JP2004532171A - 二硼化マグネシウム超伝導材の合成 - Google Patents
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Abstract
二硼化マグネシウム材を類似形態の硼素材から製造する工程が提示される。硼素材を所定の時間および温度でマグネシウム蒸気と反応させ、硼素材の元の形態と類似の形態を有する二硼化マグネシウム材を形成する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には超伝導に関し、より詳細には二硼化マグネシウム超伝導材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導転移温度(TC)が略39ケルビン温度(39K)である二硼化マグネシウム(MgB2)の超伝導性が最近になって発見されたことにより、化学式単位当り3原子を含む新規で単純な2成分電子化合物超伝導体(binary intermatallic superconductor)がもたらされた。MgB2のTCは、これまで知られている二種類の非酸化物および非C60ベースの化合物のほとんどどれよりも高い。MgB2の硼素同位元素効果の測定結果は、フォノンが超伝導性を仲介する範囲を示すものであるが、この測定結果は、電子−光子結合を通して仲介される超伝導と一致している。上部臨界磁場HC2(T)、熱力学の臨界磁場、HC(T)および臨界電流(JC)等の計測結果は、MgB2が第2種超伝導材であり、臨界温度TCが約40Kの電子化合物超伝導体に一致する性質を持つことを示している。
【0003】
MgB2はマグネシウム蒸気が硼素の結晶粒(grains)中に拡散する工程を通して形成されると考えられる。超伝導性の導線、テープおよび膜は研究や実用目的で使うことができる。例えば、超伝導線は超伝導磁石、異常電流遮断器、そして送電用に利用できる。超伝導膜は、ジョセフソン接合素子、SQUIDS(超伝導量子干渉デバイス)、マイクロエレクトロニクスの配線接続、および他のデバイスに利用できる。超伝導膜はマイクロ波キャビティ(cavities)などの被覆にも使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、二硼化マグネシウムの線、テープ、および膜の製造方法を提供することである。本発明の更なる目的は、硼素繊維を用いた二硼化マグネシウム線、および硼素膜を用いた二硼化マグネシウム膜を製造する方法を提供することである。
【0005】
上記目的に鑑み、本発明の目的は、二硼化マグネシウムの線および膜を簡便で低コストな方法により製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態によれば、二硼化マグネシウムの線または膜を製造する方法は、硼素の繊維、テープ、または膜を所定の時間および温度でMg蒸気に曝してMgB2の線、テープ、または膜を形成し;形成されたMgB2の線、テープ、または膜をMg蒸気から取り出し;MgB2の線、テープ、または膜を周囲温度近くまで急冷するか、あるいは反応容器を周囲温度近くまで急冷して反応容器からMgB2の線、テープ、または膜を取り出す各ステップを含む。
【0007】
本発明の他の実施の形態によれば、二硼化マグネシウムの線、テープ、または膜を製造する方法は、a)少なくとも硼素の繊維、テープ、または膜の一つとマグネシウムとを、MgB2に対してマグネシウムを過剰にして、共にタンタル(Ta)あるいは同様に不活性なチューブ内に封入し;b)タンタルを酸化から防止し(例えば、水晶チューブ中にTaを封入し);c)Ta封入チューブを、直径100μmの硼素繊維に対して950℃で2時間以下(使用する硼素の厚さで加熱時間および温度が異なる)にわたって加熱し;d)Taチューブを室温まで急冷して、形成された二硼化マグネシウムの線、テープ、または膜をTaチューブから取り出す各ステップを含む。
【0008】
本発明の他の目的と利点は以下の詳細な説明および添付する図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み入れられて、その一部を成す図面は本発明のいくつかの局面を具体的に図示し、本説明とともに本発明の原理を解説するものである。図面において、
【0010】
【図1a】二硼化マグネシウム線を製造するため方法を図示するフロー図である。
【0011】
【図1b】二硼化マグネシウム線を製造するための別の方法を図示するフロー図である。
【0012】
【図2a】二硼化マグネシウム線の製造に使用される硼素繊維の断面図である。
【0013】
【図2b】本発明の教示に従って製造された二硼化マグネシウム線の断面図である。
【0014】
【図3】本発明の教示に従って製造された二硼化マグネシウム線の画像である。
【0015】
【図4】本発明の教示に従って製造されたゼロ磁場冷却二硼化マグネシウム線に対して、25Oeの磁場を印加することによりによって分けられた磁化のグラフである。
【0016】
【図5】二硼化マグネシウム線の電気抵抗と温度との関係を示すプロット図である。
【0017】
【図6】図5に示す超伝導転移温度近くの抵抗データの拡大グラフである。そして、
【0018】
【図7】図5に示す抵抗データと類似の抵抗データから推定されるHC2(T)のグラフである。そして、
【0019】
【図8】5Kから35Kまで、5K刻みの温度における印加磁場の関数として示した超伝導臨界電流密度のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は特定の好ましい実施の形態に関連して説明するが、それら実施に形態に限定されるものではない。本発明の意図するところは、請求項に記載された発明の精神および範囲に含まれる全ての代替、変更、および等価なものを含むということである。
【0021】
