JP2005005285A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度配線が可能であるとともに生産性の高い配線基板を提供すること。
【解決手段】樹脂基板1の上下両面に銅箔から成る配線導体層2a、2bが被着された両面銅張板11の上下面に樹脂層3a、3bが積層されており、これらに上面側の配線導体層2aに接するとともに下面側の配線導体層2bに接しない貫通孔4aが上面側から、下面側の配線導体層2bに接するとともに上面側の配線導体層2aに接しない貫通孔4bが下面側からレーザ加工により穿孔されて、これらの貫通孔4a、4bの内面に貫通導体5および樹脂層3a、3bの表面に配線導体膜6a、6bがそれぞれめっきにより被着されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料系の多層配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子を搭載するための有機材料系の配線基板として、例えばガラス−エポキシ樹脂等の有機系絶縁材料から成る樹脂基板の上下面に銅箔から成る配線導体層が被着された両面銅張板の上下面にエポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする樹脂層が積層されているとともにその両面銅張板および樹脂層を上下に貫通するレーザ加工による複数の貫通孔を有し、その貫通孔の内面に貫通導体および樹脂層の表面にめっき配線導体膜がそれぞれ無電解銅めっきおよび電解銅めっきにより被着されて成る多層配線基板が知られている。この配線基板においては、貫通孔の内面に被着させた貫通導体を介して上下に位置する配線導体層とめっき配線導体膜とを電気的に接続することにより立体的な高密度配線が可能となっている。
【0003】
ところで、このような配線基板においては、両面銅張板の上下面に被着された銅箔から成る配線導体層は、その一方が主として電源用の内層導体パターンとして、他方が主として接地用の内層導体パターンとして供される。そして、例えば電源用の導体パターンであれば、これに導通するように設けられた電源用の貫通導体により電源用のめっき配線導体膜に電気的に接続されており、接地用の導体パターンであれば、これに導通するように設けられた接地用の貫通導体により接地用のめっき配線導体膜に電気的に接続されている。また、信号用の貫通導体が電源用の導体パターンおよび接地用の電源パターンに導通しないように設けられており、信号用のめっき配線導体膜に電気的に接続されている。
【0004】
このような配線基板は、例えばガラス−エポキシ樹脂等の有機系絶縁材料から成る樹脂基板の上下面に銅箔から成る配線導体層が被着された両面銅張板の上下面に配線導体層を覆うようにしてエポキシ樹脂等の樹脂から成る樹脂層を積層するとともに、その上面側からレーザ光を照射することにより貫通孔を穿孔し、しかる後、貫通孔内に銅めっきから成る貫通導体を、および樹脂層の表面に銅めっきから成るめっき配線導体膜をそれぞれ無電解めっき法および電解めっき法により被着させることによって製作されている。
【0005】
なお、樹脂基板の上下面に被着さたれ配線導体層には、他方の配線導体層の電源用または接地用の導体パターンに接続された貫通導体が貫通する位置および電源用、接地用の導体パターンに接続されていない信号用の貫通導体が貫通する位置にそれらの貫通導体がその中央部を貫通するようにして接続されたダミーの導体パターンが設けられており、さらにこのダミーの導体パターンを取り囲む開口部が設けられている。このようにダミーの導体パターンを設けることにより、貫通孔をレーザ加工により穿孔する際に各配線導体層におけるレーザ光の吸収や反射を略同じとして安定した形状の貫通孔を形成することができる。また、ダミーパターンを取り囲む開口部を設けることによりダミーパターンと電源用または接地用の導体パターンとの間に電気的な絶縁のための間隔が確保される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−299827号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の配線基板によれば、樹脂基板の上下面に被着された一方の配線導体層に、他方の配線導体層の電源用または接地用の導体パターンに接続された貫通導体および電源用、接地用の導体パターンに接続されていない信号用の貫通導体が貫通する位置にそれらの貫通導体がその中央部を貫通するようにして接続されたダミーの導体パターンを設けることから、ダミーの導体パターンを設ける分、貫通導体間の配列間隔を広くする必要があり、さらなる高密度配線が困難であるという問題点を有していた。また、樹脂基板の上下面に被着させた両方の配線導体層を貫通するように貫通孔を穿孔する必要があり、銅箔から成る配線導体層はレーザ光の吸収が少ないため貫通孔の穿孔に長時間を要し生産性が低いという問題点を有していた。
【0008】
本技術は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的はダミーの導体パターンを設けることなく、安定した形状の貫通孔が短時間に形成され、それにより高密度配線が可能であるとともに生産性の高い配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、樹脂基板の上面に第一の開口部および該第一の開口部よりも大きな第二の開口部を有する銅箔から成る第一の配線導体層が被着されているとともに、前記樹脂基板の下面に前記第一の開口部と上下に重なる位置に前記第一の開口部よりも大きな第三の開口部および前記第二の開口部と上下に重なる位置に前記第二の開口部よりも小さな第四の開口部を有する銅箔から成る第二の配線導体層が被着された両面銅張板と、該両面銅張板の上面に前記第一の配線導体層を覆うように積層された第一の樹脂層および前記両面銅張板の下面に前記第二の配線導体層を覆うように積層された第二の樹脂層と、前記第一および第三の開口部内を前記第一の配線導体層に接するとともに前記第二の配線導体層に接しないように前記第一の樹脂層の表面から前記第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