JP2005007188A - 使い捨て生理用ショーツ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の使い捨て生理用ショーツは、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び該表面シートと該裏面シートとの間に介在する液保持性の吸収体を有し、上記裏面シートが、エラストマーからなるシートの少なくとも片面に伸長可能な不織布を積層した伸縮性シートから構成されており、上記表面シート及び上記吸収体が、着用者の少なくとも股間に位置するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
上記裏面シートが、エラストマーからなるシートの少なくとも片面に伸長可能な不織布を積層した伸縮性シートから構成されており、
上記表面シート及び上記吸収体が、着用者の少なくとも股間に位置するように配置されていることを特徴とする使い捨て生理用ショーツを提供することにより上記目的を達成したものである。
また、上記裏面シート3における上記背側部Aの左右両側縁部には、一対の連結パネル5,5’が、ホットメルトやヒートシール等の接合手段によって接合・固定されている。そして、該連結パネル5,5’を介して上記腹側部Cの左右両側縁部と上記背側部Aの左右両側縁部とを、それぞれ接合・固定することにより、図1に示すようにウエスト開口部6と、一対のレッグ開口部7,7’とが形成されるようになされている。
また、上記吸収体4としては、液を吸収・保持し得る機能を有するものが用いられ、その例としては、フラッフパルプ等の木材パルプと高吸収性ポリマー粒子の混合物を所定の形状となしたものや、二枚の吸収紙の間に高吸収性ポリマー粒子を保持・固定し、一体化したポリマー吸収紙等が挙げられる。
また、上記連結パネル5,5’としては、伸縮性を有する布帛を用いることも可能であり、その例としては、後述するエラストマーからなるシート等が挙げられる。また、該連結パネル5,5’は、不織布単層のものでもよい。
該伸縮性シートは、図2中、矢印Sで示すように、生理用ショーツ1の幅方向に伸縮可能になされており、該生理用ショーツ1の装着時に該伸縮性シートが着用者のウエスト部からレッグ部にかけてフィットし得るようになされている。
特に、上記エラストマーとして、メタロセン(シクロペンタジエニル錯体)を触媒として用いて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体(以下、「エチレン−α−オレフィン共重合体」というときにはこの共重合体を意味する)を用いることが、上記エラストマーシート10の加工性、該エラストマーシート10と上記伸長性不織布11との接着性、及び上記伸縮性シートの皮膚に対する低刺激性の点から好ましい。
また、共重合に際しては、上記シクロペンタジエニル錯体と共に通常用いられる助触媒を通常の使用量の範囲で使用することもできる。
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、その密度が0.90g/cm3以下であることが好ましく、0.880〜0.860g/cm3であることが更に好ましい。
上記永久歪が上記範囲外となるか又は上記ヒステリシス比が上記範囲外となると、得られる生理用ショーツ1のフィット性が低下する場合がある。
上記エラストマーシート10がフィルム状シートである場合には、該フィルム状シートは、公知のフィルム形成手段、例えばTダイを用いた溶融成形や、キャスト成形等により製造することができる。
一方、上記エラストマーシート10が不織布シートである場合には、該不織布シートは、公知の不織布形成手段、例えば、メルトブローン法やスパンボンド法等により製造することができ、特にメルトブローン法で製造されることが通気性と防漏性とを兼ね備える点から好ましい。
尚、上記永久歪は、試料(長さ:150mm×幅25mm)を、引張試験機に初期長さ100mmにて固定し、次いで、該試料を300mm/minの速度で100%伸長させ、伸長を解放した後の試料の長さ(伸長後長さ)を測定し、下記式より算出した。
永久歪(%)=〔(伸長後長さ−初期長さ)/初期長さ〕×100
該伸長性不織布11としては、伸長性を有し、風合いや感触が良好であり、且つ上記エラストマーシート10との積層が容易なものが用いられる。
