JP2005001843A - リーチ式フォークリフトの腰当て装置 - Google Patents

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弘司 椎崎
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Abstract

【課題】立席型の運転室を備えたリーチ式フォークリフトに適用され、とりわけオペレータの腰部を当てがう腰当て装置に於て、運転姿勢が変わっても腰当て本体を変位させる必要がないと共に、構造が簡単でコストが余り掛からない様にする。
【解決手段】運転室53を構成するサイドフレーム56の内側に取付けられてオペレータAの腰部Bに呼応した彎曲面4を有する腰当て本体2と、これの後半下部に突設されてオペレータAの半身運転姿勢時には臀部Cを支え得ると共にオペレータAの正対運転姿勢時には腰骨Dとの干渉を回避し得る突起体3とで構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として立席型の運転室を備えたリーチ式フォークリフトに適用され、とりわけオペレータの腰部を当てがう腰当て装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リーチ式フォークリフトに於ける立席型の運転室に設けられる腰当て装置としては、例えば、特許文献1〜7に記載されたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭52−144522号公報
【特許文献2】
実開昭52−144523号公報
【特許文献3】
実公平5−2556号公報
【特許文献4】
実開平4−12495号公報
【特許文献5】
特開2000−316666号公報
【特許文献6】
特開2000−169094号公報
【特許文献7】
特開2003−81587号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来のものは、オペレータの運転姿勢に応じて腰当て本体を可動できる様に構成していたので、運転姿勢が変わる度に腰当て本体を変位させねばならず、この種の変位操作が非常に煩雑であるだけでなく、それだけ構造が複雑化してコストが高く付く難点があった。
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、運転姿勢が変わっても腰当て本体を変位させる必要がないと共に、構造が簡単でコストが余り掛からない様にしたリーチ式フォークリフトの腰当て装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の腰当て装置は、基本的には、運転室を構成するサイドフレームの内側に取付けられてオペレータの腰部に呼応した彎曲面を有する腰当て本体と、腰当て本体の後半下部に突設されてオペレータの半身運転姿勢時には臀部を支え得ると共にオペレータの正対運転姿勢時には腰骨との干渉を回避し得る突起体と、から構成した事に特徴が存する。
【0006】
オペレータが斜め前方を向いた半身運転姿勢時には、オペレータの腰部が腰当て本体の彎曲面に当てがわれると共に、オペレータの臀部が突起体の上に載せられて支えられる。従って、オペレータは、浅く腰掛けた状態を保つ事ができるので、同半身運転姿勢が安定されて疲労が軽減され、長時間の運転操作に耐える事ができる。
オペレータが前方を向いた正対運転姿勢時には、オペレータの臀部は元より腰骨が突起体に当接されないと共に、オペレータの腰骨が突起体より前側の腰当て本体の彎曲面に当てがわれる。従って、オペレータは、腰当て本体に軽く寄掛かった状態を保つ事ができるので、同正対運転姿勢が安定されて直立運転時と同様に確実且つ機敏な運転操作を行なう事ができる。
【0007】
腰当て本体は、オペレータの腰部に呼応した彎曲面を有するので、これに依りオペレータが確実に保持されると共に、局所的に当合してオペレータに苦痛を与える事がない。
突起体は、腰当て本体の後半下部のみに突設されているので、オペレータの半身運転姿勢時には臀部を支えると共に、オペレータの正対運転姿勢時には腰骨の干渉を回避する事ができる。この為、半身運転姿勢から正対運転姿勢を行う場合や、この逆の正対運転姿勢から半身運転姿勢を行う場合には、何ら変位操作を行う必要がなく、これら異なる運転姿勢に円滑且つ迅速に移行できる。
突起体は、腰当て本体の後半下部のみに突設されているので、材料費を節減できると共に、外突部分が少ないコンパクトなものにする事ができる。
【0008】
腰当て本体は、高さ調整取付け手段に依りサイドフレームに上下方向に調整移動可能に取付けられているのが好ましい。この様にすれば、オペレータの身長に応じた最適位置に容易に調整する事ができる。
【0009】
高さ調整取付け手段は、サイドフレームに設けられたナットと、腰当て本体に形成された上下方向に長い長穴と、これに挿通されてナットに螺合されるボルトとを備えているのが好ましい。この様にすれば、構造が非常に簡単で且つ安価なものにする事ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の腰当て装置を適用したリーチ式フォークリフトを示す要部斜視図。図2は、本発明の腰当て装置を示す斜視図。図3は、図1の正面図。図4は、図1の平面図。図5は、図1の左側面図。図6は、図1の右側面図。図7は、オペレータの半身運転姿勢を示すリーチ式フォークリフトの要部平面図。図8は、オペレータの正対運転姿勢を示す図7と同様図である。
【0011】
腰当て装置1は、腰当て本体2と突起体3とからその主要部が構成されて居り、リーチ式フォークリフト50に適用される。
【0012】
リーチ式フォークリフト50は、車体51と、これの前部に延設された左右一対のリーチレッグ52と、これに沿って前後方向に移動可能に設けられたマストと、これを移動させるリーチシリンダと、マストに沿って昇降可能なリフトブラケットと、これを昇降させるリフトシリンダと、リフトブラケットに設けられた左右一対のフォークと、車体51の後側下部に設けられた駆動輪と、リーチレッグの前側下部に設けられた従動輪と、車体の後部右側に設けられた立席型の運転室53とを備えている。
【0013】
運転室53は、左側後部に位置する箱型フレーム54と、これの前側に一体的に形成されたフロントフレーム55と、これの右端部から後方に延在するサイドフレーム56とに依って三方が囲まれて後方には乗降口57が形成された立方状の空間にしてある。
