JP2007189279A - 画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色域マッピング処理を行うための画像処理装置において、第一の色再現域の色座標を第二の色再現域での色座標に対応させるための色域マッピング処理を行う処理手段5,6と、その色域マッピング処理を、前記第一の色再現域での色表示に忠実に対応させるように行うか、あるいは前記第二の色再現域での色表示が好ましく見えるように行うかを識別する識別手段2と、前記色域マッピング処理にあたって輝度または明度の変更処理を行うとともに前記識別手段2での識別結果に応じて当該変更処理を相違させる輝度・明度調整手段3とを設ける。
【選択図】図1
Description
その一方で、色域マッピング処理については、その汎用性を確保することも重要である。すなわち、モニタ忠実処理と好ましい見えの処理との双方に対応することを可能にしつつ、これらの処理の変更に柔軟に対応し得ることが望まれる。したがって、モニタ忠実処理における明度の問題を解決することが、好ましい見えの処理に悪影響を及ぼしてしまうのは回避すべきである。
しかも、その色域マッピング処理にあたっては、輝度または明度の変更処理を行うが、その変更処理を、モニタ忠実処理か好ましい見えの処理かの識別結果に応じて相違させる。つまり、それぞれに場合における輝度または明度の補正を区別するのである。具体的には、例えばモニタ忠実処理の場合にのみ輝度または明度の変更処理を行うようにする。したがって、共通の仕組みを維持しつつ色域マッピング処理を行う場合であっても、互いに異なる輝度または明度についての処理を経ることで、モニタ忠実処理と好ましい見えの処理とのそれぞれの場合において好適な色再現を実現し得るようになる。
ただし、CIELAB空間は知覚均等色空間であるとCIEで定義されているが、実際には均等でないことが知られている。例えば、Helmholtz-Kohlrausch効果が報告されている。そのため、例えば単にCIE−L*信号に対してガンマ処理等で変更を施しても、画像のバランスを壊すことに繋がり、見た目に応じた明度の変更できない場合がある。したがって、ここでの明度変更処理とは、L*信号のみを変更することに限定されないものとする。これは、低彩度でのL*信号の変更では効果が高いことによる。
つまり、本実施形態における画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法は、以下に説明するように、画像のバランスを壊すことのない明度変更処理を行うとともに、モニタ表示に忠実か、印刷画像が好ましく見えることを期待するかについての情報を獲得し、その情報に応じてモニタ忠実処理と好ましい見え処理とで当該明度変更処理を相違させるものである。
図1は、本発明に係る画像処理装置の概略構成例を示す機能ブロック図である。
図例のように、本実施形態で説明する画像処理装置は、情報入力手段1と、識別手段2と、輝度調整手段3と、モニタ輝度入手手段4と、CIELAB生成手段5と、色域マッピング係数作成手段6と、を備えている。
ただし、輝度調整手段3では、識別手段2での識別結果に応じて、明度変更処理を相違させるようになっている。具体的には、識別手段2がモニタ忠実処理を行うと識別した場合にのみ明度変更処理を行い、識別手段2が好ましい見えの処理を行うと識別した場合には明度変更処理を行わないことで、それぞれの場合における明度変更処理を相違させるようになっている。
なお、輝度調整手段3が明度変更処理を行う場合には、その明度変更処理を経た後に、CIELAB生成手段5および色域マッピング係数作成手段6が色域マッピング処理を行うようになっている。
また、CIELAB生成手段5については、必ずしも必須な構成ではない。すなわち、装置構成によっては、CIELAB生成手段5がなくても色域マッピング係数作成手段6での処理に支障が生じないので、その場合にはCIELAB生成手段5を備えてなくてもよい。
明度変更処理にあたっては、先ず、モニタ輝度入手手段4が、モニタ表示を行うデバイス(ディスプレイモニタ等)における輝度値についての情報を入手特定する。例えば、モニタ表示を行うデバイスの無彩色(またはRGBプライマリ)の輝度値を特定する。この入手特定は、事前にモニタ表示における白色情報を計測したり、あるいは当該デバイスのドライバ情報を取得することによって行うことが考えられる。そして、無彩色(例えば白色)の輝度値を特定したら、続いて、白色の絶対輝度値(三刺激値CIEXYZ)と印刷物の白色の絶対輝度値(三刺激値CIEXYZ)との比を求める。ここでの比は、輝度値Yのみでもよい。また、簡便な構成でよければ、光源の照度も代用できる。その後は、予め設定していた輝度比に基づくCIEXYZ変換テーブルを利用して、輝度調整手段3が明度変更処理を行う。