通した第一の貫通孔の内面にめっき金属層を被着させて成る、前記第一の配線導体層に導通しているとともに前記第二の配線導体層に導通していない第一の貫通導体と、前記第二および第四の開口部内を前記第二の配線導体層に接するとともに前記第一の配線導体層に接しないように前記第二の樹脂層の表面から前記第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通した第二の貫通孔の内面にめっき金属層を被着させて成る、前記第二の配線導体層に導通しているとともに前記第一の配線導体層に導通していない第二の貫通導体と、前記第一および第二の樹脂層の表面にそれぞれ被着されためっき配線導体膜とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の配線基板の製造方法は、樹脂基板の上面に第一の開口部および該第一の開口部よりも大きな第二の開口部を有する銅箔から成る第一の配線導体層が被着されているとともに、前記樹脂基板の下面に前記第一の開口部と上下に重なる位置に前記第一の開口部よりも大きな第三の開口部および前記第二の開口部と上下に重なる位置に前記第二の開口部よりも小さな第四の開口部を有する銅箔から成る第二の配線導体層が被着されて成る両面銅張板の上下面に前記第一の配線導体層を覆う第一の樹脂層および前記第二の配線導体層を覆う第二の樹脂層を積層し、次に前記第一および第三の開口部内を前記第一の配線導体層に接するとともに前記第二の配線導体層に接しないように前記第一の樹脂層の表面から前記第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通する第一の貫通孔と、前記第二および第四の開口部内を前記第二の配線導体層に接するとともに前記第一の配線導体層に接しないように前記第二の樹脂層の表面から前記第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通する第二の貫通孔とを穿孔し、次に前記第一および第二の貫通孔の内面にめっき金属層を被着して前記第一および第二の貫通導体を形成するとともに前記樹脂層の表面にめっき配線導体膜を被着することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板によれば、第一の配線導体層に導通しているとともに第二の配線導体層に導通していない第一の貫通導体が被着された第一の貫通孔を、第一の開口部および第三の開口部内を第一の配線導体層に接するとともに第二の配線導体層に接しないように第一の樹脂層の表面から第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させ、第二の配線導体層に導通しているとともに第一の配線導体層に導通していない第二の貫通導体が被着された第二の貫通孔を、第二および第三の開口部内を第二の配線導体層に接するとともに第一の配線導体層に接しないように第二の樹脂層の表面から第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させたことから、レーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で第一または第二の配線導体層に接するように第一および第二の貫通孔が形成されているので、ダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の第一および第二の貫通孔が形成されるとともに第一および第二の貫通孔は第一または第二の配線導体層のうちのいずれか一層に接して設けられるので短時間で穿孔される。
【0012】
また、本発明の配線基板およびその製造方法によれば、第一の配線導体層に導通するとともに第二の配線導体層に導通しない第一の貫通導体が被着される第一の貫通孔を、第一の開口部および第三の開口部内を第一の配線導体層に接するとともに第二の配線導体層に接しないように第一の樹脂層の表面から第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させ、第二の配線導体層に導通するとともに第一の配線導体層に導通しない第二の貫通導体が被着される第二の貫通孔を、第二および第三の開口部内を第二の配線導体層に接するとともに第一の配線導体層に接しないように第二の樹脂層の表面から第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させたことから、レーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で第一または第二の配線導体層に接するように第一および第二の貫通孔が形成されるので、ダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の第一および第二の貫通孔を形成することができるとともに第一および第二の貫通孔を第一または第二の配線導体層のうちのいずれか一層に接して設けるので短時間で穿孔することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。図1において、1は樹脂基板、2aは第一の配線導体層、2bは第二の配線導体層、3aは第一の樹脂層、3bは第二の樹脂層、4aは第一の貫通孔、4bは第二の貫通孔、4cは第三の貫通孔、5aは第一の貫通導体、5bは第二の貫通導体、5cは第三の貫通導体、6aは第一の配線導体膜、6bはめっき配線導体膜であり、樹脂基板1と配線導体層2a、2bとで両面銅張板11が形成されている。またこの両面銅張板11の上下面に樹脂層3a、3bが積層されるとともに、これらの両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通して複数の貫通孔4a、4b、4cが設けられ、さらに貫通孔4a、4b、4cの内壁に貫通導体5a、5b、5cが被着形成されるとともに樹脂層3a、3bの表面にめっき配線導体膜6a、6bが被着形成されることにより本発明の配線基板が構成されている。なお、本実施形態例においては、貫通孔4a、4b、4c内および樹脂層3a、3b上にソルダーレジスト7が設けられている。
【0015】
