JP2004535926A - フィルターアッシュおよびフライアッシュを不活性化する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は廃棄物燃焼装置中で生じるフライアッシュをケイ酸塩材料と混合し、かつ少なくとも700℃の温度に加熱してフライアッシュを不活性化する方法に関し、この方法の特徴は、a)2段階法でフライアッシュの40〜60質量%を、(I)アルカリ分の多い、ケイ酸塩を形成する材料またはケイ酸塩の材料をベースとする乾燥した添加剤10〜20質量%と共に粉砕し、かつ得られた粉砕材料を(II)鉱酸をベースとする添加剤30〜40質量%と混合して均質な造粒材料とし、b)この造粒材料を「グリーン」な顆粒にし、c)場合により中間工程で「グリーン」な顆粒粒子の表面に第一の添加剤(I)の粉末を噴霧し、d)その後、高めた温度で「グリーン」な顆粒の粒子から水を除去し、e)乾燥した顆粒の粒子を950℃まで加熱してフライアッシュ粒子を不活性な状態で包囲するガラス溶融物状のマトリックス相を形成し、その後、f)最終的に得られた顆粒を冷却することである。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は(家庭)ごみおよび/または農業廃棄物および/または汚泥燃焼装置および/または飲料水の後処理からのフィルター材料および残留物を燃焼するための装置から生じるフィルターアッシュおよびフライアッシュをケイ酸塩材料と混合し、成形体に成形し、かつ毒性の重金属成分を少なくとも700℃の温度で、形成される材料に水不溶性の形で結合させる、フィルターアッシュおよびフライアッシュを不活性化するための新規の方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、本方法により得られる成形体の使用に関する。
【0003】
地方自治体の廃棄物および部分的に産業廃棄物の燃焼は、欧州および米国ではますます環境に相容性のある廃棄物処理の方法として実施されている。西ヨーロッパでは安価で確実な埋立地がもはや得られず、都市および地方自治体はごみおよび/または汚泥の廃棄処理のために一層、燃焼技術を選択している。
【0004】
同じことが都市廃水汚泥、水および飲料水の浄化および後処理からの沈殿物および残留物、ならびに農業分野のごみおよび廃棄物の廃棄に関して該当する。フライアッシュは微粒子状の揮発性粉末であり、これは多くの場合、数多くの毒性物質を含有している。従ってフライアッシュにより生じる問題は、工業的な観点および環境の観点からも相当に重要である。
【0005】
燃焼法を使用するという決定は、ごみの量を低減すると同時にその他の公然の機能、つまり遠隔熱の取得と提供ももたらしうる。この技術の唯一の本質的な欠点は、燃焼灰の一定の部分、つまり微粉状のフライアッシュが毒性であり、かつその輸送および廃棄処理に関して法的に特に厳しく義務づけられていることである。これらの灰は未処理のままで、建設産業および建築経済からの通常の残留物と同様に通常の埋立地に運搬することはできない。従って埋立処理の最も簡単な方法、つまりフライアッシュを人が住んでいない地域に分散させるか、または該フライアッシュを土地の埋立のために使用することはもはや行われない。
【0006】
フライアッシュを土地の埋立材料として使用し、その際、埋立地の壁をしばしば、その中に同様のフライアッシュが骨材または充填剤として使用されているコンクリートブロックから構成する試みは、天候および地下水による永久的な作用の下で、毒性の含有物質がすでに最初から存在する気孔を通って、および時間の経過と共に形成される、しばしば小亀裂を通って内壁ブロックへ、そして該ブロックを通過して外部へ浸出することが判明した。
【0007】
灰の中に多くの場合、その毒性の塩の形で存在する重金属の濃度はたとえばウイーンのごみ燃焼装置からの一般に平均的な灰試料の場合、次の第1表に記載した値である:
【0008】
【表1】
【0009】
燃焼に由来するフライアッシュは、前記のとおり、揮発性の高い微粉末であり、しばしば100以上の異なった化学物質を含有しており、その際、第1表に記載した物質およびその他の少量で含有されている重金属、たとえば極めて腐食性の四塩化ケイ素を含有している場合がある。
【0010】
種々の燃焼装置からのフライアッシュおよびフィルターケーキを上記の意味で長期にわたり効果的に不活性化することを目的とした試みおよび方法はすでに多数が公知である。
【0011】
ここで、完全にではないが、しばしば推奨される、硬化性の無機の、しばしば液体バインダー、たとえば石膏またはセメント、石灰、石灰乳または活性酸化アルミニウム中へ、工業からの結合性のある廃棄物または残留物、たとえば燃焼灰、煙道ガスの毒性除去した石膏および合成繊維の製造からのアルカリ性廃液中へ、または有機樹脂、アスファルトなどへ灰粒子を封入することが挙げられる。このために次の特許および特許文献を参照するが、これらは完全なものではない:
RU2,145,585A、DE3641786A、DE4337789A、JP63182241A、JP8217501AおよびUS5,562,587A。
【0012】
こうして製造され、フライアッシュがコンクリートまたはその他の上記のバインダー材料とその中で結合しているブロックは常に、特に該ブロックを貫通する亀裂、ギャップ、破断面などの数が貯蔵期間の増大と共に増加することが明らかな老化工程の下にあるという特性を有する。これらによって実質的に容易に洗い流される塩または化合物からなるフライアッシュの毒性成分が次第に溶出し、かつ望ましくないことに環境に到達する。放射性と比較して重金属の毒性は時間の経過と共に低減することはなく、かつフライアッシュの封入または収納のための公知の方法によりこれらを使用によっても、該物質に由来する環境への否定的な影響を単に遅延させるのみであり、有害物質の性質は低減されない。
【0013】
もう1つの公知の方法は、上記のとおり、プラスチックまたはポリマーコンクリートをフライアッシュで充てんし、その際、フライアッシュを溶出から保護するために高分子有機バインダー、たとえば非飽和ポリエーテル樹脂を使用することである。これに関してはRU2100303Aを参照のこと。このようなポリマーコンクリートは優れた特性、たとえば特に高い機械的強度、剪断力に対する高い抵抗性を有し、かつ気孔が存在しない。しかし該材料は極めて高価である。さらに該材料は微生物による侵食に対して安全ではなく、このことにより該材料の結合性は時間の経過において徐々に破壊される傾向があるので、その場合、時間と共に毒性の含有物質がポリマーブロックから溶出する。
【0014】
フライアッシュおよびコークス燃焼灰を安定化するためのもう1つの公知の方法は、該アッシュを焼結して圧縮された凝集塊にすることであり、これは1200〜1400℃の範囲の温度で行われる。この凝集塊をいわゆる「Agglo-Porit」としてコンクリートのための充填剤および骨材として使用することができる。RU548586Aを参照のこと。この方法の欠点は次のとおりである:この方法は包括的な熱処理を必要とし、得られる顆粒は高い密度を有し、かつ凝集体の粒径に関して狭い範囲が存在し、これは建築経済におけるその使用に関してその範囲をむしろ限定する。
【0015】
石炭工業の有機残留物の燃焼に由来するフライアッシュを含有する顆粒を公知の方法により製造し、かつ該顆粒をコンクリートのための軽量骨材として使用する原則的な可能性が存在し、その際、次の方法が提案された:硫酸塩をその結晶−水和物の形で添加し、かつ得られる混合物を造粒し、その後、第一の熱処理段階で酸化雰囲気中、30〜90分間および700〜1000℃の温度で処理し、かつ次いで顆粒の粒子を第二段階で約1200℃の温度で焼結する。高温焼結の間、燃焼炉中に分散している耐火材料からなる粉末と同時に該粒子を噴霧する。これに関してはRU730655Aを参照のこと。この方法は高温への加熱が必要であるという本質的な欠点を有し、さらに、加熱工程の間に顆粒材料から流出する硫黄を含有する気体の作用によって製造装置が腐食することによる問題が生じ、かつこの気体を炉の出口で中和する必要が生じる。
【0016】
以前からすでに公知の、コンクリートのための軽量充填材料または軽量骨材を製造するもう1つの方法は、金属工業からの炭素含有残留物を使用することであり、これに関してはRU2082688Aを参照のこと。この場合、次の方法工程を行う:ケイ素を含有する合金を製造するための鋳造炉からの脱水フィルターケーキ50〜85質量%を、鉄含有化合物、たとえば転換炉および/または鉄鉱からの高炉スラグダスト3〜8%、石灰含有成分、たとえば石灰のか焼からの乾燥したガス−フィルターケーキ、粉砕した石灰石またはドロマイト1〜8質量%、および粘土成分5〜10質量%を、100質量%までの残分としての量の水と共に混合してベース材料とする。この混合物に可塑剤、たとえばリグニンスルホン酸塩を約1.5質量%の量で添加する。該ベース材料を顆粒の粒子にし、これを次いで乾燥させる。次いで酸化雰囲気中、多段の方法で次のとおりに実施する:第一工程で450〜600℃の範囲の温度への加熱を5〜15分間行い、次いで第二段階で800〜1000℃への加熱を2〜4分行う。こうして前処理した顆粒の粒子に次いで1200℃の高温で最終的に熱処理工程を行い、その際、該粒子を耐火性材料の粉末と共に噴霧する。
【0017】
こうして得られた顆粒粒子は、コンクリートのための骨材または充填材料として使用することができるために十分な強度、密度および硬度を有する。顆粒粒子は補助バインダーを用いずにコンクリート中に導入することができる。というのも、これらは生じる材料中で均一に分布することができるという有利な特性を有しているからである。
【0018】
これらの公知の不活性化法の欠点は特に最終工程のために適用される高い温度で加熱工程を三段階で行うこと、およびこの高温で酸化雰囲気を使用することである。
【0019】
記載したように、得られる最終生成物は加工の際の発泡工程により若干多孔質であるが、これは化学的な酸化還元反応および該反応と結びついたガス排出工程の結果である。前記の粒子の多孔質構造により、顆粒粒子からの毒性物質の長期的な溶出を効果的に防止することはできない。
【0020】
さらにDE3713482A1を参照するが、この対象はごみ燃焼装置において生じる重金属含有残留物、たとえばフィルターダスト、スラグなどを環境を保護しながら排除するための方法であり、該方法によれば実質的に少なくとも10質量%の粉末状および微粒子状残留物を強力に混合し、かつ得られた混合物をレンガなどに成形し、かつ通例の燃焼温度で焼成することが想定されている。燃焼温度としてここでは700〜1400℃の範囲の温度が記載されている。