しかも、その色域マッピング処理にあたっては、明度変更処理を行うが、その明度変更処理を、モニタ忠実処理か好ましい見えの処理かの識別結果に応じて相違させる。つまり、モニタ忠実処理の場合にのみ明度変更処理を行う。したがって、共通の仕組みを維持しつつ色域マッピング処理を行う場合であっても、互いに異なる処理を経ることで、モニタ忠実処理と好ましい見えの処理とのそれぞれの場合において、好適な色再現を実現し得るのである。
したがって、本実施形態における画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法によれば、汎用性のある色域マッピング処理を行うことが実現可能となり、しかもモニタ表示に忠実な色再現と好ましく見える色再現とを簡便に精度良く切り換えることができるので、利用者が所望する再現色を的確に得ることができ、結果として利用者にとって非常に利便性の高いものとなる。
Claims (9)
- 第一の色再現域の色座標を第二の色再現域での色座標に対応させるための色域マッピング処理を行う処理手段と、
前記処理手段での色域マッピング処理を、前記第一の色再現域での色表示に忠実に対応させるように行うか、あるいは前記第二の色再現域での色表示が好ましく見えるように行うかを識別する識別手段と、
前記処理手段での色域マッピング処理にあたって輝度または明度の変更処理を行うとともに、前記識別手段での識別結果に応じて当該変更処理を相違させる輝度・明度調整手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記輝度・明度調整手段は、前記識別手段が前記色域マッピング処理を前記第一の色再現域での色表示に忠実に対応させて行うと識別した場合にのみ、前記輝度または明度の変更処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記輝度・明度変更手段は、予め設定されているカラーテーブル、シグモイド曲線若しくは色の見えモデルでの不完全順応モデルを利用して、前記輝度または明度の変更処理を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。 - 前記第一の色再現域での画像出力条件がモニタ表示かプリント出力かを判別する条件判別手段を備えるとともに、
前記輝度・明度変更手段は、前記条件判別手段での判別結果がモニタ表示であれば、当該モニタ表示を行うデバイスにおける無彩色の輝度を用いて、当該輝度の値の範囲または当該輝度と反射画像との比を基に、前記輝度または明度の変更処理を行う
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の画像処理装置。 - 前記第一の色再現域での画像出力条件がモニタ表示かプリント出力かを判別する条件判別手段を備えるとともに、
前記輝度・明度変更手段は、前記条件判別手段での判別結果がモニタ表示であれば、当該モニタ表示を行うデバイスにおける平均輝度を用いて、当該輝度の値の範囲または当該輝度と反射画像との比を基に、前記輝度または明度の変更処理を行う
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の画像処理装置。 - 前記デバイスにおける輝度に関する情報を入手する情報入手手段
を備えることを特徴とする請求項4または5記載の画像処理装置。 - 前記輝度・明度変更手段は、所定色成分のみに限定して、前記輝度または明度の変更処理を行う
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
第一の色再現域の色座標を第二の色再現域での色座標に対応させるための色域マッピング処理を行う処理手段と、
前記処理手段での色域マッピング処理を、前記第一の色再現域での色表示に忠実に対応させるように行うか、あるいは前記第二の色再現域での色表示が好ましく見えるように行うかを識別する識別手段と、
前記処理手段での色域マッピング処理にあたって輝度または明度の変更処理を行うとともに、前記識別手段での識別結果に応じて当該変更処理を相違させる輝度・明度調整手段
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。 - 第一の色再現域の色座標を第二の色再現域での色座標に対応させるための色域マッピング処理を行う処理ステップと、
前記処理ステップでの色域マッピング処理を、前記第一の色再現域での色表示に忠実に対応させるように行うか、あるいは前記第二の色再現域での色表示が好ましく見えるように行うかを識別する識別ステップと、
前記処理ステップでの色域マッピング処理にあたって輝度または明度の変更処理を行うとともに、前記識別ステップでの識別結果に応じて当該変更処理を相違させる輝度・明度調整ステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法。
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