JP2004535489A - 流動接触分解法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、下降流反応器および、少なくとも3.5のアクゾアクセシビリティー指数(AAI)を有する触媒を使用する炭化水素の流動接触分解法に関する。この方法は、下降流反応器および上昇管反応器の利点、すなわち最少のオーバークラッキングおよび高沸点画分の高い転化率、を組み合わせたものである。下降流反応器の使用がオーバークラッキングを最少にし、一方、クラッキング触媒が、供給物中の高沸点画分に関してすら高い転化率を容易にする。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のクラッキング触媒を使用する下降流反応器での炭化水素供給物の流動接触分解(FCC)法に関する。
【背景技術】
【0002】
FCC法は周知である。上昇管反応器を使用するより一般的なFCC法では、触媒および炭化水素供給物が上方に流れ、一方、下降流反応器を使用するFCC法では、触媒および炭化水素供給物が下方に流れる。
【0003】
上昇管反応器では、上昇する気化された供給物によって引き起こされる持ち上げ故に、固体が上方に流れる。しかし、炭化水素供給物の速度は、壁の近くでは、反応器の中央付近よりも小さい。従って、触媒は、反応器壁付近では中央付近よりもゆっくり移動し、その結果、壁付近では高い触媒密度を有する比較的遅い移動領域を生じ、中央付近では上昇する供給物の低抵抗路を生じる。従って、供給物は主に中央を通って流れ、触媒は主に壁付近に局在している。得られる流れパターンは、コア−環(core-annulus)と呼ばれる。
【0004】
さらに、上昇管反応器における固体触媒および炭化水素蒸気の上昇流は、重力に対抗しており、その結果、はるかに軽質の炭化水素流よりも相当遅い触媒流を生じる。供給物速度と触媒速度との比、すなわちすべり率、は一般に約2〜3である。この結果、触媒の戻り混合を生じ、これは、触媒のより長い滞在時間および望ましくない第2反応(オーバークラッキング)の発生を引き起こす。
【0005】
上昇管反応器と対照的に、下降流反応器は、反応器の中央と壁との間で速度および触媒密度の大きな相違を示さない。さらに、触媒粒子が重力に抵抗しないので、このような反応器での触媒流と炭化水素流との間の速度の相違は、上昇管反応器におけるよりも小さい。下降流反応器のすべり率は一般に、約1である。
【0006】
従って、戻り混合はほとんど回避され、触媒は反応器全体に亘ってより均一に分配され、下降流反応器における触媒と供給物との有効な接触時間は上昇管反応器におけるよりも短い。これは、副生物の生成を低下させるが、主としてより大きい、より高沸点の化合物の転化率における低下をも生じる。
【0007】
下降流反応器を含むクラッキング装置を扱っている公知文献に関しては、米国特許第5,449,496号、同第5,582,712号、同6,099,720号、同5,660,716号、同第5,951,850号、および欧州特許第0254333号が参照される。
【0008】
これらの文献のうち、2、3のみが、特定の触媒を使用することによるプロセスの最適化を焦点にしている。米国特許第5,660,716号では、低酸性触媒が使用されている。許容可能な転化率レベルを得るために、それを高い温度および高い触媒/油比と共に使用することが好ましい。同様の開示(25〜80重量%の触媒/油比の使用を包含する)が、米国特許第5,951,850号に含まれている。ここでは、高々24.50オングストロームの単位格子サイズを有するゼオライトを含む触媒を使用することが好ましい。高い触媒/油比は、触媒の分離、ストリッピングおよび再生能力に関する限り、装置の性能を危うくし得る。さらに、触媒によって引き起こされる装置の摩耗が臨界になり得る。
【0009】
要するに、従来技術の開示は、比較的低い触媒活性を補償するために、低活性触媒を高い温度および高い触媒/油比と共に使用する傾向にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、下降流反応器および上昇管反応器の利点(最少のオーバークラッキングおよび高沸点画分の高い転化率)を組み合わせた、炭化水素供給物の分解法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明方法は、下記工程を含む。
a)炭化水素供給原料を霧化しそして管状の下降流反応器の頂部に注入し、そしてこの炭化水素供給原料を少なくとも3.5のAAIを有する触媒と接触させること、
b)反応生成物および消耗した触媒を該下降流反応器の底部で分離すること、
c)消耗した触媒を水蒸気で処理すること、
d)消耗した触媒を再生ゾーンで再生すること、および
e)再生された触媒を下降流反応器へ再循環すること、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
下降流反応器の使用は、オーバークラッキングを最少にし、一方、クラッキング触媒の高いアクセシビリティーは、炭化水素供給物中の高沸点画分に関してすら、高い転化率を容易にする。
