JP2004534734A - プロテインキナーゼ阻害効果を有するインドール誘導体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、炎症モジュレーター、とりわけプロテインキナーゼ阻害効果を有する炎症モジュレーターとしての使用のための式(I)または(II)で表されるインドール誘導体に関する。式(I)
【化1】
においては、式中、n=0または1であり、R1=R2=3−インドールであり、R3=COOHまたはケトンであり、X=OまたはNHであり、但し、n=0の場合は、R4=OHおよびR5=3−インドールであり、n=1の場合は、R4はR5と一緒になって、2、3位で融合したインドール環を示し、およびX=NHである。式(II)
【化2】
においては、式中、R1=R2=3−インドールであり、X=O、CH2またはカルボニル基であり、X=O、カルボニル基、NHまたは>C=N(R’)2であり、R’=CH3またはC2H5である。マラセジアから単離される新規なインドール誘導体は、とりわけ炎症性または増殖性疾患、特に皮膚および他の器官系の疾患の処置のための医薬を調製するための物質として有用である。
【化1】
においては、式中、n=0または1であり、R1=R2=3−インドールであり、R3=COOHまたはケトンであり、X=OまたはNHであり、但し、n=0の場合は、R4=OHおよびR5=3−インドールであり、n=1の場合は、R4はR5と一緒になって、2、3位で融合したインドール環を示し、およびX=NHである。式(II)
【化2】
においては、式中、R1=R2=3−インドールであり、X=O、CH2またはカルボニル基であり、X=O、カルボニル基、NHまたは>C=N(R’)2であり、R’=CH3またはC2H5である。マラセジアから単離される新規なインドール誘導体は、とりわけ炎症性または増殖性疾患、特に皮膚および他の器官系の疾患の処置のための医薬を調製するための物質として有用である。
Description
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼを効果的に阻害し、および好中球バーストに関与する他のシグナル伝達プロセスに影響するといった顕著な特徴を有する新規なインドール誘導体に関する。特に、本発明は、プロテインキナーゼC(PKC)およびそのアイソフォームの阻害に好適な化合物、および/または、好中性顆粒球のスーパーオキサイド放出を効果的に減少させる化合物に関する。本発明による誘導体は、特に皮膚および他の器官系の炎症性および増殖性疾患の処置のための医薬の製造における使用に特に好適である。
【0002】
皮膚および他の器官系の炎症性および増殖性の変化(alterations)は、多大な医学的、美容学的および治療上の問題を引き起こし得る。例えば、炎症性皮膚疾患は、乾癬、湿疹、例えば、神経皮膚炎、自己免疫性プロセスによる変化、例えば、紅色苔癬、紅斑性狼瘡または(他の)脈管炎におけるもの、並びに外因性効果によるすべてのアレルギープロセスおよび感染症による皮膚変化を含む。それぞれの病毒(noxae)による内器官の炎症プロセスにおいて、同様の変化が見られる。これまでは、炎症の最大形態としての敗血症が、解決が困難な疾患である。さらに重要なのは、炎症細胞の過剰な活性化を伴なう疾患であり、例えば、腫瘍性および増殖性事象(event)の範囲内で、特に、リンパ球の(類乾癬、菌状息肉腫、白血症、リンパ腫、偽性リンパ腫)または移植片拒絶におけるものである。
【0003】
最近の先行技術によると、プロテインキナーゼC依存性プロセスは、炎症プロセスのシグナル伝達、リンパ球および顆粒球の活性化、サイトカイン放出および抗体産生において中心的なコントロール因子を示す。しかしながら、先行技術により公知のビス−インドリルマレイミド型のプロテインキナーゼCインヒビターは、PKC依存性プロセスの研究に有用なツールであるが、これらの有効性および特異性は、比較的低いことから、治療には導入されなかった。
【0004】
したがって、本発明の目的は、免疫モジュレーター、特に、PKCインヒビターを提供することであり、これは、阻害効果において、従来技術により公知のインヒビターをはるかに凌ぎ、および皮膚および器官の変化に関連する幅広い領域の疾患の処置に耐容できる医薬の製造に非常に適している。
【0005】
本明細書中、免疫モジュレーターは、免疫系またはその一部を活性化または阻害することができる物質を意味する。例えば、かかる物質は、サイトカイン、ロイコトリエン、インターロイキンなどの形成および/または分泌の阻害剤または活性剤であることができる。免疫系の細胞、例えば、T細胞、β細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球、顆粒白血球などを阻害または活性化することができる物質もまた、免疫モジュレーターの定義に含まれる。物質が、上記プロセスを阻害または活性化するか否かを決定することができるアッセイは、当業者に公知である。例えば、以下でさらに、好中球バーストの阻害が、免疫モジュレーターの認識のためのかかるプロセスとして記載される。
【0006】
