JP2005007297A - 沈降分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホッパ部を無くすことにより槽高を低くでき、かつ固形物を槽底部に堆積させることなく廉価な設備投資により、沈降固形物を効果的に所定箇所に集め、槽外に排出可能とした沈降分離装置を提供する。
【解決手段】沈降分離装置1は、沈降分離槽2と、略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段3と、槽底部に集積された固形物を抜き出すための固形物排出手段4とからなる。前記渦流生成手段3は、例えば沈降分離槽内に、略円周方向に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプとすることができ、前記固形物排出手段4は例えば槽底部の略中央位置に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】沈降分離装置1は、沈降分離槽2と、略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段3と、槽底部に集積された固形物を抜き出すための固形物排出手段4とからなる。前記渦流生成手段3は、例えば沈降分離槽内に、略円周方向に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプとすることができ、前記固形物排出手段4は例えば槽底部の略中央位置に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類とすることができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形物混ざりの液体から固形物を効率良く分離可能とした沈降分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固形物混じりの液体から固形分を分離除去するための沈降分離装置が知られている。例えば、汚泥処理の分野では、汚泥中の固形分を除去するために凝集剤を添加した後、凝集フロックを沈降させて分離するために凝集沈降分離装置が設けられ、また下水処理の分野では、生下水中の微細な浮遊物を自然沈降又は傾斜板により沈降分離するために最初沈殿池(沈殿槽)が設置され、エアレーション等の活性汚泥処理法や散水ろ床などの生物処理を経た後、さらに生物処理過程で生じた余剰汚泥を除去するために最終沈殿池等の沈降分離装置が設けられている。
【0003】
前記沈降分離装置では、スラッジ、スカム、余剰汚泥等の沈降固形分を1箇所に集め槽外に排出する必要がある。従来の場合は一般的に、下記特許文献1、2等に示されるように、回転式レーキ等の掻き寄せ機を槽内に設け、槽底部に堆積したスカムを槽の中央に掻き寄せた後、引抜きポンプ等によって排出したり、下記特許文献3に示されるように、槽底部をホッパ形状(逆円錐形状)とし、沈降した固形分が槽底面を滑り落ちるようにして中央1箇所に集積されるようにし、引抜きポンプ等により排出するようにしている。この場合、槽底面の傾斜角度は概ね45〜60度程度とされる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−299705号公報
【特許文献2】
特開2002−143842号公報
【特許文献3】
特開2000−84595号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、掻き寄せ機を槽内に設ける場合には、装置が大掛かりとなり多大な設備コストが掛かるようになる。従って、下水処理施設等の大規模施設の場合には導入が可能であるけれども、小規模施設や仮設備の場合には導入が実質的に困難であるなどの問題があった。
【0006】
一方、槽底部をホッパ形式とする場合には、コスト的には非常に安価で済むけれども、ホッパ部の分だけ槽高が高くなるとともに、特に粘性を有する固形分の場合には、傾斜面に付着し、これが徐々に成長(堆積)すると、傾斜面に沿って固形分が滑り落ちないようになるため、清掃等の定期的なメンテナンスを頻繁に必要とするなどの問題があった。
【0007】
一方で、魚養殖システムの糞、餌等の沈殿槽において、これら固形物をホッパ形状の沈殿槽で分離除去しようとすると、これらの固形物は集積効果が極めて悪く、かつ数日間放置すると、堆積物が気泡を発生するようになり水面に浮上してくる問題があり、人為的操作によって定期的かつ強制的に除去する必要があることが知見された。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、ホッパ部を無くすことにより槽高を低くでき、かつ固形物を槽底部に堆積させることなく廉価な設備投資により、沈降固形物を効果的に所定箇所に集積し、槽外に排出可能とした沈降分離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、沈降分離槽と、略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段と、槽底部に集積された固形物を抜き出すための固形物排出手段とからなることを特徴とする沈降分離装置が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明においては、渦流生成手段により被処理水に略鉛直軸回り方向の渦流を与え、沈降した固形物を一旦浮遊させた後、渦流生成手段の運転を停止させると、浮遊した固形物が渦が弱まる過程で徐々に渦の中心に集まり、その後に槽底部に堆積するようになるため、これを固形物排出手段により槽外に抜き出すようにする。この操作により固形物を槽底部に堆積させることなく、槽外に排出可能となる。また、固形物の集積に渦流作用を利用するようにしたものであり、掻き寄せ機を設ける必要もなく、かつ槽底部形状をホッパ形状とする必要もなくなり、槽高を低くできるようになるとともに、廉価な設備投資で済むようになる。
