JP2004532908A - エナメル塗装用組成物、およびエナメル塗装シート状金属から二次成形した物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含む無溶媒粉末エナメル塗装用組成物に関する。エナメル塗装シート状金属から二次成形した部品を製造するためには、上記エナメル塗装用組成物の層を、平坦シート状金属品の少なくとも1面に塗布する。その後、この層を加熱して上記熱硬化性樹脂を架橋させる。引続き、上記架橋組成物で被覆されているシートを二次成形し、焼付けして、先ず組成物中の有機物を熱分解させ、次いでエナメルフリットをガラス化させる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、エナメル塗装用組成物、およびエナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エナメル塗装シートから二次成形した物品の伝統的な製造方法は、主として、下記の各操作を含む:
‐平坦シート品を二次成形する(延伸および/または折重ねおよび/または折曲げ等による);
‐二次成形シートを脱脂し、酸浸漬し、必要に応じて、他の表面処理(リン酸化、ニッケルメッキ等のような)に供する;
‐粉末エナメルフリットの層をそのようにして製造したシート品に塗布する(例えば、静電銃による);
‐このようにしてコーティングした物品を、エナメルフリットのガラス化を生じさせるために養生する。
そのような伝統的な方法は、ある種の欠点を有する。先ず、この方法は、必然的に、二次成形シート品の予備処理(脱脂、酸処理、リン酸化等)をエナメル塗装業者の屋内で必要とすることに留意すべきである。しかしながら、平坦シートの予備処理の方が比較的簡単で迅速な操作であり連続操作において実施し得るのに対し、シートの二次成形品の予備処理は、実質的により複雑でより遅いものとなる。さらにまた、現在の方法によっては、平坦シートへのエナメル塗装用組成物の塗布は連続操作で且つ極めて一貫して(従って、優れた精度のエナメル層厚でもって)迅速に実施し得るのに対し、シートの二次成形品へのエナメル塗装用組成物の塗布は、必然的により遅くより複雑で且つ同一精度のエナメル層厚を得ることのできない操作である。
【0003】
上記伝統的エナメル塗装方法の欠点を改善する試みは、すでになされている。
下記の工程を含むエナメル塗装シートから形成させた物品の製造方法がある(特許文献1参照):
‐二次成形前に、ポリマーバインダーの溶液中に分散させたエナメルフリットを含む組成物の層をスチールシートに塗布し(ロールにより)、次いで、この層を乾燥(溶媒の蒸発)および/または硬化させる;
‐必要に応じて、そのような組成物の第2層を塗布し、これを順次乾燥および/または硬化させる;
‐その後、このコーティングしたシートを、製造すべき物品の形に二次成形する;
‐その後、上記コーティングし二次成形したシート品を560℃〜850℃の温度で養生して、上記ポリマーバインダーを燃焼させ且つエナメルフリットをガラス化させる。
上記方法は、早期の公知エナメル塗装方法に比較して、ある種の利点を提供している。とりわけ、この新規方法は、エナメル塗装用組成物を事前成形シートに対してではなく平坦シートに対して塗布することを可能にしている。
そのようにしてコーティングした平坦シートは、エナメル塗装業者に供給することができ;シートは、もはや、エナメル塗装業者の業務において予備処理する必要はない。
しかしながら、上記方法は、液体エナメル塗装組成物の平坦シートへの塗布後、大量の溶媒を蒸発させ焼却しなければならないことが必須である。この文献に記載されたエナメル塗装組成物中に含有させたポリマーバインダーは、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性樹脂であり得る。熱可塑性ポリマーを含有する組成物によって得られたコーティング(ガラス化養生前)は、かなり安定ではない(とりわけ、そのコーティングは溶媒にも耐性ではない)。従って、より安定であり二次成形操作にもより良好に耐えるコーティングを得るのを可能にする熱硬化性樹脂を含有する組成物が優先される。しかしながら、上記方法に詳細に記載されている熱硬化性樹脂系の液体エナメル塗装用組成物は周囲温度での安定性を欠いており、組成物中に溶解させた熱硬化性樹脂の各構成成分が周囲温度においてさえも互いに反応する性向を有して、粘度変化をもたらし、塗布条件の頻繁な適正化を、とりわけロールによってコーティングする場合に必要とする。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5,325,580号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、早期方法のこれらの欠点を有しないエナメル塗装方法を提案することである。
本発明の目的は、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含むエナメル塗装用組成物であり、この組成物は、上記樹脂用の溶媒を含有しない物質の形の粉末からなる。
上述の組成物の定義においては、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を生成させる構成成分は“溶媒”とは明らかにみなされ得ないことに留意すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う組成物は、基本的に、溶媒を含有しない。“溶媒を含有しない物質の形”なる表現は、本明細書においては、その組成物が、それにもかかわらず、極めて低量の溶媒含有量を有し得るという事実を考慮するために使用する。その極めて低量の溶媒含有量は、例えば、溶媒が熱硬化性樹脂中またはその構成成分のどれか中に少量含有される、即ち、痕跡量で存在するという事実に基づき得る。
有利な実施態様によれば、上記熱硬化性樹脂は、下記を含む:
‐1種以上の架橋性ポリマー;
‐上記1種以上の架橋性ポリマーを架橋させるのに十分な量の、上記1種以上の架橋性ポリマーの架橋を生じさせ得る1種以上の架橋剤;
‐上記1種以上の架橋性ポリマーと上記1種以上の架橋剤間の架橋反応を触媒作用するのに十分な量の1種以上の触媒。
上記組成物に含有させる熱硬化性樹脂は、とりわけ、粉末塗料組成物において通常使用される熱硬化性樹脂の中から選択し得る。
これらの樹脂中に含ませる架橋性ポリマーは、とりわけ、エポキシ、ポリエステルおよびアクリルタイプの架橋性ポリマー類の中から選択し得る。
上記架橋性ポリマーの反応基との反応によって架橋を生じさせなければならない架橋剤(即ち、“硬化剤”)は、明らかに、架橋させるポリマーに従って、より詳細には、そのポリマーの反応基の性質に従って、公知の方法で選択すべきである。また、上記架橋性ポリマーと架橋剤との比も、使用するこれら物質の性質および所望する架橋度に従って、公知の方法で選択すべきである。
【0007】
また、組成物の1部を構成する1種以上の触媒も、これら触媒が上記物質間の反応を触媒作用することから、明らかに、組成物中に含ませた架橋性ポリマーと架橋剤に従って選択すべきである。
上記1種以上の架橋性ポリマー、上記1種以上の架橋剤および上記1種以上の触媒、並びにこれら構成成分間の比は、架橋反応が組成物の製造(以下で説明する)中には殆ど生ずることなく、組成物の使用において架橋を生じさせたいときにはこの架橋が迅速且つ十分であるように選択しなければならない。
上記熱硬化性樹脂は、有利には、少なくとも1種の展着剤も含み得る。これらの展着剤は、シート上に形成させる融解フィルムの良好な展着および良好な外観を得るのに寄与し、とりわけ、粉末塗料分野における公知の展着剤の中から選択し得る。これらの展着剤は、とりわけポリアクリレート系であり得る。
上記熱硬化性樹脂は、有利には、架橋操作中に生成した揮発性生成物を運び去ることのできる少なくとも1種の脱ガス剤も含み得る。脱ガス剤は、“ピンホール”のような欠陥の形成を回避し得るものであり、とりわけ、粉末塗料分野における公知の脱ガス剤の中から選択し得、例えば、ベンゾインからなり得る。
本発明の特定の実施態様によれば、上記組成物は、少なくとも1種の潤滑剤も含む。潤滑剤は、とりわけ、ポリエチレンワックス類、酸化ポリエチレンワックス類、およびエチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸との低分子量コポリマー類の中から選択し得る。組成物中に少量の(例えば、1質量%程度の)そのような潤滑剤を混入させることは、本発明に従う組成物から出発して得られる架橋フィルムでコーティングしたシートの二次成形を容易にする。本発明の組成物におけるそのような潤滑剤の存在は、シートの二次成形が大きな変形を必要とする場合(例えば、深絞り成形による二次成形中)に、そのような架橋フィルムの劣化リスクを低減するのにとりわけ有用であり得る。
【0008】
