JPH11171534A - 品質の向上したm41s触媒及びその製造方法 - Google Patents

品質の向上したm41s触媒及びその製造方法

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JPH11171534A
JPH11171534A JP9334416A JP33441697A JPH11171534A JP H11171534 A JPH11171534 A JP H11171534A JP 9334416 A JP9334416 A JP 9334416A JP 33441697 A JP33441697 A JP 33441697A JP H11171534 A JPH11171534 A JP H11171534A
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JP
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ammonium
catalyst
phosphorus
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JP9334416A
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R Kuuinons August
オーガスト・アール・クウィノンス
Jersey Ross Wislow
ウィースロー・ジャージー・ロス
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ExxonMobil Oil Corp
Original Assignee
Mobil Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FCCプロセス等における水蒸気処理繰り返
しサイクルを経た後に、向上した触媒活性を維持する組
成物を提供する。 【解決手段】 (a)焼成後において、18Åより大きい
面間隔dに少なくとも1つのピークを有するX線回折パ
ターンを示し、6.7kPaおよび25℃において物質10
0g当たりベンゼン15gを越えるベンゼン収着能を有
する無機多孔質非層状結晶相物質を含む組成物を、燐源
に接触させることによって改質し、並びに(b)燐により
改質した多孔質結晶性物質から触媒粒子を形成すること
を含んでなる方法によって触媒組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燐、場合によりマ
トリックス物質を多孔質結晶性M41S物質、例えばM
CM−41へ添加することによって得られる触媒組成
物、そのような触媒組成物の製造方法、並びに接触分解
プロセスにおいてそのような触媒組成物を用いる方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質無機固体は、工業的用途に関し
て、触媒及び分離媒体として多くの有用性を有してい
る。触媒活性及び収着活性は、これらの固体の容易にア
クセスし得る微細構造特性によってもたらされる大きな
表面積によって、向上している。米国特許第5,470,
810号(Degnan等)には、MCM−22構造を有する
多孔質結晶性物質を燐源(source of phosphorus)に接
触させることによって調製される、水熱安定性の向上し
た触媒組成物が開示されており、引用することによって
その内容を本明細書に含める。
【0003】米国特許第5,156,829号(McCullen
等)には、多孔質結晶性M41S物質を、B、Al、S
i又はTiのアルコキシド又はハロゲン化物と接触させ
ることによって、多孔質結晶性M41S物質の安定性を
向上させる方法が開示されており、引用することによっ
てその内容を本明細書に含める。米国特許第5,264,
203号(Beck等)には、(I)アルミナ、燐酸、水酸
化セチルトリメチルアンモニウム及びピロリジンを含む
第1の反応混合物を結晶化させること、並びに(II)上
記(I)の結晶化生成物を、水、水酸化セチルトリメチ
ルアンモニウム及びテトラメチルアンモニウムシリケー
ト水溶液に接触させることによって調製されるM41S
超大孔結晶性物質、例えば、シリコアルミノホスフェー
トが開示されており、引用することによってその内容を
本明細書に含める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えばFCCプロセス
において行われているような水蒸気処理の繰り返しサイ
クルを経た後に、組成物が維持する触媒活性が向上する
ように、M41S組成物の水熱安定性を向上させること
が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、燐源を
