JP2005005309A - 蓋装置及びデジタルカメラ - Google Patents

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【課題】蓋がロックの確実性と解除の容易性を兼ね備えたものとなる、構成が簡単で小型に形成できる、等の利点を有する蓋装置及びデジタルカメラを提供。
【解決手段】本蓋装置30は、筐体11の一部に配置された格納室20を閉鎖可能な如く上記筐体11に設けられた支軸33に対し回動自在に軸支された蓋31と、この蓋31を前記支軸33のスラスト方向の第一の位置P1と第二の位置P2との間をスライド可能に保持するスライド機構SMと、このスライド機構SMによりスライド可能に保持された前記蓋31を前記第一の位置P1方向へ付勢する付勢部材35と、前記蓋31が前記格納室20を閉鎖する閉鎖位置CPにおいて前記第一の位置P1へ移動したとき当該蓋31を開放不能な状態にロックし、前駆蓋31が上記閉鎖位置CPにおいて前記第二の位置P2へ移動したとき当該蓋31を開放可能な状態にアンロックするロック機構LCとを備えたことを主たる特徴としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばデジタルカメラ等の携帯機器における被保護部を保護するための蓋装置、及びこの蓋装置を備えたデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の蓋装置は、筐体の一部に配置された被保護部(例えばデジタルカメラの場合、カメラ側面に配置される記録媒体収納室の開口部等)を保護するために、保護蓋が筺体の支軸に対し回動自在に軸支されている。そして閉じられた状態の蓋が閉鎖状態を安定に保持されるように、当該蓋は何らかのロック手段でロックされるようになっている。このロック手段として、例えば回動式のロック専用のレバーなどを備えたものにすると、ロック機構自体ひいては蓋装置全体が大型化する。そこでデジタルカメラ等の携帯機器における蓋装置では、蓋の一部に形成した係止爪(スナップフィット用ツメ部)を弾性変形させて筐体に係止させる手段(特許文献1参照)が多用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−88818号公報(段落[0028]、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示されているように、蓋の一部に形成した係止爪を弾性変形させて筐体に係止させる手段を用いたものでは、ロックの確実性と解除の容易性を両立させることが困難である。すなわち、蓋が衝撃等で簡単に開かないようにロック力を強いものにすると、蓋を開けるときの解除操作が困難となる。これとは逆に蓋を開け易いものにすると、衝撃等で蓋が簡単に開いてしまうおそれが出てくる。
【0005】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、下記のような利点を有する蓋装置およびこの蓋装置を備えたデジタルカメラを提供することにある。
【0006】
(a) 保護用の蓋がロックの確実性と解除の容易性を兼ね備えたものとなる。
【0007】
(b) 構成が簡単で小型に形成できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の蓋装置およびこの蓋装置を備えたデジタルカメラは下記のような特徴ある構成を有している。なお下記以外の特徴ある構成については実施形態の中で明らかにする。
【0009】
(1)本発明の蓋装置は、筐体の一部に配置された格納室を閉鎖可能な如く上記筐体に設けられた支軸に対し回動自在に軸支された蓋と、この蓋を前記支軸のスラスト方向の第一の位置と第二の位置との間をスライド可能に保持するスライド機構と、このスライド機構によりスライド可能に保持された前記蓋を前記第一の位置方向へ付勢する付勢部材と、前記蓋が前記格納室を閉鎖する閉鎖位置において前記第一の位置へ移動したとき当該蓋を開放不能な状態にロックし前駆蓋が上記閉鎖位置において前記第二の位置へ移動したとき当該蓋を開放可能な状態にアンロックするロック機構と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
(2)本発明のデジタルカメラは、前記(1)等に記載の蓋装置を備えたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、図2は上記デジタルカメラの蓋装置の構成を示す斜視図である。図3の(a)(b)は上記蓋装置の機能を説明するための図である。図4の(a)(b)は上記蓋装置の作用を示す要部断面図である。
【0012】
図1〜図3に示すように、このデジタルカメラ10は、前カバー11aと中カバー11bと後カバー11cとが一体的に結合された筺体11を有している。
