JP2004536626A - 重合ヒドロゲル接着剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、過剰な水分条件において、溶液のレオロジー条件及び塩形態のモノマー濃度により、特に良好な付着を示す、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤に関する。本発明の具体的実施形態によりヒドロゲル組成物が提供され、これは中和度のモノマーユニットの種類を選択することにより、特に良好な剥離強度及び粘着特性を提供する。本発明はまた、活性な接着剤を含有するパーソナルケア製品、例えば使い捨て可能な排泄物処理物品、使い捨て可能な吸収性物品、及びヒトの体に付着する様々な機能性物品を包含する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の皮膚に付着することができ、過剰な水分条件を包含して、優れた付着及び痛みのない取り外し特性を示し、及び優れた粘着性能を示す、ヒドロゲル接着剤に関する。本発明はまた、本明細書のヒドロゲル接着剤を含有するパーソナルケア製品、例えば排泄物処理物品、吸収性物品、及びヒトが装着する様々な機能性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品及び排泄物処理物品のような消費者製品に用いる人体へのヒドロゲル接着剤は、以前から、EP1025823及びEP1025866にそれぞれ記載されていたが、ヒドロゲル接着剤の開示は、主として医学的用途、例えば皮膚電極、経皮的な薬物の送達、及び創傷治癒との関連において生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
EP1025823及びEP1025866には、吸収性製品及びヒトの排泄物処理製品のような消費者製品への特定の要求が開示され、それには確実な付着、痛みのない取り外し、及び過剰な水分の存在における接着の安定性が包含されている。PCT国際公開特許WO00/46319及びWO00/45864には、例えば生物医学的な皮膚に用いるヒドロゲル接着剤が開示され、濡れた皮膚及び油性の皮膚への改善した接着を示している。
【0004】
過剰の水分条件で優れた付着を示すヒドロゲル組成物は、前記組成物中の塩形態のモノマーユニットの濃度、及びレオロジーの特徴を選択することにより配合できることが、現在見出されている。その上、モノマーの選択及び中和の度合によって、優れた剥離強度性能が提供される一方で、粘着性能が意外にも高められることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー;5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤、及び約10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤に関し、該親水性ポリマーは、3を超えるpKaを有する1つ以上の弱酸モノマーユニットを少なくとも50モル%、好ましくは80モル%、最も好ましくは90モル%含み、該弱酸モノマーは少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%、最も好ましくは少なくとも85モル%、更に最も好ましくは85モル%〜95モル%の範囲がその酸形態であり、前記親水性ポリマー中の塩形態のモノマーの濃度は、すべてのモノマーユニットの30モル%を超えず、及び温度25℃における該ヒドロゲルの弾性率G’25(1ラジアン/秒)は、2000Pa〜6000Paの範囲であり、好ましくは4000〜5500Paの範囲である。
非イオン性保湿剤は好ましくはグリセロールであり、及び弱酸は好ましくはアクリル酸である。
【0006】
本明細書の具体的実施形態において、本発明は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤及び10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤を対象とし、これは、該ポリマーが、少なくとも90モル%、好ましくは95モル%の弱酸モノマーユニットを含み、これは75モル%〜95モル%、好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態であり、及びG’25(1ラジアン/秒)が1000Pa〜10000Paの範囲、好ましくは2000Pa〜6000Paの範囲、より好ましくは4000Pa〜5500Paの範囲にあり、好ましい非イオン性保湿剤はグリセロールであり、及び該弱酸はアクリル酸であることを特徴とする。
【0007】
本発明はまた、パーソナルケア製品を包含し、特に、上記の実施形態によるヒドロゲルを含むヒトの排泄物処理装置、吸収性物品及び機能性物品を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書のヒドロゲル接着剤は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤、及び10〜85重量%の水を含有する。モノマーの重合は、好ましくは非イオン性保湿剤及び水の存在下で発生し、並びに架橋は、ゲル形態及びヒドロゲルとも呼ばれる、ポリマーの三次元の基質を作り出す。
【0009】
親水性ポリマーは、少なくとも50モル%のより弱酸のモノマーの内の一つを含有する、より好ましくは80モル%、最も好ましくは90モル%の前記弱酸モノマーを含有する反復ユニット又はモノマーを包含する。
【0010】
(弱酸モノマー)
弱酸モノマーは、そのpKaに関連して定義され、それは3をこえるpKaでなくてはならない。前記モノマーは、オレフィン性不飽和カルボン酸類、及びカルボン酸無水物類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、エタクリル酸、シトラコン酸、フマル酸、β−ステリルアクリル酸などの群から好ましくは選択される。特に好ましい弱酸モノマーはアクリル酸及びメタクリル酸であり、アクリル酸が最も好ましい。
モノマーの性質に加えて、前記モノマーのそれぞれの量及び中和の形態は、過剰な水分条件下でさえ優れた接着性能を示すというその能力に関して、本ヒドロゲル組成物の特異な特性を達成するために特に重要である。
【0011】
実際、過剰な水分条件においてこうした性能を達成するためには、本明細書のヒドロゲル中の塩形態のモノマーユニットの濃度は、ポリマー中の全モノマーユニットの30モル%を、好ましくは20モル%を超えるべきではないことがわかっている。塩形態のモノマーユニットの濃度は、ヒドロゲルが尿のような生理的流体を吸収する速度に直接影響し、従って本発明のヒドロゲルは、後述の試験方法により、2.5x10-3g/cm2/秒0.5未満の、好ましくは2.0x10-3g/cm2未満の、更により好ましくは1.5x10-3g/cm2/秒0.5未満の生理食塩水吸収速度を示すことがわかっている。理論により束縛されないが、ポリマーからの塩形態のモノマーユニットの対イオンの解離は、ヒドロゲルが膨らむための浸透圧性の推進力、従って尿のような生理的流体吸収の推進力を減少させると考えられている。これはこうした流体の吸収速度を減少させる。ヒドロゲルと接触する流体の吸収速度を減少させることにより、吸収される流体の量は減少し、従って生理的流体ヘの暴露が接着及び粘着特性に影響する程度を減少させる。
【0012】
生理食塩水吸収速度は、(i)ヒドロゲルは横方向ヘ膨らむことを抑制される、及び(ii)それは0.3psi(2.07kPa)の封圧下で0.9%の生理食塩水溶液の吸収によりz方向(ヒドロゲルの平面に対して垂直)に膨らむことを許されるという条件下で、ヒドロゲルの円形断面の接着面を過剰の生理食塩水溶液に暴露することにより測定される。時間の関数としての吸収された生理食塩水溶液の量が測定され、生理食塩水吸収速度が、時間に対する吸収された生理食塩水の変化量から、以下に詳細に記述されるように計算される。
【0013】
本発明の弱酸モノマーは、そのため少なくとも50モル%が、好ましくは少なくとも70モル%が、最も好ましくは少なくとも85モル%が、最も好ましくは85〜95モル%がその酸形態で存在するべきである。
本発明のヒドロゲルの卓越したモノマーユニットとしての弱酸モノマーの選択は、次の考察により推進される。
【0014】
理論により束縛されないが、ヒドロゲル表面の減少した親水性は、皮膚のような特に疎水性面へのヒドロゲルの接着を高めると考えられている。ヒドロゲルが皮膚表面の隙間の上及び中に広がる能力は、ヒドロゲルの表面エネルギーが、皮膚の表面エネルギーにより近い場合に助成されると考えられている。減少したヒドロゲル表面の親水性は、比較的より高い値の貯蔵弾性率及び比較的より低い値のtanδ(以下に記述)を有する、それほど変形可能でなくそれほど流動性がないヒドロゲルにとって、またヒドロゲル接着剤が使用後に再配置される及び/又は取り外される場合に、ヒドロゲルの粘着性を高め、後に表面(例えば皮膚)上に残される残留物を減少させるために望ましいレオロジー特性にとって、特に重要であると考えられている。
【0015】
ヒドロゲルが高湿度環境に暴露された場合には、ヒドロゲル表面の増加した疎水性は、水の吸収速度を減少させ、ヒドロゲルが高湿度環境の幾らかの水をまさに吸収した場合及び/又はヒドロゲルが生理的流体と直接接触した場合には、ヒドロゲルの接着特性を保持する能力を高めるともまた考えられている。ヒドロゲル表面上の水の液滴の初期接触角は、ヒドロゲル表面の親水性の測定値を提供するが、より大きい接触角は、表面がそれほど親水性でなく、より疎水性であることを示すと更に考えられている。
【0016】
理論により束縛されないが、接触角を大きくし、生理食塩水吸収速度を減少させる上で、本発明の弱酸モノマーは特に有用であり、特に中和された場合は、これらの弱酸モノマーは、ヒドロゲル原体中の酸形態の弱酸モノマーからプロトンを、表面上の塩形態の弱酸モノマーに移動させ、従って表面の親水性を減少させる能力により、接触角を高くすることに寄与する可能性があると考えられている。それらの酸形態において、これらの弱酸モノマーはまた、上記のように生理的流体の吸収の推進力には大幅に寄与しない。この表面の親水性及び生理食塩水の吸収速度の減少は、ヒドロゲル原体の親水性を過剰に減少する(例えば、顕著な濃度の非イオン性モノマーを組み込むことにより)必要なく、達成される。原体の親水性のこうした減少はヒドロゲルのその他の所望の特性、例えばその皮膚への適合性、好ましいpHを維持するその能力、濡れた皮膚に接着するために十分な水を吸収するその能力、汗を吸収するその能力などに対して有害である可能性がある。
【0017】
接触角は、蒸留水の液滴をヒドロゲルの表面に付着させ、表面に対する液滴の初期角を、試験方法の中に後述される光学的方法及び計算方法を用いて測定することにより、測定される。ヒドロゲルの接触角を決定する際に、測定がヒドロゲル上の疎水性物質の表面層の付着により影響されないことが重要である。こうした表面層は、例えばヒドロゲルの暴露表面に適用されたシリコーン塗工剥離紙から移動する可能性がある。
本発明のヒドロゲルは好ましくは、少なくとも40度の、より好ましくは少なくとも50度の、更により好ましくは少なくとも60度の、更により好ましくは少なくとも70度の、及び最も好ましくは少なくとも90度の接触角を有する。
【0018】
(保湿剤)
三次元接着剤の基質はまた、保湿剤又は保湿剤混合物(本明細書においてまた可塑剤とも呼ばれる)を含むが、これは室温において液体であるのが好ましい。保湿剤は、モノマー及びポリマーがその中に可溶化されるか、又は分散されるように選択される。照射架橋が実行される実施形態については、保湿剤は望ましくは、ポリマーの照射架橋過程を大幅に抑制しないように、照射架橋適合性である。保湿剤混合物の構成成分は、好ましくは水に親水性及び混和性である。
【0019】
適した保湿剤には、アルコール類、多価アルコール類、例えばグリセロール及びソルビトール、及びグリコール類及びエーテルグリコール、例えばポリアルキレングリコールのモノ−、又はジエーテル類、モノ−又はジエステルポリアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類(典型的には、分子量約600まで)、グリコレート類、グリセロール、ソルビタンエステル類、クエン酸及び酒石酸のエステル類、イミダゾリン誘導の両性界面活性剤、ラクタム類、アミド類、ポリアミド類、第四級アンモニウム化合物類、エステル類、例えばフタラート類、アジペート類、ステアレート類、パルミテート類、セバケート類、又はミリステート類、モノ/ジ/トリグリセリド類を包含するグリセロールエステル類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいのは、多価アルコール類、ポリエチレングリコール(分子量約600まで)、グリセロール、ソルビトール及びこれらの混合物である。グリセロールが特に好ましい。保湿剤は5〜80重量%のヒドロゲルを含む。
保湿剤の重要な機能は、ヒドロゲルの水分活性を0.35〜0.95に、好ましくは0.4〜0.85に、最も好ましくは0.45〜0.75に減少させることである。水分活性は、試験方法の項に後述される方法により、ヒドロゲルの上の平衡相対湿度を測定することにより決定される。
【0020】
(レオロジー)
接着剤の粘性は、特定の表面に迅速に付着し、しっかりと接着する接着剤の能力の指標を表すものと解釈できる。弾性は、接着剤の「硬さ」の性質の指標として解釈できる。また、その値は、良好な初期付着のために重要である。それらの組み合わせは、取り外し時に必要とされる力の指標と考えられる。弾性率と粘性率との間の関係は、取り外しエネルギーの一部が接着剤内で放散され、その一部が実際の取り外しを誘引するために利用可能である指標になると考えられる。
【0021】
初期に及び長期にわたりしっかりと付着し、容易に/痛みを伴わずに取り外される接着剤を提供するためには、弾性率及び粘性率の間の関係、並びにそれらの動的性質もまた重要である。理論により束縛されないが、皮膚に適用されるヒドロゲルに関して、T=37℃でのレオロジー特性が、接着及び取り外しの特性に最も関係すると考えられている。しかしながら、本発明のヒドロゲルに関しては、レオロジー特性は25〜37℃の範囲の温度に対して、せいぜい適度に敏感である程度であることがわかっている。従って、本発明の目的において、25℃の温度におけるレオロジー特性を指定することは便利である。接着剤には、G’25と略記される25℃における弾性率、G’’25と略記される25℃における粘性率、及びtanδ25と呼ばれる25℃における比G’’25/G’25がある。
【0022】
過剰な水分状態を含めて、有効に実行するためには、本発明による接着剤は、2000〜6000Paの範囲の、最も好ましくは4000〜5500Paの範囲のG’25を有さなければならないことがわかっている。
皮膚への接着剤の残留物を防ぐために、接着剤が非常に良好な粘着性を示すことも、本明細書の組成物の重要な属性である。
これを達成するためには、本明細書の組成物のtanδ25(1ラジアン/秒)は、それが0.15〜0.65の範囲内に、好ましくは0.15〜0.55の範囲内に存在するように選択されるのが好ましい。
【0023】
接着剤がその中に提供される層であって、典型的には物品の装着者に面する表面の少なくとも一部分の上に提供される層の、ミリメートル(mm)で測定した場合の厚さ又はキャリパーCと、接着剤の約100ラジアン/秒の粘性率G’’25との間の関係は、装着者の皮膚への吸収性物品付着のために、前記物品の装着者に面する表面の少なくとも一部分に塗布されたこうした接着剤の、装着者の皮膚からの容易な及び痛みのない取り外しを提供する範囲に関係することが、判断された。
【0024】
本発明の接着剤は、従って、粘性率G’’25(100°ラジアン/秒)と厚さCが好ましくは次の経験式を満足するような厚さCを有する層として提供されるのが好ましい。
G’’25 ≦[(1.53+C)x1724]Pa
【0025】
(接着特性)