驚くべきことに、本発明により、マラセジア属(Malassezia)酵母、特にマラセジアフルフール(Malassezia furfur)種酵母の特有の亜集団は、特定の栄養素が供給された場合には、プロテインキナーゼ、特にプロテインキナーゼCを合成できることが見出された。マラセジアにアミノ酸トリプトファン(L−またはD−異性体またはラセミ体として)を、主要な窒素源として供給する場合、本発明の活性成分は、この方法でコントロールされた酵母から単離することができる。特に、4、5、6および/または7位のインドール環が置換されたトリプトファンが供給される場合、前記置換基は、マラセジアにより合成され、本発明とほぼ同様の方法に基づくインドール誘導体に組み込まれる。純粋トリプトファンによる合成される相対的に疎水性のインドール誘導体が、より親水性の、例えばヒドロキシル置換基によって生成する場合に、これは特に対象となる。
【0007】
本発明のプロテインキナーゼは、T細胞およびB細胞の特定のPKCアイソフォームに対して特別な特異性を示す。したがって、それらは、かかるプロセスの研究並びに免疫コントロール、抗炎症性および抗増殖性の活性成分として特に好適である。さらに、これらのPKCインヒビターは、驚くべきことに、グラム陽性菌に対し、特に、多種耐性ブドウ球菌(MRSA)に対しても抗生作用を示す。
【0008】
さらに、本明細書に記載の物質は、好中球バーストを阻害することができ(炎症性プロセスのモデルとして)、ここで、PKCに加えて、他のシグナル伝達プロセス(サイトカイン放出およびロイコトリエン合成を含む)にもまた影響を与えることができる。特に、これは、生理的リガンドの置換から細胞内事象の包括的な(net)阻害に関与するレセプターのすべての種類との競合的結合を含む(現在まで知られていないものも含む)。
【0009】
特有のプロテインキナーゼ阻害作用および好中性顆粒球のスーパーオキサイド放出に関連する細胞内コントロール事象における特有の阻害効果を有するマラセジアから単離した該化合物の一部は、スピロ炭素原子によって特徴付けられるインドール誘導体であり、以下の一般構造を有する:
【0010】
【化1】
【0011】
式中:
n=0または1であり、
R1=R2=3−インドールであり、
R3=COOHまたはケトンであり、
X=OまたはNHであり、
但し、n=0の場合は、R4=OHおよびR5=3−インドール;および、n=1の場合は、R4はR5と一緒になって、2、3位で融合したインドール環系であり、およびX=NHであり、
ここで、該インドール環系は、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、4、5、6および/または7位で置換されてもよく、またはアザ化合物を形成してもよい。
【0012】
以下の構造を有するスピロ化合物が好ましい:
【化2】
【0013】
ピチリアルビンA(Pityriarubine A)は、不斉中心を含有する。両異性体およびラセミ体は、特有の阻害効果を示す。
ピチリアルビンは、ビス−インドリルマレイミド群の公知物質と類似構造を示すが、それらは、ビス−マレイミド中のアミド窒素の代わりにスピロ炭素原子を有する。したがって、ピチリアルビンは、他の新規のクラスのものであり、また、ビス−インドリルマレイミドの単一構造ではない。
【0014】
本発明によるマラセジアから単離され、PKCおよび好中球バーストに対して特有の阻害効果を有するさらなる化合物は、スピロ化合物ではなく、以下の一般構造式によって表されるものである:
【化3】
【0015】
式中、
R1=R2=3−インドールであり、
X=O、CH2またはカルボニル基であり、
X=O、カルボニル基、NHまたは
【数1】
であり、
ここで、R’=CH3またはC2H5であり、
ここで、該インドール環系は、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、4、5、6および/または7位で置換されてもよく、またはアザ化合物を形成してもよい。
【0016】
前記基本構造を有する化合物のとして代表的なものとして以下のものが好ましい:
【化4】
【0017】
これらの化合物において、インドール環系はまた、4、5、6および/または7位で、それぞれ個別に、または組み合わさって上記基により置換されてもよい。
上記化合物は、以下の方法に従って単離することができる:
【0018】
マラセジア属、特にマラセジアフルフール種の酵母亜集団にアミノ酸トリプトファン(L−またはD−異性体またはラセミ体として)を、主要なまたは唯一の窒素源として供給する。前記条件下でマラセジアから産生した色素および蛍光色素から、上記化合物を単離することができる。
【0019】
好適な栄養培地として、Tween(登録商標)80 ultra (Sigma, St. Louis, USA)30mlおよびAgar ultrapure(Merck) 20gを水1lで満たし、オートクレーブする。50℃まで冷却した後、フィルターで滅菌されたD−トリプトファンまたはDL−トリプトファン(Trp; Sigma)を、例えば、0.3重量%の濃度で添加する。pHを5.5に調整する。培地10mlを、滅菌ペトリ皿(直径10cm)に注入し、そして、マラセジアフルフール(CBS 1878)の適当な個体群を、その上に散布させる。該物質はまた、(寒天部分を除くことによる)液体培地から得てもよい。
