100 度、中心値としては 80〜90 度の値を示し、転写板としての引き剥がし強度は 50〜100 gf/cm 程度であるので、スライドボリュウムエレメント、回転ボリュウムエレメントを基板上に形成した転写抵抗板を製造するための転写板として優れた特性を示す。
上述したアルミニウム金属転写板を用いて得られる転写抵抗板の製造工程図を第5図に示す。
表面にトリアジンジチオール誘導体被膜7が形成されたアルミニウム金属転写板6を準備する(図5(a))。
トリアジンジチオール誘導体被膜7表面に導電性塗料8を印刷し半硬化させる(図5(b))。印刷はスクリーン印刷が好ましい。半硬化条件としては、例えばカーボンペーストの場合、160 ℃で 10 分程度が好ましい。
導電性塗料8が印刷されたアルミニウム金属転写板6をプリプレグ9上に、印刷を接触面として配置する(図5(c))。
加熱加圧により導電性塗料8を硬化し平滑化を行なう(図5(d))。転写プレス条件としては、200 ℃、25 kgf/cm2、60 分程度が好ましい。
硬化したプリプレグおよび導電性塗料8からアルミニウム金属転写板6を引き剥がすことにより、基板内に抵抗体11が埋め込まれた転写抵抗板10が得られる(図5(e))。
アルミニウム金属転写板6を用いることにより、抵抗体11の表面が鏡面となるので、抵抗値変化および抵抗値温度変化の少ない転写抵抗体が得られる。
実施例1〜実施例8
厚さ 0.1mm で表面粗さが 50nm (Ra)以下のアルミニウム金属板を準備する。このアルミニウム金属板の表面をアセトン中で 30 分間超音波下に脱脂した。
この前処理したアルミニウム金属板を用いて表1に示す電解液、電解重合条件および熱処理条件で電解重合を行ないアルミニウム金属転写板を得た。トリアジンジチオール誘導体被膜の厚さは約 200 nm であった。
得られたアルミニウム金属転写板の純水に対する接触角とピール強度を測定した。ピール強度は引張り試験機(島津製作所製、AGS−500A)を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005007854
表1に示すように、各実施例は接触角が 70 度〜100 度の範囲内であり、転写後の引き剥がしに適したピール強度を有している。
実施例4で得られたアルミニウム金属転写板を用いてガラスエポキシ積層板に抵抗体が埋め込まれた転写抵抗体を図5に示す方法で作製した。得られた転写抵抗体の抵抗値の温度変化(TCR)特性を測定したところ、10 〜75 ℃の範囲で -950ppm/℃、100〜150 ℃の範囲で 400ppm/℃と優れた値を示した。
本発明の金属転写板およびその製造方法、転写抵抗体は、特にトリアジンジチオール誘導体にて表面処理し、その表面に転写可能な接触角を付与する転写膜を形成できることを特徴としており、印刷時の基材との接着性および転写時の離型性に優れているため、プリント配線板の大型化、品質の安定化および製造コストの低減に好適である。
アルミニウム金属転写板の製造図である。 電解重合における支持電解質の影響を調べた結果を示す図である。 支持電解質濃度をパラメータとした生成膜厚さの重合時間依存性を調べた図である。 電解重合温度をパラメータとした生成膜厚さの重合時間依存性を調べた図である。 転写抵抗板の製造工程図である。
符号の説明
1 工程1
2 工程2
3 工程3
4 工程4
5 工程5
6 アルミニウム金属転写板
7 トリアジンジチオール誘導体被膜
8 導電性塗料
9 プリプレグ
10 転写抵抗板
11 抵抗体

Claims (7)

  1. トリアジンジチオール誘導体表面層を有する金属転写板であって、該金属転写板の表面の接触角が 70 度〜100 度であることを特徴とする金属転写板。
  2. 前記トリアジンジチオール誘導体表面層は下記式(1)で表されるトリアジンジチオール誘導体の電解重合体であることを特徴とする請求項1記載の金属転写板。
    Figure 2005007854
    (Rは、−NR12 で表され、R1 およびR2 は、アルキル基または不飽和アルキル基を表し、Mは水素原子またはアルカリ金属を表す)
  3. 前記トリアジンジチオール誘導体は、Rが異なるトリアジンジチオール誘導体の混合物であることを特徴とする請求項2記載の金属転写板。
  4. 前記トリアジンジチオール誘導体表面層は、金属板表面に重合後、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施してなることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の金属転写板。
  5. 前記金属板がアルミニウム板であることを特徴とする請求項4記載の金属転写板。
  6. トリアジンジチオール誘導体の電解重合により金属表面に重合膜を形成する工程と、熱処理および放射線処理の少なくとも一つの処理を施こす工程とを備えてなる金属転写板の製造方法において、
    前記重合膜を形成する工程の前工程として、前記トリアジンジチオール誘導体の密着性向上処理工程を有することを特徴とする金属転写板の製造方法。
  7. 金属転写板表面に印刷法で形成された半硬化の転写用抵抗体をプリント配線板用のプリプレグ、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂に転写、硬化して得られる転写抵抗体において、前記金属転写板が請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載の金属転写板であることを特徴とする転写抵抗体。
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