JP2004535979A - ドアモジュール - Google Patents

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Abstract

車両ドアの内側パネル(2)における表面切欠き凹部を覆うためのドアモジュール(13)は、長ガラス繊維強化プラスチックのほぼ剛性の構造部分と、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチックのほぼ弾性の機能部分とから構成される。機能部分は構造部分と一体で形成されている。車両ドア用のドアモジュールを製造するための圧縮成形装置(16)は、長ガラス繊維の多いプラスチック材料を受容し、圧縮成形中にドアモジュールの構造部分を成形する金型と、金型に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料に圧力を加える型押し(18)とを有し、その型押しは一つ以上のキャビティを有し、キャビティは、圧縮成形中に、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティ(21)の少なくとも一部内へ押し込まれて、ドアモジュールの機能部分を成形するような寸法を有している。車両ドア用のドアモジュールを製造するプロセスは、ドアモジュールの構造部分を成形する金型を設ける段階と、長ガラス繊維の多いプラスチック材料を金型に充填する段階と、押型を用いて金型内に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料に圧力を加える段階と、構造部分と機能部分を硬化する段階とを有する。押型は、一つ以上のキャビティを有し、キャビティは、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティの少なくとも一部内へ押し込まれるような寸法を有するものである。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアモジュール、ドアモジュールを製造する圧縮成形装置及びドアモジュールを製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ドアモジュールは車両ドアの内側パネルにおける大きい切欠き凹部を覆うのに通常使用される。ドアモジュールはシール状態でそのような凹部を覆い、ドア本体が、ドア外側パネルの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割される。電気及び電子構成部材はドアモジュール上に予め取付け可能である。それらの電気プラグコネクタはドライセル側にのみ位置決めされる。
【0003】
周知のドアモジュールは、通常、内側ドアパネルにおける切欠き凹部のシールされた被覆領域 (coverage)を形成するために、別個の発泡シールが取付けられる鋼製の保持部材から構成される。しかしながら、通常、別個の発泡シールを鋼製の保持部材上に取付けるために幾つかの製造段階が必要とされる。それにより、その製造プロセスは時間とコストのかかる。
【0004】
また、一体化されたシール及び他の一体化された部材(features)を備えた射出成形された保持部材を有するドアモジュールも知られている。しかしながら、シール及び他の部材の一体化は、保持部材に対する構造的要件により、一体化された特徴の弾性が限定されるのと同様に、限定される。さらに、ドアモジュールは短ガラス繊維プラスチック複合物(short glass fiber plastic compound) から製造されるが、短ガラス繊維材料は高価である。
【0005】
したがって、これらの欠点を解決するのが望ましい。
【特許文献1】
特開2001−018654号公報
【特許文献2】
ドイツ特許公開第19944965号明細書
【特許文献3】
国際公開第0020186号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,781,956号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明の一態様によれば、車両ドアの内側パネルにおける表面切欠き凹部を覆うためのドアモジュールが提供される。ドアモジュールは、長ガラス繊維強化プラスチックのほぼ剛性の構造部分と、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチックのほぼ弾性の機能部分とを有する。機能部分は構造部分と一体的に形成されている。したがって、剛性の構造部分(すなわち、保持部材)と弾性の機能部分との一体化を達成したドアモジュールが提供される。長ガラス繊維強化プラスチックを採用することによって、ドアモジュールのコストが削減される。