用いて超大孔結晶性M41S物質を処理することによ
り、水熱安定性の向上した向上した触媒が得られること
が見出された。処理した触媒は、有機転化プロセス、例
えば、接触分解プロセスにおいて有用であって、その場
合に、触媒は水熱条件に曝される。本発明の組成物は、
燐化合物によって処理されていないM41S物質と比べ
て、向上した水熱安定性を示す。
【0006】本発明の触媒組成物は、燐源と接触させて
処理されたM41S合成多孔質結晶性物質を含んでな
る。本発明は、多孔質結晶性M41S物質を燐源に接触
させることによって該結晶性物質を改質させ、その後、
燐を用いて改質させた物質から触媒粒子を形成させるこ
とを含んでなるこの触媒組成物の製造方法も提供する。
本発明の触媒組成物にマトリックス材料を加えることも
でき、燐は、多孔質結晶性物質、マトリックス材料又は
その両者のいずれに対しても添加することができる。本
発明の触媒組成物は、大孔結晶性モレキュラーシーブ又
は追加的なメソポーラス物質と混合することもできる。
本発明の改良した触媒は、有機物質転化プロセス、例え
ば接触分解プロセスにおいて用いることができる。これ
らのメソポーラス物質は米国特許第5,232,580号
に開示されているような接触分解プロセスにおいて有用
であり、引用することによってその内容を本明細書に含
める。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書において、本発明により
処理される多孔質結晶性物質は、焼成後において、約1
8オングストロームより大きい面間隔dに相対強度10
0のピークを少なくとも1つ有するX線回折パターンを
示し、50トールおよび25℃において物質100グラ
ム当たりベンゼン15グラムを越えるベンゼン収着能を
有する無機多孔質非層状結晶相物質であると認められ
る。該組成物は、 (a)シリカ源、アルミナ源、有機(誘導)剤(R')お
よび溶媒もしくは溶媒混合物を含んでなり、R'は式: R1234+ [式中、Qは窒素または燐であり、R1、R2、R3およ
びR4の少なくとも1つは炭素原子数6〜約36のアリ
ール基もしくはアルキル基またはそれらの組合せであ
り、R1、R2、R3およびR4の残りはそれぞれ水素、炭
素原子数1〜5のアルキル基およびそれらの組合せから
選ばれる。]で示されるイオンを含んでなる、上記組成
物を形成し得る混合物を調製する工程; (b)上記組成物を形成するのに十分なpH、温度及び時
間の条件下に混合物を保持する工程;並びに (c)上記組成物を回収する工程を含んでなる処理によっ
て調製される。
【0008】本発明は、燐源に接触させた多孔質結晶性
M41S物質に関する。組成物は、少なくとも1種のマ
トリックス材料を更に含むこともでき、その例には、ク
レイ、アルミナ、シリカおよびそれらの混合物の少なく
とも1種のものが含まれるが、これらに限定されるもの
ではない。多孔質結晶性物質、マトリックス材料または
それら両者のいずれを燐源に接触させてもよい。本発明
の1つの態様には、多孔質結晶性M41S物質を燐源に
接触させることによって該結晶性物質を改質させるこ
と、並びに燐による改質を行った多孔質結晶性物質から
触媒粒子を形成させることを含んでなる、燐により処理
したM41S組成物を製造する方法がある。
【0009】本発明の別の態様には、多孔質結晶性M4
1S物質ならびに燐源、およびクレイ源、シリカ源、ア
ルミナ源およびこれらの混合物の少なくとも1種のもの
を混合する工程、ならびにそのような組合せから触媒粒
子を形成する工程を含んでなる組成物の調製方法があ
る。本発明の更に特別な態様には、ギ酸により解膠され
たアルミナを含むスラリーを調製する工程、スラリー
に、コロイド状シリカ源、クレイ源及び多孔質結晶性M
41S物質を配合する工程、スラリーに燐源を添加する
工程、ならびにスラリーから最終的に触媒粒子を形成す
る工程を含んでなる組成物の製造方法がある。燐は、生
成物の形成に用いるいずれか1種のスラリーまたはスラ
リー全体に添加することができる。
【0010】本発明に用いることができる燐源には、燐
酸一水素アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸
アンモニウム、次燐酸アンモニウム、オルト燐酸アンモ
ニウム、オルト燐酸二水素アンモニウム、オルト燐酸一
水素アンモニウム、次亜燐酸アンモニウム、オルト亜燐
酸二水素アンモニウム(orthophophite)、燐酸およびこ
れらの混合物、特に燐酸及び燐酸二水素アンモニウム、
より特に燐酸が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。燐は、一般に、仕上がった触媒上において少な
くとも0.1重量%、好ましくは1〜5重量%の濃度を
