JP2004537598A - 一定の置換ポリケチド、それらを含む医薬組成物および腫瘍処置におけるそれらの使用 - Google Patents

一定の置換ポリケチド、それらを含む医薬組成物および腫瘍処置におけるそれらの使用 Download PDF

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    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Abstract

本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2004537598

〔式中、A、B、C、D、E、Fおよびmは、本明細書において定義したとおりである。〕
の一定の置換ポリケチド、該化合物を含有する医薬組成物および腫瘍の処置における該化合物の使用に関する。

Description

【0001】
本発明は、化学療法剤の領域に関し、さらに詳しくは、一定の置換ポリケチド、および腫瘍処置における当該ポリケチドの使用に関する。
【0002】
発明の背景
化学療法の分野において、研究が、さまざまなタイプの癌に対して有効な抗腫瘍剤を開発するために行われてきた。しばしば、開発されそして癌細胞に対して有効であると見出された抗腫瘍剤は、残念ながら、正常細胞に対しても毒性である。この毒性は、癌化学療法を必要とする患者に抗腫瘍剤を投与した場合に、体重減少、吐き気、嘔吐、毛髪喪失、疲労、そう痒、幻覚、食欲の喪失などとなって現れる。さらに、慣用的に使用される化学療法剤は、所望の効果を有していないか、または所望のように種々のタイプの癌に対して広く効果的であるわけではない。結果として、すべてのタイプの癌に対してさらに効果的であるだけでなく、通常の健康な細胞に対して効果が全くないかまたは最小であり、癌細胞の殺傷についてより高い程度の選択性を有する化学療法剤に対する大きな要求が存在する。さらに、高い有効性および選択性の抗腫瘍剤、特に、結腸、膀胱、前立腺、胃、膵臓、乳房、肺、肝臓、脳、精巣、卵巣、子宮頚管、皮膚、陰門および小腸に対するものが望ましい。さらに、結腸、乳房、肺および前立腺癌ならびにメラノーマに対する抗腫瘍活性は、現在のところ特に効果的な治療法がないので、特に望ましい。
【0003】
(+)−ディスコデルモリド(Discodermolide)は、カイメンDiscodermia dissolutaの抽出液から、ハーバーブランチ海洋学研究所(Harbor Branch Oceanographic Institution; HBOI)にて、研究者らにより単離された新規ポリケチド天然物である(Gunasekera SP, Gunasekera M, Longley RE, Schulte GK. Discodermolide: a new bioactive polyhydroxylated lactone from the marine sponge Discodermia dissoluta. [J. Org. Chem. 1991;56:1346においては、誤植が見られる。]. J. Org. Chem. 1990;55:4912-15.)。ディスコデルモリドは、パクリタキセルと明白な構造類似点はないが、微小管を安定化する能力はパクリタキセル(タキソールなる薬物中の活性物質)と共通である。メカニズムに基づくアッセイにおいて、ディスコデルモリドはパクリタキセルより効果的である。パクリタキセルがいくつかの癌において有用であることが証明されているので、同一のメカニズムの他の化合物は過増殖性障害に対する有用性を有し得る。
【0004】
ディスコデルモリドまたは構造的に関連するアナログの開発は、該化合物の信頼できる天然供給源または実行可能な合成経路の欠如により妨げられている。天然起源のディスコデルモリドは少なく、産生生物の採集は、運搬の問題を提起する。グラムスケール(multi-gram)量のディスコデルモリドおよび構造的に関連するアナログの製造を可能にする改良された合成法に対する要求は、増え続けている。
【0005】
発明の要約
本発明は、さまざまな癌細胞に対して有効な新規抗腫瘍剤を提供する。さらに特に、本発明は、癌細胞の殺傷においてより高い選択性を示す、一定の置換ポリケチドに関する。さらに、本発明は、治療上有効量の一定の置換ポリケチドを含んでなる、腫瘍処置において有用な医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、腫瘍の処置方法であって、それに苦しむ哺乳動物に、単独または1もしくはそれ以上の他の治療薬と組み合せて、治療上有効量の一定の置換ポリケチドを投与することを含んでなる方法を提供する。
【0006】
発明の詳細な記載
本発明の本質は、一定の置換ポリケチドが腫瘍の処置において有用であることの発見である。1つの実施態様において、本発明は、式I:
【化1】
Figure 2004537598
〔式中、Aは、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)ヒドロキシアルキル、−(CH)CH(CO)R
【化2】
Figure 2004537598
であり;
Bは、−CHCH(OR)−、−CHCH(OC(O)R)−、−OCH(R)−、−N(R)C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
Cは、−C(R)=C(R)−、−OCH(R)−、−N(R)CH−、−N(R)C(O)−または−CHCH−であり;
Dは、−CH=C(R)CH−であり;
Eは、−CH(R)CH=CHCH=CH、−CH(R)R、−CH(R)CH=CHR、−CH(R)CH=CHC(O)OR、−CH(R)CH=CHC(O)N(R)R、−CH(R)CHORまたはArであり;
Fは、H、−C(O)N(R)、−C(O)NHCH(CH)N(CH)、または−C(O)NHCH(CH)−4−モルホリノであり;
は、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル−ArまたはArであり;
Arは、
【化3】
Figure 2004537598
から選択される芳香環またはヘテロ芳香環であり;
およびRは、独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、O(C1〜6)アルキル、OCH(CH)OH、O(CH)COH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
は、Hまたは(C1〜6)アルキルであり;
は、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル−ArまたはArであり;
mは、0または1であり;
nは、1または2であり;そして
qは、0〜6であり;
ただし、AがArまたは
【化4】
Figure 2004537598
[式中、R4aおよびR5aは、それぞれ、(C1〜6)アルキルである。]
である場合には、
Bは、−CHCH(OH)−または−CHC(O)−ではなく、
またはCは、−CH=CH−ではなく、
またはDは、−CH=C(CH)CH−ではなく、
またはEは、−CH(CH)CH=CHCH=CHではなく、
またはFは、−C(O)NHではないものとし;
そして、ただし、Aが
【化5】
Figure 2004537598
である場合、
Bは、−OCH(R)−または−N(R)C(O)−であり得ず、
そしてBが−CHCH(OH)−または−OCH(R)−である場合には、
Cは、−OCH(R)−、−N(R)CH−または−N(R)C(O)−であり得ず、
そしてさらに、式Iの化合物は、式
【化6】
Figure 2004537598
の化合物ではない。〕
の新規抗腫瘍剤または、可能な場合には、その酸または塩基付加塩を提供する。
【0007】
好適な化合物は、式Ia:
【化7】
Figure 2004537598
〔式中、
A'は、H、(C1〜6)アルキル、
【化8】
Figure 2004537598
であり、
B'は、−CHCH(OR ')−、−CHCH(OC(O)R ')−、−OCH−、−N(R')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
C'は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R ')CH−、−N(R ')C(O)−または−CHCH−であり;
D'は、−CH=C(R ')CH−であり;
E'は、−CH(R ')CH=CHCH=CH、−CH(R ')R '、−CH(R ')CH=CHR '、−CH(R ')CH=CHC(O)OR '、−CH(R ')CH=CHC(O)N(R ')R '、−CH(R ')CHOR 'またはAr'であり;
F'は、H、−C(O)N(R ')、−C(O)NHCH(CH)N(CH)または−C(O)NHCH(CH)−4−モルホリノであり;
'は、H、(C1〜3)アルキル、(C1〜3)アルキル−Ar'またはAr'であり;
Ar'は、
【化9】
Figure 2004537598
から選択され;
'およびR'は、独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、O(C1〜3)アルキル、OCH(CH)OH、O(CH)COH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
'は、Hまたは(C1〜3)アルキルであり;
'は、(C1〜6)アルキル、(C1〜3)アルキル−Ar'またはAr'であり;
mは、0または1であり;そして
nは、1または2であり;
そして、前記の但し書きが適用される。〕
の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩である。
【0008】
さらに好適な化合物は、式Ib:
【化10】
Figure 2004537598
〔式中、A''は、H、(C1〜6)アルキル、
【化11】
Figure 2004537598
であり;
B''は、−CHCH(OR '')−、−CHCH(OC(O)R '')−、−OCH−、−N(R '')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
C''は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R '')CH−、−N(R '')C(O)−または−CHCH−であり;
D''は、−CH=C(R '')CH−であり;
E''は、−CH(R '')CH=CHCH=CH、−CH(R '')R ''、−CH(R '')CH=CHR ''、−CH(R '')CH=CHC(O)OR ''、−CH(R '')CH=CHC(O)N(R '')R ''、−CH(R '')CHOR ''またはAr''であり;
''は、H、(C1〜3)アルキル、CH−Ar''またはAr''であり;
Ar''は、
【化12】
Figure 2004537598
から選択され;
''およびR''は、
独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、OCH、OCHCHOH、OCHCOH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
''は、HまたはCHであり;
''は、(C1〜6)アルキル、−CH−Ar''またはAr''であり、
mは、0または1であり;そして
nは、1または2であり;
そして前記の但し書きが適用される。〕
の化合物、または可能な場合にはその酸もしくは塩基付加塩である。
【0009】
いっそうさらに好ましい化合物は、式Ic:
【化13】
Figure 2004537598
〔式中、A'''は、H、(C1〜6)アルキル、
【化14】
Figure 2004537598
であり;
B'''は、−CHCH(OR ''')−、−CHCH(OC(O)R ''')−、−OCH−、−N(R ''')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
C'''は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R ''')CH−、−N(R ''')C(O)−または−CHCH−であり;
E'''は、−CH(R ''')CH=CHCH=CH、−CH(R ''')R '''、−CH(R ''')CH=CHR '''、−CH(R ''')CH=CHC(O)OR '''、−CH(R ''')CH=CHC(O)N(R ''')R '''、−CH(R ''')CHOR '''またはAr'''であり;
'''は、H、−CH、CH−Ar'''またはAr'''であり;
Ar'''は、
【化15】
Figure 2004537598
から選択され;
'''およびR'''は、独立して、H、(C1〜4)アルキル、OH、OCH、OCHCOH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
''は、上で定義したとおりであり;
'''は、(C1〜6)アルキル、−CH−Ar'''またはAr'''であり;
mは、0または1であり;そして
nは、1または2であり;
そして前記の但し書きが適用される。〕
の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩である。
【0010】
別の実施態様において、本発明は、薬学的に許容される担体または希釈剤ならびに治療上有効量の上記の式Iの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、好ましくは上記の式Iaの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、さらに好ましくは上記の式Ibの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、およびいっそうさらに好ましくは上記の式Icの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩を含んでなる、腫瘍の処置において有用な医薬組成物を提供する。
【0011】
さらに別の実施態様において、本発明は、腫瘍の処置方法であって、かかる処置を必要とする哺乳動物に、単独または1もしくはそれ以上の他の治療剤と組み合せて、治療上有効量の上記の式Iの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、好ましくは上記の式Iaの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、さらに好ましくは上記の式Ibの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩、いっそうさらに好ましくは上記の式Icの化合物、または可能な場合には薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0012】
上記の定義において:1)1〜6個の炭素原子を含有するアルキルは、直鎖または分枝鎖またはシクロアルカンのいずれかであり、例としてはイソプロピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1,2,2−テトラメチルエチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0013】
薬学的に許容される酸または塩基付加塩が好ましいが、すべての式Iの化合物の酸または塩基付加塩は、本発明の範囲内に含まれることを意図されていると理解されるべきである。
【0014】
式Iの化合物の酸付加塩は、薬学的に許容される有機または無機塩のものであり得る。好適な酸付加塩は、塩酸およびメタンスルホン酸の塩、硫酸、リン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸および酢酸の塩も使用され得る。
【0015】
同様に、式Iの化合物の塩基付加塩は、薬学的に許容される有機または無機塩基の塩である。好適な塩基付加塩は、薬学的に許容される無機塩、さらに好ましくは水酸化アンモニウムまたは水酸化アルカリもしくはアルカリ土類金属、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムに由来するものである。
【0016】
式Iの置換ポリケチドは、以下に示したように製造され得る。A〜Fの基が遊離のヒドロキシ基を含有する場合には、アスタリスクの表示(例えばA)は、これらの基が酸に不安定な保護基(例えばTBS)で保護されていることを示す。アスタリスクをつけたすべての酸不安定保護基は、最終工程(HCl)において除去される。
【0017】
【化16】
Figure 2004537598
【0018】
スキーム1における個々の工程に関して、工程Aは、式1のホスフィンで式2のアルデヒドをオレフィン化して式3のオレフィンを得ること含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくは、カリウム ヘキサメチルジシラジドのようなカリウム塩;2)18−クラウン−6のようなクラウンエーテル;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0019】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式3のオレフィンをカルバモイル化し、式4のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hの式Iの置換ポリケチドが生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0020】
工程Cは、カルバメート4の、式5のヒドロキシ化合物への還元に関する。該還元は:1)ハイドライド、好ましくはカテコールボランのようなボラン;2)触媒、好ましくは(R)−テトラヒドロ−1−ブチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキシアザボロールのようなキラルアルキルボロン触媒;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは−20℃の温度にて、10時間〜7日、好ましくは1〜4日間行われる。
【0021】
工程Dは、式6の置換ポリケチドへの、ヒドロキシ化合物5の加水分解に関する。該加水分解反応は、1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性塩化水素のような水性ハロゲン化水素溶液;ならびに2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくはメタノールおよびテトラヒドロフランのような、脂肪族アルコールおよびエーテルの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0022】
還元の代わりに、工程C'は、式7の異なる置換ポリケチドへの、カルバメート4の加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合液の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間および7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0023】
【化17】
Figure 2004537598
【0024】
スキーム2における個々の工程に関して、工程Aは、式EtOCCH(CH)C(O)CH〔式中、nは、上で定義したとおりである。〕のケトンを、式1のアルデヒドと付加して、式2のヒドロキシケトンを得ることに関する。該付加は、アルデヒド1に対して1〜20当量のケトンEtOCCH(CH)C(O)CH、好ましくはアルデヒド1に対して5〜15当量のケトンEtOCCH(CH)C(O)CHを要求する。カップリングを:1)ジアルキルボロンハライドまたはトリフレート、好ましくはキラルボロンクロライドまたはトリフレート、さらに好ましくはB−クロロジイソピノカンフェイルボラン;2)塩基、好ましくはアミン、さらに好ましくはトリエチルアミン;および3)極性有機溶媒、好ましくはエーテル、さらに好ましくはジエチルエーテルの存在下で、−100℃〜20℃、好ましくは−78℃〜−20℃の温度にて、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0025】
工程Bは、式2のヒドロキシケトンに共通したケトン基を還元して、式3の1,3−ジオール化合物を得ることに関する。該還元は、1)ケトン還元剤、好ましくはテトラメチルアンモニウムトリアセトキシ水素化ホウ素のような水素化ホウ素;2)極性有機溶媒、好ましくはアセトニトリル;および3)プロトン性溶媒、好ましくはカルボン酸、例えば酢酸の存在下にて、−78℃〜20℃、好ましくは−40℃〜−10℃の温度にて、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0026】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、1,3−ジオール化合物3の加水分解および環化に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0027】
【化18】
Figure 2004537598
【0028】
