JP2005004948A - 光学的情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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昇 山田
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Abstract

【課題】 Zr、Si、Crを含んだ誘電体層を用いた片面2層記録媒体において、耐湿試験後に誘電体層と記録層の界面で膜剥離を生じるという課題が発生する。Cr23量を増やすことで膜剥離は改善されるが透過率が低下する。
【解決手段】 少なくとも2つの情報層を備え、レーザー光の入射側から見て手前側にある第1の情報層100が、反射層3と、反射層3に対してレーザー光入射側に位置しておりアモルファス相と結晶相との間でレーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層6と、反射層3と記録層6との間に位置する誘電体層50とを少なくとも備えた光学的情報記録媒体において、誘電体層50が少なくともZr、Si、Crを含有しており、誘電体層50の反射層側におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100)で表され、誘電体層50の記録層側界近傍におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100)で表され、かつ、r<u、あるいは、t<qとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザー光線等の光学的手段を用いて情報を高速かつ高密度に記録、再生する光学的情報記録媒体およびその製造方法に関するものである。
レーザー光線を利用して高密度な情報の再生あるいは記録を行う技術は公知であり、主に光ディスクとして実用化されている。
光ディスクは再生専用型、追記型、書き換え型に大別することができる。再生専用型はコンパクトディスクやレーザーディスクとして、また追記型や書き換え型は文書ファイル、データファイル等の記録媒体として実用化されている。書き換え型光ディスクの中には主に、光磁気と相変化型がある。相変化光ディスクは記録層がレーザー光線の照射によってアモルファスと結晶間(あるいは結晶とさらに異なる構造の結晶間)で可逆的に状態変化を起こすことを利用する。これは、レーザー光照射により薄膜の屈折率あるいは消衰係数のうち少なくともいずれか一つが変化して記録を行い、この部分で透過光あるいは反射光の振幅が変化し、その結果、検出系に至る透過光量あるいは反射光量が変化することを検出して信号を再生する。
なお、近年では、光ディスクの記録容量を増加させる観点から、片面2層構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、青紫色レーザを使って記録再生を行う2層光学的情報記録媒体の実用化に向けた研究開発が行われている。これによると、従来よりも短波長のレーザー光や従来よりも開口数(NA)が大きい対物レンズを用いることによって、レーザー光のスポット径を小さくし、より高密度に情報を記録することが可能となる。
片面多層記録媒体に求められる要件として、情報を記録再生するために用いられるレーザー光の入射側に設けられている情報層が、できるだけ高い透過率を有していることが挙げられる。例えば、片面2層記録媒体の場合、レーザー光は、入射側に設けられた情報層を通過して、奥側の情報層に達したときにはその強度が低下してしまい、強度の低いレーザー光で奥側の情報層の記録再生を行うことになる。したがって、奥側の情報層に情報を記録する際にもレーザー光の強度をある程度確保する必要があるため、手前側の情報層等においては特に高透過率が求められている。このような高透過率を実現するために、レーザー光の入射側から見て少なくとも記録層と反射層とをこの順に備えた情報層において、反射層のレーザー光入射側の反対側に、誘電体からなる透過率調整層に接するように設けるという技術が検討されている。また、さらには、前記透過率調整層と反射層との屈折率、消衰係数を最適化することで、高透過率を実現する技術が検討されている。
なお、上述した記録層と接する誘電体層材料としては、ZrO2−SiO2−Cr23からなるものを用いることが提案されている。高透過率が要求されるディスクでは、レーザー光を吸収して透過率を低下させる一因となる記録層をできるだけ薄くさせることが必須となる一方で、記録層を薄くさせることにより記録層の結晶化能が低下するという問題が生じる。これに対しては、記録層と接する誘電体層材料としてZrO2−SiO2−Cr23からなる材料を用いることで、記録層の結晶化能の低下を抑えることができる。
