JP2005007777A - データセキュリティフォームとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】データセキュリティフォーム10は、表出する面(第1の基材11の表面)に第1のデータaが印字された第1の基材11と、第1の基材11と貼り合わされ、表出しない内部(第2の基材12の表面)に第2のデータbが印字された第2の基材12とを備えている。第2のデータは、第1、第2の基材11、12を透かして判読できる。第1及び第2のデータa,bは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となるデータである。第2のデータは、第1、第2の基材11、12を透かして判読できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字データにセキュリティ性をもたせたデータセキュリティフォームとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、NIP用(フォーム用)上質紙にデータを印字した場合に、この印字データそのものの正確さは、元のデータにまで遡って確認しなければならず、現実的には、この印字データそのものをその場でチェックすることは困難である。
【0003】
その結果、用紙そのものの絵柄の中に『コピー牽制用の模様』を埋め込んでみたり、又は、印字した用紙の一部にバーコードやOCR文字のようなマシンリーダブルな記号を設けておき、例えば、窓口でこの記号を読み取って検証するようにしていた。
【0004】
前述したコピー牽制用の模様は、これまで、それなりの効果が認められてきたが、スキャナやコピー機の性能が向上するのに伴って、実質的な効果としては期待できなくなってきている。
【0005】
一方、バーコードやOCR文字のような記号を印字データ面の一部に設ける方法においては、印字デザインの体裁が悪くなるという問題に加え、読み取る機械が存在しなければ使えない(特に、非常時等では使いにくい)、という決定的な問題があった。
【0006】
そこで、ホログラムラベルを貼り込んだり(例えば、特許文献1)、又は、パールインキのような特殊印刷を施した用紙を使用するようなもの(例えば、特許文献2)も提案、実用化されてきている。
【特許文献1】
特開2000−194265号公報
【特許文献2】
特開平9−169161号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらは、確かに媒体としての偽造そのものは困難であるが、印字データ自体の変造(改ざん)に対しては、無防備な場合も少なからずあった。
つまり、ホログラムラベルの上に印字することはできず、また、印字した後でホログラムラベルを上から貼り込むことは、印字データが判読できなくなる(又は、判読しにくくなる)ことから、ホログラムラベルは、印字データとは重ならない位置に貼らなければならない。
【0008】
また、パールインキの場合も同様であり、パールインキに限らず、インキ上は印字トナー(IJであればIJインキ)の定着性が悪くなるため、印字部分に重ならない位置に配置しなければならない。
【0009】
本発明の課題は、データそのもののセキュリティ性を高めるようにしたデータセキュリティフォームとその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、基材の表出する面に第1のデータを設け、前記基材の表出しない内部の少なくとも1層に第2のデータを設け、前記第2のデータは、前記基材を透かして判読でき、前記第1及び第2のデータは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となること、を特徴とするデータセキュリティフォームである。
【0011】
請求項2の発明は、表出する面に第1のデータが印字された第1の基材と、前記第1の基材の下側に貼り合わされ、第2のデータが印字された少なくとも1つの第2の基材とを備え、前記第2のデータは、前記第1及び/又は第2の基材を透かして判読でき、前記第1及び第2のデータは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となること、を特徴とするデータセキュリティフォームである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のデータセキュリティフォームにおいて、前記第1及び第2のデータは、氏名、会員番号、住所、電話番号、発行番号、金銭、日時に代表される本人又は伝票自体、伝票発行業務を特定するための識別に関連するデータであること、を特徴とするデータセキュリティフォームである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のデータセキュリティフォームにおいて、前記各基材は、フォーム用上質紙、上質紙、中質紙を含む透過性の低い紙、又は、PET、PP、PVCを含む乳白色の透過性の低い合成紙であること、を特徴とするデータセキュリティフォームである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のデータセキュリティフォームを製造するデータセキュリティフォームの製造方法において、前記第1の基材の第1のデータと、前記第2の基材に前記第2のデータとを、同一のプリンタによって同時に印字する印字工程と、前記第1の基材と前記第2の基材を、前記第2のデータが表出しないように略全面を貼り合わせる貼り合わせ工程と、を備えることを特徴とするデータセキュリティフォームの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるデータセキュリティフォームの第1実施形態を示した図である。
第1実施形態のデータセキュリティフォーム10は、パスワードの通知書を例にしたものであり、第1の基材11と、第2の基材12とを備えている。
第1の基材11は、表出する面(第1の基材11の表面)に第1のデータaが印字された用紙である。
第2の基材12は、第1の基材11と貼り合わされ、表出しない内部(第2の基材12の表面)に第2のデータbが印字された用紙である。
【0016】
第1及び第2の基材11、12は、フォーム用上質紙、上質紙、中質紙等の透過性の低い紙、又は、PET、PP、PVC等の乳白色の透過性の低い合成紙を用いることができる。
第1及び第2のデータa,bは、例えば、氏名、会員番号、住所、電話番号、発行番号、金銭、日時に代表される本人又は伝票自体、伝票発行業務を特定するための識別に関連するデータであり、第1及び第2のデータa,bは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となるデータである。
この第2のデータは、第1、第2の基材11、12を透かして判読できる。例えば、このフォーム10の背面に光源を置いて、光学的に透かして判読することができる。
【0017】
このデータセキュリティフォーム10は、第1の基材11の第1のデータaを、第2の基材12に第2のデータbを、同一のプリンタによって同時に印字し(印字工程)、第1の基材11と第2の基材12を、第2のデータbが表出しないように略全面を貼り合わせる(貼り合わせ工程)。
第1のデータaと第2のデータbを、同一のプリンタによって同時に印字することにより、データのマッチングミスがなくなる。
第2のデータbが表出しないように、第1、第2の基材11、12の略全面を貼り合わせるので、各データ単体a,bでは十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となるデータとなる。
