JP2005006790A - X線デジタル画像撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】さまざまな環境下に持ち運ばれて使用されるモバイル用では、外来性のノイズでノイジーな環境も考えられるが、こうした環境下でも良好な画質を提供する。
【解決手段】X線画像を検出するマトリックスセンサと該センサから出力された画像データを所定パラメータにより画像処理する手段とX線発生装置に対して各種爆射などの撮影条件を与える手段とシステムコントロール用のPCと外来性ノイズを検出する手段からなり、X線を爆射する前に該外来性ノイズ検出手段で外来性ノイズを検出し、その検出内容に応じて該画像処理パラメータ等を変化させることを特徴とするX線デジタル画像撮影システム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線を用いて被検体の撮像を行う撮像装置及び方法に関し、検出素子を駆動して信号を読み出して処理する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平6−342099の示されるようにX線のデジタル撮像装置として近年いわゆるフラットパネルセンサが台頭してきている。これらのセンサは従来のフィルムを使用した撮影システムに置き変わる可能性を秘めておりX画像を直接デジタル化したデータを出力することから今後の広範囲に渡る展開が期待されている。
【0003】
こうしたフラットパネルセンサは主にアモルファス系シリコンを用いるものが多く撮影面積の大型化や高精細化が求められるのと同時に高感度化や高SNが求められている。
【0004】
しかしながら、近年の医療機器、情報機器、携帯電話などは病院内でさまざまな外来性ノイズを発生し周囲に電磁界ノイズを漏洩している。中でも、CRT、液晶ディスプレイ、UPS、インバータ式X線発生装置などは、交流磁界を強力に放射しているものである。ヨーロッパ圏などでは、こうした漏洩磁界に対しての規制が強化されており、低減化に向けての取り組みがあるが、まだ一部であるためこのような問題はまだ残るものと思われる。
【0005】
フラットパネルセンサに対して影響を及ぼす、外来性ノイズとしては機器からの放射性ノイズ、伝導性ノイズが挙げられる。伝導性ノイズに関しては電源系のフィルタ強化等により比較的容易に対策することが可能であるが、放射性ノイズは空間に放射される電磁界ノイズでありフラットパネルにさまざまな角度から直接入射してくるためその対策は容易ではない。なかでも磁界ノイズからのシールド対策は一般的にも難しい。
【0006】
フラットパネル全体は金属製の筐体あるいはモールド筐体に電磁シールドを施したもので覆われており基本的に電磁シールドがなされた構造になっている。こうした構造から薄い金属箔でもシールド効果が得られる電界性のノイズに対しては充分な効果がありEMC試験をクリアするものとなっている。しかし、強力な交流磁界に対してのシールド効果は低い。これは、磁界シールドは基本的にフラットパネルセンサ及び周辺回路を、磁気シールド効果の高い筐体で密閉することで効果を高めることが可能となるが、X線入射面に外来性ノイズ防御用シールド材(X線が透過するアルミ等)などを配置することはX線透過率が低下して高感度化を妨げるので難しい。このため、X線入射面から入ってくるノイズを防ぐことには限界がある。
【0007】
交流磁界が漏洩している機器側の対策として、シールド材でできる限り覆うことがあるが、このような対策である程度は低減化できるものの、扱う信号レベルが大変に低い本発明のような装置の場合、低減化した漏洩磁界でも、センサパネル及びアンプICを含めた信号検出系回路に電磁誘導を引き起こして画像上のノイズとなって影響を及ぼすことになる。特に撮影部がノイズ発生源に近接してくると相互間の空間距離が短くなるため影響はますます増大することになる。
【0008】
こうした交流磁界ノイズが重畳した場合、画像上には、ラインノイズが周期的に現れてくる。これは信号ラインをサンプルホールドする際に、外来の交流磁界による、誘導ノイズが信号上に重畳し、このノイズとの位相関係が、ラインごとで順次ずれて行くために所定の周波数のビートとして画像上のラインノイズとして出現してしまうためである。
【0009】
ラインノイズは撮影画像上に重畳されるため、画像品質を著しく低下させてしまい、医療用画像の場合は特に誤診などを引き起こすことにもつながるため大きな問題となる。
【0010】
また、モバイル型のセンサなどでは、特に多種環境の中で使用されることが考えられ、更に緊急用途として使用された場合、所望する画像が得られず大変に問題となることが考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、高感度化を妨げることなく外来性ノイズガあった場合においても安定した画像を提供することが可能なX線撮像装置を提供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的はX線画像を検出するフラットパネルセンサとX線発生装置に対して各種爆射などの撮影条件を与える手段とシステムコントロール用のPCと外来性電磁界ノイズを検出する手段からなり、X線を爆射する前に該外来性ノイズ検出手段で外来性ノイズを検出し、その検出内容に応じて該X線発生装置に与える撮影条件を変更させることを特徴とするX線デジタル画像撮影システムによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態を示すX線撮像システムの構成を示すブロック図である。
【0015】
ここで、10はX線室、12はX線制御室、14は診断室である。
【0016】
