JP2004536897A - 積層体及びフィルムのためのポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及びポリ乳酸組成物 - Google Patents
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Abstract
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及びポリ乳酸ポリマー又はコポリマーのブレンドを含む環境分解性フィルムが開示される。PHAコポリマーを含む第一の層と、PLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを有する積層体もまた、開示される。環境分解性フィルム又は積層体を含む使い捨て物品もまた開示される。
Description
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2001年3月27日に出願された米国特許出願第60/278,948号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA)/ポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)ブレンドを含む環境分解性フィルムに関する。PHAコポリマーを含む第一の層と、PLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを有する積層体もまた、開示されている。フィルム又は積層体は、使い捨て物品を作製するために使用される。
【背景技術】
【0003】
本発明は、埋立処分される物質に占める体積分率が上昇している過剰なプラスチックゴミという増大する環境問題を解決するための必要性に関する。生分解性ポリマー及び生分解性ポリマーから形成される製品は、消費者が毎年生成する固体廃棄物量の減少を望むという観点から、益々重要になってきている。本発明は、さらに、生分解性、堆肥化性、又は生体適合性が用途の主な望ましい特徴である、こうした用途に用い得る、新しいプラスチック材料を開発する必要性に関する。分解性物品を製造するために多数の試みがなされてきた。しかし、費用、加工の困難さ、及び最終用途の特性から、商業的な成功はほとんどない。卓越した分解性を有する多数の組成物は、限られた加工性しか持たない。逆に、より容易に加工できる組成物は分解性が低い。
【0004】
従来の使い捨て吸収製品は、すでにかなりの程度まで堆肥化可能である。典型的な使い捨ておむつは、例えば、約80%の堆肥化可能な材料(例えば、木材パルプ繊維等)からなる。それにもかかわらず、吸収物品におけるポリエチレンバックシートを、堆肥化可能な材料の液体不透過性フィルムと交換することは特に必要である。というのは、バックシートは、典型的には、従来の使い捨て吸収物品中の最も大きな堆肥化可能でない構成要素の1つであるからである。
【0005】
より容認可能な最終用途特性を有するフィルムを製造するには、容認可能な分解性ポリマーを選択することが課題である。分解性ポリマーは、変換ライン上での稼動を含む従来のフィルム加工法が使用可能であるように、熱可塑性であるべきである。さらに、フィルム又は大きなフィルム切片が堆肥化の最初の段階の間に非常に小さな粒子にまで最初の破壊を受けることが重要である。
【0006】
それに加えて、多湿の蓄積に関連する不快さを最小限にするために、使い捨て衛生製品の通気性に対する関心が浮上してきた。水蒸気をいくらか通すことが可能でありながら液体を含有することができる通気性フィルムは、このような製品を構築する際に特別の関心が持たれる。孔径を制御することは、伸長操作の前に、フィラー粒子を均一且つ非常に微細にフィルムマトリックス内に分散することによって達成される。ポリオレフィンのような材料は、フィラー表面に対して低い親和性を有するため、粒子の良好な分散性を得ることが困難である。ポリエステルは、多くの固体表面に対してよりよい親和性を有し、その結果、粒子は、より容易に広がる傾向があるが、相互作用が強すぎる場合、伸長の間に孔を作るためのフィラーとフィルムマトリックスとの間の界面での所望する機械的破損が起こらない。フィラーとの中程度のレベルの相互作用を有する材料は、通気性フィルムのために必要とされる。さらに、このような材料は、伸長の間に大きな裂け目を生じるような巨視的な機械的破損を防ぐために実質的に延性でなければならない。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような典型的な芳香族ポリエステルは、個々のフィラー粒子の周りに局在化した機械的破損を含有するには脆性でありすぎる。
【0007】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、合成的な方法によって、又は細菌若しくは藻類のような様々な微生物によって製造できる、一般的に半結晶性の熱可塑性ポリエステル化合物である。後者は、典型的には、光学的に純粋な物質を製造する。従来既知の細菌性PHAには、アイソタクチックポリ(3−ヒドロキシブチレート)即ちPHB、高融解、高結晶化度で、非常に壊れやすく/脆性の、ヒドロキシ酪酸のホモポリマー、及びアイソタクチックポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−バレレート)即ちPHBV、やや結晶化度が低く、より低融解のコポリマーであるが、それにも関わらず高結晶化度、及び壊れやすく/脆性という同じ欠点を有するコポリマーが挙げられる。PHBVコポリマーは、米国特許第4,393,167号及び第4,477,654号(ホルムス(Holmes)ら)に記載されており、最近までバイオポル(BIOPOL)の商品名でモンサント(Monsanto)より市販されていた。微生物の存在下で容易に生分解する能力は、数多くの事例で実証されてきた。低い結晶化速度に起因して、PHBVから作製されたフィルムは、冷却した後でさえ自身に対して粘着性であり、PHBVのかなりの部分が長い間非晶性で粘着性なままである。キャストフィルム操作及びブロウンフィルムの両方において、残った粘着性は、加工を制限する。
【0008】
他の既知のPHAは、例えば、アイソタクチックポリヒドロキシオクタノエート(PHO)のような、いわゆる中〜長側鎖のPHAである。これらは、PHB又はPHBVとは異なり、反復するペンチルと、主鎖に沿って規則的に間隔をあけられた高級アルキル側鎖とのため、事実上、非晶性である。但し、その結晶性部分は、存在する場合、融点が非常に低く、並びに結晶化速度が極めて遅い。例えば、本願に参考として組み込まれる、ガニオン(Gagnon)ら著、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、25、3723〜3728頁(1992)は、融解温度が約61℃であること、及び最適結晶化温度で最大結晶化度に達するまで約3週間を要することを示している。
【0009】
さらに、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー組成物は、カネカ(Kaneka)(米国特許第5,292,860号)及びプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)(米国特許第5,498,692号、第5,536,564号、第5,602,227号、第5,685,756号)によって開示されている。これらすべては、結晶化プロセスを部分的に妨げる制御された量の「欠陥」を主鎖に沿ってランダムに組み込むことによって、PHAの結晶化度及び融点を、高結晶化度のPHB又はPHBVでの値よりも低い、いかなる望ましい値にも調整する、様々な手法を記載している。そのような「欠陥」は、様々なタイプの分枝(3−ヒドロキシヘキサノエート及びそれ以上)又は、より短い(3HP、3−ヒドロキシプロピオネート)若しくはより長い(4HB、4−ヒドロキシブチレート)直鎖脂肪族可撓性スペーサのいずれかである。その成果は、80℃〜150℃の範囲の典型的な使用で融解するように調整され得る、及び処理加工の間に熱分解をより受けにくい、半結晶性コポリマー構造である。加えて、これらのコポリマーの生分解速度は、その低い結晶化度、及び微生物に対する高い感受性の結果として、より高くなっている。しかし、こうしたコポリマーの機械的特性及び融解処理条件は、一般的にPHB又はPHBVより改善しているのに対して、その結晶化速度は、特質上遅く、多くの場合PHB及びPHBVより遅い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、一般的に、これらのより新しいPHAコポリマー、並びに他の生分解性ポリマーを従来の融解方法によって有用な形態へと変換することはかなりの難題であった。上記のポリマーは、融解から冷却された後、かなり粘着性が残っており、特に、10重量%を超える非晶性成分濃度のPHAコポリマーの場合、十分な結晶化度に達成するまでそのようなままである。粘着が残っていると、典型的には材料がそれ自身と、又は加工装置と、又はその両方とくっつく結果となり、そのためポリマー製品が製造される速度を制限するか、又は好適な品質形態で製品が収集されるのを妨げる可能性がある。その結果、安価で融解加工可能な分解性ポリマーの組成物への必要性が存在する。さらに、ポリマー組成物は、従来の加工装置での使用に好適である必要がある。これらのフィルムから作製された使い捨て物品の必要性もまた存在する。通気性フィルムの製作に関して、良好な粒子分散性のために固体フィラー表面に関して適度の親和性を有し、伸長の際に微細な孔を作るための局在化した機械的破損のみを有するために柔軟性でかつ延性である、環境分解性材料を開発する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA)及びポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)を含む環境分解性融解加工されたブレンドフィルムが開示される。本明細書に記述されるようなPHAコポリマーを含む第一の層と、本明細書に記載されるようなPLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを含む積層体もまた開示される。こうしたブレンドされた組成物又は積層体は、一般に、PHAコポリマー単独又はPLAポリマー若しくはコポリマー単独と比較して、1つ又はそれ以上の特性において異なる及び改良された材料特性を提供する。ブレンドされた材料又は積層体が異なる及び改良された特性は、例えば、硬度/柔軟性、脆性/可撓性、粘着、べたつき、靭性、延性、加工性、不透明性/透明性、又は通気性のいずれか1つである。さらに、PHAと粒子フィラーとを含む通気性フィルムが開示される。環境分解性フィルムを含む使い捨て物品もまた開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用されるコポリマー組成物は、モル%においてである。本明細書で使用される全ての他のパーセント、比率及び割合は、特に指定しない限り、組成物の重量パーセントによる。
【0013】
本明細書は、(1)本発明の材料、(2)フィルム又は積層体の特性、(3)フィルム又は積層体の製造方法、及び(4)使い捨て製品の詳細な記述を含む。
【0014】
本発明は、環境分解性ポリマーを含むフィルム又は積層体に向けられる。第一のポリマーは、生分解性であり、後述するポリヒドロキシアルカノエートコポリマーである。第二のポリマーは、後述する環境分解性PLAポリマーである。ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、フィルム又は積層体を迅速に環境分解可能にする。第二のPLAポリマーは、ポリマーブレンドを加工可能にし、ポリヒドロキシアルカノエートポリマーに一般に付随するべたつきの低減に役立つ。
【0015】
本発明はまた、環境分解性ポリマーを含む通気性フィルムに向けられる。後述のようなポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及び粒子フィラー。環境分解性PLAポリマーもまた、通気性フィルムに包含されてもよい。
【0016】
(1)材料
(ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA))
生分解性フィルム又は積層体は、一部は、少なくとも2つのランダムに反復するモノマー単位(RRMU)を含む第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを少なくとも含む組成物から形成される。第一のRRMUは構造(I)を有し、
【0017】
【化1】
[式中、R1はH、又はC1若しくはC2アルキルであり、nは1又は2である]
好ましい実施形態において、R1は、メチル基(CH3)である。第一のRRMUのさらに好ましい実施形態では、R1がメチルで、nが1であり、よって、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、3−ヒドロキシブチレート単位を含む。
【0018】
生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーに包含される第二のRRMUは、以下の構造(II)、
【0019】
【化2】
[式中、R2はC3〜C19アルキル又はC3〜C19アルケニルである]
及び(III)
【0020】
【化3】
[式中、mは、2〜約9である]
から成る群から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。一般に、式(II)のRRMUにおいて、R2の長さは、ある程度、コポリマーの全体的な結晶化度の低下に影響を及ぼす。好ましい実施形態では、R2はC3〜C15アルキル基又はアルケニル基である。さらに好ましい実施形態では、R2はC3〜C9アルキル基であり、さらに好ましい実施形態では、R2はC5又はC7アルキル基である。別の好ましい実施形態では、R2はC15〜C19アルキル又はアルケニル基である。好ましくは、mは2〜5であり、より好ましくはmは3である。さらに、式(II)のRRMUでは、一般に(CH2)mの長さは、ある程度、コポリマーの全体的な結晶化度の低下に影響を及ぼす。好ましい実施形態では、mは2〜9であり、より好ましくは2〜5である。さらに好ましい実施形態では、mは3である。
