JP2005000015A - 蒸気殺菌方法並びに蒸気殺菌装置 - Google Patents

蒸気殺菌方法並びに蒸気殺菌装置 Download PDF

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Abstract

【課題】落下の際、塊状になり易い粉体原料が被処理物として適用された場合であっても、ムラなく、しかも短時間で殺菌が行え、また一方で比較的長い殺菌時間を要する粒状の原料にも対応できる新規な蒸気殺菌手法を提供する。
【解決手段】本発明は、蒸気流によって被処理物Aを移送しながら殺菌する気流管9を、被処理物Aを落下させながら蒸気Sと接触させて殺菌する粒原料殺菌部2(落下式蒸気殺菌機)に対して並設状態に設置し、被処理物Aが主に粉状である場合には、これを気流管9側に導入して殺菌するようにし、被処理物Aが主に粒状である場合には、これを粒原料殺菌部2側で殺菌するものであり、気流管9側での殺菌においては、途中から蒸気流を熱風流に切り換えたり、あるいは単に蒸気流を遮断することにより、被処理物Aが蒸気Sと接触する実殺菌時間を調整できるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば胡椒原粒、そば粉、茶葉、トウガラシ、スパイス、乾燥野菜、小麦粉等の流動自在な粉粒状原料を殺菌するのに適した蒸気殺菌手法に関するものであって、特に原料が落下時などにおいて散らばり難い粉状のものであっても、拡散状態で蒸気と接触させ、粉原料を均一に、且つ短時間で殺菌できる新規な蒸気殺菌方法並びに蒸気殺菌装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
例えば、そば粉や胡椒原粒などの粉粒状素材(以下、被処理物とする)を殺菌するにあたっては、被処理物を蒸気と接触させて殺菌する手法が知られている。この際、被処理物の粒子に満遍なく蒸気を接触させて能率的に殺菌を行うことや、蒸気との接触時間(被処理物が蒸気にさらされる時間)を極力短くして被処理物への熱ダメージを極力抑えることが常に求められている。
ところで、このような蒸気殺菌手法の一つとして、例えば気流式のものが知られている。これは、細長い流路内に、高圧の過熱水蒸気を高速で流し、この流れによって被処理物を移送しながら殺菌する手法である。
【0003】
このような気流式の殺菌手法は、蒸気流の拡散作用によって被処理物が満遍なく蒸気と接触するため、ムラのない殺菌が行える点や、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間が約4秒程度と比較的短い点で優れている。しかしながら、例えば黒こしょうの原形など比較的粒径の大きい被処理物の場合には、粒が大きい分、品温の上昇に時間が掛かるため、長い殺菌時間を要するものであり、あえて殺菌時間を長めに設定したいものもあるが、気流式では蒸気流による移送中に殺菌を行うため、殺菌時間の調整が難しいという欠点があった。
【0004】
また他の蒸気殺菌手法としては、被処理物を収容するドラムを横臥状態に設け、このドラムを回転させながら蒸気と接触させて殺菌を行う、言わば横胴式のものもある。
この横胴式の殺菌手法では、被処理物を機械的に攪拌するため、被処理物と蒸気とを充分に接触させることができ、更には粒状、粉状など粒径の異なる様々な被処理物に対応できる点で優れている。しかしながら、この手法は、上述した気流式の殺菌手法に比べると、殺菌時間が約10.5秒と比較的長く、被処理物に与えてしまう熱ダメージが懸念されていた。
【0005】
【従来の技術】
このような状況下、本出願人は、被処理物を落下させながら蒸気と接触させて殺菌を行う手法を開発し、特許出願に至っている(特許文献1、2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−112749公報
【特許文献2】
特願2002−169152
【0007】
このような手法によって被処理物の短時間殺菌(一例として4.5秒程度)はもとより、殺菌時間の調整等も行い易くなったが、以下に示すような点において、まだ改善の余地があった。
すなわち上述した落下式殺菌手法では、被処理物を攪拌ないしは拡散させる強制手段がなく、被処理物をそのまま落下させて蒸気殺菌を行うものであるが、被処理物が粉体である場合には、これをそのまま落下させただけでは、粒子間の隙間がほとんど無いため、蒸気が進入しにくく、満遍なく蒸気に当てることが難しかった。このため粉状の被処理物の場合、単に落下させるだけでは、充分な殺菌効果が得られないことがあった。
このようなことから被処理物が粉体であっても、均一に蒸気を当てることができ、また蒸気との接触時間も短くして品質アップを図り、なお且つ種々の被処理物に応じて殺菌時間の調整等も行い易い蒸気式殺菌手法が求められていた。
【0008】
【開発を試みた技術的課題】
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、例えば拡散状態で落下しにくい粉体原料が、被処理物として適用された場合であっても、ムラなく、しかも短時間で殺菌が行え、また一方で比較的長い殺菌時間を要する粒状の原料にも対応できる新規な蒸気殺菌方法並びに蒸気殺菌装置の開発を試みたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の蒸気殺菌方法は、気流管内に生じさせた蒸気流によって被処理物を移送しながら、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした方法であって、被処理物を移送していた蒸気を、途中から熱風に切り換えられるようにし、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間を調整できるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、被処理物を移送していた蒸気を、途中で熱風に切り換えることができるため、被処理物が蒸気にさらされる実質的な殺菌時間を短縮することができる。
