JP2005003215A - 対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼形式が単一の混合気を二次空気とともに燃焼させるものとしながら、赤外線加熱とブンゼンバーナによる伝熱・対流加熱を併用することができる新たなガス燃焼装置を提供する。
【解決手段】短炎燃焼部と該短炎燃焼部を覆って加熱され輻射熱を放射する網目状耐熱金属部材とからなる輻射加熱部を中央部に配置するとともに、前記輻射加熱部の周囲に直接被加熱体に当たる長炎を生ずる長炎燃焼部を配置する。具体的には、混合気を短炎燃焼部と長炎燃焼部に配分する混合気拡散・分配板、混合気を二次空気とともに燃焼させ短炎を生じさせる短炎燃焼部及び該短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材により構成される輻射加熱部及び、前記輻射加熱部の周囲に設けられ、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ直接被加熱体に当たる炎を生じさせる長炎燃焼部とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】短炎燃焼部と該短炎燃焼部を覆って加熱され輻射熱を放射する網目状耐熱金属部材とからなる輻射加熱部を中央部に配置するとともに、前記輻射加熱部の周囲に直接被加熱体に当たる長炎を生ずる長炎燃焼部を配置する。具体的には、混合気を短炎燃焼部と長炎燃焼部に配分する混合気拡散・分配板、混合気を二次空気とともに燃焼させ短炎を生じさせる短炎燃焼部及び該短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材により構成される輻射加熱部及び、前記輻射加熱部の周囲に設けられ、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ直接被加熱体に当たる炎を生じさせる長炎燃焼部とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は家庭用又は業務用のガスコンロや屋外簡易ヒータなどに用いられるガス燃焼装置に係り、特に燃焼熱をブンゼンバーナによる対流加熱と共に輻射加熱を有効利用できる対流・輻射併用加熱型のハイブリッド方式によるガス燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用又は業務用のガスコンロ等に用いられるガス燃焼装置としては主としてブンゼンバーナをリング状に配置した形式のものが用いられている。この形式のものは、価格が安く、故障も少なく、保守点検も容易であるという利点がある。
その半面、高温の燃焼ガスが鍋等の被加熱体の側面を伝って上昇し、鍋底が加熱され難いために熱効率が比較的低いという問題が指摘されている。
【0003】
一方、例えば、いわゆるシュバンクバーナに代表される面燃焼バーナは、鍋底を対流熱とともに輻射熱で加熱するため、熱効率が高いという利点があるが、燃焼時の火炎の安定性に欠け、いわゆるTDR(ターンダウンレシオ)を大きく取れないという問題を抱えている。
【0004】
このような問題の解決手段として、ブンゼンバーナと面燃焼バーナを併用した形式のガス燃焼バーナが提案されている。例えば、特許文献1には、中央部に多孔状のセラミック炎孔を設けた全一次空気式バーナを配置し、周囲に多数の開口部を有するリング状のバーナキャップとバーナボデーを着脱自在に嵌合して、バーナキャップ周囲に複数個の炎孔及び上面に複数個の小炎孔を形成したブンゼンバーナを配置したコンロバーナが提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、バーナ燃焼筒の先端部に、表面燃焼バーナの面保炎部を形成し、該面保炎部周囲に噴流火炎を形成する予混合器噴出部を形成してなる表面燃焼バーナが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−155427号
【特許文献2】
特開平7−103427号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの対流・輻射併用加熱型のハイブリッド方式によるガス燃焼装置によって、熱効率の向上とともに二次燃焼の際のNOX低減効果が期待できる。しかしながら、上記提案に見られるものは、構造材料や燃焼部の基本構造が異なる2種類のバーナを組み合わせて使用しているために、その結合に無理がある。また、組み合わせられた各バーナの適正空燃比が異なるために理想的な燃焼を行わせようとすると、燃料ガス−空気混合管を複数必要とするなど構造が複雑になり、コストアップにつながるとともに、保守点検を困難にする等の問題がある。