また、多くの光磁気記録媒体やDVD−RAMは、量産装置としての枚葉式スパッタリング装置を用いて大量に製造されている。この枚葉式スパッタリング装置は、図5において示すように、成膜前ディスク基板10は、ロードロック室11を介し真空チャンバー内(メインチャンバー19)に投入され、第1層を形成するための成膜室(この場合は成膜室12)に搬送される。ディスク基板10は、成膜室12において成膜され、次に第2層を形成するための成膜室(この場合は成膜室13)に搬送される。ここでも、成膜を繰返され、各成膜室に搬送されることで所望の層が形成された後、再びロードロック室11を介して、成膜後ディスク20が取り出されるという仕組みである。ディスク基板10は、続けてロードロック室11を介して次々と投入され、量産される。
特開2000−036130号公報
我々は、片面多層記録媒体の検討を行うに際し、まず2層光学的情報記録媒体の開発に取り組んだ。誘電体層としては、記録層の薄膜化でも結晶化を促進する上述したZrO2−SiO2−Cr23を用いて検討を行った。
しかし、この構成の前記枚葉式スパッタ装置を用いた量産化検討において、耐湿試験後に膜剥離が生じやすいという課題の存在が明らかになった。詳細な検討の結果、膜剥離は記録層側誘電体層と記録層との界面、および、レーザー光入射側誘電体層と記録層との界面、反射層側誘電体層と反射層との界面において生じやすく、記録層側誘電体層と記録層の界面が、膜剥離を最も生じやすいこともわかった。この膜剥離は、誘電体層の材料組成のうちCr23量を増やすことで改善される一方で、Cr23量の増加により透過率の低下を引き起こしてしまい、レーザー光入射側から見て奥の情報層の記録再生特性に大きな影響が生じてしまう。このため、誘電体層については、材料組成の変更を安易に行うことはできないことがわかった。
また、量産においては成膜タクトが量産コストに影響するため、枚葉式スパッタ装置では記録媒体を量産する場合には、ロードロック室から搬入される基板およびロードロック室に対しては十分な時間をかけた真空排気を施すことは難しい(例えば2〜3秒の排気時間程度)。このため、成膜室には外部からの水分や基板に付着した水分が入りやすく、その水分のために生産される光ディスクの耐食性が悪化しがちである。上述した従来の方法によって生産される光ディスクは、バッチ式量産機によるものと比較すると、耐食性が劣っているということもわかった。
以上のように、膜剥離の発生を抑えることと透過率を向上させこととの両方を実現するためには、誘電体層の材料組成だけでなく、ディスクの層構成も最適化する必要がある。
本発明の主たる目的は、上記課題を解決した片面多層構成の光学的情報記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明における光学的情報記録媒体は、基板の上に少なくとも2つの情報層を備え、レーザー光の入射側にある情報層が、反射層と、記録層と、誘電体層とを少なくとも備えている。記録層は、反射層に対してレーザー光入射側に位置しておりアモルファス相と結晶相との間でレーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じるものである。誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、反射層と記録層との間に位置している。そして、誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表される場合に、r<uであることを特徴とする。
ここでは、誘電体層において、誘電体層の記録層側の界面近傍におけるCrの比率を誘電体層の反射層側におけるCrの比率より高くすることで、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生を抑えることができる。なお、誘電体層全体に含まれているCrの量は従来の誘電体層に含まれている量と同程度であってもよいが、さらに少なくして透過率を向上させてもよい。誘電体層の記録層側の界面近傍におけるCrが十分であれば、誘電体層全体に含まれているCrの量を減らしても問題はないからである。
また、誘電体層の記録層側の界面近傍におけるSiの比率を誘電体層の反射層側におけるSiの比率より低くしてもよく、この場合にも、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生を抑えることが可能になる。
また、誘電体層の材料としては、Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合に、誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲の材料であってもよい。なお、誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲の材料であればより好ましい。この場合についても、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生をより効果的に抑えることが可能になる。
また、誘電体層は、記録層の近傍に位置する記録層側誘電体層と、記録層側誘電体層よりも反射層に近い反射層側誘電体層との少なくとも2層を有している構成であってもよい。