本発明を用いてMgB2線、テープ、および膜等の二硼化マグネシウム(MgB2)材を製造することができるが、MgB2線を用いて本発明を以下説明する。当該技術に精通する者は、MgB2線の製造に用いられる行程を使用して、類似の形態(morphology)(すなわち、構成(form))を持つ硼素をマグネシウム蒸気に曝すことによりMgB2へ変えて、MgB2の膜、テープ、あるいは他の構成(form)あるいは構造(structure)を製造できることを理解するであろう。例えば、キャビティまたは他のデバイス上の硼素コーテイングは、MgB2コーテイングに変えることができる。ここで図1aについて説明すると、二硼化マグネシウム(MgB2)線製造の工程が示されている。硼素繊維が、反応チャンバまたは反応容器に供給される(ステップ100)。硼素繊維は、連続的に、または指定長さに前もって切断されて反応容器へ供給される。硼素繊維は、所定の時間および温度で反応容器中においてマグネシウム蒸気に曝されてMgB2線を形成する(ステップ102)。蒸気圧は、この分野ではよく知られ確立している蒸気圧−温度曲線を利用して反応容器温度により決められる。最低曝露時間は、繊維径の増加と共に増加し、温度の上昇と共に減少する。例えば、直径100μmの硼素繊維は、950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に約2時間曝され、MgB2線を形成する。直径140μm、200μmあるいは300μmの繊維は、MgB2への転移(transformation)を完了するためには、2時間より長時間加熱しなければならない。直径140μmおよび200μmのフィラメントは、950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に約6時間にわたり曝されるとMgB2線になり、300μmのフィラメントは950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に15時間近く曝されてMgB2線になる。加熱ステップ中、硼素繊維とMg蒸気との間の反応の結果としてMgB2線が形成される。MgB2線が形成した後、MgB2線は反応容器から取り出される(ステップ104)。MgB2線は、周囲温度に急冷されるか、または所定の冷却勾配で冷却される。
【0022】
同じ工程は他の硼素材にも利用される。例えば、MgB2膜は、チタン酸ストロンチウムのようなMg蒸気に対して不活性な基板の上に硼素を被覆することで製作できる。MgB2膜はパルスレーザ被覆、または他の既知の被覆方法を利用して製作できる。硼素膜が基板に形成されると、硼素膜は反応容器中に配置するか、あるいは送り込まれ、所定の時間および温度でMg蒸気に曝される。例えば、厚さ1μmの硼素膜は950℃あるいはその近くの温度でマグネシウム蒸気に曝され、約0.5時間でMgB2膜が形成される。MgB2膜の形成後、MgB2膜は反応容器から取り出され、周囲温度まで急冷されるか、所定冷却勾配で冷却される。
【0023】
ここで図lbに移行して説明する。他の実施形態を用いた二硼化マグネシウム(MgB2)線の製造ステップが示されている。硼素繊維およびマグネシウムは、タンタル(Ta)あるいは、ニオブ、モリブデン、タングステン、そして可能性があるとすれば鉄や鋼等の不活性チューブ内に配置される(ステップ110)。Taチューブ中の硼化物に対するマグネシウムの公称比はMg2Bである。Mg2Bの公称比が使用されたが、当該技術に精通する者は、MgB2に対して過剰なマグネシウムが存在する(すなわち、Mg:B比が1:2より大きい)ということを条件にして別の比を使用してもよいことを理解するであろう。Taチューブは高温における酸化から保護するため石英または同等材料内に封入される(ステップ112)。当該技術に精通する者は、このような保護を提供する他の方法を利用できることを理解するであろう。封入されたTaチューブは、ほぼ2時間にわたり950℃の温度で箱形炉内に置かれる(ステップ114)。Taチューブは、その後取り出されて室温まで冷却される(ステップ116)。MgB2線は950℃に保持されている間に形成し、Taチューブが周囲室温近傍になったときMgB2線は取り出される(ステップ118)。
【0024】
以上、製作工程について説明したので、以下に、形成されたMgB2線の特性について説明する。ここで図2aおよび図2bについて説明すると、硼素繊維200およびMgB2線210が示されている。図2aには、硼素繊維200の横断面が示されている。硼素繊維の直径202は、100μmであり、約15μmのタングステン/硼化タングステンのコア204を有する。タングステン/硼化タングステンコア204は硼素繊維200の一部であり、硼素繊維200がマグネシウムに曝されることにより影響を受ける兆候はない。以下検討するように、タングステン/硼化タングステンのコア204は、生成したMgB2線の超伝導特性に影響を及ぼさないように思われる。直径100μmの繊維を用いたが、他の直径および硼素テープについても、マグネシウム蒸気への曝露温度ならびに時間を適切に変更することにより利用できる。図2bはステップ100〜104または110〜118を経て製造されるMgB2線210の横断面を示している。図2bにおいて、MgB2線210の直径212は、ほぼ160μmである。MgB2線210の直径増加は、合成の間にMgB2微粉の形成に伴う膨張があるとの観察と一致している。
【0025】
図3は、生成したMgB2線セグメント300の画像を示す。画像に見られるように、高温におけるマグネシウム蒸気との反応により、硼素繊維200が、著しく反ったり、曲がったりしている。MgB2線セグメント300は多少脆いが、繊維セグメントの完全性はマグネシウム蒸気に曝されても維持されている(すなわち、硼素繊維200は分解したり、微粉になったりしない)。MgB2線の機械的安定性を向上するため、スリーブに収納することができる。
【0026】