本明細書のヒドロゲルは、好ましくは0.3〜3N/cm、より好ましくは1.5〜3N/cmの乾いた皮膚上での90°の剥離力を有する。剥離力はまたポリエチレンテレフタレート(PET)上で180°において測定することができる。本明細書のヒドロゲルは、好ましくは0.2〜5N/cm、より好ましくは0.5〜5N/cmのPET上での剥離力を有する。皮膚及びPET上での剥離力を測定する方法は、試験方法の項に後述される。
その上、本明細書のヒドロゲルは、高湿度における適用又は生理的流体に直接暴露される場合に見出されるような、濡れた皮膚上及び過剰な水分の存在において、特に良好な接着性能を示す。水の吸収後の剥離力の測定方法は、以下に開示される。
【0026】
(好ましいヒドロゲル)
本発明の具体的な実施形態による好ましいヒドロゲルは、0.15〜0.65の、好ましくは0.15〜0.65のtanδ25(1ラジアン/秒)と、乾いた皮膚での剥離力0.3〜3N/cm、好ましくは1.5〜3N/cmを組み合わせて、最適な粘着性能を達成するが、前記範囲内での両方の特徴の維持は、本明細書のヒドロゲル中の弱酸、好ましくはアクリル酸の濃度が、少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%であり、前記弱酸は、少なくとも75モル%、好ましくは85モル%がその酸形態であり、より好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態である場合は保証されることがわかった。
【0027】
それに応じて、本発明のこうした好ましいヒドロゲルは、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤及び10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤を含み、該ポリマーは、弱酸モノマーユニットを少なくとも90モル%含み、好ましくは弱酸モノマーユニットを95モル%含み、該弱酸モノマーは好ましくはアクリル酸であり、該弱酸モノマーは少なくとも75モル%がその酸形態であり、好ましくは少なくとも85モル%がその酸形態であり、より好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態であり、G’25(1ラジアン/秒)が、1,000Pa〜10,000Pa、好ましくは2,000〜6,000Pa、より好ましくは4,000Pa〜5,500Paの範囲にあり、保湿剤は好ましくはグリセロールであることを特徴とする。
【0028】
本明細書の実施形態による前記ヒドロゲルは、好ましくは塩形態の弱酸モノマーユニットの対イオンが、一、二、又は三価金属イオン又はそれらの組み合わせであるようなものである。ナトリウム及びカリウムは特に好ましい対イオンである。
【0029】
(重合条件)
本発明によると、接着剤のポリマー構成成分は、三次元の基質を形成するために、物理的に、化学的に、又はイオン的に架橋されることができる。物理的架橋とは、例えば、3次元基質中に高結晶化度を有する領域、高ガラス転移温度を有する領域又は疎水性相互作用を有する領域があるような、化学的共有結合ではない物理的性質の架橋を有するポリマーのことを言う。化学的架橋とは、共有化学結合により結合しているポリマーのことを言う。ポリマーは、例えば紫外線照射、電子ビーム照射、ガンマ若しくはマイクロ波照射のような照射技術により、又は好ましくは、例えば紫外線、熱及び/若しくはレドックス重合反応開始剤の使用による、二官能性/多官能性モノマー架橋剤によるモノマーの共重合化により化学的に架橋されることができる。
【0030】
適した多官能性モノマー、モノマー架橋剤には、様々なPEG分子量を有するポリエチレンオキシドd(メタ)(d(meth))アクリレート類、IRR280(UCBケミカル(UCB Chemical)から入手可能なPEGジアクリレート)、様々なエチレンオキシド分子量を有するトリメチロールプロパンエトシキレートトリ(メタ)アクリレート、IRR210(アルコキシル化トリアクリレート:UCBケミカルズ(UCB Chemicals)から入手可能)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルアミン、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド及び当該技術分野で既知のその他の多官能性モノマー架橋剤が挙げられる。好ましい多官能性モノマー架橋剤には、多官能性ジアクリレート類及びトリアクリレート類が挙げられる。
【0031】
本発明のモノマーは、好ましくは遊離基重合開始剤の使用により重合される。こうした遊離基重合反応開始剤は、当該技術分野において周知であり、1種以上の光反応開始剤(類)、熱反応開始剤(類)、又はレドックス反応開始剤(類)であることができ、5重量%までの、好ましくは0.02重量%〜2重量%の、より好ましくは0.02重量%〜0.4重量%の量で存在する。光反応開始剤が好ましい。適した光反応開始剤には、タイプI−[]−ヒドロキシケトン類、及びベンジルジメチル−ケタール類、例えばイルガキュア(Irgacure)651(ジメトキシベンジルフェノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より入手可能)が挙げられ、これは紫外線周波数による照射により重合を開始するベンゾイル基を形成すると考えられている。特に好ましい光反応開始剤には、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名ダロキュア(Darocur)1173として入手可能)、I−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名イルガキュア(Irgacure)184として入手可能)及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名イルガキュア(Irgacure)2959として入手可能)が挙げられる。適した熱反応開始剤には、過硫酸カリウム及びVA044(ワコー(Wako)から入手可能)が挙げられる。適したレドックス反応開始剤には、過酸化水素とアスコルビン酸、並びに過硫酸ナトリウムとアスコルビン酸の組み合わせが挙げられる。
【0032】
化学的架橋はまた、エチレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリマー官能基、グリセロールのようなポリオール類、及び当該技術分野で既知のその他の多官能性試薬と反応することができる多官能性試薬の使用により、重合後に実施することもできる。
架橋は、反対の電荷を有する基がイオン相互作用により、相互に作用するイオン架橋によって、全て又は一部実施することもできる。適したイオン架橋剤には、Al+3及びCa+2のような多価カチオン類、当該技術分野で既知の高分子ポリアミン類及びポリ四級アンモニウム化合物類を包含するジ/ポリアミン類、ジ/ポリ−四級アンモニウム化合物類を包含する当該技術分野で既知のものが挙げられる。
【0033】
本発明に基づく接着剤組成物の調製において、成分は普通混合されて、初期の水性プレゲルを主体とする液体製剤の形態の反応混合物を提供するであろうが、これは次いで、上記の遊離基重合反応によりゲルに変換される。これは、例えば従来の熱反応開始剤及び/又は光反応開始剤を用いて、又は電離放射線により達成されてもよい。光反応開始は好ましい方法であり、適当な光反応開始剤を含有するプレゲル反応混合物が、シリコン塗工剥離紙又はその他の固体若しくは多孔質基材の上に、層として薄く塗られるか又はコーティングされた後に、紫外線光を受けることにより適用される。240〜420nmの範囲の波長における入射紫外線強度は、重合を適当な期間で完了するのに十分な強度及び暴露時間(例えば10〜3000mW/cm2)である。処理を促進するため、反応混合物を幾つかの紫外線照射源に連続して暴露させることが多くの場合好ましい。処理加工は一般に、正確に予め決定される混合及び熱処理の順番、又は履歴を伴う、制御された方式で実施される。
【0034】
合計の紫外線照射時間は、95%を超えるモノマーの、好ましくは99.9%を超えるモノマーの、更により好ましくは99.99%を超えるモノマーの変換によりゲルを形成するために、好ましくは300秒未満、より好ましくは60秒未満、及び更により好ましくは10秒未満であるべきである。当業者は、照射の程度が、反応混合物の厚さ、モノマーの反応性及び濃度、光反応開始剤の濃度、保湿剤の特性、並びに反応混合物がコーティングされる基材の性質及び紫外線供給源に依存することを理解するであろう。
【0035】
幾つかのポリマーは反応プレミックスに組み込むことができるが、このプレポリマーを過剰濃度で組み込むことは、レオロジー及び粘着性の好ましい組み合わせをもつヒドロゲル接着剤の形成に有害であると考えられている。理論により束縛されないが、このプレポリマーはヒドロゲルのゾル部分の構成成分として残る傾向があり、及び三次元ポリマー基質(即ちヒドロゲルのゲルの部分)には有効に組み込まれない傾向があると考えられている。従って、このプレポリマーは、ヒドロゲル中の反応プレミックス及びポリマーを全モノマーユニットの、10モル%未満、好ましくは5モル%未満を含むことが好ましい。
【0036】
これらのタイミングは、高圧水銀アーク灯を紫外線供給源として200W/cmで操作するためのものである。基材表面に到達する紫外線のピーク強度は、およそ1000m/W/cm2である。所与のランプについて、紫外線強度は、運転出力及び紫外線供給源から反応混合物までの距離の関数である。同様に、非常に低い波数の紫外線強度への暴露を最小にするために、高域紫外線フィルタも用いることができる。
【0037】
いかなる残留モノマーの存在も最小にする、好ましくは排除するために、確実に反応を完了させることが重要である。これは、幾つかの要因、例えば接着剤が適用される基材、紫外線光の種類と強度及び紫外線光通過の数に依存する。
【0038】
(任意成分)
当該技術分野で既知の一般的添加剤、例えば重合阻害物質、連鎖移動剤、界面活性剤、溶解性又は分散性ポリマー、緩衝剤、保存剤、酸化防止剤、顔料、鉱物充填剤など及びそれらの混合物なども、それぞれ10重量%までの量で接着剤組成物内に含まれてもよい。好ましくは、本明細書のヒドロゲルは、塩を含有するべきではない、又は1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の最小濃度で含有するべきである。
【0039】
その他の適したモノマーもまた、ポリマーの約50モル%までの量で組み込まれることができる。これらのモノマーは、例えば強酸モノマーから選択することができる。強酸モノマーはそのpKaに関連して定義され、これは3未満でなければならない。pKaは、当該技術分野において周知の方法により、水溶液中の強塩基による酸の滴定により測定される。前記強酸モノマーは、オレフィン性不飽和脂肪酸又は芳香族スルホン酸類、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、メタクリルスルホン酸などの群から好ましくは選択される。特に好ましい強酸モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタクリレートであり、その他の好適なモノマーは、当業者に既知の非イオン性、双極性、又は陽イオン性モノマーから選択することができる。非イオン性モノマーの例には、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。陽イオン性モノマーの例には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びそれぞれの四級塩などが挙げられる。
【0040】
(pH)
本明細書のヒドロゲル組成物のpHは、3〜6、より好ましくは3〜5.5、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲にあり、これは哺乳類の皮膚のpHと完全に適合する値を表す。
このpHの範囲は、本明細書の組成物によりいかなる追加の緩衝剤も使用することなく直接達成することができ、この緩衝剤は本明細書のヒドロゲルの性能及び皮膚への親和性に有害な影響を与える可能性がある。
【0041】
pHの測定条件は、試験方法の項に後述される。
【0042】
(パーソナルケア製品)
本発明において、パーソナルケア製品とは使い捨て可能な又は再利用可能な製品を意味し、それらはヒトの健康、安らぎ、快適さ又は喜びを対象とした機能を達成するために、人体に接触して、又は近接してヒトにより装着されるように設計されている。
こうした物品の第一の種類には、使い捨て可能なヒトの排泄物処理装置、例えば尿、月経、及び糞便処理装置が挙げられる。
【0043】
(使い捨て可能な排泄物処理装置)
本明細書の尿、月経、又は糞便処理装置には、装着者の泌尿生殖器領域及び又は肛門周囲領域への、接着剤の付着のための開口及び開口を囲むフランジを有する袋が包含される。当該技術分野において既知のいかなる糞便、月経、又は尿処理装置も、本発明による接着剤を備えることができる。こうした装置は、例えばPCT国際公開特許WO99/00084及びWO99/00085に記載されている。
【0044】
本明細書の尿、月経、又は糞便処理装置にはまた、人工肛門/結腸人工肛門装置のような人体の人工的開口に付着するように設計された装置が包含される。
こうした物品に用いられるような袋は、尿、月経、及び排泄された糞便物質を閉じ込めるための柔軟性のある容器である。
袋は、取り込んだいかなる物質も安全に含有するように設計されており、典型的にはそれは液体不透過性であろうが、通気性であってもよい。袋は、着座時のような典型的な装着条件において袋に圧力がかかる時にも、使用時に破裂しない十分な強度に設計される。
袋は、吸収材料を含有してもよい。吸収材料は、液体を吸収し保持できる、いかなる吸収材料を含んでもよい。吸収材料は、使い捨ておむつ、及びその他の吸収性物品で普通に用いられる、多種多様な液体吸収材料を含んでもよく、例えば一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含んでもよい。
【0045】
ヒトの排泄物処理装置、特に本発明による尿/月経処理装置はまた追加の捕捉層を含んでもよい。捕捉層は、典型的には袋の内部表面に固定されている。しかしながら、捕捉層はまたフランジに固定されてもよく、又はフランジと袋の内部表面の両方に固定されてもよい。捕捉層は、装着者の生殖器を吸収材料と直接接触しないように分離するよう配置されるのが好ましい。捕捉層は流体透過性であり、尿/経血を容易に通過させ、その結果それらは吸収材料に吸収され得る。
【0046】
袋は、排泄された物質を、袋の空洞内に貯蔵する前に人体から受け取る開口を備えている。開口はフランジにより囲まれており、いかなる形状又は大きさ、例えば円形、長楕円形、ハート形で提供されてもよく、また左右対称又は左右非対称であってもよく、好ましくは開口は、縦方向若しくは横方向のいずれか又は両方向に長楕円形の構成を有し、例えば開口の輪郭はそれぞれの主軸が実質的に垂直である二つの楕円の形状である。
【0047】
フランジは、衣類に面する表面及び装着者に面する表面を含む。好ましい実施形態では、これらは二つの大きい、実質的に平らな表面であるが、フランジはまた装着者の会陰領域又は尾骨領域に適合するように設計された突起を含んでもよい。
フランジを会陰領域に容易に配置させるため、フランジは、柔らかく、柔軟性があり、適応性のある材料で製造されるべきである。典型的な材料としては、不織布材料、織布、連続気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡熱可塑性発泡体、連続気泡型発泡体と伸縮性不織布の複合体、及びフィルムが挙げられる。ポリエチレンの独立気泡発泡体が有効であることがわかっているが、更に好ましくは連続気泡型ポリウレタン発泡体が用いられる。好ましくは、このような発泡体は、0.1〜5ミリメートルの一般的な範囲以内の厚さ、及び5〜250g/m2の、より好ましくは50g/m2の坪量を有する。その他の熱可塑性発泡材料、又はこうした発泡体の記述された特性(即ち、柔らかさ、柔軟性、伸長性、収縮性)を有するその他の好適なプラスチックシート材料もまた用いられてもよい。
【0048】