本発明に従う組成物は、組成物の総質量に対し、有利には少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも70質量%のエナメルフリットを含有する。
本発明の組成物に含ませるエナメルフリットとしては、裸シートの二次成形後にエナメルの塗装を実施するときのスチールシート上へのエナメル塗装として通常使用されるエナメルフリットのどれかを使用し得る。
通常の方法によるシート類のエナメル塗装においては、第1タイプのエナメルフリットを一般に使用して、金属と接触させて塗布する第1の接着層の形成を意図する“基礎コートエナメル”と称されるベースエナメルを形成させていることに留意すべきである。その後、第2タイプのエナメルフリットを使用して、一般に不透明、白色または着色されている最終のエナメル層(即ち、“カバーコートエナメル”)を形成させている。これらのタイプのエナメルフリットのどれかを使用して、その組成物をエナメルの第1層または第2層のどちらを形成させるのに使用したいかに応じて、本発明に従う組成物を製造し得る。
【0009】
下記の各表は、例として、一般的なフリット組成物を示す:
【0010】
本発明の組成物に含ませるエナメルフリットは、10容量%未満(例えば、6%〜10%)が40μmふるいによるふるい掛け(EN 10209に従う)後に通過し得ないような粒度分布を有する。
本発明に従う組成物は、全体として、微粉末からなっていなければならず、CoulterRタイプの装置で測定したその粒度分布曲線の最大値は、有利には100μm以下、好ましくは80μm以下である。
本発明のもう1つの目的は、上述したようなエナメル塗装用組成物の製造方法、即ち、下記による方法である:
‐粉末形のエナメルフリットと粉末または粒状形の熱硬化性樹脂を混合すること;
‐この混合物を、前記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高いが架橋温度よりも低い温度で加熱し可塑化させること;
‐その後、そのようにして可塑化させた熱混合物を、前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度よりも低く冷却すること;および、
‐その後、そのようにして冷却し固化させた混合物を粉末に転化させること。
本発明の組成物の構成成分の熱可塑化の目的は、上記樹脂中でのエナメルフリットの微細で一貫した分散体、即ち、エナメル粉末の粒子が上記樹脂中でコーティングされている分散体を得ることである。
混合物の可塑化は、上記熱硬化性樹脂を十分に流動化させてこの樹脂中でのエナメルフリットの良好な分散体が得られるが架橋は全く或いは殆ど生じないような温度で実施しなければならない。ある種の組成物においては、この可塑化は、例えば、架橋反応が180℃よりも高いときのみに明らかに生ずる場合には、130℃〜140℃の温度で実施する。
上記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高い温度での混合物の加熱および可塑化は、加熱した押出機内で有利に実施し得る。
【0011】
特定の実施態様によれば、上記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高い温度で加熱し可塑化させた混合物は、冷却シリンダー間でロール掛けし、その後、そのようにして得た冷却シートを破砕および粉砕によって粉末とする。
本発明のもう1つの目的は、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物でコーティングしたシートの製造方法である。この方法によれば、上述したような粉末エナメル塗装組成物の層をシートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、次いで、この層を上記組成物中に含有させた熱硬化性樹脂を架橋させ得る温度と時間長で加熱する。
この加熱の作用下において、粉末組成物の層は、流動化し連続フィルムに転化し、加熱を続行させることにより、上記組成物中に含有させた樹脂の架橋を生じさせる。
上記粉末組成物の層を上記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布した後、この層中の上記熱硬化性樹脂の架橋を生じさせた後に、必要に応じて、本発明に従う粉末組成物のさらなる層を上記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、その後、このさらなる層を、このさらなる層の上記熱硬化性樹脂を架橋するのを可能にする温度と時間長で加熱することができる。
本発明の方法は、多くの変法に従って実施し得ることを理解すべきである。これら変法の1つによれば、先ず、裸シートの2つの面に“基礎コート”エナメルフリットを含有する本発明に従う粉末エナメル塗装用組成物の層を塗布し、次いで、この層を加熱して架橋を生じさせる。その後、そのシートの2つの面の1面に“カバーコート”エナメルフリットを含有する本発明に従う粉末組成物のさらなる層を塗布し、次いで、この層を加熱してその架橋を起させる。
【0012】
粉末組成物の層(1層以上)は、好ましくは、静電塗装によってシート上に付着させる。
この粉末組成物を連続操作においてシート品に塗布するには、銃による静電スプレーのような通常の粉末塗布方法を、必要に応じて使用し得る。
しかしながら、本発明の好ましい変法によれば、米国特許第4,795,339号、米国特許第5,279,863号またはBE 9800367号の各文献に記載されている方法の1つのような連続操作での粉末塗装用に典型的に開発された方法を使用する。
本発明に従う粉末組成物の第1層をシートに塗布する前には、そのシートは脱脂しなければならない。
粉末組成物の層を塗布する前には、脱脂したシートを、必要に応じて、酸浸漬、不動態化、ニッケルメッキ等のような1つ以上の表面処理に供することもできる。
一般的には、脱脂シートをリン酸化処理、例えば、鉄を使用する非晶質リン酸化に供することが有利であり十分でもある。
シートに塗布した上記粉末組成物の層を加熱してこの層中の熱硬化性樹脂を架橋させるのは、このシートを1基以上の熱風炉に通すことによって達成し得る。
しかしながら、有利な実施態様によれば、この加熱は、上記シートを1基以上の誘導炉に通すことによって達成し得る。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法である。この方法によれば、
‐上述の方法(またはその方法の変法の1つ)に従い、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物(架橋させた)でコーティングしたシートを製造し;
‐上記架橋組成物でコーティングしたシートを、製造すべき上記物品の形に二次成形し;
‐二次成形した物品を上記架橋ポリマーの完全熱分解を得るのに適した条件下で養生し、その温度を、この熱分解養生中、上記組成物中に含有させたフリットのガラス化温度よりも低く維持し;
‐その後、上記物品の養生を、上記温度を適切な温度まで上昇させることによって続行して上記エナメルのガラス化を達成し;そして、
‐エナメル塗装した二次成形品を冷却する。
上記架橋組成物でコーティングしたシートの二次成形の後、この成形品を養生して架橋ポリマーを熱分解させる前に、粉末エナメルフリットの層を、必要に応じて、上記二次成形品の少なくとも1面に塗布し得る。
二次成形されガラス化エナメルで被覆されたシートから製造する物品を本発明に従う方法に従って製造する場合、エナメルのさらなる層をこの物品の2つの面の少なくとも1面に塗布し得る。
これは、粉末エナメルフリットの層をこの物品の2つの面の少なくとも1面に塗布し(例えば、銃による静電スプレーにより)、その後、このエナメルフリットで被覆した物品を、その温度を適切な温度に上昇させることによって養生してこのエナメルフリットの層のガラス化を達成し、その後、そのようにして製造したエナメル塗装二次成形品を冷却することによって実施することができる。
【0014】
エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法においては、上記架橋組成物でコーティングしたシートの二次成形は、シート類の通常の二次成形法により、とりわけ、延伸および/またはメッキおよび/または折曲げによって実施し得る。
二次成形品の養生に関しては、ガラス化相が熱分解相から分離していることが重要である。事実、熱分解をエナメルフリットのガラス転移温度よりも低い温度で終えることが必要である。この目的のためには、温度上昇プロフィールにおいて、熱分解をエナメルフリット出発物のガラス化なしで完了し得る温度(例えば、400℃〜500℃)での工程(例えば、15〜60秒の所要時間)を必要に応じて使用し得る。この工程に相応する養生炉内または養生炉の領域においては酸化性雰囲気を維持して炭素質物質の燃焼を容易にすることが必要である。
