JP2005002966A - 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸発燃料処理装置のリーク診断において、燃料蒸発の影響による診断精度の低下を減らし、リークの有無を精度良く診断する。
【解決手段】燃料タンク内を含む診断対象区間を閉塞し、エアポンプによる加圧によって診断対象区間が目標圧になるようにフィードバック制御する。そして、目標圧に到達してから所定時間において前記フィードバック制御による操作量を積分する。前記積分値が閾値以下で、目標圧を保持するのに要した空気供給量が少ないときにはリーク無しを判定し、前記積分値が閾値を超え、目標圧を保持するのに要した空気供給量が多いときにはリーク有りを判定する。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料タンク内を含む診断対象区間を閉塞し、エアポンプによる加圧によって診断対象区間が目標圧になるようにフィードバック制御する。そして、目標圧に到達してから所定時間において前記フィードバック制御による操作量を積分する。前記積分値が閾値以下で、目標圧を保持するのに要した空気供給量が少ないときにはリーク無しを判定し、前記積分値が閾値を超え、目標圧を保持するのに要した空気供給量が多いときにはリーク有りを判定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクにて発生する燃料蒸気を捕集して処理する蒸発燃料処理装置におけるリークを診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸発燃料処理装置のリーク診断装置としては、特許文献1に開示されるようなものがあった。
【0003】
このものは、診断対象とする閉塞区間に機関の吸気管負圧を導入して減圧し、このときの圧力変化量に基づいてリークの有無を診断する構成である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−343927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記診断対象区間に燃料タンク内が含まれる場合、該燃料タンク内における燃料の蒸発量が圧力変化に伴って変化し、これによって圧力が影響を受け、圧力に基づくリーク診断の精度を低下させるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料蒸発の影響による診断精度の低下を減らすことができる蒸発燃料処理装置のリーク診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1に係る発明は、閉塞した診断対象区間内の圧力を目標圧にまで加圧又は減圧して保持するように圧力調整手段をフィードバック制御し、該フィードバック制御により前記目標圧を保持するのに要した操作量に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
【0008】
かかる構成によると、診断する区間を閉塞して、該閉塞区間を目標圧にまで加圧又は減圧し、前記目標圧を保持させるが、前記目標圧を保持するのに必要とされた操作量、即ち、加圧する場合であれば、圧力漏れによる圧力低下を回避するために供給した空気量に基づいてリーク診断を行なう。
【0009】
従って、診断時に診断対象区間が一定圧に保持されるから、圧力変化による蒸発量の変化が抑制され、燃料蒸発の影響によるリーク診断精度の低下を減らすことができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、閉塞区間内に空気を圧送するエアポンプの吐出量を、目標圧と閉塞区間内の圧力との偏差に基づいてフィードバック制御する構成とした。
【0011】
かかる構成によると、閉塞区間内の実際の圧力と目標圧との偏差に基づいてエアポンプの吐出量(印加電圧)をフィードバック制御することで、閉塞区間内を目標圧に保持させるようにし、このときの吐出量のフィードバック操作量に基づいて、リークの有無を診断する。
【0012】
従って、エアポンプの吐出量の調整により目標圧に加圧して保持されるから、圧力変化による蒸発量の変化を抑止でき、エアポンプの吐出量のフィードバック操作量から精度良くリークを診断できる。
【0013】
請求項3記載の発明では、目標圧に到達した後の操作量に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
かかる構成によると、加圧又は減圧を開始して目標圧に到達すると、その後、前記目標圧を保持するようにフィードバック制御させるが、この目標圧に到達した後の目標圧付近に収束しているときのフィードバック操作量に基づいてリーク診断を行なう。
【0014】
従って、初期圧から目標圧付近に変化するまでの間の圧力変化による蒸発量変化の影響を排除し、目標圧付近に保持され蒸発量が一定になっているときの操作量からリーク診断を行なえる。
【0015】
請求項4記載の発明では、目標圧に到達した後の所定時間における操作量の積分値に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
かかる構成によると、加圧又は減圧を開始して目標圧に到達すると、その後、前記目標圧を保持するようにフィードバック制御させるが、この目標圧に到達した後の目標圧付近に収束しているときのフィードバック操作量を所定時間積分し、該積分値、即ち、目標圧に保持するのに要した加圧又は減圧操作量に基づいてリーク診断を行なう。