接着剤は、スロットコーティング、スパイラル、ビード適用又は転写のような当該分野において既知のいずれかの手段によって、フランジの装着者に面する表面に塗布することができる。典型的には、接着剤は、想定される最終用途に応じて、坪量20g/m2〜2500g/m2、より好ましくは500g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは700g/m2〜1500g/m2で塗布される。例えば、乳児用糞便処理装置の接着剤の量は、活動的な成人失禁患者用に設計された糞便処理装置の場合よりも少なくてよい。
【0049】
(使い捨て可能な吸収性物品)
本明細書の別の種類のパーソナルケア物品には、使い捨て可能な吸収性物品、例えばおむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、汗パッドが挙げられる。本明細書で使用する時、吸収性物品とは、吸収性のコアを含み、及び当該技術分野における普通のいかなる方法によっても製造できる物品を意味する。装着者に面する表面、典型的には吸収性物品のトップシート表面への接着剤の塗布は、接着剤を塗布するために一般に用いられるいかなる周知の技術によっても提供され得るため、当業者にとって重大な問題であるはずはない。最も好ましくは、接着剤は、点又は類似のもののような小さい、増加する領域のパターンで提供される。
【0050】
本発明は、ユーザーの皮膚に直接適用される使い捨て可能な吸収性物品に、有益に用いられることができる。物品は普通は人体の流体について吸収性を示し、ユーザーの衣類を汚れから保護し、ユーザーにとって快適であり、並びに製造及び包装が容易である。使い捨て可能な吸収性物品は、生理用ナプキン又は生理用品に言及することにより以下に記述されるが、おむつ、パンティライナー、成人失禁用物品、タンポン又は汗パッドもまた、使い捨て可能な吸収性物品という用語に包含される。
【0051】
(その他のパーソナルケア製品)
本明細書における本発明の接着剤はまた、その他のパーソナルケア製品にも用途を見出す可能性がある。接着剤は、例えば皮膚に接着する機能性物品、例えば皮膚処置物質、クリーム、ローション、ホルモン、ビタミン、防臭剤、薬のような、物質を皮膚に提供する化粧品又は医薬送達物品;殺虫剤、吸入薬、香料のような、皮膚から発散させるための物質を提供する化粧品又は医薬送達物品;皮膚に必ずしも付着される必要はないが、長い滞留時間を必要とする機能性物品、例えば装飾化粧品(口紅、アイシャドウ、舞台化粧)、及び洗浄物品(ハンドクリーナー、フェイスマスク、及び衛生的毛穴洗浄剤)を接着するために実用性を見出す可能性がある。こうした物品は好ましくは人体の液体に関して非吸収性である。
【0052】
接着剤はまた更に物品を皮膚に付着するための用途を見出す可能性があり、その物品は例えば保護物品、例えば生殖器の、膝の、又は肘プロテクター又は包帯;ブラジャー、手術衣、又は仕立屋で衣類を合わせている間の衣類の部品のような衣類品;鼻の絆創膏;胸の代用品又はかつらのような人工装具;例えば打撲の痛み止めを提供し腫れを軽減するための冷却ラップ;例えばPCT国際公開特許WO97/36968及びWO97/49361に開示されたように、一次的な及び慢性的な痛みを和らげるための熱電池を含む保温性ラップ、例えば米国特許第5,728,146号に開示された首のラップ、PCT国際公開特許WO97/01311に例示された膝のラップ、及び例えば米国特許第5,741,318号に開示された背中のラップ;補聴器;保護的フェイスマスク(有毒物質の吸入の軽減又は予防用);イビキ防止貼付剤、例えば宝石類、イヤリング、変装、入れ墨などの装飾品;ゴーグル又はその他のアイウェア、テープ、包帯、一般的効用の包帯、創傷治癒及び創傷処置装置;及び生体用皮膚電極、例えばECG、EMG、EEG、TENS電気外科、除細動、顔面/美容用途用EMS及び電極;並びに患者のカテーテル、チュービングリード線ケーブルなどを固定する目的の固定製品及び/又は装置である。
【0053】
(試験方法)
1.レオロジー
ヒドロゲルのレオロジーは、25℃においてレオメトリックス(RHEOMETRICS)SR5000振動レオメーター又は等価なものを用いて測定される。厚さおよそ1mm、直径25mmの試料は、二つの断熱された直径25mmの平行板(Parallel Plates)の間に設置され、ペルティエシステム(Peltier system)又は等価なものを用いておよそ25℃の温度に制御される。動的周波数掃引(Dynamic Frequency Sweep)がヒドロゲル上で、ヒドロゲルの線形弾性反応内で適用されたひずみにおける(例えば、10%までのひずみ)圧力又はひずみモードのいずれかにおいて、0.1〜100ラジアン/秒の不連続な周波数値での測定により実行される。結果は1.0及び100ラジアン/秒の周波数値におけるG’、G’’、及びtanδとして引用される。ヒドロゲルは、測定の少なくとも24時間前に熟成される。少なくとも三つの測定の平均が報告される。
【0054】
2.乾いた皮膚上での剥離力
乾いた皮膚からヒドロゲルを取り外す剥離力が、10Nロードセル及び固定アンビルプレート、例えばインストロン(Instron)部品モデルA50L2R−100を装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。試料は幅25.4mm及び長さ約10〜20cmのストリップに切断される。ヒドロゲルより長い長さの引き伸ばせないフィルムが、ヒドロゲル試料の反対側(例えば基材側)に両面接着剤を用いて適用される。好適なフィルムは23μの厚さのPETであり、イタリア、コロルノ43052のエフェギディ社(Effegidi S.p.A)より入手可能である。剥離紙をもつ試料については、剥離紙はヒドロゲルを前腕に適用する前に取り外され、次いでヒドロゲルと皮膚の間に空気を閉じ込めないように圧縮ウェイトローラを用いて、ヒドロゲルをつけて所定の位置に設置する。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5Kgの重量を有する。それは厚さ0.5mmのゴムに覆われている。裏当てフィルムの自由端を、引張り試験機の上部クランプに付着し、及び腕を下に設置する。試料を皮膚から90°の角度及び1000mm/分の速度で剥がす。全試料の剥離の間に得られた平均剥離値が、剥離値としてN/cmで引用される。三回の測定の平均が報告される。
【0055】
3.PET上での剥離力
ヒドロゲルをポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムから取り外すための剥離力が、10Nロードセル及びクロスヘッド移動の方向に向いた、例えば鋼鉄の固定下部プレートの取り付けを装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。新しく製造されたヒドロゲルが、閉じられたアルミニウム袋又は同様の物の中で、測定前に少なくとも12〜24時間、室温で保存される。長さが少なくとも10cmの欠陥のない試料が、ヒドロゲル試料から切断される。例えばイタリア、セグレートI−20090の3Mイタリア社(3M Italia S.p.A)からのタイプ1524の、少なくとも長さ130mm、及び幅25.4mmの両面接着剤の一片が、ヒドロゲル積層体の背面に貼りつけられる。ヒドロゲルはテープの外側の端に沿って切断される。第二のライナーがテープから取り外され、テープは固定ベースプレート上に貼りつけられる。コロナ処理をしていない、厚さ23μの標準PETのストリップが、約300mm×40mmに切断される。好適な材料には、イタリア、コロルノI−43052、サッチャ県55のエフェギディ社(Effegidi S.p.A, Via Provinciale per Sacca 55, I-43052 Colorno, Italy)からの「カヴィレン−フォレックス(Cavilen-Forex)」が挙げられる。剥離ライナーが、ヒドロゲル、及び通常のテープで固定プレートに固定された下端から取り外される。標準基材が次いで人体接着剤上に、ハンドローラーを用いて1回前方に、及び1回後方に1000〜5000mm/分の速度で適用される。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5Kgの質量を有する。それは厚さ0.5mmのゴムに覆われている。測定は基材適用の10分以内に実行されるのが好ましい。
【0056】
標準基材の自由端は180°の角度で折り返され、固定プレートは引張り試験機の下部クランプに固定される。標準基材の自由端は、引張り試験機の上部クランプに固定される。剥離試験は1000mm/分の速度で実行される。剥離の最初の20mmは無視され、残りの長さに対する平均の力が、剥離力としてN/cmで引用される。三回の測定の平均が報告される。
【0057】
4.水の吸収後の剥離力
皮膚からのヒドロゲルの剥離力に対する水の増加の影響を測定するために、乾いた皮膚上での剥離力、又はPET上での剥離力の試験方法の項に記述されたような測定の前に、所定の重量パーセントの水をヒドロゲルが獲得するように、好適な基材上に重合されたヒドロゲルの試料を前処理する。適度な水の増加は、既知の重量のヒドロゲルを、環境試験槽、例えばテルマクス(Termaks)モデルPHDO−02又は等価なものの中に、約38℃、及び85%の相対湿度で設置し、必要な重量の増加に到達するまで間隔をおいて秤量することにより達成される。より多量の水の増加については、既知の水の重量を、均一にヒドロゲルの表面に分配し、吸収させる。必要な水の添加重量に達したら、平衡化させるため試料を蒸気が漏れない袋の中に、前述のように剥離力を測定する前に少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間保存する。比較可能な未処置のヒドロゲルの対照試料が、参考として測定される。試験試料及び対照試料の両方の試料の三回の測定の平均が報告される。対照試料に対する試験試料の剥離力における百分率の変化もまた、次のように報告される。
%変化=100*(剥離力水ノ増加−剥離力対照)/剥離力対照
【0058】
5.初期接触角
ヒドロゲルフィルム上の水の付着液滴の接触角が、例えばクラス(Kruss)DSA10(又は等価なもの)機器を用いて測定される。およそ10μl体積の精製水(HPLC等級又は等価なもの)の液滴のヒドロゲル表面上への付着直後の、液滴の連続画像が電子的に撮影され、専用ソフトウェア、例えばクラス液滴形状分析(Kruss Drop Shape Analyser)ソフトウェアにより最良の液滴の形状に近づけられる。1秒間当たり約25フレームが最初の2〜3秒間に記録される。液滴の安定化の前に取得されたフレームは廃棄され、次いで接触角と時間の間の関係は直線外挿により、ヒドロゲル上の水の「初期接触角」を与えるために、時間=0に外挿され、少なくとも3回、好ましくは少なくとも5回の測定の平均が取られる。
【0059】
6.pH
ヒドロゲルのpHは、例えばメトラー・トレド(Mettler Toledo)により供給される電子的pH計、及びフラットバルブ電極、例えば製造業者の指示により較正された、インラブ(InLab)426タイプを用いて測定される。バルブをゲルの表面と接触させ、ディスプレイ上の値が一定になったら、測定値を数秒後に記録する。電極は連続した測定の間に蒸留水ですすぐ。
【0060】
7.水分活性(相対湿度)
相対湿度は、電子湿度プローブ、例えば製造業者の指示により較正された、テスト社(Testo GmbH & Company)より供給されるテスト(Testo)650を用いて測定される。ヒドロゲルの試料が、測定槽内に設置され、密閉される。測定は好ましくはおよそ25℃で行われる。相対湿度及び温度が機器上に表示され、一定になったら記録される。これは、典型的には約30分〜数時間である。水分活性は、相対湿度を100で割ったものである。
【0061】
8.蒸気相吸収
この測定は、0.85未満の初期水分活性(本明細書に記述された方法を用いて測定した場合)を持つヒドロゲル試料に適用することができる。およそ1kg/m2の坪量を有するヒドロゲルの試料がこの測定に用いられる。蒸気不透過性の裏当てと共に調製されていない場合は、蒸気不透過性の裏当て(例えばPET)がヒドロゲル試料の裏面に付着される。ヒドロゲル試料は暴露される大きさを上にして、湿度を±2%に、温度を±1℃に制御できる湿度及び温度制御試験槽、例えばテルマクス(Termaks)モデルPHDO−02又は等価なものであって、85%相対湿度、及び38℃に予め平衡化された試験槽内に、予め配置された電子天秤上に設置される。ヒドロゲル試料の初期重量、並びに時間の関数としての試料の重量の変化が記録される。試料の重量は少なくとも16時間、又は試料の重量が平衡に達するまで監視される。いかなる基材又はフィルムの組み合わされた重量がヒドロゲル試料の重量から引かれた後、平衡にあるヒドロゲルの重量増加の百分率が、記録された平衡にある重量増加とヒドロゲル試料の初期重量から計算される。g/cm2の単位における時間の関数としての重量増加が、時間の関数としての重量増加及びヒドロゲル試料の計算された面積から計算される。この重量増加は次の関数に適合する。
W(t)=Wf*(1−exp(−kvt))
式中、W(t)は時間tにおけるヒドロゲルの重量増加であり、Wfは平衡におけるヒドロゲルの重量増加であり、kvは、水−蒸気吸収の動力学を表わす、秒-1の単位の速度定数である。kv、及び平衡における重量増加の百分率の少なくとも二回の測定からの平均値が報告される。
【0062】
9.生理食塩水吸収速度
およそ1kg/m2の坪量を有するヒドロゲルの試料がこの測定に用いられる。0.9重量%の生理食塩水溶液で満たされた、必要吸収力装置(ゴールドマン(Goldman)らの米国特許第5,599,335号に詳細に記載される)が、ヒドロゲルによる生理食塩水溶液吸収の動力学を測定するために用いられる。必要吸収力装置のフリット漏斗を測定のため生理食塩水でゆすぎ、過剰の流体を抜き、乾燥し、流体リザーバの上部表面上〜2mmの固定された高さに配置して準備し、順番に:(i)フリット漏斗に結合したバルブを流体リザーバに対して開くように配置する、(ii)フリット漏斗に結合したバルブを、およそ−5cmの流体静力学的吸引の排液管に対して5分間まで開くように配置する、及び(iii)フリット漏斗に結合したバルブをリザーバ及び排液管の両方から隔絶するように配置する。米国特許第5,599,335号に記載されているように、ピストン/シリンダー装置が、必要吸収力測定の間ヒドロゲルを閉じ込めるために用いられる。シリンダーは内径60mmを有し、シリンダーの底は生理食塩水に対して透過性であるが、ヒドロゲルに対しては不透過性である。ピストンとおもりの組み合わされた重量が0.30psi(2.07kPa)に等しくなるように、ステンレス鋼のおもりがピストンの上部に配置される。ヒドロゲルのより大きい片から、パンチ(又は等価なもの)を用いて直径57〜60mmのヒドロゲルの円筒形部分を得る。このヒドロゲルは、接着剤表面がシリンダーの底に面するようにシリンダー内部中央に配置され、ピストンは、ヒドロゲルがシリンダーの底とピストンの間に閉じ込められるように配置される。挿入の間にヒドロゲルとシリンダーの壁との間の接触が最小になるようにして、ヒドロゲルをピストン/シリンダー装置内に配置するために、様々な手法を用いることができ、それには:(i)ピストン及びヒドロゲルをシリンダーの中に挿入する前にヒドロゲルをピストンに接着する、(ii)ヒドロゲル試料の基材表面を逆さにしたピストンの上に設置し、逆さにしたシリンダーをピストン及びヒドロゲルなどの上にかぶせる、が挙げられる。ピストン/シリンダー装置は、次いでフリット漏斗のフリット円盤上の中心に置かれ、ステンレス鋼のおもりがピストンに挿入され、フリット漏斗カバーが漏斗上に配置され、フリット漏斗に結合したバルブを流体リザーバに対して開くように配置することにより実験が開始される。ヒドロゲルに吸収される生理食塩水の量は、少なくとも1時間の間、時間の関数として測定される。100〜3600秒の時間の間の重量増加は次の関数に適合する。
W(t)=(kst0.5)+c
式中、W(t)は、シリンダーの単位面積(28.27cm2)当たりの、単位g/cm2でのヒドロゲル(グラムによる)の重量増加であり、ksは、生理食塩水吸収の動力学を表わす単位g/cm2/秒0.5での速度定数である。100秒より短い時間での重量増加のデータは、初期の吸収速度を偏らせる可能性のある、及び/又はさもなければ初期の吸収速度に影響する可能性のある様々な要因により、この適合から除外される。少なくとも二回の測定についての平均の傾きが、生理食塩水吸収速度として報告される。