直径212が160μmであることに基いて、いくつかのMgB2線セグメント300の長さと質量の測定から、MgB2線の密度は約2.4g/cm3と決められた。この値と、六方晶で格子定数がa=3.14Å、c=3.52Åの単結晶サンプルの理論密度2.55g/cm3とが比較された。このことは、MgB2線セグメント300は多分理論上の密度のほぼ90%より高いことを意味している。小さなタングステン/硼化タングステンのコアによる、おおよそ10%の修正を考慮すれば誤差の範囲内である点に留意すべきである。
【0027】
ここで図4を説明すると、MgB2線の温度依存性磁化(magnetization)が示されている。MgB2線セグメント300がゼロ磁場中で冷却され、その後25Oe(エルステッド)の磁場で加温された後にデータをとった。MgB2線セグメントのアスペクト比を考慮し、磁化率は1/4πに非常に近い値が得られた。これは完全遮蔽であり、減磁係数がゼロに近い場合に期待されるものである。39.4Kの超伝導転移温度(T0)は、これらのデータから転移開始判定基準(1/4πの2%)により決定された。転移温度の幅(10%〜90%)は0.9Kである。
【0028】
ここで図5を説明すると、本発明の工程によるMgB2線セグメント300の温度依存性電気固有抵抗(electrical resistivity)が示されている。室温での固有抵抗(ρ)は、9.6μOhm−cmの値を有するのに、77Kでは、ρは0.6μOhm−cmの値を有する。そして、40Kでは、ρは0.38μ0hm−cmの値である。これは、残留抵抗比(residual resistivity ratio)RRRが25.3に等しいことになる。TCの直上温度での固有抵抗は、Nb3Snのような既存の超伝導材料の10から20分の1より低い。このことは、MgB2線は、Nb3Snのような材料に要求される、温度が使用材料の超伝導転移温度より高くなった場合に、MgB2線の抵抗を低く維持するために必要な、比較的導電率の高い(例えば、銅の)スリーブに収納する必要性が少ないことを意味している。固有抵抗のカーブとRRR値は、焼結(sintered)多結晶(polycrystalline)Mg10B2ペレットにて観察されるカーブ形状とRRR値に定性的に同じであることに留意する必要がある。焼結多結晶Mg10B2ペレット試料の固有抵抗は40Kで約1μOhm−cmである。この焼結多結晶Mg10B2ペレット試料のやや高めの計算固有抵抗値は、MgB2線あるいは理論値のいずれかよりも実質的に低密度である焼結ペレット試料多結晶と整合する。
【0029】
図5に示される温度依存性電気固有抵抗は、超伝導臨界温度TCと200K間でρ=ρ0+ρ1Tαの指数法則に従い、ここでαはほぼ2.6である。これは、焼結Mg10B2ペレット試料にて同様の温度範囲で見いだされた指数法則R=R1+R1Tα 1に相当し、ここでα1はほぼ2.8である。2つの指数法則の相似性により、当該技術に精通する者はMgB2の固有抵抗がTCと300Kの間で直線的傾きを有しないと理解するであろう。一方、νF=4.8・107cm/sの平均フェルミ速度と、6.7・1022el/cm3(単位セルあたり2個の自由電子)の担体密度を用いて、電子平均自由行程は、TCにおいてほぼ600Åであると推定される。これは明らかに電子自由工程の近似値である。しかし、推定される超伝導コヒーレンス長はほぼ50Åで、これらの値から、MgB2線セグメント300は、十分クリーンリミット内であり、当該技術に精通する者は、高試料品質であることを示していることを理解できよう。このことは、上部臨界磁場や臨界電流などの超伝導特性は不純物を適切に添加することにより改善されることを示している。
【0030】
図4および図5に示される磁化および固有抵抗値データから超伝導転移温度TC=39.4Kが得られる。この値は、同位体的に純粋なMg11B2から得られるTC=39.2よりわずかに高いが、Mg10B2のTC=42.2Kよりかなり低い。この値は11Bの天然存在度が80%であることと整合性がある。MgB2線セグメント300では超伝導転移が比較的高温でかつシャープであることに注目する必要がある。このことは、MgB2線セグメント300には殆ど不純物が持ち込まれなかったか、あるいは持ち込まれたどのような不純物も固有抵抗あるいはTC には殆ど影響しないことを意味する。図6は、図5の超伝導転移温度TC近傍の温度依存性固有抵抗データの拡大図である。
【0031】
上部臨界磁場HC2(T)の温度依存性は、図7において、具体的に示されている。各磁場で、3つのデータポイントが表されている。3つのデータポイントは、転移開始温度、dρ/dTが最大になる温度、および転移完了温度である。定性的には、これらのデータは、焼結Mg10B2ペレットの測定から推定したHC2(T)データと同様である。定性的には、9TのHで、MgB2線セグメント300の抵抗性転移(resistive transition)幅は、焼結Mg10B2ペレット試料で見いだされた幅の略半分である。これらのデータは、MgB2線材の試料が焼結ペレット試料とほぼ同等あるいはより良い品質であることと整合している。
【0032】
ここで図8を説明すると、臨界電流JCのデータが示されている。一般的に符号400で表される白抜きの印は、加熱温度と印加磁場でMgB2線セグメント300の電流依存電圧を直接測定した結果から得たJCを示す。一般的に符号402で表される黒塗の印は、Beanモデルを利用して磁化ループから推定されるJC値である。温度は5K刻みで5Kから35Kまで増加する。5Kの測定値と外挿線は一般的に線404で示され、10Kの測定値と外挿線は一般的に線406で、15Kの測定値と外挿線は一般的に線408で、20Kの測定値と外挿線は一般的に線410で、25Kの測定値と外挿線は一般的に線412で、30Kの測定値と外挿線は一般的に線414で、35Kの測定結果および外挿線は一般的に線416で示されている。点線は同じ温度のデータ群を結んでいる。JCの直接測定は、MgB2線セグメント300に取り付けられたリードと接触抵抗からの抵抗性発熱のためにほぼ200A/cm2より低い値に限られる。低JCの直接測定結果の外挿結果と、高JCのビーンモデルから推定されるデータはよくマッチしている。焼結Mg10B2ペレットのJCデータと比較して、MgB2線セグメント300のJCは、低磁場・低温度ではおよそ2倍であり、高磁場では一桁以上高い値を示す。
