JP2005004049A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロセスパーツの再利用を促進し、再利用したプロセスパーツにより良好な画質の画像を形成する。
【解決手段】画像形成装置本体120に対して着脱自在なプロセスカートリッジ100に、再利用可能なプロセスパーツである、磁気ブラシ帯電器39用の帯電ローラについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段60を設ける。帯電ローラ33の再利用時には、記憶手段60から読み出した再利用情報(画像信号によって印字が行われた量に対応する印字量情報)に基づいて、プロセス手段の制御値としての、磁気ブラシ帯電器39に印加する帯電バイアスを変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成装置本体120に対して着脱自在なプロセスカートリッジ100に、再利用可能なプロセスパーツである、磁気ブラシ帯電器39用の帯電ローラについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段60を設ける。帯電ローラ33の再利用時には、記憶手段60から読み出した再利用情報(画像信号によって印字が行われた量に対応する印字量情報)に基づいて、プロセス手段の制御値としての、磁気ブラシ帯電器39に印加する帯電バイアスを変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは、再利用可能な部品の再利用を促進するようにした画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エコロジー(地球環境を酷使したり、汚染したりせず、地球環境に優しく共存していく考え)が全世界的に広がりを見せている。しかしながら、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に備えられる各種部品は、再利用が可能なものであっても、十分な再利用がされないまま廃棄されることが多く、資源の節約、環境保護という面においては好ましいことではなかった。
【0003】
そこで、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に用いられている各種部材、例えば、一次帯電用の帯電ローラ(帯電スリーブ)、現像帯電用の現像ローラ(現像スリーブ)、転写帯電用の転写ローラなどについて、再利用するための回収方法や、再利用しやすいプロセスカートリッジの構成、再利用部品の再生方法等に関し、各種提案がなされてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
再利用部品が例えば金属製である場合の再生方法については、この金属製の部材を例えば洗浄溶剤中に浸漬してブラシ等の洗浄部材で外周面の汚れを洗い落とす方法等が提案されている。
【0005】
しかしながら、部品の再利用には、上述のような再生工程を経た上で利用する場合だけでなく、再生工程を経ずにそのまま再利用する場合も考えられる。また、再生工程を経た場合でも完全に新品同様に再生しきれない再生処置の場合もある。このような場合、形式上、単に再利用することは可能であるが、再生部品が新品部品と同様の機能を発揮できない場合は、装置の性能が低下するおそれがある。
【0006】
許容できない場合、仮にほとんど新品部品の原型に近づいているとしても、そのごく一部の微妙な差異のため利用できず、完全に再生できる再生方法をコストをかけて実行又は考案するか、あるいは再生せずにやむなく廃棄せざるをえなくなる。特に画像の細目の質を重要視する電子写真方式の画像形成装置においては、部品のほとんどが問題なく機能するとしても、ごく一部の欠陥により利用できない、といった部品が存在する。例えば現像用の現像スリーブなどにおいては、内包されるマグネットや駆動部と勘合する軸等が十分に使用できるとしても、その表面が微妙に汚染されているという理由で現像剤への電荷付与能力や、現像剤搬送能力等が低下し、所定の画質が得られない、といった事態となる。
【0007】
そこで、本発明は、使用された部品を完全なる再生処理を行わなくとも有効に再利用して良好な画質を得るとともに、資源を節約し、より低コストの画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段と、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する制御手段とを備え、前記制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記再利用情報が、再利用回数についての情報である、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、現像用の現像ローラである、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、帯電用の帯電ローラである、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の帯電スリーブである、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、二成分現像剤である、ことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の磁性粒子である、ことを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、前記感光体である、ことを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、現像剤収容容器である、ことを特徴とする。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記再利用情報が、画像信号によって印字が行われた量に対応する印字量情報である、ことを特徴とする。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記プロセスカートリッジは、前記帯電手段と、前記現像手段と、前記感光体とを一体的にプロセスカートリッジ化したものである、ことを特徴とする。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段により前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項13に係る発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、印字量情報が、前記画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項14に係る発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジ側には、
前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段を設け、前記画像形成装置本体側には、画像信号によって印字が行なわれた量に対応する印字量情報を前記記憶手段に書き込み/読み出しを行う制御手段と、前記印字量情報をカウントして前記制御手段を介して前記記憶手段に記憶されている情報に加算するカウント手段と、前記プロセスカートリッジの耐久劣化に対応する印字量の設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記印字量情報の積算値と前記設定値記憶手段の設定値を比較する比較手段とを設け、前記比較手段によって、前記記憶手段から前記制御手段を介して読み出された印字量情報の積算値を、前記設定値記憶手段に記憶された設定値と比較してその大小関係に応じて、前記帯電手段の帯電バイアス値を変更する、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0023】
まず、本発明全体の概略について簡単に説明する。
【0024】
本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置に関するものであり、前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段と、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する制御手段とを備え、前記制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更することを特徴としている。
【0025】
これにより、再利用されるプロセスパーツの機能低下を簡易な方法で十分に補い、現在の世界経済下におけるリサイクルのニーズに十分に対応でき、またコスト、資源の節約が可能となる。また、具体的な再利用状況に関する情報としては再利用回数であることで、再利用によるプロセスパーツの機能低下状況が予測できる。また再利用パーツとしては現像スリーブ、磁気ブラシ帯電用の帯電スリーブ、帯電ローラ、二成分現像剤、磁気ブラシ帯電用の磁性粒子、感光体、現像剤収容容器等が考えられるが、これら以外にも再利用できるプロセスパーツであれば、本発明が適用できることはもちろんである。帯電ローラや感光体については、実施の形態で取り上げていないが、例えば耐久による抵抗値上昇を補う帯電バイアス制御テーブルなどについて適用できる。
【0026】
また、プロセスカートリッジに関する情報を記憶しかつ記憶された情報が電子写真画像形成装置本体より読み出し/書き込み可能な記憶手段と、を有し、前記記憶手段に記憶される情報の一つが前記画像信号によって印字が行なわれた量に対応する印字量情報であることを特徴とする画像形成装置で本発明を用いることにより、再利用情報を、印字量に対応して変化させるプロセス制御に容易に対応し得る。
【0027】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、プロセスカートリッジを装着可能な、電子写真方式のプリンタであり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0028】
本実施の形態は、再利用可能なプロセスパーツが、帯電ローラ33である場合について説明するものである。
【0029】
まず、同図を参照して、プリンタ(以下「画像形成装置」という。)全体の概略を説明する。
【0030】
同図に示す画像形成装置は、画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)120の内部に、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1は、矢印方向(図1中の時計回り)に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0031】
感光ドラム1表面は、磁気ブラシ帯電ユニット(帯電手段)31によって所定の極性・電位に均一(一様)に一次帯電される。なお、磁気ブラシ帯電ユニット31については、後に詳述する。
【0032】
帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置(露光手段)によって静電潜像が形成される。露光装置としては、例えば、スキャナユニット101が使用される。スキャナユニット101は、レーザー発振器、ポリゴンミラー、補正系レンズ等を有している。スキャナユニット101は、画像信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力する。そして、このレーザー光Lは折り返しミラー102で反射されて、上述の帯電後の感光ドラム1に照射される。感光ドラム1表面は、レーザー光Lの照射に応じて表面の電荷が除去される。これにより、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。
【0033】
こうして感光ドラム1表面に形成された静電潜像は、現像ユニット51によって現像される。現像ユニット51は、現像容器(現像剤収容容器)52、現像スリーブ(現像ローラ)53、マグネットローラ54、規制ブレード55、搬送スクリューローラ57,58を有している。現像容器52に貯蔵されている現像剤56は、マグネットローラ54の磁気によって現像スリーブ53表面に担持され、現像スリーブ53の矢印方向(同図中の反時計回り)に伴って、規制ブレード55によって薄層に規制されて現像剤層56aとなる。この際、現像剤56は、摩擦帯電されて電荷を帯びる。現像剤56は、感光ドラム1表面に対向する現像位置Gに搬送され、現像スリーブ53に印加される現像バイアスによって感光ドラム1上の静電潜像に付着される。これにより静電潜像は、トナー像(現像剤像)として現像される。なお、本実施の形態では、現像剤は、トナーとキャリアとを主成分とする二成分現像剤が使用されている。
【0034】
上述の現像スリーブ53は、少なくとも現像時においては、感光ドラム1に対し最近接領域が約500μmになるように配置され、現像剤が感光ドラム1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。本実施の形態において用いた二成分現像剤は、トナー粒子は粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用いた。またキャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3の、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。現像剤として、これらトナーとキャリアとが重量比6:94で混合されたものを使用した。
【0035】
こうして感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印方向に回転に伴って転写位置(通紙部)Tに搬送され、ここで記録媒体としての記録材104に転写される。記録材104は、給紙カセット103に収納されていて、給紙ローラ105によって給紙され、搬送ガイド105に沿って搬送され、感光ドラム1上のトナー像にタイミングを合わせるようにして転写位置に供給されるようになっている。転写位置に供給された記録材104は、感光ドラム1と転写ローラ107とによって挟持搬送されながら、転写ローラ107に転写バイアスが印加されることにより、表面にトナー像が転写される。
【0036】
トナー像転写後の記録材104は、搬送ガイド108に沿って定着装置(定着手段)109に搬送され、ここで、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着された後、排紙トレイ110上に排出される。
【0037】
一方、トナー像転写後に感光ドラム1表面に残ったトナー(転写残トナー)は、磁気ブラシ帯電ユニット31により一旦回収され、再び感光ドラム1表面に均一に吐き出されて、現像時の反転バイアスにより現像ユニット51によって回収される。
【0038】
なお、装置本体120には、プロセスカートリッジ100を着脱可能に支持する支持部材112が、2箇所に設けられている。
【0039】
プロセスカートリッジ100は、感光ドラム1、磁気ブラシ帯電ユニット31、現像ユニット51を、プラスッチク製枠体であるカバー111に一体的に組み込んでてユニット化することにより構成されている。プロセスカートリッジ100の上述の各構成要素は、カバー111に対して所定の相互配置関係をもって組み付けられている。さらに、プロセスカートリッジ100は、装置本体120内の所定部位(支持部材112によって位置決めされる位置)対して簡単に装着され、また反対に装置本体120内の所定部位から簡単に取り出せるようになっている。
【0040】
上述のプロセスカートリッジ100は、現像容器52に貯蔵されているトナー56が消費された場合や、感光ドラム1が寿命に達した場合などにおいて、ユーザーによって新規のものと交換されるようになっている。
【0041】
本実施の形態の特徴は、プロセスカートリッジ100に記憶手段60を設け、この記憶手段60に記憶される画像印字量の積算情報が所定の値を超えるとそれに応じて帯電バイアスを変化させ、帯電電位の安定と、帯電器内混入トナーの吐き出しを両立することにある。
【0042】
本実施の形態に使用される記憶手段60としては、信号情報を書き換え可能に記憶、保持するものであれば特に制限は受けない。例えばRAMや、書き換え可能なROM等の電気的な記憶手段、磁気記録媒体や磁気バブルメモリ、光磁気メモリ等の磁気的記憶手段などが使用可能である。本実施の形態においては、取扱い安さやコストの点から不揮発性の記憶手段であるNV(Non Volatile)RAMを使用した。
【0043】
図2は、本実施の形態の画像形成装置におけるバイアス制御機構を説明するためのブロック図であり、プロセスカートリッジ100、電子写真画像形成装置本体120及び印字データを印字可能な信号に変換するコントローラ121が示される。
【0044】
同図に示すように、プロセスカートリッジ100には、記憶手段60が設けられている。本実施の形態では、画像形成開始時から、印字が行われた量に対応する情報として、スキャナユニット(図1参照)のレーザー発振器(以下単に「レーザー」という。)21の点灯時間をカウントして、カウント値を時間情報としてプロセスカートリッジ100内の記憶手段60に記憶させている。
【0045】
図2において、ホストコンピユータ(不図示)等から入力される印字データfvは、コントローラ121に入力され、画像展開部41でドットデータに展開される。展開された印字データは、一度、画像メモリ42に貯えられた後に、画像データ出力部43にて、シリアル信号の画像信号として、装置本体120に送られる。なお、符合44は画像クロックを発生させる画像クロック発生手段である。
【0046】
装置本体120に送られた画像信号は、変調器20により画像信号fvに対応してレーザー21をオン/オフさせるレーザー入力電圧に変調される。すなわち、レーザー21は、変調器20に接続され、その変調された信号に従って発光する。また、変調器20にはカウンタ22が接続されており、このカウンタ22によって変調器20からレーザー21への出力時間、すなわちレーザー21から出力されるレーザービームの感光ドラム1への露光時間に対応する時間情報が計測される。すなわち、カウンタ22には水晶発振器のようなクロックパルス発生手段23が接続されており、レーザー発光信号が存続している期間に受けたクロックパルス数をカウントした値を時間情報として用いている。ここで計測されたクロックパルス数は読み出し/書き込み手段24によって、プロセスカートリッジ100内に装着されている記憶手段60に加算して順次書き込まれる。
【0047】
本実施の形態においては、レーザーの露光時間をクロックパルス数により直接、カウントしているため、例えば、画像の高濃度部分に対してはレーザーの1ドットの画素に対応する発光時間を長くし、画像の中間濃度部分に対しては1ドットの画素に対応する発光時間を短くする多値信号も画像信号として利用することができる。
【0048】
記憶手段60に書き込まれた時間情報は、読み出し/書き込み手段24によって再び装置本体120に読み込まれる。その値と設定値記憶手段29内に予め設定されている所定の設定値とをCPU26が比較して、その値が所定値より大きい場合は帯電バイアスをバイアス制御手段28により切り替える。所定の値は複数設定することができ、例えばa,b,cの3つの値が設定された場合、記憶手段60から読み出された時間情報Tが、a>Tの場合、a≦T<bの場合、b≦T<cの3通りの場合、それぞれに対応する3つの帯電バイアス値をとり、T≧cとなった場合にはユーザーにプロセスカートリッジ100が寿命に達したことを警告する。
【0049】
次に、図3のフローチャートによって本実施の形態の実際の動作の流れを説明する。
【0050】
まず、画像形成(以下適宜「プリント」という。)がスタートされると、高圧1が設定される(ステップS1。以下「S1」のように記す。)、プリントが行われる(S2)。プリントによるレーザーの点灯時間に対応したクロックパルスのカウント値tが計測され(S3)、記憶手段60に読み出し/書き込み手段24によって加算書き込みされる(S4)。記憶手段60内に書き込まれたクロックパルスのカウント値tの積算値である精算カウンタ値Tは再度、装置本体120に読み込まれる(S5)。この精算カウンタ値Tは、設定された値a,b,cとの大小を順次比較し、高圧値が決定される。すなわち、S6において、T≧aでない場合(a<Tの場合)はS2に戻る。
【0051】
S6において、T≧aの場合はS7に進み、S7においてT≧bでない場合は高圧2を設定して(S8)、S2に戻る。S7においてT≧bの場合はS9に進む。このS9において、T≧cでない場合は、高圧3を設定して(S10)、S2に戻る。S9においてT≧cの場合は、プロセスカートリッジ100の寿命警告を行い(S11)、リターン(S12)に進む。
【0052】
次に、磁気ブラシ帯電ユニット31について説明する。
【0053】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電ユニット31は、帯電容器32と、これに収納された磁気ブラシ帯電器(注入帯電器)39と、転写残トナーの電荷を整えるブラシ部材37とを備えている。このうち磁気ブラシ帯電器39は、プロセスパーツとしての帯電スリーブ(帯電ローラ)、すなわち回転自在の外径16mmの非磁性の帯電スリーブ33と、その内側に配置された固定マグネット34とを備えている。帯電スリーブ33の表面には、固定マグネット34の磁界によって帯電部材としての磁性粒子(磁性キャリア)35が担持されている。この磁性粒子35は、帯電スリーブ33の回転に伴って搬送され、規制ブレード36によって層厚が規制されて磁気ブラシ35aを形成する。帯電スリーブ33は、感光ドラム1に対してわずかなギャップを介して対向配置され、磁気ブラシ35aが感光ドラム1表面に接触して帯電ニップ部(接触部)Nを形成している。この状態で、帯電スリーブ33は、感光ドラム1と同方向(図1中の時計回り)に回転する。したがって、帯電ニップ部Nにおいて、帯電スリーブ33の表面は、感光ドラム1表面に対してカウンタ方向に移動することになる。本実施の形態に感光ドラム1の回転速度100mm/secに対し、帯電スリーブ33は150mm/secで回転している。この帯電スリーブ33には、帯電バイアス印加電源(不図示)から帯電バイアスが印加される。これにより、電荷が磁性粒子35を介して感光ドラム1表面に付与され、感光ドラム1表面は、帯電バイアスに対応した所定の極性・電位に一様に帯電される。なお、感光ドラム1に対する現像スリーブ33の相対回転速度が速いほど、帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0054】
