JP2005002292A - 酸化重合型インキ用乾燥助剤及びそれを含有する酸化重合型インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化重合により皮膜を形成する平版印刷インキに対し、印刷物が棒積みされた状態における印刷物の乾燥不良による印刷機等のトラブルを防ぎ、かつ環境に配慮した酸化重合型インキを提供すること。
【解決手段】過炭酸塩を含有する酸化重合型インキの乾燥助剤、及び当該乾燥助剤を含有する酸化重合型インキ組成物の提供。
【効果】本発明が提供する乾燥助剤を用いた酸化重合型印刷インキは、印刷物が棒積みされた状態にあっても良好な乾燥適性を示し、かつ、従来の乾燥助剤のように環境負荷を及ぼす物質を発生せしめることもない。
【解決手段】過炭酸塩を含有する酸化重合型インキの乾燥助剤、及び当該乾燥助剤を含有する酸化重合型インキ組成物の提供。
【効果】本発明が提供する乾燥助剤を用いた酸化重合型印刷インキは、印刷物が棒積みされた状態にあっても良好な乾燥適性を示し、かつ、従来の乾燥助剤のように環境負荷を及ぼす物質を発生せしめることもない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷インキの乾燥促進剤に関し、更に詳しくいえば、酸化重合により皮膜を形成する平版印刷インキに対し有効な印刷インキ用乾燥助剤及び該乾燥助剤を含有する平版印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキは、一般に顔料等の色材、ビヒクル、溶剤、各種助剤より構成される。その中のインキビヒクル成分として通常分子中に二重結合を持つ乾性油や、乾性油を加工した重合乾性油が用いられており、それらの二重結合が空気中の酸素を利用しラジカル重合する事により、強固な酸化皮膜が形成される。これらの酸化反応の反応促進触媒として、従来は、オクチル酸、ナフテン酸等のコバルト塩、マンガン塩、亜鉛塩等を使用してきた。
【0003】
一方、上記の乾燥促進剤は、空気中の酸素の手助けが充分でないと、乾性油の乾燥固化を充分に行なうことができず、特に印刷直後、印刷機デリバリー部で印刷物が棒積みされ空気が遮断された状態であると、乾燥不良等のトラブルを引き起こす可能性がある。
【0004】
乾燥不良のトラブルを防ぐ為に、印刷インキメーカーは、インキ中の上記乾燥助剤の添加量の増量や、乾燥抑制剤の添加量を減量することによって対応を図ってきたが、酸素が遮断された状態では乾燥性向上の効果は十分ではなく、更には、上記乾燥助剤の増量により、インキ製造時における3本ロールによる練肉中、及びインキ缶中や印刷機のインキ壷又は練りローラー上、版・ブランケット上等インキが固化する必要のない場面においても、インキが空気中の酸素と接触した時にインキの皮膜形成を促進する負の効果があった。
【0005】
上記問題を解決する為に、水と反応して酸素を発生させる過ホウ酸塩の添加法があるが(先行文献1参照)、ホウ素及びその化合物は水質汚濁防止法や土壌汚染対策法の該当物質であり、印刷インキ業界の昨今の環境対応インキへの取り組みを考慮すると、環境への配慮が十分ではなかったと言える。
【0006】
【先行文献1】
特開平5−239393号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、且つ環境に配慮した酸化重合型インキの乾燥助剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、過炭酸塩を含有する酸化重合型インキの乾燥助剤に関する。
また、本発明は、過炭酸塩が過炭酸ナトリウムである酸化重合型インキの乾燥助剤に関する。
さらに本発明は、上記記載の乾燥助剤を含有する酸化重合型インキ組成物に関する。
【0009】
本発明で使用する乾燥助剤は、過炭酸塩からなり、完全に空気が遮断された場合であっても、印刷工程中に湿し水と乳化されたインキ中の水分により分解され、系内に酸素を発生させることが可能である。分解により酸素以外に系内に発生するのは、炭酸塩、及び水であり、環境に負荷のない物質であることは言うまでもない。併せて、従来より使用されている反応促進触媒である、オクチル酸、ナフテン酸等のコバルト塩、マンガン塩、亜鉛塩等を用いることにより、インキ中に含まれる乾性油や、乾性油を加工した重合乾性油の二重結合をラジカル重合させることが可能であり、強固な酸化皮膜が形成される。本発明で使用する過炭酸塩は、炭酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と過酸化水素とを反応してなる炭酸塩の過酸化水素付加物である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウム等あげられるが、製造が容易である点、貯蔵安定性、経済性等の観点からナトリウム塩を使用した過炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