【0020】
30〜37℃下での約14日間のインキュベート時間の後、栄養素担体を、酢酸エチルで抽出し、そして、ピチリアルビンを、カラムクロマトグラフィーおよび分離用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離する。
【0021】
したがって、トルエン/ギ酸エチル/ギ酸(10:5:3)溶媒によるシリカゲル60プレート(Merck)上のピチリアルビンA、BおよびCのRf値は、例えば、それぞれ、約0.27(ピチリアルビンA)、0.14(ピチリアルビンB)および0.38(ピチリアルビンC)である。
【0022】
Rp18カラム、直径4mm2で流速1ml/minおよび圧力140〜160bar、感度0.3(mVolt)および220nmの検出器の頻度測定およびアセトニトリルの割合の増大(1%/minにおいて0〜100%)による水の直線濃度勾配を備えたMerck−Hitachi デバイスにおいて、アセトニトリル/水 2:3(v/v)のHPLCにより検出されたこれらの物質の保持時間は、例えば、ピチリアルビンA、BおよびCはそれぞれ:
ピチリアルビンA:49分
ピチリアルビンB:48分
ピチリアルビンC:52分
である。
【0023】
A)インビトロにおけるプロテインキナーゼC活性の阻害
プロテインキナーゼCへの阻害効果の試験のために、市販のプロテインキナーゼC アッセイキット(例えば、Calbiochem, Cat. No. 538484)を用いることができる。この目的のために、偽基質のリン酸化を、特定の抗体によって測定する。試験物質は、ジメチルスルホキシド中で溶液として用いられる。100μl当たり容量10μlのジメチルスルホキシドは、PKC依存性リン酸化工程を妨げない。このアッセイにより、個別のPKCアイソフォームへの効果およびその阻害をテストすることができる。次いで、効果的な濃度を、添加するATP濃度によって決定できる。
【0024】
このCalbiochemキットに従って、以下の方法により、200μl/ウェルのバッチを用いて実施する。
緩衝液13μl、1mM ATP(pH7.0)26μl、ホスファチジルセリン(500μg/ml)13μl、20mM CaCl2 13μl、H2O65μlおよびH2O 55μlおよびインヒビター溶液を、それぞれ、DMSO中で混合し、ここで、108μlを、コーティングしてないウェルに加える。PKC溶液12μl(タンパク質含有およびそれぞれの活性は0.1U/12μl)をそこに添加し、そして、その100μlを、コーティングされたマイクロタイタープレートに添加する。室温で20分間インキュベートした後、停止液100μlを添加する。
【0025】
次いで、洗浄を、洗浄液を用いて5回実施する。さらに、1ウェル当たり、ビオチン化抗体100μlを加え、そして、室温下で60分間インキュベートし、5回洗浄し、1ウェル当たり、ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン100μlとともに、室温で60分間インキュベートする。その後、5回洗浄し、1ウェル当たり、100μlの基質溶液とともに、色彩強度に応じて3〜10分間インキュベートする。その後、再び、停止液100μlによって処理し、次いで、Elisa readerを用い、492nmにおいて測定を実施する。
【0026】
該物質の効果が、プロテインキナーゼ、特に、プロテインキナーゼCおよびシグナル伝達に関与する他の酵素で見られる。それらは、ATP結合部位に結合し、ATPの酵素への結合を阻害する。したがって、それらは、リン酸基の基質への導入、即ち、シグナル伝達プロセスの後続のカスケードを抑制する。効果的な濃度は、10−6〜10−12Mである。
【0027】
B)グラム陽性細菌に対する抗菌効果
抗菌効果の評価のための拡散試験
Muller-Hinton寒天プレート(Merck)に、異なる細菌種の参照菌株を接種する。続いて、各々の粗抽出物およびその断片の混合物(それぞれDMSOに溶解した)およびpH7.0の0.1Mリン酸緩衝液(各40μl)を接種したプレートに滴加し、そして、37℃で1日インキュベートした後の阻害効果を評価する。コントロールとして、DMSOおよびリン酸緩衝液(再度、それぞれ40μl)の混合物を用い、該プレートを、37℃で24時間インキュベートする。
【0028】
次の細菌の菌株をテストした:黄色ブドウ球菌(また、MRSA)、大便連鎖球菌、大腸菌、大腸菌(+β−ラクタマーゼ)、緑膿菌。
グラム陽性細菌に関して、明瞭な阻害円(inhibition halo)が、絶対使用量1μgまで観察することができた。
【0029】
本発明の物質の医薬混合物の製造に関して、該物質を、Ungt. emulsificans中で0.1(w/w)ディスパージョンに適用することができる。本発明に従って、例えば、他の組成物および塩基並びに特に安定剤、抗酸化剤(例えば、トコフェロール)、光防止剤、糖質副腎皮質ステロイドおよび他の抗炎症剤、ビタミンA酸およびその誘導体との組み合わせを、異なる分量比で用いることができる。本発明に従って、典型的な助剤および添加剤を、更なる添加物として局所用製剤に用いることができる。
