JPWO2003055854A1 - 2位に置換基を有するビタミンd誘導体 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、新規なビタミンD誘導体を合成することである。本発明により、一般式(1)(式中、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し;R3は、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す)で表されるビタミンD誘導体が提供される。
Description
技術分野
本発明は、新規なビタミンD誘導体、より詳細には、2位に二つの置換基を有するビタミンD誘導体に関する。
背景技術
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3をはじめとする活性型ビタミンD3はカルシウム代謝調節作用の他、腫瘍細胞の増殖抑制作用や分化誘導作用、免疫調節作用など多くの生理活性を有することが知られている。しかしながら、活性型ビタミンD3のなかには、長期かつ連続的な投与により、高カルシウム血症を起こしやすい化合物が存在し、このような化合物を抗腫瘍剤、抗リウマチ剤等の使用することは難しかった。したがって、これらビタミンD類の作用の分離を目的として数多くのビタミンD誘導体の合成が研究されている。
本発明者らによるこれまでの研究により、活性型ビタミンD3(即ち、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3)のA環部分に2α−メチル基を導入すると、ビタミンD受容体(VDR)結合能が上昇することが判明している(K.Konno,他、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,151)。さらに、2α−メチル基の導入と側鎖部の20−エピ化とを組み合わせることにより、VDR結合能が加算的に上昇することも報告されている(T.Fujishima他、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2145)。また、2α位に置換基を有するビタミンD誘導体としては、2α位に4−ヒドロキシブチル基やアシルオキシ基を有するビタミンD誘導体等が知られている(J.Org.Chem.,Vol.59,No.25,1994および特開昭51−19752号)。
しかしながら、2位に複数の置換基を導入したビタミンD誘導体の合成については報告はなく、その生理活性も検討されていない。
発明の開示
本発明者らは、上記の点が改善されたビタミンD誘導体を提供すべく、2位に複数の置換基を有するビタミンD誘導体に着目した。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2位に2つの置換基を有するビタミンD誘導体により、所期の目的が達成されることを知得し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、一般式(1):
(式中、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し;R3は、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す)
で表されるビタミンD誘導体が提供される。
一般式(1)において、好ましくは、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。
さらに好ましくは、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数3〜10の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。
いっそう好ましくは、R1はメチル基、R2はメチル基、R3は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基を表す。
一般式(1)において、20位の立体配置はS配置であってもよく、R配置であってもよい。
さらに、本発明の別の側面によれば、上述のビタミンD誘導体を含有する医薬組成物が提供される。
発明を実施するための好適な形態
なお、本出願が主張する優先権の基礎となる出願である特願2001−393881号の開示は全て引用により本明細書の中に取り込まれる。
以下に、本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体の実施態様および実施方法についてより詳細に説明する。
本明細書においては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、並びに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基とは、前記のアルキル基の任意の水素原子が1以上の水酸基で置換されていてもよいことを意味する。
R1、R2の定義における「水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基」のアルキル基は、炭素数数1〜8であることが好ましく、1〜6であることがいっそう好ましく、1〜3であることがよりいっそう好ましい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が例示される。
R1、R2の非限定的具体例としては、メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、ヒドロキシプロピル基、ブチル基、ブヒドロキシチル基、ペンチル基、ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、ヒドロキシヘキシル基、ヘプチル基、ヒドロキシヘプチル基、オクチル基、ヒドロキシオクチル基、ノニル基、ヒドロキシノニル基、デカニル基、ヒドロキシデカニル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシブチル基等であることが好ましく、最も好ましくはメチル基である。
R3の定義における「水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基」のアルキル基は、炭素数1〜15であることが好ましく、1〜12であることがいっそう好ましく、3〜10であることがよりいっそう好ましく、4〜7であることが更に好ましい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基のほか、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が例示されるが、これらに限定されるものではない。これらのアルキル基が水酸基で置換されていることが好ましい。
R3の非限定的具体例としては、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基、4−エチル−4−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基、7−ヒドロキシ−7−メチル−2−オクチル基、5,6−ジヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基、4,6,7−トリヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、R3は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基である。
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は、医薬組成物(例えばカルシウム代謝調節剤等)の有効成分として使用することもできる。
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は新規化合物であり、その合成法は何ら限定されないが、例えば、公知化合物であるヒドロキシエステル体から本発明のビタミンD誘導体を合成することができる。
例えば、出発原料として市販のヒドロキシピバル酸メチル(東京化成等)を使用する場合には、まず水酸基を保護して、p−メトキシフェニルエーテル保護体とする。この保護体をリチウムアルミニウムヒドリド等の還元剤にて還元しアルコール体に導き、次いでPDC酸化によりアルデヒドとする。このアルデヒドをアレニルマグネシウムブロミド等の有機金属試薬と反応させて、アセチレン誘導体とする。このアセチレン誘導体の2級水酸基をシリル化した後、1級水酸基上の保護基を脱保護しアルコールを得る。このアルコールをPDC酸化等によりアルデヒドとし、ビニルマグネシウムブロミド等の有機金属試薬と反応させてエンイン体とする。得られたエンイン体の混合物を、1位と3位の置換基の配置が1α,3αあるいは1β,3βである1,3−syn体と、1α,3βあるいは1β,3αである1,3−anti体とに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法により分離した後、それぞれのエンイン体の2級水酸基をシリル化してA環部前駆体を得る。
それぞれのA環部前駆体と、CD環ブロモオレフィンとを好適な溶媒中でパラジウムを使用して反応させることにより、2,2−置換型ビタミンD骨格を構築する。得られた保護体を脱保護操作に付し、逆相HPLCあるいは薄層クロマトグラフィーなどの常法により精製することによって、目的とするビタミンD誘導体を得る。あるいは、保護体を精製後に脱保護に付してもよい。
ここで、ビタミンD誘導体のCD環部分の化合物としては公知の化合物が使用できる。あるいは、公知のCD環化合物から出発して側鎖を適宜修飾して所望のCD環化合物を得ることができる。あるいはまた、CD環化合物は、対応する側鎖を有する公知のビタミンD誘導体から得ることもできる。
