JP2005002050A - 美白剤及びこれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な美白剤及び美白効果に優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】キク科(Compositae)植物より抽出されるゲルマクラン(germacrane)骨格を有するセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)のうち、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinの一種または二種以上からなるものとする。
【選択図】 なし
【解決手段】キク科(Compositae)植物より抽出されるゲルマクラン(germacrane)骨格を有するセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)のうち、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinの一種または二種以上からなるものとする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な美白剤に関し、さらに詳しくは、メラニン生成抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の予防および改善に有効な優れた美白作用を有する美白剤及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の色素異常には、しみやそばかすなど美容上のものから、肝斑や雀卵斑等の皮膚病に見られるものまで様々なものがある。これらの色素異常の作用機序には不明な点が多いが、一般的にはホルモンの異常や、日光からの紫外線等が刺激となってメラニン色素が形成され、これが皮膚内に異常沈着するものと考えられている。
【0003】
このメラニン色素は、表皮の一番下の基底層に存在するメラニン細胞(メラノサイト)内のメラニン生成顆粒(メラノソーム)において産生され、生成したメラニンは隣接細胞へ拡散する。このメラノサイト内における生化学反応は、次のように考えられている。
【0004】
すなわち、必須アミノ酸であるチロシンが酵素チロシナーゼの作用によりドーパキノンになり、これが酵素的又は非酵素的酸化作用により、赤色色素及び無色色素を経て黒色のメラニンへ変化する過程がメラニン色素の生成過程である。
したがって、反応の第一段階であるチロシナーゼの作用を抑制することが、メラニン色素産生の抑制に重要である。
【0005】
上記のような色素異常の予防・改善は、治療を目的として美白作用物質、即ちメラニン生成抑制物質が用いられており、例えば、ビタミンCを大量に経口投与する方法、グルタチオン等を注射する方法、あるいは、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体、システイン等を軟膏、クリーム、ローション等の形態で局所に塗布する方法などがとられている。また、植物抽出物から得られた美白剤も種々のものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3263246号公報
【特許文献2】
特許第3354031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこれらの方法では、必ずしも充分な効果が得られていないのが実情である。
【0008】
一方、欧米では、メラニン生成抑制剤であるハイドロキノン及びその誘導体が色素斑の脱色を目的として美白剤又は医薬品として広く用いられている。
しかしながら、ハイドロキノン誘導体は、効果の発現が極めて緩慢であり、その美白効果は必ずしも充分とは言えない場合がある。また、ハイドロキノン自体には美白効果が一応認められてはいるものの、安全性で問題があるために使用制限がなされている。
このハイドロキノンの副作用を軽減し、且つ、美白効果に優れた誘導体が検討されているが、未だ、充分な効果と安全性を兼ね備えたものは得られていない。
【0009】
本発明者らは上述の事情に鑑み、美白効果に優れ、安全性の高い美白剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物がハイドロキノン以上に美白効果を発揮することを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記化学式(1)〜(15)で表される一種または二種以上の化合物からなることを特徴とする美白剤である。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
さらに、本発明は、前記の美白剤を配合することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いる化合物(1)〜(15)はゲルマクラン(germacrane)骨格を有するセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)、即ち、ゲルマクラノリド(germacranolide)と総称される化合物群に属しており、具体的には、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinと称されているものである。
【0015】
しかしながら、化合物(1)〜(15)が美白効果を有することはこれまでに知られておらず、本発明者が初めて見出したものである。
【0016】
本発明に用いられるこれらの化合物は、例えば、Phytochemistry,1982,Vol.21,No.5,p1175−1177、Phytochemistry1986,Vol 25,No.4,p899−904、Phytochemistry,1987,Vol.26,No.4,p1065−1068、Phytochemistry,1987,Vol.26,No.5,p1467−1469、Phytochemistry,1997,Vol 44,No.1,p113−116、Journal of Natural Products,1999,Vol.62,p302−304、Planta Medica,1986,Vol.52,p29−32、Planta Medica,1996,Vol.62,p474−476、J. Pharmaceutical Sciences,1980,Vol.68,No.9,p1050−1056等に記載された方法により植物から単離することができるが、この方法に限定されるものではない。
【0017】
植物から単離する場合、具体的には、本発明の化合物は、キク科(Compositae)ミスミグサ属植物Elephantopus mollis H.B. & K.(和名:シロバナイガコウゾリナ)、Elephantopus tomentosus L.(別名:Elephantopus elatus Bertol.、和名:シロバナイガコウゾリナ)、Elephantopus carolinianus Raeusch.、Elephantopus angustifolius Sw.(別名:Orthopappus angustifolius (Sw.) Gleason)、キク科(Compositae)セントラテルム属(Centratherum)植物Centratherum punctatum Cass.、または、キク科(Compositae)ゼクスメニア属(Zexmenia)植物Zexmenia aspilioides Hassl.等から抽出することができる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、上記化合物を配合することにより製造され、その配合量は皮膚外用剤全量中、0.0000000001〜0.1質量%であり、好ましくは0.000000001〜0.01質量%である。配合量が0.0000000001質量%未満では美白効果に乏しく、0.1重量%を超えて用いても美白効果の増大は期待できない。