【0007】
機能部分は、ドアモジュールと車両ドアの内側パネルとの間の接続部をシールするために、ドアモジュールの外側リム領域に沿って延びる第1のリップシールを有する。第1のリップシールと平行に延びる第2のリップシールがさらなるシールのために設けられ得る。
【0008】
本発明の一実施形態においては、車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドアモジュールが車両ドアに設置されたときに、ドアモジュールの下方領域に沿ってウエットセル内へ延びる水切り突縁を有し、ドアモジュールと車両ドアの内側パネルとの間の接続部から水を跳ね返すようになっている。
【0009】
本発明の他の実施形態においては、車両ドア本体は、また、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ワイヤリングハーネス及び電気コネクタなどを取り付けるためにドライセル内へ延びる一つ以上のクリップを有する。加えて、機能部分は、ドア内側トリム、電気及び/又は電子エレメントをドライセル内のドアモジュールへ取り付ける取付エレメントを有することができる。さらに、機能部分は、騒音削減エレメントをドライセル及び/又はウエットセル内のドアモジュールへ取り付ける取付手段を有することができる。したがって、任意の型式のドアに必要な一体化された機能部材や車両ドアに付属する専用装置とを設けることに関して、高度の柔軟性が得られる。
【0010】
本発明の一実施形態においては、機能部分は、車両ドアのウエットセル内へドアウインドが引込まれたときにドアウインドに接触し、それにより、ウインド平面と直交する方向のドアウインドの移動を減少させるリップを有する。したがって、「ガラ音防止」装置が設けられる。
【0011】
好ましくは、長ガラス繊維強化プラスチック材料の長ガラス繊維は、ステープルガラス繊維、すなわち、限定された長さの長ガラス繊維である。好ましくは、長ガラス繊維は約20mmの長さ、及び約0.02mmの幅を有する。長ガラス繊維強化プラスチック材料のガラス繊維部分は30%と70%との間でよく、好ましくは、約40%である。このプラスチック材料はポリプロピレンであり得る。
【0012】
本発明の他の態様によれば、圧縮成形によって車両ドア用のドアモジュールを製造し、圧縮成形中にドアモジュールの構造部分を成形するための金型が提供される。金型は、長ガラス繊維の多いプラスチック材料を受容するように構成されている。金型は、一つ以上のキャビティを有し、キャビティは、圧縮成形中に、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティの少なくとも一部内へ押し込まれ、それにより、ドアモジュールの機能部分を成形するような寸法を有している。キャビティにおける長ガラス繊維の多いプラスチック材料からプラスチックの抽出は、キャビティの寸法の仕様を通して制御されるように実験的に確立されている。したがって、一つの製造段階において、剛性の構造部材と一体化された弾性の機能部材とを形成できる金型が得られる。それにより、ドアモジュールの製造は大幅に単純化される。
【0013】
好ましくは、金型は金型内に受容される長ガラス繊維の多いプラスチック材料を加熱する加熱装置をさらに有する。それにより、金型内に受容される長ガラス繊維の多いプラスチック材料の成形性が向上される。
【0014】
本発明の一実施形態においては、機能性の構造部分はリップシールなどの一つ以上の弾性の機能エレメントを有し、また、キャビティは圧縮成形中に成形される一つ以上の弾性の機能エレメントの逆形状を有する。したがって、適切なキャビティを設けることによって、任意の好ましい形状(したがって、機能)の弾性の機能エレメントを成形できる。
【0015】
本発明の他の態様によれば、車両ドア用のドアモジュールを製造するプロセスが提供される。そのプロセスはドアモジュールの構造部分を成形するための一つ以上のキャビティを有する金型を設ける段階と、長ガラス繊維の多いプラスチック材料を金型に充填する段階と、金型内に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料に圧力を加える段階と、構造部分及び機能部分を硬化する段階とを有する。金型内の前記一つ以上のキャビティは、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティの少なくとも一部内へ押し込まれような寸法を有している。したがって、剛性の構造部材及び一体化された弾性の機能部材を有するドアモジュールを製造できる単純化された製造プロセスが提供される。保持部材を形成した後に別個の機能部材を追加する複雑な段階はもはや必要ない。
【0016】