樹脂基板1は、本発明の配線基板のコア部材として機能し、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mm程度の平板であり、その上下面に厚みが7〜12μm程度の銅箔から成る配線導体層2a、2bが被着されて両面銅張板11を構成している。この樹脂基板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に絶縁樹脂層3a、3bを被着させたり、あるいは樹脂基板1および配線導体層2a、2bおよび樹脂層3a、3bを貫通して複数の貫通孔4a、4b、4cを形成したりする際等に熱や外力等の影響で配線基板に反りや変形が発生して配線基板に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを形成するとき、貫通孔4a、4b、4c内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することが困難となる。したがって、樹脂基板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲が好ましい。
【0016】
なお、樹脂基板1は、ガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となる程度に含有させておけば、後述するように樹脂基板1にレーザ光で貫通孔4a、4b、4cを穿孔する際に、貫通孔4a、4b、4cを樹脂基板1に略均一な大きさで良好に形成することが可能となる。したがって、樹脂基板1のガラスクロスやアラミドクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にはシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロスやアラミドクロス等の繊維部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が同等となるように含有させておくことが好ましい。
【0017】
また、樹脂基板1の上下面に被着された配線導体層2a、2bは、銅箔から成り、その一方が主として電源用の導体パターンとして、他方が主として接地用の導体パターンとして機能し、例えば上面側の第一の配線導体層2aは第一の貫通孔4aが貫通する位置に内周が第一の貫通孔4aに接する第一の開口部A1を有しており、第二および第三の貫通孔4b、4cが貫通する位置には貫通孔4b、4cをそれぞれ間隔を空けて取り囲む第二の開口部A2を有している。また、下面側の第二の配線導体層2bは第一および第三の貫通孔4a、4cが貫通する位置に貫通孔4a、4cをそれぞれ間隔を空けて取り囲む第三の開口部A3を有しており、第二の貫通孔4bが貫通する位置に内周が貫通孔4bに接する開口部A4を有している。
【0018】
この配線導体層2a、2bは、その厚みが7〜12μm程度、その表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度である。配線導体層2a、2bは、その厚みが7μm未満の場合、電源や接地用の導体パターンとして十分な電気特性を付与することができず、他方、12μmを超える場合、後述するように両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通する貫通孔4a、4b、4cをレーザ加工により穿孔する場合に、貫通孔4a、4b、4cを安定して形成することが困難となる。したがって、配線導体層2a、2bの厚みは、7〜12μmの範囲が好ましい。
【0019】
また、配線導体層2a、2bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、配線導体層2a、2bと樹脂層3a、3bとが強固に密着せずに配線導体層2a、2bと樹脂層3a、3bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、配線導体層2a、2b表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0020】
また、両面銅張板11の上下面に被着された樹脂層3a、3bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成り、レーザ光に対する分解度合いが樹脂基板1よりも大きく、その表面にめっき配線導体膜6a、6bが被着されている。樹脂層3a、3bは、互いに絶縁すべき配線導体層2a、2bとめっき配線導体膜6a、6bとを電気的に絶縁するための絶縁間隔を提供するためのものであり、その厚みが配線導体層2a、2b上で25〜45μm程度である。この樹脂層3a、3bは、その厚みが配線導体層2a、2b上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき配線導体層2a、2bとめっき配線導体膜6a、6bとを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通する貫通孔4a、4b、4cをレーザ加工により穿孔する際に貫通孔4a、4b、4cを良好に形成することが困難となる。したがって、樹脂層3a、3bの厚みは配線導体層2a、2b上で25〜45μmの範囲が好ましい。
【0021】
絶縁樹脂層3a、3bの表面に被着されためっき配線導体膜6a、6bは、厚みが8〜30μm程度の銅めっき膜から成り、電源配線および接地配線および信号配線を具備する表層配線パターンを形成している。そして、例えば上面側のめっき配線導体膜6aの露出する一部に図示しない電子部品の電極が半田を介して接続されるとともに、下面側のめっき配線導体膜6bの露出する一部が図示しない他の配線基板等に半田を介して接続される。
【0022】
これらのめっき配線導体膜6a、6bは、その厚みが8μm未満であると、表層配線パターンの電気抵抗が高いものとなり、他方、30μmを超えると、表層配線パターンを高密度に形成することが困難となる。したがって、めっき配線導体膜6a、6bの厚みは、8〜30μmの範囲が好ましい。
【0023】