【0019】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、美白効果を充分に発揮できれば任意に選択可能であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型でも構わない。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料やボディー化粧料、芳香化粧料、洗浄料、軟膏等に用いることが出来る。
【0020】
本発明の皮膚外用剤には、上記の美白剤の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0021】
以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分の美白剤と、下記成分の一種または二種以上とを配合して本発明の皮膚外用剤を調製できる。
【0022】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0023】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0024】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0025】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0026】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0027】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0028】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0029】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0030】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0031】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0032】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0033】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0034】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α, α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0035】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0036】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0037】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0038】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0039】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0040】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0043】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0044】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POPーブチルエーテル;POP・POEーブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテルリン酸;POP・POEーペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0045】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプッロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0046】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α, α− トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0047】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0048】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0049】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3ープロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0050】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0051】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,C,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0052】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);上記以外の美白剤(例えば、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0053】
【実施例】
次に、実施例により本発明の構成をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明の美白剤について、メラニン生成抑制効果、チロシナーゼ活性抑制効果及び美白効果について、以下の試験を行った。
【0054】
1.美白剤の調製
全ての化合物について共通の単離方法は基本的に以下のとおりである。乾燥原体(植物全草)より、適当な溶媒により室温で1週間〜10日抽出して得た抽出物をカラムクロマトグラフィーにより分画し、最終的に薄層クロマトグラフィー、HPLCまたは再結晶によって精製して、試料とした。
個々の化合物については、以下のとおりである。
【0055】
molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolinについては、Elephantopus mollis H.B. & K.(1000g)から、クロロホルム−メタノール(1:1)により抽出し、精製して各々50mg、80mg、100mg、50mgを単離した。
【0056】
phantomolinについては、Elephantopus mollis H.B. & K.(1000g)から、エタノールにより抽出し、精製して240mgを単離した。
2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolinについては、Elephantopus mollis H. B. & K.(1000g)から、1,3−ブチレングリコールにより抽出し、精製して各々100mg、70mgを単離した。
tomenphantin A,B、tomenphantopin A,Bについては、Elephantopus tomentosus L.(1000g)から、クロロホルムにより抽出し、精製して各々75mg、120mg、75mg、100mgを単離した。
deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin については、Elephantopus carolinianus Raeusch.(1000g)から、クロロホルムにより抽出し、精製して各々300mg、220mgを単離した。
isoelephantopinについては、Elephantopus angustifolius Sw.(6000g)から、エタノールにより抽出し、精製して20mgを単離した。
15−ethoxy−4αH−isocentratherinについては、Centratherum punctatum Cass.(2000g)から、エタノールにより抽出し、精製して10mgを単離した。
【0057】
2.メラニン生成抑制効果試験およびチロシナーゼ活性抑制効果試験
(1)試料の調製
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用した。10 % FBSおよびテオフィリン(0.09 mg/ml)を含むイーグルMEM培地中でCO2インキュベーター(95 %空気、5 %二酸化炭素)内、37 ℃の条件下で培養した。培養24時間後に、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinを配合した試料溶液(DMSO溶液)を試料濃度が1x10− 7〜1x10− 5質量%になるように添加し、さらに3日間培養を続け、以下の方法でメラニン生成量の視感判定およびチロシナーゼ活性抑制効果を測定した。
【0058】
(2)メラニン生成抑制効果試験
ウエルのプレートの蓋上に拡散板を置き、倒立顕微鏡で細胞内のメラニン量を観察し、本発明の化合物を添加していない試料(基準)の場合と比較した。その結果を「表1」に示した。また比較として、すでにメラニン生成抑制作用のあることが知られているハイドロキノンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて「表1」に示す。
【0059】
<判定基準>
○:基準と比較して白い(基準と比較してメラニン量が少ない)
△:基準と比較してやや白い(基準と比較してメラニン量がやや少ない)
×:基準と同程度(基準と比較してメラニン量が同程度)
【0060】
【表1】
【0061】
「表1」の結果より、本発明の美白剤は、ハイドロキノンに比べ、メラニン生成抑制効果に極めて優れていることが分かる。
【0062】
(3)チロシナーゼ活性抑制効果試験
チロシナーゼ活性の測定測定前にウエル中の培地を除去し、PBS 100 μlで2回洗う。各ウエルに45 μlの1 %トライトン−X(ローム・アンド・ハース社製商品名、界面活性剤)を含むPBSを加える。1分間プレートを振動させ、よく細胞膜を破壊し、マイクロプレートリーダーで475 nmの吸光度を測定してこれを0分時の吸光度とした。その後すばやく5 μlの10 mMのL−DOPA溶液を加えて、37 ℃のインキュベーターに移し、60分間反応させた。1分間プレートを振動させ、60分時の吸光度(475 nm)を測定した。本発明の化合物を添加していない試料(コントロール)の場合の0分時と60分時の吸光度差に対するmolephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherin添加試料の前記吸光度差をチロシナーゼ活性率とした。その結果を「表2」に示す。また、比較として、チロシナーゼ活性抑制作用があることが知られているハイドロキノンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて「表2」に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
「表2」の結果より、本発明の美白剤は、ハイドロキノンに比べ、チロシナーゼ活性抑制効果に極めて優れていることが分かる。
【0065】
3.美白効果試験
(1)美白剤配合皮膚外用剤の調製
美白剤を各試料として、下記の処方によりローションを調製した。調製方法は常法に従いアルコール相および水相を調製後、可溶化して行った。
(アルコール相)
95%エタノール 55.0質量%
ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 2.0
酸化防止剤、防腐剤 適量
「表3」記載の美白剤 「表3」記載の量
(水相)
ジプロピレングリコール 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
イオン交換水 残余
【0066】
(2)試験方法
夏期の太陽光に4時間(1日2時間で2日間)晒された被験者、80名の上腕内側部皮膚を対象として、太陽光に晒された日の5日後より、各ローションを朝夕1回づつ4週間塗布した。パネル1群を10名に分けて8群とした。塗布終了後、紫外線照射によって誘導される色素沈着に対して抑制効果があったかどうかを調べ、その程度を以下の基準に基づいて評価した。結果を「表3」に示す。
【0067】
<評価基準>
◎:著効または有効とした被験者が8名以上
○:著効または有効とした被験者が5〜7名
△:著効または有効とした被験者が3〜4名
×:著効または有効とした被験者が2名以下
【0068】
「表3」より明らかなように、太陽光に晒された被験者に対する美白効果は、本発明の美白剤を添加したローションを用いた場合、ハイドロキノン配合の場合よりも、メラニン色素の沈着を防ぎ、色黒を予防・改善することが認められた。
【0069】
【表3】
【0070】
以下に、本発明の美白剤を配合した皮膚外用剤の実施例を挙げる。配合した美白剤は上記で調製したものを用いた。配合量は質量%を表す。実施例1〜19で得られた皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において効果が認められた。
【0071】
実施例1 クリーム
下記の処方によりクリームを調製した。調製方法は、イオン交換水にプロピレングリコール、苛性カリおよびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩を加えて溶解し、70 ℃に保った(水相)。その他の成分を混合して加熱溶解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を徐々に加えて70 ℃で予備乳化を行い、ホモミキサーにて均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0072】