上記の説明から理解し得るように、エナメル塗装二次成形品製造のための本発明に従う方法は、多くの変法の形で存在し得る。
エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法の全体を、1ヶ所即ち同じ場所(例えば、同じ作業場または同じ工場)において実施し得る。しかしながら、多くの場合、この方法の連続工程は、少なくとも2つの異なる場所において実施する。従って、例えば、この方法の開始、即ち、前記の架橋したエナメル塗装組成物でコーティングしたシート(二次成形していない)の製造は、圧延ミル下流の鉄鋼作業場内またはその近くで有利に実施し得る。
その後、このようにして架橋組成物でコーティングしたシートは、使用者(例えば、家庭用品または衛生器具の製造業者)に搬送され(積重ねプレートの形またはリール上で)、この使用者が、二次成形されガラス化エナメルで被覆された金属シートからの成形品を得るまで、上記コーティングシートの二次成形以降の過程を完了させるであろう。
【0015】
本発明に従う方法においては、エナメルは、シートに1層以上で塗布し得る。
大多数の場合、エナメルは、2層、即ち、“基礎コート”層と“カバーコート”層で塗布する。しかしながら、エナメルは、必要に応じて、2層よりも多く、例えば、3層、即ち、最初の2層の“基礎コート”層と最終の“カバーコート”層で塗布し得る。
第1層(基礎コートエナメルに相当する)は、平坦シートに、本発明に従う粉末組成物の形で、従って、二次成形前に常に塗布する。
本発明に従う粉末組成物の第2層は、基礎コートエナメルまたはカバーコートエナメルのいずれかに相当し得、第1層の架橋硬化後二次成形前に、必要に応じて塗布し得る。平坦シートによって担持されたこの第2層は、その後、引き続き、この層が含有する熱硬化性樹脂を架橋させ得る温度と時間長で加熱しなければならない。
上記シートの二次成形後、エナメルのさらなる層を、二次成形前に塗布した層(1層以上)のポリマーの熱分解およびエナメルのガラス化のための養生の前または後に、必要に応じて塗布し得る。二次成形後に塗布した存在し得るいずれのさらなる層も単なるエナメルフリットの層からなっていることに留意することが重要である。何故ならば、操作のこの段階においては、二次成形がすでに起っているので、本発明に従う粉末組成物を使用する理由がもはや何ら存在しないからである。
【発明の効果】
【0016】
伝統的なエナメル塗装方法(事前成形品のエナメルフリットによるエナメル塗装)に比較して、本発明に従う方法は、シートを使用者(エナメル塗装業者)の施設内ではもはや予備処理する必要がないという利点をとりわけ有する。しかも、平坦シートへのエナメル塗装用組成物の塗布は、すでに二次成形された物品へのエナメルフリットの塗布よりもはるかに容易で迅速である。本発明に従う方法においては、エナメル塗装用組成物の塗布は連続操作で実施でき、極めて良好な精度のエナメル層厚を得るのをとりわけ可能にする。
また、本発明に従う方法は、ポリマーバインダー中の懸濁液中にエナメルフリットを含む液体組成物のシートへの塗布を必要とする方法に比較して、重要な利点も提供する。
本発明に従う方法の1つの明白な利点は、本発明のエナメル塗装用組成物が溶媒を何ら含有していないという事実から直接得られる。有機溶媒を含有する液体組成物を使用する公知の早期の方法においては、大量の溶媒(コーティング表面m2当りおよそ50 ml〜100 mlの溶媒)を蒸発させ焼却しなければならない。
さらにまた、粉末組成物を使用することにより、より厚めの組成物を、液体組成物を使用するよりも塗布することができる。液体組成物においては、2層の組成物を塗布して(架橋硬化の後毎に)、ガラス化養生後の十分な厚さのガラス化エナメルを得ることをしばしば必要とする。本発明に従う粉末組成物においては、この結果は、単一層の組成物をシートに塗布するだけで達成し得る。
また、本発明に従う粉末組成物の製造は、液体エナメル塗装用組成物の製造よりも容易であり、組成物中への分散剤、沈降防止剤または発泡防止剤の混入も必要としない。
また、本発明に従う粉末組成物のエナメルフリット含有量も、液体エナメル塗装用組成物のエナメルフリット含有量よりも実質的に高くあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の他の特定の特徴および利点は、非限定的な実施例によって以下に説明する4つの各種実施態様から明らかとなろう。
【実施例】
【0018】
実施例 1 、 2 、 3 および 4
これらの 4 つの実施例において使用した製品類
シート:
4つの実施例の各々において、使用したシートは、DC04EKタイプの冷間圧延スチールシート(European Standard EN 10209)である。このタイプのスチールの選択は何ら臨界的ではないことおよび多くの他の等級のスチール(例えば、DC01EKまたはDC06EKタイプのスチール類)も使用し得ることに留意すべきである。実施例1、2および3においては、このシートは0.80 mmの厚さを有する。実施例4においては、このシートは0.45 mmの厚さを有する。
樹脂:
4つの実施例において、各エナメル塗装用組成物は、熱硬化性樹脂として、下記のように配合した粉末樹脂を含有する。この樹脂の各構成成分の割合を、配合樹脂の総質量に対する質量%として示す:
90.88% カルボキシ末端を有する市販ポリエステル樹脂;UCB社からのCrylcoat 441R;
6.84% 架橋剤:TGIC (トリグリシジルイソシアヌレート):Ciba-Geigy社からのAraldite PT 810R;
0.08% 触媒:ハロゲン化ホスホニウム群から選択;
1.63% 展着剤:シリカに吸着させた液体アクリル樹脂:Worlee社からのResiflow PV5;
0.57% 脱ガス剤:ベンゾイン。
エナメルフリット:
基礎コートエナメルフリット:PEMCO社からのタイプGR。
このエナメルフリットは、6〜10容量%が40μmのふるいによるふるい掛け(EN 10209)後に通過し得ないように微細に粉砕されている。
【0019】
エナメル塗装二次成形品の製造
1. スチールシート基体の製造
スチールシートを、アルカリ性脱脂(Chemetall社からのParcolene 305CR市販溶液による)、脱塩水による洗浄、および鉄を使用しての非晶質リン酸化(Chemetall社からのBonderite 901R市販溶液による)に供する。
2. エナメル塗装用組成物の製造
上記ポリエステル樹脂を、各添加剤(架橋剤、触媒、展着剤、脱ガス剤、および必要に応じての潤滑剤)およびエナメルフリット(微粉末形)と、下記に示す割合(組成物の総質量に対する質量%)で乾式混合する:
実施例3に従う組成物の1部を構成する潤滑剤は、ポリエチレンワックスである。
【0020】
その後、この混合物を、先ず上記樹脂と各添加剤の融解まで加熱している加熱押出機内に移す(エナメルフリットの過程は除く)。この押出機において、組成物を可塑化させ、各成分の完全均質性を得るように混合し、次いで、押出す。
押出機の出口において、ペースト状生成物を、薄いシートを得るのを可能にする2本の冷却シリンダー間でロール掛けする。このシートを冷却コンベヤーベルトにより移送し、混合物の温度を低下させて混合物を固化させる。その後、固形材料を破砕してチップとする。次いで、これらのチップをグランダー/スクリーン内で微細に粉砕し、均質物をふるい掛けする。
得られた微粉末は、下記の特性を有する:
300 g/m2の付着物により、80質量%のエナメルフリットを含有する組成物(実施例2、3および4)においては、架橋硬化後に、約250μmの厚さを得ることができる。
この250μmの厚さは、有機物の完全熱分解およびエナメルフリットのガラス化後に、およそ100μmに低下する。
【0021】
3. エナメル塗装用組成物の基体への塗布
実施例1、2および3においては、エナメル塗装用組成物を、実験室において、基体の1面に、“Corona”Rタイプの静電銃により、300 g/m2のコーティングが得られるまで塗布する。
実施例4においては、エナメル塗装用組成物を、準工業ラインにおいて、基体の1面に、BE 9800367号文献に記載されている連続粉塵法により塗布する。ここでも、300 g/m2のコーティングを得る。
4. コーティングの架橋
実施例1、2および3においては、架橋硬化は、330℃に上昇させた熱風炉内で100秒間実施する。この架橋硬化中にシートで達成された最高温度は250℃である。
実施例4においては、架橋硬化は、図1に示す温度プロフィールに従い、1連の誘導炉にコーティングしたスチール品を通すことによって実施する。この架橋硬化中にシートで達成された最高温度は250℃であり;この温度での保持時間はおよそ24秒である。
5. 二次成形
4つの実施例の各々において、各平坦サンプルを延伸または折重ね加工して後述する評価試験を実施できるようにする。
6. 熱分解養生 - ガラス化養生