【0016】
従って、初期圧から目標圧付近に変化するまでの間の圧力変化による蒸発量変化の影響を排除し、目標圧付近に保持され蒸発量が一定になっているときの操作量の平均的レベルから、より精度良くリーク診断を行なえる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は実施形態における内燃機関のシステム構成図である。
【0018】
この図1において、内燃機関1は、図示省略した車両に搭載されるガソリン機関である。
前記内燃機関1の吸気系には、スロットル弁2が設けられていて、これにより機関1の吸入空気量が制御される。
【0019】
また、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部には、気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が設けられている。
前記燃料噴射弁4は、コントロールユニット20から機関回転に同期して出力される噴射パルス信号により開弁して燃料噴射を行い、噴射された燃料は機関1の燃焼室内で燃焼する。
【0020】
蒸発燃料処理装置としては、燃料タンク5にて発生する蒸発燃料を蒸発燃料導入通路6により導いて一時的に吸着するキャニスタ7が設けられている。
前記キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものである。
【0021】
また、前記キャニスタ7には、新気導入口9が形成されると共に、パージ通路10が導出されている。
前記パージ通路10は、常閉型のパージ制御弁11を介して、スロットル弁2下流の吸気管3に接続されている。
【0022】
前記パージ制御弁11は、前記コントロールユニット20から出力されるパージ制御信号により開弁するようになっている。
従って、燃料タンク5にて発生した蒸発燃料は、蒸発燃料導入通路6によりキャニスタ7に導かれて、ここに吸着捕集される。
【0023】
そして、機関1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11が開制御され、これにより機関1の吸入負圧がキャニスタ7に作用する結果、新気導入口9から導入される新気によってキャニスタ7に吸着されていた蒸発燃料が脱離される。
【0024】
そして、この脱離した蒸発燃料を含むパージガスがパージ通路10を通って吸気管3内に吸入され、その後、機関1の燃焼室内で燃焼処理される。
係る蒸発燃料処理装置のリーク診断を行なうために、キャニスタ7の新気導入口9側に、圧力調整手段としての電動式エアポンプ13が設けられる。
【0025】
そして、キャニスタ7の新気導入口9を、大気開放口12と、エアポンプ13の吐出口とに選択的に接続する電磁式の切換弁14が設けられる。
尚、前記切換弁14はOFF状態で大気開放口12側、ON状態でエアポンプ13側に切換えられるようになっており、通常はOFFで大気開放口12側に切換えられ、キャニスタ7の新気導入口9を大気開放口12に連通させている。
【0026】
また、前記大気開放口12と前記エアポンプ13の吸込口とに共通のエアフィルター17が設けられている。
前記コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力される。
【0027】
前記各種センサとしては、機関1の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ21、機関1の吸入空気量を計測するエアフローメータ22、車速を検出する車速センサ23、燃料タンク内5の圧力を検出する圧力センサ24、燃料タンク5内の燃料残量を検出するタンク残量センサ(燃料計)25が設けられている。
【0028】
ここにおいて、コントロールユニット20は、機関運転条件に基づいて燃料噴射弁4の作動を制御し、また、機関運転条件に基づいてパージ制御弁11の作動を制御する。
【0029】
更に、コントロールユニット20は、図2のフローチャートに示すようにして、蒸発燃料処理装置のリーク診断を行なうようになっている。
図2のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、所定のリーク診断条件が成立しているか否かを判断する。
【0030】
前記リーク診断条件としては、機関停止から所定時間経過していることや、燃料温度などを判断する。
機関停止から所定時間経過しているときに診断を行なわせる構成とすれば、機関停止直後の燃料温度が大きく変動し、圧力が一定でも温度変化で蒸発量が大きく変化するときに診断が行なわれることが回避され、後述するリーク診断の精度をより改善できる。
【0031】
従って、燃料温度の変化速度から燃料温度が比較的安定している状態を判断して、リーク診断を行なわせる構成としても良い。
リーク診断条件が成立していると判断されると、ステップS2へ進み、エアポンプ13によって診断対象区間を加圧するときの目標圧を設定する。
【0032】
前記目標圧は、固定値であっても良いし、燃料温度・燃料タンク内の燃料残量等に応じて可変に設定しても良い。
ステップS3では、前記パージ制御弁11及び切換弁14を制御して、パージ制御弁11〜キャニスタ7〜燃料タンク5の診断対象区間を閉塞し、該閉塞区間をエアポンプ13で加圧できる状態とする。