また帯電部材として用いる磁性粒子35としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が1×102〜1×1010Ω・cmのものが好ましい。さらに感光ドラム1にピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると1×106Ω・cm以上のものを用いることが一層好ましい。帯電性能を良くするにはできるだけ抵抗の小さいものを用いる方がよいので、本実施の形態においては、平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm3、抵抗が5×106Ω・cmの磁性粒子35を用いた。
【0055】
ここで、磁性粒子35の抵抗値は、底面積が228(mm2)の金属セルに磁性粒子35を2g入れた後、6.6kgで加重し、100Vの電圧を印加して測定している。
【0056】
磁性粒子35としては、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散させ、導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、又はフェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったもの、又はフェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったもの等を用いることが可能である。
【0057】
また、帯電ニップ部Nにおける、感光ドラム1に対する磁性粒子35の接触幅(ニップ幅)は略6mmになるように調整されている。
【0058】
トナー像転写後の感光ドラム1表面には、転写残トナーが残留している。この転写残トナーは、そのまま磁気ブラシ帯電器39を通過させるとゴーストが発生してしまう。感光ドラム1と接触した磁気ブラシ35a下を転写残トナーが通過しても、ほとんどの場合、前画像の形状を留めたままであり、適正な帯電条件における磁気ブラシ35aの設定下では均一に分散しているようなことはなかった。
【0059】
そこで、感光ドラム1の回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを磁気ブラシ35aに取り込み、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を磁気ブラシ帯電器39に印加するのみでは磁気ブラシ帯電器39へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を磁気ブラシ帯電器39に印加した場合には、感光ドラム1と磁気ブラシ帯電器39との間の電界による振動効果によって、比較的、磁気ブラシ帯電器39へのトナーの取り込みが容易に行われる。
【0060】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によっては、磁気ブラシ帯電器39への取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電している以上、磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との間の電位差や、トナーと感光ドラム1との間の鏡映力が、トナーの取り込み性に大きく影響するのである。
【0061】
ここで、磁気ブラシ帯電器39の印加電圧(帯電バイアス)に対し、通過する感光ドラム1の表面電位は等しく帯電されることが理想であるが、実際、磁気ブラシ帯電器39の接触部にも前述のように接触幅があり、最終的にはほぼ等しい電位に帯電されるとしても、接触部の通過初期には十分な帯電が得られていないため、そこに磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との間の電位差が生じている。本実施の形態の場合、磁気ブラシ帯電器39のVdc(直流電圧)を−700Vと設定しているため、接触部の通過初期で感光ドラム1の表面電位がそれより低い領域では、正帯電トナーは、磁気ブラシ方向へ取り込まれ易いが、負帯電トナーは取り込まれない。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きく、感光ドラム1との鏡映力が大きすぎても感光ドラム1上に残ってしまう。よって本来、負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。ただし、正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシ35aによって強制的に掻き取られる効果は期待できる。
【0062】
実際、転写残トナーは、転写時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、等しい転写効率であっても、転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なる。また長期にわたり使用すると現像剤自体が劣化し、転写効率が低下してくるため、負帯電のまま感光ドラム1上に残るトナー比率も増えてくる。そこで転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電せしめる手段を持つことが好ましい。
【0063】
本実施の形態では、転写ローラ107と磁気ブラシ帯電器39との間において、毛足長さが6mm、導電性繊維のレイヨンのブラシ部材37を感光ドラム1表面に当接させた。このときブラシ部材37の、感光ドラム1との当接ニップは7mmであった。さらにこのレイヨンのブブラシ部材37に帯電極性とは逆のプラス500Vの直流電圧を印加した。このブラシ部材37は、プラスのバイアスを印加していることにより、負極性の転写残トナーは一時的にこのブラシ部材37内に捕獲され、除電された後、再び感光ドラム1上へ送り出される。このため、磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との接触部に侵入していくトナーは、プラストナー又は除電された低帯電量のマイナストナーのみということになり、磁気ブラシ帯電器39で回収されやすくなる。そして回収されたトナーは、規制ブレード36との接触摩擦により再びマイナスの電荷を帯びて、感光ドラム1上へ均一に吐き出されていくのである。
【0064】
以上、転写残トナーの、磁気ブラシ帯電器39内への取り込みの必要性とそのための条件、方法について述べたが、取り込み性を向上させることはすなわち吐き出し性、あるいは帯電性を悪化させることになる。磁気ブラシ帯電器39内にトナーが蓄積すると、磁性粒子35を汚染して抵抗値を上げ、帯電能力を低下させる原因となるため、早く取り込んだトナーをできるだけ速く吐き出してしまう必要がある。
【0065】
磁気ブラシ帯電器39にDC電界のみを印加した場合、吐き出し性は向上し、キャリアを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリア劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期、700V印加しても、690V程度にしか感光ドラム1表面を帯電しない。磁気ブラシ帯電器39が耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。したがって、図4に示すように、非画像部において現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。また、初期の設定電位に対し、電位低下がある値を超えると露光部電位(明部電位)の変動により出力画像の濃度が許容レベルを超えてしまうことになる。
【0066】
そこで、記録材104が転写位置Tを通過する際には、ACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましく、吐き出しは紙間及び前・後回転中に行うことが必要となる。紙間や後回転においてもかぶってしまうとそのまま転写残トナーの増加につながるため、最低、かぶりの発生しない帯電レベルを維持することは必要である。しかしながら、通常、かぶりが発生し始める電位低下レベルよりも、紙間、後回転時には無関係な濃度変化のレベルの方が条件としては厳しい。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に磁気ブラシ帯電器39中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられる。このため、画像部は少なくとも安定したAC帯電を維持し、吐き出しバイアスは紙間や後回転で印加することが望まれる。
【0067】
図5中ラインAは、常にAC電界を一定振幅800Vのままで、画像比率6%の原稿により3万枚、画出し(画像形成)した場合の帯電電位の低下状況を示す。帯電電位と現像電位の差が110V以下になると非画像部はかぶってしまうが、帯電電位が初期設定電位(−700V)よりも60V低下して−640Vになると、画像濃度が著しく初期と異なるようになるためここで磁気ブラシ帯電器39の寿命となった。初期において、現像電位−500Vに対して帯電電位を−700Vとしたのは、両電位の差が200Vを超えると、現像剤中のキャリアが感光ドラム1に付着してしまうからである。したがって、画像部の可能な帯電電位の領域は−640V以上−700V以下ということになる。ただし、紙間や後回転時は−610V以上−700V以下で可能である。
【0068】
図5中ラインB,C,DはそれぞれAC電界が0V,300V,600Vの場合の同様の帯電電位低下状況を示している。AC電界が弱まるに連れて、電位の低下が大きくなる傾向にある。
【0069】
図6は本実施の形態で制御した結果の帯電電位の様子を示している。同図中、Aは通紙部のAC800Vにおける帯電電位、同図中、Bは後回転6秒間及び紙間での帯電電位を示しており、初期はDC帯電に設定しておき、印字量(耐久枚数)がa及びbに達した時点で段階的にACバイアスの振幅を高くしていった結果である。帯電印加DCバイアス−700Vに対し、帯電電位の未達分が吐き出しバイアスとして作用するため、初期からACバイアスを印加した場合よりも磁気ブラシ帯電器39内のトナーの蓄積を大幅に遅らせることができる。その結果、画像比率によって耐久寿命は異なるものの、それぞれの画像比率における最大の寿命を維持することができる。
【0070】
なお、a,b,cの値は画像比率6%原稿のそれぞれ耐久枚数1.5万枚、2.8万枚、4万枚に相当する印字量データとした。
【0071】
上述のように、画像形成装置において、磁気ブラシ帯電器39における帯電スリーブ33は、感光ドラム1の寿命に対し、12万枚相当までの使用については、ほぼ磁気ブラシ帯電器39の機能を満たし、感光ドラム1に対して3回程度の利用に供することができる。しかしながら、帯電スリーブ33の表面は、長期の使用に対し、磁性粒子35を保持した回転状態を継続するため、トナーや磁性粒子35との接触や、規制ブレード36及び感光ドラム対向部における間接的な押圧力による磨耗による表面粗さの低下がある。このような表面粗さの低下があった場合、磁性粒子35の搬送力が低下し、感光ドラム対向部における磁性粒子35の周方向速度が低下する。注入帯電においては、この磁気ブラシ35aにより直接、感光ドラム1表面の電荷注入層に電荷を注入するものであり、磁性粒子35と感光ドラム1との接触回数が、帯電均一性、帯電電位に影響を及ぼすものであり、磁性粒子35の速度の低下は帯電均一性、帯電電位を低下させることになる。