スキーム3における個々の工程に関して、工程Aは、アシル化化合物、好ましくはクロロギ酸 4−ニトロフェニルのようなクロロホルメートで式1のアルコールをアシル化し、式2の炭酸エステルを得ることを含む。このアシル化は:1)弱塩基、好ましくはアミン、さらに好ましくはトリエチルアミン;2)アシル化触媒、好ましくは4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン;および3)極性有機溶媒、例えば塩化メチレンまたは酢酸エチルの存在下で、−10℃〜50℃、好ましくは−5℃〜20℃の温度で、10分〜24時間、好ましくは2時間行われる。
【0029】
工程Bは、式2の炭酸エステルをカルバモイル化して、式3のカルバメート化合物を得ることに関する。このカルバモイル化は:1)式ANHR 〔式中、AおよびR は上で定義したとおりである。〕のアミン;および2)極性有機溶媒、例えば塩化メチレンまたは酢酸エチルの存在下で、−78℃〜50℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度で、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0030】
工程Cは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式3のカルバメートをカルバモイル化して、式4のビス(カルバメート)を得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0031】
工程Dは、式5の置換ポリケチドへの、式4のビス(カルバメート)の加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0032】
【化19】
Figure 2004537598
【0033】
スキーム4における個々の工程に関して、工程Aは、式1のジオールをカルバモイル化して、式2のカルバメート化合物を得ることに関する。該カルバモイル化は:1)式ANCO〔式中、Aは上に記載したとおりである。〕のイソシアネート;2)極性有機溶媒、例えば塩化メチレンまたは酢酸エチル;および3)ジブチルチンジアセテートのようなルイス酸触媒またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、−78℃〜60℃、好ましくは0℃〜40℃の温度にて、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0034】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のカルバメートをカルバモイル化し、式3のビス(カルバメート)を得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度で、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0035】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、式3のビス(カルバメート)の加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0036】
【化20】
Figure 2004537598
【0037】
スキーム5における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールをアルキル化して、式2のエーテル化合物を得ることに関する。このアルキル化は:1)式AOH〔式中、Aは上に記載したとおりである。〕のアルコール;2)ジエチルアゾジカルボキシレートのようなカップリング試薬;3)トリフェニルホスフィンのようなホスフィン;および4)極性有機溶媒、例えばテトラヒドロフランの存在下で、−78℃〜60℃、好ましくは−20℃〜40℃の温度にて、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0038】
工程Bは、式3の置換ポリケチドへの、式2のエーテルの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間および7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0039】
【化21】
Figure 2004537598
【0040】
スキーム6における個々の工程に関して、工程Aは、式1のホスホネートで式2のアルデヒドをオレフィン化し、式3のオレフィンを得ることに関する。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドのようなカリウム塩;2)18−クラウン−6のようなクラウンエーテル;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0041】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式3のオレフィンをカルバモイル化し、式4のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度で、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度で、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0042】
工程Cは、式5の置換ポリケチドへの、式4のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0043】
【化22】
Figure 2004537598
【0044】
スキーム7における個々の工程に関して、工程Aは、式1のホスホニウム塩で式2のアルデヒドをオレフィン化し、式3のオレフィンを得ることに関する。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;および2)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0045】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式3のオレフィンをカルバモイル化し、式4のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0046】
工程Cは、式5の置換ポリケチドへの、式4のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0047】
【化23】
Figure 2004537598
【0048】
スキーム8における個々の工程に関して、該工程は式1の置換ポリケチドを水素化して、式2の置換ポリケチドを得ることを含む。該水素化は:1)水素;2)酸化パラジウムまたはプラチナのような遷移金属触媒;および3)有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコール、酢酸エチルのようなエステルの存在下で、0℃〜35℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは24時間行われる。
【0049】
【化24】
Figure 2004537598
【0050】
スキーム9における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールを酸化して、式2のアルデヒドを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは塩化オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミン;三酸化硫黄−ピリジン複合体、DMSOおよびトリエチルアミン;ならびに2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカルおよびジアセトキシヨードベンゼンの組合せのような温和な酸化剤;ならびに2)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような極性有機溶媒の存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0051】
工程Bは、式2のアルデヒドを還元的アミノ化し、式3のアミンを得ることを含む。該還元的アミノ化は:1)式R NH〔式中、R は上で定義したとおりである。〕のアミン;2)還元剤、好ましくはハイドライド、さらに好ましくは水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素塩;および3)極性有機溶媒、好ましくはエタノールのようなプロトン性有機溶媒の存在下で、0℃〜40℃、好ましくは5℃〜25℃の温度で、10分〜48時間、好ましくは16時間行われる。
【0052】
工程Cは、アシル化化合物、好ましくはクロロギ酸 4−ニトロフェニルのようなクロロホルメートで式3のアミンをアシル化し、式4の炭酸エステルを得ることを含む。該アシル化は:1)弱塩基、好ましくはアミン、さらに好ましくはトリエチルアミン;2)アシル化触媒、好ましくは4−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン;および3)極性有機溶媒、例えば塩化メチレンまたは酢酸エチルの存在下で、−10℃〜50℃、好ましくは−5℃〜20℃の温度にて、10分〜24時間、好ましくは2時間行われる。
【0053】
工程Dは、式4のカルバメートをアミド化し、式5のウレア化合物を得ることに関する。該カルバモイル化は:1)式ANHR 〔式中、AおよびR は、上で定義したとおりである。〕のアミン;および2)極性有機溶媒、例えば塩化メチレンまたは酢酸エチルの存在下で、−78℃〜50℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0054】
工程Eは、式5のウレアを式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートでカルバモイル化し、式6のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0055】
工程Fは、式7の置換ポリケチドへの、式6のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0056】
【化25】
Figure 2004537598
【0057】
スキーム10における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールをアシル化して式2のエステルを得ることに関する。該アシル化は:1)Aが上で定義したものである、式ACHCOHのカルボン酸;2)カルボン酸カップリング試薬、好ましくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のようなジイミド、およびジイミドカップリング試薬によくある適当な活性剤、好ましくは4−ジメチルアミノピリジンのような置換ピリジン;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような塩化アルカンの存在下で、−78℃〜25℃の温度で1〜24時間行われる。
【0058】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のエステルをカルバモイル化し、式3のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0059】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、式3のカルバメートへの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度で、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0060】
【化26】
Figure 2004537598
【0061】
スキーム11における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアミンをアシル化して式2のアミドを得ることに関する。該アシル化は:1)Aが上で定義したとおりである、式ACHCOHのカルボン酸;2)カルボン酸カップリング試薬、好ましくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のようなジイミド、およびジイミドカップリング反応によくある適当な活性剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;および3)極性有機溶媒、好ましくはDMFのような低分子量アミドの存在下で、0℃〜40℃、好ましくは25℃の温度で、1〜24時間行われる。
【0062】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のアミドをカルバモイル化し、式3のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0063】
工程Cは、式4のポリケチドへの、式3のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0064】
【化27】
Figure 2004537598
【0065】
スキーム12における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールをアルキル化して式2のエーテルを得ることを含む。該アルキル化は:1)Aが上で定義したとおりである、式ACHCHIのヨウ化アルキル;2)強塩基、例えば水素化ナトリウム、LDAまたは酸化銀;および3)極性有機溶媒、例えばDMFまたはテトラヒドロフランの存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、1〜24時間行われる。
【0066】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のエーテルをカルバモイル化し、式3のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0067】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、式3のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0068】
【化28】
Figure 2004537598
【0069】
スキーム13における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアミンで還元的アミノ化して式2のアミンを得ることに関する。該還元的アミノ化は:1)Aが上で定義したとおりである、式ACHOのアルデヒド;2)還元剤、好ましくはハイドライド、さらに好ましくは水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素塩;および3)極性有機溶媒、好ましくはエタノールのようなプロトン性有機溶媒の存在下で、0℃〜40℃、好ましくは5℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは16時間行われる。
【0070】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のアミンをカルバモイル化し、式3のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。ClC(O)NCOを用いる場合において、F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0071】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、式3のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃および40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0072】
【化29】
Figure 2004537598
【0073】
スキーム14における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルデヒドを酸化して式2のカルボン酸を得ることに関する。該酸化は:1)亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤;2)リン酸塩、好ましくはリン酸二水素ナトリウム;3)プロトン性有機溶媒、好ましくはt−ブタノールのようなアルコール;および4)アルケン、好ましくは2−メチルプロペンの存在下で、0℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは1時間行われる。
【0074】
工程Bは、式2のカルボン酸をアシル化して式3のアミドを得ることに関する。該アシル化は:1)AおよびR は上で定義したとおりである、式ACHCHNHR のアミン;2)カルボン酸カップリング試薬、好ましくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のようなジイミド、およびジイミドカップリング反応によくある適当な活性剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;および3)極性有機溶媒、好ましくはDMFのような低分子量アミドの存在下で、0℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1〜24時間行われる。
【0075】
工程Cは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式3のアミドをカルバモイル化し、式4のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下において、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0076】
工程Dは、式5の置換ポリケチドへの、式4のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0077】
【化30】
Figure 2004537598
【0078】
スキーム15における個々の工程に関して、工程Aは、式1のヨウ化アルキルと式2のヨウ化ビニルをパラジウム介在性カップリングし、式3のアルケンを得ることを含む。該パラジウム介在性カップリングは:1)かさだかい有機金属試薬(hindered organometallic reagent)、好ましくはt−ブチルリチウムのようなかさだかい有機リチウム試薬;2)塩化亜鉛のようなハロゲン化亜鉛または9−メトキシ−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなかさだかいホウ素試薬;3)テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)のようなパラジウム試薬;および4)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルのようなエーテルの存在下で、−78℃および25℃の温度にて、1時間〜72時間行われる。
【0079】
工程Bは、式4のジオールへの、式3のアルケンの酸化的加水分解を含む。該酸化的加水分解は、1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0080】
【化31】
Figure 2004537598
【0081】
スキーム16における個々の工程に関して、工程Aは、式1のホスホニウム塩で式2のアルデヒドをオレフィン化し、式3のアルケンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;および2)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0082】
工程Bは、式4のジオールへの、式3のアルケンの酸化的加水分解を含む。該酸化的加水分解は、1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0083】
【化32】
Figure 2004537598
【0084】
スキーム17における個々の工程に関して、工程Aは、式2のホスホニウム塩で式1のアルデヒドをオレフィン化し、式3のアルケンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;および2)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0085】
工程Bは、式4のジオールへの、式3のアルケンの酸化的加水分解を含む。該酸化的加水分解は、1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0086】
【化33】
Figure 2004537598
【0087】
スキーム18における個々の工程に関して、工程Aは、式2のホスホネートで式1のアルデヒドをオレフィン化して、式3のオレフィンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドのようなカリウム塩;2)18−クラウン−6のようなクラウンエーテル;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0088】
工程Bは、式4のジオールへの、式3のアルケンの酸化的加水分解を含む。酸化的加水分解は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0089】
【化34】