【0008】
本発明は、燃焼形式が単一の混合気を二次空気とともに燃焼させるものとしながら、輻射加熱とブンゼンバーナ方式による伝熱・対流加熱とを併用することができる新たな対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置は、短炎燃焼部と該短炎燃焼部を覆って加熱され輻射熱を放射する網目状耐熱金属部材とからなる輻射加熱部を中央部に配置すると共に、前記輻射加熱部の周囲に直接被加熱体に当たる長炎を生ずる長炎燃焼部を配置している。
【0010】
具体的には、本発明の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置は、燃料ガスを一次空気とともに受け入れて混合気として燃焼装置基部に送給する混合管と、前記混合管から混合気を受け入れる燃焼装置基部と、前記燃焼装置基部内に設置され混合気を短炎燃焼部と長炎燃焼部に配分する混合気拡散・分配板と、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ短炎を生じさせる短炎燃焼部及び該短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材により構成され、前記混合気拡散・分配板の上方中央部に設けられる輻射加熱部と、前記輻射加熱部の周囲に設けられ、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ直接被加熱体に当たる炎を生じさせる長炎燃焼部と、を有している。
【0011】
上記構成において、輻射加熱部は、目開き寸法0.1〜1mmの耐熱金属網で構成され消炎断面積効果により該耐熱金属網上に火炎長1mm以下の短炎を生ずるとともに逆火を阻止できる短炎燃焼部と、前記短炎により加熱され輻射熱を放出する目開き寸法1〜3mmの耐熱金属網と、からなるものとするのがよい。
【0012】
また、長炎燃焼部は、炎孔断面積が1mm2以上のブンゼンバーナ形式の炎孔と、該炎孔の裏面に配置された逆火を抑止用耐熱金属網と、を有するものとするがよい。
【0013】
また、混合気拡散・分配板は、混合気を長炎燃焼部と短炎燃焼部に混合気を配分する圧力損失調節機能を有するものとするのが好ましい。さらに、短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材はFe−Cr−Al系耐熱金属網とするのがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一具体的実施例に基づき説明する。この例では、図1に示すように、ガス燃焼装置は、ガスの入り口側から順に、燃料ガスを一次空気とともに受け入れて混合気として燃焼装置基部に送給する混合管50、該混合管50から混合気を受け入れる燃焼装置基部40、該燃焼装置基部40内に設置された混合気拡散・分配板30、該混合気拡散・分配板30を経てガスの供給を受けて熱エネルギーに変換する輻射加熱部10及び長炎燃焼部20とから構成されている。
【0015】
図2に示すように、輻射加熱部10がガス燃焼装置の中央部に配置され、その周囲に長炎燃焼部20が配置されている。以下に詳細に説明するように、輻射加熱部10では比較的短い炎の燃焼エネルギが輻射熱に転換されて鍋底加熱が有効に行われ、一方、長炎燃焼部20では比較的長い高温の炎が鍋底などに直接当って調理の際の強加熱が行われるようになっている。
【0016】
輻射加熱部10は、短炎燃焼部11とそれを覆う網目状耐熱金属部材12からなる。
短炎燃焼部11には、混合気拡散・分配板30から燃料−一次空気の混合気が供給され、これが二次空気とともに燃焼して比較的短い、例えば全開時において1mm以下程度の長さの短炎16を生ずる部分である。このような短炎16は、目開き0.1〜1mm程度の耐熱金属製の金網15を利用し、その網目開口部を炎孔14として混合気を燃焼させることにより得ることができる。この金網15の網目開口部の面積を消炎断面積より小さくすることにより、安定かつ一様な短炎を実現させ、逆火を防止することができる。消炎断面積は、ガスの種類、一次空気比、ガス送給圧力によって変わるが、実験により決定することができる。
【0017】
この短炎燃焼部11は網目状耐熱金属部材12によって覆われている。網目状耐熱金属部材12は、例えば目開き1〜3mm程度、直径0.3〜0.8mm程度のFe−Cr−Al合金製金網で製作することができ、カップ状に成形して所定の設置位置に取り付けられる。その設置位置は、ほぼ短炎燃焼部11において生ずる短炎16の長さ(通常の燃焼状態における最大長さ)分だけ短炎燃焼部から上方に離した位置とすればよい。それにより、網目状耐熱金属部材12が短炎16により確実に赤熱され、輻射熱を放出することができるようになる。