【0010】
また請求項2記載の蒸気殺菌方法は、気流管内に生じさせた蒸気流によって被処理物を移送しながら、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした方法であって、被処理物を移送していた蒸気を、途中から遮断し、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間を調整できるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、熱風に切り換えることなく、気流管への蒸気供給を停止するだけで、被処理物の実殺菌時間を短縮することができる。
【0011】
更にまた請求項3記載の蒸気殺菌方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記気流管に被処理物を送り込むにあたっては、被処理物を落下させながら蒸気を当て、落下してくる被処理物を気流管側に導入するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、落下させながら蒸気との接触を図った被処理物を気流管側に導くため、気流管における蒸気流拡散が促進され得、より効果的な殺菌が行える。
【0012】
また請求項4記載の蒸気殺菌方法は、前記請求項3記載の要件に加え、前記被処理物を気流管側に導入するにあたっては、落下してくる被処理物を、落下下方側から導入するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、落下してくる被処理物を、落下の下方側から吸い込むため、落下してくる部分に被処理物を残留させることなく、気流管側に導入できる(吸い残しの防止)。
【0013】
また請求項5記載の蒸気殺菌方法は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記気流管を設置するにあたっては、被処理物を落下させながら蒸気と接触させて殺菌する落下式蒸気殺菌機に対して、並設状態に設置するものであり、被処理物が主に粉状である場合に、気流管側に導入して殺菌を行うようにし、被処理物が主に粒状である場合に、落下式蒸気殺菌機において殺菌を行うようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、主に粉原料は気流管において殺菌し、粒原料は落下式蒸気殺菌機において殺菌するため、被処理物の性状に応じた能率的な殺菌が行える。すなわち、粉状の被処理物を落下式蒸気殺菌機において殺菌する場合、粉原料をそのまま落下させただけでは隙間が小さいため蒸気が進入できず、満遍なく蒸気と接触させることが難しかった。しかしながら、この発明では粉状の被処理物を気流管において殺菌するため、蒸気流拡散の効果で粉原料をムラなく殺菌することができ、安定した殺菌効果が得られる。
【0014】
また請求項6記載の蒸気殺菌方法は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記気流管の後段にはサイクロンが接続され、蒸気流によって移送されてきた被処理物は、このサイクロンにおいて、主に蒸気から分離された後、外部に取り出されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、殺菌を受けた被処理物を蒸気や熱風から能率的に分離できる。
【0015】
また請求項7記載の蒸気殺菌装置は、蒸気流を生じさせる気流管を具え、この気流管の中に被処理物を送り込み、移送する間に、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした装置であって、前記気流管には、移送用の蒸気の供給を遮断できるバルブと、蒸気に代わって熱風を送り込み得るバルブが設けられ、被処理物を移送していた蒸気を、途中から熱風に切り換えられるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、気流管に流していた移送用の蒸気を、途中で熱風に切り換えることができるため、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間を短縮でき、殺菌時間の調整が行い易くなる。またこのため、あらゆるニーズの殺菌加工に応えることができる。
【0016】
また請求項8記載の蒸気殺菌装置は、蒸気流を生じさせる気流管を具え、この気流管の中に被処理物を送り込み、移送する間に、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした装置であって、前記気流管には、移送用の蒸気の供給を遮断できるバルブが設けられ、被処理物を移送していた蒸気を、途中から遮断できるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、気流管への蒸気流を停止させるだけで、熱風流を供給すこともなく、被処理物の実殺菌時間を短縮することができる。
【0017】
また請求項9記載の蒸気殺菌装置は、前記請求項7または8記載の要件に加え、前記気流管は、被処理物を落下させながら蒸気を当てて殺菌する落下式蒸気殺菌機に対して、並設状態に取り付けられるものであって、