【0013】
AAIは、大きい、しばしば高分子量の、化合物への触媒孔のアクセシビリティーの尺度であり、2001年6月5日に出願された先に公開されていない欧州特許出願第01202147.3に記載された方法に従って決定され得る。この出願は、参照することにより組み入れられる。この方法は、溶媒に溶解された大きい、好ましくは硬質のおよびしばしば高分子量の化合物を含む撹拌容器へ多孔質物質を添加すること、および溶液中のこれらの化合物の濃度を定期的に分析することを包含する。大きい化合物の相対濃度(%)が、時間(分)の平方根に対してプロットされ得る。AAIは、このプロットの初期勾配として定義される。AAI値が高いほど、触媒孔は高いアクセシビリティーを有する。
【0014】
クラッキング触媒の孔が炭化水素供給物のより高い沸点の画分に対してすら高いアクセシビリティーを有するならば、供給物分子は孔を通って迅速に拡散し、触媒孔に存在する活性部位が最適に使用される。従って、そのような触媒によって高い転化率が達成され得る。
【0015】
AAIは触媒の孔体積と等価でないことが強調される。AAIは、この孔体積のアクセシビリティー、例えば孔入口の大きさ、と関係する。従って、高い孔体積を有する触媒は、孔の入口が狭いならば、低いAAI値を有し得る。
【0016】
本発明に従う方法によれば、炭化水素供給原料が霧化されそして管状の下降流反応器の頂部に注入され、それによって、この炭化水素供給原料を水素の添加なしで、少なくとも3.5のAAIを有する触媒の高温流動流と接触させる。次に、コークスおよび炭化水素物質がその上に沈着した、消耗した触媒が、反応生成物から分離される。炭化水素物質は、水蒸気処理によって、消耗した触媒からストリッピングされる。コークスは、約600〜850℃、好ましくは650〜750℃の温度で酸素含有雰囲気中でのコークスの燃焼を含む再生工程中に、消耗した触媒から除去される。最後に、再生された触媒が、下降流反応器へ再循環される。
【0017】
触媒/油接触時間は好ましくは、0.5〜5秒、より好ましくは0.5〜4秒、さらに好ましくは1〜3秒である。反応器出口での温度は好ましくは、450〜700℃、より好ましくは500〜600℃である。触媒/油比は好ましくは2〜15である。消耗した触媒は、反応ゾーンから連続的に除去され、再生ゾーンから得られる、本質的にコークスを含まない触媒で埋め合わせられる。触媒の損失を補うために、新しい触媒がプロセスに定期的に添加される。所望ならば、循環する触媒在庫の例えば活性、選択性または金属汚染を調整するために、触媒在庫の一部が抜き出され、そして新しい触媒によって置き換えられる。
【0018】
種々の気体流による触媒の流動は、反応ゾーンと再生ゾーンとの間での触媒の輸送を可能にする。
【0019】
触媒
本発明に従う方法で使用されるべき触媒のAAIは、少なくとも3.5、好ましくは少なくとも5.0、より好ましくは少なくとも6.0である。最大のAAI値は、要求される物性、例えば見かけ嵩密度および摩擦強度、に依存する。
【0020】
触媒は好ましくは、10〜60重量%の固体酸、0〜50重量%のアルミナ、0〜40重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。より好ましくは、触媒が20〜50重量%の固体酸、5〜40重量%のアルミナ、5〜25重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。最も好ましくは、触媒が25〜45重量%の固体酸、10〜30重量%のアルミナ、5〜20重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。
【0021】
触媒は、固体酸、マトリックス、および/またはFCC触媒で通常使用される何らかの他の成分、例えば金属不動態化剤、を含み得る。マトリックスは典型的には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、および/または粘土を含む。好ましい粘土はカオリンである。
【0022】
固体酸は、ゼオライト、例えばZSM型ゼオライト、例えばZSM−5、またはホージャサイト型ゼオライト、シリコアルミノホスフェート(SAPO)、アルミノホスフェート(ALPO)、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましくは、固体酸がゼオライト、より好ましくはホージャサイト型ゼオライトである。ゼオライトは所望により、超安定化され(ultrastabilised)および/または希土で交換される(rare earth exchanged)(例えば、ゼオライトY、ゼオライトUSY、ゼオライトREY、またはゼオライトREUSY)。ゼオライトの希土含量は好ましくは16重量%未満である。触媒のミクロ細孔体積は好ましくは少なくとも0.050ml/gであり、一方、外部表面積は好ましくは、少なくとも100m2/gである。
【0023】