【0021】
好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート組成物を使用した場合にフィルムが示す物理的特性の有利な組み合わせを得るには、コポリマーの少なくとも約50モル%が、式(I)の第一のRRMUの構造を有するRRMUを含む。好適には、コポリマー中の第一のRRMUと第二のRRMUのモル比は、約50:50〜約98:2の範囲にある。より好ましくは、モル比は約75:20〜約95:5の範囲にあり、一層より好ましくは、モル比は約80:20〜約90:10の範囲にある。それに加えて、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、適切には、約150,000g/モルより大きい数平均分子量を有し、さらにTm1で表される融点を有する。
【0022】
複合フィルムの組成物中で用いられる第一のポリヒドロキシアルカノエートコポリマーのさらなる実施形態では、1つ又はそれ以上の追加のRRMUが包含されてもよい。好適には、追加のRRMUは、以下の構造(IV)を有することができ、
【0023】
【化4】
[式中、R5はH、又はC1〜C19アルキル若しくはアルケニル基であり、sは1又は2である]
但し、追加のRRMUは第一又は第二のRRMUと同一ではないことを条件とする。
【0024】
さらに好ましい実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエート組成物は、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー若しくはコポリマー、又はそれらのブレンドをさらに含む。好ましい第二のPHAポリマー又はコポリマーは、構造(V)を有する少なくとも1つのランダムに反復するモノマーを含み、
【0025】
【化5】
[式中、R3はH、又はC1若しくはC2アルキルであり、pは1又は2である]
好ましい実施形態において、R3はメチル基(CH3)である。さらに好ましい実施形態では、R3はメチルであり、pは1であり、よって第二のポリヒドロキシアルカノエートポリマーは、3−ヒドロキシブチレート単位を含む。さらに好ましい実施形態では、第二のポリヒドロキシアルカノエートポリマーはポリヒドロキシブチレートホモポリマーである。任意選択的に、第二の環境分解性ポリマーは、下記構造(VI)、
【0026】
【化6】
[式中、R4はC2〜C19アルキル又はC2〜C19アルケニルである]
及び(VII)、
【0027】
【化7】
[式中、qは2〜約16である]
から成る群から選択される、2つ又はそれ以上の追加的なランダムに反復するモノマー単位を含む。構造(VII)のモノマーを含む第二のRRMUに関して、好ましい実施形態では、qは2〜約10であり、より好ましくは約4〜約8である。さらに好ましい実施形態では、qは約5である。追加的なランダムに反復するモノマー単位は、存在する場合、全モノマー単位の25%以下に、好ましくは15%未満に相当し、その際第二のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー又はコポリマーは、好適には約50,000g/モルを超える数平均分子量を有する。さらに、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートは第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの融点Tm1より少なくとも約20℃高い融点Tm2を有し、その結果、式Tm2>Tm1+20℃が満足される。融点の値は一般にDSC(示差走査熱量計)により決定され、例えばASTM D 3418に概説された方法を用いて、DSCの加熱走査において観察される、最高の吸熱ピーク温度として解釈される。理論により縛られることを意図しないが、適切なブレンド組成物、構造、及び高レベルの分散が達成されれば、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートは第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの核生成剤として働くことができ、それにより第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの結晶化速度を改善することができると考えられている。
【0028】
第二のポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを上述のように使用すると、PHA組成物の大部分が第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含み、よって第二の生分解性PHAは第一のコポリマーの連続相又はマトリックス全体に微細に分散され、第一のコポリマーの結晶化速度及び/又は物理特性を改良するのに十分な量で包含される。1つの実施形態では、組成物は、第一及び第二のPHAコポリマーの総重量の約0.01重量%〜約10重量%の第二のPHAコポリマーを含む。より具体的な実施形態では、組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の第二のPHAを含む。さらにより具体的な実施形態では、組成物は、約0.1重量%〜約3重量%の第二のPHAコポリマーを含む。
【0029】
生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、例えば、ノダ(Noda)によって米国特許第5,618,855号に、及びノダ(Noda)らによって米国特許第5,942,597号に開示されているように(いずれも本願に参考として組み込まれる)、化学的又は生物学的方法により合成することができる。
【0030】
コポリマーは、組成物中に連続相として存在してもよい。組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの組み合わせ、又は他のポリマー構成成分、例えば追加のポリエステル構成成分等との組み合わせを包含してもよい。
【0031】
PHAコポリマーは、固体粒子表面に対して優れた親和性を有し、それによって通気性フィルムの製造における伸長工程の間、このような粒子の直接的な分散を可能にする。PHAコポリマーは、巨視的な裂け目なく伸長することができる。
【0032】
典型的には、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、ブレンド中に、フィルムの5重量%〜95重量%、又は10重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、及び最も好ましくは40重量%〜60重量%の量で存在する。
【0033】
(環境分解性熱可塑性PLAポリマー又はコポリマー)
実質的にPHAと相溶性のある環境分解性熱可塑性PLAポリマー又はコポリマーもまた、本発明で使用されてもよい。本明細書で使用する時、用語「実質的に相溶性のある」とは、組成物の軟化及び/又は融解温度を超える温度に加熱された時、ポリマーが剪断力又は伸張によって混合された後でPHAとの実質的に均一な混合物を形成できることを意味する。使用されるPLAポリマー又はコポリマーは、加熱と同時に流動して加工可能な融解物を形成し、結晶化又はガラス化の結果再固化することができなければならない。
【0034】
PLAポリマー又はコポリマーは、加工性のために十分に低く、けれどもフィルムの使用時の熱安定性のために十分に高い融解温度を有さなければならない。好適な融解温度は約80℃〜約190℃であり、好ましくは約90℃〜約180℃である。好ましいのは、約160℃〜約175℃の融解温度を有するポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーである。ポリマーには、フィルム加工に適したレオロジー特質がなければならない。
環境分解性熱可塑性PLAポリマーは、キャストフィルム押出成形法又はブロウンフィルム押出成形法として既知の方法で一般的に遭遇するような、好ましくは伸張的流れの下で、かなり短時間で固結化し、熱的に安定なフィルム構造を形成することができなければならない。
【0035】
本明細書での使用に好適な環境分解性PLAポリマーは、加水分解的に分解を生じやすい物質、地中に埋められるか又はその他の方法によって微生物と接触(微生物の成長を招く水性又は生理食塩水環境条件での接触を包含する)した時に、カビ、菌類、又は細菌のような微生物によって同化される加水分解生成物である。好適なPLAポリマーには、加水分解生成物が好気性又は嫌気性消化処理を用いて、又は日光、雨、湿気、風、温度等の環境要素への暴露の効果によって分解できる物質も挙げられる。PLAポリマーは、ポリマーが生物学的及び/又は環境的手段によって分解可能であることを条件として、個別に使用することも、ポリマーの組み合わせとして使用することもできる。
【0036】
本明細書に用いるのに好適な好ましい乳酸ポリマー又はラクチドポリマーの具体的な例には、一般に産業界で「PLA」と呼ばれるポリ乳酸ベースのポリマー又はポリラクチドベースのポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。従って、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」及び「PLA」は、互換可能に使用されて、特定のモノマーから形成されるポリマー又は最小の反復するモノマー単位で構成されるポリマーのポリマー特質に基づいて、乳酸又はラクチドのホモポリマー又はコポリマーを包含する。但し、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」、及び「PLA」は、ポリマーが形成される方式に関して限定することを意図するものではないことは理解されるべきである。
【0037】
ポリ乳酸又はポリラクチドポリマーは一般に、次の式に適合する乳酸残基反復するモノマー単位を有する。
【0038】
【化8】
【0039】
典型的に、乳酸又はラクチドの重合は、少なくとも約50重量%の乳酸残基反復する単位、ラクチド残基反復する単位、又はそれらの組み合わせを含むポリマーを生じる。これらの乳酸及びラクチドポリマーは、乳酸及び/又はラクチドのランダム及び/又はブロックコポリマーのようなホモポリマー及びコポリマーを包含する。乳酸残基反復するモノマー単位は、L−乳酸、D−乳酸、又はD,L−乳酸、好ましくはL−異性体濃度が75%までのものから得ることができる。
【0040】
分解性ポリマーの分子量は、ポリマー分子間のもつれを可能にするのに十分に高く、しかし融解加工されるために十分に低くなければならない。融解加工のためには、PLAポリマー又はコポリマーは、約10,000g/モル〜約600,000g/モル、好ましくは500,000g/モル又は400,000g/モルを超えない、さらに好ましくは約50,000g/モル〜約300,000g/モル又は30,000g/モル〜約400,000g/モル、及び最も好ましくは約100,000g/モル〜約250,000g/モル、又は50,000g/モル〜約200,000g/モルの重量平均分子量を有する。市販のポリ乳酸ポリマーの例には、クロノポール社(Chronopol Inc.)(コロラド州ゴールデン(Golden,CO))より入手可能な種々のポリ乳酸、又はエコPLA(EcoPLA)(登録商標)の商標名で販売されているポリラクチドが挙げられる。好適な市販ポリ乳酸のさらなる例としては、カーギル・ダウ(Cargill Dow)のネイチャーワークス(NATUREWORKS)、三井化学(Mitsui Chemical)のレーシー(LACEA)、又はバイオマー(Biomer)のPLA樹脂L5000が挙げられる。PLAを使用する時、PLAは半晶性の形態であることが好ましい。半晶性PLAを形成するには、好ましくはポリラクチド中の反復する単位の少なくとも90モル%が、一層さらに好ましくは少なくとも95モル%が、L−又はD−ラクチドのいずれか1つである。加工は、結晶形成を促進するような方法、例えば、外延配向を用いて行われる。
【0041】
使用される特定のポリマー、方法、及びフィルム又は積層体の最終用途によっては、2以上のポリマーが望ましい場合がある。例えば、約160℃〜約175℃の融点を持つ結晶可能なポリ乳酸が使用される場合、他方のポリ乳酸よりも低い融点及び低い結晶化度を有する第二のポリ乳酸及び/又はより高いコポリマー濃度を使用してもよい。あるいは、脂肪族芳香族ポリエステルを結晶可能なポリ乳酸と共に使用してもよい。
【0042】
典型的には、PLAポリマー又はコポリマーは、ブレンド中に、フィルムの5重量%〜95重量%、又は10重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、及び最も好ましくは40重量%〜60重量%の量で存在する。PLAポリマー又はコポリマーは、PHA及び粒子フィラーを含む通気性フィルム中に、約0〜約50%の量で存在してもよい。
【0043】
(さらなる成分)
本発明では可塑剤を使用することができる。可塑剤は、組成物の特性を有効に変えるよう、本発明のポリマー構成成分と十分に相溶性がある。一般に、可塑剤はポリマー製品の弾性率及び引張り強度を低下させ、並びに極限引張伸度、衝撃強度、及び引き裂き強度を増大する傾向がある。可塑剤はまた、組成物の融点を低下させて、それによって低温での融解加工を可能にするため、並びにエネルギー必要量及び熱劣化を最小限に抑えるために使用されてもよい。但し、可塑剤は、上述の特性の有利な組み合わせを得るために一般に必要とされない。
【0044】
可塑剤の非限定例には、ヒドロキシル可塑剤、糖アルコール、ポリオール、ヒドロキシル基を持たない水素結合形成有機化合物(尿素及び尿素誘導体、糖アルコールの無水物、動物タンパク質、植物タンパク質、生分解性有機酸エステル、脂肪酸等を包含する)が挙げられる。さらなる好適な可塑剤は、上記で参照された米国特許第3,182,036号及び第5,231,148号に記載されている可塑剤である。可塑剤は、単独で使用してもその混合物で使用してもよい。好適な分子量は約20,000g/モル未満、好ましくは約5,000g/モル未満、及びより好ましくは約1,000g/モル未満である。最終フィルム組成物中の可塑剤の量は、存在する場合、約2%〜約70%、より好ましくは約5%〜約55%、最も好ましくは約10%〜約50%である。