主に粉状の被処理物を殺菌する場合には、被処理物を気流管側に導入して殺菌を行うものであり、主に粒状の被処理物を殺菌する場合には、被処理物を落下式蒸気殺菌機側において殺菌するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、例えば既存の落下式蒸気殺菌機に、主に粉原料の殺菌を行う気流管(気流機構)を取り付けて、本発明の殺菌装置を構成することができるため、気流管側をオプション扱いにでき、客先ニーズに応じた装置構成を採ることができる。またすでに既存の落下式蒸気殺菌機を購入しているユーザに対しては、気流管側の追加設備だけで、粉原料の殺菌に好適な本殺菌装置を構築することができ、ユーザの設備投資負担を軽減できる。
【0018】
また請求項10記載の蒸気殺菌装置は、前記請求項7、8または9記載の要件に加え、前記気流管は、後段にサイクロンが接続されるものであり、蒸気流によって移送されてきた被処理物が、このサイクロンにおいて、主に蒸気から分離されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、サイクロンによって殺菌後の被処理物を蒸気等から分離するため、サイクロンからの排気中に被処理物が混入せず、歩留りが向上する。もちろんサイクロンから放出した蒸気は、回収して再度の使用に供することも可能である。
【0019】
また請求項11記載の蒸気殺菌装置は、前記請求項9または10記載の要件に加え、前記落下式蒸気殺菌機は、主に粒状の被処理物を殺菌する処理部が、バタフライバルブによって密閉可能に構成されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、処理部のシール構造が、比較的安価且つシンプルな構造の下に実現できる。またメンテナンスも比較的容易に行える。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。説明にあたっては、まず本発明方法を実施する蒸気殺菌装置1の一例について説明し、次いでこの装置の作動態様を説明しながら、併せて本発明方法である蒸気殺菌方法について説明する。
【0021】
蒸気殺菌装置1は、一例として図1〜3に示すように、本出願人の出願に係る上記特開2002−112749公報、特願2002−169152等に開示された落下式蒸気殺菌機に対し、蒸気流による輸送機構を並設して成るものである。すなわち本実施の形態では、被処理物Aが粉状である場合、既存の落下式蒸気殺菌機側から輸送機構側に導いて、このものを殺菌するものであり、被処理物Aが粒状(粗砕物を含む)である場合に、そのまま既存の落下式蒸気殺菌機において、このものの殺菌を行うものである。なお、このような形態に因み、既存の落下式蒸気殺菌機側を粒原料殺菌部2、輸送機構側を粉原料殺菌部3とする。
【0022】
また粉状の被処理物Aとしては、小麦粉などが挙げられ、これ以外の粒状等の被処理物Aとしては、胡椒原粒、そば粒、茶葉、トウガラシ、スパイス、乾燥野菜などが挙げられる。
なお図2は、図3に示す正面図に対して、粒原料殺菌部2や粉原料殺菌部3のダンパー(後述する28等)の開閉方向を異ならせて図示しているが、これは装置全体の構造を判りやすく示したためである。言い換えれば、ダンパーの開閉方向は必ずしも図3の正面図通りでなくても良く、種々変更することが可能である。以下、粒原料殺菌部2及び粉原料殺菌部3について説明する。
【0023】
まず粒原料殺菌部2について説明する。粒原料殺菌部2は、フレーム部材となる機枠4と、主に粒状の被処理物Aの殺菌を行う処理部5と、この処理部5を適宜閉鎖空間とするためのシャッタ部6と、処理部5に被処理物Aを供給する投入部7と、殺菌処理後の被処理物Aを取り出す排出部8とを具えて成るものである。以下各構成部について更に説明する。
【0024】
機枠4は、処理部5、シャッタ部6、投入部7、排出部8等を支持するものであり、一例として直方体の枠型に形成されたメインフレーム20に、シャッタ部6を支持するためのサブフレーム21が取り付けられて成るものである。
なお処理部5、投入部7、排出部8は、機枠4に対して上下動できるように設けられ、シャッタ部6は、機枠4に対して水平方向にスライドできるように吊持される。
また図中符号Bに示す部材が、各部を一体的に連結固定するボルト等の固定金具であり、本装置は、このような構造によって、セグメント状に分断可能に支持されるものである。
【0025】
ここで処理部5、投入部7、排出部8は、ともに円筒状のバレル24と、その内部に設けられるホッパー25とを、基本的な構成部材とするため、まずこれらの部材について説明する。
バレル24は、一例として上下端にフランジ26を有し、ここに前記固定金具Bを受け入れる切欠溝が形成される。
ホッパー25は、被処理物Aを一時的に貯留するとともに、これを順次落下させて行くものであり、上方に投入口27aが開口されるとともに下方に排出口27bが開口されたホッパー本体27と、この排出口27bを適宜開閉するダンパー28とを具えて成るものである(図1参照)。
【0026】
ホッパー本体27は、一例としてロート状の外観を呈するように形成され、下端に上記ダンパー28が傾斜状態に取り付けられ、排出口27bを適宜開閉できるように回動自在に構成される。なおダンパー28を作動させるにあたっては、リンク機構29を介してダンパー用シフタ30によって回動させるものである。因みにダンパー用シフタ30としては、エアシリンダ、油圧シリンダ、モータシリンダ等、適宜のシフト機器を用いることができる。
【0027】
なお処理部5は、このようなホッパー25を内挿したバレル24を、一例として二基、縦に連接して成るものである。ここで処理部5におけるバレル24、ホッパー25、ダンパー28を上下で区別する場合には、上側の部材を順次、24A、25A、28Aとし、下側の部材を順次、24B、25B、28Bとし、「A」、「B」の末尾符号で区別する。
【0028】