【0013】
前カバー11aの前面部には、レンズバリア12がガイド溝13に案内されて図中左右方向へスライド可能な如く装着されている。このレンズバリア12は、カメラ非使用時には、前カバー11aの内側に引き込まれた撮影レンズ14の前面を覆うことにより、同撮影レンズ14の保護を行なう。またカメラ使用時には、撮影レンズ14の前面を開放して、同撮影レンズ14の繰り出しを許容し、撮影動作を可能ならしめる。
【0014】
前記中カバー11bの上面部には、撮影開始を指示するレリーズボタン15が設けられている。また前記後カバー11cの背面上部にはファインダ接眼部16が設けられている。
【0015】
筺体11のグリップ部側面、すなわち図中左側面のカバー部内には、記録媒体等を格納するための格納室20が設けられている。この格納室20には記録媒体収納室21や外部機器との接続をはかる為のコネクタ部22,23等の被保護部Xが配置されている。
【0016】
本実施形態では、記録媒体収納室21はカード型のデータ記録媒体(不図示)が装填されるカードスロットであり、コネクタ部22はビデオ信号接続プラグ(不図示)が挿着されるビデオ端子であり、コネクタ部23はUSB接続プラグ(不図示)が挿着されるUBS端子である。
【0017】
かくしてこのデジタルカメラ10は、前記記録媒体収納室21に収納されるデータ記録媒体に、撮影画像データを記録し、かつ上記撮影画像データを前記コネクタ部22,23を介して入出力可能となっている。
【0018】
上記格納室20は、筺体11の図中左側面のカバー部に設けた蓋装置30によって閉鎖されるものとなっている。この蓋装置30は、蓋31と、この蓋31の内面に取付けた防水用のゴムパッキング32と、上記蓋を回動可能に軸支するための支軸33とを備えている。
【0019】
かくして蓋31は、図1に示されているように、前記格納室20を閉鎖する閉鎖位置CPと、図2に示されているように、前記格納室20を開放する開放位置OPとの間を回動し得るものとなっている。
【0020】
上記支軸33は、一対の支持ブロック33a,33bによってシャフト33cを支持した構造を有している。このシャフト33cに前記蓋31の軸受部31a、31bが回動可能に嵌め込まれている。図3の(a)に示すように、軸受部31aの外側面と軸受部31bの外側面との間隔L1は、支持ブロック33aの内側面と支持ブロック33bの内側面との間隔L2に比べて若干狭く設定されている。従って両者間には上記間隔の差分に相当する間隙部G(後述するように蓋31の開閉に応じてG1またはG2となる)が存在している。この間隙部Gによって、図3の(a)(b)に示すように、蓋31は支軸33のスラスト方向の第一の位置P1と第二の位置P2との間をスライド可能に保持される。すなわち支軸33は本発明のスライド機構SMを備えている。
【0021】
上記間隙部Gには、付勢部材としてのコイルスプリング35が、若干圧縮された状態で嵌め込まれている。従って前記スライド機構SMによりスライド可能に保持された前記蓋31は、上記コイルスプリング35の付勢力により、第一の位置P1の方向へ付勢される。なお蓋31が第一の位置P1にあるときは、前記間隙部GはG1となる。また蓋31が第二の位置P2に移動すると、コイルスプリング35が圧縮されて前記間隙部GはG2に縮小する。
【0022】
前記蓋31の下端部位には係合用突部34が設けられている。この係合用突部34は、筐体11の下端部位に設けられている係合用凹部24に対し挿脱自在に係合し得るものとなっている。図4の(a)に示すように、係合用突部34は、先端部下面に爪部34aを有し、下面全域に滑り止め用の波形凹凸部からなる操作部34bを有している。爪部34aの前部はテーパ面Tとなっており、後部は垂直面Vとなっている。また係合用凹部24は開口端の下端部が突出部24aとなっており、その奥方向に係止溝24bが設けられている。係合用突部34と係合用凹部24とは本発明のロック機構LCを構成している。
【0023】
このロック機構LCは、蓋31が前記格納室20を閉鎖する閉鎖位置CPにおいて前記第一の位置P1へ移動したとき、当該蓋31を開放不能な状態にロックし、蓋31が上記閉鎖位置CPにおいて前記第二の位置P2へ移動したとき、当該蓋31を開放可能な状態にアンロックするものとなっている。
【0024】
次に、上記の如く構成された第一実施形態に係る蓋装置の動作を説明する。
【0025】
(i)蓋31の閉動作
図2のように開いた状態すなわち開放位置OPに位置している蓋31を、図1のように閉鎖位置CPへ移動させて閉じた状態となすには、単に蓋31を閉じる方向へ回動操作すればよい。このようにすると蓋31の係合用突部34が筐体11の係合用凹部24の中へ挿入され両者は係合状態となる。
【0026】