【0021】
この公知の方法において形成される、フライアッシュの粒子を封入する焼成レンガ材料は粘土粒子を一緒に焼結する燃焼方法の結果であり、その生成物は、たとえば通例のレンガから公知であるように、いずれにしても常に多孔質であり、ひいては吸水性であり、従って著しい内部表面積を有し、これは最終的に、フライアッシュの不活性化の場合に極めて望ましくないことだが、地下水などによる溶出プロセスをもたらす。従って実際に溶出に対して確実なフライアッシュの不活性化をこの方法で達成することはできない。
【0022】
燃焼工程の温度を、前記の焼結工程がもはやほぼ多孔質でない材料、つまりたとえばガラスの形成につながるような温度に調整することがすでに試みされた。しかしこの場合、貴重な高温熱エネルギーの必要量が高いことが決定的な欠点である。
【0023】
この本質的な、処理量を鑑みて重大な欠点が本発明の出発点である:本発明は、地方自治体ごみおよび/または汚泥および/または農業廃棄物などのための燃焼装置からの、実質的に溶出に対して安全なフィルターアッシュまたはフライアッシュの、実質的に細孔を有していないマトリックス中への封入を行い、かつこれは比較的はるかに低い温度で行い、ひいてはこのための必要な熱エネルギー量は明らかに低減すべきである課題を設けた。
【0024】
所望の高い不活性化度は同時に所望される実質的に低減したエネルギー必要量の達成と共に、不活性化工程の際に使用され、かつその実施後に得られ、かつ特に建築材料として、または種々の建築材料中で骨材として使用することができる成形体が比較的小さい寸法を有し、このことがその製造の際に均一な加熱にとって、特に上記の比較的低い温度で必要とされる場合に、および毒性のフライアッシュ粒子を封入するために想定されるマトリックス材料がすでに実質的に通常のセラミックおよびガラスの燃焼温度を下回る温度で実質的にガラス溶融物状の高密度状態に移行する場合に達成されることが判明した。
【0025】
従って本発明の対象は、冒頭に記載したフライアッシュの不活性化法であり、該方法は、
− 第一の工程(a)において、第一段階(a1)で、そのつど全量100質量%に対してフィルターアッシュまたはフライアッシュ40〜50質量%を、(I)アルカリ金属酸化物および場合によりアルカリ土類金属酸化物、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を実質的な成分として含有する微粒子状の、融点を低下させるアルカリ分の多いケイ酸塩を形成する混合物またはケイ酸塩材料をベースとする乾燥した第一の添加剤10〜20質量%と共に乾燥した状態で粉砕、混合および/または混練し、かつこうして得られたベース材料を第二段階(a2)で、(II)鉱酸成分をベースとする第二の添加剤30〜40質量%と混合、粉砕および/または混練して均質な造粒材料が得られ、
− 第二の工程(b)において、この造粒材料をほぼ球形の粒子を有する「グリーン」な顆粒またはグリーンペレットにし、
− その後、第三の工程(c)として、高めた温度で乾燥させることにより「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットから水を除去し、引き続き
− 第四の工程(d)において、乾燥した顆粒の粒子またはペレットを最高で950℃の温度に加熱してガラス溶融物状の、フライアッシュ粒子を不活性化して完全に包囲するマトリックス相を形成し、その後、
− 最終的に第五の工程(e)において、得られた顆粒または得られたペレットを周囲温度に冷却する
ことを特徴とする。
【0026】
前記の添加剤(I)および特に(II)を使用する場合、場合により前記の添加剤との加熱の前の状態で水による溶出に対して保証されてないフライアッシュの毒性物質を化学的に結合しながら、毒性の重金属が富化した灰粒子を、亀裂のないガラス状のマトリックス材料により実質的に完全に、かつ高い密度で溶融することができることが判明した。
【0027】
酸成分をベースとする第二の添加剤(II)は加熱温度を低下させるために極めて本質的に貢献する。ここで効果を発揮する化学物質はまだなお解明されていないが、しかし、実質的に、酸成分が作用することにより1種の「酸性の分解」が生じ、これは微細なフライアッシュ粒子の大きな表面における酸素架橋を中断し、かつフライアッシュ分子が加熱工程において後に第一の添加剤Iに化学的に結合するためのいわゆるベースとなることが出発点である。この理由からこの結合を製造するために必要とされるエネルギーは実質的により少なく、このことにより本発明による実質的な加熱温度の低下が達成可能である。
【0028】
本発明により得られる顆粒またはペレットは高い強度、高い表面密度および一貫してガラス状の表面によって優れている。表面がガラス状であり、かつ平滑なことにより、水による濡れおよびさらに水の浸入が低減し、このことによって該ペレットからの毒性物質の溶出の危険が著しく長期間にわたって回避される。
【0029】
得られる顆粒はさらに実際に毒性はなく、つまり該顆粒は長期間、環境への何らかの損傷を引き起こすことなく、自体建築材料として、または建築材料中で、およびさらに実質的に普遍的に複合建築材のための充填材料および骨材として使用することができる。
【0030】
本発明により得られる粒子またはペレットは多くの場合、原料フライアッシュ中にたとえば汚泥燃焼灰が主要であるか、または家庭ごみの燃焼灰が主要であるかによって、暗褐色から暗灰色である。
【0031】
特に有利であるのは、使用される不活性化すべきフライアッシュの量に対して本発明による添加剤(I)および(II)を請求項1に記載した量比で使用することである。
【0032】
造粒を支障なく実施することができるために、「グリーンペレット」の「噴霧」を含む中間工程(bc)を第二の工程(b)および第三の工程(c)との間に挿入することが特に有利であり、これに関しては請求項2を参照されたい。この中間工程はさらに、ペレットの加熱の際に特に密度が高く、かつ平滑で、溶出に対して安全な、ガラス溶融物状の表面層がその上に形成されるという利点をもたらす。該ペレットの内部帯域はむしろ部分結晶質の特性を有する。噴霧粉末の量はフライアッシュと添加剤I+IIの全量に対して20質量%までであってよい。通常5〜15質量%の範囲の量で十分である。
【0033】
融点の低下による不活性化工程におけるエネルギー需要量の所望の実質的な低下のために同様に促進作用のある第一の添加剤(I)に関して、これは有利には実質的に請求項3に記載されている成分からここに記載されている組成範囲でなるものである。該成分は酸化物、水酸化物および炭酸塩の形で混合酸化物として、またはケイ酸塩、ケイ酸アルミニウムなどの形で使用することができる。
【0034】
有利には比較的低い融点さえ有する、系中でフライアッシュ−鉱物/添加剤(I)およびそれ自体同時に融点を低下させる作用のある第一の添加剤(I)の本発明による使用により、すでに記載したように、添加剤の化学物質または鉱物と、フライアッシュの成分または鉱物との間で化学結合および/または配位結合を形成しながら、ガラスマトリックスへのフライアッシュ粒子の完全な封入、および個々の顆粒粒子またはペレットの高密度の表面または外被を得ることができる。この添加剤は低いコストでそれぞれその地域で得られる原料から、または建築材料の残留物から製造することができる。
【0035】
フライアッシュの不活性化法を行うための本発明による実質的な貢献は前記のとおり、請求項4により有利に使用される流動性の、程度の差はあっても粘性の第二の添加剤(II)を種々の酸性溶液の形で、および種々の高い濃度(20%〜100%)の、特に酸洗いまたは電気メッキの廃水をベースにする酸性溶液の形で制御される。酸の作用により、その後の造粒工程における混練性および形状付与に関して特に必要とされる、フライアッシュおよび添加剤(I)粒子の表面におけるOH基の活性化および形成が生じ、これはペレットの乾燥および加熱のその後の段階で、成分の前記の強い化学結合を生じることができる。すでに使用した酸洗い後の処理液を使用することによりさらに、さもなければ同様に廃棄処理が困難な液体を環境を保護しながらリサイクルするための実質的な貢献をもたらすことができる。
【0036】
請求項5の記載により硫酸および/またはリン酸および/または硝酸を添加剤(II)として使用することはもう1つの有利な可能性であり、特にリン酸および硫酸の場合、その高い粘度は顆粒またはペレットを形成する際のフライアッシュ添加剤混合物の良好な加工性および形状付与のために貢献する。
【0037】
使用されるフライアッシュに関して、この有利にはいわゆる「純粋」であるか、または飲料水の後処理の残留物、汚泥および/または農業廃棄物の燃焼灰との、実質的に任意の量比での混合物として使用することができる。その際、特に(都市)汚泥燃焼から、または農業廃棄物の燃焼から、または飲料水の浄化または後処理からの残留物またはフィルター材料の燃焼からのフライアッシュが問題となる。
【0038】
上記の良好な品質の顆粒を得るための別の可能性は、請求項6に記載の灰の少なくとも1種と、ごみまたは産業廃棄物の燃焼工程に由来するフライアッシュとを請求項6に記載されている量比でフライアッシュ成分として使用することである。工業フライアッシュとして特に、金属溶融法、セメント工業などからのフライアッシュが考えられる。
【0039】
これらの請求項の記載によって得られる顆粒は、表面における高い硬度、高い耐摩耗性および高い機械的安定性ならびにさらに所望される密度の高い表面を有し、かつ長期間にわたって地下水による溶出に対する高い安全性をもたらす。
【0040】
造粒工程に関して、請求項7に記載した範囲の温度で作業することが有利であるといえる。というのも顆粒の粒子はその製造の間またはその後で、つまり60℃を超える温度で乾燥させる前に、運転の妨げとなるケーキングが生じうるからである。
【0041】
本発明によりガラス化されるフライアッシュの加熱および貯蔵もしくは埋立に関して、請求項8に記載されているような、新規の方法の範囲で前駆物質として製造される「グリーン」な原料ペレットの粒子またはペレットの大きさが特に有利であることが判明した。
【0042】