また投入部7も、このようなバレル(処理部5のバレル24と区別するために異なる符号34を付す)を、一例として二基、縦に連接して成るものであり、処理部5と同様に、上側のバレル、ホッパー、ダンパーに順次34A、35A、38Aとし、下側の部材を順次、34B、35B、38Bとする(図2参照)。
なおここでは投入部7を、二基のホッパー35(バレル34)により形成したが、必ずしも複数基、要するものではない。因みに上記特願2002−169152では一基で構成している。
【0029】
更に排出部8は、ホッパー45を内挿したバレル44Aと、ホッパーを内挿しない比較的短寸のバレル44Bとを上下に連接して成るものであり、ホッパー45のダンパーを48とする。
【0030】
また処理部5は、二基のバレル24A、24Bのうち、上側のバレル24Aに蒸気Sが導入される。具体的にはホッパー25A内部と、ホッパー25Aとバレル24Aとの間に蒸気Sが導かれるものであり、これらを導入管50とする。なお本実施の形態では、ホッパー25Aの内側と外側とに常時、蒸気Sを導入する形態を採るものである。またホッパー25A内に導かれる蒸気管50の吐出口は、投入口27aと排出口27bとの間に、下向きに設けられる。
そして、この上側のホッパー25Aには、下端部に、後述する粉原料殺菌部3の気流管9が接続され、主に粉状の被処理物Aがホッパー25A(バレル24A)から気流機構側に導入される。
【0031】
更に投入部7の下側のバレル34Bと、排出部8の上側のバレル44Aとは、適宜、大気開放(排気状態)及び熱風供給できるように形成される。因みにこのような排気と熱風供給の目的の一例について説明すると、例えば、排気は殺菌処理の前後において蒸気を追い出すためであり、熱風供給は蒸気による結露を防止するために行うものである。
なお各ホッパー25A、25B、35A、35B、45は、例えば図1に併せて示すように、上端縁部に通気口Pが形成され、ホッパー内にも蒸気や熱風が導入できるように構成される。またこのようにバレル内においてホッパーの内側と外側とを連通させる構造は、後述するホッパー65においても採用されるものである。
【0032】
次に処理部5を適宜閉鎖状態とするシャッタ部6について説明する。シャッタ部6は、殺菌処理中、処理部5を閉鎖空間とすべく、外部との連通を遮断し、またこの状態を維持するものであり、処理部5の投入側及び排出側に各々設けられたバルブユニット51により構成される。このバルブユニット51は、一例として図2に示すように、バタフライ弁タイプのものであり、具体的にはバルブケージ(弁箱;valve cage)52に円板状のバルブエレメント(弁体;valve elemennt)を回動自在に支持して成るものである。
【0033】
なお本実施の形態では、上述したようにバタフライ弁タイプのものを採用するため、上記バルブエレメントを、以下、バタ弁53と称するものである。またこのときの回動軸をバルブステム54とする。そして、バタ弁53を回動させ落下経路を適宜開閉するにあたっては、一例として図3に示すように、支持ブラケット55によって連結されたバルブシフタ56によって回動させるものであり、被処理物Aの比重等の性状に応じて、好適な開放量に設定され得る。
【0034】
またここでは、バルブユニット51を二重シャッタ状態に設ける。すなわち処理部5の前段と後段とに各々二つのバルブユニット51(バタ弁53)を形成し、各段のいずれかのバタ弁53を必ず閉鎖できるようにし、常に処理部5を遮断するようにしている。なおここで計4つのバタ弁53を各々区別して示す場合には、投入部7の途中(投入側上部)に設けられるものをバタ弁53A、投入部7と処理部5との間(投入側下部)に設けられるものをバタ弁53B、処理部5と排出部8との間(排出側上部)に設けられるものをバタ弁53C、排出部8の途中(排出側下部)に設けられるものをバタ弁53Dとする。
なおシャッタ部6は必ずしも上述した二重シャッタ状態に形成する必要はなく、処理部5の前後段に各々一個ずつバタ弁53(バルブユニット51)を設ける形態でも構わない。因みに上記特願2002−169152では処理部5の前後段に各々一個ずつバタ弁を設けている。
【0035】
次に粉原料殺菌部3について説明する。このものは、主に粉状の被処理物Aを短時間で且つムラなく殺菌する部位であり、一例として図1、2に示すように、蒸気流にのせて粉状の被処理物Aを移送しながら、このものの殺菌を行う気流管9と、殺菌後の被処理物Aを蒸気S等から分離するサイクロン10と、殺菌した後の被処理物Aを取り出す粉体製品排出部11と、この排出部を適宜閉鎖できるようにしたシャッタ部12とを具えて成り、前記ホッパー25Aから、これらの部材が順次連結されて成るものである。以下、各構成部について説明する。
【0036】
まず気流管9について説明する。このものは、蒸気流によって粉状の被処理物Aを浮遊状態で移送するものであり、これによって被処理物Aは、粉体の粒子がほぼ一つひとつ拡散した状態(バラバラの状態)で輸送される。このため、粉状の被処理物Aは、輸送中に蒸気Sとほぼ満遍なく接触し、全体的にムラのない均一な状態で殺菌される。
また本実施の形態では、気流管9において被処理物Aの移送作用を担う蒸気Sを、途中から熱風に切り換えられるようにしており、これによって被処理物Aが蒸気Sと接触する実殺菌時間を短縮できるようにし、被処理物Aに熱ダメージをほとんど与えないようにしている。
【0037】
このような構成上、気流管9には蒸気Sや被処理物Aをダンパー28A側から導入するバルブ(これを蒸気遮断用バルブFV1とする)が設けられる他、熱風供給用バルブFV2が設けられる。もちろん蒸気遮断用バルブFV1は、その操作によって気流管9への原料(被処理物A)の供給も遮断できるものである。