4つの実施例の各々において、架橋組成物でコーティングした各平坦サンプルおよび各二次成形サンプルを、周囲雰囲気下のトンネル炉に通す。このトンネル炉は、排煙手段を備えている。この養生中の熱プロフィールを図2のグラフに示す。
およそ450℃までの養生により、コーティングの有機構成成分(樹脂および他の有機構成成分)を熱分解させることができる。この450℃の温度において、約30秒間の行程を温度上昇プロフィール中に設け、温度を再び上昇させる前に熱分解を終えるようにする。
エナメルフリットのガラス化においては、温度はおよそ850℃まで上昇する。この850℃の最高温度を約1分間維持する。
【0022】
評価試験
評価試験は、エナメル塗装二次成形品製造の種々の段階において、サンプルによって実施した。これらの試験を以下に定義し、これらの試験の結果(4つの実施例の各サンプルにおける)を下記の表に示す。
1. 製造後のエナメル塗装用組成物について実施した試験:粉末の粒度分布曲線。粉末の粒度分布曲線をCoulterRタイプの装置で測定する。下記の結果表に示している値は、この曲線の頂部で取った値である。
2. 架橋エナメル組成物でコーティングしたシートについて実施した試験:
2.1 コーティング表面の摩擦特性:
コーティング表面の摩擦係数を、いわゆる“進行摩擦”法に従って測定する。この方法は、移動キャリッジと道具間に保持させたサンプルを、300 kgから600 kgに締付け力を増大させるのに対して、0.2 m/分の一定速度で移動させるのに必要な力を測定することからなる。摩擦係数は、牽引力と締付け力間の比である。摩擦係数は、使用する締付け力間においては、概して安定である。
2.2 コーティングのクラッキングと剥離に対する抵抗性:
2.2.1 折重ね後(International Standard ISO 1519による):円錐形の単純180°曲げを実施する;最低曲げ半径は0 mmである。得られた結果を、曲げ半径対シート厚の比である“T”で示す。“T”値は、コーティングのクラッキングまたは折重ね領域内での付着性の喪失が観察される限界を決定し得る。
2.2.2 エリクセン(Erichsen)試験装置による 7 mm深絞り(International Standard ISO 1520による):コーティングを裸眼で検査し、あり得るクラッキングまたは付着性の喪失を検出する。
2.2.3 耐衝撃性試験中の急速変形後(規格ECCA T5 (European Coil Coating Association)による):a)クラッキングとb)付着性の喪失が観察されなかった衝撃エネルギーの最高値を記録する(kg.cmに換算したinch.poundで)。
【0023】
2.3 “クレメン(Clemen)”法による引掻き抵抗性(International Standard ISO 1518による):ニードルをコーティングに通して金属に達せしめる最適荷重を記録する(gで)。
2.4 グリッド試験後の付着性の測定(International Standard ISO 2409による):1連の縦方向引掻きを2 mmの間隔で付ける。次いで、接着テープを引掻き領域に貼り、その後、このテープを引き剥がす。あり得るコーティングの剥離を、値0 (切込み端部が完全にスムーズであり;グリッド面での剥離はない)〜値4 (コーティングは広いストリップにおいては切込み端部に沿って剥離するようになり、および/または幾らかの面積が部分的にまたは全体的に剥離するようになる。確実に35%以上およそ65%までの表面積が影響を受ける)で示す。
2.5 耐溶媒性:コーティングの架橋度を特性決定するのを可能にする。メチルエチルケトンを含浸させた脱脂綿で、コーティング表面を20回の前後方移動を与えることによってこする。このこすりを受けたコーティングのあり得る劣化を観察する。
【0024】
3. ガラス化養生後のエナメル塗装シートについて実施した試験:
3.1 表面外観:欠陥の存在または不存在の目視検査。
3.2 “フィッシュスケール”の存在:水分の存在下でのエナメルでコーティングしたスチールの高温加熱は、鉄の酸化と原子状水素(H)の発生を引起す。この水素は、その溶解性増大の結果としてスチールに浸透する。ガラス化エナメルの層は、急速に固化して、この水素をスチール中に捕捉させる。常温に戻した後、溶解性の低下により、金属中での水素(H)の飽和が生ずる。水素の拡散性は周囲温度において高いままであるので、水素は、スチール中に、とりわけ、エナメル-スチール界面において、全くの“不完全性”でもって分子形(H2)で集積する。ガス(H2)の圧力が局所的に高くなり過ぎる場合、模型用粘土における指の爪跡に類似した半円形の不連続性、いわゆる“フィッシュスケール”がエナメル中に生ずる。
3.3 耐衝撃性試験後のエナメルの基体に対する付着性(European Standard EN 10209による):試験すべきシートの厚さ(最低厚 0.6 mm)の関数である、ある高さから落下する1.5 kgの質量によるエナメル塗装シートの急速変形。その後、エナメルの付着性を、試験エナメル塗装シート上で受けた衝撃の外観と参照写真を比較することによって評価する。格付けは、衝撃表面が完全にエナメルで被覆されている“1”(優れた付着性)から衝撃表面が完全に裸(スチール)である、即ち、エナメル/スチールの破壊(execution)が明白である“5”(貧弱な付着性)までの5段階で得られる。この試験は、シートが0.45 mmの厚さを有する実施例4のサンプルにおいては実施しなかった。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従うエナメル塗装用組成物の誘導炉における架橋硬化の熱プロフィールを示すグラフである。
【図2】本発明に従う架橋組成物でコーティングしたシートサンプルの熱分解養生-ガラス化養生の温度プロフィールを示すグラフである。
【0001】
本発明は、エナメル塗装用組成物、およびエナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エナメル塗装シートから二次成形した物品の伝統的な製造方法は、主として、下記の各操作を含む:
‐平坦シート品を二次成形する(延伸および/または折重ねおよび/または折曲げ等による);
‐二次成形シートを脱脂し、酸浸漬し、必要に応じて、他の表面処理(リン酸化、ニッケルメッキ等のような)に供する;
‐粉末エナメルフリットの層をそのようにして製造したシート品に塗布する(例えば、静電銃による);
‐このようにしてコーティングした物品を、エナメルフリットのガラス化を生じさせるために養生する。
そのような伝統的な方法は、ある種の欠点を有する。先ず、この方法は、必然的に、二次成形シート品の予備処理(脱脂、酸処理、リン酸化等)をエナメル塗装業者の屋内で必要とすることに留意すべきである。しかしながら、平坦シートの予備処理の方が比較的簡単で迅速な操作であり連続操作において実施し得るのに対し、シートの二次成形品の予備処理は、実質的により複雑でより遅いものとなる。さらにまた、現在の方法によっては、平坦シートへのエナメル塗装用組成物の塗布は連続操作で且つ極めて一貫して(従って、優れた精度のエナメル層厚でもって)迅速に実施し得るのに対し、シートの二次成形品へのエナメル塗装用組成物の塗布は、必然的により遅くより複雑で且つ同一精度のエナメル層厚を得ることのできない操作である。
【0003】
上記伝統的エナメル塗装方法の欠点を改善する試みは、すでになされている。
下記の工程を含むエナメル塗装シートから形成させた物品の製造方法がある(特許文献1参照):
‐二次成形前に、ポリマーバインダーの溶液中に分散させたエナメルフリットを含む組成物の層をスチールシートに塗布し(ロールにより)、次いで、この層を乾燥(溶媒の蒸発)および/または硬化させる;
‐必要に応じて、そのような組成物の第2層を塗布し、これを順次乾燥および/または硬化させる;
‐その後、このコーティングしたシートを、製造すべき物品の形に二次成形する;
‐その後、上記コーティングし二次成形したシート品を560℃〜850℃の温度で養生して、上記ポリマーバインダーを燃焼させ且つエナメルフリットをガラス化させる。
上記方法は、早期の公知エナメル塗装方法に比較して、ある種の利点を提供している。とりわけ、この新規方法は、エナメル塗装用組成物を事前成形シートに対してではなく平坦シートに対して塗布することを可能にしている。
そのようにしてコーティングした平坦シートは、エナメル塗装業者に供給することができ;シートは、もはや、エナメル塗装業者の業務において予備処理する必要はない。
