JP2005005802A - カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】異なる特性を持つ画像入出力デバイス間で画像データを扱うシステムを構成した際、色再現範囲の違いを吸収しながら、忠実性あるいは好ましさを重視して色再現または色管理する。
【解決手段】コンピュータ100が送信したRGB信号は、観察条件を含む色空間情報とともにカラー画像処理装置300へ送信され、QMH色空間の色信号に変換される。カラー画像処理装置300では、選択した画像出力装置1021の最適な観察条件を推定し、その条件下においてQMH色信号をCMYK信号に変換し、コンピュータ100へ送信し、変換された色信号を画像出力装置1021に送信することによりプリント出力される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特性の異なる複数の画像入出力装置間でカラー画像を扱う際、色再現範囲が制限されたカラー画像入出力装置に適した色信号に変換するカラー画像処理装置およびカラー画像処理方法に関し、例えばカラーファクシミリ、カラープリンタ、カラーハードコピー、カラースキャナ等の画像出力装置や、パソコン、ワークステーション上で稼動する、ディスプレイ、カラープリンタ用ソフトウェアなどに好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディスプレイ、スキャナ、プリンタ等の異なる特性を持つ画像入出力デバイスによりプリンティングシステム等の画像データを扱うシステムを構成した場合、それぞれのデバイス間における色再現範囲の違い(図2参照)が、異なるデバイス間での色変換処理を行う際に問題となる。
【0003】
この問題を解決するために、図1に示すように、人間が知覚する明度、彩度、色相を軸とする3次元空間上で出力デバイスが再現できない色を、明度一定、彩度一定、色差最小などの方向に向って、再現可能な色にマッピングする技術(以下、ガマット圧縮という)が知られており、数多くの方式が提案されている。
【0004】
また最近では、ハードコピーやディスプレイを観察する環境が変化すると色の見えが変わる為、観察環境に依存しない知覚色空間において、カラー入出力デバイスの視距離や順応状態を含めた観察条件に合わせた様々な色信号変換技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、3を参照)。
【0005】
特に、選択されたモードに応じて、入出力カラーデバイスの機種や観察条件を設定し、デバイスや観察条件に依存しない人間の知覚色空間で色再現範囲を圧縮する技術がある(例えば、特許文献4を参照)。
【0006】
また、画像記録の際、自機種内での色空間圧縮を含む色変換処理情報を暗号として記録し、画像読み込みの際、オリジナル画像を復元する技術もある(例えば、特許文献5を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−219800号公報
【特許文献2】
特開2002−42132号公報
【特許文献3】
特開2000−40140号公報
【特許文献4】
特開2001−309198号公報
【特許文献5】
特開平9−9082号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来からディスプレイ、スキャナ、プリンタ等の異なる特性を持つ画像入出力デバイスによりプリンティングシステム等の画像データを扱うシステムを構成した場合、それぞれのデバイス間における色再現範囲の違いを吸収しながら色再現する画像処理方法が多数提案されている。
【0009】
しかし、特許文献4に代表されるような入出力カラーデバイスの機種や観察条件を設定し、デバイスや観察条件に依存しない人間の知覚色空間で色再現範囲を圧縮する方法では、ある程度正確な色合わせが可能となるが、実際には、設定された入出力カラーデバイスの機種や観察条件に応じた色再現範囲の圧縮による情報の劣化が起こり、観察環境を変更しても、正確に色を合わせることは困難である。
【0010】
また、特許文献5のように、一度色域の圧縮を実施した画像を用いて、オリジナル画像を復元する場合、多くの自機種内での色変換処理情報を記録しなければならず、結果的に出力画像の劣化や読み取り時におけるエラーを招く要因となる。
【0011】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、ディスプレイ、スキャナ、プリンタ等の異なる特性を持つ画像入出力デバイス間で画像データを扱うシステムを構成した際、色再現範囲の違いを吸収しながら、忠実性あるいは好ましさを重視して色再現または色管理するカラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【0012】
即ち、請求項1の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0013】
請求項2の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラー画像の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0014】
請求項3の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0015】
請求項4の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現を比較的容易に可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0016】
請求項5の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても色相ずれがない自然な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0017】