これは最後に得られる顆粒の輸送および貯蔵に関して、特に実際に不活性な顆粒により問題なく、かつ環境を損なうことなく行うことができる景観建設における充てんに関しては、土木、土工および基礎工事の範囲で、および場合により建築材料の成形体、たとえば建築用材および舗道用敷石、構造部材、ファサード部材、プレハブ部品などの製造において該当する。
【0043】
比較的大量の屑ペレットの発生を回避しながらグリーンペレットを乾燥することに関して、請求項9に記載の範囲の最大残留水分の値への慎重な乾燥技術は有利であることが判明した。乾燥はたとえばドラム乾燥器中で行う。ここに記載されている乾燥度、つまり最大で2%の乾燥度を維持することを試みない場合、炉中で水の気化が早すぎるために、粒子が破壊されうる。105℃未満で粒子を乾燥させることにより乾燥サイクルは不必要に長くなり、150℃を超える乾燥は進行が早すぎて粒子の欠陥につながる。
【0044】
そのつど想定される乾燥工程における最終湿分は有利には、顆粒粒子のその後の二段階の加熱の際に場合により生じる問題、たとえば亀裂の形成、破裂および/または破壊をほぼ回避するために役立ちうる。毒性のフライアッシュ粒子が溶出しないように封入するためのガラス状のマトリックス材料を形成するために、さしあたり「グリーン」な顆粒粒子またはペレットを加熱する本質的な工程に関して、このために最大950℃の温度は意外にも全く十分であることが判明した。このことに関して請求項10を参照されたい。溶融−不活性化にとってこの低い温度はその完全性に関して全く十分であり、かつ特に加工すべき量が大量であることに関して、貴重な一次高温−熱エネルギーを節約するために極めて効果的である。
【0045】
燃焼炉、たとえばロータリーキルン中の加熱帯域における乾燥ペレットの有利な加熱速度に関して、ここで「グリーン」ペレットは請求項9に記載されているとおりに有利に乾燥されている場合、該ペレットの高い熱安定性に基づいて、実質的に制限は存在しないといえる。約40〜60℃/分の範囲またはそれ以上の加熱速度を実地で適用することができる。
【0046】
請求項10の記載による2段階の加熱工程は、新規の不活性なペレットの耐破壊性にとっても特に好適であることが判明した。
【0047】
第一の加熱段階(d1)では特に最後の遊離した、および無機結合した結晶水が徐々に排除され、このことによりペレットの破損が回避され、かつこのことにより場合により添加剤(I)の物質に由来する気体の緩慢な発生が始まるので、第二の加熱段階(d2)において、ここで使用される成分の微細な粒子と共に行われる焼結および引き続き該材料のペレットへのガラス化の進行はもはや発生する気体の高い発生率により妨げられることはない。
【0048】
プロセス段階(d1)および(d2)において想定される温度への加熱の時間に関して、請求項11がその詳細を記載している。
【0049】
製造された顆粒の冷却は、自体極めて迅速に行うことができるが、しかしこれは、12〜100℃/分を超えるべきではない。請求項12を参照のこと。
【0050】
第三の方法工程(c)において、ならびに完了した第五の方法工程(e)の後でも、つまり高温加熱の後で生じうる欠陥、破損および/または誤った寸法を有するペレットに関しては請求項13を参照されたいが、これらはふたたび問題なく、フライアッシュと添加剤(I)および添加剤(II)とを混合する第一の方法段階(a)に返送し、かつここで相互に混合される成分へと容易に添加することができる。
【0051】
最後に本発明のもう1つの対象は、請求項14に記載の、本発明により得られる顆粒またはペレットの使用であり、顆粒またはペレットは有利には液状のバインダーにより建築用材、建築部材、舗道用敷石などに加工することができる。
【0052】
当然のことながら、個々の方法または方法工程および混合工程または混練工程の進行を制御するための方法のうちで、成分の均一な分散に関して、およびたとえば乾燥した表面層を「グリーン」ペレット上に形成することに関して、該ペレットの噴霧の際に添加剤(I)の粉末を使用する。
【0053】
新規の方法を使用して得られるフライアッシュの不活性顆粒またはペレットは、高い機械的安定性および7〜24kg/ペレットの範囲の耐破壊性により優れている。その内部表面は実質的にゼロである。
【0054】
本発明による技術により、実質的にクラス1の溶出物に相応するか、またはさもなければさらに改善された品質を有し、建築材料の分野で、または建築の目的のために問題なく使用することができる顆粒を得ることが可能である。
【0055】
しかしフライアッシュのために通例の、1150℃を上回る高温におけるガラス化技術に基づいた熱的な不活性化法は多くの場合、1200℃を超える温度で作業し、かつこのために少なくとも1.0MW/tまたはそれ以上の比熱エネルギーコストが見積もられる一方で、本発明によるフライアッシュの低温ガラス化の場合、熱エネルギー需要量の一般的な値は約0.3〜0.4MW/tである。
【0056】
フライアッシュのための公知の高温封入法の場合、さらに塩酸液滴を含む高腐食性の気体の発生が大きな問題であるが、これは本発明による低温で作業する方法の場合、該当しない。
【0057】
最後に、上記の熱エネルギーの実質的な節約以外に、今日では平均して120〜150ユーロにのぼるフライアッシュのための埋立コストの著しい低減が重要である。
【0058】
上記で説明したように、第二の添加剤(II)を混合することにより灰がガラス状の物質に変換される温度が低い温度へと低下する。
【0059】
種々の付加的な改良点はたとえば発熱化学反応により、および最適なペレットサイズにより達成することができるので、比熱エネルギーコストは上記の範囲を超えることはない。後処理コストもまた実質的に低減し、これは全プロセスの経済性にとって有利である。
【0060】
以下の例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0061】
例1
1.標準的な混合装置中で次の成分を次の混合比で相互に混合して均質な乾燥組成物が得られた:
Entsorgungsbetrieb Simmering(EBS)社(ウィーン在)の汚泥燃焼装置からのフライアッシュ 440g(44質量%)、
都市ごみの燃焼のためのEBS社の装置からのフライアッシュ 110g(11質量%)、
次の基本組成を有するケイ酸塩成分 110g(11質量%):
SiO2 51.2質量%
Al2O3 29.2質量%
Na2O 10.5質量%
CaO 8.2質量%
100質量%までの残分:K2O、MgO、Fe2O3および場合により少量でその他の金属酸化物。
2.次いで完全に混合されたベース組成物を、硫酸312g/lをベースとし、硫酸鉄200g/lの含有率を有するステンレス鋼酸洗い装置からのアルカリ性廃液330g(33質量%)と混合する。
3.撹拌および混練を継続することにより、該混合物を均質性の高い造粒用混合物へと加工する。
4.ドラムタイプの標準的な造粒装置を用いて55〜60℃の温度で約1.8cmの範囲の平均粒径を有する顆粒の粒子を製造し、かつその後、上記の1.に記載した添加剤(I)を形成するケイ酸塩材料を顆粒の全質量に対して0.05質量%の量で噴霧する。
5.噴霧した顆粒の粒子をドラム乾燥器中、110℃の温度で30分間乾燥させる。
6.その後、実験室用回転式炉中で顆粒の粒子の熱処理を次のとおりに実施した:15分間にわたり490℃に加熱。その後、10分間にわたり910℃に加熱。
7.その後、粒子を毎分80〜60℃の冷却速度で周囲温度まで冷却する。
【0062】
こうして得られた粒子は次の特徴を有する:
大きさ:直径10〜20mm、
密度:2.1g/cm3、
耐破壊性:7〜24kg/ペレット、
溶出物の品質:クラス1の溶出物。
【0063】
例1による不活性ペレットの構成または構造に関して、X線相分析(CuKα)に基づいてその相構造は次のとおりである:
ペレットの主要な相成分:
SiO2(α−石英)、
Fe2O3(ヘマタイト)、
AlPO4(リン酸アルミニウム)、
CaSO4(石膏)、
CaSiO3(ケイ酸カルシウム)。
【0064】
ペレットのコアおよびシェルの(相)組成は類似している。しかし特定の相違はペレットのシェル中の非晶質またはガラス化したガラス状の材料の実質的な割合によって説明することができる。
【0065】
耐圧性試験により、12〜15mmの直径を有するペレットはペレットあたり7〜24kgの負荷によって初めて破壊され、その際、実質的にダストは発生せず、異なった大きさの粉砕物が生じるのみであることが判明した。
【0066】
構造試験により、ガラス状のペレットシェルは約0.5mmの範囲の厚さを有し、その際、ペレットの部分結晶質の内部への明確な境界は存在していないことが判明した。
【0067】
方法の熱示差分析は、20〜850℃の温度範囲で132℃および276℃で2つの小さい発熱ピークが存在し、かつ470℃で1つの小さい吸熱ピークが存在していることを示している。そのうちのいずれも加熱工程の熱容量に対して実質的な影響を与えることはなかった。
【0068】
結論からいうとここでもまた後により詳細に説明される、造粒された雄ウシの精子に基づいた生物試験法を用いたペレットの毒性試験の結果は次のとおりである:試験により88.7の毒性係数が判明し、これは完全に非毒性の範囲内である。従って新規のフライアッシュ不活性ペレットは生物学的に非毒性である。
【0069】
次の第2表は方向付けのために、オーストリアの埋立処理指令による土地の埋立に関する、種々の浸出物クラスによって最大で認容可能な種々の毒性重金属の境界値を示しており、さらに本発明による例1で使用した混合灰の含有率および水による溶出物試験の結果を、その際に得られる、例1により製造される新規の顆粒粒子の溶出物中の種々の重金属の濃度に関して示している。記載の数値はフライアッシュ1kgあたりの重金属のmgを示している。「石」の欄は、例1のペレットを使用して製造された、セメント結合した石材料、たとえば舗装道路のための石材を使用して確認した結果を示している。
【0070】
【表2】
溶出物クラスIV:一般廃棄物埋立処理(Massenabfalldeponien)
溶出物クラスIII:残留物質埋立処理
溶出物クラスII:建設残留物埋立処理
溶出物クラスI:土地掘削埋立処理(Bodenaushubdeponien)
フライアッシュ:EBS(ウィーン)のごみ燃焼装置からのフライアッシュのパラメータ
ペレット:サンクトペテルスブルクのロシア連邦健康省の衛生疫学管理部門の環境係数の試験のための実験室から明らかな値は、新規のペレットが完全に溶出物のクラスI(埋立処理クラスD)に相応する、つまりリサイクル建築材料のために問題なく使用することができることを示している。