達成するのに十分な量で添加する。
【0011】本発明において有用な物質の例には、クレ
イ源としてはカオリンまたはティーレ(Thiele)クレイ
が、燐源としては燐酸または燐酸二水素アンモニウム
が、シリカ源としてはコロイド状シリカが、アルミナ源
としてはシュードベーマイト(pseudoboehmite)アルミ
ナが含まれるが、これらに限定されるものではない。好
ましくは、混合後、できるだけ速やかに触媒を形成し乾
燥すべきである。本発明の組成物は、接触分解におい
て、単独で、マトリックスと組み合わせて、若しくはそ
れ自体触媒活性を有する大孔結晶性モレキュラーシーブ
と組み合わせて、又はこれらを組み合わせた形態で有用
であり得る。
【0012】使用し得る大孔結晶性モレキュラーシーブ
(例えば、約7オングストローム以上のもの)は、通
常、1以下の拘束指数(拘束指数は、例えば米国特許第
4,016,218号に規定されており、引用することに
よってその内容を本明細書に含める)を有する物質であ
る。大孔結晶性モレキュラーシーブは当該技術分野にお
いては周知のものであり、フォージャサイト、モルデナ
イト、ゼオライトX、稀土類交換ゼオライトX(RE
X)、ゼオライトY、ゼオライトY(HY)、稀土類交
換超安定ゼオライトY(RE−USY)、脱アルミニウ
ム化Y(DAY)、稀土類交換ゼオライトY(RE
Y)、超安定ゼオライトY(USY)、超疎水性ゼオラ
イトY(UHP−Y)、脱アルミケイ素富有ゼオライト
(例えばLZ−210)、ゼオライトZK−5、ゼオラ
イトZK−4、ゼオライト・ベータ、ゼオライト・オメ
ガ(Omega)、ゼオライトL、ZSM−20および他の
天然または合成ゼオライトが包まれる。
【0013】本発明において有用な他の大孔結晶性モレ
キュラーシーブには、柱状化を行った(pillared)シリ
ケート及び/又はクレイ;アルミノホスフェート、例え
ばALPO4−5、VPI−5;シリコアルミノホスフ
ェート、例えばMCM−9、SAPO−5、SAPO−
37、SAPO−31、SAPO−40、SAPO−4
1;および他のメタルアルミノシリケートが含まれる。
これらの物質は、米国特許第4,440,871号、同第
4,554,143号、同第4,567,029号、同第
4,666,875号、並びに同第4,742,033号に
種々記載されている。触媒として使用する前に、処理を
行ったM41S物質を熱処理に付して、合成された状態
の物質中に存在する有機成分の一部又は全部を除く必要
がある。
【0014】有機カチオンを含む合成された形態のM4
1S物質は、アンモニウム形態にある場合も同様である
が、熱処理によって別の形態に転化させることができ
る。この熱処理は、一般に、少なくとも約370℃の温
度にて、少なくとも1分間、一般に20時間を越えない
時間でこれらの形態のいずれかのものを加熱することに
よって行う。熱処理には減圧を適用することもできる
が、簡便性の理由から大気圧が望ましい。熱処理は、M
41S物質の結晶構造が不可逆的な熱的劣化を被る限度
まで、典型的に約800℃までの温度にて行うことがで
きる。分解触媒も追加的触媒も、本発明の方法において
使用する前に水蒸気処理を行う必要はなく、実際、本発
明の方法において使用する前に水蒸気処理は一般に行わ
ないが、約5〜約100%水蒸気中において、約300
℃〜約800℃の温度にて約1〜約200時間の時間で
水蒸気処理を行うことができる。
【0015】ゼオライト触媒の安定性は水蒸気処理によ
って向上させることができ、適当な水蒸気処理安定化条
件には、触媒を、例えば約5〜約100%水蒸気に、1
00〜2500kPaの圧力にて、少なくとも約300℃
(例えば300〜650℃)の温度で、少なくとも1時
間(例えば1〜200時間)接触させることが含まれ
る。更に特定の態様では、大気圧および315℃〜約5
00℃にて、2〜25時間で、75〜100%水蒸気を
用いて触媒を水蒸気処理に付することができる。本発明
の触媒に用いるM41S物質は、合成された形態(即
ち、有機誘導剤と接触したままの形態)、窒素予備焼成
した形態、又は混成焼成された形態(例えば、窒素を用
いて予備焼成した後、空気中で焼成した形態)で使用す
ることができる。
【0016】M41S結晶は、種々の粒子寸法に形成す
ることができる。一般的に言えば、粒子は、粉末状、顆
粒状、又は成形品、例えば押出物の形態であってよく、
2メッシュ(タイラー(Tyler))スクリーンを通過し、
400メッシュ(タイラー)スクリーン上に保持される
のに十分な粒子寸法を有する。触媒の成形を、例えば押
出によって行う場合、結晶性物質は乾燥する前に押出し
を行うこともできるし、或いは部分的に乾燥した後に押
出しを行うこともできる。多孔質結晶性M41S物質
は、本発明の有機物質転化プロセスにおいて用いる温度