請求項6の目的は、特性の大きく異なる複数のカラーデバイス間においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を比較的容易に可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0018】
請求項7の目的は、遠隔地でカラー画像出力を扱う場合においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、忠実な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0019】
請求項8の目的は、遠隔地で様々な観察環境においてカラー画像出力を扱う場合においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、忠実な色再現を可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0020】
請求項9の目的は、特性の異なる複数のカラーデバイス間でカラー画像を扱う際、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に合わせて色域圧縮して色再現した場合でも、少ない情報量で、オリジナル画像を復元することを可能にするカラー画像処理装置を提供することである。
【0021】
請求項10の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現をすることである。
【0022】
請求項11の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現をすることである。
【0023】
請求項12の目的は、特性の異なる複数のカラーデバイス間でカラー画像を扱う際、 色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に合わせて色域圧縮して色再現した場合でも、少ない情報量で、オリジナル画像を復元することである。
【0024】
請求項13、14の目的は、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にするカラー画像処理プログラムを提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる第1の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置において、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有するものである。
【0026】
本発明に関わる第2の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置において、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での前記入力画像データの色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間における入力画像データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有するものである。
【0027】
本発明に関わる第3の発明は、請求項1、2における前記観察条件の推定について、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定するようにしている。
【0028】
本発明に関わる第4の発明は、請求項1、2、3における前記出力側の推定観察環境について、少なくとも順応視野における輝度情報を含むようにしている。
【0029】
本発明に関わる第5の発明は、請求項1、2、3における出力側の観察条件を推定する際、少なくとも出力側の観察条件における参照白色の三刺激値を固定するようにしている。
【0030】
本発明に関わる第6の発明は、請求項1、2、3における知覚色空間について、QMH色空間のような輝度に相関のある知覚量で表現するようにしている。
【0031】
本発明に関わる第7の発明は、請求項1〜6のカラー画像処理装置において、出力側の前記推定観察条件が標準観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力する出力手段を有するものである。
【0032】
本発明に関わる第8の発明は、請求項1〜6のカラー画像処理装置において、出力側の観察条件を設定する設定手段と、実際の観察条件と前記推定観察条件が異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力する出力手段を有するものである。
【0033】
本発明に関わる第9の発明は、請求項7、8における前記推定観察条件の出力については、バーコードまたは暗号を含むものとし、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生するようにしている。
【0034】
本発明に関わる第10の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱う際、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出し、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定して、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換するようにしている。
【0035】
本発明に関わる第11の発明は、請求項10のカラー画像処理方法における前記観察条件の推定について、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定するようにしている。
【0036】
本発明に関わる第12の発明は、請求項10、11のカラー画像処理方法において、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力し、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生するようにしている。