箱型フレーム54には、ステアリングハンドル58が配設されていると共に、フロントフレーム55には、複数の操作レバー59が配設され、フロア60には、ブレーキペダルが配設されている。
【0014】
腰当て本体2は、運転室53を構成するサイドフレーム56の内側に取付けられてオペレータAの腰部Bに呼応した彎曲面4を有するもので、この例では、略平板状を呈する平板部5と、これの後側に一体的に形成されて後方に行くに従って内方に彎曲した彎曲板状を呈する曲板部6と、平板部5に内設されて平板状を呈する金属製の芯板7と、平板部5と曲板部6の内側(図4に於て下側)に形成された彎曲面4と、平板部5の外側に芯板7に達すべく窪設された前方窪所8と、曲板部6の外側に形成された後方窪所9とを備えている。
腰当て本体2の平板部5と曲板部6は、ウレタン等のクッション材料に依り作製されている。
【0015】
突起体3は、腰当て本体2の後半下部に突設されてオペレータAの半身運転姿勢時には臀部Cを支え得ると共にオペレータAの正対運転姿勢時には腰骨Dの干渉を回避し得るもので、この例では、彎曲棒状を呈して腰当て本体2の曲板部6の下部全範に一体的に形成されて居り、内側には、彎曲面10を備えている。
【0016】
腰当て本体2は、高さ調整取付け手段11に依りサイドフレーム56に上下方向に調整移動可能に取付けられている。
【0017】
高さ調整取付け手段11は、サイドフレーム56に設けられた左右一対のナット(タップドブロック)12と、腰当て本体2に形成されて上下方向に長い左右一対の長穴13と、これに挿通されてナット12に螺合されるボルト14とを備えている。
ナット12は、腰当て本体2の前方窪所8に位置される。長穴13は、腰当て本体2の芯板7に穿設されてボルト14のネジ部が挿通される小径穴と、芯板7より内側の平板部5に小径穴に同心状に形設されてボルト14の頭部が埋没される大径穴とを備えている。ボルト14は、ワッシャを一体的に備えている。
【0018】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
図7の如く、オペレータAが斜め前方を向いた半身運転姿勢時には、オペレータAの腰部Bが腰当て本体2の彎曲面4に当てがわれると共に、オペレータAの臀部Cが突起体3の上に載せられてこれに依り支えられる。従って、オペレータAは、浅く腰掛けた状態を保つ事ができるので、同半身運転姿勢が安定されて疲労が軽減され、長時間の運転操作に耐える事ができる。
【0019】
図8の如く、オペレータAが前方(真正面)を向いた正対運転姿勢時には、オペレータAの臀部Cは元より腰骨Dが突起体3に当接されないと共に、オペレータAの腰骨Dが突起体3より前側の腰当て本体2の彎曲面4に当てがわれる。従って、オペレータAは、腰当て本体2に軽く寄掛かった状態を保つ事ができるので、同正対運転姿勢が安定されて直立運転時と同様に確実且つ機敏な運転操作を行なう事ができる。
【0020】
腰当て本体2は、オペレータAの腰部Bに呼応した彎曲面4を有するので、これに依りオペレータAが確実に保持されると共に、局所的に当合してオペレータAに苦痛を与える事がない。
【0021】
オペレータAの身長に呼応して腰当て本体2の高さを調整する場合は、高さ調整取付け手段11のボルト14を緩め、腰当て本体2を長穴13に沿って上下させた後に、再びボルト14を締める事に依り容易に行える。高さ調整取付け手段11のボルト14の頭部は、長穴13の大径穴に埋没して彎曲面4から突出していないので、オペレータAの腰部B等に当る事がない。
【0022】
突起体3は、腰当て本体2の後半下部のみに突設されているので、オペレータAの半身運転姿勢時には臀部Cを支えると共に、オペレータAの正対運転姿勢時には腰骨Dの干渉を回避する事ができる。この為、半身運転姿勢から正対運転姿勢を行う場合や、この逆の正対運転姿勢から半身運転姿勢を行う場合には、何ら変位操作を行う必要がなく、これら異なる運転姿勢に円滑且つ迅速に移行できる。
【0023】
突起体3は、腰当て本体2の後半下部に突設されているので、材料費を節減できると共に、外突部分が少ないコンパクトなものにする事ができる。
【0024】
腰当て本体2は、前方窪所8と後方窪所9を備えているので、形状に依る弾性変形が行われてクッション性能が向上する。前方窪所8は、高さ調整取付け手段11のナット12を収容する収容腔として兼用させる事ができる。
【0025】
腰当て本体2は、金属製の芯板7を備えて、この部分を高さ調整取付け手段11に依り取付ける様にしているので、強度及び耐久性が向上し、調整移動を繰り返しても、腰当て本体2が早期に損傷する事がない。
【0026】
尚、高さ調整取付け手段11は、先の例では、ナット12と長穴13とボルト14とで構成したが、これに限らず、例えば他の構造を採用しても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上、既述した如く、本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) 運転室を構成するサイドフレームの内側に取付けられてオペレータの腰部に呼応した彎曲面を有する腰当て本体と、これの後半下部に突設されてオペレータの半身運転姿勢時には臀部を支え得ると共にオペレータの正対運転姿勢時には腰骨との干渉を回避し得る突起体とで構成したので、運転姿勢が変わっても腰当て本体を変位させる必要がないと共に、構造が簡単でコストが余り掛からない。
(2) 構造が簡単でコストが余り掛からないので、既存のリーチ式フォークリフトにも容易に適用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の腰当て装置を適用したリーチ式フォークリフトを示す要部斜視図。
【図2】本発明の腰当て装置を示す斜視図。
【図3】図1の正面図。
【図4】図1の平面図。
【図5】図1の左側面図。
【図6】図1の右側面図。
【図7】オペレータの半身運転姿勢を示すリーチ式フォークリフトの要部平面図。
【図8】オペレータの正対運転姿勢を示す図7と同様図。
【符号の説明】
1…腰当て装置、2…腰当て本体、3…突起体、4…彎曲面、5…平板部、6…曲板部、7…芯板、8…前方窪所、9…後方窪所、10…彎曲面、11…高さ調整取付け手段、12…ナット、13…長穴、14…ボルト、50…リーチ式フォークリフト、51…車体、52…リーチレッグ、53…運転室、54…箱型フレーム、55…フロントフレーム、56…サイドフレーム、57…乗降口、58…ステアリングハンドル、59…操作レバー、60…フロア、A…オペレータ、B…腰部、C…臀部、D…腰骨。