【0033】
硼素の繊維、テープまたは膜をマグネシウム蒸気に曝して低固有抵抗、高密度、高TCのMgB2線、テープ、または膜を製造する簡便な方法を提供する。製造されたMgB2線はMgB2の理論密度の約90%を有し、温度依存性固有抵抗の測定結果からMgB2は標準状態においても高い導電性を有することを示している。40Kの温度では固有抵抗は0.38μOhm−cmであるのに対し、室温での固有抵抗は9.6μOhm−cmの値である。このことは、標準状態においてさえも、MgB2線はかなりの電流密度を流すことができることを示す。これは、Nb3Snの抵抗と比較してみるべきであり、Nb3Snは温度20Kで11μOhm−cm、300Kの温度で80μOhm−cmの固有抵抗値を示す。
【0034】
MgB2線は、研究開発や実用目的で利用できる。例としては超伝導磁石、電力送電線、異常電流遮断器および超小形電子回路(例えば、QUIDSまたは内部接続)を含むが、これらに限定されるものではない。硼素繊維およびテープは様々なサイズと、任意の長さで製造され、そして用途が異なれば異なるサイズのMgB2線またはテープが必要となる。硼素繊維またはテープをMgB2線やテープに連続的工程の一部として変換することは、標準状態の著しく小さい固有抵抗を有する軽量で、高TC2のMgB2線あるいはテープを簡便に製造できる可能性を秘めている。加えて、MgB2線あるいはテープを生成する工程は、キャビィテイや他のデバイス上への硼素コーテイング膜を、高品質な超伝導膜に変えるのに利用できる。
【0035】
本発明の多様な実施の形態の上記説明は、図示ならびに説明のためのものである。開示されたこれら精細な実施の形態は網羅的なものではなく、本発明をそれらに限定するものでもない。多くの変更または改変は、上記教示を考慮すれば可能である。検討を加えた実施の形態は、当該技術に通常に精通する者が発明を種々の実施形態で、また特定の用途に適するように変更して利用できるように、本発明の原理と実用的な応用を最適に説明するものが選択されて説明が加えられている。それらが公平に、合法的に、そして、公正に権利を与えられる範囲内であると解釈される場合は、全てのそのような変更と改変は添付した請求項により規定される発明の範囲内である。
【0001】
本発明は一般的には超伝導に関し、より詳細には二硼化マグネシウム超伝導材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導転移温度(TC)が略39ケルビン温度(39K)である二硼化マグネシウム(MgB2)の超伝導性が最近になって発見されたことにより、化学式単位当り3原子を含む新規で単純な2成分電子化合物超伝導体(binary intermatallic superconductor)がもたらされた。MgB2のTCは、これまで知られている二種類の非酸化物および非C60ベースの化合物のほとんどどれよりも高い。MgB2の硼素同位元素効果の測定結果は、フォノンが超伝導性を仲介する範囲を示すものであるが、この測定結果は、電子−光子結合を通して仲介される超伝導と一致している。上部臨界磁場HC2(T)、熱力学の臨界磁場、HC(T)および臨界電流(JC)等の計測結果は、MgB2が第2種超伝導材であり、臨界温度TCが約40Kの電子化合物超伝導体に一致する性質を持つことを示している。
【0003】
MgB2はマグネシウム蒸気が硼素の結晶粒(grains)中に拡散する工程を通して形成されると考えられる。超伝導性の導線、テープおよび膜は研究や実用目的で使うことができる。例えば、超伝導線は超伝導磁石、異常電流遮断器、そして送電用に利用できる。超伝導膜は、ジョセフソン接合素子、SQUIDS(超伝導量子干渉デバイス)、マイクロエレクトロニクスの配線接続、および他のデバイスに利用できる。超伝導膜はマイクロ波キャビティ(cavities)などの被覆にも使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、二硼化マグネシウムの線、テープ、および膜の製造方法を提供することである。本発明の更なる目的は、硼素繊維を用いた二硼化マグネシウム線、および硼素膜を用いた二硼化マグネシウム膜を製造する方法を提供することである。
【0005】
上記目的に鑑み、本発明の目的は、二硼化マグネシウムの線および膜を簡便で低コストな方法により製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態によれば、二硼化マグネシウムの線または膜を製造する方法は、硼素の繊維、テープ、または膜を所定の時間および温度でMg蒸気に曝してMgB2の線、テープ、または膜を形成し;形成されたMgB2の線、テープ、または膜をMg蒸気から取り出し;MgB2の線、テープ、または膜を周囲温度近くまで急冷するか、あるいは反応容器を周囲温度近くまで急冷して反応容器からMgB2の線、テープ、または膜を取り出す各ステップを含む。
【0007】
本発明の他の実施の形態によれば、二硼化マグネシウムの線、テープ、または膜を製造する方法は、a)少なくとも硼素の繊維、テープ、または膜の一つとマグネシウムとを、MgB2に対してマグネシウムを過剰にして、共にタンタル(Ta)あるいは同様に不活性なチューブ内に封入し;b)タンタルを酸化から防止し(例えば、水晶チューブ中にTaを封入し);c)Ta封入チューブを、直径100μmの硼素繊維に対して950℃で2時間以下(使用する硼素の厚さで加熱時間および温度が異なる)にわたって加熱し;d)Taチューブを室温まで急冷して、形成された二硼化マグネシウムの線、テープ、または膜をTaチューブから取り出す各ステップを含む。
