JP2005005161A - マスク支持フレームの製造方法及びその方法を用いて得られたマスク支持フレームを備えたカラー陰極線管 - Google Patents
マスク支持フレームの製造方法及びその方法を用いて得られたマスク支持フレームを備えたカラー陰極線管 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】シャドウマスクを架張保持した後のスプリング部材取付板(弾性支持体取付板)の変形を小さく抑えて、スプリング部材(弾性支持体)を精度良く取り付ける。
【解決手段】マスク支持フレームを、長辺を構成する上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8と、第2フレーム構成部材8の端部側面に固着され、その表面にスプリング部材が取り付けられるスプリング部材取付板26とにより構成する。第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8とを溶接によって接合する際に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】マスク支持フレームを、長辺を構成する上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8と、第2フレーム構成部材8の端部側面に固着され、その表面にスプリング部材が取り付けられるスプリング部材取付板26とにより構成する。第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8とを溶接によって接合する際に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン受像機やコンピュータディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管、及びそれに用いられるシャドウマスクを架張保持するためのマスク支持フレームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に、テレビジョン受像機等に用いられる一般的なカラー陰極線管の基本構成を示す。図11に示すように、一般に、カラー陰極線管は、内面に蛍光体スクリーン面2aを有するフェイスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接続されたファンネル3とからなるバルブ11と、ファンネル3のネック部3aに内蔵された電子銃4と、フェイスパネル2の内面の蛍光体スクリーン面2aと所定の間隔を保ってバルブ11内の所定の位置に配置され、電子銃4から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク6と、シャドウマスク6を保持固定するためのマスク支持フレーム19とを具備している。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、電子銃4から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク5が配設される。
【0003】
シャドウマスク6は、電子銃4から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別を行う電極であり、例えば、平板に電子ビーム通過孔である略スロット状の開孔27(図13参照)を多数形成することにより構成される。尚、図11中、22は電子ビームの軌跡を示している。
【0004】
図12に、マスク支持フレームの基本構成(裏側から見た図)を示し、図13に、シャドウマスク構体の基本構成(表側から見た図)を示す。図12、図13に示すように、マスク支持フレーム19は、長辺を構成し、シャドウマスク6が固定される上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8とにより構成されている。そして、このマスク支持フレーム19と、これに固定されるシャドウマスク6とにより、シャドウマスク構体9が構成されている。この場合、マスク支持フレーム19を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力(図12の矢印A)を加えて押し縮め、シャドウマスク6には引張力(図13の矢印T)を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力を除去することにより、シャドウマスク6に張力(テンション)が加えられる。このようにして架張保持されたシャドウマスクを『架張型マスク』という。
【0005】
図11に示すように、シャドウマスク構体9は、フェイスパネル2の内面に固定されたパネルピン13にスプリング部材10を介して支持されている。シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持する方式の1つとして、フェイスパネル2の4つのコーナー部に設けたパネルピンに支持する、コーナーサスペンション方式がある(例えば、特許文献1、2参照)。この方式を採用すれば、陰極線管の温度に対する色ずれを起こし難くすることができ、また、特にビーム位置ずれの影響を受け易いコーナー部における色ずれを低減することもできる。
【0006】
以下、コーナーサスペンション方式を採用したマスク支持フレームのコーナー部の構造について、図12、図13、図14(a)、(b)を参照しながら説明する。図14(a)は従来技術におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図14(b)はそれを裏側から見た部分斜視図である。図12〜図14に示すように、マスク支持フレーム19の長辺を構成する第1フレーム構成部材7は、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなっている。また、マスク支持フレーム19の短辺を構成する第2フレーム構成部材8は、天板23と側板24とからなり、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となっている。この第2フレーム構成部材8の端部側面には、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持したときにフェイスパネル2の内面のコーナーを向くような面取り部25が形成されており、この面取り部25には、スプリング部材10を取り付けるための取付板(以下『スプリング部材取付板』という)26がスポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着されている。そして、第1フレーム構成部材7の端部の底面を、第2フレーム構成部材8の天板23の端部に載置した状態で、第1フレーム構成部材7の端部の底面の周縁を、第2フレーム構成部材8の天板23に溶接すると共に(図14(a)の溶接痕31参照)、マスク支持フレーム19の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分を溶接することにより(図14(b)の溶接痕32参照)、第1フレーム構成部材7の端部が第2フレーム構成部材8の端部に接合されている(マスク支持フレーム19の『コーナー溶接』)。
【0007】
【特許文献1】特開2000−90845号公報
【0008】
【特許文献2】特開平6−243793号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、架張型マスクを得る場合には、マスク支持フレーム19を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力を加えて押し縮め、シャドウマスク6には引張力を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力が除去される。このとき、マスク支持フレーム19の短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8は、シャドウマスク6をマスク支持フレーム19に架張保持する際に上下一対の第1フレーム構成部材7に加えられる圧縮力により、外側に湾曲した状態となる(図12の矢印B)。そして、このようにして第2フレーム構成部材8が外側に湾曲した状態になると、第2フレーム構成部材8の端部は、図14にE、Fで示す破線部が溶接等によって固定されているためにフレーム面内での変形量は小さいが、図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に大きく変形してしまう。
【0010】