【0045】
任意選択的に、組成物の約50重量%未満、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、さらに好ましくは約0.1重量%〜約12重量%の量で他の成分が組成物に組み入れられてもよい。加工性を変えるため及び/又は最終製品の弾性、引張り強度及び弾性率のような物理的特性を変えるために、任意選択の材料を使用してもよい。他の利益には、酸化安定性を包含する安定性、輝度、色、可撓性、弾力性、作業性、加工助剤、粘度調節剤、及び抑臭が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
他の任意成分の非限定例には、より簡単に加水分解性に分裂可能な、従って生分解性が高められた芳香族/脂肪族ポリエステルコポリマーが挙げられ、例えば米国特許第5,053,482号、第5,097,004号、第5,097,005号、及び第5,295,985号に記載されているもの、生分解性脂肪族ポリエステルアミドポリマー、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリオールから誘導されるポリエステル又はポリウレタン(即ち、ジアルカノイルポリマー)、ポリエチレン/ビニルアルコールコポリマーを包含するポリアミド、セルロースエステル又はその可塑化誘導体、塩、スリップ剤、核生成剤のような結晶化促進剤、結晶化遅延剤、臭気マスキング剤、架橋剤、乳化剤、界面活性剤、シクロデキストリン、潤滑剤、その他の加工助剤、光学的光沢剤、酸化防止剤、難燃剤、染料、顔料、フィラー、タンパク質及びそのアルカリ塩、ろう、粘着付与樹脂、増量剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、又はこれらの混合物が挙げられる。スリップ剤は、フィルムの粘着性又は摩擦係数の低下を助けるために使用できる。また、スリップ剤を、フィルムの安定性、特に多湿又は高温における安定性を改良するために使用してもよい。好適なスリップ剤はポリエチレンである。塩は、フィルムの水反応性を高めるために融解物に添加してもよく、又は加工助剤として使用してもよい。塩は結合剤の溶解性の低下を助ける機能もあるため、溶解しないが、水に入れられるか流された時に、塩が溶解して結合剤の溶解を可能にし、水反応性のより高い製品を作る。
【0047】
通気性フィルムの製作は、種々の粒子フィラーで荷重をかけたフィルムを外延的に伸長することを包含する。このようなフィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、雲母、カオリン、プラスチックビーズ、ラテックス等の、無機若しくは有機固体の種々の型が挙げられる。無機フィラーとしては、さらに、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、又はチタンの酸化物;含水ケイ酸マグネシウム、二酸化チタン、粘度、泥、チョーク、窒化ホウ素、石灰、珪藻土、ガラス、水晶、又はセラミックのようなフィラーが挙げられる。粒子フィラーは、典型的に、特有の成分及び通気性フィルムの使用に基づいて、約1〜約50%の量で存在する。
【0048】
その他の成分のさらなる例は、本発明の開示を考慮すれば当業者には既知である。
【0049】
(2)フィルム又は積層体の特性
本発明は、米国特許第5,498,692号に記載されるようなフィルム又は積層体の形態であり、本明細書に記述されるようなブレンドされた組成物又は積層された組成物を使用する。本明細書で使用される時、「ブレンド」とは、2つ以上の成分を有する組成物(すなわち、PHAとPLA、又はPHAと粒子フィラー)を意味する。本明細書で使用する時、「フィルム」とは、長さと厚さの比が大きく、幅と厚さの比が大きい、きわめて薄い連続物質片を意味する。厚さの正確な上限の条件はないが、好ましい上限は、0.254mm、より好ましくはさらに約0.01mm、より好ましくはさらに約0.005mmである。任意のフィルムの保護的価値は、その連続性(すなわち、穴又は裂け目がないこと)に依存する。通気性フィルムは、分散した粒子フィラーを含み、このフィルムは、液体の浸透を防ぎ、水蒸気を通す連続孔を製造するために伸長される。通気性フィルムは、多層(multiplayer)フィルムの1つの層であってもよい。フィルムは、多層フィルム、すなわち積層体又は複合体であってもよい。積層体は、共に結合している2つ以上のフィルムとして定義される。積層体は、本明細書に説明されるようなブレンドされたPHA/PLA組成物を含む1つ以上の層を有してもよい。別の実施形態において、積層体は、本明細書に記述されるようなPHAコポリマーを含む第一の層と、本明細書に説明されるようなPLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを有してもよい。積層体は、PHAコポリマーを含む第一の層と、PHA/PLAブレンドを含む第二の層と、PLAを含む第三の層とを有するか、又は所望の層のいかなる組み合わせを有してもよい。使用されるように、第一の層、第二の層、又は第三の層という用語は、単に別個の層を記述するために使用され、層の位置に関して限定することを意図するものではない。
【0050】
本発明のフィルムは、多様な使い捨て製品に使用されることができ、それには、使い捨ておむつ、シュリンクラップ(例えば食品用ラップ、消費者製品用ラップ、運送用パレット及び/又は枠箱用のラップなど)、又は袋(食料雑貨用袋、食品保存用袋、サンドイッチ用袋、再密封可能な「ジップロック(Ziploc(登録商標))」型袋、ゴミ袋など)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の1つの実施形態において、フィルムは、液体不透過性のバックシート又は穴を開けられたトップシートであり、使い捨ておむつ、女性用衛生製品などのような吸収性の使い捨て衛生衣類における使用のために適している。本発明のフィルムは、さらなる生分解性及び/又は堆肥化性に加えて、米国特許第5,990,271号に説明されるような特性を有していてもよい。
【0051】
本発明において製造されるフィルム又は積層体は、環境分解性である。「環境分解性」とは、生分解性、崩壊性、「水反応性」、分散性、水洗可能、又は堆肥化可能性又はそれらの組み合わせと定義される。本発明において、フィルム、多層フィルム(積層体)及び物品は、環境分解性である。その結果、フィルム又は積層体は既存の堆肥化施設に容易かつ安全に廃棄できるか又は水洗可能であって、既存の下水基盤システムに有害な影響を与えることなく安全に排水に流すことができる。本発明のフィルム又は積層体の環境分解性は、使い捨て物品に使用した後のこうした材料の環境への蓄積という問題に解決策を提供する。拭き取り用品及び女性用衛生用品のような使い捨て製品に使用した場合、本発明のフィルムの水洗可能性は、消費者に追加の簡便さ及び分離性を提供する。生分解性、崩壊性、「水処理能」、分散性、堆肥化性、及び水洗可能性にはすべて異なる基準があり、異なる試験で評価されるが、一般に、本発明のフィルム又は積層体はこれらの基準の2つ以上に適合する。
【0052】
一般に、PLAポリマー又はコポリマーは、PHAコポリマーよりも分解に時間がかかる。本発明のブレンドのPHAコポリマー構成要素は、微生物又は酵素活性によって容易に分解し、それによってPLA構成要素の加水分解が一層しやすく、加水分解を促進する多孔質構造を形成し、その後PLA加水分解生成物の生分解が続く。
【0053】
生分解性は、物質が好気性及び/又は嫌気性環境に暴露された時に、最終的結果が、微生物、加水分解、及び/又は化学的作用によるモノマー成分への還元を意味すると定義される。好気性条件下では、生分解によって材料は二酸化炭素及び水のような最終生成物に変換される。嫌気性条件下では、生分解によって材料は二酸化炭素、水及びメタンに変換される。生分解性プロセスは、無機化と表されることが多い。生分解性とは、フィルムのすべての有機要素が生物活性によって最終的に分解することを意味する。
【0054】
種々の異なる標準化された生分解性方法が、種々の組織及び異なる国々で確立されてきた。試験は個々の試験条件、評価方法、及び望ましい判断基準において様々であるが、異なるプロトコルの間には合理的収束があるため、大部分の材料に関して類似した結論に至る可能性が高い。好気的生分解性については、米国材料試験協会(ASTM)がASTM D 5338−92:制御された堆肥化条件でのプラスチック材料の好気的生分解の測定試験方法(Test Methods for Determining Aerobic Biodegradation of Plastic Materials Under Controlled Composting Conditions)を制定している。前記試験は、58℃の高温で保持された活性堆肥の存在下での微生物による同化の結果として放出される二酸化炭素の量を測定することによって、鉱化する試験材料のパーセントを時間の関数として測定する。二酸化炭素発生試験は、電解呼吸測定法により実施してもよい。経済協力開発機構(OECD)の301Bのような、他の標準プロトコルも使用してもよい。無酸素における標準生分解試験は、ASTM D 5511−94のような種々のプロトコルに記載されている。これらの試験は、嫌気性固形廃棄物処理施設又は衛生埋立地における材料の生分解性を模擬するために使用される。
【0055】
本発明のフィルム又は積層体は、迅速に生分解可能であってもよい。これは、定量的に、所定の時間の後に、二酸化炭素に変換された材料のパーセントの観点で定義される。崩壊もまた起こってもよい。崩壊は、フィルム又は積層体が堆肥化された時にふるい後に識別不可能なほど、又は流された時に配水管の詰まりを引き起こさないほど小さい部分に短時間に細分化及び分解する能力がある時に発生する。崩壊性物質はまた、水洗可能であってもよい。崩壊性のプロトコルの大部分は、種々のマトリックスに暴露した時の時間の経過による試験材料の重量損失を測定する。好気的及び嫌気的崩壊試験の両方が使用される。重量損失は、試験材料を廃水及びスラッジに暴露した後、1ミリメートルの開口部を有する18メッシュのふるいにもはや回収されない材料の量によって決定される。崩壊に関して、初期試料の重量とふるい上に回収された試料の乾燥重量の差が、崩壊の速度と程度を決定する。生分解性及び崩壊に関する試験は、本質的に同じ環境が試験に使用されるために、類似している。崩壊を決定するために、残った材料の重量を測定し、一方、生分解性に関しては、発生した気体を測定する。
【0056】
本発明のフィルム又は積層体はまた、堆肥化可能でもある。ASTMは、堆肥化性の試験方法及び規格を作成した。試験は、生分解性、崩壊、及び環境毒性の欠如、という3つの特質を評価する。生分解性及び崩壊を評価するための試験は、上に述べられている。堆肥化性の生分解性基準に適合するには、材料は40日以内に少なくとも約60%が二酸化炭素への変換を達成しなければならない。崩壊基準については、材料は、廃棄製品で有すると考えられる実際の形状及び厚さで、2ミリメートルのふるい上に残るものが試験材料の10%未満でなければならない。最後の基準、環境毒性の欠如を判断するには、生分解生成物が種子の発芽及び植物の成長に悪影響を示してはならない。この基準のための試験が、OECD208に詳述されている。国際生分解性製品研究所(International Biodegradable Products Institute)は、ASTM6400−99規格への適合が確認された製品に堆肥化可能性を示すロゴを発行する予定である。プロトコルは、1回の堆肥化サイクルで完全に分解できる材料の最大厚さを決定するドイツのDIN54900に従っている。
【0057】
本発明のフィルムは、熱接着性であってもよい。熱接着性フィルムは、加圧熱及び通気熱接着方法に必要である。フィルムはまた、積層されているか又は熱シールされていてもよい。より低い融点のポリマーは、熱シールのために望ましくあり得る。複数の材料が、熱シールにとっての最適条件を達成するために好ましくあり得る。PLAとブレンドされたPHAを含むフィルム、又はPHAコポリマー層及びPLAポリマー若しくはコポリマー層を含む積層体は、フィルムの結合特質を向上させることができる。
【0058】
(3)フィルム又は積層体の製造方法
さらなる環境分解性及び/又は堆肥化性を有する本発明のフィルム又は積層体は、従来のフィルム作製装置で単一フィルム又は多層フィルムを製造するための従来の手順を用いて加工されてもよい。本発明のPHA/PLAブレンドのペレットは、まず乾燥ブレンドされ、次いで、フィルム押出成形機中で融解ブレンドすることによって作製することができる。別の方法としては、フィルム押出成形機で不十分な混合が生じるのであれば、ペレットを、先ず乾燥ブレンドし、次いで予備配合押出成形機にて融解混合し、その後、フィルム押出成形に先立って再ペレット化する。
【0059】
本発明のPHA/PLAブレンドは、融解加工して、キャスト又はブロウンフィルム押出成形法のいずれかにより、フィルムにすることができ、両技術ともアランA.グリフ(Allan A.Griff)著、プラスチック押出成形技術(Plastics Extrusion Technology)−第2版(バン・ノストランド・ラインホルド(Van Nostrand Reinhold)−1976年)に記載されている。キャストフィルムを線状スロットダイを介して押し出す。一般に、大型の移動する磨いた金属ロールの上で平らなウエブを冷却する。迅速に冷却し、この第一のロールから剥がし、1つ以上の補助冷却ロールを通し、次いで一連のゴムがコーティングされたプルロール又は「ホールオフ(haul-off)」ロールを通し、最終的に巻き取り機に達する。
【0060】
ブロウンフィルム押出成形では、薄い環状のダイ開口部を介して融解物を上方に押し出す。このプロセスを管状フィルム押出成形とも言う。ダイの中央部を介して空気を導入して管を膨張させ、それによって拡張させる。従って、内部空気圧を制御することによって一定の大きさに保たれる動く気泡が形成される。管を囲む1つ以上の冷却リングを介して吹き付けることにより、フィルムの管を空気で冷却する。次いで、一対のプルロールを介して折畳み枠及び巻き取り機の中にそれを引きこむことによって管をつぶす。バックシート適用のために、それに続いて、平坦にした管状フィルムを切り裂いて開き、広げ、製品での使用に適当な幅にさらに細長く切る。
【0061】
