JP2004537727A5 - - Google Patents

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血液サンプル中の有核赤血球の分析法
本発明は、血液サンプル中の有核赤血球の分析法に関する。より特に、前記方法は、2つの別々の血液測定結果から得られた血球分布パターンを分析し、有核赤血球の存在を確認し、そしてさらに血液サンプル中の有核赤血球をカウントする。
正常な末梢血は、核をもたない成熟した赤血球を含んでいる。赤芽球として知られる有核赤血球(NRBCs)は、未熟な赤血球である。それらは、通常末梢血中ではなく骨髄中に生じる。末梢血中の多数のNRBCsの存在は、巨赤芽球性貧血、サラセミア、鎌状赤血球クリーゼ、白血病、及び輸血反応を含む溶血症状のような赤血球成熟の妨害を反映する。従って、NRBCsの計測は、臨床的に重要である。伝統的に、NRBCの区別とカウントは、手作業で行われる。前記方法は、顕微鏡スライド上に血液サンプルを塗りつけ、そして染色し、その後手作業により個々のスライドを視覚的に分析する。NRBC濃度は、白血球100個あたりのNRBCの数として記録される。通常、血液塗抹上の同じ部位に存在する200個の白血球及びNRBCの数が、カウントされ、そしてこの数を2で割ってNRBC数/100 WBCとしてNRBC濃度を表す。このアプローチは、非常に時間がかかり、そしてスライドを分析した個人の解釈に対して主観的である。
ここ数年、いくつかの蛍光フローサイトメトリー方法が、NRBCsを区別するために開発された。これらの方法は、電子又は光学的な性質に基づいてNRBCsを区別するのが困難であるので、NRBCsを他の細胞型と区別するために特定の核染色反応技術を利用する。
米国特許番号第5,298,426号(Inamiらに対する)は、NRBCsを区別するための蛍光法を開示する。この方法は、酸性の低張蛍光色素溶液である第1の流体と第2の流体を使用する、ツーステップ染色を利用する。Inamiらは、前記第1の流体が、有核赤血球内に拡散する赤芽球染色染料を含み、上記染料が、特異的に有核赤血球の核を染色し、そして2次元のプロットにより他の細胞群からNRBCsの群を区別し、それによりNRBCの区別の結果が算出されることを教示する。白血球亜集団を同時に区別するために、第1の流体は、さらなる2つの蛍光染料、すなわちこれらの細胞型を特異的に染色するための、好酸球/好塩基球を染色する染料と、白血球を染色する染料をも含む。
米国特許番号第5,559,037号(Kimらに対する)は、NRBCsと白血球のフローサイトメトリー分析法を開示する。この方法は、NRBC核を生体核染色に晒すために全血サンプル由来の赤血球及びNRBC細胞質を溶解し、上記生体核染色の白血球中への浸透を最小限にし、そして、蛍光と2アングルの光散乱を測定することによってサンプルを分析することを含む。この方法は、残屑からのシグナル(蛍光及び非蛍光)を遮り、そしてNRBCsの、ALLトリガーを下回るが、しかし蛍光トリガー(FL3)を上回るシグナルを確認するトリプル・トリガリング法を特徴とする。ALLは、光、又は入射光線から0°にて検出される光散乱シグナルの軸方向の喪失である。従って、1次元超のプレ-ゲーティング・シグナルが、NRBC集団の識別のためのこの方法に求められる。白血球は有核細胞でもあるので、蛍光測定法に対する妨害を避けるために、これらの細胞の染色を防ぐ必要がある。白血球膜の維持と白血球中の核染色の浸透の最小限化は、赤血球の溶解中に脂肪族アルデヒドを用いて白血球を固定することによって同時に達成される。さらに、前記方法は、NRBCと白血球を区別するために、試薬を42℃に加熱する必要がある。
米国特許番号第5,648,225号(Kimらに対する)は、有核血球の細分類のための多目的血球溶解試薬の使用方法を開示する。この方法は、核染色液を含む多目的血球溶解試薬により血液サンプルを溶解し、高温にてこのサンプル混合物をインキュベートし、そして自動電子光学的血液学機器によりNRBCsを含む有核血球を測定するステップを含む。
米国特許番号第5,879,900号(Kimらに対する)は、フローサイトメトリーによる、血液サンプル中のNRBCs、傷ついた白血球(WBC)、WBC、及びWBC差異を区別する方法を開示する。この方法は、血液サンプルを溶解し;生体核染色液によりNRBCs及び全ての傷ついた白血球を染色し;少なくとも1つの蛍光、並びに0°〜1°及び3°〜10°の範囲の少なくとも1つの光散乱シグナルを計測することによってサンプル混合物を分析し;蛍光及び光散乱シグナルから3次元プロットを構築し;そしてWBC、NRBC、傷ついたWBC及びWBCサブクラス差異を区別し、そしてカウントすることを含む。
欧州特許第1 004 880 A2号は、有核赤血球を識別し、そしてカウントする試薬及び方法を開示する。この方法は、赤血球を溶解し、白血球及びNRBCsを染色し、少なくとも1つの光散乱パラメーター及び少なくとも1つの蛍光パラメーターを計測することによって、サンプルをアッセイするステップを含む。