【0018】
次に、具体的な製造例をあげて、さらに詳しく説明する。
(1)第1の基材11として、210mm幅の左右に、各12. 7mm幅のマージナルパンチ(貼り合わせの位置決めのために)を設けた235. 4mm幅のNIP用上質紙に対して、所定の印字(第1のデータ)aを行う。
ここでは、印字aは、氏名と、問合せ先電話番号である。
(2)次いで、第2の基材12として、同様に、210mm幅の左右に各12. 7mm幅のマージナルパンチを設けた同一幅のNIP用上質紙に所定の印字(第2のデータ)bを行う。
ここでは、印字bは、通知の日付、パスワード、有効期限の日付である。
(3)印字aと印字bは、少なくとも一部に関連性を有するデータが存在していて、いずれか1方のみでは、不十分なデータである。
【0019】
(4)この印字された第1の基材11に、印字された第2の基材12を、印字aが表出し、印字bが内在するように貼り合わせる。
(5)印字bのうち、少なくとも一部の印字データは、第1の基材11、及び/又は、第2の基材12の面から見て、背面に光源を有した場合に、透過して判読できるように工夫されている。
(6)その結果、表出する印字aのデータと、内在された印字bとが、重ね合わせたときに、完全な情報となるデータとなり、その正確さが保証される。
【0020】
このように、本実施形態によれば、第1の基材11の表出する面に第1のデータaを設け、第2の基材12の表面の表出しない内部に第2のデータbを設け、第2のデータbは、第1及び/又は第2の基材11、12を透かして判読できるようにしたので、第1及び第2のデータa,bは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となり、その正確さが保証されることとなる。
【0021】
(第2実施形態)
図2は、本発明によるデータセキュリティフォームの第2実施形態を示した図である。
第2実施形態のデータセキュリティフォーム10−2は、特別割引券を例にしたものであり、第1の基材11と、第2の基材12とを備え、第1の基材11には、表出する面(第1の基材11の表面)に第1のデータaとして、「特別 券」、「000円」と印字されており、第2の基材12は、第1の基材11と貼り合わされ、第2の基材12には、第2のデータbとして、「割引」、「100,」と印字されている。
【0022】
このように、第2実施形態は、第1及び第2のデータa,bは、各データ単体では意味をなさない情報であり、第2のデータbは、第1の基材11を透かして目視により判読し、重ね合わせたときに、完全な情報となる割符情報であり、特別割引券が真正であると判断することができる。
【0023】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1) 例えば、第1の基材11の裏面に、鏡像で第2のデータbを印字するようにしてもよい。
(2)また、第2の基材12の裏面から、透かし第2のデータbを判読するようにしてもよい。この場合、表出する第1のデータaは、裏面にのみ設けられていてもよいし、表裏両面に設けられていてもよい。
(3) 第1のデータaと第2のデータbとは、貼り合わされたときに、重なるように配置してもよい(重なったときに文字を構成する)。このようにすれば、改ざんされるまで、第2のデータbが割符として、存在することを認識させないようにすることができる。
(4) 通知書の例で説明したが、請求書、保険証、証券、金券等、偽造や改ざんを防止したい書類に適用できる。
(5) 第1及び第2の基材は、透過率の低い例で説明したが、いずれか一方のの基材は、透過率がよいものを使用するようにしてもよい。
(6) 第2の基材は、1枚の例で説明したが、第2の基材を2枚以上にして、第1の基材と合わせて3枚以上の基材からなるフォームとすれば、よりセキュリティを向上させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、基材の表出する面に第1のデータを設け、基材の表出しない内部に第2のデータを設け、その第2のデータは、基材を透かして判読できるようにし、第1及び第2のデータは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となり、その正確さが保証されることとなる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデータセキュリティフォームの第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明によるデータセキュリティフォームの第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10、10−2 データセキュリティフォーム
11 第1の基材
12 第2の基材
a 第1のデータ
b 第2のデータ
Claims (5)
- 基材の表出する面に第1のデータを設け、
前記基材の表出しない内部の少なくとも1層に第2のデータを設け、
前記第2のデータは、前記基材を透かして判読でき、
前記第1及び第2のデータは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となること、
を特徴とするデータセキュリティフォーム。 - 表出する面に第1のデータが印字された第1の基材と、
前記第1の基材の下側に貼り合わされ、第2のデータが印字された少なくとも1つの第2の基材とを備え、
前記第2のデータは、前記第1及び/又は第2の基材を透かして判読でき、
前記第1及び第2のデータは、各データ単体では十分な情報ではなく、重ね合わせたときに、完全な情報となること、
を特徴とするデータセキュリティフォーム。 - 請求項1又は請求項2に記載のデータセキュリティフォームにおいて、
前記第1及び第2のデータは、氏名、会員番号、住所、電話番号、発行番号、金銭、日時に代表される本人又は伝票自体、伝票発行業務を特定するための識別に関連するデータであること、
を特徴とするデータセキュリティフォーム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のデータセキュリティフォームにおいて、
前記各基材は、フォーム用上質紙、上質紙、中質紙を含む透過性の低い紙、又は、PET、PP、PVCを含む乳白色の透過性の低い合成紙であること、
を特徴とするデータセキュリティフォーム。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のデータセキュリティフォームを製造するデータセキュリティフォームの製造方法において、
前記第1の基材の第1のデータと、前記第2の基材に前記第2のデータとを、同一のプリンタによって同時に印字する印字工程と、
前記第1の基材と前記第2の基材を、前記第2のデータが表出しないように略全面を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を備えることを特徴とするデータセキュリティフォームの製造方法。
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JP2003175659A JP2005007777A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | データセキュリティフォームとその製造方法 |
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