JP2005002846A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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武夫 小林
Mitsuru Sugimoto
充 杉本
Hisao Sakai
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Abstract

【課題】エンジンの高速運転時にも吸気弁の急激な着座を確実に防止する。
【解決手段】電磁アクチュエータ機構62のアマチュア73に接続された保持ロッド74で吸気弁21を押圧して開弁状態に保持し、かつ保持を解除されて閉弁状態に復帰する吸気弁21の着座時の衝撃をダンパー機構63で緩衝する。ダンパー機構63は、シャフト78に回転自在に支持されて緩衝ばね80で付勢された緩衝カム79を備えており、緩衝カム79は吸気ロッカーアーム30の上面に当接して吸気弁21を開弁方向に付勢するので、従来の油圧ダンパー機構に特有の応答性の低下を排除して、エンジンの高速運転時にも確実な着座緩衝を行うことができる。しかも緩衝カム79はシャフト78まわりに往復回転して緩衝力を発生するので、吸気弁21の開閉方向に往復移動して緩衝力を発生するものに比べて、ダンパー機構63をコンパクト化することができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動弁カムにより弁駆動部材を介して開閉駆動される弁を開弁状態に保持する閉弁遅延機構と、閉弁遅延機構による保持を解除されて弁ばねの弾発力で閉弁する弁の着座を緩衝するダンパー機構とを備えたエンジンの動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるエンジンの動弁装置は、下記特許文献により公知である。このエンジンの動弁装置の油圧ダンパー機構は、吸気弁の閉弁を阻止する電磁アクチュエータ機構の保持ロッドの中間部に固定したピストンをシリンダの内部に緩く嵌合させ、ピストンの上下に区画された二つの緩衝室間を移動するオイルの流通抵抗により保持ロッドの上昇に抵抗力を付与することで、電磁アクチュエータ機構による拘束を解かれた保持ロッドを吸気弁と共にゆっくりと上昇させて、吸気弁の急激な着座を防止するようになっている。
【0003】
【特許文献】
特開2000−65232号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは、油圧によって吸気弁の着座を緩衝するようになっているため、エンジンの高速運転時に緩衝室に供給される油量が不足すると、吸気弁の急激な着座を確実に防止できなくなる可能性があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンの高速運転時にも吸気弁の急激な着座を確実に防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、動弁カムにより弁駆動部材を介して開閉駆動される弁を開弁状態に保持する閉弁遅延機構と、閉弁遅延機構による保持を解除されて弁ばねの弾発力で閉弁する弁の着座を緩衝するダンパー機構とを備えたエンジンの動弁装置において、ダンパー機構は、エンジン本体にシャフトを介して回転自在に支持されて弁駆動部材に当接する緩衝カムと、緩衝カムを弁の着座方向と逆方向に付勢する緩衝ばねとを備えたことを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、弁ばねで閉弁方向に付勢された弁の着座を緩衝すべく、緩衝機構が、緩衝ばねで機械的に付勢された緩衝カムで弁を着座方向と逆方向に付勢するので、従来の油圧ダンパー機構に特有の応答性の低下を排除して、エンジンの高速運転時にも確実な着座緩衝を行うことができる。しかも緩衝カムはシャフトまわりに往復回転して緩衝力を発生するので、弁の開閉方向に往復移動して緩衝力を発生するものに比べて、ダンパー機構をコンパクト化することができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、緩衝ばねは緩衝カムのシャフトの外周に巻き付けられたコイルばねであり、その緩衝ばねの一端がエンジン本体に係止されて他端が緩衝カムの頂部に設けたピンに係止されたことを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、コイルばねで構成した緩衝ばねを緩衝カムのシャフトの外周に巻き付けたので、緩衝ばねをコンパクトにレイアウトすることができ、