米国特許番号第5,874,310号(Liらに対する)は、有核赤血球を区別する方法を開示する。この方法は、成熟赤血球を溶解し、そしてNRBCsを他の細胞型と区別するために光散乱の計測によって、フローセル内のサンプルを分析することを含む。この光散乱測定は、10°未満の2つの小角光散乱シグナルを使用することによって実施される。この方法は、電子及び光学的な分析を使った白血球の同時区別をさらに含む。ここで、前記電子分析は、DCインピーダンス計測である。
米国特許番号第5,917,584号(Liらに対する)は、有核赤血球の区別の方法を開示する。この方法は、成熟赤血球を血液サンプル中で溶解し;NRBCsを他の細胞型と区別するために、2アングルの光散乱計測によってフローセル内のサンプルを分析することを含む。ここで、第1の光散乱シグナルは、10°未満の小角光散乱であり、そして第2の光散乱シグナルは、中程度のアングルか、又は直角の光散乱シグナルである。
前記方法は、蛍光フローサイトメトリーとマルチ・アングル光散乱の計測により白血球とNRBCsの区別とカウントを可能にする。しかし、蛍光とマルチ・アングル光散乱の計測は、複雑で、かつ、高価な検出方法である。
多くの最新の自動化血液学分析器、例えばAbbott Cell-Dyn(登録商標)3500、COULTER(登録商標)Gen・S(商標)、Bayer Advia*120(登録商標)及びSysmex(商標)NE-9000は、得られた血球分布ヒストグラムの血球残屑エリア近くのシグナルの増加を機器が感知したときに、分析された血液サンプル中のNRBCsの存在の可能性についてNRBC合図(NRBC flagging)を提供することしかできない。しかし、多くの他の血液異常、例えば血小板塊及び鎌状赤血球、並びに十分に溶解されていない血液サンプル由来の血球残屑が同じエリアのシグナル増加を引き起こしうるので、そのような方法は、偽陽性の合図を生じやすい。
さらに、サンプルを含むNRBCについて知られている問題は、これらのサンプルに対する血液学分析器によって記録される誤った白血球計数(WBC)である。NRBCsの核の量が白血球のそれに近く、そしてそれらが血球サイズを計測する血液学分析器によって普通、白血球としてカウントされるので、WBCの増加をもたらす。従って、血液学分析器から記録されたWBCに対するNRBCの寄与の補正が、NRBCを含むサンプルについて必要とされる。臨床検査室における現在の実務は、血液学分析器によって記録されたWBCから、手作業によるカウントによって得られたNRBCの数を差し引くことになっている。これは時間がかかり、そして間違いを生じやすい。
それ故に、血液サンプル中のNRBCsを分析し、そしてカウントするための簡単で、かつ、より安価な測定法に関する必要性を示す。
本発明の概要
本発明は、血液サンプル中の有核赤血球を分析する方法に関する。前記方法は、以下のステップ:(a)血液サンプルの最初のアリコートを、最初の血球溶解試薬システムに晒して赤血球を溶解し、そして最初のサンプル混合物を形成し;(b)血液サンプルの2番目のアリコートを、2番目の血球溶解試薬システムに晒して赤血球を溶解し、そして2番目のサンプル混合物を形成し;(c)フローセル内の上記最初のサンプル混合物を、直流インピーダンス計測法(DC1)、無線周波インピーダンス計測法(RF)、及び光散乱計測法(LS)を含む検出によって計測し;(d)非絞り込みフロー・アパーチャ(non-focused flow aperture)における第2の直流インピーダンス測定法(DC2)によって上記2番目のサンプル混合物の血球分布を計測し;(e)上記最初のサンプル混合物を計測することで得られた血球分布パターンを分析し、そして有核赤血球を他の細胞型と区別し;(f)上記2番目のサンプル混合物を計測することで得られた血球分布パターンを分析し、そして有核赤血球を他の細胞型と区別し;(g)ステップ(e)及び(f)からの分析の結果を組み合わせることによって得られた特徴の複合解析を実施し、さらに上記複合解析が、有核赤血球を他の細胞型と区別し;そして(h)血液サンプル中の有核赤血球を記録する、を含む。前記方法は、血液サンプル中の有核赤血球の存在を記録することができて、さらに血液サンプル中の100個の白血球あたりの有核赤血球数として有核赤血球の量を記録することができる。
前記方法は、第3の直流インピーダンス計測法により非絞り込みフロー・アパーチャにおける2番目のサンプル混合物中の血球の残存をカウントし、そして血液サンプルの単位体積中の白血球の数を記録することをさらに含む。しかも、前記方法は、血液サンプルの単位体積中の有核赤血球数として有核赤血球の量を記録することをさらに含む。
好ましい態様の詳細な説明
1の態様において、本発明は、血液サンプル中の有核赤血球(NRBCs)を分析するための方法に向けられる。