【0037】
本発明に関わる第13、14の発明は、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する手順と、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する手順と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する手順と、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記推定観察条件も前記カラー画像出力装置で出力する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
(画像処理システムの構成)
図3は、本発明に係る画像処理システムの一例を示すブロック図である。図3の例では、画像処理システムは、コンピュータ100と、コンピュータに接続された画像表示装置(ディスプレイ)101と、画像出力装置1021〜1023と、画像入力装置1024と、コンピュータから供給されるデバイス固有の色信号(RGB信号、CMY信号、CMYK信号など)を選択された画像入出力装置固有の色信号に変換するカラー画像処理装置300で構成されている。
【0039】
コンピュータ100には、各種のアプリケーションやプリンタ・ドライバ等のソフトウェアを実装可能となっている。また、ディスプレイ101は、画像データを表示するための出力装置であり、画像出力装置1021〜1023は、画像データをプリントアウトするための出力装置、画像入力装置1024は、画像データを取り込むための入力装置であり、画像出力装置1021〜1023としては、カラー・プリンタの他、プリンタ機能を有するカラー複写機やカラーディスプレイの表示装置など、画像入力装置1024としては、カラースキャナやディジタルカメラ等が対象となり、また、画像入出力装置1021〜1024は図示するように4台に限らず、何台接続されていても構わない。
(画像処理システムの動作)
次に、上記構成を有する画像処理システムの動作について説明する。
【0040】
まず、ひとつの動作としては、コンピュータ100内部の画像データを、ディスプレイ101に表示しながら、画像出力装置1021を用いてプリントアウトするために画像データを出力する機能がある。
【0041】
この画像データは、通常ディスプレイ表示するためのR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分からなる色信号である。コンピュータ101が送信したRGB信号は、順応視野の輝度、参照白色の三刺激値、背景の輝度率、順応の程度等の観察条件を含む色空間情報とともにカラー画像処理装置300へ送信され、観察環境に応じた色の見えにも対応した知覚色空間であるJCHやQMH色空間の色信号に変換される。ここで採用する色信号は、種々の観察光源や観察条件下での知覚量を予測できるものであれば何でもかまわないが、JCH信号のように明度、彩度、色相に相当する色成分を有する色信号や、QMH信号のように輝度に相関のあるブライトネス、カラフルネス、色相に相当する色成分を有する色信号で表現することが可能なCIEで標準化されているCIECAM97sなどのカラー・アピアランス・モデル(図6を参照)を用いるのが望ましい。
【0042】
RGB信号とその観察条件を含む色空間情報を用いて、CIECAM97sにおけるブライトネスQ、カラフルネスM、色相Hに対応する色信号Pi(Q,M,H)へ変換する(具体的な変換式は後述する)。
【0043】
前記Pi(Q,M,H)信号は、RGB色信号から生成された色信号であるため、そのままでは画像出力装置が再現できないような色信号が含まれることや、また入力画像によっては、彩度が低い色ばかりで画像出力装置が再現できる色域を十分に使わないことがある。
【0044】
そこで、カラー画像処理装置300では、選択した画像出力装置あるいは装置から出力されたサンプルに対する順応視野の輝度等の観察条件を変更して、仮想的に画像出力装置の色再現範囲を拡大したり縮小して最適な観察条件を推定し、その条件下においてPi(Q,M,H)をCMY信号やCMYK信号などの画像出力装置が処理可能な色信号に変換(具体的な変換法についてはカラー画像処理装置の動作で説明)してコンピュータ100へ送信し、上記の処理によって変換された色信号を画像出力装置に送信することによりプリント出力が行われる。
【0045】
ここでは例えば、観察条件を変更して仮想的に出力側の色再現範囲を拡大したり縮小する場合、前述の輝度に相関のあるQMH色空間を用いて順応視野の輝度を変更することで、図5に示すように、各色相における最大のカラフルネスMが変わることを利用する。
【0046】
尚、図3の例では、色空間変換処理及びガマット変換処理を、コンピュータ100、画像入出力装置1021〜1024とは別個の装置で行うものとして設けられているが、コンピュータ100内に実装されても良いし、あるいは画像入出力装置1021〜1024内に実装されても良い。
【0047】
また、上記の処理はソフトウエアで実現することも可能であり、例えば、コンピュータ内のプログラムとして存在するプリンタ・ドライバで機能を実現することもできる。
(カラー画像処理装置1の構成)
ここでは、本発明の特徴であるカラー画像処理装置300の構成について説明する。図4は、カラー画像処理装置300の第1の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図4に示すように、カラー画像処理装置300は、RGB→QMH色空間変換部301、画像記憶手段(格納バッファ)302、基準色再現範囲検出部303、QMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304、色再現範囲比較部305、出力色再現範囲検出部306、CMYK→QMH色空間変換部307、観察条件調整部308で構成されている。
(カラー画像処理装置1の動作)