ところで、従来においては、スプリング部材取付板26が第2フレーム構成部材8のみに、スポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着されているため(図14(b)の溶接痕28参照)、第2フレーム構成部材8の端部が図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に変形すると、それに引きずられてスプリング部材取付板26も同じ方向(図14(b)中の矢印D方向)に変形してしまう。そして、スプリング部材取付板26がこのように変形すると、スプリング部材10(図11参照)を精度良く取り付けることが困難となり、その結果、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することが困難となってしまう。また、このようにシャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することができない場合には、カラー陰極線管において高い色純度を得ることが困難となる。
【0011】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、シャドウマスクを架張保持した後のスプリング部材取付板(弾性支持体取付板)の変形を小さく抑えて、スプリング部材(弾性支持体)を精度良く取り付けることのできるマスク支持フレームの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、当該方法によって得られたマスク支持フレームを用いることにより、色純度に優れたカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るマスク支持フレームの製造方法は、長辺を構成する一対の第1フレーム構成部材と、前記一対の第1フレーム構成部材の同じ側にある端部同士を連結するように前記第1フレーム構成部材に溶接によって接合された、短辺を構成する一対の第2フレーム構成部材と、その表面に弾性支持体が取り付けられる弾性支持体取付板とを備えたマスク支持フレームの製造方法であって、
前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に溶接によって固着するようにしたことを特徴とする。
【0014】
このマスク支持フレームの製造方法によれば、弾性支持体取付板が第2フレーム構成部材に固着されるだけでなく、第1フレーム構成部材にも固着された状態となるので、以下の作用効果を得ることができる。すなわち、『架張型マスク』を得る場合に、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材が外側に湾曲した状態となり、第2フレーム構成部材の端部(コーナー部)が内側に倒れ込む方向に変形しても、弾性支持体取付板は、第1フレーム構成部材によってその変形が抑制され、第2フレーム構成部材の端部(コーナー部)の変形に引きずられて大きく変形してしまうことはない。このように、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法によれば、シャドウマスクの架張時における弾性支持体取付板の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレームを実現することができる。また、このように、弾性支持体取付板の変形量の小さいマスク支持フレームを実現することができるので、スプリング部材を弾性支持体取付板に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。
【0015】
また、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法においては、前記弾性支持体取付板を、前記第2フレーム構成部材に固着した後、前記第1フレーム構成部材に固着するのが好ましい。
【0016】
また、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法においては、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の溶接時に同時に、前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に固着するのが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るカラー陰極線管の構成は、前記本発明の製造方法によって得られたマスク支持フレームを備えていることを特徴とする。
【0018】
このカラー陰極線管の構成によれば、シャドウマスクの架張時における取付板の変形量を小さく抑えることのできる前記本発明の製造方法によって得られたマスク支持フレームを用いていることにより、スプリング部材をマスク支持フレームに精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体をフェイスパネルに高精度に支持することが可能となる。その結果、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0020】
本実施の形態におけるカラー陰極線管、並びにそれに用いるマスク支持フレーム及びシャドウマスク構体の基本構成は、図11〜図13、図14(b)に示した一般的なカラー陰極線管、並びにそれに用いるマスク支持フレーム及びシャドウマスク構体と同様であるため、本実施の形態においては、図11〜図13、図14(b)をも参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図2は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのエッジ部の溶接の順序を示した裏面図、図3は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー溶接の一工程を模式的に示した断面図、図4は本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの表側における第1フレーム構成部材の斜面と第2フレーム構成部材の天板との交線部分の溶接状態を示す模式図、図5は本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの裏側における第1フレーム構成部材の底面と第2フレーム構成部材の側板との交線部分の溶接状態を示す模式図である。
【0022】
図11に示すように、本実施の形態におけるカラー陰極線管1は、内面に蛍光体スクリーン面2aを有し、ガラス等で形成されたフェイスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接続され、同じくガラス等で形成されたファンネル3とからなるバルブ11と、ファンネル3のネック部3aに内蔵された電子銃4と、フェイスパネル2の内面の蛍光体スクリーン面2aと所定の間隔を保ってバルブ11内の所定の位置に配置され、電子銃4から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク6と、シャドウマスク6を保持固定するためのマスク支持フレーム20とを具備している。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、電子銃4から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク5が配設されている。
【0023】
シャドウマスク6は、電子銃4から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別の役割を果たすものであり、図13に示すように、インバーあるいは鉄からなる平板に電子ビーム通過孔である略スロット状の開孔27をエッチングによって多数形成することにより構成されている(スロット型)。
【0024】
図12に示すように、マスク支持フレーム20は、長辺を構成し、シャドウマスク6が固定される上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8とにより構成されている。
【0025】
長辺を構成する第1フレーム構成部材7は、板厚1.4〜2.0mmの板状鉄材をプレス打ち抜きした後、曲げ加工を施すことにより、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなるように形成されている。
【0026】