【0008】
本発明の他の目的と利点は以下の詳細な説明および添付する図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み入れられて、その一部を成す図面は本発明のいくつかの局面を具体的に図示し、本説明とともに本発明の原理を解説するものである。図面において、
【0010】
【図1a】二硼化マグネシウム線を製造するため方法を図示するフロー図である。
【0011】
【図1b】二硼化マグネシウム線を製造するための別の方法を図示するフロー図である。
【0012】
【図2a】二硼化マグネシウム線の製造に使用される硼素繊維の断面図である。
【0013】
【図2b】本発明の教示に従って製造された二硼化マグネシウム線の断面図である。
【0014】
【図3】本発明の教示に従って製造された二硼化マグネシウム線の画像である。
【0015】
【図4】本発明の教示に従って製造されたゼロ磁場冷却二硼化マグネシウム線に対して、25Oeの磁場を印加することによりによって分けられた磁化のグラフである。
【0016】
【図5】二硼化マグネシウム線の電気抵抗と温度との関係を示すプロット図である。
【0017】
【図6】図5に示す超伝導転移温度近くの抵抗データの拡大グラフである。そして、
【0018】
【図7】図5に示す抵抗データと類似の抵抗データから推定されるHC2(T)のグラフである。そして、
【0019】
【図8】5Kから35Kまで、5K刻みの温度における印加磁場の関数として示した超伝導臨界電流密度のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は特定の好ましい実施の形態に関連して説明するが、それら実施に形態に限定されるものではない。本発明の意図するところは、請求項に記載された発明の精神および範囲に含まれる全ての代替、変更、および等価なものを含むということである。
【0021】
本発明を用いてMgB2線、テープ、および膜等の二硼化マグネシウム(MgB2)材を製造することができるが、MgB2線を用いて本発明を以下説明する。当該技術に精通する者は、MgB2線の製造に用いられる行程を使用して、類似の形態(morphology)(すなわち、構成(form))を持つ硼素をマグネシウム蒸気に曝すことによりMgB2へ変えて、MgB2の膜、テープ、あるいは他の構成(form)あるいは構造(structure)を製造できることを理解するであろう。例えば、キャビティまたは他のデバイス上の硼素コーテイングは、MgB2コーテイングに変えることができる。ここで図1aについて説明すると、二硼化マグネシウム(MgB2)線製造の工程が示されている。硼素繊維が、反応チャンバまたは反応容器に供給される(ステップ100)。硼素繊維は、連続的に、または指定長さに前もって切断されて反応容器へ供給される。硼素繊維は、所定の時間および温度で反応容器中においてマグネシウム蒸気に曝されてMgB2線を形成する(ステップ102)。蒸気圧は、この分野ではよく知られ確立している蒸気圧−温度曲線を利用して反応容器温度により決められる。最低曝露時間は、繊維径の増加と共に増加し、温度の上昇と共に減少する。例えば、直径100μmの硼素繊維は、950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に約2時間曝され、MgB2線を形成する。直径140μm、200μmあるいは300μmの繊維は、MgB2への転移(transformation)を完了するためには、2時間より長時間加熱しなければならない。直径140μmおよび200μmのフィラメントは、950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に約6時間にわたり曝されるとMgB2線になり、300μmのフィラメントは950℃あるいはその温度近くでマグネシウム蒸気に15時間近く曝されてMgB2線になる。加熱ステップ中、硼素繊維とMg蒸気との間の反応の結果としてMgB2線が形成される。MgB2線が形成した後、MgB2線は反応容器から取り出される(ステップ104)。MgB2線は、周囲温度に急冷されるか、または所定の冷却勾配で冷却される。
【0022】
同じ工程は他の硼素材にも利用される。例えば、MgB2膜は、チタン酸ストロンチウムのようなMg蒸気に対して不活性な基板の上に硼素を被覆することで製作できる。MgB2膜はパルスレーザ被覆、または他の既知の被覆方法を利用して製作できる。硼素膜が基板に形成されると、硼素膜は反応容器中に配置するか、あるいは送り込まれ、所定の時間および温度でMg蒸気に曝される。例えば、厚さ1μmの硼素膜は950℃あるいはその近くの温度でマグネシウム蒸気に曝され、約0.5時間でMgB2膜が形成される。MgB2膜の形成後、MgB2膜は反応容器から取り出され、周囲温度まで急冷されるか、所定冷却勾配で冷却される。
【0023】
ここで図lbに移行して説明する。他の実施形態を用いた二硼化マグネシウム(MgB2)線の製造ステップが示されている。硼素繊維およびマグネシウムは、タンタル(Ta)あるいは、ニオブ、モリブデン、タングステン、そして可能性があるとすれば鉄や鋼等の不活性チューブ内に配置される(ステップ110)。Taチューブ中の硼化物に対するマグネシウムの公称比はMg2Bである。Mg2Bの公称比が使用されたが、当該技術に精通する者は、MgB2に対して過剰なマグネシウムが存在する(すなわち、Mg:B比が1:2より大きい)ということを条件にして別の比を使用してもよいことを理解するであろう。Taチューブは高温における酸化から保護するため石英または同等材料内に封入される(ステップ112)。当該技術に精通する者は、このような保護を提供する他の方法を利用できることを理解するであろう。封入されたTaチューブは、ほぼ2時間にわたり950℃の温度で箱形炉内に置かれる(ステップ114)。Taチューブは、その後取り出されて室温まで冷却される(ステップ116)。MgB2線は950℃に保持されている間に形成し、Taチューブが周囲室温近傍になったときMgB2線は取り出される(ステップ118)。