しかしながら、上記方法は、液体エナメル塗装組成物の平坦シートへの塗布後、大量の溶媒を蒸発させ焼却しなければならないことが必須である。この文献に記載されたエナメル塗装組成物中に含有させたポリマーバインダーは、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性樹脂であり得る。熱可塑性ポリマーを含有する組成物によって得られたコーティング(ガラス化養生前)は、かなり安定ではない(とりわけ、そのコーティングは溶媒にも耐性ではない)。従って、より安定であり二次成形操作にもより良好に耐えるコーティングを得るのを可能にする熱硬化性樹脂を含有する組成物が優先される。しかしながら、上記方法に詳細に記載されている熱硬化性樹脂系の液体エナメル塗装用組成物は周囲温度での安定性を欠いており、組成物中に溶解させた熱硬化性樹脂の各構成成分が周囲温度においてさえも互いに反応する性向を有して、粘度変化をもたらし、塗布条件の頻繁な適正化を、とりわけロールによってコーティングする場合に必要とする。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5,325,580号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、早期方法のこれらの欠点を有しないエナメル塗装方法を提案することである。
本発明の目的は、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含むエナメル塗装用組成物であり、この組成物は、上記樹脂用の溶媒を含有しない物質の形の粉末からなる。
上述の組成物の定義においては、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を生成させる構成成分は“溶媒”とは明らかにみなされ得ないことに留意すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う組成物は、基本的に、溶媒を含有しない。“溶媒を含有しない物質の形”なる表現は、本明細書においては、その組成物が、それにもかかわらず、極めて低量の溶媒含有量を有し得るという事実を考慮するために使用する。その極めて低量の溶媒含有量は、例えば、溶媒が熱硬化性樹脂中またはその構成成分のどれか中に少量含有される、即ち、痕跡量で存在するという事実に基づき得る。
有利な実施態様によれば、上記熱硬化性樹脂は、下記を含む:
‐1種以上の架橋性ポリマー;
‐上記1種以上の架橋性ポリマーを架橋させるのに十分な量の、上記1種以上の架橋性ポリマーの架橋を生じさせ得る1種以上の架橋剤;
‐上記1種以上の架橋性ポリマーと上記1種以上の架橋剤間の架橋反応を触媒作用するのに十分な量の1種以上の触媒。
上記組成物に含有させる熱硬化性樹脂は、とりわけ、粉末塗料組成物において通常使用される熱硬化性樹脂の中から選択し得る。
これらの樹脂中に含ませる架橋性ポリマーは、とりわけ、エポキシ、ポリエステルおよびアクリルタイプの架橋性ポリマー類の中から選択し得る。
上記架橋性ポリマーの反応基との反応によって架橋を生じさせなければならない架橋剤(即ち、“硬化剤”)は、明らかに、架橋させるポリマーに従って、より詳細には、そのポリマーの反応基の性質に従って、公知の方法で選択すべきである。また、上記架橋性ポリマーと架橋剤との比も、使用するこれら物質の性質および所望する架橋度に従って、公知の方法で選択すべきである。
【0007】
また、組成物の1部を構成する1種以上の触媒も、これら触媒が上記物質間の反応を触媒作用することから、明らかに、組成物中に含ませた架橋性ポリマーと架橋剤に従って選択すべきである。
上記1種以上の架橋性ポリマー、上記1種以上の架橋剤および上記1種以上の触媒、並びにこれら構成成分間の比は、架橋反応が組成物の製造(以下で説明する)中には殆ど生ずることなく、組成物の使用において架橋を生じさせたいときにはこの架橋が迅速且つ十分であるように選択しなければならない。
上記熱硬化性樹脂は、有利には、少なくとも1種の展着剤も含み得る。これらの展着剤は、シート上に形成させる融解フィルムの良好な展着および良好な外観を得るのに寄与し、とりわけ、粉末塗料分野における公知の展着剤の中から選択し得る。これらの展着剤は、とりわけポリアクリレート系であり得る。
上記熱硬化性樹脂は、有利には、架橋操作中に生成した揮発性生成物を運び去ることのできる少なくとも1種の脱ガス剤も含み得る。脱ガス剤は、“ピンホール”のような欠陥の形成を回避し得るものであり、とりわけ、粉末塗料分野における公知の脱ガス剤の中から選択し得、例えば、ベンゾインからなり得る。
本発明の特定の実施態様によれば、上記組成物は、少なくとも1種の潤滑剤も含む。潤滑剤は、とりわけ、ポリエチレンワックス類、酸化ポリエチレンワックス類、およびエチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸との低分子量コポリマー類の中から選択し得る。組成物中に少量の(例えば、1質量%程度の)そのような潤滑剤を混入させることは、本発明に従う組成物から出発して得られる架橋フィルムでコーティングしたシートの二次成形を容易にする。本発明の組成物におけるそのような潤滑剤の存在は、シートの二次成形が大きな変形を必要とする場合(例えば、深絞り成形による二次成形中)に、そのような架橋フィルムの劣化リスクを低減するのにとりわけ有用であり得る。
【0008】
本発明に従う組成物は、組成物の総質量に対し、有利には少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも70質量%のエナメルフリットを含有する。
本発明の組成物に含ませるエナメルフリットとしては、裸シートの二次成形後にエナメルの塗装を実施するときのスチールシート上へのエナメル塗装として通常使用されるエナメルフリットのどれかを使用し得る。
通常の方法によるシート類のエナメル塗装においては、第1タイプのエナメルフリットを一般に使用して、金属と接触させて塗布する第1の接着層の形成を意図する“基礎コートエナメル”と称されるベースエナメルを形成させていることに留意すべきである。その後、第2タイプのエナメルフリットを使用して、一般に不透明、白色または着色されている最終のエナメル層(即ち、“カバーコートエナメル”)を形成させている。これらのタイプのエナメルフリットのどれかを使用して、その組成物をエナメルの第1層または第2層のどちらを形成させるのに使用したいかに応じて、本発明に従う組成物を製造し得る。
【0009】
下記の各表は、例として、一般的なフリット組成物を示す:
【0010】
本発明の組成物に含ませるエナメルフリットは、10容量%未満(例えば、6%〜10%)が40μmふるいによるふるい掛け(EN 10209に従う)後に通過し得ないような粒度分布を有する。
本発明に従う組成物は、全体として、微粉末からなっていなければならず、CoulterRタイプの装置で測定したその粒度分布曲線の最大値は、有利には100μm以下、好ましくは80μm以下である。
本発明のもう1つの目的は、上述したようなエナメル塗装用組成物の製造方法、即ち、下記による方法である:
‐粉末形のエナメルフリットと粉末または粒状形の熱硬化性樹脂を混合すること;
‐この混合物を、前記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高いが架橋温度よりも低い温度で加熱し可塑化させること;
‐その後、そのようにして可塑化させた熱混合物を、前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度よりも低く冷却すること;および、
‐その後、そのようにして冷却し固化させた混合物を粉末に転化させること。
本発明の組成物の構成成分の熱可塑化の目的は、上記樹脂中でのエナメルフリットの微細で一貫した分散体、即ち、エナメル粉末の粒子が上記樹脂中でコーティングされている分散体を得ることである。
混合物の可塑化は、上記熱硬化性樹脂を十分に流動化させてこの樹脂中でのエナメルフリットの良好な分散体が得られるが架橋は全く或いは殆ど生じないような温度で実施しなければならない。ある種の組成物においては、この可塑化は、例えば、架橋反応が180℃よりも高いときのみに明らかに生ずる場合には、130℃〜140℃の温度で実施する。
上記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高い温度での混合物の加熱および可塑化は、加熱した押出機内で有利に実施し得る。
【0011】
特定の実施態様によれば、上記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高い温度で加熱し可塑化させた混合物は、冷却シリンダー間でロール掛けし、その後、そのようにして得た冷却シートを破砕および粉砕によって粉末とする。
本発明のもう1つの目的は、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物でコーティングしたシートの製造方法である。この方法によれば、上述したような粉末エナメル塗装組成物の層をシートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、次いで、この層を上記組成物中に含有させた熱硬化性樹脂を架橋させ得る温度と時間長で加熱する。