【0072】
ここで、4万枚終了後、帯電スリーブ33を再利用する際にはトナーで汚染された磁性粒子35は新しく交換されるため、再び帯電能力は回復をみせるが完全ではなく、再利用後の次の4万枚の後には1回目の5万枚時点よりも帯電能力は低下している。図7は、耐久枚数に対する帯電電位を示した図であり、4万枚、8万枚で磁性粒子33及び感光ドラム1を交換し、本実施の形態で上述したようなACバイアス制御を行っている。このため、最初の4万枚の途中で紙間、後回転のバイアス変更を行うポイントであるa(1.5万枚),b(2.8万枚),c(4万枚)と同等の枚数を、帯電スリーブ33の再利用に応じてスリーブ使用通算で4〜8万枚及び8〜12万枚の区間でそれぞれa2,b2,c2、及びa3,b3,c3と定めた。つまり順に5.5万、6.8万、8万、9.5万、10.8万、12万である。この場合、スリーブ2回目、3回目の使用では、紙間はかぶり限界を、画像形成時は色味変動限界(濃度変動限界)を超えてしまうことがわかる。
【0073】
そこで、磁性粒子35の搬送性が低下した再利用スリーブがもたらす弊害を補うため、耐久推移に対する高圧の変更タイミングや出力値を、再利用の回数に応じて変更する必要がある。本実施の形態においては、帯電印加ACバイアス値を、再利用回数毎に上げていくこととした。以下に変更タイミングa,b,cで変更する制御値を示す。
【0074】
・再利用1回目
【0075】
・再利用2回目
【0076】
・再利用3回目
【0077】
図8はこのような設定値において、帯電印加バイアスを制御した場合の帯電電位の推移を示す。スリーブ再利用を重ねるごとにACバイアスを上げていかなければ同等の帯電電位を維持しないが、吐き出しトナー量は帯電電位とDC印加バイアス値の差によりほぼ決定されるため、2回目、3回目で紙間、後回転のACバイアスを高く設定しても吐き出しトナー量は同じであるため、磁性粒子35の劣化はほぼ同じと考えられ、作像時のACバイアスも50V程度ずつ高めることでほぼ同様の帯電特性が得られる。
【0078】
ここであらためて、図2を説明する。記憶手段60には、帯電スリーブ33の再利用回数が書き込まれており、読み出し/書き込み手段24によりコントローラ121に入力され、利用回数に応じた帯電電位制御値テーブルが選択されて制御手段28により制御される。
【0079】
以上のように、プロセスパーツの再利用回数に応じてプロセス条件を変更することで使用された部品を完全なる再生処理を行わなくとも有効に再利用し、資源を節約し、より低コストの画像形成装置を提供することができた。
【0080】
なお、本実施の形態においては、帯電スリーブ33の再利用に関する事例を説明したが、磁性粒子35を再利用する場合にも同様の手段が有効である。磁性粒子35を再生する手段は、例えば、特開2000−347477号公報等に開示されているが、完全に初期の状態に回復しない場合や、そのまま再利用する場合などは、磁性粒子35の抵抗値は初期に対して上昇しており帯電電位が低下する弊害があるためである。
【0081】
次に、実施の形態2〜5として、再利用するプロセスパーツ及びその再利用回数に対応して制御する条件を図9に示す。
【0082】
<実施の形態2>
本実施の形態は、図9中の実施例2に示すように、二成分現像剤のキャリア(現像キャリア)の再利用に関するものである。
【0083】
再利用キャリアは洗浄という再利用工程を経ていても、若干、粒度や表面形状が変化しており、初期剤に対し、トナーの帯電能力がわずかに低下する傾向がみられた。2回目の再利用についてはほぼ同等に用いることができるが、放置後の装置本体の立ち上げ時においてトナー帯電量の立ち上がりが若干遅く、規定濃度よりも若干濃い画像となってしまっていた。
【0084】
そこで、装置本体の電源オン時に通常用いられる現像器攪拌時間(図1中の現像ユニット51における現像剤の攪拌時間)を、初回は30秒であったものを二回目再利用時には45秒とすることで、上述の問題を解決した。
【0085】
<実施の形態3>
本実施の形態は、図9中の実施例3に示すように、上述の実施の形態2と同様、現像キャリアの再利用の際の、トナー帯電量低下に関する制御についてのものである。
【0086】
同図に示すインダクタンス検知センサーは、トナーとキャリアの比率を一定に保つためにトナー補給量を制御する手段である。このセンサーを利用して、現像剤の透磁率に対応した検出信号の出力値を一定に定めた基準値になるように補給制御している。これは例えば、特開2000−206775号公報に開示されるように、画像形成枚数に応じて現像剤の状態変化に対応させて基準値を変化させることが長期のトナー/キャリア比の安定に有効であるが、キャリアの2回目の再利用時にはこの基準値を変更することが好ましい。これは、トナー帯電量が低下することで現像剤が沈み、透磁率が高く、出力信号値が高い、すなわちトナー濃度が低いと判断されてしまい、必要以上に補給されてしまうことになるからである。したがって、基準値の、画像形成枚数に対応するテーブル値を高めに設定しておくことで、信号値が高くても補給されない制御とすることができる。
【0087】
<実施の形態4>
本実施の形態は、図9中の実施例4に示すように、現像剤搬送部材である現像スリーブ53(図1参照)の再利用に関するものである。
【0088】
現像スリーブ53は、耐久(長期使用)によって、現像剤搬送性や外添剤融着等を考慮して適度に粗くした表面性が変化する。具体的にはトナーやキャリアとの接触や、規制ブレード55、感光ドラムドラム対向部における間接的な押圧力による磨耗によって、表面粗さの低下や、外添剤の融着、トナー中に内添されるワックスの付着などがある。このため、耐久が進むと、現像剤のコート量が低下していく。
【0089】
したがって再利用時には適度にトナー/キャリア比を高めに設定することが望ましい。本実施の形態では、上述の実施の形態3で説明した、インダクタンス検知出力の基準値テーブルを低めに設定することで対応し、これにより初回と同等の現像特性を維持させることができた。
【0090】
<実施の形態5>
本実施の形態は、図9中の実施例5に示すように、現像ユニット51(図1参照)の現像容器52内の攪拌部材の再利用に関するものである。
【0091】
攪拌部材としては各種のものが存在するが、その中には二成分現像剤を搬送し攪拌する搬送スクリュー57,58がある。これら搬送スクリュー57,58も長期使用により消耗し、攪拌性が低下する傾向にある。攪拌性が低下することの弊害としてはインダクタンス検知センサー部に現像剤が滞留してかさ密度が上昇する。かさ密度が上昇すると、透磁率が高くなり、出力信号値が高い、すなわちトナー濃度が低いと判断されてしまう。このため必要以上にトナーが補給されてしまうことになる。
【0092】
したがって、基準値の、画像形成枚数に対応するテーブル値を高めに設定しておくことで、信号値が高くてもトナーが補給されないような制御を行うことができる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、プロセス手段の制御値又は制御方法を変更することにより、再利用されるプロセスパーツの機能低下を簡易な方法で十分に補い、現在の世界経済下におけるリサイクルのニーズに十分に対応でき、またコスト、資源の節約が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1におけるバイアス制御機構を説明するためのブロック図である。
【図3】実施の形態1における画像形成装置の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る制御を行わない場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図5】本発明に係る制御を行わない場合の、ACバイアスを変化させたときの耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図6】本発明に係る制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図7】2回目と3回目の再利用時に、1回目と同じ制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図8】2回目と3回目の再利用時に、1回目と異なる制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図9】実施の形態2〜5を説明する図である。
【符号の説明】
1 プロセスパーツ(感光体,感光ドラム)
22 カウント手段(カウンタ)
26 制御手段(比較手段)
29 設定値記憶手段
31 帯電手段(磁気ブラシ帯電ユニット)
33 プロセスパーツ(帯電ローラ,帯電スリーブ)
35 プロセスパーツ(磁性粒子)
51 現像手段(現像ユニット)
52 プロセスパーツ(現像剤収容容器,現像容器)
53 プロセスパーツ(現像ローラ,現像スリーブ)
56 プロセスパーツ(二成分現像剤)
60 記憶手段
100 プロセスカートリッジ
101 露光手段(スキャナユニット)
104 記録材
107 帯電手段(帯電ローラ)
120 画像形成装置本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは、再利用可能な部品の再利用を促進するようにした画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エコロジー(地球環境を酷使したり、汚染したりせず、地球環境に優しく共存していく考え)が全世界的に広がりを見せている。しかしながら、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に備えられる各種部品は、再利用が可能なものであっても、十分な再利用がされないまま廃棄されることが多く、資源の節約、環境保護という面においては好ましいことではなかった。
【0003】
そこで、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に用いられている各種部材、例えば、一次帯電用の帯電ローラ(帯電スリーブ)、現像帯電用の現像ローラ(現像スリーブ)、転写帯電用の転写ローラなどについて、再利用するための回収方法や、再利用しやすいプロセスカートリッジの構成、再利用部品の再生方法等に関し、各種提案がなされてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
再利用部品が例えば金属製である場合の再生方法については、この金属製の部材を例えば洗浄溶剤中に浸漬してブラシ等の洗浄部材で外周面の汚れを洗い落とす方法等が提案されている。
【0005】
しかしながら、部品の再利用には、上述のような再生工程を経た上で利用する場合だけでなく、再生工程を経ずにそのまま再利用する場合も考えられる。また、再生工程を経た場合でも完全に新品同様に再生しきれない再生処置の場合もある。このような場合、形式上、単に再利用することは可能であるが、再生部品が新品部品と同様の機能を発揮できない場合は、装置の性能が低下するおそれがある。
【0006】