【0024】
以上、製作工程について説明したので、以下に、形成されたMgB2線の特性について説明する。ここで図2aおよび図2bについて説明すると、硼素繊維200およびMgB2線210が示されている。図2aには、硼素繊維200の横断面が示されている。硼素繊維の直径202は、100μmであり、約15μmのタングステン/硼化タングステンのコア204を有する。タングステン/硼化タングステンコア204は硼素繊維200の一部であり、硼素繊維200がマグネシウムに曝されることにより影響を受ける兆候はない。以下検討するように、タングステン/硼化タングステンのコア204は、生成したMgB2線の超伝導特性に影響を及ぼさないように思われる。直径100μmの繊維を用いたが、他の直径および硼素テープについても、マグネシウム蒸気への曝露温度ならびに時間を適切に変更することにより利用できる。図2bはステップ100〜104または110〜118を経て製造されるMgB2線210の横断面を示している。図2bにおいて、MgB2線210の直径212は、ほぼ160μmである。MgB2線210の直径増加は、合成の間にMgB2微粉の形成に伴う膨張があるとの観察と一致している。
【0025】
図3は、生成したMgB2線セグメント300の画像を示す。画像に見られるように、高温におけるマグネシウム蒸気との反応により、硼素繊維200が、著しく反ったり、曲がったりしている。MgB2線セグメント300は多少脆いが、繊維セグメントの完全性はマグネシウム蒸気に曝されても維持されている(すなわち、硼素繊維200は分解したり、微粉になったりしない)。MgB2線の機械的安定性を向上するため、スリーブに収納することができる。
【0026】
直径212が160μmであることに基いて、いくつかのMgB2線セグメント300の長さと質量の測定から、MgB2線の密度は約2.4g/cm3と決められた。この値と、六方晶で格子定数がa=3.14Å、c=3.52Åの単結晶サンプルの理論密度2.55g/cm3とが比較された。このことは、MgB2線セグメント300は多分理論上の密度のほぼ90%より高いことを意味している。小さなタングステン/硼化タングステンのコアによる、おおよそ10%の修正を考慮すれば誤差の範囲内である点に留意すべきである。
【0027】
ここで図4を説明すると、MgB2線の温度依存性磁化(magnetization)が示されている。MgB2線セグメント300がゼロ磁場中で冷却され、その後25Oe(エルステッド)の磁場で加温された後にデータをとった。MgB2線セグメントのアスペクト比を考慮し、磁化率は1/4πに非常に近い値が得られた。これは完全遮蔽であり、減磁係数がゼロに近い場合に期待されるものである。39.4Kの超伝導転移温度(T0)は、これらのデータから転移開始判定基準(1/4πの2%)により決定された。転移温度の幅(10%〜90%)は0.9Kである。
【0028】
ここで図5を説明すると、本発明の工程によるMgB2線セグメント300の温度依存性電気固有抵抗(electrical resistivity)が示されている。室温での固有抵抗(ρ)は、9.6μOhm−cmの値を有するのに、77Kでは、ρは0.6μOhm−cmの値を有する。そして、40Kでは、ρは0.38μ0hm−cmの値である。これは、残留抵抗比(residual resistivity ratio)RRRが25.3に等しいことになる。TCの直上温度での固有抵抗は、Nb3Snのような既存の超伝導材料の10から20分の1より低い。このことは、MgB2線は、Nb3Snのような材料に要求される、温度が使用材料の超伝導転移温度より高くなった場合に、MgB2線の抵抗を低く維持するために必要な、比較的導電率の高い(例えば、銅の)スリーブに収納する必要性が少ないことを意味している。固有抵抗のカーブとRRR値は、焼結(sintered)多結晶(polycrystalline)Mg10B2ペレットにて観察されるカーブ形状とRRR値に定性的に同じであることに留意する必要がある。焼結多結晶Mg10B2ペレット試料の固有抵抗は40Kで約1μOhm−cmである。この焼結多結晶Mg10B2ペレット試料のやや高めの計算固有抵抗値は、MgB2線あるいは理論値のいずれかよりも実質的に低密度である焼結ペレット試料多結晶と整合する。
【0029】
図5に示される温度依存性電気固有抵抗は、超伝導臨界温度TCと200K間でρ=ρ0+ρ1Tαの指数法則に従い、ここでαはほぼ2.6である。これは、焼結Mg10B2ペレット試料にて同様の温度範囲で見いだされた指数法則R=R1+R1Tα 1に相当し、ここでα1はほぼ2.8である。2つの指数法則の相似性により、当該技術に精通する者はMgB2の固有抵抗がTCと300Kの間で直線的傾きを有しないと理解するであろう。一方、νF=4.8・107cm/sの平均フェルミ速度と、6.7・1022el/cm3(単位セルあたり2個の自由電子)の担体密度を用いて、電子平均自由行程は、TCにおいてほぼ600Åであると推定される。これは明らかに電子自由工程の近似値である。しかし、推定される超伝導コヒーレンス長はほぼ50Åで、これらの値から、MgB2線セグメント300は、十分クリーンリミット内であり、当該技術に精通する者は、高試料品質であることを示していることを理解できよう。このことは、上部臨界磁場や臨界電流などの超伝導特性は不純物を適切に添加することにより改善されることを示している。
【0030】