そのような高いアクセシビリティーを有する触媒の適する製造法は、ブラジル国特許公開BR PI9704925−5Aおよび先に公開されていない欧州特許出願第01202146.5(2001年6月5日に出願された)に開示された方法を包含する。上記出願は共に、参照することによって組み込まれる。
【0024】
第一の方法は、触媒成分またはそれらの前駆体を水性スラリー中で混合して前駆混合物を生成すること、この混合物に孔形成剤を添加すること、次いで成形すること(例えば噴霧乾燥)を含む。孔形成剤は、触媒の多孔性を制御する。好ましい孔形成剤は、水溶性炭水化物、例えばシュクロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、グルコース、またはフルクトースである。これらの孔形成剤は、触媒製造後に容易に除去され得る。孔形成剤は、触媒中に5重量%未満が残るように除去され得ることが熱重量分析によって分かる。
【0025】
第二の方法によれば、触媒成分またはそれらの前駆体が水性スラリー中で混合されて前駆混合物を生成し、混合物が成形装置に供給され、成形されて粒子を形成する。その方法では、成形装置に供給される直前に混合物が脱安定化される、すなわち、その粘度が増加される。
【0026】
特に、この方法は、懸濁された触媒成分またはそれらの前駆体を1以上の容器(「保持容器」)からいわゆる予備反応器を介して成形装置へ供給することを含む。この予備反応器において、触媒前駆混合物が脱安定化される。
【0027】
本明細書では、脱安定化された混合物は、その粘度が、予備反応器に入る前よりも予備反応器を出た後(および成形の前)の方が高いところの混合物として定義される。粘度の増加は、予備反応器中での触媒バインダー物質の誘導重合またはゲル化故である。粘度は典型的には、予備反応器に入る前の0.1s-1のせん断速度での約1〜100Pa・sのレベルから予備反応器を出た後の0.1s-1のせん断速度での約50〜1,000Pa・s以上のレベルまで増加する。いずれにしても、少なくとも10Pa・s、より好ましくは少なくとも50Pa・s、最も好ましくは少なくとも100Pa・s(0.1s-1のせん断速度で測定)の粘度増加を誘導することが好ましい。好ましくは、粘度が、予備反応器に入る前の0.1s-1のせん断速度での約1〜50Pa・sのレベルから予備反応器を出た後の0.1s-1のせん断速度での約50〜500Pa・sのレベルまで増加する。粘度は、標準のレオメーター、例えばプレート−プレートレオメーター、コーン−プレートレオメーター、またはバップ−カップ(bop-and-cup)レオメーター、によって測定され得る。
【0028】
触媒前駆混合物の脱安定化は、混合物を成形装置へ供給する直前に予備反応器中で行われる。関与する時間、すなわち、脱安定化開始と成形との間に経過する時間、は、予備反応器の正確な構成および脱安定化された混合物がその後成形装置へ到達するのに要する時間に依存する。30分までの時間が可能であるが、経済的理由から、あまり好ましくないと考えられる。好ましくは、300秒未満の時間である。より好ましい時間は180秒未満である。脱安定化は、温度の増加、pHの増加またはpHの低下、および/またはゲル誘導剤、例えば塩、ホスフェート、スルフェート、および(部分的に)ゲル化したシリカ、の添加によって行われ得る。
【0029】
適する成形法は、噴霧乾燥である。この方法に関するより詳細については、先に公開されていない欧州特許出願第01202146.5が参照される。
【0030】
比較例1
この比較例は、下降流反応器および上昇管反応器における慣用の触媒の性能を比較する。
2つの異なるパイロット装置において慣用の平衡触媒を評価した。一方は下降流反応器を含み、他方は、慣用の上昇管反応器を含む。どちらの装置も同じ反応温度で運転した。使用したガス油の特性を表1にまとめる。
【0031】
【表1】
【0032】
表2は、一定のコークス生成での上昇管反応器および下降流反応器を使用した分解法の結果を示す。これらの結果から、下降流反応器の使用が、改善された転化率レベルおよびC3オレフィンへの改善された選択率、ならびに改善された水素選択率をもたらすことが分かる。しかし、下降流反応器での残留物転化率は、上昇管反応器におけるよりも低い。
【0033】
【表2】
【0034】
比較例2
触媒が下記方法で製造された。
希硫酸による珪酸ナトリウム溶液の酸性pH下での制御された中和によってシリカヒドロゾルが調製された。新しく調製されたヒドロゾルに、粉末カオリン、ベーマイト型アルミナの酸性懸濁物、およびREY−ゼオライトの酸性懸濁物が、逐次および完全な撹拌下で添加された。得られた前駆懸濁物は、20重量%の固形含量を有していた。
【0035】
前駆混合物を次いで、噴霧乾燥器に供給し、触媒ミクロ球を回収した。ミクロ球は、アンモニア水に再懸濁され、減圧濾過された。そのようにして生成したフィルターケーキを、45℃で硫酸アンモニウム溶液で2回交換し、同じ温度で3回水洗した。最後に、触媒粒子を、110℃で16時間、循環空気下のオーブン中で乾燥させると、新鮮なサンプルEC2が得られた。
【0036】