【0030】
体系的に、該物質を、異なる投与形態(錠剤、糖衣錠、エアゾール、坐剤等)および/または慣用の助剤および添加剤並びに非経口的に、随意的に、水溶性誘導体の製造後、および/または適切な安定剤の添加による組み合わせとして用いることができる。
【0031】
本発明による免疫モジュレーターおよび/またはPKCインヒビターは、皮膚および器官の変化に関連する以下の疾患に対する製剤の製造に用いることができる:
−炎症性皮膚疾患
−炎症性器官変化および組織疾患
−特にまた、細菌性の原因物質が含まれる場合には、感染病に関連する皮膚および器官変化並びに総合的な炎症プロセス、
−腫瘍性および増殖性プロセス、
−器官および骨髄移植後の移植片拒絶反応の予防。
【0032】
C)顆粒球バーストへの効果
顆粒球の調製およびスーパーオキサイド放出の測定を、本質的に、グリミンゲル等による方法(Grimminger, F., K. Hattar, C. Papavassilis, B. Temmesfeld, E. Csernok, W.L. Gross, W. Seeger and U. Sibelius, 1996, Neutrophil activation by anti-proteinase 3 antibodies in Wegener's granulomatosis: role of exogenous arachidonic acid and leukotriene B4 generation, J. Exp. Med. 184: 1567-1572)に従って実施する。
【0033】
健康なボランティアの末梢静脈血を、EDTAチューブ(600ml)に回収し、多形核好中球(PMN)の単離のために直ちに処理する。
EDTAによって凝固が阻止された血液を、Ficoll−Paque勾配において、遠心分離し、赤血球を、ポリビニルアルコール(Merck-Schuchardt, Hohenbrunn/Germany)とともに沈殿させ、上澄液中の残渣の赤血球を、蒸留水による低張溶解によって除去する(30秒)。細胞を、遠心分離し、Ca2+およびMg2+を含有するリン酸緩衝液(298mM)(PBS)(150×g、10分間、4℃)によって2回洗浄し、リン酸緩衝液(PBS)に懸濁させ、最終濃度を、5×106/mlとする。細胞純度は、一般に、>98%(ハッペンハイム染色)であり、そして、細胞生存率は、>96%であった(トリパンブルー排除)。
【0034】
カルシウム イオノフォアA23(calcium ionophor A23)(PBS中100μl、最終濃度1μM)を用いるPBS100μl中に、適宜、望ましいインヒビター濃度並びに、スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD、100μg/サンプル)を含むまたは含まない75μMシトクロムCを含有する500μlPBSを用いてプレインキュベートした後、単離したPMN(上記懸濁液300μl)を、活性化し、スーパーオキサイド(O2 −)を放出する(バッチの全容積1ml)。O2 −放出を、546nmにおけるシトクロムCの減少を介して測定する(37℃で10分間のインキュベーション、その後、氷中で5分間放置し、13,000×gで、3分間遠心分離して、細胞を除去する)。
【0035】
SOD(シトクロムの減少を妨げる)の付加による同一のバッチが基準溶液となる。両バッチの吸光の差違は、スーパーオキシドアニオンの産生の指標となる。最大コントロール(100%)として機能するインヒビターの付加のないバッチは、最大コントロールのパーセンテージを、インヒビター減少実験から決定する。図に示されるような阻害曲線(各々、n=4)が得られ、これは、明らかな好中球バーストへの影響およびそれに関連するコントロール事象の証拠となる。
【0036】
本発明による化合物は、炎症モジュレーター、例えば、好中性顆粒球からスーパーオキシドを減少させる、例えば、プロテインキナーゼインヒビターとして用いることができる。
本発明の化合物によるPKC依存性シグナル伝達プロセスの阻害に加え、さらに、サイトカイン放出およびロイコトリエン合成を含むシグナル伝達プロセスもまた影響され得る。
最後に、本発明による化合物はまた、競合結合に用いることができ、故に、生理的リガンドは、置換されるであろう。その結果、細胞内事象の治療的に有用な包括的な阻害となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ピチリアルビンA、BおよびCにおける最大スーパーオキサイド放出のパーセンテージを示す図である。
本発明は、プロテインキナーゼを効果的に阻害し、および好中球バーストに関与する他のシグナル伝達プロセスに影響するといった顕著な特徴を有する新規なインドール誘導体に関する。特に、本発明は、プロテインキナーゼC(PKC)およびそのアイソフォームの阻害に好適な化合物、および/または、好中性顆粒球のスーパーオキサイド放出を効果的に減少させる化合物に関する。本発明による誘導体は、特に皮膚および他の器官系の炎症性および増殖性疾患の処置のための医薬の製造における使用に特に好適である。
【0002】