次に、カラー画像処理装置300の動作について説明する。まず、色変換を実施する前に、コンピュータ100から色再現目標となる目標デバイスと画像出力デバイスが指定されると、基準色再現範囲検出部303とRGB→QMH色空間変換部301において、目標デバイスの特性とそれを観察する条件に基づいた目標デバイスの色再現範囲(ガマット)が演算される。
【0049】
また、コンピュータ100等において、色再現目標となる目標デバイスと画像出力デバイスに加えて画像適応モードが指定されると、基準色再現範囲検出部303とRGB→QMH色空間変換部301において、目標デバイス上の入力画像の色域が演算される。その際、RGB→QMH色空間変換部301で変換された画像データは、QMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304における出力側の観察条件が決定されるまで、画像記憶手段(格納バッファ)302にストアされる。
【0050】
目標デバイスの基準色再現範囲情報の作成方法について、入力色信号RGBがsRGB信号の場合を例にとり説明する。前述した最大のカラフルネスMや彩度Sを有する色は、図7の太線で示すような赤−マゼンタ−青−シアン−緑−イエロー−赤を結ぶ軌跡上に存在する。例えば、点SのRGB値は、(255,0,128)で与えられる。このように軌跡上の点は、R成分、G成分、B成分のうち1つの色成分が0で、もうひとつの色成分が255、残りの成分が0〜255で表されるような色信号である。この軌跡上の各RGB信号に対するQMHを順次計算してテーブルを構築する。RGB信号(256階調入力の場合)からJCH信号の変換は、式(1)、式(2)に従ってRGB→XYZ変換を行った後、
Figure 2005005802
(3)〜(32)に示す演算を行い、XYZ→QMH変換を実行する。
【数1】
Figure 2005005802
ここで、
Figure 2005005802
ここで、
順応視野の輝度:La
順応の程度を表わす係数:F
【数2】
Figure 2005005802
Figure 2005005802
ここで、
【数3】
Figure 2005005802
Figure 2005005802
Figure 2005005802
ここで、
周囲の影響の大きさに関する係数:c
クロマチックインダクション係数:Nc
無彩色応答:A
白色に対する無彩色応答:Aw
J:明度
ブライトネス:Q
彩度:s
クロマ:C
カラフルネス:M
【0051】
また、入力デバイスのRGB信号特性がsRGB信号以外の場合には、ICCプロファイル等で定義されたそれぞれの色特性に応じたXYZにしてからQMHへの色変換を行う。
【0052】
また、目標デバイス上の入力画像の色域を演算する場合は、例えば、RGB→QMH色空間変換部301でRGB画素データをQMH値に変換して、基準色再現範囲検出部303において、最大および最低のブライトネスQを有するQMH値と、任意の色相H、ブライトネスQ毎の最大のカラフルネスMを検出し、目標デバイス上の入力画像の色域として一時記憶される。
【0053】
このような基準色再現範囲の検出と同時に、コンピュータ100から選択された画像出力デバイスの機種情報と観察条件に応じて、出力色再現範囲検出部306、CMYK→QMH色空間変換部307、観察条件調整部308によって、画像出力側におけるデフォルトの色再現範囲が検出される。
【0054】
具体的には、観察条件調整部308において複数のCMYKの組合せが選択され、CMYK→QMH色空間変換部307で、設定された出力側の観察条件下におけるQMH値を算出し、図8に示すような代表の色相HとブライトネスQに対応した最大のカラフルネスMを記述したデータテーブルが出力デバイスの色再現範囲として出力色再現範囲検出部306に一時記憶される。
【0055】
色再現範囲比較部305において、前述した目標デバイスの色再現範囲または目標デバイス上の入力画像の色域と、出力デバイスの色再現範囲を比較し、入力側の色域の最外郭に接しているかどうか判定し、接していない場合は、観察条件調整部308に出力側の色再現範囲の拡大あるいは縮小を指示し、観察条件調整部308において出力側の観察条件を変更し、CMYK→QMH色空間変換部307での前述した演算を実施して仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を、入力側の色域の最外郭に接するあるいはそれに準ずるまで行う。
【0056】
具体的には図9に示すように、出力側(プリンタ)の色再現範囲が基準デバイス(モニタ)の色再現範囲より狭い場合、例えば、出力側の順応視野の輝度Laを上げ、ある色相(図9ではH1)において、基準デバイス(モニタ)の色再現範囲である各ブライトネス毎の最大カラフルネスMのどこかに出力側(プリンタ)の色再現範囲が接するまで、仮想的に色再現範囲を拡大する。
【0057】
観察条件調整部308において出力側の観察条件を変更する際、コンピュータ100等で設定された出力側の観察条件における参照白色の三刺激値(XYZ)を固定して、さらに、順応視野における輝度情報Laを変更することで、実際の観察環境下においても色相ずれがない自然な色再現が可能となる。
【0058】
尚、特に出力側の観察条件が設定されていない場合は、補助標準の光(標準の光に準じて補助的に用いる測色用の光)であるD50光源(相対色温度が約5000Kに近似する昼光で照明する物体色の表示に一般的に用いられている)が参照白色点として設定される。
【0059】
また、基準デバイスや出力デバイスの代表的な観察条件における色再現範囲について、予めデータを作成しメモリ等に記憶させておき、前述した条件に最も近い観察条件を選択する形式をとっても構わない。
【0060】
このようにして観察条件調整部308において定まった最適な観察条件に応じてQMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304による色変換が入力画像データに対して実施される。
【0061】
CMYK→QMH色空間変換部307や、QMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304は、CMYKとXYZの関係の予測式をベースに構築されている。