Figure 2004537598
【0090】
スキーム19における個々の工程に関して、工程Aは、式2のホスホネートで式1のアルデヒドをオレフィン化して、式3のオレフィンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドのようなカリウム塩;2)18−クラウン−6のようなクラウンエーテル;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0091】
工程Bは、式4のジオールへの式3のアルケンの酸化的加水分解を含む。酸化的加水分解は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0092】
【化35】
Figure 2004537598
【0093】
スキーム20に記載された合成は、Eが−CH(R)CH=CH−CH=CHまたは−CH(R)CH=CHでない場合に適用され得る。スキーム20における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルデヒドにブテン基を付加して、式2のアルコールを得ることを含む。該付加は:1)クロチルボロン試薬、好ましくはキラルクロチルボロン試薬、さらに好ましくは酒石酸ジイソプロピル由来のZ−クロチルボロネート;2)モレキュラー・シーブスのようなオプションの乾燥試薬;および3)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−78℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0094】
工程Bは、式2のアルコールをアルキル化して、式3のアルコールを得ることに関する。該アルキル化は:1)反応性ベンジル化試薬、好ましくはp−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデートのような反応性パラ−メトキシベンジル化試薬;2)プロトン供給源、好ましくはピリジニウム p−トルエンスルホネートのようなスルホン酸;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0095】
工程Cは、式3のアルコールを2段階酸化的開裂させ、式4のアルデヒドを得ることを含む。酸化的開裂の第一段階は:1)ジヒドロキシル化試薬、好ましくは四酸化オスミウムのようなオスミウム試薬;2)N−モルホリン−N−オキシドのような共酸化剤(cooxidant);および3)アセトン、水、およびt−ブタノールの混合物のような非プロトン性極性およびプロトン性溶媒の混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。酸化的開裂の第二段階は:1)過ヨウ素酸ナトリウムのような過ヨウ素酸塩;および2)テトラヒドロフランおよび水の混合物のような非プロトン性極性溶媒およびプロトン性溶媒の混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0096】
工程Dは、式4のアルデヒドにブテン基を付加し、式5のアルコールを得ることを含む。該付加は:1)クロチル付加試薬、好ましくはトリブチルスズクロチルのようなクロチルスズ試薬;2)三フッ化ホウ素・エーテル錯体のようなルイス酸;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−78℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0097】
工程Eは、式5のアルコールをシリル化し、式6のシリルエーテルを得ることを含む。該シリル化は:1)シリル化試薬、好ましくはt−ブチルジメチルシリルトリフレートのようなt−ブチルジメチルシリル化試薬;2)弱塩基、好ましくは窒素含有塩基、さらに好ましくは2,6−ルチジンのようなピリジン塩基;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0098】
【化36】
Figure 2004537598
【0099】
スキーム21に記載された合成は、Eが−CH(R)CH=CH−CH=CHまたは−CH(R)CH=CHでない場合に適用され得る。スキーム21における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルケンを2段階酸化的開裂させ、式2のアルデヒドを得ることを含む。酸化的開裂の第一段階は:1)ジヒドロキシル化試薬、好ましくは四酸化オスミウムのようなオスミウム試薬;2)N−モルホリン−N−オキシドのような共酸化剤;および3)アセトン、水、およびt−ブタノールの混合物のような非プロトン性極性およびプロトン性溶媒の混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。酸化的開裂の第二段階は:1)過ヨウ素酸ナトリウムのような過ヨウ素酸塩;2)テトラヒドロフランおよび水の混合物のような非プロトン性極性およびプロトン性溶媒の混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0100】
工程Bは、式2のアルデヒドを還元し、式3のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)ヒドリド還元剤、好ましくは水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムのような水素化アルミニウム、あるいは水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0101】
工程Cは、式3のアルコールをヨウ素化して、式4のヨウ化物を得ることを含む。該ヨウ素化は:1)Iのようなヨウ素化試薬;2)トリフェニルホスフィンのようなリン含有化合物;3)弱塩基、好ましくはイミダゾールのような含窒素弱塩基;および4)極性有機溶媒、好ましくは酢酸エチルのようなエステルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0102】
工程Dは、アルケン式1のアルケンを2段階ヒドロキシル化し、式5のアルコールを得ることを含む。該ヒドロキシル化の第一段階は:1)9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなボラン;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜48時間、好ましくは24時間行われる。該ヒドロキシル化の第二段階は:1)酸化剤、好ましくは過酸化水素のような過酸化物;2)強アルカリ塩基、好ましくは水酸化ナトリウムのような水酸化物塩基;および3)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは1時間行われる。
【0103】
工程Eは、式5のアルコールをヨウ素化して式6のヨウ化物を得ることを含む。該ヨウ素化は:1)Iのようなヨウ素化試薬;2)トリフェニルホスフィンのようなリン含有化合物;3)弱塩基、好ましくはイミダゾールのような含窒素弱塩基;および4)極性有機溶媒、好ましくは酢酸エチルのようなエステルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0104】
工程Fは、式1のアルケンを2段階ヨウ素化して式6のヨウ化物を得ることを含む。該ヨウ素化の第一段階は:1)9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなボランおよび2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜48時間、好ましくは24時間行われる。該ヨウ素化の第二段階は、I;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜8時間行われる。
【0105】
工程Gは、式7のヨウ化ホスホニウム塩を得るための、式6のヨウ素のホスフィン付加反応を含む。該ホスフィン付加反応は:1)トリフェニルホスフィンのようなリン試薬;2)塩基、好ましくはジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基;および3)有機溶媒、好ましくはアセトニトリルのような極性の非プロトン性溶媒の存在下で、25℃〜150℃、好ましくは90℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは18時間行われる。
【0106】
【化37】
Figure 2004537598
【0107】
スキーム22における個々の工程に関して、工程Aは、式2の酸クロライドで式1のホスホネートをアシル化し、式3のケトホスホネートを得ることを含む。該アシル化は:1)強塩基、好ましくはアミン塩、さらに好ましくはリチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドのようなジ置換アミン塩;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−100℃〜−40℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは2時間行われる。
【0108】
工程Bは、式4のアミドで式1のホスホネートをアシル化し、式3のケトホスホネートを得ることを含む。該アシル化は:1)強塩基、好ましくはアミン塩、さらに好ましくはリチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドのようなジ置換アミン塩;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜20℃、好ましくは−78℃〜0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは2時間行われる。
【0109】
【化38】
Figure 2004537598
【0110】
スキーム23における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールをアルキル化し、式2のエーテルを得ることを含む。該アルキル化は:1)反応性ベンジル化試薬、好ましくはp−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデートのような反応性パラ−メトキシベンジル化試薬;2)プロトン供給源、好ましくはピリジニウム p−トルエンスルホネートのようなスルホン酸;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0111】
工程Bは、式2のエーテルを還元して、式3のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)金属ヒドリド、好ましくは水素化リチウムアルミニウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムのような水素化アルミニウム;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜10℃、好ましくは−78℃〜0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは2時間行われる。
【0112】
工程Cは、式3のアルコールをアルキル化して、式4のエーテルを得ることを含む。該アルキル化は:1)Aは上で記載したとおりである、式AOHのアルコール;2)ジエチル アゾジカルボキシレートのようなカップリング試薬;3)トリフェニルホスフィンのようなホスフィン;および4)極性有機溶媒、例えばテトラヒドロフランの存在下で、−78℃〜60℃、好ましくは−20℃〜40℃の温度で、2〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0113】
工程Dは、式4のエーテルを酸化的加水分解して、式5のアルコールを得ることを含む。該酸化的加水分解は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0114】
工程Eは、式5のアルコールを酸化して、式6のアルデヒドを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは塩化オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミン;三酸化硫黄−ピリジン錯体、DMSOおよびトリエチルアミン;ならびに2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカルおよびジアセトキシヨードベンゼンの組合せのような温和な酸化剤;ならびに2)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような極性有機溶媒の存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0115】
【化39】
Figure 2004537598
【0116】
スキーム24における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルキルジンクブロミドおよび式2のビニルヨウ化物をパラジウム介在的にカップリングし、式3のアルケンを得ることを含む。該パラジウム介在性カップリングは:1)テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム試薬;および2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃の温度にて、1時間〜72時間行われる。
【0117】
工程Bは、式3のアルケンをアミド化し、式4のアミドを得ることを含む。該アミド化は:1)N,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩のような、O,N−ジアルキル化ヒドロキシルアミン;2)有機金属試薬、好ましくはアルキルマグネシウムハライドまたはトリメチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム試薬;および3)有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素またはヘキサン、あるいはこれら2つの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0118】
工程Cは、式5のケトンを得るための、メタロアルカン、好ましくはアルキルリチウムまたはエチルマグネシウムブロミドのようなアルキルマグネシウムハライド試薬での、式4のアミドの付加反応を含む。該付加反応は、テトラヒドロフランのような極性有機溶媒の存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは4時間行われる。
【0119】
工程Dは、式ECHOのアルデヒドで式5のケトンを付加反応に付し、式6のヒドロキシケトンを得ることを含む。該付加反応は:1)ルイス酸、好ましくはホウ素試薬またはトリイソプロポキシチタニウムクロライドのようなチタニウム試薬;および2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0120】
工程Eは、式6のヒドロキシケトンをアルキル化し、式7のエーテルを得ることを含む。該アルキル化は:1)反応性ベンジル化試薬、好ましくはp−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデートのような反応性パラ−メトキシベンジル化試薬;2)プロトン供給源、好ましくはピリジニウム p−トルエンスルホネートのようなスルホン酸;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0121】
工程Fは、式7のエーテルを還元して、式8のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)還元剤、好ましくは水素化アルミニウムまたは水素化ホウ素、例えばリチウム トリ−t−ブトキシアルミニウムヒドリド;2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0122】
工程Gは、式8のアルコールをシリル化し、式9のエーテルを得ることを含む。該シリル化は:1)シリル化試薬、好ましくはt−ブチルジメチルシリルトリフレートのようなt−ブチルジメチルシリル化剤;2)弱塩基、好ましくは窒素含有塩基、さらに好ましくは2,6−ルチジンのようなピリジン塩基;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0123】
【化40】
Figure 2004537598
【0124】
スキーム25における個々の工程に関して、工程Aは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式1のオレフィンをカルバモイル化し、式2のカルバメートを得ることを含む。FNCOを用いる場合において、該カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0125】
工程Bは、式2のカルバメートを還元して、式3のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)還元剤、好ましくは水素化アルミニウムまたは水素化ホウ素、例えばリチウム トリ−t−ブトキシアルミニウムヒドリド;および2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0126】
工程Cは、式3のアルコールをシリル化して、式4のエーテルを得ることを含む。該シリル化は:1)シリル化試薬、好ましくはt−ブチルジメチルシリルトリフラートのようなt−ブチルジメチルシリル化試薬;2)弱塩基、好ましくは窒素含有塩基、さらに好ましくは2,6−ルチジンのようなピリジン塩基;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0127】
【化41】
Figure 2004537598
【0128】
スキーム26における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルコールをシリル化し、式2のエーテルを得ることに関する。該シリル化は:1)シリル化試薬、好ましくはt−ブチルジメチルシリルトリフラートのようなt−ブチルジメチルシリル化試薬;2)弱塩基、好ましくは窒素含有塩基、さらに好ましくは2,6−ルチジンのようなピリジン塩基;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0129】
工程Bは、式FNCOまたはClC(O)NCOのいずれかのイソシアネートで式2のエーテルをカルバモイル化し、式3のカルバメートを得ることに関する。FNCOを用いる場合において、カルバモイル化は、BuSn(OAc)のようなルイス酸またはトリエチルアミンのような弱塩基の存在下で、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒中で、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。F=Hである式Iの置換ポリケチドを生成する、ClC(O)NCOを用いる場合において、カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化された溶媒の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコールの存在下で、塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0130】
工程Cは、式4の置換ポリケチドへの、式3のカルバメートの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性ハロゲン化水素溶液、例えば水性塩化水素;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、好ましくは脂肪族アルコールおよびエーテル、例えばメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、8時間〜7日、好ましくは16〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行われる。
【0131】
【化42】
Figure 2004537598
【0132】
スキーム27における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルケンを付加反応に付して、式2のケトンを得ることを含む。該付加は:1)N,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩のようなO,N−ジアルキル化ヒドロキシルアミン;2)有機金属試薬、好ましくはエチルマグネシウムブロミド;および3)有機溶媒、例えばトルエン、ヘキサンまたはテトラヒドロフランの存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0133】
工程Bは、メタクロレインで式2のケトンを付加反応に付し、式3のヒドロキシケトンを得ることを含む。該付加反応は:1)ルイス酸、好ましくはスズ(II)トリフラートのようなスズ試薬;および2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0134】