なお気流管9に供給される蒸気Sは、一例として120〜180℃程度の飽和または過熱蒸気であり、圧力は0.05〜0.3MPa程度である。また気流管9に供給される熱風は、一例として80〜150℃程度である。
なお被処理物Aの実殺菌時間を短縮するにあたっては、必ずしも気流管9内の蒸気流を熱風に切り換えるだけでなく、単に蒸気流を遮断するだけ(熱風の供給は行わない)でも構わない。
【0038】
次にサイクロン10について説明する。このものは、蒸気流によって移送及び殺菌された被処理物Aを、回転流に伴う遠心力で分離するものである。分離手法を具体的に説明すると、被処理物Aについてはサイクロン10内を旋回させて下方に送り、蒸気や熱風については、サイクロン10上方から大気中に放出して分離を行うものである。このような構成上、サイクロン10の上部には蒸気や熱風を大気開放するための排気管60が接続されており、ここには更に、粒原料殺菌部2(処理部5)、気流管9、サイクロン10等の蒸気圧力や蒸気流量の設定を行う排気量調整用バルブCVが設けられる。
【0039】
次に粉体製品排出部11について説明する。このものは、粒原料殺菌部2の排出部8とほぼ同様の構成を採るものであり、ホッパー65を内挿したバレル64Aと、ホッパーを内挿しない比較的短寸のバレル64Bとを上下に連接して成り、ホッパー65のダンパーを68とする。またこのバレル64Aには、熱風供給用バルブXV1、大気開放用バルブXV2、蒸気追出用バルブXV3が設けられる。
【0040】
また粉体製品排出部11(バレル64A)を適宜閉鎖するシャッタ部12も、粒原料殺菌部2のシャッタ部6とほぼ同様に構成されるものであり、ここでのバタ弁を73とする。
【0041】
蒸気殺菌装置1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下この装置の作動態様を説明しながら、実質的に本発明の蒸気殺菌方法について説明する。
なお上述した蒸気殺菌装置1は、粒原料殺菌部2(既存の落下式蒸気殺菌機)に粉原料殺菌部3を並設し、粒状の被処理物Aが供給された場合は、そのまま粒原料殺菌部2内を落下させて殺菌し、粉状の被処理物Aが供給された場合は、粉原料殺菌部3に導入して殺菌する態様を基本とする。このため、まず粒状の被処理物Aの殺菌態様について概略的に説明する。
【0042】
まず適宜の量の被処理物Aが投入部7のホッパー35A内に供給される。この被処理物Aは、バタ弁53Aが開放した後、ダンパー38Aの開放によって、ホッパー35B内に落下する。その後、被処理物Aは、バタ弁53B及びダンパー38Bの順次開放に伴い、ホッパー25A内に落下する。
この際、例えばダンパー28Aを開放状態としておき、落下に併せて蒸気管50から蒸気Sを供給することにより、被処理物Aは蒸気Sと接触して殺菌される。
【0043】
なお被処理物Aの殺菌にあたっては、ダンパー28Aを閉鎖した状態で行うことも可能である。また蒸気管50からホッパー25Aに蒸気Sを吐き出すタイミングも、必ずしも被処理物Aの落下に併せて行う必要はなく、例えばダンパー28Aを閉鎖した状態で被処理物Aを落下させ、このものが蒸気管50の吐出口を覆う程度までホッパー25A内に貯留された状態で、蒸気Sの供給を開始することも可能である。
【0044】
その後、殺菌を受けた被処理物Aは、バタ弁53C及びダンパー28Bの順次開放に伴い、ホッパー45内に落下する。そしてバタ弁53Dを開放した後、ダンパー48の開放によって、バレル44B内を落下し、装置下方に排出される。
なお粒原料殺菌部2の殺菌態様に関する、これ以上の説明は、ここでは省略し、上記特開2002−112749、特願2002−169152等を援用する。
【0045】
以下、粉状の被処理物Aの殺菌態様について説明するが、粒状の被処理物Aが上述した作動で殺菌されること等に因み、粉状の被処理物Aの殺菌とは、直接、関与しない作動が、粒原料殺菌部2等に出現するものである。
また図4〜7までの作動態様の図と、図8のタイムチャート(各部位の作動状況)に付された(1)〜(12)までの番号は、装置の作動状況(段階)を順に示す通し番号である。ここで作動図(1)〜(3)は動作始めであり、実際の殺菌の基本動作は作動図(4)〜(12)の繰り返しとなるため、作動図(1)〜(3)の動きは、必ずしも図8のタイムチャートと合致しない部分がある(図8のタイムチャートでは、特にサイクロン10の下部の動作が省略される)。
【0046】
(i) 動作図(1)
まずホッパー35A内に粉状の被処理物Aが適量、供給される。この際、タイムチャートから判るように、排気上がONとなり、バレル34Bが大気開放される(排気状態)。また開放されていたバタ弁53Dが閉鎖されて行くが(本図は閉鎖状態で図示)、これは、作動図(9)から(10)の動作と連続するためである。
なお本実施の形態では、ホッパー25Aの内外(バレル24A内)に常時、蒸気Sを供給し、ホッパー25A内を含む処理部5内を常に高圧場とするものであるが、必ずしも、この形態に限定されるものではなく、例えば処理部5に被処理物Aが存在しない場合には、蒸気供給を停止する形態も採り得る。
【0047】
(ii)動作図(2)
その後、被処理物Aは、バタ弁53A及びダンパー38Aの順次開放によって、ホッパー35B内に落下するものであり、本図はこの落下途中の状態を示している。なお、ここでは、タイムチャートから判るように、ダンパー38Aを開放する前までに排気上(バレル34Bの大気開放)をOFFとしている。またこの際、ダンパー28Aを徐々に開放して行くが、これは、粒原料殺菌部2の要求動作である。更にバタ弁53Cも徐々に開放されるが、これも粒原料殺菌部2の要求動作(作動図(11)の動作)である。
更に本図では粉原料殺菌部3のダンパー68とバタ弁73とが開放されているが、これは作動図(11)に示す殺菌済の被処理物Aを取り出す動作と対応させているためである。なおこの作動はタイムチャートでは省略されている。