許容できない場合、仮にほとんど新品部品の原型に近づいているとしても、そのごく一部の微妙な差異のため利用できず、完全に再生できる再生方法をコストをかけて実行又は考案するか、あるいは再生せずにやむなく廃棄せざるをえなくなる。特に画像の細目の質を重要視する電子写真方式の画像形成装置においては、部品のほとんどが問題なく機能するとしても、ごく一部の欠陥により利用できない、といった部品が存在する。例えば現像用の現像スリーブなどにおいては、内包されるマグネットや駆動部と勘合する軸等が十分に使用できるとしても、その表面が微妙に汚染されているという理由で現像剤への電荷付与能力や、現像剤搬送能力等が低下し、所定の画質が得られない、といった事態となる。
【0007】
そこで、本発明は、使用された部品を完全なる再生処理を行わなくとも有効に再利用して良好な画質を得るとともに、資源を節約し、より低コストの画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段と、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する制御手段とを備え、前記制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記再利用情報が、再利用回数についての情報である、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、現像用の現像ローラである、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、帯電用の帯電ローラである、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の帯電スリーブである、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、二成分現像剤である、ことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の磁性粒子である、ことを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、前記感光体である、ことを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記再利用可能なプロセスパーツが、現像剤収容容器である、ことを特徴とする。
【0017】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記再利用情報が、画像信号によって印字が行われた量に対応する印字量情報である、ことを特徴とする。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記プロセスカートリッジは、前記帯電手段と、前記現像手段と、前記感光体とを一体的にプロセスカートリッジ化したものである、ことを特徴とする。
【0019】
請求項12に係る発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段により前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0020】
請求項13に係る発明は、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置において、印字量情報が、前記画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項14に係る発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジ側には、
前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段を設け、前記画像形成装置本体側には、画像信号によって印字が行なわれた量に対応する印字量情報を前記記憶手段に書き込み/読み出しを行う制御手段と、前記印字量情報をカウントして前記制御手段を介して前記記憶手段に記憶されている情報に加算するカウント手段と、前記プロセスカートリッジの耐久劣化に対応する印字量の設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記印字量情報の積算値と前記設定値記憶手段の設定値を比較する比較手段とを設け、前記比較手段によって、前記記憶手段から前記制御手段を介して読み出された印字量情報の積算値を、前記設定値記憶手段に記憶された設定値と比較してその大小関係に応じて、前記帯電手段の帯電バイアス値を変更する、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0023】
まず、本発明全体の概略について簡単に説明する。
【0024】
本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置に関するものであり、前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段と、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する制御手段とを備え、前記制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更することを特徴としている。
【0025】
これにより、再利用されるプロセスパーツの機能低下を簡易な方法で十分に補い、現在の世界経済下におけるリサイクルのニーズに十分に対応でき、またコスト、資源の節約が可能となる。また、具体的な再利用状況に関する情報としては再利用回数であることで、再利用によるプロセスパーツの機能低下状況が予測できる。また再利用パーツとしては現像スリーブ、磁気ブラシ帯電用の帯電スリーブ、帯電ローラ、二成分現像剤、磁気ブラシ帯電用の磁性粒子、感光体、現像剤収容容器等が考えられるが、これら以外にも再利用できるプロセスパーツであれば、本発明が適用できることはもちろんである。帯電ローラや感光体については、実施の形態で取り上げていないが、例えば耐久による抵抗値上昇を補う帯電バイアス制御テーブルなどについて適用できる。
【0026】
また、プロセスカートリッジに関する情報を記憶しかつ記憶された情報が電子写真画像形成装置本体より読み出し/書き込み可能な記憶手段と、を有し、前記記憶手段に記憶される情報の一つが前記画像信号によって印字が行なわれた量に対応する印字量情報であることを特徴とする画像形成装置で本発明を用いることにより、再利用情報を、印字量に対応して変化させるプロセス制御に容易に対応し得る。
【0027】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、プロセスカートリッジを装着可能な、電子写真方式のプリンタであり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0028】
本実施の形態は、再利用可能なプロセスパーツが、帯電ローラ33である場合について説明するものである。
【0029】
まず、同図を参照して、プリンタ(以下「画像形成装置」という。)全体の概略を説明する。
【0030】
同図に示す画像形成装置は、画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)120の内部に、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1は、矢印方向(図1中の時計回り)に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0031】
感光ドラム1表面は、磁気ブラシ帯電ユニット(帯電手段)31によって所定の極性・電位に均一(一様)に一次帯電される。なお、磁気ブラシ帯電ユニット31については、後に詳述する。
【0032】
帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置(露光手段)によって静電潜像が形成される。露光装置としては、例えば、スキャナユニット101が使用される。スキャナユニット101は、レーザー発振器、ポリゴンミラー、補正系レンズ等を有している。スキャナユニット101は、画像信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力する。そして、このレーザー光Lは折り返しミラー102で反射されて、上述の帯電後の感光ドラム1に照射される。感光ドラム1表面は、レーザー光Lの照射に応じて表面の電荷が除去される。これにより、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。
【0033】
こうして感光ドラム1表面に形成された静電潜像は、現像ユニット51によって現像される。現像ユニット51は、現像容器(現像剤収容容器)52、現像スリーブ(現像ローラ)53、マグネットローラ54、規制ブレード55、搬送スクリューローラ57,58を有している。現像容器52に貯蔵されている現像剤56は、マグネットローラ54の磁気によって現像スリーブ53表面に担持され、現像スリーブ53の矢印方向(同図中の反時計回り)に伴って、規制ブレード55によって薄層に規制されて現像剤層56aとなる。この際、現像剤56は、摩擦帯電されて電荷を帯びる。現像剤56は、感光ドラム1表面に対向する現像位置Gに搬送され、現像スリーブ53に印加される現像バイアスによって感光ドラム1上の静電潜像に付着される。これにより静電潜像は、トナー像(現像剤像)として現像される。なお、本実施の形態では、現像剤は、トナーとキャリアとを主成分とする二成分現像剤が使用されている。
【0034】
上述の現像スリーブ53は、少なくとも現像時においては、感光ドラム1に対し最近接領域が約500μmになるように配置され、現像剤が感光ドラム1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。本実施の形態において用いた二成分現像剤は、トナー粒子は粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用いた。またキャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3の、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。現像剤として、これらトナーとキャリアとが重量比6:94で混合されたものを使用した。
【0035】
こうして感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印方向に回転に伴って転写位置(通紙部)Tに搬送され、ここで記録媒体としての記録材104に転写される。記録材104は、給紙カセット103に収納されていて、給紙ローラ105によって給紙され、搬送ガイド105に沿って搬送され、感光ドラム1上のトナー像にタイミングを合わせるようにして転写位置に供給されるようになっている。転写位置に供給された記録材104は、感光ドラム1と転写ローラ107とによって挟持搬送されながら、転写ローラ107に転写バイアスが印加されることにより、表面にトナー像が転写される。
【0036】
トナー像転写後の記録材104は、搬送ガイド108に沿って定着装置(定着手段)109に搬送され、ここで、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着された後、排紙トレイ110上に排出される。