好ましくは、金型内に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料は、その圧縮性を向上するために、圧力を加える前に加熱される。
【0017】
プロセスは、一つ以上のワイヤリングハーネスクリップ又は必要とされる他の機能部材を得るために、機能性の構成部分をトリミングする段階をさらに有することができる。したがって、トリミングによって、キャビティの形成時に必要とされる機能部材の逆形状を特定することによって得られるよりも一層精巧な形状を実現できる。
【0018】
本発明の一実施形態においては、キャビティはドアモジュールの外側リム領域に沿って延びるリップの逆形状を有する。その場合において、リップは構造部分の表面に関して曲げられ、リップの断面が構造部分の表面に対して所定の角度をなしている。また、これは機能性の構成部分をトリミングしてリップを形成し、そのリップの断面が構造部分の表面に対して所定の角度を成すようにすることよっても達成できる。
【0019】
本発明の例示的な実施形態が、添付図面を参照して、ここで説明される。
【図面の詳細な説明】
【0020】
図1は車両の外部から見た車両ドア1の概略図である。説明のために、ドア内側パネル2を見ることができるように、車両ドアのドア外側パネルは示されない。ドア内側パネル2には、大きい表面切欠き凹部3が設けられる。この凹部3はシール状態でドアモジュール4によって内側から覆われており、ドア本体がドア外側パネルとドアモジュール4の間に配置されるウエットセルと、ドアモジュール4と隣接ドア内側トリム(図示されない)との間に配置されるドライセルとに分割されるようになっている。ドライセルは、ウインドウリフタを駆動する電気モータ、電気モータ用の制御ユニット及びワイヤリングハーネスなどの電気及び/又は電子構成部材を内蔵する空間を形成する。これらの構成部材は、以下に説明されるように、クリップ又は他の取付エレメントによってドアモジュール4へ取り付けられる。同様に、ドア内側トリムはクリップ又は他の手段によってドアモジュールへ取り付けられる。車両のそれらの装置はその仕様に左右されるので、ドライセル内の構成部材数は大幅に変わることがあり、その結果、構成部材用の適切な取付手段に対する要件も大幅に変わることがある。
【0021】
ドアモジュール3は取付手段5によってドア内側パネル2へ取り付けられる。図1に示されるように、第1の灰色ゾーン6によって、接触シールゾーンが凹部3の周りに形成され、そこにおいて、図2にも示されるように、ドア内側パネル2とドアモジュール4とが接触している。加えて、凹部3を囲むようにドアモジュール4上に配置されたリップ8(図2)によってリップシールゾーン7が形成され、そのリップシールゾーン7はドアモジュール4とドア内側パネル2との間に延びる(これについては、図2を参照してさらに説明される)。さらに、水切りシールゾーンを形成するために、水切り突縁9がドアモジュール4に設けられる。水切り突縁8はドアモジュール4とドア内側パネル2との下部接触領域の真上に設けられ、水がその上に落下するのを防止する。
【0022】
図2は図1の線A−A断面図を示す。左側及び右側には、ドアモジュール4及び内側ドアパネル2の組立前及び組立後の状態がそれぞれ示されている。図2の配向においては、図1について述べられたドライセルはドアモジュール4の左側にあり、一方、ウエットセルは右側にある。
【0023】
リップシールゾーン7を形成するリップ8は、ドアモジュール4の隣接自由端部10へ向けて曲げられる。自由端部10はドアモジュール4の残りの部分に関して横方向にオフセットされる。したがって、ドアモジュール4の自由端部10が内側ドアパネル2へ固定されるとき、間隙11がドアモジュール4と内側ドアパネル2との間に形成される。リップ8は、間隙11内へ延びるように、ドアモジュール4に設けられる。間隙11は、リップ8がドアモジュール4から直角方向に突出する長さよりも小さいので、ドアモジュール4が内側ドアパネル2へ取り付けられるときには、リップ8は常に内側ドアパネル2と接触し、それによって、リップシールゾーン7を形成する。
【0024】
水切り突縁9がリップによって形成される。その水切り突縁はドアモジュール4に対してほぼ直角であり、凹部3を形成する内側ドアパネル2のリム12の下部に隣接して凹部3内に配置される。水切り突縁9は間隙11よりも大きいドアモジュールからの直角方向の伸張部を有する。したがって、図2の配向においては、上方からウエットセルに入る水は、ドアモジュール4の自由端部と内側ドアパネル2とが隣接する領域上に落下することが防止される。
【0025】
図2には接触シールゾーン6も示されている。そのゾーンは、ドアモジュール4の自由端部10が取付手段5(図2においては、ネジ接続の形態のもの)によって内側ドアパネル2に接触した状態で保持される部分に形成される。