しかも緩衝ばねの他端を緩衝カムの頂部に設けたピンに係止したので、シャフトからピンまでのモーメントアームを最大限に確保し、小型の緩衝ばねで緩衝カムに充分なトルクを付与することができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、閉弁遅延機構は、モータにより巻き取られるワイヤーで緩衝カムを緩衝ばねの付勢方向と同方向に付勢することを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、モータにより巻き取られるワイヤーで緩衝カムを緩衝ばねと同方向に付勢するので、ワイヤーの張力で干渉カムおよび弁駆動部材を拘束して弁を開弁位置に保持することができる。しかもワイヤーの張力で緩衝ばねの付勢力をアシストすることにより、緩衝ばねを小型化しても確実な着座緩衝を行うことができる。
【0012】
尚、実施例のカムシャフトホルダ13は本発明のエンジン本体に対応し、実施例の吸気弁21は本発明の弁に対応し、実施例の吸気弁ばね23は本発明の弁ばねに対応し、実施例の第1吸気ロッカーアーム30は本発明の弁駆動部材に対応し、実施例の吸気ハイカム36は本発明の動弁カムに対応し、実施例の吸気弁閉弁タイミング遅延装置61は本発明の閉弁遅延機構に対応する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図9は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンのシリンダヘッド部の断面図(図2の1−1線断面図)、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3部拡大図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図1の要部を紙面の裏側から見た図、図6は図5の6−6線矢視図、図7は前記図1に対応する作用説明図、図8は図7の要部を紙面の裏側から見た図、図9は吸気弁の遅閉じ制御によるバルブリフト量の変化を示すグラフである。
【0015】
図1に示すように、SOHC型の直列4気筒エンジンEはシリンダブロック11と、シリンダブロック11の上面に結合されたシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12の上面に結合されたカムシャフトホルダ13とを備えており、シリンダブロック11に形成したシリンダ14にピストン15が摺動自在に嵌合する。シリンダヘッド12には、シリンダ14毎に各2個の吸気ポート16,16および排気ポート17,17が形成されており、シリンダヘッド12の下面にピストン15の上面と対向するように形成され燃焼室18は吸気弁孔19,19を介して吸気ポート16,16に連通するとともに、排気弁孔20,20を介して排気ポート17,17に連通する。
【0016】
吸気弁孔19,19を開閉する吸気弁21,21はシリンダヘッド12に設けた弁ガイド22,22に摺動自在に案内され、吸気弁ばね23,23で閉弁方向に付勢される。排気弁孔20,20を開閉する排気弁24,24はシリンダヘッド12に設けた弁ガイド25,25に摺動自在に案内され、排気弁ばね26,26で閉弁方向に付勢される。カムシャフトホルダ13はシリンダヘッド12の長手方向に沿って配置された単一の部材であり、シリンダヘッド12の上面とカムシャフトホルダ13の下面との間に吸気・排気共用のカムシャフト27が支持される。カムシャフト27はクランクシャフトにタイミングチェーンを介して接続されており、クランクシャフトの2分の1の回転数で回転する。
【0017】
図2を併せて参照すると明らかなように、カムシャフト27の上方のカムシャフトホルダ13には吸気ロッカーアームシャフト28および排気ロッカーアームシャフト29が支持されており、吸気ロッカーアームシャフト28に第1吸気ロッカーアーム30および第2吸気ロッカーアーム31が隣接して配置されるとともに、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31の軸方向両側に第1、第2排気ロッカーアーム32,33が配置される。
【0018】
第1吸気ロッカーアーム30は中間部を吸気ロッカーアームシャフト28に支持されており、二股に分岐した一端部に一方の吸気弁21のステム21aに当接するアジャストボルト34と、球状の上面を有する保持ロッド受け部材35とが設けられ、また他端部にカムシャフト27に設けた吸気ハイカム36に当接するローラ37が支持される。第2吸気ロッカーアーム31は中間部を吸気ロッカーアームシャフト28に支持されており、一端部に他方の吸気弁21のステム21aに当接するアジャストボルト38が設けられ、また他端部にカムシャフト27に設けた吸気ローカム39に当接するスリッパ40が設けられる。吸気ハイカム36のカム山に比べて、吸気ローカム39のカム山の高さは低く設定されている。