前記方法は、以下のステップ:(a)血液サンプルの最初のアリコートを、最初の血球溶解試薬システムに晒して赤血球を溶解し、そして最初のサンプル混合物を形成し;(b)血液サンプルの2番目のアリコートを、2番目の血球溶解試薬システムに晒して赤血球を溶解し、そして2番目のサンプル混合物を形成し;(c)フローセル内の上記最初のサンプル混合物を、直流インピーダンス計測法(DC1)、無線周波インピーダンス計測法(RF)、及び光散乱計測法(LS)によって計測し;(d)非絞り込みフロー・アパーチャにおける第2の直流インピーダンス測定法(DC2)によって上記2番目のサンプルを計測し;(e)上記最初のサンプル混合物を計測することで得られた血球分布パターンを分析し、そして有核赤血球を他の細胞型と区別し;(f)上記2番目のサンプル混合物を計測することで得られた血球分布パターンを分析し、そして有核赤血球を他の細胞型と区別し;(g)ステップ(e)及び(f)からの分析の結果を組み合わせることによって得られた特徴の複合解析を実施し、さらに上記複合解析が、有核赤血球を他の細胞型と区別し;そして(h)血液サンプル中の有核赤血球を記録する、を含む。
最初の血球溶解試薬システムは、血球溶解試薬と安定化剤を含む。最初の血球溶解試薬システムの好適な例は、商品である、Beckman Coulter, Inc. Miami, Florida、製のSCATTER PAK(登録商標)である。この血球溶解試薬システムは、低張酸性血球溶解試薬、Erythrolyse(商標)II、及び高張アルカリ性安定化試薬、StabiLyse(商標)を含む。血球溶解試薬システムの組成物及び血液分析のための使用方法は、米国特許番号第5,155,044号(Ledisらに対する)中に完全に記載されており、上記文献の全体を本明細書中に援用する。
最初の血球溶解試薬システムの他の好適な例は、米国特許番号第5,686,308号(Liらに対する)に記載されており、上記文献の全体を本明細書中に援用する。
計測のための血液サンプルの最初のアリコートを調製するために、前記方法は、まず血液サンプルの最初のアリコートを、所定の量の血球溶解試薬と、混合して赤血球を溶解し、続いて安定化剤を加え、サンプル混合物におけるさらなる溶解反応を遅らせる。前記最初の血球溶解試薬システムを使用することによって、サンプル混合物中の白血球は、本質的にもとのままに維持され、続く層別解析に使用されることができる。有核赤血球はより壊れやすく、そしてそれらの細胞膜は、同じ血球溶解条件下で溶解される。最初のサンプル混合物中のNRBCsは、白血球よりずっと少量である。
最初のサンプル混合物の測定は、直流インピーダンス計測(DC1)、無線周波インピーダンス計測(RF)及び光散乱計測を使った絞り込みフローセルにより実施される。血球のような粒子がフローセルのアパーチャを通過するとき、伝導度又はインピーダンスの変化により、電気シグナルが計測されうる。電気パルスの波形、高さ、及び幅は、粒子又は血球のサイズに直接的に関連し、計測した粒子のサイズに変換されうる。血球は、全方位のレーザ光線からの入射光を散乱させもする。光散乱シグナルは、0°〜180°の入射ビームに関連する様々な角度にて光検出器によって検出されることができる。各々の細胞集団が、異なる細胞集団の区別のために利用されるかもしれない、顕著な又は軽微な、異なる光散乱特性をもつことが分かっている。本発明の目的のために、10°〜70°の光散乱シグナルが光散乱計測によって検出される。この領域の光散乱シグナルは、メジアン角光散乱とも呼ばれる。
自動血液学分析器による血球分析のための絞り込みフローセルを使用した、DC及びRFインピーダンス計測デバイス、並びにメジアン角光散乱計測デバイスは、当業者に知られ、そして米国特許番号第5,125,737号(Rodriguezらに対する)中に一般に記載されている。前記文献の全体を本明細書中に援用する。
最初のサンプル混合物で行われたDC1、RF、及び光散乱計測は、計測したパラメーター又は直接的な計測値の導関数を使って一連の2次元散布図を作成することができる。
図1A及び1Bは、実施例1に記載の手順に従って処理され、そして分析された正常な血液サンプルから得られた、それぞれDC1、対、最初の変換光散乱(RLS)、及びDC1、対、不透過率(OP、DC1とRFの関数)の散布図である。図のように、白血球は、リンパ球、単球、好中球、好酸球、及び好塩基球を含む、2つの散布図中のそれらの亜集団に分けられる。重要なことに、血球集団は、リンパ球の下の領域には存在しない。
図2A及び2Bは、5 NRBCs/100 WBCを有する臨床サンプルから同じ条件下で得られた、それぞれ図1A及び1Bのそれと同じ寸法の2つの散布図である。この場合、NRBCsは、DC1目盛でリンパ球の下の領域に現われる。
2番目の血球溶解試薬システムは、血液希釈液、及び2番目の血球溶解試薬を含む。血液希釈液の好適な例は、商品である、ISOTON(登録商標)III及びISOTON(登録商標)4である。2番目の血球溶解試薬の好適な例は、商品である、LYSE S(登録商標)III Diff及びLYSE S(登録商標)4である。これらの試薬は、Beckman Coulter, Inc. Miami, Floridaによって製造されている。2番目の血球溶解試薬システム及び血液分析のための使用方法は、米国特許番号第4,528,274号(Carterらに対する)、及び同第4,962,038号(Carterらに対する)、同第5,834,315号(Riesgoらに対する)、並びに同第5,935,857号(Riesgoらに対する)中に完全に記載されており、上記文献の全体を本明細書中に援用する。