【0026】
図3及び図4はそれぞれ組立前及び組立後の別の実施形態の図1の線A−A断面図を示す。この実施形態においては、二つのリップ8が互いに隣接して配置される。リップ8は、リップシールゾーン6を形成するために、内側ドアパネル2のリム12の周りを互いに平行に延びる。第1の実施形態と対照的に、この実施形態の間隙11は、端部10の横方向オフセットの代わりに、ドアモジュール4と内側ドアパネル2との間のフランジ13によって形成される。第1の実施形態の場合と同様に、隙間11はリップ8がドアモジュール4から突出する長さよりも小さいので、組立てられたときには、リップ8は内側ドアパネル2と接触する。また、リップ8は端部10へ向けて曲げられており、それらの自由端部は組立前及び組立後のいずれにおいても端部10の方向を指すようになっている。
【0027】
図5は本発明の他の実施形態の断面図を示す。この実施形態においては、ドアモジュール4はドアウインド15が車両ドア1内へ引込まれた(部分的又は全体的に)ときにドアウインド15と接触するリップ14を有する。それにより、ウインド平面に直交する方向へのウインド15の好ましくない移動が抑制される。この結果、ウインド15引込まれたときのウインド15のガラ音が無くされるか又は少なくとも減少される。静止状態(すなわち、ウインドが引込まれない状態)におけるリップ14はドアモジュール14から直角方向に延びており、ウインド15が引込まれるときにだけ図5に示される位置に曲げられるようになっている。また、リップ14はドアモジュール4の表面に関して適切な角度だけ予め曲げられており、ウインド15が引込まれないときには、リップの先端がウインド15の下端部から離れる方向を指すようになっている。いずれの場合も、リップ14は、ウインド15と確実に接触するように、ドアモジュール表面から十分に突出している。
【0028】
図6は本発明の実施形態によるアモジュールの圧縮成形プロセスを略示している。第1の段階S1において、金型に長ガラス繊維の多いポリプロピレンが充填される。第2の段階S2において、成形プロセスを支援するために、長ガラス繊維の多いポリプロピレンが加熱される。引き続いて、段階S3において、金型内の加熱された(したがって、柔軟な)長ガラス繊維の多いポリプロピレンに対して圧力が加えられる。金型表面には一つ以上のキャビティが設けられる。それらのキャビティは、例えば、リップ8又は水切り突縁9などの、ドアモジュールの一つとして成形される機能部材(functional features)の逆形状を有する(これについては、以下で詳細に説明される)。加圧の段階中においては、以下で詳細に説明されるように、材料がキャビティ内へ押し込まれ、機能部材が成形される。さらに引き続く段階S4及びS5において、成形された材料は硬化され、金型から取り外される。ついで、トリミング段階S6が実施される。トリミング段階においては、機能部材が必要に応じて所要の形状に切断される。また、曲げなどのトリミング作業は、硬化段階が完了する前の状態、すなわち、成形された材料が依然柔軟性を有していて依然成形可能な状態で実施することができる。
【0029】
図7は図6によるプロセスにおいてドアモジュール4を圧縮成形する金型16を示す。金型16はベース部分17と、ベース部分17に受容された材料に圧力を加える分離された型押し部分18とから構成されるのとして示されている。しかしながら、これは専ら説明用であり、金型はワンピースで同様に形成することもできる。ベース部分17は、成形プロセスを容易にするために、ベース部分17に受容された材料20を加熱する加熱器19を有する。成形プロセス中においては、力Fによって略示されるように、圧力が型押し部分18に加えられることによって、材料20上に加えられる。それによって、材料20は金型17及び型押し部分18の形状に従って成形される。引き続いて、材料20は硬化され、金型17から取り外される。
【0030】
図8に示されるように、キャビティ21が金型16の内面に設けられている。圧縮成形中においては、材料19はキャビティ21内へ押し込まれて、キャビティと逆の形状になり、それにより、リップ22が成形される。引き続く段階において、材料19が未だ完全に硬化されていない間に、リップ22が曲げられる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、材料19は長ガラス繊維の多いポリプロピレンから成る。キャビティ21は、圧縮成形中、キャビティ21の入口において長ガラス繊維がポリプロピレンから抽出され、実質的に長ガラス繊維を含まないポリプロピレンがキャビティ21に入るように、形状及び寸法が決められる。その結果、リップ22はドアモジュール4の残りの部分と異なる材料から構成される。すなわち、リップ22は実質的にガラス繊維を含まないポリプロピレンから構成され、一方、ドアモジュール4の残りの部分はガラス繊維強化されたポリプロピレンから構成される。さらに、その結果として、リップ22は弾性であるけれども、ドアモジュール4の本体は剛性である。このように、構造剛性部材(ドアモジュール本体など)を弾性の機能部材(リップ22など)と同一の製造段階で製造できる。