皮膚および他の器官系の炎症性および増殖性の変化(alterations)は、多大な医学的、美容学的および治療上の問題を引き起こし得る。例えば、炎症性皮膚疾患は、乾癬、湿疹、例えば、神経皮膚炎、自己免疫性プロセスによる変化、例えば、紅色苔癬、紅斑性狼瘡または(他の)脈管炎におけるもの、並びに外因性効果によるすべてのアレルギープロセスおよび感染症による皮膚変化を含む。それぞれの病毒(noxae)による内器官の炎症プロセスにおいて、同様の変化が見られる。これまでは、炎症の最大形態としての敗血症が、解決が困難な疾患である。さらに重要なのは、炎症細胞の過剰な活性化を伴なう疾患であり、例えば、腫瘍性および増殖性事象(event)の範囲内で、特に、リンパ球の(類乾癬、菌状息肉腫、白血症、リンパ腫、偽性リンパ腫)または移植片拒絶におけるものである。
【0003】
最近の先行技術によると、プロテインキナーゼC依存性プロセスは、炎症プロセスのシグナル伝達、リンパ球および顆粒球の活性化、サイトカイン放出および抗体産生において中心的なコントロール因子を示す。しかしながら、先行技術により公知のビス−インドリルマレイミド型のプロテインキナーゼCインヒビターは、PKC依存性プロセスの研究に有用なツールであるが、これらの有効性および特異性は、比較的低いことから、治療には導入されなかった。
【0004】
したがって、本発明の目的は、免疫モジュレーター、特に、PKCインヒビターを提供することであり、これは、阻害効果において、従来技術により公知のインヒビターをはるかに凌ぎ、および皮膚および器官の変化に関連する幅広い領域の疾患の処置に耐容できる医薬の製造に非常に適している。
【0005】
本明細書中、免疫モジュレーターは、免疫系またはその一部を活性化または阻害することができる物質を意味する。例えば、かかる物質は、サイトカイン、ロイコトリエン、インターロイキンなどの形成および/または分泌の阻害剤または活性剤であることができる。免疫系の細胞、例えば、T細胞、β細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球、顆粒白血球などを阻害または活性化することができる物質もまた、免疫モジュレーターの定義に含まれる。物質が、上記プロセスを阻害または活性化するか否かを決定することができるアッセイは、当業者に公知である。例えば、以下でさらに、好中球バーストの阻害が、免疫モジュレーターの認識のためのかかるプロセスとして記載される。
【0006】
驚くべきことに、本発明により、マラセジア属(Malassezia)酵母、特にマラセジアフルフール(Malassezia furfur)種酵母の特有の亜集団は、特定の栄養素が供給された場合には、プロテインキナーゼ、特にプロテインキナーゼCを合成できることが見出された。マラセジアにアミノ酸トリプトファン(L−またはD−異性体またはラセミ体として)を、主要な窒素源として供給する場合、本発明の活性成分は、この方法でコントロールされた酵母から単離することができる。特に、4、5、6および/または7位のインドール環が置換されたトリプトファンが供給される場合、前記置換基は、マラセジアにより合成され、本発明とほぼ同様の方法に基づくインドール誘導体に組み込まれる。純粋トリプトファンによる合成される相対的に疎水性のインドール誘導体が、より親水性の、例えばヒドロキシル置換基によって生成する場合に、これは特に対象となる。
【0007】
本発明のプロテインキナーゼは、T細胞およびB細胞の特定のPKCアイソフォームに対して特別な特異性を示す。したがって、それらは、かかるプロセスの研究並びに免疫コントロール、抗炎症性および抗増殖性の活性成分として特に好適である。さらに、これらのPKCインヒビターは、驚くべきことに、グラム陽性菌に対し、特に、多種耐性ブドウ球菌(MRSA)に対しても抗生作用を示す。
【0008】
さらに、本明細書に記載の物質は、好中球バーストを阻害することができ(炎症性プロセスのモデルとして)、ここで、PKCに加えて、他のシグナル伝達プロセス(サイトカイン放出およびロイコトリエン合成を含む)にもまた影響を与えることができる。特に、これは、生理的リガンドの置換から細胞内事象の包括的な(net)阻害に関与するレセプターのすべての種類との競合的結合を含む(現在まで知られていないものも含む)。
【0009】
特有のプロテインキナーゼ阻害作用および好中性顆粒球のスーパーオキサイド放出に関連する細胞内コントロール事象における特有の阻害効果を有するマラセジアから単離した該化合物の一部は、スピロ炭素原子によって特徴付けられるインドール誘導体であり、以下の一般構造を有する:
【0010】
【化1】
【0011】
式中:
n=0または1であり、
R1=R2=3−インドールであり、
R3=COOHまたはケトンであり、
X=OまたはNHであり、
但し、n=0の場合は、R4=OHおよびR5=3−インドール;および、n=1の場合は、R4はR5と一緒になって、2、3位で融合したインドール環系であり、およびX=NHであり、
ここで、該インドール環系は、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、4、5、6および/または7位で置換されてもよく、またはアザ化合物を形成してもよい。