【0033】
ステップS4では、前記圧力センサ24で検出されるタンク内圧(閉塞区間内の圧力)が前記目標圧に一致するように、圧力センサ24で検出されるタンク内圧と前記目標圧との偏差に基づいて、エアポンプ13の吐出量をフィードバック制御する。
【0034】
該フィードバック制御においては、タンク内圧が目標圧よりも低いときに、エアポンプ13を駆動させ、かつ、タンク内圧が目標圧よりも低いほど印加電圧を高くして吐出量を多くする一方、タンク内圧が目標圧以上の場合には、エアポンプ13を停止状態に保持する。
【0035】
ステップS5では、前記フィードバック制御の結果、前記圧力センサ24で検出されるタンク内圧(閉塞区間内の圧力)が前記目標圧付近に到達した後の目標圧付近に保持している所定時間において、前記フィードバック制御における操作量としての印加電圧(又は吐出量)を積分する。
【0036】
前記積分値は、前記目標圧を所定時間保持するのに、前記閉塞区間に供給した空気量の積算に相当する。
ステップS6では、前記積算値が、リーク判定用の閾値以下であるか否かを判定する。
【0037】
ここで、前記積算値がリーク判定用の閾値以下であれば、目標圧に保持するために多くの空気を追加供給する必要がなかったことになり、この場合には、ステップS7へ進んでリーク無しの判定を下す。
【0038】
一方、前記積算値がリーク判定用の閾値を超える場合には、閉塞空間からの圧力漏れによって、目標圧に保持するために多くの空気を追加供給する必要があったことになり、この場合には、ステップS8へ進んで、リーク有りの判定を下し、該判定結果をランプの点灯等によって警告する処理を行なう。
【0039】
上記構成によると、前記積算値は、圧力一定の条件で求められたものであり、圧力が一定であれば、燃料の蒸発量が圧力変化で変動することがなく、燃料の蒸発による影響を減らして、精度良くリークの診断を行なえる。
【0040】
尚、上記実施形態では、加圧によって目標圧にまで昇圧させる構成としたが、減圧によって目標圧にまで降圧させ、このときの目標圧に保持するために要したフィードバック操作量(又は制御量)の積分値からリーク診断を行なわせることができる。
【0041】
この場合、圧力調整手段として、エアポンプを用いることが可能であり、更に、機関運転中の吸気管負圧で減圧させる構成とし、吸気管負圧の導入を圧力調整手段としてのパージ制御弁11でフィードバック制御することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、フィードバック操作量(又は制御量)の積分値からリーク診断を行なわせる構成としたが、フィードバック操作量の瞬時値によってもリーク診断を行わせることができる。
【0043】
係る構成では、フィードバック操作量の積分値からリーク診断を行わせる場合に比べて診断精度が低下するものの、診断制御を簡素化できる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、
診断対象の区間として燃料タンク内を含み、前記リーク診断を、機関停止から所定時間経過してから行なわせることを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0044】
かかる構成によると、機関が停止されてから所定時間が経過していて、燃料タンク内の燃料温度が比較的安定しているときに診断が行なわれることになる。
従って、機関停止直後の燃料温度が大きく変動し、圧力が一定でも温度変化で蒸発量が大きく変化するときに診断が行なわれることが回避され、診断精度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における機関のシステム構成図。
【図2】実施の形態におけるリーク診断を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関,2…スロットル弁,3…吸気管,4…燃料噴射弁,5…燃料タンク,6…蒸発燃料導入通路,7…キャニスタ,8…吸着材,9…新気導入口,10…パージ通路,11…パージ制御弁,12…大気開放口,13…エアポンプ,14…切換弁,17…エアフィルタ,20…コントロールユニット,21…クランク角センサ,22…エアフローメータ,23…車速センサ,24…圧力センサ,25…タンク残量センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に供給する燃料を貯留する燃料タンクにて発生する燃料蒸気を捕集して処理する蒸発燃料処理装置におけるリークを診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸発燃料処理装置のリーク診断装置としては、特許文献1に開示されるようなものがあった。
【0003】
このものは、診断対象とする閉塞区間に機関の吸気管負圧を導入して減圧し、このときの圧力変化量に基づいてリークの有無を診断する構成である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−343927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記診断対象区間に燃料タンク内が含まれる場合、該燃料タンク内における燃料の蒸発量が圧力変化に伴って変化し、これによって圧力が影響を受け、圧力に基づくリーク診断の精度を低下させるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料蒸発の影響による診断精度の低下を減らすことができる蒸発燃料処理装置のリーク診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1に係る発明は、閉塞した診断対象区間内の圧力を目標圧にまで加圧又は減圧して保持するように圧力調整手段をフィードバック制御し、該フィードバック制御により前記目標圧を保持するのに要した操作量に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