X線制御室12には、本X線撮像システムの全体的な動作を制御するシステム制御器20が配置される。X線曝射要求SW、タッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック及びフットスイッチなどからなる操作者インターフェース22は、操作者21が種々の指令をシステム制御器20に入力するのに使用される。操作者21の指示内容は、例えば、撮影条件(静止画/動画、X線管電圧、管電流及びX線照射時間など)、撮影タイミング、画像処理条件、被検者ID及び取込み画像の処理方法などがある。撮像制御器24は、X線室10に置かれるX線撮像系を制御し、画像処理器26はX線室10のX線撮像系による画像を画像処理する。
【0017】
画像処理器26における画像処理は、例えば、画像データの補正、空間フィルタリング、リカーシブ処理、階調処理、散乱線補正及びダイナミックレンジ(DR)圧縮処理などである。
【0018】
28は、画像処理器26により処理された基本画像データを記憶する大容量高速の記憶装置であり、例えば、(RAID)等のハードディスクアレーからなる。30は映像を表示するモニタディスプレイ(以下、モニタと略す。)、32はモニタ30を制御して種々の文字及び画像を表示させる表示制御器、34は、大容量の外部記憶装置(例えば、光磁気ディスク)、36はX線制御室12と診断室14とを接続し、X線室10での撮影画像などを診断室14の装置に転送するLANボードである。
【0019】
X線室10には、X線を発生するX線発生器40が置かれる。X線発生器40は、X線を発生するX線管球42、撮像制御器24により制御されてX線管球42を駆動する高圧発生源44、及びX線管球42により発生されたX線ビームを所望の撮像領域に絞り込むX線絞り46からなる。撮影用寝台48上に被検体としての患者50が横たわる。撮影用寝台48は、撮像制御器24からの制御信号に従って駆動され、X線発生器40からのX線ビームに対する患者の向きを変更できる。撮影用寝台48の下には、被検体50及び撮影用寝台48を透過したX線ビームを検出するX線検出器52が配置されている。
【0020】
X線検出器52は、グリッド54、シンチレータ56、光検出器アレー58及びX線露光量モニタ60の積層体と、光検出器アレー58を駆動する駆動器62とからなる。グリッド54は、被検体50を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減するために設けられている。グリッド54はX線低吸収部材と高吸収部材とからなり、例えば、AlとPbのストライプ構造からなる。光検出器アレー58とグリッド54との格子比の関係によりモアレが生じていることがないように、X線照射時には、X線検出器52は、撮像制御器24からの設定に基づいて駆動器62の制御信号に従いグリッド54を振動させる。
【0021】
シンチレータ56では、エネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起(吸収)され、その再結合エネルギーにより可視領域の蛍光が発生する。即ち、X線を可視光に変換する。
【0022】
その蛍光はCaWo4やCdWo4などの母体自身によるものや、CsI:T1やZnS:Agなどの母体内に付加された発光中心物質によるものがある。光検出器アレー58は、シンチレータ56による可視光を電気信号に変換する。
【0023】
X線露光量モニタ60は、X線透過量を監視する目的で配置される。X線露光量モニタ60としては、結晶シリコンの受光素子などを用いて直接X線を検出しても良いし、シンチレータ56による蛍光を検出してもよい。この実施形態では、X線露光量モニタ60は、光検出器アレー58の基板裏面に成膜されたアモルファスシリコン受光素子からなり、光検出器アレー58を透過した過視光(X線量に比例する。)を検知して、その光量情報を撮像制御器24に伝達する。撮像制御器24は、X線露光量モニタ60からの情報に基づいて高圧発生電源40を制御し、X線量を調節する。
【0024】
駆動器62は、撮像制御器24の制御下で光検出器アレー58を駆動し、各画素から信号を読み出す。なお、光検出器アレー58及び駆動器62の動作については、後で詳細に説明する。
【0025】
DC/DC電源65は、AC/DC電源801からのDC電圧をX線検出器52内の各回路に所定の電圧を供給するDC/DC電源である。
【0026】
外来電磁界検出器66は、外来性電磁界、特に交流磁界を検出する。
【0027】
この磁界を検出する方法として、ループコイル、ホール素子などがあげられる。
【0028】
磁界がどの方向からきても検出できるように、三軸方向にセンサを配置して検出する。
【0029】
なお、フラットパネルセンサの磁界に対しての耐性に方向性がある場合は、磁界の検出軸を限定することは当然可能である。また、検出方法としては、光検出器アレーのダミー部を磁界検出器としてもいい。
【0030】
ループコイルはX線検出器内に近接して内蔵される。なお発信源が特定されている場合、発信源に近接して配置することも可能である。
【0031】
ノイズ解析手段67は前記外来電磁界検出器66からの信号を受けて、信号増幅後、スペクトル解析あるいは帯域を制限した後レベルの検出を行い、外来ノイズを検出したことと共に、ノイズ情報を、駆動器62を介して。撮像制御器へ送出する。
【0032】
AC/DC電源801は、商用AC電源ラインより、所定のDC電圧に変換するX線撮影部外に設けられた電源である。
【0033】
診断室14には、LANボード36からの画像を画像処理したり、診断支援する画像処理端末70やLANボード36からの画像(動画像/静止画)を映像表示モニタ72、イメージ・プリンタ74及び画像データを格納するファイルサーバ76が設けられている。
【0034】
なお、システム制御器20からの各機器に対する制御信号は、X線制御室12内の操作者インターフェース22、或いは、診断室14内にある画像処理端末70からの指示により発生可能である。
【0035】
次に、システム制御器20の基本的な動作を説明する。
【0036】