EC2は、5.5のSARを有しかつ5重量%の希土類元素酸化物(RE2O3)を達成するように交換された40重量%の超安定化されたY−ゼオライト;30重量%のシリカ−アルミナマトリックス;および30重量%のカオリンで構成されていた。この触媒の物性を表3に示す。
【実施例1】
【0037】
本実施例の触媒は、比較例2と全く同様の手順を使用して製造されたが、ブラジル国特許公開BR PI9704925−5Aに開示されているように、前駆混合物にシュクロースが添加された。この結果、触媒E1が得られた。この触媒の物性を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
この表において、BETは周知のBET表面積であり、MiPVはミクロ細孔体積であり、MSAは中間孔(20〜500Å)表面積であり、これらは全て、N2吸着(t−プロット法)によって決定された。
【0040】
ABDは、見かけ嵩密度を表し、これは、ぎっしり詰まっていない床における単位体積当たりの触媒の質量として定義される。ABDは、床をぎっしり詰めることなく、固定された所定体積の規格化されたシリンダーを満たした後に測定される。
【0041】
AAIは、オーブン中でクウェートVGO供給物を70℃に加熱することによってトルエン中の15gのクウェートVGOの1リットル溶液を調製することによって決定された。15gの暖かいクウェートVGOを200mlの暖かいトルエンに懸濁した。混合物を十分撹拌し、トルエンで1リットルに調整した。溶液を暗所に貯蔵した。この溶液の50.00gを、蠕動ポンプおよび検出器に連結された100mlのビーカー(ガラス製)にチューブによって添加した。その溶液を、400rpmでプロペラ撹拌器によって撹拌し、蠕動ポンプを21g/分に設定した。検出器として分光光度計を使用した。この分光光度計は、トルエン溶液を使用してゼロに設定された。
【0042】
次に、触媒の53〜75ミクロンのふるい画分1gを、トルエン溶液中のクウェートVGOに添加した。1秒につき1回、分光光度計によって560nmの波長でアスファルテン濃度を測定した。5分後、測定を停止し、相対吸光度を時間の平方根に対してプロットした。勾配、すなわちアクゾアクセシビリティー指数(AAI)、を決定した。
【実施例2】
【0043】
平衡状態を模倣するために、触媒EC2およびE1の一部を、788℃で5時間、100%蒸気雰囲気を使用して熱水的に不活性化した。得られた不活性化された触媒を、夫々、EC2DおよびE1Dと呼ぶ。不活性化されたサンプルを、比較例1と同じ下降流反応器を含む装置において、比較例1と同じ条件下で試験した。同じ転化率レベルおよび同じコークスレベルでの結果を表4にまとめる。
【0044】
装置在庫は2kgであり、ガス油の流速は1.7kg/時であった。運転条件は、反応圧力0.1kgf/cm2g、接触時間2秒、反応器出口の温度540℃、およびストリッパー中の温度500℃であった。触媒/油比(重量/重量)は、断熱的反応器中の供給物温度を変えることによって6〜9の範囲で変化させた。
【0045】
【表4】
【0046】
この表から、下降流反応器と少なくとも3.5のAAIを有する触媒の組み合わせを使用する方法は、高い残留物転化率と組み合わされて、高い転化率レベルおよびガソリン収率を生じることが明らかである。これらの結果は、工業用上昇管反応器で通常使用される反応温度および触媒/油比を使用して得られた。さらに、使用された供給物は、高い塩基性窒素含量を有するものであった。実施例1の触媒を使用すると、従来技術において好ましいものよりも低い触媒/油比で、転化率が低下することなく、下降流反応器において運転することができる。上記結果は、コークス、燃料ガスおよびガソリン選択率においても改善の傾向を示す。一定のコークスでは、下降流反応器の使用と少なくとも3.5のAAIを有する触媒との間の相乗的作用が特に有益である。
【0047】
燃料ガスおよび水素の収率は低下し、軽質オレフィンが増加する。基準の場合と比較して、残留物転化率も増加する。これは、基準の場合において見られる下降流運転の場合の残留物転化率に関する欠点(表2を参照)が本発明に従う方法によって完全に補償され得ることを示す。
【0048】
最後に、少なくとも3.5のAAIを有する触媒のストリッピング能力が、そのような高いアクセシビリティーを有しない従来の触媒と比較して非常に改善されることが認められた。
【0001】
本発明は、特定のクラッキング触媒を使用する下降流反応器での炭化水素供給物の流動接触分解(FCC)法に関する。
【背景技術】
【0002】
FCC法は周知である。上昇管反応器を使用するより一般的なFCC法では、触媒および炭化水素供給物が上方に流れ、一方、下降流反応器を使用するFCC法では、触媒および炭化水素供給物が下方に流れる。
【0003】
上昇管反応器では、上昇する気化された供給物によって引き起こされる持ち上げ故に、固体が上方に流れる。しかし、炭化水素供給物の速度は、壁の近くでは、反応器の中央付近よりも小さい。従って、触媒は、反応器壁付近では中央付近よりもゆっくり移動し、その結果、壁付近では高い触媒密度を有する比較的遅い移動領域を生じ、中央付近では上昇する供給物の低抵抗路を生じる。従って、供給物は主に中央を通って流れ、触媒は主に壁付近に局在している。得られる流れパターンは、コア−環(core-annulus)と呼ばれる。