短辺を構成する第2フレーム構成部材8は、板厚1.4〜2.0mmの板状鉄材をプレス打ち抜きした後、曲げ加工を施すことにより、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となるように形成されている。すなわち、第2フレーム構成部材8は、天板23と側板24とを有するように形成されている。また、図1、図2に示すように、第2フレーム構成部材8の端部側面には、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持したときにフェイスパネル2の内面のコーナーを向くような面取り部25が、上記曲げ加工時に同時に形成されており、この面取り部25には、スプリング部材10(図11参照)を取り付けるための、30〜40mm×15〜30mmの略長方形状の平板からなる厚み1.4〜2.0mmの金属製の取付板(以下『スプリング部材取付板』という)26が固着されている。
【0027】
次に、シャドウマスク構体の組立方法について、図1〜図5、図12、図13を参照しながら説明する。
【0028】
まず、図1、図2に示すように、短辺を構成する第2フレーム構成部材8の端部に位置する面取り部25に、従来と同様に、スプリング部材取付板26をスポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着する(ここでは、破線で示した2点で溶接している)。この場合、スプリング部材取付板26は、図3に示すように、その上辺を第2フレーム構成部材8の天板23の上面位置から2〜4mm程度下方にずらした位置に固着される。次いで、図1、図2、図4、図5に示すように、第1フレーム構成部材7の端部の底面を、第2フレーム構成部材8の天板23の端部に載置した状態で、第1フレーム構成部材7の端部の底面の周縁を、第2フレーム構成部材8の天板23に溶接すると共に(図1の溶接痕30参照)、マスク支持フレーム20の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分を溶接する(図14(b)の溶接痕32参照)。この場合、マスク支持フレーム20の表側におけるエッジ部については、図2に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位から数mm程度離した状態で、矢印a→b→cの順序で溶接を行う。また、マスク支持フレーム20の表側における第1フレーム構成部材7の斜面と第2フレーム構成部材8の天板23との交線部分については、図4に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位からやはり数mm程度離し、トーチ角度を約60゜に保った状態で、溶接を行う。また、マスク支持フレーム20の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分については、図5に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位からやはり数mm程度離し、トーチ角度を約45゜に保った状態で、溶接を行う。この作業は、マスク支持フレーム20の四隅について行われる(フレームの『コーナー溶接』)。これにより、第1フレーム構成部材7の端部が第2フレーム構成部材8の端部に接合され、図12に示すマスク支持フレーム20が得られる。
【0029】
本実施の形態においては、上記したコーナー溶接時に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行っている(図1の溶接痕33参照 以下、このような溶接を『かぶり溶接』という)。具体的には、図3に示すように、面取り部25側のコーナー溶接を行う際に、溶接用の電極29をスプリング部材取付板26に近い位置、例えば、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8との接合面位置の近傍に位置させた状態で溶接を行っている。尚、この場合、スプリング部材取付板26にかかる溶接の量(寸法)(以下『かぶり量』という)は、スプリング部材取付板26の上辺の全体にわたる必要はなく、スプリング部材取付板26の上辺の一部のみで十分である。この『かぶり量』は、当該マスク支持フレーム20がどの大きさのカラー陰極線管に用いられるものであるか、すなわち、マスク支持フレーム20自体の大きさによって適宜変更される。
【0030】
次いで、マスク支持フレーム20を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力を加えて押し縮め(図12の矢印A)、シャドウマスク6には引張力(図13の矢印T)を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力を除去することにより、シャドウマスク6に張力(テンション)を加える。これにより、図13に示すような、架張型マスクを備えたシャドウマスク構体9が得られる。尚、架張型マスクとしては、上記したスロット型の他に、マスク支持フレームに細条素材を多数架張したアパーチャグリル型、平板に丸形の電子ビーム通過孔が多数形成されたドット型等を用いることもできる。
【0031】
マスク支持フレーム20の短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8は、シャドウマスク6をマスク支持フレーム20に架張保持する際に上下一対の第1フレーム構成部材7に加えられる圧縮力により、外側に湾曲した状態となり(図12の矢印B)、その結果、第2フレーム構成部材8の端部が図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に変形するが、本実施の形態のマスク支持フレーム20を用いれば、この場合であっても、スプリング部材取付板26の変形を小さく抑えることができる。これは、フレームのコーナー溶接時に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行っていることにより(かぶり溶接)、スプリング部材取付板26が、短辺を構成する第2フレーム構成部材8の面取り部25にスポット溶接やプロジェクション溶接によって固着されるだけでなく、かぶり溶接によって長辺を構成する第1フレーム構成部材7にも固着された状態となるからである。すなわち、『架張型マスク』を得る場合に、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8が外側に湾曲した状態となり、第2フレーム構成部材8の端部(コーナー部)が内側に倒れ込む方向に変形しても、スプリング部材取付板26は、第1フレーム構成部材7によってその変形が抑制され、第2フレーム構成部材8の端部(コーナー部)の変形に引きずられて大きく変形してしまうことはない。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、シャドウマスク6の架張時におけるスプリング部材取付板26の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレーム20を実現することができる。その結果、スプリング部材10をマスク支持フレーム20に精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することが可能となる。そして、これにより、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。また、このようにスプリング部材取付板26の変形量の小さいマスク支持フレーム20を実現することができるので、スプリング部材10をスプリング部材取付板26に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。
【0033】
(実施例)
以下に、本実施の形態のマスク支持フレーム20を用いた場合の、スプリング部材取付板26の変形量の低減効果について、具体的実施例を挙げて説明する。
【0034】
本実施例においては、第1フレーム構成部材7として、板厚1.8mmの板状鉄材を用いて加工した、長手方向の長さが656mmのものを用いた。第1フレーム構成部材7の長手方向と直交する面の略直角三角形状部分の、底辺は32.6mm、斜辺は44mmである。また、第2フレーム構成部材8として、板厚1.8mmの板状ステンレス材を用いて加工した、長手方向の長さが389mmのものを用いた。第2フレーム構成部材8の長手方向と直交する面の略Π字状部分の、上辺は32mm、側辺は22mmであり、また、第2フレーム構成部材8の端面と面取り部25とのなす角度は29゜である。また、スプリング部材取付板26として、36.6mm×22mmの平板からなる厚み1.8mmのものを用いた。これらの部材によって構成されるマスク支持フレーム20は、32型カラー陰極線管に使用されるものである。