【0018】
これに対し長炎燃焼部20には、図2に示すように、前記輻射加熱部10の外周に沿って取りつけられたバーナヘッド21に比較的断面積の大きい(1mm2以上)多数の炎孔22を開口させてある。ここでは、比較的炎孔が大きいため、混合気拡散・分配板30から供給される燃料−一次空気の混合気が大きな流速で流出し、二次空気とともに燃焼して比較的長い炎(長炎24)を生ずる。
【0019】
このバーナヘッド21は、この例では、輻射加熱部10の網目状耐熱金属部材12と燃焼装置基部40の間の環状部分を鋼板で覆った部分である。炎孔22はバーナヘッド21を貫通して設けられており、その大きさは直径1〜5mm程度とし、そこで生ずる長炎24が被加熱体である鍋底に充分に到達できるようにすればよい。
【0020】
この例では、バーナヘッド21が比較的厚さの薄い鋼板を加工して製作されており、そのため、炎孔断面積に比べて炎孔22の深さが浅く逆火が生じ易い。これを防止するため本発明では、炎孔22の裏面に逆火抑止用耐熱金属網23を配置している。図1から分かるように、逆火抑止用耐熱金属網23は、先に述べた短炎燃焼部11のための目開き0.1〜1mm程度の耐熱金属製の金網15を周囲に拡張したものとしている。長炎燃焼部の方が短炎燃焼部に比べて、ガス流速が大きいので、このようにすることにより、短炎燃焼部で逆火の防止ができれば、長炎燃焼部での逆火も防止できることになり、かつ、製作上の便宜である。
【0021】
混合気拡散・分配板30は、混合管50から燃焼装置基部40に導入された混合気の流量ならびに圧力損失を調整して、輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側においてそれぞれ適当な長さの燃焼炎が生ずるようにする機能を有する。具体的には、図4に平面図で示すように、例えばSUS430製のパンチングメタルを用い、その中央部を盲板31でカバーしてその周囲に多数の通気孔32を有するものである。パンチングメタルの穴の大きさ、盲板の径などを調整することによって、輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側へ流れるガス量、ガス流速ならびに圧力損失を調整することができる。
【0022】
混合管50は公知のものを適宜使用することができ、これにガス供給部のノズル51が取り付けられる。燃焼装置基台40も、その内部に混合気拡散・分配板30を取り付ける他は従来公知のものを転用できる。
【0023】
本発明のガス燃焼装置を構成する各部材は上記のように構成されているので、混合管50から燃焼装置基台40に流入する混合気は、混合気拡散・分配板30によって分配されて輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側に流入し、そこで二次空気とともに燃焼して、それぞれ必要長さの燃焼炎を生じ、輻射加熱部10側では輻射加熱が、長炎燃焼部では伝導・対流伝熱により強加熱が行われるようになる。
【0024】
以上、本発明の具体的構成を一実施例に基づいて具体的に説明した。しかしながら、本発明の実施形態は上記実施例に限られるものではない。例えば、短炎燃焼部11の小炎孔を形成する部材は、逆火を防止しながら充分小さい炎を生ずるものであればよく、必ずしも金網によって製作する必要はない。また、短炎によって加熱され輻射熱を放射する網目状金属部材12の材質、寸法も例示のものに限られない。
【0025】
また、長炎燃焼部20を構成するバーナヘッド21は、通常のガステーブルに用いられるブンゼンバーナ形式のものとすることができ、その場合には炎孔22の裏面に配置した逆火抑止用耐熱金属網23を省略することもできる。また、バーナーヘッドを比較的厚さの薄い鋼板によって製作した場合、炎孔22の裏面に逆火防止用耐熱金属網23を配置する必要が生ずるが、この逆火防止用耐熱金属網23は、本例のように短炎燃焼部11の耐熱金属製の金網15を共通のものとする必要はなく別個に取りつけたものとしてもよい。さらに、長炎燃焼部の炎孔22はバーナヘッド21内において任意に配置することができ、例えば千鳥状に配置してもよい。なお、逆火防止用耐熱金属網23を耐熱金属製の金網15を周囲に拡張して短炎燃焼部11の耐熱金属製の金網15と共通のものとする場合は、金網15はバーナヘッド21の裏面に密着して貼りつける必要がある。さもないと、金網15で短炎が生じてそれによりバーナヘッドが過熱されるおそれがある。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、燃焼形式が単一の混合気を二次空気とともに燃焼させるものとしながら、輻射加熱とブンゼンバーナ方式による対流加熱を併用することができる新たなハイブリッドタイプのガス燃焼装置を提供することができ、ガスコンロなどの熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に1実施例に係るガス燃焼装置の断面図である。