及び別の条件に耐える別の物質と複合化することができ
る。そのような物質には、活性及び不活性物質並びに他
の合成又は天然の多孔質結晶性モレキュラーシーブ、並
びに無機材料、例えばクレイ及び/又は酸化物、例えば
アルミナ、シリカ若しくはシリカ−アルミナが含まれ
る。後者は、金属酸化物およびシリカの混合物を含むゲ
ル若しくはゲル状沈殿の形態又は天然に得られるものの
いずれであってもよい。
【0017】本発明において、触媒成分の全体又は一部
と共にマトリックス物質として使用することができる天
然のクレイには、モンモリロナイト、及びサブベントナ
イトを含むカオリン族、並びにディキシー(Dixie)ク
レイ、マクナミー(McNamee)クレイ、ジョージア(Geo
rgia)クレイ及びフロリダ(Florida)クレイとして一
般に知られるカオリン、又は主鉱物成分がハロイサイ
ト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト若しくは
アナウキサイトであるその他のものが含まれる。これら
のクレイは、採鉱したままの未処理の状態で、又は最初
に焼成、酸処理若しくは化学的変性に付して使用するこ
とができる。いずれかの又は両方の触媒成分は、前述の
物質に加えて、1種又はそれ以上の多孔質マトリックス
物質、例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シ
リカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリ
ア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニア並びに三元酸
化物組成物、例えばシリカ−アルミナ−トリア、シリカ
−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシ
ア及びシリカ−マグネシア−ジルコニアと複合化するこ
とができる。結合触媒成分の押出しを容易にするため、
前述のマトリックス材料の少なくとも一部をコロイド状
形態で供給すると有利なこともある。
【0018】触媒成分とマトリックスとの相対的な割合
は、触媒成分の含量を複合体の約1〜約95重量%、更
に通常は約10〜約70重量%の範囲で多様に変動させ
得る。大孔結晶性分解触媒成分、メソポーラス物質並び
に多孔質結晶性物質は、独立して、同種若しくは異種の
マトリックス材料と複合化させることもでき、又はこれ
らのすべての材料を同じマトリックス材料中に一緒に組
込むこともできる。先に説明したように、本発明の触媒
組成物は、有機化合物、例えば炭化水素化合物の転化用
触媒として有用である。有機化合物転化プロセスには、
流動接触分解(FCC)、並びに移動床接触分解および
水素化分解を含む他の方式等が含まれるが、これらに限
定されるものではない。
【0019】好適な接触分解条件には、約700゜Fか
ら約1300゜Fの範囲の温度、および大気圧以下から
数百気圧までの範囲の圧力が含まれる。接触分解プロセ
スは、固定床、移動床、トランスファーライン、又は流
動床のいずれを含むものであってもよく、炭化水素流
は、触媒流と並流若しくは向流で流れる。本発明の方法
は、流動床式接触分解(FCC)又はサーモフォア接触
分解(TCC)プロセスに特に適用される。これらのい
ずれの方法においても、炭化水素フィード及び触媒は反
応装置の中を通過し、触媒は再生される。この2つの方
法は、触媒粒子の寸法、並びに少なくとも部分的に触媒
寸法の関数である接触及び移動のエンジニアリングにお
いて実質的に異なる。
【0020】TCCプロセスは移動床式であり、その触
媒は約1/64〜1/4インチの平均粒子寸法を有する
ビーズ又はペレットの形状のものである。活性な熱い触
媒ビーズは、分解反応領域の中を炭化水素供給原料と並
流で降下する。炭化水素生成物はコークス付着触媒から
分離されて回収され、触媒は反応領域の底部にて回収さ
れて再生される。典型的なTCC転化条件には、約45
0℃〜約540℃の平均反応装置温度;約2〜約7の触
媒/油体積比;約1〜約5vol./hr./vol.の反応装置
容量時間空間速度;並びに0〜約0.5のリサイクルフ
ィード/新たなフィード(体積)比が含まれる。
【0021】本発明のプロセスは、流動床式接触分解
(FCC)にも適用し得る。流動床式接触分解プロセス
において、触媒は約10〜200ミクロンの微細粉末状
である。この粉末は、一般に、フィード中に浮遊してお
り、反応領域中において上方に送られる。比較的重質の
炭化水素フィード原料、例えば軽油は、好適な分解触媒
と混合されて流動する浮遊物を形成し、長い反応装置又
はライザー内で高温にて分解され、より軽質の炭化水素
生成物の混合物を形成する。気体状の反応生成物及び使
用済みの触媒はライザーから、閉じたストリッピング容