【0071】
次の第3表は抽出物中の重金属含有率に関する水による抽出試験の結果を示している:
試験前にペレットに1:10の比で水道水を注いだ。最初の24時間に関する曝露を試験した。全ての試験列を制御した。出発水として、飲料水のための衛生管理規定2.1.559〜96、2.1.4.011〜98および国による規定GOST R 51232−98「飲料水」に相応する水道水を使用した。
【0072】
【表3】
【0073】
精子に対する毒性に関する試験を、例1からのペレットからの同じ水抽出試験体を用いて行い、その際、次の結果が判明した:
融解体積:0.6l、
比:溶液−雄ウシの精子:0.4〜0.1、
指数:iT:88.7、指数:iS:79.9、
(iT:急性毒性;(主要な指数)iS:遅延された毒性)
移動度の時間の平均値:
比較例:T平均=22.9、K変動=6.9、
抽出物:T平均=20.4、K変動=7.2、
移動度の積分値:
抽出物:S平均=838.8、K変動=19.0。
【0074】
以下および第4表に毒性に関するさらなる試験をまとめる:
指数iT:88.7、
移動度の時間の平均値:
比較例:T平均=22.9、K変動=6.9、
抽出物:T平均=20.4、K変動=7.2、
移動度の積分値:
比較例:S平均=872.2、K変動=10.9、
抽出物:S平均=696.6、K変動=19.0。
【0075】
【表4】
【0076】
毒性分析装置において実施した試験に基づいてバイオアッセイ法により、造粒した雄ウシの精子を試験対象として適用することによって、ごみ燃焼装置からのガラス化した灰からなるペレットからの水による抽出は、毒性iTの高い特性値=88.7により非毒性である(非毒性:70<iT<120)。
【0077】
方法論的な教示は刊行物"Biotests an Erzeugnissen aus Polymeren und anderen Stoffen"、1.1.037−95中で説明されている。
【0078】
毒性に関する上記の試験は国立衛生疫学管理のための国立実験センターで実施した。
【0079】
表の結果は本発明により達成可能な高い不活性化度を明らかに示している。記載した方法によって、建築物などにおける本発明により得られるフライアッシュの不活性化ペレットまたは顆粒を完全に通常通り、安価に使用することができ、その際、該ペレットから水により、特に地下水により毒性の重金属化合物が溶出する危険は存在しない。
【0080】
例2〜8:
次の第5表は、種々の添加剤およびフライアッシュを異なった条件および組成物の比率で使用して本発明による方法により得られた不活性化されたフライアッシュ顆粒の結果をまとめたものであり、その際、略号は次のものを表す:
Fe:FeSO4(g/l)、
K:汚泥の燃焼からのフライアッシュ、
T:飲料水の後処理残留物の燃焼からのフライアッシュ、
A:農業廃棄物の燃焼からのフライアッシュ、
M:家庭ごみの燃焼からのフライアッシュ、
I:産業廃棄物の燃焼からのフライアッシュ、
End−Temp:グリーン顆粒を加熱する際の最高温度、
MG:顆粒の粒子の平均粒径(mm)。
【0081】
【表5】
【0082】
図面に基づいて本発明による方法を詳細に説明する。
【0083】
図1は本発明による方法により運転される装置を示し、かつ図2は本発明により運転される装置の実質的なエネルギーおよび材料の流れを示すブロック図を示す。
【0084】
図1に示されているフライアッシュを不活性化するための装置100を、以下でその中で実施される実質的な方法工程に分割する:
「パルプ」ともよばれる造粒混合物の準備:
輸送手段01により運ばれたフライアッシュ101をたとえばコンベアベルトなどの上でアッシュ貯留槽1へ輸送し、かつスクリューコンベヤ装置により、そのつど別の輸送手段02により運ばれる添加剤(I)、ケイ酸塩ベースの粉末および添加剤II、酸成分と同様に相応する容器21および22から材料流101としておよびI+IIを混合ミキサー3へ輸送し、かつここでほぼペースト状の粘稠度を有する造粒混合物に、つまり「パルプ」102に混合する。
【0085】
ペレットの造粒および硬化:
混合ミキサー3から排出されたパルプ102は、欠陥および異なった寸法を有する顆粒粒子106を分級するための装置9、11に結合している造粒装置4に供給される。供給装置を有するコンテナ5から、ペレットの達成可能な品質のため、ペレットのケーキングを回避するため、および後の熱時の表面層または表面被覆の硬化のために有利な乾燥した添加剤(I)の粉末を、造粒装置4中で形成されるグリーンペレット103の表面に噴霧するために供給する。
【0086】
乾燥:
この方法で準備した「グリーン」な顆粒103は造粒装置から貯蔵室6へと搬送され、かつ次いでさらに乾燥装置7、たとえばドラム乾燥器へと移され、ここで含水率2質量%未満に乾燥するまで最高150℃の温度に加熱する。水分の大部分はその際に蒸気Dとして蒸気排出部70を介して除去される。
【0087】
熱処理:
次いでドラム乾燥器7から搬出される、2%未満の水分を含有する乾燥した顆粒104を空気循環炉中で、有利にはロータリーキルン8中で、有利には特殊な2段階の温度推移および最終的に最後の温度段階において870〜950℃の最終温度で熱処理する。緩やかに冷却した後、場合によりすでに炉8の出口部分においても、得られた焼成顆粒粒子またはペレット105は粒度ふるい分け装置9を有する品質管理のための装置90中へ輸送される。上記の熱処理の全時間は約2〜3時間である。
【0088】
損傷していないペレットの貯蔵はペレットバンカー10中で行う。焼成された欠陥顆粒粒子106は通常、顆粒の全量の5%を超えることはなく、該顆粒を粉砕装置11に供給し、ここで粉砕し、かつ次いで微粒子状の状態で連続ミキサー3に搬送する。
【0089】
最後にペレットバンカー10中に中間貯蔵された、完成した焼成後の不活性ペレットを輸送手段03により搬出する。
【0090】
図1では符号Eにより種々の装置部分からの気体状の排出物を表し、Wにより熱の供給を表し、かつSにより電気エネルギーの供給を表す。Dはすでに記載したのとおり蒸気の排出を表している。
【0091】
図2は本発明によるフライアッシュの不活性化法の個々の工程の材料およびエネルギー収支を略図で示している。
【0092】
この場合、図2の略図に示されている符号およびその意味は図1のものと一致しており、その際、黒い矢印または斑点のついた矢印の白抜きまたは波線のついたパネルは、1時間あたりのトンとして材料流または材料の部分流の定量化のためのものである。グレーの矢印の先は1時間あたりに供給される低温の熱エネルギーをMcal/hで示しており、かつ全ての黒い矢印の先は1時間あたりの高温の熱エネルギーの必要量をkWhで示している。図2ではさらに、欠陥ペレット106を収容するための容器160が示されており、該ペレットを粉砕後にフライアッシュ101と混合する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明による方法により運転される装置を示す
【図2】本発明により運転される装置のエネルギーおよび材料の流れを示す
【符号の説明】
【0094】
01、02、03 輸送手段、 1 アッシュ貯留槽、 2 添加剤容器、 3 ミキサー、 4 造粒装置、 5 コンテナ容器、 6 貯蔵室、 7 乾燥器、 8 ロータリーキルン、 9 分級装置、 10 ペレットバンカー、 11 粉砕装置、 100 フライアッシュ不活性化装置、 101 フライアッシュ、 102 パルプ、 103 グリーンペレット、 104 乾燥顆粒、 105 ペレット、 106 欠陥ペレット、 E 気体状の放出、 W 熱の供給、 S 電気エネルギーの供給、 D 蒸気
【0001】
本発明は(家庭)ごみおよび/または農業廃棄物および/または汚泥燃焼装置および/または飲料水の後処理からのフィルター材料および残留物を燃焼するための装置から生じるフィルターアッシュおよびフライアッシュをケイ酸塩材料と混合し、成形体に成形し、かつ毒性の重金属成分を少なくとも700℃の温度で、形成される材料に水不溶性の形で結合させる、フィルターアッシュおよびフライアッシュを不活性化するための新規の方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、本方法により得られる成形体の使用に関する。
【0003】
地方自治体の廃棄物および部分的に産業廃棄物の燃焼は、欧州および米国ではますます環境に相容性のある廃棄物処理の方法として実施されている。西ヨーロッパでは安価で確実な埋立地がもはや得られず、都市および地方自治体はごみおよび/または汚泥の廃棄処理のために一層、燃焼技術を選択している。
【0004】
同じことが都市廃水汚泥、水および飲料水の浄化および後処理からの沈殿物および残留物、ならびに農業分野のごみおよび廃棄物の廃棄に関して該当する。フライアッシュは微粒子状の揮発性粉末であり、これは多くの場合、数多くの毒性物質を含有している。従ってフライアッシュにより生じる問題は、工業的な観点および環境の観点からも相当に重要である。
【0005】
燃焼法を使用するという決定は、ごみの量を低減すると同時にその他の公然の機能、つまり遠隔熱の取得と提供ももたらしうる。この技術の唯一の本質的な欠点は、燃焼灰の一定の部分、つまり微粉状のフライアッシュが毒性であり、かつその輸送および廃棄処理に関して法的に特に厳しく義務づけられていることである。これらの灰は未処理のままで、建設産業および建築経済からの通常の残留物と同様に通常の埋立地に運搬することはできない。従って埋立処理の最も簡単な方法、つまりフライアッシュを人が住んでいない地域に分散させるか、または該フライアッシュを土地の埋立のために使用することはもはや行われない。
【0006】
フライアッシュを土地の埋立材料として使用し、その際、埋立地の壁をしばしば、その中に同様のフライアッシュが骨材または充填剤として使用されているコンクリートブロックから構成する試みは、天候および地下水による永久的な作用の下で、毒性の含有物質がすでに最初から存在する気孔を通って、および時間の経過と共に形成される、しばしば小亀裂を通って内壁ブロックへ、そして該ブロックを通過して外部へ浸出することが判明した。
【0007】
灰の中に多くの場合、その毒性の塩の形で存在する重金属の濃度はたとえばウイーンのごみ燃焼装置からの一般に平均的な灰試料の場合、次の第1表に記載した値である:
【0008】
【表1】
【0009】