【0004】
さらに、上昇管反応器における固体触媒および炭化水素蒸気の上昇流は、重力に対抗しており、その結果、はるかに軽質の炭化水素流よりも相当遅い触媒流を生じる。供給物速度と触媒速度との比、すなわちすべり率、は一般に約2〜3である。この結果、触媒の戻り混合を生じ、これは、触媒のより長い滞在時間および望ましくない第2反応(オーバークラッキング)の発生を引き起こす。
【0005】
上昇管反応器と対照的に、下降流反応器は、反応器の中央と壁との間で速度および触媒密度の大きな相違を示さない。さらに、触媒粒子が重力に抵抗しないので、このような反応器での触媒流と炭化水素流との間の速度の相違は、上昇管反応器におけるよりも小さい。下降流反応器のすべり率は一般に、約1である。
【0006】
従って、戻り混合はほとんど回避され、触媒は反応器全体に亘ってより均一に分配され、下降流反応器における触媒と供給物との有効な接触時間は上昇管反応器におけるよりも短い。これは、副生物の生成を低下させるが、主としてより大きい、より高沸点の化合物の転化率における低下をも生じる。
【0007】
下降流反応器を含むクラッキング装置を扱っている公知文献に関しては、米国特許第5,449,496号、同第5,582,712号、同6,099,720号、同5,660,716号、同第5,951,850号、および欧州特許第0254333号が参照される。
【0008】
これらの文献のうち、2、3のみが、特定の触媒を使用することによるプロセスの最適化を焦点にしている。米国特許第5,660,716号では、低酸性触媒が使用されている。許容可能な転化率レベルを得るために、それを高い温度および高い触媒/油比と共に使用することが好ましい。同様の開示(25〜80重量%の触媒/油比の使用を包含する)が、米国特許第5,951,850号に含まれている。ここでは、高々24.50オングストロームの単位格子サイズを有するゼオライトを含む触媒を使用することが好ましい。高い触媒/油比は、触媒の分離、ストリッピングおよび再生能力に関する限り、装置の性能を危うくし得る。さらに、触媒によって引き起こされる装置の摩耗が臨界になり得る。
【0009】
要するに、従来技術の開示は、比較的低い触媒活性を補償するために、低活性触媒を高い温度および高い触媒/油比と共に使用する傾向にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、下降流反応器および上昇管反応器の利点(最少のオーバークラッキングおよび高沸点画分の高い転化率)を組み合わせた、炭化水素供給物の分解法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明方法は、下記工程を含む。
a)炭化水素供給原料を霧化しそして管状の下降流反応器の頂部に注入し、そしてこの炭化水素供給原料を少なくとも3.5のAAIを有する触媒と接触させること、
b)反応生成物および消耗した触媒を該下降流反応器の底部で分離すること、
c)消耗した触媒を水蒸気で処理すること、
d)消耗した触媒を再生ゾーンで再生すること、および
e)再生された触媒を下降流反応器へ再循環すること、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
下降流反応器の使用は、オーバークラッキングを最少にし、一方、クラッキング触媒の高いアクセシビリティーは、炭化水素供給物中の高沸点画分に関してすら、高い転化率を容易にする。
【0013】
AAIは、大きい、しばしば高分子量の、化合物への触媒孔のアクセシビリティーの尺度であり、2001年6月5日に出願された先に公開されていない欧州特許出願第01202147.3に記載された方法に従って決定され得る。この出願は、参照することにより組み入れられる。この方法は、溶媒に溶解された大きい、好ましくは硬質のおよびしばしば高分子量の化合物を含む撹拌容器へ多孔質物質を添加すること、および溶液中のこれらの化合物の濃度を定期的に分析することを包含する。大きい化合物の相対濃度(%)が、時間(分)の平方根に対してプロットされ得る。AAIは、このプロットの初期勾配として定義される。AAI値が高いほど、触媒孔は高いアクセシビリティーを有する。
【0014】
クラッキング触媒の孔が炭化水素供給物のより高い沸点の画分に対してすら高いアクセシビリティーを有するならば、供給物分子は孔を通って迅速に拡散し、触媒孔に存在する活性部位が最適に使用される。従って、そのような触媒によって高い転化率が達成され得る。
【0015】
AAIは触媒の孔体積と等価でないことが強調される。AAIは、この孔体積のアクセシビリティー、例えば孔入口の大きさ、と関係する。従って、高い孔体積を有する触媒は、孔の入口が狭いならば、低いAAI値を有し得る。
【0016】