【0037】
一方、トナー像転写後に感光ドラム1表面に残ったトナー(転写残トナー)は、磁気ブラシ帯電ユニット31により一旦回収され、再び感光ドラム1表面に均一に吐き出されて、現像時の反転バイアスにより現像ユニット51によって回収される。
【0038】
なお、装置本体120には、プロセスカートリッジ100を着脱可能に支持する支持部材112が、2箇所に設けられている。
【0039】
プロセスカートリッジ100は、感光ドラム1、磁気ブラシ帯電ユニット31、現像ユニット51を、プラスッチク製枠体であるカバー111に一体的に組み込んでてユニット化することにより構成されている。プロセスカートリッジ100の上述の各構成要素は、カバー111に対して所定の相互配置関係をもって組み付けられている。さらに、プロセスカートリッジ100は、装置本体120内の所定部位(支持部材112によって位置決めされる位置)対して簡単に装着され、また反対に装置本体120内の所定部位から簡単に取り出せるようになっている。
【0040】
上述のプロセスカートリッジ100は、現像容器52に貯蔵されているトナー56が消費された場合や、感光ドラム1が寿命に達した場合などにおいて、ユーザーによって新規のものと交換されるようになっている。
【0041】
本実施の形態の特徴は、プロセスカートリッジ100に記憶手段60を設け、この記憶手段60に記憶される画像印字量の積算情報が所定の値を超えるとそれに応じて帯電バイアスを変化させ、帯電電位の安定と、帯電器内混入トナーの吐き出しを両立することにある。
【0042】
本実施の形態に使用される記憶手段60としては、信号情報を書き換え可能に記憶、保持するものであれば特に制限は受けない。例えばRAMや、書き換え可能なROM等の電気的な記憶手段、磁気記録媒体や磁気バブルメモリ、光磁気メモリ等の磁気的記憶手段などが使用可能である。本実施の形態においては、取扱い安さやコストの点から不揮発性の記憶手段であるNV(Non Volatile)RAMを使用した。
【0043】
図2は、本実施の形態の画像形成装置におけるバイアス制御機構を説明するためのブロック図であり、プロセスカートリッジ100、電子写真画像形成装置本体120及び印字データを印字可能な信号に変換するコントローラ121が示される。
【0044】
同図に示すように、プロセスカートリッジ100には、記憶手段60が設けられている。本実施の形態では、画像形成開始時から、印字が行われた量に対応する情報として、スキャナユニット(図1参照)のレーザー発振器(以下単に「レーザー」という。)21の点灯時間をカウントして、カウント値を時間情報としてプロセスカートリッジ100内の記憶手段60に記憶させている。
【0045】
図2において、ホストコンピユータ(不図示)等から入力される印字データfvは、コントローラ121に入力され、画像展開部41でドットデータに展開される。展開された印字データは、一度、画像メモリ42に貯えられた後に、画像データ出力部43にて、シリアル信号の画像信号として、装置本体120に送られる。なお、符合44は画像クロックを発生させる画像クロック発生手段である。
【0046】
装置本体120に送られた画像信号は、変調器20により画像信号fvに対応してレーザー21をオン/オフさせるレーザー入力電圧に変調される。すなわち、レーザー21は、変調器20に接続され、その変調された信号に従って発光する。また、変調器20にはカウンタ22が接続されており、このカウンタ22によって変調器20からレーザー21への出力時間、すなわちレーザー21から出力されるレーザービームの感光ドラム1への露光時間に対応する時間情報が計測される。すなわち、カウンタ22には水晶発振器のようなクロックパルス発生手段23が接続されており、レーザー発光信号が存続している期間に受けたクロックパルス数をカウントした値を時間情報として用いている。ここで計測されたクロックパルス数は読み出し/書き込み手段24によって、プロセスカートリッジ100内に装着されている記憶手段60に加算して順次書き込まれる。
【0047】
本実施の形態においては、レーザーの露光時間をクロックパルス数により直接、カウントしているため、例えば、画像の高濃度部分に対してはレーザーの1ドットの画素に対応する発光時間を長くし、画像の中間濃度部分に対しては1ドットの画素に対応する発光時間を短くする多値信号も画像信号として利用することができる。
【0048】
記憶手段60に書き込まれた時間情報は、読み出し/書き込み手段24によって再び装置本体120に読み込まれる。その値と設定値記憶手段29内に予め設定されている所定の設定値とをCPU26が比較して、その値が所定値より大きい場合は帯電バイアスをバイアス制御手段28により切り替える。所定の値は複数設定することができ、例えばa,b,cの3つの値が設定された場合、記憶手段60から読み出された時間情報Tが、a>Tの場合、a≦T<bの場合、b≦T<cの3通りの場合、それぞれに対応する3つの帯電バイアス値をとり、T≧cとなった場合にはユーザーにプロセスカートリッジ100が寿命に達したことを警告する。
【0049】
次に、図3のフローチャートによって本実施の形態の実際の動作の流れを説明する。
【0050】
まず、画像形成(以下適宜「プリント」という。)がスタートされると、高圧1が設定される(ステップS1。以下「S1」のように記す。)、プリントが行われる(S2)。プリントによるレーザーの点灯時間に対応したクロックパルスのカウント値tが計測され(S3)、記憶手段60に読み出し/書き込み手段24によって加算書き込みされる(S4)。記憶手段60内に書き込まれたクロックパルスのカウント値tの積算値である精算カウンタ値Tは再度、装置本体120に読み込まれる(S5)。この精算カウンタ値Tは、設定された値a,b,cとの大小を順次比較し、高圧値が決定される。すなわち、S6において、T≧aでない場合(a<Tの場合)はS2に戻る。
【0051】
S6において、T≧aの場合はS7に進み、S7においてT≧bでない場合は高圧2を設定して(S8)、S2に戻る。S7においてT≧bの場合はS9に進む。このS9において、T≧cでない場合は、高圧3を設定して(S10)、S2に戻る。S9においてT≧cの場合は、プロセスカートリッジ100の寿命警告を行い(S11)、リターン(S12)に進む。
【0052】
次に、磁気ブラシ帯電ユニット31について説明する。
【0053】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電ユニット31は、帯電容器32と、これに収納された磁気ブラシ帯電器(注入帯電器)39と、転写残トナーの電荷を整えるブラシ部材37とを備えている。このうち磁気ブラシ帯電器39は、プロセスパーツとしての帯電スリーブ(帯電ローラ)、すなわち回転自在の外径16mmの非磁性の帯電スリーブ33と、その内側に配置された固定マグネット34とを備えている。帯電スリーブ33の表面には、固定マグネット34の磁界によって帯電部材としての磁性粒子(磁性キャリア)35が担持されている。この磁性粒子35は、帯電スリーブ33の回転に伴って搬送され、規制ブレード36によって層厚が規制されて磁気ブラシ35aを形成する。帯電スリーブ33は、感光ドラム1に対してわずかなギャップを介して対向配置され、磁気ブラシ35aが感光ドラム1表面に接触して帯電ニップ部(接触部)Nを形成している。この状態で、帯電スリーブ33は、感光ドラム1と同方向(図1中の時計回り)に回転する。したがって、帯電ニップ部Nにおいて、帯電スリーブ33の表面は、感光ドラム1表面に対してカウンタ方向に移動することになる。本実施の形態に感光ドラム1の回転速度100mm/secに対し、帯電スリーブ33は150mm/secで回転している。この帯電スリーブ33には、帯電バイアス印加電源(不図示)から帯電バイアスが印加される。これにより、電荷が磁性粒子35を介して感光ドラム1表面に付与され、感光ドラム1表面は、帯電バイアスに対応した所定の極性・電位に一様に帯電される。なお、感光ドラム1に対する現像スリーブ33の相対回転速度が速いほど、帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0054】
また帯電部材として用いる磁性粒子35としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が1×102〜1×1010Ω・cmのものが好ましい。さらに感光ドラム1にピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると1×106Ω・cm以上のものを用いることが一層好ましい。帯電性能を良くするにはできるだけ抵抗の小さいものを用いる方がよいので、本実施の形態においては、平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm3、抵抗が5×106Ω・cmの磁性粒子35を用いた。
【0055】
ここで、磁性粒子35の抵抗値は、底面積が228(mm2)の金属セルに磁性粒子35を2g入れた後、6.6kgで加重し、100Vの電圧を印加して測定している。
【0056】
磁性粒子35としては、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散させ、導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、又はフェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったもの、又はフェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったもの等を用いることが可能である。
【0057】
また、帯電ニップ部Nにおける、感光ドラム1に対する磁性粒子35の接触幅(ニップ幅)は略6mmになるように調整されている。
【0058】
トナー像転写後の感光ドラム1表面には、転写残トナーが残留している。この転写残トナーは、そのまま磁気ブラシ帯電器39を通過させるとゴーストが発生してしまう。感光ドラム1と接触した磁気ブラシ35a下を転写残トナーが通過しても、ほとんどの場合、前画像の形状を留めたままであり、適正な帯電条件における磁気ブラシ35aの設定下では均一に分散しているようなことはなかった。
【0059】
そこで、感光ドラム1の回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを磁気ブラシ35aに取り込み、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を磁気ブラシ帯電器39に印加するのみでは磁気ブラシ帯電器39へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を磁気ブラシ帯電器39に印加した場合には、感光ドラム1と磁気ブラシ帯電器39との間の電界による振動効果によって、比較的、磁気ブラシ帯電器39へのトナーの取り込みが容易に行われる。
【0060】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によっては、磁気ブラシ帯電器39への取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電している以上、磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との間の電位差や、トナーと感光ドラム1との間の鏡映力が、トナーの取り込み性に大きく影響するのである。