【実施例】
【0063】
以下の実験の最初の部分は、本明細書の本発明の主要な実施形態に対応する、過剰の水分条件におけるヒドロゲルの安定性に焦点を合わせている。
【0064】
次の組成物が調製された。
【0065】
(実施例1)
およそ31.96部のアクリル酸(BASF)をおよそ25.02部の水に撹拌しながらゆっくりと溶解する。冷却された溶液に、およそ3.55部の50%の水酸化ナトリウム(NaOH;アルドリッチ(Aldrich))を撹拌及び冷却しながらゆっくりと添加するが、これはおよそ10モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。この添加の間、温度は25℃未満に保たれる。混合物を数分間撹拌し、いかなる沈殿したアクリル酸ナトリウムも再溶解させる。溶解の後、およそ39.48部のグリセロール(アグラー(Agrar))を添加する。最終的なプレミックスを、完全な溶液が完成するまで撹拌する。結果の溶液を光から遮断するために覆いをする。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表1に示される。
【0066】
上記のモノマー溶液のアリコートを重合してヒドロゲルを形成する。重合の前に、およそ0.177部の多官能性架橋剤IRR210(UCBからのポリオキシエチレントリアクリレート架橋剤)及び0.228分量のダロキュア(Darocur)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン;アルドリッチ(Aldrich))を、およそ100部のモノマー溶液に添加し、分散させ、及び/又は少なくとも15分間撹拌しながら溶解する。
【0067】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(例えば、フラー(Fuller)から入手可能な911NW;不織布坪量27gsm)上に押し出す。モノマー溶液は、紫外線照射硬化により重合される。ランプのピーク出力密度及び合計エネルギー密度は、UVパワーパック(UV Power Puck)(E.I.T.社(E.I.T. Inc.))を用いて測定され、ランプの出力強度及び長波長紫外線範囲のエネルギーは、試料上の入射長波長紫外線ピーク出力密度がおよそ1,100ワット/cm2、長波長紫外線エネルギー密度がおよそ18,2J/cm2(紫外線フィルタを用いて測定)であるように調整される。試料は、モノマー溶液を重合し、それらを接着剤ヒドロゲルに変換するために、紫外線フィルタ(例えば、Bteベダムフングステクニク社(Bte Bedampfungstechnik GmbH)フィルタ、320nmで透過性(T)=50%、220〜310nmの範囲でT<1%、330〜2000nmの範囲でT>85%)を装備した12の連続したランプの下をライン速度5m/分で通過する。重合の後、剥離ライナー(例えば、コウジシル(Cogesil)からのCS42)をヒドロゲルに適用し、ヒドロゲルは保管のため丸められる。
【0068】
モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。次に、上記の紫外線照射装置、手順、及び条件が、重合を達成するために用いられる。上記の手順は剥離紙上に重合したヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。
【0069】
結果のヒドロゲルは上記の試験方法により分析される。剥離紙上に重合した試料から、レオロジー特性測定のためのヒドロゲルの円形試料を得るために、直径25mmのパンチが用いられる。レオロジー測定は、剥離紙上で別々に重合されたヒドロゲル試料からパンチされた少なくとも三つの試料について行われる。試料の平均の厚さは、レオロジー測定に用いられるプレートからプレートへの分離から得られる。
【0070】
結果:
表2の結果に見られるように、G’(1ラジアン/秒)は、4000〜5500Paであり、生理食塩水吸収速度の値は1.5*10-3g/cm2/秒0.5未満である。実施例1の組成物は、本発明によるレオロジー及びモノマー塩形態の値を有し、従って過剰の水分条件におけるその安定性に関して優れた性能を有することが証明されたが、前記性能は次の実験により確認された。
【0071】
所定の重量を有する不織布基材上で重合した実施例1のヒドロゲルの試料に対して、所定量の蒸留水が表面に均一に添加された。これらの試料は次いで蒸気が漏れない袋の中に密閉され、室温で少なくとも5日間平衡化された。平衡後、ヒドロゲル試料は袋から取り出され、及び水の増加について、重量測定的に分析された。ヒドロゲル試料は次いで、試験方法の項に記述された手順を用いて、乾いた皮膚上−すべて同一人物−での剥離について分析された。結果は表3に示される。結果は、約20重量%までの水の増加が、実施例1のヒドロゲルについて、乾いた皮膚上の剥離に最小限の影響をもつことを示す。
【0072】
(実施例2(比較))
およそ52.4部の2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸(ルーブリゾール(Lubrizol)又は等価なもの)を、pH制御のためにおよそ0.5部のリン酸塩緩衝液(KH2PO4;アルドリッチ(Aldrich))、及び早期重合を防止するための阻害物質であるおよそ100ppmの4−メトキシ−フェノール(アルドリッチ(Aldrich))を含有する、およそ27.3部の水溶液に添加することにより、およそ58重量%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸−一ナトリウム塩(NaAMPS)の水溶液を調製する。この混合物に、およそ20.2部の50%の水酸化ナトリウム(NaOH;アルドリッチ(Aldrich))を、撹拌しながらゆっくりと添加する。この添加の間、温度は35℃未満に保たれる。NaOHの添加は、溶液のpHがおよそ5.0に増加するまで続けられる。最終溶液を周囲温度まで冷却する。
【0073】
およそ22.3部のNaAMPS溶液、及びおよそ19.2部のアクリル酸を、およそ13.3部の蒸留水に添加する。この溶液に、およそ6.4部の50%のNaOH(アルドリッチ(Aldrich))を撹拌及び冷却しながら添加するが、これはおよそ30モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。この添加の間、温度は35℃未満に保たれる。結果の溶液が周囲温度に冷却された後、およそ38.9部のグリセロール(アグラー(Agrar))を撹拌しながら添加する。結果の溶液を光から遮断するために覆いをする。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表1に示される。重合の前に、およそ0.15部のIRR210及び0.228部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加し、分散させ、及び/又は少なくとも15分間撹拌しながら溶解する。
【0074】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo)))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(ファイバーウェブ(Fiberweb)33;カラリンドPE(Corolind PE);33g/m2)上にコーティングする。この不織布はPETフィルム(カヴィレン−フォレックス(Cavilen - Forex);23μm)により裏当てされており、このPETフィルムは不織布に3M1524両面接着剤により付着している。この不織布を好適な容器、例えば、12cm×12cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。溶液を不織布の表面上に滴下し、次いで箱をゆっくりと左右に傾けて広げる。IST200オゾンなしアーク灯(スペクトル型:CKιι−OF)を装備したISTモデル#M20−1(2)−TR−SLC紫外線ポリマー反応装置が、重合を達成するために用いられる。およそ310nmの周波数を遮断する高域紫外線フィルタ(ベダムフングステクニク(Bedamfungs-technik)からの紫外線フィルタボロフロート(Borofloat)T320)をランプと試料の間に配置し、低周波数の紫外線照射をフィルタをかけて除去する。モノマーコーティングされた基材は、ランプの下およそ13cmに配置された可動速ベルト上で、ランプの下を通過する間に照射される。ベルトの速度はおよそ5メートル/分に設定される。UMD−1パワーメータ(エタ・プラス・エレクトロニック(Eta Plus Electronic))を使用して、ランプのピーク出力を測定し、試料上の入射ピーク紫外線出力が、およそ1000ミリワット/cm2となるように、ランプの出力強度を調節する。ランプの下に試料を12回連続して通過させてモノマー溶液を重合させ、柔軟な接着剤ヒドロゲルに変換させる。上記の手順は、各種類の基材上でヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。
【0075】
結果のヒドロゲルは、実施例1に記述されるように分析される。結果は表2に要約されている。このヒドロゲルについては、塩形態のモノマーユニットの濃度は、およそ42モル%であり、これが生理食塩水の吸収速度(ks)が、2.5*10-3g/cm2/秒0.5を超える値になる結果となった。
【0076】
実験研究の第二部は、本発明の別の態様により剥離強度/粘着性能を対象とする。
【0077】
次の組成物が調製された。
【0078】
(実施例3)
およそ32.07部のアクリル酸(BASF)をおよそ20.96部の水に溶解すること以外は、実施例1に記述されたモノマー溶液を調製する手順に従う。およそ1.78部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ5モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ45.19部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.2295部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0079】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(例えば、フラー(Fuller)から入手可能な911NW;NW坪量27gsm)にコーティングする。この不織布を好適な容器、例えば、12cmx12cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。溶液を不織布の表面上に滴下し、次いで箱をゆっくりと左右に傾けて広げる。次に、実施例1に記述された紫外線照射、手順、及び条件が、重合を達成するために用いられる。上記の手順は、各基材上でヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。結果のヒドロゲルは、実施例1に記述されるようにレオロジー測定について分析され、剥離強度を測定するために、幾つかの10〜12cm×2.54cmのストリップが、不織布基材上に形成された1つ以上のヒドロゲル試料から切断される。これらのストリップは、上記の方法を用いて、PETからの、及び皮膚からの接着剤の剥離を測定するために用いられる。
【0080】
表4の結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.55未満であり、皮膚上の残留物の視覚検査により測定した場合、非常に良好な粘着性という結果になる。アクリル酸を5モル%まで中和することは、乾いた皮膚及びPETへの付着に対して高い剥離力をもたらす。
【0081】
(実施例4)
およそ28.84部のアクリル酸を、およそ18.28部の水に溶解すること以外は、実施例3に記述された手順に従う。およそ6.49部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ20モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ46.52部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.1765部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0082】
結果のヒドロゲルは、実施例3に記述されるように分析される。結果は表5に要約される。結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.65未満である。アクリル酸を20%まで中和することは、乾いた皮膚への付着に対して比較的高い剥離力をもたらす。
【0083】
(実施例5)
およそ24.88部のアクリル酸を、およそ13.54部の水に溶解すること以外は、実施例3に記述された手順に従う。およそ13.82部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ50モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ47.84部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.1765部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0084】
結果のヒドロゲルは、実施例3に記述されるように分析される。結果は表5に要約される。結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.65未満であり、良好な粘着性を持つヒドロゲルをもたらすが、アクリル酸を50%まで中和することは、乾いた皮膚及びPETの両方への付着に対して、実施例4と比較して、より低い剥離力という結果をもたらす。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0001】
本発明は、哺乳類の皮膚に付着することができ、過剰な水分条件を包含して、優れた付着及び痛みのない取り外し特性を示し、及び優れた粘着性能を示す、ヒドロゲル接着剤に関する。本発明はまた、本明細書のヒドロゲル接着剤を含有するパーソナルケア製品、例えば排泄物処理物品、吸収性物品、及びヒトが装着する様々な機能性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品及び排泄物処理物品のような消費者製品に用いる人体へのヒドロゲル接着剤は、以前から、EP1025823及びEP1025866にそれぞれ記載されていたが、ヒドロゲル接着剤の開示は、主として医学的用途、例えば皮膚電極、経皮的な薬物の送達、及び創傷治癒との関連において生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
EP1025823及びEP1025866には、吸収性製品及びヒトの排泄物処理製品のような消費者製品への特定の要求が開示され、それには確実な付着、痛みのない取り外し、及び過剰な水分の存在における接着の安定性が包含されている。PCT国際公開特許WO00/46319及びWO00/45864には、例えば生物医学的な皮膚に用いるヒドロゲル接着剤が開示され、濡れた皮膚及び油性の皮膚への改善した接着を示している。
【0004】