上記伸長性不織布11として好ましいものの一例として、実質的に構成繊維間の結合点を有さず、構成繊維同士の絡合により一体化されてなる不織布(以下、この不織布を「不織布A」という)が挙げられる。不織布Aは構成繊維同士の絡合により不織布としての形態を保っているので、機械的な外力が加わった場合に絡合点が容易に移動することによって変形、即ち伸長することが可能となる。不織布Aとしては、スパンレース不織布やニードルパンチ不織布等が挙げられ、特に風合いや生産性の点からスパンレース不織布を用いることが好ましい。
該繊維としては、各種熱可塑性樹脂からなる繊維、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル及びポリアミド等からなる繊維の一種又は二種以上や、これら熱可塑性樹脂からなる繊維と天然繊維(コットン、レーヨン等)との組み合わせを用いることができる。また、該繊維が熱可塑性樹脂からなる繊維である場合には、低融点成分と高融点成分とからなる各種複合繊維、例えば、芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維を用いることもできる。
また、該繊維の太さは、上記不織布の伸長性、柔軟性及び風合い等の点から細い程好ましく、特に好ましくは3デニール以下である。太さの下限には特に制限はないが実際の生産上0.1デニール程度迄である。
同様に、上記伸長性不織布11は、その坪量に特に制限はないが、コスト等の観点から15〜50g/m2であることが好ましく、15〜30g/m2であることが更に好ましい。
尚、上記破断伸度は、試料(長さ:150mm×幅25mm)を、引張試験機に初期長さ100mmにて固定し、次いで、該試料を300mm/minの速度で伸長させて破断したときの長さ(破断時長さ)を測定し、下記式より算出した。
破断伸度(%)=〔(破断時長さ−初期長さ)/初期長さ〕×100
特に、上記伸長性不織布11の有する繊維間空隙に、上記エラストマーシート10を構成するエラストマーが実質的に存在しないようにするためには、両者を点接合(ポイントボンド)することが好ましい。該点接合の方法としては、エンボスによる点接合や、接着剤による点接合が挙げられる。
この場合、上記伸縮性シートの伸縮方向に沿う固定(とりわけ点接合)された部位は規則的であることが好ましく、該部位間の間隔はシートの接合力(接着力)及びシートの伸縮物性、並びにシートのドレープ性の点から1.0〜10mmであることが好ましく、1.0〜5.0mmであることが更に好ましい。また、固定(とりわけ点接合)された部位の個々の面積は、上記伸縮性シートの剛性及び伸縮物性の点から0.1〜3.0mm2であることが好ましく、0.1〜2.0mm2であることが更に好ましい。更に、固定(とりわけ点接合)された部位の総面積は複合シートの剛性及び伸縮物性の点から、上記伸縮性シートの面積の1〜30%であることが好ましく、1〜20%であることが更に好ましい。
尚、上記伸長応力は、試料(長さ:150mm×幅25mm)を、引張試験機に初期長さ100mmにて固定し、次いで、該試料を300mm/minの速度で100%伸長させたときの応力の値である。
尚、上記永久歪は、上述のエラストマーシートの永久歪の測定方法と同様の方法により測定される。
また、本実施形態の生理用ショーツに用いられている上記伸縮性シートは、その坪量が30〜180g/m2であることが好ましく、30〜100g/m2であることが更に好ましい。該坪量が30g/m2に満たないとコシがなくてショーツとして装着しづらくなることがあり、180g/m2を超えると剛性が高くなりフィット性が低下することがあるので上記範囲内とすることが好ましい。
尚、図4〜図7に示す第2〜第4の実施形態においては、図1〜図3に示す第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については第1の実施形態について詳述した説明が適宜適用される。また、図4〜図7において図1〜図3と同じ部材については同じ符号を付した。
また、図6(a)に示す生理用ショーツを図6(b)の様に構成することにより図6(a)よりも更に伸縮性を向上させることができ、フィット性にすぐれた生理用ショーツが得られる。
また、下層シート15が、上記吸収体4の下面及び側面を被覆し、更に上記表面シート2の左右両側方部を被覆しており、接合部14,14’において該下層シート15と該表面シート2とが、ホットメルト等の接合手段によって接合固定されている。更に防漏シート12,12’が上記下層シート15に連設されている。図7に示すように、該防漏シート12,12’は、上記下層シート15から一体的に形成されている。該下層シート15及び該防漏シート12,12’は伸長可能なシートから構成されており、該伸長可能なシートの例としては、上記伸縮性シートを構成する伸長性不織布等が挙げられる。