さらに、本発明の配線基板においては、両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通して直径が75〜130μm程度の貫通孔4a、4b、4cが形成されており、この貫通孔4a、4b、4cの内に貫通導体5a、5b、5cがそれぞれ被着形成されている。貫通孔4a、4b、4cは、貫通導体5a、5b、5cを樹脂層3aの上面から樹脂層3bの下面にかけて導出させるための導出路を提供するためのものであり、互いに上下に重なる位置にある第一および第三の開口部A1、A3内を第一の配線導体層2aに接するとともに第二の配線導体層2bに接しないように第一の樹脂層3aの表面から第二の樹脂層3bの表面までレーザ加工により貫通した第一の貫通孔4aと、互いに上下に重なる位置にある第二および第四の開口部A2、A4内を第二の配線導体層2bに接するとともに第一の配線導体層2aに接しないように第二の樹脂層3bの表面から第一の樹脂層3aの表面までレーザ加工により貫通した第二の貫通孔4bと、互いに上下に重なる位置にある第二および第三の開口部A2、A3内を配線導体層2a、2bの両方に接しないように第一の樹脂層3aの表面から第二の樹脂層3bの表面までレーザ加工により貫通した第三の貫通孔4cとに区分される。これらの貫通孔4a、4b、4cは、例えばその直径が樹脂基板1においては75〜115μmで略同じ大きさであり、樹脂層3a、3bにおいては開口部で90〜130μmとなるように外側に向かって拡径している。そして、第一および第三の貫通孔4a、4cは上面側から、第二の貫通孔4bは下面側からからそれぞれレーザ加工により穿孔されている。
【0024】
このように、本発明の配線基板によれば、貫通孔4a、4b、4cの孔径が75〜130μmと小さいものとすることにより、貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを高密度で配置することができ、それにより極めて高密度な配線を有する配線基板を得ることができる。
【0025】
また、貫通孔4a、4b、4cは、その直径が樹脂層3a、3bの部位で外側に向かって広がった形状とすることにより、後述するように貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することができる。
【0026】
なお、貫通孔4a、4b、4cの直径が75μm未満の場合、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込まずに貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することが困難となり、他方、130μmを超えると、貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4a、4b、4cの直径は、75〜130μmの範囲が好ましい。
【0027】
また、貫通孔4a、4b、4cの開口部における直径が樹脂基板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込まずに貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4a、4b、4cを安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4a、4b、4cの開口部における直径は、樹脂基板1における直径よりも10〜50μm大きいことが好ましい。
【0028】
そして、本発明の配線基板においては、上述したように、第一の配線導体層2aに接するとともに第二の配線導体層2bに接しない第一の貫通孔4aが第一および第三の開口部A1、A3内を通って上面側から穿孔され、第二の配線導体層2bに接するとともに第一の配線導体層2aに接しない第二の貫通孔4bが第二および第四の開口部A2、A4内を通って下面側からレーザ加工により穿孔されており、そのことが重要である。このように、第一の配線導体層2aに接するとともに配線導体層2bに接しない第一の貫通孔4aが第一および第三の開口部A1、A3内を通って上面側から穿孔され、下面側の配線導体層2bに接するとともに上面側の配線導体層2aに接しない第二の貫通孔4bが第二および第四の開口部A2、A4内を通って下面側からレーザ加工により穿孔されていることから、これらの第一および第二の貫通孔4a、4bを穿孔する際にレーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で配線導体層2a、2bに接するように貫通孔4a、4bが穿孔されるので、ダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の貫通孔4a、4bが形成されるとともに貫通孔4a、4bは配線導体層2a、2bのうちのいずれか一層に接して設けられるので短時間で穿孔される。したがって、本発明の配線基板によれば、ダミーの導体パターンを設けない分だけ高密度配線が可能であるとともに短時間で貫通孔4a、4bを穿孔できる分だけ生産性の高い配線基板を提供することができる。
【0029】
また、貫通孔4a、4b、4c内に被着形成された貫通導体5a、5b、5cは、厚みが8〜25μm程度の銅めっき膜から成り、樹脂基板1および樹脂層3a、3bを挟んで上下に位置する配線導体層2a、2bとめっき配線導体膜6a、6bとを互いに電気的に接続する接続導体として機能し、第一の貫通孔4aの内面に被着されて第一の配線導体層2aに導通するとともに第二の配線導体層2bに導通しない第一の貫通導体5aと、第二の貫通孔4bの内面に被着されて第二の配線導体層2bに導通するとともに第一の配線導体層2aに導通しない第二の貫通導体5bと、第三の貫通孔4cの内面に被着されて第一および第二の配線導体層2a、2bの両方に導通しない第三の貫通導体5cに区別される。そして、第一および第二の貫通導体4a、4bは接地または電源用の貫通導体として機能し、第三の貫通導体4cは信号用の貫通導体として機能する。
【0030】
貫通導体5a、5b、5cは、その厚みが8μm未満では、貫通導体5a、5b、5cの電気抵抗が高いものとなりすぎる傾向にあり、他方、25μmを超えると、この貫通導体5a、5b、5cが被着された貫通孔4a、4b、4cの内部に後述するソルダーレジスト7を良好に充填することが困難となる。したがって、貫通導体5a、5b、5cの厚みは、8〜25μmの範囲であることが好ましい。