【0012】
以下の構造を有するスピロ化合物が好ましい:
【化2】
【0013】
ピチリアルビンA(Pityriarubine A)は、不斉中心を含有する。両異性体およびラセミ体は、特有の阻害効果を示す。
ピチリアルビンは、ビス−インドリルマレイミド群の公知物質と類似構造を示すが、それらは、ビス−マレイミド中のアミド窒素の代わりにスピロ炭素原子を有する。したがって、ピチリアルビンは、他の新規のクラスのものであり、また、ビス−インドリルマレイミドの単一構造ではない。
【0014】
本発明によるマラセジアから単離され、PKCおよび好中球バーストに対して特有の阻害効果を有するさらなる化合物は、スピロ化合物ではなく、以下の一般構造式によって表されるものである:
【化3】
【0015】
式中、
R1=R2=3−インドールであり、
X=O、CH2またはカルボニル基であり、
X=O、カルボニル基、NHまたは
【数1】
であり、
ここで、R’=CH3またはC2H5であり、
ここで、該インドール環系は、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、4、5、6および/または7位で置換されてもよく、またはアザ化合物を形成してもよい。
【0016】
前記基本構造を有する化合物のとして代表的なものとして以下のものが好ましい:
【化4】
【0017】
これらの化合物において、インドール環系はまた、4、5、6および/または7位で、それぞれ個別に、または組み合わさって上記基により置換されてもよい。
上記化合物は、以下の方法に従って単離することができる:
【0018】
マラセジア属、特にマラセジアフルフール種の酵母亜集団にアミノ酸トリプトファン(L−またはD−異性体またはラセミ体として)を、主要なまたは唯一の窒素源として供給する。前記条件下でマラセジアから産生した色素および蛍光色素から、上記化合物を単離することができる。
【0019】
好適な栄養培地として、Tween(登録商標)80 ultra (Sigma, St. Louis, USA)30mlおよびAgar ultrapure(Merck) 20gを水1lで満たし、オートクレーブする。50℃まで冷却した後、フィルターで滅菌されたD−トリプトファンまたはDL−トリプトファン(Trp; Sigma)を、例えば、0.3重量%の濃度で添加する。pHを5.5に調整する。培地10mlを、滅菌ペトリ皿(直径10cm)に注入し、そして、マラセジアフルフール(CBS 1878)の適当な個体群を、その上に散布させる。該物質はまた、(寒天部分を除くことによる)液体培地から得てもよい。
【0020】
30〜37℃下での約14日間のインキュベート時間の後、栄養素担体を、酢酸エチルで抽出し、そして、ピチリアルビンを、カラムクロマトグラフィーおよび分離用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離する。
【0021】
したがって、トルエン/ギ酸エチル/ギ酸(10:5:3)溶媒によるシリカゲル60プレート(Merck)上のピチリアルビンA、BおよびCのRf値は、例えば、それぞれ、約0.27(ピチリアルビンA)、0.14(ピチリアルビンB)および0.38(ピチリアルビンC)である。
【0022】
Rp18カラム、直径4mm2で流速1ml/minおよび圧力140〜160bar、感度0.3(mVolt)および220nmの検出器の頻度測定およびアセトニトリルの割合の増大(1%/minにおいて0〜100%)による水の直線濃度勾配を備えたMerck−Hitachi デバイスにおいて、アセトニトリル/水 2:3(v/v)のHPLCにより検出されたこれらの物質の保持時間は、例えば、ピチリアルビンA、BおよびCはそれぞれ:
ピチリアルビンA:49分
ピチリアルビンB:48分
ピチリアルビンC:52分
である。
【0023】
A)インビトロにおけるプロテインキナーゼC活性の阻害
プロテインキナーゼCへの阻害効果の試験のために、市販のプロテインキナーゼC アッセイキット(例えば、Calbiochem, Cat. No. 538484)を用いることができる。この目的のために、偽基質のリン酸化を、特定の抗体によって測定する。試験物質は、ジメチルスルホキシド中で溶液として用いられる。100μl当たり容量10μlのジメチルスルホキシドは、PKC依存性リン酸化工程を妨げない。このアッセイにより、個別のPKCアイソフォームへの効果およびその阻害をテストすることができる。次いで、効果的な濃度を、添加するATP濃度によって決定できる。
【0024】
このCalbiochemキットに従って、以下の方法により、200μl/ウェルのバッチを用いて実施する。
緩衝液13μl、1mM ATP(pH7.0)26μl、ホスファチジルセリン(500μg/ml)13μl、20mM CaCl2 13μl、H2O65μlおよびH2O 55μlおよびインヒビター溶液を、それぞれ、DMSO中で混合し、ここで、108μlを、コーティングしてないウェルに加える。PKC溶液12μl(タンパク質含有およびそれぞれの活性は0.1U/12μl)をそこに添加し、そして、その100μlを、コーティングされたマイクロタイタープレートに添加する。室温で20分間インキュベートした後、停止液100μlを添加する。