計測のために血液サンプルの2番目のアリコートを調製するために、この方法は、まず血液サンプルの2番目のアリコートを、所定の量の血液希釈液と混合し、続いて所定の量の血球溶解試薬を加えて赤血球を溶解することを含む。2番目のサンプル混合物において、残存している血球は、本質的に、白血球、及び臨床サンプル中に存在すれば、有核赤血球を含む、有核血球である。これらの有核血球の細胞膜は、溶解反応によって損傷し、実質的に低下した細胞量をもたらす。
有核血球の集団分布は、非絞り込みフロー・アパーチャにおける2番目の直流インピーダンス(DC2)計測法によって計測されて、1次元のヒストグラムを得る。同時に、白血球を、3番目の直流インピーダンス計測法によって非絞り込みフロー・アパーチャにおいてカウントすることもできる。
DCインピーダンス計測デバイスを備えた血液分析器によって血球をカウントするために使用される検出方法は、米国特許番号第2,656,508号(Wallace H. Coulterに対する)中に一般に記載され、上記文献の全体を本明細書中に援用する。
DC2ヒストグラムの層別解析は、白血球の亜集団を提供することができる。サンプル分析のためにISOTON(登録商標)III及びLYSE S(登録商標)III Diffが使用されるとき、白血球は、リンパ球、単球、及び顆粒球を含む3つの亜集団に区別される。図1Cは、実施例1に記載の手順に従って処理し、そして分析した正常な血液サンプルから得られたヒストグラムを示す。図のように、白血球は、3つの亜集団に区別されて、重要なことに、血球集団はリンパ球の左側には現われない。図2Bは、5 NRBCs/100 WBCを有する臨床サンプルから同じ条件下で得られたヒストグラムを示す。NRBCsが、DC2ヒストグラムにおいてリンパ球の左側に現われることが明らかである。
最初のサンプル混合物により先に記載された条件と同様に、2番目のサンプル混合物中の溶解された細胞膜が、十分に溶けずに、そして計測の時点で2番目のDC検出のしきい値を下回っていない場合、それらが、ヒストグラムの左端に現われる可能性もある。2番目の試薬システムは、溶解能力に関して強力であり、細胞残屑が有核血球と一緒に計測される場合は少ないことが知られている。その上、最初の血球溶解試薬システムと第2の血球溶解試薬システムは、血球に対して異なる化学的作用及び反応機構をもつので、最初のサンプル混合物中に存在する細胞残屑が、2番目のサンプル混合物中には現われず、その逆も同様である。
NRBCsを分析するための最初のデータ分析は、最初のサンプル混合物の計測から得られる血球分布パターンにおいて実施された。この分析は、個々の計測、及び当該計測の導関数、例えばDC1、RF、不透過度(RFとDC1の関数)、LS、RLS(最初の変換光散乱)、及びFLS(2番目の変換光散乱)の血球のパターン認識を含む。それは、2つの計測及び当該計測の導関数の様々な組み合わせ、例えばDC1対不透過度、DC1対RLS、及び不透過度対RLSによる血球のパターン認識をも含む。前記分析は、3つの計測及び当該計測の導関数の組み合わせ、例えばDC1、不透過度、及びRLSの組み合わせ、DC1、不透過度、及びFLSの組み合わせによる血球のパターン認識をさらに含む。
導関数、例えば不透過度、RLS、及びFLSを使用する目的は、血球亜集団間の集団の分離を改善するためである。不透過度は、(RF-85)×255/DCと定義される。RLSは、(log10(LS)-2.2)×700000/(DC+2500)+50と定義される。FLSは、(log(LS+10)-2.5)/(DC+2500)1/2×4480-70と定義される。
パターン認識分析は、NRBCsの分析に関する血球分布パターンに関係した多数の変数を産み出す。一般に、前記変数は、リンパ球のパーセンテージ、DC1,不透過度,及びRLSにおけるリンパ球の平均チャネル、DC1,不透過度,及びRLSにおけるリンパ球の標準偏差、DC1における好中球の標準偏差、細胞残屑の一団のパーセンテージ、DC1,不透過度,及びRLSにおける細胞残屑の一団の平均チャネル、DC1,不透過度,及びRLSにおける細胞残屑の一団の標準偏差、DC1における細胞残屑の一団と白血球間の谷のチャネル、細胞残屑の一団の振幅、対、細胞残屑の一団と白血球の間の谷の振幅の比、24時間を越える血液サンプルの兆候、並びに2番目のリンパ球集団(以下に記載される)の存在の兆候を含む。追加の変数は、他の細胞型とNRBCsとの区別を容易にするために最初のデータ分析により産み出される。
様々な正常、及び臨床的に異常な血液サンプル、特に様々な量のNRBCsを含む血液サンプルの分析に基づき、血球分布統計値の先に記載の変数を含むデータベースが蓄積する。
最初のデータ分析は、NRBCsを、他の細胞型から、特にリンパ球、存在する場合には細胞残屑、及びNRBCsが現われるのと同じ領域に現われる他の細胞集団からさらに区別する。