【0032】
図9及び10には本発明の実施形態が示されている。そこにおいては、リップ23は図6のトリミング段階S6中に切断によって形成される。図9は圧縮成形後及び硬化段階後のドアモジュール4を示している。ドアモジュールはフィンの断面形状を有する突起部24を有する。突起部24の一部を切取ることによって、図10に示されるようなリップ23が得られる。図10のリップ23はシール(リップ8に関して図2について説明されるように)として、又は「ガラ音防止」装置(図5のリップ14について説明されるように)として機能できる。
【0033】
図11及び12はワイヤリングハーネス保持部25の製造を図示し、それぞれ、ドアモジュール4の一部分の断面図及び平面図を示す。図11は硬化段階S4の後であってトリミングする段階S6の前の状態におけるドアモジュール4を示す。ドアモジュール4は二つのガラス繊維で強化された突起部26を有し、それらの突起部間には、実質的にガラス繊維を含まないポリプロピレン領域が形成されている。トリミングする段階中において、ポリプロピレン領域は切断され、図12の上側の図で最も良く示されるように、ワイヤリングハーネス保持部25が形成される。ワイヤリングハーネス保持部25の弾性のために、ワイヤリングハーネスはその保持部内に容易に挿入でき、それによって、ドアモジュール4へ取り付けられる。
【0034】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態に対する種々の変更態様及び変形態様は特許請求の範囲によって限定される本発明の範囲から逸脱することなく実施できることが理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態による車両ドアを概略図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】別の実施形態における組立前の図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態における組立後の図1のA−A線断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるドアモジュールの一部分の断面図である。
【図6】本発明の実施形態によるドアモジュールの圧縮成形プロセスの段階を概略的に示す図である。
【図7】図6のプロセスにおけるドアモジュールを圧縮成形する成形装置を示す図である。
【図8】図7の成形装置の型押し成形部分を示す図である。
【図9】トリミング前における本発明の実施形態によるドアモジュールを示す図である。
【図10】トリミング後における図9のドアモジュールを示す図である。
【図11】トリミング前における本発明の他の実施形態によるドアモジュールを示す図である。
【図12】トリミング後における図11のドアモジュールを示す図である。

Claims (22)

  1. 車両ドアの内側パネルにおける表面切欠き凹部を覆うためのドアモジュールであって、ドアモジュールは、長ガラス繊維強化プラスチックのほぼ剛性の構造部分と、実質的に長ガラス繊維を含まないプラスチックのほぼ弾性の機能部分とを有し、弾性の機能部分は構造部分と一体的に形成されているドアモジュール。
  2. 機能部分は、ドアモジュールと車両ドアの内側パネルとの間の接続部をシールするために、ドアモジュールの外側リム領域に沿って延びるリップシールを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  3. 機能部分は、ドアモジュールと車両ドアの内側パネルとの間の接続部をシールするために、ドアモジュールの外側リム領域に沿って平行に延びる二つのリップシールを有する請求項2に記載のドアモジュール。
  4. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドアモジュールが車両ドアに設置されたときに、ドアモジュールの下方領域に沿ってウエットセル内へ延びる水切り突縁を有し、ドアモジュールと車両ドアの内側パネルとの間の接続部から水を跳ね返すようになっている請求項1に記載のドアモジュール。