すなわち、図4の(a)に示す状態から、係合用突部34が係合用凹部24の中に押し込まれ、係合用突部34の爪部34aが係合用凹部24の開口端突出部24aに衝接すると、爪部34aの前部テーパー面Tに上方向のベクトル分力が働く。このため蓋31全体が上方へ押し上げられる。このとき係合用突部34は、図4の(b)に示すように、前記第一の位置P1に対応するレベルQ1から、第二の位置P2に対応するレベルQ2へ破線で示す如く上方へ移動する。さらに係合用突部34が押し込まれると、係合用突部34の爪部34aは係合用凹部24の開口端突出部24aを乗り越えて係止溝24bに落ち込む。このときコイルスプリング35の付勢力により蓋31は下方向へ付勢され、爪部34aは係止溝24aの中に安定に係合保持される。
【0027】
この状態から蓋31を開こうとして蓋31に開放方向への回動力を与えても、係合用突部34の爪部34aの後部垂直面Vが、係合用凹部24の係止溝24bの垂直係止面Wで係止されているため、蓋31は簡単には開かない。従って、たとえ振動などが加わっても、蓋31が開放してしまうおそれはない。
【0028】
(ii)蓋31の開動作
図1のように閉じた状態すなわち閉鎖位置CPに位置している蓋31を、図2のように開放位置OPへ移動させて開いた状態となすには、蓋31を上方へ押し上げながら蓋31を開く方向へ回動操作すればよい。このようにすると、前述と同様に、係合用突部34はレベルQ1からレベルQ2へ移動する。このため係合用突部34の爪部34aが係合用凹部24の係止溝24bから真上に離脱し係合が解かれる。蓋31は上記の状態から開放位置OPの方向へ回動操作されるため無理なく開放状態となる。
【0029】
かくして、この蓋装置30によれば、図4の(c)に破線で示すように、係合用突部34を弾性変形させて、係合用凹部24から離脱させる必要がなくなる。このため蓋31の開操作が極めて容易となる。
【0030】
(第二実施形態)
図5の(a)は本発明の第二実施形態に係る蓋装置30の構成を示す斜視図である。本実施形態が第一実施形態と異なる点は、付勢部材としてのコイルスプリング35が、蓋31を前記第一の位置P1の方向へ付勢する機能だけでなく、蓋31を開放位置OPの方向へ付勢する機能をも有するように構成されている点である。
【0031】
すなわちコイルスプリング35は、図5の(b)に示すように両端部位がストレート状に引き伸ばされている。そして筐体11の一部に接する一端部35aと蓋31の内面に接する他端部35bとの間に、コイルスプリング35のラジアル方向へ付勢力Rが生じるように、またコイル部35cにコイルスプリング35のスラスト方向へ付勢力Sが生じるように、コイルスプリング35は、所定の「捩じり」を与えられると共に、若干「圧縮」されて支軸33に装着される。
【0032】
この第二実施形態においては、蓋31を開動作させる際、蓋31を第二の位置P2の方向へ移動せて係合用突部34と係合用凹部24との係合を解除すると、蓋31はコイルスプリング35の付勢力で自ら開放動作する。従って蓋31の開操作がさらに容易となる。上記の点以外は第一実施形態と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0033】
(第三実施形態)
図6の(a)(b)は本発明の第三実施形態に係る蓋装置30の構成及び機能を示す部分側面図である。本実施形態が第一実施形態と異なる点は、付勢部材としてのコイルスプリング35が、外部から視認されないように、蓋31の一方の軸受部(本実施形態では31a)の中空部36の中に収容保持した点である。
【0034】
この第三実施形態においても、蓋31を開閉動作させたとき、蓋31は図6の(a)に示す第一の位置P1から、付勢部材としてのコイルスプリング35を圧縮させて、図6の(b)に示す第二の位置P2へ移動することが可能となる。なお蓋31が第一の位置P1にあるときは、前記間隙部GはG3となる。また蓋31が第二の位置P2に移動すると、コイルスプリング35が圧縮されて前記間隙部GはG4に縮小する。本実施形態においては、コイルスプリング35が軸受部31aの中空部36の中に収容保持されているため、上記間隙部G4を略零となし得る。またコイルスプリング35が外部に露出していないことから外観が向上する。上記の点以外は第一実施形態と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0035】
(実施形態における特徴点)
[1]実施形態に示された蓋装置30は、
筐体11の一部に配置された格納室20を閉鎖可能な如く、上記筐体11に設けられた支軸33に対し回動自在に軸支された蓋31と、
この蓋31を前記支軸33のスラスト方向の第一の位置P1と第二の位置P2との間をスライド可能に保持するスライド機構SMと、