図2Aに示されるように、NRBCsは、他のどんな白血球亜集団よりもDC1及びRLS軸の両方でリンパ球に近い位置にある。いくつかの異常な血液サンプルについて、小さな細胞サイズをもつリンパ球群が、DC1において正常なリンパ球集団の下方に一団となって現われるのが観察された。リンパ球のこの一団は、最初のデータ分析の目的のために、低体積リンパ球、又は第2のリンパ球集団とも呼ばれる。化学療法下の患者のようないくつかの患者サンプルのリンパ球は、より壊れやすくて、それらは、過剰溶解する傾向にあり、そしてDC1において正常なリンパ球集団の下方に現われもする部分的に溶解されたリンパ球集団の一団を生じることも知られている。両方の状況において、最初のデータ分析は、リンパ球とNRBCsの両者の分布パターンを分析して、2番目のリンパ球集団をNRBCsと区別する。
いくつかの臨床サンプルが、溶解することがより困難であることが知られている。サンプル混合物中の溶解された細胞膜が、十分に溶けずに、そして計測の時点でDC1検出しきい値を下回っていない場合、それらはリンパ球の下方に現われる可能性もある。しかし、細胞残屑は、細胞残屑とNRBCsとの区別を容易にすることができる、NRBCsのそれとは異なる分布特性を有することが分かった。
NRBCsを分析するための2番目のデータ分析は、2番目のサンプル混合物の計測から得られた血球分布において実施された。この分析は、DC2ヒストグラムにおける血球分布のパターン認識を含み、それは、NRBCsの分析に関する血球分布パターンに関係する変数を生じる。一般に、変数は、DC2ヒストグラムにおける最初のピークと最初の谷のチャネル、DC2ヒストグラムにおける細胞残屑とリンパ球のパーセンテージ、DC2ヒストグラムにおけるリンパ球のチャネル、DC2ヒストグラムにおける細胞残屑とリンパ球の間の谷のチャネル及び振幅、リンパ球のピークの振幅、対、リンパ球と細胞残屑の間の谷の振幅の比、DC2ヒストグラムにおける最初のチャネルの振幅、DC2における最初のピークの振幅、対、DC2における最初のチャネルの振幅の比、及びDC2ヒストグラムにおけるリンパ球と細胞残屑の間の区分けを含む。追加の変数を、他の細胞型とNRBCsとの区別を容易にするための2番目のデータ分析により産み出すこともできる。
様々な正常及び臨床的に異常な血液サンプル、特に様々な量のNRBCsを含む血液サンプルの分析に基づく、最初のデータ分析に類似したやり方で、DC2ヒストグラムの血球分布統計値を含む2番目のデータベースが蓄積される。
同様に、2番目のデータ分析は、NRBCsと他の細胞型、特にリンパ球とをさらに区別する。DC1とDC2は実質的に異なる尺度をもつことに留意する。先に記載のとおり、正常な環境下で、最初のサンプル混合物中のリンパ球は、原型を保ち、そしてそれらの天然の状況に近い状態で存在する。2番目のサンプル混合物において、リンパ球の膜は、溶解されるか、又は部分的に溶解される。図2Bに示されるように、NRBCsは、DC1よりDC2におけるリンパ球に近い。従って、DC2ヒストグラムにおいて、NRBCsとリンパ球とを区別することが重要である。
最初の及び2番目のデータ分析に続いて、本発明の方法は、統合分析を実施する。この統合分析は、最初の及び2番目のデータ分析から得られた分析結果を組み合わせて、そして分析下の血液サンプルについての特徴をもたらす。前記特徴は、NRBC分析に関係がある混成の血球集団分布パターンを含む、最初の及び2番目のデータ分析によりもたらされる全ての前記変数を含む。統合データベースは、様々な血球分布統計情報を含む、多数の正常な及び臨床的に異常な血液サンプルから蓄積される。統合分析は、血液サンプルの特徴におけるパターン認識分析をさらに実施する。血球分布統計値に基づいて、次に統合分析は、NRBCsと他の細胞型とをさらに区別して、そして血液サンプル中存在するNRBCsの量を求める。
最初の及び第2のデータ分析のいずれもが、(それらのサイズが分析下でサンプル混合物中のNRBCsと一致すれば)細胞残屑、又は他の細胞型、例えば老化した血球、血小板凝集塊、及び巨大血小板からの妨害に直面する可能性があることは、個々のデータ分析についての先の論議から明らかである。さらに、NRBCsが細胞の成熟に依存して幅広いサイズ分布をもち、同様に、リンパ球が、異常な血液サンプルにおいて幅広い分布をもつ可能性があることが知られている。前記状況の全てが、個々のデータ分析のどれか1つを困難にし、そして方法がそれらの1つにしか基づかなければ、NRBCsの分析における誤りを引き起こす可能性がある。しかし、統合分析は、個々の分析の欠陥を克服し、血液サンプル中のNRBC集団の定量分析を可能にする。
最初のサンプル混合物と2番目のサンプル混合物を調製することに関係している血球溶解反応が実質的に異なると理解することが重要である。本発明の方法は、2つの個別のデータ分析を組み合わせることによって相違の利点を得る。最初のサンプル混合物中に存在する細胞残屑が、多くの場合2番目のサンプル混合物中には存在しない、最初の血球溶解試薬システムに対する血球の応答に関連することが分かった。この状況において、最初のデータ分析からの妨害の存在は、統合分析により取り除かれることができる。一方、DC2ヒストグラムに基づく2番目のサンプル混合物中のNRBCsの区別に対する、老化した血球、血小板凝集塊及び巨大血小板の妨害は、最初のデータ分析への妨害を引き起こさない。ゆえに、妨害は、統合分析において取り除かれることができる。
実施例3及び4は、統合分析の機能を説明する。各々の場合において、統合分析は、個々の分析に存在する不確実性又は妨害を減少させ、そして本当の正のNRBC合図、及び手作業による基準法と一致するNRBCs濃度を提供した。