また、記録層と接する誘電体層の材料としては、ZrO2−SiO2−Cr23を含有したものであってもよい。これにより、記録層の結晶化能の低下を抑えることが可能となる。
さらに、記録層側誘電体層の膜厚は、反射層側誘電体層の膜厚の1/15以上1/3以下、より好ましくは1/4以下とした構成であってもよい。また、記録層側誘電体層の膜厚は、1nm以上8nm以下、より好ましくは2nm以上6nm以下とした構成であってもよい。
さらに、上記課題を解決するために、本発明における基板の上に少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体の製造方法は、レーザー光の入射側にある情報層の成膜において、少なくとも反射層を成膜する工程と、記録層を成膜する工程と、反射層と記録層との間に誘電体層を成膜する工程と備えている。記録層は、反射層に対してレーザー光入射側に設けられ、アモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じるものである。誘電体層を成膜する工程では、記録層との接触部分を有する記録層側誘電体層と、記録層側誘電体層よりも反射層に近い反射層側誘電体層との少なくとも2層を成膜する。そして、反射層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、記録層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、r<uを満たすスパッタリングターゲットを用いていることを特徴とする。
記録層側誘電体層におけるCrの比率を反射層側誘電体層におけるCrの比率より高くなるように製造することで、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生を抑えた光学的情報記録媒体を製造することが可能になる。
また、記録層側誘電体層におけるSiの比率を反射層側誘電体層におけるSiの比率より低くするように製造してもよく、この場合にも、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生を抑えた光学的情報記録媒体を製造することが可能になる。
また、誘電体層の材料の製造は、Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合に、記録層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲となるように製造してもよい。なお、反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲となるように製造するのであればより好ましい。この場合についても、レーザー光入射側にある情報層における透過率の減少を抑えつつ、誘電体層と記録層との界面における膜剥離の発生をより効果的に抑えることが可能になる。
なお、記録層と接する材料としてZrO2−SiO2−Cr23を含有した材料をスパッタリングすることで、記録層の結晶化能の低下を抑えることも可能となる。
以上説明したように、誘電体層におけるCrは耐食性確保のために必要でありつつも透過率減少の原因となるが、本願発明の光学的情報記録媒体およびその製造方法により、記録層との界面近傍におけるCrの量を相対的に増加させて耐食性を確保することで、耐食性確保に必要なCrの絶対量を少なく抑えて透過性を良好に保つことが可能になる。このように、耐食性(信頼性)を確保し、かつ良好な透過率を確保することにより記録再生特性に優れた片面2層情報記録媒体を実現できる。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
本発明は、図1において示すように、第1の情報層100と第2の情報層200との2つの情報層を有する片面2層ディスクに関するものである。第2の情報層200は、保護基板201上に形成されている。第1の情報層100は基板1上に形成されており、基板1と第2の情報層200との間には光学的分離層150が配置されている。第1の情報層100のレーザー光入射側には、カバー層9が形成されている。なお、本発明は、情報層が2層だけ設けられている記録媒体だけでなく、情報層が多層設けられている多層情報記録媒体に対しても適用することができる。さらに、本発明は、複数の情報層が片面に設けられている記録媒体に限られず、複数の情報層が両面においてそれぞれ設けられているような記録媒体に対しても適用することができる。
以下、本発明が適用される第1の情報層100(レーザー光入射側の情報層)について、図2を参照しつつ説明する。
第1の情報層100は、前述の様に、基板1上に形成されている。基板1は、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂板、ガラス板等からなる。光学分離層150上に情報層100用に溝を形成する場合には、スタンパ基板の溝をUV樹脂を用いて転写する2P法を用いることができる。
第1の情報層100は、少なくとも透過率調整層2と、反射層3と、反射層側誘電体層4及び記録層側誘電体層5からなる誘電体層50と、記録層6と、誘電体層7と、誘電体層8とから構成されており、これらは基板1側から上記順番で並んでいる。