【0031】
さらに、樹脂層3a、3bの表面および貫通孔4a、4b、4cの内部には、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト7が被着および充填されている。ソルダーレジスト7は、貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを保護するとともにめっき配線導体膜6a、6bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁するための保護層として機能し、めっき配線導体膜6a、6bの一部を露出させる所定のパターンに被着形成されている。
【0032】
なお、ソルダーレジスト7は、そのめっき配線導体膜6a、6b上における厚みが10μm未満であると、めっき配線導体膜6a、6bを良好に保護することができなくなるとともにめっき配線導体膜6a、6bにおける表層配線パターン同士を電気的に良好に絶縁することができなくなる傾向にあり、他方、40μmを超えると、ソルダーレジスト7を所定のパターンに形成することが困難となる傾向にある。したがって、ソルダーレジスト7のめっき配線導体膜6a、6b上における厚みは、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0033】
かくして、本発明の配線基板によれば、生産性が高く、かつ極めて高密度な配線の配線基板を提供することができる。
【0034】
次に、図1に示した配線基板を本発明の製造方法により製造する方法について図2(a)〜(c)を参照して説明する。
【0035】
まず、図2(a)に部分断面図で示すように、例えばガラスクロスやアラミドクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた有機系絶縁材料から成る厚みが0.35〜0.45mmの樹脂基板1の上下面に厚みが7〜12μmの銅箔から成る第一および第二の配線導体層2a、2bが被着形成された両面銅張り板11を準備するとともにその上下面に、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化型の樹脂から成り、配線導体層2a、2b上での厚みが25〜45μmの第一および第二の絶縁樹脂層3a、3bを積層する。なお、第一の配線導体層2aには上述した第一の貫通孔4aが穿孔される部位に第一の貫通孔4aよりも小さな第一の開口部A1を、第二および第三の貫通孔4b、4cが穿孔される部位に第二および第三の貫通孔4b、4cより大きな第二の開口部A2を設けておく。また、第二の配線導体層2bには第一および第三の貫通孔4a、4cが穿孔される部位に第一および第三の貫通孔4a、4cよりも大きな第三の開口部A3を、第二の貫通孔4bが穿孔される部位に第二の貫通孔4bよりも小さな第四の開口部A4を設けておく。このような開口部A1、A2、A3、A4を設けておくことにより、後述するように第一の配線導体層2aに接するとともに第二の配線導体層2bに接しない第一の貫通孔4aおよび第二の配線導体層2bに接するとともに第一の配線導体層2aに接しない第二の貫通孔4bおよび配線導体層2a、2bの両方に接しない貫通孔4cを容易に形成することが可能となる。なお、配線導体層2a、2bはその表面の算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度となるように、その表面を粗化しておく。
【0036】
樹脂基板1は、その厚みが0.35mm未満ではその上下面に樹脂層3a、3bを被着させたり、あるいは両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通して複数の貫通孔4a、4b、4cを形成したりする際等に熱や外力等の影響で配線基板に反りや変形が発生して配線基板に要求される平坦度を確保できなくなってしまう危険性が大きなものとなり、他方、0.45mmを超えると、後述するように貫通孔4a、4b、4cの内面に貫通導体5a、5b、5cを形成するとき、貫通孔4a、4b、4c内にめっき液が浸入しにくくなり、貫通導体5a、5b、5cに断線が発生しやすくなる。したがって、樹脂基板1の厚みは0.35〜0.45mmの範囲が好ましい。
【0037】
また、配線導体層2a、2bは、その厚みが7μm未満の場合、配線導体層2a、2bに電源用や接地用の導体パターンとしての十分な電気特性を付与することができず、他方、12μmを超える場合、後述するように両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通する貫通孔4a、4b、4cをレーザ加工により穿孔する場合に、直径が75〜130μmの貫通孔4a、4b、4cを安定して形成することが困難となる。したがって、配線導体層2a、2bの厚みは、7〜12μmの範囲が好ましい。
【0038】
さらに、配線導体層2a、2bは、その表面の算術平均粗さRaが0.2μm未満の場合、両面銅張板11の上下面に樹脂層3a、3bを被着させる際に配線導体層2a、2bと樹脂層3a、3bとが強固に密着せずに配線導体層2a、2bと樹脂層3a、3bとの間で剥離が発生しやすくなる傾向にあり、他方2μmを超えると、そのような粗い面を安定かつ効率良く形成することが困難となる傾向にある。したがって、配線導体層2a、2b表面の算術平均粗さRaは0.2〜2μmの範囲が好ましい。
【0039】
このような配線導体層2a、2bは、樹脂基板1の上下全面に厚みが8〜16μm程度の銅箔を貼着するとともに、この銅箔上に感光性のドライフィルムレジストを被着させ、次にこの感光性ドライフィルムレジストを従来周知のフォトリソグラフィー技術により露光、現像して導体パターン形成位置にドライフィルムレジストを有するエッチングマスクを形成し、次にエッチングマスクから露出した銅箔を塩化第2銅水溶液もしくは塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いてエッチング除去し、最後にエッチングマスクを剥離した後、塩化第2銅水溶液に蟻酸が含有された粗化液を用いてその表面をエッチングして粗化することによって形成される。