【0011】
請求項2に係る本発明として、前記渦流生成手段は、沈降分離槽内に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプである請求項1記載の沈降分離装置が提供される。
【0012】
請求項3に係る本発明として、前記渦流生成手段は、一端側および他端側を層内に臨ませるとともに、中間にラインポンプを配設した管路を形成し、前記一端側から引き抜いた水を他端側から吐出させることにより渦流を生成可能としたものである請求項1記載の沈降分離装置が提供される。
【0013】
請求項4に係る本発明として、前記固形物排出手段は、槽底部に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類である請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置が提供される。
【0014】
請求項5に係る本発明として、前記固形物排出手段は、槽底部に吸込口を臨ませた排出路と、排出路の途中に設けられたラインポンプとからなる請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る沈降分離装置1及び引き抜いた固形物を好気処理するための接触酸化槽5の縦断面図である。図2は沈降分離装置1の平面図である。
【0016】
同図に示される沈降分離装置1は、陸上魚養殖システムにおいて、糞・餌等の固形物を含む海水から前記固形物を除去するための沈降分離装置の例である。
【0017】
前記沈降分離装置1は、沈降分離槽2と、間欠的に略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段3と、槽底部の略中央位置に集められた固形物を排出するための固形物排出手段4とからなるものである。また、図示例では前記沈降分離装置1に隣接して接触酸化槽5が設けられ、沈降分離槽2から引き抜いた固形物中に大量に含まれる有機物を生物化学的に浄化処理するようにしている。すなわち、前記接触酸化槽5においては、例えばツリー状微生物担体6、6…が水中に浸漬状態で設置され、槽内に流入した有機物を大量に含む汚濁水が前記ツリー状微生物担体6に担持されている細菌類、菌類、原生動物、および微小後生動物等の微生物群によって生物分解されることによってアンモニアや有機物が除去されるようになっている。また、前記接触酸化槽5の底部には散気管7が配置され、この散気管7から供給される酸素が前記微生物群に十分に供給されることにより、好気性微生物群が活発に活動し有機体を生物膜に転化し浄化するようになっている。前記接触酸化処理によって完全に無害化された海水は、養殖水として再利用しても良いし、そのまま海へ放流処理するようにしてもよい。なお、微生物担体としては、前記ツリー状微生物担体6の他、多数の横方向繊維糸条を縦方向の糸または固定部材で結束して面状としたもの、ネット状のものなど多種のものを使用することができる。
【0018】
前記沈降分離装置1の沈降分離槽2としては、好ましくは槽高を低くするために平底でかつ、渦流の生成し易いように平面形状が円形のタンクが使用される。なお、仮に固形物の集積効率を上げるために槽底形状を逆円錐形状としても良いが、この場合でも従来のように傾斜角度45〜60°とする必要はなく、若干の傾斜で済むようになる。
【0019】
前記渦流生成手段3としては、例えば図示されるように、沈降分離槽2内に、略円周方向に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプとすることができる。また、図3に示されるように、一端側10aを層内に臨ませ、かつ他端側10bを略円周方向に向けて配設するとともに、中間にラインポンプ11を配設した管路10を形成し、前記一端側10aから引き抜いた水を他端側10bから吐出させることにより渦流を生成可能とするものであっても良い。これらは、ポンプに対する給電の切り換え制御により間欠的に運転制御されるようになっている。なお、前記渦流生成手段3は上記例に限定されることなく、被処理水に渦流を与えられるものであればどのような構造であってもよい。
【0020】
一方、前記固形物排出手段4としては、沈降分離槽2の底部略中央に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類が好適に使用可能とされる。また、前記固形物排出手段4は、図4に示されるように、沈降分離槽2の底部略中央に吸込口12aを臨ませた排出路12と、排出路12の途中に設けられたラインポンプ13とからなる排出装置とすることでもよい。なお、前記固形物排出手段4は上記例に限定されることなく、堆積した固形物を排出可能であればどのような構造であってもよい。
【0021】
かかる沈降分離装置1においては、沈降分離槽2内に糞、餌等が混じった海水(養殖水)を投入したならば、渦流生成手段3により内部で強い水平撹拌流を発生させ、所定時間撹拌を行ったならば運転を停止させる。槽底部に堆積していた沈殿物は一旦浮遊し、渦流に乗った固形物は渦が弱まるに従って徐々に渦の中心側(槽中心)に集まり、次第に沈降し槽底部の略中央位置に堆積する。沈降がほぼ終了したならば、固形物排出手段4のポンプを駆動し、堆積した固形物を槽外に抜き出し接触酸化槽5に移動させる。その後は、接触酸化槽5において、微生物群による生物化学的処理によってアンモニアや有機物を分解し完全に無害化したならば、再び養殖水として再利用しても良いし、そのまま海へ放流処理するようにする。なお、固形物が取り除かれた養殖水(海水)は飼育槽へ返送するようにする。