【0019】
吸気ロッカーアームシャフト28を挟んでローラ37およびスリッパ40の反対側の第1、第2吸気ロッカーアーム30,31に、該第1、第2吸気ロッカーアーム30,31を一体に連結して一体に揺動させ、あるいは相互に分離して独立して揺動させるべく、連結・解除機構41が設けられる。
【0020】
連結・解除機構41は、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31に同軸に形成したピン孔30a,31aと、第1吸気ロッカーアーム30のピン孔30aに摺動自在に嵌合する第1ピン42と、第2吸気ロッカーアーム31のピン孔31aに摺動自在に嵌合する第2ピン43と、第1ピン42を第2ピン43に向けて付勢する戻しばね44と、第2ピン43の第1ピン42と反対側の端面に形成された油室45とを備えており、油室45は吸気ロッカーアームシャフト28の内部に形成した油路28aに、吸気ロッカーアームシャフト28および第2吸気ロッカーアーム31に形成した油孔28b,31bを介して常時連通する。
【0021】
従って、図示せぬ制御手段からの指令で吸気ロッカーアームシャフト28の油路28a、吸気ロッカーアームシャフト28の油孔28bおよび第2吸気ロッカーアーム31の油孔31bを介して油室45に油圧が供給されると、図2に示すように、戻しばね44の弾発力に抗して第1、第2ピン42,43が移動し、第2ピン43が両ピン孔30a,31aに跨がることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が連結されて一体に揺動可能になる。また油室45に供給される油圧を抜くと、戻しばね44の弾発力で第1、第2ピン42,43が押し戻され、第1、第2ピン42,43がそれぞれ第1、第2吸気ロッカーアーム30,31のピン孔30a,31aに収納されることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が分離されて独立して揺動可能になる。
【0022】
排気ロッカーアームシャフト29に揺動自在に支持された第1、第2排気ロッカーアーム32,33は、その一端側に設けたローラ46,47がカムシャフト27に設けた排気カム48,49に当接し、その他端側に設けたアジャストボルト50,51が排気弁24,24のステム24a,24aに当接する。また符号52は点火プラグ挿入筒であり、一対の排気弁24,24の間に設けられる。
【0023】
次に、吸気弁21,21の閉弁タイミングを遅延する吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の構造を説明する。
【0024】
吸気弁閉弁タイミング遅延装置61は、カムシャフトホルダ13に設けられるもので、4個のシリンダ14…に各々対応して電磁アクチュエータ機構62、ダンパー機構63およびアマチュア固定機構64を備える。各シリンダ14に対応する電磁アクチュエータ機構62、ダンパー機構63およびアマチュア固定機構64は全て同一構造であり、以下その一つを例にとって説明する。
【0025】
図3および図4から明らかなように、電磁アクチュエータ機構62は、第1端板65と、第2端板66と、重ね合わされた多数の第1積層板68…および多数の第2積層板69…よりなる2個のヨーク70,70とを備える。ヨーク70,70の第1積層板68…および第2積層板69…は左右対称な形状を有しており、それぞれ上面に開放するコイル収納溝68a,69aを備える。また第1端板65および第2端板66は、第1、第2積層板68…,69…のコイル収納溝68a,69aに連なるコイル収納溝65b,65c;66b,66cを備えており、ボビンに巻き付けられたコイル71が、第1、第2積層板68,69のコイル収納溝68a,69aおよび第1、第2端板65,66のコイル収納溝65b,65c;66b,66cに上方から嵌合し、更にその上部にコイル71と略同一形状のレアショート板72が配置される。磁束の成長を促進するためのレアショート板72は打ち抜き、鍛造、削りだし等で製作したむく材で構成されるが、それを積層板で構成すれば更に効果を高めることができる。
【0026】