【0035】
本発明者らは、以上のような構成を備えたマスク支持フレーム20を用いて、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の水平角度及び垂直角度の変化との関係を調べた。本実施例においては、図6(a)、(b)に示すように、長辺を構成する第1フレーム構成部材7のシャドウマスク架張面の外側面部の2点G、Hを結ぶ線を二等分する点Iと、もう片方の外側面部の2点J、Kを結ぶ線を二等分する点Lとを結ぶ線を基準軸としたとき、当該基準軸に垂直な軸とスプリング部材取付板26の表面とのなす角度を『スプリング部材取付板26の水平角度』と定義している。ここで、4点G、H、J、Kは、第1フレーム構成部材7の中央から一定の距離にある点である。また、本実施例においては、図7(a)、(b)に示すように、長辺を構成する第1フレーム構成部材7のシャドウマスク架張面の4点(第1フレーム構成部材7の中央から一定の等距離にある点)から最小自乗法によって基準面を求め(図7(a)において、例えば、M=N、(M+N)/P=0.8)、当該基準面とスプリング部材取付板26の表面とのなす角度を『スプリング部材取付板26の垂直角度』と定義している。
【0036】
図8に、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の水平角度の変化との関係を示す。また、図9に、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の垂直角度の変化との関係を示す。『かぶり量』は、スプリング部材取付板26の上辺の一端部から上辺に沿って測った寸法である。
【0037】
図8、図9に示すように、従来と同様にスプリング部材取付板26にかからないようにしてコーナー溶接を行った場合(かぶり量が0.0mmの場合)、シャドウマスク6を架張保持した状態における、スプリング部材取付板26の水平角度の変化は平均で−0.75゜、垂直角度の変化は平均で2.32゜であった。
【0038】
また、図8に示すように、かぶり量を増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の水平角度は、かぶり量の増加に伴って徐々に減少していき、かぶり量が15.0mm前後のときに0.00゜であった。しかし、かぶり量をさらに増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の水平角度は、逆に+(プラス)の方向に増加していく傾向にあり、このことから、フレームのコーナー溶接は、スプリング部材取付板26の上辺の一部にかかるようにして行うのが望ましいことが分かる。
【0039】
また、図9に示すように、かぶり量を増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の垂直角度は、かぶり量の増加に伴って徐々に減少していき、かぶり量が15.0mm付近で約1.00゜となっている。かぶり量を増加させても、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の垂直角度が0.00゜になることはないが、かぶり量が0.0mmの場合(かぶり溶接を全く行わない場合)に比べて約1.32゜の低減効果が得られている。
【0040】
尚、スプリング部材取付板26の表面にはスプリング部材10を取り付ける必要があるため、かぶり溶接に際しては、スプリング部材取付板26の表面に溶接痕がはみ出さないように注意する必要がある。スプリング部材取付板26の表面に溶接痕がはみ出さないように効率良く『かぶり溶接』を行うためには、例えば、図10に示すように、スプリング部材取付板26の上辺部に突起26aを設け、この突起26aに対して『かぶり溶接』を行うようにすればよい。この場合の突起26aの大きさは、当該スプリング部材取付板26が固着されるマスク支持フレーム20がどの大きさのカラー陰極線管に用いられるものであるか、すなわち、マスク支持フレーム20自体の大きさによって適宜変更される。
【0041】
また、上記実施の形態においては、スプリング部材取付板26を、第2フレーム構成部材8に固着した後、第1フレーム構成部材7に固着しているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8のコーナー溶接時に同時に、スプリング部材取付板26を、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8の双方に固着するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態においては、第1及び第2フレーム構成部材7、8並びにスプリング部材取付板26が、鉄材あるいはステンレス材を用いて形成されているが、これらの部材の材料としては、他にインバー、クロムモリブデン鋼などを用いることもできる。
【0043】
また、上記実施の形態においては、長辺を構成する第1フレーム構成部材7が、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなるように形成されているが、第1フレーム構成部材7は必ずしもこの形状のものに限定されるものではなく、例えば、長手方向と直交する面の断面形状が略L字状となるように形成されたものであってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態においては、短辺を構成する第2フレーム構成部材8が、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となるように形成されているが、第2フレーム構成部材8は必ずしもこの形状のものに限定されるものではなく、例えば、長手方向と直交する面の断面形状が矩形状となるように形成されたものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取付板が第2フレーム構成部材の端部側面に固着されるだけでなく、第1フレーム構成部材にも固着された状態となるので、シャドウマスクの架張時における取付板の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレームを実現することができる。また、このように、取付板の変形量の小さいマスク支持フレームを実現することができるので、スプリング部材を取付板に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。また、当該マスク支持フレームを用いることにより、スプリング部材をマスク支持フレームに精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体をフェイスパネルに高精度に支持することが可能となる。その結果、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのエッジ部の溶接の順序を示した裏面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー溶接の一工程を模式的に示した断面図
【図4】本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの表側における第1フレーム構成部材の斜面と第2フレーム構成部材の天板との交線部分の溶接状態を示す模式図
【図5】本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの裏側における第1フレーム構成部材の底面と第2フレーム構成部材の側板との交線部分の溶接状態を示す模式図
【図6】本発明の一実施の形態におけるスプリング部材取付板の水平角度を説明するための図
【図7】本発明の一実施の形態におけるスプリング部材取付板の垂直角度を説明するための図
【図8】本発明の一実施の形態におけるコーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスクの架張前後におけるスプリング部材取付板の水平角度の変化との関係を示す図
【図9】本発明の一実施の形態におけるコーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスクの架張前後におけるスプリング部材取付板の垂直角度の変化との関係を示す図
【図10】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部の他の構成を示す部分斜視図
【図11】カラー陰極線管の基本構成を示す断面図
【図12】マスク支持フレームの基本構成を示す斜視図(裏側から見た図)
【図13】シャドウマスク構体の基本構成を示す斜視図(表側から見た図)