本発明に従う方法によれば、炭化水素供給原料が霧化されそして管状の下降流反応器の頂部に注入され、それによって、この炭化水素供給原料を水素の添加なしで、少なくとも3.5のAAIを有する触媒の高温流動流と接触させる。次に、コークスおよび炭化水素物質がその上に沈着した、消耗した触媒が、反応生成物から分離される。炭化水素物質は、水蒸気処理によって、消耗した触媒からストリッピングされる。コークスは、約600〜850℃、好ましくは650〜750℃の温度で酸素含有雰囲気中でのコークスの燃焼を含む再生工程中に、消耗した触媒から除去される。最後に、再生された触媒が、下降流反応器へ再循環される。
【0017】
触媒/油接触時間は好ましくは、0.5〜5秒、より好ましくは0.5〜4秒、さらに好ましくは1〜3秒である。反応器出口での温度は好ましくは、450〜700℃、より好ましくは500〜600℃である。触媒/油比は好ましくは2〜15である。消耗した触媒は、反応ゾーンから連続的に除去され、再生ゾーンから得られる、本質的にコークスを含まない触媒で埋め合わせられる。触媒の損失を補うために、新しい触媒がプロセスに定期的に添加される。所望ならば、循環する触媒在庫の例えば活性、選択性または金属汚染を調整するために、触媒在庫の一部が抜き出され、そして新しい触媒によって置き換えられる。
【0018】
種々の気体流による触媒の流動は、反応ゾーンと再生ゾーンとの間での触媒の輸送を可能にする。
【0019】
触媒
本発明に従う方法で使用されるべき触媒のAAIは、少なくとも3.5、好ましくは少なくとも5.0、より好ましくは少なくとも6.0である。最大のAAI値は、要求される物性、例えば見かけ嵩密度および摩擦強度、に依存する。
【0020】
触媒は好ましくは、10〜60重量%の固体酸、0〜50重量%のアルミナ、0〜40重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。より好ましくは、触媒が20〜50重量%の固体酸、5〜40重量%のアルミナ、5〜25重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。最も好ましくは、触媒が25〜45重量%の固体酸、10〜30重量%のアルミナ、5〜20重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む。
【0021】
触媒は、固体酸、マトリックス、および/またはFCC触媒で通常使用される何らかの他の成分、例えば金属不動態化剤、を含み得る。マトリックスは典型的には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、および/または粘土を含む。好ましい粘土はカオリンである。
【0022】
固体酸は、ゼオライト、例えばZSM型ゼオライト、例えばZSM−5、またはホージャサイト型ゼオライト、シリコアルミノホスフェート(SAPO)、アルミノホスフェート(ALPO)、またはそれらの組み合わせであり得る。好ましくは、固体酸がゼオライト、より好ましくはホージャサイト型ゼオライトである。ゼオライトは所望により、超安定化され(ultrastabilised)および/または希土で交換される(rare earth exchanged)(例えば、ゼオライトY、ゼオライトUSY、ゼオライトREY、またはゼオライトREUSY)。ゼオライトの希土含量は好ましくは16重量%未満である。触媒のミクロ細孔体積は好ましくは少なくとも0.050ml/gであり、一方、外部表面積は好ましくは、少なくとも100m2/gである。
【0023】
そのような高いアクセシビリティーを有する触媒の適する製造法は、ブラジル国特許公開BR PI9704925−5Aおよび先に公開されていない欧州特許出願第01202146.5(2001年6月5日に出願された)に開示された方法を包含する。上記出願は共に、参照することによって組み込まれる。
【0024】
第一の方法は、触媒成分またはそれらの前駆体を水性スラリー中で混合して前駆混合物を生成すること、この混合物に孔形成剤を添加すること、次いで成形すること(例えば噴霧乾燥)を含む。孔形成剤は、触媒の多孔性を制御する。好ましい孔形成剤は、水溶性炭水化物、例えばシュクロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、グルコース、またはフルクトースである。これらの孔形成剤は、触媒製造後に容易に除去され得る。孔形成剤は、触媒中に5重量%未満が残るように除去され得ることが熱重量分析によって分かる。
【0025】
第二の方法によれば、触媒成分またはそれらの前駆体が水性スラリー中で混合されて前駆混合物を生成し、混合物が成形装置に供給され、成形されて粒子を形成する。その方法では、成形装置に供給される直前に混合物が脱安定化される、すなわち、その粘度が増加される。
【0026】
特に、この方法は、懸濁された触媒成分またはそれらの前駆体を1以上の容器(「保持容器」)からいわゆる予備反応器を介して成形装置へ供給することを含む。この予備反応器において、触媒前駆混合物が脱安定化される。
【0027】