透過率調整層2は、情報の記録を行うレーザー光波長における屈折率が大きい媒質の方が透過率を高くすることができるため、酸化チタンを用いている。
反射層3は、Ag、Au、Al等の金属元素を主成分とする材料を用いることができる。また、金属反射層の代わりに、屈折率の異なる2種類以上の保護層を積層することによっても、反透過層と同様の光学特性を得ることができる。本実施の形態では、Agを主成分とする金属反射層を用いている。
誘電体層4〜5,7〜8の材料は、Al、Si、Ta、Mo、W、Zr等の酸化物、Zn等の硫化物、Al、B、Ge、Si、Ti、Zr等の窒化物、Pb、Mg、La等のフッ化物等を主成分とする材料を用いることができる。本実施の形態では、誘電体層8としてはZnS−20mol%SiO2、反射層側誘電体層4、記録層側誘電体層5および誘電体層7としてはZrO2−SiO2−Cr23を用いている。なお、誘電体層4,5の組成については、下記の実施例において詳細に説明する。
記録層6の材料は、Te、In、Se等を主成分とする相変化材料を用いることができる。よく知られた相変化材料の主成分としては、TeGeSb、TeGeSn、TeGeSnAu、SbSe、SbTe、SbSeTe、In−Te、In−Se、In−Se−Tl、InSbInSbSe、GeSbTeAg等が挙げられる。現在、相変化光ディスクで商品化されたもの、あるいは研究が盛んに行われている材量系としては、GeSbTe系、AgGeSbTe系等がある。本実施の形態では、GeSbTe系のものを主成分として主に用いている。
反射層側誘電体層4と記録層側誘電体層5とからなる誘電体層50,誘電体層7,誘電体層8、記録層6、反射層3、透過率調整層2等の各層の形成方法としては、通常、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、レーザスパッタリング法等が適応される。本実施の形態では、スパッタリング法を用いている。
上記実施形態で用いたディスクの構造の実施例について、説明する。
まず、ポリカーボネートを用いた基板1として、その表面がピッチ0.3um、溝深さ20nmの凹凸の案内溝で覆われている直径120mm、厚さ1.1mmの基板を用いた。その上に透過率調整層2として膜厚20nmの酸化チタン、反射層3として膜厚10nmのAg、反射層側誘電体層4と記録層側誘電体層5とからなる誘電体層50として膜厚が16nmのZrO2−SiO2−Cr23、記録層6として膜厚7nmのGe22Sb25Te53(at%)、誘電体層7として膜厚10nmのZrO2−SiO2−Cr23、誘電体層8として膜厚40nmのZnS−20mol%SiO2を、この順にマグネトロンスパッタ法で形成し、第1の情報層100を形成した。続いて、スピンコート法により膜厚0.1mmの光透過層(カバー層9)を形成した。
(1)まず、反射層側誘電体層4の組成をZrO2、SiO2、Cr23組成比で30:30:40に固定して、記録層側誘電体層5の組成を種々変えて、その組成での耐食性とレーザー光波長405nmでの透過率の結果を検討した。耐食性試験では、温度90度で湿度80%の環境下において100時間経過した後の膜剥離の状況を光学顕微鏡で観察し、その良否を判定した。また、透過率は47%以上、50%以上、52%以上の3段階の基準を設けた。片面2層光学的情報記録媒体のレーザー光入射側の第1の情報層100の透過率として47%以上であれば、奥側の第2の情報層200に対して情報を記録するために必要なレーザー光としては、差し支えない範囲であるといえる。ただし、ここでの透過率としては、より高い透過率のものが望まれ、50%以上の透過率を確保できれば問題ない範囲といえる。さらに、52%以上の透過率であると、奥側の第2の情報層200の構成のマージンにも余裕がでてくるため、より好ましい。これらの結果を、図3、図4を用いて説明する。
図4に示す記録層側誘電体層5の種々の組成(黒点に対応)のサンプル30枚の耐食性、透過率測定を行った。図3、図4における点A〜Jの各ZrO2、SiO2、Cr23組成比は、ZrO2:SiO2:Cr23の比(mol%)で表すと、点A(25:0:75)、点B(0:25:75)、点C(0:40:60)、点D(30:30:40)、点E(60:0:40)、点F(0:50:50)、点G(40:40:20)、点H(80:0:20)、点I(40:0:60)、点J(0:0:100)となる。これをZr、Si、Crの組成比に換算した場合にはZr:Si:Crの比(at%)で表すと点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)、点J(0:0:100)となる。