過剰の水分条件で優れた付着を示すヒドロゲル組成物は、前記組成物中の塩形態のモノマーユニットの濃度、及びレオロジーの特徴を選択することにより配合できることが、現在見出されている。その上、モノマーの選択及び中和の度合によって、優れた剥離強度性能が提供される一方で、粘着性能が意外にも高められることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー;5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤、及び約10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤に関し、該親水性ポリマーは、3を超えるpKaを有する1つ以上の弱酸モノマーユニットを少なくとも50モル%、好ましくは80モル%、最も好ましくは90モル%含み、該弱酸モノマーは少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%、最も好ましくは少なくとも85モル%、更に最も好ましくは85モル%〜95モル%の範囲がその酸形態であり、前記親水性ポリマー中の塩形態のモノマーの濃度は、すべてのモノマーユニットの30モル%を超えず、及び温度25℃における該ヒドロゲルの弾性率G’25(1ラジアン/秒)は、2000Pa〜6000Paの範囲であり、好ましくは4000〜5500Paの範囲である。
非イオン性保湿剤は好ましくはグリセロールであり、及び弱酸は好ましくはアクリル酸である。
【0006】
本明細書の具体的実施形態において、本発明は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤及び10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤を対象とし、これは、該ポリマーが、少なくとも90モル%、好ましくは95モル%の弱酸モノマーユニットを含み、これは75モル%〜95モル%、好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態であり、及びG’25(1ラジアン/秒)が1000Pa〜10000Paの範囲、好ましくは2000Pa〜6000Paの範囲、より好ましくは4000Pa〜5500Paの範囲にあり、好ましい非イオン性保湿剤はグリセロールであり、及び該弱酸はアクリル酸であることを特徴とする。
【0007】
本発明はまた、パーソナルケア製品を包含し、特に、上記の実施形態によるヒドロゲルを含むヒトの排泄物処理装置、吸収性物品及び機能性物品を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書のヒドロゲル接着剤は、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤、及び10〜85重量%の水を含有する。モノマーの重合は、好ましくは非イオン性保湿剤及び水の存在下で発生し、並びに架橋は、ゲル形態及びヒドロゲルとも呼ばれる、ポリマーの三次元の基質を作り出す。
【0009】
親水性ポリマーは、少なくとも50モル%のより弱酸のモノマーの内の一つを含有する、より好ましくは80モル%、最も好ましくは90モル%の前記弱酸モノマーを含有する反復ユニット又はモノマーを包含する。
【0010】
(弱酸モノマー)
弱酸モノマーは、そのpKaに関連して定義され、それは3をこえるpKaでなくてはならない。前記モノマーは、オレフィン性不飽和カルボン酸類、及びカルボン酸無水物類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、エタクリル酸、シトラコン酸、フマル酸、β−ステリルアクリル酸などの群から好ましくは選択される。特に好ましい弱酸モノマーはアクリル酸及びメタクリル酸であり、アクリル酸が最も好ましい。
モノマーの性質に加えて、前記モノマーのそれぞれの量及び中和の形態は、過剰な水分条件下でさえ優れた接着性能を示すというその能力に関して、本ヒドロゲル組成物の特異な特性を達成するために特に重要である。
【0011】
実際、過剰な水分条件においてこうした性能を達成するためには、本明細書のヒドロゲル中の塩形態のモノマーユニットの濃度は、ポリマー中の全モノマーユニットの30モル%を、好ましくは20モル%を超えるべきではないことがわかっている。塩形態のモノマーユニットの濃度は、ヒドロゲルが尿のような生理的流体を吸収する速度に直接影響し、従って本発明のヒドロゲルは、後述の試験方法により、2.5x10-3g/cm2/秒0.5未満の、好ましくは2.0x10-3g/cm2未満の、更により好ましくは1.5x10-3g/cm2/秒0.5未満の生理食塩水吸収速度を示すことがわかっている。理論により束縛されないが、ポリマーからの塩形態のモノマーユニットの対イオンの解離は、ヒドロゲルが膨らむための浸透圧性の推進力、従って尿のような生理的流体吸収の推進力を減少させると考えられている。これはこうした流体の吸収速度を減少させる。ヒドロゲルと接触する流体の吸収速度を減少させることにより、吸収される流体の量は減少し、従って生理的流体ヘの暴露が接着及び粘着特性に影響する程度を減少させる。
【0012】
生理食塩水吸収速度は、(i)ヒドロゲルは横方向ヘ膨らむことを抑制される、及び(ii)それは0.3psi(2.07kPa)の封圧下で0.9%の生理食塩水溶液の吸収によりz方向(ヒドロゲルの平面に対して垂直)に膨らむことを許されるという条件下で、ヒドロゲルの円形断面の接着面を過剰の生理食塩水溶液に暴露することにより測定される。時間の関数としての吸収された生理食塩水溶液の量が測定され、生理食塩水吸収速度が、時間に対する吸収された生理食塩水の変化量から、以下に詳細に記述されるように計算される。
【0013】
本発明の弱酸モノマーは、そのため少なくとも50モル%が、好ましくは少なくとも70モル%が、最も好ましくは少なくとも85モル%が、最も好ましくは85〜95モル%がその酸形態で存在するべきである。
本発明のヒドロゲルの卓越したモノマーユニットとしての弱酸モノマーの選択は、次の考察により推進される。
【0014】
理論により束縛されないが、ヒドロゲル表面の減少した親水性は、皮膚のような特に疎水性面へのヒドロゲルの接着を高めると考えられている。ヒドロゲルが皮膚表面の隙間の上及び中に広がる能力は、ヒドロゲルの表面エネルギーが、皮膚の表面エネルギーにより近い場合に助成されると考えられている。減少したヒドロゲル表面の親水性は、比較的より高い値の貯蔵弾性率及び比較的より低い値のtanδ(以下に記述)を有する、それほど変形可能でなくそれほど流動性がないヒドロゲルにとって、またヒドロゲル接着剤が使用後に再配置される及び/又は取り外される場合に、ヒドロゲルの粘着性を高め、後に表面(例えば皮膚)上に残される残留物を減少させるために望ましいレオロジー特性にとって、特に重要であると考えられている。
【0015】
ヒドロゲルが高湿度環境に暴露された場合には、ヒドロゲル表面の増加した疎水性は、水の吸収速度を減少させ、ヒドロゲルが高湿度環境の幾らかの水をまさに吸収した場合及び/又はヒドロゲルが生理的流体と直接接触した場合には、ヒドロゲルの接着特性を保持する能力を高めるともまた考えられている。ヒドロゲル表面上の水の液滴の初期接触角は、ヒドロゲル表面の親水性の測定値を提供するが、より大きい接触角は、表面がそれほど親水性でなく、より疎水性であることを示すと更に考えられている。
【0016】
理論により束縛されないが、接触角を大きくし、生理食塩水吸収速度を減少させる上で、本発明の弱酸モノマーは特に有用であり、特に中和された場合は、これらの弱酸モノマーは、ヒドロゲル原体中の酸形態の弱酸モノマーからプロトンを、表面上の塩形態の弱酸モノマーに移動させ、従って表面の親水性を減少させる能力により、接触角を高くすることに寄与する可能性があると考えられている。それらの酸形態において、これらの弱酸モノマーはまた、上記のように生理的流体の吸収の推進力には大幅に寄与しない。この表面の親水性及び生理食塩水の吸収速度の減少は、ヒドロゲル原体の親水性を過剰に減少する(例えば、顕著な濃度の非イオン性モノマーを組み込むことにより)必要なく、達成される。原体の親水性のこうした減少はヒドロゲルのその他の所望の特性、例えばその皮膚への適合性、好ましいpHを維持するその能力、濡れた皮膚に接着するために十分な水を吸収するその能力、汗を吸収するその能力などに対して有害である可能性がある。
【0017】
接触角は、蒸留水の液滴をヒドロゲルの表面に付着させ、表面に対する液滴の初期角を、試験方法の中に後述される光学的方法及び計算方法を用いて測定することにより、測定される。ヒドロゲルの接触角を決定する際に、測定がヒドロゲル上の疎水性物質の表面層の付着により影響されないことが重要である。こうした表面層は、例えばヒドロゲルの暴露表面に適用されたシリコーン塗工剥離紙から移動する可能性がある。
本発明のヒドロゲルは好ましくは、少なくとも40度の、より好ましくは少なくとも50度の、更により好ましくは少なくとも60度の、更により好ましくは少なくとも70度の、及び最も好ましくは少なくとも90度の接触角を有する。
【0018】
(保湿剤)
三次元接着剤の基質はまた、保湿剤又は保湿剤混合物(本明細書においてまた可塑剤とも呼ばれる)を含むが、これは室温において液体であるのが好ましい。保湿剤は、モノマー及びポリマーがその中に可溶化されるか、又は分散されるように選択される。照射架橋が実行される実施形態については、保湿剤は望ましくは、ポリマーの照射架橋過程を大幅に抑制しないように、照射架橋適合性である。保湿剤混合物の構成成分は、好ましくは水に親水性及び混和性である。
【0019】
適した保湿剤には、アルコール類、多価アルコール類、例えばグリセロール及びソルビトール、及びグリコール類及びエーテルグリコール、例えばポリアルキレングリコールのモノ−、又はジエーテル類、モノ−又はジエステルポリアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類(典型的には、分子量約600まで)、グリコレート類、グリセロール、ソルビタンエステル類、クエン酸及び酒石酸のエステル類、イミダゾリン誘導の両性界面活性剤、ラクタム類、アミド類、ポリアミド類、第四級アンモニウム化合物類、エステル類、例えばフタラート類、アジペート類、ステアレート類、パルミテート類、セバケート類、又はミリステート類、モノ/ジ/トリグリセリド類を包含するグリセロールエステル類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいのは、多価アルコール類、ポリエチレングリコール(分子量約600まで)、グリセロール、ソルビトール及びこれらの混合物である。グリセロールが特に好ましい。保湿剤は5〜80重量%のヒドロゲルを含む。
保湿剤の重要な機能は、ヒドロゲルの水分活性を0.35〜0.95に、好ましくは0.4〜0.85に、最も好ましくは0.45〜0.75に減少させることである。水分活性は、試験方法の項に後述される方法により、ヒドロゲルの上の平衡相対湿度を測定することにより決定される。
【0020】
(レオロジー)
接着剤の粘性は、特定の表面に迅速に付着し、しっかりと接着する接着剤の能力の指標を表すものと解釈できる。弾性は、接着剤の「硬さ」の性質の指標として解釈できる。また、その値は、良好な初期付着のために重要である。それらの組み合わせは、取り外し時に必要とされる力の指標と考えられる。弾性率と粘性率との間の関係は、取り外しエネルギーの一部が接着剤内で放散され、その一部が実際の取り外しを誘引するために利用可能である指標になると考えられる。
【0021】
初期に及び長期にわたりしっかりと付着し、容易に/痛みを伴わずに取り外される接着剤を提供するためには、弾性率及び粘性率の間の関係、並びにそれらの動的性質もまた重要である。理論により束縛されないが、皮膚に適用されるヒドロゲルに関して、T=37℃でのレオロジー特性が、接着及び取り外しの特性に最も関係すると考えられている。しかしながら、本発明のヒドロゲルに関しては、レオロジー特性は25〜37℃の範囲の温度に対して、せいぜい適度に敏感である程度であることがわかっている。従って、本発明の目的において、25℃の温度におけるレオロジー特性を指定することは便利である。接着剤には、G’25と略記される25℃における弾性率、G’’25と略記される25℃における粘性率、及びtanδ25と呼ばれる25℃における比G’’25/G’25がある。
【0022】
過剰な水分状態を含めて、有効に実行するためには、本発明による接着剤は、2000〜6000Paの範囲の、最も好ましくは4000〜5500Paの範囲のG’25を有さなければならないことがわかっている。
皮膚への接着剤の残留物を防ぐために、接着剤が非常に良好な粘着性を示すことも、本明細書の組成物の重要な属性である。
これを達成するためには、本明細書の組成物のtanδ25(1ラジアン/秒)は、それが0.15〜0.65の範囲内に、好ましくは0.15〜0.55の範囲内に存在するように選択されるのが好ましい。
【0023】
接着剤がその中に提供される層であって、典型的には物品の装着者に面する表面の少なくとも一部分の上に提供される層の、ミリメートル(mm)で測定した場合の厚さ又はキャリパーCと、接着剤の約100ラジアン/秒の粘性率G’’25との間の関係は、装着者の皮膚への吸収性物品付着のために、前記物品の装着者に面する表面の少なくとも一部分に塗布されたこうした接着剤の、装着者の皮膚からの容易な及び痛みのない取り外しを提供する範囲に関係することが、判断された。
【0024】
本発明の接着剤は、従って、粘性率G’’25(100°ラジアン/秒)と厚さCが好ましくは次の経験式を満足するような厚さCを有する層として提供されるのが好ましい。
G’’25 ≦[(1.53+C)x1724]Pa
【0025】
(接着特性)
本明細書のヒドロゲルは、好ましくは0.3〜3N/cm、より好ましくは1.5〜3N/cmの乾いた皮膚上での90°の剥離力を有する。剥離力はまたポリエチレンテレフタレート(PET)上で180°において測定することができる。本明細書のヒドロゲルは、好ましくは0.2〜5N/cm、より好ましくは0.5〜5N/cmのPET上での剥離力を有する。皮膚及びPET上での剥離力を測定する方法は、試験方法の項に後述される。
その上、本明細書のヒドロゲルは、高湿度における適用又は生理的流体に直接暴露される場合に見出されるような、濡れた皮膚上及び過剰な水分の存在において、特に良好な接着性能を示す。水の吸収後の剥離力の測定方法は、以下に開示される。
【0026】
(好ましいヒドロゲル)
本発明の具体的な実施形態による好ましいヒドロゲルは、0.15〜0.65の、好ましくは0.15〜0.65のtanδ25(1ラジアン/秒)と、乾いた皮膚での剥離力0.3〜3N/cm、好ましくは1.5〜3N/cmを組み合わせて、最適な粘着性能を達成するが、前記範囲内での両方の特徴の維持は、本明細書のヒドロゲル中の弱酸、好ましくはアクリル酸の濃度が、少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%であり、前記弱酸は、少なくとも75モル%、好ましくは85モル%がその酸形態であり、より好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態である場合は保証されることがわかった。
【0027】
それに応じて、本発明のこうした好ましいヒドロゲルは、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤及び10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤を含み、該ポリマーは、弱酸モノマーユニットを少なくとも90モル%含み、好ましくは弱酸モノマーユニットを95モル%含み、該弱酸モノマーは好ましくはアクリル酸であり、該弱酸モノマーは少なくとも75モル%がその酸形態であり、好ましくは少なくとも85モル%がその酸形態であり、より好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態であり、G’25(1ラジアン/秒)が、1,000Pa〜10,000Pa、好ましくは2,000〜6,000Pa、より好ましくは4,000Pa〜5,500Paの範囲にあり、保湿剤は好ましくはグリセロールであることを特徴とする。
【0028】
本明細書の実施形態による前記ヒドロゲルは、好ましくは塩形態の弱酸モノマーユニットの対イオンが、一、二、又は三価金属イオン又はそれらの組み合わせであるようなものである。ナトリウム及びカリウムは特に好ましい対イオンである。
【0029】
(重合条件)