このスライド機構SMによりスライド可能に保持された前記蓋31を、前記第一の位置P1方向へ付勢する付勢部材35と、
前記蓋31が前記格納室20を閉鎖する閉鎖位置CPにおいて前記第一の位置P1へ移動したとき、当該蓋31を開放不能な状態にロックし、前駆蓋31が上記閉鎖位置CPにおいて前記第二の位置P2へ移動したとき、当該蓋31を開放可能な状態にアンロックするロック機構LCと、
を備えたことを特徴としている。
【0036】
上記蓋装置30においては、閉鎖位置CPにおいて蓋31を第一の位置P1へ移動させると、ロック機構LCが働いて当該蓋31は開放不能な状態に確実にロックされる。また閉鎖位置CPにおいて蓋31を第二の位置P2へ移動させると、ロック機構LCによるロックが解除されて当該蓋31は簡単に開放可能となる。なお上記蓋31の第一の位置P1から第二の位置P2への移動は、付勢部材35の付勢力に抗して行なわれるが、付勢部材35の付勢力はそれほど大きいものではない。従って係止爪を弾性変形させて筐体に係止させる手段を用いた従来のものに比べると、蓋31の開閉操作とりわけ開放操作が極めて容易となる。またこの蓋装置30は蓋31を支軸33のスラスト方向へ移動可能に設けると共に、蓋31を第一の位置P1の方向へ付勢する付勢部材35を取付けるだけで構成できる。従って、例えば回動式のロック専用のレバーなどを備えたものに比べると、構成が簡単で小型に形成できる。
【0037】
[2]実施形態に示された蓋装置30は、前記[1]に記載の蓋装置であって、前記付勢部材35は、前記支軸33に巻装されたコイルスプリングであることを特徴としている。
【0038】
上記蓋装置30においては、付勢部材35の取付けスペースが支軸33の外周部だけに限られる。このため付勢部材35を狭小なスペース内に効率良く組み付けることができ大型化しない。
【0039】
[3]実施形態に示された蓋装置30は、前記[2]に記載の蓋装置であって、前記コイルスプリング35は、一端部35aが前記筐体11の一部に接し、他端部35bが前記蓋31の一部に接し、前記蓋31を前記第一の位置P1の方向および開放位置OPの方向へ付勢するように装着されたことを特徴としている。
【0040】
上記蓋装置30においては、蓋31がコイルスプリング35によって開放位置OPの方向へ付勢されるため、蓋31を閉鎖位置CPにおいて第二の位置P2の方向へ移動操作すると、ロック機構LCによるロックが解除されると同時に当該蓋31が自動的に開放動作することになる。このため蓋31の開放操作がさらに容易となる。
【0041】
[4]実施形態に示された蓋装置30は、前記[2]に記載の蓋装置であって、前記コイルスプリング35は、支軸33における軸受部(実施形態では31a)の内部に、外部から視認不能な状態に収容保持されたことを特徴としている。
【0042】
上記蓋装置30においては、コイルスプリング35が軸受部31aの中空部36の中に収容保持され、外部に露出していないことから外観が向上する。
【0043】
[5]実施形態に示された蓋装置30は、前記[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の蓋装置であって、
前記蓋31は、デジタルカメラ筺体11における記録媒体収納室21の開口部を保護する蓋であることを特徴としている。
【0044】
[6]実施形態に示された蓋装置30は、前記[5]に記載の蓋装置であって、
前記蓋31は、デジタルカメラ筐体11のグリップ部側面に配置されていることを特徴としている。
【0045】
[7]実施形態に示された蓋装置30は、前記[5]に記載の蓋装置であって、
前記筐体11は係合用凹部24を有し、前記蓋31は上記係合用凹部24と係合可能な係合用突部34を有しており、上記係合用突部34は、当該係合用突部34の先端部(34a)に、前記係合用凹部24の開口端(24a)に衝接したとき、ベクトル分力により前記蓋31全体を前記第二の位置P2方向へ移動させるテーパー面Tを有していることを特徴としている。
【0046】
上記蓋装置30においては、蓋31を閉じるときは、単に蓋31を閉操作するだけで、係合用突部34が係合用凹部24の中にスムーズに挿入され、係合状態となる。従って蓋31をワンタッチ操作で簡単に閉じることが出来る。
【0047】
[8]実施形態に示されたデジタルカメラ10は、前記[1]ないし[7]のいずれか一つに記載の蓋装置30を備えたことを特徴としている。
【0048】
(変形例)
実施形態に示された蓋装置およびデジタルカメラは、下記の変形例を含んでいる。
【0049】
・図7の(a)に示すように、付勢部材としてコイルスプリング35の代わりにゴム等の弾性材料で一体成形した筒状の付勢部材45を用いてもよい。なお二点鎖線で示すように外周に環状溝45aを形成したものでも良い。上記付勢部材45を用いるとコイルスプリング35を用いたものより外観が向上する。