耐食性の結果について、図3を用いて説明する。耐湿試験後に剥離がなかったのは、記録層側誘電体層5の組成が点J、点C、点D、点E、点Jの順に囲まれた範囲の場合であり、それ以外の組成では、剥離が生じていた。この剥離は、剥離しやすい記録層6と記録層側誘電体層5の界面で主に生じていると考えられる。しかし、反射層側誘電体層4の組成において、Cr23が非常に少ない組成、あるいはSiO2が非常に多い組成では、反射層3と反射層側誘電体層4との界面でも剥離が生じていると考えられる。本結果より、耐食性を良好なものとするためには、Cr23量を増やす、SiO2量を減らすことであることがわかった。
次に、透過率の結果について、図3を用いて説明する。透過率が47%未満であったのは、点A、点B、点J、点Aの順に囲まれた範囲の場合であり、その他の場合には、透過率は47%以上と良好であった。さらに、透過率が50%未満だったのは、点J、点C、点I、点Jの順に囲まれた範囲の場合であり、その他の場合では透過率は50%以上とさらに良好であった。本結果より、透過率を良好なものとするためには、Cr23量を減らすことであることがわかった。
以上の結果より、記録層側誘電体層5の組成が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲の場合が耐食性、透過率ともに良好であることがわかった。また、記録層側誘電体層5の組成が点I、点C、点D、点E、点Iの順に囲まれた範囲の場合には、透過率をさらに向上させることができ、より好ましい。
(2)記録層側誘電体層5の組成を固定して、反射層側誘電体層4の組成を変化させた場合の耐食性、透過率を検討した。
記録層側誘電体層5の組成をZrO2、SiO2、Cr23組成比で25:0:75とし、反射層側誘電体層4の組成を種々変えてみた。その他のディスク構成については先の実施例と同じとした。反射層側誘電体層4の組成を図4に示す黒点のサンプル30枚の組成毎に耐食性、透過率について測定した。
耐食性の結果について、図3を用いて説明する。耐湿試験後に剥離がなかったのは、反射層側誘電体層4の組成が点J、点F、点G、点H、点Jの順に囲まれた範囲の場合であり、それ以外の組成では剥離が生じていた。
次に、透過率の結果について、図3を用いて説明する。透過率が47%未満であったのは、点J、点B、点A、点Jの順に囲まれた範囲の場合であった。また、透過率が52%未満であったのは、点J、点C、点I、点Jの順に囲まれた範囲の場合であった。
(3)次に、記録層側誘電体層5の組成をZrO2、SiO2、Cr23組成比で60:0:40とし、反射層側誘電体層4の組成を種々変化させた。
耐食性の結果について、図3を用いて説明する。耐湿試験後に剥離がなかったのは、反射層側誘電体層4の組成が点J、点F、点G、点H、点Jの順に囲まれた範囲の場合であり、それ以外の組成では剥離が生じていた。
次に、透過率の結果について、図3を用いて説明する。透過率が50%未満であったのは、点J、点B、点A、点Jの順に囲まれた範囲の場合であった。また、透過率が52%未満であったのは点J、点C、点I、点Jの順に囲まれた範囲の場合であった。
以上の結果より、反射層側誘電体層4の組成が、点I、点C、点F、点G、点H、点Iの順に囲まれた範囲の場合が、耐食性、透過率ともに良好であることがわかった。
また、透過率を52%よりさらに向上させる方がよいことは言うまでも無く、そのような反射層側誘電体層4の組成としては、耐食性を考慮すると、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲の場合である。
(4)まとめ
このように、反射層側誘電体層4と記録層側誘電体層5とについて、組成毎の性質をそれぞれ比較してみると、耐食性については、誘電体層5よりも反射層側誘電体層4の方が強くマージンがあることが確認できるため、耐食性を確保するために必要となるCr23量については、反射層側誘電体層4よりも記録層側誘電体層5の方を相対的に多くする構成を採用するのが望ましいと考えられる。あるいは、SiO2量について、反射層側誘電体層4よりも記録層側誘電体層5の方を少なくする構成を採用するのが望ましいと考えられる。
一方、透過率については、反射層側誘電体層4、記録層側誘電体層5に関わらず、いずれについてもCr23量が少ないことが望ましい。
したがって、以上の耐食性および透過性についての検討結果を総合的に考慮すると、少しでも耐食性を向上させて、少しでも透過率の低下を抑えるためには、Cr23量については、記録層側誘電体層5よりも反射層側誘電体層4のほうがより多くなるような組成範囲を選ぶべきであると考える。また、SiO2量については、透過率には関係ないものの耐食性には大きく影響するため、反射層側誘電体層4よりも組成マージンの狭い記録層側誘電体層5のほうがSiO2量がより少なくなるような構成範囲を選ぶべきであると考えられる。
なお、本実施例では、ZrO2−SiO2−Cr23スパッタリングターゲットを用いた場合の結果についてのみ述べたが、ZnS、ZnSe、ZnO等を添加したものについても同様の結果を得た。
また、上記実施例においては、誘電体層50が記録層側誘電体層5と反射層側誘電体層4との2層を有している場合についてのみ述べたが、誘電体層50としては、他の層をさらに備えた3層以上の構成であってもよい。