システム制御器20は、X線撮像系のシーケンスを制御する撮像制御器24に、操作者21の指示に基づいて撮影条件を指令し、撮像制御器24は、その指令に基づき、X線発生器40、撮影用寝台48及びX線検出器52を駆動して、X線像を撮影させる。X線検出器52から出力されるX線画像信号は、画像処理器26に供給され、操作者21指定の画像処理を施されてモニタ30に画像表示され、同時に、基本画像データとして記憶装置28に格納される。システム制御器20は更に、操作者21の指示に基づいて、再画像処理とその結果の画像表示、ネットワーク上の装置への画像データの転送、保存、映像表示及びフィルム印刷等を実行する。
【0037】
次に、信号の流れに従って、図1に示すシステムの基本的な動作を説明する。
【0038】
X線発生器40の高圧電圧源44は、撮像制御器24からの制御信号に従いX線管球42にX線発生のための高圧を印加する。これにより、X線管球42はX線ビームを発生する。発生されたX線ビームはX線絞り46を介して被検体たる患者50に照射される。X線絞り46は、X線ビームを照射すべき位置に応じて撮像制御器24により制御される。即ち、X線絞り46は、撮像領域の変更に伴い、不必要なX線照射を行わないようにX線ビームを整形する。
【0039】
X線発生器40が出力するX線ビームは、X線透過性の撮影用寝台48の上に横たわった被検体50、及び撮影用寝台48を透過してX線検出器52に入射する。なお、撮影用寝台48は、被検体の異なる部位又は方向でX線ビームが透過するように撮像制御器24により制御される。
【0040】
X線検出器52のグリッド54は、被検体50を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減する。撮像制御器24は、光検出器アレー58とグリッド54との格子比の関係によりモアレが生じないように、X線照射時にグリッド54を振動させる。シンチレータ56では、エネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起(X線を吸収)され、その際に発生する再結合エネルギーにより可視領域の蛍光を発生する。シンチレータ56に隣接して配置された光検出器アレー58は、シンチレータ56で発生する蛍光を電気信号に変換する。即ち、シンチレータ56がX線像を過視光像に変換し、光検出器アレー58が過視光像を電気信号に変換する。X線露光量モニタ60は、光検出器アレー58を透過した過視光(X線量に比例)を検出し、その検出量情報を撮像制御器24に供給する。撮像制御器24は、このX線露光量情報に基づき高圧発生電源44を制御して、X線を遮断又は調節する。駆動器62は、撮像制御器24の制御下で光検出器アレー58を駆動し、各光検出器から画素信号を読み出す。なお、光検出器アレー58と駆動器62の詳細については、後述する。
【0041】
X線検出器52から出力される画素信号は、X線制御室12内の画像処理器26に印加される。X線室10内はX線発生に伴うノイズが大きいため、X線検出器52から画像処理器26への信号伝送路は耐雑音性の高いものである必要があり、具体的には、高度の誤り訂正機能を具備するデジタル伝送系、差動ドライバによるシールド付きより対線あるいはまた光ファイバを用いることが望ましい。
【0042】
画像処理器26は、詳細は後述するが、システム制御器20からの指令に基づき画像信号の表示形式を切り換えるが、その他には、画像信号の補正、空間フィルタリング及びリカーシブ処理などをリアルタイムで行い、階調処理、散乱線補正及びDR圧縮処理などを実行できる。画像処理器26により処理された画像は、モニタ30の画面に表示される。
【0043】
リアルタイム画像処理と同時に、画像補正のみを行なわれた画像情報(基本画像)は、記憶装置28に保存される。また、操作者21の指示に基づいて、記憶装置28に格納される画像情報は、所定の規格(例えば、Image Save&Carry(IS&C))を満たすように再構成された後に、外部記憶装置34及びファイルサーバ76内のハードディスクなどに格納される。
【0044】
X線制御室12の装置は、LANボード36を介してLAN(又はWAN)に接続する。
【0045】
LANには、複数のX線撮像システムを接続できることは勿論である。LANボード36は、所定のプロトコル(例えば、Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM))に従って、画像データを出力する。LAN(又はWAN)に接続されたモニタ72の画面にX線画像を高解像静止画及び動画を表示することにより、X線撮影とほぼ同時に、医師によるリアルタイム遠隔診断が可能になる。
【0046】
図2は、光検出器アレー58の構成単位の等価回路の一例を示す回路図である。
【0047】
1つの素子は、光検出部80と電荷の蓄積及び読み取りを制御するスイッチング薄膜トランジスタ(TFT)82とからなり、一般には、ガラス基板上にアモルファスシリコン(a−Si)により形成される。光検出部80は更に、光ダイオード80aとコンデンサ80bの並列回路、及び、前記コンデンサ80bと直列に接続されたコンデンサ80cとからなる。また、光電効果による電荷を定電流源81として記述している。コンデンサ80bは光ダイオード80aの寄生容量でも、光ダイオード80aのダイナミックレンジを改善する追加的なコンデンサでもよい。光検出部80の共通バイアス電極(以下、D電極)はバイアス配線Lbを介してバイアス電源84に接続する。光検出部80のスイッチングTFT82側電極(以下、G電極)は、スイッチングTFT82を介してコンデンサ86及び電荷読出し用プリアンプ88に接続する。プリアンプ88の入力はまた、リセット用スイッチ90及び信号線バイアス電源91を介してアースに接続する。
【0048】
ここで、図3を用いて光検出部80のデバイス動作について説明する。
【0049】