概略長方形の枠状に形成されたレアショート板72は、その一部に形成されたスリット72aで切断されており、その上面が第1、第2端板65,66の上面および第1、第2積層板68…,69…の上面と面一になるように固定される。コイル71はコイル収納溝65b,65c;66b,66c;68a;69aに嵌合して樹脂で固着されるが、レアショート板72もコイル71と共に樹脂で固着される。左右のヨーク70,70間に、上端にアマチュア73を備えた保持ロッド74が摺動自在に支持される。概略長方形のアマチュア73は、その下面が第1、第2端板65,66および第1、第2積層板68…,69…の上面に対向する。
【0027】
ヨーク70,70の両端部にはそれぞれ上下一対の締結シャフト75…が配置されており、これら4本の締結シャフト75…が貫通することで第1、第2端板65,66および第1、第2積層板68…,69…が一体に締結される。
【0028】
図1から明らかなように、カムシャフトホルダ13にステー76を介してセンサ77が支持されており、このセンサ77でアマチュア73の上下位置が検出される。
【0029】
次に、図3、図5および図6に基づいて、電磁アクチュエータ機構62により開弁保持された吸気弁21,21の閉弁時の衝撃を吸収するダンパー機構63の構造を説明する。
【0030】
ダンパー機構63はカムシャフトホルダ13に片持ち状に支持されたシャフト78と、このシャフト78の先端に設けられた緩衝カム79と、シャフト78の外周に巻き付けられたコイル状の緩衝ばね80とを備える。緩衝ばね80の一端はカムシャフトホルダ13に係止され、他端は緩衝カム79の頂部(カム山が最も高い部分)に植設したピン81に係止される。緩衝カム79は第1吸気ロッカーアーム30にボルト82およびナット83で固定したスリッパ84に当接する。前記ボルト82の部分球状の頭部は前記保持ロッド受け部35を構成する。緩衝ばね80により回転する緩衝カム79で第1吸気ロッカーアーム30は下向き、つまり吸気弁21を開弁させる方向に付勢されるが、その弾発力は吸気弁21を閉弁させる方向に付勢する吸気弁ばね23の弾発力よりも弱く設定されている。
【0031】
このように、緩衝ばね80を緩衝カム79のシャフト78の外周に巻き付けたので、緩衝ばね80をコンパクトにレイアウトすることができる。また緩衝ばね80を緩衝カム79の頂部に設けたピン81に係止したので、シャフト78からピン81までのモーメントアームが長くなり、小型の緩衝ばね80で緩衝カム79に充分なトルクを付与することができる。
【0032】
次に、図3に基づいて、電磁アクチュエータ機構62の非作動時にアマチュア73を上昇位置に保持するアマチュア固定機構64,64の構造を説明する。
【0033】
カムシャフトホルダ13の上面の厚肉部の内部に、各シリンダ14に対応して一対のアマチュア固定機構64,64が配置される。各々のアマチュア固定機構64は、カムシャフトホルダ13に形成されたシリンダ96と、それに摺動自在に嵌合するピストン97と、ピストン97を上向きに付勢する戻しばね98と、ピストン97の上面に形成された油室99と、ピストン97の上面から上向きに突出してアマチュア73の突起73aの下面に当接可能なアマチュア係止部材100とを備える。アマチュア係止部材100はカムシャフトホルダ13を貫通して上方に突出する
吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の非作動時に、図3に示すようにアマチュア固定機構64,64の油室99,99の油圧は抜かれており、戻しばね98,98の弾発力でアマチュア係止部材100,100が上昇してアマチュア73の突起73a,73aを押し上げた位置に保持するため、第1吸気ロッカーアーム30の揺動に伴って保持ロッド74がアマチュア73と共に不要な上下動をするのが防止される。
【0034】
これにより、保持ロッド74およびアマチュア73の慣性重量や摺動抵抗が第1吸気ロッカーアーム30のスムーズな揺動を阻害することが防止され、また吸気第1ロッカーアーム30の揺動に保持ロッド74の昇降が追従できないエンジンEの高速運転時に、保持ロッド74の下端が第1吸気ロッカーアーム30の保持ロッド受け部材35から離間したり衝突したりして騒音の発生や耐久性の低下の原因となることが防止される。
【0035】
一方、吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の作動時には、図7に示すように、アマチュア固定機構64,64の油室99,99に油圧が供給され、戻しばね98,98の弾発力に抗してアマチュア係止部材100,100が下降する。その結果、アマチュア係止部材100,100がアマチュア73から下方に離間し、アマチュア73および保持ロッド74は自由に昇降できる状態となる。