【0010】
本発明の乾燥助剤は、種々の印刷インキ、特に乾性油に代表される植物油を含む酸化重合型平版印刷インキに有用である。特に、植物油を多く含み、紙上でインキ中の溶剤のセットによる擬似乾燥が劣るインキや、プラスチック等の非吸収原反に使用する合成紙用インキに有用である。
【0011】
本発明の乾燥助剤の印刷インキ組成物への添加方法には特に制限はなく、インキベース製造時に混合して用いる方法、あるいはベースからインキ組成物を製造する際に添加する方法、ビヒクル成分等に分散させコンパウンド化した乾燥助剤をインキ製造後に後添加する方法のいずれでも行うことができる。
本発明の乾燥助剤の使用量は、印刷インキ組成物中に、過炭酸塩として0.01〜10%、好ましくは印刷適正の面から0.05〜2%の範囲である。
【0012】
本発明の乾燥助剤をコンパウンド化する為に分散させる成分としては、ロジン変性フェノール樹脂や石油樹脂等を高沸点石油系溶剤等に溶解したビヒクルや流動性のあるアルキッド樹脂があげられる。あるいは高沸点石油系溶剤、乾性油等に直接分散させることも可能である。
過炭酸塩をビヒクル成分またはアルキッド樹脂に10〜70%、好ましくは20〜50%になるように添加し、粒度が10ミクロン以下、好ましくは7.5ミクロン以下になるように分散させコンパウンドとする。分散性が充分でなければ、必要に応じて高沸点石油系溶剤、または、乾性油等を添加する。
【0013】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の記述において「部」は重量部を示す。
【0014】
(過炭酸ナトリウムコンパウンドの調整)炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物(三菱ガス化学(株)製)30部をアルキッド樹脂45部と植物油25部の混合物に添加し、3本ロールにて練肉し、粒度が7.5ミクロン以下になるよう分散させ過炭酸ナトリウムコンパウンドを得た。
(ベースインキの調整)カーボンブラック(三菱化学製)18部、ロジン変性フェノール樹脂ワニス60部、植物油3部を3本ロールで練肉した後、アルキッド樹脂10部、耐摩擦剤9部添加、混合攪拌しベースインキを得た。
【0015】
(実施例1)ベースインキ93.5部に、上記で得られた過炭酸ナトリウムコンパウンド2部とナフテン酸マンガンドライヤー及びナフテン酸コバルトドライヤー計4.5部を加え、混合攪拌することにより実施例1のインキを調整した。(比較例1)上記で得られたベースインキ95.5部に、ナフテン酸マンガンドライヤー及びナフテン酸コバルトドライヤー計4.5部を加え混合攪拌することにより、過炭酸ナトリウムコンパウンドを含まない比較例1のインキを調整した。
(比較例2)上記で得られたベースインキをドライヤーを含まない比較例2のインキとした。
以下にインキの評価方法及び評価結果を表1に示した。
(紙上乾燥性)RIテスター、6分割ロールにて、インキ0.05ml/分割をロール上で練りのばしながら精製水0.5mlを滴下し、ロール上で過剰乳化させる。乳化インキを合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に展色し、朝陽会型乾燥試験機にて温度25℃、相対湿度50%の条件下で乾燥時間を測定。
(棒積み乾燥性)RIテスター、6分割ロールにて、インキ0.05ml/分割をロール上で練りのばしながら精製水0.5mlを滴下し、ロール上で過剰乳化させる。乳化インキを合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に展色後、すぐに展色刷りの上下を他の合成紙5枚で挟み、更に厚手の冊子で挟み印刷後の棒積みを仮定した状態を作る。一定時間ごとに展色刷りを取りだし、指頭にて乾燥状態を確認。
(機上乾燥性)インキをアプリケーターを用いてガラス板上に75ミクロンの厚さに均一にのばし、温度40℃、相対湿度50%のオーブンに静置して指頭にてインキ膜の乾燥時間を測定。
実施例及び比較例の印刷インキ組成物を用い、三菱重工業製枚葉印刷機にて合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に印刷試験を行った結果を表2に示す。評価項目は以下の通り。
(乾燥性)3000枚フル棒積みさせた印刷物を一晩放置させた翌日、内部の印刷物の乾燥状態を指頭にて確認。
(裏付き)3000枚フル棒積みさせた一晩放置させた翌日、印刷物の状態を目視にて評価。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