図3(a)、(b)はそれぞれ本実施形態のリフレッシュ及び光電変換モードの動作を示す光電変換素子のエネルギバンド図であり、各層の厚さ方向の状態を表している。301はCrで形成された下部電極(G電極)である。302は電子、ホール共に通過を阻止するSiNで形成された絶縁層であり、その厚みはトンネル効果により電子、ホールが移動できないほどの厚さである50nm以上に設定される。303は水素化アモルファスシリコンa−Siの真性半導体i層で形成された光電変換半導体層、304は光電変換半導体層303へのホールの注入を阻止するa−Siのn層の注入阻止層、305はAlで形成される上部電極(D電極)である。本実施形態ではD電極はn層を完全には覆っていないがD電極とn層との間は電子の移動が自由に行われるためD電極とn層の電位は常に同電位であり以下の説明ではそれを前提としている。本光電変換素子にはD電極、G電極の電圧印加の仕方によりリフレッシュモードと光電変換モードとの2種類の動作がある。
【0050】
図3(a)において、D電極はG電極に対して負の電位が与えられており、i層303中の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はi層303に注入される。このとき一部のホールと電子はn層304,i層303において再結合して消滅する。十分に長い時間この状態が続けばi層303内のホールはi層304から掃き出される。
【0051】
この状態から光電変換モードの図3(b)のようにするには、D電極にG電極に対して正の電位を与える。するとi層303中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかし、ホールはn層304が注入阻止層として働くためi層303に導かれる事はない。この状態でi層303に光が入射すると、光は吸収されて電子・ホール対が発生する。この電子は電界によりD電極に導かれ、ホールはi層303内を移動してi層303と絶縁層302との界面に達する。しかし、絶縁層302内には移動できないため、i層303内の絶縁層302界面に移動するため、素子内の電気的中性を保つため電流がG電極から流れる。この電流は光により発生した電子・ホール対に対応するため、入射した光に比例する。ある期間、光電変換モードの図3(b)の状態を保った後、再びリフレッシュモードの図3(a)の状態になると、i層303に留まっていたホールは前述のようにD電極に導かれ、同時にこのホールに対応した電流が流れる。このホールの量は光電変換モード期間に入射した光の総量に対応する。この時、i層303内に注入される電子の量に対応した電流も流れるが、この量はおよそ一定であるため差し引いて検出すればよい。つまり、本実施形態においての光電変換素子はリアルタイムに入射する光の量を出力すると同時に、ある期間に入射した光の総量も出力する事もできる。
【0052】
しかしながら、何等かの理由により光電変換モードの期間が長くなったり、入射する光の照度が強い場合、光の入射があるにもかかわらず電流が流れない事がある。これは図3(c)のように、i層303内にホールが多数留まり、このホールのためi層303内のホールと再結合してしまうからである。この状態で光の入射の状態が変化すると、電流が不安定に流れる事もあるが、再びリフレッシュモードにすればi層303のホールは掃き出され次の光電変換モードでは再び光に比例した電流が流れる。
【0053】
また、前述の説明において、リフレッシュモードでi層303内のホールを掃き出す場合、全てのホールを掃き出すのが理想であるが、一部のホールを引き出すだけでも効果は有り、前述と等しい電流が得られ、問題はない。つまり、次の光電変換モードでの検出機会において図3(c)の状態になっていなければよく、リフレッシュモードでのD電極のG電極に対する電位、リフレッシュモードの期間及びn層304の注入阻止層の特性を決めればよい。また、更にリフレッシュモードにおいてi層303への電子の注入は必要条件ではなく、D電極のG電極に対する電位は負に限定されるものでもない。ホールが多数i層303に留まっている場合には例えD電極のG電極に対する電位が上であってもi層303内の電界はホールをD電極に導く方向に加わるからである。n層304の注入阻止層の特性も同様に電子をi層303に注入できる事が必要条件ではない。
【0054】
図2に戻り、1画素の信号の読み出しについて述べる。
【0055】
先ず、スイッチングTFT82とリセット用スイッチ90を一時的にオンにし、バイアス電源84をリフレッシュモード時の電位に設定する。コンデンサ80b,80cがリセットされた後に、バイアス電源84を光電変換モード時の電位に設定し、スイッチングTFT82とリセット用スイッチ90を順次オフにする。一その後、X線を発生させて、被検体50に曝射する。シンチレータ54が被検体50を透過してX線像を可視光線像に変換し、光ダイオード80aは、その可視光線像により導通状態になり、コンデンサ80bの電荷を放電させる。スイッチングTFT82をオンにして、コンデンサ80bとコンデンサ86を接続する。これにより、コンデンサ80cの情報がコンデンサ86にも伝達される。プリアンプ88によりコンデンサ86の蓄積電荷による電圧の増幅、もしくは点線で示されたコンデンサ89により電荷−電圧変換され、外部に出力される。
【0056】
図4は、光検出器アレー58の構成単位の等価回路の別の一例を示す回路図である。
【0057】
1つの素子は、光検出部80と電荷の蓄積及び読み取りを制御するスイッチング薄膜トランジスタ(TFT)82とからなり、一般には、ガラス基板上にアモルファスシリコン(a−Si)により形成される。光検出部80は更に、光ダイオード80aとコンデンサ80bの並列回路からなり、光電効果による電荷を定電流源81として記述している。コンデンサ80bは光ダイオード80aの寄生容量でも、光ダイオード80aのダイナミックレンジを改善する追加的なコンデンサでもよい。光検出部80(光ダイオード80a)のカソードは共通電極(D電極)であるバイアス配線Lbを介してバイアス電源85に接続する。光検出部80(光ダイオード80a)のアノードは、ゲート電極(G電極)からスイッチングTFT82を介してコンデンサ86及び電荷読出し用プリアンプ88に接続する。プリアンプ88の入力はまた、リセット用スイッチ90及び信号線バイアス電源91を介してアースに接続する。
【0058】