工程Cは、式3のヒドロキシケトンを還元して、式4のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)還元剤、好ましくは水素化アルミニウム、例えばジイソブチルアルミニウムヒドリド;および2)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0135】
工程Dは、式4のアルコールを酸化して、式5の環状エーテルを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;および2)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−40℃〜20℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0136】
工程Eは、式5のアルコールをシリル化して、式6のシリルエーテルを得ることを含む。該シリル化は:1)シリル化試薬、好ましくはトリエチルシリルトリフラートのようなトリエチルシリル化試薬;2)弱塩基、好ましくは含窒素塩基、さらに好ましくは2,6−ルチジンのようなピリジン塩基;および3)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0137】
工程Fは、式6のシリルエーテルを2段階ヒドロキシル化して、式7のアルコールを得ることを含む。該ヒドロキシル化の第一段階は:1)9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなボラン;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜48時間、好ましくは24時間行われる。該ヒドロキシ化の第二段階は:1)酸化剤、好ましくは過酸化水素のような過酸化物;2)強アルカリ塩基、好ましくは水酸化ナトリウムのような水酸化物塩基;および3)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは1時間行われる。
【0138】
工程Gは、式7のアルコールを酸化して、式8のアルデヒドを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは塩化オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミン;三酸化硫黄−ピリジン錯体、DMSOおよびトリエチルアミン;ならびに2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカルおよびジアセトキシヨードベンゼンの組合せのような温和な酸化剤;ならびに2)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような極性有機溶媒の存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0139】
工程Hは、式8のアルデヒドをオレフィン化し、式9のジエンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)1−ブロモ−1−トリメチルシリル−2−プロペンのようなハロゲン化されたシリルプロペン;2)塩化クロム(II)のようなクロム(II)試薬;および3)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜40℃、好ましくは20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0140】
工程Iは、式9のジエンを還元的に加水分解し、式10のアルコールを得ることを含む。該還元的加水分解は:1)水素化ルイス酸、好ましくはジイソブチルアルミニウムヒドリドのような水素化アルミニウム;および2)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−78℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは1時間行われる。
【0141】
工程Jは、式10のアルコールをヨウ素化し、式11のヨウ化物を得ることを含む。該ヨウ素化は:1)ヨウ素のようなヨウ素化試薬;2)トリフェニルホスフィンのようなリン含有化合物;3)弱塩基、好ましくはイミダゾールのような含窒素弱塩基;および4)極性有機溶媒、好ましくは酢酸エチルのようなエステルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0142】
【化43】
Figure 2004537598
【0143】
スキーム28における個々の工程に関して、工程Aは、式1のビニルヨウ化物および式2のヨウ化アルキルをパラジウム介在的にカップリングし、式3のアルケンを得ることを含む。該パラジウム介在性カップリングは:1)かさだかい有機金属試薬、好ましくはt−ブチルリチウムのようなかさだかい有機リチウム試薬;2)塩化亜鉛のようなハロゲン化亜鉛または9−メトキシ−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなかさだかいホウ素試薬のいずれか;3)テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)のようなパラジウム試薬;および4)極性有機溶媒、好ましくはジエチルエーテルのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃の温度にて、1時間〜72時間行われる。
【0144】
工程Bは、式4のアルコールへの、式3のアルケンの加水分解に関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、さらに好ましくは水性塩化水素のような水性ハロゲン化水素溶液;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、さらに好ましくはメタノールおよびテトラヒドロフランのような脂肪族アルコールおよびエーテルの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、5分〜24時間、好ましくは0.5〜12時間行われる。
【0145】
工程Cは、式ClC(O)NCOのイソシアネートで式4のアルコールをカルバモイル化し、式5のカルバメートを得ることに関する。該カルバモイル化は、極性の非プロトン性溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる;この工程の後処理は、プロトン性有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコール、および塩基、例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩の存在下で、0℃〜100℃、好ましくは25℃の温度にて、5分〜72時間、好ましくは1時間〜8時間行われる。
【0146】
工程Dは、式6の置換ポリケチドへの、式5のカルバメートの酸化的加水分解を含む。該酸化的加水分解は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;2)水;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは1時間行われる。
【0147】
本発明は、とりわけ、式Id
【化44】
Figure 2004537598
〔式中、Aは式Iの化合物の化合物について上で定義した意義を有する。〕
の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩の製造方法であって、式II
【化45】
Figure 2004537598
〔式中、PMBはp−メトキシベンジルを表し、TESはトリエチルシリルを意味する。〕
のヨウ化物を、第一段階において、式(III)
【化46】
Figure 2004537598
〔式中、PMBはp−メトキシベンジルを表し、そしてAは式Iの化合物について請求項1において定義した意味を有する。〕
のビニルヨウ化物でのPd−介在性カップリング反応において反応させ、
第二段階において、TES保護基は、得られたカップリング生成物から、プロトン酸の存在下で加水分解されて、1つの遊離のヒドロキシ基を含んでなる中間体が提供され、
第三段階において、遊離のヒドロキシ基が、イソシアネートでの反応によりカルバモイル基へと変換され、そして
最終段階において、PMB保護基が酸化的加水分解により除去されて、式Idの化合物が提供されること、を特徴とする方法に関する。
【0148】
【化47】
Figure 2004537598
【0149】
スキーム29における個々の工程に関して、工程Aは、式1のイミドを還元して、式2のアルコールを得ることを含む。該還元は:1)水素化ホウ素リチウムのようなヒドリド還元剤;2)プロトン性有機溶媒、好ましくはエタノールのような低級アルカノール;および3)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは18時間行われる。
【0150】
工程Bは、式2のアルコールを酸化して、式3の環状エーテルを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンのようなキノン;および2)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−40℃〜20℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは16時間行われる。
【0151】
工程Cは、式3の環状エーテルを2段階ヒドロキシル化し、式4のアルコールを得ることを含む。該ヒドロキシル化の第一段階は:1)9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのようなボラン;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、1時間〜48時間、好ましくは24時間行われる。該ヒドロキシル化の第二段階は:1)酸化剤、好ましくは過酸化水素のような過酸化物;2)強アルカリ塩基、好ましくは水酸化ナトリウムのような水酸化物塩基;および3)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは1時間行われる。
【0152】
工程Dは、式4のアルコールをヨウ素化して、式5のヨウ化物を得ることを含む。該ヨウ素化は:1)ヨウ素のようなヨウ素化試薬;2)トリフェニルホスフィンのようなリン含有化合物;3)弱塩基、好ましくはイミダゾールのような含窒素弱塩基;および4)極性有機溶媒、好ましくは酢酸エチルのようなエステルの存在下で、−10℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0153】
工程Eは、式5のヨウ化物にリンを付加し、式6のヨウ化ホスホニウムを得ることを含む。該リン付加反応は:1)トリフェニルホスフィンのようなリン試薬;2)塩基、好ましくはジイソプロピルエチルアミンのようなアミン塩基;および3)有機溶媒、好ましくはアセトニトリルのような極性の非プロトン性溶媒の存在下で、25℃〜150℃、好ましくは90℃の温度にて、1時間〜72時間、好ましくは18時間行われる。
【0154】
工程Fは、式6のヨウ化ホスホニウムで式7のアルデヒドをオレフィン化し、式8のアルケンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;および2)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0155】
工程Gは、式8のアルケンを還元的加水分解し、式9のアルコールを得ることを含む。該還元的加水分解は:1)水素化ルイス酸、好ましくはジイソブチルアルミニウムヒドリドのような水素化アルミニウム;および2)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−100℃〜5℃、好ましくは−78℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは1時間行われる。
【0156】
工程Hは、式9のアルコールを酸化して、式10のアルデヒドを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは塩化オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミン;三酸化硫黄−ピリジン錯体、DMSOおよびトリエチルアミン;および2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカルおよびジアセトキシヨードベンゼンの組合せのような温和な酸化剤;および2)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような極性有機溶媒の存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0157】
工程Iは、式10のアルデヒドをオレフィン化し、式11のヨウ化アルケンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)ヨウ化 エチルトリフェニルホスホニウムのようなアルキルトリフェニルホスホニウム塩;2)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;3)ヨウ素のようなヨウ素化剤;および4)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは1時間行われる。
【0158】
【化48】
Figure 2004537598
【0159】
スキーム30における個々の工程に関して、工程Aは、式1のアルデヒドを付加反応に付し、式2のアルキンを得ることを含む。該付加は:1)プロパルギルアルコール、3−ブチン−2−オールのようなメシル酸塩、メタンスルホネート;2)[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)のようなパラジウム試薬;3)ヨウ化インジウム(I)のようなインジウム試薬;および4)テトラヒドロフランおよびヘキサメチルリン酸トリアミドのような溶媒の極性有機混合物の存在下で、−10℃〜20℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは2時間行われる。
【0160】
工程Bは、式ACHCHOを有するアルデヒドに、式2のアルキンを付加し、式3のプロパルギルアルコールを得ることを含む。該アルキン付加は:1)ルイス酸、好ましくは亜鉛トリフラートのような亜鉛ルイス酸;2)ヒドロキシルアミン、好ましくはN−メチル−エフェドリンのようなエタノールアミン;3)塩基、好ましくはトリエチルアミンのようなアミン塩基;および4)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素の存在下で、0℃〜50℃、好ましくは25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは1時間行われる。
【0161】
工程Cは、式3のプロパルギルアルコールを部分的に水素化し、式4のアルケンを得ることを含む。該水素化は:1)水素;2)パラジウムのような遷移金属触媒;3)所望によりキノリンのようなパラジウム毒(palladium poison);および4)有機溶媒、好ましくはメタノールのようなアルコール、または酢酸エチルのようなエステルの存在下で、0℃〜35℃、好ましくは25℃の温度にて、1分〜12時間、好ましくは30分行われる。
【0162】
工程Dは、式4のアルケンをアルキル化し、式5のエーテルを得ることを含む。該アルキル化は:1)反応性ベンジル化試薬、好ましくはp−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデートのような反応性パラ−メトキシベンジル化試薬;2)プロトン供給源、好ましくはピリジニウム p−トルエンスルホネートのようなスルホン酸;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0163】
工程Eは、式5のエーテルを加水分解し、式6のアルコールを得ることに関する。該加水分解反応は:1)プロトン酸、好ましくは水性プロトン酸溶液、好ましくは水性塩化水素のような水性ハロゲン化水素溶液;および2)極性有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒の混合物、さらに好ましくはメタノールおよびテトラヒドロフランのような脂肪族アルコールおよびエーテルの混合物の存在下で、−20℃〜40℃、好ましくは20℃〜25℃の温度にて、5分〜24時間、好ましくは0.5〜12時間行われる。
【0164】
工程Fは、式6のアルコールを酸化し、式7のアルデヒドを得ることを含む。該酸化は:1)酸化剤、好ましくは塩化オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミン;三酸化硫黄−ピリジン錯体、DMSOおよびトリエチルアミン;ならびに2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカルおよびジアセトキシヨードベンゼンの組合せのような温和な酸化剤;および2)不活性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのような極性有機溶媒の存在下で、−78℃〜40℃、好ましくは−20℃〜25℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0165】
工程Gは、式7のアルデヒドをオレフィン化し、式8のヨウ化アルケンを得ることを含む。該オレフィン化は:1)ヨウ化 エチルトリフェニルホスホニウムのようなアルキルトリフェニルホスホニウム塩;2)強塩基、好ましくはカリウム ヘキサメチルジシラジドまたはブチルリチウムのようなアルカリ金属塩;3)ヨウ素のようなヨウ素化剤;および4)不活性有機溶媒、好ましくはトルエンのような炭化水素、またはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは−20℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは1時間行われる。
【0166】
【化49】
Figure 2004537598
【0167】
スキーム31における個々の工程に関して、工程Aは、式1のカルボン酸をアミド化し、式2のアミドを得ることを含む。該アミド化は:1)N,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩のようなO,N−ジアルキル化ヒドロキシルアミン;2)カルボン酸カップリング試薬、好ましくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のようなジイミド、およびジイミドカップリング反応によくある適当な活性化剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;および3)極性有機溶媒、好ましくはDMFのような低分子量アミドの存在下で、0℃〜40℃、好ましくは25℃の温度にて、1〜24時間行われる。
【0168】
工程Bは、式2のアミドをアルキル化し、式3のエーテルを得ること含む。該アルキル化は:1)反応性ベンジル化試薬、好ましくはp−メトキシベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデートのような反応性パラ−メトキシベンジル化試薬;2)プロトン供給源、好ましくはピリジニウム p−トルエンスルホネートのようなスルホン酸;および3)極性有機溶媒、好ましくは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素の存在下で、−78℃〜25℃、好ましくは0℃の温度にて、10分〜48時間、好ましくは3時間行われる。
【0169】
工程Cは、式3のエーテルを還元し、式4のアルデヒドを得ることを含む。該還元は:1)金属ヒドリド、好ましくはジイソブチルアルミニウムヒドリドのような水素化アルミニウム;および2)極性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランのようなエーテルの存在下で、−100℃〜10℃、好ましくは−78℃〜0℃の温度にて、10分〜8時間、好ましくは2時間行われる。
【0170】
上記のそれぞれの反応の生成物は、所望により、クロマトグラフィーまたは(固体の場合には)再結晶のような慣用的技術により精製され得るが、1つの反応の粗生成物は、有利には、精製なしに次の反応において使用される。
【0171】
当業者にとって明らかなことであるが、式Iの化合物は不斉炭素原子を含む。したがって、個々の立体異性体が本発明の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0172】
上で示したように、すべての式Iの化合物は抗腫瘍剤であり、したがって、さまざまなリンパ腫、肉腫、癌腫、骨髄腫、および白血病細胞株の増殖の阻害において有用である。式Iの化合物の抗腫瘍活性は、接着細胞単層の増殖に対する試験化合物の増殖阻害効果を測定する、Anchorage Dependent Growth Monolayer Assay (ADGMA)を使用して例証され得る。該アッセイを、下記の修正を伴って、National Cancer Institute (NCI)により使用される60細胞株アッセイに適合させる:1)主要な腫瘍タイプの4つの代表的な細胞株、すなわち、MIP 101結腸癌腫、HCT 116結腸癌腫、1A9卵巣癌腫および1A9PTX22卵巣癌腫が使用された;そして2)テトラゾリウム誘導体、すなわちMTTを使用して細胞密度を測定した。