また、誘電体層50は、その内部が層として明確に区別することが難しいような構成であってもよく、記録層6側から反射層3側に対して、その組成がなだらかに変化するような1層からなる構成のものであってもよい。例えば、このような1層の誘電体層50としては、記録層6側の界面近傍におけるCr23の組成比を反射層3側におけるCr23の組成比よりも多くしたり、記録層6側の界面近傍におけるSiO2の組成比を反射層3側におけるSiO2の組成比よりも少なくしたりした層とすることができる。このように、誘電体層50が、1層の場合には、記録層6側の界面近傍における組成に対して上述した記録層側誘電体層5の最適条件を、反射層3側の組成に対して上述した反射層側誘電体層4の最適条件をそれぞれ適応するようにしてもよい。なお、このような組成がなだらか変化するような層は、スパッタリングターゲットの組成を変更しながら共スパッタすることによって成膜することができる。
(1)反射層側誘電体層4の組成を固定して、記録層側誘電体層5の組成を変化させた場合の記録層側誘電体層5についての耐食性、透過率の検討結果を示す。耐食性、透過率の検討結果を示す。本検討では、以下に示す表1のように、反射層側誘電体層4の組成をZrO2:SiO2:Cr23=50:20:30と一定とし、記録層側誘電体層5の組成のみを変化させた。その他のディスク構成等については、実施例1と同じとした。
Figure 2005004948
表1より、記録層側誘電体層5のCr23量が多いほど耐食性は向上し、Cr23の組成比が50%の場合については、温度が90℃、湿度が80%の環境下において100h経過させた場合でも膜腐食はなく、Cr23の組成比が70%では300h経過させた後でも膜腐食はなかった。Cr23組成比が多いほど透過率は低下するが、透過率は50%以上を確保できており、問題のない範囲であった。以上の結果からも、Cr23量は、誘電体層4より記録層側誘電体層5の方が多い場合に、耐食性を向上させることができることが確認できる。
(2)反射層側誘電体層4の組成を先の実施例の組成とは異なる値に固定して、記録層側誘電体層5の組成を変化させた場合の記録層側誘電体層5についての耐食性、透過率の検討結果を示す。本検討では、以下に示す表2のように、反射層側誘電体層4の組成をZrO2:SiO2:Cr23=30:20:50と一定とし、記録層側誘電体層5の組成のみを変化させた。その他のディスク構成等については、実施例1と同じとした。
Figure 2005004948
表2より、記録層側誘電体層5のSiO2量が少ないほど耐食性は向上し、SiO2の組成比が50%の場合や20%の場合については、温度が90℃、湿度が80%の環境下において100h経過させた場合でも膜腐食はなく、SiO2の組成比が0%では300h経過させた後でも膜腐食はなかった。本検討範囲のSiO2組成比では、透過率はどれも52%以上であり、良好な範囲であった。以上の結果からも、SiO2量は、反射層側誘電体層4より記録層側誘電体層5の方が多い場合に、耐食性を向上させることができることが確認できる。
本発明によれば、光学的な情報記録における耐食性(信頼性)を確保し、かつ良好な透過率を確保することが可能となるため、記録再生特性に優れた片面2層情報記録媒体への適用が特に有用である。
本発明の実施の形態に用いた2層光ディスクの構造図。 本発明の実施の形態に用いた2層光ディスクの第1の情報層についての構造図。 本発明の実施の形態に用いた光ディスクの誘電体層の組成図。 本発明の実施の形態に用いた光ディスクの誘電体層の組成図。 光ディスクの製造装置である枚葉式スパッタ装置の構造図。
符号の説明
1 基板
2 透過率調整層
3 反射層
4 反射層側誘電体層
5 記録層側誘電体層
6 記録層
7 誘電体層
8 誘電体層
9 カバー層
10 ディスク基板
11 ロードロック室
12 成膜室
13 成膜室
14 成膜室
15 成膜室
16 成膜室
17 成膜室
18 成膜室
19 メインチャンバー
20 成膜後ディスク
50 誘電体層
100 第1の情報層

Claims (19)

  1. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備え、
    レーザー光の入射側にある情報層が、反射層と、前記反射層に対して前記レーザー光入射側に位置しておりアモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層と、前記反射層と前記記録層との間に位置する誘電体層とを少なくとも備えた光学的情報記録媒体において、
    前記誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、
    前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    かつ、r<uであることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備え、
    レーザー光の入射側にある情報層が、反射層と、前記反射層に対して前記レーザー光入射側に位置しておりアモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層と、前記反射層と前記記録層との間に位置する誘電体層とを少なくとも備えた光学的情報記録媒体において、