朝陽会型乾燥試験機を用いて紙上乾燥を評価する方法では、展色刷り1枚を試験機にセットして評価を実施する為、インキ中の植物油がラジカル重合するのに必要な酸素があらゆる方向から供給されてしまう為、比較例1の過炭酸ナトリウムコンパウンドを含まないインキでも実施例1のインキと同様の時間で乾燥してしまう。それに対し、空気を限りなく遮断した状態で評価する棒積み乾燥試験では、比較例1の乾燥性は遅延化し、ドライヤーを全く含まない比較例2に近づいてゆく。実際の枚葉印刷機を用いた印刷試験でも同様に、比較例1及び2は棒積み1日後の乾燥性、裏付きが不充分であることが分かる。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する乾燥助剤を用いた酸化重合型印刷インキは、印刷物が棒積みされた状態にあっても良好な乾燥適性を示し、かつ、従来の乾燥助剤のように環境負荷を及ぼす物質を発生せしめることもない。
【産業上の利用分野】本発明は、印刷インキの乾燥促進剤に関し、更に詳しくいえば、酸化重合により皮膜を形成する平版印刷インキに対し有効な印刷インキ用乾燥助剤及び該乾燥助剤を含有する平版印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキは、一般に顔料等の色材、ビヒクル、溶剤、各種助剤より構成される。その中のインキビヒクル成分として通常分子中に二重結合を持つ乾性油や、乾性油を加工した重合乾性油が用いられており、それらの二重結合が空気中の酸素を利用しラジカル重合する事により、強固な酸化皮膜が形成される。これらの酸化反応の反応促進触媒として、従来は、オクチル酸、ナフテン酸等のコバルト塩、マンガン塩、亜鉛塩等を使用してきた。
【0003】
一方、上記の乾燥促進剤は、空気中の酸素の手助けが充分でないと、乾性油の乾燥固化を充分に行なうことができず、特に印刷直後、印刷機デリバリー部で印刷物が棒積みされ空気が遮断された状態であると、乾燥不良等のトラブルを引き起こす可能性がある。
【0004】
乾燥不良のトラブルを防ぐ為に、印刷インキメーカーは、インキ中の上記乾燥助剤の添加量の増量や、乾燥抑制剤の添加量を減量することによって対応を図ってきたが、酸素が遮断された状態では乾燥性向上の効果は十分ではなく、更には、上記乾燥助剤の増量により、インキ製造時における3本ロールによる練肉中、及びインキ缶中や印刷機のインキ壷又は練りローラー上、版・ブランケット上等インキが固化する必要のない場面においても、インキが空気中の酸素と接触した時にインキの皮膜形成を促進する負の効果があった。
【0005】
上記問題を解決する為に、水と反応して酸素を発生させる過ホウ酸塩の添加法があるが(先行文献1参照)、ホウ素及びその化合物は水質汚濁防止法や土壌汚染対策法の該当物質であり、印刷インキ業界の昨今の環境対応インキへの取り組みを考慮すると、環境への配慮が十分ではなかったと言える。
【0006】
【先行文献1】
特開平5−239393号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、且つ環境に配慮した酸化重合型インキの乾燥助剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、過炭酸塩を含有する酸化重合型インキの乾燥助剤に関する。
また、本発明は、過炭酸塩が過炭酸ナトリウムである酸化重合型インキの乾燥助剤に関する。
さらに本発明は、上記記載の乾燥助剤を含有する酸化重合型インキ組成物に関する。
【0009】
本発明で使用する乾燥助剤は、過炭酸塩からなり、完全に空気が遮断された場合であっても、印刷工程中に湿し水と乳化されたインキ中の水分により分解され、系内に酸素を発生させることが可能である。分解により酸素以外に系内に発生するのは、炭酸塩、及び水であり、環境に負荷のない物質であることは言うまでもない。併せて、従来より使用されている反応促進触媒である、オクチル酸、ナフテン酸等のコバルト塩、マンガン塩、亜鉛塩等を用いることにより、インキ中に含まれる乾性油や、乾性油を加工した重合乾性油の二重結合をラジカル重合させることが可能であり、強固な酸化皮膜が形成される。本発明で使用する過炭酸塩は、炭酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と過酸化水素とを反応してなる炭酸塩の過酸化水素付加物である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウム等あげられるが、製造が容易である点、貯蔵安定性、経済性等の観点からナトリウム塩を使用した過炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
【0010】