【0073】
実施例2 クリーム
下記の処方によりクリームを調製した。調製方法は、イオン交換水にプロピレングリコールおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を加えて溶解し、70℃に保った(水相)。その他の成分を混合して加熱溶解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を徐々に加えて70 ℃で予備乳化を行い、ホモミキサーにて均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0074】
【0075】
実施例3 クリーム
下記の処方により、実施例2と同様の方法でクリームを調製した。
【0076】
実施例4 クリーム
下記の処方により、実施例2と同様の方法でクリームを調製した。
【0077】
実施例5 乳液
下記の処方により乳液を調製した。調製方法は 少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解し(A相)、残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500、トリエタノールアミンおよび亜硫酸ナトリウムを加え、加熱溶解して70 ℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を添加して予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0078】
【0079】
実施例6 乳液
イオン交換水とエタノールに胎盤抽出物を加温溶解し、更にプロピレングリコール以下の水溶性成分を溶解して、70 ℃に保つ(水相)。他の油性成分を混合し、加熱融解して70 ℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかきまぜながら、30 ℃まで冷却する。
【0080】
【0081】
実施例7 乳液
下記の処方により、実施例5と同様の方法で乳液を調製した。
【0082】
実施例8 乳液
下記の処方により乳液を調製した。調製方法は、油相部および水相部を各々70℃にて溶解し、水相部に油相部を混合し、乳化機で乳化後、熱交換機で30 ℃まで冷却した。
【0083】
【0084】
実施例9 ゼリー
下記の処方によりゼリーを調製した。調製方法は、イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解した(水相)。95%エタノールにポリオキシエチレン(50モル)オレイルエーテルを溶解し、水相に添加した。さらに、その他の成分を添加し、最後に苛性ソーダおよびL−アルギニンを添加して中和し、増粘させた。
【0085】
【0086】
実施例10 美容液
下記の処方により美容液を調製した。調製方法は、A相およびC相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いで、B相を加えて溶解した。
【0087】
【0088】
実施例11 パック
下記の処方によりパックを調製した。調製方法は、A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化後、これをC相に加えて充填した。
【0089】
【0090】
実施例12 ピールオフ型パック
80 ℃にて水相を調製し、50 ℃に冷却する。ついで室温で調製したアルコール相を添加後均一に混合し、放冷する。
【0091】
【0092】
実施例13 固形ファンデーション
下記の処方により固形ファンデーションを調製した。タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、isoelephantopin、防腐剤、香料を加え、よく混練した後、容器に充填、成形する。
【0093】
【0094】
実施例14 乳化型ファンデーション(クリームタイプ)
下記の処方により乳化型ファンデーションを調製した。水相を加熱攪拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。さらに加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、攪拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。
【0095】
【0096】
実施例15 化粧水
下記の各成分を攪拌混合して化粧水を得た。
【0097】
実施例16 ローション
下記の処方によりローションを調製した。エチルアルコールにポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、パラメトキシケイ皮酸オクチルおよび香料を溶解する(アルコール相)。一方、エタノールに2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolinおよびアルブチンを予め溶解し、更に精製水にその他の多価アルコールを添加し、十分に溶解させる(水相)。水相にアルコール相を添加し、十分に攪拌する。
【0098】
【0099】
実施例17 化粧水
下記の各成分を攪拌混合して化粧水を得た。
【0100】
実施例18 ローション
下記の各成分を攪拌混合してローションを得た。
【0101】
実施例19 コールドクリーム
下記の各成分を攪拌混合してコールドクリームを得た。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メラニン抑制作用及びチロシナーゼ活性抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白効果に優れた美白剤及び皮膚外用剤を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な美白剤に関し、さらに詳しくは、メラニン生成抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の予防および改善に有効な優れた美白作用を有する美白剤及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の色素異常には、しみやそばかすなど美容上のものから、肝斑や雀卵斑等の皮膚病に見られるものまで様々なものがある。これらの色素異常の作用機序には不明な点が多いが、一般的にはホルモンの異常や、日光からの紫外線等が刺激となってメラニン色素が形成され、これが皮膚内に異常沈着するものと考えられている。
【0003】
このメラニン色素は、表皮の一番下の基底層に存在するメラニン細胞(メラノサイト)内のメラニン生成顆粒(メラノソーム)において産生され、生成したメラニンは隣接細胞へ拡散する。このメラノサイト内における生化学反応は、次のように考えられている。
【0004】
すなわち、必須アミノ酸であるチロシンが酵素チロシナーゼの作用によりドーパキノンになり、これが酵素的又は非酵素的酸化作用により、赤色色素及び無色色素を経て黒色のメラニンへ変化する過程がメラニン色素の生成過程である。