本発明の化合物を医薬として使用する場合には、製薬上許容しうる担体、賦型剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、香料、着色剤等とともに、適当な剤型に製剤化して用いるのが好ましく、そのような剤型としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、注射剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、経皮吸収剤、坐剤等が挙げられる。
本発明の化合物の医薬品としての投与経路は特に限定されず、経口投与でも非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経皮投与など)でもよい。
本発明の化合物の医薬品としての投与量は、対象疾患、患者の状態、体型、体質、年齢、性別、また投与経路、剤型等により適宜選択することができるが、一般に投与量の下限として、成人1日当たり0.001μg〜0.1μgの範囲、好ましくは0.01μg前後で、投与量の上限としては成人1日当たり100μg〜10000μgの範囲、好ましくは200μg〜1000μgの範囲内で選択でき、1日1〜3回に分けて投与することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されることはない。
実施例
(実施例1):ビタミンD誘導体の側鎖部分に対応する化合物の合成 以下の実施例においては、下記の略語を用いた。
THF:テトラヒドロフラン
DEAD:ジエチルアゾジカルボン酸
EA:酢酸エチル
PDC:ピリジニウムジクロメート
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBSOTf:tert−ブチルジメチルシリルトリフラート
CAN:セリックアンモニウムナイトレート
なお、試薬は、特に断りのない限り、市販のものをそのまま用いた。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにはメルクシリカゲル60を使用し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにはメルクシリカゲル5744を用いた。
リサイクル逆相HPLCは、YMC−pack ODS column(20x150mm)、ウォーターズ510HPLCポンプを使用し、流速9.9mL/分で行った。検出にはウォーターズ484 tunable absorbance detectorを使用した。
核磁気共鳴スペクトルは、JEOL GSX−400あるいはJEOL ECP−600を使用して測定した。
質量スペクトルは、JEOL JMS−SX 102Aを使用してEI法で測定した。
下記の反応式に従って合成を行った。
(実施例1) メチル3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロピオネート(Methyl 3−(4−methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropionate)(化合物2)の合成
ヒドロキシピバル酸メチル(化合物1)(3.00g、22.7mmol)、p−メトキシフェノール(8.45g、3eq(当量))、トリフェニルホスフィン(7.74g、1.3eg)を、乾燥THF(50ml)に溶かし、0℃において40%DEADトルエン溶液(13mL、1.3eq)を滴下した。アルゴン雰囲気下で2時間還流後、溶媒を溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(5.30g、収率98%)。
化合物2:1H NMR(400MHz/CDCl3/TMS)δ 1.30(6H,s),3.69(3H,s),3.76(3H,s),3.91(2H,s),6.82(4H,m)
MS 238(M+),207(M−OMe)+
HRMS calcd.for C13H18O4:238.1205,found:238.1206。
(実施例2) 3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパノール(3−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropanol)(化合物3)の合成
エステル体である化合物2(2.07g、8.39mmol)のTHF溶液(15mL)を、0℃にて、LiAlH4(478mg、1.5eq)のTHF懸濁液(10mL)に滴下した。1.5時間後、得られた反応混合物に、EA、水を加えてセライト(商標名)でろ過し、ろ液をEAで抽出した。得られたEA層をMaSO4上で脱水し、さらにろ過した。得られたろ液から溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて精製し、無色結晶の表題化合物を得た(1.71g、収率97%)。
化合物3:1H NMR(400MHz/CDCl3/TMS)δ 1.02(6H,s),2.01(1H,brs),3.54(2H,m),3.73(2H,s),3.77(3H,s),6.83(4H,m)
MS 210(M+)
HRMS calcd.for C12H18O3:210.1256,found:210.1265。
(実施例3) 3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパナール(3−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropanal)(化合物4)の合成
アルコール体である化合物3(1.67g、7.94mmol)のCH2Cl2溶液(20mL)にモレキュラーシーブ4Å(500mg)を加え、PDC(7.45g、2.5eq)をアルゴン雰囲気下、0℃で加え、室温下で一晩放置した。得られた反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(1.47g、収率89%)。
化合物4:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 1.20(6H,s),3.77(3H,s),3.91(2H,s),6.82(4H,s),9.64(1H,s)
MS 208(M+)
HRMS calcd.for C12H16O3:208.1099,found:208.1079。
(実施例4) 1−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルヘキサ−5−イン−3−オール(1−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylhex−5−yn−3−ol)(化合物5)の合成
アルデヒド体である化合物4(4.73g、22mmol)のエーテル溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃でアレニルマグネシウムブロミドエーテル溶液(約2M、66mL、3eq)を滴下し、90分間−78℃で撹拌した。得られた混合物に飽和NH4Cl溶液を加えて、EAで抽出した。EA層をブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、溶媒を溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(3.82g、収率68%)。
化合物5:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 1.03(3H,s),1.04(3H,s),2.04(1H,t,J=2.8Hz),2.38(1H,ddd,J=16.5,9.3,2.8Hz),2.50(1H,dt,J=16.5,2.8Hz),2.63(1H,br.d,J=2.8Hz),3.68(1H,d,J=8.8Hz),3.77(3H,s),3.83(1H,dt,J=8.8Hz),6.83(4H,m)
MS 248(M+)
HRMS calcd.for C15H20O3:248.1413,found:248.1408。
(実施例5) 4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−6−(4−メトキシフェノキシ)−5,5−ジメチルヘキサ−2−イン(4−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−6−(4−methoxyphenoxy)−5,5−dimethylhex−2−yne)(化合物6)
化合物5(3.77g、15mmol)のCH2Cl2溶液に、TBSOTf(1.5eq)、2,6−ルチジン(3eq)を滴下し、0℃で5分撹拌した。反応混合物をEA抽出した。EA層を、水及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:12)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(4.45g、収率81%)。
化合物6:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ −0.01(3H,s),0.15(3H,s),0.88(9H,s),1.00(3H,s),1.04(3H,s),1.98(1H,t,J=2.8Hz),2.28(1H,ddd,J=17.0,4.9,2.8Hz),2.57(1H,ddd,J=17.0,4.9,2.8Hz),3.57(1H,d,J=8.8Hz),3.74(1H,d,J=8.8Hz),3.76(1H,s),3.93(1H,t,J=4.9Hz),6.81(4H,s)
MS 362(M+),347(M−Me+),305(M−tBu+)
HRMS calcd.for C21H34O3Si:362.2278,found:362.2285。
(実施例6) 3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−2,2−ジメチルヘキサ−5−イン−1−オール(3−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−2,2−dimethylhex−5−yn−1−ol)(化合物7)