先ず、スイッチングTFT82とリセット用スイッチ90を一時的にオンにして、コンデンサ80bをリセットし、スイッチングTFT82とリセット用スイッチ90をオフにする。その後、X線を発生させて、被検体50に曝射する。シンチレータ54が被検体50を透過してX線像を可視光線像に変換し、光ダイオード80aは、その可視光線像により導通状態になり、コンデンサ80bの電荷を放電させる。スイッチングTFT82をオンにして、コンデンサ80bとコンデンサ86を接続する。これにより、コンデンサ80bの放電量の情報がコンデンサ86にも伝達される。プリアンプ88によりコンデンサ86の蓄積電荷による電圧の増幅、もしくは点線で示されたコンデンサ89により電荷−電圧変換され、外部に出力される。
【0059】
次に、図2、図4に示す光電変換素子を2次元に拡張して構成した場合の光電変換動作を説明する。図5は2次元配列の光電変換素子を具備する光検出器アレー58の等価回路である。
【0060】
2次元読み出し動作は前記2種類の等価回路において同様であるので、図5は、図4に示した等価回路を用いて示している。
【0061】
光検出器アレー58は、2000×2000〜4000×4000程度の画素から構成され、アレー面積は200mm×200mm〜500mm×500mm程度である。図3では、光検出器アレー58は4096×4096の画素から構成され、アレー面積は430mm×430mmである。従って、1画素のサイズは約105μm×105μmである。横方向に配置した4096個の画素を1ブロックとし、4096個のブロックを縦方向に配置して、2次元構成としている。
【0062】
図5では、4096×4096画素からなる光検出器アレーを1枚の基板で構成した例を示した。
【0063】
図2、図4で説明したように、1つの画素は、1つの光検出部80とスイッチングTFT82とからなる。光電変換素子PD(1,1)〜(4096,4096)は光検出部80に対応し、転送用スイッチSW(1,1)〜(4096,4096)はスイッチングTFT82に対応する。光電変換素子PD(m,n)のゲート電極(G電極)は、対応するスイッチSW(m,n)を介してその列に対する共通の列信号線Lcmに接続する。例えば、第1列の光電変換素子PD(1,1)〜(4096,1)は、第1の列信号線Lc1に接続する。各光電変換素子PD(m,n)の共通電極(D電極)は全て、バイアス配線Lbを介してバイアス電源85に接続する。
【0064】
同じ行のスイッチSW(m,n)の制御端子は、共通の行選択線Lrnに接続する。例えば、第1行のスイッチSW(1,1)〜(1,4096)は、行選択線Lr1に接続する。行選択線Lr1〜4096は、ラインセレクタ92を介して撮像制御器24に接続する。ラインセレクタ92は、撮像制御器24からの制御信号を解読し、どのラインの光電変換素子の信号電荷を読み出すべきかを決定するアドレスデコーダ94と、アドレスデコ一ダ94の出力に従って開閉される4096個のスイッチ素子96から構成される。この構成により、任意のラインLrnに接続するスイッチSW(m,n)に接続する光電変換素子PD(m,n)の信号電荷を読み出すことができる。ラインセレクタ92は、最も簡単な構成としては、単に液晶ディスプレイなどに用いられているシフトレジスタによって構成してもよい。
【0065】
列信号線Lc1〜4096は、撮像制御器24により制御される信号読出し回路100に接続する。信号読出し回路100で、102−1〜4096はリセット用スイッチであり、それぞれ列信号線Lc1〜4096をリセット基準電位101にリセットする。106−1〜4096は、それぞれ列信号線Lc1〜4096からの信号電位を増幅するプリアンプ、108−1〜4096はそれぞれプリアンプ、106−1〜4096の出力をサンプルホールドするサンプルホールド(S/H)回路108−1〜4096の出力を時間軸上で多重化するアナログ・マルチプレクサ、112はマルチプレクサ110のアナログ出力をデジタル化するA/D変換器である。A/D変換器112の出力は画像処理器26に供給される。
【0066】
図5に示す光検出器アレーでは、4096×4096個の画素を列信号線Lc1〜4096により4096個の列に分け、1行あたりの4096画素の信号電荷を同時に読み出し、各列信号線Lc1〜4096、プリアンプ106−1〜4096及びS/H回路108−1〜4096を介してアナログ・マルチプレクサ110に転送し、ここで時間軸多重化して、順次、A/D変換器112によりデジタル信号に変換する。
【0067】
図3では、信号読出し回路100が、1つのA/D変換器112のみを具備するように図示されているが、実際には複数の系統で同時にA/D変換を実行する。これは、アナログ信号帯域とA/D変換レートを不必要に大きくすることなく、画像信号の読み取り時間を短くすることが要求されるためである。信号電荷の蓄積時間とA/D変換時間とは密接な関係にある。高速にA/D変換を行うとアナログ回路の帯域が広くなり所望のS/Nを達成することが難しくなるので、通常は、A/D変換速度を不必要に速くすることなく、画像信号の読み取り時間を短くすることが要求される。多くのA/D変換器でマルチプレクサ110の出力をA/D変換すればよいが、A/D変換器の数を増せば、それだけコストが高くなる。よって、上述の点を考慮して適当な数のA/D変換器を用いる。
【0068】
X線の照射時間はおよそ10〜500msecであるので、全画面の取り込み時間あるいは電荷蓄積時間を100msecのオーダーあるいはやや短めにすることが適当である。
【0069】
例えば、全画素を順次駆動して100msecで画像を取り込むためには、アナログ信号帯域を50MHz程度にし、例えば、10MHzのサンプリングレートでA/D変換を行うと、最低でも4系統のA/D変換器が必要になる。本実施形態では、16系統で同時にA/D変換を行う。16系統のA/D変換器の出力はそれぞれに対応する16系統の図示しないメモリ(FIFOなど)に入力される。そのメモリを選択して切り替えることにより、連続した1ラインの走査線にあたる画像データが画像処理器26に転送される。
【0070】