燃焼に由来するフライアッシュは、前記のとおり、揮発性の高い微粉末であり、しばしば100以上の異なった化学物質を含有しており、その際、第1表に記載した物質およびその他の少量で含有されている重金属、たとえば極めて腐食性の四塩化ケイ素を含有している場合がある。
【0010】
種々の燃焼装置からのフライアッシュおよびフィルターケーキを上記の意味で長期にわたり効果的に不活性化することを目的とした試みおよび方法はすでに多数が公知である。
【0011】
ここで、完全にではないが、しばしば推奨される、硬化性の無機の、しばしば液体バインダー、たとえば石膏またはセメント、石灰、石灰乳または活性酸化アルミニウム中へ、工業からの結合性のある廃棄物または残留物、たとえば燃焼灰、煙道ガスの毒性除去した石膏および合成繊維の製造からのアルカリ性廃液中へ、または有機樹脂、アスファルトなどへ灰粒子を封入することが挙げられる。このために次の特許および特許文献を参照するが、これらは完全なものではない:
RU2,145,585A、DE3641786A、DE4337789A、JP63182241A、JP8217501AおよびUS5,562,587A。
【0012】
こうして製造され、フライアッシュがコンクリートまたはその他の上記のバインダー材料とその中で結合しているブロックは常に、特に該ブロックを貫通する亀裂、ギャップ、破断面などの数が貯蔵期間の増大と共に増加することが明らかな老化工程の下にあるという特性を有する。これらによって実質的に容易に洗い流される塩または化合物からなるフライアッシュの毒性成分が次第に溶出し、かつ望ましくないことに環境に到達する。放射性と比較して重金属の毒性は時間の経過と共に低減することはなく、かつフライアッシュの封入または収納のための公知の方法によりこれらを使用によっても、該物質に由来する環境への否定的な影響を単に遅延させるのみであり、有害物質の性質は低減されない。
【0013】
もう1つの公知の方法は、上記のとおり、プラスチックまたはポリマーコンクリートをフライアッシュで充てんし、その際、フライアッシュを溶出から保護するために高分子有機バインダー、たとえば非飽和ポリエーテル樹脂を使用することである。これに関してはRU2100303Aを参照のこと。このようなポリマーコンクリートは優れた特性、たとえば特に高い機械的強度、剪断力に対する高い抵抗性を有し、かつ気孔が存在しない。しかし該材料は極めて高価である。さらに該材料は微生物による侵食に対して安全ではなく、このことにより該材料の結合性は時間の経過において徐々に破壊される傾向があるので、その場合、時間と共に毒性の含有物質がポリマーブロックから溶出する。
【0014】
フライアッシュおよびコークス燃焼灰を安定化するためのもう1つの公知の方法は、該アッシュを焼結して圧縮された凝集塊にすることであり、これは1200〜1400℃の範囲の温度で行われる。この凝集塊をいわゆる「Agglo-Porit」としてコンクリートのための充填剤および骨材として使用することができる。RU548586Aを参照のこと。この方法の欠点は次のとおりである:この方法は包括的な熱処理を必要とし、得られる顆粒は高い密度を有し、かつ凝集体の粒径に関して狭い範囲が存在し、これは建築経済におけるその使用に関してその範囲をむしろ限定する。
【0015】
石炭工業の有機残留物の燃焼に由来するフライアッシュを含有する顆粒を公知の方法により製造し、かつ該顆粒をコンクリートのための軽量骨材として使用する原則的な可能性が存在し、その際、次の方法が提案された:硫酸塩をその結晶−水和物の形で添加し、かつ得られる混合物を造粒し、その後、第一の熱処理段階で酸化雰囲気中、30〜90分間および700〜1000℃の温度で処理し、かつ次いで顆粒の粒子を第二段階で約1200℃の温度で焼結する。高温焼結の間、燃焼炉中に分散している耐火材料からなる粉末と同時に該粒子を噴霧する。これに関してはRU730655Aを参照のこと。この方法は高温への加熱が必要であるという本質的な欠点を有し、さらに、加熱工程の間に顆粒材料から流出する硫黄を含有する気体の作用によって製造装置が腐食することによる問題が生じ、かつこの気体を炉の出口で中和する必要が生じる。
【0016】
以前からすでに公知の、コンクリートのための軽量充填材料または軽量骨材を製造するもう1つの方法は、金属工業からの炭素含有残留物を使用することであり、これに関してはRU2082688Aを参照のこと。この場合、次の方法工程を行う:ケイ素を含有する合金を製造するための鋳造炉からの脱水フィルターケーキ50〜85質量%を、鉄含有化合物、たとえば転換炉および/または鉄鉱からの高炉スラグダスト3〜8%、石灰含有成分、たとえば石灰のか焼からの乾燥したガス−フィルターケーキ、粉砕した石灰石またはドロマイト1〜8質量%、および粘土成分5〜10質量%を、100質量%までの残分としての量の水と共に混合してベース材料とする。この混合物に可塑剤、たとえばリグニンスルホン酸塩を約1.5質量%の量で添加する。該ベース材料を顆粒の粒子にし、これを次いで乾燥させる。次いで酸化雰囲気中、多段の方法で次のとおりに実施する:第一工程で450〜600℃の範囲の温度への加熱を5〜15分間行い、次いで第二段階で800〜1000℃への加熱を2〜4分行う。こうして前処理した顆粒の粒子に次いで1200℃の高温で最終的に熱処理工程を行い、その際、該粒子を耐火性材料の粉末と共に噴霧する。
【0017】
こうして得られた顆粒粒子は、コンクリートのための骨材または充填材料として使用することができるために十分な強度、密度および硬度を有する。顆粒粒子は補助バインダーを用いずにコンクリート中に導入することができる。というのも、これらは生じる材料中で均一に分布することができるという有利な特性を有しているからである。
【0018】
これらの公知の不活性化法の欠点は特に最終工程のために適用される高い温度で加熱工程を三段階で行うこと、およびこの高温で酸化雰囲気を使用することである。
【0019】
記載したように、得られる最終生成物は加工の際の発泡工程により若干多孔質であるが、これは化学的な酸化還元反応および該反応と結びついたガス排出工程の結果である。前記の粒子の多孔質構造により、顆粒粒子からの毒性物質の長期的な溶出を効果的に防止することはできない。
【0020】
さらにDE3713482A1を参照するが、この対象はごみ燃焼装置において生じる重金属含有残留物、たとえばフィルターダスト、スラグなどを環境を保護しながら排除するための方法であり、該方法によれば実質的に少なくとも10質量%の粉末状および微粒子状残留物を強力に混合し、かつ得られた混合物をレンガなどに成形し、かつ通例の燃焼温度で焼成することが想定されている。燃焼温度としてここでは700〜1400℃の範囲の温度が記載されている。
【0021】
この公知の方法において形成される、フライアッシュの粒子を封入する焼成レンガ材料は粘土粒子を一緒に焼結する燃焼方法の結果であり、その生成物は、たとえば通例のレンガから公知であるように、いずれにしても常に多孔質であり、ひいては吸水性であり、従って著しい内部表面積を有し、これは最終的に、フライアッシュの不活性化の場合に極めて望ましくないことだが、地下水などによる溶出プロセスをもたらす。従って実際に溶出に対して確実なフライアッシュの不活性化をこの方法で達成することはできない。
【0022】
燃焼工程の温度を、前記の焼結工程がもはやほぼ多孔質でない材料、つまりたとえばガラスの形成につながるような温度に調整することがすでに試みされた。しかしこの場合、貴重な高温熱エネルギーの必要量が高いことが決定的な欠点である。
【0023】
この本質的な、処理量を鑑みて重大な欠点が本発明の出発点である:本発明は、地方自治体ごみおよび/または汚泥および/または農業廃棄物などのための燃焼装置からの、実質的に溶出に対して安全なフィルターアッシュまたはフライアッシュの、実質的に細孔を有していないマトリックス中への封入を行い、かつこれは比較的はるかに低い温度で行い、ひいてはこのための必要な熱エネルギー量は明らかに低減すべきである課題を設けた。
【0024】
所望の高い不活性化度は同時に所望される実質的に低減したエネルギー必要量の達成と共に、不活性化工程の際に使用され、かつその実施後に得られ、かつ特に建築材料として、または種々の建築材料中で骨材として使用することができる成形体が比較的小さい寸法を有し、このことがその製造の際に均一な加熱にとって、特に上記の比較的低い温度で必要とされる場合に、および毒性のフライアッシュ粒子を封入するために想定されるマトリックス材料がすでに実質的に通常のセラミックおよびガラスの燃焼温度を下回る温度で実質的にガラス溶融物状の高密度状態に移行する場合に達成されることが判明した。
【0025】
従って本発明の対象は、冒頭に記載したフライアッシュの不活性化法であり、該方法は、
− 第一の工程(a)において、第一段階(a1)で、そのつど全量100質量%に対してフィルターアッシュまたはフライアッシュ40〜50質量%を、(I)アルカリ金属酸化物および場合によりアルカリ土類金属酸化物、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を実質的な成分として含有する微粒子状の、融点を低下させるアルカリ分の多いケイ酸塩を形成する混合物またはケイ酸塩材料をベースとする乾燥した第一の添加剤10〜20質量%と共に乾燥した状態で粉砕、混合および/または混練し、かつこうして得られたベース材料を第二段階(a2)で、(II)鉱酸成分をベースとする第二の添加剤30〜40質量%と混合、粉砕および/または混練して均質な造粒材料が得られ、
− 第二の工程(b)において、この造粒材料をほぼ球形の粒子を有する「グリーン」な顆粒またはグリーンペレットにし、
− その後、第三の工程(c)として、高めた温度で乾燥させることにより「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットから水を除去し、引き続き
− 第四の工程(d)において、乾燥した顆粒の粒子またはペレットを最高で950℃の温度に加熱してガラス溶融物状の、フライアッシュ粒子を不活性化して完全に包囲するマトリックス相を形成し、その後、
− 最終的に第五の工程(e)において、得られた顆粒または得られたペレットを周囲温度に冷却する
ことを特徴とする。
【0026】
前記の添加剤(I)および特に(II)を使用する場合、場合により前記の添加剤との加熱の前の状態で水による溶出に対して保証されてないフライアッシュの毒性物質を化学的に結合しながら、毒性の重金属が富化した灰粒子を、亀裂のないガラス状のマトリックス材料により実質的に完全に、かつ高い密度で溶融することができることが判明した。