この加熱の作用下において、粉末組成物の層は、流動化し連続フィルムに転化し、加熱を続行させることにより、上記組成物中に含有させた樹脂の架橋を生じさせる。
上記粉末組成物の層を上記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布した後、この層中の上記熱硬化性樹脂の架橋を生じさせた後に、必要に応じて、本発明に従う粉末組成物のさらなる層を上記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、その後、このさらなる層を、このさらなる層の上記熱硬化性樹脂を架橋するのを可能にする温度と時間長で加熱することができる。
本発明の方法は、多くの変法に従って実施し得ることを理解すべきである。これら変法の1つによれば、先ず、裸シートの2つの面に“基礎コート”エナメルフリットを含有する本発明に従う粉末エナメル塗装用組成物の層を塗布し、次いで、この層を加熱して架橋を生じさせる。その後、そのシートの2つの面の1面に“カバーコート”エナメルフリットを含有する本発明に従う粉末組成物のさらなる層を塗布し、次いで、この層を加熱してその架橋を起させる。
【0012】
粉末組成物の層(1層以上)は、好ましくは、静電塗装によってシート上に付着させる。
この粉末組成物を連続操作においてシート品に塗布するには、銃による静電スプレーのような通常の粉末塗布方法を、必要に応じて使用し得る。
しかしながら、本発明の好ましい変法によれば、米国特許第4,795,339号、米国特許第5,279,863号またはBE 9800367号の各文献に記載されている方法の1つのような連続操作での粉末塗装用に典型的に開発された方法を使用する。
本発明に従う粉末組成物の第1層をシートに塗布する前には、そのシートは脱脂しなければならない。
粉末組成物の層を塗布する前には、脱脂したシートを、必要に応じて、酸浸漬、不動態化、ニッケルメッキ等のような1つ以上の表面処理に供することもできる。
一般的には、脱脂シートをリン酸化処理、例えば、鉄を使用する非晶質リン酸化に供することが有利であり十分でもある。
シートに塗布した上記粉末組成物の層を加熱してこの層中の熱硬化性樹脂を架橋させるのは、このシートを1基以上の熱風炉に通すことによって達成し得る。
しかしながら、有利な実施態様によれば、この加熱は、上記シートを1基以上の誘導炉に通すことによって達成し得る。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法である。この方法によれば、
‐上述の方法(またはその方法の変法の1つ)に従い、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物(架橋させた)でコーティングしたシートを製造し;
‐上記架橋組成物でコーティングしたシートを、製造すべき上記物品の形に二次成形し;
‐二次成形した物品を上記架橋ポリマーの完全熱分解を得るのに適した条件下で養生し、その温度を、この熱分解養生中、上記組成物中に含有させたフリットのガラス化温度よりも低く維持し;
‐その後、上記物品の養生を、上記温度を適切な温度まで上昇させることによって続行して上記エナメルのガラス化を達成し;そして、
‐エナメル塗装した二次成形品を冷却する。
上記架橋組成物でコーティングしたシートの二次成形の後、この成形品を養生して架橋ポリマーを熱分解させる前に、粉末エナメルフリットの層を、必要に応じて、上記二次成形品の少なくとも1面に塗布し得る。
二次成形されガラス化エナメルで被覆されたシートから製造する物品を本発明に従う方法に従って製造する場合、エナメルのさらなる層をこの物品の2つの面の少なくとも1面に塗布し得る。
これは、粉末エナメルフリットの層をこの物品の2つの面の少なくとも1面に塗布し(例えば、銃による静電スプレーにより)、その後、このエナメルフリットで被覆した物品を、その温度を適切な温度に上昇させることによって養生してこのエナメルフリットの層のガラス化を達成し、その後、そのようにして製造したエナメル塗装二次成形品を冷却することによって実施することができる。
【0014】
エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法においては、上記架橋組成物でコーティングしたシートの二次成形は、シート類の通常の二次成形法により、とりわけ、延伸および/またはメッキおよび/または折曲げによって実施し得る。
二次成形品の養生に関しては、ガラス化相が熱分解相から分離していることが重要である。事実、熱分解をエナメルフリットのガラス転移温度よりも低い温度で終えることが必要である。この目的のためには、温度上昇プロフィールにおいて、熱分解をエナメルフリット出発物のガラス化なしで完了し得る温度(例えば、400℃〜500℃)での工程(例えば、15〜60秒の所要時間)を必要に応じて使用し得る。この工程に相応する養生炉内または養生炉の領域においては酸化性雰囲気を維持して炭素質物質の燃焼を容易にすることが必要である。
上記の説明から理解し得るように、エナメル塗装二次成形品製造のための本発明に従う方法は、多くの変法の形で存在し得る。
エナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法の全体を、1ヶ所即ち同じ場所(例えば、同じ作業場または同じ工場)において実施し得る。しかしながら、多くの場合、この方法の連続工程は、少なくとも2つの異なる場所において実施する。従って、例えば、この方法の開始、即ち、前記の架橋したエナメル塗装組成物でコーティングしたシート(二次成形していない)の製造は、圧延ミル下流の鉄鋼作業場内またはその近くで有利に実施し得る。
その後、このようにして架橋組成物でコーティングしたシートは、使用者(例えば、家庭用品または衛生器具の製造業者)に搬送され(積重ねプレートの形またはリール上で)、この使用者が、二次成形されガラス化エナメルで被覆された金属シートからの成形品を得るまで、上記コーティングシートの二次成形以降の過程を完了させるであろう。
【0015】
本発明に従う方法においては、エナメルは、シートに1層以上で塗布し得る。
大多数の場合、エナメルは、2層、即ち、“基礎コート”層と“カバーコート”層で塗布する。しかしながら、エナメルは、必要に応じて、2層よりも多く、例えば、3層、即ち、最初の2層の“基礎コート”層と最終の“カバーコート”層で塗布し得る。
第1層(基礎コートエナメルに相当する)は、平坦シートに、本発明に従う粉末組成物の形で、従って、二次成形前に常に塗布する。
本発明に従う粉末組成物の第2層は、基礎コートエナメルまたはカバーコートエナメルのいずれかに相当し得、第1層の架橋硬化後二次成形前に、必要に応じて塗布し得る。平坦シートによって担持されたこの第2層は、その後、引き続き、この層が含有する熱硬化性樹脂を架橋させ得る温度と時間長で加熱しなければならない。
上記シートの二次成形後、エナメルのさらなる層を、二次成形前に塗布した層(1層以上)のポリマーの熱分解およびエナメルのガラス化のための養生の前または後に、必要に応じて塗布し得る。二次成形後に塗布した存在し得るいずれのさらなる層も単なるエナメルフリットの層からなっていることに留意することが重要である。何故ならば、操作のこの段階においては、二次成形がすでに起っているので、本発明に従う粉末組成物を使用する理由がもはや何ら存在しないからである。
【発明の効果】
【0016】
伝統的なエナメル塗装方法(事前成形品のエナメルフリットによるエナメル塗装)に比較して、本発明に従う方法は、シートを使用者(エナメル塗装業者)の施設内ではもはや予備処理する必要がないという利点をとりわけ有する。しかも、平坦シートへのエナメル塗装用組成物の塗布は、すでに二次成形された物品へのエナメルフリットの塗布よりもはるかに容易で迅速である。本発明に従う方法においては、エナメル塗装用組成物の塗布は連続操作で実施でき、極めて良好な精度のエナメル層厚を得るのをとりわけ可能にする。
また、本発明に従う方法は、ポリマーバインダー中の懸濁液中にエナメルフリットを含む液体組成物のシートへの塗布を必要とする方法に比較して、重要な利点も提供する。
本発明に従う方法の1つの明白な利点は、本発明のエナメル塗装用組成物が溶媒を何ら含有していないという事実から直接得られる。有機溶媒を含有する液体組成物を使用する公知の早期の方法においては、大量の溶媒(コーティング表面m2当りおよそ50 ml〜100 mlの溶媒)を蒸発させ焼却しなければならない。
さらにまた、粉末組成物を使用することにより、より厚めの組成物を、液体組成物を使用するよりも塗布することができる。液体組成物においては、2層の組成物を塗布して(架橋硬化の後毎に)、ガラス化養生後の十分な厚さのガラス化エナメルを得ることをしばしば必要とする。本発明に従う粉末組成物においては、この結果は、単一層の組成物をシートに塗布するだけで達成し得る。