【図2】図1に示すガス燃焼装置の平面図である。
【図3】図1に示すガス燃焼装置のAA矢視図である。
【図4】本発明のガス燃焼装置に用いる混合気拡散・分配板30の平面図である。
【符号の説明】
10:輻射加熱部
11:短炎燃焼部
12:網目状耐熱金属部材
14:(短炎燃焼部の)炎孔
15:耐熱金属製金網
16:短炎
20:長炎燃焼部
21:(長炎燃焼部の)バーナヘッド
22:炎孔
23:逆火抑止用耐熱金属網
24:長炎
30:混合気拡散・分配板
31:盲板
32:通気孔
40:燃焼装置基部
50:混合管
51:燃料ガス噴射ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は家庭用又は業務用のガスコンロや屋外簡易ヒータなどに用いられるガス燃焼装置に係り、特に燃焼熱をブンゼンバーナによる対流加熱と共に輻射加熱を有効利用できる対流・輻射併用加熱型のハイブリッド方式によるガス燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用又は業務用のガスコンロ等に用いられるガス燃焼装置としては主としてブンゼンバーナをリング状に配置した形式のものが用いられている。この形式のものは、価格が安く、故障も少なく、保守点検も容易であるという利点がある。
その半面、高温の燃焼ガスが鍋等の被加熱体の側面を伝って上昇し、鍋底が加熱され難いために熱効率が比較的低いという問題が指摘されている。
【0003】
一方、例えば、いわゆるシュバンクバーナに代表される面燃焼バーナは、鍋底を対流熱とともに輻射熱で加熱するため、熱効率が高いという利点があるが、燃焼時の火炎の安定性に欠け、いわゆるTDR(ターンダウンレシオ)を大きく取れないという問題を抱えている。
【0004】
このような問題の解決手段として、ブンゼンバーナと面燃焼バーナを併用した形式のガス燃焼バーナが提案されている。例えば、特許文献1には、中央部に多孔状のセラミック炎孔を設けた全一次空気式バーナを配置し、周囲に多数の開口部を有するリング状のバーナキャップとバーナボデーを着脱自在に嵌合して、バーナキャップ周囲に複数個の炎孔及び上面に複数個の小炎孔を形成したブンゼンバーナを配置したコンロバーナが提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、バーナ燃焼筒の先端部に、表面燃焼バーナの面保炎部を形成し、該面保炎部周囲に噴流火炎を形成する予混合器噴出部を形成してなる表面燃焼バーナが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−155427号
【特許文献2】
特開平7−103427号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの対流・輻射併用加熱型のハイブリッド方式によるガス燃焼装置によって、熱効率の向上とともに二次燃焼の際のNOX低減効果が期待できる。しかしながら、上記提案に見られるものは、構造材料や燃焼部の基本構造が異なる2種類のバーナを組み合わせて使用しているために、その結合に無理がある。また、組み合わせられた各バーナの適正空燃比が異なるために理想的な燃焼を行わせようとすると、燃料ガス−空気混合管を複数必要とするなど構造が複雑になり、コストアップにつながるとともに、保守点検を困難にする等の問題がある。
【0008】
本発明は、燃焼形式が単一の混合気を二次空気とともに燃焼させるものとしながら、輻射加熱とブンゼンバーナ方式による伝熱・対流加熱とを併用することができる新たな対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置は、短炎燃焼部と該短炎燃焼部を覆って加熱され輻射熱を放射する網目状耐熱金属部材とからなる輻射加熱部を中央部に配置すると共に、前記輻射加熱部の周囲に直接被加熱体に当たる長炎を生ずる長炎燃焼部を配置している。
【0010】