【0027】
酸成分をベースとする第二の添加剤(II)は加熱温度を低下させるために極めて本質的に貢献する。ここで効果を発揮する化学物質はまだなお解明されていないが、しかし、実質的に、酸成分が作用することにより1種の「酸性の分解」が生じ、これは微細なフライアッシュ粒子の大きな表面における酸素架橋を中断し、かつフライアッシュ分子が加熱工程において後に第一の添加剤Iに化学的に結合するためのいわゆるベースとなることが出発点である。この理由からこの結合を製造するために必要とされるエネルギーは実質的により少なく、このことにより本発明による実質的な加熱温度の低下が達成可能である。
【0028】
本発明により得られる顆粒またはペレットは高い強度、高い表面密度および一貫してガラス状の表面によって優れている。表面がガラス状であり、かつ平滑なことにより、水による濡れおよびさらに水の浸入が低減し、このことによって該ペレットからの毒性物質の溶出の危険が著しく長期間にわたって回避される。
【0029】
得られる顆粒はさらに実際に毒性はなく、つまり該顆粒は長期間、環境への何らかの損傷を引き起こすことなく、自体建築材料として、または建築材料中で、およびさらに実質的に普遍的に複合建築材のための充填材料および骨材として使用することができる。
【0030】
本発明により得られる粒子またはペレットは多くの場合、原料フライアッシュ中にたとえば汚泥燃焼灰が主要であるか、または家庭ごみの燃焼灰が主要であるかによって、暗褐色から暗灰色である。
【0031】
特に有利であるのは、使用される不活性化すべきフライアッシュの量に対して本発明による添加剤(I)および(II)を請求項1に記載した量比で使用することである。
【0032】
造粒を支障なく実施することができるために、「グリーンペレット」の「噴霧」を含む中間工程(bc)を第二の工程(b)および第三の工程(c)との間に挿入することが特に有利であり、これに関しては請求項2を参照されたい。この中間工程はさらに、ペレットの加熱の際に特に密度が高く、かつ平滑で、溶出に対して安全な、ガラス溶融物状の表面層がその上に形成されるという利点をもたらす。該ペレットの内部帯域はむしろ部分結晶質の特性を有する。噴霧粉末の量はフライアッシュと添加剤I+IIの全量に対して20質量%までであってよい。通常5〜15質量%の範囲の量で十分である。
【0033】
融点の低下による不活性化工程におけるエネルギー需要量の所望の実質的な低下のために同様に促進作用のある第一の添加剤(I)に関して、これは有利には実質的に請求項3に記載されている成分からここに記載されている組成範囲でなるものである。該成分は酸化物、水酸化物および炭酸塩の形で混合酸化物として、またはケイ酸塩、ケイ酸アルミニウムなどの形で使用することができる。
【0034】
有利には比較的低い融点さえ有する、系中でフライアッシュ−鉱物/添加剤(I)およびそれ自体同時に融点を低下させる作用のある第一の添加剤(I)の本発明による使用により、すでに記載したように、添加剤の化学物質または鉱物と、フライアッシュの成分または鉱物との間で化学結合および/または配位結合を形成しながら、ガラスマトリックスへのフライアッシュ粒子の完全な封入、および個々の顆粒粒子またはペレットの高密度の表面または外被を得ることができる。この添加剤は低いコストでそれぞれその地域で得られる原料から、または建築材料の残留物から製造することができる。
【0035】
フライアッシュの不活性化法を行うための本発明による実質的な貢献は前記のとおり、請求項4により有利に使用される流動性の、程度の差はあっても粘性の第二の添加剤(II)を種々の酸性溶液の形で、および種々の高い濃度(20%〜100%)の、特に酸洗いまたは電気メッキの廃水をベースにする酸性溶液の形で制御される。酸の作用により、その後の造粒工程における混練性および形状付与に関して特に必要とされる、フライアッシュおよび添加剤(I)粒子の表面におけるOH基の活性化および形成が生じ、これはペレットの乾燥および加熱のその後の段階で、成分の前記の強い化学結合を生じることができる。すでに使用した酸洗い後の処理液を使用することによりさらに、さもなければ同様に廃棄処理が困難な液体を環境を保護しながらリサイクルするための実質的な貢献をもたらすことができる。
【0036】
請求項5の記載により硫酸および/またはリン酸および/または硝酸を添加剤(II)として使用することはもう1つの有利な可能性であり、特にリン酸および硫酸の場合、その高い粘度は顆粒またはペレットを形成する際のフライアッシュ添加剤混合物の良好な加工性および形状付与のために貢献する。
【0037】
使用されるフライアッシュに関して、この有利にはいわゆる「純粋」であるか、または飲料水の後処理の残留物、汚泥および/または農業廃棄物の燃焼灰との、実質的に任意の量比での混合物として使用することができる。その際、特に(都市)汚泥燃焼から、または農業廃棄物の燃焼から、または飲料水の浄化または後処理からの残留物またはフィルター材料の燃焼からのフライアッシュが問題となる。
【0038】
上記の良好な品質の顆粒を得るための別の可能性は、請求項6に記載の灰の少なくとも1種と、ごみまたは産業廃棄物の燃焼工程に由来するフライアッシュとを請求項6に記載されている量比でフライアッシュ成分として使用することである。工業フライアッシュとして特に、金属溶融法、セメント工業などからのフライアッシュが考えられる。
【0039】
これらの請求項の記載によって得られる顆粒は、表面における高い硬度、高い耐摩耗性および高い機械的安定性ならびにさらに所望される密度の高い表面を有し、かつ長期間にわたって地下水による溶出に対する高い安全性をもたらす。
【0040】
造粒工程に関して、請求項7に記載した範囲の温度で作業することが有利であるといえる。というのも顆粒の粒子はその製造の間またはその後で、つまり60℃を超える温度で乾燥させる前に、運転の妨げとなるケーキングが生じうるからである。
【0041】
本発明によりガラス化されるフライアッシュの加熱および貯蔵もしくは埋立に関して、請求項8に記載されているような、新規の方法の範囲で前駆物質として製造される「グリーン」な原料ペレットの粒子またはペレットの大きさが特に有利であることが判明した。
【0042】
これは最後に得られる顆粒の輸送および貯蔵に関して、特に実際に不活性な顆粒により問題なく、かつ環境を損なうことなく行うことができる景観建設における充てんに関しては、土木、土工および基礎工事の範囲で、および場合により建築材料の成形体、たとえば建築用材および舗道用敷石、構造部材、ファサード部材、プレハブ部品などの製造において該当する。
【0043】
比較的大量の屑ペレットの発生を回避しながらグリーンペレットを乾燥することに関して、請求項9に記載の範囲の最大残留水分の値への慎重な乾燥技術は有利であることが判明した。乾燥はたとえばドラム乾燥器中で行う。ここに記載されている乾燥度、つまり最大で2%の乾燥度を維持することを試みない場合、炉中で水の気化が早すぎるために、粒子が破壊されうる。105℃未満で粒子を乾燥させることにより乾燥サイクルは不必要に長くなり、150℃を超える乾燥は進行が早すぎて粒子の欠陥につながる。
【0044】
そのつど想定される乾燥工程における最終湿分は有利には、顆粒粒子のその後の二段階の加熱の際に場合により生じる問題、たとえば亀裂の形成、破裂および/または破壊をほぼ回避するために役立ちうる。毒性のフライアッシュ粒子が溶出しないように封入するためのガラス状のマトリックス材料を形成するために、さしあたり「グリーン」な顆粒粒子またはペレットを加熱する本質的な工程に関して、このために最大950℃の温度は意外にも全く十分であることが判明した。このことに関して請求項10を参照されたい。溶融−不活性化にとってこの低い温度はその完全性に関して全く十分であり、かつ特に加工すべき量が大量であることに関して、貴重な一次高温−熱エネルギーを節約するために極めて効果的である。
【0045】
燃焼炉、たとえばロータリーキルン中の加熱帯域における乾燥ペレットの有利な加熱速度に関して、ここで「グリーン」ペレットは請求項9に記載されているとおりに有利に乾燥されている場合、該ペレットの高い熱安定性に基づいて、実質的に制限は存在しないといえる。約40〜60℃/分の範囲またはそれ以上の加熱速度を実地で適用することができる。
【0046】
請求項10の記載による2段階の加熱工程は、新規の不活性なペレットの耐破壊性にとっても特に好適であることが判明した。
【0047】
第一の加熱段階(d1)では特に最後の遊離した、および無機結合した結晶水が徐々に排除され、このことによりペレットの破損が回避され、かつこのことにより場合により添加剤(I)の物質に由来する気体の緩慢な発生が始まるので、第二の加熱段階(d2)において、ここで使用される成分の微細な粒子と共に行われる焼結および引き続き該材料のペレットへのガラス化の進行はもはや発生する気体の高い発生率により妨げられることはない。
【0048】
プロセス段階(d1)および(d2)において想定される温度への加熱の時間に関して、請求項11がその詳細を記載している。
【0049】
製造された顆粒の冷却は、自体極めて迅速に行うことができるが、しかしこれは、12〜100℃/分を超えるべきではない。請求項12を参照のこと。
【0050】
第三の方法工程(c)において、ならびに完了した第五の方法工程(e)の後でも、つまり高温加熱の後で生じうる欠陥、破損および/または誤った寸法を有するペレットに関しては請求項13を参照されたいが、これらはふたたび問題なく、フライアッシュと添加剤(I)および添加剤(II)とを混合する第一の方法段階(a)に返送し、かつここで相互に混合される成分へと容易に添加することができる。
【0051】
最後に本発明のもう1つの対象は、請求項14に記載の、本発明により得られる顆粒またはペレットの使用であり、顆粒またはペレットは有利には液状のバインダーにより建築用材、建築部材、舗道用敷石などに加工することができる。
【0052】
当然のことながら、個々の方法または方法工程および混合工程または混練工程の進行を制御するための方法のうちで、成分の均一な分散に関して、およびたとえば乾燥した表面層を「グリーン」ペレット上に形成することに関して、該ペレットの噴霧の際に添加剤(I)の粉末を使用する。
【0053】
新規の方法を使用して得られるフライアッシュの不活性顆粒またはペレットは、高い機械的安定性および7〜24kg/ペレットの範囲の耐破壊性により優れている。その内部表面は実質的にゼロである。