斯かる構成の生理用ショーツにおいては、立体ガードを形成する上記防漏シート12,12’が伸長性を有するので、生理用ショーツの着用中に該防漏シート12,12’が着用者の動きに容易に追従して着用者の身体へのフィット性が更に一層向上し、液漏れが防止される。また、上記下層シート15が伸長性を有するので、該下層シート15の全面を裏面シート3と接合・固定しても該裏面シート3の伸縮性が阻害されることはない。
例えば、裏面シート3を構成する上記伸縮性シートは、上記エラストマーシート10の片面にのみ上記伸長性不織布11が積層された2層構造となっていてもよい。この場合、上記伸縮性シートは、その伸長性不織布側が生理用ショーツの外方を向くように配設される。
また、上記伸縮性シートに、生理用ショーツの裏面シートとしての他の機能を付与するために、上記エラストマーシート10及び上記伸長性不織布11に加えて他のシート或いは布帛等を更に積層してもよい。
また、上記連結パネル5,5’は、上記裏面シート3と一体的に形成されていてもよい。
また、図3、図5及び図8に示す実施形態においては、接合部8は、生理用ショーツの長手方向中心線上に連続的に設けられている必要はなく、断続的なドット状に設けられていてもよい。
また、図5及び図6に示す実施形態においては、防漏シート12,12’は、吸収体4の両側縁部よりも内方の位置から立ち上がっていてもよい。
また、図7に示す実施形態においては、下層シート15に連設される防漏シート12,12’は、該下層シート15と一体的に形成されている必要はなく、該下層シート15に連設されていれば別体から形成されていでもよい。
メタロセンを触媒として用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルム(ダウ・ケミカル社製、厚み:23μm、坪量20g/m2、永久歪:15%)の両面に、ポリプロピレン繊維からなるスパンボンド不織布(0.5g/cm2下での厚み:300μm、坪量20g/m2、破断伸度:250%)を重ね合わせ、これらを一対のエンボスロール間に挿通させてこれらを接合・固定して、伸縮性シートを得た。尚、該エンボスロールによるこれらの接合・固定は、温度80℃、線圧5kg/cmの条件下、該伸縮性シートの伸縮方向に沿って、面積0.5mm2である円形の圧縮接合部位が2mmの間隔で規則的に多数形成されるように行った。その結果、上記スパンボンド不織布を構成するポリプロピレン繊維間には、上記エチレン−α−オレフィン共重合体は実質的に存在していなかった。
得られた伸縮性シートについて、永久歪及び100%伸張応力を測定すると共に下記の方法で風合いを評価した。その結果を表1に示す。
パネラー10人に評価してもらい、
良いと回答した人が10〜8人の場合を◎とし、
良いと回答した人が7〜4人の場合を○とし、
良いと回答した人が3〜2人の場合を△とし、
良いと回答した人が1人以下の場合を×とした。
実施例1において用いたスパンボンド不織布に代えて、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維から形成されたヒートロール不織布(0.5g/cm2下での厚み:600μm、坪量:20g/m2、破断伸度:200%)を用いる以外は実施例1と同様にして伸縮性シートを得た。
得られた伸縮性シートについて、実施例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表1に示す。
また、得られた伸縮性シートを裏面シートとして用い、実施例1と同様にして生理用ショーツを作製した。得られた生理用ショーツは、身体へのフィット性が良好であり、肌触りや風合いに優れるものであった。
実施例2において用いたエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムに代えて、エチレン−α−オレフィン共重合体からなるスパンボンド不織布(0.5g/cm2下での厚み:100μm、坪量:20g/m2、永久歪15%)を用いる以外は実施例2と同様にして伸縮性シートを得た。
得られたシートについて実施例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表1に示す。
また、得られた伸縮性シートのJIS L 1096に従って測定された通気度は50cc/cm2・secであった。
また、得られた伸縮性シートを裏面シートとして用い、実施例1と同様にして生理用ショーツを作製した。得られた生理用シーョツは、身体へのフィット性が良好であり、肌触りや風合いに優れるものであった。