図6はセンサ読み出しの概要タイミングチャートであり、図5と併せて1回のX線照射により静止画撮像を行う場合の二次元駆動について述べる。
【0071】
601は、X線への曝射要求制御信号、602はX線の曝射状態、603はセンサ内電流源81の電流、604は行選択線Lrnの制御状態、605はAD変換器112へのアナログ入力をそれぞれ模式的に示している。
【0072】
図2参照の等価回路センサでは、先ず、駆動器62はバイアス配線をリフレッシュモード時のバイアス値Vrにし、全ての列信号配線Lc1〜4096を、列信号配線Lcの所期バイアス値に初期化するためにリセット基準電位101に接続し、全ての行選択配線Lr1〜4096に正電圧Vghを印加する。すると、SW(1,1)〜(4096,4096)がオンし、全ての光電変換素子のG電極はVbtに、D電極はVrにリフレッシュされる。
【0073】
その後、駆動器62はバイアス配線Lbを光電変換時のバイアス値Vsにし、全ての列信号配線Lc1〜4096をリセット基準電位101から開放にし、SW(1,1)〜(4096,4096)をオフするために全ての行選択配線Lr1〜4096に電圧Vg1を印加する。これにより、光電変換モードヘ移行する。
【0074】
ここからは図2、図4参照のそれぞれの等価回路センサに共通の動作であるので、同時に説明を加える。バイアス配線を光電変換時のバイアス値Vsのまま、全ての列信号配線Lcをリセット基準電位101に接続し、列信号線をリセットする。その後、行選択配線Lr1に正電圧Vghを印加し、SW(1,1)〜(1,4096)をオンし、第1列の光電変換素子のG電極をVbtにリセットする。次に行選択配線Lr1を正電圧Vg1にしてSW(1,1)〜(1,4096)をオフする。
【0075】
行の選択を順次繰り返し、全ての画素のリセットを行い撮影準備が完了する。以上の動作は信号電荷の読み出し操作と同じであり、信号電荷を取り込むか否かの差しかないので、このリセット操作を以後「空読み」と呼ぶ。この空読み動作中で、行選択配線Lrを全て同時にVghにする事は可能であるが、この場合では読み出し準備完了時に、信号配線電位がリセット電圧Vbtから大きくずれることなり、高S/Nの信号を得ることが難しい。また、前述の例では、行選択配線Lrを1から4096ヘリセットしたが、撮像制御器24の設定に基づいた駆動器62の制御により任意の順番でリセットを行うことが可能である。
【0076】
空読み動作を繰り返して、X線の曝射要求を待つ。
【0077】
曝射要求が発生すると、画像取得準備のために、再度空読み動作を行いX線曝射に備える。画像取得準備が整った時に、撮像制御機24の指示に従いX線が曝射される。
【0078】
X線曝射後、光電変換素子80の信号電荷を読み出す。まず、光電変換素子アレーのある行(例えばLr1)に対する行選択配線LrにVghを印加し、蓄積電荷信号を信号配線Lc1〜4096に出力する。列信号配線Lc1〜4096から1列ずつ4096画素分の信号を同時に読み出す。
【0079】
次に、異なる行選択配線Lr(例えぱLr2)にVghを印加し、蓄積電荷信号を信号配線Lc1〜4096に出力する。列信号配線Lc1〜4096から1列づつ4096画素分の信号を同時に読み出す。この動作を4096の列信号配線に順次繰り返す事により、すべての画像情報を読み出す。
【0080】
前記動作中、各センサの電荷蓄積時間は、リセット動作が完了した時、即ち空読み時のTFT82をオフしてから、次に電荷読み出しが行われるためにTFT82がオンするまでの間である。従って、各行選択毎に蓄積時間及び時刻が異なる。
【0081】
X線画像を読み出した後、補正用画像を取得する。これは、X線画像の補正に使用するためであり、高画質の画像を取得するために必要な補正データである。基本的な画像取得方法はX線を曝射しない点以外は同じである。電荷蓄積時間は、X線画像を読み出す際と、補正画像を読み出す際とで同じにする。
【0082】
図7はX線検出器52の撮像動作を含むタイミングチャートである。
【0083】
図7を中心にX線検出器52の動作について説明する。
【0084】
701は操作者インターフェース22に対する撮像要求信号、702は実X線曝射状態、703は操作者21の指示に基づいた撮像制御器24から駆動器62への撮影要求信号、704はX秤検出器52の撮影レディ信号、705はグリッド54の駆動信号、706は外来ノイズ検出信号、707はX線検出器の駆動状態(特に光検出器アレー58からの電荷読み出し動作)をそれぞれしている。708は画像データの転送状態や、画像処理や表示の状態を概念的に表している。
【0085】
操作者21からの検出器準備要求または撮影要求が有るまで、駆動器62はパワー制御をオフ状態で待機する。具体的には、図5において行選択線Lr、列信号線Lc、バイアス配線Lbの電位を図示しないスイッチにより同電位(特に信号GNDレベル)に保ち、光検出器アレー58にバイアスを印加しない。更には、信号読出し回路100、ラインセレクタ92、バイアス電源84または85を含む電源を遮断することにより、前記行選択線Lr、列信号線Lc、バイアス配線Lbの電位をGND電位に保っても良い。
【0086】
操作者21の操作者インターフェース22に対する撮影準備の要求指示(701:1stSW)により、撮像制御器24はX線発生器40を撮影レディ状態に遷移させるとともに、X線検出器52に対して撮影準備状態へ移行させる指示を出す。指示を受けた駆動器62は光検出器アレー58にバイアスを印加するとともに、(リフレッシュ及び)空読みFiを繰り返す。要求指示は、例えば、X線発生装置への曝射要求SWの1stスイッチ(通常は管球のロータアップなどが開始される。)や、X線検出器52が撮影準備のために所定時間(数秒以上)を要する場合などは、X線検出器52の準備を開始するための指示である。
【0087】
また、このとき同時に、撮像制御器24は、外来ノイズがないか、ある場合はどのようなノイズであるのか、ノイズ解析手段67からの外来ノイズ情報を駆動器62を介して取得する。ノイズ解析手段67は、外来電磁界検出器66からの出力を逐次解析し、撮像制御器24からの要請に応える。