単層又は多層フィルム構造を製造するのにキャストフィルム法及びブロウンフィルム法の両方を用いることができる。単一の熱可塑性材料又は熱可塑性成分のブレンドから単層フィルムを製造するには、単一の押出成形機及び単一のマニホールドダイのみを必要とする。
本発明の多層フィルム又は積層体を製造するには、共押出成形法が用いられるのが好ましい。かかる加工法は、多層フィルム構造を達成するのに、2つ以上の押出成形機及び共押出成形用フィードブロック又はマルチマニホールドダイシステムのいずれか、又はその2つの組み合わせを必要とする。
【0062】
米国特許第4,152,387号、第4,197,069号は、共押出成形のフィードブロック原理を開示する。複数の押出成形機がフィードブロックに連結され、フィードブロックは、流路を通るポリマーの容量に直接関係して、それぞれの個々の流路の幾何寸法を比例的に変化させる、可動流れ分割機を使用する。その流路は、合流点において、材料が共に同じ流速及び圧力で流れて、界面の応力と流れの不安定性を排除するように設計されている。材料がフィードブロックで一度一緒になると、複合構造として、1つのマニフォールドダイへ流れ込む。このようなプロセスにおいて、材料の融解粘度及び融解温度が、大きく異なりすぎないことが重要である。そうでなければ、流れの不安定性により、ダイが多層フィルムにおける層厚の分布の制御を難しくすることもあり得る。
【0063】
フィードブロック共押出成形の代替法は、上述の米国特許第4,152,387号、第4,197,069号、及び米国特許第4,533,308号に開示されるようなマルチマニフォールド又はベーンダイ(vane die)である。フィードブロックシステムでは、融解物の流れがダイ本体へ入る前にその外側で合流するが、マルチマニフォールド又はベーンダイ(vane die)では、それぞれの融解物の流れはダイ内に独自のマニフォールドを有して、ポリマーがそれぞれのマニフォールド内で独立に広がる。融解物の流れは、ダイ出口近辺で、ダイの全幅において、それぞれの融解物の流れと合流する。可動ベーンにより、その中を流れる材料の容量に正比例して、それぞれの流路出口を調節することができ、融解物が、共に同一線形流速、圧力、及び所望の幅で流れることが可能になる。
【0064】
加工された材料の融解物の流れ特性及び融解温度は大幅に異なり得るので、ベーンダイ(vane die)を使うことにより幾つかの利点が得られる。ダイが熱単離特質に役立つので、融解温度が大きく異なる材料を、例えば175°F(80℃)まで、一緒に加工することができる。
ベーンダイ(vane die)の中のそれぞれのマニフォールドは、特定のポリマー(又はコポリマー)に対して設計して合わせることができる。従って、それぞれのポリマーの流れは、マニフォールドの設計に影響されるだけであり、他のポリマーが課す力によっては影響されない。これによって、融解粘度が大きく異なる材料でも共押出して、多層フィルムとすることが可能となる。それに加えて、ベーンダイ(vane die)はまた、内部層、例えば、ヴィネックス(Vinex)2034のような水溶性生分解性ポリマーが、水にさらされる可能性のある縁を残さずに、水不溶性材料によって完全に取り囲まれることができるように、個々のマニフォールドの幅を調整する能力を提供する。前述の特許は、フィードブロックシステムとベーンダイ(vane die)を組合せて使用して、より複雑な多層構造を達成することも開示している。
【0065】
本発明の多層フィルムは、2つ以上の層を含んでもよい。一般的に、均衡のとれた又は対称的な三層及び五層のフィルムが好ましい。均衡のとれた三層の多層フィルムは、中心コア層及び2つの同一の外側層を含み、前記中心コア層は、前記2つの外側層の間に配置される。均衡のとれた五層の多層フィルムは、中心コア層と、2つの同一のタイ層(tie layer)と、2つの同一の外側層とを含み、前記中心コア層は、前記2つのタイ層の間に配置され、タイ層は、前記中心コア層と各外側層との間に配置される。均衡のとれたフィルムは、本発明のフィルムには必須ではないが、均衡のとれていない多層フィルムよりも曲がったり歪んだりする傾向が低い。
三層フィルムにおいて、中心コア層は、フィルムの全厚の30〜80%を含んでもよく、各外側層は、フィルムの全厚の10〜35%を含む。タイ層は、使用される場合、各々フィルムの全厚の約5%〜約10%を含む。
【0066】
通気性フィルムは、種々の粒子フィラーで荷重をかけたフィルムを外延的に伸長することによって製作される。伸長は、例えば、J.H.ブリストン(J.H.Briston)による、プラスチックフィルム(Plastics Films)、第2版、ロングマン社(Longman Inc.)、ニューヨーク(1983)、83〜85頁に記載されるようなテンターフレーミング(tenter framing)プロセスにおいて達成されるように、フィルムを横切るように均一に行われてもよい。それに対し、米国特許第4,116,892号及び第5,296,184号に記載されたリングローリング操作におけるように、フィルムは、フィルムを横切って漸増的に伸長されることができ、そこでは伸長された交互平行領域と実質的には伸長されないで残された領域とが共存する。フィルムを伸長することは、フィラー粒子とポリマーマトリックスとの間の接着の局在化した機械的破損を生じる。このような破損は、粒子の周りに空隙構造を作り、フィルムの全域にわたって微細な連続穴の形成を生じる。粒径は、非常に小さな径の屈曲に付随する、偏って大きな毛細管力に起因して、液体の浸透を防ぐように十分に小さい。従って、液体は、多孔性フィルムによって安全に含有される。微細な連続孔は、蒸気の運搬が毛細管力によって阻害されないため、水蒸気を通すことが可能である。孔形成の制御を達成するために、伸長操作の前に、フィラー粒子は、均一且つ非常に微細にフィルムマトリックス内に分散される。本発明のPHA又はPHA/PLAブレンドは、固体粒子表面に対して優れた親和性を有すると考えられ、それによって、直接的に分散され、巨視的な裂け目なく伸長することができる。
【0067】
(4)使い捨て製品
本発明はさらに、PHA/PLAブレンド又は本発明の積層体を含む使い捨て製品に関する。例えば、液透過性のトップシート、本発明のフィルムを含む液体不透過性バックシート(例えば、本発明のPHA/PLAブレンドを含むフィルム)、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収コアとを含む堆肥化可能な吸収物品。そのような吸収物品として、乳幼児用おむつ、成人失禁用ブリーフ及びパッド、並びに女性衛生用パッド及びライナーが挙げられる。使い捨てパーソナルケア製品は、水蒸気をいくらか通しながら液体を含有する通気性製品を包含する。
【0068】
本発明のPHA/PLAブレンド又は積層体を含むさらなる製品には、パーソナル洗浄拭き取り用品;包帯、傷用包帯、傷用洗浄パッド、外科用ガウン、外科用カバー、外科用パッドのような使い捨てヘルスケア製品;ガウン、拭き取り用品、パッド、シーツ及び枕ケースのようなベッド用品、及びフォームマットレスパッドのような、その他の施設用及びヘルスケア使い捨て品が挙げられる。
【0069】
使い捨ておむつなどの本発明の吸収製品で、液体不透過性バックシートとして使用される本発明のフィルム又は積層体は、通常、厚さが0.01mm〜約0.2mm、好ましくは0.012mm〜約0.051mmである。
【0070】
本発明による吸収物品のその他の例は、経血のような膣排泄物を受け入れ収容するように設計される衛生ナプキンである。使い捨て衛生ナプキンは、衣類(例えば、下着又はパンティ)の作用を介して、又は特別に設計されたベルトによって、ヒトの体に隣接して保持されるように設計される。本発明が容易に適合するこの種の衛生ナプキンの例は、米国特許第4,687,478号(1987年8月18日)、及び米国特許第4,589,876号(1986年5月20日)に示される。本明細書に記述されるPHA/PLAブレンドを含む本発明のフィルム又は本発明の積層体は、このような衛生ナプキンの液体不透過性バックシートとして使用してもよいことは明らかである。一方、本発明は、任意の特定の衛生ナプキン構成又は構造に限定されないことが理解される。
【0071】
重要なことには、本発明に従う吸収物品は、ポリオレフィンのような材料(例えば、ポリエチレンバックシート)を使用する従来の吸収物品よりも非常に生分解性及び/又は堆肥化可能である。
【実施例】
【0072】
(実施例1)
この実施例は、好ましいポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及びPLAポリマーを含む2成分ブレンドの加工を示す。特に、約12モル%の3−ヒドロキシヘキサノエートを有する3−ヒドロキシブチレートのポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(以下、PHBHコポリマー)と結晶性ポリ(乳酸)(PLA)ポリマーとを含むブレンドは、キャストフィルム押出成形法を用いて、フィルムへと融解加工される。PHBHの濃度は、PHBH及びPLAの全重量に基づいて10〜70重量%で変動する。約35重量%未満のPHBH濃度に関しては、観測可能な粘着性の残存がないことが予想される。これらのPHBH/PLAフィルムは、純PLAフィルムと比較した場合、低〜中濃度のPHBHをPLAに添加することで、柔軟性がかなり強化されることを示すことが予想される。約40〜65重量%のPHBH濃度に関しては、いくらかの粘着性の残存が予想される。約70重量%を超えるPHBH濃度に関しては、かなりの粘着性の残存が予想される。
【0073】
(実施例2)
この実施例は、好ましいポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、PLAポリマー、及び好ましい感湿ポリマーを含む3成分ブレンドの加工を示す。具体的には、実施例1によるPHBHコポリマー及びPLAポリマー、及びポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーのブレンドは、最初に実施例1の融解配合手順によって調製され、その際PHA濃度は20重量%、PLA濃度は64重量%、及びPEO濃度は16重量%である。配合されたPHBH/PLA/PEOブレンドは、キャストフィルム押出成形法を用いて、フィルムへと融解加工される。これらのPHBH/PLA/PEOフィルムは、実施例1によるPHBH/PLAの20/80及び40/60ブレンドと比較すると、少量のPEOをPHBH/PLAブレンドに追加することで柔軟性がかなり強化され、その際最初のPHBH/PLAブレンドにおけるPHA濃度は、PHBH/PLA/PEOブレンドにおける濃度と同じであり、第二のPHBH/PLAブレンドにおけるPLA濃度はPHBH/PLA/PEOブレンドにおける濃度に近いことがわかる。
【0074】
(実施例3)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーを第一の層に用いた二層積層フィルムの加工を示す。バイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、第二の層において使用し、第一の層と第二の層の比を、20/80、40/60、60/40及び80/20とする。共押出成形プロセスが、二層積層フィルムを製造するために使用される。
【0075】
(実施例4)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーを外側(第一及び第三の)層あるいは中間(第二の)層に用いた三層積層フィルムの加工を示す。バイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、中間(第二の)層又は外側(第一及び第三の)層において使用し、第一の層と第二の層と第三の層の比を、10/80/10、20/60/20、30/40/30及び40/20/40とする。共押出成形プロセスが、三層積層フィルムを製造するために使用される。
【0076】
(実施例5)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーとバイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、外側(第一及び第三の)層あるいは中間(第二の)層に、80/20の比で混合した2成分ブレンドを使用した、ブレンドされた層を含む三層積層フィルムの加工を示す。80/20の比で混合されたバイオマー(biomer)のPLA樹脂、L5000、及び実施例1によるPHAコポリマーの2成分ブレンドを、中間(第二の)層又は外側(第一及び第三の)において使用し、第一の層と第二の層と第三の層の比は、10/80/10、20/60/20、30/40/30及び40/20/40とする。共押出成形プロセスが、ブレンドされた層を含む三層積層フィルムを製造するために使用される。
【0077】
(実施例6)
100g/m2、27.5体積%の炭酸カルシウムで荷重をかけたPHBH樹脂キャストフィルムは、二軸に配向され、水蒸気透湿度に関して評価される。各サンプルは、縦方向において400%伸長され、5秒間保持される。次いで、サンプルは、横方向において0%、50%、100%、150%、250%、及び400%伸長される。各サンプルを伸長した位置で5秒間保持する。次いで、サンプルを水蒸気透湿度に関して試験する。縦方向において伸長されたフィルムは、比較的低い水蒸気推移速度しか有さないことが予想される。横方向における伸長の量が増加するにつれて、水蒸気推移速度は、伸長していないフィルムよりも数倍(すなわち、4〜30倍)の値まで増加する。
【0078】
すべての特許、特許出願(及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願)、及び本説明に挙げた発行物の開示内容は、参考として本明細書に組み込まれる。但し、本明細書に参考として組み込まれた文献のいずれも、本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
【0079】
本発明の特定の実施形態を図示し記述しているが、本発明の開示を考慮して、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者には明白である。本発明の範囲内におけるこのような変形及び変更の全ては、添付の請求項に包含されることを意図するものである。