【図14】図14(a)は従来技術におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図14(b)はそれを裏側から見た部分斜視図
【符号の説明】
1 カラー陰極線管
2 フェイスパネル
2a 蛍光体スクリーン面
3 ファンネル
3a ネック部
4 電子銃
6 シャドウマスク
7 第1フレーム構成部材
8 第2フレーム構成部材
11 バルブ
20 マスク支持フレーム
25 面取り部
26 スプリング部材取付板(弾性支持体取付板)
30、32、33 溶接痕
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン受像機やコンピュータディスプレイ等に用いられるカラー陰極線管、及びそれに用いられるシャドウマスクを架張保持するためのマスク支持フレームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に、テレビジョン受像機等に用いられる一般的なカラー陰極線管の基本構成を示す。図11に示すように、一般に、カラー陰極線管は、内面に蛍光体スクリーン面2aを有するフェイスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接続されたファンネル3とからなるバルブ11と、ファンネル3のネック部3aに内蔵された電子銃4と、フェイスパネル2の内面の蛍光体スクリーン面2aと所定の間隔を保ってバルブ11内の所定の位置に配置され、電子銃4から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク6と、シャドウマスク6を保持固定するためのマスク支持フレーム19とを具備している。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、電子銃4から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク5が配設される。
【0003】
シャドウマスク6は、電子銃4から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別を行う電極であり、例えば、平板に電子ビーム通過孔である略スロット状の開孔27(図13参照)を多数形成することにより構成される。尚、図11中、22は電子ビームの軌跡を示している。
【0004】
図12に、マスク支持フレームの基本構成(裏側から見た図)を示し、図13に、シャドウマスク構体の基本構成(表側から見た図)を示す。図12、図13に示すように、マスク支持フレーム19は、長辺を構成し、シャドウマスク6が固定される上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8とにより構成されている。そして、このマスク支持フレーム19と、これに固定されるシャドウマスク6とにより、シャドウマスク構体9が構成されている。この場合、マスク支持フレーム19を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力(図12の矢印A)を加えて押し縮め、シャドウマスク6には引張力(図13の矢印T)を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力を除去することにより、シャドウマスク6に張力(テンション)が加えられる。このようにして架張保持されたシャドウマスクを『架張型マスク』という。
【0005】
図11に示すように、シャドウマスク構体9は、フェイスパネル2の内面に固定されたパネルピン13にスプリング部材10を介して支持されている。シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持する方式の1つとして、フェイスパネル2の4つのコーナー部に設けたパネルピンに支持する、コーナーサスペンション方式がある(例えば、特許文献1、2参照)。この方式を採用すれば、陰極線管の温度に対する色ずれを起こし難くすることができ、また、特にビーム位置ずれの影響を受け易いコーナー部における色ずれを低減することもできる。
【0006】
以下、コーナーサスペンション方式を採用したマスク支持フレームのコーナー部の構造について、図12、図13、図14(a)、(b)を参照しながら説明する。図14(a)は従来技術におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図14(b)はそれを裏側から見た部分斜視図である。図12〜図14に示すように、マスク支持フレーム19の長辺を構成する第1フレーム構成部材7は、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなっている。また、マスク支持フレーム19の短辺を構成する第2フレーム構成部材8は、天板23と側板24とからなり、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となっている。この第2フレーム構成部材8の端部側面には、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持したときにフェイスパネル2の内面のコーナーを向くような面取り部25が形成されており、この面取り部25には、スプリング部材10を取り付けるための取付板(以下『スプリング部材取付板』という)26がスポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着されている。そして、第1フレーム構成部材7の端部の底面を、第2フレーム構成部材8の天板23の端部に載置した状態で、第1フレーム構成部材7の端部の底面の周縁を、第2フレーム構成部材8の天板23に溶接すると共に(図14(a)の溶接痕31参照)、マスク支持フレーム19の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分を溶接することにより(図14(b)の溶接痕32参照)、第1フレーム構成部材7の端部が第2フレーム構成部材8の端部に接合されている(マスク支持フレーム19の『コーナー溶接』)。
【0007】
【特許文献1】特開2000−90845号公報
【0008】
【特許文献2】特開平6−243793号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、架張型マスクを得る場合には、マスク支持フレーム19を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力を加えて押し縮め、シャドウマスク6には引張力を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力が除去される。このとき、マスク支持フレーム19の短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8は、シャドウマスク6をマスク支持フレーム19に架張保持する際に上下一対の第1フレーム構成部材7に加えられる圧縮力により、外側に湾曲した状態となる(図12の矢印B)。そして、このようにして第2フレーム構成部材8が外側に湾曲した状態になると、第2フレーム構成部材8の端部は、図14にE、Fで示す破線部が溶接等によって固定されているためにフレーム面内での変形量は小さいが、図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に大きく変形してしまう。
【0010】
ところで、従来においては、スプリング部材取付板26が第2フレーム構成部材8のみに、スポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着されているため(図14(b)の溶接痕28参照)、第2フレーム構成部材8の端部が図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に変形すると、それに引きずられてスプリング部材取付板26も同じ方向(図14(b)中の矢印D方向)に変形してしまう。そして、スプリング部材取付板26がこのように変形すると、スプリング部材10(図11参照)を精度良く取り付けることが困難となり、その結果、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することが困難となってしまう。また、このようにシャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することができない場合には、カラー陰極線管において高い色純度を得ることが困難となる。