【0062】
実際には、予め出力した複数の代表CMYKパッチを測色し、結果をメモリマップ補間する方法や多層のニューラルネットワークや多項式にCMY(K)とXYZの関係を学習させて近似する方法等がある。
【0063】
このCMYKとXYZの関係とCIECAM97sで定義されている(3)〜(32)の演算式を用いて、CMYK→QMHを予測する。
【0064】
さらにCMYK→QMHについては、代表的なCMYKの組合せに対して4次元ルックアップテーブルを生成して線形補間を実施する。この4次元ルックアップテーブルの生成については、従来からある最大墨をベースにした方法などで、XYZ空間において予め墨量であるKを定めておき、XYZ(K)→QMH(K)を先に求め、QMH(K)からCMYの組合せを、前述のCMYK→QMHの関係から最小2乗法やパウエル法などの最適化演算で算出する。
【0065】
勿論、ここでも代表的な観察環境における代表的なQMHに対するCMYKデータを予め作成して記憶しておいても構わない。
【0066】
このようにQMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304において、選択された画像出力装置の制御信号に変換された画像データは、例えば、図3における画像出力装置1021に送られてプリントアウトが実施される。
(カラー画像処理装置2の構成)
ここでは、本発明の特徴であるカラー画像処理装置300の構成について説明する。図10は、カラー画像処理装置300の第2の構成例を示すブロック図である。
【0067】
図10に示すように、カラー画像処理装置300は、RGB→QMH色空間変換部301、画像記憶手段(格納バッファ)302、基準色再現範囲検出部303、QMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304、色再現範囲比較部305、出力色再現範囲検出部306、CMYK→QMH色空間変換部307、観察条件調整部308、データ変換(符号化)部309で構成されている。RGB→QMH色空間変換部301〜観察条件調整部308は、図4で説明したものと同様である。
(カラー画像処理装置2の動作)
カラー画像処理装置1の動作で述べた方法で観察条件調整部308において定まった基準となる色域を再現するのに最適な観察条件で、QMH→CMYK(CMYK→QMH)色空間変換部304による色変換が入力画像データに対して実施され、例えば、図3における画像出力装置1021に送られてプリントアウトが実施される。
【0068】
この時、観察条件調整部308で設定された画像出力側の観察条件情報は、データ変換(符号化)部309において、バーコード、暗号あるいは透かしデータに変換され、画像出力装置1021に同時に送られ、プリントアウトされる。
(カラー画像処理装置3の構成)
ここでは、本発明の特徴であるカラー画像処理装置300の構成について説明する。図11は、カラー画像処理装置300の第3の構成例を示すブロック図である。
【0069】
図11に示すように、カラー画像処理装置300は、RGB→QMH色空間変換部301、データ変換(復号化)部310、QMH→RGB色空間変換部311で構成されている。
(カラー画像処理装置3の動作)
ここでは、カラー画像処理装置2の動作で述べた方法でプリントアウトされた出力サンプルを、図3における画像入力装置1024で読み取って、基準色空間におけるオリジナル画像データを復元する機能について説明する。
【0070】
復元画像の読み込みを指示すると、図3における画像入力装置1024でカラー画像処理装置2の動作で述べた方法でプリントアウトされた出力サンプルが読み取られ、コンピュータ100を介して、読み取られたRGB画像データが、図11で示すカラー画像処理装置300のRGB→QMH色空間変換部301およびデータ変換(復号化)部310に送られる。同時にコンピュータ100から画像入力装置1024の光源などの特性情報もRGB→QMH色空間変換部301に送られる。
【0071】
データ変換(復号化)部310では、読み取られたRGB画像データから復元に必要な暗号化された推奨観察条件を抽出および復号を行い、RGB→QMH色空間変換部301に情報を送る。
【0072】
ここでいう推奨観察条件とは、カラー画像処理装置1の動作で述べた任意の画像出力装置で基準となる色域を再現するのに使用した観察条件のことを指す。
【0073】
RGB→QMH色空間変換部301において、読み取られたRGB画像データを画像入力装置1024の特性情報に応じて、XYZ値に変換され、さらにデータ変換(復号化)部310で変換された推奨観察条件を用いてQMHデータに変換される。
【0074】
RGB→QMH色空間変換部301で変換されたQMHデータは、QMH→RGB色空間変換部311において、コンピュータ100から送られた基準色空間(観察条件)に応じて、例えば標準色空間であるsRGBやsYCCのようなデータに変換されてコンピュータ100にオリジナル画像として送られる。
【0075】
このようにすることで、特性の異なる複数のカラーデバイス間でカラー画像を扱う際、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に合わせて色域圧縮して色再現した場合でも、少ない情報量で、オリジナル画像を復元することが可能になる。
【0076】
図12は、前述したカラー画像処理装置1が行うカラー画像処理方法による色変換パラメータの設定について説明するフローチャートである。
【0077】
まず、ステップ1で入出力デバイスを決定すると、ステップ2において、設定されたそれぞれの観察条件がセットされ、ステップ3で、観察条件下での知覚量を予測できるQMH色空間において、入出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を作成する。
【0078】