【0001】
本明細書は、2001年3月27日に出願された米国特許出願第60/278,948号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA)/ポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)ブレンドを含む環境分解性フィルムに関する。PHAコポリマーを含む第一の層と、PLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを有する積層体もまた、開示されている。フィルム又は積層体は、使い捨て物品を作製するために使用される。
【背景技術】
【0003】
本発明は、埋立処分される物質に占める体積分率が上昇している過剰なプラスチックゴミという増大する環境問題を解決するための必要性に関する。生分解性ポリマー及び生分解性ポリマーから形成される製品は、消費者が毎年生成する固体廃棄物量の減少を望むという観点から、益々重要になってきている。本発明は、さらに、生分解性、堆肥化性、又は生体適合性が用途の主な望ましい特徴である、こうした用途に用い得る、新しいプラスチック材料を開発する必要性に関する。分解性物品を製造するために多数の試みがなされてきた。しかし、費用、加工の困難さ、及び最終用途の特性から、商業的な成功はほとんどない。卓越した分解性を有する多数の組成物は、限られた加工性しか持たない。逆に、より容易に加工できる組成物は分解性が低い。
【0004】
従来の使い捨て吸収製品は、すでにかなりの程度まで堆肥化可能である。典型的な使い捨ておむつは、例えば、約80%の堆肥化可能な材料(例えば、木材パルプ繊維等)からなる。それにもかかわらず、吸収物品におけるポリエチレンバックシートを、堆肥化可能な材料の液体不透過性フィルムと交換することは特に必要である。というのは、バックシートは、典型的には、従来の使い捨て吸収物品中の最も大きな堆肥化可能でない構成要素の1つであるからである。
【0005】
より容認可能な最終用途特性を有するフィルムを製造するには、容認可能な分解性ポリマーを選択することが課題である。分解性ポリマーは、変換ライン上での稼動を含む従来のフィルム加工法が使用可能であるように、熱可塑性であるべきである。さらに、フィルム又は大きなフィルム切片が堆肥化の最初の段階の間に非常に小さな粒子にまで最初の破壊を受けることが重要である。
【0006】
それに加えて、多湿の蓄積に関連する不快さを最小限にするために、使い捨て衛生製品の通気性に対する関心が浮上してきた。水蒸気をいくらか通すことが可能でありながら液体を含有することができる通気性フィルムは、このような製品を構築する際に特別の関心が持たれる。孔径を制御することは、伸長操作の前に、フィラー粒子を均一且つ非常に微細にフィルムマトリックス内に分散することによって達成される。ポリオレフィンのような材料は、フィラー表面に対して低い親和性を有するため、粒子の良好な分散性を得ることが困難である。ポリエステルは、多くの固体表面に対してよりよい親和性を有し、その結果、粒子は、より容易に広がる傾向があるが、相互作用が強すぎる場合、伸長の間に孔を作るためのフィラーとフィルムマトリックスとの間の界面での所望する機械的破損が起こらない。フィラーとの中程度のレベルの相互作用を有する材料は、通気性フィルムのために必要とされる。さらに、このような材料は、伸長の間に大きな裂け目を生じるような巨視的な機械的破損を防ぐために実質的に延性でなければならない。例えば、ポリエチレンテレフタレートのような典型的な芳香族ポリエステルは、個々のフィラー粒子の周りに局在化した機械的破損を含有するには脆性でありすぎる。
【0007】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、合成的な方法によって、又は細菌若しくは藻類のような様々な微生物によって製造できる、一般的に半結晶性の熱可塑性ポリエステル化合物である。後者は、典型的には、光学的に純粋な物質を製造する。従来既知の細菌性PHAには、アイソタクチックポリ(3−ヒドロキシブチレート)即ちPHB、高融解、高結晶化度で、非常に壊れやすく/脆性の、ヒドロキシ酪酸のホモポリマー、及びアイソタクチックポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−バレレート)即ちPHBV、やや結晶化度が低く、より低融解のコポリマーであるが、それにも関わらず高結晶化度、及び壊れやすく/脆性という同じ欠点を有するコポリマーが挙げられる。PHBVコポリマーは、米国特許第4,393,167号及び第4,477,654号(ホルムス(Holmes)ら)に記載されており、最近までバイオポル(BIOPOL)の商品名でモンサント(Monsanto)より市販されていた。微生物の存在下で容易に生分解する能力は、数多くの事例で実証されてきた。低い結晶化速度に起因して、PHBVから作製されたフィルムは、冷却した後でさえ自身に対して粘着性であり、PHBVのかなりの部分が長い間非晶性で粘着性なままである。キャストフィルム操作及びブロウンフィルムの両方において、残った粘着性は、加工を制限する。
【0008】
他の既知のPHAは、例えば、アイソタクチックポリヒドロキシオクタノエート(PHO)のような、いわゆる中〜長側鎖のPHAである。これらは、PHB又はPHBVとは異なり、反復するペンチルと、主鎖に沿って規則的に間隔をあけられた高級アルキル側鎖とのため、事実上、非晶性である。但し、その結晶性部分は、存在する場合、融点が非常に低く、並びに結晶化速度が極めて遅い。例えば、本願に参考として組み込まれる、ガニオン(Gagnon)ら著、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、25、3723〜3728頁(1992)は、融解温度が約61℃であること、及び最適結晶化温度で最大結晶化度に達するまで約3週間を要することを示している。
【0009】
さらに、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)コポリマー組成物は、カネカ(Kaneka)(米国特許第5,292,860号)及びプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)(米国特許第5,498,692号、第5,536,564号、第5,602,227号、第5,685,756号)によって開示されている。これらすべては、結晶化プロセスを部分的に妨げる制御された量の「欠陥」を主鎖に沿ってランダムに組み込むことによって、PHAの結晶化度及び融点を、高結晶化度のPHB又はPHBVでの値よりも低い、いかなる望ましい値にも調整する、様々な手法を記載している。そのような「欠陥」は、様々なタイプの分枝(3−ヒドロキシヘキサノエート及びそれ以上)又は、より短い(3HP、3−ヒドロキシプロピオネート)若しくはより長い(4HB、4−ヒドロキシブチレート)直鎖脂肪族可撓性スペーサのいずれかである。その成果は、80℃〜150℃の範囲の典型的な使用で融解するように調整され得る、及び処理加工の間に熱分解をより受けにくい、半結晶性コポリマー構造である。加えて、これらのコポリマーの生分解速度は、その低い結晶化度、及び微生物に対する高い感受性の結果として、より高くなっている。しかし、こうしたコポリマーの機械的特性及び融解処理条件は、一般的にPHB又はPHBVより改善しているのに対して、その結晶化速度は、特質上遅く、多くの場合PHB及びPHBVより遅い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、一般的に、これらのより新しいPHAコポリマー、並びに他の生分解性ポリマーを従来の融解方法によって有用な形態へと変換することはかなりの難題であった。上記のポリマーは、融解から冷却された後、かなり粘着性が残っており、特に、10重量%を超える非晶性成分濃度のPHAコポリマーの場合、十分な結晶化度に達成するまでそのようなままである。粘着が残っていると、典型的には材料がそれ自身と、又は加工装置と、又はその両方とくっつく結果となり、そのためポリマー製品が製造される速度を制限するか、又は好適な品質形態で製品が収集されるのを妨げる可能性がある。その結果、安価で融解加工可能な分解性ポリマーの組成物への必要性が存在する。さらに、ポリマー組成物は、従来の加工装置での使用に好適である必要がある。これらのフィルムから作製された使い捨て物品の必要性もまた存在する。通気性フィルムの製作に関して、良好な粒子分散性のために固体フィラー表面に関して適度の親和性を有し、伸長の際に微細な孔を作るための局在化した機械的破損のみを有するために柔軟性でかつ延性である、環境分解性材料を開発する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA)及びポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)を含む環境分解性融解加工されたブレンドフィルムが開示される。本明細書に記述されるようなPHAコポリマーを含む第一の層と、本明細書に記載されるようなPLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを含む積層体もまた開示される。こうしたブレンドされた組成物又は積層体は、一般に、PHAコポリマー単独又はPLAポリマー若しくはコポリマー単独と比較して、1つ又はそれ以上の特性において異なる及び改良された材料特性を提供する。ブレンドされた材料又は積層体が異なる及び改良された特性は、例えば、硬度/柔軟性、脆性/可撓性、粘着、べたつき、靭性、延性、加工性、不透明性/透明性、又は通気性のいずれか1つである。さらに、PHAと粒子フィラーとを含む通気性フィルムが開示される。環境分解性フィルムを含む使い捨て物品もまた開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用されるコポリマー組成物は、モル%においてである。本明細書で使用される全ての他のパーセント、比率及び割合は、特に指定しない限り、組成物の重量パーセントによる。
【0013】
本明細書は、(1)本発明の材料、(2)フィルム又は積層体の特性、(3)フィルム又は積層体の製造方法、及び(4)使い捨て製品の詳細な記述を含む。
【0014】
本発明は、環境分解性ポリマーを含むフィルム又は積層体に向けられる。第一のポリマーは、生分解性であり、後述するポリヒドロキシアルカノエートコポリマーである。第二のポリマーは、後述する環境分解性PLAポリマーである。ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、フィルム又は積層体を迅速に環境分解可能にする。第二のPLAポリマーは、ポリマーブレンドを加工可能にし、ポリヒドロキシアルカノエートポリマーに一般に付随するべたつきの低減に役立つ。
【0015】
本発明はまた、環境分解性ポリマーを含む通気性フィルムに向けられる。後述のようなポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及び粒子フィラー。環境分解性PLAポリマーもまた、通気性フィルムに包含されてもよい。
【0016】
(1)材料
(ポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(PHA))
生分解性フィルム又は積層体は、一部は、少なくとも2つのランダムに反復するモノマー単位(RRMU)を含む第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを少なくとも含む組成物から形成される。第一のRRMUは構造(I)を有し、
【0017】
【化1】
[式中、R1はH、又はC1若しくはC2アルキルであり、nは1又は2である]
好ましい実施形態において、R1は、メチル基(CH3)である。第一のRRMUのさらに好ましい実施形態では、R1がメチルで、nが1であり、よって、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、3−ヒドロキシブチレート単位を含む。
【0018】
生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーに包含される第二のRRMUは、以下の構造(II)、
【0019】
【化2】
[式中、R2はC3〜C19アルキル又はC3〜C19アルケニルである]
及び(III)
【0020】
【化3】
[式中、mは、2〜約9である]
から成る群から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。一般に、式(II)のRRMUにおいて、R2の長さは、ある程度、コポリマーの全体的な結晶化度の低下に影響を及ぼす。好ましい実施形態では、R2はC3〜C15アルキル基又はアルケニル基である。さらに好ましい実施形態では、R2はC3〜C9アルキル基であり、さらに好ましい実施形態では、R2はC5又はC7アルキル基である。別の好ましい実施形態では、R2はC15〜C19アルキル又はアルケニル基である。好ましくは、mは2〜5であり、より好ましくはmは3である。さらに、式(II)のRRMUでは、一般に(CH2)mの長さは、ある程度、コポリマーの全体的な結晶化度の低下に影響を及ぼす。好ましい実施形態では、mは2〜9であり、より好ましくは2〜5である。さらに好ましい実施形態では、mは3である。
【0021】
好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート組成物を使用した場合にフィルムが示す物理的特性の有利な組み合わせを得るには、コポリマーの少なくとも約50モル%が、式(I)の第一のRRMUの構造を有するRRMUを含む。好適には、コポリマー中の第一のRRMUと第二のRRMUのモル比は、約50:50〜約98:2の範囲にある。より好ましくは、モル比は約75:20〜約95:5の範囲にあり、一層より好ましくは、モル比は約80:20〜約90:10の範囲にある。それに加えて、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、適切には、約150,000g/モルより大きい数平均分子量を有し、さらにTm1で表される融点を有する。
【0022】