実施例1において用いたスパンボンド不織布に代えて、ポリエチレンテレフタレート繊維から形成されたスパンレース不織布(0.5g/cm2下での厚み:450μm、坪量:25g/m2、破断伸度:150%)を用い、且つエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムに代えて、ウレタンフィルム〔厚さ:20μm、坪量:20g/m2、永久歪:15%、透湿度:1.2g/(cm2・hr)〕を用いる以外は実施例1と同様にして伸縮性シートを得た。
得られた伸縮性シートについて、実施例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表1に示す。
また、得られた伸縮性シートのJIS Z 0208に従って測定された透湿度は1.2g/(cm2・hr)であった。
また、得られた伸縮性シートを裏面シートとして用い、実施例1と同様にして生理用ショーツを作製した。得られた生理用ショーツは、身体へのフィット性が良好であり、肌触りや風合いに優れるものであった。
実施例4において用いたポリエチレンテレフタレート繊維から形成されたスパンレース不織布に代えて、レーヨン繊維からなるスパンレース不織布(0.5:g/cm2下での厚み:500μm、坪量:25g/m2、破断伸度:200%)を用い、且つ該スパンレース不織布とウレタンフィルムとを粘着剤を用いて接着した以外は実施例1と同様にして伸縮性シートを得た。
得られた伸縮性シートについて、実施例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表1に示す。
また、得られた伸縮性シートを裏面シートとして用い、実施例1と同様にして生理用ショーツを作製した。得られた生理用ショーツは、身体へのフィット性が良好であり、肌触りや風合いに優れるものであった。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5,5’ 連結パネル
10 エラストマーシート
11 伸長性不織布
Claims (8)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び該表面シートと該裏面シートとの間に介在する液保持性の吸収体を有する使い捨て生理用ショーツであって、
上記裏面シートが、エラストマーからなるシートの少なくとも片面に伸長可能な不織布を積層した伸縮性シートから構成されており、
上記表面シート及び上記吸収体が、着用者の少なくとも股間に位置するように配置されていることを特徴とする使い捨て生理用ショーツ。 - 上記伸縮性シートの100%伸長応力が50〜1000g/25mmである、請求項1記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸長可能な不織布が、実質的に構成繊維間の結合点を有さず、構成繊維同士の絡合により一体化されてなる不織布である、請求項1又は2記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸長可能な不織布が、構成繊維間の融着による多数の結合点を有し、構成繊維長が隣接する該結合点間の距離よりも大きくなされている不織布である、請求項1又は2記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸長可能な不織布が、上記結合点の部分的破壊又は繊維の切断により破断することなしに伸長可能な不織布である、請求項3又は4記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸長可能な不織布の有する繊維間空隙に、上記エラストマーが実質的に存在しない、請求項1〜5の何れかに記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸縮性シートにおける上記伸長可能な不織布と上記エラストマーからなるシートとが、該伸縮性シートの伸縮方向に沿って断続的に形成された多数の固定部位によって固定されている、請求項1〜6の何れかに記載の使い捨て生理用ショーツ。
- 上記伸縮性シートが、上記伸長可能な不織布と上記エラストマーからなるシートとをエンボスにより圧縮接合した多数の固定部位、及び該不織布と該シートとが実質的に接合されていない非圧縮部位を有する、請求項7記載の使い捨て生理用ショーツ。
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