【0054】
本発明による技術により、実質的にクラス1の溶出物に相応するか、またはさもなければさらに改善された品質を有し、建築材料の分野で、または建築の目的のために問題なく使用することができる顆粒を得ることが可能である。
【0055】
しかしフライアッシュのために通例の、1150℃を上回る高温におけるガラス化技術に基づいた熱的な不活性化法は多くの場合、1200℃を超える温度で作業し、かつこのために少なくとも1.0MW/tまたはそれ以上の比熱エネルギーコストが見積もられる一方で、本発明によるフライアッシュの低温ガラス化の場合、熱エネルギー需要量の一般的な値は約0.3〜0.4MW/tである。
【0056】
フライアッシュのための公知の高温封入法の場合、さらに塩酸液滴を含む高腐食性の気体の発生が大きな問題であるが、これは本発明による低温で作業する方法の場合、該当しない。
【0057】
最後に、上記の熱エネルギーの実質的な節約以外に、今日では平均して120〜150ユーロにのぼるフライアッシュのための埋立コストの著しい低減が重要である。
【0058】
上記で説明したように、第二の添加剤(II)を混合することにより灰がガラス状の物質に変換される温度が低い温度へと低下する。
【0059】
種々の付加的な改良点はたとえば発熱化学反応により、および最適なペレットサイズにより達成することができるので、比熱エネルギーコストは上記の範囲を超えることはない。後処理コストもまた実質的に低減し、これは全プロセスの経済性にとって有利である。
【0060】
以下の例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0061】
例1
1.標準的な混合装置中で次の成分を次の混合比で相互に混合して均質な乾燥組成物が得られた:
Entsorgungsbetrieb Simmering(EBS)社(ウィーン在)の汚泥燃焼装置からのフライアッシュ 440g(44質量%)、
都市ごみの燃焼のためのEBS社の装置からのフライアッシュ 110g(11質量%)、
次の基本組成を有するケイ酸塩成分 110g(11質量%):
SiO2 51.2質量%
Al2O3 29.2質量%
Na2O 10.5質量%
CaO 8.2質量%
100質量%までの残分:K2O、MgO、Fe2O3および場合により少量でその他の金属酸化物。
2.次いで完全に混合されたベース組成物を、硫酸312g/lをベースとし、硫酸鉄200g/lの含有率を有するステンレス鋼酸洗い装置からのアルカリ性廃液330g(33質量%)と混合する。
3.撹拌および混練を継続することにより、該混合物を均質性の高い造粒用混合物へと加工する。
4.ドラムタイプの標準的な造粒装置を用いて55〜60℃の温度で約1.8cmの範囲の平均粒径を有する顆粒の粒子を製造し、かつその後、上記の1.に記載した添加剤(I)を形成するケイ酸塩材料を顆粒の全質量に対して0.05質量%の量で噴霧する。
5.噴霧した顆粒の粒子をドラム乾燥器中、110℃の温度で30分間乾燥させる。
6.その後、実験室用回転式炉中で顆粒の粒子の熱処理を次のとおりに実施した:15分間にわたり490℃に加熱。その後、10分間にわたり910℃に加熱。
7.その後、粒子を毎分80〜60℃の冷却速度で周囲温度まで冷却する。
【0062】
こうして得られた粒子は次の特徴を有する:
大きさ:直径10〜20mm、
密度:2.1g/cm3、
耐破壊性:7〜24kg/ペレット、
溶出物の品質:クラス1の溶出物。
【0063】
例1による不活性ペレットの構成または構造に関して、X線相分析(CuKα)に基づいてその相構造は次のとおりである:
ペレットの主要な相成分:
SiO2(α−石英)、
Fe2O3(ヘマタイト)、
AlPO4(リン酸アルミニウム)、
CaSO4(石膏)、
CaSiO3(ケイ酸カルシウム)。
【0064】
ペレットのコアおよびシェルの(相)組成は類似している。しかし特定の相違はペレットのシェル中の非晶質またはガラス化したガラス状の材料の実質的な割合によって説明することができる。
【0065】
耐圧性試験により、12〜15mmの直径を有するペレットはペレットあたり7〜24kgの負荷によって初めて破壊され、その際、実質的にダストは発生せず、異なった大きさの粉砕物が生じるのみであることが判明した。
【0066】
構造試験により、ガラス状のペレットシェルは約0.5mmの範囲の厚さを有し、その際、ペレットの部分結晶質の内部への明確な境界は存在していないことが判明した。
【0067】
方法の熱示差分析は、20〜850℃の温度範囲で132℃および276℃で2つの小さい発熱ピークが存在し、かつ470℃で1つの小さい吸熱ピークが存在していることを示している。そのうちのいずれも加熱工程の熱容量に対して実質的な影響を与えることはなかった。
【0068】
結論からいうとここでもまた後により詳細に説明される、造粒された雄ウシの精子に基づいた生物試験法を用いたペレットの毒性試験の結果は次のとおりである:試験により88.7の毒性係数が判明し、これは完全に非毒性の範囲内である。従って新規のフライアッシュ不活性ペレットは生物学的に非毒性である。
【0069】
次の第2表は方向付けのために、オーストリアの埋立処理指令による土地の埋立に関する、種々の浸出物クラスによって最大で認容可能な種々の毒性重金属の境界値を示しており、さらに本発明による例1で使用した混合灰の含有率および水による溶出物試験の結果を、その際に得られる、例1により製造される新規の顆粒粒子の溶出物中の種々の重金属の濃度に関して示している。記載の数値はフライアッシュ1kgあたりの重金属のmgを示している。「石」の欄は、例1のペレットを使用して製造された、セメント結合した石材料、たとえば舗装道路のための石材を使用して確認した結果を示している。
【0070】
【表2】
溶出物クラスIV:一般廃棄物埋立処理(Massenabfalldeponien)
溶出物クラスIII:残留物質埋立処理
溶出物クラスII:建設残留物埋立処理
溶出物クラスI:土地掘削埋立処理(Bodenaushubdeponien)
フライアッシュ:EBS(ウィーン)のごみ燃焼装置からのフライアッシュのパラメータ
ペレット:サンクトペテルスブルクのロシア連邦健康省の衛生疫学管理部門の環境係数の試験のための実験室から明らかな値は、新規のペレットが完全に溶出物のクラスI(埋立処理クラスD)に相応する、つまりリサイクル建築材料のために問題なく使用することができることを示している。
【0071】
次の第3表は抽出物中の重金属含有率に関する水による抽出試験の結果を示している:
試験前にペレットに1:10の比で水道水を注いだ。最初の24時間に関する曝露を試験した。全ての試験列を制御した。出発水として、飲料水のための衛生管理規定2.1.559〜96、2.1.4.011〜98および国による規定GOST R 51232−98「飲料水」に相応する水道水を使用した。
【0072】
【表3】
【0073】
精子に対する毒性に関する試験を、例1からのペレットからの同じ水抽出試験体を用いて行い、その際、次の結果が判明した:
融解体積:0.6l、
比:溶液−雄ウシの精子:0.4〜0.1、
指数:iT:88.7、指数:iS:79.9、
(iT:急性毒性;(主要な指数)iS:遅延された毒性)
移動度の時間の平均値:
比較例:T平均=22.9、K変動=6.9、
抽出物:T平均=20.4、K変動=7.2、
移動度の積分値:
抽出物:S平均=838.8、K変動=19.0。
【0074】
以下および第4表に毒性に関するさらなる試験をまとめる:
指数iT:88.7、
移動度の時間の平均値:
比較例:T平均=22.9、K変動=6.9、
抽出物:T平均=20.4、K変動=7.2、
移動度の積分値:
比較例:S平均=872.2、K変動=10.9、
抽出物:S平均=696.6、K変動=19.0。
【0075】
【表4】
【0076】
毒性分析装置において実施した試験に基づいてバイオアッセイ法により、造粒した雄ウシの精子を試験対象として適用することによって、ごみ燃焼装置からのガラス化した灰からなるペレットからの水による抽出は、毒性iTの高い特性値=88.7により非毒性である(非毒性:70<iT<120)。
【0077】
方法論的な教示は刊行物"Biotests an Erzeugnissen aus Polymeren und anderen Stoffen"、1.1.037−95中で説明されている。
【0078】
毒性に関する上記の試験は国立衛生疫学管理のための国立実験センターで実施した。
【0079】
表の結果は本発明により達成可能な高い不活性化度を明らかに示している。記載した方法によって、建築物などにおける本発明により得られるフライアッシュの不活性化ペレットまたは顆粒を完全に通常通り、安価に使用することができ、その際、該ペレットから水により、特に地下水により毒性の重金属化合物が溶出する危険は存在しない。
【0080】
例2〜8:
次の第5表は、種々の添加剤およびフライアッシュを異なった条件および組成物の比率で使用して本発明による方法により得られた不活性化されたフライアッシュ顆粒の結果をまとめたものであり、その際、略号は次のものを表す:
Fe:FeSO4(g/l)、
K:汚泥の燃焼からのフライアッシュ、
T:飲料水の後処理残留物の燃焼からのフライアッシュ、
A:農業廃棄物の燃焼からのフライアッシュ、
M:家庭ごみの燃焼からのフライアッシュ、
I:産業廃棄物の燃焼からのフライアッシュ、
End−Temp:グリーン顆粒を加熱する際の最高温度、
MG:顆粒の粒子の平均粒径(mm)。
【0081】
【表5】
【0082】
図面に基づいて本発明による方法を詳細に説明する。
【0083】
図1は本発明による方法により運転される装置を示し、かつ図2は本発明により運転される装置の実質的なエネルギーおよび材料の流れを示すブロック図を示す。
【0084】
図1に示されているフライアッシュを不活性化するための装置100を、以下でその中で実施される実質的な方法工程に分割する:
「パルプ」ともよばれる造粒混合物の準備:
輸送手段01により運ばれたフライアッシュ101をたとえばコンベアベルトなどの上でアッシュ貯留槽1へ輸送し、かつスクリューコンベヤ装置により、そのつど別の輸送手段02により運ばれる添加剤(I)、ケイ酸塩ベースの粉末および添加剤II、酸成分と同様に相応する容器21および22から材料流101としておよびI+IIを混合ミキサー3へ輸送し、かつここでほぼペースト状の粘稠度を有する造粒混合物に、つまり「パルプ」102に混合する。
【0085】
ペレットの造粒および硬化:
混合ミキサー3から排出されたパルプ102は、欠陥および異なった寸法を有する顆粒粒子106を分級するための装置9、11に結合している造粒装置4に供給される。供給装置を有するコンテナ5から、ペレットの達成可能な品質のため、ペレットのケーキングを回避するため、および後の熱時の表面層または表面被覆の硬化のために有利な乾燥した添加剤(I)の粉末を、造粒装置4中で形成されるグリーンペレット103の表面に噴霧するために供給する。
【0086】
乾燥:
この方法で準備した「グリーン」な顆粒103は造粒装置から貯蔵室6へと搬送され、かつ次いでさらに乾燥装置7、たとえばドラム乾燥器へと移され、ここで含水率2質量%未満に乾燥するまで最高150℃の温度に加熱する。水分の大部分はその際に蒸気Dとして蒸気排出部70を介して除去される。
【0087】
熱処理:
次いでドラム乾燥器7から搬出される、2%未満の水分を含有する乾燥した顆粒104を空気循環炉中で、有利にはロータリーキルン8中で、有利には特殊な2段階の温度推移および最終的に最後の温度段階において870〜950℃の最終温度で熱処理する。緩やかに冷却した後、場合によりすでに炉8の出口部分においても、得られた焼成顆粒粒子またはペレット105は粒度ふるい分け装置9を有する品質管理のための装置90中へ輸送される。上記の熱処理の全時間は約2〜3時間である。
【0088】
損傷していないペレットの貯蔵はペレットバンカー10中で行う。焼成された欠陥顆粒粒子106は通常、顆粒の全量の5%を超えることはなく、該顆粒を粉砕装置11に供給し、ここで粉砕し、かつ次いで微粒子状の状態で連続ミキサー3に搬送する。
【0089】
最後にペレットバンカー10中に中間貯蔵された、完成した焼成後の不活性ペレットを輸送手段03により搬出する。
【0090】
図1では符号Eにより種々の装置部分からの気体状の排出物を表し、Wにより熱の供給を表し、かつSにより電気エネルギーの供給を表す。Dはすでに記載したのとおり蒸気の排出を表している。
【0091】
図2は本発明によるフライアッシュの不活性化法の個々の工程の材料およびエネルギー収支を略図で示している。
【0092】
この場合、図2の略図に示されている符号およびその意味は図1のものと一致しており、その際、黒い矢印または斑点のついた矢印の白抜きまたは波線のついたパネルは、1時間あたりのトンとして材料流または材料の部分流の定量化のためのものである。グレーの矢印の先は1時間あたりに供給される低温の熱エネルギーをMcal/hで示しており、かつ全ての黒い矢印の先は1時間あたりの高温の熱エネルギーの必要量をkWhで示している。図2ではさらに、欠陥ペレット106を収容するための容器160が示されており、該ペレットを粉砕後にフライアッシュ101と混合する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明による方法により運転される装置を示す
【図2】本発明により運転される装置のエネルギーおよび材料の流れを示す
【符号の説明】
【0094】
01、02、03 輸送手段、 1 アッシュ貯留槽、 2 添加剤容器、 3 ミキサー、 4 造粒装置、 5 コンテナ容器、 6 貯蔵室、 7 乾燥器、 8 ロータリーキルン、 9 分級装置、 10 ペレットバンカー、 11 粉砕装置、 100 フライアッシュ不活性化装置、 101 フライアッシュ、 102 パルプ、 103 グリーンペレット、 104 乾燥顆粒、 105 ペレット、 106 欠陥ペレット、 E 気体状の放出、 W 熱の供給、 S 電気エネルギーの供給、 D 蒸気
Claims (14)
- 特に(家庭)ごみおよび/または農業廃棄物および/または汚泥燃焼装置および/または飲料水の後処理からのフィルター材料および残留物を燃焼するための装置において生じるフィルターアッシュおよびフライアッシュを不活性化する方法であり、その際、前記の灰をケイ酸塩材料と混合し、成形体に成形し、かつ少なくとも700℃の温度に加熱して毒性の重金属成分を水不溶性の形で形成される材料へと結合させる方法において、
− 第一の工程(a)において、第一段階(a1)で、そのつど全量100質量%に対してフィルターアッシュまたはフライアッシュ40〜60質量%を、(I)アルカリ金属酸化物および場合によりアルカリ土類金属酸化物、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素を実質的な成分として含有する微粒子状の、融点を低下させるアルカリ分の多いケイ酸塩を形成する混合物またはケイ酸塩材料をベースとする乾燥した第一の添加剤10〜20質量%と共に乾燥状態で粉砕、混合および/または混練し、かつこうして得られたベース材料を第二段階(a2)で、(II)鉱酸成分をベースとする第二の添加剤30〜40質量%と均質な造粒材料へと混合、粉砕および/または混練し、
− 第二の工程(b)において、この造粒材料をほぼ球形の粒子を有する「グリーン」な顆粒またはペレットにし、
− その後、第三の工程(c)として、高めた温度で乾燥させることにより「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットから水を除去し、引き続き
− 第四の工程(d)において、乾燥した顆粒の粒子またはペレットを最高で950℃の温度に加熱してガラス溶融物状の、フライアッシュ粒子を不活性な状態で完全に包囲するマトリックス相を形成させ、その後、
− 最終的に第五の工程(e)において、得られた顆粒または得られたペレットを周囲温度に冷却する
ことを特徴とする、フィルターアッシュまたはフライアッシュを不活性化する方法。 - 第二の工程(b)と第三の工程(c)との間に挿入される中間工程(bc)において、特にケーキングを防止するために、「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットの表面を無機の加熱可能な物質、有利には第一の添加剤(I)の粉末、微粉または微粒子により被覆、コーティングまたは噴霧する、請求項1記載の方法。
- 第一の添加剤(I)として、次の基本組成:
Na2O 5〜30質量%、特に5〜20質量%、有利には8〜15質量%、Al2O3 5〜30質量%、有利には10〜20質量%およびSiO2 35〜75質量%、特に50〜75質量%、有利には60〜70質量%ならびに場合によりCaO 1〜10質量%、有利には3〜7質量%
を有する高いアルカリ含有率を有する、ケイ酸塩を形成する材料またはケイ酸塩材料を使用する、請求項1または2記載の方法。 - 第二の添加剤(II)として硫酸を100〜20質量%、有利には60〜30質量%の濃度で、または鉄0〜200g/lの含有率を有する硫酸ベースのステンレス鋼酸洗い工程からのアルカリ性(廃)液あるいはまた硫酸と前記の酸洗いのアルカリ性(廃)液との混合物を使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 第二の添加剤(II)としてリン酸を100〜30質量%の濃度で、有利には60〜40質量%の濃度で使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- (都市)汚泥の燃焼から、または農業廃棄物の燃焼から、または飲料水の浄化からの残留物であるフィルター材料の燃焼からの純粋なフライアッシュまたはこれらの相互の任意の比率の混合物(請求項5による)75〜100質量%と、都市ごみの燃焼から、または工業的な燃焼プロセスからの単独のフライアッシュ、あるいはまた前記の種類のフライアッシュの両方の任意の量比での混合物0〜25質量%の混合物を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 上記の混合または混練プロセスを20℃から最高で60℃の範囲の温度で実施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- フィルターアッシュまたはフライアッシュおよび添加剤(I)および添加剤(II)からなる造粒混合物を、平均粒径0.3〜3cm、有利には0.5〜1.5cmを有する球形の「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットにする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 「グリーン」な顆粒の粒子またはペレットの乾燥を周囲圧力において105〜150℃の範囲の温度、有利には110〜130℃の温度で、最大で2質量%、特に最大で1.0質量%の全含水率になるまで実施する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 乾燥した顆粒の粒子またはペレットの加熱を2つの温度段階で実施し、その際、第一の加熱段階(d1)において400〜600℃の範囲の温度に加熱し、かつ第二の段階(d2)で870〜950℃の範囲のそのつど規定された最終温度に加熱し、その際、第二の加熱段階(d2)における熱処理を熱いフレアまたはフラッシュを短時間作用させることにより実施する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 第一の加熱段階(d1)の時間を10〜30分に、第二の加熱段階(d2)の時間を1〜20分に調整する、請求項10記載の方法。
- 最終的に加熱した顆粒の粒子またはペレットの冷却速度を100℃/分の値に調整する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
- 中間工程(bc)および/または第四の方法工程(d)に由来する「グリーン」な、あるいは最終加熱したが、しかし損傷、破壊および/または寸法が損なわれた顆粒の粒子またはペレットを粉砕した後で第一の方法工程(a)に返送する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
- 請求項1から13までのいずれか1項記載の方法により得られた、フライアッシュをベースとするが、ただし該フライアッシュを成形体の形成下にバインダー中に混合し、かつ埋め込み、かつその結合および硬化の前にたとえば圧縮および振動によって所望の大きさおよび寸法の成形体、たとえば特に建築材料の成形体、建築用材、舗道用敷石などに成形し、その後、最後に該成形体を硬化させる、顆粒の粒子またはペレットの使用。
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