また、本発明に従う粉末組成物の製造は、液体エナメル塗装用組成物の製造よりも容易であり、組成物中への分散剤、沈降防止剤または発泡防止剤の混入も必要としない。
また、本発明に従う粉末組成物のエナメルフリット含有量も、液体エナメル塗装用組成物のエナメルフリット含有量よりも実質的に高くあり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の他の特定の特徴および利点は、非限定的な実施例によって以下に説明する4つの各種実施態様から明らかとなろう。
【実施例】
【0018】
実施例 1 、 2 、 3 および 4
これらの 4 つの実施例において使用した製品類
シート:
4つの実施例の各々において、使用したシートは、DC04EKタイプの冷間圧延スチールシート(European Standard EN 10209)である。このタイプのスチールの選択は何ら臨界的ではないことおよび多くの他の等級のスチール(例えば、DC01EKまたはDC06EKタイプのスチール類)も使用し得ることに留意すべきである。実施例1、2および3においては、このシートは0.80 mmの厚さを有する。実施例4においては、このシートは0.45 mmの厚さを有する。
樹脂:
4つの実施例において、各エナメル塗装用組成物は、熱硬化性樹脂として、下記のように配合した粉末樹脂を含有する。この樹脂の各構成成分の割合を、配合樹脂の総質量に対する質量%として示す:
90.88% カルボキシ末端を有する市販ポリエステル樹脂;UCB社からのCrylcoat 441R;
6.84% 架橋剤:TGIC (トリグリシジルイソシアヌレート):Ciba-Geigy社からのAraldite PT 810R;
0.08% 触媒:ハロゲン化ホスホニウム群から選択;
1.63% 展着剤:シリカに吸着させた液体アクリル樹脂:Worlee社からのResiflow PV5;
0.57% 脱ガス剤:ベンゾイン。
エナメルフリット:
基礎コートエナメルフリット:PEMCO社からのタイプGR。
このエナメルフリットは、6〜10容量%が40μmのふるいによるふるい掛け(EN 10209)後に通過し得ないように微細に粉砕されている。
【0019】
エナメル塗装二次成形品の製造
1. スチールシート基体の製造
スチールシートを、アルカリ性脱脂(Chemetall社からのParcolene 305CR市販溶液による)、脱塩水による洗浄、および鉄を使用しての非晶質リン酸化(Chemetall社からのBonderite 901R市販溶液による)に供する。
2. エナメル塗装用組成物の製造
上記ポリエステル樹脂を、各添加剤(架橋剤、触媒、展着剤、脱ガス剤、および必要に応じての潤滑剤)およびエナメルフリット(微粉末形)と、下記に示す割合(組成物の総質量に対する質量%)で乾式混合する:
実施例3に従う組成物の1部を構成する潤滑剤は、ポリエチレンワックスである。
【0020】
その後、この混合物を、先ず上記樹脂と各添加剤の融解まで加熱している加熱押出機内に移す(エナメルフリットの過程は除く)。この押出機において、組成物を可塑化させ、各成分の完全均質性を得るように混合し、次いで、押出す。
押出機の出口において、ペースト状生成物を、薄いシートを得るのを可能にする2本の冷却シリンダー間でロール掛けする。このシートを冷却コンベヤーベルトにより移送し、混合物の温度を低下させて混合物を固化させる。その後、固形材料を破砕してチップとする。次いで、これらのチップをグランダー/スクリーン内で微細に粉砕し、均質物をふるい掛けする。
得られた微粉末は、下記の特性を有する:
300 g/m2の付着物により、80質量%のエナメルフリットを含有する組成物(実施例2、3および4)においては、架橋硬化後に、約250μmの厚さを得ることができる。
この250μmの厚さは、有機物の完全熱分解およびエナメルフリットのガラス化後に、およそ100μmに低下する。
【0021】
3. エナメル塗装用組成物の基体への塗布
実施例1、2および3においては、エナメル塗装用組成物を、実験室において、基体の1面に、“Corona”Rタイプの静電銃により、300 g/m2のコーティングが得られるまで塗布する。
実施例4においては、エナメル塗装用組成物を、準工業ラインにおいて、基体の1面に、BE 9800367号文献に記載されている連続粉塵法により塗布する。ここでも、300 g/m2のコーティングを得る。
4. コーティングの架橋
実施例1、2および3においては、架橋硬化は、330℃に上昇させた熱風炉内で100秒間実施する。この架橋硬化中にシートで達成された最高温度は250℃である。
実施例4においては、架橋硬化は、図1に示す温度プロフィールに従い、1連の誘導炉にコーティングしたスチール品を通すことによって実施する。この架橋硬化中にシートで達成された最高温度は250℃であり;この温度での保持時間はおよそ24秒である。
5. 二次成形
4つの実施例の各々において、各平坦サンプルを延伸または折重ね加工して後述する評価試験を実施できるようにする。
6. 熱分解養生 - ガラス化養生
4つの実施例の各々において、架橋組成物でコーティングした各平坦サンプルおよび各二次成形サンプルを、周囲雰囲気下のトンネル炉に通す。このトンネル炉は、排煙手段を備えている。この養生中の熱プロフィールを図2のグラフに示す。
およそ450℃までの養生により、コーティングの有機構成成分(樹脂および他の有機構成成分)を熱分解させることができる。この450℃の温度において、約30秒間の行程を温度上昇プロフィール中に設け、温度を再び上昇させる前に熱分解を終えるようにする。
エナメルフリットのガラス化においては、温度はおよそ850℃まで上昇する。この850℃の最高温度を約1分間維持する。
【0022】
評価試験
評価試験は、エナメル塗装二次成形品製造の種々の段階において、サンプルによって実施した。これらの試験を以下に定義し、これらの試験の結果(4つの実施例の各サンプルにおける)を下記の表に示す。
1. 製造後のエナメル塗装用組成物について実施した試験:粉末の粒度分布曲線。粉末の粒度分布曲線をCoulterRタイプの装置で測定する。下記の結果表に示している値は、この曲線の頂部で取った値である。
2. 架橋エナメル組成物でコーティングしたシートについて実施した試験:
2.1 コーティング表面の摩擦特性:
コーティング表面の摩擦係数を、いわゆる“進行摩擦”法に従って測定する。この方法は、移動キャリッジと道具間に保持させたサンプルを、300 kgから600 kgに締付け力を増大させるのに対して、0.2 m/分の一定速度で移動させるのに必要な力を測定することからなる。摩擦係数は、牽引力と締付け力間の比である。摩擦係数は、使用する締付け力間においては、概して安定である。
2.2 コーティングのクラッキングと剥離に対する抵抗性:
2.2.1 折重ね後(International Standard ISO 1519による):円錐形の単純180°曲げを実施する;最低曲げ半径は0 mmである。得られた結果を、曲げ半径対シート厚の比である“T”で示す。“T”値は、コーティングのクラッキングまたは折重ね領域内での付着性の喪失が観察される限界を決定し得る。
2.2.2 エリクセン(Erichsen)試験装置による 7 mm深絞り(International Standard ISO 1520による):コーティングを裸眼で検査し、あり得るクラッキングまたは付着性の喪失を検出する。
2.2.3 耐衝撃性試験中の急速変形後(規格ECCA T5 (European Coil Coating Association)による):a)クラッキングとb)付着性の喪失が観察されなかった衝撃エネルギーの最高値を記録する(kg.cmに換算したinch.poundで)。
【0023】
2.3 “クレメン(Clemen)”法による引掻き抵抗性(International Standard ISO 1518による):ニードルをコーティングに通して金属に達せしめる最適荷重を記録する(gで)。
2.4 グリッド試験後の付着性の測定(International Standard ISO 2409による):1連の縦方向引掻きを2 mmの間隔で付ける。次いで、接着テープを引掻き領域に貼り、その後、このテープを引き剥がす。あり得るコーティングの剥離を、値0 (切込み端部が完全にスムーズであり;グリッド面での剥離はない)〜値4 (コーティングは広いストリップにおいては切込み端部に沿って剥離するようになり、および/または幾らかの面積が部分的にまたは全体的に剥離するようになる。確実に35%以上およそ65%までの表面積が影響を受ける)で示す。
2.5 耐溶媒性:コーティングの架橋度を特性決定するのを可能にする。メチルエチルケトンを含浸させた脱脂綿で、コーティング表面を20回の前後方移動を与えることによってこする。このこすりを受けたコーティングのあり得る劣化を観察する。
【0024】
3. ガラス化養生後のエナメル塗装シートについて実施した試験:
3.1 表面外観:欠陥の存在または不存在の目視検査。
3.2 “フィッシュスケール”の存在:水分の存在下でのエナメルでコーティングしたスチールの高温加熱は、鉄の酸化と原子状水素(H)の発生を引起す。この水素は、その溶解性増大の結果としてスチールに浸透する。ガラス化エナメルの層は、急速に固化して、この水素をスチール中に捕捉させる。常温に戻した後、溶解性の低下により、金属中での水素(H)の飽和が生ずる。水素の拡散性は周囲温度において高いままであるので、水素は、スチール中に、とりわけ、エナメル-スチール界面において、全くの“不完全性”でもって分子形(H2)で集積する。ガス(H2)の圧力が局所的に高くなり過ぎる場合、模型用粘土における指の爪跡に類似した半円形の不連続性、いわゆる“フィッシュスケール”がエナメル中に生ずる。
3.3 耐衝撃性試験後のエナメルの基体に対する付着性(European Standard EN 10209による):試験すべきシートの厚さ(最低厚 0.6 mm)の関数である、ある高さから落下する1.5 kgの質量によるエナメル塗装シートの急速変形。その後、エナメルの付着性を、試験エナメル塗装シート上で受けた衝撃の外観と参照写真を比較することによって評価する。格付けは、衝撃表面が完全にエナメルで被覆されている“1”(優れた付着性)から衝撃表面が完全に裸(スチール)である、即ち、エナメル/スチールの破壊(execution)が明白である“5”(貧弱な付着性)までの5段階で得られる。この試験は、シートが0.45 mmの厚さを有する実施例4のサンプルにおいては実施しなかった。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に従うエナメル塗装用組成物の誘導炉における架橋硬化の熱プロフィールを示すグラフである。
【図2】本発明に従う架橋組成物でコーティングしたシートサンプルの熱分解養生-ガラス化養生の温度プロフィールを示すグラフである。
Claims (24)
- エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含むエナメル塗装用組成物であって、該組成物が、前記樹脂用の溶媒を含有しない物質の形の粉末からなることを特徴とする前記組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、
‐1種以上の架橋性ポリマー;
‐前記1種以上の架橋性ポリマーの架橋を生じ得る1種以上の架橋剤;
‐前記1種以上の架橋性ポリマーと前記1種以上の架橋剤間の架橋反応を触媒作用し得る1種以上の触媒;
を含む、請求項1記載の組成物。 - 前記1種以上の架橋性ポリマーが、エポキシ、ポリエステルおよびアクリルタイプの架橋性ポリマー類の中から選ばれる、請求項2記載の組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が少なくとも1種の展着剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が少なくとも1種の脱ガス剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物が少なくとも1種の潤滑剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物が、前記組成物の総質量に対して、少なくとも50質量%のエナメルフリットを含有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物が、前記組成物の総質量に対して、少なくとも70質量%のエナメルフリットを含有する、請求項7記載の組成物。
- 前記エナメルフリットが、10容量%未満が40μmのふるいで篩分けた後に通過し得ないような粒度分布を有する、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
- CoulterRタイプの装置で測定した前記組成物の粒度分布曲線の最大値が100μm以下である、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
- CoulterRタイプの装置で測定した前記組成物の粒度分布曲線の最大値が80μm以下である、請求項10記載の組成物。
- ‐粉末形のエナメルフリットと粉末または粒状形の熱硬化性樹脂を乾式混合すること;
‐この混合物を、前記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高いが架橋温度よりも低い温度で加熱し可塑化させること;
‐その後、そのようにして可塑化させた熱混合物を、前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度よりも低く冷却すること;
‐その後、そのようにして冷却し固化させた混合物を粉末に転化させること;
を特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のエナメル塗装用組成物の製造方法。 - 前記熱硬化性樹脂融解温度よりも高い温度での前記混合物の加熱と可塑化を、加熱した押出機内で実施する、請求項12記載の方法。
- 前記熱硬化性樹脂の融解温度よりも高い温度で加熱し可塑化させた前記混合物を冷却したシリンダー間でロール掛けし、その後、そのようにして得られた冷却シートを、破砕し粉砕することによって粉末に転化させる、請求項12または13のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載の粉末組成物の層を平坦物質のシートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、その後、この層を、前記熱硬化性樹脂の架橋を可能にする温度と時間長で加熱することを特徴とするエナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物でコーティングした平坦物質のシートの製造方法。
- 前記粉末組成物の層を前記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、そして、この層中の前記熱硬化性樹脂の架橋を生じさせた後に、請求項1〜11のいずれか1項記載の粉末組成物のさらなる層を前記シートの2つの面の少なくとも1面に塗布し、その後、このさらなる層を、このさらなる層の前記熱硬化性樹脂の架橋を可能にする温度と時間長で加熱する、請求項15記載の方法。
- 前記粉末組成物を、静電塗装によって前記シートに塗布する、請求項15または16のいずれか1項記載の方法。
- 前記粉末組成物の第1層を前記シートに塗布する前に、このシートを脱脂する、請求項15〜17のいずれか1項記載の方法。
- 前記粉末組成物の第1層を前記シートに塗布する前に、このシートをリン酸化する、請求項15〜18のいずれか1項記載の方法。
- 前記シートに塗布した前記粉末組成物層の層内の熱硬化性樹脂を架橋させるための加熱を、前記シートを1基以上の熱風炉内に通過せしめることによって得る、請求項15〜19のいずれか1項記載の方法。
- 前記シートに塗布した前記粉末組成物層の層内の熱硬化性樹脂を架橋させるための加熱を、前記シートを1基以上の誘導炉内に通過せしめることによって得る、請求項15〜20のいずれか1項記載の方法。
- ‐請求項15〜21のいずれか1項記載の方法に従い、平坦物質から製造したシートを作成し、エナメルフリットと熱硬化性樹脂を含有する組成物でコーティングすること;
‐前記架橋型組成物でコーティングしたシートを、製造すべき物品の形に二次成形すること;
‐二次成形した物品を、前記架橋型ポリマーの完全熱分解を得るのに適する条件下において養生すること、この熱分解養生中、その温度を前記組成物中に含有させたエナメルフリットのガラス化温度よりも低く維持すること;
‐前記物品の養生を、前記温度を前記エナメルのガラス化を得るための適切な温度まで上昇させることによって続行すること;
‐得られたエナメル塗装成形物品を冷却させること;
を特徴とするエナメル塗装シートから二次成形した物品の製造方法。 - 前記架橋型組成物でコーティングしたシートの二次成形後、前記架橋型ポリマーを熱分解させるための前記成形物品の養生前に、粉末エナメルフリットの層を前記成形物品の少なくとも1面に塗布する、請求項22記載の方法。
- 前記エナメル塗装二次成形品を冷却させた後、
‐粉末エナメルフリットの層をこの二次成形品の2つの面の少なくとも1面に塗布し;
‐この粉末フリット層で被覆した二次成形品を、その温度をこのエナメルフリット層のガラス化を得るための適切な温度に上昇させることによって養生し;そして、
‐このようにして製造したエナメル塗装二次成形品を冷却させる;
請求項22および23のいずれか1項記載の方法。
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