したがって、反応の第一段階であるチロシナーゼの作用を抑制することが、メラニン色素産生の抑制に重要である。
【0005】
上記のような色素異常の予防・改善は、治療を目的として美白作用物質、即ちメラニン生成抑制物質が用いられており、例えば、ビタミンCを大量に経口投与する方法、グルタチオン等を注射する方法、あるいは、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体、システイン等を軟膏、クリーム、ローション等の形態で局所に塗布する方法などがとられている。また、植物抽出物から得られた美白剤も種々のものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3263246号公報
【特許文献2】
特許第3354031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこれらの方法では、必ずしも充分な効果が得られていないのが実情である。
【0008】
一方、欧米では、メラニン生成抑制剤であるハイドロキノン及びその誘導体が色素斑の脱色を目的として美白剤又は医薬品として広く用いられている。
しかしながら、ハイドロキノン誘導体は、効果の発現が極めて緩慢であり、その美白効果は必ずしも充分とは言えない場合がある。また、ハイドロキノン自体には美白効果が一応認められてはいるものの、安全性で問題があるために使用制限がなされている。
このハイドロキノンの副作用を軽減し、且つ、美白効果に優れた誘導体が検討されているが、未だ、充分な効果と安全性を兼ね備えたものは得られていない。
【0009】
本発明者らは上述の事情に鑑み、美白効果に優れ、安全性の高い美白剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物がハイドロキノン以上に美白効果を発揮することを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記化学式(1)〜(15)で表される一種または二種以上の化合物からなることを特徴とする美白剤である。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
さらに、本発明は、前記の美白剤を配合することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いる化合物(1)〜(15)はゲルマクラン(germacrane)骨格を有するセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)、即ち、ゲルマクラノリド(germacranolide)と総称される化合物群に属しており、具体的には、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinと称されているものである。
【0015】
しかしながら、化合物(1)〜(15)が美白効果を有することはこれまでに知られておらず、本発明者が初めて見出したものである。
【0016】
本発明に用いられるこれらの化合物は、例えば、Phytochemistry,1982,Vol.21,No.5,p1175−1177、Phytochemistry1986,Vol 25,No.4,p899−904、Phytochemistry,1987,Vol.26,No.4,p1065−1068、Phytochemistry,1987,Vol.26,No.5,p1467−1469、Phytochemistry,1997,Vol 44,No.1,p113−116、Journal of Natural Products,1999,Vol.62,p302−304、Planta Medica,1986,Vol.52,p29−32、Planta Medica,1996,Vol.62,p474−476、J. Pharmaceutical Sciences,1980,Vol.68,No.9,p1050−1056等に記載された方法により植物から単離することができるが、この方法に限定されるものではない。
【0017】
植物から単離する場合、具体的には、本発明の化合物は、キク科(Compositae)ミスミグサ属植物Elephantopus mollis H.B. & K.(和名:シロバナイガコウゾリナ)、Elephantopus tomentosus L.(別名:Elephantopus elatus Bertol.、和名:シロバナイガコウゾリナ)、Elephantopus carolinianus Raeusch.、Elephantopus angustifolius Sw.(別名:Orthopappus angustifolius (Sw.) Gleason)、キク科(Compositae)セントラテルム属(Centratherum)植物Centratherum punctatum Cass.、または、キク科(Compositae)ゼクスメニア属(Zexmenia)植物Zexmenia aspilioides Hassl.等から抽出することができる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、上記化合物を配合することにより製造され、その配合量は皮膚外用剤全量中、0.0000000001〜0.1質量%であり、好ましくは0.000000001〜0.01質量%である。配合量が0.0000000001質量%未満では美白効果に乏しく、0.1重量%を超えて用いても美白効果の増大は期待できない。
【0019】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、美白効果を充分に発揮できれば任意に選択可能であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤型でも構わない。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料やボディー化粧料、芳香化粧料、洗浄料、軟膏等に用いることが出来る。
【0020】
本発明の皮膚外用剤には、上記の美白剤の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0021】
以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分の美白剤と、下記成分の一種または二種以上とを配合して本発明の皮膚外用剤を調製できる。