本発明によると、接着剤のポリマー構成成分は、三次元の基質を形成するために、物理的に、化学的に、又はイオン的に架橋されることができる。物理的架橋とは、例えば、3次元基質中に高結晶化度を有する領域、高ガラス転移温度を有する領域又は疎水性相互作用を有する領域があるような、化学的共有結合ではない物理的性質の架橋を有するポリマーのことを言う。化学的架橋とは、共有化学結合により結合しているポリマーのことを言う。ポリマーは、例えば紫外線照射、電子ビーム照射、ガンマ若しくはマイクロ波照射のような照射技術により、又は好ましくは、例えば紫外線、熱及び/若しくはレドックス重合反応開始剤の使用による、二官能性/多官能性モノマー架橋剤によるモノマーの共重合化により化学的に架橋されることができる。
【0030】
適した多官能性モノマー、モノマー架橋剤には、様々なPEG分子量を有するポリエチレンオキシドd(メタ)(d(meth))アクリレート類、IRR280(UCBケミカル(UCB Chemical)から入手可能なPEGジアクリレート)、様々なエチレンオキシド分子量を有するトリメチロールプロパンエトシキレートトリ(メタ)アクリレート、IRR210(アルコキシル化トリアクリレート:UCBケミカルズ(UCB Chemicals)から入手可能)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルアミン、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド及び当該技術分野で既知のその他の多官能性モノマー架橋剤が挙げられる。好ましい多官能性モノマー架橋剤には、多官能性ジアクリレート類及びトリアクリレート類が挙げられる。
【0031】
本発明のモノマーは、好ましくは遊離基重合開始剤の使用により重合される。こうした遊離基重合反応開始剤は、当該技術分野において周知であり、1種以上の光反応開始剤(類)、熱反応開始剤(類)、又はレドックス反応開始剤(類)であることができ、5重量%までの、好ましくは0.02重量%〜2重量%の、より好ましくは0.02重量%〜0.4重量%の量で存在する。光反応開始剤が好ましい。適した光反応開始剤には、タイプI−[]−ヒドロキシケトン類、及びベンジルジメチル−ケタール類、例えばイルガキュア(Irgacure)651(ジメトキシベンジルフェノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より入手可能)が挙げられ、これは紫外線周波数による照射により重合を開始するベンゾイル基を形成すると考えられている。特に好ましい光反応開始剤には、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名ダロキュア(Darocur)1173として入手可能)、I−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名イルガキュア(Irgacure)184として入手可能)及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より、商品名イルガキュア(Irgacure)2959として入手可能)が挙げられる。適した熱反応開始剤には、過硫酸カリウム及びVA044(ワコー(Wako)から入手可能)が挙げられる。適したレドックス反応開始剤には、過酸化水素とアスコルビン酸、並びに過硫酸ナトリウムとアスコルビン酸の組み合わせが挙げられる。
【0032】
化学的架橋はまた、エチレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリマー官能基、グリセロールのようなポリオール類、及び当該技術分野で既知のその他の多官能性試薬と反応することができる多官能性試薬の使用により、重合後に実施することもできる。
架橋は、反対の電荷を有する基がイオン相互作用により、相互に作用するイオン架橋によって、全て又は一部実施することもできる。適したイオン架橋剤には、Al+3及びCa+2のような多価カチオン類、当該技術分野で既知の高分子ポリアミン類及びポリ四級アンモニウム化合物類を包含するジ/ポリアミン類、ジ/ポリ−四級アンモニウム化合物類を包含する当該技術分野で既知のものが挙げられる。
【0033】
本発明に基づく接着剤組成物の調製において、成分は普通混合されて、初期の水性プレゲルを主体とする液体製剤の形態の反応混合物を提供するであろうが、これは次いで、上記の遊離基重合反応によりゲルに変換される。これは、例えば従来の熱反応開始剤及び/又は光反応開始剤を用いて、又は電離放射線により達成されてもよい。光反応開始は好ましい方法であり、適当な光反応開始剤を含有するプレゲル反応混合物が、シリコン塗工剥離紙又はその他の固体若しくは多孔質基材の上に、層として薄く塗られるか又はコーティングされた後に、紫外線光を受けることにより適用される。240〜420nmの範囲の波長における入射紫外線強度は、重合を適当な期間で完了するのに十分な強度及び暴露時間(例えば10〜3000mW/cm2)である。処理を促進するため、反応混合物を幾つかの紫外線照射源に連続して暴露させることが多くの場合好ましい。処理加工は一般に、正確に予め決定される混合及び熱処理の順番、又は履歴を伴う、制御された方式で実施される。
【0034】
合計の紫外線照射時間は、95%を超えるモノマーの、好ましくは99.9%を超えるモノマーの、更により好ましくは99.99%を超えるモノマーの変換によりゲルを形成するために、好ましくは300秒未満、より好ましくは60秒未満、及び更により好ましくは10秒未満であるべきである。当業者は、照射の程度が、反応混合物の厚さ、モノマーの反応性及び濃度、光反応開始剤の濃度、保湿剤の特性、並びに反応混合物がコーティングされる基材の性質及び紫外線供給源に依存することを理解するであろう。
【0035】
幾つかのポリマーは反応プレミックスに組み込むことができるが、このプレポリマーを過剰濃度で組み込むことは、レオロジー及び粘着性の好ましい組み合わせをもつヒドロゲル接着剤の形成に有害であると考えられている。理論により束縛されないが、このプレポリマーはヒドロゲルのゾル部分の構成成分として残る傾向があり、及び三次元ポリマー基質(即ちヒドロゲルのゲルの部分)には有効に組み込まれない傾向があると考えられている。従って、このプレポリマーは、ヒドロゲル中の反応プレミックス及びポリマーを全モノマーユニットの、10モル%未満、好ましくは5モル%未満を含むことが好ましい。
【0036】
これらのタイミングは、高圧水銀アーク灯を紫外線供給源として200W/cmで操作するためのものである。基材表面に到達する紫外線のピーク強度は、およそ1000m/W/cm2である。所与のランプについて、紫外線強度は、運転出力及び紫外線供給源から反応混合物までの距離の関数である。同様に、非常に低い波数の紫外線強度への暴露を最小にするために、高域紫外線フィルタも用いることができる。
【0037】
いかなる残留モノマーの存在も最小にする、好ましくは排除するために、確実に反応を完了させることが重要である。これは、幾つかの要因、例えば接着剤が適用される基材、紫外線光の種類と強度及び紫外線光通過の数に依存する。
【0038】
(任意成分)
当該技術分野で既知の一般的添加剤、例えば重合阻害物質、連鎖移動剤、界面活性剤、溶解性又は分散性ポリマー、緩衝剤、保存剤、酸化防止剤、顔料、鉱物充填剤など及びそれらの混合物なども、それぞれ10重量%までの量で接着剤組成物内に含まれてもよい。好ましくは、本明細書のヒドロゲルは、塩を含有するべきではない、又は1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の最小濃度で含有するべきである。
【0039】
その他の適したモノマーもまた、ポリマーの約50モル%までの量で組み込まれることができる。これらのモノマーは、例えば強酸モノマーから選択することができる。強酸モノマーはそのpKaに関連して定義され、これは3未満でなければならない。pKaは、当該技術分野において周知の方法により、水溶液中の強塩基による酸の滴定により測定される。前記強酸モノマーは、オレフィン性不飽和脂肪酸又は芳香族スルホン酸類、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、メタクリルスルホン酸などの群から好ましくは選択される。特に好ましい強酸モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタクリレートであり、その他の好適なモノマーは、当業者に既知の非イオン性、双極性、又は陽イオン性モノマーから選択することができる。非イオン性モノマーの例には、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。陽イオン性モノマーの例には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びそれぞれの四級塩などが挙げられる。
【0040】
(pH)
本明細書のヒドロゲル組成物のpHは、3〜6、より好ましくは3〜5.5、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲にあり、これは哺乳類の皮膚のpHと完全に適合する値を表す。
このpHの範囲は、本明細書の組成物によりいかなる追加の緩衝剤も使用することなく直接達成することができ、この緩衝剤は本明細書のヒドロゲルの性能及び皮膚への親和性に有害な影響を与える可能性がある。
【0041】
pHの測定条件は、試験方法の項に後述される。
【0042】
(パーソナルケア製品)
本発明において、パーソナルケア製品とは使い捨て可能な又は再利用可能な製品を意味し、それらはヒトの健康、安らぎ、快適さ又は喜びを対象とした機能を達成するために、人体に接触して、又は近接してヒトにより装着されるように設計されている。
こうした物品の第一の種類には、使い捨て可能なヒトの排泄物処理装置、例えば尿、月経、及び糞便処理装置が挙げられる。
【0043】
(使い捨て可能な排泄物処理装置)
本明細書の尿、月経、又は糞便処理装置には、装着者の泌尿生殖器領域及び又は肛門周囲領域への、接着剤の付着のための開口及び開口を囲むフランジを有する袋が包含される。当該技術分野において既知のいかなる糞便、月経、又は尿処理装置も、本発明による接着剤を備えることができる。こうした装置は、例えばPCT国際公開特許WO99/00084及びWO99/00085に記載されている。
【0044】
本明細書の尿、月経、又は糞便処理装置にはまた、人工肛門/結腸人工肛門装置のような人体の人工的開口に付着するように設計された装置が包含される。
こうした物品に用いられるような袋は、尿、月経、及び排泄された糞便物質を閉じ込めるための柔軟性のある容器である。
袋は、取り込んだいかなる物質も安全に含有するように設計されており、典型的にはそれは液体不透過性であろうが、通気性であってもよい。袋は、着座時のような典型的な装着条件において袋に圧力がかかる時にも、使用時に破裂しない十分な強度に設計される。
袋は、吸収材料を含有してもよい。吸収材料は、液体を吸収し保持できる、いかなる吸収材料を含んでもよい。吸収材料は、使い捨ておむつ、及びその他の吸収性物品で普通に用いられる、多種多様な液体吸収材料を含んでもよく、例えば一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含んでもよい。
【0045】
ヒトの排泄物処理装置、特に本発明による尿/月経処理装置はまた追加の捕捉層を含んでもよい。捕捉層は、典型的には袋の内部表面に固定されている。しかしながら、捕捉層はまたフランジに固定されてもよく、又はフランジと袋の内部表面の両方に固定されてもよい。捕捉層は、装着者の生殖器を吸収材料と直接接触しないように分離するよう配置されるのが好ましい。捕捉層は流体透過性であり、尿/経血を容易に通過させ、その結果それらは吸収材料に吸収され得る。
【0046】
袋は、排泄された物質を、袋の空洞内に貯蔵する前に人体から受け取る開口を備えている。開口はフランジにより囲まれており、いかなる形状又は大きさ、例えば円形、長楕円形、ハート形で提供されてもよく、また左右対称又は左右非対称であってもよく、好ましくは開口は、縦方向若しくは横方向のいずれか又は両方向に長楕円形の構成を有し、例えば開口の輪郭はそれぞれの主軸が実質的に垂直である二つの楕円の形状である。
【0047】
フランジは、衣類に面する表面及び装着者に面する表面を含む。好ましい実施形態では、これらは二つの大きい、実質的に平らな表面であるが、フランジはまた装着者の会陰領域又は尾骨領域に適合するように設計された突起を含んでもよい。
フランジを会陰領域に容易に配置させるため、フランジは、柔らかく、柔軟性があり、適応性のある材料で製造されるべきである。典型的な材料としては、不織布材料、織布、連続気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡熱可塑性発泡体、連続気泡型発泡体と伸縮性不織布の複合体、及びフィルムが挙げられる。ポリエチレンの独立気泡発泡体が有効であることがわかっているが、更に好ましくは連続気泡型ポリウレタン発泡体が用いられる。好ましくは、このような発泡体は、0.1〜5ミリメートルの一般的な範囲以内の厚さ、及び5〜250g/m2の、より好ましくは50g/m2の坪量を有する。その他の熱可塑性発泡材料、又はこうした発泡体の記述された特性(即ち、柔らかさ、柔軟性、伸長性、収縮性)を有するその他の好適なプラスチックシート材料もまた用いられてもよい。
【0048】
接着剤は、スロットコーティング、スパイラル、ビード適用又は転写のような当該分野において既知のいずれかの手段によって、フランジの装着者に面する表面に塗布することができる。典型的には、接着剤は、想定される最終用途に応じて、坪量20g/m2〜2500g/m2、より好ましくは500g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは700g/m2〜1500g/m2で塗布される。例えば、乳児用糞便処理装置の接着剤の量は、活動的な成人失禁患者用に設計された糞便処理装置の場合よりも少なくてよい。
【0049】
(使い捨て可能な吸収性物品)
本明細書の別の種類のパーソナルケア物品には、使い捨て可能な吸収性物品、例えばおむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、汗パッドが挙げられる。本明細書で使用する時、吸収性物品とは、吸収性のコアを含み、及び当該技術分野における普通のいかなる方法によっても製造できる物品を意味する。装着者に面する表面、典型的には吸収性物品のトップシート表面への接着剤の塗布は、接着剤を塗布するために一般に用いられるいかなる周知の技術によっても提供され得るため、当業者にとって重大な問題であるはずはない。最も好ましくは、接着剤は、点又は類似のもののような小さい、増加する領域のパターンで提供される。
【0050】
本発明は、ユーザーの皮膚に直接適用される使い捨て可能な吸収性物品に、有益に用いられることができる。物品は普通は人体の流体について吸収性を示し、ユーザーの衣類を汚れから保護し、ユーザーにとって快適であり、並びに製造及び包装が容易である。使い捨て可能な吸収性物品は、生理用ナプキン又は生理用品に言及することにより以下に記述されるが、おむつ、パンティライナー、成人失禁用物品、タンポン又は汗パッドもまた、使い捨て可能な吸収性物品という用語に包含される。
【0051】
(その他のパーソナルケア製品)
本明細書における本発明の接着剤はまた、その他のパーソナルケア製品にも用途を見出す可能性がある。接着剤は、例えば皮膚に接着する機能性物品、例えば皮膚処置物質、クリーム、ローション、ホルモン、ビタミン、防臭剤、薬のような、物質を皮膚に提供する化粧品又は医薬送達物品;殺虫剤、吸入薬、香料のような、皮膚から発散させるための物質を提供する化粧品又は医薬送達物品;皮膚に必ずしも付着される必要はないが、長い滞留時間を必要とする機能性物品、例えば装飾化粧品(口紅、アイシャドウ、舞台化粧)、及び洗浄物品(ハンドクリーナー、フェイスマスク、及び衛生的毛穴洗浄剤)を接着するために実用性を見出す可能性がある。こうした物品は好ましくは人体の液体に関して非吸収性である。
【0052】