【0040】
また、両面銅張板11の上下面に積層された樹脂層3a、3bはエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化型の樹脂から成り、炭酸ガスレーザ等のレーザ光に対する分解度合いが樹脂基板1よりも大きい。
【0041】
この樹脂層3a、3bは、その厚みが配線導体層2a、2b上で25μm未満の場合、互いに絶縁すべき配線導体層2a、2bとめっき配線導体膜6a、6bとを電気的に良好に絶縁することができなくなり、他方、45μmを超えると、両面銅張板11および樹脂層3a、3bを貫通する貫通孔4a、4b、4cをレーザ加工により穿孔する際に直径が75〜130μmの貫通孔4a、4b、4cを良好に形成することが困難となる。したがって、樹脂層3a、3bの厚みは配線導体層2a、2b上で25〜45μmの範囲が好ましい。
【0042】
なお、両面銅張板11の上下面に樹脂層3a、3bを被着形成するには、半硬化状態の熱硬化性樹脂のフィルムを両面銅張板11の上下両面に真空ラミネーターで仮圧着した後、これを熱処理して硬化させる方法が採用される。
【0043】
次に図2(b)に部分断面図で示すように、互いに上下に重なる位置にある第一および第三の開口部A1、A3内を第一の配線導体層2aに接するとともに第二の配線導体層2bに接しないように第一の樹脂層3aの表面から第二の樹脂層3bの表面まで貫通する第一の貫通孔4aと、互いに上下に重なる位置にある第二および第四の開口部A2、A4内を第二の配線導体層2bに接するとともに第一の配線導体層2aに接しないように第二の樹脂層3bの表面から第一の樹脂層3aの表面まで貫通する第二の貫通孔4bと、互いに上下に重なる位置にある第二および第三の開口部A2、A3内を第一および第二の配線導体層に接しないように第一の樹脂層3aの上面から第二の樹脂層3bの表面まで貫通する第三の貫通孔4cとをそれぞれレーザ加工により穿孔する。なお、第一および第三の貫通孔4a、4cは上面側から、第二の貫通孔4bは下面側からからそれぞれレーザ加工により穿孔する。
【0044】
このとき、第一の配線導体層2aに接するとともに第二の配線導体層2bに接しない第一の貫通孔4aを第一および第三の開口部A1、A3内を通して上面側から穿孔し、第二の配線導体層2bに接するとともに第一の配線導体層2aに接しない第二の貫通孔4bを第二および第四の開口部A2、A4内を通して下面側から穿孔することから、これらの貫通孔4a、4bを穿孔する際にレーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で配線導体層2a、2bに接するように貫通孔4a、4bが穿孔されるので、従来のようにダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の貫通孔4a、4bを形成することができるとともに、貫通孔4a、4bは配線導体層2a、2bのうちのいずれか一層を貫通して設けられるので短時間で穿孔することができる。したがって、本発明の配線基板の製造方法によれば、ダミーの導体パターンを設けない分だけ高密度配線が可能な配線基板を提供することができるとともに、短時間で貫通孔4a、4bを穿孔して生産性の高い配線基板を提供することができる。
【0045】
またこのとき、樹脂層3a、3bのレーザ光に対する分解度合いが樹脂基板1よりも大きくしておくと、直径が75〜130μmで樹脂層3a、3bにおいて外側に向けて拡径する形状の貫通孔4a、4b、4cを形成することができる。このように、貫通孔4a、4b、4cの直径を75〜130μmと小さいものとすることにより、貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを形成する際に貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを高密度で配置することができ、それにより高密度な配線基板を得ることができる。また、貫通孔4a、4b、4cを孔径が樹脂層3a、3bの部位で外側に向かって広がった形状とすることにより、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込み、その結果、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することができる。
【0046】
なお、貫通孔4a、4b、4cの孔径が75μm未満の場合、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込まず、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することができなくなり、他方、130μmを超えると、貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bを高密度で配置することが困難となる。したがって、貫通孔4a、4b、4cの直径は、75〜130μmの範囲が好ましい。
【0047】
また、貫通孔4a、4b、4cの開口部における直径が樹脂基板1における直径よりも10μm未満大きい場合には、貫通孔4a、4b、4c内に貫通導体5a、5b、5cを被着形成する際に、貫通導体5a、5b、5cを形成するためのめっき液が貫通孔4a、4b、4cの内部に良好に入り込まずに貫通孔4a、4b、4c内壁に貫通導体5a、5b、5cを良好に形成することが困難となり、他方、50μmを超えて大きな場合には、そのような形状を有する貫通孔4a、4b、4cを安定して形成することが困難となる。したがって、貫通孔4a、4b、4cの開口部における直径は、樹脂基板1における直径よりも10〜50μm大きくしておくことが好ましい。
【0048】