【0008】
かかる構成によると、診断する区間を閉塞して、該閉塞区間を目標圧にまで加圧又は減圧し、前記目標圧を保持させるが、前記目標圧を保持するのに必要とされた操作量、即ち、加圧する場合であれば、圧力漏れによる圧力低下を回避するために供給した空気量に基づいてリーク診断を行なう。
【0009】
従って、診断時に診断対象区間が一定圧に保持されるから、圧力変化による蒸発量の変化が抑制され、燃料蒸発の影響によるリーク診断精度の低下を減らすことができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、閉塞区間内に空気を圧送するエアポンプの吐出量を、目標圧と閉塞区間内の圧力との偏差に基づいてフィードバック制御する構成とした。
【0011】
かかる構成によると、閉塞区間内の実際の圧力と目標圧との偏差に基づいてエアポンプの吐出量(印加電圧)をフィードバック制御することで、閉塞区間内を目標圧に保持させるようにし、このときの吐出量のフィードバック操作量に基づいて、リークの有無を診断する。
【0012】
従って、エアポンプの吐出量の調整により目標圧に加圧して保持されるから、圧力変化による蒸発量の変化を抑止でき、エアポンプの吐出量のフィードバック操作量から精度良くリークを診断できる。
【0013】
請求項3記載の発明では、目標圧に到達した後の操作量に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
かかる構成によると、加圧又は減圧を開始して目標圧に到達すると、その後、前記目標圧を保持するようにフィードバック制御させるが、この目標圧に到達した後の目標圧付近に収束しているときのフィードバック操作量に基づいてリーク診断を行なう。
【0014】
従って、初期圧から目標圧付近に変化するまでの間の圧力変化による蒸発量変化の影響を排除し、目標圧付近に保持され蒸発量が一定になっているときの操作量からリーク診断を行なえる。
【0015】
請求項4記載の発明では、目標圧に到達した後の所定時間における操作量の積分値に基づいてリーク診断を行なう構成とした。
かかる構成によると、加圧又は減圧を開始して目標圧に到達すると、その後、前記目標圧を保持するようにフィードバック制御させるが、この目標圧に到達した後の目標圧付近に収束しているときのフィードバック操作量を所定時間積分し、該積分値、即ち、目標圧に保持するのに要した加圧又は減圧操作量に基づいてリーク診断を行なう。
【0016】
従って、初期圧から目標圧付近に変化するまでの間の圧力変化による蒸発量変化の影響を排除し、目標圧付近に保持され蒸発量が一定になっているときの操作量の平均的レベルから、より精度良くリーク診断を行なえる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は実施形態における内燃機関のシステム構成図である。
【0018】
この図1において、内燃機関1は、図示省略した車両に搭載されるガソリン機関である。
前記内燃機関1の吸気系には、スロットル弁2が設けられていて、これにより機関1の吸入空気量が制御される。
【0019】
また、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部には、気筒毎に電磁式の燃料噴射弁4が設けられている。
前記燃料噴射弁4は、コントロールユニット20から機関回転に同期して出力される噴射パルス信号により開弁して燃料噴射を行い、噴射された燃料は機関1の燃焼室内で燃焼する。
【0020】
蒸発燃料処理装置としては、燃料タンク5にて発生する蒸発燃料を蒸発燃料導入通路6により導いて一時的に吸着するキャニスタ7が設けられている。
前記キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものである。
【0021】
また、前記キャニスタ7には、新気導入口9が形成されると共に、パージ通路10が導出されている。
前記パージ通路10は、常閉型のパージ制御弁11を介して、スロットル弁2下流の吸気管3に接続されている。
【0022】
前記パージ制御弁11は、前記コントロールユニット20から出力されるパージ制御信号により開弁するようになっている。
従って、燃料タンク5にて発生した蒸発燃料は、蒸発燃料導入通路6によりキャニスタ7に導かれて、ここに吸着捕集される。
【0023】
そして、機関1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11が開制御され、これにより機関1の吸入負圧がキャニスタ7に作用する結果、新気導入口9から導入される新気によってキャニスタ7に吸着されていた蒸発燃料が脱離される。
【0024】
そして、この脱離した蒸発燃料を含むパージガスがパージ通路10を通って吸気管3内に吸入され、その後、機関1の燃焼室内で燃焼処理される。