本明細書では、脱安定化された混合物は、その粘度が、予備反応器に入る前よりも予備反応器を出た後(および成形の前)の方が高いところの混合物として定義される。粘度の増加は、予備反応器中での触媒バインダー物質の誘導重合またはゲル化故である。粘度は典型的には、予備反応器に入る前の0.1s-1のせん断速度での約1〜100Pa・sのレベルから予備反応器を出た後の0.1s-1のせん断速度での約50〜1,000Pa・s以上のレベルまで増加する。いずれにしても、少なくとも10Pa・s、より好ましくは少なくとも50Pa・s、最も好ましくは少なくとも100Pa・s(0.1s-1のせん断速度で測定)の粘度増加を誘導することが好ましい。好ましくは、粘度が、予備反応器に入る前の0.1s-1のせん断速度での約1〜50Pa・sのレベルから予備反応器を出た後の0.1s-1のせん断速度での約50〜500Pa・sのレベルまで増加する。粘度は、標準のレオメーター、例えばプレート−プレートレオメーター、コーン−プレートレオメーター、またはバップ−カップ(bop-and-cup)レオメーター、によって測定され得る。
【0028】
触媒前駆混合物の脱安定化は、混合物を成形装置へ供給する直前に予備反応器中で行われる。関与する時間、すなわち、脱安定化開始と成形との間に経過する時間、は、予備反応器の正確な構成および脱安定化された混合物がその後成形装置へ到達するのに要する時間に依存する。30分までの時間が可能であるが、経済的理由から、あまり好ましくないと考えられる。好ましくは、300秒未満の時間である。より好ましい時間は180秒未満である。脱安定化は、温度の増加、pHの増加またはpHの低下、および/またはゲル誘導剤、例えば塩、ホスフェート、スルフェート、および(部分的に)ゲル化したシリカ、の添加によって行われ得る。
【0029】
適する成形法は、噴霧乾燥である。この方法に関するより詳細については、先に公開されていない欧州特許出願第01202146.5が参照される。
【0030】
比較例1
この比較例は、下降流反応器および上昇管反応器における慣用の触媒の性能を比較する。
2つの異なるパイロット装置において慣用の平衡触媒を評価した。一方は下降流反応器を含み、他方は、慣用の上昇管反応器を含む。どちらの装置も同じ反応温度で運転した。使用したガス油の特性を表1にまとめる。
【0031】
【表1】
【0032】
表2は、一定のコークス生成での上昇管反応器および下降流反応器を使用した分解法の結果を示す。これらの結果から、下降流反応器の使用が、改善された転化率レベルおよびC3オレフィンへの改善された選択率、ならびに改善された水素選択率をもたらすことが分かる。しかし、下降流反応器での残留物転化率は、上昇管反応器におけるよりも低い。
【0033】
【表2】
【0034】
比較例2
触媒が下記方法で製造された。
希硫酸による珪酸ナトリウム溶液の酸性pH下での制御された中和によってシリカヒドロゾルが調製された。新しく調製されたヒドロゾルに、粉末カオリン、ベーマイト型アルミナの酸性懸濁物、およびREY−ゼオライトの酸性懸濁物が、逐次および完全な撹拌下で添加された。得られた前駆懸濁物は、20重量%の固形含量を有していた。
【0035】
前駆混合物を次いで、噴霧乾燥器に供給し、触媒ミクロ球を回収した。ミクロ球は、アンモニア水に再懸濁され、減圧濾過された。そのようにして生成したフィルターケーキを、45℃で硫酸アンモニウム溶液で2回交換し、同じ温度で3回水洗した。最後に、触媒粒子を、110℃で16時間、循環空気下のオーブン中で乾燥させると、新鮮なサンプルEC2が得られた。
【0036】
EC2は、5.5のSARを有しかつ5重量%の希土類元素酸化物(RE2O3)を達成するように交換された40重量%の超安定化されたY−ゼオライト;30重量%のシリカ−アルミナマトリックス;および30重量%のカオリンで構成されていた。この触媒の物性を表3に示す。
【実施例1】
【0037】
本実施例の触媒は、比較例2と全く同様の手順を使用して製造されたが、ブラジル国特許公開BR PI9704925−5Aに開示されているように、前駆混合物にシュクロースが添加された。この結果、触媒E1が得られた。この触媒の物性を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
この表において、BETは周知のBET表面積であり、MiPVはミクロ細孔体積であり、MSAは中間孔(20〜500Å)表面積であり、これらは全て、N2吸着(t−プロット法)によって決定された。
【0040】
ABDは、見かけ嵩密度を表し、これは、ぎっしり詰まっていない床における単位体積当たりの触媒の質量として定義される。ABDは、床をぎっしり詰めることなく、固定された所定体積の規格化されたシリンダーを満たした後に測定される。
【0041】
AAIは、オーブン中でクウェートVGO供給物を70℃に加熱することによってトルエン中の15gのクウェートVGOの1リットル溶液を調製することによって決定された。15gの暖かいクウェートVGOを200mlの暖かいトルエンに懸濁した。混合物を十分撹拌し、トルエンで1リットルに調整した。溶液を暗所に貯蔵した。この溶液の50.00gを、蠕動ポンプおよび検出器に連結された100mlのビーカー(ガラス製)にチューブによって添加した。その溶液を、400rpmでプロペラ撹拌器によって撹拌し、蠕動ポンプを21g/分に設定した。検出器として分光光度計を使用した。この分光光度計は、トルエン溶液を使用してゼロに設定された。