【0036】
保持ロッド74を挟んで対称的に配置した一対のアマチュア固定機構64,64のアマチュア係止部材100,100でアマチュア73の一対の突起73a,73aを固定するので、アマチュア73の傾きや保持ロッド74のコジリを確実に阻止することができる。
【0037】
次に、上記構成を備えた実施例の作用を説明する。
【0038】
図2において、エンジンEの低速運転領域で吸気弁21,21の動弁系に設けた連結・解除機構41の油室45の油圧を抜くと、戻しばね44の弾発力で第1、第2ピン42,43が押し戻され、第1、第2ピン42,43がそれぞれ第1、第2吸気ロッカーアーム30,31のピン孔30a,31aに収納されることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が分離されて独立して揺動可能になる。その結果、カム山が高い吸気ハイカム36にローラ37を当接させた第1吸気ロッカーアーム30は大きく揺動して一方の吸気弁21を大きなリフト量で開閉する一方、カム山が低い吸気ローカム39にスリッパ40を当接させた第2吸気ロッカーアーム31は小さく揺動して他方の吸気弁21を小さなリフト量で開閉することで、燃焼室18内に吸気スワールを発生させて混合気の燃焼効率を高めることができる。
【0039】
エンジンEの中・高速運転領域で連結・解除機構41の油室45に油圧を供給すると、図2に示すように、戻しばね44の弾発力に抗して第1、第2ピン42,43が移動し、第2ピン43が両ピン孔30a,31aに跨がることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が連結されて一体に揺動可能になる。その結果、カム山が高い吸気ハイカム36にローラ37を当接させた第1吸気ロッカーアーム30と一体に第2吸気ロッカーアーム31が大きく揺動し、両方の吸気弁21,21が大きなリフト量で開閉してエンジンEの出力が増加する。
【0040】
吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の非作動時、つまり電磁アクチュエータ機構62のコイル71への通電が行われないとき、図1に示すようにアマチュア固定機構64,64の油室99,99の油圧は抜かれており、戻しばね98,98の弾発力でアマチュア係止部材100,100が上昇して突起73a,73aに係合することでアマチュア73を押し上げるため、第1吸気ロッカーアーム30の揺動に伴って保持ロッド74がアマチュア73と共に不要な上下動をするのが防止される。これにより、保持ロッド74およびアマチュア73の慣性重量や摺動抵抗が第1吸気ロッカーアーム30のスムーズな揺動を阻害することが防止され、吸気弁21のスムーズな開閉が可能になる。
【0041】
一方、吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の作動時、つまり電磁アクチュエータ機構62のコイル71への通電が行われるとき、図7に示すようにアマチュア固定機構64,64の油室99,99に油圧が供給され、戻しばね98,98の弾発力に抗してアマチュア係止部材100,100が下降する。その結果、アマチュア係止部材100,100がアマチュア73の突起73a,73aから下方に離間し、アマチュア73および保持ロッド74は自由に昇降できる状態となる。
【0042】
しかして、第1吸気ロッカーアーム30が吸気弁21のステム21aを押し下げて該吸気弁21のリフト量が最大になるのにタイミングを合わせて電磁アクチュエータ機構62のコイル71を励磁すると、ヨーク70,70にアマチュア73が吸引されることで保持ロッド74が下降し、その下端が保持ロッド受け部材35を下方に押圧する。すると、第1吸気ロッカーアーム30が揺動し、その一端側のアジャストボルト34が吸気弁21のステム21aを押圧して該吸気弁21を開弁させたままの状態に保持する。このとき、第1吸気ロッカーアーム30の他端側のローラ37はカムシャフト27の吸気ハイカム36から離間して空転する。
【0043】
所定時間の経過後にコイル71を消磁すると、吸気弁ばね23の弾発力で吸気弁21が閉弁位置に上昇し、第1吸気ロッカーアーム30が逆方向に揺動してローラ37が吸気ハイカム36に当接するとともに、保持ロッド受け部材35に下端を押し上げられた保持ロッド74と共にアマチュア73が上昇してヨーク70,70の上面から離間する。このように、電磁アクチュエータ機構62のコイル71を所定のタイミングで励磁および消磁することにより、吸気弁21の閉弁時期を任意の長さだけ遅延させることができ、ポンピングロスの低減による燃料消費の低減を図ることができる。図9には、エンジンEの回転数が650rpmの場合および3000rpmの場合について、吸気弁21の遅閉じ制御によるバルブリフト量の変化が示される。