【0173】
ADGMAは、試験化合物が添加されたときに存在する細胞数に対する、試験化合物での3日間の曝露後の生存細胞数を比較する。細胞生存度は、水溶性ホルマザン誘導体に対して生存細胞により電子捕獲剤(PMS;フェナジン メソサルフェート)の存在下で代謝的に還元される、テトラゾリウム誘導体、すなわち、3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニル−テトラゾリウム ブロミド(MTT)を用いて測定される。ホルマザン誘導体の540nmでの吸収( A540)は、生存細胞数に比例する。試験化合物のIC50は、最終対照細胞数の50%まで最終細胞数を減少させるのに必要とされる化合物の濃度である。細胞増殖が阻害される場合、該アッセイは、さらに、化合物を細胞増殖抑制性(3日間の化合物インキュベーション後の細胞数>化合物添加時の細胞数)または細胞毒性(3日間の化合物インキュベーション後の細胞数<化合物添加時の細胞数)と定義する。
【0174】
HCT 116結腸癌腫細胞株を、American Type Culture Collection (ATCC, Rockville, MD)から入手した。MIP 101結腸癌腫を、Dr. Robert Kramer (Bristol Meyers Squibb)から入手し、そしてこれは、以前に記載された(Niles RM, Wilhelm SA, Steele GD JR, Burke B, Christensen T, Dexter D, O'Brien MJ, Thomas P, Zamcheck N. Isolation and characterization of an undifferentiated human colon carcinoma cell line (MIP 101). Cancer Invest. 1987; 5(6): 545-52.)。1A9および1A9PTX22卵巣腫瘍細胞株を、Dr. Tito Fojo, Medicine Branch, Division of Clinical Sciences, National Cancer Institute, National Institutes of Health、Bethesda、MD 20892から入手した。1A9は、卵巣癌腫細胞株、A2780のクローンである(Giannakakou P, Sackett, DL, .Kang Y-K, Zhan Z, ButersJTM, Fojo T, Poruchynsky MS. Paclitaxel-resistant human ovarian cancer cells have mutant β-tubulins that impaired paclitaxel-driven polymerization. J. Biol. Chem. 1997, 272(4):17118-17125)。1A9PTX22亜系統は、5μg/mLのベラパミル存在下の5ng/mLのパクリタキセルへの曝露により単工程選別法における1A9細胞株から個々のクローンとして単離された。すべての細胞株を、解凍した後4〜20継代(passages)の間で使用した。MIP 101結腸癌腫、HCT 116結腸癌腫、1A9卵巣癌腫および1A9PTX22卵巣癌腫を、10%ウシ胎児血清を含有するRPMI 1640培地中で維持し、培養する。
【0175】
細胞をトリプシン処理し、そして細胞濃度を測定するために血球計を用いて計数する。次いで、細胞を、次の濃度で96ウェルプレートに、それぞれの維持培地(200μL/ウェル)中で培養した:MIP 101、2000細胞/ウェル、HCT 116、2000細胞/ウェル、1A9、10000細胞/ウェル、および1A9PTX22、10000細胞/ウェル。細胞/ウェルの数を予備実験で測定し、そして培養4日後に75〜90%のコンフルエンシーとなる。培養1日後に測定された、最初の細胞密度は、ブランクの培地よりもおおよそ0.10〜0.20 A540吸収単位大きい。96ウェルプレートを0日目に播種し、試験化合物を1日目に添加する。列Aにおいて培地のみ、そして列B〜Eにおいて1細胞株/列を入れて「時間0」のプレートを作成した。「時間0」のプレートを、培養(薬物を実験プレートに加えた時点)24時間後に、次のように処理した:各ウェルに、5マイクロリットルのMTTストック溶液(PBS中、0.5mg/mL)を加え、次いで、37℃、5% CO2、加湿環境下で、3時間培養した。次いで、培地を注意深くそして完全に除去する。プレートを、暗所にて乾燥した。ジメチルスルホキシド(DMSO)を各ウェル(100μL/ウェル)に加え、そしてプレートをオービタルシェイカー(orbital shaker)上で2時間培養した。プレートを、ブランクとしてDMSOを用いて、吸収モード−終点L−1で、Softmax Version 2.35を用いるMolecular Devicesプレートリーダーで、540nmにて、96ウェルプレートリーダーにおいて読み取った。培養1日後に、試験化合物を、(1:10の最終希釈で)試験プレートに加え、そして続いて連続的に10回希釈した。対照のプレートには、溶媒の1:10希釈物(10% DMSO/90% RPMI 1640)のみを加えた。試験化合物の添加の3日後に、すべての実験プレートおよび対照プレートを、「時間0」プレートに関して上記したように処理した。IC50値を、正味の増殖パーセントから、化合物濃度の関数として測定する。正味の増殖パーセントは、(細胞+薬物A540−最初の540/細胞+薬物ビヒクル540−最初の540)として計算される。
【0176】
μM表記での次のIC50値(平均±標準誤差)が得られた:
【表1】
Figure 2004537598
【0177】
腫瘍を阻害するために使用される式Iの化合物の正確な投与量は、宿主、処置される病状の性質および重症度、投与様式ならびに使用される特定の化合物を含むさまざまな要因に依存する。しかしながら、一般に、腫瘍の満足な阻害は、式Iの化合物が非経腸的、例えば、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、腫瘍内、または直腸内、あるいは経腸的、例えば、経口、好ましくは静脈内または経口、さらに好ましくはサイクル(サイクル=3〜6週)あたり1〜300mg/kg(体重)の単回投与量で静脈内に、あるいはたいていの大型霊長類に、処置サイクルあたり50〜5000mgの単回投与量で投与された場合に、達成される。3〜6週の処置サイクルあたりの好適な静脈内単回投与量は、1〜75mg/kg(体重)であるか、または、たいていの大型霊長類に、50〜1500mgの1日投与量である。適当な静脈内投与量は、3週間に1回、45mg/kgである。
【0178】
通常、最初は少ない投与量で投与され、そして処置される宿主に最適の投与量が決定されるまで、該投与量を徐々に増加させる。投与量の上限は、副作用により設定されるものであり、そして処置される宿主についての臨床試験により決定され得る。
【0179】
式Iの化合物は、1もしくはそれ以上の薬学的に許容される担体および、所望により、1もしくはそれ以上の慣用的な薬学的アジュバントと組み合わせられ、そして経腸的、例えば錠剤、カプセル剤、カプレットなどの形態で経口的に、または非経腸的、例えば、滅菌された注射可能な溶液または懸濁液の形態で腹腔内または静脈内に投与され得る。経腸および非経腸組成物は、慣用的手段により調製され得る。
【0180】
式Iの化合物は、腫瘍を阻害するのに有効な量の活性物質を含有する経腸的および非経腸的医薬組成物に製剤化され得る。かかる組成物は単位投与形態であり、そして薬学的に許容される担体を含んでなる。
【0181】
本発明の化合物は、単独で、または1もしくはそれ以上の他の治療剤と組み合せて投与され得る。可能な併用療法は、固定された組合せ剤または本発明の化合物の投与の形態をとり、そして1もしくはそれ以上の他の治療剤は、時間をずらして、または互いに独立して、固定された組合せ剤および1もしくはそれ以上の他の治療剤の組合せ投与で投与される。特に、式Iの化合物は、例えば化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的介入またはこれらを組み合せたものと組み合せた腫瘍治療の場合において投与され得る。長期治療が、上記の他の処置戦略の文脈におけるアジュバント療法と同様に可能である。他の可能性のある処置は、腫瘍の緩解後の患者の状態を維持するための治療、または例えばリスクのある患者における、化学予防療法である。
【0182】
可能性のある組合せ剤のための治療剤は、とりわけ、1もしくはそれ以上の抗増殖、細胞増殖抑制性または細胞毒性化合物、例えば化学療法剤、またはポリアミン生合成のインヒビター、プロテインキナーゼ、とりわけセリン/トレオニンプロテインキナーゼ、例えばプロテインキナーゼC、もしくはチロシンプロテインキナーゼ、例えばEGFレセプターチロシンキナーゼのインヒビター、例えばPKI166、VEGFレセプターチロシンキナーゼ、例えばPTK787、もしくはPDGFレセプターチロシンキナーゼ、例えばSTI571、サイトカイン、陰性増殖制御因子(negative growth regulator)、例えばTGF−βもしくはIFN−β、アロマターゼインヒビター、例えばレトロゾールもしくはアナストロゾール、リン酸化されたタンパク質とのSH2ドメインの相互作用のインヒビター、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼIインヒビター、例えばイリノテカン、トポイソメラーゼIIインヒビター、微小管活性化剤、例えばパクリタキセル、ディスコデルモライドもしくはエポチロン、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗薬、例えばゲムシタビンまたはカペシタビン、プラチナ化合物、例えばカルボプラチンもしくはシスプラチン、抗血管新生化合物、ゴナドレリンアゴニスト、抗アンドロゲン剤、ビスホスホネート、例えばAREDIA(登録商標)もしくはZOMETA(登録商標)、およびトランスツズマブを含むが、これらに限定されない群から選択されたいくつかの剤である。コード番号、一般名または商品名により同定される活性剤の構造は、標準的概論「メルク・インデックス」の現行版から、またはデータベース、例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)から、得られ得る。これらの対応する内容を、参照により、本明細書の一部とする。
【0183】
さらに、本発明は、ヒトもしくは動物の処置のための、または腫瘍疾患の処置用医薬製剤の製造のための、方法において使用するための、本明細書に記載された化合物、および可能な場合にはそれらの薬学的に許容される酸もしくは塩基付加塩の使用に関する。
【0184】
下記の実施例は、本発明に包含される代表的な化合物およびそれらの合成を示す。しかしながら、実施例は例示のみを目的とすることが明確に理解されるべきである。
【0185】
実施例1:6−[(2S,3Z,8Z,11S,12R,13S,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−2,6,12−トリヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエニル]テトラヒドロ−(6R)−2H−ピラン−2−オン。
【0186】
a)(7S,8Z,10S,11S,12S,13Z,16S,17R,18R,19S,20S,21Z)−19−[(アミノカルボニル)オキシ]−11,17−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−7−ヒドロキシ−10,12,14,16,18,20−ヘキサメチル−5−オキソ−8,13,21,23−テトラコサテトラエン酸 エチルエステルの製造。
【0187】
EtO(2.0ml)中の(+)−DIPCl(484mg、10当量、1.51mmol)の撹拌溶液に、0℃にて、蒸留したトリエチルアミン(0.23mL、11当量)、続いてエチル 5−オキサヘキサノエート(239mg、1.51mmol、10当量)をシリンジで加える。0℃にて120分間撹拌後、混合物を−78℃に冷却する。EtO(1.0ml)中の(2R,3S,4R)−3−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−N−メトキシ−N,2,4−トリメチル−5−オキソ−ヘキサンアミド(100mg、0.151mmol)を、カニューレを介して加える。−78℃にて3時間後、混合物をフリーザー(−27℃)に移し、そしてこの温度で16時間静置する。該反応を、0℃にて、MeOH(1ml)、pH=7 バッファー溶液(2mL)および過酸化水素溶液(50%水溶液、1ml)を添加することにより終了させる。室温(rt)で2時間撹拌後、層を分離し、水層をジクロロメタン(3×10mL)で抽出する。合わせた有機層を(MgSO)乾燥し、真空中で乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(biotage、シリカゲル、グラジエント10〜30% EtOAc/ヘキサン)により精製すると、無色の非常に粘度の高い油状物質として所望の化合物を得る。
【0188】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 6.61 (1H, ddd, J = 16.6, 10.6, 10.5Hz), 6.03 (1H, t, J = 11.0), 5.58 (1H, t, J = 10.1 Hz), 5.37 (1H, dd, J = 10.6, 11.2Hz), 5.35 (2H, m), 5.22 (1H, d, J = 17.0 Hz), 5.13 (1H, d, J = 10.2 Hz), 4.98 (1H, d, J = 9.8 Hz), 4.70 (3H, m), 3.40 (1H, dd, J = 5.7, 3.8 Hz), 3.26 (1H, dd, J = 6.8, 3.8 Hz), 2.99 (2H, m), 266 (1H, m), 2.60-2.51 (2H, m), 2.35 (2H, m), 2.13 (1H, t, J = 12.4 Hz), 1.90-1.87 (2H, m), 1.59 (1H, m), 0.99 (3H, d, J = 6.8 Hz, Me), 0.94-0.83 (21H, m), 0.70 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.10-0.01 (4x3H, m);13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 173.6, 157.3, 135.6, 133.9, 132.4, 132.2, 131.2, 129.2, 128.8, 118.2, 80.79, 80.9, 78.6, 77.2, 64.5, 60.7, 49.5, 42.5, 38.1, 37.2, 36.8, 36.7, 34.9, 34.6, 33.4, 26.4 (6C), 23.1, 19.3, 18.8, 18.7, 18.6, 17.8, 17.6, 14.4, 13.5, 10.3, -2.9, -3.1, -3.2, -3.6。
【0189】
b)(5R,7S,8Z,10S,11S,12S,13Z,16S,17R,18R,19S,20S,21Z)−19−[(アミノカルボニル)オキシ]−11,17−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7−ジヒドロキシ−10,12,14,16,18,20−ヘキサメチル−8,13,21,23−テトラコサテトラエン酸 エチルエステルの製造。
【0190】
0.52mLの無水アセトニトリル中の250mg(0.95mmol)のテトラメチルアンモニウム トリアセトキシ水素化ホウ素の溶液に、0.52mLの水不含有酢酸を加え、そして混合物を環境温度で30分間撹拌する。混合物を−29℃に冷却し、そして0.5mLの無水アセトニトリル中の50mg(0.453mmol)の(7S,8Z,10S,11S,12S,13Z,16S,17R,18R,19S,20S,21Z)−19−[(アミノカルボニル)オキシ]−11,17−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−7−ヒドロキシ−10,12,14,16,18,20−ヘキサメチル−5−オキソ−8,13,21,23−テトラコサテトラエン酸 エチルエステルの溶液を加える。混合物を、−29℃で18時間撹拌する。該反応を、1mLの0.5N水性酒石酸ナトリウムカリウムでクエンチし、混合物を環境温度までゆっくりと加温する。混合物をCHClで希釈し、そして水性飽和NaHCOで乾燥する。水層をCHClで4回逆抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして真空中で濃縮すると、白色の固体として粗生成物を得る;m/z(ESI+)846 (100(M+Na))。
【0191】
c)6−[(2S,3Z,8Z,11S,12R,13S,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−2,6,12−トリヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエニル]テトラヒドロ−(6R)− 2H−ピラン−2−オンの製造。
【0192】
THF(56ml)中の、(5R,7S,8Z,10S,11S,12S,13Z,16S,17R,18R,19S,20S,21Z)−19−[(アミノカルボニル)オキシ]−11,17−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7−ジヒドロキシ−10,12,14,16,18,20−ヘキサメチル−8,13,21,23−テトラコサテトラエン酸 エチルエステル(上記b)からの粗生成物)(50mg、0.452mmol)の溶液に、4N HCl(56ml)の水溶液を加える。得られる溶液を室温で24時間撹拌し、そしてMeOH(10ml)を加え、そして混合物をさらに24時間撹拌する。EtOAc(50ml)を、該溶液に加え、続いて0℃にてNaHCOを加えてpH=8とする。有機溶液を食塩水で洗浄する。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出し、合わせた抽出液をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、HPLC(50% CHCl−EtOAc、次いで100% EtOAc)により精製すると、所望の化合物を得る。
【0193】
1H NMR (499 MHz, CD3CN), δ 6.68 (ddd, J = 16.7, 10.9, 10.5Hz, 1H), 6.08 (t, J = 11.0, Hz, 1H), 5.54 (t, J = 10.7 Hz, 1H), 5.48 (t, J = 10.6, 1H), 5.38 (dd, J = 10.3, 8.6 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 16.8, Hz, 1H), 5.15 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 5.07 (br, CONH2 2H), 4.98 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.72 (dd, J = 8.0, 4.2 Hz, 1H), 4.50 (m, 1H), 4.41(m, 1H), 3.14 (dd, J = 7.0, 3.8 Hz, 1H), 3.08 (m, 2H), 2.63 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 2.35 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 2.30 (m, 1H), 1.91-1.87 (m, 1H), 1.85-1.83 (m, 1H), 1.63 (m, 1H), 1.62 (m, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.55-1.50 (m, 1H), 1.01 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.81 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.74 (d, J = 6.8 Hz, 3H);13C NMR (124.75 MHz, CD3CN), δ 172.9, 158.7, 134.7, 134.6, 134.4, 134.1, 133.6, 131.5, 130.9, 118.9, 80.2, 79.7, 77.8, 76.4, 63.9, 45.2, 38.9, 37.4, 36.7, 36.5, 35.1, 34.7, 30.5, 29.5, 23.7, 20.1, 19.6, 18.6, 17.8, 15.9, 9.5;HRMS 572.3564(M+Na)、計算値 572.3565。
【0194】
実施例2:(5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8、10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシルカルバミン酸。