器の上方部分に配されているサイクロン装置等の分離装
置又はストリッパーへ排出され、反応生成物は生成物回
収領域へ送られ、使用済みの触媒はストリッパーの下側
部分の中の濃厚触媒床へ入れられる。使用済みの触媒を
触媒再生装置へ送る前に使用済みの触媒から同伴した炭
化水素を分離するため、不活性ストリッピングガス、例
えば水蒸気を触媒床の中に通過させ、そこで、ストリッ
ピングガスはそのような炭化水素を脱着させ、炭化水素
を生成物回収領域へ送る。流動し得る触媒は、ライザー
と再生装置との間を連続的に循環し、熱を再生装置から
ライザーへ移す機能を果たし、それによって吸熱的であ
る分解反応の熱要求をまかなう。
【0022】FCC転化条件には、約500℃〜約59
5℃、特に約520℃〜約565℃、更に特に約530
℃〜約550℃のライザー頂部温度;約3〜約12、特
に約4〜約11、更に特に約5〜約10の触媒/油重量
比;及び約0.5〜約15秒、特に約1〜約10秒の触
媒滞留時間が含まれる。触媒は機械的摩耗に耐えること
が一般に必要とされ、従って、微細粉末は小さい粒子、
例えば20μm以下のものである。触媒粒子の平均直径
が約60〜100μmのものを用いる場合と比べて、F
CCプロセス等における高い流量及び温度での再生及び
分解のサイクルは、触媒を微細粉末に粉砕する傾向があ
る。FCCプロセスにおいて、触媒粒子は約10〜約2
00ミクロン、好ましくは約20〜約150ミクロンに
及ぶ。触媒微細粉末が過剰に生成すると、製油業者の触
媒に係るコストが増大する。
【0023】分解用のフィード原料、即ち、炭化水素
は、初留点が約204℃以上であり、50%留出点が少
なくとも約260℃であり、終点が少なくとも約315
℃である軽油(例えば、軽質、中質又は重質軽油)を全
体的に又は部分的に含み得る。フィード原料は、重質
(deep cut)軽油、減圧軽油、サーマル・オイル(ther
mal oil)、残油、サイクル物質(cycle stock)、ホー
ル・トップ・クルード(whole top crude)、タールサ
ンド油、シェール油、合成燃料、石炭の分解的水素化か
ら導かれる重質炭化水素フラクション、タール、ピッ
チ、アスファルト、上述したいずれかのものから導かれ
る水素化処理フィード原料等を含み得る。理解されてい
るように、約400℃以上のより高い沸点の石油フラク
ションの蒸留は、熱分解を防止するために、減圧下で行
う必要がある。本発明において用いる沸点温度は、利便
性の点から、大気圧に換算した沸点で示している。約7
00℃までの終点を有する残油又はより重質留分(deep
er cut)の軽油は、金属含量が高い場合であっても、本
発明の方法にて分解することができる。
【0024】
【実施例】本発明の処理したM41S(MCM−41)
及び未処理の比較用触媒を調製し、触媒のヘキサン分解
活性(アルファ値)及び表面積を測定する試験を行っ
た。表面積の測定は、Micrometrics Dipisorb 2600 装
置を用いて行った。アルファ値を試験する場合、アルフ
ァ値は、標準的触媒と比較した触媒の接触分解活性のお
よその尺度であって、相対的な速度定数(単位時間当た
り触媒容積当たりのノルマルヘキサンの転化速度)を与
えるものであるということに留意すべきである。これ
は、アルファ値が1であるとみなすシリカ−アルミナ分
解触媒(速度定数=0.016sec-1)の活性を基準とし
ている。アルファ試験(alpha test)は、米国特許第3,
354,078号およびジャーナル・オブ・キャタリシ
ス(Journal of Catalysis)第4巻、527頁(1965
年)、同第6巻、278頁(1966年)、及び同第61
巻、395頁(1980年)に記載されており、その記載
を引用することによって本明細書に含める。ここで用い
る試験の実験条件には、ジャーナル・オブ・キャタリシ
ス、第61巻、第395頁(1980年)に詳細に記載
されているように、538℃の一定温度および可変流量
が含まれる。より高いアルファ値は、分解触媒がより活
性であることを示す。
【0025】実施例1 M41S物質の調製 合成混合物は、1.2kgの水、水酸化テトラエチルア
ンモニウム(SACHEM Chem., Inc.)の35%溶液3.7
5kg、シリカ−アルミナ前駆物質(ケイ酸ナトリウム
及び硫酸アルミニウム溶液をpH8以下にて共沈させる
ことによって調製したもの;分析結果:固形分45.5
%、アルミナ2.835%、Na85ppm以上)3.5
kg、並びに塩化ドデシルトリメチル−アンモニウム
(Akzo)の37%溶液5.6kgからなるものであっ
た。合成は、5ガロンのオートクレーブ中において50
RPMで攪拌しながら、130℃にて24時間で行っ
た。固体の生成物を、濾過、水洗、及び250゜Fまで
の温度にて乾燥して分離した。分析結果:固形分 60.