  5. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドライセル内へ延びる一つ以上のワイヤリングハーネスクリップを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  6. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドア内側トリムをドアモジュールへ取り付けるための取付エレメントを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  7. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドライセル内のドアモジュールへ電気及び/又は電子エレメントを取り付けるための取付エレメントを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  8. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、ドライセル及び/又はウエットセル内のドアモジュールへ騒音削減エレメントを取り付けるための取付エレメントを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  9. 車両ドア本体は、ドア外側パネルとドアモジュールとの間に配置されるウエットセルと、ドアモジュールと隣接ドア内側トリムとの間に配置されるドライセルとに分割され、また、機能部分は、車両ドアのウエットセル内にドアウインドが引込まれたときに、ドアウインドに接触して、ウインド平面と直交する方向へのドアウインドの移動を減少させるためのリップを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  10. 長ガラス繊維強化プラスチック材料の長ガラス繊維はステープルガラス繊維である請求項1に記載のドアモジュール。
  11. 長ガラス繊維強化プラスチック材料のガラス繊維部分は30%と70%との間である請求項1に記載のドアモジュール。
  12. 長ガラス繊維強化プラスチック材料のガラス繊維部分は約40%である請求項1に記載のドアモジュール。
  13. 長ガラス繊維強化プラスチック材料のガラス繊維は、約20mmの長さ、及び約0.02mmの厚さを有する請求項1に記載のドアモジュール。
  14. プラスチック材料はポリプロピレンである請求項1に記載のドアモジュール。
  15. 圧縮成形によって車両ドア用のドアモジュールを製造し、圧縮成形中にドアモジュールの構造部分を成形するための金型であって、金型は、長ガラス繊維の多いプラスチック材料を受容するように構成され、また、一つ以上のキャビティを有し、キャビティは、圧縮成形中に、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティの少なくとも一部内へ押し込まれて、ドアモジュールの機能部分を成形するような寸法を有している金型。
  16. 金型内に受容される長ガラス繊維の多いプラスチック材料を加熱する加熱器をさらに有する請求項15に記載の金型。
  17. 機能性の構造部分はリップシールなどの一つ以上の弾性の機能エレメントを有し、また、キャビティは圧縮成形中に成形される一つ以上の弾性の機能エレメントの逆形状を有する請求項15に記載の金型。
  18. 車両ドア用のドアモジュールを製造するプロセスであって、そのプロセスが、
    ドアモジュールの構造部分を成形するための一つ以上のキャビティを有する金型を設ける段階と、
    長ガラス繊維の多いプラスチック材料を金型に充填する段階と、
    金型内に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料に圧力を加える段階と、
    構造部分及び機能部分を硬化する段階と
    を有し、金型内の前記一つ以上のキャビティは、長ガラス繊維を実質的に含まないプラスチック材料が一つ以上のキャビティの少なくとも一部内へ押し込まれるような寸法を有しているプロセス。
  19. 圧力を加える前に、金型内に受容された長ガラス繊維の多いプラスチック材料を加熱する段階をさらに有する請求項18に記載のプロセス。
    含むプロセス。
  20. 機能性の構成部分をトリミングして、一つ以上のワイヤリングハーネスクリップを得る段階をさらに有する請求項18に記載のプロセス。
  21. キャビティはドアモジュールの外側リム領域に沿って延びるリップの逆形状を有し、プロセスが、構造部分の表面に対してリップを曲げて、リップの断面が構造部分の表面に対して所定の角度を成すようにする段階をさらに有する請求項18に記載のプロセス。
  22. 機能性の構成部分をトリミングしてリップを形成し、そのリップの断面が構造部分の表面に対して所定の角度を成すようにする段階をさらに有する請求項18に記載のプロセス。
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