複合フィルムの組成物中で用いられる第一のポリヒドロキシアルカノエートコポリマーのさらなる実施形態では、1つ又はそれ以上の追加のRRMUが包含されてもよい。好適には、追加のRRMUは、以下の構造(IV)を有することができ、
【0023】
【化4】
[式中、R5はH、又はC1〜C19アルキル若しくはアルケニル基であり、sは1又は2である]
但し、追加のRRMUは第一又は第二のRRMUと同一ではないことを条件とする。
【0024】
さらに好ましい実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエート組成物は、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー若しくはコポリマー、又はそれらのブレンドをさらに含む。好ましい第二のPHAポリマー又はコポリマーは、構造(V)を有する少なくとも1つのランダムに反復するモノマーを含み、
【0025】
【化5】
[式中、R3はH、又はC1若しくはC2アルキルであり、pは1又は2である]
好ましい実施形態において、R3はメチル基(CH3)である。さらに好ましい実施形態では、R3はメチルであり、pは1であり、よって第二のポリヒドロキシアルカノエートポリマーは、3−ヒドロキシブチレート単位を含む。さらに好ましい実施形態では、第二のポリヒドロキシアルカノエートポリマーはポリヒドロキシブチレートホモポリマーである。任意選択的に、第二の環境分解性ポリマーは、下記構造(VI)、
【0026】
【化6】
[式中、R4はC2〜C19アルキル又はC2〜C19アルケニルである]
及び(VII)、
【0027】
【化7】
[式中、qは2〜約16である]
から成る群から選択される、2つ又はそれ以上の追加的なランダムに反復するモノマー単位を含む。構造(VII)のモノマーを含む第二のRRMUに関して、好ましい実施形態では、qは2〜約10であり、より好ましくは約4〜約8である。さらに好ましい実施形態では、qは約5である。追加的なランダムに反復するモノマー単位は、存在する場合、全モノマー単位の25%以下に、好ましくは15%未満に相当し、その際第二のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー又はコポリマーは、好適には約50,000g/モルを超える数平均分子量を有する。さらに、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートは第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの融点Tm1より少なくとも約20℃高い融点Tm2を有し、その結果、式Tm2>Tm1+20℃が満足される。融点の値は一般にDSC(示差走査熱量計)により決定され、例えばASTM D 3418に概説された方法を用いて、DSCの加熱走査において観察される、最高の吸熱ピーク温度として解釈される。理論により縛られることを意図しないが、適切なブレンド組成物、構造、及び高レベルの分散が達成されれば、第二の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートは第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの核生成剤として働くことができ、それにより第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートの結晶化速度を改善することができると考えられている。
【0028】
第二のポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを上述のように使用すると、PHA組成物の大部分が第一の生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーを含み、よって第二の生分解性PHAは第一のコポリマーの連続相又はマトリックス全体に微細に分散され、第一のコポリマーの結晶化速度及び/又は物理特性を改良するのに十分な量で包含される。1つの実施形態では、組成物は、第一及び第二のPHAコポリマーの総重量の約0.01重量%〜約10重量%の第二のPHAコポリマーを含む。より具体的な実施形態では、組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の第二のPHAを含む。さらにより具体的な実施形態では、組成物は、約0.1重量%〜約3重量%の第二のPHAコポリマーを含む。
【0029】
生分解性ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、例えば、ノダ(Noda)によって米国特許第5,618,855号に、及びノダ(Noda)らによって米国特許第5,942,597号に開示されているように(いずれも本願に参考として組み込まれる)、化学的又は生物学的方法により合成することができる。
【0030】
コポリマーは、組成物中に連続相として存在してもよい。組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーの組み合わせ、又は他のポリマー構成成分、例えば追加のポリエステル構成成分等との組み合わせを包含してもよい。
【0031】
PHAコポリマーは、固体粒子表面に対して優れた親和性を有し、それによって通気性フィルムの製造における伸長工程の間、このような粒子の直接的な分散を可能にする。PHAコポリマーは、巨視的な裂け目なく伸長することができる。
【0032】
典型的には、ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーは、ブレンド中に、フィルムの5重量%〜95重量%、又は10重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、及び最も好ましくは40重量%〜60重量%の量で存在する。
【0033】
(環境分解性熱可塑性PLAポリマー又はコポリマー)
実質的にPHAと相溶性のある環境分解性熱可塑性PLAポリマー又はコポリマーもまた、本発明で使用されてもよい。本明細書で使用する時、用語「実質的に相溶性のある」とは、組成物の軟化及び/又は融解温度を超える温度に加熱された時、ポリマーが剪断力又は伸張によって混合された後でPHAとの実質的に均一な混合物を形成できることを意味する。使用されるPLAポリマー又はコポリマーは、加熱と同時に流動して加工可能な融解物を形成し、結晶化又はガラス化の結果再固化することができなければならない。
【0034】
PLAポリマー又はコポリマーは、加工性のために十分に低く、けれどもフィルムの使用時の熱安定性のために十分に高い融解温度を有さなければならない。好適な融解温度は約80℃〜約190℃であり、好ましくは約90℃〜約180℃である。好ましいのは、約160℃〜約175℃の融解温度を有するポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーである。ポリマーには、フィルム加工に適したレオロジー特質がなければならない。
環境分解性熱可塑性PLAポリマーは、キャストフィルム押出成形法又はブロウンフィルム押出成形法として既知の方法で一般的に遭遇するような、好ましくは伸張的流れの下で、かなり短時間で固結化し、熱的に安定なフィルム構造を形成することができなければならない。
【0035】
本明細書での使用に好適な環境分解性PLAポリマーは、加水分解的に分解を生じやすい物質、地中に埋められるか又はその他の方法によって微生物と接触(微生物の成長を招く水性又は生理食塩水環境条件での接触を包含する)した時に、カビ、菌類、又は細菌のような微生物によって同化される加水分解生成物である。好適なPLAポリマーには、加水分解生成物が好気性又は嫌気性消化処理を用いて、又は日光、雨、湿気、風、温度等の環境要素への暴露の効果によって分解できる物質も挙げられる。PLAポリマーは、ポリマーが生物学的及び/又は環境的手段によって分解可能であることを条件として、個別に使用することも、ポリマーの組み合わせとして使用することもできる。
【0036】
本明細書に用いるのに好適な好ましい乳酸ポリマー又はラクチドポリマーの具体的な例には、一般に産業界で「PLA」と呼ばれるポリ乳酸ベースのポリマー又はポリラクチドベースのポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。従って、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」及び「PLA」は、互換可能に使用されて、特定のモノマーから形成されるポリマー又は最小の反復するモノマー単位で構成されるポリマーのポリマー特質に基づいて、乳酸又はラクチドのホモポリマー又はコポリマーを包含する。但し、用語「ポリ乳酸」、「ポリラクチド」、及び「PLA」は、ポリマーが形成される方式に関して限定することを意図するものではないことは理解されるべきである。
【0037】
ポリ乳酸又はポリラクチドポリマーは一般に、次の式に適合する乳酸残基反復するモノマー単位を有する。
【0038】
【化8】
【0039】
典型的に、乳酸又はラクチドの重合は、少なくとも約50重量%の乳酸残基反復する単位、ラクチド残基反復する単位、又はそれらの組み合わせを含むポリマーを生じる。これらの乳酸及びラクチドポリマーは、乳酸及び/又はラクチドのランダム及び/又はブロックコポリマーのようなホモポリマー及びコポリマーを包含する。乳酸残基反復するモノマー単位は、L−乳酸、D−乳酸、又はD,L−乳酸、好ましくはL−異性体濃度が75%までのものから得ることができる。
【0040】
分解性ポリマーの分子量は、ポリマー分子間のもつれを可能にするのに十分に高く、しかし融解加工されるために十分に低くなければならない。融解加工のためには、PLAポリマー又はコポリマーは、約10,000g/モル〜約600,000g/モル、好ましくは500,000g/モル又は400,000g/モルを超えない、さらに好ましくは約50,000g/モル〜約300,000g/モル又は30,000g/モル〜約400,000g/モル、及び最も好ましくは約100,000g/モル〜約250,000g/モル、又は50,000g/モル〜約200,000g/モルの重量平均分子量を有する。市販のポリ乳酸ポリマーの例には、クロノポール社(Chronopol Inc.)(コロラド州ゴールデン(Golden,CO))より入手可能な種々のポリ乳酸、又はエコPLA(EcoPLA)(登録商標)の商標名で販売されているポリラクチドが挙げられる。好適な市販ポリ乳酸のさらなる例としては、カーギル・ダウ(Cargill Dow)のネイチャーワークス(NATUREWORKS)、三井化学(Mitsui Chemical)のレーシー(LACEA)、又はバイオマー(Biomer)のPLA樹脂L5000が挙げられる。PLAを使用する時、PLAは半晶性の形態であることが好ましい。半晶性PLAを形成するには、好ましくはポリラクチド中の反復する単位の少なくとも90モル%が、一層さらに好ましくは少なくとも95モル%が、L−又はD−ラクチドのいずれか1つである。加工は、結晶形成を促進するような方法、例えば、外延配向を用いて行われる。
【0041】
使用される特定のポリマー、方法、及びフィルム又は積層体の最終用途によっては、2以上のポリマーが望ましい場合がある。例えば、約160℃〜約175℃の融点を持つ結晶可能なポリ乳酸が使用される場合、他方のポリ乳酸よりも低い融点及び低い結晶化度を有する第二のポリ乳酸及び/又はより高いコポリマー濃度を使用してもよい。あるいは、脂肪族芳香族ポリエステルを結晶可能なポリ乳酸と共に使用してもよい。
【0042】
典型的には、PLAポリマー又はコポリマーは、ブレンド中に、フィルムの5重量%〜95重量%、又は10重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜80重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、及び最も好ましくは40重量%〜60重量%の量で存在する。PLAポリマー又はコポリマーは、PHA及び粒子フィラーを含む通気性フィルム中に、約0〜約50%の量で存在してもよい。
【0043】
(さらなる成分)
本発明では可塑剤を使用することができる。可塑剤は、組成物の特性を有効に変えるよう、本発明のポリマー構成成分と十分に相溶性がある。一般に、可塑剤はポリマー製品の弾性率及び引張り強度を低下させ、並びに極限引張伸度、衝撃強度、及び引き裂き強度を増大する傾向がある。可塑剤はまた、組成物の融点を低下させて、それによって低温での融解加工を可能にするため、並びにエネルギー必要量及び熱劣化を最小限に抑えるために使用されてもよい。但し、可塑剤は、上述の特性の有利な組み合わせを得るために一般に必要とされない。
【0044】
可塑剤の非限定例には、ヒドロキシル可塑剤、糖アルコール、ポリオール、ヒドロキシル基を持たない水素結合形成有機化合物(尿素及び尿素誘導体、糖アルコールの無水物、動物タンパク質、植物タンパク質、生分解性有機酸エステル、脂肪酸等を包含する)が挙げられる。さらなる好適な可塑剤は、上記で参照された米国特許第3,182,036号及び第5,231,148号に記載されている可塑剤である。可塑剤は、単独で使用してもその混合物で使用してもよい。好適な分子量は約20,000g/モル未満、好ましくは約5,000g/モル未満、及びより好ましくは約1,000g/モル未満である。最終フィルム組成物中の可塑剤の量は、存在する場合、約2%〜約70%、より好ましくは約5%〜約55%、最も好ましくは約10%〜約50%である。
【0045】
任意選択的に、組成物の約50重量%未満、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、さらに好ましくは約0.1重量%〜約12重量%の量で他の成分が組成物に組み入れられてもよい。加工性を変えるため及び/又は最終製品の弾性、引張り強度及び弾性率のような物理的特性を変えるために、任意選択の材料を使用してもよい。他の利益には、酸化安定性を包含する安定性、輝度、色、可撓性、弾力性、作業性、加工助剤、粘度調節剤、及び抑臭が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