【0195】
a)(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシル カルバミン酸の製造。
【0196】
(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエン−1,11−ジオール (215mg、0.36mmol)を、ジクロロメタン(5ml)中に溶解させる。ジブチルスズ ジアセテート(113mg、0.90mmol)を、反応混合物に加え、そして5分間撹拌する。次いで、シクロヘキシルイソシアネートを反応混合物に滴下する。得られる混合物を一夜撹拌する。溶媒を除去する。粗生成物をクロマトグラフ(ヘキサンから、ヘキサン中10%EtOAc)にかけると、無色の油状物質として所望の化合物a)を得る。
【0197】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 6.60 (m, 1H), 6.09 (t, J = 7, 1H), 5.29-4.94 (m, 4H), 3.99-3.98 (bs, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.55-3.53 (m, 1H), 3.52-3.24 (m, 3H), 2.76-2.53 (m, 1H), 2.51-2.42 (m, 1H), 2.15 (t, J = 8, 1H), 1.85-1.51 (m, 6H), 1.27-1.00 (m, 6H), 0.89-0.62 (m, 34H), -0.01- -0.11 (m, 12H); マススペクトル(ESI)、m/z 722、739(m+NH)。
【0198】
b)(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシル カルバミン酸の製造。
【0199】
(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシル カルバミン酸(100mg、0.14mmol)を、ジクロロメタン(3ml)中に溶解させる。トリクロロアセチル イソシアネート(40mg、0.21mmol)を反応混合物に滴下し、そして30分間撹拌する。溶媒を真空中で除去し、メタノールを加え(3mL)、次いで、炭酸カリウムを加える(50mg)。この混合物を2時間撹拌する。次いで、溶媒を除去する。粗生成物をクロマトグラフ(ヘキサンから、ヘキサン中10%EtOAc)にかけると、無色の油状物質として所望の化合物を得る。
【0200】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 6.63 (m, 1H), 6.04 (t, J = 7, 1H), 5.38 (m, 4H), 4.71 (m, 3H), 4.05-3.75 (m, 2H), 3.45 (m, 3H), 3.00 (m, 1H), 2.49 (m, 1H), 2.13 (m, 6H), 1.72 (m, 8H), 1.39-1.07 (m, 6H), 0.98 (m, 34H), 0.07 (m, 12H);マススペクトル(ESI)、m/z 765、782 (m+NH)。
【0201】
c)(5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシルカルバミン酸の製造。
【0202】
(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシル カルバミン酸(32mg、0.04mmol)を、イソプロパノール(1mL)中に溶解させる。4N HCl(0.75ml)を、5分かけて、反応混合液に加える。混合溶液を48時間撹拌する。溶媒を蒸発乾固させる。粗生成物をHPLCにより精製すると、白色の粉末として所望の化合物を得る。
【0203】
1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ 6.59 (m, 1H), 5.98 (t, J = 10.8, 1H), 5.30 (t, J = 10.4, 1H), 5.16 (d, J=16.7, 1H), 5.10 (m, 2H), 4.80 (bs, 1H), 4.65 (m, 3H), 4.07 (bs, 2H), 3.39 (m, 6H), 2.97 (m, 1H), 2.54 (m, 1H), 1.97 (m,7H), 1.65 (m, 5H), 1.30 (m, 2H), 1.12 (m, 3H), 0.97 (m, 12H), 0.83 (m, 3H);13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ 157.65, 156.73, 134.27, 134.01, 132.58, 130.36, 130.18, 118.27, 79.24, 78.41, 75.85, 67.31, 50.39, 37.72, 36.67, 36.22, 35.92, 35.22, 33.79, 33.17, 25.87, 25.21, 23.64, 17.71, 16.51, 15.59, 13.73, 9.51。HRMS:C3052Naについての計算値(M+Na) 559.3723、実測値559.3723。
【0204】
実施例3:(2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−4,6,8,10,12,14−ヘキサメチル−1−フェノキシ−2,7,15,17−オクタデカテトラエン−5,11,13−トリオール−13−カルバメート。
【0205】
a)(3Z,5S,6S,7R,8R,9S,11Z,13S,14S,15S,16Z)−8,14−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−18−フェノキシ−1,3,11,16−オクタデカテトラエン−6−オール カルバメートの製造。
【0206】
PhP(118mg、0.452mmol)のTHF溶液を、−78℃にてN下で、DEAD(78mg、0.452mmol)を用いて処理する。10分後、PhOHおよび(2Z,4S,5S,6S,7Z,10S,11R,12R,13S,14S、15Z)−5,11−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−4,6,8,10,12,14−ヘキサメチル−2,7,15,17−オクタデカテトラエン−1,13−ジオール−13−カルバメートを加える。該溶液を2時間以内に23℃に加温し、そして12時間撹拌する。THFを真空中で除去し、EtOAc(20ml)を加える。有機溶液を、HO(1×10mL)および食塩水(1×10mL)で洗浄する。水層をEtO(3×20ml)で抽出し、合わせた抽出液を(NaSO)乾燥し、そして濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、0〜30%EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により、所望の化合物を得る。
【0207】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 159.0, 157.2, 136.3, 133.6, 132.9, 132.2, 130.8, 130.0, 129.8, 129.6, 124.5, 120.8, 115.5, 114.8, 81.1, 79.1, 77.4, 64.4, 38.2, 37.4, 37.2, 36.3, 35.1, 34.6, 26.4, 23.1, 19.2, 18.8, 18.7, 18.4, 17.7, 14.0, 10.3, - 3.0, -3.1, -3.3, -3.4;HRMS ESI m/z 536.3354 (M+Na、C3147NNaの計算値 536.3351)。
【0208】
b)(2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−4,6,8,10,12,14−ヘキサメチル−1−フェノキシ−2,7,15,17−オクタデカテトラエン−5,11,13−トリオール−13−カルバメートの製造。
【0209】
MeOH(10mL)中の(3Z,5S,6S,7R,8R,9S,11Z,13S,14S,15S,16Z)−8,14−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−18−フェノキシ−1,3,11,16−オクタデカテトラエン−6−オール カルバメート(140mg、0.19mmol、1当量)の溶液に、HClのMeOH溶液(15.5mL、15mL MeOH + 0.5mL 12N HCl)を加える。得られる溶液を、23℃にて36時間撹拌する。次いで、0℃にて固体のNaHCOを添加して、pHを8に調節する。該溶液を真空中で乾燥し、残渣をCHCl(10ml)中に溶解させ、そしてセライトを通して濾過する。クロマトグラフィー(SiO、50% CHCl−EtOAc、次いで100% EtOAc)により、白色の固体として所望の化合物を得る:R=0.6(SiO、EtOAc);[α]25 +66.215°(c 1.1、CHCl);HRMS ESI m/z 536.3354 (M+Na、C3147NNaの計算値 536.3351)。
【0210】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 7.28 (m, 2H), 6.95 (t, J = 7.32 Hz, 1H), 6.90 (m, 3H), 6.60 (ddd, J = 16.8, 10.6, 10.6 Hz, 1H), 6.03 (t, J = 10.92 Hz, 1H), 5.70 (m, 1H), 5.69 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 5.35 (t, J = 10.2 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 16.9 Hz, 1H), 5.12 (dd, J = 12.1, 10.1 Hz, 2H), 4.72 (dd, J = 7.17, 4.73 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 5.95 Hz, 2H), 4.48 (br s, 2H), 3.23 (m, 2H), 3.04-2.95 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.51(m, 1H), 1.99-1.84 (m, 3H), 1.80 (dd, J = 12.21, 8.24 Hz, 1H), 1.75 (m, 1H), 1.61 (s, 3H), 1.03 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 2.14Hz, 3H), 0.96 (d, J = 2.14 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 2.14 Hz, 3H);13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ 158.7, 156.9, 135.3, 133.7, 132.2, 129.9, 129.5, 125.6, 120.8, 117.9, 114.7, 79.4, 78.9, 76.4, 64.1, 37.0, 36.0, 35.8, 34.7, 33.0, 23.1, 18.4, 17.4, 16.5, 13.84, 8.7。
【0211】
実施例4:(2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ジヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル 2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミド。
【0212】
a)(2Z,4S,5S,6S,7Z,10S,11R,12R,13S,14S,15Z)−5,11−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−13−ヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル−2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミドの製造。
【0213】
トルエン(10mL)中のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(N−メチル−N−フェニルアミンカルボニルメチル)ホスホネート(269mg、0.674mmol、2.67当量)および18−クラウン−6(134mg、0.506mmol、2当量)の−20℃溶液に、KHMDS(1.35mL、トルエン中0.5M、0.674mmol、2.67当量)を2分かけて加える。該溶液を0℃(10分)に加温し、そして−20℃まで再冷却する。この溶液に、(2R,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエナール(150mg、0.253mmol、1当量)のトルエン溶液を滴下する。該溶液を0℃にて撹拌し(3時間)、飽和NHCl(10ml)でクエンチし、そして水層をEtOAc(3×10mL)で抽出する。有機抽出液を合わせ、(MgSO)乾燥し、そして濃縮すると油状物質を得る。クロマトグラフィー(SiO、10% EtOAc−ヘキサン)にかけると、無色の油状物質として所望の化合物を得る。
【0214】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 166.3, 148.6, 144.4, 135.0, 132.34, 132.27, 131.11, 131.06, 129.58, 127.38, 127.31, 119.25, 118.52, 80.85, 78.87, 76.37, 60.53, 38.05, 37.59, 37.53, 37.14, 36.48, 36.06, 35.15, 26.34, 23.44, 18.59, 18.39, 17.53, 17.31, 13.66, 9.67, -3.26, -3.42(2C), -3.71。
【0215】
b)(2Z,4S,5S,6S,7Z,10S,11R,12R,13S,14S,15Z)−13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル−2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミドの製造。
【0216】
CHCl(2ml)中の(2Z,4S,5S,6S,7Z,10S,11R,12R,13S,14S,15Z)−5,11−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−13−ヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル−2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミド(110mg、0.152mmol、1当量)の溶液を、トリクロロアセチル イソシアネート(43mg、0.228mmol、1.5当量)で23℃(20分)にて処理する。該溶液を濃縮し、そして残渣をCHOH (2mL)中に溶解させる。この溶液に、KCO(0.1g)を加え、そして混合物を23℃(2時間)にて撹拌する。反応混合物を濃縮し、そして残渣をEtO(5mL)中に溶解させる。有機溶液をHO(1×20mL)および食塩水(1×20mL)で洗浄する。水層をEtO(3×5ml)で抽出し、そして合わせた抽出液を(NaSO)乾燥し、濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、30−50% EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により所望の化合物を得る。
【0217】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 166.3, 157.2, 148.6, 144.4, 135.8, 132.21, 132.15, 130.92, 129.89, 129.50, 127.30, 127.21, 119.24, 118.04, 80.67, 78.88, 76.81, 60.49, 37.92, 37.58, 37.15, 37.07, 35.92, 35.34, 34.59, 26.28, 23.02, 18.58, 18.52, 17.98, 17.63, 17.55, 13.79, 10.32, -3.37, -3.45, -3.52, -3.84。
【0218】
c)(2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ジヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル 2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミドの製造。
【0219】
MeOH(10mL)中の(2Z,4S,5S,6S,7Z,10S,11R,12R,13S,14S,15Z)−13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル−2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミド(70mg、0.091mmol、1当量)の溶液に、HClのMeOH溶液(15.5mL、15mL MeOH+0.5mL 12N HCl)を加える。得られる溶液を23℃にて(36時間)撹拌する。0℃にて、固体のNaHCOを添加することにより、pHを8に調節する。溶液を真空中で乾燥し、残渣をCHCl(10ml)中に溶解させ、セライトを通して濾過する。HPLC精製により、白色の固体として所望の化合物を得る:[α]25 =+225.738°(c 0.25、CHCl);HRMS ESI m/z 541.3588 (M+H、C3250の計算値 541.3641)。
【0220】
1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.33 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 6.62 (ddd, J = 17.0, 10.6, 10.4 Hz, 1H), 6.02 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 5.75 (t, J = 11.3 Hz, 1H), 5.67 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 5.38 (m, 2H), 5.18 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.08 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 4.70 (m, 3H), 3.41 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.19 (m, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.71 (m, 1H), 2.43 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.15 (dd, J = 12.7, 6.9 Hz, 1H), 1.98-1.91 (m, 2H), 1.80 (dd, J = 12.9, 7.8 Hz, 1H), 1.68 (s, 3H), 1.02 (d, J = 2.1 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 2.3 Hz, 6H), 0.99 (d, J = 2.1 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
【0221】
実施例5:N−[(5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−(2−アミノ−2−オキソエチル)−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミドの合成。
【0222】
a)(3Z,5S,6S,7R,8R,9S,11Z,13S,14R,15S)−8,14−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−16−(メチルアミノ)−1,3,11−ヘキサデカトリエン−6−オールの製造。
【0223】
メチルアミン(2M、1.01mL、4当量、2.02mmol)の撹拌THF溶液に、(2R,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエナール(300mg、0.505mmol、1当量)のTHF(10ml)溶液を23℃にて加える。20分撹拌後、NaBHAcを加え、続いて1滴のAcOHを加える。該溶液をさらに2時間撹拌し、そしてEtOAc(10ml)で希釈し、水性飽和NaCO(2×5ml)、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして真空中で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、グラジエント10−30% MeOH/EtOAc)により精製すると、無色の油状物質として所望の化合物を得る。