1%、Na 0.26%、アルミナ 4.5%、N 2%及
びC25.7%。標準的な熱処理(窒素雰囲気中900゜F
にて3時間、続いて空気中1000゜Fにて6時間の加
熱)によって有機物質を含まない固形物が得られた。
【0026】実施例2 シリカ−アルミナ−クレイマトリックス中に40%のM
CM−41を含有する触媒を、以下の手順による噴霧乾
燥によって調製した:0.01重量部のアルミナ(Conde
a Pural, SBIII シュードベーマイトアルミナ、Condea
Chemie GMBH、Hamburg、ドイツ国)を蒸留水中でスラリ
ー化し、0.002重量部の蟻酸(90%)によってペ
プチゼーションした。このゲルを、コロイド状シリカ
(Nalco 1034A、固形分34%、Nalco Chemical Co.、
シカゴ、イリノイ州)0.218重量部に添加し、3分
間混合した。0.316重量部のカオリンクレイ(Thiel
e RC-32、固形分60.4%、Thiele Kaolin Co.、サン
ダーソンビル、ジョージア州)をシリカ−アルミナ溶液
に添加した。ボールミルにかけた実施例1のM41S物
質(固形分17.2%、95%以上が10ミクロン以下
の粒子寸法)0.635重量部を、シリカ−アルミナス
ラリーに添加した。得られるスラリーを350゜Fの出
口温度にて噴霧乾燥した(Niro Inc.、コロンビア、メ
リーランド州、噴霧乾燥装置(spray dryer))。噴霧乾燥
した物質を、空気中1000゜Fにて2時間焼成した。
【0027】実施例3 最後の工程として、スラリーへ燐酸(75%)0.03
3重量部を加えたこと以外は、実施例2と同様にした。
【0028】実施例4 実施例2及び3の触媒を、45%水蒸気中で1450゜
Fにて10時間で水蒸気処理した。表1に、水蒸気処理
の前後における触媒の表面積を示す。燐処理した物質
(実施例3)は、処理済み及び未処理の親物質のいずれ
のものよりも大きな表面積を有していた。
【0029】
【表1】 焼成後 水蒸気処理後 表面積保持率 (m2/g) (m2/g) 未処理MCM−41 940 実施例1(Si) 340 76 22% 実施例2 252 126 50%
【0030】図1は、燐処理した試料について、表面積
の大部分が40オングストローム以下の付近の領域に集
中していることを示している。このことは、表面積の保
持率がM41Sの燐酸処理に関連することを明らかに示
している。このことは、図2に示すX線回折パターンに
よって、燐処理及び水蒸気処理を行った触媒がM41S
に帰属する3゜付近の低角度ラインを良好に保持するこ
とを示すことによって確認される。
【0031】上記触媒のアルファ活性を比較すると、触
媒組成物中に燐を組み込むことによって触媒の水熱安定
性が向上することが示されている。実施例2に従って調
製した触媒は、水蒸気処理前では0.51%、水蒸気処
理後では0.1%のヘキサン転化率を示した。対照的
に、実施例3に従って調製した燐処理した触媒は、水蒸
気処理前では0.58%、水蒸気処理後では0.51%の
ヘキサン転化率を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 M41S(MCM−41)触媒の表面積に関
する水蒸気処理及び/又は燐添加の効果を示すグラフで
ある。
【図2】 M41S(MCM−41)触媒のX線回折パ
ターンに関する水蒸気処理及び/又は燐添加の効果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 11/16 C10G 11/16 11/18 11/18 47/16 47/16 (72)発明者 ウィースロー・ジャージー・ロス アメリカ合衆国08080ニュージャージー州 セウェル、バウンド・ブルック123番

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成後において、18オングストローム
    より大きい面間隔dに少なくとも1つのピークを有する
    X線回折パターンを示し、6.7kPa(50トール)およ
    び25℃において物質100グラム当たりベンゼン15
    グラムを越えるベンゼン収着能を有する無機多孔質非層
    状結晶相物質を含んでなる組成物であって、結晶性物質
    が燐源によって処理されている組成物。
  2. 【請求項2】 無機多孔質非層状結晶相物質はMCM−
    41を含んでなり、並びに燐源は、燐酸一水素アンモニ
    ウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸アンモニウム、次
    燐酸アンモニウム、オルト燐酸アンモニウム、オルト燐
    酸二水素アンモニウム、オルト燐酸一水素アンモニウ
    ム、次亜燐酸アンモニウム、オルト亜燐酸二水素アンモ