【0022】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0023】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0024】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0025】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0026】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0027】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0028】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0029】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0030】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0031】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0032】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0033】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0034】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α, α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0035】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0036】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0037】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0038】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0039】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0040】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0043】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0044】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POPーブチルエーテル;POP・POEーブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテルリン酸;POP・POEーペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0045】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプッロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0046】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α, α− トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0047】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0048】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0049】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3ープロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0050】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0051】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,C,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0052】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);上記以外の美白剤(例えば、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0053】
【実施例】
次に、実施例により本発明の構成をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
本発明の美白剤について、メラニン生成抑制効果、チロシナーゼ活性抑制効果及び美白効果について、以下の試験を行った。
【0054】
1.美白剤の調製
全ての化合物について共通の単離方法は基本的に以下のとおりである。乾燥原体(植物全草)より、適当な溶媒により室温で1週間〜10日抽出して得た抽出物をカラムクロマトグラフィーにより分画し、最終的に薄層クロマトグラフィー、HPLCまたは再結晶によって精製して、試料とした。
個々の化合物については、以下のとおりである。
【0055】
molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolinについては、Elephantopus mollis H.B. & K.(1000g)から、クロロホルム−メタノール(1:1)により抽出し、精製して各々50mg、80mg、100mg、50mgを単離した。
【0056】
phantomolinについては、Elephantopus mollis H.B. & K.(1000g)から、エタノールにより抽出し、精製して240mgを単離した。
2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolinについては、Elephantopus mollis H. B. & K.(1000g)から、1,3−ブチレングリコールにより抽出し、精製して各々100mg、70mgを単離した。
tomenphantin A,B、tomenphantopin A,Bについては、Elephantopus tomentosus L.(1000g)から、クロロホルムにより抽出し、精製して各々75mg、120mg、75mg、100mgを単離した。
deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin については、Elephantopus carolinianus Raeusch.(1000g)から、クロロホルムにより抽出し、精製して各々300mg、220mgを単離した。
isoelephantopinについては、Elephantopus angustifolius Sw.(6000g)から、エタノールにより抽出し、精製して20mgを単離した。
15−ethoxy−4αH−isocentratherinについては、Centratherum punctatum Cass.(2000g)から、エタノールにより抽出し、精製して10mgを単離した。
【0057】
2.メラニン生成抑制効果試験およびチロシナーゼ活性抑制効果試験
(1)試料の調製
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用した。10 % FBSおよびテオフィリン(0.09 mg/ml)を含むイーグルMEM培地中でCO2インキュベーター(95 %空気、5 %二酸化炭素)内、37 ℃の条件下で培養した。培養24時間後に、molephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherinを配合した試料溶液(DMSO溶液)を試料濃度が1x10− 7〜1x10− 5質量%になるように添加し、さらに3日間培養を続け、以下の方法でメラニン生成量の視感判定およびチロシナーゼ活性抑制効果を測定した。