即時の方法の分析結果は、血液サンプル中のNRBCsの存在を合図するものとして、及び血液サンプル中のNRBCs濃度として記録されうる。NRBCs濃度は、手作業による基準法と同じ単位である、100個の白血球あたりのNRBCs数(NRBC/100 WBC)として、又は血液サンプルの単位体積あたりのNRBCs数として記録されることができる。絶対的な計数を記録するために、3番目のDCインピーダンス計測法によって計測された白血球濃度が使用されて、サンプル製剤に使用される総希釈物質が補正されもする。
先に記載のとおり、血液サンプル中に存在するNRBCsは、白血球数を増やし、誤った白血球数の結果を引き起こす可能性がある。本発明の方法により、NRBCsの妨害は、白血球の計数から補正されることができる。
以下の実施例は、本発明を説明のためのものであり、決して請求項に規定される本発明の範囲を制限するものとして解釈されない。先の開示に従って、様々な他の成分及び割合が利用されうることは理解されるであろう。
実施例1
COULTER(登録商標)GEN・S(商標)血液学分析器により、EDTA-抗凝固処理した新鮮な正常な全血サンプルの最初のアリコートを、吸引し、混合チャンバー内で多量のErythrolyseIIと混ぜて赤血球を溶解させ、続いて大量のStabiLyseと混合して、この最初のサンプル混合物のさらなる溶解反応を遅らせる。前記最初のサンプル混合物を、シース流体、ISOTON(登録商標)III希釈液により絞り込みフローセルにデリバリーした。Erythrolyse(商標)II、StabiLyse(商標)、及びISOTON(登録商標)III希釈液は、Beckman Coulter, Inc. Miami, Floridaの製品である。
最初のサンプル混合物を、最初の直流インピーダンス(DC1)計測法、無線周波インピーダンス(RF)計測法、及び光散乱計測法(LS)を含む検出器によって、絞り込みフローセルを用いて計測した。光散乱計測法は、約10°〜約70°までの中央角光散乱シグナル(median angle light scatter signals)を検出する。
血液サンプルの最初のアリコートが処理されて、計測されたのと同じ時間の間、同じ血液サンプルの2番目のアリコートを、吸引し、WBCバス中ISOTON(登録商標)III希釈液で希釈し、続いて2番目の血球溶解試薬、LYSE S(登録商標)III diff(Beckman Coulter, Inc. Miami, Floridaの製品)と混合した。前記2番目のサンプル混合物を、真空で非絞り込みアパーチャに誘導し、WBCバス中に組み込んだ。2番目の直流インピーダンス計測(DC2)を、非絞り込みアパーチャにおいて実施し、有核血球の血球分布を得た。
DC2計測と同時に、2番目のサンプル混合物中の白血球を、3番目の直流インピーダンス計測によって非絞り込みアパーチャにおいてカウントした。白血球計数(WBC)を、血液サンプルの単位体積あたりの白血球数として記録した。先に開示された全てのサンプルの処理及び計測を、機器操作マニュアルに従って実施した。
DC1、RF及びLSにより最初のアリコート血液サンプルから得られた計測値を、3次元の散布図の構築に使用した。図1Aは、3次元の散布図の2次元の投影(散布図)を示す。図1Aにおいて、縦軸はDC1であり、横軸はRLSであり、最初の変換LSは、DC1とLSの関数である。図1Bは、3次元の散布図の他の2次元の投影を示す。図1Bにおいて、縦軸はDC1であり、そして横軸は、DC1とRFの関数である不透過度(OP)である。図1Aと1Bは、リンパ球、単球、好中球、好酸球、及び好塩基球を含む白血球亜集団の区別を説明する。
図のように、両方の2次元の散布図でリンパ球の下方の領域において、血球集団はそこには存在しなかった。適切に溶解された血液サンプルに関して、細胞残屑は、いずれかの散布図でも示されなかった。
図1Cに示されるように、血液サンプルの2番目のアリコートのDC2計測値を、1次元のヒストグラムの構築に使用した。白血球を、リンパ球、単球及び顆粒球を含む3つの亜集団に区別した。図のように、リンパ球の左側において、血球集団はその領域には現われなかった。適当に溶解された血液サンプルについて、細胞残屑は、ヒストグラム中に示されなかった。
実施例2
5 NRBCs/100 WBCを含む臨床全血サンプルを、実施例1に記載の同じ試薬及び手順を使って処理し、そして同じ条件下、COULTER(登録商標)GEN・S機器により計測した。NRBC濃度を、病院から提供された手作業によりカウントした100個の血球(cell)から得た。
図2A及び2Bを、DC1対RLS、及びDC1対不透過度の散布図から得た。図のように、NRBCsは、リンパ球の下方の領域に現われた。図2Bは、得られたDC2ヒストグラムであり、そしてNRBCsは、リンパ球の左側の領域に現われた。
実施例3