ステップ4で、入出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を比較し、ステップ5において、出力デバイスのガマットが入力側のガマットの最外郭に接しているかどうか判定し、接していない場合は、さらにステップ6で、入力側のガマットの方が大きいか否かを判定し、大きい場合はステップ7において出力側の順応視野の輝度Laを上げ、小さい場合はステップ8において出力側の順応視野の輝度Laを下げて、ステップ9において出力ガマットの変更を行い、ステップ5において、出力デバイスのガマットが入力側のガマットの最外郭に接するまで、出力ガマットの調整(拡大もしくは縮小)を行い、接した時点で、ステップ10で出力条件が設定される。
【0079】
ステップ11で、入力色空間(RGB)の分割を行ない、ステップ12で、格子点のアドレスに相当するRGBをステップ2で決定した入力観察条件下におけるQMHに変換する。
【0080】
ステップ13で、ステップ12で変換した格子点データに対してJCH→CMY(K)変換を実施する。
【0081】
ステップ14で全ての格子点についてこの処理を実施すると、パラメータ設定が完了する。
【0082】
上記処理により、RGB空間上にある代表のRGB値に対応する出力CMY(K)信号値を3次元ルックアップテーブルに記憶させておき、色変換処理は、該3次元ルックアップテーブルから複数の出力値を読み出して補間演算を行う。
【0083】
つまり、3次元色空間であるRGB(緑、青、赤)の階調データから、出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)データへの変換は、メモリマップ補間でCMYKに色変換する。メモリマップ補間とは、図13に示すように、RGB空間を入力色空間とした場合、RGB空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(RGB)おける出力値Pを求めるには、前記入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と前記入力の前記立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、点Pで分割された8個の小直方体の体積V1〜V8の加重平均による線形補間を実施する。
【0084】
また、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0085】
図14は、本画像処理システムの具体的な構成例としての情報処理システムの構成を示す。この画像処理システムは、ワークステーション等のコンピュータ100とプリンタ102とディスプレイ101が接続されている。ワークステーション(コンピュータ100)は、前記した色変換処理の機能を実現するもので、ディスプレイ101、キーボード112、プログラム読取装置111および演算処理装置110などで構成されている。演算処理装置は、種々のコマンドを実行可能なCPU121に、ROM123、RAM122がバスで接続されている。また、バスには大容量記憶装置であるハードディスク等のDISK124と、ネットワーク上の機器と通信を行なうNIC125が接続されている。
【0086】
プログラム読取装置111は、各種のプログラムコードを記憶した記憶媒体、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置で、例えば、フロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブなどである。
【0087】
記憶媒体に記憶されているプログラムコードは、プログラム読取装置で読み取ってDISK124などに格納され、このDISK124などに格納されたプログラムコードをCPU121によって実行することにより、前記した画像処理方法などを実現することができるようになる。また、コンピユータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)やデバイス・ドライバなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前記した機能が達成される場合も含まれる。
【0088】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0089】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0090】
本発明に関わる第1の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置において、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有するため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にすることができる。
【0091】
本発明に関わる第2の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置において、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での前記入力画像データの色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間における入力画像データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有するため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラー画像の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にすることができる。
【0092】
本発明に関わる第3の発明は、前記観察条件の推定について、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定するようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現を可能にすることができる。
【0093】