【0022】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、比較的径の小さい円形の沈降分離槽2を対象としたため、槽中心部に渦流の軸線が発生し、その結果、槽底部中心に固形物が堆積されることになるが、沈降分離槽2が大きい場合や複雑な平面形状を成している場合等には、渦流生成手段を複数配置することも考えられる。この場合には、渦流生成後に固形物が沈降する箇所にぞれぞれ固形物排出手段を配置するようにすればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、ホッパ部を無くすことにより槽高を低くでき、かつ固形物を槽底部に堆積させることなく廉価な設備投資により、沈降固形物を効果的に所定箇所に集積し、槽外に排出可能とした沈降分離装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る沈降分離装置1及び引き抜いた固形物を好気処理するための接触酸化槽5の縦断面図である。
【図2】沈降分離装置1の平面図である。
【図3】渦流生成手段3の他例を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図4】固形物排出手段4の他例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…沈降分離装置、2…沈降分離槽、3…渦流生成手段、4…固形物排出手段、5…接触酸化槽、6…ツリー状微生物担体、7…散気管
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形物混ざりの液体から固形物を効率良く分離可能とした沈降分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固形物混じりの液体から固形分を分離除去するための沈降分離装置が知られている。例えば、汚泥処理の分野では、汚泥中の固形分を除去するために凝集剤を添加した後、凝集フロックを沈降させて分離するために凝集沈降分離装置が設けられ、また下水処理の分野では、生下水中の微細な浮遊物を自然沈降又は傾斜板により沈降分離するために最初沈殿池(沈殿槽)が設置され、エアレーション等の活性汚泥処理法や散水ろ床などの生物処理を経た後、さらに生物処理過程で生じた余剰汚泥を除去するために最終沈殿池等の沈降分離装置が設けられている。
【0003】
前記沈降分離装置では、スラッジ、スカム、余剰汚泥等の沈降固形分を1箇所に集め槽外に排出する必要がある。従来の場合は一般的に、下記特許文献1、2等に示されるように、回転式レーキ等の掻き寄せ機を槽内に設け、槽底部に堆積したスカムを槽の中央に掻き寄せた後、引抜きポンプ等によって排出したり、下記特許文献3に示されるように、槽底部をホッパ形状(逆円錐形状)とし、沈降した固形分が槽底面を滑り落ちるようにして中央1箇所に集積されるようにし、引抜きポンプ等により排出するようにしている。この場合、槽底面の傾斜角度は概ね45〜60度程度とされる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−299705号公報
【特許文献2】
特開2002−143842号公報
【特許文献3】
特開2000−84595号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、掻き寄せ機を槽内に設ける場合には、装置が大掛かりとなり多大な設備コストが掛かるようになる。従って、下水処理施設等の大規模施設の場合には導入が可能であるけれども、小規模施設や仮設備の場合には導入が実質的に困難であるなどの問題があった。
【0006】
一方、槽底部をホッパ形式とする場合には、コスト的には非常に安価で済むけれども、ホッパ部の分だけ槽高が高くなるとともに、特に粘性を有する固形分の場合には、傾斜面に付着し、これが徐々に成長(堆積)すると、傾斜面に沿って固形分が滑り落ちないようになるため、清掃等の定期的なメンテナンスを頻繁に必要とするなどの問題があった。
【0007】
一方で、魚養殖システムの糞、餌等の沈殿槽において、これら固形物をホッパ形状の沈殿槽で分離除去しようとすると、これらの固形物は集積効果が極めて悪く、かつ数日間放置すると、堆積物が気泡を発生するようになり水面に浮上してくる問題があり、人為的操作によって定期的かつ強制的に除去する必要があることが知見された。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、ホッパ部を無くすことにより槽高を低くでき、かつ固形物を槽底部に堆積させることなく廉価な設備投資により、沈降固形物を効果的に所定箇所に集積し、槽外に排出可能とした沈降分離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、沈降分離槽と、略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段と、槽底部に集積された固形物を抜き出すための固形物排出手段とからなることを特徴とする沈降分離装置が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明においては、渦流生成手段により被処理水に略鉛直軸回り方向の渦流を与え、沈降した固形物を一旦浮遊させた後、渦流生成手段の運転を停止させると、浮遊した固形物が渦が弱まる過程で徐々に渦の中心に集まり、その後に槽底部に堆積するようになるため、これを固形物排出手段により槽外に抜き出すようにする。この操作により固形物を槽底部に堆積させることなく、槽外に排出可能となる。また、固形物の集積に渦流作用を利用するようにしたものであり、掻き寄せ機を設ける必要もなく、かつ槽底部形状をホッパ形状とする必要もなくなり、槽高を低くできるようになるとともに、廉価な設備投資で済むようになる。