13 NRBCs/100 WBCを含む臨床全血サンプルを、実施例1に記載されたのと同じ試薬及び手順を使用して処理し、そして同じ条件下、COULTER(登録商標)GEN・S機器により計測した。図3A及び3Bは、それぞれ、得られたDC1対RLS、及びDC1対不透過度の散布図である。図のように、第2のリンパ球の一団は、DC1において正常なリンパ球の下方に存在し、そしてNRBCsは、第2のリンパ球の一団の下方の領域に現われた。図3Cは、得られたDC2ヒストグラムである。従って、この場合、NRBC領域に及んだリンパ球集団は、DC2ヒストグラムにおけるリンパ球とNRBCsとの間の分離はなされなかった。
この臨床サンプルについて、最初の及び2番目のデータ分析の両方が、NRBCsの存在を示した。2番目のデータ分析は、リンパ球とNRBCsとの間の分離を欠いているため、NRBCsをカウントすることができなかった。しかし、最初のデータ分析は、NRBCsと他の細胞型とを区別することができた。統合分析は、手作業による基準の記録に一致する、13 NRBCs/100 WBCを記録した。
実施例4
臨床全血サンプルを、実施例1に記載されたものと同じ試薬及び手順を使って処理し、そして同じ条件下、COULTER(登録商標)GEN・S機器により計測した。図4A及び4Bは、それぞれ、得られたDC1対RLS、及びDC1対不透過度の散布図である。図4Cは、得られたDC2ヒストグラムである。この血液サンプルについて、2番目のデータ分析はNRBCsの存在を同定しなかった。しかし、図4Aに示されるように、非常に低いDC1値をもった密度の高い細胞残屑の一団、及びDC1における小さな標準偏差が存在した。このタイプの細胞残屑分布特性は、通常、血液サンプル中のNRBCsの存在と関連しないことが分かり、それはNRBCsが幅広いサイズ分布をもつ傾向にあるという観察と一致している。統合分析は、この血液サンプルについてNRBCsは確認されなかった、そしてそれは手作業による基準の記録と一致していた。
本発明が、詳細に記載され、そして添付図面に図示される一方で、これらは本発明の範囲を制限するものとしてではなく、その好ましい態様の例として解釈されるべきである。しかし、様々な修飾及び変更が、先の明細書に記載され、そして添付の請求項及び法的な同等物に規定される本願発明の本質及び範囲の中で作り出されることは、明らかである。
図1A及び1Bは、実施例1に記載の手順に従って処理された正常な血液サンプルの最初のアリコートの計測から得られた散布図である。図1Cは、同じ血液サンプルの2番目のアリコートの計測から得られたDC2ヒストグラムである。 図2A及び2Bは、実施例2に記載のとおりNRBCsを含む臨床血液サンプルの最初のアリコートの計測から得られた散布図である。図2Cは、同じ臨床サンプルの2番目のアリコートの計測から得られたDC2ヒストグラムである。 図3A及び3Bは、実施例3に記載のとおりNRBCsを含む臨床血液サンプルの最初のアリコートの計測から得られた散布図である。図3Cは、同じ臨床サンプルの2番目のアリコートの計測から得られたDC2ヒストグラムである。 図4A及び4Bは、実施例4に記載のとおり臨床血液サンプルの最初のアリコートの計測から得られた散布図である。図4Cは、同じ臨床サンプルの2番目のアリコートの計測から得られたDC2ヒストグラムである。

Claims (19)

  1. 血液サンプル中の有核赤血球の分析方法であって、以下のステップ:
    (a)血液サンプルの最初のアリコートを、最初の血球溶解試薬システムに晒し、赤血球を溶解させて、そして最初のサンプル混合物を形成し、
    (b)血液サンプルの2番目のアリコートを、2番目の血球溶解試薬システムに晒し、赤血球を溶解させて、そして2番目のサンプル混合物を形成し、
    (c)直流インピーダンス計測法(DC1)、無線周波インピーダンス計測法(RF)及び光散乱計測法(LS)を含む検出法によってフローセル内の上記最初のサンプル混合物を計測し、
    (d)2番目の直流インピーダンス計測法(DC2)によって上記2番目のサンプル混合物の血球分布を計測し、
    (e)上記最初のサンプル混合物の計測から得られた血球分布パターンを分析し、そして他の細胞型と有核赤血球とを区別し、
    (f)上記2番目のサンプル混合物の計測から得られた血球分布パターンを分析し、そして他の細胞型と有核赤血球とを区別し、
    (g)ステップ(e)及び(f)からの分析結果を組み合わせることによって得られる特徴の統合分析を実施し、当該統合分析が有核赤血球と他の細胞型とをさらに区別し、そして
    (h)上記血液サンプル中の有核赤血球を記録する、
    を含む前記分析方法。
  2. 前記の有核赤血球を記録するステップが、前記血液サンプル中の有核赤血球の存在を記録することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記の有核赤血球を記録するステップが、前記血液サンプル中の、白血球100個あたりの有核赤血球の数を記録することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記の2番目の直流インピーダンス計測法(DC2)によって前記2番目のサンプル混合物の血球分布を計測するステップが、非絞り込みフロー・アパーチャによって実施される、請求項1に記載の方法。