本発明に関わる第4の発明は、前記出力側の推定観察環境について、少なくとも順応視野における輝度情報を含むようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現を比較的容易に可能にすることができる。
【0094】
本発明に関わる第5の発明は、出力側の観察条件を推定する際、少なくとも出力側の観察条件における参照白色の三刺激値を固定するようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても色相ずれがない自然な色再現を可能にすることができる。
【0095】
本発明に関わる第6の発明は、知覚色空間について、QMH色空間のような輝度に相関のある知覚量で表現するようにしているため、特性の大きく異なる複数のカラーデバイス間においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を比較的容易に可能にすることができる。
【0096】
本発明に関わる第7の発明は、カラー画像処理装置において、出力側の前記推定観察条件が標準観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力する出力手段を有するため、遠隔地でカラー画像出力を扱う場合においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、忠実な色再現を可能にすることができる。
【0097】
本発明に関わる第8の発明は、カラー画像処理装置において、出力側の観察条件を設定する設定手段と、実際の観察条件と前記推定観察条件が異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力する出力手段を有するため、遠隔地で様々な観察環境においてカラー画像出力を扱う場合においても、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、忠実な色再現を可能にすることができる。
【0098】
本発明に関わる第9の発明は、前記推定観察条件の出力については、バーコードまたは暗号を含むものとし、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生するようにしているため、特性の異なる複数のカラーデバイス間でカラー画像を扱う際、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に合わせて色域圧縮して色再現した場合でも、少ない情報量で、オリジナル画像を復元することができる。
【0099】
本発明に関わる第10の発明は、特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱う際、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出し、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定して、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換するようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現をすることができる。
【0100】
本発明に関わる第11の発明は、カラー画像処理方法における前記観察条件の推定について、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定するようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実あるいは好ましい色再現、実際の観察環境下においても階調の潰れがない自然な色再現をすることができる。
【0101】
本発明に関わる第12の発明は、カラー画像処理方法において、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件も出力し、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生するようにしているため、特性の異なる複数のカラーデバイス間でカラー画像を扱う際、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイス上の色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に合わせて色域圧縮して色再現した場合でも、少ない情報量で、オリジナル画像を復元することができる。
【0102】
本発明に関わる第13、14の発明は、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する手順と、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する手順と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する手順と、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記推定観察条件も前記カラー画像出力装置で出力する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録するようにしているため、色再現目標となる任意の観察条件下におけるカラーデバイスの色を、設定されたカラー画像出力装置の色再現特性に応じて、推奨する観察条件では忠実な色再現、実際の観察環境下においても自然な色再現を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色域マッピングを説明する図である。
【図2】デバイス間の色再現範囲の相違を示す。
【図3】本発明に係る画像処理システムの構成例を示す。
【図4】本発明のカラー画像処理装置の第1の構成を示す。
【図5】観察条件に対する色再現範囲を説明する図である。
【図6】カラー・アピアランス・モデルを説明する図である。
【図7】RGB空間上での最高彩度色の軌跡を説明する図である。