係る蒸発燃料処理装置のリーク診断を行なうために、キャニスタ7の新気導入口9側に、圧力調整手段としての電動式エアポンプ13が設けられる。
【0025】
そして、キャニスタ7の新気導入口9を、大気開放口12と、エアポンプ13の吐出口とに選択的に接続する電磁式の切換弁14が設けられる。
尚、前記切換弁14はOFF状態で大気開放口12側、ON状態でエアポンプ13側に切換えられるようになっており、通常はOFFで大気開放口12側に切換えられ、キャニスタ7の新気導入口9を大気開放口12に連通させている。
【0026】
また、前記大気開放口12と前記エアポンプ13の吸込口とに共通のエアフィルター17が設けられている。
前記コントロールユニット20は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサから信号が入力される。
【0027】
前記各種センサとしては、機関1の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ21、機関1の吸入空気量を計測するエアフローメータ22、車速を検出する車速センサ23、燃料タンク内5の圧力を検出する圧力センサ24、燃料タンク5内の燃料残量を検出するタンク残量センサ(燃料計)25が設けられている。
【0028】
ここにおいて、コントロールユニット20は、機関運転条件に基づいて燃料噴射弁4の作動を制御し、また、機関運転条件に基づいてパージ制御弁11の作動を制御する。
【0029】
更に、コントロールユニット20は、図2のフローチャートに示すようにして、蒸発燃料処理装置のリーク診断を行なうようになっている。
図2のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、所定のリーク診断条件が成立しているか否かを判断する。
【0030】
前記リーク診断条件としては、機関停止から所定時間経過していることや、燃料温度などを判断する。
機関停止から所定時間経過しているときに診断を行なわせる構成とすれば、機関停止直後の燃料温度が大きく変動し、圧力が一定でも温度変化で蒸発量が大きく変化するときに診断が行なわれることが回避され、後述するリーク診断の精度をより改善できる。
【0031】
従って、燃料温度の変化速度から燃料温度が比較的安定している状態を判断して、リーク診断を行なわせる構成としても良い。
リーク診断条件が成立していると判断されると、ステップS2へ進み、エアポンプ13によって診断対象区間を加圧するときの目標圧を設定する。
【0032】
前記目標圧は、固定値であっても良いし、燃料温度・燃料タンク内の燃料残量等に応じて可変に設定しても良い。
ステップS3では、前記パージ制御弁11及び切換弁14を制御して、パージ制御弁11〜キャニスタ7〜燃料タンク5の診断対象区間を閉塞し、該閉塞区間をエアポンプ13で加圧できる状態とする。
【0033】
ステップS4では、前記圧力センサ24で検出されるタンク内圧(閉塞区間内の圧力)が前記目標圧に一致するように、圧力センサ24で検出されるタンク内圧と前記目標圧との偏差に基づいて、エアポンプ13の吐出量をフィードバック制御する。
【0034】
該フィードバック制御においては、タンク内圧が目標圧よりも低いときに、エアポンプ13を駆動させ、かつ、タンク内圧が目標圧よりも低いほど印加電圧を高くして吐出量を多くする一方、タンク内圧が目標圧以上の場合には、エアポンプ13を停止状態に保持する。
【0035】
ステップS5では、前記フィードバック制御の結果、前記圧力センサ24で検出されるタンク内圧(閉塞区間内の圧力)が前記目標圧付近に到達した後の目標圧付近に保持している所定時間において、前記フィードバック制御における操作量としての印加電圧(又は吐出量)を積分する。
【0036】
前記積分値は、前記目標圧を所定時間保持するのに、前記閉塞区間に供給した空気量の積算に相当する。
ステップS6では、前記積算値が、リーク判定用の閾値以下であるか否かを判定する。
【0037】
ここで、前記積算値がリーク判定用の閾値以下であれば、目標圧に保持するために多くの空気を追加供給する必要がなかったことになり、この場合には、ステップS7へ進んでリーク無しの判定を下す。
【0038】
一方、前記積算値がリーク判定用の閾値を超える場合には、閉塞空間からの圧力漏れによって、目標圧に保持するために多くの空気を追加供給する必要があったことになり、この場合には、ステップS8へ進んで、リーク有りの判定を下し、該判定結果をランプの点灯等によって警告する処理を行なう。
【0039】
上記構成によると、前記積算値は、圧力一定の条件で求められたものであり、圧力が一定であれば、燃料の蒸発量が圧力変化で変動することがなく、燃料の蒸発による影響を減らして、精度良くリークの診断を行なえる。
【0040】
尚、上記実施形態では、加圧によって目標圧にまで昇圧させる構成としたが、減圧によって目標圧にまで降圧させ、このときの目標圧に保持するために要したフィードバック操作量(又は制御量)の積分値からリーク診断を行なわせることができる。
【0041】
この場合、圧力調整手段として、エアポンプを用いることが可能であり、更に、機関運転中の吸気管負圧で減圧させる構成とし、吸気管負圧の導入を圧力調整手段としてのパージ制御弁11でフィードバック制御することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、フィードバック操作量(又は制御量)の積分値からリーク診断を行なわせる構成としたが、フィードバック操作量の瞬時値によってもリーク診断を行わせることができる。