【0025】
次いで、洗浄を、洗浄液を用いて5回実施する。さらに、1ウェル当たり、ビオチン化抗体100μlを加え、そして、室温下で60分間インキュベートし、5回洗浄し、1ウェル当たり、ペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン100μlとともに、室温で60分間インキュベートする。その後、5回洗浄し、1ウェル当たり、100μlの基質溶液とともに、色彩強度に応じて3〜10分間インキュベートする。その後、再び、停止液100μlによって処理し、次いで、Elisa readerを用い、492nmにおいて測定を実施する。
【0026】
該物質の効果が、プロテインキナーゼ、特に、プロテインキナーゼCおよびシグナル伝達に関与する他の酵素で見られる。それらは、ATP結合部位に結合し、ATPの酵素への結合を阻害する。したがって、それらは、リン酸基の基質への導入、即ち、シグナル伝達プロセスの後続のカスケードを抑制する。効果的な濃度は、10−6〜10−12Mである。
【0027】
B)グラム陽性細菌に対する抗菌効果
抗菌効果の評価のための拡散試験
Muller-Hinton寒天プレート(Merck)に、異なる細菌種の参照菌株を接種する。続いて、各々の粗抽出物およびその断片の混合物(それぞれDMSOに溶解した)およびpH7.0の0.1Mリン酸緩衝液(各40μl)を接種したプレートに滴加し、そして、37℃で1日インキュベートした後の阻害効果を評価する。コントロールとして、DMSOおよびリン酸緩衝液(再度、それぞれ40μl)の混合物を用い、該プレートを、37℃で24時間インキュベートする。
【0028】
次の細菌の菌株をテストした:黄色ブドウ球菌(また、MRSA)、大便連鎖球菌、大腸菌、大腸菌(+β−ラクタマーゼ)、緑膿菌。
グラム陽性細菌に関して、明瞭な阻害円(inhibition halo)が、絶対使用量1μgまで観察することができた。
【0029】
本発明の物質の医薬混合物の製造に関して、該物質を、Ungt. emulsificans中で0.1(w/w)ディスパージョンに適用することができる。本発明に従って、例えば、他の組成物および塩基並びに特に安定剤、抗酸化剤(例えば、トコフェロール)、光防止剤、糖質副腎皮質ステロイドおよび他の抗炎症剤、ビタミンA酸およびその誘導体との組み合わせを、異なる分量比で用いることができる。本発明に従って、典型的な助剤および添加剤を、更なる添加物として局所用製剤に用いることができる。
【0030】
体系的に、該物質を、異なる投与形態(錠剤、糖衣錠、エアゾール、坐剤等)および/または慣用の助剤および添加剤並びに非経口的に、随意的に、水溶性誘導体の製造後、および/または適切な安定剤の添加による組み合わせとして用いることができる。
【0031】
本発明による免疫モジュレーターおよび/またはPKCインヒビターは、皮膚および器官の変化に関連する以下の疾患に対する製剤の製造に用いることができる:
−炎症性皮膚疾患
−炎症性器官変化および組織疾患
−特にまた、細菌性の原因物質が含まれる場合には、感染病に関連する皮膚および器官変化並びに総合的な炎症プロセス、
−腫瘍性および増殖性プロセス、
−器官および骨髄移植後の移植片拒絶反応の予防。
【0032】
C)顆粒球バーストへの効果
顆粒球の調製およびスーパーオキサイド放出の測定を、本質的に、グリミンゲル等による方法(Grimminger, F., K. Hattar, C. Papavassilis, B. Temmesfeld, E. Csernok, W.L. Gross, W. Seeger and U. Sibelius, 1996, Neutrophil activation by anti-proteinase 3 antibodies in Wegener's granulomatosis: role of exogenous arachidonic acid and leukotriene B4 generation, J. Exp. Med. 184: 1567-1572)に従って実施する。
【0033】
健康なボランティアの末梢静脈血を、EDTAチューブ(600ml)に回収し、多形核好中球(PMN)の単離のために直ちに処理する。
EDTAによって凝固が阻止された血液を、Ficoll−Paque勾配において、遠心分離し、赤血球を、ポリビニルアルコール(Merck-Schuchardt, Hohenbrunn/Germany)とともに沈殿させ、上澄液中の残渣の赤血球を、蒸留水による低張溶解によって除去する(30秒)。細胞を、遠心分離し、Ca2+およびMg2+を含有するリン酸緩衝液(298mM)(PBS)(150×g、10分間、4℃)によって2回洗浄し、リン酸緩衝液(PBS)に懸濁させ、最終濃度を、5×106/mlとする。細胞純度は、一般に、>98%(ハッペンハイム染色)であり、そして、細胞生存率は、>96%であった(トリパンブルー排除)。
【0034】