【0061】
ここで、磁気ブラシ帯電器39の印加電圧(帯電バイアス)に対し、通過する感光ドラム1の表面電位は等しく帯電されることが理想であるが、実際、磁気ブラシ帯電器39の接触部にも前述のように接触幅があり、最終的にはほぼ等しい電位に帯電されるとしても、接触部の通過初期には十分な帯電が得られていないため、そこに磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との間の電位差が生じている。本実施の形態の場合、磁気ブラシ帯電器39のVdc(直流電圧)を−700Vと設定しているため、接触部の通過初期で感光ドラム1の表面電位がそれより低い領域では、正帯電トナーは、磁気ブラシ方向へ取り込まれ易いが、負帯電トナーは取り込まれない。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きく、感光ドラム1との鏡映力が大きすぎても感光ドラム1上に残ってしまう。よって本来、負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。ただし、正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシ35aによって強制的に掻き取られる効果は期待できる。
【0062】
実際、転写残トナーは、転写時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、等しい転写効率であっても、転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なる。また長期にわたり使用すると現像剤自体が劣化し、転写効率が低下してくるため、負帯電のまま感光ドラム1上に残るトナー比率も増えてくる。そこで転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電せしめる手段を持つことが好ましい。
【0063】
本実施の形態では、転写ローラ107と磁気ブラシ帯電器39との間において、毛足長さが6mm、導電性繊維のレイヨンのブラシ部材37を感光ドラム1表面に当接させた。このときブラシ部材37の、感光ドラム1との当接ニップは7mmであった。さらにこのレイヨンのブブラシ部材37に帯電極性とは逆のプラス500Vの直流電圧を印加した。このブラシ部材37は、プラスのバイアスを印加していることにより、負極性の転写残トナーは一時的にこのブラシ部材37内に捕獲され、除電された後、再び感光ドラム1上へ送り出される。このため、磁気ブラシ帯電器39と感光ドラム1との接触部に侵入していくトナーは、プラストナー又は除電された低帯電量のマイナストナーのみということになり、磁気ブラシ帯電器39で回収されやすくなる。そして回収されたトナーは、規制ブレード36との接触摩擦により再びマイナスの電荷を帯びて、感光ドラム1上へ均一に吐き出されていくのである。
【0064】
以上、転写残トナーの、磁気ブラシ帯電器39内への取り込みの必要性とそのための条件、方法について述べたが、取り込み性を向上させることはすなわち吐き出し性、あるいは帯電性を悪化させることになる。磁気ブラシ帯電器39内にトナーが蓄積すると、磁性粒子35を汚染して抵抗値を上げ、帯電能力を低下させる原因となるため、早く取り込んだトナーをできるだけ速く吐き出してしまう必要がある。
【0065】
磁気ブラシ帯電器39にDC電界のみを印加した場合、吐き出し性は向上し、キャリアを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリア劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期、700V印加しても、690V程度にしか感光ドラム1表面を帯電しない。磁気ブラシ帯電器39が耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。したがって、図4に示すように、非画像部において現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。また、初期の設定電位に対し、電位低下がある値を超えると露光部電位(明部電位)の変動により出力画像の濃度が許容レベルを超えてしまうことになる。
【0066】
そこで、記録材104が転写位置Tを通過する際には、ACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましく、吐き出しは紙間及び前・後回転中に行うことが必要となる。紙間や後回転においてもかぶってしまうとそのまま転写残トナーの増加につながるため、最低、かぶりの発生しない帯電レベルを維持することは必要である。しかしながら、通常、かぶりが発生し始める電位低下レベルよりも、紙間、後回転時には無関係な濃度変化のレベルの方が条件としては厳しい。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に磁気ブラシ帯電器39中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられる。このため、画像部は少なくとも安定したAC帯電を維持し、吐き出しバイアスは紙間や後回転で印加することが望まれる。
【0067】
図5中ラインAは、常にAC電界を一定振幅800Vのままで、画像比率6%の原稿により3万枚、画出し(画像形成)した場合の帯電電位の低下状況を示す。帯電電位と現像電位の差が110V以下になると非画像部はかぶってしまうが、帯電電位が初期設定電位(−700V)よりも60V低下して−640Vになると、画像濃度が著しく初期と異なるようになるためここで磁気ブラシ帯電器39の寿命となった。初期において、現像電位−500Vに対して帯電電位を−700Vとしたのは、両電位の差が200Vを超えると、現像剤中のキャリアが感光ドラム1に付着してしまうからである。したがって、画像部の可能な帯電電位の領域は−640V以上−700V以下ということになる。ただし、紙間や後回転時は−610V以上−700V以下で可能である。
【0068】
図5中ラインB,C,DはそれぞれAC電界が0V,300V,600Vの場合の同様の帯電電位低下状況を示している。AC電界が弱まるに連れて、電位の低下が大きくなる傾向にある。
【0069】
図6は本実施の形態で制御した結果の帯電電位の様子を示している。同図中、Aは通紙部のAC800Vにおける帯電電位、同図中、Bは後回転6秒間及び紙間での帯電電位を示しており、初期はDC帯電に設定しておき、印字量(耐久枚数)がa及びbに達した時点で段階的にACバイアスの振幅を高くしていった結果である。帯電印加DCバイアス−700Vに対し、帯電電位の未達分が吐き出しバイアスとして作用するため、初期からACバイアスを印加した場合よりも磁気ブラシ帯電器39内のトナーの蓄積を大幅に遅らせることができる。その結果、画像比率によって耐久寿命は異なるものの、それぞれの画像比率における最大の寿命を維持することができる。
【0070】
なお、a,b,cの値は画像比率6%原稿のそれぞれ耐久枚数1.5万枚、2.8万枚、4万枚に相当する印字量データとした。
【0071】
上述のように、画像形成装置において、磁気ブラシ帯電器39における帯電スリーブ33は、感光ドラム1の寿命に対し、12万枚相当までの使用については、ほぼ磁気ブラシ帯電器39の機能を満たし、感光ドラム1に対して3回程度の利用に供することができる。しかしながら、帯電スリーブ33の表面は、長期の使用に対し、磁性粒子35を保持した回転状態を継続するため、トナーや磁性粒子35との接触や、規制ブレード36及び感光ドラム対向部における間接的な押圧力による磨耗による表面粗さの低下がある。このような表面粗さの低下があった場合、磁性粒子35の搬送力が低下し、感光ドラム対向部における磁性粒子35の周方向速度が低下する。注入帯電においては、この磁気ブラシ35aにより直接、感光ドラム1表面の電荷注入層に電荷を注入するものであり、磁性粒子35と感光ドラム1との接触回数が、帯電均一性、帯電電位に影響を及ぼすものであり、磁性粒子35の速度の低下は帯電均一性、帯電電位を低下させることになる。
【0072】
ここで、4万枚終了後、帯電スリーブ33を再利用する際にはトナーで汚染された磁性粒子35は新しく交換されるため、再び帯電能力は回復をみせるが完全ではなく、再利用後の次の4万枚の後には1回目の5万枚時点よりも帯電能力は低下している。図7は、耐久枚数に対する帯電電位を示した図であり、4万枚、8万枚で磁性粒子33及び感光ドラム1を交換し、本実施の形態で上述したようなACバイアス制御を行っている。このため、最初の4万枚の途中で紙間、後回転のバイアス変更を行うポイントであるa(1.5万枚),b(2.8万枚),c(4万枚)と同等の枚数を、帯電スリーブ33の再利用に応じてスリーブ使用通算で4〜8万枚及び8〜12万枚の区間でそれぞれa2,b2,c2、及びa3,b3,c3と定めた。つまり順に5.5万、6.8万、8万、9.5万、10.8万、12万である。この場合、スリーブ2回目、3回目の使用では、紙間はかぶり限界を、画像形成時は色味変動限界(濃度変動限界)を超えてしまうことがわかる。
【0073】
そこで、磁性粒子35の搬送性が低下した再利用スリーブがもたらす弊害を補うため、耐久推移に対する高圧の変更タイミングや出力値を、再利用の回数に応じて変更する必要がある。本実施の形態においては、帯電印加ACバイアス値を、再利用回数毎に上げていくこととした。以下に変更タイミングa,b,cで変更する制御値を示す。
【0074】
・再利用1回目
【0075】
・再利用2回目
【0076】
・再利用3回目
【0077】
図8はこのような設定値において、帯電印加バイアスを制御した場合の帯電電位の推移を示す。スリーブ再利用を重ねるごとにACバイアスを上げていかなければ同等の帯電電位を維持しないが、吐き出しトナー量は帯電電位とDC印加バイアス値の差によりほぼ決定されるため、2回目、3回目で紙間、後回転のACバイアスを高く設定しても吐き出しトナー量は同じであるため、磁性粒子35の劣化はほぼ同じと考えられ、作像時のACバイアスも50V程度ずつ高めることでほぼ同様の帯電特性が得られる。
【0078】
ここであらためて、図2を説明する。記憶手段60には、帯電スリーブ33の再利用回数が書き込まれており、読み出し/書き込み手段24によりコントローラ121に入力され、利用回数に応じた帯電電位制御値テーブルが選択されて制御手段28により制御される。
【0079】
以上のように、プロセスパーツの再利用回数に応じてプロセス条件を変更することで使用された部品を完全なる再生処理を行わなくとも有効に再利用し、資源を節約し、より低コストの画像形成装置を提供することができた。
【0080】
なお、本実施の形態においては、帯電スリーブ33の再利用に関する事例を説明したが、磁性粒子35を再利用する場合にも同様の手段が有効である。磁性粒子35を再生する手段は、例えば、特開2000−347477号公報等に開示されているが、完全に初期の状態に回復しない場合や、そのまま再利用する場合などは、磁性粒子35の抵抗値は初期に対して上昇しており帯電電位が低下する弊害があるためである。
【0081】
次に、実施の形態2〜5として、再利用するプロセスパーツ及びその再利用回数に対応して制御する条件を図9に示す。