化合物6(2.00g、5.5mmol)をアセトニトリル48mLと水12mLとの混合液に溶解後、0℃に冷却し、CAN(2.4eq)を加え、0℃で15分撹拌した。EA及びブラインを加えて分離後、水層をEAで抽出した。有機層を飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(600g、収率42%)。
化合物7:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.17(3H,s),0.87(3H,s),0.92(9H,s),1.03(3H,s),2.04(1H,t,J=2.7Hz),2.34(1H,ddd,J=17.6,4.4,2.7Hz),2.58(1H,ddd,J=17.6,6.0,2.7Hz),3.35(1H,dd,J=11.0,6.0Hz),3.70(1H,m),3.72(1H,dd,J=6.0,4.4Hz)
MS 199(M−tBu+)
HRMS calcd.for C10H19O2Si:199.1154,found:199.1156。
(実施例7) 3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−2,2−ジメチルヘキサ−5−イナール(3−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−2,2−dimethylhex−5−ynal)(化合物8)
化合物7(633g、2.5mmol)のCH2Cl2溶液にモレキュラーシーブ4Å(240mg)を加え、PDC(1.02g、1.1eq)をアルゴン雰囲気下、0℃で加え、室温にて一晩放置した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、化合物7を(153mg、24%)回収すると共に、無色油状の表題化合物を得た(230mg、収率37%)。
化合物8:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.09(3H,s),0.15(3H,s),0.87(9H,s),1.08(3H,s),1.09(1H,t,J=2.7Hz),2.02(1H,t,J=2.8Hz),2.33(1H,ddd,J=17.6,4.9,2.8Hz),2.45(1H,ddd,J=17.6,6.0,2.8Hz),3.97(1H,t,J=5.5Hz),9.67(1H,s)
MS 239(M−Me+)
HRMS calcd.for C13H23O2Si:239.1468,found:239.1472。
(実施例8) (3RS,5RS)−5−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン−3−オール((3RS,5RS)−5−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−4,4−dimethyloct−1−en−7−yn−3−ol)(化合物9a:1,3−anti)および(3RS,5SR)−5−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン−3−オール((3RS,5SR)−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−4,4−dimethyloct−1−en−7−yn−3−ol)(化合物9b:1,3−syn)
化合物8(230mg、0.91mmol)のトルエン溶液にアルゴン雰囲気下で、−78℃でビニルマグネシウムブロミドTHF溶液(0.57mL、1.1eq)を滴下し、60分撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加えてEA抽出し、EA層をブライン洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の化合物9a(53mg、収率20%)と化合物9b(102mg、収率40%)を得た。
化合物9a:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.15(3H,s),0.20(3H,s),0.82(3H,s),0.93(9H,s),0.98(3H,s),2.04(1H,t,J=2.7Hz),2.41(1H,ddd J=17.6 4.9,2.7Hz),2.66(1H,ddd J=17.6 4.9,2.7Hz),3.76(1H,t,J=4.9Hz),3.86(1H,br.s),4.31(1H,dt,J=6.3,1.1Hz),5.18(1H,ddd,J=10.4,1.9,1.1Hz),5.28(1H,ddd J=17.0,1.9,1.1Hz),5.84(1H,ddd J=17.0,10.4,6.3Hz)
MS 282(M+)
HRMS cald.for C16H30O2Si:282.2015,found:282.2012。
化合物9b:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.12(3H,s),0.17(3H,s),0.85(3H,s),0.92(9H,s),0.93(3H,s),2.04(1H,t,J=2.8Hz),2.30(1H,ddd J=17.6 4.4,2.8Hz),2.34(1H,br.d,J=3.8Hz),2.63(1H,ddd J=17.6 6.0,2.8Hz),3.82(1H,t,J=4.4Hz),4.14(1H,m),5.19(1H,ddd,J=10.4,1.7,1.1Hz),5.27(1H,dt J=17.0,1.7Hz),5.94(1H,ddd J=17.0,10.4,6.3Hz)
MS 282(M+)
HRMS calcd.for C16H30O2Si:282.2015,found:282.1994。
(実施例9) (3RS,5RS)−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン((3RS,5RS)−Bis[(tert−Butyldimethylsilyl)oxy]−4,4−dimethyloct−1−en−7−yne)(化合物10a:1,3−anti)
化合物9a(91mg、0.32mmol)のCH2Cl2溶液に、TBSOTf(1.5eq)と2,6−ルチジン(3eq)とを滴下し、0℃で60分撹拌した。EA抽出し、EA層を水及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:12)にて精製、無色油状の表題化合物を得た(126mg(quantitative yield))。
化合物10a:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.00(3H,s),0.08(3H,s),0.15(3H,s),0.82(6H,s),0.86(3H,s),0.89(9H,s),0.91(9H,s),1.97(1H,t,J=3.1Hz),2.22(1H,ddd J=17.3 5.8,3.1Hz),2.56(1H,ddd J=17.3 4.1,3.1Hz),3.75(1H,dd,J=5.8,4.1Hz),4.01(1H,d,J=8.0Hz),5.12(1H,d,J=18.7Hz),5.13(1H,d,J=10.4Hz),5.83(1H,ddd,J=18.7,10.4,8.0Hz)
MS 396(M+),381(M−Me+),339(M−tBu+)
HRMS calcd.for C22H44O2Si2:396.2880,found:396.2910。
(実施例10) (3RS,5SR)−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン((3RS,5SR)−Bis[(tert−butyldimethylsilyl)oxy]−4,4−dimethyloct−1−en−7−yne)(化合物10b:1,3−syn)
化合物10aと同様の方法にて、化合物10bを化合物9bから合成した。
化合物10b:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ −0.01(3H,s),0.04(3H,s),0.09(3H,s),0.17(3H,s),0.76(3H,s),0.86(3H,s),0.90(9H,s),0.92(9H,s),1.96(1H,t,J=2.7Hz),2.20(1H,ddd J=17.3 6.3,2.7Hz),2.60(1H,dt J=17.3 2.7Hz),3.80(1H,dd,J=6.3,2.7Hz),4.03(1H,d,J=7.1Hz),5.13(1H,d,J=10.4Hz),5.14(1H,d,J=17.3Hz),5.81(1H,ddd,J=17.3,10.4,7.1Hz)
MS 396(M+),339(M−tBu+)。
HRHS calcd.for C22H44O2Si2:396.2880,found:396.2889。
(実施例11) (5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1α,3β)、化合物21)および(5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1β,3α)、化合物22)
化合物10a(63mg、0.16mmol)、CD環部である化合物20(J.Am.Chem.Soc.、114、9836−45、1992記載の方法により調製)(57mg、0.16mmol)、Pd(Ph3P)4(55mg、0.3eq)、トリエチルアミン(2.5mL)のトルエン溶液(3mL)をアルゴン雰囲気下で、125℃で65分撹拌した。反応液を室温に放冷後、エーテルで希釈し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて分離し、無色油状のカップリング体を得た(71mg、収率66%)。