【0224】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), 135.31, 132.56, 132.5, 131.49, 131.27, 118.74, 80.54, 79.25, 76.45, 55.03, 38.52, 38.29, 37.06, 36.85, 36.75, 36.67, 35.32, 26.64 (3C), 26.58 (3C), 23.89, 18.90, 18.81, 17.91, 17.65, 13.83, 9.97, 9.92, -2.87, -3.09, -3.26, -3.46;HRMS:ESI m/z 610.5070 (M+H)、計算値 610.5051。
【0225】
b)N−[(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミドの製造。
【0226】
シクロヘキサン酢酸(30.2mg、0.222mmol)およびBOP(131mg、0.296mmol)のDMF(2ml)溶液を、(3Z,5S,6S,7R,8R,9S,11Z、13S,14R,15S)−8,14−ビス[[(1,1−ジメチルエチル) ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−16−(メチルアミノ)−1,3,11−ヘキサデカトリエン−6−オール(90mg、0.148mmol)およびDIEA(77μL、0.444mmol)の撹拌DMF(3ml)溶液に、0℃にて滴下する。該溶液を、23℃に加温し、そしてさらに1時間撹拌する。DMFを真空中で除去し、そして残渣をEtOAc(10ml)中に溶解させる。有機溶液をHO(1×10mL)および食塩水(1×10mL)で洗浄する。水層をEtO(3×20ml)で抽出し、そして合わせた抽出液を(NaSO)乾燥し、そして濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、0−30% EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により、所望の化合物を得る。HRMS: ESI m/z 734.5906 (M+H)、計算値 734.5939。
【0227】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 6.62 (ddd, J = 16.7, 10.9, 10.5 Hz, 1H), 6.14 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 5.32 (t, J = 10.2 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 16.9, Hz, 1H), 5.15 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 3.63 (m, 1H), 3.32 (m, 2H), 2.81 (m, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.61 (m, 1H), 2.52 (m, 1H), 2.37 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 2.03 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 1.65-1.95 (m, 9H);1.59 (m, 4H), 1.15 (m, 5H), 1.05 (m, 2H), 1.00-0.94 (m, 9H), 0.93 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.74 (d, J = 6.7, 3H), 0.10-0.00 (m, 12H)。
【0228】
c)N−[(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミドの製造。
【0229】
CHCl(2.0mL)中のN−[(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミド(70mg、0.096mmol、1当量)の溶液を、トリクロロアセチル イソシアネート(27.2g、0.145mmol、1.5当量)で、23℃(20分)にて処理する。該溶液を濃縮し、そして残渣をCHOH(2.0ml)中に溶解させる。この溶液に、KCO(10mg)を加え、そして混合物を23℃(2時間)にて撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣をEtO(10ml)中に溶解させる。有機溶液をセライト濾過し、そして濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、0−30% EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により、所望の化合物を得る:HRMS ESI m/z 777.5984 (M+H、C4485Siの計算値 777.5997)。
【0230】
13C NMR (75.5 MHz, CDCl3), 173.04, 157.15, 133.86, 133.00, 132.23, 130.11, 129.83, 118.16, 80.58, 78.57, 77.16, 50.50, 40.92, 38.28, 37.03, 36.97, 36.14, 35.38, 34.75, 34.54 33.63, 33.54, 33.11, 26.49, 26.38(6C), 23.13, 19.24, 18.71, 18.68, 18.62, 18.58, 17.59, 15.23, 13.66, 10.26, -3.22, -3.26, -3.44, -3.61。
【0231】
d)N−[(5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−(2−アミノ−2−オキソエチル)−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミドの製造。
【0232】
MeOH(10mL)中のN−[(2S,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミド(70mg、0.452mmol、1当量)の溶液に、HClのMeOH溶液(15.5mL、15mL MeOH+0.5mL 12N HCl)を加える。得られる溶液を23℃にて(36時間)撹拌する。0℃にて固体のNaHCOを添加することによりpHを8に調節する。該溶液を濃縮し、そして残渣をCHCl(10ml)中に溶解させ、セライトを通して濾過する。クロマトグラフィー(SiO、50% CHCl−EtOAc、次いで100%EtOAc)により、白色の固体として所望の化合物を得る:[α]25 +35.93°(c 1.88、CHCl)。
【0233】
1H NMR (500 MHz, CDCl3), δ 6.62 (ddd, J = 15.9, 10.7, 10.4 Hz, 1H), 6.02 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 5.36 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 7.0, 1H), 5.20 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 10.1, Hz, 1H), 4.72 (m, 3H), 3.91 (br, 1H), 3.74 (dd, J = 14.0, 5.6 Hz, 1H), 3.3 (m, 2H), 3.15 (dd, J = 14.1, 4.9 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.99 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.31 (br s, 1H), 2.20 (dd, J = 6.8, 3.3 Hz, 1H), 2.01-1.60 (m, 15H), 1.26 (m, 3H), 1.14 (m, 1H), 1.02-0.8 (m, 18H);HRMS ESI m/z 549.4282 (M+H)、計算値 549.4267。
【0234】
実施例6:(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートの合成。
【0235】
a)(3−シクロペンチル−2−オキソプロピル)−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホン酸エステルの製造。
【0236】
ヘキサメチルジシラザン(13.24mL、62.74mmol、2.3当量)を、n−BuLi(37.5mL、60mmol、1.6 M、2.2当量)およびTHF(50ml)の溶液に、−20℃にて5分かけて加える。該溶液を0℃に加温し、20分間撹拌する。次いで、該溶液を−100℃に冷却し、そしてシクロペンチル塩化アセチル(4g、27.28mmol、1当量)およびビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスフェート(7.09g、27.28mmol、1当量)の予め冷却した(−78℃)THF(20mL)溶液を10分かけて滴下する。反応混合物を−100℃にてさらに20分間撹拌し、そして−30℃で一夜保存する。冷却した反応混合物を、50mLのN HClおよび同容量の氷、および100mLのCHClの撹拌混合物中に注ぐ。有機層を分離し、そして水層をCHCl(2×20mL)で抽出する。有機層を合わせ、(NaSO)乾燥し、そして油状物質になるまで濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、5% EtOAc−ヘキサン)により、無色の油状物質として(3−シクロペンチル−2−オキソプロピル)−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホン酸エステルを得る。
【0237】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 4.26 (m, 4H), 3.18 (d, J = 21.5 Hz, 2H), 3.07 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.04 (m, 1H), 1.65 (m, 9H), 1.40 (m, 4H), 0.90 (m, 2H).
【0238】
b)(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−14−ヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オンの製造。
【0239】
トルエン(10mL)中の(3−シクロペンチル−2−オキソプロピル)−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホン酸エステル(0.654g、1.768mmol、2.1当量)および18−クラウン−6(0.445g、1.684mmol、2当量)の−20℃溶液に、KHMDS(3.54mL、トルエン中0.5M、1.768mmol、2.1当量)を2分かけて加える。該溶液を0℃(10分)まで加温し、そして−20℃まで再冷却する。この溶液に、(2R,3R,4S,5Z,8S,9R,10R,11S,12S,13Z)−3,9−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−11−ヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエナール(0.5g、0.842mmol、1当量)のトルエン溶液を滴下する。該溶液を0℃にて(3時間)撹拌し、飽和NHCl(10ml)でクエンチし、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出する。有機抽出液を合わせ、(MgSO)乾燥し、油状物質になるまで濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、10% EtOAc−ヘキサン)により、無色の油状物質として(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−14−ヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オンを得る。
【0240】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 201.05, 150.59, 134.80, 132.77, 132.23, 131.13, 130.67, 125.85, 118.61, 80.78, 78.90, 76.53, 50.72, 38.15, 37.86, 36.40, 36.30, 35.96, 35.00, 32.81, 32.77, 26.38 (6C), 25.11, 23.28, 18.63, 18.20, 18.15, 17.42, 13.78, 9.61, -3.22, -3.26, -3.36, -3.55;HRMS ESI m/z 703.5664 (M+H、C4279Siの計算値 704.2675)。
【0241】
c)(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オンの製造。
【0242】
CHCl(10ml)中の(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−14−ヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オン(420mg、0.60mmol、1当量)の溶液を、トリクロロアセチル イソシアネート(135mg、0.72mmol、1.2当量)で23℃(20分)にて処理する。該溶液を濃縮し、そして残渣をCHOH(10ml)中に溶解させる。この溶液に、KCO(0.2g)を加え、そして混合物を23℃にて(3時間)撹拌する。反応混合物を濃縮し、そして残渣をEtO(20ml)中に溶解させる。該有機溶液をHO(1×10mL)および食塩水(1×20mL)で洗浄する。水層をEtO(3×10ml)抽出し、そして合わせた抽出物を(NaSO)乾燥し、そして濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、30−50% EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により、(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オンを得る。
【0243】
13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 201.04, 157.16, 150.66, 133.64, 132.66, 132.22, 130.63, 130.12, 125.84, 118.23, 80.67, 79.08, 76.97, 50.74, 38.03, 37.94, 37.77, 35.99, 35.41, 34.55, 32.84, 32.81, 26.40 (6C), 25.15, 23.04, 18.71, 18.65, 18.24, 18.07, 17.73, 14.24, 10.27, -3.26, -3.55;HRMS ESI m/z 746.5551 (M+H、C4380NSiの計算値 746.5575)。
【0244】
d)(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,14−ジオール−14−カルバメートの製造。
【0245】
トルエン(2.0ml)中の(3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2−オン(190mg、0.255mmol、1当量)の溶液を、(R)−1−ブチルテトラヒドロ−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキシアザボロール(1.27mL、0.255mmol、1.0当量)およびカテコールボラン(215mg、1.79mmol、7当量)で、−78℃(20分)にて処理する。該溶液を−20℃まで3時間加温した後、CHCl(5ml)および1N HCl(5ml)を0℃にて加え、次いで、室温でさらに30分間撹拌する。有機溶液をNaCO(1×5ml)および食塩水(1×10mL)で洗浄し、(NaSO)乾燥し、そして濃縮する。クロマトグラフィー(SiO、30−50% EtOAc−ヘキサン グラジエント溶出)により、(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z、11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,14−ジオール−14−カルバメートを得る。
【0246】
13C NMR (125 MHz, MeOD3), δ 157.5, 1345.5, 133.8, 132.5, 131.6, 130.3, 121.1, 118.4, 115.7, 80.9, 79.3, 77.3, 68.0, 44.4, 38.3, 37.5, 36.8, 36.6, 35.4, 34.8, 33.7, 32.9 26.6 (18H), 25.5, 23.3, 19.6, 18.9, 17.8, 17.5, 14.3, 10.4, -2.7, -3.0, -3.5;HRMS ESI m/z 770.5456 (M+Na、C4381NSiの計算値 770.5551)。
【0247】
e)(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートの製造。
【0248】
MeOH(120ml)中の(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−6,12−ビス[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,14−ジオール−14−カルバメート(500mg、0.67mmol)の溶液を、4N HCl(20ml)で、室温にて20分かけて処理する。該溶液を16時間撹拌した後、EtOAc(200mL)およびNaCOを0℃にてpH=7まで添加する。有機溶液を(NaSO)乾燥し、そして濃縮する。HPLC精製(シンメトリーC18、30−95% HO−MeCN グラジエント溶出)により、(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートを得る:[α] +35.808 C = 1.4/MeOH。
【0249】
1H NMR (500 MHz, MeOD3), δ 6.69 (ddd, J = 16.7, 10.8, 10.6 Hz, 1H), 6.03 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 5.44 (t, J = 10.6Hz, 1H), 5.38 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.21 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 4.77 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.57 (br, 2H), 4.31 (m, 1H), 3.23 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.16 (m, 1H), 3.09 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 2.00 (t, J = 12.6 Hz, 1H), 1.89-1.73 (m, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.60-1.52 (m, 2H), 1.36 (m, 1H), 1.12 (m, 1H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 3.7 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 3.6 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.79 (d, J = 6.6 Hz, 3H);HRMS ESI m/z 520.4008 (M+H、C3154Nの計算値 520.4002)。
【0250】
実施例7:(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−イソプロピル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートの合成。
【0251】