【0082】
<実施の形態2>
本実施の形態は、図9中の実施例2に示すように、二成分現像剤のキャリア(現像キャリア)の再利用に関するものである。
【0083】
再利用キャリアは洗浄という再利用工程を経ていても、若干、粒度や表面形状が変化しており、初期剤に対し、トナーの帯電能力がわずかに低下する傾向がみられた。2回目の再利用についてはほぼ同等に用いることができるが、放置後の装置本体の立ち上げ時においてトナー帯電量の立ち上がりが若干遅く、規定濃度よりも若干濃い画像となってしまっていた。
【0084】
そこで、装置本体の電源オン時に通常用いられる現像器攪拌時間(図1中の現像ユニット51における現像剤の攪拌時間)を、初回は30秒であったものを二回目再利用時には45秒とすることで、上述の問題を解決した。
【0085】
<実施の形態3>
本実施の形態は、図9中の実施例3に示すように、上述の実施の形態2と同様、現像キャリアの再利用の際の、トナー帯電量低下に関する制御についてのものである。
【0086】
同図に示すインダクタンス検知センサーは、トナーとキャリアの比率を一定に保つためにトナー補給量を制御する手段である。このセンサーを利用して、現像剤の透磁率に対応した検出信号の出力値を一定に定めた基準値になるように補給制御している。これは例えば、特開2000−206775号公報に開示されるように、画像形成枚数に応じて現像剤の状態変化に対応させて基準値を変化させることが長期のトナー/キャリア比の安定に有効であるが、キャリアの2回目の再利用時にはこの基準値を変更することが好ましい。これは、トナー帯電量が低下することで現像剤が沈み、透磁率が高く、出力信号値が高い、すなわちトナー濃度が低いと判断されてしまい、必要以上に補給されてしまうことになるからである。したがって、基準値の、画像形成枚数に対応するテーブル値を高めに設定しておくことで、信号値が高くても補給されない制御とすることができる。
【0087】
<実施の形態4>
本実施の形態は、図9中の実施例4に示すように、現像剤搬送部材である現像スリーブ53(図1参照)の再利用に関するものである。
【0088】
現像スリーブ53は、耐久(長期使用)によって、現像剤搬送性や外添剤融着等を考慮して適度に粗くした表面性が変化する。具体的にはトナーやキャリアとの接触や、規制ブレード55、感光ドラムドラム対向部における間接的な押圧力による磨耗によって、表面粗さの低下や、外添剤の融着、トナー中に内添されるワックスの付着などがある。このため、耐久が進むと、現像剤のコート量が低下していく。
【0089】
したがって再利用時には適度にトナー/キャリア比を高めに設定することが望ましい。本実施の形態では、上述の実施の形態3で説明した、インダクタンス検知出力の基準値テーブルを低めに設定することで対応し、これにより初回と同等の現像特性を維持させることができた。
【0090】
<実施の形態5>
本実施の形態は、図9中の実施例5に示すように、現像ユニット51(図1参照)の現像容器52内の攪拌部材の再利用に関するものである。
【0091】
攪拌部材としては各種のものが存在するが、その中には二成分現像剤を搬送し攪拌する搬送スクリュー57,58がある。これら搬送スクリュー57,58も長期使用により消耗し、攪拌性が低下する傾向にある。攪拌性が低下することの弊害としてはインダクタンス検知センサー部に現像剤が滞留してかさ密度が上昇する。かさ密度が上昇すると、透磁率が高くなり、出力信号値が高い、すなわちトナー濃度が低いと判断されてしまう。このため必要以上にトナーが補給されてしまうことになる。
【0092】
したがって、基準値の、画像形成枚数に対応するテーブル値を高めに設定しておくことで、信号値が高くてもトナーが補給されないような制御を行うことができる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、プロセス手段の制御値又は制御方法を変更することにより、再利用されるプロセスパーツの機能低下を簡易な方法で十分に補い、現在の世界経済下におけるリサイクルのニーズに十分に対応でき、またコスト、資源の節約が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1におけるバイアス制御機構を説明するためのブロック図である。
【図3】実施の形態1における画像形成装置の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る制御を行わない場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図5】本発明に係る制御を行わない場合の、ACバイアスを変化させたときの耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図6】本発明に係る制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図7】2回目と3回目の再利用時に、1回目と同じ制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図8】2回目と3回目の再利用時に、1回目と異なる制御を行った場合の、耐久枚数と感光ドラム上の帯電電位との関係を示す図である。
【図9】実施の形態2〜5を説明する図である。
【符号の説明】
1 プロセスパーツ(感光体,感光ドラム)
22 カウント手段(カウンタ)
26 制御手段(比較手段)
29 設定値記憶手段
31 帯電手段(磁気ブラシ帯電ユニット)
33 プロセスパーツ(帯電ローラ,帯電スリーブ)
35 プロセスパーツ(磁性粒子)
51 現像手段(現像ユニット)
52 プロセスパーツ(現像剤収容容器,現像容器)
53 プロセスパーツ(現像ローラ,現像スリーブ)
56 プロセスパーツ(二成分現像剤)
60 記憶手段
100 プロセスカートリッジ
101 露光手段(スキャナユニット)
104 記録材
107 帯電手段(帯電ローラ)
120 画像形成装置本体
Claims (14)
- 画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段と、
前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する制御手段とを備え、
前記制御手段は、記憶手段から読み出した再利用情報に基づいて、前記プロセス手段の制御値又は制御方法を変更する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記再利用情報が、再利用回数についての情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、現像用の現像ローラである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、帯電用の帯電ローラである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の帯電スリーブである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、二成分現像剤である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、磁気ブラシ帯電用の磁性粒子である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、前記感光体である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用可能なプロセスパーツが、現像剤収容容器である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記再利用情報が、画像信号によって印字が行われた量に対応する印字量情報である、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記プロセスカートリッジは、前記帯電手段と、前記現像手段と、前記感光体とを一体的にプロセスカートリッジ化したものである、
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記印字量情報が、前記露光手段により前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。 - 印字量情報が、前記画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。 - 画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して装着される着脱自在なプロセスカートリッジとを備え、帯電・露光・現像・転写手段を含むプロセス手段によって感光体上に形成したトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジ側には、
前記プロセスカートリッジにおける再利用可能なプロセスパーツについての再利用情報を記憶する、読み出し/書き込み可能な記憶手段を設け、
前記画像形成装置本体側には、
画像信号によって印字が行なわれた量に対応する印字量情報を前記記憶手段に書き込み/読み出しを行う制御手段と、
前記印字量情報をカウントして前記制御手段を介して前記記憶手段に記憶されている情報に加算するカウント手段と、
前記プロセスカートリッジの耐久劣化に対応する印字量の設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記印字量情報の積算値と前記設定値記憶手段の設定値を比較する比較手段とを設け、
前記比較手段によって、前記記憶手段から前記制御手段を介して読み出された印字量情報の積算値を、前記設定値記憶手段に記憶された設定値と比較してその大小関係に応じて、前記帯電手段の帯電バイアス値を変更する、
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003169163A JP2005004049A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003169163A JP2005004049A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 画像形成装置 |
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ID=34094388
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005004049A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009122261A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003169163A patent/JP2005004049A/ja active Pending
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JP2009122261A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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