【0048】
(iii) 動作図(3)
本図は、被処理物Aをホッパー35B内に収容した状態(落下完了状態)を示している。なお被処理物Aを落下させた後、まずダンパー38Aを閉鎖し(本図はこの状態で図示)、続いてバタ弁53Aを閉鎖する。またここでは、タイムチャートから判るように、ダンパー28Aを閉鎖した後、ダンパー38Aの閉鎖を行っているが、必ずしもこの順序通りに行う必要はない。更にこの際、バタ弁53Cとダンパー28Bとが開放されているが、これも粒原料殺菌部2の要求動作(作動図(12)の動作)である。
【0049】
(iv)動作図(4)
本図は、気流管9に取り付けられた蒸気遮断用バルブFV1を開放して、粉原料殺菌部3側に蒸気Sの供給を開始した状態を示している。もちろん、この状態で気流管9内に送られるものは、まだ蒸気Sのみである。なお、このような蒸気供給に伴い、熱風供給用バルブXV1も開放して粉体製品排出部11のバレル64A内に熱風を供給するものであり、これは、蒸気によるバレル64A内(ダンパー68部)の結露防止を目的としている。そしてバレル24A(ホッパー25A)から粉原料殺菌部3側に導入された蒸気Sは、サイクロン10の上方(排気管60)から大気中に排気されるが、この際、バレル64Aに供給されていた熱風も同時に排出される。また、この状態で、バタ弁53Bが徐々に開放されて行くものであり、これは高圧場を形成するホッパー25Aに被処理物Aを落下させる準備作動である。
【0050】
(v) 動作図(5)
本図は、バタ弁53Bをほぼ最大まで開放させた状態を示しており、言わば被処理物Aを蒸気流によって輸送するための第二段階である。この状態で、熱風供給用バルブXV1は閉鎖され、バレル64Aへの熱風供給が停止されるが、蒸気遮断用バルブFV1は、そのまま開放状態で継続される。なおタイムチャートでは、この後、排気下がONとなり、バレル44Aが大気開放される(排気状態)が、これは、バタ弁53Dを開放する際に、バレル44A内(ダンパー48部)の圧力を排気するためである。
【0051】
(vi)動作図(6)
本図は、被処理物Aを気流管9内の蒸気流にのせて粉原料殺菌部3側に輸送し始めた状態である。作動としては、まずダンパー38Bを徐々に(ゆっくり)開放して行き、被処理物Aを圧力場(ホッパー25A)に落下させる(本図はダンパー38Bを開ききった状態で図示)。圧力場に落下した被処理物Aは、その後、蒸気流によって気流管9内を、サイクロン10側に向かって輸送される。
なお被処理物Aは、気流管9内では、蒸気流によって拡散状態で移送されるため、輸送中、蒸気Sと満遍なく接触し、ムラなく殺菌されるものである。またこの際、排気下がON状態に設定されるものであり、これは、上述したようにバタ弁53Dを開放する際の、ダンパー48部の圧力を排気するためである。
【0052】
(vii) 動作図(7)
本図は、被処理物Aがほぼ全部、蒸気遮断用バルブFV1を通過した状態を示している。この際、被処理物Aが全てホッパー35Bから落下し終わった段階で、ダンパー38Bが閉鎖され(本図はこの状態で図示)、その後、バタ弁53Bが続いて閉鎖される。
またバタ弁53Dが徐々に開放されて行く(本図は開放状態で図示)。
【0053】
(viii)動作図(8)
本図は、被処理物Aの大部分がサイクロン10内に導入された状態を図示している。この際、被処理物Aが蒸気遮断用バルブFV1を通過した後、適宜のタイミングで、このバルブが閉鎖され、気流管9内への蒸気供給が停止される。またこの直後に熱風供給用バルブFV2が開放され、今度は気流管9内に熱風が送り込まれる。すなわち、この切換作動によって被処理物Aは蒸気Sから熱風によって移送されるものである。
【0054】
なお気流管9での移送中に蒸気Sによってムラなく殺菌された被処理物Aは、サイクロン10内において、蒸気や熱風と分離されるものである。具体的には、被処理物Aについてはサイクロン10内を渦巻き状に進行しながら下部中心に向かうものであり、蒸気や熱風については、サイクロン10上部の排気管60から大気中に放出される。
また、この際、ダンパー48とバタ弁53Dとが開放されるが、これは粒原料殺菌部2の要求動作である。更にまた、排気上がONとなり、バレル34Bが大気開放(排気)されるが、これも粒原料殺菌部2の要求動作(作動図(2)の動作)である。
【0055】
(ix)動作図(9)
本図は、被処理物Aがほぼサイクロン10内を通過した状態を図示している。このような状態で、熱風供給用バルブFV2が閉鎖され、気流管9に供給されていた熱風が停止される。またこれとほぼ同時に蒸気追出用バルブXV3及び大気開放用バルブXV2が開放され、バレル64A内に熱風が供給されるとともに、ここを通過した熱風が大気中に放出される。なおこれは、殺菌を終えた被処理物Aを取り出す前に、バレル64A内に残留する蒸気を追い出すためである。
【0056】
(x) 動作図(10)
本図は、殺菌後の被処理物Aがサイクロン10を通過し、ほぼ全てホッパー65内に収容された状態を図示している。このような状態で、蒸気追出用バルブXV3が閉鎖され、バレル64Aへの熱風の供給が停止される。なお大気開放用バルブXV2はそのまま開放されている。
またこの状態で投入部7のホッパー35Aに新たな被処理物Aが供給される。このため作動図(1)〜(2)と同様に、バタ弁53Aやダンパー28Aが徐々に開放されて行くものである。なおこの後、熱風下がONとなり、バレル44A内に熱風が供給されるが、これは、蒸気による結露防止のためであり、粒原料殺菌部2の要求動作である。
【0057】
(xi)動作図(11)