【0043】
係る構成では、フィードバック操作量の積分値からリーク診断を行わせる場合に比べて診断精度が低下するものの、診断制御を簡素化できる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置において、
診断対象の区間として燃料タンク内を含み、前記リーク診断を、機関停止から所定時間経過してから行なわせることを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
【0044】
かかる構成によると、機関が停止されてから所定時間が経過していて、燃料タンク内の燃料温度が比較的安定しているときに診断が行なわれることになる。
従って、機関停止直後の燃料温度が大きく変動し、圧力が一定でも温度変化で蒸発量が大きく変化するときに診断が行なわれることが回避され、診断精度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における機関のシステム構成図。
【図2】実施の形態におけるリーク診断を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関,2…スロットル弁,3…吸気管,4…燃料噴射弁,5…燃料タンク,6…蒸発燃料導入通路,7…キャニスタ,8…吸着材,9…新気導入口,10…パージ通路,11…パージ制御弁,12…大気開放口,13…エアポンプ,14…切換弁,17…エアフィルタ,20…コントロールユニット,21…クランク角センサ,22…エアフローメータ,23…車速センサ,24…圧力センサ,25…タンク残量センサ
Claims (4)
- 診断対象の区間を閉塞し、該閉塞区間内の圧力を目標圧にまで加圧又は減圧して保持するように圧力調整手段をフィードバック制御し、該フィードバック制御により前記目標圧を保持するのに要した操作量に基づいてリーク診断を行なうことを特徴とする蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
- 前記圧力調整手段が、前記閉塞区間内に空気を圧送するエアポンプであり、該エアポンプの吐出量を、前記目標圧と前記閉塞区間内の圧力との偏差に基づいてフィードバック制御することを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
- 前記目標圧に到達した後の前記操作量に基づいてリーク診断を行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
- 前記目標圧に到達した後の所定時間における前記操作量の積分値に基づいてリーク診断を行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置のリーク診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170189A JP2005002966A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003170189A JP2005002966A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2005002966A true JP2005002966A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34095061
Family Applications (1)
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JP2003170189A Abandoned JP2005002966A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020056344A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 株式会社デンソー | 蒸発燃料処理装置 |
CN116291924A (zh) * | 2023-03-21 | 2023-06-23 | 长城汽车股份有限公司 | 蒸发泄露的诊断方法、装置、电子设备及车辆 |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170189A patent/JP2005002966A/ja not_active Abandoned
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JP2020056344A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 株式会社デンソー | 蒸発燃料処理装置 |
CN116291924A (zh) * | 2023-03-21 | 2023-06-23 | 长城汽车股份有限公司 | 蒸发泄露的诊断方法、装置、电子设备及车辆 |
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Effective date: 20060316 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20080421 |