得られたカップリング体(71mg、0.11mmol)のTHF溶液に、1.0M TBAF(0.5mL、5eq)を加えて室温にて3日間撹拌した。ブラインを加えてEA抽出し、EA層をMaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:2)にて分離し、3位脱保護体(21mg、収率34%)と1位,3位脱保護体(18mg、収率29%)を得た。1位,3位脱保護体をリサイクル逆相HPLC(アセトニトリル:水=85:15)に付して、ジメチル1α,3β体(di−Me−(1α,3β)、化合物21)およびジメチル1β,3α体(di−Me−(1β,3α)、化合物22)を分離した。
化合物21(di−Me−(1α,3β)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.54(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,s),1.04(3H,s),1.21(6H,s),1.48(1H,d,J=6.0Hz),1.49(1H,d,J=5.8Hz),2.28(1H,d,J=14.0,6.6Hz),2.64(1H,dd,J=14.0,3.6Hz),2.81(1H,dd,J=12.4,4.4Hz),3.76(1H,dt,J=3.8,6.3Hz),3.99(1H,d,J=5.5Hz),5.05(1H,t,J=1.7Hz),5.31(1H,t,J=1.7Hz),6.03(1H,d,J=11.3Hz),6.36(1H,d,J=11.3Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H48O3:444.3604,found:444.3600。
化合物22(di−Me−(1β,3α)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.54(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),1.01(3H,s),1.02(3H,s),1.21(6H,s),1.45(1H,d,J=4.9Hz),1.49(1H,d,J=6.0Hz),2.30(1H,d,J=14.0,7.4Hz),2.60(1H,dd,J=14.0,3.8Hz),2.82(1H,dd,J=12.4,4.4Hz),3.78(1H,ddd,J=7.7,6.0,4.4Hz),3.96(1H,d,J=5.2Hz),5.05(1H,m),5.29(1H,dd,J=1.9,1.1Hz),6.02(1H,d,J=11.3Hz),6.37(1H,d,J=11.3Hz)
MS 426(M−H2O+),408(M−2H2O+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:426.3498,found:426.3498。
(実施例12) (5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1α,3α)、化合物23)および(5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1β,3β)、化合物24)
実施例11と同様の方法で、化合物10bより化合物23(1α,3α体、(di−Me−(1α,3α)、)および化合物24(1β,3β体、di−Me−(1β,3β))を合成した。
化合物23(di−Me−(1α,3α)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.53(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,s),1.13(3H,s),1.21(6H,s),2.12(1H,d,J=5.2Hz),2.40(1H,d,J=14.3,5.2Hz),2.66(1H,dd,J=14.3,2.2Hz),2.71(1H,d,J=7.1Hz),2.84(1H,dd,J=11.3,2.8Hz),3.56(1H,ddd,J=7.1,5.2,2.2Hz),3.80(1H,d,J=4.9Hz),5.04(1H,d,J=2.2Hz),5.26(1H,d,J=2.2Hz),6.03(1H,d,J=11.3Hz),6.43(1H,d,J=11.3Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:444.3604,found:444.3611。
化合物24(di−Me−(1β,3β)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.55(3H,s),0.94(3H,d,J=6.6Hz),0.96(3H,s),1.17(3H,s),1.21(6H,s),2.24(1H,d,J=5.0Hz),2.39(1H,d,J=14.6,4.4Hz),2.71(1H,br.d,J=14.0Hz),2.81(1H,d,J=8.8Hz),2.84(1H,dd,J=11.5,3.3Hz),3.57(1H,m),3.82(1H,d,J=4.1Hz),5.07(1H,d,J=2.2Hz),5.26(1H,d,J=1.9Hz),6.07(1H,d,J=11.3Hz),6.46(1H,d,J=11.0Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:444.3604,found:444.3610。
(試験例) ウシ胸腺ビタミンD受容体(VDR)への結合実験
本発明のビタミンD誘導体の、ウシ胸腺VDRに対する結合能を試験した。
本発明のビタミンD誘導体としては、上記の実施例で合成された(5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物21)、(5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物22)、(5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物23)および(5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物24)を使用した。
化合物21〜24および1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(標準物質として使用)それぞれについて、各種濃度のエタノール溶液を調製した。すなわち、50マイクロリットル中に含まれる化合物量として、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の場合には、5ナノグラム、500ピコグラム、250ピコグラム、125ピコグラム、63ピコグラム、32ピコグラム、16ピコグラム、8ピコグラム、4ピコグラム、2ピコグラム、1ピコグラム、0.5ピコグラム、0.25ピコグラムの希釈系列を作製した。また、1位と3位の置換基の配置が1α,3β体および1α、3α体の場合には、500ナノグラム、50ナノグラム、25ナノグラム、13ナノグラム、6.3ナノグラム、3.2ナノグラム、1.6ナノグラム、800ピコグラム、400ピコグラム、200ピコグラム、20ピコグラム、2ピコグラムの希釈系列を作製した。また、1位と3位の置換基の配置が1β,3β体および1β,3α体の場合には、500ナノグラム、50ナノグラム、5ナノグラム、500ピコグラム、50ピコグラムの希釈系列を作製した。
ウシ胸腺VDRはヤマサ醤油株式会社(Yamasa Biochemcal、日本千葉県銚子)より購入し(lot.112831)、1アンプル(約25mg)を0.05Mリン酸0.5Mカリウムバッファー(pH7.4)55mlに溶解した。
化合物21〜24もしくは1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のエタノール溶液50μlと受容体溶液500μlとを試験管に入れ、室温で1時間プレインキュベートした後、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3溶液50μlを最終濃度0.1nMとなるように加え、4℃で一晩インキュベートした。反応液にデキストラン被覆チャコール(dextran coated charcoal)を加えて混合した後、4℃で30分間放置し、3000rpmで10分間遠心分離することによって、受容体に結合した[3H]1α,25ジヒドロキシビタミンD3と、遊離した[3H]1α,25ジヒドロキシビタミンD3とを分離した。上清(500μl)をACS−II(9.5ml)(Amersham、England)と混合し、放射活性を測定した。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のVDRへの結合性を100としたときの、化合物21〜24のVDRへの相対的結合性を以下の計算式に従って算出した。
X=(y/x)×100
X:化合物21〜24のVDRへの相対的結合性
y:1α,25−ジヒドロキシビタミンD3が、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3とVDRとの結合を50%阻害する濃度
x:化合物21〜24が、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3とVDRとの結合を50%阻害する濃度
結果を下記の表に示す。
産業上の利用の可能性
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は、新規化合物であり、カルシウム代謝調節剤等の医薬としての有用性が期待される。
本発明は、新規なビタミンD誘導体、より詳細には、2位に二つの置換基を有するビタミンD誘導体に関する。
背景技術
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3をはじめとする活性型ビタミンD3はカルシウム代謝調節作用の他、腫瘍細胞の増殖抑制作用や分化誘導作用、免疫調節作用など多くの生理活性を有することが知られている。しかしながら、活性型ビタミンD3のなかには、長期かつ連続的な投与により、高カルシウム血症を起こしやすい化合物が存在し、このような化合物を抗腫瘍剤、抗リウマチ剤等の使用することは難しかった。したがって、これらビタミンD類の作用の分離を目的として数多くのビタミンD誘導体の合成が研究されている。