本図は、殺菌を終了した被処理物Aの取り出しと、未殺菌の被処理物Aをホッパー35Bに落下させる状態を図示している。殺菌済みの被処理物Aを取り出すにあたっては、バタ弁73とダンパー68を順次開放させ、落下させながら取り出すものである。なおタイムチャートでは、ダンパー68を開放させるまでに、大気開放用バルブXV2を閉鎖しているが、これは単に大気開放用バルブXV2の動作リセットである。
一方、未殺菌状態の被処理物Aをホッパー35Bに落下させる動作は、上述した作動図(2)の動きと同様であるため、ここでは省略する。
【0058】
(xii) 動作図(12)
本図は、ダンパー68の閉鎖と、未殺菌状態の被処理物Aをホッパー35B内に収容した状態を図示している。殺菌済みの被処理物Aを取り出した後は、まずダンパー68を閉鎖し(本図はこの状態を図示)、この後、続いてバタ弁73を閉鎖する。
一方、未殺菌状態の被処理物Aをホッパー35B内に収容する動作(落下完了の動作)は、上述した作動図(3)の動作と同様であるため、ここでは省略する。
そして、これ以降、上述した作動図(4)からの動作が繰り返し行われる。
【0059】
【他の実施の形態】
本発明は、以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。すなわち先の図1〜8に示した実施の形態は、例えば既存の落下式蒸気殺菌機に気流輸送機構を取り付けた形態、つまり粒原料殺菌部2に粉原料殺菌部3を並設した形態である。これは、粒状または粉状等、種々の被処理物Aに応じて能率的な殺菌が行える点で好適であり、また既に従来の落下式蒸気殺菌機を購入したユーザに対しても、気流輸送機構のみの後付けで、本装置が構築できる点で望ましい形態である。
しかしながら、ユーザが新たに殺菌装置を新設する場合や、あるいはユーザが粉状の被処理物Aしか扱わない場合(殺菌対象物が粉体に限定されている場合)等には、例えば図9に示すように、粒原料殺菌部2のダンパー28Aより下(排出部8)を省略することが可能である。もちろん、この図9に示す装置を適用し、例えば粒状の被処理物Aも気流管9に導いて殺菌を行うことも可能である。
【0060】
また先に述べた基本の実施の形態は、ホッパー25A内を落下してくる被処理物Aを、ホッパー25Aの最下端部(漏斗状の先端部側)から気流管9側に導入する形態を採り、これはホッパー25A内に被処理物Aが残留し難い(吸い残しがない)点で好適である。しかしながら、例えば図10に示すように、ホッパー25A内を落下してくる被処理物Aを上側から気流管9に導入することも可能である。なお、ここでは種々のバルブ(図中に記載した蒸気弁1、蒸気弁2、経路弁など)を操作して、ホッパー25A内に蒸気Sを供給していた蒸気管50から被処理物Aを気流管9に導入するように図示している。
なおサイクロン10は、本図に併せて示すように、ホッパー65と一体化させることが可能である。
【0061】
更にまた基本の実施の形態では、実殺菌時間(粉状の被処理物Aが実際に蒸気Sにさらされる時間)が概ね3秒程度である。この殺菌時間をより長くしたい場合(例えば5秒以上)には、一例として図11に示すように、気流管9の途中に滞留調整用のタンクTを設けることが可能である。
【0062】
また上述した基本の実施の形態は、サイクロン10の下方に一基のホッパー65を設けるものであったが、サイクロン10の下方に複数のホッパーを構成することも可能である。一例として図12(a)では、サイクロン10の下方に二基のホッパー(これを65A、65Bとする)を設け、図12(b)では三基のホッパー(これを65A、65B、65Cとする)を設けた状態を図示した。またこれに伴い、上下に設けられたバタ弁も上から73A、73Bと符号を付して区別する。なお図12(a)では、蒸気遮断用バルブFV1を開状態または廃止する形態で、気流管9、サイクロン10に蒸気を供給したままでも、粉体排出部11を排出部8と同様に作動させることで、被処理物Aの取り出すことができる。また図12(b)では、図12(a)に更にホッパー65Bを設けることで、殺菌時間を長時間調整することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば既存の落下式蒸気殺菌機(粒原料殺菌部2)に、気流輸送機構(粉原料殺菌部3)を取り付けることにより、本殺菌装置を構築することができるため、落下式蒸気殺菌機の利点をそのまま活かすことができ、広範囲の被処理物Aの殺菌が能率的に行える。すなわち、拡散状態で落下しにくい粉状の被処理物Aを殺菌対象とする場合であっても、蒸気流拡散によって被処理物Aを蒸気と満遍なく接触させることができ、ムラのない安定した殺菌が行える。
また気流管9による被処理物Aの輸送中、蒸気流から熱風流に切り換えたり、あるいは熱風流に切り換えることなく単に蒸気流を遮断することにより、気流管9での短時間殺菌調整が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の蒸気殺菌装置を示す斜視図である。
【図2】本発明装置の内部構造と、殺菌を受ける粒原料及び粉原料の流れを概略的に併せて示す説明図である。
【図3】本発明装置の正面図である。
【図4】主に粉状の被処理物の殺菌態様を段階的に示す説明図である。
【図5】主に粉状の被処理物の殺菌態様を段階的に示す説明図である。
【図6】主に粉状の被処理物の殺菌態様を段階的に示す説明図である。
【図7】主に粉状の被処理物の殺菌態様を段階的に示す説明図である。
【図8】蒸気殺菌装置の作動状況の一例を示すタイムチャートである。
【図9】粒原料殺菌部の排出部を省略した殺菌装置の他の実施の形態を示す骨格的説明図である。
【図10】落下式蒸気殺菌機(粒原料殺菌部)内を落下する被処理物を、上方から気流管側に導くようにした他の実施の形態を示す骨格的説明図である。
【図11】殺菌時間を変更できるようにした他の実施の形態を示す骨格的説明図である。