なお、両面銅張板11および樹脂層3a、3bに貫通孔4a、4b、4cを形成するには、樹脂層3a、3b上に例えばレーザ光のエネルギーを良好に吸収する黒色もしくは黒色に近い色を有する樹脂から成るレーザ加工用シートを貼着し、そして、第一の貫通孔4aであれば上面側から、第二の貫通孔4bであれば下面側から、第三の貫通孔4cであれば上面または下面側から7〜12mJの出力の炭酸ガスレーザ光を50〜500μ秒のパルス幅で所定の位置に照射して貫通孔4a、4b、4cを穿孔する方法が採用される。このとき、炭酸ガスレーザ光の出力が7mJ未満だと貫通孔4a、4b、4cを十分な大きさに穿孔することが困難となる傾向にあり、他方、12mJを超えると樹脂層3a、3bにおける貫通孔4a、4b、4cの孔径が大きくなりすぎてしまう傾向にある。したがって、照射する炭酸ガスレーザ光は、その出力が7〜12mJでパルス幅が50〜500μ秒の範囲であることが好ましい。なお、レーザ加工用シートは、貫通孔4a、4b、4cを穿孔した後に剥離する。
【0049】
次に、図2(c)に部分断面図で示すように、貫通孔4a、4b、4cの内面に貫通導体5a、5b、5cおよび樹脂層3a、3bの表面に貫通導体5a、5b、5cから連続するめっき配線導体膜6a、6bを被着させる。貫通導体5a、5b、5cおよびめっき配線導体膜6a、6bは、貫通孔4a、4b、4cの内面および樹脂層3a、3bの表面に厚みが1〜3μm程度の無電解銅めっき膜と厚みが10〜35μm程度の電解銅めっき膜とから成るめっき膜を被着させてそれを所定のパターンにエッチングすることにより形成する。
【0050】
なお、無電解めっき膜を被着させるには、例えば塩化アンモニウム系酢酸パラジウムを含有するパラジウム活性液を使用して貫通孔4a、4b、4cの内面および樹脂層3a、3bの表面にパラジウム触媒を付着させるとともに、その上に硫酸銅系の無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっき膜を被着させればよい。このとき、貫通孔4a、4b、4cを樹脂層3a、3bにおいて外側に向けて拡径させておくと、貫通孔4a、4b、4c内に無電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4a、4b、4c内および樹脂層3a、3bの表面に無電解銅めっき膜を略均一な厚みに良好に被着させることができる。なお、無電解銅めっき膜を被着させる前に樹脂層3a、3bの表面および貫通孔4a、4b、4cの内面を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくと無電解銅めっき膜を強固に被着させることができる。したがって、無電解銅めっき膜を被着させる前に樹脂層3a、3bの表面および貫通孔4a、4b、4cの内面を例えば過マンガン酸カリウム溶液や過マンガン酸ナトリウム溶液から成る粗化液を用いてその算術平均粗さRaが0.2〜2μm程度になるように粗化しておくことが好ましい。
【0051】
また電解銅めっき膜を被着させるには、樹脂層3a、3b上の無電解銅めっき膜上にめっき用マスクを被着させるとともに、めっき用マスクから露出した無電解銅めっき膜上に厚みが10〜35μm程度の電解銅めっき膜を被着させ、貫通孔4a、4b、4cの内面および樹脂層3a、3b表面の導体パターン形成部に電解銅めっき膜を選択的に被着させる方法が採用される。なお、めっき用マスクは、例えば感光性ドライフィルムレジストを樹脂層3a、3b上の無電解銅めっき膜上に被着させるとともに、このドライフィルムレジストをフォトリソグラフィー技術により露光、現像して所定のパターンに加工することによって形成する。また、電解銅めっき膜を被着させるための電解銅めっき液としては、例えば、硫酸銅系から成る電解銅めっき液を用いればよい。このとき、貫通孔4a、4b、4cを樹脂層3a、3bにおいて外側に向けて拡径させておくと、貫通孔4a、4b、4c内に電解銅めっき液が良好に浸入し、その結果、貫通孔4a、4b、4cの内面および樹脂層3a、3bの所定部位に電解銅めっき膜が略均一な厚みに良好に被着される。そして、めっきマスクを剥離するとともにめっきマスクの下にあった無電解銅めっき膜が消滅するまで無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングすることにより貫通孔4a、4b、4cの内面に貫通導体5a、5b、5cを形成するとともに樹脂層3a、3bの表面にめっき配線導体膜6a、6bを形成することができる。なお、無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜をエッチングするには、塩化第2銅水溶液または塩化第2鉄水溶液から成るエッチング液を用いればよい。
【0052】
そして最後に、樹脂層3a、3bの表面および貫通孔4a、4b、4cの内部にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル等の熱硬化性樹脂から成るソルダーレジスト7を被着および充填させることにより図1に示す本発明の配線基板が完成する。
【0053】
なお、ソルダーレジスト7は、ソルダーレジスト7用の感光性の樹脂ペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して樹脂層3a側および樹脂層3b側から貫通孔4a、4b、4cを埋めるように印刷塗布し、これを従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンに露光、現像することによって形成される。このとき、貫通孔4a、4b、4cを樹脂層3a、3bにおいて外側に向けて拡径させておくと、貫通孔4a、4b、4c内にソルダーレジスト7用の樹脂ペーストが良好に浸入し、その結果、貫通孔4a、4b、4c内をソルダーレジスト7で良好に充填することができる。