【0044】
尚、電磁アクチュエータ機構62の作動時に、連結・解除機構41で第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が一体に結合されていれば、2個の吸気弁21,21の閉弁タイミングを共に遅延させることができる。また連結・解除機構41で第1、第2吸気ロッカーアーム30,31を分離していれば、第1吸気ロッカーアーム30側の吸気弁21の閉弁タイミングだけが遅延し、第2吸気ロッカーアーム30側の吸気弁21は吸気ローカム39のプロフィールに応じたバルブリフト量で開閉する。
【0045】
さて、吸気弁21の開弁保持を解除すべくコイル71の励磁状態から消磁状態に切り換えると、吸気弁ばね23の弾発力で吸気弁21が閉弁する。このとき、吸気弁21が吸気弁孔19に衝撃的に着座するのを防止するためにダンパー機構63が作用する。
【0046】
即ち、吸気弁21が閉弁状態(図5参照)から開弁状態(図8参照)にリフトすると、反時計方向に揺動する第1吸気ロッカーアーム30のスリッパ84に追従して、緩衝ばね80の弾発力で緩衝カム79が図5の位置から図8の位置に時計方向に回転する。この状態から吸気弁21の開弁保持を解除すると、吸気弁ばね23の弾発力で吸気弁21が急激に閉弁しようとするが、緩衝ばね80の弾発力で付勢された緩衝カム79および第1吸気ロッカーアーム30が、吸気弁21の閉弁に抵抗することで、吸気弁21はゆっくりと吸気弁孔19に着座して着座騒音の発生が防止される。
【0047】
このように、吸気弁21の急激な閉弁を緩衝ばね80で機械的に付勢された緩衝カム79で緩衝するので、従来の油圧ダンパー機構に特有の応答性の低下を排除して、エンジンEの高速運転時にも確実な着座緩衝を行うことができる。また緩衝カム79はシャフト78まわりに回転して緩衝力を発生するので、吸気弁21の開閉方向に往復移動して緩衝力を発生するものに比べて、ダンパー機構63をコンパクト化することができる。
【0048】
以上、吸気弁21,21の動弁作用について説明したが、排気弁24,24の動弁作用は従来のものと同様である。即ち、図2において、カムシャフト27に設けた排気カム48,49にローラ46,47を当接させた第1、第2排気ロッカーアーム32,33が排気ロッカーアームシャフト29まわりに揺動することで、それら第1、第2排気ロッカーアーム32,33に設けたアジャストボルト50,51にステム24a,24aを当接させた排気弁24,24が開閉駆動される。
【0049】
次に、図10〜図12に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0050】
上述した第1実施例の吸気弁閉弁タイミング遅延装置61は電磁アクチュエータ機構62で吸気弁21を開弁位置に保持していたが、第2実施例の吸気弁閉弁タイミング遅延装置61はカムシャフトホルダ13の上面に設けたトルクモータよりなるモータ86で吸気弁21を開弁位置に保持するようになっている。
【0051】
即ち、モータ86の出力軸86aに設けたドラム87に一端を巻き付けられたワイヤー88がカムシャフトホルダ13の開口13aを通過し、緩衝カム79を支持するシャフト78に外周にボルト89で係止される。緩衝カム79は、第1実施例と同様に、緩衝ばね80の弾発力で吸気弁21の閉弁を阻止する方向に付勢される。
【0052】
従って、図12に示すように、吸気弁21が開弁したときにモータ86を駆動してワイヤー88を強く牽引し、緩衝カム79を反時計方向に付勢することで吸気弁21を開弁状態に保持することができる。つまり、モータ86およびワイヤー88は第1実施例の電磁アクチュエータ機構62と同じ機能を発揮する。吸気弁21を閉弁すべくモータ86への通電を解除すると、吸気弁ばね23の弾発力で吸気弁21が急激に閉弁しようとするが、第1実施例と同様に、緩衝ばね80で付勢された緩衝カム79が吸気弁21の閉弁に抵抗することで、吸気弁21をゆっくりと着座させて着座騒音を低減することができる。
【0053】
この吸気弁21の閉弁時にモータ86への通電を一挙に解除せずに所定のトルクを発生させ続けると、緩衝ばね80による緩衝カム79の付勢をモータ86のトルクでアシストすることができるため、緩衝ばね80を小型化しても充分な着座緩衝機能を発揮させることができる。またモータ86とシャフト78とはワイヤー88で接続されているため、モータ86を配置する位置を容易に選択することが可能になって設計自由度が増加する。しかもモータ86およびワイヤー88よりなる吸気弁閉弁タイミング遅延装置61を、吸気弁21の着座を緩衝するダンパー機構63に兼用できるので、部品点数の削減に寄与することができる。