【0058】
(2)メラニン生成抑制効果試験
ウエルのプレートの蓋上に拡散板を置き、倒立顕微鏡で細胞内のメラニン量を観察し、本発明の化合物を添加していない試料(基準)の場合と比較した。その結果を「表1」に示した。また比較として、すでにメラニン生成抑制作用のあることが知られているハイドロキノンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて「表1」に示す。
【0059】
<判定基準>
○:基準と比較して白い(基準と比較してメラニン量が少ない)
△:基準と比較してやや白い(基準と比較してメラニン量がやや少ない)
×:基準と同程度(基準と比較してメラニン量が同程度)
【0060】
【表1】
【0061】
「表1」の結果より、本発明の美白剤は、ハイドロキノンに比べ、メラニン生成抑制効果に極めて優れていることが分かる。
【0062】
(3)チロシナーゼ活性抑制効果試験
チロシナーゼ活性の測定測定前にウエル中の培地を除去し、PBS 100 μlで2回洗う。各ウエルに45 μlの1 %トライトン−X(ローム・アンド・ハース社製商品名、界面活性剤)を含むPBSを加える。1分間プレートを振動させ、よく細胞膜を破壊し、マイクロプレートリーダーで475 nmの吸光度を測定してこれを0分時の吸光度とした。その後すばやく5 μlの10 mMのL−DOPA溶液を加えて、37 ℃のインキュベーターに移し、60分間反応させた。1分間プレートを振動させ、60分時の吸光度(475 nm)を測定した。本発明の化合物を添加していない試料(コントロール)の場合の0分時と60分時の吸光度差に対するmolephantin、molephantinin、2−deethoxy−2−hydroxyphantomolin、 2−deethoxy−2−methoxyphantomolin、phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolin、tomenphantin A,B、tomenphantopin A,B、deoxyelephantopin、isodeoxyelephantopin、isoelephantopin 、15−ethoxy−4αH−isocentratherin添加試料の前記吸光度差をチロシナーゼ活性率とした。その結果を「表2」に示す。また、比較として、チロシナーゼ活性抑制作用があることが知られているハイドロキノンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて「表2」に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
「表2」の結果より、本発明の美白剤は、ハイドロキノンに比べ、チロシナーゼ活性抑制効果に極めて優れていることが分かる。
【0065】
3.美白効果試験
(1)美白剤配合皮膚外用剤の調製
美白剤を各試料として、下記の処方によりローションを調製した。調製方法は常法に従いアルコール相および水相を調製後、可溶化して行った。
(アルコール相)
95%エタノール 55.0質量%
ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 2.0
酸化防止剤、防腐剤 適量
「表3」記載の美白剤 「表3」記載の量
(水相)
ジプロピレングリコール 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
イオン交換水 残余
【0066】
(2)試験方法
夏期の太陽光に4時間(1日2時間で2日間)晒された被験者、80名の上腕内側部皮膚を対象として、太陽光に晒された日の5日後より、各ローションを朝夕1回づつ4週間塗布した。パネル1群を10名に分けて8群とした。塗布終了後、紫外線照射によって誘導される色素沈着に対して抑制効果があったかどうかを調べ、その程度を以下の基準に基づいて評価した。結果を「表3」に示す。
【0067】
<評価基準>
◎:著効または有効とした被験者が8名以上
○:著効または有効とした被験者が5〜7名
△:著効または有効とした被験者が3〜4名
×:著効または有効とした被験者が2名以下
【0068】
「表3」より明らかなように、太陽光に晒された被験者に対する美白効果は、本発明の美白剤を添加したローションを用いた場合、ハイドロキノン配合の場合よりも、メラニン色素の沈着を防ぎ、色黒を予防・改善することが認められた。
【0069】
【表3】
【0070】
以下に、本発明の美白剤を配合した皮膚外用剤の実施例を挙げる。配合した美白剤は上記で調製したものを用いた。配合量は質量%を表す。実施例1〜19で得られた皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において効果が認められた。
【0071】
実施例1 クリーム
下記の処方によりクリームを調製した。調製方法は、イオン交換水にプロピレングリコール、苛性カリおよびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩を加えて溶解し、70 ℃に保った(水相)。その他の成分を混合して加熱溶解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を徐々に加えて70 ℃で予備乳化を行い、ホモミキサーにて均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0072】
【0073】
実施例2 クリーム
下記の処方によりクリームを調製した。調製方法は、イオン交換水にプロピレングリコールおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を加えて溶解し、70℃に保った(水相)。その他の成分を混合して加熱溶解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を徐々に加えて70 ℃で予備乳化を行い、ホモミキサーにて均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0074】
【0075】
実施例3 クリーム
下記の処方により、実施例2と同様の方法でクリームを調製した。
【0076】
実施例4 クリーム
下記の処方により、実施例2と同様の方法でクリームを調製した。
【0077】
実施例5 乳液
下記の処方により乳液を調製した。調製方法は 少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解し(A相)、残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500、トリエタノールアミンおよび亜硫酸ナトリウムを加え、加熱溶解して70 ℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70 ℃に保ち(油相)、水相に油相を添加して予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化後、よくかき混ぜながら30 ℃まで冷却した。