【0088】
なお、操作者21が、X線検出器52に対すじで意識的に撮影準備の要求指示を出さなくても良い。即ち、操作者インターフェース22に対して、患者情報、撮影情報などが入力されたことをもって、撮像制御機24は検出器準備の要求指示と解釈して、X線検出器52を検出器準備状態へ移行させ、外来ノイズの情報取得をしても良い。
【0089】
検出器準備状態では、光電変換モードにおいて、空読み後、光検出部80に暗電流が徐々に蓄積されてコンデンサ80b(c)が飽和状態で保持されることを避けるため、(リフレッシュR及び)空読みFiを所定間隔で繰り返す。この操作者21からの撮影準備要求が有りながら実際のX線曝射要求が発生していない期間に行う駆動、即ち、検出器準備状態に行う空読みFiを所定時間間隔T1で繰り返す駆動を以後「アイドリング駆動」と呼び、アイドリング駆動を行っている検出器準備状態の期間を「アイドリング駆動期間」と呼ぶ。このアイドリング駆動期間は、どの程度続くかが実使用上、未定義のため、光検出器アレー58(特にTFT82)に負荷のかかる読み出し動作は極力少なくするためにT1は通常の撮影動作時よりも長く設定し、通常の読み出し駆動FrよりもTFT82のオン時間の短いアイドリング専用空読み駆動Fiを行う。また、リフレッシュR動作が必要なセンサの場合には、空読みFi数回に対して1回リフレッシュR動作を行うようにする。
【0090】
次に、X線検出器52を中心としたX線画像取得について述べる。
【0091】
X線検出器52のX線画像取得時の駆動は大きく二つの画像取得からなる。707に示した通り、1つはX線画像取得駆動であり、残りは補正用暗画像取得駆動である。それぞれの駆動は概ね同じであり、X線曝射が行われる動作が有るか否かが主な違いである。更にそれぞれの駆動とも、撮像準備シーケンス、電荷蓄積(曝射ウィンドウ)、画像読み出しの3つの部分から構成される。
【0092】
以下、順を追ってX線画像取得について述べる。
【0093】
操作者21から操作者インターフェース22に対する撮影要求指示(701:2ndSW)により、撮像制御器24はX線発生器40とX線検出器52との同期を取りながら撮影動作を制御する。撮影要求指示(701:2ndSW)に従いX線曝射要求信号703に示すタイミングでX線検出器に対し、撮像要求信号をアサートする。
【0094】
それとともに、撮像制御器24は、ノイズ解析手段67からの外来ノイズ情報を駆動器62を介して取得する。撮像制御器24は、外来ノイズ情報とX線発生器40に事前に設定している、X線爆射条件から、外来ノイズレベルに合わせて、撮影画像に影響が現れないようにX線爆射条件を変更する。X線爆射条件としては、X線発生装置の管電流ならびに爆射時間、及び管電圧の設定などがある。比較的容易であるのは、管電流および管電圧をそのままとして、爆射時間を制御することであり、この後はその例で説明する。なお、管電流及び管電圧の設定変更する場合では、撮像制御器24がX線発生器40に再設定をおこなう。外来ノイズレベルと最適X線照射線量の関係についてはあらかじめ最適化して設定してあり、撮影部位などに応じて対応させることも可能である。
【0095】
なお、爆射量の限界値はあらかじめ設定している。
【0096】
また、あらかじめ設定してある外来ノイズ許容限界レベルを超えた、外来ノイズを検出した場合、撮像制御器24は、表示制御器32を介して、外来ノイズの警告を発するとともに、X線爆射を中止し、操作者に外来ノイズの発振源からX線検出器を離すように促す。
【0097】
元にもどって、一方撮影要求指示により、駆動器は撮像要求信号に呼応して撮像駆動状態707に示すように所定の撮像準備シーケンス駆動を行う。具体的には、リフレッシュが必要な場合はリフレッシュを行い、そして、撮像シーケンスのための専用空読みFPを所定回数及び電荷蓄積状態専用空読みFpfを行って電荷蓄積状態(撮像ウィンドウ:T4)に遷移する。
【0098】
その際、撮像シーケンスのための空読みFpの回数及び時間間隔丁2は、撮像制御機24から撮像要求に先んじて予め設定された値に基づいて行う。これは操作者21の要求により操作性重視なのか画質重視なのか、または撮像部位により自動的に最適な駆動を選択して切り替える。曝射要求から撮影準備完了までの期間(T3)は所用時間が短いことが実使用上要求されるので、そのために撮像準備シーケンス専用空読みFpを行う。さらに、アイドリング駆動のいかなる状態からも曝射要求が発生した場合は、即時撮像準備シーケンス駆動に入ることにより曝射要求から撮影準備完了までの期問(T3)を短くすることにより、操作性の向上を図る。
【0099】
さて、駆動器62は検出器アレー58の撮像準備を行うのと同期して、グリッド54を移動させ始める。これは実X線曝射702に同期してグリッドを最適な移動状態で撮像を行うためである。この場合も、駆動器62は撮像制御器により設定された、最適グリッド移動開始タイミング、最適グリッド移動速度で動作する。
【0100】
X線検出器52の撮像準備が整った時点で、駆動器62は撮像制御器24に対し、X線検出器レディ信号704を返し、撮像制御器24はこの信号の遷移を元にして、X線発生要求信号702としてX線発生器4qにアサートする。X線発生器40は、X線発生要求信号702が与えられている間、X線を発生し、その後、前述したように外来ノイズレベルに応じてその発生時間を制御する。検出した外来ノイズに対して影響を与えない所定X線量を発生したら撮像制御器24はX線発生要求信号702をネゲートするとともにX線撮像要求信号703をネゲートすることによりX線検出器52へ画像取得タイミングを通知する。
【0101】
このタイミングを元にして駆動器62は直ちにグリッド54を静止するとともに、読出し回路100の動作を開始させる。
【0102】
グリッド54静止時間及び信号読み出し回路100の安定のための所定ウェイト時間後、駆動器62に基づいてX線検出器アレー58から画像データを読み出して画像処理器26に生画像を取得する処理が完了すると駆動器62は読み出し回路100を再び待機状態に遷移させる。