【0011】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、シャドウマスクを架張保持した後のスプリング部材取付板(弾性支持体取付板)の変形を小さく抑えて、スプリング部材(弾性支持体)を精度良く取り付けることのできるマスク支持フレームの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、当該方法によって得られたマスク支持フレームを用いることにより、色純度に優れたカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るマスク支持フレームの製造方法は、長辺を構成する一対の第1フレーム構成部材と、前記一対の第1フレーム構成部材の同じ側にある端部同士を連結するように前記第1フレーム構成部材に溶接によって接合された、短辺を構成する一対の第2フレーム構成部材と、その表面に弾性支持体が取り付けられる弾性支持体取付板とを備えたマスク支持フレームの製造方法であって、
前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に溶接によって固着するようにしたことを特徴とする。
【0014】
このマスク支持フレームの製造方法によれば、弾性支持体取付板が第2フレーム構成部材に固着されるだけでなく、第1フレーム構成部材にも固着された状態となるので、以下の作用効果を得ることができる。すなわち、『架張型マスク』を得る場合に、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材が外側に湾曲した状態となり、第2フレーム構成部材の端部(コーナー部)が内側に倒れ込む方向に変形しても、弾性支持体取付板は、第1フレーム構成部材によってその変形が抑制され、第2フレーム構成部材の端部(コーナー部)の変形に引きずられて大きく変形してしまうことはない。このように、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法によれば、シャドウマスクの架張時における弾性支持体取付板の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレームを実現することができる。また、このように、弾性支持体取付板の変形量の小さいマスク支持フレームを実現することができるので、スプリング部材を弾性支持体取付板に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。
【0015】
また、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法においては、前記弾性支持体取付板を、前記第2フレーム構成部材に固着した後、前記第1フレーム構成部材に固着するのが好ましい。
【0016】
また、前記本発明のマスク支持フレームの製造方法においては、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の溶接時に同時に、前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に固着するのが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るカラー陰極線管の構成は、前記本発明の製造方法によって得られたマスク支持フレームを備えていることを特徴とする。
【0018】
このカラー陰極線管の構成によれば、シャドウマスクの架張時における取付板の変形量を小さく抑えることのできる前記本発明の製造方法によって得られたマスク支持フレームを用いていることにより、スプリング部材をマスク支持フレームに精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体をフェイスパネルに高精度に支持することが可能となる。その結果、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0020】
本実施の形態におけるカラー陰極線管、並びにそれに用いるマスク支持フレーム及びシャドウマスク構体の基本構成は、図11〜図13、図14(b)に示した一般的なカラー陰極線管、並びにそれに用いるマスク支持フレーム及びシャドウマスク構体と同様であるため、本実施の形態においては、図11〜図13、図14(b)をも参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図2は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのエッジ部の溶接の順序を示した裏面図、図3は本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー溶接の一工程を模式的に示した断面図、図4は本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの表側における第1フレーム構成部材の斜面と第2フレーム構成部材の天板との交線部分の溶接状態を示す模式図、図5は本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの裏側における第1フレーム構成部材の底面と第2フレーム構成部材の側板との交線部分の溶接状態を示す模式図である。
【0022】
図11に示すように、本実施の形態におけるカラー陰極線管1は、内面に蛍光体スクリーン面2aを有し、ガラス等で形成されたフェイスパネル2と、フェイスパネル2の後方に接続され、同じくガラス等で形成されたファンネル3とからなるバルブ11と、ファンネル3のネック部3aに内蔵された電子銃4と、フェイスパネル2の内面の蛍光体スクリーン面2aと所定の間隔を保ってバルブ11内の所定の位置に配置され、電子銃4から射出された電子ビームの到達位置を規制するためのシャドウマスク6と、シャドウマスク6を保持固定するためのマスク支持フレーム20とを具備している。また、ファンネル3のネック部3a側外周には、電子銃4から射出された電子ビームを垂直方向及び水平方向に偏向するための偏向ヨーク5が配設されている。
【0023】
シャドウマスク6は、電子銃4から射出されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する3本の電子ビームに対して色選別の役割を果たすものであり、図13に示すように、インバーあるいは鉄からなる平板に電子ビーム通過孔である略スロット状の開孔27をエッチングによって多数形成することにより構成されている(スロット型)。
【0024】
図12に示すように、マスク支持フレーム20は、長辺を構成し、シャドウマスク6が固定される上下一対の第1フレーム構成部材7と、一対の第1フレーム構成部材7の同じ側にある端部同士を連結するように第1フレーム構成部材7に溶接によって接合された、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8とにより構成されている。
【0025】
長辺を構成する第1フレーム構成部材7は、板厚1.4〜2.0mmの板状鉄材をプレス打ち抜きした後、曲げ加工を施すことにより、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなるように形成されている。
【0026】
短辺を構成する第2フレーム構成部材8は、板厚1.4〜2.0mmの板状鉄材をプレス打ち抜きした後、曲げ加工を施すことにより、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となるように形成されている。すなわち、第2フレーム構成部材8は、天板23と側板24とを有するように形成されている。また、図1、図2に示すように、第2フレーム構成部材8の端部側面には、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に支持したときにフェイスパネル2の内面のコーナーを向くような面取り部25が、上記曲げ加工時に同時に形成されており、この面取り部25には、スプリング部材10(図11参照)を取り付けるための、30〜40mm×15〜30mmの略長方形状の平板からなる厚み1.4〜2.0mmの金属製の取付板(以下『スプリング部材取付板』という)26が固着されている。
【0027】
次に、シャドウマスク構体の組立方法について、図1〜図5、図12、図13を参照しながら説明する。
【0028】