    前記誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、
    前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    かつ、q>tであることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  3. さらにr<uであることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報記録媒体。
  4. Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合、
    前記誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲の材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体。
  5. 前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲の材料であることを特徴とする請求項4に記載の光学的情報記録媒体。
  6. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備え、
    レーザー光の入射側にある情報層が、反射層と、前記反射層に対して前記レーザー光入射側に位置しておりアモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層と、前記反射層と前記記録層との間に位置する誘電体層とを少なくとも備えた光学的情報記録媒体において、
    前記誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、
    前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合、
    前記誘電体層の記録層側の界面近傍におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲の材料であることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  7. 前記誘電体層の反射層側におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲の材料であることを特徴とする請求項6に記載の光学的情報記録媒体。
  8. 前記誘電体層は、前記記録層の近傍に位置する記録層側誘電体層と、前記記録層側誘電体層よりも前記反射層に近い反射層側誘電体層との少なくとも2層を有しており、
    前記反射層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記記録層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体。
  9. 前記記録層側誘電体層の膜厚は、前記反射層側誘電体層の膜厚の1/15以上1/3以下であることを特徴とする請求項8に記載の光学的情報記録媒体。
  10. 前記記録層側誘電体層の膜厚は、1nm以上8nm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の光学的情報記録媒体。
  11. 前記誘電体層は、少なくともZrO2、SiO2、Cr23を含有したものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体。
  12. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    レーザー光の入射側にある情報層の成膜において、少なくとも反射層を成膜する工程と、アモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層を前記反射層に対して前記レーザー光入射側に成膜する工程と、前記反射層と前記記録層との間に誘電体層を成膜する工程と備え、
    前記誘電体層を成膜する工程では、前記記録層との接触部分を有する記録層側誘電体層と、前記記録層側誘電体層よりも前記反射層に近い反射層側誘電体層との少なくとも2層を成膜し、
    前記反射層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記記録層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    かつ、r<uを満たすスパッタリングターゲットを用いていることを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  13. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    レーザー光の入射側にある情報層の成膜において、少なくとも反射層を成膜する工程と、アモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層を前記反射層に対して前記レーザー光入射側に成膜する工程と、前記反射層と前記記録層との間に誘電体層を成膜する工程と備え、