本発明の乾燥助剤は、種々の印刷インキ、特に乾性油に代表される植物油を含む酸化重合型平版印刷インキに有用である。特に、植物油を多く含み、紙上でインキ中の溶剤のセットによる擬似乾燥が劣るインキや、プラスチック等の非吸収原反に使用する合成紙用インキに有用である。
【0011】
本発明の乾燥助剤の印刷インキ組成物への添加方法には特に制限はなく、インキベース製造時に混合して用いる方法、あるいはベースからインキ組成物を製造する際に添加する方法、ビヒクル成分等に分散させコンパウンド化した乾燥助剤をインキ製造後に後添加する方法のいずれでも行うことができる。
本発明の乾燥助剤の使用量は、印刷インキ組成物中に、過炭酸塩として0.01〜10%、好ましくは印刷適正の面から0.05〜2%の範囲である。
【0012】
本発明の乾燥助剤をコンパウンド化する為に分散させる成分としては、ロジン変性フェノール樹脂や石油樹脂等を高沸点石油系溶剤等に溶解したビヒクルや流動性のあるアルキッド樹脂があげられる。あるいは高沸点石油系溶剤、乾性油等に直接分散させることも可能である。
過炭酸塩をビヒクル成分またはアルキッド樹脂に10〜70%、好ましくは20〜50%になるように添加し、粒度が10ミクロン以下、好ましくは7.5ミクロン以下になるように分散させコンパウンドとする。分散性が充分でなければ、必要に応じて高沸点石油系溶剤、または、乾性油等を添加する。
【0013】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の記述において「部」は重量部を示す。
【0014】
(過炭酸ナトリウムコンパウンドの調整)炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物(三菱ガス化学(株)製)30部をアルキッド樹脂45部と植物油25部の混合物に添加し、3本ロールにて練肉し、粒度が7.5ミクロン以下になるよう分散させ過炭酸ナトリウムコンパウンドを得た。
(ベースインキの調整)カーボンブラック(三菱化学製)18部、ロジン変性フェノール樹脂ワニス60部、植物油3部を3本ロールで練肉した後、アルキッド樹脂10部、耐摩擦剤9部添加、混合攪拌しベースインキを得た。
【0015】
(実施例1)ベースインキ93.5部に、上記で得られた過炭酸ナトリウムコンパウンド2部とナフテン酸マンガンドライヤー及びナフテン酸コバルトドライヤー計4.5部を加え、混合攪拌することにより実施例1のインキを調整した。(比較例1)上記で得られたベースインキ95.5部に、ナフテン酸マンガンドライヤー及びナフテン酸コバルトドライヤー計4.5部を加え混合攪拌することにより、過炭酸ナトリウムコンパウンドを含まない比較例1のインキを調整した。
(比較例2)上記で得られたベースインキをドライヤーを含まない比較例2のインキとした。
以下にインキの評価方法及び評価結果を表1に示した。
(紙上乾燥性)RIテスター、6分割ロールにて、インキ0.05ml/分割をロール上で練りのばしながら精製水0.5mlを滴下し、ロール上で過剰乳化させる。乳化インキを合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に展色し、朝陽会型乾燥試験機にて温度25℃、相対湿度50%の条件下で乾燥時間を測定。
(棒積み乾燥性)RIテスター、6分割ロールにて、インキ0.05ml/分割をロール上で練りのばしながら精製水0.5mlを滴下し、ロール上で過剰乳化させる。乳化インキを合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に展色後、すぐに展色刷りの上下を他の合成紙5枚で挟み、更に厚手の冊子で挟み印刷後の棒積みを仮定した状態を作る。一定時間ごとに展色刷りを取りだし、指頭にて乾燥状態を確認。
(機上乾燥性)インキをアプリケーターを用いてガラス板上に75ミクロンの厚さに均一にのばし、温度40℃、相対湿度50%のオーブンに静置して指頭にてインキ膜の乾燥時間を測定。
実施例及び比較例の印刷インキ組成物を用い、三菱重工業製枚葉印刷機にて合成紙(株式会社ユポ・コーポレーション社製FGS−130)に印刷試験を行った結果を表2に示す。評価項目は以下の通り。
(乾燥性)3000枚フル棒積みさせた印刷物を一晩放置させた翌日、内部の印刷物の乾燥状態を指頭にて確認。
(裏付き)3000枚フル棒積みさせた一晩放置させた翌日、印刷物の状態を目視にて評価。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