他の任意成分の非限定例には、より簡単に加水分解性に分裂可能な、従って生分解性が高められた芳香族/脂肪族ポリエステルコポリマーが挙げられ、例えば米国特許第5,053,482号、第5,097,004号、第5,097,005号、及び第5,295,985号に記載されているもの、生分解性脂肪族ポリエステルアミドポリマー、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリオールから誘導されるポリエステル又はポリウレタン(即ち、ジアルカノイルポリマー)、ポリエチレン/ビニルアルコールコポリマーを包含するポリアミド、セルロースエステル又はその可塑化誘導体、塩、スリップ剤、核生成剤のような結晶化促進剤、結晶化遅延剤、臭気マスキング剤、架橋剤、乳化剤、界面活性剤、シクロデキストリン、潤滑剤、その他の加工助剤、光学的光沢剤、酸化防止剤、難燃剤、染料、顔料、フィラー、タンパク質及びそのアルカリ塩、ろう、粘着付与樹脂、増量剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、又はこれらの混合物が挙げられる。スリップ剤は、フィルムの粘着性又は摩擦係数の低下を助けるために使用できる。また、スリップ剤を、フィルムの安定性、特に多湿又は高温における安定性を改良するために使用してもよい。好適なスリップ剤はポリエチレンである。塩は、フィルムの水反応性を高めるために融解物に添加してもよく、又は加工助剤として使用してもよい。塩は結合剤の溶解性の低下を助ける機能もあるため、溶解しないが、水に入れられるか流された時に、塩が溶解して結合剤の溶解を可能にし、水反応性のより高い製品を作る。
【0047】
通気性フィルムの製作は、種々の粒子フィラーで荷重をかけたフィルムを外延的に伸長することを包含する。このようなフィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、雲母、カオリン、プラスチックビーズ、ラテックス等の、無機若しくは有機固体の種々の型が挙げられる。無機フィラーとしては、さらに、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、又はチタンの酸化物;含水ケイ酸マグネシウム、二酸化チタン、粘度、泥、チョーク、窒化ホウ素、石灰、珪藻土、ガラス、水晶、又はセラミックのようなフィラーが挙げられる。粒子フィラーは、典型的に、特有の成分及び通気性フィルムの使用に基づいて、約1〜約50%の量で存在する。
【0048】
その他の成分のさらなる例は、本発明の開示を考慮すれば当業者には既知である。
【0049】
(2)フィルム又は積層体の特性
本発明は、米国特許第5,498,692号に記載されるようなフィルム又は積層体の形態であり、本明細書に記述されるようなブレンドされた組成物又は積層された組成物を使用する。本明細書で使用される時、「ブレンド」とは、2つ以上の成分を有する組成物(すなわち、PHAとPLA、又はPHAと粒子フィラー)を意味する。本明細書で使用する時、「フィルム」とは、長さと厚さの比が大きく、幅と厚さの比が大きい、きわめて薄い連続物質片を意味する。厚さの正確な上限の条件はないが、好ましい上限は、0.254mm、より好ましくはさらに約0.01mm、より好ましくはさらに約0.005mmである。任意のフィルムの保護的価値は、その連続性(すなわち、穴又は裂け目がないこと)に依存する。通気性フィルムは、分散した粒子フィラーを含み、このフィルムは、液体の浸透を防ぎ、水蒸気を通す連続孔を製造するために伸長される。通気性フィルムは、多層(multiplayer)フィルムの1つの層であってもよい。フィルムは、多層フィルム、すなわち積層体又は複合体であってもよい。積層体は、共に結合している2つ以上のフィルムとして定義される。積層体は、本明細書に説明されるようなブレンドされたPHA/PLA組成物を含む1つ以上の層を有してもよい。別の実施形態において、積層体は、本明細書に記述されるようなPHAコポリマーを含む第一の層と、本明細書に説明されるようなPLAポリマー又はコポリマーを含む第二の層とを有してもよい。積層体は、PHAコポリマーを含む第一の層と、PHA/PLAブレンドを含む第二の層と、PLAを含む第三の層とを有するか、又は所望の層のいかなる組み合わせを有してもよい。使用されるように、第一の層、第二の層、又は第三の層という用語は、単に別個の層を記述するために使用され、層の位置に関して限定することを意図するものではない。
【0050】
本発明のフィルムは、多様な使い捨て製品に使用されることができ、それには、使い捨ておむつ、シュリンクラップ(例えば食品用ラップ、消費者製品用ラップ、運送用パレット及び/又は枠箱用のラップなど)、又は袋(食料雑貨用袋、食品保存用袋、サンドイッチ用袋、再密封可能な「ジップロック(Ziploc(登録商標))」型袋、ゴミ袋など)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の1つの実施形態において、フィルムは、液体不透過性のバックシート又は穴を開けられたトップシートであり、使い捨ておむつ、女性用衛生製品などのような吸収性の使い捨て衛生衣類における使用のために適している。本発明のフィルムは、さらなる生分解性及び/又は堆肥化性に加えて、米国特許第5,990,271号に説明されるような特性を有していてもよい。
【0051】
本発明において製造されるフィルム又は積層体は、環境分解性である。「環境分解性」とは、生分解性、崩壊性、「水反応性」、分散性、水洗可能、又は堆肥化可能性又はそれらの組み合わせと定義される。本発明において、フィルム、多層フィルム(積層体)及び物品は、環境分解性である。その結果、フィルム又は積層体は既存の堆肥化施設に容易かつ安全に廃棄できるか又は水洗可能であって、既存の下水基盤システムに有害な影響を与えることなく安全に排水に流すことができる。本発明のフィルム又は積層体の環境分解性は、使い捨て物品に使用した後のこうした材料の環境への蓄積という問題に解決策を提供する。拭き取り用品及び女性用衛生用品のような使い捨て製品に使用した場合、本発明のフィルムの水洗可能性は、消費者に追加の簡便さ及び分離性を提供する。生分解性、崩壊性、「水処理能」、分散性、堆肥化性、及び水洗可能性にはすべて異なる基準があり、異なる試験で評価されるが、一般に、本発明のフィルム又は積層体はこれらの基準の2つ以上に適合する。
【0052】
一般に、PLAポリマー又はコポリマーは、PHAコポリマーよりも分解に時間がかかる。本発明のブレンドのPHAコポリマー構成要素は、微生物又は酵素活性によって容易に分解し、それによってPLA構成要素の加水分解が一層しやすく、加水分解を促進する多孔質構造を形成し、その後PLA加水分解生成物の生分解が続く。
【0053】
生分解性は、物質が好気性及び/又は嫌気性環境に暴露された時に、最終的結果が、微生物、加水分解、及び/又は化学的作用によるモノマー成分への還元を意味すると定義される。好気性条件下では、生分解によって材料は二酸化炭素及び水のような最終生成物に変換される。嫌気性条件下では、生分解によって材料は二酸化炭素、水及びメタンに変換される。生分解性プロセスは、無機化と表されることが多い。生分解性とは、フィルムのすべての有機要素が生物活性によって最終的に分解することを意味する。
【0054】
種々の異なる標準化された生分解性方法が、種々の組織及び異なる国々で確立されてきた。試験は個々の試験条件、評価方法、及び望ましい判断基準において様々であるが、異なるプロトコルの間には合理的収束があるため、大部分の材料に関して類似した結論に至る可能性が高い。好気的生分解性については、米国材料試験協会(ASTM)がASTM D 5338−92:制御された堆肥化条件でのプラスチック材料の好気的生分解の測定試験方法(Test Methods for Determining Aerobic Biodegradation of Plastic Materials Under Controlled Composting Conditions)を制定している。前記試験は、58℃の高温で保持された活性堆肥の存在下での微生物による同化の結果として放出される二酸化炭素の量を測定することによって、鉱化する試験材料のパーセントを時間の関数として測定する。二酸化炭素発生試験は、電解呼吸測定法により実施してもよい。経済協力開発機構(OECD)の301Bのような、他の標準プロトコルも使用してもよい。無酸素における標準生分解試験は、ASTM D 5511−94のような種々のプロトコルに記載されている。これらの試験は、嫌気性固形廃棄物処理施設又は衛生埋立地における材料の生分解性を模擬するために使用される。
【0055】
本発明のフィルム又は積層体は、迅速に生分解可能であってもよい。これは、定量的に、所定の時間の後に、二酸化炭素に変換された材料のパーセントの観点で定義される。崩壊もまた起こってもよい。崩壊は、フィルム又は積層体が堆肥化された時にふるい後に識別不可能なほど、又は流された時に配水管の詰まりを引き起こさないほど小さい部分に短時間に細分化及び分解する能力がある時に発生する。崩壊性物質はまた、水洗可能であってもよい。崩壊性のプロトコルの大部分は、種々のマトリックスに暴露した時の時間の経過による試験材料の重量損失を測定する。好気的及び嫌気的崩壊試験の両方が使用される。重量損失は、試験材料を廃水及びスラッジに暴露した後、1ミリメートルの開口部を有する18メッシュのふるいにもはや回収されない材料の量によって決定される。崩壊に関して、初期試料の重量とふるい上に回収された試料の乾燥重量の差が、崩壊の速度と程度を決定する。生分解性及び崩壊に関する試験は、本質的に同じ環境が試験に使用されるために、類似している。崩壊を決定するために、残った材料の重量を測定し、一方、生分解性に関しては、発生した気体を測定する。
【0056】
本発明のフィルム又は積層体はまた、堆肥化可能でもある。ASTMは、堆肥化性の試験方法及び規格を作成した。試験は、生分解性、崩壊、及び環境毒性の欠如、という3つの特質を評価する。生分解性及び崩壊を評価するための試験は、上に述べられている。堆肥化性の生分解性基準に適合するには、材料は40日以内に少なくとも約60%が二酸化炭素への変換を達成しなければならない。崩壊基準については、材料は、廃棄製品で有すると考えられる実際の形状及び厚さで、2ミリメートルのふるい上に残るものが試験材料の10%未満でなければならない。最後の基準、環境毒性の欠如を判断するには、生分解生成物が種子の発芽及び植物の成長に悪影響を示してはならない。この基準のための試験が、OECD208に詳述されている。国際生分解性製品研究所(International Biodegradable Products Institute)は、ASTM6400−99規格への適合が確認された製品に堆肥化可能性を示すロゴを発行する予定である。プロトコルは、1回の堆肥化サイクルで完全に分解できる材料の最大厚さを決定するドイツのDIN54900に従っている。
【0057】
本発明のフィルムは、熱接着性であってもよい。熱接着性フィルムは、加圧熱及び通気熱接着方法に必要である。フィルムはまた、積層されているか又は熱シールされていてもよい。より低い融点のポリマーは、熱シールのために望ましくあり得る。複数の材料が、熱シールにとっての最適条件を達成するために好ましくあり得る。PLAとブレンドされたPHAを含むフィルム、又はPHAコポリマー層及びPLAポリマー若しくはコポリマー層を含む積層体は、フィルムの結合特質を向上させることができる。
【0058】
(3)フィルム又は積層体の製造方法
さらなる環境分解性及び/又は堆肥化性を有する本発明のフィルム又は積層体は、従来のフィルム作製装置で単一フィルム又は多層フィルムを製造するための従来の手順を用いて加工されてもよい。本発明のPHA/PLAブレンドのペレットは、まず乾燥ブレンドされ、次いで、フィルム押出成形機中で融解ブレンドすることによって作製することができる。別の方法としては、フィルム押出成形機で不十分な混合が生じるのであれば、ペレットを、先ず乾燥ブレンドし、次いで予備配合押出成形機にて融解混合し、その後、フィルム押出成形に先立って再ペレット化する。
【0059】
本発明のPHA/PLAブレンドは、融解加工して、キャスト又はブロウンフィルム押出成形法のいずれかにより、フィルムにすることができ、両技術ともアランA.グリフ(Allan A.Griff)著、プラスチック押出成形技術(Plastics Extrusion Technology)−第2版(バン・ノストランド・ラインホルド(Van Nostrand Reinhold)−1976年)に記載されている。キャストフィルムを線状スロットダイを介して押し出す。一般に、大型の移動する磨いた金属ロールの上で平らなウエブを冷却する。迅速に冷却し、この第一のロールから剥がし、1つ以上の補助冷却ロールを通し、次いで一連のゴムがコーティングされたプルロール又は「ホールオフ(haul-off)」ロールを通し、最終的に巻き取り機に達する。
【0060】
ブロウンフィルム押出成形では、薄い環状のダイ開口部を介して融解物を上方に押し出す。このプロセスを管状フィルム押出成形とも言う。ダイの中央部を介して空気を導入して管を膨張させ、それによって拡張させる。従って、内部空気圧を制御することによって一定の大きさに保たれる動く気泡が形成される。管を囲む1つ以上の冷却リングを介して吹き付けることにより、フィルムの管を空気で冷却する。次いで、一対のプルロールを介して折畳み枠及び巻き取り機の中にそれを引きこむことによって管をつぶす。バックシート適用のために、それに続いて、平坦にした管状フィルムを切り裂いて開き、広げ、製品での使用に適当な幅にさらに細長く切る。
【0061】
単層又は多層フィルム構造を製造するのにキャストフィルム法及びブロウンフィルム法の両方を用いることができる。単一の熱可塑性材料又は熱可塑性成分のブレンドから単層フィルムを製造するには、単一の押出成形機及び単一のマニホールドダイのみを必要とする。
本発明の多層フィルム又は積層体を製造するには、共押出成形法が用いられるのが好ましい。かかる加工法は、多層フィルム構造を達成するのに、2つ以上の押出成形機及び共押出成形用フィードブロック又はマルチマニホールドダイシステムのいずれか、又はその2つの組み合わせを必要とする。
【0062】
米国特許第4,152,387号、第4,197,069号は、共押出成形のフィードブロック原理を開示する。複数の押出成形機がフィードブロックに連結され、フィードブロックは、流路を通るポリマーの容量に直接関係して、それぞれの個々の流路の幾何寸法を比例的に変化させる、可動流れ分割機を使用する。その流路は、合流点において、材料が共に同じ流速及び圧力で流れて、界面の応力と流れの不安定性を排除するように設計されている。材料がフィードブロックで一度一緒になると、複合構造として、1つのマニフォールドダイへ流れ込む。このようなプロセスにおいて、材料の融解粘度及び融解温度が、大きく異なりすぎないことが重要である。そうでなければ、流れの不安定性により、ダイが多層フィルムにおける層厚の分布の制御を難しくすることもあり得る。