【図12】サイクロンの下方に複数のホッパーを組み込むようにした他の実施の形態を示す骨格的説明図である。
【符号の説明】
1 蒸気殺菌装置
2 粒原料殺菌部
3 粉原料殺菌部(気流輸送機構)
4 機枠
5 処理部
6 シャッタ部
7 投入部
8 排出部
9 気流管
10 サイクロン
11 粉体製品排出部
12 シャッタ部
20 メインフレーム
21 サブフレーム
24 バレル
24A バレル(上側)
24B バレル(下側)
25 ホッパー
25A ホッパー(上側)
25B ホッパー(下側)
26 フランジ
27 ホッパー本体
27a 投入口
27b 排出口
28 ダンパー
28A ダンパー(上側)
28B ダンパー(下側)
29 リンク機構
30 ダンパー用シフタ
34A バレル(上側)
34B バレル(下側)
35A ホッパー(上側)
35B ホッパー(下側)
38A ダンパー(上側)
38B ダンパー(下側)
44A バレル(上側)
44B バレル(下側)
45 ホッパー
48 ダンパー
50 蒸気管
51 バルブユニット
52 バルブケージ
53 バタ弁
53A バタ弁
53B バタ弁
53C バタ弁
53D バタ弁
54 バルブステム
55 支持ブラケット
56 バルブシフタ
60 排気管
64A バレル(上側)
64B バレル(下側)
65 ホッパー
65A ホッパー
65B ホッパー
65C ホッパー
68 ダンパー
73 バタ弁
73A バタ弁
73B バタ弁
A 被処理物
B 固定金具
P 通気口
S 蒸気
T タンク
CV 排気量調整用バルブ
FV1 蒸気遮断用バルブ
FV2 熱風供給用バルブ
XV1 熱風供給用バルブ
XV2 大気開放用バルブ

Claims (11)

  1. 気流管内に生じさせた蒸気流によって被処理物を移送しながら、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした方法であって、
    被処理物を移送していた蒸気を、途中から熱風に切り換えられるようにし、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間を調整できるようにしたことを特徴とする蒸気殺菌方法。
  2. 気流管内に生じさせた蒸気流によって被処理物を移送しながら、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした方法であって、
    被処理物を移送していた蒸気を、途中から遮断し、被処理物が蒸気と接触する実殺菌時間を調整できるようにしたことを特徴とする蒸気殺菌方法。
  3. 前記気流管に被処理物を送り込むにあたっては、被処理物を落下させながら蒸気を当て、落下してくる被処理物を気流管側に導入するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気殺菌方法。
  4. 前記被処理物を気流管側に導入するにあたっては、落下してくる被処理物を、落下下方側から導入するようにしたことを特徴とする請求項3記載の蒸気殺菌方法。
  5. 前記気流管を設置するにあたっては、被処理物を落下させながら蒸気と接触させて殺菌する落下式蒸気殺菌機に対して、並設状態に設置するものであり、
    被処理物が主に粉状である場合に、気流管側に導入して殺菌を行うようにし、被処理物が主に粒状である場合に、落下式蒸気殺菌機において殺菌を行うようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の蒸気殺菌方法。
  6. 前記気流管の後段にはサイクロンが接続され、蒸気流によって移送されてきた被処理物は、このサイクロンにおいて、主に蒸気から分離された後、外部に取り出されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の蒸気殺菌方法。
  7. 蒸気流を生じさせる気流管を具え、この気流管の中に被処理物を送り込み、移送する間に、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした装置であって、
    前記気流管には、移送用の蒸気の供給を遮断できるバルブと、蒸気に代わって熱風を送り込み得るバルブが設けられ、被処理物を移送していた蒸気を、途中から熱風に切り換えられるようにしたことを特徴とする蒸気殺菌装置。
  8. 蒸気流を生じさせる気流管を具え、この気流管の中に被処理物を送り込み、移送する間に、気流管内の蒸気と接触させて被処理物を殺菌するようにした装置であって、
    前記気流管には、移送用の蒸気の供給を遮断できるバルブが設けられ、被処理物を移送していた蒸気を、途中から遮断できるようにしたことを特徴とする蒸気殺菌装置。
  9. 前記気流管は、被処理物を落下させながら蒸気を当てて殺菌する落下式蒸気殺菌機に対して、並設状態に取り付けられるものであって、
    主に粉状の被処理物を殺菌する場合には、被処理物を気流管側に導入して殺菌を行うものであり、主に粒状の被処理物を殺菌する場合には、被処理物を落下式蒸気殺菌機側において殺菌するようにしたことを特徴とする請求項7または8記載の蒸気殺菌装置。
  10. 前記気流管は、後段にサイクロンが接続されるものであり、蒸気流によって移送されてきた被処理物が、このサイクロンにおいて、主に蒸気から分離されることを特徴とする請求項7、8または9記載の蒸気殺菌装置。
  11. 前記落下式蒸気殺菌機は、主に粒状の被処理物を殺菌する処理部が、バタフライバルブによって密閉可能に構成されることを特徴とする請求項9または10記載の蒸気殺菌装置。
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