接着剤はまた更に物品を皮膚に付着するための用途を見出す可能性があり、その物品は例えば保護物品、例えば生殖器の、膝の、又は肘プロテクター又は包帯;ブラジャー、手術衣、又は仕立屋で衣類を合わせている間の衣類の部品のような衣類品;鼻の絆創膏;胸の代用品又はかつらのような人工装具;例えば打撲の痛み止めを提供し腫れを軽減するための冷却ラップ;例えばPCT国際公開特許WO97/36968及びWO97/49361に開示されたように、一次的な及び慢性的な痛みを和らげるための熱電池を含む保温性ラップ、例えば米国特許第5,728,146号に開示された首のラップ、PCT国際公開特許WO97/01311に例示された膝のラップ、及び例えば米国特許第5,741,318号に開示された背中のラップ;補聴器;保護的フェイスマスク(有毒物質の吸入の軽減又は予防用);イビキ防止貼付剤、例えば宝石類、イヤリング、変装、入れ墨などの装飾品;ゴーグル又はその他のアイウェア、テープ、包帯、一般的効用の包帯、創傷治癒及び創傷処置装置;及び生体用皮膚電極、例えばECG、EMG、EEG、TENS電気外科、除細動、顔面/美容用途用EMS及び電極;並びに患者のカテーテル、チュービングリード線ケーブルなどを固定する目的の固定製品及び/又は装置である。
【0053】
(試験方法)
1.レオロジー
ヒドロゲルのレオロジーは、25℃においてレオメトリックス(RHEOMETRICS)SR5000振動レオメーター又は等価なものを用いて測定される。厚さおよそ1mm、直径25mmの試料は、二つの断熱された直径25mmの平行板(Parallel Plates)の間に設置され、ペルティエシステム(Peltier system)又は等価なものを用いておよそ25℃の温度に制御される。動的周波数掃引(Dynamic Frequency Sweep)がヒドロゲル上で、ヒドロゲルの線形弾性反応内で適用されたひずみにおける(例えば、10%までのひずみ)圧力又はひずみモードのいずれかにおいて、0.1〜100ラジアン/秒の不連続な周波数値での測定により実行される。結果は1.0及び100ラジアン/秒の周波数値におけるG’、G’’、及びtanδとして引用される。ヒドロゲルは、測定の少なくとも24時間前に熟成される。少なくとも三つの測定の平均が報告される。
【0054】
2.乾いた皮膚上での剥離力
乾いた皮膚からヒドロゲルを取り外す剥離力が、10Nロードセル及び固定アンビルプレート、例えばインストロン(Instron)部品モデルA50L2R−100を装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。試料は幅25.4mm及び長さ約10〜20cmのストリップに切断される。ヒドロゲルより長い長さの引き伸ばせないフィルムが、ヒドロゲル試料の反対側(例えば基材側)に両面接着剤を用いて適用される。好適なフィルムは23μの厚さのPETであり、イタリア、コロルノ43052のエフェギディ社(Effegidi S.p.A)より入手可能である。剥離紙をもつ試料については、剥離紙はヒドロゲルを前腕に適用する前に取り外され、次いでヒドロゲルと皮膚の間に空気を閉じ込めないように圧縮ウェイトローラを用いて、ヒドロゲルをつけて所定の位置に設置する。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5Kgの重量を有する。それは厚さ0.5mmのゴムに覆われている。裏当てフィルムの自由端を、引張り試験機の上部クランプに付着し、及び腕を下に設置する。試料を皮膚から90°の角度及び1000mm/分の速度で剥がす。全試料の剥離の間に得られた平均剥離値が、剥離値としてN/cmで引用される。三回の測定の平均が報告される。
【0055】
3.PET上での剥離力
ヒドロゲルをポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムから取り外すための剥離力が、10Nロードセル及びクロスヘッド移動の方向に向いた、例えば鋼鉄の固定下部プレートの取り付けを装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。新しく製造されたヒドロゲルが、閉じられたアルミニウム袋又は同様の物の中で、測定前に少なくとも12〜24時間、室温で保存される。長さが少なくとも10cmの欠陥のない試料が、ヒドロゲル試料から切断される。例えばイタリア、セグレートI−20090の3Mイタリア社(3M Italia S.p.A)からのタイプ1524の、少なくとも長さ130mm、及び幅25.4mmの両面接着剤の一片が、ヒドロゲル積層体の背面に貼りつけられる。ヒドロゲルはテープの外側の端に沿って切断される。第二のライナーがテープから取り外され、テープは固定ベースプレート上に貼りつけられる。コロナ処理をしていない、厚さ23μの標準PETのストリップが、約300mm×40mmに切断される。好適な材料には、イタリア、コロルノI−43052、サッチャ県55のエフェギディ社(Effegidi S.p.A, Via Provinciale per Sacca 55, I-43052 Colorno, Italy)からの「カヴィレン−フォレックス(Cavilen-Forex)」が挙げられる。剥離ライナーが、ヒドロゲル、及び通常のテープで固定プレートに固定された下端から取り外される。標準基材が次いで人体接着剤上に、ハンドローラーを用いて1回前方に、及び1回後方に1000〜5000mm/分の速度で適用される。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5Kgの質量を有する。それは厚さ0.5mmのゴムに覆われている。測定は基材適用の10分以内に実行されるのが好ましい。
【0056】
標準基材の自由端は180°の角度で折り返され、固定プレートは引張り試験機の下部クランプに固定される。標準基材の自由端は、引張り試験機の上部クランプに固定される。剥離試験は1000mm/分の速度で実行される。剥離の最初の20mmは無視され、残りの長さに対する平均の力が、剥離力としてN/cmで引用される。三回の測定の平均が報告される。
【0057】
4.水の吸収後の剥離力
皮膚からのヒドロゲルの剥離力に対する水の増加の影響を測定するために、乾いた皮膚上での剥離力、又はPET上での剥離力の試験方法の項に記述されたような測定の前に、所定の重量パーセントの水をヒドロゲルが獲得するように、好適な基材上に重合されたヒドロゲルの試料を前処理する。適度な水の増加は、既知の重量のヒドロゲルを、環境試験槽、例えばテルマクス(Termaks)モデルPHDO−02又は等価なものの中に、約38℃、及び85%の相対湿度で設置し、必要な重量の増加に到達するまで間隔をおいて秤量することにより達成される。より多量の水の増加については、既知の水の重量を、均一にヒドロゲルの表面に分配し、吸収させる。必要な水の添加重量に達したら、平衡化させるため試料を蒸気が漏れない袋の中に、前述のように剥離力を測定する前に少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間保存する。比較可能な未処置のヒドロゲルの対照試料が、参考として測定される。試験試料及び対照試料の両方の試料の三回の測定の平均が報告される。対照試料に対する試験試料の剥離力における百分率の変化もまた、次のように報告される。
%変化=100*(剥離力水ノ増加−剥離力対照)/剥離力対照
【0058】
5.初期接触角
ヒドロゲルフィルム上の水の付着液滴の接触角が、例えばクラス(Kruss)DSA10(又は等価なもの)機器を用いて測定される。およそ10μl体積の精製水(HPLC等級又は等価なもの)の液滴のヒドロゲル表面上への付着直後の、液滴の連続画像が電子的に撮影され、専用ソフトウェア、例えばクラス液滴形状分析(Kruss Drop Shape Analyser)ソフトウェアにより最良の液滴の形状に近づけられる。1秒間当たり約25フレームが最初の2〜3秒間に記録される。液滴の安定化の前に取得されたフレームは廃棄され、次いで接触角と時間の間の関係は直線外挿により、ヒドロゲル上の水の「初期接触角」を与えるために、時間=0に外挿され、少なくとも3回、好ましくは少なくとも5回の測定の平均が取られる。
【0059】
6.pH
ヒドロゲルのpHは、例えばメトラー・トレド(Mettler Toledo)により供給される電子的pH計、及びフラットバルブ電極、例えば製造業者の指示により較正された、インラブ(InLab)426タイプを用いて測定される。バルブをゲルの表面と接触させ、ディスプレイ上の値が一定になったら、測定値を数秒後に記録する。電極は連続した測定の間に蒸留水ですすぐ。
【0060】
7.水分活性(相対湿度)
相対湿度は、電子湿度プローブ、例えば製造業者の指示により較正された、テスト社(Testo GmbH & Company)より供給されるテスト(Testo)650を用いて測定される。ヒドロゲルの試料が、測定槽内に設置され、密閉される。測定は好ましくはおよそ25℃で行われる。相対湿度及び温度が機器上に表示され、一定になったら記録される。これは、典型的には約30分〜数時間である。水分活性は、相対湿度を100で割ったものである。
【0061】
8.蒸気相吸収
この測定は、0.85未満の初期水分活性(本明細書に記述された方法を用いて測定した場合)を持つヒドロゲル試料に適用することができる。およそ1kg/m2の坪量を有するヒドロゲルの試料がこの測定に用いられる。蒸気不透過性の裏当てと共に調製されていない場合は、蒸気不透過性の裏当て(例えばPET)がヒドロゲル試料の裏面に付着される。ヒドロゲル試料は暴露される大きさを上にして、湿度を±2%に、温度を±1℃に制御できる湿度及び温度制御試験槽、例えばテルマクス(Termaks)モデルPHDO−02又は等価なものであって、85%相対湿度、及び38℃に予め平衡化された試験槽内に、予め配置された電子天秤上に設置される。ヒドロゲル試料の初期重量、並びに時間の関数としての試料の重量の変化が記録される。試料の重量は少なくとも16時間、又は試料の重量が平衡に達するまで監視される。いかなる基材又はフィルムの組み合わされた重量がヒドロゲル試料の重量から引かれた後、平衡にあるヒドロゲルの重量増加の百分率が、記録された平衡にある重量増加とヒドロゲル試料の初期重量から計算される。g/cm2の単位における時間の関数としての重量増加が、時間の関数としての重量増加及びヒドロゲル試料の計算された面積から計算される。この重量増加は次の関数に適合する。
W(t)=Wf*(1−exp(−kvt))
式中、W(t)は時間tにおけるヒドロゲルの重量増加であり、Wfは平衡におけるヒドロゲルの重量増加であり、kvは、水−蒸気吸収の動力学を表わす、秒-1の単位の速度定数である。kv、及び平衡における重量増加の百分率の少なくとも二回の測定からの平均値が報告される。
【0062】
9.生理食塩水吸収速度
およそ1kg/m2の坪量を有するヒドロゲルの試料がこの測定に用いられる。0.9重量%の生理食塩水溶液で満たされた、必要吸収力装置(ゴールドマン(Goldman)らの米国特許第5,599,335号に詳細に記載される)が、ヒドロゲルによる生理食塩水溶液吸収の動力学を測定するために用いられる。必要吸収力装置のフリット漏斗を測定のため生理食塩水でゆすぎ、過剰の流体を抜き、乾燥し、流体リザーバの上部表面上〜2mmの固定された高さに配置して準備し、順番に:(i)フリット漏斗に結合したバルブを流体リザーバに対して開くように配置する、(ii)フリット漏斗に結合したバルブを、およそ−5cmの流体静力学的吸引の排液管に対して5分間まで開くように配置する、及び(iii)フリット漏斗に結合したバルブをリザーバ及び排液管の両方から隔絶するように配置する。米国特許第5,599,335号に記載されているように、ピストン/シリンダー装置が、必要吸収力測定の間ヒドロゲルを閉じ込めるために用いられる。シリンダーは内径60mmを有し、シリンダーの底は生理食塩水に対して透過性であるが、ヒドロゲルに対しては不透過性である。ピストンとおもりの組み合わされた重量が0.30psi(2.07kPa)に等しくなるように、ステンレス鋼のおもりがピストンの上部に配置される。ヒドロゲルのより大きい片から、パンチ(又は等価なもの)を用いて直径57〜60mmのヒドロゲルの円筒形部分を得る。このヒドロゲルは、接着剤表面がシリンダーの底に面するようにシリンダー内部中央に配置され、ピストンは、ヒドロゲルがシリンダーの底とピストンの間に閉じ込められるように配置される。挿入の間にヒドロゲルとシリンダーの壁との間の接触が最小になるようにして、ヒドロゲルをピストン/シリンダー装置内に配置するために、様々な手法を用いることができ、それには:(i)ピストン及びヒドロゲルをシリンダーの中に挿入する前にヒドロゲルをピストンに接着する、(ii)ヒドロゲル試料の基材表面を逆さにしたピストンの上に設置し、逆さにしたシリンダーをピストン及びヒドロゲルなどの上にかぶせる、が挙げられる。ピストン/シリンダー装置は、次いでフリット漏斗のフリット円盤上の中心に置かれ、ステンレス鋼のおもりがピストンに挿入され、フリット漏斗カバーが漏斗上に配置され、フリット漏斗に結合したバルブを流体リザーバに対して開くように配置することにより実験が開始される。ヒドロゲルに吸収される生理食塩水の量は、少なくとも1時間の間、時間の関数として測定される。100〜3600秒の時間の間の重量増加は次の関数に適合する。
W(t)=(kst0.5)+c
式中、W(t)は、シリンダーの単位面積(28.27cm2)当たりの、単位g/cm2でのヒドロゲル(グラムによる)の重量増加であり、ksは、生理食塩水吸収の動力学を表わす単位g/cm2/秒0.5での速度定数である。100秒より短い時間での重量増加のデータは、初期の吸収速度を偏らせる可能性のある、及び/又はさもなければ初期の吸収速度に影響する可能性のある様々な要因により、この適合から除外される。少なくとも二回の測定についての平均の傾きが、生理食塩水吸収速度として報告される。
【実施例】
【0063】
以下の実験の最初の部分は、本明細書の本発明の主要な実施形態に対応する、過剰の水分条件におけるヒドロゲルの安定性に焦点を合わせている。
【0064】
次の組成物が調製された。
【0065】
(実施例1)
およそ31.96部のアクリル酸(BASF)をおよそ25.02部の水に撹拌しながらゆっくりと溶解する。冷却された溶液に、およそ3.55部の50%の水酸化ナトリウム(NaOH;アルドリッチ(Aldrich))を撹拌及び冷却しながらゆっくりと添加するが、これはおよそ10モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。この添加の間、温度は25℃未満に保たれる。混合物を数分間撹拌し、いかなる沈殿したアクリル酸ナトリウムも再溶解させる。溶解の後、およそ39.48部のグリセロール(アグラー(Agrar))を添加する。最終的なプレミックスを、完全な溶液が完成するまで撹拌する。結果の溶液を光から遮断するために覆いをする。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表1に示される。
【0066】
上記のモノマー溶液のアリコートを重合してヒドロゲルを形成する。重合の前に、およそ0.177部の多官能性架橋剤IRR210(UCBからのポリオキシエチレントリアクリレート架橋剤)及び0.228分量のダロキュア(Darocur)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン;アルドリッチ(Aldrich))を、およそ100部のモノマー溶液に添加し、分散させ、及び/又は少なくとも15分間撹拌しながら溶解する。
【0067】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(例えば、フラー(Fuller)から入手可能な911NW;不織布坪量27gsm)上に押し出す。モノマー溶液は、紫外線照射硬化により重合される。ランプのピーク出力密度及び合計エネルギー密度は、UVパワーパック(UV Power Puck)(E.I.T.社(E.I.T. Inc.))を用いて測定され、ランプの出力強度及び長波長紫外線範囲のエネルギーは、試料上の入射長波長紫外線ピーク出力密度がおよそ1,100ワット/cm2、長波長紫外線エネルギー密度がおよそ18,2J/cm2(紫外線フィルタを用いて測定)であるように調整される。試料は、モノマー溶液を重合し、それらを接着剤ヒドロゲルに変換するために、紫外線フィルタ(例えば、Bteベダムフングステクニク社(Bte Bedampfungstechnik GmbH)フィルタ、320nmで透過性(T)=50%、220〜310nmの範囲でT<1%、330〜2000nmの範囲でT>85%)を装備した12の連続したランプの下をライン速度5m/分で通過する。重合の後、剥離ライナー(例えば、コウジシル(Cogesil)からのCS42)をヒドロゲルに適用し、ヒドロゲルは保管のため丸められる。