【0063】
フィードブロック共押出成形の代替法は、上述の米国特許第4,152,387号、第4,197,069号、及び米国特許第4,533,308号に開示されるようなマルチマニフォールド又はベーンダイ(vane die)である。フィードブロックシステムでは、融解物の流れがダイ本体へ入る前にその外側で合流するが、マルチマニフォールド又はベーンダイ(vane die)では、それぞれの融解物の流れはダイ内に独自のマニフォールドを有して、ポリマーがそれぞれのマニフォールド内で独立に広がる。融解物の流れは、ダイ出口近辺で、ダイの全幅において、それぞれの融解物の流れと合流する。可動ベーンにより、その中を流れる材料の容量に正比例して、それぞれの流路出口を調節することができ、融解物が、共に同一線形流速、圧力、及び所望の幅で流れることが可能になる。
【0064】
加工された材料の融解物の流れ特性及び融解温度は大幅に異なり得るので、ベーンダイ(vane die)を使うことにより幾つかの利点が得られる。ダイが熱単離特質に役立つので、融解温度が大きく異なる材料を、例えば175°F(80℃)まで、一緒に加工することができる。
ベーンダイ(vane die)の中のそれぞれのマニフォールドは、特定のポリマー(又はコポリマー)に対して設計して合わせることができる。従って、それぞれのポリマーの流れは、マニフォールドの設計に影響されるだけであり、他のポリマーが課す力によっては影響されない。これによって、融解粘度が大きく異なる材料でも共押出して、多層フィルムとすることが可能となる。それに加えて、ベーンダイ(vane die)はまた、内部層、例えば、ヴィネックス(Vinex)2034のような水溶性生分解性ポリマーが、水にさらされる可能性のある縁を残さずに、水不溶性材料によって完全に取り囲まれることができるように、個々のマニフォールドの幅を調整する能力を提供する。前述の特許は、フィードブロックシステムとベーンダイ(vane die)を組合せて使用して、より複雑な多層構造を達成することも開示している。
【0065】
本発明の多層フィルムは、2つ以上の層を含んでもよい。一般的に、均衡のとれた又は対称的な三層及び五層のフィルムが好ましい。均衡のとれた三層の多層フィルムは、中心コア層及び2つの同一の外側層を含み、前記中心コア層は、前記2つの外側層の間に配置される。均衡のとれた五層の多層フィルムは、中心コア層と、2つの同一のタイ層(tie layer)と、2つの同一の外側層とを含み、前記中心コア層は、前記2つのタイ層の間に配置され、タイ層は、前記中心コア層と各外側層との間に配置される。均衡のとれたフィルムは、本発明のフィルムには必須ではないが、均衡のとれていない多層フィルムよりも曲がったり歪んだりする傾向が低い。
三層フィルムにおいて、中心コア層は、フィルムの全厚の30〜80%を含んでもよく、各外側層は、フィルムの全厚の10〜35%を含む。タイ層は、使用される場合、各々フィルムの全厚の約5%〜約10%を含む。
【0066】
通気性フィルムは、種々の粒子フィラーで荷重をかけたフィルムを外延的に伸長することによって製作される。伸長は、例えば、J.H.ブリストン(J.H.Briston)による、プラスチックフィルム(Plastics Films)、第2版、ロングマン社(Longman Inc.)、ニューヨーク(1983)、83〜85頁に記載されるようなテンターフレーミング(tenter framing)プロセスにおいて達成されるように、フィルムを横切るように均一に行われてもよい。それに対し、米国特許第4,116,892号及び第5,296,184号に記載されたリングローリング操作におけるように、フィルムは、フィルムを横切って漸増的に伸長されることができ、そこでは伸長された交互平行領域と実質的には伸長されないで残された領域とが共存する。フィルムを伸長することは、フィラー粒子とポリマーマトリックスとの間の接着の局在化した機械的破損を生じる。このような破損は、粒子の周りに空隙構造を作り、フィルムの全域にわたって微細な連続穴の形成を生じる。粒径は、非常に小さな径の屈曲に付随する、偏って大きな毛細管力に起因して、液体の浸透を防ぐように十分に小さい。従って、液体は、多孔性フィルムによって安全に含有される。微細な連続孔は、蒸気の運搬が毛細管力によって阻害されないため、水蒸気を通すことが可能である。孔形成の制御を達成するために、伸長操作の前に、フィラー粒子は、均一且つ非常に微細にフィルムマトリックス内に分散される。本発明のPHA又はPHA/PLAブレンドは、固体粒子表面に対して優れた親和性を有すると考えられ、それによって、直接的に分散され、巨視的な裂け目なく伸長することができる。
【0067】
(4)使い捨て製品
本発明はさらに、PHA/PLAブレンド又は本発明の積層体を含む使い捨て製品に関する。例えば、液透過性のトップシート、本発明のフィルムを含む液体不透過性バックシート(例えば、本発明のPHA/PLAブレンドを含むフィルム)、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収コアとを含む堆肥化可能な吸収物品。そのような吸収物品として、乳幼児用おむつ、成人失禁用ブリーフ及びパッド、並びに女性衛生用パッド及びライナーが挙げられる。使い捨てパーソナルケア製品は、水蒸気をいくらか通しながら液体を含有する通気性製品を包含する。
【0068】
本発明のPHA/PLAブレンド又は積層体を含むさらなる製品には、パーソナル洗浄拭き取り用品;包帯、傷用包帯、傷用洗浄パッド、外科用ガウン、外科用カバー、外科用パッドのような使い捨てヘルスケア製品;ガウン、拭き取り用品、パッド、シーツ及び枕ケースのようなベッド用品、及びフォームマットレスパッドのような、その他の施設用及びヘルスケア使い捨て品が挙げられる。
【0069】
使い捨ておむつなどの本発明の吸収製品で、液体不透過性バックシートとして使用される本発明のフィルム又は積層体は、通常、厚さが0.01mm〜約0.2mm、好ましくは0.012mm〜約0.051mmである。
【0070】
本発明による吸収物品のその他の例は、経血のような膣排泄物を受け入れ収容するように設計される衛生ナプキンである。使い捨て衛生ナプキンは、衣類(例えば、下着又はパンティ)の作用を介して、又は特別に設計されたベルトによって、ヒトの体に隣接して保持されるように設計される。本発明が容易に適合するこの種の衛生ナプキンの例は、米国特許第4,687,478号(1987年8月18日)、及び米国特許第4,589,876号(1986年5月20日)に示される。本明細書に記述されるPHA/PLAブレンドを含む本発明のフィルム又は本発明の積層体は、このような衛生ナプキンの液体不透過性バックシートとして使用してもよいことは明らかである。一方、本発明は、任意の特定の衛生ナプキン構成又は構造に限定されないことが理解される。
【0071】
重要なことには、本発明に従う吸収物品は、ポリオレフィンのような材料(例えば、ポリエチレンバックシート)を使用する従来の吸収物品よりも非常に生分解性及び/又は堆肥化可能である。
【実施例】
【0072】
(実施例1)
この実施例は、好ましいポリヒドロキシアルカノエートコポリマー及びPLAポリマーを含む2成分ブレンドの加工を示す。特に、約12モル%の3−ヒドロキシヘキサノエートを有する3−ヒドロキシブチレートのポリヒドロキシアルカノエートコポリマー(以下、PHBHコポリマー)と結晶性ポリ(乳酸)(PLA)ポリマーとを含むブレンドは、キャストフィルム押出成形法を用いて、フィルムへと融解加工される。PHBHの濃度は、PHBH及びPLAの全重量に基づいて10〜70重量%で変動する。約35重量%未満のPHBH濃度に関しては、観測可能な粘着性の残存がないことが予想される。これらのPHBH/PLAフィルムは、純PLAフィルムと比較した場合、低〜中濃度のPHBHをPLAに添加することで、柔軟性がかなり強化されることを示すことが予想される。約40〜65重量%のPHBH濃度に関しては、いくらかの粘着性の残存が予想される。約70重量%を超えるPHBH濃度に関しては、かなりの粘着性の残存が予想される。
【0073】
(実施例2)
この実施例は、好ましいポリヒドロキシアルカノエートコポリマー、PLAポリマー、及び好ましい感湿ポリマーを含む3成分ブレンドの加工を示す。具体的には、実施例1によるPHBHコポリマー及びPLAポリマー、及びポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーのブレンドは、最初に実施例1の融解配合手順によって調製され、その際PHA濃度は20重量%、PLA濃度は64重量%、及びPEO濃度は16重量%である。配合されたPHBH/PLA/PEOブレンドは、キャストフィルム押出成形法を用いて、フィルムへと融解加工される。これらのPHBH/PLA/PEOフィルムは、実施例1によるPHBH/PLAの20/80及び40/60ブレンドと比較すると、少量のPEOをPHBH/PLAブレンドに追加することで柔軟性がかなり強化され、その際最初のPHBH/PLAブレンドにおけるPHA濃度は、PHBH/PLA/PEOブレンドにおける濃度と同じであり、第二のPHBH/PLAブレンドにおけるPLA濃度はPHBH/PLA/PEOブレンドにおける濃度に近いことがわかる。
【0074】
(実施例3)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーを第一の層に用いた二層積層フィルムの加工を示す。バイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、第二の層において使用し、第一の層と第二の層の比を、20/80、40/60、60/40及び80/20とする。共押出成形プロセスが、二層積層フィルムを製造するために使用される。
【0075】
(実施例4)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーを外側(第一及び第三の)層あるいは中間(第二の)層に用いた三層積層フィルムの加工を示す。バイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、中間(第二の)層又は外側(第一及び第三の)層において使用し、第一の層と第二の層と第三の層の比を、10/80/10、20/60/20、30/40/30及び40/20/40とする。共押出成形プロセスが、三層積層フィルムを製造するために使用される。
【0076】
(実施例5)
本実施例は、実施例1によるPHAコポリマーとバイオマー(Biomer)のPLA樹脂、L5000を、外側(第一及び第三の)層あるいは中間(第二の)層に、80/20の比で混合した2成分ブレンドを使用した、ブレンドされた層を含む三層積層フィルムの加工を示す。80/20の比で混合されたバイオマー(biomer)のPLA樹脂、L5000、及び実施例1によるPHAコポリマーの2成分ブレンドを、中間(第二の)層又は外側(第一及び第三の)において使用し、第一の層と第二の層と第三の層の比は、10/80/10、20/60/20、30/40/30及び40/20/40とする。共押出成形プロセスが、ブレンドされた層を含む三層積層フィルムを製造するために使用される。
【0077】
(実施例6)
100g/m2、27.5体積%の炭酸カルシウムで荷重をかけたPHBH樹脂キャストフィルムは、二軸に配向され、水蒸気透湿度に関して評価される。各サンプルは、縦方向において400%伸長され、5秒間保持される。次いで、サンプルは、横方向において0%、50%、100%、150%、250%、及び400%伸長される。各サンプルを伸長した位置で5秒間保持する。次いで、サンプルを水蒸気透湿度に関して試験する。縦方向において伸長されたフィルムは、比較的低い水蒸気推移速度しか有さないことが予想される。横方向における伸長の量が増加するにつれて、水蒸気推移速度は、伸長していないフィルムよりも数倍(すなわち、4〜30倍)の値まで増加する。
【0078】
すべての特許、特許出願(及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願)、及び本説明に挙げた発行物の開示内容は、参考として本明細書に組み込まれる。但し、本明細書に参考として組み込まれた文献のいずれも、本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
【0079】
本発明の特定の実施形態を図示し記述しているが、本発明の開示を考慮して、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者には明白である。本発明の範囲内におけるこのような変形及び変更の全ては、添付の請求項に包含されることを意図するものである。
Claims (10)
- 第二のポリヒドロキシアルカノエートポリマー又はコポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
- ポリヒドロキシアルカノエートコポリマーが、前記フィルムの5重量%〜95重量%の量で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記PLAポリマー又はコポリマーが、前記フィルムの5重量%〜95重量%の量で存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムを含むことを特徴とする袋又はラップ。
- 少なくとも1つの層が請求項1に記載の組成物を含むことを特徴とする多層積層フィルム。
- 液体の浸透を防ぎ水蒸気を通す連続孔を有する、伸長したフィルムの形態であり、分散した粒子フィラーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の環境分解性組成物。
- 少なくとも1つの層が、分散した粒子フィラーをさらに含み、前記層が、液体の浸透を防ぎ水蒸気を通す連続孔を製造するために伸長されたものであることを特徴とする請求項7に記載の多層積層体。
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