【0042】
次に、触媒の53〜75ミクロンのふるい画分1gを、トルエン溶液中のクウェートVGOに添加した。1秒につき1回、分光光度計によって560nmの波長でアスファルテン濃度を測定した。5分後、測定を停止し、相対吸光度を時間の平方根に対してプロットした。勾配、すなわちアクゾアクセシビリティー指数(AAI)、を決定した。
【実施例2】
【0043】
平衡状態を模倣するために、触媒EC2およびE1の一部を、788℃で5時間、100%蒸気雰囲気を使用して熱水的に不活性化した。得られた不活性化された触媒を、夫々、EC2DおよびE1Dと呼ぶ。不活性化されたサンプルを、比較例1と同じ下降流反応器を含む装置において、比較例1と同じ条件下で試験した。同じ転化率レベルおよび同じコークスレベルでの結果を表4にまとめる。
【0044】
装置在庫は2kgであり、ガス油の流速は1.7kg/時であった。運転条件は、反応圧力0.1kgf/cm2g、接触時間2秒、反応器出口の温度540℃、およびストリッパー中の温度500℃であった。触媒/油比(重量/重量)は、断熱的反応器中の供給物温度を変えることによって6〜9の範囲で変化させた。
【0045】
【表4】
【0046】
この表から、下降流反応器と少なくとも3.5のAAIを有する触媒の組み合わせを使用する方法は、高い残留物転化率と組み合わされて、高い転化率レベルおよびガソリン収率を生じることが明らかである。これらの結果は、工業用上昇管反応器で通常使用される反応温度および触媒/油比を使用して得られた。さらに、使用された供給物は、高い塩基性窒素含量を有するものであった。実施例1の触媒を使用すると、従来技術において好ましいものよりも低い触媒/油比で、転化率が低下することなく、下降流反応器において運転することができる。上記結果は、コークス、燃料ガスおよびガソリン選択率においても改善の傾向を示す。一定のコークスでは、下降流反応器の使用と少なくとも3.5のAAIを有する触媒との間の相乗的作用が特に有益である。
【0047】
燃料ガスおよび水素の収率は低下し、軽質オレフィンが増加する。基準の場合と比較して、残留物転化率も増加する。これは、基準の場合において見られる下降流運転の場合の残留物転化率に関する欠点(表2を参照)が本発明に従う方法によって完全に補償され得ることを示す。
【0048】
最後に、少なくとも3.5のAAIを有する触媒のストリッピング能力が、そのような高いアクセシビリティーを有しない従来の触媒と比較して非常に改善されることが認められた。
Claims (12)
- 下記工程
a)炭化水素供給原料を霧化しそして管状の下降流反応器の頂部に注入し、そしてこの炭化水素供給原料を少なくとも3.5のAAIを有する触媒と接触させること、
b)反応生成物および消耗した触媒を該下降流反応器の底部で分離すること、
c)消耗した触媒を水蒸気で処理すること、
d)消耗した触媒を再生ゾーンで再生すること、および
e)再生された触媒を下降流反応器へ再循環すること、
を含む、炭化水素の流動接触分解法。 - 触媒が少なくとも5.0のAAIを有する、請求項1記載の方法。
- 触媒が少なくとも6.0のAAIを有する、請求項2記載の方法。
- 触媒成分またはそれらの前駆体を水性媒体中で一緒にして触媒前駆混合物を生成し、該混合物を成形装置に供給し、そして該混合物を成形して粒子を形成することによって触媒が得られたものであり、ここで、該混合物は、成形装置に供給される直前に脱安定化される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 触媒成分またはそれらの前駆体を水性混合物中で混合し、この混合物に孔形成剤を添加し、次いで成形することによって触媒が得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 孔形成剤が、水溶性炭水化物である、請求項5記載の方法。
- 触媒が、10〜60重量%の固体酸、0〜50重量%のアルミナ、0〜40重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 触媒が、20〜50重量%の固体酸、5〜40重量%のアルミナ、5〜25重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む、請求項7記載の方法。
- 触媒が、25〜45重量%の固体酸、10〜30重量%のアルミナ、5〜20重量%のシリカ、および残部のカオリンを含む、請求項8記載の方法。
- 固体酸が、ZSM型ゼオライト、ホージャサイト型ゼオライト、シリコアルミノホスフェート(SAPO)、アルミノホスフェート(ALPO)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法。
- 固体酸が、希土で交換されたゼオライトである、請求項10記載の方法。
- ゼオライトの希土含量が16重量%未満である、請求項11記載の方法。
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