【0078】
【0079】
実施例6 乳液
イオン交換水とエタノールに胎盤抽出物を加温溶解し、更にプロピレングリコール以下の水溶性成分を溶解して、70 ℃に保つ(水相)。他の油性成分を混合し、加熱融解して70 ℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかきまぜながら、30 ℃まで冷却する。
【0080】
【0081】
実施例7 乳液
下記の処方により、実施例5と同様の方法で乳液を調製した。
【0082】
実施例8 乳液
下記の処方により乳液を調製した。調製方法は、油相部および水相部を各々70℃にて溶解し、水相部に油相部を混合し、乳化機で乳化後、熱交換機で30 ℃まで冷却した。
【0083】
【0084】
実施例9 ゼリー
下記の処方によりゼリーを調製した。調製方法は、イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解した(水相)。95%エタノールにポリオキシエチレン(50モル)オレイルエーテルを溶解し、水相に添加した。さらに、その他の成分を添加し、最後に苛性ソーダおよびL−アルギニンを添加して中和し、増粘させた。
【0085】
【0086】
実施例10 美容液
下記の処方により美容液を調製した。調製方法は、A相およびC相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いで、B相を加えて溶解した。
【0087】
【0088】
実施例11 パック
下記の処方によりパックを調製した。調製方法は、A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化後、これをC相に加えて充填した。
【0089】
【0090】
実施例12 ピールオフ型パック
80 ℃にて水相を調製し、50 ℃に冷却する。ついで室温で調製したアルコール相を添加後均一に混合し、放冷する。
【0091】
【0092】
実施例13 固形ファンデーション
下記の処方により固形ファンデーションを調製した。タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、isoelephantopin、防腐剤、香料を加え、よく混練した後、容器に充填、成形する。
【0093】
【0094】
実施例14 乳化型ファンデーション(クリームタイプ)
下記の処方により乳化型ファンデーションを調製した。水相を加熱攪拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。さらに加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、攪拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。
【0095】
【0096】
実施例15 化粧水
下記の各成分を攪拌混合して化粧水を得た。
【0097】
実施例16 ローション
下記の処方によりローションを調製した。エチルアルコールにポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、パラメトキシケイ皮酸オクチルおよび香料を溶解する(アルコール相)。一方、エタノールに2−deethoxy−2−(3’−hydroxybutyloxy)phantomolin、2−deethoxy−2−(3’−hydroxy−1’−methylpropyloxy)phantomolinおよびアルブチンを予め溶解し、更に精製水にその他の多価アルコールを添加し、十分に溶解させる(水相)。水相にアルコール相を添加し、十分に攪拌する。
【0098】
【0099】
実施例17 化粧水
下記の各成分を攪拌混合して化粧水を得た。
【0100】
実施例18 ローション
下記の各成分を攪拌混合してローションを得た。
【0101】
実施例19 コールドクリーム
下記の各成分を攪拌混合してコールドクリームを得た。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メラニン抑制作用及びチロシナーゼ活性抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白効果に優れた美白剤及び皮膚外用剤を提供することができる。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167712A JP2005002050A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 美白剤及びこれを配合した皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167712A JP2005002050A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 美白剤及びこれを配合した皮膚外用剤 |
Publications (1)
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---|---|
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Family
ID=34093448
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005002050A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1792599A1 (en) * | 2004-09-24 | 2007-06-06 | Shiseido Company, Limited | Whitening agent |
KR101308266B1 (ko) | 2012-02-17 | 2013-09-13 | 동의대학교 산학협력단 | 위드롤을 포함하는 미백용 조성물 |
US9227090B2 (en) | 2008-06-18 | 2016-01-05 | Conopco, Inc. | Method for lightening skin |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003167712A patent/JP2005002050A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1792599A1 (en) * | 2004-09-24 | 2007-06-06 | Shiseido Company, Limited | Whitening agent |
EP1792599A4 (en) * | 2004-09-24 | 2012-07-11 | Shiseido Co Ltd | BLEACH |
US9227090B2 (en) | 2008-06-18 | 2016-01-05 | Conopco, Inc. | Method for lightening skin |
KR101308266B1 (ko) | 2012-02-17 | 2013-09-13 | 동의대학교 산학협력단 | 위드롤을 포함하는 미백용 조성물 |
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