【0054】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0055】
例えば、本発明はクランクシャフトを鉛直方向に配置した船外機のような船舶推進用エンジンに対しても適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、弁ばねで閉弁方向に付勢された弁の着座を緩衝すべく、緩衝機構が、緩衝ばねで機械的に付勢された緩衝カムで弁を着座方向と逆方向に付勢するので、従来の油圧ダンパー機構に特有の応答性の低下を排除して、エンジンの高速運転時にも確実な着座緩衝を行うことができる。しかも緩衝カムはシャフトまわりに往復回転して緩衝力を発生するので、弁の開閉方向に往復移動して緩衝力を発生するものに比べて、ダンパー機構をコンパクト化することができる。
【0057】
また請求項2に記載された発明によれば、コイルばねで構成した緩衝ばねを緩衝カムのシャフトの外周に巻き付けたので、緩衝ばねをコンパクトにレイアウトすることができ、しかも緩衝ばねの他端を緩衝カムの頂部に設けたピンに係止したので、シャフトからピンまでのモーメントアームを最大限に確保し、小型の緩衝ばねで緩衝カムに充分なトルクを付与することができる。
【0058】
また請求項3に記載された発明によれば、モータにより巻き取られるワイヤーで緩衝カムを緩衝ばねと同方向に付勢するので、ワイヤーの張力で干渉カムおよび弁駆動部材を拘束して弁を開弁位置に保持することができる。しかもワイヤーの張力で緩衝ばねの付勢力をアシストすることにより、緩衝ばねを小型化しても確実な着座緩衝を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンのシリンダヘッド部の断面図(図2の1−1線断面図)
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3部拡大図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図1の要部を紙面の裏側から見た図
【図6】図5の6−6線矢視図
【図7】前記図1に対応する作用説明図
【図8】図7の要部を紙面の裏側から見た図
【図9】吸気弁の遅閉じ制御によるバルブリフト量の変化を示すグラフである。
【図10】本発明の第2実施例に係る、前記図5に対応する図
【図11】図10の11−11線矢視図
【図12】前記図10に対応する作用説明図
【符号の説明】
13 カムシャフトホルダ(エンジン本体)
21 吸気弁(弁)
23 吸気弁ばね(弁ばね)
30 第1吸気ロッカーアーム(弁駆動部材)
36 吸気ハイカム(動弁カム)
61 吸気弁閉弁タイミング遅延装置(閉弁遅延機構)
63 ダンパー機構
78 シャフト
79 緩衝カム
80 緩衝ばね
81 ピン
86 モータ
88 ワイヤー

Claims (3)

  1. 動弁カム(36)により弁駆動部材(30)を介して開閉駆動される弁(21)を開弁状態に保持する閉弁遅延機構(61)と、閉弁遅延機構(61)による保持を解除されて弁ばね(23)の弾発力で閉弁する弁(21)の着座を緩衝するダンパー機構(63)とを備えたエンジンの動弁装置において、
    ダンパー機構(63)は、エンジン本体(13)にシャフト(78)を介して回転自在に支持されて弁駆動部材(30)に当接する緩衝カム(79)と、緩衝カム(79)を弁(21)の着座方向と逆方向に付勢する緩衝ばね(80)とを備えたことを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. 緩衝ばね(80)は緩衝カム(79)のシャフト(78)の外周に巻き付けられたコイルばねであり、その緩衝ばね(80)の一端がエンジン本体(13)に係止されて他端が緩衝カム(79)の頂部に設けたピン(81)に係止されたことを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  3. 閉弁遅延機構(61)は、モータ(86)により巻き取られるワイヤー(88)で緩衝カム(79)を緩衝ばね(80)の付勢方向と同方向に付勢することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
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