  5. 3番目の直流インピーダンス計測法によって前記非絞り込みフロー・アパーチャを用いて前記2番目のサンプル混合物中に残存している血球をカウントし、そして前記血液サンプルの単位体積あたりの白血球の数を記録することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記血液サンプルの単位体積中の有核赤血球の数として有核赤血球量を記録することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 2番目の直流インピーダンス計測法(DC2)によって前記2番目のサンプル混合物の血球分布を計測し、そして3番目の直流インピーダンス計測法によって上記2番目のサンプル混合物中に残存している血球をカウントするステップが、前記非絞り込みフロー・アパーチャによって同時に実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記最初のサンプル混合物の、直流インピーダンス計測法(DC1)、無線周波インピーダンス計測法(RF)、及び光散乱計測法(LS)を含む前記検出が、同時に実施される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記光散乱計測法が、光散乱シグナルのメジアン角を使って実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記光散乱シグナルのメジアン角が、約10°〜約70°の範囲内にある、請求項9に記載の方法。
  11. 前記の最初のサンプル混合物を計測することから得られる血球分布パターンを分析するステップが、前記計測値と当該計測値の導関数の各々、2つの上記計測値と当該計測値の導関数の複数の組み合わせ、及び3つの上記計測値と当該計測値の導関数の少なくとも1つの組み合わせから得られる血球分布パターンを分析するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記計測値と当該計測値の導関数が、DC1、RF、不透過度(RFとDC1の関数)、LS、RLS(最初の変換光散乱)、FLS(2番目の変換光散乱)を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記の2つの前記計測値と当該計測値の導関数の組み合わせが、DC1対不透過度、DC1対RLS、及び不透過度対RLSを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記の3つの前記計測値と当該計測値の導関数の少なくとも1つの組み合わせが、DC1、不透過度、及びRLSの組み合わせ、並びにDC1、不透過度及びFLSの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記最初のサンプル混合物を計測することから得られた血球分布パターンを分析するステップが、リンパ球、単球、好中球、好酸球及び好塩基球を含む5つの白血球亜集団の区別をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記2番目のサンプル混合物を計測することから得られた血球分布パターンを分析するステップが、リンパ球、単球及び顆粒球を含む3つの白血球亜集団の区別を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記最初の血球溶解試薬システムが、血球溶解剤、及び安定化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第2の血球溶解試薬システムが、血液希釈液、及び血球溶解試薬を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 血液サンプル中の有核赤血球のカウント方法であって、以下のステップ:
    (a)血液サンプルの最初のアリコートを、最初の血球溶解試薬システムに晒し、赤血球を溶解させて、そして最初のサンプル混合物を形成し、
    (b)血液サンプルの2番目のアリコートを、2番目の血球溶解試薬システムに晒し、赤血球を溶解させて、そして2番目のサンプル混合物を形成し、
    (c)直流インピーダンス計測法(DC1)、無線周波インピーダンス計測法(RF)及び光散乱計測法(LS)を含む検出法によってフローセル内の上記最初のサンプル混合物を計測し、
    (d)非絞り込みフロー・アパーチャを用いた2番目の直流インピーダンス計測法(DC2)によって上記2番目のサンプル混合物の血球分布を計測し、
    (e)上記最初のサンプル混合物の計測から得られた血球分布パターンを分析し、そして他の細胞型と有核赤血球とを区別し、
    (f)上記2番目のサンプル混合物の計測から得られた血球分布パターンを分析し、そして他の細胞型と有核赤血球とを区別し、
    (g)ステップ(e)及び(f)からの分析結果を組み合わせることによって得られる特徴の統合分析を実施し、当該統合分析が有核赤血球と他の細胞型とをさらに区別し、そして
    (h)白血球100個あたりの有核赤血球の数を記録する、
    を含む前記カウント方法。
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