【0011】
請求項2に係る本発明として、前記渦流生成手段は、沈降分離槽内に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプである請求項1記載の沈降分離装置が提供される。
【0012】
請求項3に係る本発明として、前記渦流生成手段は、一端側および他端側を層内に臨ませるとともに、中間にラインポンプを配設した管路を形成し、前記一端側から引き抜いた水を他端側から吐出させることにより渦流を生成可能としたものである請求項1記載の沈降分離装置が提供される。
【0013】
請求項4に係る本発明として、前記固形物排出手段は、槽底部に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類である請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置が提供される。
【0014】
請求項5に係る本発明として、前記固形物排出手段は、槽底部に吸込口を臨ませた排出路と、排出路の途中に設けられたラインポンプとからなる請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る沈降分離装置1及び引き抜いた固形物を好気処理するための接触酸化槽5の縦断面図である。図2は沈降分離装置1の平面図である。
【0016】
同図に示される沈降分離装置1は、陸上魚養殖システムにおいて、糞・餌等の固形物を含む海水から前記固形物を除去するための沈降分離装置の例である。
【0017】
前記沈降分離装置1は、沈降分離槽2と、間欠的に略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段3と、槽底部の略中央位置に集められた固形物を排出するための固形物排出手段4とからなるものである。また、図示例では前記沈降分離装置1に隣接して接触酸化槽5が設けられ、沈降分離槽2から引き抜いた固形物中に大量に含まれる有機物を生物化学的に浄化処理するようにしている。すなわち、前記接触酸化槽5においては、例えばツリー状微生物担体6、6…が水中に浸漬状態で設置され、槽内に流入した有機物を大量に含む汚濁水が前記ツリー状微生物担体6に担持されている細菌類、菌類、原生動物、および微小後生動物等の微生物群によって生物分解されることによってアンモニアや有機物が除去されるようになっている。また、前記接触酸化槽5の底部には散気管7が配置され、この散気管7から供給される酸素が前記微生物群に十分に供給されることにより、好気性微生物群が活発に活動し有機体を生物膜に転化し浄化するようになっている。前記接触酸化処理によって完全に無害化された海水は、養殖水として再利用しても良いし、そのまま海へ放流処理するようにしてもよい。なお、微生物担体としては、前記ツリー状微生物担体6の他、多数の横方向繊維糸条を縦方向の糸または固定部材で結束して面状としたもの、ネット状のものなど多種のものを使用することができる。
【0018】
前記沈降分離装置1の沈降分離槽2としては、好ましくは槽高を低くするために平底でかつ、渦流の生成し易いように平面形状が円形のタンクが使用される。なお、仮に固形物の集積効率を上げるために槽底形状を逆円錐形状としても良いが、この場合でも従来のように傾斜角度45〜60°とする必要はなく、若干の傾斜で済むようになる。
【0019】
前記渦流生成手段3としては、例えば図示されるように、沈降分離槽2内に、略円周方向に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプとすることができる。また、図3に示されるように、一端側10aを層内に臨ませ、かつ他端側10bを略円周方向に向けて配設するとともに、中間にラインポンプ11を配設した管路10を形成し、前記一端側10aから引き抜いた水を他端側10bから吐出させることにより渦流を生成可能とするものであっても良い。これらは、ポンプに対する給電の切り換え制御により間欠的に運転制御されるようになっている。なお、前記渦流生成手段3は上記例に限定されることなく、被処理水に渦流を与えられるものであればどのような構造であってもよい。
【0020】
一方、前記固形物排出手段4としては、沈降分離槽2の底部略中央に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類が好適に使用可能とされる。また、前記固形物排出手段4は、図4に示されるように、沈降分離槽2の底部略中央に吸込口12aを臨ませた排出路12と、排出路12の途中に設けられたラインポンプ13とからなる排出装置とすることでもよい。なお、前記固形物排出手段4は上記例に限定されることなく、堆積した固形物を排出可能であればどのような構造であってもよい。
【0021】
かかる沈降分離装置1においては、沈降分離槽2内に糞、餌等が混じった海水(養殖水)を投入したならば、渦流生成手段3により内部で強い水平撹拌流を発生させ、所定時間撹拌を行ったならば運転を停止させる。槽底部に堆積していた沈殿物は一旦浮遊し、渦流に乗った固形物は渦が弱まるに従って徐々に渦の中心側(槽中心)に集まり、次第に沈降し槽底部の略中央位置に堆積する。沈降がほぼ終了したならば、固形物排出手段4のポンプを駆動し、堆積した固形物を槽外に抜き出し接触酸化槽5に移動させる。その後は、接触酸化槽5において、微生物群による生物化学的処理によってアンモニアや有機物を分解し完全に無害化したならば、再び養殖水として再利用しても良いし、そのまま海へ放流処理するようにする。なお、固形物が取り除かれた養殖水(海水)は飼育槽へ返送するようにする。