【0068】
モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。次に、上記の紫外線照射装置、手順、及び条件が、重合を達成するために用いられる。上記の手順は剥離紙上に重合したヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。
【0069】
結果のヒドロゲルは上記の試験方法により分析される。剥離紙上に重合した試料から、レオロジー特性測定のためのヒドロゲルの円形試料を得るために、直径25mmのパンチが用いられる。レオロジー測定は、剥離紙上で別々に重合されたヒドロゲル試料からパンチされた少なくとも三つの試料について行われる。試料の平均の厚さは、レオロジー測定に用いられるプレートからプレートへの分離から得られる。
【0070】
結果:
表2の結果に見られるように、G’(1ラジアン/秒)は、4000〜5500Paであり、生理食塩水吸収速度の値は1.5*10-3g/cm2/秒0.5未満である。実施例1の組成物は、本発明によるレオロジー及びモノマー塩形態の値を有し、従って過剰の水分条件におけるその安定性に関して優れた性能を有することが証明されたが、前記性能は次の実験により確認された。
【0071】
所定の重量を有する不織布基材上で重合した実施例1のヒドロゲルの試料に対して、所定量の蒸留水が表面に均一に添加された。これらの試料は次いで蒸気が漏れない袋の中に密閉され、室温で少なくとも5日間平衡化された。平衡後、ヒドロゲル試料は袋から取り出され、及び水の増加について、重量測定的に分析された。ヒドロゲル試料は次いで、試験方法の項に記述された手順を用いて、乾いた皮膚上−すべて同一人物−での剥離について分析された。結果は表3に示される。結果は、約20重量%までの水の増加が、実施例1のヒドロゲルについて、乾いた皮膚上の剥離に最小限の影響をもつことを示す。
【0072】
(実施例2(比較))
およそ52.4部の2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸(ルーブリゾール(Lubrizol)又は等価なもの)を、pH制御のためにおよそ0.5部のリン酸塩緩衝液(KH2PO4;アルドリッチ(Aldrich))、及び早期重合を防止するための阻害物質であるおよそ100ppmの4−メトキシ−フェノール(アルドリッチ(Aldrich))を含有する、およそ27.3部の水溶液に添加することにより、およそ58重量%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸−一ナトリウム塩(NaAMPS)の水溶液を調製する。この混合物に、およそ20.2部の50%の水酸化ナトリウム(NaOH;アルドリッチ(Aldrich))を、撹拌しながらゆっくりと添加する。この添加の間、温度は35℃未満に保たれる。NaOHの添加は、溶液のpHがおよそ5.0に増加するまで続けられる。最終溶液を周囲温度まで冷却する。
【0073】
およそ22.3部のNaAMPS溶液、及びおよそ19.2部のアクリル酸を、およそ13.3部の蒸留水に添加する。この溶液に、およそ6.4部の50%のNaOH(アルドリッチ(Aldrich))を撹拌及び冷却しながら添加するが、これはおよそ30モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。この添加の間、温度は35℃未満に保たれる。結果の溶液が周囲温度に冷却された後、およそ38.9部のグリセロール(アグラー(Agrar))を撹拌しながら添加する。結果の溶液を光から遮断するために覆いをする。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表1に示される。重合の前に、およそ0.15部のIRR210及び0.228部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加し、分散させ、及び/又は少なくとも15分間撹拌しながら溶解する。
【0074】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo)))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(ファイバーウェブ(Fiberweb)33;カラリンドPE(Corolind PE);33g/m2)上にコーティングする。この不織布はPETフィルム(カヴィレン−フォレックス(Cavilen - Forex);23μm)により裏当てされており、このPETフィルムは不織布に3M1524両面接着剤により付着している。この不織布を好適な容器、例えば、12cm×12cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。溶液を不織布の表面上に滴下し、次いで箱をゆっくりと左右に傾けて広げる。IST200オゾンなしアーク灯(スペクトル型:CKιι−OF)を装備したISTモデル#M20−1(2)−TR−SLC紫外線ポリマー反応装置が、重合を達成するために用いられる。およそ310nmの周波数を遮断する高域紫外線フィルタ(ベダムフングステクニク(Bedamfungs-technik)からの紫外線フィルタボロフロート(Borofloat)T320)をランプと試料の間に配置し、低周波数の紫外線照射をフィルタをかけて除去する。モノマーコーティングされた基材は、ランプの下およそ13cmに配置された可動速ベルト上で、ランプの下を通過する間に照射される。ベルトの速度はおよそ5メートル/分に設定される。UMD−1パワーメータ(エタ・プラス・エレクトロニック(Eta Plus Electronic))を使用して、ランプのピーク出力を測定し、試料上の入射ピーク紫外線出力が、およそ1000ミリワット/cm2となるように、ランプの出力強度を調節する。ランプの下に試料を12回連続して通過させてモノマー溶液を重合させ、柔軟な接着剤ヒドロゲルに変換させる。上記の手順は、各種類の基材上でヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。
【0075】
結果のヒドロゲルは、実施例1に記述されるように分析される。結果は表2に要約されている。このヒドロゲルについては、塩形態のモノマーユニットの濃度は、およそ42モル%であり、これが生理食塩水の吸収速度(ks)が、2.5*10-3g/cm2/秒0.5を超える値になる結果となった。
【0076】
実験研究の第二部は、本発明の別の態様により剥離強度/粘着性能を対象とする。
【0077】
次の組成物が調製された。
【0078】
(実施例3)
およそ32.07部のアクリル酸(BASF)をおよそ20.96部の水に溶解すること以外は、実施例1に記述されたモノマー溶液を調製する手順に従う。およそ1.78部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ5モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ45.19部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.2295部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0079】
モノマー溶液の一部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(BASF)の非常に薄い層で拭くことにより表面処理されたシリコーン塗工剥離紙(例えば、CO.GE.SIL.「シルクラフト−70g(Silkraft-70g)」(パラッツォ(Palazzo))上に広げる。取り扱いの目的のため、剥離紙を直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(例えば、フラー(Fuller)から入手可能な911NW;NW坪量27gsm)にコーティングする。この不織布を好適な容器、例えば、12cmx12cmのポリスチレンペトリ皿の内側に予め配置する。溶液を不織布の表面上に滴下し、次いで箱をゆっくりと左右に傾けて広げる。次に、実施例1に記述された紫外線照射、手順、及び条件が、重合を達成するために用いられる。上記の手順は、各基材上でヒドロゲルの幾つかの試料を得るために繰り返される。結果のヒドロゲルは、実施例1に記述されるようにレオロジー測定について分析され、剥離強度を測定するために、幾つかの10〜12cm×2.54cmのストリップが、不織布基材上に形成された1つ以上のヒドロゲル試料から切断される。これらのストリップは、上記の方法を用いて、PETからの、及び皮膚からの接着剤の剥離を測定するために用いられる。
【0080】
表4の結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.55未満であり、皮膚上の残留物の視覚検査により測定した場合、非常に良好な粘着性という結果になる。アクリル酸を5モル%まで中和することは、乾いた皮膚及びPETへの付着に対して高い剥離力をもたらす。
【0081】
(実施例4)
およそ28.84部のアクリル酸を、およそ18.28部の水に溶解すること以外は、実施例3に記述された手順に従う。およそ6.49部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ20モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ46.52部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.1765部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0082】
結果のヒドロゲルは、実施例3に記述されるように分析される。結果は表5に要約される。結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.65未満である。アクリル酸を20%まで中和することは、乾いた皮膚への付着に対して比較的高い剥離力をもたらす。
【0083】
(実施例5)
およそ24.88部のアクリル酸を、およそ13.54部の水に溶解すること以外は、実施例3に記述された手順に従う。およそ13.82部の50%のNaOHを添加するが、これはおよそ50モル%のアクリル酸をアクリル酸ナトリウムに変換するのに十分である。およそ47.84部のグリセロールを添加する。この溶液の組成物は、酸モノマーの中和により生成された水を包含し、表4に示される。重合の前に、およそ0.1765部のIRR210及び0.2280部のダロキュア(Darocur)1173を、およそ100部のモノマー溶液に添加する。
【0084】
結果のヒドロゲルは、実施例3に記述されるように分析される。結果は表5に要約される。結果に見られるように、tanδ(1ラジアン/秒)は、0.65未満であり、良好な粘着性を持つヒドロゲルをもたらすが、アクリル酸を50%まで中和することは、乾いた皮膚及びPETの両方への付着に対して、実施例4と比較して、より低い剥離力という結果をもたらす。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
Claims (15)
- 10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤、及び約10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤であって、
該親水性ポリマーが、3を超えるpKaを有する1つ以上の弱酸モノマーユニットを少なくとも50モル%含み、該弱酸モノマーは少なくとも50モル%がその酸形態であり、前記親水性ポリマー中の塩形態のモノマーの濃度は、すべてのモノマーユニットの30モル%を超えず、及び温度25℃における該ヒドロゲルの弾性率G’25(1ラジアン/秒)が、2000Pa〜6000Paの範囲であり、好ましくは4000〜5500Paの範囲であることを特徴とする、ヒドロゲル接着剤。 - 該弱酸モノマーが、少なくとも80モル%の濃度で存在する、請求項1に記載のヒドロゲル接着剤。
- 該弱酸モノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸から選択され、好ましくはアクリル酸である、請求項1〜2に記載のヒドロゲル接着剤。
- 該弱酸モノマーが、少なくとも70モル%はその酸形態で存在する、請求項1〜3に記載のヒドロゲル接着剤。
- 前記水溶性非イオン性保湿剤が、多価アルコールから選択され、及び好ましくはグリセロールである、請求項1〜4に記載のヒドロゲル接着剤。
- 本明細書の試験により測定した場合、2.5x10-3g/cm2/秒0.5未満の、好ましくは2.0x10-3g/cm2/秒0.5未満の、より好ましくは1.5x10-3g/cm2/秒0.5を下回る生理食塩水吸収速度を有する、請求項1〜5に記載のヒドロゲル接着剤。
- 0.3〜3.0N/cm、好ましくは1.5〜3.0N/cmの乾いた皮膚上での剥離強度、及び温度25℃における弾性率G’’25(1ラジアン/秒)であって、比G’’25(1ラジアン/秒)/G’25(1ラジアン/秒)が、0.15〜0.65の範囲、好ましくは0.15〜0.55の範囲にあるような弾性率を有する、請求項1〜6に記載のヒドロゲル接着剤。
- 該親水性ポリマーが、少なくとも90モル%の弱酸モノマーユニットを含み、該弱酸は少なくとも85モル%が、好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態である、請求項1〜2に記載のヒドロゲル接着剤。
- 10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性保湿剤及び10〜85重量%の水を含む、哺乳類の皮膚付着用ヒドロゲル接着剤であって、該ポリマーが、少なくとも90モル%の、好ましくは95モル%の弱酸モノマーユニットを含み、該弱酸は75モル%〜95モル%、好ましくは85モル%〜95モル%がその酸形態であり、及びG’25(1ラジアン/秒)が1000Pa〜10000Paの範囲にあり、好ましくは2000Pa〜6000Paの範囲にあり、より好ましくは4000Pa〜5500Paの範囲にあることを特徴とする、ヒドロゲル接着剤。
- 該水溶性非イオン性保湿剤がグリセロールであり、及び弱酸がアクリル酸である、請求項9に記載のヒドロゲル接着剤。
- 塩形態の該アクリル酸ユニットの対イオンが、一、二、又は三価金属イオン、又はそれらの組み合わせである、請求項9〜10に記載のヒドロゲル接着剤。
- 0.3〜3.0N/cm、好ましくは1.5〜3.0N/cmの乾いた皮膚上での剥離強度、及び温度25℃における弾性率G’’25(1ラジアン/秒)であって、比G’’25(1ラジアン/秒)/G’25(1ラジアン/秒)が、0.15〜0.65の範囲、好ましくは0.15〜0.55の範囲にあるような弾性率を有する、請求項9〜11に記載のヒドロゲル接着剤。
- 袋を備える使い捨て可能なヒトの排泄物処理装置であって、前記袋は開口及び前記開口を囲むフランジを有し、前記フランジは、装着者に面する表面及び衣類に面する表面を有し、前記装着者に面する表面が、請求項1〜12に記載のヒドロゲル接着剤を含む、使い捨て可能なヒトの排泄物処理装置。
- 装着者に面する表面及び衣類に面する表面を有する吸収性物品であって、前記装着者に面する表面が請求項1〜12に記載のヒドロゲル接着剤を含む、吸収性物品。
- 化粧品送達物品、医薬送達物品、装飾化粧物品、洗浄物品、保護物品、衣類品、人工装具、冷却ラップ、保温性ラップ、補聴器、装飾品、ゴーグル及びアイウェアから選択される、皮膚付着用機能性物品であって、前記物品が請求項1〜12に記載のヒドロゲル接着剤を含む機能性物品。
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