【0103】
引き続き、X線検出器52は補正画像を取得する。即ち、先の撮像のための撮像シーケンスを繰り返し、X線照射の無い暗画像を取得し、画像処理器26に補正用暗画像を転送する。
【0104】
この時、撮像シーケンスは撮影の度にX線曝射時間など若干異なる可能性が有るが、それも含めて全く同じ撮影シーケンスを再現して略画像を取得することにより、より高画質な画像が得られる。但し、グリッド54の動作はこの限りでなく、略画像取得時には振動の影響を抑えるために静止させておくようにしてもよい。この場合、ほぼ画像を取得した後、画質に影響しない所定のタイミングでグリッド54の初期化動作を行う。
【0105】
なお、撮像制御器24が、外来ノイズ確認を行うタイミングを撮影準備の要求指示(701:1stSW)としたが、これに限定されることはなく、撮影要求指示(701:2ndSW)であっても、さらには爆射中であってもよい。ただしその場合は、爆射時間を制御することに限定される。管電流及び管電圧を制御するには、撮影準備の要求指示(701:1stSW)が出た時点がよい。
【0106】
図8は画像処理器26の画像データの流れを示している。801はデータパスを選択するマルチプレクサ、802及び803はそれぞれX線画像用及び略画像用フレームメモリ、804はオフセット補正回路、805はゲイン補正データ用フレームメモリ、806はゲイン補正用回路、807は欠陥補正回路、808はその他の画像処理回路を代表してそれぞれ現している。
【0107】
図7でX線画像取得フレームFrxoフレームで取得されたX線画像が、マルチプレクサ801を経由してX線画像用フレームメモリ802に記憶され、続いて補正画像取得フレームFrnoフレームで取得された補正画像が、同様にマルチプレクサ801を経由して暗画像用フレームメモリ803に記憶される。
【0108】
ほぼ画像の記憶完了から、オフセット補正回路804によりオフセット補正(例えばFrxo−Frno)が行われ、引き続き予め取得されゲイン補正用フレームメモリに記憶してあるゲイン補正用データFgを用いて、ゲイン補正回路806がゲイン補正(例えば、(Frxo−Frno)/Fg)を行う。引き続き欠陥補正回路807に転送されたデータは、不感画素や複数パネルで構成されたX線検出器52のつなぎ日部などに違和感を生じないように画像を連続的に補間して、X線検出器52に由来するセンサ依存の補正処理を完了する。
【0109】
更に、その他の画像処理回路808にて、一般的な画像処理、例えば、階調処理、周波数処理、強調処理などの処理を施した後、表示制御機32に処理済データを転送して、モニタ30に撮影画像を表示する。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によればX線発生装置に対して各種爆射などの撮影条件を与える手段とシステムコントロール用のPCと外来性ノイズを検出する手段からなり、X線を爆射する前に該外来性ノイズ検出手段で外来性ノイズを検出し、その検出内容に応じて該X線発生装置に与える撮影条件を変更させることによりさまざまな環境下に持ち運ばれて使用されるモバイル用など、外来性ノイズがノイジーな環境下でも良好な画質を提供することが可能となる。
【0111】
さらには、許容外の強力な外来ノイズを受けた場合は、システムコントロール用PCに伝達し、爆射を中止するよう警告を発するため、無用な爆射を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線撮像システムの概要を示す模式図である。
【図2】第1の光検出部の等価回路を示す回路図である。
【図3】第1の光検出部のエネルギバンドを示す特性図である。
【図4】第2の光検出部の等価回路を示す回路図である。
【図5】光検出器アレーの構成例を示す模式図である。
【図6】光検出器アレーの駆動概念を示すタイミングチャートである。
【図7】第1の実施形態のX線撮像システムのタイミングチャートである。
【図8】取得画像の処理を示すフローブロック図である。
【符号の説明】
10 X線室
12 X線制御室
14 診断室
20 システム制御器
21 操作者
24 撮像制御器
26 画像処理器
30 モニタ
40 X線発生器
48 撮影用寝台
50 患者
52 X線検出器
54 グリッド
58 光検出器アレー
62 駆動器
80 光検出部
82 スイッチング薄膜トランジスタ(TFT)
84 バイアス電源
85 バイアス電源
92 ラインセレクタ
100 信号読出し回路

Claims (5)

  1. X線画像を検出するフラットパネルセンサとX線発生装置に対して各種爆射などの撮影条件を与える手段とシステムコントロール用のPCと外来性電磁界ノイズを検出する手段からなり、X線を爆射する前に該外来性ノイズ検出手段で外来性ノイズを検出し、その検出内容に応じて該X線発生装置に与える撮影条件を変更させることを特徴とするX線デジタル画像撮影システム。
  2. 該外来性ノイズ検出手段は主に交流磁界を検出するものでホール素子、コイルなどを検出器とし、それらの出力はアンプで増幅した後、スペクトル解析、あるいはまた帯域を制限したレベルを検出することを特徴とした第一項記載のX線デジタル撮影システム。
  3. 該外来性ノイズ検出手段は、該センサパネル内に近接して配置されることを特徴とする第一項記載のX線デジタル撮影システム。
  4. 該外来性ノイズ検出手段は、該センサパネル内の有効領域外のダミーセンサを検出器とし、それらの出力はアンプで増幅した後、スペクトル解析、あるいはまた帯域を制限したレベルを検出することを特徴とした第一項記載のX線デジタル撮影システム。
  5. 該外来性ノイズ検出手段で検出したノイズレベルが、予め定めた許容レベルを超えた場合は、該コントロールPCに伝達し爆射前に変更せしめる、あるいは爆射を中止するように警告することを特徴とした第一項記載のX線デジタル撮影システム。
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