本発明者らによるこれまでの研究により、活性型ビタミンD3(即ち、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3)のA環部分に2α−メチル基を導入すると、ビタミンD受容体(VDR)結合能が上昇することが判明している(K.Konno,他、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,151)。さらに、2α−メチル基の導入と側鎖部の20−エピ化とを組み合わせることにより、VDR結合能が加算的に上昇することも報告されている(T.Fujishima他、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2145)。また、2α位に置換基を有するビタミンD誘導体としては、2α位に4−ヒドロキシブチル基やアシルオキシ基を有するビタミンD誘導体等が知られている(J.Org.Chem.,Vol.59,No.25,1994および特開昭51−19752号)。
しかしながら、2位に複数の置換基を導入したビタミンD誘導体の合成については報告はなく、その生理活性も検討されていない。
発明の開示
本発明者らは、上記の点が改善されたビタミンD誘導体を提供すべく、2位に複数の置換基を有するビタミンD誘導体に着目した。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2位に2つの置換基を有するビタミンD誘導体により、所期の目的が達成されることを知得し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、一般式(1):
(式中、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し;R3は、水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す)
で表されるビタミンD誘導体が提供される。
一般式(1)において、好ましくは、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。
さらに好ましくは、R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数3〜10の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す。
いっそう好ましくは、R1はメチル基、R2はメチル基、R3は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基を表す。
一般式(1)において、20位の立体配置はS配置であってもよく、R配置であってもよい。
さらに、本発明の別の側面によれば、上述のビタミンD誘導体を含有する医薬組成物が提供される。
発明を実施するための好適な形態
なお、本出願が主張する優先権の基礎となる出願である特願2001−393881号の開示は全て引用により本明細書の中に取り込まれる。
以下に、本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体の実施態様および実施方法についてより詳細に説明する。
本明細書においては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、並びに直鎖及び分岐鎖状のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基とは、前記のアルキル基の任意の水素原子が1以上の水酸基で置換されていてもよいことを意味する。
R1、R2の定義における「水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基」のアルキル基は、炭素数数1〜8であることが好ましく、1〜6であることがいっそう好ましく、1〜3であることがよりいっそう好ましい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が例示される。
R1、R2の非限定的具体例としては、メチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、ヒドロキシプロピル基、ブチル基、ブヒドロキシチル基、ペンチル基、ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、ヒドロキシヘキシル基、ヘプチル基、ヒドロキシヘプチル基、オクチル基、ヒドロキシオクチル基、ノニル基、ヒドロキシノニル基、デカニル基、ヒドロキシデカニル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシブチル基等であることが好ましく、最も好ましくはメチル基である。
R3の定義における「水酸基で置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状のアルキル基」のアルキル基は、炭素数1〜15であることが好ましく、1〜12であることがいっそう好ましく、3〜10であることがよりいっそう好ましく、4〜7であることが更に好ましい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基のほか、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が例示されるが、これらに限定されるものではない。これらのアルキル基が水酸基で置換されていることが好ましい。
R3の非限定的具体例としては、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基、4−エチル−4−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基、7−ヒドロキシ−7−メチル−2−オクチル基、5,6−ジヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基、4,6,7−トリヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、R3は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基である。
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は、医薬組成物(例えばカルシウム代謝調節剤等)の有効成分として使用することもできる。
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は新規化合物であり、その合成法は何ら限定されないが、例えば、公知化合物であるヒドロキシエステル体から本発明のビタミンD誘導体を合成することができる。
例えば、出発原料として市販のヒドロキシピバル酸メチル(東京化成等)を使用する場合には、まず水酸基を保護して、p−メトキシフェニルエーテル保護体とする。この保護体をリチウムアルミニウムヒドリド等の還元剤にて還元しアルコール体に導き、次いでPDC酸化によりアルデヒドとする。このアルデヒドをアレニルマグネシウムブロミド等の有機金属試薬と反応させて、アセチレン誘導体とする。このアセチレン誘導体の2級水酸基をシリル化した後、1級水酸基上の保護基を脱保護しアルコールを得る。このアルコールをPDC酸化等によりアルデヒドとし、ビニルマグネシウムブロミド等の有機金属試薬と反応させてエンイン体とする。得られたエンイン体の混合物を、1位と3位の置換基の配置が1α,3αあるいは1β,3βである1,3−syn体と、1α,3βあるいは1β,3αである1,3−anti体とに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法により分離した後、それぞれのエンイン体の2級水酸基をシリル化してA環部前駆体を得る。
それぞれのA環部前駆体と、CD環ブロモオレフィンとを好適な溶媒中でパラジウムを使用して反応させることにより、2,2−置換型ビタミンD骨格を構築する。得られた保護体を脱保護操作に付し、逆相HPLCあるいは薄層クロマトグラフィーなどの常法により精製することによって、目的とするビタミンD誘導体を得る。あるいは、保護体を精製後に脱保護に付してもよい。
ここで、ビタミンD誘導体のCD環部分の化合物としては公知の化合物が使用できる。あるいは、公知のCD環化合物から出発して側鎖を適宜修飾して所望のCD環化合物を得ることができる。あるいはまた、CD環化合物は、対応する側鎖を有する公知のビタミンD誘導体から得ることもできる。
本発明の化合物を医薬として使用する場合には、製薬上許容しうる担体、賦型剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、香料、着色剤等とともに、適当な剤型に製剤化して用いるのが好ましく、そのような剤型としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、注射剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、経皮吸収剤、坐剤等が挙げられる。
本発明の化合物の医薬品としての投与経路は特に限定されず、経口投与でも非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経皮投与など)でもよい。
本発明の化合物の医薬品としての投与量は、対象疾患、患者の状態、体型、体質、年齢、性別、また投与経路、剤型等により適宜選択することができるが、一般に投与量の下限として、成人1日当たり0.001μg〜0.1μgの範囲、好ましくは0.01μg前後で、投与量の上限としては成人1日当たり100μg〜10000μgの範囲、好ましくは200μg〜1000μgの範囲内で選択でき、1日1〜3回に分けて投与することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されることはない。