    ニウム、燐酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれ
    る請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 燐源が燐酸である請求項2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 マトリックス材料を更に含んでなる請求
    項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の組成物を、水蒸気の存在
    下又は不存在下にて約925℃までの温度にて熱処理し
    た生成物を含んでなる組成物。
  6. 【請求項6】 燐源との接触を合成された形態で行った
    多孔質結晶性物質を更に含んでなる請求項1記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】 多孔質結晶性物質、並びに大孔ゼオライ
    ト、メソポーラス物質及びこれらの混合物の少なくとも
    1種のものとの組合せで燐を更に含んでなる請求項1記
    載の組成物。
  8. 【請求項8】 約0.1重量%を越える燐含量を有する
    請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 (a)焼成後において、18オングスト
    ロームより大きい面間隔dに少なくとも1つのピークを
    有するX線回折パターンを示し、6.7kPa(50トー
    ル)および25℃において物質100グラム当たりベン
    ゼン15グラムを越えるベンゼン収着能を有する無機多
    孔質非層状結晶相物質を含んでなる組成物を、燐源に接
    触させることによって改質させること、並びに(b)燐
    により改質した多孔質結晶性物質から触媒粒子を形成す
    ることを含んでなる触媒組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 組成物はMCM−41を含んでなり、
    並びに燐源は、燐酸一水素アンモニウム、燐酸二水素ア
    ンモニウム、燐酸アンモニウム、次燐酸アンモニウム、
    オルト燐酸アンモニウム、オルト燐酸二水素アンモニウ
    ム、オルト燐酸一水素アンモニウム、次亜燐酸アンモニ
    ウム、オルト亜燐酸二水素アンモニウム、燐酸及びこれ
    らの混合物からなる群から選ばれるものである請求項9
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 燐源が燐酸である請求項10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 マトリックス材料を多孔質結晶性物質
    に添加すること、並びに触媒粒子を形成する前に、多孔
    質結晶性物質を単独で、又は多孔質結晶性物質及びマト
    リックス材料を、燐源に接触させることを含んでなる請
    求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 形成した触媒粒子を、水蒸気の存在下
    又は不存在下にて約925℃までの温度にて熱処理する
    ことを更に含む請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 i) ギ酸により解膠されたアルミナを
    含むスラリーを調製する工程、 ii) 上記スラリーに、コロイド状シリカ源、クレイ源及
    び多孔質結晶性M41S物質を配合する工程、 iii)燐源を上記スラリーに添加する工程、並びに iv) 上記工程iii)のスラリーから触媒粒子を形成する工
    程を含んでなる組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 炭化水素を適当な接触転化条件下で、
    請求項1記載の組成物を含んでなる触媒に接触させるこ
    とを含んでなる有機化合物転化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008110919A (ja) * 2000-05-25 2008-05-15 Univ Michigan State 超安定な多孔性アルミノ珪酸塩構造体
JP2011502093A (ja) * 2007-10-26 2011-01-20 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク M41sファミリーモレキュラーシーブの製造方法
WO2011132585A1 (ja) * 2010-04-20 2011-10-27 日本化学工業株式会社 リン含有メソポーラスシリカ及びその製造方法

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