具体的には、本発明の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置は、燃料ガスを一次空気とともに受け入れて混合気として燃焼装置基部に送給する混合管と、前記混合管から混合気を受け入れる燃焼装置基部と、前記燃焼装置基部内に設置され混合気を短炎燃焼部と長炎燃焼部に配分する混合気拡散・分配板と、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ短炎を生じさせる短炎燃焼部及び該短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材により構成され、前記混合気拡散・分配板の上方中央部に設けられる輻射加熱部と、前記輻射加熱部の周囲に設けられ、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ直接被加熱体に当たる炎を生じさせる長炎燃焼部と、を有している。
【0011】
上記構成において、輻射加熱部は、目開き寸法0.1〜1mmの耐熱金属網で構成され消炎断面積効果により該耐熱金属網上に火炎長1mm以下の短炎を生ずるとともに逆火を阻止できる短炎燃焼部と、前記短炎により加熱され輻射熱を放出する目開き寸法1〜3mmの耐熱金属網と、からなるものとするのがよい。
【0012】
また、長炎燃焼部は、炎孔断面積が1mm2以上のブンゼンバーナ形式の炎孔と、該炎孔の裏面に配置された逆火を抑止用耐熱金属網と、を有するものとするがよい。
【0013】
また、混合気拡散・分配板は、混合気を長炎燃焼部と短炎燃焼部に混合気を配分する圧力損失調節機能を有するものとするのが好ましい。さらに、短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材はFe−Cr−Al系耐熱金属網とするのがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一具体的実施例に基づき説明する。この例では、図1に示すように、ガス燃焼装置は、ガスの入り口側から順に、燃料ガスを一次空気とともに受け入れて混合気として燃焼装置基部に送給する混合管50、該混合管50から混合気を受け入れる燃焼装置基部40、該燃焼装置基部40内に設置された混合気拡散・分配板30、該混合気拡散・分配板30を経てガスの供給を受けて熱エネルギーに変換する輻射加熱部10及び長炎燃焼部20とから構成されている。
【0015】
図2に示すように、輻射加熱部10がガス燃焼装置の中央部に配置され、その周囲に長炎燃焼部20が配置されている。以下に詳細に説明するように、輻射加熱部10では比較的短い炎の燃焼エネルギが輻射熱に転換されて鍋底加熱が有効に行われ、一方、長炎燃焼部20では比較的長い高温の炎が鍋底などに直接当って調理の際の強加熱が行われるようになっている。
【0016】
輻射加熱部10は、短炎燃焼部11とそれを覆う網目状耐熱金属部材12からなる。
短炎燃焼部11には、混合気拡散・分配板30から燃料−一次空気の混合気が供給され、これが二次空気とともに燃焼して比較的短い、例えば全開時において1mm以下程度の長さの短炎16を生ずる部分である。このような短炎16は、目開き0.1〜1mm程度の耐熱金属製の金網15を利用し、その網目開口部を炎孔14として混合気を燃焼させることにより得ることができる。この金網15の網目開口部の面積を消炎断面積より小さくすることにより、安定かつ一様な短炎を実現させ、逆火を防止することができる。消炎断面積は、ガスの種類、一次空気比、ガス送給圧力によって変わるが、実験により決定することができる。
【0017】
この短炎燃焼部11は網目状耐熱金属部材12によって覆われている。網目状耐熱金属部材12は、例えば目開き1〜3mm程度、直径0.3〜0.8mm程度のFe−Cr−Al合金製金網で製作することができ、カップ状に成形して所定の設置位置に取り付けられる。その設置位置は、ほぼ短炎燃焼部11において生ずる短炎16の長さ(通常の燃焼状態における最大長さ)分だけ短炎燃焼部から上方に離した位置とすればよい。それにより、網目状耐熱金属部材12が短炎16により確実に赤熱され、輻射熱を放出することができるようになる。
【0018】
これに対し長炎燃焼部20には、図2に示すように、前記輻射加熱部10の外周に沿って取りつけられたバーナヘッド21に比較的断面積の大きい(1mm2以上)多数の炎孔22を開口させてある。ここでは、比較的炎孔が大きいため、混合気拡散・分配板30から供給される燃料−一次空気の混合気が大きな流速で流出し、二次空気とともに燃焼して比較的長い炎(長炎24)を生ずる。
【0019】
このバーナヘッド21は、この例では、輻射加熱部10の網目状耐熱金属部材12と燃焼装置基部40の間の環状部分を鋼板で覆った部分である。炎孔22はバーナヘッド21を貫通して設けられており、その大きさは直径1〜5mm程度とし、そこで生ずる長炎24が被加熱体である鍋底に充分に到達できるようにすればよい。