実施例
(実施例1):ビタミンD誘導体の側鎖部分に対応する化合物の合成 以下の実施例においては、下記の略語を用いた。
THF:テトラヒドロフラン
DEAD:ジエチルアゾジカルボン酸
EA:酢酸エチル
PDC:ピリジニウムジクロメート
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBSOTf:tert−ブチルジメチルシリルトリフラート
CAN:セリックアンモニウムナイトレート
なお、試薬は、特に断りのない限り、市販のものをそのまま用いた。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにはメルクシリカゲル60を使用し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにはメルクシリカゲル5744を用いた。
リサイクル逆相HPLCは、YMC−pack ODS column(20x150mm)、ウォーターズ510HPLCポンプを使用し、流速9.9mL/分で行った。検出にはウォーターズ484 tunable absorbance detectorを使用した。
核磁気共鳴スペクトルは、JEOL GSX−400あるいはJEOL ECP−600を使用して測定した。
質量スペクトルは、JEOL JMS−SX 102Aを使用してEI法で測定した。
下記の反応式に従って合成を行った。
(実施例1) メチル3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロピオネート(Methyl 3−(4−methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropionate)(化合物2)の合成
ヒドロキシピバル酸メチル(化合物1)(3.00g、22.7mmol)、p−メトキシフェノール(8.45g、3eq(当量))、トリフェニルホスフィン(7.74g、1.3eg)を、乾燥THF(50ml)に溶かし、0℃において40%DEADトルエン溶液(13mL、1.3eq)を滴下した。アルゴン雰囲気下で2時間還流後、溶媒を溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(5.30g、収率98%)。
化合物2:1H NMR(400MHz/CDCl3/TMS)δ 1.30(6H,s),3.69(3H,s),3.76(3H,s),3.91(2H,s),6.82(4H,m)
MS 238(M+),207(M−OMe)+
HRMS calcd.for C13H18O4:238.1205,found:238.1206。
(実施例2) 3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパノール(3−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropanol)(化合物3)の合成
エステル体である化合物2(2.07g、8.39mmol)のTHF溶液(15mL)を、0℃にて、LiAlH4(478mg、1.5eq)のTHF懸濁液(10mL)に滴下した。1.5時間後、得られた反応混合物に、EA、水を加えてセライト(商標名)でろ過し、ろ液をEAで抽出した。得られたEA層をMaSO4上で脱水し、さらにろ過した。得られたろ液から溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて精製し、無色結晶の表題化合物を得た(1.71g、収率97%)。
化合物3:1H NMR(400MHz/CDCl3/TMS)δ 1.02(6H,s),2.01(1H,brs),3.54(2H,m),3.73(2H,s),3.77(3H,s),6.83(4H,m)
MS 210(M+)
HRMS calcd.for C12H18O3:210.1256,found:210.1265。
(実施例3) 3−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパナール(3−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylpropanal)(化合物4)の合成
アルコール体である化合物3(1.67g、7.94mmol)のCH2Cl2溶液(20mL)にモレキュラーシーブ4Å(500mg)を加え、PDC(7.45g、2.5eq)をアルゴン雰囲気下、0℃で加え、室温下で一晩放置した。得られた反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(1.47g、収率89%)。
化合物4:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 1.20(6H,s),3.77(3H,s),3.91(2H,s),6.82(4H,s),9.64(1H,s)
MS 208(M+)
HRMS calcd.for C12H16O3:208.1099,found:208.1079。
(実施例4) 1−(4−メトキシフェノキシ)−2,2−ジメチルヘキサ−5−イン−3−オール(1−(4−Methoxyphenoxy)−2,2−dimethylhex−5−yn−3−ol)(化合物5)の合成
アルデヒド体である化合物4(4.73g、22mmol)のエーテル溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃でアレニルマグネシウムブロミドエーテル溶液(約2M、66mL、3eq)を滴下し、90分間−78℃で撹拌した。得られた混合物に飽和NH4Cl溶液を加えて、EAで抽出した。EA層をブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、溶媒を溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(3.82g、収率68%)。
化合物5:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 1.03(3H,s),1.04(3H,s),2.04(1H,t,J=2.8Hz),2.38(1H,ddd,J=16.5,9.3,2.8Hz),2.50(1H,dt,J=16.5,2.8Hz),2.63(1H,br.d,J=2.8Hz),3.68(1H,d,J=8.8Hz),3.77(3H,s),3.83(1H,dt,J=8.8Hz),6.83(4H,m)
MS 248(M+)
HRMS calcd.for C15H20O3:248.1413,found:248.1408。
(実施例5) 4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−6−(4−メトキシフェノキシ)−5,5−ジメチルヘキサ−2−イン(4−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−6−(4−methoxyphenoxy)−5,5−dimethylhex−2−yne)(化合物6)
化合物5(3.77g、15mmol)のCH2Cl2溶液に、TBSOTf(1.5eq)、2,6−ルチジン(3eq)を滴下し、0℃で5分撹拌した。反応混合物をEA抽出した。EA層を、水及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:12)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(4.45g、収率81%)。
化合物6:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ −0.01(3H,s),0.15(3H,s),0.88(9H,s),1.00(3H,s),1.04(3H,s),1.98(1H,t,J=2.8Hz),2.28(1H,ddd,J=17.0,4.9,2.8Hz),2.57(1H,ddd,J=17.0,4.9,2.8Hz),3.57(1H,d,J=8.8Hz),3.74(1H,d,J=8.8Hz),3.76(1H,s),3.93(1H,t,J=4.9Hz),6.81(4H,s)
MS 362(M+),347(M−Me+),305(M−tBu+)
HRMS calcd.for C21H34O3Si:362.2278,found:362.2285。
(実施例6) 3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−2,2−ジメチルヘキサ−5−イン−1−オール(3−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−2,2−dimethylhex−5−yn−1−ol)(化合物7)
化合物6(2.00g、5.5mmol)をアセトニトリル48mLと水12mLとの混合液に溶解後、0℃に冷却し、CAN(2.4eq)を加え、0℃で15分撹拌した。EA及びブラインを加えて分離後、水層をEAで抽出した。有機層を飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の表題化合物を得た(600g、収率42%)。
化合物7:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.17(3H,s),0.87(3H,s),0.92(9H,s),1.03(3H,s),2.04(1H,t,J=2.7Hz),2.34(1H,ddd,J=17.6,4.4,2.7Hz),2.58(1H,ddd,J=17.6,6.0,2.7Hz),3.35(1H,dd,J=11.0,6.0Hz),3.70(1H,m),3.72(1H,dd,J=6.0,4.4Hz)
MS 199(M−tBu+)
HRMS calcd.for C10H19O2Si:199.1154,found:199.1156。