図4および図5に示される磁化および固有抵抗値データから超伝導転移温度TC=39.4Kが得られる。この値は、同位体的に純粋なMg11B2から得られるTC=39.2よりわずかに高いが、Mg10B2のTC=42.2Kよりかなり低い。この値は11Bの天然存在度が80%であることと整合性がある。MgB2線セグメント300では超伝導転移が比較的高温でかつシャープであることに注目する必要がある。このことは、MgB2線セグメント300には殆ど不純物が持ち込まれなかったか、あるいは持ち込まれたどのような不純物も固有抵抗あるいはTC には殆ど影響しないことを意味する。図6は、図5の超伝導転移温度TC近傍の温度依存性固有抵抗データの拡大図である。
【0031】
上部臨界磁場HC2(T)の温度依存性は、図7において、具体的に示されている。各磁場で、3つのデータポイントが表されている。3つのデータポイントは、転移開始温度、dρ/dTが最大になる温度、および転移完了温度である。定性的には、これらのデータは、焼結Mg10B2ペレットの測定から推定したHC2(T)データと同様である。定性的には、9TのHで、MgB2線セグメント300の抵抗性転移(resistive transition)幅は、焼結Mg10B2ペレット試料で見いだされた幅の略半分である。これらのデータは、MgB2線材の試料が焼結ペレット試料とほぼ同等あるいはより良い品質であることと整合している。
【0032】
ここで図8を説明すると、臨界電流JCのデータが示されている。一般的に符号400で表される白抜きの印は、加熱温度と印加磁場でMgB2線セグメント300の電流依存電圧を直接測定した結果から得たJCを示す。一般的に符号402で表される黒塗の印は、Beanモデルを利用して磁化ループから推定されるJC値である。温度は5K刻みで5Kから35Kまで増加する。5Kの測定値と外挿線は一般的に線404で示され、10Kの測定値と外挿線は一般的に線406で、15Kの測定値と外挿線は一般的に線408で、20Kの測定値と外挿線は一般的に線410で、25Kの測定値と外挿線は一般的に線412で、30Kの測定値と外挿線は一般的に線414で、35Kの測定結果および外挿線は一般的に線416で示されている。点線は同じ温度のデータ群を結んでいる。JCの直接測定は、MgB2線セグメント300に取り付けられたリードと接触抵抗からの抵抗性発熱のためにほぼ200A/cm2より低い値に限られる。低JCの直接測定結果の外挿結果と、高JCのビーンモデルから推定されるデータはよくマッチしている。焼結Mg10B2ペレットのJCデータと比較して、MgB2線セグメント300のJCは、低磁場・低温度ではおよそ2倍であり、高磁場では一桁以上高い値を示す。
【0033】
硼素の繊維、テープまたは膜をマグネシウム蒸気に曝して低固有抵抗、高密度、高TCのMgB2線、テープ、または膜を製造する簡便な方法を提供する。製造されたMgB2線はMgB2の理論密度の約90%を有し、温度依存性固有抵抗の測定結果からMgB2は標準状態においても高い導電性を有することを示している。40Kの温度では固有抵抗は0.38μOhm−cmであるのに対し、室温での固有抵抗は9.6μOhm−cmの値である。このことは、標準状態においてさえも、MgB2線はかなりの電流密度を流すことができることを示す。これは、Nb3Snの抵抗と比較してみるべきであり、Nb3Snは温度20Kで11μOhm−cm、300Kの温度で80μOhm−cmの固有抵抗値を示す。
【0034】
MgB2線は、研究開発や実用目的で利用できる。例としては超伝導磁石、電力送電線、異常電流遮断器および超小形電子回路(例えば、QUIDSまたは内部接続)を含むが、これらに限定されるものではない。硼素繊維およびテープは様々なサイズと、任意の長さで製造され、そして用途が異なれば異なるサイズのMgB2線またはテープが必要となる。硼素繊維またはテープをMgB2線やテープに連続的工程の一部として変換することは、標準状態の著しく小さい固有抵抗を有する軽量で、高TC2のMgB2線あるいはテープを簡便に製造できる可能性を秘めている。加えて、MgB2線あるいはテープを生成する工程は、キャビィテイや他のデバイス上への硼素コーテイング膜を、高品質な超伝導膜に変えるのに利用できる。
【0035】
本発明の多様な実施の形態の上記説明は、図示ならびに説明のためのものである。開示されたこれら精細な実施の形態は網羅的なものではなく、本発明をそれらに限定するものでもない。多くの変更または改変は、上記教示を考慮すれば可能である。検討を加えた実施の形態は、当該技術に通常に精通する者が発明を種々の実施形態で、また特定の用途に適するように変更して利用できるように、本発明の原理と実用的な応用を最適に説明するものが選択されて説明が加えられている。それらが公平に、合法的に、そして、公正に権利を与えられる範囲内であると解釈される場合は、全てのそのような変更と改変は添付した請求項により規定される発明の範囲内である。
Claims (25)
- 二硼化マグネシウム材を製造する方法であって;
所定の時間および温度で硼素材をマグネシウム蒸気と反応させて前記二硼化マグネシウム材を形成するステップを備える;
方法。 - 前記マグネシウム蒸気が反応容器内に封止されており;
前記硼素材を前記反応容器内に供給するステップと:
前記形成された二硼化マグネシウム材を前記反応容器から取り出すステップと;そして
前記二硼化マグネシウム材を所定の速度で冷却するステップとを備える;
請求項1に記載の方法。 - 前記硼素材が硼素膜であり;さらに、
前記マグネシウム蒸気に対して不活性な基板の上に前記硼素膜をデポジットするステップを備える;
請求項1に記載の方法。 - 前記硼素材が硼素繊維であり;
前記所定の時間および温度で前記硼素材を前記マグネシウム蒸気と反応させるステップが、所定の時間および温度で前記硼素繊維を反応させるステップを備える;
請求項1に記載の方法。 - 前記硼素繊維の直径が約100μm未満であり;