カルシウム イオノフォアA23(calcium ionophor A23)(PBS中100μl、最終濃度1μM)を用いるPBS100μl中に、適宜、望ましいインヒビター濃度並びに、スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD、100μg/サンプル)を含むまたは含まない75μMシトクロムCを含有する500μlPBSを用いてプレインキュベートした後、単離したPMN(上記懸濁液300μl)を、活性化し、スーパーオキサイド(O2 −)を放出する(バッチの全容積1ml)。O2 −放出を、546nmにおけるシトクロムCの減少を介して測定する(37℃で10分間のインキュベーション、その後、氷中で5分間放置し、13,000×gで、3分間遠心分離して、細胞を除去する)。
【0035】
SOD(シトクロムの減少を妨げる)の付加による同一のバッチが基準溶液となる。両バッチの吸光の差違は、スーパーオキシドアニオンの産生の指標となる。最大コントロール(100%)として機能するインヒビターの付加のないバッチは、最大コントロールのパーセンテージを、インヒビター減少実験から決定する。図に示されるような阻害曲線(各々、n=4)が得られ、これは、明らかな好中球バーストへの影響およびそれに関連するコントロール事象の証拠となる。
【0036】
本発明による化合物は、炎症モジュレーター、例えば、好中性顆粒球からスーパーオキシドを減少させる、例えば、プロテインキナーゼインヒビターとして用いることができる。
本発明の化合物によるPKC依存性シグナル伝達プロセスの阻害に加え、さらに、サイトカイン放出およびロイコトリエン合成を含むシグナル伝達プロセスもまた影響され得る。
最後に、本発明による化合物はまた、競合結合に用いることができ、故に、生理的リガンドは、置換されるであろう。その結果、細胞内事象の治療的に有用な包括的な阻害となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ピチリアルビンA、BおよびCにおける最大スーパーオキサイド放出のパーセンテージを示す図である。
Claims (14)
- 炎症モジュレーター(特に、プロテインキナーゼインヒビター)であって、インドール誘導体であり、主要な窒素源として、トリプトファンまたは4、5、6および/または7位が置換された誘導体、特に、4、5、6および/または7位において、互いに独立して、OH、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、COOHおよび/またはHSO3によって置換されたトリプトファン誘導体が供給されたマラセジア属酵母から単離することができる、前記炎症モジュレーター。
- 一般式(I)
n=0または1であり、
R1=R2=3−インドールであり、
R3=COOHまたはケトンであり、
X=OまたはNHであり、
但し、
n=0の場合は、R4=OHおよびR5=3−インドールであり、
n=1の場合は、R4はR5と一緒になって、2、3位で融合したインドール環系を示し、およびX=NHであり、
ここで、該インドール環系は、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、4、5、6および/または7位で置換されてもよく、またはアザ化合物を形成してもよい、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の炎症モジュレーター。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の炎症モジュレーターの調製方法であって、トリプトファンおよび/または4、5、6および/または7位において、それぞれ個別に、または組み合わさって、OH、F、Cl、Br、NO2、NH2、COOH、HSO3からなる群から選択される置換基によって、置換されたトリプトファンまたはアザ化合物として存在するトリプトファンを、主要なまたは単一の窒素源として含有する培養液において、マラセジア属酵母集団を繁殖させ、続いて、インキュベーションを行い、好適な溶媒を用いて、酵母集団ととも培養液を抽出し、そして、好適なクロマトグラフィー法によって、インヒビターを抽出物から単離することを特徴とする、前記方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の炎症モジュレーターの使用であって、炎症性皮膚疾患、炎症性器官変化および全身性疾患、感染症に関連する皮膚および器官の変化並びに総合的な炎症プロセスおよび腫瘍性および増殖性プロセスの処置のための医薬の製造のため、並びに器官および骨髄移植後の移植片拒絶反応の予防のための前記使用。
- グラム陽性菌に対する医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれかに記載の炎症モジュレーターの使用。
- 多種耐性ブドウ球菌に対する医薬の製造のための、請求項12に記載の炎症モジュレーターの使用。
- 好中性顆粒球によるスーパーオキサイド放出の減少のための医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれかに記載のインドール誘導体の使用。
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