【0050】
・図7の(b)に示すように、金属あるいは樹脂等の弾性部材で形成した板ばね(例えばスプリング座金)からなる付勢部材55を、1個または複数個重ねて用いてもよい。なお皿型をなすスプリング座金からなるものでも良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、下記のような作用効果を奏する蓋装置およびこの蓋装置を備えたデジタルカメラを提供できる。
【0052】
(a) 蓋を閉鎖位置において支軸のスラスト方向の第1の位置へ移動させると蓋は確実にロックされる。また蓋を上記閉鎖位置において支軸のスラスト方向の第2の位置へ移動させると蓋は簡単にロックを解除される。かくして保護用の蓋がロックの確実性と解除の容易性を兼ね備えたものとなる。
【0053】
(b) 蓋を支軸のスラスト方向へ移動可能に設けると共に、コイルスプリング等からなる付勢部材を取付けるだけで構成できる。従って、例えば回動式のロック専用のレバーなどを備えたものに比べると、構成が簡単で小型に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図。
【図2】本発明の第一実施形態に係る蓋装置の構成を示す斜視図。
【図3】(a)(b)は本発明の第一実施形態に係る蓋装置の機能を説明する為の図。
【図4】(a)(b)は本発明の第一実施形態に係る蓋装置の作用を示す要部断面図。
【図5】(a)(b)は本発明の第二実施形態に係る蓋装置の構成を示す図で、(a)は斜視図、(b)は付勢部材であるコイルスプリングの斜視図。
【図6】(a)(b)は本発明の第三実施形態に係る蓋装置の構成及び機能を説明する為の部分側面図。
【図7】(a)(b)はそれぞれ本発明に係る付勢部材の変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
11 筺体
20 格納室
21 記録媒体収納室
22,23 コネクタ部
24 係合用凹部
30 蓋装置
31 蓋
32 ゴムパッキング
33 支軸
34 係合用突部
35 コイルスプリング(付勢部材)
CP 蓋の閉鎖位置
OP 蓋の開放位置
P1 スラスト方向の第一の位置
P2 スラスト方向の第二の位置
SM スライド機構
LC ロック機構
G 間隙部

Claims (8)

  1. 筐体の一部に配置された格納室を閉鎖可能な如く、上記筐体に設けられた支軸に対し回動自在に軸支された蓋と、
    この蓋を前記支軸のスラスト方向の第一の位置と第二の位置との間をスライド可能に保持するスライド機構と、
    このスライド機構によりスライド可能に保持された前記蓋を、前記第一の位置方向へ付勢する付勢部材と、
    前記蓋が前記格納室を閉鎖する閉鎖位置において前記第一の位置へ移動したとき、当該蓋を開放不能な状態にロックし、前駆蓋が上記閉鎖位置において前記第二の位置へ移動したとき、当該蓋を開放可能な状態にアンロックするロック機構と、
    を備えたことを特徴とする蓋装置。
  2. 前記付勢部材は、前記支軸に巻装されたコイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の蓋装置。
  3. 前記コイルスプリングは、一端部が前記筐体の一部に接し、他端部が前記蓋の一部に接し、前記蓋を前記第一の位置の方向および開放位置の方向へ付勢するように装着されたことを特徴とする請求項2に記載の蓋装置。
  4. 前記コイルスプリングは、支軸における軸受部の内部に、外部から視認不能な状態に収容保持されたことを特徴とする請求項2に記載の蓋装置。
  5. 前記蓋は、デジタルカメラ筺体における記録媒体収納室の開口部を保護する蓋であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の蓋装置。
  6. 前記蓋は、デジタルカメラ筐体のグリップ部側面に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の蓋装置。
  7. 前記筐体は係合用凹部を有し、前記蓋は上記係合用凹部と係合可能な係合用突部を有しており、上記係合用突部は、当該係合用突部の先端部に、前記係合用凹部の開口端に衝接したとき、ベクトル分力により前記蓋全体を前記第二の位置方向へ移動させるテーパー面を有していることを特徴とする請求項5に記載の蓋装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一つに記載の蓋装置を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
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