朝陽会型乾燥試験機を用いて紙上乾燥を評価する方法では、展色刷り1枚を試験機にセットして評価を実施する為、インキ中の植物油がラジカル重合するのに必要な酸素があらゆる方向から供給されてしまう為、比較例1の過炭酸ナトリウムコンパウンドを含まないインキでも実施例1のインキと同様の時間で乾燥してしまう。それに対し、空気を限りなく遮断した状態で評価する棒積み乾燥試験では、比較例1の乾燥性は遅延化し、ドライヤーを全く含まない比較例2に近づいてゆく。実際の枚葉印刷機を用いた印刷試験でも同様に、比較例1及び2は棒積み1日後の乾燥性、裏付きが不充分であることが分かる。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する乾燥助剤を用いた酸化重合型印刷インキは、印刷物が棒積みされた状態にあっても良好な乾燥適性を示し、かつ、従来の乾燥助剤のように環境負荷を及ぼす物質を発生せしめることもない。
Claims (3)
- 過炭酸塩を含有する酸化重合型インキの乾燥助剤。
- 過炭酸塩が過炭酸ナトリウムである請求項1記載の乾燥助剤。
- 請求項1または2いずれか記載の乾燥助剤を含有する酸化重合型インキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170206A JP2005002292A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 酸化重合型インキ用乾燥助剤及びそれを含有する酸化重合型インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170206A JP2005002292A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 酸化重合型インキ用乾燥助剤及びそれを含有する酸化重合型インキ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002292A true JP2005002292A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34095073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003170206A Withdrawn JP2005002292A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 酸化重合型インキ用乾燥助剤及びそれを含有する酸化重合型インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005002292A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10465035B2 (en) | 2013-03-06 | 2019-11-05 | Ege Kimya Sanayi Ve Ticaret A.S. | Cobalt and manganese based urethanized polymers for air drying polymer-based coatings, paints and inks |
US10954333B2 (en) | 2015-11-13 | 2021-03-23 | Ege Kimya Sanayi Ve Tic Aret A.S. | Metal-bearing urethanized polymer soluble in a low-volatile organic compound solvent |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170206A patent/JP2005002292A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10465035B2 (en) | 2013-03-06 | 2019-11-05 | Ege Kimya Sanayi Ve Ticaret A.S. | Cobalt and manganese based urethanized polymers for air drying polymer-based coatings, paints and inks |
US10954333B2 (en) | 2015-11-13 | 2021-03-23 | Ege Kimya Sanayi Ve Tic Aret A.S. | Metal-bearing urethanized polymer soluble in a low-volatile organic compound solvent |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060517 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090225 |