    前記誘電体層を成膜する工程では、前記記録層との接触部分を有する記録層側誘電体層と、前記記録層側誘電体層よりも前記反射層に近い反射層側誘電体層との少なくともの2層を成膜し、
    前記反射層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記記録層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    かつ、q>tを満たすスパッタリングターゲットを用いていることを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  14. さらにr<uを満たすスパッタリングターゲットを用いていることを特徴とする請求項13に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  15. Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合、
    前記誘電体層を成膜する工程では、前記記録層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ前記反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲となるようにスパッタリングターゲット材料を用いることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  16. 前記反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲となるようにスパッタリングターゲット材料を用いることを特徴とする請求項15に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  17. 基板の上に少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    レーザー光の入射側にある情報層の成膜において、少なくとも反射層を成膜する工程と、アモルファス相と結晶相との間で前記レーザー光の照射による光学的な検出が可能な可逆的変化を生じる記録層を前記反射層に対して前記レーザー光入射側に成膜する工程と、前記反射層と前記記録層との間に誘電体層を成膜する工程と備え、
    前記誘電体層を成膜する工程では、前記記録層との接触部分を有する記録層側誘電体層と、前記記録層側誘電体層よりも前記反射層に近い反射層側誘電体層との少なくとも2層を成膜し、
    前記反射層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=p:q:r(p+q+r=100、p、q、rはat%)と書き表され、
    前記記録層側誘電体層は、少なくともZr、Si、Crを含有し、その比率がZr:Si:Cr=s:t:u(s+t+u=100、s、t、uはat%)と書き表され、
    Zr、Si、Crの比率(p+q+r=100、p、q、rはat%)、(s+t+u=100、s、t、uはat%)を、点A(14:0:86)、点B(0:14:86)、点C(0:25:75)、点D(21:21:58)、点E(43:0:57)、点F(0:33:67)、点G:(33:33:34)、点H(67:0:33)、点I(25:0:75)とした場合、
    前記誘電体層を成膜する工程では、前記記録層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点A、点B、点C、点D、点E、点Aの順に囲まれた範囲であり、かつ前記反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点I、点Cの順に囲まれた範囲となるようにスパッタリングターゲット材料を用いることを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  18. 前記反射層側誘電体層におけるZr、Si、Crの比率が、点C、点F、点G、点H、点E、点D、点Cの順に囲まれた範囲となるようにスパッタリングターゲット材料を用いることを特徴とする請求項17に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  19. 前記スパッタリングターゲットは、少なくともZrO2、SiO2、Cr23を含有したものであることを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。

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