まず、図1、図2に示すように、短辺を構成する第2フレーム構成部材8の端部に位置する面取り部25に、従来と同様に、スプリング部材取付板26をスポット溶接やプロジェクション溶接などによって固着する(ここでは、破線で示した2点で溶接している)。この場合、スプリング部材取付板26は、図3に示すように、その上辺を第2フレーム構成部材8の天板23の上面位置から2〜4mm程度下方にずらした位置に固着される。次いで、図1、図2、図4、図5に示すように、第1フレーム構成部材7の端部の底面を、第2フレーム構成部材8の天板23の端部に載置した状態で、第1フレーム構成部材7の端部の底面の周縁を、第2フレーム構成部材8の天板23に溶接すると共に(図1の溶接痕30参照)、マスク支持フレーム20の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分を溶接する(図14(b)の溶接痕32参照)。この場合、マスク支持フレーム20の表側におけるエッジ部については、図2に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位から数mm程度離した状態で、矢印a→b→cの順序で溶接を行う。また、マスク支持フレーム20の表側における第1フレーム構成部材7の斜面と第2フレーム構成部材8の天板23との交線部分については、図4に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位からやはり数mm程度離し、トーチ角度を約60゜に保った状態で、溶接を行う。また、マスク支持フレーム20の裏側における第1フレーム構成部材7の底面と第2フレーム構成部材8の側板24との交線部分については、図5に示すように、溶接用の電極29を被溶接部位からやはり数mm程度離し、トーチ角度を約45゜に保った状態で、溶接を行う。この作業は、マスク支持フレーム20の四隅について行われる(フレームの『コーナー溶接』)。これにより、第1フレーム構成部材7の端部が第2フレーム構成部材8の端部に接合され、図12に示すマスク支持フレーム20が得られる。
【0029】
本実施の形態においては、上記したコーナー溶接時に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行っている(図1の溶接痕33参照 以下、このような溶接を『かぶり溶接』という)。具体的には、図3に示すように、面取り部25側のコーナー溶接を行う際に、溶接用の電極29をスプリング部材取付板26に近い位置、例えば、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8との接合面位置の近傍に位置させた状態で溶接を行っている。尚、この場合、スプリング部材取付板26にかかる溶接の量(寸法)(以下『かぶり量』という)は、スプリング部材取付板26の上辺の全体にわたる必要はなく、スプリング部材取付板26の上辺の一部のみで十分である。この『かぶり量』は、当該マスク支持フレーム20がどの大きさのカラー陰極線管に用いられるものであるか、すなわち、マスク支持フレーム20自体の大きさによって適宜変更される。
【0030】
次いで、マスク支持フレーム20を、上下一対の第1フレーム構成部材7の外側から圧縮力を加えて押し縮め(図12の矢印A)、シャドウマスク6には引張力(図13の矢印T)を加えた状態で、シャドウマスク6を上下一対の第1フレーム構成部材7に固定した後、圧縮力を除去することにより、シャドウマスク6に張力(テンション)を加える。これにより、図13に示すような、架張型マスクを備えたシャドウマスク構体9が得られる。尚、架張型マスクとしては、上記したスロット型の他に、マスク支持フレームに細条素材を多数架張したアパーチャグリル型、平板に丸形の電子ビーム通過孔が多数形成されたドット型等を用いることもできる。
【0031】
マスク支持フレーム20の短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8は、シャドウマスク6をマスク支持フレーム20に架張保持する際に上下一対の第1フレーム構成部材7に加えられる圧縮力により、外側に湾曲した状態となり(図12の矢印B)、その結果、第2フレーム構成部材8の端部が図12に矢印Cによって示す方向(内側に倒れ込む方向)に変形するが、本実施の形態のマスク支持フレーム20を用いれば、この場合であっても、スプリング部材取付板26の変形を小さく抑えることができる。これは、フレームのコーナー溶接時に、スプリング部材取付板26にかかるようにして溶接を行っていることにより(かぶり溶接)、スプリング部材取付板26が、短辺を構成する第2フレーム構成部材8の面取り部25にスポット溶接やプロジェクション溶接によって固着されるだけでなく、かぶり溶接によって長辺を構成する第1フレーム構成部材7にも固着された状態となるからである。すなわち、『架張型マスク』を得る場合に、短辺を構成する左右一対の第2フレーム構成部材8が外側に湾曲した状態となり、第2フレーム構成部材8の端部(コーナー部)が内側に倒れ込む方向に変形しても、スプリング部材取付板26は、第1フレーム構成部材7によってその変形が抑制され、第2フレーム構成部材8の端部(コーナー部)の変形に引きずられて大きく変形してしまうことはない。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、シャドウマスク6の架張時におけるスプリング部材取付板26の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレーム20を実現することができる。その結果、スプリング部材10をマスク支持フレーム20に精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体9をフェイスパネル2に高精度に支持することが可能となる。そして、これにより、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。また、このようにスプリング部材取付板26の変形量の小さいマスク支持フレーム20を実現することができるので、スプリング部材10をスプリング部材取付板26に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。
【0033】
(実施例)
以下に、本実施の形態のマスク支持フレーム20を用いた場合の、スプリング部材取付板26の変形量の低減効果について、具体的実施例を挙げて説明する。
【0034】
本実施例においては、第1フレーム構成部材7として、板厚1.8mmの板状鉄材を用いて加工した、長手方向の長さが656mmのものを用いた。第1フレーム構成部材7の長手方向と直交する面の略直角三角形状部分の、底辺は32.6mm、斜辺は44mmである。また、第2フレーム構成部材8として、板厚1.8mmの板状ステンレス材を用いて加工した、長手方向の長さが389mmのものを用いた。第2フレーム構成部材8の長手方向と直交する面の略Π字状部分の、上辺は32mm、側辺は22mmであり、また、第2フレーム構成部材8の端面と面取り部25とのなす角度は29゜である。また、スプリング部材取付板26として、36.6mm×22mmの平板からなる厚み1.8mmのものを用いた。これらの部材によって構成されるマスク支持フレーム20は、32型カラー陰極線管に使用されるものである。
【0035】
本発明者らは、以上のような構成を備えたマスク支持フレーム20を用いて、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の水平角度及び垂直角度の変化との関係を調べた。本実施例においては、図6(a)、(b)に示すように、長辺を構成する第1フレーム構成部材7のシャドウマスク架張面の外側面部の2点G、Hを結ぶ線を二等分する点Iと、もう片方の外側面部の2点J、Kを結ぶ線を二等分する点Lとを結ぶ線を基準軸としたとき、当該基準軸に垂直な軸とスプリング部材取付板26の表面とのなす角度を『スプリング部材取付板26の水平角度』と定義している。ここで、4点G、H、J、Kは、第1フレーム構成部材7の中央から一定の距離にある点である。また、本実施例においては、図7(a)、(b)に示すように、長辺を構成する第1フレーム構成部材7のシャドウマスク架張面の4点(第1フレーム構成部材7の中央から一定の等距離にある点)から最小自乗法によって基準面を求め(図7(a)において、例えば、M=N、(M+N)/P=0.8)、当該基準面とスプリング部材取付板26の表面とのなす角度を『スプリング部材取付板26の垂直角度』と定義している。
【0036】
図8に、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の水平角度の変化との関係を示す。また、図9に、コーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスク6の架張前後におけるスプリング部材取付板26の垂直角度の変化との関係を示す。『かぶり量』は、スプリング部材取付板26の上辺の一端部から上辺に沿って測った寸法である。