(2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−イソプロピル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートを、(3−シクロペンチル−2−オキソプロピル)−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホン酸エステルを用いる代わりに、(3−イソプロピル−2−オキソプロピル)−ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホン酸エステルが使用されることを除いて、実施例6において2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−5,7,9,11,13、15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメートに関して記載されたのと同様の方法で製造する。
【0252】
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ 6.62 (ddd, J = 16.7, 10.8, 10.6 Hz, 1H), 6.04 (t, J = 11.0 Hz, 1H), 5.53-5.32 (m, 3H), 5.23 (d, J = 15 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 4.74 (dd, J = 6.8, 4.9 Hz, 1H), 4.61 (br, 2H), 4.45 (m, 1H), 3.29 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.20 (dd, J = 5.8, 4.9 Hz, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 2.59 (m, 1H), 1.94-1.73 (m, 5H), 1.64 (s, 3H), 1.51 (m, 1H), 1.25 (m, 1H), 1.03 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.95(s, 3H), 0.93(s, 1H), 0.84 (d, J = 6.0 Hz, 3H);13C NMR (75 MHz, CDCl3), δ 157.3, 134.4, 134.0, 133.7, 133.5, 132.3, 130.1, 129.9, 118.2, 79.2, 79.0, 76.2, 66.6, 47.0, 37.3, 35.9, 35.8. 35.1, 34.9, 33.3, 24.6, 23.8, 23.7, 23.4, 22.3, 18.7, 17.6, 15.6, 14.3,8.8;HRMS ESI m/z 516.3654 (M+Na、C2951NNaの計算値 516.3665)。

Claims (11)

  1. 式I
    Figure 2004537598
    〔式中、Aは、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)ヒドロキシアルキル、−(CH)CH(CO)R
    Figure 2004537598
    であり;
    Bは、−CHCH(OR)−、−CHCH(OC(O)R)−、−OCH(R)−、−N(R)C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
    Cは、−C(R)=C(R)−、−OCH(R)−、−N(R)CH−、−N(R)C(O)−または−CHCH−であり;
    Dは、−CH=C(R)CH−であり;
    Eは、−CH(R)CH=CHCH=CH、−CH(R)R、−CH(R)CH=CHR、−CH(R)CH=CHC(O)OR、−CH(R)CH=CHC(O)N(R)R、−CH(R)CHORまたはArであり;
    Fは、H、−C(O)N(R)、−C(O)NHCH(CH)N(CH)、または−C(O)NHCH(CH)−4−モルホリノであり;
    は、H、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル−ArまたはArであり;
    Arは、
    Figure 2004537598
    から選択される芳香環またはヘテロ芳香環であり;
    およびRは、独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、O(C1〜6)アルキル、OCH(CH)OH、O(CH)COH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
    は、Hまたは(C1〜6)アルキルであり;
    は、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルキル−ArまたはArであり;
    mは、0または1であり;
    nは、1または2であり;そして
    qは、0〜6であり;
    ただし、AがArまたは
    Figure 2004537598
    [式中、R4aおよびR5aは、それぞれ、(C1〜6)アルキルである。]
    である場合には、
    Bは、−CHCH(OH)−または−CHC(O)−ではなく、
    またはCは、−CH=CH−ではなく、
    またはDは、−CH=C(CH)CH−ではなく、
    またはEは、−CH(CH)CH=CHCH=CHではなく、
    またはFは、−C(O)NHではないものとし;
    そして、ただし、Aが
    Figure 2004537598
    である場合、
    Bは、−OCH(R)−または−N(R)C(O)−ではなく、
    そしてBが−CHCH(OH)−または−OCH(R)−である場合には、
    Cは、−OCH(R)−、−N(R)CH−または−N(R)C(O)−ではなく、
    そしてさらに、式Iの化合物は、式
    Figure 2004537598
    の化合物ではない。〕
    の化合物または、可能な場合には、その酸または塩基付加塩。
  2. 式Ia
    Figure 2004537598
    〔式中、
    A'は、H、(C1〜6)アルキル、
    Figure 2004537598
    であり;
    B'は、−CHCH(OR ')−、−CHCH(OC(O)R ')−、−OCH−、−N(R')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
    C'は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R ')CH−、−N(R ')C(O)−または−CHCH−であり;
    D'は、−CH=C(R ')CH−であり;
    E'は、−CH(R ')CH=CHCH=CH、−CH(R ')R '、−CH(R ')CH=CHR '、−CH(R ')CH=CHC(O)OR '、−CH(R ')CH=CHC(O)N(R ')R '、−CH(R ')CHOR 'またはAr'であり;
    F'は、H、−C(O)N(R ')、−C(O)NHCH(CH)N(CH)または−C(O)NHCH(CH)−4−モルホリノであり;
    'は、H、(C1〜3)アルキル、(C1〜3)アルキル−Ar'またはAr'であり;
    Ar'は、
    Figure 2004537598
    から選択され;
    'およびR'は、独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、O(C1〜3)アルキル、OCH(CH)OH、O(CH)COH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
    'は、Hまたは(C1〜3)アルキルであり;
    'は、(C1〜6)アルキル、(C1〜3)アルキル−Ar'またはAr'であり;
    mは、0または1であり;そして
    nは、1または2であり;
    ただし、A'がAr'または
    Figure 2004537598
    [式中、R4a 'は(C1〜3)アルキルであり、そしてR5a 'は(C1〜6)アルキルである。]
    である場合には、
    B'は、−CHCH(OH)−または−CHC(O)−ではなく、
    またはC'は、−CH=CH−ではなく、
    またはD'は、−CH=C(CH)CH−ではなく、
    またはE'は、−CH(CH)CH=CHCH=CHではなく、
    またはF'は、−C(O)NHではないものとし;
    そして、ただし、A'が
    Figure 2004537598
    である場合、
    B'は、−OCH−または−N(R')C(O)−ではなく、
    そしてB'が−CHCH(OH)−または−OCH−である場合には、
    C'は、−OCH−、−N(R')CH−または−N(R')C(O)−ではなく、
    そしてさらに、式Iaの化合物は、式
    Figure 2004537598
    の化合物ではない。〕
    の請求項1に記載の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩。
  3. 式Ib
    Figure 2004537598
    〔式中、A''は、H、(C1〜6)アルキル、
    Figure 2004537598
    であり;
    B''は、−CHCH(OR '')−、−CHCH(OC(O)R '')−、−OCH−、−N(R '')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
    C''は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R '')CH−、−N(R '')C(O)−または−CHCH−であり;
    D''は、−CH=C(R '')CH−であり;
    E''は、−CH(R '')CH=CHCH=CH、−CH(R '')R ''、−CH(R '')CH=CHR ''、−CH(R '')CH=CHC(O)OR ''、−CH(R '')CH=CHC(O)N(R '')R ''、−CH(R '')CHOR ''またはAr''であり;
    ''は、H、(C1〜3)アルキル、CH−Ar''またはAr''であり;
    Ar''は、
    Figure 2004537598
    から選択され;
    ''およびR''は、
    独立して、H、(C1〜6)アルキル、OH、OCH、OCHCHOH、OCHCOH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
    ''は、HまたはCHであり;
    ''は、(C1〜6)アルキル、−CH−Ar''またはAr''であり、
    mは、0または1であり;そして
    nは、1または2であり;
    ただし、A''がAr''または
    Figure 2004537598
    [式中、R4a ''はCHであり、そしてR5a ''は(C1〜6)アルキルである。]
    である場合には、
    B''は、−CHCH(OH)−または−CHC(O)−ではなく、
    またはC''は、−CH=CH−ではなく、
    またはD''は、−CH=C(CH)CH−ではなく、
    またはE''は、−CH(CH)CH=CHCH=CHではなく、
    またはF''は、−C(O)NHではないものとし;
    そして、ただし、A''が
    Figure 2004537598
    である場合、
    B''は、−OCH−または−N(R'')C(O)−ではなく、
    そしてB''が−CHCH(OH)−または−OCH−である場合には、
    C''は、−OCH−、−N(R'')CH−または−N(R'')C(O)−ではなく、
    そしてさらに、式Ibの化合物は、式
    Figure 2004537598
    の化合物ではない。〕
    の請求項2に記載の化合物、または可能な場合にはその酸もしくは塩基付加塩。
  4. 式Ic
    Figure 2004537598
    〔式中、A'''は、H、(C1〜6)アルキル、
    Figure 2004537598
    であり;
    B'''は、−CHCH(OR ''')−、−CHCH(OC(O)R ''')−、−OCH−、−N(R ''')C(O)−、−CHC(O)−または−CHCH−であり;
    C'''は、−CH=CH−、−OCH−、−N(R ''')CH−、−N(R ''')C(O)−または−CHCH−であり;
    E'''は、−CH(R ''')CH=CHCH=CH、−CH(R ''')R '''、−CH(R ''')CH=CHR '''、−CH(R ''')CH=CHC(O)OR '''、−CH(R ''')CH=CHC(O)N(R ''')R '''、−CH(R ''')CHOR '''またはAr'''であり;
    '''は、H、−CH、CH−Ar'''またはAr'''であり;
    Ar'''は、
    Figure 2004537598
    から選択され;
    '''およびR'''は、独立して、H、(C1〜4)アルキル、OH、OCH、OCHCOH、OCH(CH)N(CH)、OCH(CH)−4−モルホリノ、F、Cl、BrまたはCFであり;
    ''は、上で定義したとおりであり;
    '''は、(C1〜6)アルキル、−CH−Ar'''またはAr'''であり;
    mは、0または1であり;そして
    nは、1または2であり;
    ただし、A'''がAr'''または
    Figure 2004537598
    [式中、R4a ''は請求項3において定義したとおりであり、そしてR5a '''は(C1〜6)アルキルである。]
    である場合には、
    B'''は、−CHCH(OH)−または−CHC(O)−ではなく、
    またはC'''は、−CH=CH−ではなく、
    またはD'''は、−CH=C(CH)CH−ではなく、
    またはE'''は、−CH(CH)CH=CHCH=CHではなく、
    またはF'''は、−C(O)NHではないものとし;
    そして、ただし、A'''が
    Figure 2004537598
    である場合、
    B'''は、−OCH−または−N(R''')C(O)−ではなく、
    そしてB'''が−CHCH(OH)−または−OCH−である場合には、
    C'''は、−OCH−、−N(R''')CH−または−N(R''')C(O)−ではなく、
    そしてさらに、式Icの化合物は、式
    Figure 2004537598
    の化合物ではない。〕
    の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩。
  5. 6−[14−[(アミノカルボニル)オキシ]−2,6,12−トリヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエニル]テトラヒドロ−(6R)−2H−ピラン−2−オン、
    11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシルカルバミン酸、
    4,6,8,10,12,14−ヘキサメチル−1−フェノキシ−2,7,15,17−オクタデカテトラエン−5,11,13−トリオール−13−カルバメート、
    13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ジヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル 2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミド、
    N−11−(2−アミノ−2−オキソエチル)−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミド、
    1−シクロペンチル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメート、および
    1−イソプロピル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメート、
    から選択される化合物、または薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩。
  6. 6−[(2S,3Z,8Z,11S,12R,13S,14S,15S,16Z)−14−[(アミノカルボニル)オキシ]−2,6,12−トリヒドロキシ−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエニル]テトラヒドロ−(6R)−2H−ピラン−2−オン、
    (5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−[(アミノカルボニル)オキシ]−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニルエステル シクロヘキシルカルバミン酸、
    (2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−4,6,8,10,12,14−ヘキサメチル−1−フェノキシ−2,7,15,17−オクタデカテトラエン−5,11,13−トリオール−13−カルバメート、
    (2Z,7Z,10S,11R,12S,13S,14S,15Z)−13−[(アミノカルボニル)オキシ]−5,11−ジヒドロキシ−N,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−N−フェニル 2,7,15,17−オクタデカテトラエンアミド、
    N−[(5Z,8S,9R,10S,11S,12S,13Z)−11−(2−アミノ−2−オキソエチル)−3,9−ジヒドロキシ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−5,13,15−ヘキサデカトリエニル]−N−メチル−シクロヘキサンアセトアミド、
    (2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−シクロペンチル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメート、および
    (2S,3Z,5S,6S,7S,8Z,11S,12R,13R,14S,15S,16Z)−1−イソプロピル−5,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−3,8,16,18−ノナデカテトラエン−2,6,12,14−テトラオール−14−カルバメート、
    から選択される化合物、または薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩。
  7. 薬学的に許容される担体または希釈剤および治療上有効量の請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、または可能な場合には、薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩を含んでなる医薬組成物。
  8. ヒトまたは動物の処置方法において使用するための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、あるいは可能な場合には、薬学的に許容されるその塩または薬学的に許容される酸もしくは塩基付加塩。
  9. 腫瘍疾患の処置用医薬製剤の製造のための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、あるいは可能な場合には、薬学的に許容されるその塩または薬学的に許容される酸もしくは塩基付加塩の使用。
  10. 腫瘍の処置方法であって、かかる処置を必要とする哺乳動物に、治療上有効量の請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、または可能な場合には、薬学的に許容されるその酸もしくは塩基付加塩を投与することを含んでなる方法。
  11. 式Id
    Figure 2004537598
    〔式中、Aは式Iの化合物について請求項1において定義した意義を有する。〕
    の化合物、または可能な場合には、その酸もしくは塩基付加塩の製造方法であって、式II
    Figure 2004537598
    〔式中、PMBはp−メトキシベンジルを表し、TESはトリエチルシリルを意味する。〕
    のヨウ化物を、第一段階において、式(III)
    Figure 2004537598
    〔式中、PMBはp−メトキシベンジルを表し、そしてAは式Iの化合物について請求項1において定義した意味を有する。〕
    のビニルヨウ化物でのPd−介在性カップリング反応において反応させ、
    第二段階において、TES保護基は、得られたカップリング生成物から、プロトン酸の存在下で加水分解されて、1つの遊離のヒドロキシ基を含んでなる中間体が提供され、
    第三段階において、遊離のヒドロキシ基が、イソシアネートでの反応によりカルバモイル基へと変換され、そして
    最終段階において、PMB保護基が酸化的加水分解により除去されて、式Idの化合物が提供されることを特徴とする、方法。
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