【0022】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、比較的径の小さい円形の沈降分離槽2を対象としたため、槽中心部に渦流の軸線が発生し、その結果、槽底部中心に固形物が堆積されることになるが、沈降分離槽2が大きい場合や複雑な平面形状を成している場合等には、渦流生成手段を複数配置することも考えられる。この場合には、渦流生成後に固形物が沈降する箇所にぞれぞれ固形物排出手段を配置するようにすればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、ホッパ部を無くすことにより槽高を低くでき、かつ固形物を槽底部に堆積させることなく廉価な設備投資により、沈降固形物を効果的に所定箇所に集積し、槽外に排出可能とした沈降分離装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る沈降分離装置1及び引き抜いた固形物を好気処理するための接触酸化槽5の縦断面図である。
【図2】沈降分離装置1の平面図である。
【図3】渦流生成手段3の他例を示す、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図4】固形物排出手段4の他例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…沈降分離装置、2…沈降分離槽、3…渦流生成手段、4…固形物排出手段、5…接触酸化槽、6…ツリー状微生物担体、7…散気管
Claims (5)
- 沈降分離槽と、略鉛直軸回り方向の渦流を発生可能な渦流生成手段と、槽底部に集積された固形物を抜き出すための固形物排出手段とからなることを特徴とする沈降分離装置。
- 前記渦流生成手段は、沈降分離槽内に吐出口を向けて配設された撹拌用吐出ポンプである請求項1記載の沈降分離装置。
- 前記渦流生成手段は、一端側および他端側を層内に臨ませるとともに、中間にラインポンプを配設した管路を形成し、前記一端側から引き抜いた水を他端側から吐出させることにより渦流を生成可能としたものである請求項1記載の沈降分離装置。
- 前記固形物排出手段は、槽底部に配置された雑排出用水中ポンプ、汚物用水中ポンプ、汚水用水中ポンプ類である請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置。
- 前記固形物排出手段は、槽底部に吸込口を臨ませた排出路と、排出路の途中に設けられたラインポンプとからなる請求項1〜3いずれかに記載の沈降分離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174741A JP2005007297A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 沈降分離装置 |
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JP2003174741A JP2005007297A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 沈降分離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005007297A true JP2005007297A (ja) | 2005-01-13 |
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---|---|---|---|
JP2003174741A Withdrawn JP2005007297A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 沈降分離装置 |
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JP (1) | JP2005007297A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016132064A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | いすゞ自動車株式会社 | トルネード式ゴミ回収装置 |
CN114890590A (zh) * | 2022-06-21 | 2022-08-12 | 江西省交通运输科学研究院有限公司 | 一种生活污水处理装置及方法 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174741A patent/JP2005007297A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016132064A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | いすゞ自動車株式会社 | トルネード式ゴミ回収装置 |
CN114890590A (zh) * | 2022-06-21 | 2022-08-12 | 江西省交通运输科学研究院有限公司 | 一种生活污水处理装置及方法 |
CN114890590B (zh) * | 2022-06-21 | 2023-01-24 | 江西省交通运输科学研究院有限公司 | 一种生活污水处理装置及方法 |
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