Claims (3)

  1. 運転室を構成するサイドフレームの内側に取付けられてオペレータの腰部に呼応した彎曲面を有する腰当て本体と、腰当て本体の後半下部に突設されてオペレータの半身運転姿勢時には臀部を支え得ると共にオペレータの正対運転姿勢時には腰骨との干渉を回避し得る突起体と、から構成した事を特徴とするリーチ式フォークリフトの腰当て装置。
  2. 腰当て本体は、高さ調整取付け手段に依りサイドフレームに上下方向に調整移動可能に取付けられている請求項1に記載のリーチ式フォークリフトの腰当て装置。
  3. 高さ調整取付け手段は、サイドフレームに設けられたナットと、腰当て本体に形成された上下方向に長い長穴と、これに挿通されてナットに螺合されるボルトとを備えている請求項1に記載のリーチ式フォークリフトの腰当て装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104444952A (zh) * 2014-12-02 2015-03-25 苏州先锋物流装备科技有限公司 一种应用在站驾式叉车上的可调节靠背
JP2016044021A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 ニチユ三菱フォークリフト株式会社 フォークリフト用ボディクッション
CN109052239A (zh) * 2018-09-14 2018-12-21 安徽合力股份有限公司 一种用于前移式叉车的整体框架式驾驶室

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