(実施例7) 3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−2,2−ジメチルヘキサ−5−イナール(3−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−2,2−dimethylhex−5−ynal)(化合物8)
化合物7(633g、2.5mmol)のCH2Cl2溶液にモレキュラーシーブ4Å(240mg)を加え、PDC(1.02g、1.1eq)をアルゴン雰囲気下、0℃で加え、室温にて一晩放置した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、化合物7を(153mg、24%)回収すると共に、無色油状の表題化合物を得た(230mg、収率37%)。
化合物8:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.09(3H,s),0.15(3H,s),0.87(9H,s),1.08(3H,s),1.09(1H,t,J=2.7Hz),2.02(1H,t,J=2.8Hz),2.33(1H,ddd,J=17.6,4.9,2.8Hz),2.45(1H,ddd,J=17.6,6.0,2.8Hz),3.97(1H,t,J=5.5Hz),9.67(1H,s)
MS 239(M−Me+)
HRMS calcd.for C13H23O2Si:239.1468,found:239.1472。
(実施例8) (3RS,5RS)−5−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン−3−オール((3RS,5RS)−5−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−4,4−dimethyloct−1−en−7−yn−3−ol)(化合物9a:1,3−anti)および(3RS,5SR)−5−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン−3−オール((3RS,5SR)−(tert−Butyldimethylsilyl)oxy−4,4−dimethyloct−1−en−7−yn−3−ol)(化合物9b:1,3−syn)
化合物8(230mg、0.91mmol)のトルエン溶液にアルゴン雰囲気下で、−78℃でビニルマグネシウムブロミドTHF溶液(0.57mL、1.1eq)を滴下し、60分撹拌した。飽和NH4Cl溶液を加えてEA抽出し、EA層をブライン洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:9)にて精製し、無色油状の化合物9a(53mg、収率20%)と化合物9b(102mg、収率40%)を得た。
化合物9a:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.15(3H,s),0.20(3H,s),0.82(3H,s),0.93(9H,s),0.98(3H,s),2.04(1H,t,J=2.7Hz),2.41(1H,ddd J=17.6 4.9,2.7Hz),2.66(1H,ddd J=17.6 4.9,2.7Hz),3.76(1H,t,J=4.9Hz),3.86(1H,br.s),4.31(1H,dt,J=6.3,1.1Hz),5.18(1H,ddd,J=10.4,1.9,1.1Hz),5.28(1H,ddd J=17.0,1.9,1.1Hz),5.84(1H,ddd J=17.0,10.4,6.3Hz)
MS 282(M+)
HRMS cald.for C16H30O2Si:282.2015,found:282.2012。
化合物9b:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.12(3H,s),0.17(3H,s),0.85(3H,s),0.92(9H,s),0.93(3H,s),2.04(1H,t,J=2.8Hz),2.30(1H,ddd J=17.6 4.4,2.8Hz),2.34(1H,br.d,J=3.8Hz),2.63(1H,ddd J=17.6 6.0,2.8Hz),3.82(1H,t,J=4.4Hz),4.14(1H,m),5.19(1H,ddd,J=10.4,1.7,1.1Hz),5.27(1H,dt J=17.0,1.7Hz),5.94(1H,ddd J=17.0,10.4,6.3Hz)
MS 282(M+)
HRMS calcd.for C16H30O2Si:282.2015,found:282.1994。
(実施例9) (3RS,5RS)−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン((3RS,5RS)−Bis[(tert−Butyldimethylsilyl)oxy]−4,4−dimethyloct−1−en−7−yne)(化合物10a:1,3−anti)
化合物9a(91mg、0.32mmol)のCH2Cl2溶液に、TBSOTf(1.5eq)と2,6−ルチジン(3eq)とを滴下し、0℃で60分撹拌した。EA抽出し、EA層を水及びブラインで洗浄し、MaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:12)にて精製、無色油状の表題化合物を得た(126mg(quantitative yield))。
化合物10a:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.00(3H,s),0.08(3H,s),0.15(3H,s),0.82(6H,s),0.86(3H,s),0.89(9H,s),0.91(9H,s),1.97(1H,t,J=3.1Hz),2.22(1H,ddd J=17.3 5.8,3.1Hz),2.56(1H,ddd J=17.3 4.1,3.1Hz),3.75(1H,dd,J=5.8,4.1Hz),4.01(1H,d,J=8.0Hz),5.12(1H,d,J=18.7Hz),5.13(1H,d,J=10.4Hz),5.83(1H,ddd,J=18.7,10.4,8.0Hz)
MS 396(M+),381(M−Me+),339(M−tBu+)
HRMS calcd.for C22H44O2Si2:396.2880,found:396.2910。
(実施例10) (3RS,5SR)−ビス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4,4−ジメチルオクト−1−エン−7−イン((3RS,5SR)−Bis[(tert−butyldimethylsilyl)oxy]−4,4−dimethyloct−1−en−7−yne)(化合物10b:1,3−syn)
化合物10aと同様の方法にて、化合物10bを化合物9bから合成した。
化合物10b:1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ −0.01(3H,s),0.04(3H,s),0.09(3H,s),0.17(3H,s),0.76(3H,s),0.86(3H,s),0.90(9H,s),0.92(9H,s),1.96(1H,t,J=2.7Hz),2.20(1H,ddd J=17.3 6.3,2.7Hz),2.60(1H,dt J=17.3 2.7Hz),3.80(1H,dd,J=6.3,2.7Hz),4.03(1H,d,J=7.1Hz),5.13(1H,d,J=10.4Hz),5.14(1H,d,J=17.3Hz),5.81(1H,ddd,J=17.3,10.4,7.1Hz)
MS 396(M+),339(M−tBu+)。
HRHS calcd.for C22H44O2Si2:396.2880,found:396.2889。
(実施例11) (5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1α,3β)、化合物21)および(5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1β,3α)、化合物22)
化合物10a(63mg、0.16mmol)、CD環部である化合物20(J.Am.Chem.Soc.、114、9836−45、1992記載の方法により調製)(57mg、0.16mmol)、Pd(Ph3P)4(55mg、0.3eq)、トリエチルアミン(2.5mL)のトルエン溶液(3mL)をアルゴン雰囲気下で、125℃で65分撹拌した。反応液を室温に放冷後、エーテルで希釈し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:3)にて分離し、無色油状のカップリング体を得た(71mg、収率66%)。
得られたカップリング体(71mg、0.11mmol)のTHF溶液に、1.0M TBAF(0.5mL、5eq)を加えて室温にて3日間撹拌した。ブラインを加えてEA抽出し、EA層をMaSO4上で脱水し、ろ過後、得られたろ液から溶媒を溜去し、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(EA:n−ヘキサン=1:2)にて分離し、3位脱保護体(21mg、収率34%)と1位,3位脱保護体(18mg、収率29%)を得た。1位,3位脱保護体をリサイクル逆相HPLC(アセトニトリル:水=85:15)に付して、ジメチル1α,3β体(di−Me−(1α,3β)、化合物21)およびジメチル1β,3α体(di−Me−(1β,3α)、化合物22)を分離した。
化合物21(di−Me−(1α,3β)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.54(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,s),1.04(3H,s),1.21(6H,s),1.48(1H,d,J=6.0Hz),1.49(1H,d,J=5.8Hz),2.28(1H,d,J=14.0,6.6Hz),2.64(1H,dd,J=14.0,3.6Hz),2.81(1H,dd,J=12.4,4.4Hz),3.76(1H,dt,J=3.8,6.3Hz),3.99(1H,d,J=5.5Hz),5.05(1H,t,J=1.7Hz),5.31(1H,t,J=1.7Hz),6.03(1H,d,J=11.3Hz),6.36(1H,d,J=11.3Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H48O3:444.3604,found:444.3600。