【図8】出力側の色再現範囲情報を説明する図である。
【図9】観察条件調整部を説明する図である。
【図10】本発明のカラー画像処理装置の第2の構成を示す。
【図11】本発明のカラー画像処理装置の第3の構成を示す。
【図12】本発明のカラー画像処理方法を説明するフローチャートである。
【図13】メモリマップ補間を説明する図である。
【図14】本発明をソフトウェアで実現する場合の構成例を示す。
【符号の説明】
100 コンピュータ
101 ディスプレイ
300 画像処理装置
1021〜1023 画像出力装置
1024 画像入力装置

Claims (14)

  1. 特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置であって、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有することを特徴とするカラー画像処理装置。
  2. 特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱うカラー画像処理装置であって、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での入力画像データの色域を算出する算出手段と、選択されたカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する推定手段と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間における入力画像データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する変換手段を有することを特徴とするカラー画像処理装置。
  3. 前記観察条件の推定は、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定することを特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  4. 前記出力側の推定観察条件は、少なくとも順応視野における輝度情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  5. 前記出力側の観察条件を推定する際、少なくとも出力側の観察条件における参照白色の三刺激値を固定することを特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  6. 前記知覚色空間は、QMH色空間のような輝度に相関のある知覚量で表現されていること特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  7. 前記出力側の推定観察条件が標準観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件を出力する出力手段を有すること特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  8. 前記出力側の観察条件を設定する設定手段と、実際の観察条件と前記推定観察条件が異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件を出力する出力手段を有すること特徴とする請求項1または2記載のカラー画像処理装置。
  9. 前記推定観察条件の出力は、バーコードまたは暗号を含み、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生することを特徴とする請求項7または8記載のカラー画像処理装置。
  10. 特性の異なる複数の機種間でカラー画像を扱う際、色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出し、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定して、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換することを特徴とするカラー画像処理方法。
  11. 前記観察条件の推定は、出力側の観察条件を変えることで仮想的に色再現範囲の拡大あるいは縮小を行い、入力側の色域の最外郭に接するような観察条件を推定することを特徴とする請求項10記載のカラー画像処理方法。
  12. 前記出力側の推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記カラー画像出力装置で出力の際、前記推定観察条件を出力し、カラー画像の読み込みの際には、読み込み装置の特性と前記推定観察条件を参照して入力カラー画像を再生することを特徴とする請求項11記載のカラー画像処理方法。
  13. 色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する手順と、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する手順と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する手順と、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記推定観察条件を前記カラー画像出力装置で出力する手順をコンピュータに実行させるプログラム。
  14. 色再現目標となるカラーデバイスの任意の観察条件下における知覚色空間での色域を算出する手順と、任意のカラー画像出力装置において、前記色域が再現できる観察条件を推定する手順と、前記出力側の推定観察条件に基づいて、前記知覚色空間データをカラー画像出力装置に依存する出力データに変換する手順と、出力側の前記推定観察条件が実際の観察条件と異なる場合、前記推定観察条件を前記カラー画像出力装置で出力する手順をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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