【0037】
図8、図9に示すように、従来と同様にスプリング部材取付板26にかからないようにしてコーナー溶接を行った場合(かぶり量が0.0mmの場合)、シャドウマスク6を架張保持した状態における、スプリング部材取付板26の水平角度の変化は平均で−0.75゜、垂直角度の変化は平均で2.32゜であった。
【0038】
また、図8に示すように、かぶり量を増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の水平角度は、かぶり量の増加に伴って徐々に減少していき、かぶり量が15.0mm前後のときに0.00゜であった。しかし、かぶり量をさらに増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の水平角度は、逆に+(プラス)の方向に増加していく傾向にあり、このことから、フレームのコーナー溶接は、スプリング部材取付板26の上辺の一部にかかるようにして行うのが望ましいことが分かる。
【0039】
また、図9に示すように、かぶり量を増加させていくと、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の垂直角度は、かぶり量の増加に伴って徐々に減少していき、かぶり量が15.0mm付近で約1.00゜となっている。かぶり量を増加させても、シャドウマスク6を架張保持した状態におけるスプリング部材取付板26の垂直角度が0.00゜になることはないが、かぶり量が0.0mmの場合(かぶり溶接を全く行わない場合)に比べて約1.32゜の低減効果が得られている。
【0040】
尚、スプリング部材取付板26の表面にはスプリング部材10を取り付ける必要があるため、かぶり溶接に際しては、スプリング部材取付板26の表面に溶接痕がはみ出さないように注意する必要がある。スプリング部材取付板26の表面に溶接痕がはみ出さないように効率良く『かぶり溶接』を行うためには、例えば、図10に示すように、スプリング部材取付板26の上辺部に突起26aを設け、この突起26aに対して『かぶり溶接』を行うようにすればよい。この場合の突起26aの大きさは、当該スプリング部材取付板26が固着されるマスク支持フレーム20がどの大きさのカラー陰極線管に用いられるものであるか、すなわち、マスク支持フレーム20自体の大きさによって適宜変更される。
【0041】
また、上記実施の形態においては、スプリング部材取付板26を、第2フレーム構成部材8に固着した後、第1フレーム構成部材7に固着しているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8のコーナー溶接時に同時に、スプリング部材取付板26を、第1フレーム構成部材7と第2フレーム構成部材8の双方に固着するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態においては、第1及び第2フレーム構成部材7、8並びにスプリング部材取付板26が、鉄材あるいはステンレス材を用いて形成されているが、これらの部材の材料としては、他にインバー、クロムモリブデン鋼などを用いることもできる。
【0043】
また、上記実施の形態においては、長辺を構成する第1フレーム構成部材7が、その長手方向と直交する面の断面形状が略直角三角形状部分を含むものとなるように形成されているが、第1フレーム構成部材7は必ずしもこの形状のものに限定されるものではなく、例えば、長手方向と直交する面の断面形状が略L字状となるように形成されたものであってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態においては、短辺を構成する第2フレーム構成部材8が、その長手方向と直交する面の断面形状が略Π字状となるように形成されているが、第2フレーム構成部材8は必ずしもこの形状のものに限定されるものではなく、例えば、長手方向と直交する面の断面形状が矩形状となるように形成されたものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取付板が第2フレーム構成部材の端部側面に固着されるだけでなく、第1フレーム構成部材にも固着された状態となるので、シャドウマスクの架張時における取付板の変形量を小さく抑えることのできるマスク支持フレームを実現することができる。また、このように、取付板の変形量の小さいマスク支持フレームを実現することができるので、スプリング部材を取付板に溶接する際の歩留まりの向上を図ることもできる。また、当該マスク支持フレームを用いることにより、スプリング部材をマスク支持フレームに精度良く取り付けることができるので、シャドウマスク構体をフェイスパネルに高精度に支持することが可能となる。その結果、色純度に優れたカラー陰極線管を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのエッジ部の溶接の順序を示した裏面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー溶接の一工程を模式的に示した断面図
【図4】本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの表側における第1フレーム構成部材の斜面と第2フレーム構成部材の天板との交線部分の溶接状態を示す模式図
【図5】本発明の一実施の形態のマスク支持フレームの裏側における第1フレーム構成部材の底面と第2フレーム構成部材の側板との交線部分の溶接状態を示す模式図
【図6】本発明の一実施の形態におけるスプリング部材取付板の水平角度を説明するための図
【図7】本発明の一実施の形態におけるスプリング部材取付板の垂直角度を説明するための図
【図8】本発明の一実施の形態におけるコーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスクの架張前後におけるスプリング部材取付板の水平角度の変化との関係を示す図
【図9】本発明の一実施の形態におけるコーナー溶接時のかぶり量と、シャドウマスクの架張前後におけるスプリング部材取付板の垂直角度の変化との関係を示す図
【図10】本発明の一実施の形態におけるマスク支持フレームのコーナー部の他の構成を示す部分斜視図
【図11】カラー陰極線管の基本構成を示す断面図
【図12】マスク支持フレームの基本構成を示す斜視図(裏側から見た図)
【図13】シャドウマスク構体の基本構成を示す斜視図(表側から見た図)
【図14】図14(a)は従来技術におけるマスク支持フレームのコーナー部を表側から見た部分斜視図、図14(b)はそれを裏側から見た部分斜視図
【符号の説明】
1 カラー陰極線管
2 フェイスパネル
2a 蛍光体スクリーン面
3 ファンネル
3a ネック部
4 電子銃
6 シャドウマスク
7 第1フレーム構成部材
8 第2フレーム構成部材
11 バルブ
20 マスク支持フレーム
25 面取り部
26 スプリング部材取付板(弾性支持体取付板)
30、32、33 溶接痕
Claims (4)
- 長辺を構成する一対の第1フレーム構成部材と、前記一対の第1フレーム構成部材の同じ側にある端部同士を連結するように前記第1フレーム構成部材に溶接によって接合された、短辺を構成する一対の第2フレーム構成部材と、その表面に弾性支持体が取り付けられる弾性支持体取付板とを備えたマスク支持フレームの製造方法であって、
前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に溶接によって固着するようにしたことを特徴とするマスク支持フレームの製造方法。 - 前記弾性支持体取付板を、前記第2フレーム構成部材に固着した後、前記第1フレーム構成部材に固着する請求項1に記載のマスク支持フレームの製造方法。
- 前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の溶接時に同時に、前記弾性支持体取付板を、前記第1フレーム構成部材と前記第2フレーム構成部材の双方に固着する請求項1に記載のマスク支持フレームの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られたマスク支持フレームを備えたカラー陰極線管。
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2003
- 2003-06-12 JP JP2003168157A patent/JP2005005161A/ja not_active Withdrawn
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