化合物22(di−Me−(1β,3α)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.54(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),1.01(3H,s),1.02(3H,s),1.21(6H,s),1.45(1H,d,J=4.9Hz),1.49(1H,d,J=6.0Hz),2.30(1H,d,J=14.0,7.4Hz),2.60(1H,dd,J=14.0,3.8Hz),2.82(1H,dd,J=12.4,4.4Hz),3.78(1H,ddd,J=7.7,6.0,4.4Hz),3.96(1H,d,J=5.2Hz),5.05(1H,m),5.29(1H,dd,J=1.9,1.1Hz),6.02(1H,d,J=11.3Hz),6.37(1H,d,J=11.3Hz)
MS 426(M−H2O+),408(M−2H2O+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:426.3498,found:426.3498。
(実施例12) (5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1α,3α)、化合物23)および(5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール((5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−Dimethyl−9,10−seco−5,7,10(19)−cholestatrien−1,3,25−triol)(di−Me−(1β,3β)、化合物24)
実施例11と同様の方法で、化合物10bより化合物23(1α,3α体、(di−Me−(1α,3α)、)および化合物24(1β,3β体、di−Me−(1β,3β))を合成した。
化合物23(di−Me−(1α,3α)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.53(3H,s),0.93(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,s),1.13(3H,s),1.21(6H,s),2.12(1H,d,J=5.2Hz),2.40(1H,d,J=14.3,5.2Hz),2.66(1H,dd,J=14.3,2.2Hz),2.71(1H,d,J=7.1Hz),2.84(1H,dd,J=11.3,2.8Hz),3.56(1H,ddd,J=7.1,5.2,2.2Hz),3.80(1H,d,J=4.9Hz),5.04(1H,d,J=2.2Hz),5.26(1H,d,J=2.2Hz),6.03(1H,d,J=11.3Hz),6.43(1H,d,J=11.3Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:444.3604,found:444.3611。
化合物24(di−Me−(1β,3β)):1H NMR(600MHz/CDCl3/TMS)δ 0.55(3H,s),0.94(3H,d,J=6.6Hz),0.96(3H,s),1.17(3H,s),1.21(6H,s),2.24(1H,d,J=5.0Hz),2.39(1H,d,J=14.6,4.4Hz),2.71(1H,br.d,J=14.0Hz),2.81(1H,d,J=8.8Hz),2.84(1H,dd,J=11.5,3.3Hz),3.57(1H,m),3.82(1H,d,J=4.1Hz),5.07(1H,d,J=2.2Hz),5.26(1H,d,J=1.9Hz),6.07(1H,d,J=11.3Hz),6.46(1H,d,J=11.0Hz)
MS 444(M+),426(M−H2O+),408(M−2H2O+),393(M−2H2O−Me+),390(M−3H2O+),375(M−3H2O−Me+)
HRMS calcd.for C29H46O2:444.3604,found:444.3610。
(試験例) ウシ胸腺ビタミンD受容体(VDR)への結合実験
本発明のビタミンD誘導体の、ウシ胸腺VDRに対する結合能を試験した。
本発明のビタミンD誘導体としては、上記の実施例で合成された(5Z,7E)−(1S,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物21)、(5Z,7E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物22)、(5Z,7E)−(1S,3S)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物23)および(5Z,7E)−(1R,3R)−2,2−ジメチル−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物24)を使用した。
化合物21〜24および1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(標準物質として使用)それぞれについて、各種濃度のエタノール溶液を調製した。すなわち、50マイクロリットル中に含まれる化合物量として、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3の場合には、5ナノグラム、500ピコグラム、250ピコグラム、125ピコグラム、63ピコグラム、32ピコグラム、16ピコグラム、8ピコグラム、4ピコグラム、2ピコグラム、1ピコグラム、0.5ピコグラム、0.25ピコグラムの希釈系列を作製した。また、1位と3位の置換基の配置が1α,3β体および1α、3α体の場合には、500ナノグラム、50ナノグラム、25ナノグラム、13ナノグラム、6.3ナノグラム、3.2ナノグラム、1.6ナノグラム、800ピコグラム、400ピコグラム、200ピコグラム、20ピコグラム、2ピコグラムの希釈系列を作製した。また、1位と3位の置換基の配置が1β,3β体および1β,3α体の場合には、500ナノグラム、50ナノグラム、5ナノグラム、500ピコグラム、50ピコグラムの希釈系列を作製した。
ウシ胸腺VDRはヤマサ醤油株式会社(Yamasa Biochemcal、日本千葉県銚子)より購入し(lot.112831)、1アンプル(約25mg)を0.05Mリン酸0.5Mカリウムバッファー(pH7.4)55mlに溶解した。
化合物21〜24もしくは1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のエタノール溶液50μlと受容体溶液500μlとを試験管に入れ、室温で1時間プレインキュベートした後、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3溶液50μlを最終濃度0.1nMとなるように加え、4℃で一晩インキュベートした。反応液にデキストラン被覆チャコール(dextran coated charcoal)を加えて混合した後、4℃で30分間放置し、3000rpmで10分間遠心分離することによって、受容体に結合した[3H]1α,25ジヒドロキシビタミンD3と、遊離した[3H]1α,25ジヒドロキシビタミンD3とを分離した。上清(500μl)をACS−II(9.5ml)(Amersham、England)と混合し、放射活性を測定した。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3のVDRへの結合性を100としたときの、化合物21〜24のVDRへの相対的結合性を以下の計算式に従って算出した。
X=(y/x)×100
X:化合物21〜24のVDRへの相対的結合性
y:1α,25−ジヒドロキシビタミンD3が、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3とVDRとの結合を50%阻害する濃度
x:化合物21〜24が、[3H]1α,25−ジヒドロキシビタミンD3とVDRとの結合を50%阻害する濃度
結果を下記の表に示す。
産業上の利用の可能性
本発明の一般式(1)で表されるビタミンD誘導体は、新規化合物であり、カルシウム代謝調節剤等の医薬としての有用性が期待される。
Claims (7)
- R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す、請求項1に記載のビタミンD誘導体。
- R1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表し、R3は水酸基で置換された炭素数3〜10の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表す、請求項1に記載のビタミンD誘導体。
- R1はメチル基、R2はメチル基、R3は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル基を表す、請求項1に記載のビタミンD誘導体。
- 20位の立体配置がS配置である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビタミンD誘導体。
- 20位の立体配置がR配置である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビタミンD誘導体。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のビタミンD誘導体を含有する医薬組成物。
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