前記所定の時間および温度で前記硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度にて約2時間の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項4に記載の方法。 - 前記硼素繊維の直径が約140μmと200μmの間であり;
前記所定の時間および温度で前記硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度にて約6時間未満の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項4に記載の方法。 - 前記硼素繊維の直径が約300μmであり;
前記所定の時間および温度で硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度にて約15時間未満の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項4に記載の方法。 - さらに前記二硼化マグネシウム線を導電性スリーブに収納するステップを備える;
請求項5に記載の方法。 - 二硼化マグネシウム材を製造する方法であり;
反応容器内にマグネシウム蒸気を収容する前記反応容器へ硼素材を供給するステップと;
所定の時間および所定の温度で前記硼素材を前記マグネシウム蒸気と反応させるステップと;
前記形成された二硼化マグネシウム材を前記反応容器から取り出すステップと;そして
前記二硼化マグネシウム材を所定の速度で冷却するステップを備える;
方法。 - 前記硼素材が硼素膜であり;さらに、
前記マグネシウム蒸気に対し不活性な基板の上に前記硼素膜をデポジットするステップを備える;
請求項9に記載の方法。 - 前記硼素膜の厚さが約1μmである方法であって;
前記所定の時間および所定の温度で前記硼素材を前記マグネシウム蒸気と反応させるステップが、前記硼素膜を約950℃の温度にて約1.5時間の時間にわたり反応させるステップを備える;
請求項10に記載の方法。 - 前記硼素材が硼素繊維である方法であって;、
前記所定の時間および温度で前記硼素材を前記マグネシウム蒸気と反応させるステップが、前記硼素繊維を所定の時間および温度で反応させるステップを備える;
請求項9記載の方法。 - 前記硼素繊維の直径が約100μm未満である方法であって;
前記所定の時間および温度で硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度で約2時間の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項12に記載の方法。 - 前記硼素繊維の直径が140μmと200μmの間である方法であって;
前記所定の時間および温度で硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度で約6時間未満の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項12の方法。 - 前記硼素繊維の直径が約300μm未満である方法であって;
前記所定の時間および温度で前記硼素繊維を反応させるステップが、前記硼素繊維を約950℃の温度で約15時間未満の時間にわたり反応させて二硼化マグネシウム線を形成するステップを備える;
請求項12に記載の方法。 - 硼素繊維を反応容器中で所定の時間および温度でマグネシウム蒸気に曝すステップにより形成される;
二硼化マグネシウム線。 - マグネシウムの硼素に対する割合が1:2を上回る;
請求項16に記載の二硼化マグネシウム線。 - 前記硼素繊維が、マグネシウム蒸気に対して不活性なコア材料を備えるコアを有する;
請求項16に記載の二硼化マグネシウム線。 - 前記コア材料がタングステン/ホウ化タングステンである;
請求項16に記載の二硼化マグネシウム線。 - 前記形成された二硼化マグネシウム線を収納する導電性スリーブを更に備える;
請求項16における二硼化マグネシウム線。 - 二硼化マグネシウム材を製造する方法であって;
硼素材およびマグネシウムを不活性チュ−ブに入れるステップと;
前記不活性チューブを所定の時間に所定の温度まで加熱して前記二硼化マグネシウム材を形成するステップと;
前記二硼化マグネシウム材を所定の速度で冷却するステップと;そして
前記形成された二硼化マグネシウム材を前記不活性チューブから取り出すステップを備える;
方法。 - 前記二硼化マグネシウム材が、線、テープ、そしてフィルムのいずれか一つであり;
前記不活性チューブを所定の時間に所定の温度まで加熱して前記二硼化マグネシウム材を形成するステップが、前記不活性チューブを所定の時間に約950℃まで加熱して前記二硼化マグネシウム材を形成するステップを備える;
請求項21に記載の方法。 - 前記線、テープおよび膜のいずれか一つが直径あるいは厚さを持ち;
前記不活性チューブを所定の時間に約950℃まで加熱して前記二硼化マグネシウム材を形成するステップが、直径または厚さが1μmの場合は約1.5時間、直径または厚さが100μmの場合は約2時間、直径または厚さが140μmから200μmの場合は約6時間未満、そして直径または厚さが300μmの場合は15時間未満、約950℃まで加熱して前記二硼化マグネシウム材を形成するステップを備える;
請求項22に記載の方法。 - 二硼化マグネシウム膜であって;
硼素膜とマグネシウムを不活性チューブ中に入れるステップと;
前記不活性チューブを所定の時間で所定の温度まで加熱して前記二硼化マグネシウム膜を形成するステップと;
前記二硼化マグネシウム膜を所定の速度で冷却するステップと;そして
前記不活性チューブから前記形成された二硼化マグネシウム膜を取り出すステップとにより形成される;
二硼化マグネシウム膜。 - 前記硼素膜が前記マグネシウムに対して不活性である基板の上にデポジットされる;
請求項24記載の二硼化マグネシウム膜。
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