【0020】
この例では、バーナヘッド21が比較的厚さの薄い鋼板を加工して製作されており、そのため、炎孔断面積に比べて炎孔22の深さが浅く逆火が生じ易い。これを防止するため本発明では、炎孔22の裏面に逆火抑止用耐熱金属網23を配置している。図1から分かるように、逆火抑止用耐熱金属網23は、先に述べた短炎燃焼部11のための目開き0.1〜1mm程度の耐熱金属製の金網15を周囲に拡張したものとしている。長炎燃焼部の方が短炎燃焼部に比べて、ガス流速が大きいので、このようにすることにより、短炎燃焼部で逆火の防止ができれば、長炎燃焼部での逆火も防止できることになり、かつ、製作上の便宜である。
【0021】
混合気拡散・分配板30は、混合管50から燃焼装置基部40に導入された混合気の流量ならびに圧力損失を調整して、輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側においてそれぞれ適当な長さの燃焼炎が生ずるようにする機能を有する。具体的には、図4に平面図で示すように、例えばSUS430製のパンチングメタルを用い、その中央部を盲板31でカバーしてその周囲に多数の通気孔32を有するものである。パンチングメタルの穴の大きさ、盲板の径などを調整することによって、輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側へ流れるガス量、ガス流速ならびに圧力損失を調整することができる。
【0022】
混合管50は公知のものを適宜使用することができ、これにガス供給部のノズル51が取り付けられる。燃焼装置基台40も、その内部に混合気拡散・分配板30を取り付ける他は従来公知のものを転用できる。
【0023】
本発明のガス燃焼装置を構成する各部材は上記のように構成されているので、混合管50から燃焼装置基台40に流入する混合気は、混合気拡散・分配板30によって分配されて輻射加熱部10側と長炎燃焼部20側に流入し、そこで二次空気とともに燃焼して、それぞれ必要長さの燃焼炎を生じ、輻射加熱部10側では輻射加熱が、長炎燃焼部では伝導・対流伝熱により強加熱が行われるようになる。
【0024】
以上、本発明の具体的構成を一実施例に基づいて具体的に説明した。しかしながら、本発明の実施形態は上記実施例に限られるものではない。例えば、短炎燃焼部11の小炎孔を形成する部材は、逆火を防止しながら充分小さい炎を生ずるものであればよく、必ずしも金網によって製作する必要はない。また、短炎によって加熱され輻射熱を放射する網目状金属部材12の材質、寸法も例示のものに限られない。
【0025】
また、長炎燃焼部20を構成するバーナヘッド21は、通常のガステーブルに用いられるブンゼンバーナ形式のものとすることができ、その場合には炎孔22の裏面に配置した逆火抑止用耐熱金属網23を省略することもできる。また、バーナーヘッドを比較的厚さの薄い鋼板によって製作した場合、炎孔22の裏面に逆火防止用耐熱金属網23を配置する必要が生ずるが、この逆火防止用耐熱金属網23は、本例のように短炎燃焼部11の耐熱金属製の金網15を共通のものとする必要はなく別個に取りつけたものとしてもよい。さらに、長炎燃焼部の炎孔22はバーナヘッド21内において任意に配置することができ、例えば千鳥状に配置してもよい。なお、逆火防止用耐熱金属網23を耐熱金属製の金網15を周囲に拡張して短炎燃焼部11の耐熱金属製の金網15と共通のものとする場合は、金網15はバーナヘッド21の裏面に密着して貼りつける必要がある。さもないと、金網15で短炎が生じてそれによりバーナヘッドが過熱されるおそれがある。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、燃焼形式が単一の混合気を二次空気とともに燃焼させるものとしながら、輻射加熱とブンゼンバーナ方式による対流加熱を併用することができる新たなハイブリッドタイプのガス燃焼装置を提供することができ、ガスコンロなどの熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に1実施例に係るガス燃焼装置の断面図である。
【図2】図1に示すガス燃焼装置の平面図である。
【図3】図1に示すガス燃焼装置のAA矢視図である。
【図4】本発明のガス燃焼装置に用いる混合気拡散・分配板30の平面図である。
【符号の説明】
10:輻射加熱部
11:短炎燃焼部
12:網目状耐熱金属部材
14:(短炎燃焼部の)炎孔
15:耐熱金属製金網
16:短炎
20:長炎燃焼部
21:(長炎燃焼部の)バーナヘッド
22:炎孔
23:逆火抑止用耐熱金属網
24:長炎
30:混合気拡散・分配板