【0054】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、極めて高密度な配線が可能な配線基板を生産性高く提供することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、第一の配線導体層に導通しているとともに第二の配線導体層に導通していない第一の貫通導体が被着された第一の貫通孔を、第一の開口部および第三の開口部内を第一の配線導体層に接するとともに第二の配線導体層に接しないように第一の樹脂層の表面から第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させ、第二の配線導体層に導通しているとともに第一の配線導体層に導通していない第二の貫通導体が被着された第二の貫通孔を、第二および第三の開口部内を第二の配線導体層に接するとともに第一の配線導体層に接しないように第二の樹脂層の表面から第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させたことから、レーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で第一または第二の配線導体層に接するように第一および第二の貫通孔が形成されているので、ダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の第一および第二の貫通孔が形成されるとともに第一および第二の貫通孔は第一または第二の配線導体層のうちのいずれか一層に接して設けられるので短時間で穿孔される。したがって、ダミーの導体パターンを設けない分だけ高密度配線が可能であるとともに、貫通孔を短時間で穿孔できる分だけ生産性の高い配線基板を提供することができる。
【0056】
また、本発明の配線基板およびその製造方法によれば、第一の配線導体層に導通するとともに第二の配線導体層に導通しない第一の貫通導体が被着される第一の貫通孔を、第一の開口部および第三の開口部内を第一の配線導体層に接するとともに第二の配線導体層に接しないように第一の樹脂層の表面から第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させ、第二の配線導体層に導通するとともに第一の配線導体層に導通しない第二の貫通導体が被着される第二の貫通孔を、第二および第三の開口部内を第二の配線導体層に接するとともに第一の配線導体層に接しないように第二の樹脂層の表面から第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通させたことから、レーザ光のエネルギーが高く散乱の少ない入射側で第一または第二の配線導体層に接するように第一および第二の貫通孔が形成されるので、ダミーの導体パターンを設けなくても安定した形状の第一および第二の貫通孔を形成することができるとともに第一および第二の貫通孔を第一または第二の配線導体層のうちのいずれか一層に接して設けるので短時間で穿孔することができる。したがって、ダミーの導体パターンを設けない分だけ高密度配線が可能な配線基板を提供することができるとともに、短時間で貫通孔を穿孔して生産性高く配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施形態の一例を示す部分断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の部分断面図である。
【符号の説明】
1:樹脂基板
2a:第一の配線導体層
2b:第二の配線導体層
3a:第一の樹脂層
3b:第二の樹脂層
4a:第一の貫通孔
4b:第二の貫通孔
5a:第一の貫通導体
5b:第二の貫通導体
6a、6b:めっき配線導体膜
11:両面銅張板
A1:第一の開口部
A2:第二の開口部
A3:第三の開口部
A4:第四の開口部

Claims (2)

  1. 樹脂基板の上面に第一の開口部および該第一の開口部よりも大きな第二の開口部を有する銅箔から成る第一の配線導体層が被着されているとともに、前記樹脂基板の下面に前記第一の開口部と上下に重なる位置に前記第一の開口部よりも大きな第三の開口部および前記第二の開口部と上下に重なる位置に前記第二の開口部よりも小さな第四の開口部を有する銅箔から成る第二の配線導体層が被着された両面銅張板と、該両面銅張板の上面に前記第一の配線導体層を覆うように積層された第一の樹脂層および前記両面銅張板の下面に前記第二の配線導体層を覆うように積層された第二の樹脂層と、前記第一および第三の開口部内を前記第一の配線導体層に接するとともに前記第二の配線導体層に接しないように前記第一の樹脂層の表面から前記第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通した第一の貫通孔の内面にめっき金属層を被着させて成る、前記第一の配線導体層に導通しているとともに前記第二の配線導体層に導通していない第一の貫通導体と、前記第二および第四の開口部内を前記第二の配線導体層に接するとともに前記第一の配線導体層に接しないように前記第二の樹脂層の表面から前記第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通した第二の貫通孔の内面にめっき金属層を被着させて成る、前記第二の配線導体層に導通しているとともに前記第一の配線導体層に導通していない第二の貫通導体と、前記第一および第二の樹脂層の表面にそれぞれ被着されためっき配線導体膜とを具備して成ることを特徴とする配線基板。
  2. 樹脂基板の上面に第一の開口部および該第一の開口部よりも大きな第二の開口部を有する銅箔から成る第一の配線導体層が被着されているとともに、前記樹脂基板の下面に前記第一の開口部と上下に重なる位置に前記第一の開口部よりも大きな第三の開口部および前記第二の開口部と上下に重なる位置に前記第二の開口部よりも小さな第四の開口部を有する銅箔から成る第二の配線導体層が被着されて成る両面銅張板の上下面に前記第一の配線導体層を覆う第一の樹脂層および前記第二の配線導体層を覆う第二の樹脂層を積層し、次に前記第一および第三の開口部内を前記第一の配線導体層に接するとともに前記第二の配線導体層に接しないように前記第一の樹脂層の表面から前記第二の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通する第一の貫通孔と、前記第二および第四の開口部内を前記第二の配線導体層に接するとともに前記第一の配線導体層に接しないように前記第二の樹脂層の表面から前記第一の樹脂層の表面までレーザ加工により貫通する第二の貫通孔とを穿孔し、次に前記第一および第二の貫通孔の内面にめっき金属層を被着して前記第一および第二の貫通導体を形成するとともに前記樹脂層の表面にめっき配線導体膜を被着することを特徴とする配線基板の製造方法。
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