31:盲板
32:通気孔
40:燃焼装置基部
50:混合管
51:燃料ガス噴射ノズル
Claims (4)
- 短炎燃焼部と該短炎燃焼部を覆って加熱され輻射熱を放射する網目状耐熱金属部材とからなる輻射加熱部を中央部に配置するとともに、前記輻射加熱部の周囲に直接被加熱体に当たる長炎を生ずる長炎燃焼部を配置したことを特徴とする対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置。
- 燃料ガスを一次空気とともに受け入れて混合気として燃焼装置基部に送給する混合管と、
前記混合管から混合気を受け入れる燃焼装置基部と、
前記燃焼装置基部内に設置され混合気を短炎燃焼部と長炎燃焼部に配分する混合気拡散・分配板と、
前記混合気を二次空気とともに燃焼させ短炎を生じさせる短炎燃焼部及び該短炎燃焼部を覆う網目状耐熱金属部材により構成され、前記混合気拡散・分配板の上方中央部に設けられる輻射加熱部と、
前記輻射加熱部の周囲に設けられ、前記混合気を二次空気とともに燃焼させ直接被加熱体に当たる炎を生じさせる長炎燃焼部と、を有してなることを特徴とする対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置。 - 輻射加熱部は、目開き寸法0.1〜1mmの耐熱金属網で構成され消炎断面積効果により該耐熱金属網上に火炎長1mm以下の短炎を生ずるとともに逆火を阻止できる短炎燃焼部と、前記短炎により加熱され輻射熱を放出する目開き寸法1〜3mmの耐熱金属網と、からなるものであることを特徴とする請求項2記載の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置。
- 長炎燃焼部は、炎孔断面積が1mm2以上のブンゼンバーナ形式の炎孔と、該炎孔の裏面に配置された逆火を抑止用耐熱金属網と、を有するものであることを特徴とする請求項2記載の対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163644A JP2005003215A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003163644A JP2005003215A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005003215A true JP2005003215A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34090704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003163644A Pending JP2005003215A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 対流・輻射併用加熱型ガス燃焼装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009052768A (ja) * | 2007-08-23 | 2009-03-12 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ガスタービン燃焼装置 |
JP2012220089A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Corona Corp | 燃焼装置 |
CN109798519A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-05-24 | 佛山市顺德区美的洗涤电器制造有限公司 | 火盖以及燃气灶 |
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003163644A patent/JP2005003215A/ja active Pending
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JP2009052768A (ja) * | 2007-08-23 | 2009-03-12 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ガスタービン燃焼装置 |
JP2012220089A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Corona Corp | 燃焼装置 |
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